JP2003001407A - ロウ付け方法及びロウ付け装置 - Google Patents

ロウ付け方法及びロウ付け装置

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JP2003001407A
JP2003001407A JP2001188282A JP2001188282A JP2003001407A JP 2003001407 A JP2003001407 A JP 2003001407A JP 2001188282 A JP2001188282 A JP 2001188282A JP 2001188282 A JP2001188282 A JP 2001188282A JP 2003001407 A JP2003001407 A JP 2003001407A
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echo
ultrasonic
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Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
Ryuzo Yamada
龍三 山田
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Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ロウ付け工程時に発生した欠陥の有無を効率
的に検出することができ、しかも、ロウ付け工程時にお
ける不良品の発生頻度を低減し、不良品の再処理工程を
不要化することが可能なロウ付け方法及びロウ付け装置
を提供する。 【解決手段】 一対の母材10,12をロウ付けするロ
ウ付け工程と、ロウ付けが行われている際に、超音波探
触子16を用いて母材に超音波を入射させ、ロウ付け面
からの反射エコー及び/又は前記ロウ付け面を透過する
透過エコーを測定する超音波検査工程とを備えている。
この場合、反射エコー及び/又は透過エコーと、あらか
じめ定められたしきい値との大小関係を判別する判別工
程と、反射エコーがしきい値を超えた場合及び/又は透
過エコーが前記しきい値を下回った場合に、ロウ付け条
件を変更させる条件変更工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロウ付け方法及び
ロウ付け装置に関し、更に詳しくは、鉄鋼、非鉄金属等
の金属材料間、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジ
ルコニア等の非金属材料間、あるいは、金属材料/非金
属材料間をロウ付けするための方法及びこれに用いられ
る装置として好適なロウ付け方法及びロウ付け装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】接合法は、一つの部材に他の部材を付加
する加工方法であり、局部的にエネルギーを与えて別個
の物体を原子間結合させる化学的接合法と、鋲接、ボル
ト接合などの機械的接合法に大別される。また、化学的
接合法は、さらに、溶接法、圧接法、拡散接合法、ロウ
付け法等に分類される。
【0003】これらの内、ロウ付け法は、母材より低い
融点を有し、かつ、母材の融点より低い温度で溶融させ
たロウ材を母材の接合部の隙間に充填し、ロウ材を冷却
・凝固させることにより接合する方法である。ロウ付け
法は、母材を溶融させる必要がなく、加熱温度も相対的
に低いので、母材への熱影響が少ないという特徴があ
る。そのため、ロウ付け法は、薄肉物、小物、複雑形状
物等の各種機械部品を製造する方法として利用されてい
る。
【0004】ところで、ロウ付け法等の化学的接合法
は、機械的接合法に比して、材料の節約と工数の削減が
可能であり、接合強度、気密性、耐圧性等に優れた接合
継手が得られるという利点がある。その反面、接合作業
は一般に非可逆的であり、接合後に分離して再接合する
ことは困難である。また、ロウ付け法のように再接合が
可能な場合であっても、再接合するためには、得られた
接合継手を加熱・分離した後、機械加工等で再度接合面
を出す必要があり、工数がかかるという問題がある。さ
らに、接合界面に発生する種々の欠陥により強度、靭性
等の接合特性が大きく変動し、しかも、欠陥の発生要因
は多岐に渡るという欠点がある。
【0005】この時、同種の接合継手が大量生産される
場合には、生産された接合継手の中から一部を抜き取
り、破壊検査により接合界面における欠陥の有無を統計
的に推定することも可能である。しかしながら、少量生
産が行われる場合には、接合継手に対する破壊検査は、
実質的に不可能である。従って、このような場合には、
生産された接合継手の全部又は一部について、非破壊検
査を行うのが一般的である。
【0006】非破壊検査法としては、放射線透過法、超
音波探傷法、磁粉探傷法、浸透探傷法等、種々の方法が
知られているが、接合面の内部に発生した欠陥の検査に
は、超音波探傷法が適している。そのため、超音波探傷
法を用いて、接合界面における欠陥の有無を効率よく、
かつ、高い精度で検査するために、従来から種々の提案
がなされている。
【0007】例えば、特開平8−62194号公報に
は、2つの被接合材を接合して得られる被検査品の端部
及び超音波探触子を液体中に浸漬し、超音波探触子から
