JP2003000061A - 促成栽培方法 - Google Patents

促成栽培方法

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JP2003000061A
JP2003000061A JP2001187893A JP2001187893A JP2003000061A JP 2003000061 A JP2003000061 A JP 2003000061A JP 2001187893 A JP2001187893 A JP 2001187893A JP 2001187893 A JP2001187893 A JP 2001187893A JP 2003000061 A JP2003000061 A JP 2003000061A
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germination
compound
magnesium
calcium
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Chisato Suzuki
千里 鈴木
Hidekazu Iwasaki
英一 岩崎
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Furukawa Co Ltd
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Furukawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種子の発芽期間の短縮及び発芽率の向上とと
もに、発芽後の生育を促進することを可能とした促成栽
培方法を提供する。 【解決手段】 1リットルの水11に対して、炭酸水素
塩12を100〜1000mg、カリウムの化合物13
をカリウム換算で10〜50mg、マグネシウムの化合
物14をマグネシウム換算で10〜50mg、カルシウ
ムの化合物15をカルシウム換算で20〜100mg添
加し、その水11を電解することで得られるpH4.5
以上、ORP1000mV以下の酸化水16を、種子1
7の浸漬及び植物の潅水に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 農業及び園芸分野
における促成栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人々の健康志向が高まるにつれ、
カイワレダイコン、シュンギク、コマツナ等のビタミン
やミネラルが豊富な野菜の需要が増加してきている。そ
こで、その需要に応えるため、 野菜の促成栽培が盛んに
行われている。この野菜の促成栽培には、種子の発芽や
植物の生育を促進することが必要である。
【0003】ここで、種子の発芽は、酸素濃度、含水
量、温度、光などの外的条件が整ったときに種子中の胚
が成長を開始することによって起こるため、種子の発芽
を促進する方法として、上記外的条件を最適値とする手
段がとられている。例えば、最適酸素濃度は、換気がよ
い場合には大気中の酸素濃度と同様の21%とする。ま
た、種子の多くが20%以下の含水量を有することで発
芽を抑制していることを考慮して、播種前の種子を浸漬
することで、必要十分な含水量を供給するようにする。
さらに、最適発芽温度は、ほとんどの種子において15
〜40℃であるため、冬季は暖房し、夏季には風通しを
良好にすることで最適な環境とする。さらに、光のもと
で発芽が促進されるシソ、ミツバ等の明発芽性種子にお
いては、660nmの赤色光を20〜60分照射した
後、暗黒下に置くことで発芽を促すようにする。
【0004】また、種子の発芽を促進する別の方法とし
て、植物成長ホルモン剤を投与する手段も知られてい
る。この植物成長ホルモン剤としては、ジベレリン、オ
ーキシン等が知られており、種子の発芽のみならず、発
芽後の生育を促進するためにも利用されている。さら
に、発芽後の生育は、土壌中から水分及びアンモニウム
イオンや硝酸イオン等の窒素源を吸収し、栄養源として
利用することで行われる。ここで、発芽後の植物の生育
を促進するためには、植物に潅水を行ったり、化学肥料
や有機肥料を土壌中に施肥するようにしている。特に、
耕地における窒素の天然供給量は少ないため、窒素の施
肥は高い増収効果を得ることができる。ここで、化学肥
料としては、アンモニウム塩や硝酸塩が直接施肥され、
有機質肥料としては、主にたんぱく質からなる窒素であ
り、土壌中の微生物によって分解させ、アンモニアや硝
酸とした後に植物に吸収利用させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記外
