JP2002542833A - 農薬性融合物 - Google Patents

農薬性融合物

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JP2002542833A JP2000615777A JP2000615777A JP2002542833A JP 2002542833 A JP2002542833 A JP 2002542833A JP 2000615777 A JP2000615777 A JP 2000615777A JP 2000615777 A JP2000615777 A JP 2000615777A JP 2002542833 A JP2002542833 A JP 2002542833A
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plant
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JP2000615777A
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ポール・クリストー
ルーク・メーロ
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フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
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Abstract

(57)【要約】 (i)毒性ドメイン;及び(ii)細胞膜を破壊することなく細胞膜に非特異的に結合可能な異種結合ドメインを含む、農薬性融合ポリペプチドをコードする核酸分子が開示される。好ましくは上記毒性ドメインはBacillus thuringiensis cry毒素(例えばCryIA(b)または(c))から由来し、上記結合ドメインはレクチン(例えばリシン毒素B鎖)から由来する。上記融合物の使用は、上記ポリペプチドで処理された害虫集団における耐性の獲得を阻害するように機能するであろう。また、上記核酸及びそれによってコードされるポリペプチドを生産及び使用するための方法及び物質が開示される。またベクター(例えばバキュロウイルスベクターまたは植物における使用に適したベクター)、宿主細胞、及び植物等が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結合部分と毒性部分を有する新規な農薬性融合ポリペプチドに関す
る。本発明はさらに、上記ポリペプチドを生産する方法と使用する方法、またポ
リペプチドの毒性をアッセイするためのアッセイとキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
Bacillus thuringiensis (Bt)から由来する毒素は、殺虫特性を有することが
当該技術分野で周知である。天然において、大きなプロトキシン分子(130-160kD
a)は、昆虫の中腸のアルカリ環境に可溶化する。次いで可溶化した毒素は、より
小さな断片(30-80kDa)にタンパク質溶解的に切断される。デルタ内毒素結晶の可
溶化と活性化に引き続き、毒素は中腸細胞の特異的表面レセプターと相互作用し
、膜に孔を形成する。細胞のイオンバランスが破壊され、細胞は溶解する。
【0003】 Bt毒素のユーザーに特に興味があることは、その宿主の範囲、低濃度での毒性
、及び耐性を獲得する標的な昆虫の能力である。
【0004】 天然の毒素に関してそれらの一つ以上を改良する観点で、これらの各点を調査
する各種の実験が報告されている。
【0005】 かくして、先端膜上の特異的レセプターの存在が、Bt毒素の特異性に重要な役
割を果たしていることが、一般的に受け入れられている(1)。上記の環境の下で
、毒性の能力は、レセプターの量とその上記タンパク質に対するアフィニティー
に依存し、且つ孔を形成する毒素の能力に依存するであろう。殺虫性結晶タンパ
ク質CryIA(a)及びCryIA(c)は82%のホモロジーを有し、後者のタンパク質は、Cry
IA(a)よりHeliothis virescens及びTrichoplusia niに対する10倍高い殺虫活
性を有する(4)。これら二つの遺伝子のホモローグスキャニング及び相互組換え
により、CryIA(c)のアミノ酸335-450がT. niに対する活性と関連し、同じ毒素の
アミノ酸335-615が全H. virescens特異性を交換するのに必要とされることが示
された(4)。
【0006】 一般的に、殺虫性タンパク質の特異性は、昆虫中腸プロテアーゼによるタンパ
ク質溶解的プロセッシング、レセプター結合、及び/または細胞溶解機能を含む
、いくつかの機能の結果である(4)。鱗翅目特異的殺虫性結晶タンパク質の末端
欠失の結果、5'から第10番目のコドン、または3'から第645番目のコドンの
欠失が毒性を失わせることが示された(5)。
【0007】 サイトディレクトミュータジェネシスを通じて、Cry毒素は、3個の機能的ド
メインを有することが仮説的に決定されている。ドメインIは、膜内への毒素の
挿入に関与し、イオンチャンネル機能に影響し、ドメインIIは、レセプター結合
及び膜内への挿入に関与し、ドメインIIIは、イオンチャンネル機能、レセプタ
ー結合、及び膜内への挿入に関与する(6)。
【0008】 タバコイモムシ(Manduca sexta)及びキャベツチョウ(Pieris brassicae)の刷
子縁膜ベシクルに対して、2種のBtデルタ内毒素(Bt2、B. thuringiensis亜種b
erliner由来の130kDa組換え結晶性タンパク質、及びBt4412、B. thuringiensis
亜種thuringiensis由来の136kDa結晶性タンパク質)を使用して結合実験が実施
されている(12)。Bt2活性タンパク質(60kDa)は、両者の昆虫に結合し殺虫するの
に対し、Bt4412活性タンパク質は、M. sexta幼虫に対してのみ高度に毒性である
(12)。この研究において、上記2種のタンパク質は、互いに結合部位についてほ
とんど競合しないため、P. brassicaeはBt2及びBt4412毒素に対する別個の結合
部位を有することが明らかにされた(12)。
【0009】 CryIA(b)に対するレセプターを、感受性タバコイモムシM. Sextaの中腸上皮細
胞からクローン化した(13)。上記レセプターは、210kDa膜糖タンパク質であり、
タンパク質のカデリンスーパーファミリーと30-60%の相同性を有し、20-40%の同
一性を有することが測定された(13)。カデリンは膜糖タンパク質であり、カルシ
ウム依存性細胞凝集とソーティングを介在するものと思われる(13)。上記レセプ
ターの正確な機能は説明されなかった。しかしながら、上記機能は、小腸に整列
した上皮細胞を通じてペプチド抗生物質のチャンネルを開く、カデリン様ヒト腸
ペプチド輸送タンパク質の機能と同様な機能である、膜輸送に関するという示唆
が存在した(13)。B. thuringiensis毒素は、感受性昆虫の中腸における上皮細胞
で主として機能すると解される(13)。
【0010】 別の結合タンパク質がM. Sextaから精製され、それは120kDaのサイズを示した
。同様なタンパク質であるアミノペプチダーゼNが、Lymantra dyspar(マイマイ
ガ)刷子縁膜ベシクルから精製された(14)。CryIA(a), CryIA(b), CryIIA, CryI
C, CryIIIA, CryIIB, CryID, CryIF及びCryIVDに対して試験した場合、. dyspar
から精製したアミノペプチダーゼNは、わずかな結合活性しか示さなかった(14)
。対照的にM. sextaから精製したアミノペプチダーゼNは、CryIA(a), CryIA(b),
及びCryIA(c)に強力なアフィニティーで結合することが示された(14)。このア
ミノペプチダーゼNの結合活性の不均衡は未解明である。代わりに、上記タンパ
ク質が、精製された由来する昆虫に従って異なること、またはその差異が使用さ
れるプロトコールの感受性における差を反映することが推測された(14)。一種の
作物害虫であるコナガ(Plutella xylostella)は、自然集団においてBtに対する
耐性を獲得するが、研究室の選択実験では、多くの昆虫がBt遺伝子に対する耐性
を獲得できることが示された(17)。P. xylostellaにおける常染色体劣性遺伝子
が、4種のBt毒素CryIA(a), CryIA(b), CryIA(c)及びCryIFに対する非常に高度
の耐性を与えることが示された(16)。これは、上記4種のBt毒素に対する耐性を
与えるミューテーションが、全ての上記4種のBt毒素に対するレセプターとして
機能する単一の昆虫タンパク質に対する結合の破壊を引き起こすことを示唆する
(16,18)。これは、複数のBt含有植物に対する耐性が本当に可能であることを示
唆する。
【0011】 WO 91/17254(California大学の出願)は、殺虫性毒素の宿主範囲または毒性
を改良する方法を開示する。本質的に殺虫性タンパク質を、Autographaカリフォ
ルニア多核多面体ウイルス(MNPV)から由来する特異的腸−内皮−結合糖タンパク
質gp64と結びつけた。この糖タンパク質は、中腸細胞での濃縮及び中腸細胞への
侵入を可能にする上皮細胞表面レセプターと相互作用すると解された。別の実施
態様において、CryAタンパク質が毒性を増大するために使用できることが示唆さ
れた。このタンパク質は、細胞の脂質部分における脂肪酸を結合し、界面活性剤
様の作用機序でそれらを破壊すると解された。耐性に関しては、全く議論されて
いない。
【0012】 天然Bt遺伝子中の結合ドメインはまた、上記タンパク質の毒性を変えるために