送信される縦波超音波を被検査品の端部から接合面に垂
直に入射させ、接合面からの反射エコー高さと、予め求
められている反射エコー高さに対する接合部強度の相関
データとを比較する接合部の検査方法が、本願出願人に
より提案されている。
【0008】また、例えば、特開2000−22172
号公報には、液相拡散接合するに際して、その接合面に
超音波を入射させ、接合面からの反射エコー又は接合面
の透過エコーを計測し、その計測値により接合過程の進
行状況をモニタリングする金属材料の接合品質管理方法
が、本願出願人により提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ロウ付け法を用いて一
対の母材を接合する場合において、ロウ付け面が平面状
等の単純な形状である場合には、ロウ付け面に箔状、粉
末状等の固体のロウ材を介挿し、ロウ材を溶融させるこ
とも可能である。一方、ロウ付け面が複雑な形状を有し
ている場合には、ロウ付け面に直接ロウ材を介挿するの
が困難な場合が多い。このような場合には、通常、ロウ
付け面近傍にロウ材を配置し、溶融したロウ材と母材と
のぬれ性を利用して、溶融したロウ材をロウ付け面間の
間隙に流入させる方法が用いられる。
【0010】しかしながら、ロウ付け条件の選定が十分
でない場合、あるいは、ロウ付け条件の管理が不十分で
あり、ロウ付け中にロウ付け条件の変動が生じた場合に
は、溶融したロウ材がロウ付け面全面に行き渡らず、所
望のロウ付け強度等の特性が確保できないことがある。
特に、ロウ付け面が複雑な形状を有している場合には、
ロウ材の回り込み不良が生じやすいという問題がある。
【0011】この問題を解決するために、ロウ付けされ
た接合継手の全部又は一部について、接合後に非破壊検
査を行うことも考えられる。しかしながら、ロウ付け後
に接合継手の全部に対して非破壊検査を行い、不良品を
選別する方法では、効率が悪く、製造コストの高騰を招
来する。また、抜き取り検査では、不良品を流出させて
しまう懸念があり、その対策が強く望まれている。
【0012】さらに、ロウ付け後の検査において選別さ
れた不良品を良品化するためには、室温まで冷却された
不良品を再度ロウ付け温度まで加熱する等の再処理を行
う必要がある。しかしながら、このような方法では、効
率が悪く、製造コストの高騰を招来するという問題があ
る。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、ロウ付
け工程時に発生した欠陥の有無を効率的に検出すること
が可能なロウ付け方法及びロウ付け装置を提供すること
にある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、
ロウ付け工程時における不良品の発生頻度を低減し、こ
れによって不良品の再処理工程を不要化することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るロウ付け方法は、一対の母材をロウ付け
するロウ付け工程と、前記ロウ付けが行われている際
に、超音波探触子を用いて前記母材に超音波を入射さ
せ、ロウ付け面からの反射エコー及び/又は前記ロウ付
け面を透過する透過エコーを測定する超音波検査工程と
を備えていることを要旨とするものである。
【0015】この場合、前記反射エコー及び/又は前記
透過エコーと、あらかじめ定められたしきい値との大小
関係を判別する判別工程と、前記反射エコーが前記しき
い値を超えた場合及び/又は前記透過エコーが前記しき
い値を下回った場合に、ロウ付け条件を変更させる条件
変更工程とをさらに備えていることが望ましい。
【0016】また、本発明に係るロウ付け装置は、一対
の母材をロウ付けするロウ付け手段と、前記ロウ付けが
行われている際に、超音波探触子を用いて前記母材に超
音波を入射させ、ロウ付け面からの反射エコー及び/又
は前記ロウ付け面を透過する透過エコーを測定する超音
波検査手段とを備えていることを要旨とするものであ
る。
【0017】この場合、前記超音波検査手段は、前記反
射エコー及び/又は前記透過エコーと、あらかじめ定め
られたしきい値との大小関係を判別する判別手段と、前
記反射エコーが前記しきい値を超えた場合及び/又は前
記透過エコーが前記しきい値を下回った場合に、ロウ付
け条件を変更させる条件変更手段とをさらに備えている
ことが望ましい。
【0018】ロウ付けを行うと同時にロウ付け面の超音
波検査を行うと、従来、ロウ付け工程終了後に別個に行
われていた非破壊検査工程が不要となり、工数を削減で
きる。また、接合継手の全部について、ロウ付け面にお
ける欠陥の有無を効率よく、かつ、リアルタイムで検出
することができる。
【0019】さらに、ロウ付け工程の途中において反射
エコー及び/又は透過エコーの大きさを判別し、これに
基づいてロウ付け条件の変更を行うと、ロウ材の回り込
み不良やロウ付け条件の偶発的な変動に起因する不良品
の発生頻度を大幅に低減できる。また、これによって、
不良品の再処理工程も不要となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係
るロウ付け方法は、ロウ付け工程と、超音波検査工程
と、判別工程と、条件変更工程とを備えている。
【0021】初めにロウ付け工程について説明する。ロ
ウ付け工程は、ロウ材を用いて、一対の母材をロウ付け
