JP2003000114A - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール

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JP2003000114A JP2001192315A JP2001192315A JP2003000114A JP 2003000114 A JP2003000114 A JP 2003000114A JP 2001192315 A JP2001192315 A JP 2001192315A JP 2001192315 A JP2001192315 A JP 2001192315A JP 2003000114 A JP2003000114 A JP 2003000114A
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fishing line
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Takee Obara
武恵 小原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドラグ機構におけるライニング材の耐熱性、耐
久性、及び弾力性の向上を図り、低コストでドラグ性能
が向上した魚釣用リールを提供することを目的とする。 【解決手段】リール本体4に回転可能に支持されたハン
ドル10aの回転で、リール本体に支持されたスプール
6aに釣糸を巻回保持し、釣糸巻取り状態時における釣
糸繰り出し方向へのスプールの回転に制動を与えるべく
ライニング材を具備するドラグ機構30が組み込まれた
魚釣用リールにおいて、ドラグ機構30のライニング材
を、繊維状の素材に、強化繊維が10重量%以上混入さ
れた織布又は不織布で、基板を用いずにワッシャ形状が
維持されるよう形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドラグ機構に特徴
を有する魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、魚釣用リールには、釣糸巻回状態
のスプールに対し、魚が掛かった場合等、釣糸繰り出し
方向への回転を一定の制動力(ドラグ力)をもって許容
するようドラグ機構が組み込まれている。このドラグ機
構は、押圧部材によって押圧され、それによって生じる
摩擦力によって前記スプールに対して所定の制動力を付
与するようにライニング材を備えている。
【0003】通常、このようなライニング材は、繊維が
ランダムに絡み合った状態となっている羊毛フェルトを
使用したものが広く知られており、そこにグリスを塗布
して使用されている。
【0004】しかし、羊毛フェルトによるライニング材
を具備するドラグ機構を組み込んだ魚釣用リールでは、
以下の問題が生じる。上記した羊毛フェルトは、圧縮に
よる変形が大きく、一旦高圧で圧縮すると元の厚さに復
元できないため、頻繁な交換が必要であると共に摩耗し
易く耐久性に難がある。また、大きな魚が掛かった場合
等、釣糸が高速で繰り出されて大きい摩擦力が作用する
と、ライニング材が炭化してしまい、ドラグの耐力が著
しく低下してしまう。
【0005】そこで、これらの不具合を改善すべく、実
公平4−27338号には、耐熱性と可撓性を持った基
板の少なくとも一側面に、耐熱性繊維で形成された織布
を接着したライニング材を有するドラグ機構を組み込ん
だ魚釣用リールが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した構成
のライニング材では、ある程度の硬度を有する基板を用
いることから、圧接方向の弾性力が低くなり、ドラグの
調整幅が小さくなってしまう(僅かな調整操作でドラグ
力が大きく変化してしまう)。この結果、制動力の立ち
上がりが急激となってしまい、細い糸を使用する魚釣用
リールへの対応が難しくなる(調整がシビアになってし
まう)。また、基板を必要とするため、部品単価が高く
なってしまい、リール全体のコストが高くなってしま
う。
【0007】本発明は、上記した問題に基づいてなされ
たものであり、ドラグ機構におけるライニング材の耐熱