、他のBt遺伝子で交換されている(例えば、De Maagd等 (1996) Appl Env Micro
b 62 No 5:1537-1543参照)。上述のように、例えば(16)を参考にして、このス
トラテジーは、耐性の可能性に関して改良された特性を与えないであろう。
【0013】 これらの観察に照らし、特に上述のものに対して別のアプローチまたはいくつ
かの利点を与えるものである、新規な毒性農薬性物質が当該技術分野に寄与を提
供することが示される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明者は、高度に毒性な融合タンパク質を発現する融合タンパク質遺伝子を
合成した。これらのタンパク質は、毒性部分の効力を増大する異種結合ドメイン
に融合した毒性ドメインを含む。結合ドメインは好ましくは、細胞膜を破壊する
ことなく細胞膜に非特異的に特異的に結合でき、それによって特定のレセプター
が存在する必要なく作用部位での毒性ドメインの濃縮と固定化を可能にするもの
である。これは、Bt由来部分と、リシン毒素B鎖遺伝子のガラクトース結合ドメ
インのような炭水化物結合部分を使用することによって例示される。
【0015】 発現産物の毒性は、昆虫細胞系と蛍光色素のペアを使用する新規な修正された
アッセイを使用して、上記融合タンパク質の構成部分のそれぞれについて優れて
いるように示される。上記融合遺伝子産物の毒性の評価のためのin vitroバイオ
アッセイが開発され、それはエチジウムホモダイマー1とカルセインAMに基づく
。二つのホロロフォアは、以前に生体/死体毒性アッセイにおいて主に使用され
ている(39)。本発明のこれら及び他の特徴点は、以下に記載されるであろう。
【0016】 かくして本発明の第一の特徴点として、(i)毒性ドメイン、(ii)細胞膜を破壊
することなく細胞膜に非特異的に結合可能な異種結合ドメインを含む、農薬性融
合ポリペプチドをコードする核酸分子が開示される。
【0017】
【発明の実施の形態】
「農薬性」なる用語は、害虫、特に昆虫及び例えば蛛形類といった他の節足動
物を含む、特に経済的に重要な無脊椎動物害虫の一つ以上に対して毒性を有する
ことを意味する。昆虫は、昆虫の全ての発生段階を含む。特に興味深い昆虫のク
ラスは、Lepidoptera, Coleoptera, Culicidae, Simuliidae, Hymenoptera, Hom
optera, Orthoptera及びDipteraを含む。
【0018】 「融合ポリペプチド」なる用語は、互いに異種である二つ以上の構成成分を含
むポリペプチド、即ちその一部が天然に存在する単一のポリペプチド鎖でないポ
リペプチドを意味する。任意に、ドメイン間の立体障害を減少することによって
天然の構造へのドメインのホールディングを容易にするリンカー領域が含まれて
も良い。
【0019】 「毒素」なる用語は、好ましくは害虫によって消化されることが可能な量で、
害虫に対して毒性である物質を意味する。上記融合タンパク質の毒性部分は、合
成のものでも天然のソース、例えば原核生物、真核生物(真菌、植物及び動物を
含む)由来のものでも良い。特に考慮されるものは、証明されたタンパク質毒素
(Bt毒素、または例えばカウピーまたはダイズ由来のもののようなプロテアーゼ
インヒビターといった植物防御アロケミクスのような)またはその部分の使用で
ある。好ましくはこれらは、農薬性であるがヒト及び動物には非毒性であろう。
上記毒素は好ましくは、細胞膜でその実際の作用部位を有するものであろう。
【0020】 上述のBt毒素は、毒素構成部分のソースとして特に有用である。本発明の第一
の特徴点の最も好ましい形態として、上記毒素は、Bt cryポリペプチドから由来
する。かくしてこの特徴点の一つの実施態様として、上記毒素はBt cryIA(b)ま
たは(c)である。
【0021】 上記融合ポリペプチドの「結合」ドメインは、細胞膜を破壊することなく細胞
膜に非特異的に結合可能であり、本質的に非毒性である。
【0022】 この文脈において「非特異的」は、特定の特異的なレセプターを必要としない
ことを意味する。これは、いくつかのBt耐性の場合に考慮されるように、害虫が
、毒素レセプターをコードする核酸配列におけるミューテーションを通じて上記
融合物に対する耐性を獲得する可能性を減少するという利点を有する(参考文献
16,17,18参照)。それは耐性獲得の可能性を減少するために使用される物理的方
法に対する別のアプローチ、即ち選択圧を最小化するために種子を蒔く間で非ト
ランスフォーム化植物とBtトランスフォーム化植物を混合することを提供する。
【0023】 「結合」ドメインは、本質的に非毒性である、即ちそれは毒性ドメインの毒性
を増大するが、それ自体は上記融合タンパク質中で単独で使用されても細胞膜の
顕著な破壊、好ましくはいかなる破壊をも引き起こさない。かくして、結合部分
は、毒素がその効果を発揮できるように効率的に機能するが、好ましくは毒素の
機構の作用機序を改変せず、それによってより殺虫可能な特異性及び応答を提供
する。これは、上記融合タンパク質が動物の食物連鎖に入る場合、及び上記毒素
が動物に対して非毒性であるように注意深く選択されている場合の実施態様で特
に有用である。
【0024】 好ましくは上記結合ドメインは、糖脂質及び糖タンパク質の形態で全ての真核
生物細胞膜の細胞外側に存在する炭水化物を結合する。かくして上記結合ドメイ
ンは、広範囲の細胞における作用部位で毒素を埋め込むように機能するであろう
【0025】 好ましくは上記細胞は、害虫の腸上皮の一部を形成する。
【0026】 上記毒素は、作用部位で実際に固定化されることが好ましいが、実際の(不可
逆的な)固定化が生じないとしても、上記異種結合ドメインの使用は、細胞膜の
作用部位での毒素の有効な濃縮を増大するために機能するであろう。
【0027】 この特徴点の一つの実施態様として、上記結合ドメインは、レクチンの全てま
たは一部より成る。レクチンは炭水化物に固く結合する能力が当該技術分野で周
知であり、異なるレクチンは一般的に異なる糖残基に対する特定のアフィニティ
ーを有する。標的害虫クラスの非常に広範囲な結合を可能にする、ガラクトース
またはガラクトシルアフィニティーを有するドメインが特に所望される。
【0028】 好ましくは上記レクチンは、二つのリボソーム不活性化タンパク質のタイプで
あり、(非毒性)B鎖が使用される。このタイプの例は、以下のものを含む: (a)Abrus precatorius (Abrin) (b)Viscum album (Viscumin) (c)Adenia digitata (Modeccin) (d)Adenia volkensii (Volkensin)
【0029】 4種の上記例の起源及び特性を掲載する表が与えられる(Stirpe等, 1992. Rib
osome-inactivating proteins from plants: present status and future prosp
ects. Bio/Technology, vol.10, 405-412; Barbieri等, 1993. Ribosome-inacti
vationg proteins from plants. Biochemica et Biophysica Acta, vol. 1154,
237-282)。
【0030】 より好ましくは、リシン毒素から由来するリシン毒素B鎖遺伝子が、上記核酸
において使用される。リシンは、ジスルフィド結合によって結合した二つのポリ
ペプチド鎖A及びBを含む毒性糖タンパク質である。
【0031】 細胞表面のガラクトシル末端残基に対するB鎖の結合は、上記ペプチドの各末
端に位置する二つのガラクトース結合ドメインによって達成される(34)。二つの
結合部位のそれぞれは、リガンドに対するアフィニティーの有意な減少を伴わず
、芽ラクトース及び他の部位で存在しないより複雑な糖を結合可能である。
【0032】 昆虫細胞で発現される二重レクチン部位リシンB鎖ミュータントは、ガラクト
ース残基の結合を有することが示されている(Eevidence for more than two lec
tin sites on the ricin toxin B chain. Bioconjugate, Chem. Vol.7, 651-658
; Ferrini等, 1995, Expression of functional ricin B chain using the bacu
lovirus system. Eur. J. Biochem. vol.233, 772-777)。これは、他の細胞表面
結合部位が存在することを示唆する。一つの可能性は、リシンB鎖自体のマンノ
ース側鎖が細胞表面のマンノースレセプターと相互作用することである(Newton
等 (1992) J Biol Chem 267(17): 11917-11922; Frankel等 (1997) Carbohydrat
e Research 300, 3: 251-258)。
【0033】 細胞表面、例えば非還元末端ガラクトース残基を有する糖接合物に対するその
B鎖の結合は、細胞内へのリシンの内在化を引き起こすまたは容易にする。内在
化は、被膜及び非被膜ピットの両者におけるエンドサイトーシス取り込みを介し
て生じても良い(Frankel等 (1996) Protein Engineering 9,4: 371-379; Magnus
son及びBerg (1993) Biochem J 291: 749-755参照)。細胞質内への遊離A鎖の移
動及び放出に引き続き、真核生物細胞における細胞タンパク質合成は、60Sリボ
ソームサブユニットにおける真核生物28S RNAからの単一のアデニン残基の切断
を通じて阻害される(33)。いくつかの最近の報告は、リシン毒素B鎖についての
広い役割を指示する;上記ポリペプチドは、細胞表面ガラクトース残基と相互作