する工程である。本発明は、種々の材料をロウ付けする
場合に適用可能であり、ロウ付けされる母材の材質は、
特に限定されるものではない。母材としては、具体的に
は、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄系金属材料、銅合金、
アルミニウム合金等の非鉄金属材料、アルミナ、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の非金属材料等が好適
な一例として挙げられる。また、本発明は、同種又は異
種の金属材料間又は非金属材料間のロウ付けに適用でき
るだけでなく、金属材料/非金属材料間のロウ付けに対
しても適用できる。
【0022】また、本発明において使用されるロウ材の
種類は、特に限定されるものではなく、ロウ付けされる
母材の材質に応じて、最適な組成を有するものを用いれ
ばよい。ロウ材としては、具体的には、銀ロウ(JIS
Z3261)、銅及び黄銅ロウ(JISZ3262)、
リン銅ロウ(JISZ3264)、ニッケルロウ(JI
SZ3265)、金ロウ(JISZ3266)、パラジ
ウムロウ(JISZ3267)等が好適な一例として挙
げられる。また、ロウ材の形状は、特に限定されるもの
ではなく、線、粉末、箔等、ロウ付け面の形状に応じ
て、適宜選択すればよい。
【0023】ロウ材は、ロウ付け面の間隙に直接介挿す
るか、あるいは、ロウ付け面の間隙近傍に配置される。
このような状態から、ロウ付け面近傍をロウ材の融点よ
りも高く、かつ、母材の融点より低い温度に加熱する
と、溶融したロウ材がロウ付け面の間隙に流れ込む。特
に、ロウ材をロウ付け面の間隙近傍に配置する方法を用
いる場合、ロウ材の回り込み不良が発生しやすくなる
が、本発明に係る方法を用いると、回り込み不良が発生
したか否かを容易に検出することができる。また、後述
する判別工程及び条件変更工程を伴う場合には、回り込
み不良の発生頻度を大幅に抑制することができる。
【0024】また、ロウ付け面近傍の加熱方法は、特に
限定されるものではなく、種々の方法を用いることがで
きる。加熱方法としては、具体的には、ガス炎による加
熱、高周波誘導加熱、抵抗加熱等が好適な一例として挙
げられる。加熱時間は、溶融したロウ材がロウ付け面の
間隙に十分に行き渡るように、ロウ付け温度、母材とロ
ウ材のぬれ性等に応じて、最適な加熱時間を選択すれば
良い。
【0025】また、ロウ付けは、無加圧条件下で行って
も良く、あるいは、加圧条件下で行っても良い。ロウ付
け時にロウ付け面に加圧を行うと、ロウ材の回り込みを
促進できるという利点がある。ロウ付け時に加圧を行う
場合、加圧力は、ロウ付け面の間隙にある気泡が効率よ
く排出され又は消滅するように、ロウ付け温度、母材と
ロウ材のぬれ性等に応じて、最適な値を選択すればよ
い。但し、必要以上の加圧は、母材を変形させるので好
ましくない。ロウ付け面に対する加圧力は、15MPa
以下が好ましく、さらに好ましくは、5MPa以下であ
る。
【0026】次に、超音波検査工程について説明する。
超音波検査工程は、ロウ付けが行われている際に、超音
波探触子を用いて母材に超音波を入射させ、ロウ付け面
からの反射エコー及び/又はロウ付け面を透過する透過
エコーを測定する工程である。
【0027】ここで、超音波検査工程において使用する
超音波は、縦波超音波又は横波超音波のいずれであって
も良い。但し、母材と超音波探触子とを直接密着させ
ず、両者の間に液体を介在させる場合には、検査用の超
音波として、縦波超音波を用いるのが好ましい。また、
使用する超音波の周波数は、母材の材質、検査の目的、
検査に要求される精度等に応じて、最適な周波数を選択
すれば良く、特に限定されるものではない。
【0028】母材への超音波の入射角度及び入射部位
は、母材の形状、ロウ付け面の形状、加熱方法等に応じ
て、最適なものを選択するのが好ましい。すなわち、超
音波は、検査面に対して垂直に入射させても良く、ある
いは、斜め方向から入射させても良い。また、超音波の
入射部位は、母材の側面であっても良く、あるいは、端
面であっても良い。
【0029】例えば、母材の端面とロウ付け面の検査部
位が平行である場合には、接合される一対の母材の内、
一方の端面から垂直に超音波を入射させるのが好まし
い。また、例えば、長さの極めて長い棒材、管材、板材
等の長尺材を端面において突き合わせてロウ付けする場
合には、長尺材の側面から斜め方向に超音波を入射させ
るのが好ましい。
【0030】また、ロウ付け面の検査部位の面積が相対
的に小さい場合には、母材及び超音波探触子の双方を固
定した状態で検査を行うことも可能である。一方、検査
部位の面積が相対的に大きい場合には、母材と超音波探
触子とを相対移動させることが好ましい。この場合、母
材又は超音波探触子のいずれか一方を移動させても良
く、あるいは、双方を移動させても良い。このような相
対移動によって、検査部位の全面に渡って欠陥の有無の
検査を行うことができる。
【0031】さらに、ロウ付け面から超音波探触子が設
置される位置までの距離が相対的に長い場合には、超音
波探触子は、大気中に曝された母材の表面に直接固定し
ても良い。一方、ロウ付け面から超音波探触子が設置さ
れる位置までの距離が相対的に短い場合には、ロウ付け
される一対の母材の内、一方の一部分を液体中に浸漬
し、浸漬部分から超音波が入射されるように、超音波探
