JP2003001584A - シールリングの合口加工方法とそのための加工刃 - Google Patents
シールリングの合口加工方法とそのための加工刃Info
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Abstract
ット形状やトリプルステップ形状の合口は、曲率R(リ
ング本体の曲率)の歯面と刃先の加工刃をリング本体に
押し込むが、この加工刃の製作が難しく、コスト高とな
っている。 【解決手段】 リング本体(20)の合口形成部
を対の治具(21,22)の対向する平面で挟持し、合
口形成部を直線状とする。この直線状の合口形成部に段
付部(26)を有する直線状の刃先(25,27)を押
し込む。次いで、第2の加工刃(30)を押し込み、合
口(2)を加工した後、治具(21,22)を取り除
き、リング本体(20)の自己張力により直線部を原形
の円弧部とさせる。
Description
ルリングの合口加工方法とそのための加工刃に関し、特
に詳述すれば、向かい合う面が平坦な面の対の治具と直
線状の刃先を持つ加工刃を用いた合口加工方法とそのた
めの加工刃に関する。
コンバータ、油圧伝動装置、自動変速機等に代表される
流体伝動装置には多くの合成樹脂製のシールリングが用
いられており、代表的な材料例はPTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)に無機物充填材(固体潤滑剤やガラ
ス繊維等)を混合したものである。これらのシールリン
グ合口には、ストレート形状、斜め形状、ダブルアング
ル形状やトリプルステップ形状等の合口があり、シール
部の流体の漏れ許容量に応じて合口形状が選定されてい
る。
向にあり、ストレート形状、斜め形状の合口を持ったリ
ングでは近年要求される漏れ許容量を満足させることが
できなくなっている。このため、ダブルアングル形状や
トリプルステップ形状の合口のシールリングは漏れ許容
量を満足させるので多用されている。
エチレン)を主成分とした合成樹脂製にして、ダブルア
ングル形状やトリプルステップ形状の合口を有するシー
ルリングは、中空筒状に加圧成形された素材を径方向に
スライスすることによって、円環状シールリング本体を
作り、その後、加工刃によって該円環状シールリング本
体を加工して合口を作り、シールリングとするのが一般
的な製造方法である。そのため、この種の形状の合口を
形成するには、円環状のシールリング本体を、刃先と刃
面にシールリングと同じ曲率Rをつけた加工刃を少なく
とも用いて、シールリング側面およびシールリング外周
側より加工して形成している。
ールリング1の例を示す。図7はダブルカット形状の合
口の構成を明確にさせるため合口2を離間した形で図示
してある。合口2を構成する向かい合う端面の一方に
は、その外周面の一隅より断面方形の突部3が形成され
る。他方の端面には、段部4と突部3を着座させる受け
部5が形成されている。このようなダブルカット形状の
合口2を有するシールリング1は、図12に示すように
突部3を受け部5に着座させた形で使用される。
は、図10に示すように、円環状のシールリング本体6
の側面に第1の加工刃7を押し込むことで作る工程を含
むが、第1の加工刃7は、本体6の曲率と同じ曲率Rの
段付き横刃先8と、この刃先8とほぼ直交する縦刃先9
とからなる。この第1の加工刃7を本体6の側面より本
体6へ押し込むことにより、図7の太線で囲まれた部分
に刃が入ることになる。
完了後、これを外し、次に図11に示すように第2の加
工刃10を外周側より押し込む。第2の加工刃10は、
横刃先11の両側部に逆向きに直交する対の縦刃先1
2,12を有する略Z状のものである。第2の加工刃1
0は、図7の中太線部に切り込まれる。第2の加工刃1
0の本体6への押し込みにより、図7に示すダブルカッ
ト形状の合口形状が作られる。
率Rを持たせた形状の加工刃は、製造が難しいばかりで
はなく、シールリングの曲率に合わせた数多くの加工刃
を用意しなければならないという問題がある。本発明は
上記の問題点に鑑みなされたものであって、複雑なR形
状の加工刃を用いず、かつ合口部加工面のオイルシール
性を悪化させることのない合口を形成する加工方法とそ
のための加工刃を提供することを目的とする。
ールリングの合口加工方法は、円環状のシールリング本
体の合口形成箇所をシールリング本体の内外周面より対
の治具にて挟持して直線状とした後、真直な刃面、即ち
刃先の加工刃で合口を加工し、治具を除去することでシ
ールリングの自己張力により合口に曲率Rを持たせる事