用すると解されるだけではなく、リシン毒素の細胞内移動に関与するであろう(4
4)。細胞表面にエンドソームベシクルを通じてリサイクルする多くのレセプター
は、トランスゴルジネットワークを通過する。細胞内でゴルジ体は、リシン結合
部位の最も密集した濃縮を有し、おそらくこの細胞区画におけるガラクトシルト
ランスフェラーゼの濃縮を反映するであろう(45)。ガラクトース末端レセプター
と相互作用することによって細胞内に侵入するリシン毒素は、ゴルジ体領域にお
いて濃縮されることが観察されている(45)。
【0034】 組換えB鎖レクチン誘導体は、過去において調製されているが、これは一般的
に、A鎖の毒性を増大するために治療的応用のためになされている。かくして多
くの実験において、リシン毒素B及びA鎖の両者で構築された免疫毒素は、例えば
リシン毒素A鎖単独で構築されたものより顕著に毒性であることが観察されてい
る(例えばVitetta等, 1991 Sem. Cell Biol. Vol.2, 47-58; Timar等, 1991 Br
. J. Cancer, vol.64, 655-662; Embleton等, 1991 Br. J. Cancer vol.63, 670
-674参照)。
【0035】 かくして本発明の第二の特徴点は、(i)Bt cryポリペプチドの全てまたは一部
をコードする配列、及び(ii)レクチンの全てまたは一部をコードする配列を含む
核酸分子である。
【0036】 本発明に従った核酸分子及びそのコード化ポリペプチド産物は、実質的に精製
若しくは均質な形態で、または必要とされる機能を有するポリペプチドをコード
する配列以外の興味あるまたは起源の種の核酸若しくは遺伝子を含まない若しく
は実質的に含まないで、その天然の環境から単離及び/または精製された形態で
提供されても良い。
【0037】 本発明に従った核酸は、cDNA、RNA、ゲノムDNAを含んでも良く、全体的にまた
は部分的に合成されてものでも良い。
【0038】 用語、「単離された」は、全てのこれらの可能性が包含される。DNA配列は、
例えば図3(a)-(k)の配列番号1から11に示されたもの、文脈が除くことを示
していなければ、存在するTがUに置換されたRNA同等物、縮重による同等物、及
び相補的配列を包含するように特定される。
【0039】 好ましくは上記核酸分子のBt cry毒素コード部分は、配列番号1(CryIA(b))ま
たは配列番号2(CryIA(c))の全てまたは一部を含む。
【0040】 好ましくは上記核酸分子のレクチンコード部分は、配列番号3(RTB1)、配列番
号4(RTB2)または配列番号5(RTB3)の全てまたは一部を含む:これらは以下に記
載されるリシン毒素B鎖から由来するが、制限部位を導入するようなミューテー
ションを含んだ。
【0041】 好ましくは上記核酸分子は、配列番号6(CryIA(b)-RTB1);配列番号7(CryIA(
b)-RTB2);配列番号8(CryIA(b)-RTB3);配列番号9(CryIA(c)-RTB1);配列番号
10(CryIA(c)-RTB2);または配列番号11(CryIA(c)-RTB3)のいずれか一つに示
されるCryIA-RTB組み合わせを含む。
【0042】 本発明はまた、例えば上記分子のミュータントまたは他の誘導体である、天然
に存在する毒素と結合分子の変異体をコードする核酸に拡張されることは強調さ
れるべきである。特に配列番号1から11に基づく修飾された配列を有する核酸
が含まれる。
【0043】 各場合において、上記変異体は、天然に存在する配列(例えばBt Cryまたはレ
クチン)にホモローガスである、または当該産物の適切な機能的特徴(例えばそ
れぞれ毒性またはグリコシル化を結合する能力)を維持する毒素または結合産物
をコードする。
【0044】 相同性またはホモロジーは、当該技術分野で標準的に使用されるAltschul等 (
1990) J. Mol. Biol. 215: 403-10のTBLASTNプログラムによって定義され測定さ
れても良く、Wisconsin Package, Version 8, 1994年9月の一部である標準的プ
ログラムBestFitが好ましい(Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Ma
dison, Wisconsin, USA, Wisconsin 53711)。
【0045】 ホモロジーは、核酸配列及び/またはアミノ酸配列レベルであっても良い。好
ましくは核酸及び/またはアミノ酸配列は、変異体の基準となる配列(例えば天
然配列または配列番号1から11のいずれか一つ)の約50%、または60%、または
70%、または80%のホモロジー、最も好ましくは少なくとも約90%、95%、96%、97%
、98%または99%のホモロジーを有する。ホモロジーは、関連配列の全長に亘って
存在しても良く、または好ましくは、当該場合における関連アミノ酸配列または
ヌクレオチド配列と比較して、約20、25、30、33、40、50、67、133、167、200
またはそれ以上のアミノ酸(またはコドン)の連続した配列に亘っても良い。
【0046】 かくして本発明に従った変異体配列は、例えばハイブリッド配列(配列番号6
から11)内で、当該配列に関して単一のアミノ酸変化、または2,3,4,5
,6,7,8若しくは9の変化、約10,15,20,30,40または50の
変化、または約50,60,70,80若しくは90以上の変化をコードしても
良い。表された配列によってコードされるアミノ酸配列内の一つ以上の変化に加
えて、コードされた変異体アミノ酸配列は、C末端及び/またはN末端でさらなる
アミノ酸を含んでも良い。もちろん、コードされたアミノ酸配列に対して差異を
有さない核酸に対する変化(「縮重同等物」)も含まれる。
【0047】 ホモロジーは、例えば5×SSC(ここで「SSC」=0.15M塩化ナトリウム;0.15M
クエン酸ナトリウム;pH7)、5×デンハルト試薬、0.5-1.0%SDS、100μg/ml変
性断片化サケ精子DNA、0.05%ピロリン酸ナトリウム、50%までのホルムアミドを
含むハイブリダイゼーション溶液を使用するハイブリダイゼーション法(52)を使
用して評価されても良い。
【0048】 特異的な配列ホモロジーを有する核酸分子の間のハイブリダイゼーションを達
成するのに必要とされる厳密な条件を計算するための一つの一般的な式は以下の
ものである(52):Tm=81.5℃+16.1log[Na+]+0.41(%G
+C)−0.63(%ホルムアミド)−600/#bp二本鎖。
【0049】 上述の式の説明として、[Na+]=[0.368]及び50−%ホルムアミド、
42%のGC含有量と、200ベースの平均プローブサイズ、57℃のTmを使
用する。DNA二本鎖のTmは、ホモロジーにおいて1%減少するごとに1-1.5℃ま
で減少する。かくして、約75%以上の配列同一性を有する標的を、42℃のハイ
ブリダイゼーション温度を使用して観察するであろう。
【0050】 例えば植物における発現といった特定の応用のために特に有用なものは、発現
を補助するためにコドン使用頻度の改変(即ち縮重的な天然のミューテーション
)であっても良い。例えばCry遺伝子についてのAU/GC比は、植物コード領域と、
nptII、bar、gus及びcatのような良く発言するレポーター遺伝子で見出される値
から有意にずれている(24)。植物コード領域は典型的に、約40-50%のAU含有量を
有し、一方でCryIコード領域は60-64%のAU含有量を有し、ある領域では70%を越
えている(24)。また、Cryコード配列のコドン使用頻度は、好ましい植物コドン
使用頻度と非常に類似する(25)。いくつかの部位で好んで使用されないコドンの
クラスターが存在する。コドン使用頻度を改変することは、有効な翻訳及び伸長
を促進し、かくしてmRNAを細胞質RNアーゼ活性に対してより安定にするであろう
(23,26)。
【0051】 ここで記載されたミュータントは、上述の増大した結合特性を有するであろう
【0052】 ミュータントまたは他の誘導体に対する分析に一つの考え得る態様は、トラン
スフォーメーションによって本発明の核酸を発現可能な宿主細胞内に導入する際
の機能を評価することであり、後に他の核酸でトランスフォームされた細胞と、
当該細胞の生存能力を比較することである。SF21昆虫細胞を使用して例示される
上記トランスフォーメーション及び分析のための方法体系は、以下に詳細に記載
される。別の方法は、ミュータントまたは誘導体を発現するトランスジェニック
植物の使用を含む。
【0053】 上述の上記ミュータントまたは誘導体を生産する方法は、当業者に周知ないず
れの方法をも包含する。
【0054】 かくしてさらなる特徴点は、毒素をコードする核酸を、異種結合ドメインをコ
ードする核酸と組み合わせる工程を含む農薬性融合ポリペプチドをコードする核
酸の生産方法であり、ここで上記結合ドメインは、細胞膜を破壊することなく細
胞膜に非特異的に結合可能である。
【0055】 任意にこの方法は、毒素または結合ドメインの配列に対する変化が、コードさ
れたポリペプチドにおける一つ以上のアミノ酸の付加、挿入、欠失または置換を
導くように、核酸における一つ以上のヌクレオチドの付加、挿入、欠失または置
換によってなされたミュータントまたは誘導体を生産するようになされる。
【0056】 変化は、以下の特徴を導入または除去することを含む、数多くの理由のため所
望されても良い:制限エンドヌクレアーゼ配列;後の翻訳修飾のために必要であ
る他の部位;コードされたポリヌクレオチドにおける切断部位;グリコシル化、
リポイル化等のためのコードされたポリペプチドにおけるモチーフ。リーダーま
たは他の標的化配列が、発現に引き続いてその局在を決定するために発現され多
端なpくしつに加えられても良い。これらの全ては、組換え形態において活性な