的条件を最適値とする手段や植物成長ホルモン剤を投与
する手段によって種子の発芽を促進したとしても、植物
の全栽培期間における種子の発芽に要する日数は、通常
10〜20%を占めており、特に、カイワレダイコンは
全栽培期間の30〜50%が発芽期間となっている。
【0006】このため、植物の促成栽培の効率を向上さ
せるためには、発芽期間を短縮させることが必要である
が、上記手段においては、未だ不十分であった。また、
植物の種類によって発芽率は異なり、特にホンレンソウ
やシュンギク等は50〜80%と低いため、発芽率を向
上させることも望まれている。さらに、発芽に必要とさ
れる水は、井戸水、水道水、 或いは農業用水が使用され
ているため、水質の地域依存性によって、発芽率にも地
域差が生じていた。
【0007】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたものであり、植物の栽培に酸化水を利用すること
で、種子の発芽又は植物の生育を促進するとともに、発
芽期間の短縮及び発芽率の向上、さらに、発芽率の再現
性を一定に保持することを可能とした促成栽培方法を提
供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、 請求項1に係る発明は、炭酸水素塩と、金属
化合物とが添加された水を電解することで得られる水素
イオン濃度(pH)4.5以上、 酸化還元電位(OR
P:Oxidation−ReductionPote
ntial)1000mV以下の酸化水を、植物の栽培
に利用する促成栽培方法としている。
【0009】請求項1に記載の発明において、炭酸水素
塩と、 金属化合物とが添加された水を電解することで得
られるpH4.5以上、ORP1000mV以下の酸化
水を、植物の栽培、例えば種子の浸漬、潅水又は植物の
潅水に利用するようにしたことによって、酸化水中に存
在する炭酸水素イオンが、効率よく種子中に吸収される
ようになる。この炭酸水素イオンは、種子中の酵素を活
性化させることで、胚乳や子葉に貯蔵されたでんぷん及
びたんぱく質の分解を促進することができる。そして、
この分解によって生成される糖やアミノ酸によって、種
子中の細胞や組織の生成を活性化させるようになる。よ
って、発芽を促進するとともに、発芽率の向上及び発芽
期間の短縮が可能となる。
【0010】また、炭酸水素イオンは、植物が生育する
ために必要な金属元素の吸収を促進するため、発芽後の
植物の生育を促進することが可能となる。ここで、水に
添加される金属化合物は、植物の生育に必要な金属元
素、例えば、カリウム、マグネシウム、カルシウム、
鉄、亜鉛、ホウ素、モリブデン、銅等を含む化合物が挙
げられる。
【0011】また、pH4.5以上、ORP1000m
V以下の酸化水としたが、これは、pH4.5以下、O
RP1000mV以上の酸化水とすると、植物の生存に
適した範囲を逸脱してしまうためである。さらに、この
酸化水は、種子の発芽前及び発芽後の両方に利用するよ
うにしても、そのいずれか一方に利用するようにしても
構わない。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
促成栽培方法において、前記金属化合物が、塩化物、硝
酸塩、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、
クエン酸塩、水酸化物、酸化物のいずれかであるものと
している。請求項2に記載の発明において、金属化合物
を、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩、炭酸水
素塩、酢酸塩、クエン酸塩、水酸化物、酸化物のいずれ
かであるものとすることによって、酸化水には、植物の
生育に特に必要な栄養素が含有されるようになり、発芽
後の生育をさらに促進することが可能となる。
【0013】特に、陰イオンである硝酸イオン、硫酸イ
オン、燐酸イオンは、植物の生育に特に必要な窒素、硫
黄、リンを含有しているため、発芽後の生育を促進する
ために有効である。請求項3に係る発明は、請求項1又
は2に記載の促成栽培方法において、金属化合物とし
て、少なくともカリウムの化合物、マグネシウムの化合
物、カルシウムの化合物を用いるとともに、当該それぞ
れの化合物を、カリウムが10〜50mg/L、マグネ
シウムが10〜50mg/L、カルシウムが20〜10
0mg/Lの範囲で水に添加するものとしている。
【0014】請求項3に記載の発明において、金属化合
物として、少なくともカリウムの化合物、マグネシウム
の化合物、カルシウムの化合物を用いるとともに、水1
リットル中に、カリウムが10〜50mg、マグネシウ
ムが10〜50mg、カルシウムが20〜100mgの
