JP2003001480A - 溶接形鋼の溶接欠陥検出方法および装置 - Google Patents
溶接形鋼の溶接欠陥検出方法および装置Info
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Abstract
連続して確実に検査でき、ウェブ高さやフランジ厚に関
係なく、全サイズにわたって適用でき、一対の溶接部の
強度を別々に確実に検査でき、フランジを変形させるこ
となく溶接部の強度を検査できるようにする。 【解決手段】溶接H形鋼製造ラインの溶接機の後段にお
いて、平面視で千鳥配置で水平方向に偏平な縦ロールか
らなる押込みロール10と受けロール11により、ウェ
ブ1Wに上下一対の溶接部Aの近接位置においてウェブ
側面に垂直な方向で通常は降伏応力値を超えないせん断
力Pを付与し、局部的な溶接欠陥部を破壊して溶接部に
僅かな隙間を作り、これを超音波探傷により検出するこ
とにより、溶接健全部と溶接不良部をオンラインで確実
に識別する。
Description
により製造されるH形鋼やT形鋼等の溶接形鋼における
ウェブとフランジの溶接部の欠陥を検出し、溶接強度を
検査する溶接欠陥検出方法および装置に関するものであ
る。
それぞれ供給される平鋼からなる2枚のフランジ材と平
鋼からなるウェブ材とを高周波抵抗溶接機により接合し
て連続的に製造される。製造された溶接H形鋼のウェブ
とフランジの溶接部が不完全であると、H形鋼として十
分な強度が得られないため、検査工程でウェブとフラン
ジの溶接部の溶接強度検査を行うことが要求される。
規定されている溶接部引張試験に準拠して行われるのが
一般的である。しかし、この規定は、2500mに1本
の抜き取り検査であるため、溶接部全長にわたる溶接強
度保証の信頼性が低い。
509094号に記載されている超音波探傷方法による
ものがある。しかし、超音波探傷では、強度保証ができ
ない。例えば、溶接部の冷接欠陥のように金属結合が弱
い場合でも、超音波探傷では合格となる。
査する方法として、特開平9−264825号公報に開
示されている溶接H形鋼の溶接強度検査方法および装置
がある。この発明は、I形姿勢またはH形姿勢で通材中
の溶接H形鋼のフランジ内面にそれぞれ水平ロール(I
形姿勢の場合)を設け、上下一対の水平ロールを油圧シ
リンダ等のアクチュエータで拡開させ、上下の平行フラ
ンジを押し広げ、溶接不良部を破断させ、この破断部を
目視検査や超音波探傷で検出するものである。H形姿勢
の場合は、縦ロールが用いられる。
9−264825号の溶接強度検査方法および装置の場
合、溶接不良部を溶接H形鋼の全長にわたり連続的にオ
ンラインで検出することができるものの、次に示すよう
な課題がある。
に、上下一対の水平ロール(ロール回転軸が水平)のほ
ぼ全体を挿入する構造であるため(I形姿勢の場合)、
ウェブ高さの小さいH形鋼(例えば150mm以下)に
対しては、通常の径のロールを挿入することができな
い、あるいは、挿入できるようにロール径を小さくする
と、ロールの剛性不足が発生するため、全製品への対応
が困難となる。H形姿勢の場合も同じである。
め、フランジ厚の薄い製品(例えば2.3mm以下)に
ついては、フランジの変形が発生し、ウェブとフランジ
の溶接部に十分な荷重を加えることができない。
リンダ等で拡開させる構造であるため、上下の溶接部の
相対強度検査となり(I形姿勢の場合)、上下の溶接部
の個々の強度検査ができず、破壊しない側の強度保証が
不明となる。H形姿勢の場合も同じである。
のため、破壊が連続した場合、フランジの平坦度が変化
し、製品の形状に与える影響が大きくなり、また、破壊
後に超音波探傷する際、探触子との距離が変化し、誤検
出する恐れがある。
なされたもので、溶接形鋼の溶接部の強度を全長にわた
って連続して確実に検査することができると共に、ウェ
ブ高さやフランジ厚に関係なく、全サイズにわたって適
用することができ、また、一対の溶接部の強度を別々に