性、耐久性、及び弾力性の向上を図り、低コストでドラ
グ性能が向上した魚釣用リールを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の魚釣用リールは、リール本体に回転可能
に支持されたハンドルの回転で、リール本体に支持され
たスプールに釣糸を巻回保持し、釣糸巻取り状態時にお
ける釣糸繰り出し方向へのスプールの回転に制動を与え
るべくライニング材を具備するドラグ機構が組み込まれ
ており、前記ドラグ機構のライニング材は、繊維状の素
材に、強化繊維が10重量%以上混入された織布又は不
織布であると共に、基板を用いずにワッシャ形状が維持
されていることを特徴としている。
【0009】上記した構成によれば、10重量%以上混
入された強化繊維によって、ライニング材の摩擦時にお
いても、そのワッシャ形状の維持が図れるようになり、
かつベースとなる繊維状の素材が炭化あるいは溶融する
まで温度が上昇しても、混入された強化繊維がライニン
グ材として機能し、ドラグ機構としての耐久性、耐熱性
が向上する。なお、ここでの強化繊維とは、特に耐熱
性、耐摩耗性に優れた材料で繊維状に形成されたものが
該当し、具体的には、カーボン繊維、アラミド繊維、ガ
ラス繊維等が挙げられる。
【0010】また、このような構成において、上記ライ
ニング材は、基板が無い状態で、そのワッシャ形状が維
持されている。なお、ここでの基板とは、硬質の板状の
もを意味しており、例えば、樹脂等によって板状に形成
されたもの、強化繊維を含んで樹脂によって板状に形成
(樹脂の含浸量がきわめて多いもの)を意味する。
【0011】また、上記の目的を達成するために、本発
明の魚釣用リールは、リール本体に回転可能に支持され
たハンドルの回転で、リール本体に支持されたスプール
に釣糸を巻回保持し、釣糸巻取り状態時における釣糸繰
り出し方向へのスプールの回転に制動を与えるべくライ
ニング材を具備するドラグ機構が組み込まれており、前
記ドラグ機構のライニング材は、カーボン繊維で形成さ
れた織布又は不織布であると共に、基板を用いずにワッ
シャ形状が維持されていることを特徴としている。
【0012】上記した構成によれば、ライニング材が、
ワッシャ形状を維持した状態のカーボン繊維で形成され
ていることで、高温になった場合の炭化、溶融が防止さ
れ、ドラグ機構としての耐熱性、及び耐久性の向上が図
れる。しかも、ライニング材は、上記したような基板を
用いることなく、ワッシャ形状が維持されていることか
ら、構成が簡略化され、その作製時において貼り合わせ
等の作業が不要とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る魚釣用リー
ルの一実施形態(両軸受型リール)の内部構成を示す図
である。最初に、本実施形態における両軸受型リールの
全体構成について説明する。
【0014】両軸受型リール1は、左右フレーム2a,
2bに夫々装着された左右側板3a,3bを備えたリー
ル本体4を有しており、前記左右フレーム2a,2b
(左右側板3a,3b)間には、釣糸が巻回されるスプ
ール6aが取り付けられたスプール軸6が軸受を介して
回転可能に支持されている。
【0015】前記スプール6aは、右側板3bから突出
するハンドル軸10の端部に取り付けられたハンドル1
0aを回転操作することによって、駆動力伝達機構を介
して回転駆動される。この場合、ハンドル軸10は、右
フレーム2bと右側板3bとの間に軸受を介して回転自
在に支持されていると共に、一方向クラッチ12によっ
て釣糸巻取方向にのみ回転可能に構成されている。
【0016】前記駆動力伝達機構は、ハンドル軸10に
対して回転可能に取り付けられ、環状凹所を有する駆動
歯車15と、この駆動歯車15に噛合すると共に、軸受
を介して右フレーム2bと右側板3bとの間に回転自在
に支持されたピニオン17とを備えている。
【0017】ピニオン17の外周には、円周溝17aが
形成されており、この円周溝17aには、クラッチ操作
部材(図示しない)によって軸方向に移動可能なクラッ
チプレート18が係合している。この場合、クラッチ操
作部材を操作してピニオン17を軸方向に移動させるこ