を特徴とするものである。
付きの直線状の第1の刃と、その一端から直線状に延在
する第2の刃からなる第1の加工刃を有す。
の合口加工方法であって、円環状のシールリング本体の
合口加工箇所をシールリング本体の内外周面より向かい
合う面が平坦面の対の治具により挟持し、挟持されたシ
ールリング本体の部分を直線状とした後、シールリング
側面と外周面より加工刃を入れ合口を作ることを特徴と
する合成樹脂製シールリングの合口加工方法が提供され
る。
が段付部を有する直線状の第1の刃と該第1の刃の端部
に対し直交するよう延在する直線状の第2の刃からなる
第1の加工刃と;刃先が直線状の第1の刃と、該第1の
刃の両側より互いに逆方向に第1の刃に対して直交する
よう延在する対の第2の加工刃とよりなり、第1の加工
刃がシールリング本体の一方の側面より該シールリング
本体に押し込まれ、第2の加工刃がシールリング本体の
外周面側から該シールリング本体内に押し込まれる請求
項1に記載の合口加工方法に用いられる合口加工用加工
刃が提供される。
TFE)からなる円環状シールリング本体20の合口形
成部に、図1に示す如く、対の治具21,22をリング
本体20を間にして対向させる。治具21,22の向か
い合う面は平坦面であり、第1の治具21には、後述す
る第2の加工刃が挿入されるスリット23が形成されて
いる。対の治具21,22により曲率Rのリング本体2
0の合口形成部を挟持する。これにより合口形成部は直
線となる。直線状となった合口形成部の側面から第1の
加工刃24を押し込む(図2参照)。
先が段付部26を有する直線状の第1の刃25と、第1
の刃25の一端から第1の刃25と直交する形で延在す
る第2の刃27とからなる。第1の加工刃24のリング
本体20の側面への押し込みにより、内周面に開口しか
つ軸線方向に延在する切り込み28と一方の側面に開口
する切り込み29が形成される。第1の加工刃24によ
る作業が完了した後、第1の加工刃24をリング本体2
0より外し、第2の加工刃30をリング本体20の外周
面側に待機させる。
明した第2の加工刃と同構成のものでよく、刃先が直線
状の第1の刃31と、第1の刃31の両端より互いに逆
向きに延在する第2の刃32,32とからなる。この第
2の加工刃30を第1の治具21のスリット23内に挿
入しながら、リング本体20の外周面に押し込む。この
押し込みにより図7に示す如き、ダブルカット形状の合
口が形成される。第2の加工刃30をリング本体20よ
り離しかつ治具21,22をリング本体20から取り除
く。リング本体20の合口形成部はリング本体20の自
己張力により原形の曲率Rの円弧部となる。
材入りのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のリ
ング本体であり、サイズは3.4mm×3.0mm、R80
である。このリング本体の合口形成部を圧力0.8MPa
で真直に対の治具により固定し、図1乃至4に示すよう
な方法で加工した。加工速度は1000mm/minである。
加工後の形状は図12に示される合口形状となった。
あるが、治具を用いない方法(リング本体を曲率Rとし
たまま)で形成した合口を有するシールリングを比較例
として製作した。この比較例は前述の実施例と同寸法、
同材質のものである。比較例は、図5の第1の加工刃を
用いてはいるが、円弧状の合口形成部を加工したため、
突部の外周面がリング外周面より浮き上がり傾向にある
ものであった。
口形状のシールリングのオイル漏れ量を比較したグラフ
を図6に示す。流体には油を用いて油圧を0.1MPaと
5.0MPaの2条件に振り、油温を変化させてその際の
漏れ量を測定する。本発明のシールリングは、油の低
温、低圧時に漏れ量が少なくなることが判る。高温、高
圧時に差が見られないのは、比較例のシールリングで油
の漏れが発生する原因となる隙間がリングの変形のため
にふさがっているからである。
状を有するシールリングの製造について説明してきた
が、図8にトリプルステップ合口形状を示し、図9にそ
の製造の好ましい一例を示す。トリプルステップ合口
は、リング本体20の外周側を2分するような対向する
突部33,34を有し、該突部33,34は、向かい合
う段部35,36に収納されかつ着座する。突部33,
34はその側面に位置する段部35,36の端面より円
周方向に延在する。このトリプルステップ合口形状その
ものは公知である。
形成部の内外周面に対の治具21,22を当て、この部
分を平坦部とさせる。第1の加工刃37,38を両側面