確実に検査することができ、さらに、フランジを変形さ
せることなく溶接部の強度を検査することのできる溶接
形鋼の溶接欠陥検出方法および装置を提供することを目
的とする。
ランジ材とウェブ材を溶接(高周波抵抗溶接など)で接
合して製造される溶接形鋼(溶接H形鋼など)の溶接欠
陥を検出する方法であり、通材中の溶接形鋼のウェブに
ウェブ側面に対して垂直な方向のせん断力を加えること
により、ウェブとフランジの溶接部の欠陥を連続して検
出することを特徴とする溶接形鋼の溶接欠陥検出方法で
ある。
接機の後段におけるオンライン、あるいは溶接形鋼製造
ラインのオフライン等において、ロールやその他の押圧
手段を用いて、溶接形鋼のウェブにせん断力を付与し、
局部的な溶接欠陥部を破壊し、せん断により溶接部に僅
かな隙間を作ることにより、溶接不良部を検出するもの
である。また、ウェブに付与するせん断力は、外観品質
を必要とする場合などには製品ウェブの降伏応力値を超
えない値とするのが好ましく、また、ウェブの板厚(溶
着幅)や材質(強度)等に応じて変化させる。
接欠陥検出方法において、ウェブ側面に外周面が当接
し、かつ、通材方向に沿って自転するロールにより、フ
ランジに近接した位置でウェブにせん断力を加えること
を特徴とする溶接形鋼の溶接欠陥検出方法である。
軸が鉛直の縦ロールで、かつ、水平方向に偏平な形状の
ロールを使用する。溶接姿勢がH形姿勢の場合は、回転
軸が水平な水平ロールで、鉛直方向に偏平な形状のロー
ルを使用する。いずれの場合も、偏平ロールの半径は、
製造すべき溶接形鋼の最大フランジ幅の1/2よりも十
分大きくする。また、ロールをフランジ近接位置に配置
することにより、フランジ内面とロールとの間の隙間を
小さくし、ウェブに変形が発生しないようにする。
項2に記載の溶接欠陥検出方法において、せん断力によ
り生じた溶接部の隙間の有無を超音波探傷器で検出する
ことにより、溶接健全部と溶接不良部の識別を行うこと
を特徴とする溶接形鋼の溶接欠陥検出方法である。
で検出することも可能であるが、せん断力付与ロール等
の後段に超音波探傷装置を設置し、溶接形鋼の全長にわ
たりオンラインで連続的に自動検出するのが望ましい。
材を溶接(高周波抵抗溶接など)で接合して製造される
溶接形鋼(溶接H形鋼など)の溶接欠陥を検出する装置
であり、ウェブ側面に外周面が当接し、かつ、通材方向
に沿って自転する受けロールと押込みロールを備え、前
記受けロールは、通材中の溶接形鋼のウェブを挟んで一
方の側方に通材方向に間隔をおいて一対で配設され、フ
ランジに近接した位置でウェブの通材直角方向の移動を
拘束するように構成され、前記押込みロールは、他方の
側方に前記一対の受けロールの中間位置に配置され、フ
ランジに近接した位置でウェブ側面に対して押圧移動す
るように構成されていることを特徴とする溶接形鋼の溶
接欠陥検出装置である。
押込みロールを平面視でウェブを挟んで千鳥配置し、定
置の受けロールに対して可動の押込みロールを油圧シリ
ンダ等の押圧駆動装置により押し込む。油圧シリンダ等
の荷重を制御することで、ウェブの板厚(溶着幅)や材
質(強度)等に応じてせん断力を変化させる。このよう
な受けロールと押込みロールを、勝手違いとなるように
(せん断力付与方向が互いに逆方向となるように)連続
配置することもできる。また、溶接H形鋼の場合には、
受けロールと押込みロールを平行フランジに近接させて
一対で配置し、一対の押込みロールは別々の油圧シリン
ダ等で押圧移動させ、一対の溶接部に対して別々に溶接
強度検査ができるようにする。
接欠陥検出装置において、受けロールと押込みロールの
入側と出側にそれぞれ、通材中の溶接形鋼を上下および
左右から挟み通材直角方向の移動を拘束する一対の上下
押えローラと一対の左右押えローラが設けられているこ
とを特徴とする溶接形鋼の溶接欠陥検出装置である。
出側において、溶接形鋼をガイドし、溶接形鋼の上下と
左右の変動を防止し、ウェブ側面におけるフランジ近傍