ポリペプチドを有効にクローン化及び発現する点で補助しても良い。
【0057】 他の所望されるミューテーションは、コードされたポリペプチドの活性(例え
ば特異性)またはアフィニティーまたは安定性を改変するために、ランダムまた
はサイトディレクトミュータジェネシスであっても良い。
【0058】 十分に理解されているように、ポリペプチドホモロジーは、アミノ酸相同性ま
たは同一性の点で判断される(この場合改変された毒素ドメイン及び/または結
合ドメインの点で)。
【0059】 相同性は、保存的な変化、即ちイソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオ
ニンのような一つの疎水性残基の別の疎水性残基への置換、または一つの極性残
基から別の極性残基への置換、例えばリジンに対してアルギニン、あるパラギン
酸に対してグルタミン酸、またはアスパラギンに対してグルタミンについて許容
される。当業者に周知なように、保存的置換によるポリペプチドの一次構造の改
変は、配列に挿入されるアミノ酸の側鎖が同じ結合を形成でき、置換されている
アミノ酸の側鎖として接触するため、当該ペプチドの活性を有意には改変しない
であろう。これは、置換がペプチド構造の決定に重要な領域中である場合にもあ
てはまる。
【0060】 非保存的置換を有するホモローグもまた含まれる。当業者に周知なように、構
造の決定において重要ではないペプチドの領域の置換は、ペプチドの三次元構造
を大きくは改変しないため、その活性に著しくは影響しないであろう。ペプチド
の構造または活性の決定に重要である領域において、上記変化はポリペプチドに
対して有利な特性を与える場合もある。実際上述のような変化は、例えばさらに
改良される毒性または宿主範囲といった、ペプチドに対するわずかに有利な特性
を与えるかもしれない。
【0061】 本発明の一つの特徴点として、上述の核酸は、組換え体、好ましくは複製可能
なベクターの形態で存在する。
【0062】 「ベクター」は、自律的に伝播可能または移動可能であってもなくても良く、
細胞ゲノム内への挿入によってまたは染色体外に存在して、原核生物または真核
生物宿主をトランスフォーム可能な、二本鎖または一本鎖直線状または環状形態
の、いずれかのプラスミド、コスミド、ファージまたはAgrobacteriumバイナリ
ーベクターを特に含むように定義される(例えば複製のオリを有する自律的複製
プラスミド)。ある応用においては、BACまたはBiBACベクターが特に好ましい。
【0063】 放線菌及び関連種、細菌及び真核生物(例えば高等植物、哺乳動物、酵母また
は真菌細胞)から選択されても良い2種の異なる宿主生物における複製が、天然
または操作によって可能であるDNAビヒクルを意味するシャトルベクターが、特
に含まれる。
【0064】 本発明に従った核酸を含むベクターは、特に上記ベクターがゲノム内への組換
えのために細胞内に核酸を導入する目的で使用されるのであれば、プロモーター
または他の調節配列を含む必要はない。
【0065】 しかしながら好ましくは上記ベクター中の核酸は、例えば細菌のような微生物
または植物細胞のような宿主細胞における転写のための適切なプロモーターまた
は他の調節エレメントの制御の下にあり、それらに機能的に結合している。上記
ベクターは、複数の宿主において機能する二機能性発現ベクターであっても良い
。ゲノムDNAの場合、これはその固有のプロモーターまたは他の調節エレメント
を含んでも良く、cDNAの場合、これは宿主細胞における発現のための適切なプロ
モーターまたは他の調節エレメントの制御の下にあっても良い。
【0066】 用語、「プロモーター」は、その下流に機能的に結合したDNAの転写が開始す
るヌクレオチドの配列を意味する(即ち二本鎖DNAのセンス鎖の3'方向で)。
【0067】 「機能的に結合した」は、同じ核酸分子の一部として結合し、転写が上記プロ
モーターから開始するように適切に配置され配向されることを意味する。プロモ
ーターに機能的に結合したDNAは、プロモーターの「転写開始調節の下にある」
【0068】 かくして本発明のこの特徴点は、配列番号9,10または11のような上述の
本発明によって提供されるヌクレオチド配列に機能的に結合したプロモーターを
含む、遺伝子構築物、好ましくは複製ベクターを提供する。
【0069】 一般的に言って、当業者はベクターを構築し、組換え遺伝子発現のためのプロ
トコールをデザインすることが十分に可能である。プロモーター配列、ターミネ
ーター配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、及び適
切な他の配列を含む適切な調節配列を含む適切なベクターが選択されまたは構築
できる。さらなる詳細については、例えばMolecular Cloning: a Laboratory Ma
nual: 第2版, Sambrook等, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参
照。
【0070】 例えば核酸構築物の調製、ミュータジェネシス(上記参照)、配列決定、細胞
内へのDNAの導入と遺伝子発現、並びにタンパク質の分析における、核酸の操作
のための多くの周知の方法及びプロトコールが、Current Protocols in Molecul
ar Biology, 第2版, Ausubel等編, John Wiley & Sons, 1992に詳細に記載され
ている。Sambrook等及びAusubel等の開示は、参考としてここに取り込まれる。
植物について広く成功して以前に使用された特異的な方法及びベクターは、Beva
n (Nocl. Acids Res. 12, 8711-8721 (1984))及びGuerineauとMullineaux (1993
) (Plant transformation and expression vectors. In: Plant Molecular Biol
ogy Labfax (Croy RRD編) Oxford, BIOS Scientific Publishers, pp 121-148)
によって記載されている。
【0071】 本文脈において特に興味深いものは、昆虫細胞ベクター(例えばバキュロウイ
ルスに基づく)及び植物ベクターである。
【0072】 植物において機能する適切なプロモーターは、実質的に全ての植物組織におい
て高レベルで発現するCauliflower Mosaic Virus 35S (CaMV 35S)遺伝子プロモ
ーター(Benfey等, 1990a及び1990b);植物頂端分裂組織、並びに例えば内部師部
、花芽、根と茎の分岐点といった植物体のいくつかの非常に局在した位置で発現
するカリフラワーmeri5プロモーター(Medford, 1992; Modeford等, 1991)並び
に花形成の非常に初期で発現するArabidopsis thaliana LEAFYプロモーター(Wei
gel等, 1992)を含む。
【0073】 本発明のこの特徴点の一つの実施態様として、本発明によって提供されるヌク
レオチド配列と機能的に結合した誘導可能なプロモーターを含む遺伝子構築物、
好ましくは複製ベクターが提供される。
【0074】 プロモーターに対して使用される用語、「誘導可能」は、当業者によって十分
に理解される。要約すると、誘導可能なプロモーターの制御の下にある発現は、
適切な刺激物に応答して「スイッチオン」または増大される。上記刺激物の性質
は、プロモーター間で変化する。いくつかの誘導可能なプロモーターは、適切な
刺激物の不存在下ではほとんどまたは検出可能なレベルで発現を生じない(また
は全く発現を生じない)。他の誘導可能なプロモーターは、刺激物の不存在下で
も検出可能な構成的発現を生じる。発現のレベルが刺激物の不存在下であるとし
ても、いかなる誘導可能なプロモーターからの発現も正しい刺激物の存在下で増
大する。好ましい状況は、発現のレベルが表現型的特徴を変えるのに十分な量に
よって、関連する刺激物の適用の際に増大する場合である。かくして、刺激物の
不存在下では基底レベルの発現を生し、その場合所望の表現型を生ずるのには低
すぎるレベル(または実際にゼロでも良い)である、誘導可能(または「スイッ
チ可能」)なプロモーターが使用される。刺激物の適用の際に、発現は所望の表
現型を生ずるレベルに増大する。
【0075】 適切な誘導可能なプロモーターは、植物の生長のため適用可能な特定の化合物
に誘導されることが示されているGST-II-27遺伝子プロモーターであっても良い
。上記プロモーターは、単子葉植物と双子葉植物の両者において機能的である。
それ故、それはキャノーラ、ヒマワリ、タバコ、トウキビ、綿花のようなフィー
ルド穀物;トマト、マンゴー、モモ、リンゴ、セイヨウナシ、イチゴ、バナナ及
びメロンのような果物;並びにニンジン、レタス、キャベツ及びタマネギのよう
な野菜を含む各種の遺伝学的に修飾された植物における遺伝子発現を制御するた
めに使用できる。GST-II-27プロモーターはまた、根、葉、茎、及び再生組織を
含む各種の組織における使用に適している。他のプロモーターは、ポタチンプロ
モーター(塊茎)及びユビキチンプロモーター(コムギ胚)を含む。
【0076】 上記プロモーターは、発現の発達的及び/または組織特異的調節制御を与える
一つ以上の配列モチーフまたはエレメントを含んでも良い。
【0077】 誘導剤、または補食の間で引き金を引かれる他の植物シグナルに応答してスイ
ッチオンされる誘導可能なプロモーターが、本文脈において特に有利であろう。
このシステムは、構成的に毒性の植物によって所有されるようにする選択圧にか
けられる長期間にわたり、摂食害虫における耐性の可能性を減少するのように機
能するであろう。
【0078】 本発明はまた、有効な外因性誘導剤である適切な刺激物の適用による、植物細
胞内への上記構築物の導入、および/または植物細胞内の構築物の発現の誘導を