とによって、図1に示すような駆動力伝達状態(クラッ
チON状態)、或いはスプール軸6からピニオン17が
外れたスプールフリー回転状態(クラッチOFF状態)
に切り換えることができる。なお、クラッチOFF状態
からクラッチON状態への復帰は、前記クラッチ操作部
材の操作以外にも、ハンドル10aの巻取り操作によっ
ても行なえるようになっている。
【0018】前記左右フレーム2a,2bの間には、公
知のレベルワインド装置20が設けられており、ハンド
ル10aを回転操作することによって、スプール6aに
は、釣糸案内部を介して釣糸が均等に巻回されるように
なっている。
【0019】また、前記スプール軸6の左フレーム側に
は、スプール軸6と共に一体回転する環状の導電体22
と、左フレーム2aに設けられ、環状の導電体22が挿
入される環状凹部を具備した磁石23とを有するバック
ラッシュ防止機構が設けられており、環状の導電体22
がスプールの高速回転に伴って環状凹部内に移動した
際、これに磁力を作用さることでスプール6aの過回転
を抑制して糸絡みを防止するようになっている。
【0020】前記駆動歯車15には、魚釣時にスプール
6aから釣糸が繰り出された際、スプール6aにドラグ
力を付与するドラグ機構30が係合している。本実施の
形態におけるドラグ機構30は、図2に示すように、前
記駆動歯車15の凹所内に収容された複数枚のワッシャ
31(異なる構成のワッシャ31a,31bを備える)
と、これらワッシャ間に介在されるライニング材32
と、これらのワッシャ31及びライニング材32を押圧
する押圧部材33とを備えて構成されている(ワッシャ
及びライニング材の詳細な構成については後述する)。
【0021】前記押圧部材33は、ハンドル軸10に取
り付けられたドラグ操作部材35を回転操作することに
よって、駆動歯車側に移動され、前記ワッシャ31及び
ライニング材32を押圧して駆動歯車15に所定の押圧
力が加えられる。そして、この押圧力がハンドル軸10
と一体回転する回転体(ラチェット)37に作用するこ
とによって、ハンドル軸10と駆動歯車15との間に所
定のドラグ力が発生する。
【0022】従って、ドラグ操作部材35の締め付け力
を緩めておくと、魚が掛かった場合等、スプール6aが
釣糸繰り出し方向に回転した際、駆動歯車15はハンド
ル軸10に対してライニング材32による摩擦力が作用
した状態で滑ることから、スプール6aは制動力が加わ
った状態で回転することとなり、この結果、急激な負荷
が釣糸に作用しても糸切れが防止される。
【0023】次に、図2を参照して、上記したドラグ機
構30におけるワッシャ31及びライニング材32の構
成について説明する。図2に示すように、ワッシャ31
は、駆動歯車15の凹所15a内に形成された溝15b
と係合し、駆動歯車15と一体回転する2枚の第1ワッ
シャ31aと、ハンドル軸に対して回り止めされ、ハン
ドル軸と一体回転する2枚の第2ワッシャ31bによっ
て構成されており、これらのワッシャ間に、ライニング
材32が回転可能に介在されている。そして、上述した
ように、図1に示したドラグ操作部材35を回転操作し
て押圧部材33を軸方向に移動することで、ライニング
材32と対向するワッシャとの間に生じる摩擦力によっ
て、駆動歯車15に所望の制動力(ドラグ力)を発生さ
せるようになっている。
【0024】上記した構成において、ライニング材32
は以下のように形成されている。ライニング材は、図2
に示すように、中心部にハンドル軸が挿通する孔32a
が形成された円板形状(このような形状を「ワッシャ形
状」とする)に形成されており、スプールが釣糸放出方
向に回転した際に、その相手材となるワッシャとの間で
大きな摩擦力が発生する部分となる。すなわち、ライニ
ング材は、耐熱性及び耐摩耗性に優れた材料で形成する
必要がある。
【0025】この場合、耐熱性及び耐摩耗性に優れた材
料としてカーボンが挙げられるが、カーボン自体でライ
ニング材を形成したもの、或いは樹脂等を硬化した基板
にカーボン織布を貼着したものは、上述したように、高
硬質となって調整幅が少なくなったり、コストが高くな
る等の問題が生じてしまう。
【0026】そこで、カーボンのような耐熱性及び耐摩
耗性に優れた材料を用いるにあたって、ライニング材