触子を配置するのが好ましい。
【0032】本発明においては、ロウ付けを行うと同時
に超音波検査が行われるので、ロウ付け面から超音波探
触子までの距離が短いと、ロウ付け時の加熱に起因する
輻射熱や熱伝導によって超音波探触子が加熱される場合
がある。超音波探触子が加熱されると、検出感度の低下
や、超音波探触子の損傷の原因となる。しかしながら、
浸漬部分から超音波が入射されるように超音波探触子を
配置すると、液体によって超音波探触子が冷却されるの
で、検出感度の低下や超音波探触子の損傷を回避するこ
とができる。
【0033】母材の一部を液体に浸漬する方法として
は、種々の方法がある。具体的には、水槽に満たされた
液体中にロウ付けされる母材の一方の端部を浸漬する方
法が好適な一例として挙げられる。この場合、超音波探
触子は、液体中に浸漬されている母材の表面に密着させ
るか、あるいは、水槽の内底面又は外底面に設置すれば
よい。
【0034】また、母材表面の内、超音波を入射させる
部分に、「コ」の字型の断面を有するジャケットの開口
部を密着させ、ジャケット内に液体を入れても良い。こ
の場合、超音波探触子は、ジャケットで覆われている母
材の表面に密着させるか、あるいは、ジャケットの内底
面又は外底面にに設置すればよい。
【0035】水槽又はジャケット内に入れる液体は、超
音波を効率よく伝達可能なものであれば良く、特に限定
されるものではない。使用する液体としては、水、油、
グリセリン等が好適な一例として挙げられる。中でも、
水は、取扱が容易で安価であるので、水槽又はジャケッ
ト内に入れる液体として特に好適である。
【0036】次に、判別工程について説明する。判別工
程は、測定された反射エコー及び/又は透過エコーと、
あらかじめ定められたしきい値との大小関係を判別する
工程である。
【0037】母材に対して超音波を入射させた場合にお
いて、ロウ付け面に欠陥がない時には、入射した超音波
の大部分はロウ付け面を透過し、ロウ付け面からの反射
エコーは、ほとんど検出されない。一方、ロウ付け面に
欠陥がある場合には、欠陥において超音波が反射され、
反射エコーの増大又は透過エコーの減少として観測され
る。
【0038】従って、製造しようとする接合継手と同等
の標準試料について、あらかじめ欠陥の大きさと、反射
エコーの大きさ又は透過エコーの大きさ(例えば、ピー
ク高さ、ピーク面積等)との関係を求めておき、観測さ
れた反射エコー及び/又は透過エコーとしきい値との大
小関係を判別すれば、ロウ付け面に許容範囲を超える欠
陥が発生したか否かを容易に判定することができる。
【0039】次に、条件変更工程について説明する。条
件変更工程は、反射エコーがしきい値を超えた場合及び
/又は透過エコーがしきい値を下回った場合に、ロウ付
け条件を変更させる工程である。
【0040】ロウ付け面近傍を所定の温度で所定時間加
熱したにもかかわらず、ロウ材の回り込みが不十分であ
ると、反射エコー及び/又は透過エコーが許容範囲を超
え、判別工程において、「欠陥有り」と判定される。従
って、このような場合には、ロウ付け条件を変更し、ロ
ウ付け面近傍の加熱を続行する。
【0041】この場合、変更するロウ付け条件として
は、具体的には、ロウ付け温度又は加圧力を用いるのが
好ましい。ロウ付け温度の上昇は、ロウ材の粘度を下
げ、ロウ付け面の間隙へのロウ材の回り込みを促進させ
る効果がある。また、加圧力の増加は、ロウ付け面に存
在する気泡を機械的に排出又は消滅させる効果がある。
なお、ロウ付け条件を変更するに際しては、ロウ付け温
度又は加圧力のいずれか一方を変更しても良く、あるい
は、双方を同時に変更しても良い。
【0042】次に、本発明に係るロウ付け方法の作用に
ついて説明する。図1は、ロウ付けが進行する過程で検
出される反射エコー強度の変化を表す模式図である。図
1(a)に示すように、円柱状の第1母材10を、第1
母材10より大きな外径を有する円柱状の第2母材12
の上端に設けられた凹部12aに挿入し、凹部12aの
側面及び底面においてロウ付けする場合、ロウ付け面の
間隙にロウ材を挿入するのは困難である。そのため、こ
のような場合には、通常、ロウ付け面近傍にロウ材14
を配置し、ロウ材14を溶融させて第1母材10と凹部
12aの隙間に流し込む方法が用いられる。
【0043】ロウ付け前において、第2母材12の下端
に超音波探触子16を密着させ、ロウ付け面の検査部位
(凹部12aの底面)に向かって垂直に超音波を入射さ
せると、図1(d)に示すように、第2母材12の下端
面からの反射エコー(以下、これを「Sエコー」とい
う。)と、凹部12aの底面からの反射エコー(以下、
これを「Fエコー」という。)のみが検出される。
【0044】この状態からロウ付け面近傍を所定の温度
に加熱すると、まず、ロウ材14が溶融し、第1母材1
0と凹部12aの間隙に流れ込む。ロウ材14が間隙に
流れ込むに伴い、間隙部分と第2母材12との間の音響
インピーダンスの差が小さくなるので、超音波探触子1
6から入射させた超音波の一部は、間隙を透過して第1
母材10側に伝搬するようになる。その結果、第1母材
10の上端面からの反射エコー(以下、これを「Bエコ
ー」という。)が検出され始める。
【0045】ロウ材14の流れ込みが進行するに伴い、
Fエコーは、徐々に小さくなり、Bエコーは、徐々に大
きくなる。そして、図1(b)に示すように、第1母材
10と凹部12aの間隙がロウ材14によって完全に充