含む方法を提供する。
【0079】 上述のベクターは、以下にさらに記載されるような、例えば接合、移動、トラ
ンスフォーメーション、トランスフェクション、トランスダクション、またはエ
レクトロポレーションといったいずれかの適切な方法によって宿主に導入されて
も良い。
【0080】 本発明のさらなる特徴点として、本発明に従った核酸またはベクターを含む宿
主細胞、特に植物、昆虫または微生物細胞が開示される。
【0081】 上記配列を含むDNA断片でトランスフォームされた植物細胞は、当業者に周知
の標準法によって生産されても良い。
【0082】 かくしてDNAは、天然の遺伝子輸送能力を利用するアグロバクテリウムによっ
て有される無毒化Tiプラスミドベクター(EP-A-270355, EP-A-0116718, NAR 12(2
2) 8711-87215 1984)、粒子または微小体銃(WO 92/09696, WO 94/00583, EP 331
083, EP 175966, Green等, (1987) Plant Tissue and Cell Culture, Academic
Press)、エレクトロポレーション(EP 290395, WO 8706614 Gelvin Debeyser)直
接的DNA取り込みの他の形態(DE 4005152, WO 9012096, US 4684611)、リポソー
ム介在性DNA取り込み(例えばFreeman等, Plant Cell Physiol. 29: 1353 (1984
))、またはボルテックス法(例えばKindle, PNAS U.S.A. 87: 1228 (1990d))の
ようないずれかの適切な方法を使用して植物細胞内にトランスフォームできる。
植物細胞のトランスフォーメーションのための物理的方法は、Oard, 1991, Biot
ech. Adv. 9: 1-11にレビューされている。
【0083】 アグロバクテリウムトランスフォーメーションは、双子葉植物種をトランスフ
ォームするために当業者によって広く使用されている。最近、ほぼ全ての経済的
に関連する単子葉植物における安定な繁殖力のあるトランスジェニック植物の通
常の生産に向けてかなりの進歩が存在している(Toriyama等, (1988) Bio/Techno
logy 6, 1072-1074; Zhang等, (1988) Plant Cell Rep. 7, 379-384; Zhang等,
(1988) Theor Appl Genet 76, 835-840; Shimamoto等, (1989) Nature 338, 274
-276; Datta等, (1990) Bio/Technology 8, 736-740; Christou等, (1991) Bio/
Technology 9, 957-962; Peng等, (1991) International Rice Research Instit
ute, Manila, Philippines 563-574; Cao等, (1992) Plant Cell Rep. 11, 585-
591; Li等, (1993) Plant Cell Rep. 12, 250-255; Rathore等, (1993) Plant M
olecular Biology 21, 871-884; Fromm等, (1990) Bio/Technology 8, 833-839;
Gordon-Kamm等, (1990) Plant Cell 2, 603-618; D'Halluin等, (1992) Plant
Cell 4, 1495-1505; Walters等, (1992) Plant Molecular Biology 18, 189-200
; Koziel等, (1993) Biotechnology 11, 194-200; Vasil, I.K. (1994) Plant M
olecular Biology 25, 925-937; Weeks等, (1993) Plant Physiology 102, 1077
-1084; Somers等, (1992) Bio/Technology 10, 1589-1594; WO 92/14828)。)
【0084】 特にアグロバクテリウム介在性トランスフォーメーションは、単子葉植物にお
ける高度に効率的な代替的トランスフォーメーション法としても実施されている
(Hiei等, (1994) The Plant Journal 6, 271-282)。
【0085】 微粒子銃、エレクトロポレーション、及び直接的DNA取り込みは、アグロバク
テリウムが非効率的または有効でない場合に好ましい。別法として、例えばアグ
ロバクテリウムで被膜された微粒子での銃(EP-A-486234)、または微粒子中で傷
を誘導し、その後アグロバクテリウムで共培養すること(EP-A-486233)といった
別個の方法の組み合わせが、トランスフォーメーション法の効率を上げるために
使用されても良い。
【0086】 トランスフォーメーション法の特定の選択は、特定の植物種をトランスフォー
ムする効率、並びに選択された特定の方法体系で本発明を実施する者の経験及び
嗜好によって決定されるであろう。植物細胞内に核酸を導入するためのトランス
フォームシステムの特定の選択が、本発明に必須ではなく、本発明を制限せず、
並びに植物再生のための方法の選択ではないことは、当業者に明らかであろう。
【0087】 所望されるのであれば、カナマイシン、ヒグロマイシン、ホスフィノトリシン
、クロルスルフロン、メトトレキセート、ゲンタマイシン、スペクチノマイシン
、イミダゾリノン及びグリホセートのような抗生物質に対する耐性といった選択
可能な表現型を与えるキメラ遺伝子より成る選択可能な遺伝的マーカーが使用さ
れても良い。
【0088】 Bt遺伝子でトランスフォームされている多くの植物が、当該技術分野で報告さ
れている。特に、欧州コーンフナクイムシでの非常に高度で且つ繰り返しの襲撃
に耐性であるトランスジェニックトウモロコシが、CryIA(b)の合成バージョンを
使用して得られた(27)。天然のBt遺伝子でのトランスフォーメーションは、検出
可能なレベルのタンパク質の生産に影響しておらず、38%から65%へのGC含有量の
増大は、トウモロコシで高度に発現される遺伝子を生産している(27)。このCryI
A(b)遺伝子は、天然の遺伝子とヌクレオチドレベルで約65%のホモロジーを有し
、コドン使用頻度に関してトウモロコシ遺伝子をまねるようにデザインされる(2
7)。かくして、農薬性融合遺伝子を発現のために植物に導入するという本発明の
特徴点において、ポリペプチド収量を増大するために(27)に記載されたようにコ
ドン使用頻度を対応するように改変することが望ましいであろう。
【0089】 かくして本発明のさらなる特徴点は、植物細胞内に本発明のベクターを導入し
、ベクターと植物細胞ゲノムの間での組換えを生じまたは許容し、ゲノム内にヌ
クレオチドの配列を導入することを含む、植物細胞をトランスフォームする方法
を提供する。
【0090】 本発明はさらに、本発明に従った核酸またはベクターでトランスフォームされ
た宿主細胞、特に植物または微生物細胞を包含する。トランスジェニック植物細
胞(即ち問題となる核酸についてトランスジェニックなもの)においては、トラ
ンスジーンは、ゲノム外ベクター上に存在し、またはゲノム内に好ましくは安定
に取り込まれる。ハプロイドゲノム当たり一つ以上のヌクレオチド配列が存在し
ても良い。
【0091】 かくして、本発明のこの特徴点の一つの実施態様として、発現の制御のための
調節配列の稼働的制御の下に、本発明の核酸をゲノム内に取り込んでいる植物細
胞が提供される。コード配列は、農薬性融合ポリペプチド遺伝子に対して異種ま
たは外来である、即ちその発現のための遺伝子の各部と天然で関連しない一つ以
上の調節配列に機能的に結合しても良い。本発明に従った核酸は、ユーザーの制
御の下で発現を実施するように、外から誘導可能な遺伝子プロモーターの制御の
下に配置されても良い。
【0092】 一般的に言って、トランスフォーメーションに引き続き、当該技術分野で標準
的なように、例えば単一の細胞、カルス組織または葉片から植物が再生するであ
ろう。ほとんどのいずれかの植物は、上記植物の細胞、組織及び器官から完全に
再生できる。利用可能な方法は、Vasil等, Cell Culture and Somatic Cell Gen
etics of Plants, Vol I, II and III, Laboratory Procedures and Their Appl
ications, Academic Press, 1984及びWeissbachとWeissbach, Methods for Plan
t Molecular Biology, Academic Press, 1989にレビューされている。
【0093】 繁殖可能なトランスジェニック植物の再生は、コメ、トウモロコシ、コムギ、
オートムギ、及びオオムギといった穀物において達成されている(Shimamoto, K. (1994) Current Opinion in Biotechnology 5, 158-162; Vasil等, (1992) Bio
/Technology 10, 667-674; Vain等, 1995, Biotechnology Adavances 13 (4): 6
53-671; Vasil, 1996, Nature Biotechnology 14, page 702)。
【0094】 再生された植物に加えて、本発明は、以下の全てのものを包含する:上記植物
のクローン、種子、自身のまたはハイブリッドな子孫及び子孫(例えばFI及びF2
子孫)並びに切片のようなこれらのいずれかの一部分、種子。
【0095】 本発明はまた、上記植物由来の植物胎芽、つまり切片、種子を含む有性生殖ま