の適正な位置において適正なせん断力が付与されるよう
にする。
の全長にわたりオンラインで連続的に自動検出する場合
には、以上のようなロールとローラによる溶接全長強度
検査装置の後段に超音波探傷装置を設置する。
形鋼のウェブにロール等による所定のせん断力がフラン
ジ近傍において加えられ、溶接欠陥のある溶接部の場合
には、局部的な溶接欠陥部が破壊し、せん断により溶接
部に僅かな隙間が形成され、これを超音波探傷器などで
検出することにより、溶接不良部と識別される。溶接欠
陥の無い溶接部の場合、溶接部に隙間が形成されること
がなく、溶接健全部と識別される。せん断力がウェブの
降伏応力より小さい場合にはウェブが弾性変形するだけ
で、品質に影響はない。
は、抜き取り検査のため、溶接部全長の保証がなく、超
音波探傷方法によるものでは、冷接等の溶接欠陥を検出
できず、強度保証ができないのに対し、本発明では、
溶接形鋼の製造ラインやオフラインにロール等を組み込
んでウェブにせん断力を加え、局部的な溶接欠陥部の破
壊による隙間を検出することにより、溶接欠陥を連続的
に検出するため、溶接形鋼の溶接強度を全長にわたって
連続して確実に検査することができる。
方法では、溶接形鋼の平行フランジ間にロール全体を挿
入する構造であるため、ウェブ高さの小さい形鋼では、
通常の径のロールを挿入することができない、あるい
は、挿入できるようにロール径を小さくすると、ロール
の剛性不足が発生するため、全製品への対応が困難とな
るのに対し、本発明では、ウェブの溶接部近傍にフラ
ンジと平行にせん断力を加えるため、ウェブ高さの小さ
い形鋼でも、ロール等のせん断力付与手段を配置するこ
とができ、ウェブ高さに関係なく、全サイズに適用が可
能となる。
広げる方法では、ロールをフランジ内面に押し付けるた
め、フランジ厚の薄い製品については、フランジの変形
が発生し、ウェブとフランジの溶接部に十分な荷重を加
えることができないのに対し、本発明では、ウェブに
せん断力を加えるため、フランジ厚が薄い場合でも十分
な荷重により溶接強度を確実に検査することができ、フ
ランジ厚に関係なく、全サイズに適用が可能となる。
広げる方法では(以下、I形姿勢の場合)、上下の水平
ロールを1台の油圧シリンダ等で拡開させる構造である
ため、上下の溶接部の相対強度検査となり、上下の溶接
部の個々の強度検査ができず、破壊しない側の強度保証
が不明となるのに対し、本発明では、ロール等をフラ
ンジと平行に押込み移動させればよいため、上下でロー
ル等を別々の油圧シリンダ等で押圧移動させることがで
き、上下の溶接部を別々に検査することが可能となり、
上下の溶接部の強度を確実に検査することができる。
し広げる方法では、ロールでフランジに曲げが加わる構
造のため、破壊が連続した場合、フランジの平坦度が変
化し、製品の形状に与える影響が大きくなり、また、破
壊後に超音波探傷する際、探触子との距離が変化し、誤
検出する恐れがあるのに対し、本発明では、ウェブに
せん断力を加えるため、溶接欠陥部が破壊してもフラン
ジが変形することがなく、製品への形状影響(フランジ
変形やウェブ高さ変化)が少なく、また、破壊後の超音
波探傷で誤検出する恐れがなく、溶接不良部を確実に検
出することができる。
に基づいて説明する。この実施形態は、溶接H形鋼の高
周波抵抗溶接による製造ラインにおいて溶接欠陥を連続
的にオンライン検出する例である。また、溶接H形鋼が
I形姿勢で製造される場合を示している。
面図であり、図示しないアンコイラーからの上下2枚の
フランジ材Fとウェブ材Wが高周波抵抗溶接機2により
I形に接合され、製造されたI形姿勢の溶接H形鋼1
が、図示しない矯正機で矯正された後、図示しない切断
機により所定長さに切断される。このような製造ライン
において、溶接機2の後段に本発明に係る溶接全長強度
検査装置3と超音波探傷装置4を設置する。
示す平面図と側面図であり、溶接H形鋼1のウェブ1W