よりリング本体20の側面に押し込む。一方の第1の加
工刃37は直線状の水平刃先39と垂直刃先40を有
し、垂直刃先40がリング本体20の軸線方向の半分を
切断し、かつ水平刃先39が周方向への切り込みを入れ
段部35を作る。他方の第1の加工刃38が反対側の側
面よりリング本体20へ押し込む。これにより段部36
の基本形が作られる。他方の第1の加工刃38はL字形
の直線状刃先41,42を有す。
このスリット43を案内とし、直線状の刃先を有する第
2の加工刃44がリング本体20の軸線方向の半分まで
切り込みを入れる。これにより、図8に示すような分離
可能な合口が形成される。加工刃37,38,44によ
る作業が完了した後、治具21,22をリング本体20
より取り外し、平坦部となっていた合口形成部を原形の
曲率Rを持つ形状とさせる。図示しないが、ダブルアン
グル合口形状の加工も、前述した例と同じく、対の治具
を用い合口形成部を平坦部として加工刃をリング本体へ
押し込むことで可能となる。対の治具を用いることで、
加工刃の刃先は直線状のものを用いることができる。
合口加工刃で加工した場合でも、図12に示される合口
形状が形成され、流体の漏れ量が少なく組み込みに方向
性のないシールリングがより安価に製造される。
る。
示す正面図である。
示す正面図である。
である。
る。
ある。
を示す斜視図である。
の合口加工例を示す斜視図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 合成樹脂製シールリングの合口加工方法
であって、円環状のシールリング本体の合口加工箇所を
シールリング本体の内外周面より向かい合う面が平坦面
の対の治具により挟持し、挟持されたシールリング本体
の部分を直線状とした後、シールリング側面と外周面よ
り加工刃を入れ合口を作ることを特徴とする合成樹脂製
シールリングの合口加工方法。 - 【請求項2】 合口形状がダブルカット形状又はトリプ
ルステップ形状である請求項1に記載の合口加工方法。 - 【請求項3】 加工刃が、刃先が段付部を有する直線状
の第1の刃と該第1の刃の端部に対し直交するよう延在
する直線状の第2の刃からなる第1の加工刃と;刃先が
直線状の第1の刃と、該第1の刃の両側より互いに逆方
向に第1の刃に対して直交するよう延在する対の第2の
加工刃とよりなり、第1の加工刃がシールリング本体の
一方の側面より該シールリング本体に押し込まれ、第2
の加工刃がシールリング本体の外周面側から該シールリ
ング本体内に押し込まれる請求項1に記載の合口加工方
法に用いられる合口加工用加工刃。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001190017A JP4114849B2 (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | シールリングの合口加工方法とそのための加工刃 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007247526A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Daikin Ind Ltd | 圧縮機 |
JP2008223900A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Nok Corp | シーリングシステム |
WO2012105538A1 (ja) | 2011-02-03 | 2012-08-09 | 株式会社リケン | 組合せピストンリング |
WO2015088047A1 (ja) | 2013-12-12 | 2015-06-18 | 株式会社リケン | ピストンリング |
CN105414308A (zh) * | 2016-01-25 | 2016-03-23 | 广州市全德机械科技有限公司 | 一种密封圈断缝的制造方法及制造设备 |
CN109291115A (zh) * | 2018-09-10 | 2019-02-01 | 帝伯爱尔株式会社 | 密封环的接缝加工方法和接缝切割刀 |
-
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- 2001-06-22 JP JP2001190017A patent/JP4114849B2/ja not_active Expired - Fee Related
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