範囲で溶解するように、それぞれの化合物を添加したこ
とによって、種子の発芽や植物の生育に最適なミネラル
分を供給することが可能となる。よって、種子の発芽や
植物の生育をさらに促進させるために有効である。
【0015】また、原水中に予め含有されるカリウム、
マグネシウム、カルシウムの濃度を考慮したうえで、カ
リウムの化合物、マグネシウムの化合物、カルシウムの
化合物を、酸化水中における最終的な濃度が上記範囲内
となるように調節して添加するようにすれば、酸化水中
のカリウム、マグネシウム、カルシウムの濃度を、地域
差によらず一定値とすることが可能となる。
【0016】ここで、カリウム、 マグネシウム、 カルシ
ウムのそれぞれの濃度の下限は、原水中に予め含まれる
カリウム、マグネシウム、カルシウムの濃度を調節する
ために添加する最低添加量である。一方、上限は、種子
の発芽に適したカリウム、マグネシウム、カルシウムの
それぞれの濃度を逸脱することのない最大限の添加量で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明における
促成栽培方法の一実施形態を説明する図である。本発明
における促成栽培方法10は、図1に示すように、ま
ず、1リットルの水11に対して、炭酸水素塩12を1
00〜1000mg、金属化合物として、カリウムの化
合物13をカリウム換算で10〜50mg、マグネシウ
ムの化合物14をマグネシウム換算で10〜50mg、
カルシウムの化合物15をカルシウム換算で20〜10
0mgを添加したのち、この水11を水電解装置(図示
しない)の陽極室に給液する。そして、この水電解装置
によって、pH4.5以上、ORP1000mV以下の
酸化水16を生成する。
【0018】ここで、水電解装置には、陽イオン交換膜
を介して、陽極室と陰極室が隣接しており、水11を給
液した陽極室と陰極室との間に4〜60Vの極間電圧を
かけて通電させることによって、水11の電解を行って
いる。このとき、陽極室からは、この電解によりpH
5.5以下、ORP400mV以上の炭酸水素イオンを
含有する酸化水16が得られるが、種子17の発芽や植
物(図示しない)の生育の促進には、pH4.5以上、
ORP1000mV以下の酸化水16が望ましい。つま
り、この酸化水は、pH4.5〜5.5、ORP400
〜1000mVとなる。
【0019】また、炭酸水素塩12として、炭酸水素ナ
トリウム或いは炭酸水素カリウムのいずれか一種又は両
方を適用すると、上記炭酸水素塩12を構成する陽イオ
ンが陽イオン交換膜を通過するため、効率よく電解を行
い、目的とする酸化水16を得るために有効である。特
に、コスト、電解効率、及び食品添加物の安全性より、
炭酸水素ナトリウムが最適である。
【0020】さらに、電解に先立って添加するカリウム
の化合物13、マグネシウムの化合物14、カルシウム
の化合物15には、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、
炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酸化物、酢酸塩、クエ
ン酸塩等が挙げられるが、いずれも添加する範囲内で水
溶性を有する化合物である必要がある。図1に示す促成
栽培方法10では、これらの化合物を固体のまま陽極室
に投入している。さらに、酸化水16中のカリウム、マ
グネシウム、カルシウムの濃度は、種子17の種類によ
って最適値となるように調節するようにすることが望ま
しい。
【0021】さらに、原水に予め含有されるカリウム、
マグネシウム、カルシウムを考慮し、カリウムの化合物
13、マグネシウムの化合物14、カルシウムの化合物
15それぞれの添加量を、酸化水16中の最終的な濃度
が上記範囲内となるように調整することで、酸化水16
中のカリウム、マグネシウム、カルシウムの濃度を、地
域差によらずほぼ一定値とすることが望ましい。
【0022】さらに、水11に添加する金属化合物とし
て、上記カリウムの化合物13、マグネシウムの化合物
14、カルシウムの化合物15の他、例えば、鉄、亜
鉛、ホウ素、モリブデン、銅等を含有する化合物を添加
しても構わない。次に、この酸化水16に、種子17を
一定時間浸漬したのち、そのまま培地18で発芽させ
る。その後、発芽させた植物は、適時酸化水16の潅水
を行いながら、培地18で継続して生育させる。ここ
で、浸漬時間は、種子17の種類に応じて随時変更させ
る。
【0023】上記構成の促成栽培方法10〜30におい
て、炭酸水素塩12と、金属化合物として、カリウムの
化合物13、マグネシウムの化合物14、カルシウムの
化合物15を添加した水11を電解することで得られる