に上下一対のフランジ1F,1Fの近傍においてウェブ
側面に対して垂直な方向のせん断力Pを加える上下一対
の押込みロール10および上下一対で2組の受けロール
11と、これらロールの入側と出側にそれぞれ配設され
た左右一対の上下押えローラ12および上下一対の左右
押えローラ13から構成されている。
は、鉛直の回転軸を中心として回転自在な縦ロールであ
り、また無駆動で水平方向に偏平な形状のロールであ
り、ウェブ1Wを挟んで片側(ワークサイド)に上下一
対の押込みロール10が配設され、他側(ドライブサイ
ド)に2組の受けロール11が通材方向に所定の間隔を
おいて配設されている。図2(a) の平面視で、2組の受
けロール11,11の中央位置に押込みロール10が位
置するようにされ、3個のロール10,11,11がウ
ェブ1Wを挟んで千鳥配置となる。
(後述)により水平移動して水平位置調整可能な定置の
ロールであり、押込みロール10は押圧駆動装置(後
述)により水平移動してウェブ1Wに荷重を与えること
のできるロールであり、平面視で、固定した2個の受け
ロール11,11に対して中央の押込みロール10を押
し込むことで、ウェブ1Wに所定のせん断力Pを付与す
ることができる。押込みロール10の押圧駆動装置は、
上下で別々に設けられており、上下で個々にせん断力を
加え、別々に溶接強度検査ができるようにされている。
1,11のロール間隔は、ウェブ1Wに曲げ変形を与え
ることなく溶接部Aにせん断力が加わるように、極力狭
い方が良い。また、ロール10,11の径は、ウェブ1
Wの側面にロール疵が発生しないように、極力大きい方
が良い。例えば、ロール径を320mm、ロール間隔を
250mmとする。
みロール10および受けロール11はそれぞれ、同じ高
さ位置でフランジ1Fに近接するように配置する。例え
ば、フランジ内面とロールとの間の隙間を2〜3mmと
し、ウェブ1Wに変形が発生しないようにする。さら
に、押込みロール10および受けロール11にそれぞれ
上下位置調整装置(後述)を設け、製造する溶接H形鋼
のウェブ高さが変わった場合にも対応できるようにし、
また、ロールとフランジ1Fの隙間を任意に設定できる
ようにしている。
周面がフランジ1Fの外面に当接するように、図示しな
い装置により上下位置調整可能に設置され、溶接H形鋼
1の高さ変動を防止して、ロール10,11によるせん
断力がフランジ1Fに近接した一定の高さ位置に加わる
ようにするためのものである。
周面が上下フランジ1Fの端面に当接するように、図示
しない装置により水平位置調整可能に設置され、溶接H
形鋼1の横方向の変動(曲がり)や倒れを防止して、ロ
ール10,11によるせん断力が適正に、かつ、垂直に
加わるようにするためのものである。
を示す押込みロール位置の断面図であり、押込みロール
10および受けロール11は、偏平な形状の縦ロールと
され、ウェブ高さが小さい場合にも、上下フランジ間に
上下一対のロールを挿入できるようにされ、また、製造
すべき溶接H形鋼1の最大フランジ幅の1/2よりも大
きい半径とされ、鉛直の回転軸10a,11aの取付部
分が、通過する溶接H形鋼1に当たらないようにされて
いる。
れぞれ片持ち梁20の先端に取り付けられ、この片持ち
梁20の基端が上下位置調整装置21に取付けられ、こ
の上下一対の上下位置調整装置21,21により上下別
々に上下移動し、ウェブ高さが変わっても対応すること
ができ、また、ロールとフランジ1Fの隙間を任意に設
定することができる。さらに、正面視でコ字状の支持架
台23に配置した上下一対の両ロッド形の油圧シリンダ
(押圧駆動装置)22,22により、上下の押込みロー
ル10,10が上下別々にウェブ1Wに対して垂直に押
し込まれる。
スクリューロッド方式であり、装置本体21aと、昇降
用モータ21bと、このモータにより回転駆動されるス
クリューロッド21cと、スクリューロッドが螺入する
ナット部材としてのスライダー21dからなり、モータ
21bを正逆回転させることによりスライダー21dが