たは無性生殖の再生産または増殖に使用されるいずれかの部分を提供する。
【0096】 本発明に従った植物は、一つ以上の特性において純粋種ではないものでも良い
。植物の変種、特にPlant Breeders' Rightsに従った登記可能な植物の変種は排
除されても良い。単に植物またはその先祖の細胞内に導入されて、ゲノム内にト
ランスジーンを安定に含むからといって、植物が「植物変種」と考慮される必要
はないことに注意すべきである。
【0097】 本発明はさらに、植物の細胞内での上述の農薬性融合ポリペプチド遺伝子の発
現を引き起こすまたは許容することを含む、害虫に対する植物の毒性に影響する
または関与する方法を提供する。
【0098】 本発明はさらに、植物またはその先祖の細胞内に核酸を導入する早期の工程に
引き続き、植物の細胞内で本発明の核酸(図3に示されたもの、または当該配列
のミュータント、対立遺伝子または誘導体)からの発現を含む方法(それによっ
てコードされたポリペプチドが生産される)を提供する。上記方法は、植物が特
定の害虫に対して有する耐性に影響または左右するであろう。好ましくは上記植
物は、害虫に免疫性となる、即ち、害虫がいずれかの周知の条件下で植物を消費
または傷つけなくなるであろう。別法として耐性は、非トランスフォーム化植物
に対して高いまたは低くてもよい(即ち、損傷が平均以下である)。
【0099】 当然本発明はまた、開示される核酸配列のいずれかの発現産物、及び適切な宿
主において存在する、適切な条件の下でコードされた核酸からの発現による発現
産物の生産方法を包含する。
【0100】 発現に引き続き、上記産物は発現システム(例えば細菌)から単離され、例え
ば少なくとも一つのさらなる構成成分(例えばキャリアー液)を含む組成物の形
成において、所望されるように使用されても良い。上記殺虫性組成物は、特に融
合タンパク質の毒性構成成分が事前に使用されているものに類似する場合におい
て、スプレーとして使用されても良い。
【0101】 かくして、上記組成物で処理される害虫による攻撃に感受性である植物または
他の産物もまた、本発明の提供物の一部を形成する。
【0102】 別法として、上記ポリペプチド産物は、in vivoまたは上述のようにin situで
その機能を発揮しても良い。
【0103】 かくして本発明はまた、本発明のポリペプチド(または組成物若しくはそれを
含む宿主細胞)を使用することを含む害虫を制御する方法、とくに害虫に対して
上記ポリペプチド(または組成物若しくはそれを含む宿主細胞)の投与を含む害
虫を殺傷する方法、またはその消化を引き起こす若しくは可能にする方法を包含
する。
【0104】 本発明の精製ポリペプチドは、当該技術分野で標準的である方法を使用して抗
体を生産するために使用されても良い。抗体及び抗体の抗原結合断片を含むポリ
ペプチドが、例えば上記ポリペプチドに対するアッセイにおいて、またはそれを
ラベルするために使用されても良い。
【0105】 抗体を生産する方法は、上記タンパク質またはその断片で哺乳動物(例えばヒ
ト、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、またはサル)を免疫化する
ことを含む。抗体は、当該技術分野で周知の各種の方法のいずれかを使用して免
疫化された動物から得ることができ、好ましくは興味ある抗原に対する抗体の結
合を使用してスクリーニングされても良い。
【0106】 例えば、ウエスタンブロット法または免役沈降が使用されても良い(Armitage
等, 1992, anture 357: 80-82)。抗体は、ポリクローナルでもモノクローナルで
も良い。抗体は、数多くの方法で修飾されても良い。実際用語、「抗体」は、必
要とされる特異性を有する結合ドメインを有するいずれかの特異的な結合性物質
を包含するように考慮されるできである。かくしてこの用語は、天然または合成
のイムノグロブリン結合ドメインを含むいずれかのポリペプチドを含む、抗体断
片、抗体の誘導体、機能的同等物及びホモローグを包含する。それ故、イムノグ
ロブリン結合ドメインまたはその同等物を別のポリペプチドに融合したものを含
むキメラ分子も含まれる。キメラ抗体のクローニング及び発現は、EP-A-0120694
及びEP-A-0125023に記載されている。
【0107】 抗体全体の断片は、抗原を結合する機能を発揮することが示されている。結合
断片の例は、(i)VL、VH、CL及びCH1ドメインより成るFab断片;(ii)VH及びCH1ド
メインより成るFd断片;(iii)一本鎖抗体のV1及びVHドメインより成るFv断片;(
iv)VHドメインより成るdAb断片(Ward, E.S.等, Nature 341, 544-546 (1989);(
v)単離されたCDR領域;(vi)二つの結合したFab断片を含む二価断片であるF(ab')
2断片;(vii)VHドメインとVLドメインが抗原結合部位を形成するように会合させ
るペプチドリンカーによって結合した一本鎖Fv分子(scFv)(Bird等 Science, 242
, 423-426, 1988; Huston等, PNAS USA, 85, 5879-5883, 1988);(viii)に特性
一本鎖Fvダイマー(PCT/US92/09965);及び(x)遺伝子融合によって構築された多
価またはマルチ特異性断片である「ディアボディ」(WO 94/13804; P Holliger等
, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 6444-6448, 1993)である。
【0108】 ディアボディはポリペプチドのマルチマーであり、各ポリペプチドは、イムノ
グロブリン軽鎖の結合領域を含む第一のドメインと、イムノグロブリン重鎖の結
合領域を含む第二のドメインとを含み、上記二つのドメインが結合している(例
えばペプチドリンカーによって)が、抗原結合部位を形成するように高いに会合
できない:抗原結合部位は、マルチマー内の一つのポリペプチドの第一のドメイ
ンと、マルチマー内の別のポリペプチドの第二のドメインとの会合によって形成
される(WO 94/13804)。
【0109】 哺乳動物を免疫化する別法または補助法として、適切な結合特異性を有する抗
体は、例えばその表面に機能的なイムノグロブリン結合ドメインを展示するラム
ダバクテリオファージまたは繊維状バクテリオファージを使用して、発現された
イムノグロブリン可変ドメインの組換え的に生産されたライブラリーから得られ
ても良い。
【0110】 本発明の別のさらなる特徴点として、以下の工程を含む特定の種に対するポリ
ペプチドの毒性を評価する方法が開示される: (i)当該種から得た宿主細胞内に、上記ポリペプチドをコードする核酸を導入す
る工程; (ii)上記核酸を当該種から得た宿主細胞内で発現を引き起こすまたは発現させる
工程; (iii)細胞の生存能力を観察し、上記ポリペプチドの毒性での観察の結果を相関
させる工程。
【0111】 上記毒素の導入及び発現は、上述のように実施できる。好ましくは十分に特徴
付けされたプロモーターが、転写におけるいずれかの変化を最小するために使用
される。上記生存能力は、例えば視覚的な観察単独によってのみ、またはEM観察
を使用して、当該技術分野で周知のいずれかの方法によって評価できる。しかし
ながら好ましい実施態様として、上記方法は、例えばエチジウムホモダイマー1
、カルセインAMまたはトリパンブルーに基づくアッセイといった、エステラーゼ
活性または膜完全性を評価するアッセイの使用を含む(Molecular Probes, produ
ct Information sheet, Live/dead/cytotoxicity kit, L-3224を参照)。エチジ
ウムホモダイマー1及びカルセインAMは、細胞生存能力の異なる特徴点をアッセ
イする−それぞれ細胞膜完全性と細胞内エステラーゼ活性である(40,41)。
【0112】 これらのフロロフォアは、生体/死体アッセイにおいて以前に使用されている
が(39)、それらは特異的に導入された毒素コード核酸に関しては使用されていな
い。
【0113】 膜完全性アッセイは、膜に対して作用すると解される毒素(例えばBt cryベー
スの毒素)をアッセイするために特に有用であろう。
【0114】 本発明のアッセイフォーマットは、数多くの有用な特徴を有する−とくに細胞
毒素剤は、外的に適用されない。これは、細胞毒素剤の測定とその精製のための
必要性を除去する。
【0115】 かくして本発明の文脈において、上記ポリペプチドは、上述の農薬性ポリペプ
チドであっても良い。上記宿主細胞は、適切な害虫から由来するもの、例えば昆
虫細胞であろう。
【0116】 好ましくは生存能力の評価の結果は、毒素が発現されていないが、任意に他の
異種核酸が導入されているコントロール細胞の結果と比較される。上記比較は、
相関が作製できる信用性を改良するであろう。
【0117】 バキュロウイルスは、これらのベクターを使用するタンパク質合成が一時的で
あるため、この方法における使用のために特に有用なベクターである(Millar (1
988) Ann Rev Microbiol 42: 177-199)。コントロール細胞及び実験細胞におけ
るタンパク質濃度が等しい他のものは、混在する毒性効果を一定に増大し、その
ひどさは上記タンパク質のLC50によって測定されるであろう。
【0118】 本発明は、以下の非制限的な図面及び実施例を参考にしてさらに説明されるで
あろう。本発明の範囲に入る他の実施態様は、これらに照らして当業者に推測さ
れるであろう。
【0119】
【実施例】
物質:全ての制限エンドヌクレアーゼ、T4リガーゼ及び全ての制限酵素は、Boe
hringer Manheim (U.K.)から得た。QUIAGENプラスミドキット及びQUIAquickゲル
抽出キットは、QUIAGENから得た。pGEM-Tクローニングベクターは、Promega (U.