酸化水16を、種子17の浸漬及び植物の潅水に利用す
るようにしたことによって、酸化水16中に存在する炭
酸水素イオンが、効率よく種子17内に吸収されるよう
になる。この炭酸水素イオンは、酵素を活性化すること
で種子17内の胚乳や子葉に貯蔵されたでんぷん及びた
んぱく質の分解を促進するため、その分解で得られた糖
やアミノ酸が細胞や組織の生成を活発にするようにな
る。よって、種子17の発芽を促進するため、発芽期間
を短縮させるとともに、発芽率を向上させることが可能
となる。
【0024】また、炭酸水素イオンは、植物の生育に必
要な金属元素の吸収を促進する。ここで、酸化水16中
には、植物の生育に必要な金属元素として、カリウム、
マグネシウム、カルシウムが含有されているため、本来
は土壌中から摂取しなければならない栄養素を、発芽初
期段階で効果的に取り込むことが可能となる。よって、
発芽後の植物の生育を促進することが可能となる。
【0025】さらに、金属化合物の添加量を、原水の分
析値に応じて調節することで、地域差によらず、種子1
7の発芽や植物の生育促進を図ることが可能となる。よ
って、地域性によらず、発芽率の再現性を維持すること
が可能となる。本実施の形態において、種子17の発芽
前及び発芽後の両方に酸化水16を利用したが、これに
限らず、種子の発芽前又は発芽後のいずれか一方に酸化
水16を利用するようにしても構わない。
【0026】ここで、水11へ添加する金属化合物を、
図2に示す促成栽培方法20のように、カリウムの化合
物13を水23aに溶解した溶液23、マグネシウムの
化合物14を水24aに溶解した溶液24、カルシウム
の化合物15を水25aに溶解した溶液25として、そ
れぞれ単独で添加するようにすれば、添加が簡便とな
る。
【0027】また、添加の簡便さ、添加量の調節のしや
すさから、図3に示す促成栽培方法30のように、カリ
ウムの化合物13と、マグネシウムの化合物14と、カ
ルシウムの化合物15とを水33aに混合して溶解した
混合溶液33として添加するようにしてもよい。次に、
本発明における促成栽培方法10〜30を用いて、カイ
ワレダイコンを試験種子として、種子17の発芽及び植
物の生育を行った実施例とその比較例とを説明する。
【0028】実施例1は、まず、水11として用いた水
道水1リットルに対して、炭酸水素塩12として炭酸水
素ナトリウムを1000mg、カリウムの化合物13と
して塩化カリウムをカリウム換算で10mg、マグネシ
ウムの化合物14として塩化マグネシウムをマグネシウ
ム換算で10mg、カルシウムの化合物15として塩化
カルシウムをカルシウム換算で20mgを添加する。次
いで、この水道水を、水電解装置の陽極室に毎分2リッ
トルの割合で供液する。そして、水電解装置の陽極室と
陰極室の間に25Vの極間電圧をかけて電解すること
で、pH4.5、ORP970mVの酸化水16を生成
する。
【0029】次に、この酸化水16をグリフィンビーカ
ーに50mlとり、この中に、100粒のカイワレダイ
コンの種子17を17時間浸漬した。次いで、浸漬後の
種子17を、シャーレ内の酸化水16で湿されたろ紙の
上に播種した。そして、酸化水16の湿潤を保持しつ
つ、25℃の温度で7日間栽培を行った。
【0030】実施例2は、まず、水11として用いた水
道水1リットルに対して、実施例1と同様の炭酸水素塩
12、カリウムの化合物13として硝酸カリウムをカリ
ウム換算で10m、マグネシウムの化合物14として硝
酸マグネシウムをマグネシウム換算で10mg、カルシ
ウムの化合物15として硝酸カルシウムをカルシウム換
算で20mgを添加する。次いで、実施例1と同様の手
順で、pH4.5、ORP470mVの酸化水16を生
成し、種子17の発芽及び植物の生育を行った。
【0031】実施例3は、まず、水11として用いた水
道水1リットルに対して、実施例1と同様の炭酸水素塩
12、カリウムの化合物13として硫酸カリウムをカリ
ウム換算で10mg、マグネシウムの化合物14として
硫酸マグネシウムをマグネシウム換算で10mg、カル
シウムの化合物15として硫酸カルシウムをカルシウム
換算で20mgを添加する。次いで、実施例1と同様の
手順で、pH4.5、ORP900mVの酸化水16を
生成し、種子17の発芽及び植物の生育を行った。
【0032】ここで、比較例1として、炭酸水素塩12
や金属化合物を添加しない水道水を電解せずに水11と
して用い、以下実施例1と同様に種子17の発芽及び植
物の生育を行った。比較例2は、実施例2と同様の炭酸
水素塩12及び金属化合物を添加した水道水を電解せず
に水11として用い、以下、実施例1と同様に種子17
の発芽及び植物の生育を行った。この水道水は、pH
5.5、ORP560mであった。