は、以下のように構成されている。耐熱性及び耐摩耗性
に優れた材料を繊維状(ここでは、このような材料を
「強化繊維」と称する)にし、この強化繊維を、その形
状の安定化及び結合力の向上を図るべく、繊維状に形成
された素材(以下、「繊維状素材」と称する)と混入し
て織布もしくは不織布を形成し、これをワッシャ形状と
なるように加工する。
【0027】具体的には、例えば、予め、繊維状素材と
強化繊維によって複合繊維素材を作製しておき、これを
織布状に編成して、図3に示すようなワッシャ形状とな
るように打ち抜き加工したり、或いは、縦横方向に繊維
素材と強化繊維をクロスさせて織布状にしたり、或い
は、織り方により繊維素材と強化繊維を使い分けて織布
状にしたりする等、織布状にした後、図3に示すような
ワッシャ形状となるように打ち抜き加工すれば良い。
【0028】上記した構成において、強化繊維に用いら
れる材料としては、カーボン、アラミド、ガラス等を用
いることが可能であるが、耐熱性及び耐摩耗性を考慮し
た場合、カーボンを用いるのが好ましい。また、強化繊
維が混入される繊維状素材としては、羊毛、ナイロン、
ポリエステル、アクリル等を用いることが可能である
が、ワッシャ形状にした場合の形状安定性(強化繊維と
の絡み易さ)、及びドラグ機構としての調整幅を考慮し
た場合、ナイロン、ポリエステル、アクリルを用いるの
が好ましく、これらの内でも、耐熱性及び耐摩耗性に優
れた特性を有するポリエステルを用いることが好まし
い。
【0029】なお、これらの強化繊維及び繊維状素材の
組み合わせについては、魚釣用リールの用途、魚種等に
応じて、適宜変更することが可能である。
【0030】また、繊維状素材に対する強化繊維の混入
量は、少な過ぎると耐熱性及び耐摩耗性としての特性が
充分に得られないことから、全体として10重量%以上
に設定される。この場合、繊維状素材をポリエステル、
強化繊維をカーボンとした上で、そのカーボン繊維の混
合率(重量比)を変化させた複数のライニング材を準備
し、夫々について、耐熱性、耐摩耗性、形状安定性、調
整幅について行なった試験結果を以下の表に示す。
【0031】
【表1】 この試験結果において、繊維状素材をポリエステル、強
化繊維をカーボンとした構成では、強化繊維の混合率を
10重量%以上にすることで、耐熱性及び耐摩耗性の向
上が見られ、特に、混合率を20〜50重量%程度にす
ると、形状安定性は多少低下するものの、耐熱性及び耐
摩耗性が共に良好な結果が得られた。なお、強化繊維の
混合率を80重量%以上にすると、耐熱性及び耐摩耗性
は著しく向上するものの、形状安定性、調整幅が多少低
下する結果が得られた。また、強化繊維の混合率を10
重量%未満にすると、形状安定性の向上は得られるもの
の、逆に、ライニング材として重要な要素である耐熱性
及び耐摩耗性が劣ってしまう結果となり、従来品と同程
度の耐熱性、耐摩耗性特性となった。
【0032】これにより、繊維状素材をポリエステル、
強化繊維をカーボンとした構成においては、強化繊維の
混合率を10〜80重量%の範囲で設定するのが良く、
特に耐熱性、耐摩耗性、形状安定性、調整幅を総合的に
勘案してバランスの良い構成にするのであれば、強化繊
維の混合率は20〜50重量%にするのが好ましい。
【0033】上述した構成以外にも、ライニング材は、
多数本の強化繊維を、機械的又は化学的に処理して互に
絡み合わせることで不織布状のものを形成しておき、こ
れを図4に示すようなワッシャ形状となるように打ち抜
き加工して形成しても良い。なお、このような不織布で
は、強化繊維の種類(例えば、カーボン繊維)によって
は互いに絡み難く、最終的にワッシャ形状にした場合、
その形状が維持し難いことが有り得るため、そのような
強化繊維を用いるのであれば、絡み合った強化繊維同士
が結合して確実にワッシャ形状が維持できるように、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性に優れたバイン
ダーを、浸漬処理、吹き付け処理等によって混入してお
くことが望ましい。
【0034】ただし、バインダーの混入量が多過ぎる
と、逆に、ライニング材自体に柔軟性や弾力性がなくな
って、ドラグ機構としての調整幅がシビアになり、細い