K.)から購入した。エチジウムホモダイマー1及びカルセインAMは、Molecular p
robes Europe BV (Nerherlands)から購入した。pFASTBAC1バキュロウイルストラ
ンスファーベクター、TC-100昆虫細胞培養皿及び培地、胎児ウシ血清、セルフェ
クチン及びDH10BACコンピーテントセルは、GIBCO BRL (U.K.)から購入した。こ
の研究で使用されるイン毒素B鎖遺伝子(プラスミドpWBT)及び抗リシン毒素B鎖
抗体は、Warwick UniversityのDr. L. Robertsから頂いた。CryIA(b)及びCryIA(
c)遺伝子を含むプラスミドpUBB及びpUBCは、University of Ottawa, CanadaのDr
. I. Altosaarから頂き、記載されたものであった(Sardana等, 1996)。使用され
る全てのプライマーは、Genosys Biotechnologies (England)で合成された。
【0120】 実施例1:毒素遺伝子の調製 リシン毒素B鎖遺伝子のサイトディレクトミュータジェネシス。4種のミュー
タジェンオリゴヌクレオチドをPCR反応で使用し、プラスミドpWT中でリシン毒素
B鎖遺伝子に沿った選択された位置でEcoRI及びHindIII制限部位を作製した(Wale
s等, 1991)−これらは図1Aに示される。5種のミュータジェンオリゴヌクレオ
チド(ミューテートされた塩基は下線部)は以下のものであった: LF1=5' CAACAACAAAGGAATTCATGCTGATG 3' LB1=5' GGACACACACACTGCAAGCTTGTAATC 3' LB2=5' CGGATCCGAAAGCTTCACATCTAACAC 3' LB3=5' GCTTGCAAGCTTAGACCATATAGCCC 3'
【0121】 1×PCRバッファー(Boehringer Mannheim)、200mMの各dNTP、15mM MgCl2、300
nMの各プライマー、2.6ユニットの酵素ミックス(Boehringer Mannheim)及び70ng
のpBWTプラスミドDNAを含む50mlの全容量で、PCRミュータジェネシスを実施した
。94℃で2分の初期の変性工程の後、10の固定された増幅サイクルを実施し
(94℃で15秒;65℃で30秒;72℃で1分)、引き続き20のサイクル
の別の段階的伸長を実施した(94℃で15秒;65℃で30秒;72℃で1分
;各サイクルで5秒まで増大する伸長)。72℃で7分で最終伸長工程を実施し
た。PCR産物を、0.8%アガロースゲル電気泳動によってサイズ分けし、精製し(QI
A-quickゲル抽出キット, Qiagen)及びベクターpGEM-T(Promega)中にサブクロー
ン化した。挿入物のサイズ及び向きを、EcoRI及びHindIIIでの切断によって確認
した。
【0122】 オリジナルRTB配列を確認するための配列決定を、M13/pUC19プライマー(Gibco BRL)及びBIG DYWシークエンシングキット(Boehringer Mannheim)を使用して実
施した。サイクリング配列決定を、PTC-200 Peilier熱サイクラー(M.J. Researc
h Inc.)を使用して実施した。
【0123】 実施例2:バキュロウイルスベクター中の融合物の調製 バキュロウイルスシステムの概要 昆虫バキュロウイルスAutographa californica (Ac)及びBombyx mori核多角体
ウイルス(MNPV)は、異種タンパク質の優秀な高レベル発現ベクターであることが
示されている(6,7,13,17)。これは主に、4種の一時的な別個の相でウイルスコ
ード化遺伝子の連続的な発現に関与するバキュロウイルスウイルス複製サイクル
の独特の性質のためである(2,7,10,18)。初めの三段階は、他の細胞に侵入して
感染を伝播する感染性ウイルス粒子の生産を引き起こす。感染後約18時間で開
始する遺伝子発現の最後の非常に後期の相で、ウイルス粒子は、多面体と称され
る結晶性タンパク質性構造内に封入される(7)。ポリヘドリン遺伝子は、ウイル
ス粒子の生産のために廃棄され、外来コード化配列で置換できる(7,27)。ポリヘ
ドリン遺伝子は、遺伝子発現の後期の相で発現されるため、それはウイルス感染
性に影響しない毒性タンパク質をコードする配列で置換できる。
【0124】 いくつかの殺虫性結晶性毒素が、バキュロウイルス感染昆虫細胞で発現可能で
あることが示されている。完全な殺虫性結晶性タンパク質遺伝子cryIA(b)がAcNP
V内にクローン化され、ポリヘドリン遺伝子を置換した(8)。全長及び切りつめら
れた細菌CryIVD殺蛾性タンパク質もまた、バキュロウイルスベクターを使用して
鱗翅類細胞で成功して発現された。
【0125】 pFASTBAC1バキュロウイルストランスファーベクター内へのクローニング cry1Ab及びcry1Ac遺伝子を、BamHI及びEcoRIでの切断によってソースプラスミ
ド(pUBB及びpUBC (46))から切り出し、バキュロウイルストランスファーベクタ
ーpFASTBAC Hb(Gibco)にサブクローン化した。組換えプラスミドを、リシン遺伝
子断片の指向的なサブクローン化を許容するようにEcoRI及びHindIIIで切断した
。6種の中間体pFASTBAC Hb融合構築物が生産され、3種のRTB断片の一つにそれ
ぞれ融合された二つのBt遺伝子を表した。これらをEco47IIIとEcoRI(cryIA)また
はEcoRIとXhoI(cry1Ac)で切断し、ヤエナリヌクレアーゼを使用して末端を破壊
し、隠して再ライゲーションの際フレーム中でBt及びRTBコード領域をもたらし
た(図1)。次いで組換えプラスミドを、StuIとHindIIIで切断し、Tn7結合部位
で隣接したポリリンカーを有する、同様に切断されたベクターpFASTBAC1中に融
合構築物の指向的なサブクローニングを可能にした。pFASTBAC1ベクターを別にB
amHIとEcoRIまたはEcoRIとHindIIIで切断し、コントロールとしてそれぞれ二つ
の非修飾Bt遺伝子とRTB断片のサブクローニングを可能にした。
【0126】 部位特異的転位 組換えpFASTBAC1トランスファーベクターを、DH10BAC株(Gibco BRL)のコンピ
ーテント大腸菌細胞内にトランスフォームした。これらの細胞は、Tn7結合部位
を有する修飾バキュロウイルスゲノムと、Tn7トランスポザーセを提供するプラ
スミドを含み、バキュロウイルスゲノム内へのpFASTBACにクローン化されたカセ
ットの部位特異的転位を可能にする。白色のコロニーを単離し、それから高分子
量DNAを説明されたように精製した(37)。
【0127】 組換えバクミドを、PCR及びM13/PUC19プライマーを使用して確認した。5マイ
クロリットルの10×PCRバッファー、1マイクロリットルの10×dNTPミック
ス、1.25ulの10uMの各プライマーのストック、1.5μlの50mM MaCl2、2.5μlの界
面活性剤W-1の1%溶液、1マイクロリットルのテンプレートDNA及び2.5ユニッ
トのTaqポリメラーゼを、50ulのPCR反応で使用した。93℃で3分のインキュベ
ーションの後、35サイクルのPCRを以下のように実施した:94℃で45秒、
55℃で45秒及び72℃で5分(37)。10マイクロリットルのPCR反応物を、0
.8%アガロースゲルで電気泳動した。
【0128】 ベクター構築の結果 リシン毒素B鎖遺伝子の3種の末端欠失体を得た。制限酵素EcoRI及びHindIII
での生成したpGEM-7組換えベクターの切断により、予想される3種のリシン毒素
B鎖遺伝子欠失体RTB1、RTB2及びRTB3を得た。RTB3(480bp,AA1-AA139)については
、プライマーLFx1LB3を使用した;RTB2(739bp,AA1-AA139)については、プライマ
ーLF1xLB2を使用した;LB1(841bp,AA1-AA262)については、プライマーLF1xLB1を
使用した。
【0129】 次いで3種のリシン毒素B鎖断片を、2種のBt遺伝子と融合し(各遺伝子のEco
RI部位を使用して)、6種の異なる翻訳融合タンパク質を得た。6種の翻訳融合
タンパク質遺伝子を、制限酵素切断を通じて確認した(結果示さず)。
【0130】 次いで上記融合遺伝子を、ポリヘドリンプロモーターの制御の下でバキュロウ
イルスゲノム内に転位させた。斑特異的転位の成功を、M13/PUCプライマーを使
用してPCRによって確認した。上記プライマーは、バキュロウイルスゲノムのTn7
結合部位に向かって配置される。この領域単独(いずれの構築物も含まない)で
のPCR反応は、300塩基対の断片を生じる。もしこの領域が非組換えpFASTBAC1
DNAで転位されているのであれば、M13/PUC19プライマーを使用するこの領域のP
CRは、2300塩基対のDNA断片を生ずる。PCRの結果(示さず)は、2300塩基対を超
えるサイズの一致する増大によって示されるように、完全な翻訳融合タンパク質
遺伝子発現カセットの成功した転位を確認する。次いでこれらの組換えバキュロ
ウイルスを、Sf21昆虫細胞内にトランスフェクトした。感染昆虫細胞から抽出さ
れる高分子量DNAは、上記昆虫細胞の成功した感染を確認した(M13/PUCプライマ