填された時には、図1(e)に示すように、Bエコー
は、最大となる。一方、Fエコーは、極めて小さくなる
か、あるいは、ほとんど検出されなくなる。
【0046】これに対し、図1(c)に示すように、ロ
ウ付け温度に所定時間保持したにもかかわらず、ロウ材
14の回り込みが不十分である場合には、凹部12aの
底面に気泡(欠陥)18が残留する。このような場合に
は、超音波探触子16から入射させた超音波が、気泡1
8で反射されるので、図1(f)に示すように、大きな
Fエコーが検出される。
【0047】従って、標準試料を用いて欠陥の大きさと
Fエコーとの関係を求めておき、あらかじめ定められた
しきい値と実測されたFエコーとの大小関係を判別すれ
ば、凹部12aの底面に許容範囲を超える気泡18が残
留しているか否かを、ロウ付け工程途中において容易に
判別することができる。そのため、工程を流れる製品の
中から不良品を排除するのが容易化する。また、従来、
別個に行っていたロウ付け後の非破壊検査工程が不要と
なるので、工数を大幅に削減できる。
【0048】また、ロウ付け面近傍が加熱されている間
に欠陥の有無を判別することができるので、その場でロ
ウ付け温度、加圧力等のロウ付け条件を直ちに変更する
こともできる。そのため、ロウ材の回り込み不良やロウ
付け条件の偶発的な変動に起因する不良品の発生頻度を
大幅に低減することができる。また、これによって、不
良品を良品化するための再処理工程も不要となり、製造
コストを大幅に削減することができる。
【0049】次に、本発明に係るロウ付け装置について
説明する。図2に、本発明の一実施の形態に係るロウ付
け装置の概略構成図を示す。図2において、ロウ付け装
置20は、ロウ付け部(ロウ付け手段)30と、検査部
(超音波検査手段)40とを備えている。
【0050】ロウ付け部30は、高周波コイル(加熱手
段)32と、油圧シリンダ(加圧手段)34と、クラン
プ(把持手段)36と、制御装置38とを備えている。
高周波コイル32は、第1母材10及び第2母材12の
ロウ付け面を加熱するためのものである。図2において
は、ロウ付け面は、第2母材12の上端面に形成された
凹部12aの底面及び側面であるので、高周波コイル3
2は、凹部12aの近傍に配置される。
【0051】油圧シリンダ34は、ロウ付け面に加圧力
を付与するためのものである。図2においては、油圧シ
リンダ34は、第2母材12上端の凹部12aに挿入さ
れた第1母材10の上端面を、所定の加圧力で押圧する
ようになっている。
【0052】クランプ36は、ロウ付け中に第2母材1
2を把持するためのものである。また、本実施の形態に
おいて、クランプ36は、第2母材12を把持する機能
に加えて、第2母材12の軸を中心として、第2母材1
2を回転させる機能(移動手段)をも備えている。
【0053】制御装置38は、高周波コイル32、油圧
シリンダ34及びクランプ36の動作を制御するための
ものである。制御装置38は、通常、あらかじめ定めら
れた制御パターンに従って、高周波コイル32に印加さ
れる高周波電流の大きさ、油圧シリンダ34により付与
される加圧力、クランプ36の開平動作及び回転動作等
を制御するようになっている。また、制御装置38は、
検査部40に接続されており、検査部40がロウ付け面
の異常を検出した場合には、検査部40からの指令に基
づき、ロウ付け部30の動作を制御するようになってい
る。
【0054】また、検査部40は、水槽(液浸手段)4
2と、超音波探触子44と、演算装置46とを備えてい
る。水槽42には、水42aが満たされており、第2母
材12の下端側の一部を水中に浸漬させるようになって
いる。また、水槽42の底部には、超音波探触子44が
配置され、第2母材12の下端面に向かって垂直に超音
波を入射させるようになっている。また、超音波探触子
44は、図示しない移動手段によって、x方向及びy方
向に移動できるようになっている。
【0055】演算装置46は、超音波探触子44による
超音波の送受信の制御と、計測された反射エコーのデー
タ処理を行うためのものであり、判別部(判別手段)4
6aと、条件変更部(条件変更手段)46bとを備えて
いる。
【0056】判別部46aには、あらかじめ標準試料に
ついて計測された欠陥の大きさと反射エコーの大きさと
の関係を示すデータが記憶されており、実測された反射
エコーの大きさとあらかじめ定められたしきい値との判
別を行う機能を備えている。また、条件変更部46b
は、実測された反射エコーがしきい値を超えた場合に、
ロウ付け条件を変更する指令をロウ付け部30の制御装
置38に出力する機能を備えている。
【0057】次に、本実施の形態に係るロウ付け装置の
作用について説明する。まず、第2母材12の上端面に
形成された凹部12aに第1母材10の下端を挿入し、
さらに、凹部12aの周囲にロウ材14を配置した後、
クランプ36で第2母材12を把持する。この時、第2
母材12の下端が水槽42内に満たされた水42a中に
埋没するように、クランプ36の高さを調節する。
【0058】次に、水槽42の底面に設置された超音波
探触子44から第2母材12の凹部12aの底面に向け
て超音波を入射させ、反射エコーを検出する。この時、
クランプ36を一定の速度で回転させると同時に、超音
波探触子44をx方向又はy方向に移動させると、ロウ
付け面全面からの反射エコーを計測することができる。