装置本体21aのガイドを案内として上下移動する。こ
のスライダー21dに片持ち梁20の基端が固定され
る。
ダ本体が支持架台23の鉛直部分に固定され、一方のピ
ストンロッド22aの先端に設けた押圧部材24を上下
位置調整装置21の装置本体21aに接続し、装置本体
21aを進退移動できるようにする。この装置本体21
aは、支持架台23の水平部分に設けたガイド25によ
り水平移動自在に案内支持し、上下に分離した装置本体
21a,21aがそれぞれ個別の油圧シリンダ22で別
々に押圧移動される。
ストッパー26と、押込み量を検出する検出センサー2
7を設けて、溶接欠陥部の破壊に対応する最大押込み量
(せん断によりウェブが押された距離)を規定し、過剰
な押込みを防止する。これにより、ウェブ1Wが大きく
湾曲変形するのが防止され、後段の矯正機や切断機への
突っ掛けを防止することができる。また、最大押込み量
を検出センサー27で検出し、溶接部破壊の警報を出力
することもできる。ウェブ1Wの板厚が変わった場合に
は、調整板28により最大押込み量を補正することがで
きる。
ぞれ片持ち梁20の先端に取り付けられ、この片持ち梁
20の基端が上下位置調整装置21に取付けられ、この
上下一対の上下位置調整装置21,21により上下別々
に上下移動し、ウェブ高さが変わっても対応することが
でき、また、ロールとフランジ1Fの隙間を任意に設定
することができる。上下位置調整装置21は、押込みロ
ール10と同様の構成であるが、装置本体21aは、上
下に分離させる必要は無く、一体のものを使用する。
1は、水平位置調整装置30により水平移動可能に設置
し、退避位置からセット位置に水平移動でき、また、ウ
ェブ1Wの板厚が変わった場合にも、一対の受けロール
11,11の水平位置を調整できるようにする。この水
平位置調整装置30も、装置本体30aと、モータ30
bと、スクリューロッド30cと、スライダー30dか
ら構成することができる。装置本体30aを基礎40上
に設置し、スライダー30dに上下位置調整装置21の
装置本体21aの下部を固定する。
いて、 (1) 予め、製造すべき溶接H形鋼1のウェブ高さに応じ
て、また、フランジ1Fとの隙間が所定の値となるよう
に、押込みロール10および受けロール11の高さ位置
を調整し、また、受けロール11を水平移動させ、ウェ
ブ厚に応じた水平位置にセットしておく。
ロール10を油圧シリンダ22で押込み、特別の場合を
除き製品のウェブ強度の降伏応力値を超えないせん断力
Pを加えながら、ロール10,11間を溶接H形鋼1を
通過させる。押込みに油圧シリンダを用いた場合、油圧
シリンダの荷重を制御することで、ウェブの板厚(溶着
幅)や材質(強度)等に応じてせん断力を容易に変化さ
せることができる。
陥がある場合、せん断力Pにより局部的な溶接欠陥部が
破壊し、せん断により溶接部Aに僅かな隙間が形成され
る。これを出側に配置した超音波探傷器により検出し、
溶接不良部と識別する。
溶接部Aに隙間が形成されることがなく、溶接健全部と
識別される。せん断力Pがウェブの降伏応力より小さい
場合にはウェブ1Wが弾性変形するだけで、品質に影響
はない。
ブ高さ×フランジ幅×ウェブ厚×フランジ厚)のサイズ
において、溶接部の強度の低い製品を作成し、JISの
I形引張試験の荷重と、本発明のウェブに対し垂直に押
し破壊する荷重を比較した結果、破壊に至る荷重は、ほ
ぼ同等の荷重であった。また、ウェブの降伏応力までの
荷重の場合、製品形状への変化はなかったが、降伏応力
を超えると、ロール疵がウェブに発生した。従って、外
観品質を必要とする製品については、降伏応力以下の荷
重での検査が必要である。
ール11を平面視で3個千鳥配置した例であるが、これ
に限らず、押込みロール10が勝手違いとなるようにし
たものを連続配置してもよい。この場合、溶接部のせん
断しやすい方向から破断するため、更に検出精度は向上
する。