【0033】比較例3は、実施例1と同様の炭酸水素塩
を添加した水道水を水11として用い、実施例1と同様
に電解することで、pH4.5、ORP950mVの酸
化水16を生成している。この酸化水16を用いて、実
施例1と同様に種子17の発芽及び植物の生育を行っ
た。比較例4は、実施例1と同様の炭酸水素塩12と、
金属化合物として、1リットルの水11に、カリウムの
化合物13として塩化カリウムをカリウム換算で100
mg、マグネシウムの化合物14として塩化マグネシウ
ムをマグネシウム換算で100mg、カルシウムの化合
物15として塩化カルシウムをカルシウム換算で200
mgを添加し、実施例1と同様に電解することで、pH
4.5、ORP990mVの酸化水16を生成してい
る。この酸化水16を用いて、実施例1と同様に種子1
7の発芽及び植物の生育を行った。
【0034】上記実施例1〜3、及び比較例1〜4の結
果を、表1に示す。表1は、カイワレダイコンの発芽試
験結果を示す。ここで、表1における発芽勢(germ
ination rate)及び発芽率は、公知の発芽
試験法に基づき、所定日数(本実施形態では3日目と7
日目)経過後までに発芽した種子数を供試種子数で割
り、その結果をDuncanの多重検定によって処理し
たものを百分率で表している。また、総重量は、発芽し
たすべての種子の重量である。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すように、実施例1〜実施例3で
は、比較例1と比べて、播種後3日目の発芽勢が、飛躍
的に向上しており、播種後7日目の発芽率は、いずれも
80%以上となっていることがわかる。また、実施例1
〜3における総重量の値より、他の比較例よりも多くの
種子17が発芽していることがわかる。また、実施例2
と同様の炭酸水素塩12及び金属化合物を添加した水道
水をそのまま使用した比較例2においては、実施例2と
比べて、播種後3日目の発芽勢が極端に低く、播種後7
日目の発芽率であっても、実施例2の播種後3日目の発
芽勢よりも低かった。以上の結果より、炭酸水素塩12
及び金属化合物を添加した水11を電解する必要がある
ことがわかる。
【0037】さらに、実施例1〜3と同様に、炭酸水素
塩12のみを添加した水11を電解した酸化水16を使
用した比較例3においては、播種後3日目から7日目の
発芽率の伸び率が低く、発芽期間を短縮する効果が得ら
れていないことが分かる。以上の結果より、酸化水16
には、炭酸水素塩12のみならず、金属化合物も添加さ
れている必要があることがわかる。
【0038】さらに、実施例2と同様の金属化合物の1
0倍の量を添加した酸化水16を使用した比較例4にお
いては、播種後3日目の発芽勢及び播種後7日目の発芽
率ともに、非常に低い値であった。これは、金属酸化物
を過剰に添加させたことで、塩害等の弊害が生じている
ものと考えられる。以上の結果より、酸化水16に添加
される金属化合物は、種子17の発芽及び植物の生育に
適した量である必要があり、具体的には、1リットルの
水11に対して、カリウムが10〜50mg、マグネシ
ウムが10〜50mg、カルシウムが20〜100mg
溶解するように、それぞれの金属化合物を添加するよう
にするのが好ましい。
【0039】次いで、本発明における促成栽培方法10
〜30を用いて、シュンギクを試験種子として、種子1
7の発芽及び植物の生育を行った実施例とその比較例と
を説明する。実施例4は、まず、水11として用いた水
道水1リットルに対して、実施例1と同様の炭酸水素塩
12、カリウムの化合物13として硝酸カリウムをカリ
ウム換算で40mg、マグネシウムの化合物14として
硝酸マグネシウムをマグネシウム換算で40mg、カル
シウムの化合物15として硝酸カルシウムをカルシウム
換算で80mgを添加する。次いで、実施例1と同様の
手順で水道水を電解することで、pH4.5、ORP4
00mVの酸化水16を生成している。この酸化水16
を、実施例1と同様に種子17の発芽及び植物の生育を
行った。
【0040】ここで、比較例5として、炭酸水素塩12
や金属化合物を添加しない水道水を電解せずに水11と
して用い、実施例1と同様に種子17の発芽及び植物の
生育を行った。比較例6は、まず、水11として用いた
水道水1リットルに対して添加した実施例1と同様の炭
酸水素塩12を実施例1と同様に電解することで、pH
4.5、ORP970mVの酸化水16を生成してい
る。この酸化水16を用いて、実施例1と同様に種子1
7の発芽及び植物の生育を行った。
【0041】上記実施例4及び比較例5〜6の結果を、
表2に示す。表2は、シュンギクの発芽試験結果を示
す。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示すように、実施例4では、水道水