この状態で、必要に応じて油圧シリンダ34を用いてロ
ウ付け面に所定の加圧力を付与し、さらに、高周波コイ
ル32に所定の高周波電流を印加する。
【0059】ロウ付け面が所定のロウ付け温度に達し、
所定時間が経過すると、ロウ材14が溶融し、ロウ付け
面の間隙に流れ込む。この時、ロウ材14の回り込みが
十分であると、反射エコーがあらかじめ定められたしき
い値を下回るので、良好な接合継手が得られたことを直
ちに知ることができる。
【0060】一方、ロウ材14の回り込みが不十分であ
る場合には、反射エコーがしきい値を超えたままである
ので、ロウ付け面に欠陥が発生していることを直ちに知
ることができる。判別部46aにおいて、ロウ付け面に
欠陥が発生したと判断されると、その旨の信号が条件変
更部46bに出力される。条件変更部46bでは、反射
エコーに基づいて、欠陥を消滅させるために最も適した
ロウ付け条件を選択し、制御装置38に対し、ロウ付け
条件を変更するよう指令を出力する。
【0061】ロウ付け条件が変更された後、反射エコー
を監視しながら、ロウ付け面の加熱を続行する。変更さ
れた条件が適切である場合には、所定時間経過後には反
射エコーがしきい値を下回り、判別部46aにおいて
「良品」と判定される。従って、この場合は、ロウ付け
工程を終了させ、次の接合継手の接合作業に入る。
【0062】一方、ロウ付け条件の変更が不十分である
と、所定時間の再加熱を行った後も、反射エコーがしき
い値を超えたままとなる。従って、このような場合に
は、ロウ付け工程を強制終了させて、得られた接合継手
を「不良品」として排除するか、あるいは、反射エコー
がしきい値を下回るまで、上述したロウ付け条件変更、
加熱続行、及び判別を繰り返せば良い。
【0063】以上のように、本実施の形態に係るロウ付
け装置によれば、ロウ付け工程時に発生した欠陥の有無
を効率よく検出することができる。また、欠陥の有無を
判別し、欠陥有りと判定された場合には、ロウ付け条件
を変更してさらに加熱が続行されるので、不良品の発生
頻度を大幅に低減することができる。
【0064】
【実施例】(実施例1)直径20mm、長さ100mm
の機械構造用炭素鋼S45C(JISG4051)丸棒
を、直径50mm、長さ150mmの機械構造用炭素鋼
S45C丸棒の端面に形成された直径21mm、深さ1
5mmの穴に挿入した。また、ロウ材には、直径4mm
の銀ロウ材(BAg−8:JISZ3261)リングを
用い、ロウ付け面近傍に装着した。
【0065】次に、検査部を備えたロウ付け装置を用い
て、超音波検査を伴う丸棒のロウ付けを行った。なお、
作製した接合継手の数は、合計5個とした。また、ロウ
付け面近傍の加熱には、高周波誘導加熱法(周波数:2
5kHz、出力:50kW)を用いた。また、ロウ付け
は、ロウ付け雰囲気:Arガス雰囲気、ロウ付け温度:
900℃一定、加熱時間:5秒、加圧力:0MPaの条
件下で行った。さらに、この時、直径50mmの丸棒の
他端面に超音波探触子(直径:12.7mm、周波数:
5MHz)を固定し、ロウ付け中にロウ付け面からの反
射エコーを測定した。
【0066】ロウ付け終了後、確認のためにロウ付けさ
れた接合継手の全数について、超音波探傷試験を行った
後、アムスラー型万能試験機(490×10N)を用
いて、ロウ付け状態のまま接合継手の引張試験を行っ
た。さらに、引張試験後、接合継手の破面観察を行い、
ロウ付け不良の有無を調べた。
【0067】(実施例2)反射エコー強度のしきい値を
30%に設定し、ロウ付け中の超音波検査において、反
射エコー強度がしきい値を超えた場合には、ロウ付け温
度を900℃から950℃に上昇させ、さらに5秒間の
加熱を続行した後、冷却するように、ロウ付け装置の設
定を変更した以外は、実施例1と同一の手順に従い、超
音波検査を伴う丸棒のロウ付け及び評価を行った。
【0068】(実施例3)ロウ付け中の超音波検査にお
いて、反射エコー強度がしきい値を超えた場合には、ロ
ウ付け面に1MPaの加圧力を付与し、さらに10秒間
の加熱を続行した後、冷却するように、ロウ付け装置の
設定を変更した点、及び、ロウ付け後の超音波検査を省
略した点以外は、実施例2と同一の手順に従い、超音波
検査を伴う丸棒のロウ付け及び評価を行った。
【0069】実施例1〜3で得られた結果を表1に示
す。
【0070】
【表1】
【0071】実施例1の場合、作製した5個の試料中、
試料No.4のみがロウ付け時の超音波検査及び確認の
ために行ったろう付け後の超音波検査において、大きな
反射エコー強度が観測された。また、引張試験におい
て、試料No.4のみが他の試料に比して小さな引張破
断荷重で破断した。破面観察の結果、試料No.4の破
面にのみ、ロウ付け不良が確認された。実施例1より、
ロウ付け時に超音波検査を行うことにより、ロウ付け不
良を確実に検出できることがわかる。
【0072】また、実施例2及び実施例3の場合、作製
した5個の試料中、それぞれ、試料No.3及び試料N
o.2のみが、ロウ付け時の1回目の超音波検査におい
て反射エコー強度がしきい値を超えた。しかしながら、
ロウ付け条件を変更して加熱を続行したので、ロウ付け
時の2回目の超音波検査においては、反射エコー強度は
しきい値以下となった。また、実施例2の場合、確認の
ために行ったロウ付け後の検査において、反射エコー強
度がしきい値を超えたものはなかった。さらに、引張破
断荷重が極端に低い試料はなく、破面観察において、ロ