姿勢の場合について説明したが、H型姿勢の場合にも本
発明を適用することができることは言うまでもない。こ
の場合、押込みロール10、受けロール11を回転軸が
水平で鉛直方向に偏平な水平ロールとすればよい。ま
た、溶接形鋼製造ラインのオンラインに限らず、オフラ
インでもよい。さらに、溶接H形鋼に限らず、その他の
溶接形鋼にも適用することができる。
で、次のような効果を奏する。 (1) 溶接形鋼の製造ラインやオフラインにロール等を組
み込んでウェブにせん断力を加え、局部的な溶接欠陥部
の破壊による隙間を検出することにより、溶接欠陥を連
続的に検出するため、溶接形鋼の溶接強度を全長にわた
って確実に検査することができる。これにより、局部的
な溶接欠陥のある溶接形鋼が流出するのが防止されると
共に、溶接欠陥発生時の早期調整により大量不良発生の
防止が図られ、歩留ロスが低減される。
にせん断力を加えるため、ウェブ高さの小さい形鋼で
も、ロール等のせん断力付与手段を配置することがで
き、ウェブ高さに関係なく、全サイズに適用が可能とな
る。
ンジ厚が薄い場合でも溶接強度を確実に検査することが
でき、フランジ厚に関係なく、全サイズに適用が可能と
なる。
動させればよいため、上下でロール等を別々の油圧シリ
ンダ等で押圧移動させることができ、上下の溶接部を別
々に検査することが可能となり、上下の溶接部の強度を
確実に検査することができる。
欠陥部が破壊してもフランジが変形することがなく、製
品への形状影響(フランジ変形やウェブ高さ変化)が少
なく、また、破壊後の超音波探傷で誤検出する恐れがな
く、溶接不良部を確実に検出することができる。
形鋼の製造ラインの例を示す概略側面図である。
ものであり、(a) は平面図、(b) は側面図である。
断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 フランジ材とウェブ材を溶接で接合して
製造される溶接形鋼の溶接欠陥を検出する方法であり、
通材中の溶接形鋼のウェブにウェブ側面に対して垂直な
方向のせん断力を加えることにより、ウェブとフランジ
の溶接部の欠陥を連続して検出することを特徴とする溶
接形鋼の溶接欠陥検出方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の溶接欠陥検出方法にお
いて、ウェブ側面に外周面が当接し、かつ、通材方向に
沿って自転するロールにより、フランジに近接した位置
でウェブにせん断力を加えることを特徴とする溶接形鋼
の溶接欠陥検出方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の溶接欠
陥検出方法において、せん断力により生じた溶接部の隙
間の有無を超音波探傷器で検出することにより、溶接健
全部と溶接不良部の識別を行うことを特徴とする溶接形
鋼の溶接欠陥検出方法。 - 【請求項4】 フランジ材とウェブ材を溶接で接合して
製造される溶接形鋼の溶接欠陥を検出する装置であり、
ウェブ側面に外周面が当接し、かつ、通材方向に沿って
自転する受けロールと押込みロールを備え、前記受けロ
ールは、通材中の溶接形鋼のウェブを挟んで一方の側方
に通材方向に間隔をおいて一対で配設され、フランジに
近接した位置でウェブの通材直角方向の移動を拘束する
ように構成され、前記押込みロールは、他方の側方に前
記一対の受けロールの中間位置に配置され、フランジに
近接した位置でウェブ側面に対して押圧移動するように
構成されていることを特徴とする溶接形鋼の溶接欠陥検
出装置。 - 【請求項5】 請求項4に記載の溶接欠陥検出装置にお
いて、受けロールと押込みロールの入側と出側にそれぞ
れ、通材中の溶接形鋼を上下および左右から挟み通材直
角方向の移動を拘束する一対の上下押えローラと一対の
左右押えローラが設けられていることを特徴とする溶接
形鋼の溶接欠陥検出装置。
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