をそのまま使用した比較例5と比べて、播種後3日目の
発芽勢及び播種後7日目の発芽率がともに向上している
ことがわかる。また、実施例4の総重量の値から、比較
例5や比較例6よりも多くの種子17が発芽しているこ
とがわかる。また、実施例4と同様の炭酸水素塩12を
添加した酸化水16を使用した比較例6においては、水
道水をそのまま使用した比較例5とほぼ同一の発芽率で
あった。以上の結果より、酸化水16には炭酸水素塩1
2のみならず、金属酸化物が添加されている必要がある
ことがわかる。
【0044】なお、本実施の形態における試験種子とし
て、カイワレダイコン及びシュンギクを用いたが、それ
ぞれの種子17の発芽及び植物の生育に適した金属化合
物量に調節するのであれば、いずれの種子17に適用す
ることも可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、酸化水を植物の栽培に利用したことによ
って、種子の発芽や植物の生育を促進させることができ
るため、植物の全栽培期間における発芽期間の短縮や発
芽率の向上が可能となる。よって、植物を短期間で栽培
することが可能となるため、その栽培にかかる人件費、
光熱費、コスト等を削減させるとともに、増加する消費
者の需要に応えることが可能となる。
【0046】請求項2又は3に記載の発明によれば、酸
化水中に、植物の生育に特に必要な栄養素が含有される
ようになるため、発芽後の生育をさらに促進し、促成栽
培の効率向上のために有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における促成栽培方法の一実施例を説明
する図である。
【図2】本発明における促成栽培方法の他の実施例を説
明する図である。
【図3】本発明における促成栽培方法の他の実施例を説
明する図である。
【符号の説明】
11 水 12 炭酸水素塩 13 カリウムの化合物 14 マグネシウムの化合物 15 カルシウムの化合物 16 酸化水 17 種子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 英一 茨城県つくば市観音台1−25−13 古河機 械金属株式会社研究開発本部素材総合研究 所内 Fターム(参考) 2B022 AA01 AB11 BA01 DA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸水素塩と、金属化合物とが添加され
    た水を電解することで得られる水素イオン濃度4.5以
    上、 酸化還元電位1000mV以下の酸化水を、植物の
    栽培に利用することを特徴とする促成栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記金属化合物が、塩化物、硝酸塩、硫
    酸塩、燐酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、クエン酸
    塩、水酸化物、酸化物のいずれかであることを特徴とす
    る請求項1に記載の促成栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記金属化合物として、少なくともカリ
    ウムの化合物、マグネシウムの化合物、カルシウムの化
    合物を用いるとともに、当該それぞれの化合物を、前記
    カリウムが10〜50mg/L、前記マグネシウムが1
    0〜50mg/L、前記カルシウムが20〜100mg
    /Lの範囲で前記水に添加することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の促成栽培方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105917793A (zh) * 2016-04-25 2016-09-07 哈尔滨希恩科技开发有限公司 一种基于电解功能水的水稻浸种、催芽、育秧方法
CN106717937A (zh) * 2016-12-20 2017-05-31 五河县茂源水蛭生态养殖专业合作社 一种丝瓜种植方法
JP2017099302A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 西日本技術開発株式会社 水生植物の復活方法およびその装置
WO2021187503A1 (ja) * 2020-03-18 2021-09-23 国立大学法人 神戸大学 近赤外分光法による汚染検査方法及び検出装置

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