ウ付け不良が確認された試料はなかった。
【0073】(実施例4)直径32mm、長さ100m
mの機械構造用炭素鋼S45C(JISG4051)丸
棒を、直径50mm、長さ150mmの機械構造用炭素
鋼S45C丸棒の端面に形成された直径33mm、深さ
15mmの穴に挿入した。また、ロウ材には、直径4m
mの銀ロウ材(BAg−8:JISZ3261)リング
を用い、ロウ付け面近傍に装着した。
【0074】次に、検査部を備えたロウ付け装置を用い
て、超音波検査を伴う丸棒のロウ付けを行った。なお、
ロウ付け条件は、ロウ付け時に超音波探触子を直径10
mmの軌道に沿って移動させた以外は、実施例3と同一
とした。また、作成した試料個数は、5個とした。
【0075】作製した5個の試料中、1個が、ロウ付け
時の1回目の超音波検査において反射エコー強度がしき
い値を超えた。しかしながら、ロウ付け条件を変更して
加熱を続行したので、ロウ付け時の2回目の超音波検査
においては、反射エコー強度は、いずれもしきい値以下
となった。また、引張破断荷重は、いずれも82×10
N以上であり、破面観察においてロウ付け不良が確認
された試料はなかった。
【0076】(比較例1)ロウ付け時の超音波検査にお
いて、超音波探触子を移動させなかった以外は、実施例
4と同一の条件下で、超音波検査を伴うロウ付けを行っ
た。
【0077】ロウ付け時の超音波検査において、反射エ
コー強度がしきい値を超える試料はなかった。しかしな
がら、作製した5個の試料中、3個は、引張破断荷重が
82×10Nを超えたが、残りの2個は、引張破断荷
重が82×10N以下であった。低い引張破断荷重で
破断した試料について破面観察を行ったところ、ロウ付
け不良が確認された。これは、超音波探触子で探傷可能
な検査領域に比して、ロウ付け面積が広いにもかかわら
ず、超音波探触子を固定しているために、ロウ付け時の
検査において不良を検出できなかったためである。
【0078】(実施例5)直径20mm、長さ100m
mの機械構造用炭素鋼S45C(JISG4051)丸
棒を、直径50mm、長さ100mmの機械構造用炭素
鋼S45C丸棒の端面に形成された直径21mm、深さ
15mmの穴に挿入した。また、ロウ材には、直径4m
mの銀ロウ材(BAg−8:JISZ3261)リング
を用い、ロウ付け面近傍に装着した。
【0079】次に、検査部を備えたロウ付け装置を用い
て、超音波検査を伴う丸棒のロウ付けを行った。なお、
ロウ付け条件は、直径50mmの丸棒の下端30mmを
水浸させた以外は、実施例3と同一とした。また、作成
した試料個数は、5個とした。
【0080】作製した5個の試料中、1個が、ロウ付け
時の1回目の超音波検査において反射エコー強度がしき
い値を超えた。しかしながら、ロウ付け条件を変更して
加熱を続行したので、ロウ付け時の2回目の超音波検査
においては、反射エコー強度は、いずれもしきい値以下
となった。また、引張破断荷重は、いずれも32×10
N以上であり、破面観察においてロウ付け不良が確認
された試料はなかった。
【0081】(比較例2)ロウ付け時の超音波検査にお
いて、直径50mmの丸棒の下端を水浸させなかった以
外は、実施例5と同一の条件下で、超音波検査を伴うロ
ウ付けを行った。
【0082】ロウ付け時の超音波検査において、反射エ
コー強度がしきい値を超える試料はなかった。しかしな
がら、作製した5個の試料中、3個は、引張破断荷重が
32×10Nを超えたが、残りの2個は、引張破断荷
重が32×10N以下であった。低い引張破断荷重で
破断した試料について破面観察を行ったところ、ロウ付
け不良が確認された。これは、ロウ付け中に超音波探触
子が加熱され、検出感度が低下したためである。
【0083】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の改変が可能である。
【0084】例えば、図1において、1個の超音波探触
子16を用いて超音波の送受信を行っているが、第1母
材10の上端面に受信用超音波探触子を設け、受信用超
音波探触子で透過エコーを検出するようにしても良い。
また、第1母材10の上端面に超音波探触子を設け、第
1母材10の上端面において反射エコーの検出を行って
も良い。さらに、第1母材10の上端面及び第2母材1
2の下端面に、それぞれ、送信用超音波探触子及び受信
用超音波探触子を設け、第2母材12の下端面側で透過
エコーを検出するようにしても良い。
【0085】また、図2に示すロウ付け装置において、
超音波探触子44と母材10、12とを相対移動させる
ための移動手段は、ロウ付け部30(クランプ36)及
び検査部40の双方に備えられているが、移動手段は、
いずれか一方にのみ備えられていても良い。例えば、ク
ランプ36を用いて母材を回転させることなく、超音波
探触子44のみをx方向及び/又はy方向に移動させる
だけでも、ロウ付け面全面の検査を行うことができる。
【0086】さらに、図2に示すロウ付け装置において
は、ロウ付け面の加熱手段として、高周波誘導加熱法が
用いられているが、ロウ付け面の加熱手段は、これに限
定されるものではなく、ガス炎による加熱手段、抵抗加
熱手段等、他の手段を用いても良い。
【0087】
【発明の効果】本発明に係るロウ付け方法及びロウ付け
装置は、ロウ付けを行うと同時に、ロウ付け面の超音波
検査が行われるので、工数を削減できるという効果があ