釣糸を使用すると切れ等のトラブルが発生することが有
り得る。このため、上記した強化繊維のみでライニング
材を形成する場合(不織布に限らず、織布の場合も含
む)は、ライニング材として柔軟性及び弾力性を損なわ
ない程度、すなわち、多数の強化繊維同士が相互に結合
できる程度に全体に亘ってバインダー(主にフェノール
樹脂)を混入しておくことが好ましい。
【0035】具体的に、そのような柔軟性及び弾力性を
損なわない程度にするには、バインダーの混入比率は、
80重量%以下にするのが良く、特に、ワッシャ形状が
容易に維持できる程度となる20〜80重量%に設定し
ておくことが好ましい。
【0036】また、不織布は、上述したように、強化繊
維のみを用い、これを互いに絡ませることで形成するこ
とも可能であるが、例えば、強化繊維としてカーボンを
用いた場合、上術した繊維状素材(例えば、羊毛、ナイ
ロン、ポリエステル、アクリル)と絡み易い傾向にある
ため、上記織布同様、強化繊維を繊維状素材に混入して
形成することも可能である。この場合、特に、上記した
バインダーを添加しなくても、ワッシャ形状を維持して
おくことが可能となるため、弾力性、すなわち調整幅の
面において好ましい効果が得られる。
【0037】図5〜図7は、図4に示したライニング材
を形成するに際して用いられる不織布の製造方法の一例
を示したものである。まず、抄紙機を用いた抄紙法等に
よって、強化繊維(カーボン繊維)のみで不織布40を
形成し、これを図5に示すように複数枚積層させる。こ
の場合、強化繊維の種類、積層枚数については、魚釣用
リールの種類、用途等に応じて変更される。
【0038】次に、このように積層された不織布に、バ
インダーを所定の重量比率で含浸させて、強化繊維を安
定させると共に、その積層状態を安定させる(図6参
照)。そして、このように積層された不織布を、図7に
示すように、ワッシャ形状に打ち抜くことで、所定の厚
みを有するライニング材32が形成される。
【0039】なお、上記したように形成される不織布に
ついては、強化繊維の他に、上記した繊維状素材が混入
された不織布40aとしても良い(図8参照)。この場
合、不織布40aは、繊維状素材に対して、強化繊維の
混合比率が10重量%以上に設定されている。
【0040】以上のようなライニング材を有するドラグ
機構を組み込んだ魚釣用リールによれば、以下の作用効
果が得られる。
【0041】繊維状素材に強化繊維を所定の重量%以上
混入したことで、ライニング材の摩擦時においても、そ
のワッシャ形状を維持することができ、しかも繊維状素
材が炭化或いは溶融するまで温度が上昇しても、強化繊
維がライニング材としての機能を発揮するため、ドラグ
機構自体の耐久性、耐熱性が向上した魚釣用リールが得
られる。
【0042】特に、強化繊維として、耐熱性、耐摩耗性
に優れたカーボンを用いることで、高速回転で高摩擦が
発生しても、ライニング材が炭化するのを防止でき、ド
ラグの耐力低下を防止することが可能となる。この場
合、カーボンそのものが潤滑作用を備えているので、万
が一、油膜切れが発生しても、良好な摩擦特性を維持す
ることができる。また、カーボン繊維を混入したこと
で、フェルトやポリエステル等のみで構成された従来の
ライニング材と比較して、高温、高圧の状態でもライニ
ング材として機能することが可能となる。
【0043】なお、ライニング材を、カーボン繊維のみ
による織布又は不織布で形成することにより、溶融、炭
化等の恐れがなくなって、安定したドラグ性能が長期に
亘って維持される魚釣用リールが得られる。また、上述
したように、基板を用いることなく、ライニング材のワ
ッシャ形状を維持する構成のため、ライニング材作製時
において、従来行なわれている貼り付け作業が不要にな
る等、加工が容易となり、かつ厚さ方向の寸法を抑える
ことができることから、コンパクトで低コストの魚釣用
リールが得られる。
【0044】そして、ライニング材は、基板を必要とし
ない織布又は不織布で構成されるため、ドラグ締付け方
向の弾力性を備え、ドラグ力の調整幅を広く設定するこ
とができ、これにより、制動力の立ち上がりが緩やかと
なって、細い釣糸を巻回した魚釣用リールでは、糸切れ