る。また、ロウ付け面における欠陥の有無を効率よく、
かつ、リアルタイムで検出できるという効果がある。
【0088】また、ロウ付け中に検査を行うに際して、
超音波探触子と母材とを相対移動させると、ロウ付け面
全面の検査を効率よく行うことができるという効果があ
る。また、検査の際に母材の一端を液体中に浸漬し、浸
漬部分において超音波の送受信を行うと、検出感度の低
下や超音波探触子の損傷を回避できるという効果があ
る。
【0089】さらに、ロウ付け中に計測された反射エコ
ー及び/又は透過エコーが、あらかじめ定められた範囲
を超えた時にロウ付け条件を変更する場合には、ロウ付
け不良の発生頻度を大幅に低減できるという効果があ
る。また、これによって、従来行われていた不良品の再
処理工程が不要になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るロウ付け方法の概念図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係るロウ付け装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
10 第1母材 12 第2母材 14 ロウ材 16 超音波探触子 20 ロウ付け装置 30 ロウ付け部(ロウ付け手段) 32 高周波コイル(加熱手段) 34 油圧シリンダ(加圧手段) 36 クランプ(把持手段) 40 検査部(超音波検査手段) 42 水槽(液浸手段) 44 超音波探触子 46a 判別部(判別手段) 46b 変更部(条件変更手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 龍三 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内 Fターム(参考) 2G047 AA06 AA08 AB07 BA01 BA03 BB01 BB04 BB05 BC03 BC07 CA01 DB16 EA10 EA11 GE01 GG06 GG28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の母材をロウ付けするロウ付け工程
    と、 前記ロウ付けが行われている際に、超音波探触子を用い
    て前記母材に超音波を入射させ、ロウ付け面からの反射
    エコー及び/又は前記ロウ付け面を透過する透過エコー
    を測定する超音波検査工程とを備えたロウ付け方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波検査工程は、前記母材と前記
    超音波探触子とを相対的に移動させながら、前記反射エ
    コー及び/又は前記透過エコーを測定するものである請
    求項1に記載のロウ付け方法。
  3. 【請求項3】 前記超音波検査工程は、前記一対の母材
    の内、一方の一部分を液体中に浸漬し、前記超音波探触
    子を用いて、前記液体中に浸漬された前記一部分から超
    音波を入射させるものである請求項1又は2に記載のロ
    ウ付け方法。
  4. 【請求項4】 前記反射エコー及び/又は前記透過エコ
    ーと、あらかじめ定められたしきい値との大小関係を判
    別する判別工程と、 前記反射エコーが前記しきい値を超えた場合及び/又は
    前記透過エコーが前記しきい値を下回った場合に、ロウ
    付け条件を変更させる条件変更工程とをさらに備えた請
    求項1、2又は3に記載のロウ付け方法。
  5. 【請求項5】 前記ロウ付け条件は、ロウ付け温度及び
    /又は加圧力である請求項4に記載のロウ付け方法。
  6. 【請求項6】 一対の母材をロウ付けするロウ付け手段
    と、 前記ロウ付けが行われている際に、超音波探触子を用い
    て前記母材に超音波を入射させ、ロウ付け面からの反射
    エコー及び/又は前記ロウ付け面を透過する透過エコー
    を測定する超音波検査手段とを備えたロウ付け装置。
  7. 【請求項7】 前記ロウ付け手段は、前記ロウ付け面を
    加熱する加熱手段と、 前記ロウ付け面に加圧力を付与する加圧手段と、 前記一対の母材の内、少なくとも一方を把持する把持手
    段とを備えたものである請求項6に記載のロウ付け装
    置。
  8. 【請求項8】 前記母材と前記超音波探触子とを相対的
    に移動させる移動手段をさらに備えた請求項6又は7に
    記載のロウ付け装置。
  9. 【請求項9】 前記超音波検査手段は、前記一対の母材
    の内、一方の一部分を液体中に浸漬させる液浸手段をさ
    らに備え、 前記液体中に浸漬された前記一部分から超音波を入射さ
    せるように、前記超音波探触子が配置されている請求項
    6、7又は8に記載のロウ付け装置。
  10. 【請求項10】 前記超音波検査手段は、前記反射エコ
    ー及び/又は前記透過エコーと、あらかじめ定められた
    しきい値との大小関係を判別する判別手段と、 前記反射エコーが前記しきい値を超えた場合及び/又は
    前記透過エコーが前記しきい値を下回った場合に、ロウ
    付け条件を変更させる条件変更手段とをさらに備えた請
    求項6から9までのいずれかに記載のロウ付け装置。
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