等のトラブルの発生を防ぐことができる。
【0045】以上、本発明の魚釣用リールについて説明
したが、本発明は、上述した実施形態の両軸受型リール
以外にも、スピニングリールにおいても適用することが
可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ドラグ機構におけるラ
イニング材の耐熱性、耐久性、及び弾力性の向上を図る
ことで、低コストでドラグ性能が向上した魚釣用リール
が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る魚釣用リール(両軸受型リール)
の全体の構成を示す図。
【図2】図1に示す魚釣用リールのドラグ機構の主要部
を示す分解斜視図。
【図3】図2に示すライニング材を拡大した図。
【図4】ライニング材の別の構成例を示す図。
【図5】図4に示すライニング材の製造方法を示す図
(第1工程)であり、不織布を積層した状態を示す図。
【図6】図4に示すライニング材の製造方法を示す図
(第2工程)であり、積層した不織布を安定させた状態
を示す図。
【図7】図4に示すライニング材の製造方法を示す図
(第3工程)であり、安定した不織布からライニング材
を打ち抜く状態を示す図。
【図8】不織布の別の構成例を示す図。
【符号の説明】
4 リール本体 6a スプール 10a ハンドル 30 ドラグ機構 32 ライニング材 40,40a 不織布

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体に回転可能に支持されたハン
    ドルの回転で、リール本体に支持されたスプールに釣糸
    を巻回保持し、釣糸巻取り状態時における釣糸繰り出し
    方向へのスプールの回転に制動を与えるべくライニング
    材を具備するドラグ機構が組み込まれた魚釣用リールに
    おいて、 前記ドラグ機構のライニング材は、繊維状の素材に、強
    化繊維が10重量%以上混入された織布又は不織布であ
    ると共に、基板を用いずにワッシャ形状が維持されてい
    ることを特徴とする魚釣用リール。
  2. 【請求項2】 前記強化繊維は、カーボン繊維であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 【請求項3】 前記繊維状素材はポリエステルであり、
    これに強化繊維を20重量%以上混入したことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の魚釣用リール。
  4. 【請求項4】 リール本体に回転可能に支持されたハン
    ドルの回転で、リール本体に支持されたスプールに釣糸
    を巻回保持し、釣糸巻取り状態時における釣糸繰り出し
    方向へのスプールの回転に制動を与えるべくライニング
    材を具備するドラグ機構が組み込まれた魚釣用リールに
    おいて、 前記ドラグ機構のライニング材は、カーボン繊維で形成
    された織布又は不織布であると共に、基板を用いずにワ
    ッシャ形状が維持されていることを特徴とする魚釣用リ
    ール。
  5. 【請求項5】 前記織布又は不織布には、夫々のカーボ
    ン繊維を結合するようにバインダーが混入されているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の魚釣用リール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008502327A (ja) * 2004-05-28 2008-01-31 ペン フィッシング タックル マニュファクチャリング カンパニー 釣り用リールの改良または釣り用リールに関連する改良
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JP2016049052A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 グローブライド株式会社 磁性流体を用いたドラグ機構を有する魚釣用リール

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