ーを使用するPCRを通じて)(データ示さず)。
【0131】 実施例3:殺虫性融合ポリペプチドを発現する宿主細胞の生産 組換えバクミドDNAでのSf21昆虫細胞のトランスフェクション。1ミリオンのS
f21昆虫細胞を、10%胎児ウシ血清を補った2mlのTC-100培地中で一晩35mm細胞培
養プレートに蒔いた。上記細胞を血清と抗生物質を含まない培地で2回洗浄し、
5時間1mlのトランスフェクションミックス(5マイクロリットルの組換えバク
ミドDNA、800μl血清及び抗生物質を含まないTC-100培地、及び6マイクロリッ
トルのセルフェクチン)で浸した(37)。トランスフェクションミックスを除去し
た後、細胞を48時間、完全TC-100培地(10%胎児ウシ血清を補った)で覆った。
上清と、2ミリリットルの完全培地でさらに48時間培養した細胞中でウイルス
を培養し(第一接種)、ウイルスを回収した(第二接種)。第二の上清を、上記
タンパク質の発現の最適時間を決定するための実験で接種物として使用した。全
ての感染について、培地を細胞からアスピレーターで吸い取り、細胞を1時間25
0μlの接種物で浸した(m.o.=5)。1時間の最後で、接種物を捨て、細胞を、10%
胎児ウシ血清を補った2mlの完全TC-100培地で浸した。タンパク質発現を、60
時間の期間で分析した。各分析期間の最後で、細胞をタンパク質破壊バッファー
(62.5mM Tris-HCl, 2% SDS)を使用して溶解した。15マイクロリットルのタン
パク質サンプルを、12.5%ポリアクリルアミドゲルに乗せ、抗リシン毒素B鎖抗体
または抗CryIA(c)抗血清のそれぞれでウエスタンブロット分析を実施した。
【0132】 タンパク質発現に対するウエスタンブロット分析の結果 バキュロウイルスタンパク質発現を、60時間の期間で分析した。細胞サンプ
ルを、2,20,24,34,48及び60時間で回収し、タンパク質濃度を色素結合法を使用
して測定した(47)。タンパク質サンプル(20μg)を、12.5% SDS-PAGEによって分
画し、製造者の説明に従ってTrans-Blotセミドライトランスファーセル(Bio-Rad
)を使用してニトロセルロース膜(Hybond C; Amersham)にトランスファーした。
フィルターを、CryIAb及びCry1Ac(Ms. S. Bano-Maqbool, Centre for Excellenc
e in Plant Molecular Biology, Pakistan)及びRTB(Dr. L. Roberts, Universit
y of Warwick, UK)に対する抗血清でプローブした。我々は、二次抗体としてア
ルカリホスファターゼ(AP)接合抗ウサギIgG(Fc))を使用し、検出を製造者の
推奨に従って実施した。
【0133】 RTB1、RTB2及びRTB3(リシン毒素断片のみを含むコントロール構築物)につい
て、タンパク質発現は感染後約20時間で開始し、60時間まで次第に増加し、
約34時間で最適化した。おそらく分解産物を表すであろう、予想より小さい分
子量のタンパク質バンドを、48時間(RTB1)、34時間(RTB2)及び24時間(RTB
3)で検出した。かくして第三のリシン毒素B鎖遺伝子欠失体、RTB3は特に、不安
定であるようであり、合成の後分解する。
【0134】 融合タンパク質と共にcryIA(a)及びcryIA(c)遺伝子については、分解産物は2
0時間程で検出され、上記タンパク質が昆虫細胞における分解に感受性であるこ
とを示唆した。
【0135】 実施例4:in vitro毒性アッセイ 最適なフルオロフォア濃度の決定 最適な色素濃度は、細胞タイプで変化する。十分なシグナルを与える最低の色
素濃度を見出すために、以下の実験を実施した。良好に生育した細胞をマイクロ
フュージチューブに回収し、1000μlのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水で一度
洗浄した。これらの細胞の半分を、30分30%メタノールで殺傷した。死んだ細
胞と生きた細胞のサンプルを別々に使用して、細胞の等量物を0.1-12.8μMのエ
チジウムホモダイマー1の異なる濃度を使用して30分インキュベートした。生
きた細胞と死んだ細胞の別々のサンプルを、各種の濃度のカルセインAM(0.1-12.
8μM)でもインキュベートした。染色細胞を、一般的な蛍光顕微鏡の下で観察し
た。6.8μMの濃度のエチジウムホモダイマー1は、死んだ細胞の核を明赤色に十
分にラベルした。0.4μMの濃度のカルセインAMは、生きた細胞を緑色に十分にラ
ベルした。次いで二つのフルオロフォアを互いに混合し、D-PBS中に6.8μMのエ
チジウムホモダイマー1と0.4μMのカルセインAMとより成る溶液を調製し、死ん
だ細胞と生きた細胞のサンプルの染色のために使用した。これらの結果から、選
択された濃度での2種のフルオロフォアは、感染細胞の生存能力を評価するため
に信頼性をもって使用できることが結論づけられた。
【0136】 生存/死亡生存能力/96時間での細胞毒性アッセイ 1ミリオンの細胞を、各感染(それぞれ7の複製)のため一晩35mm培養皿に蒔
いた。培地をアスピレーターから吸い取り、細胞を250μlの接種物に調製した。
14種の異なる感染を実施し、それらは以下のものを含んだ: (a)培地で偽感染された昆虫細胞; (b)非組換えバキュロウイルスで感染された昆虫細胞; (c)gus遺伝子を含む組換えバキュロウイルスで感染された昆虫細胞; (d)CryIA(b)、CryIA(c)、RTB1、RTB2及びRTB3のコード配列を含む組換えバキュ
ロウイルスで別個に感染された昆虫細胞; (e)6種の異なる融合遺伝子で別個に感染された昆虫細胞。 感染後34時間で感染細胞を溶解し、それらからDNAを抽出した。溶解バッフ
ァーの組成及び抽出の方法は、KingとPosseeに従った(38)。このDNAを、M13/PUC
プライマーを利用するPCR反応中でのSf21昆虫細胞の感染の成功を確認するため
に使用した。各感染について一つの培養皿から得た感染細胞を、感染後2,24,34,
48,72及び96時間で生存能力について分析した。上記細胞を5000xgでペレット化
し、滅菌組織培養グレードのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)で一度洗
浄した。細胞を50μlの生存/死亡アッセイ試薬(6.8μMエチジウムホモダイマー
1及び0.4μMカルセインAM、D-PBS中に調製)に穏やかに再懸濁し、室温で30分
インキュベートした。30分後、40μlのアッセイ試薬を細胞から除去して捨て
た。もし細胞が破壊されていなければ、マイクロフュージチューブの底に細胞が
固まるであろう。細胞で濃縮された残りの10μlを顕微鏡スライドに乗せ、×400
の倍率で蛍光顕微鏡(485±11nm)の下で写真を撮った。
【0137】 エチジウムホモダイマー1はDNAに固く結合し、深赤色の蛍光を発するにが、
それは親水性分子であり、生存細胞膜を横切れない。カルセインAMは、細胞内に
自由に拡散する中性分子である。それは細胞内エステラーゼ活性により切断され
、明緑色の蛍光を発する。かくしてエチジウムホモダイマー1は死亡細胞の核を
ラベルし、カルセインAMは生存細胞の細胞質をラベルする。
【0138】 一方はエチジウムホモダイマー1蛍光についてであり、他方はカルセインAM蛍
光についてのものである二つの写真のセットを、各細胞サンプルが、まだ生きて
いる細胞の状態を示すための写真(緑色蛍光)及び死んだ細胞の状態を示す写真
(赤色蛍光)を示すように、2種類のフィルターセットをそれぞれスイッチ切り
替えして撮った。
【0139】 毒性アッセイの結果 逆光顕微鏡の下で観察すると(×400)、上記融合タンパク質で感染された細胞
は、感染後24時間程度で毒性の多くの兆候を示した。上記兆候には、媒体中で
の浮遊、大きな球状形態、及び溶解細胞が含まれた。上記兆候のあるもの、特に
細胞溶解は、コントロール実験では感染後60時間で出現した。コントロール実
験は、培地で偽感染された細胞、バキュロウイルスのみで感染された細胞、gus
遺伝子及びリシン毒素B鎖遺伝子断片のみを含む組換えバキュロウイルスで感染
された細胞を含んだ。異なるタンパク質を発現する組換えバキュロウイルスで感
染されたSf21昆虫細胞についての生存/死亡生存能力アッセイにおいては、緑色
蛍光を有する細胞はエステラーゼ活性を有するため生存細胞と評価され、赤色蛍
光を与える細胞は膜が破壊されているため死亡細胞と評価された。
【0140】 上記アッセイの結果は、以下のように要約できる: (a)上記アッセイは、良好なSf21昆虫細胞で試験した。非感染細胞を72時間破
壊しないままで培地を変えずに放置した。上述のように評価した場合、非常にわ
ずかな細胞のみが死亡と観察された。健康な細胞を70%メタノールで30分処
理すると、全ての細胞が死亡と観察された。 (b)バキュロウイルスのみで感染されたSf21昆虫細胞は、感染後2時間、24時
間、34時間及び72時間で評価された。多くの細胞は72時間後に未だ生存し
ていた。 (c)GUS活性を発現するSf21昆虫細胞は、感染後2,24,34,72時間で評価された。こ
こでも多くの細胞が72時間後で未だ生存していた。 (d)CryIA(b)を発現するSf21昆虫細胞を、感染後2,24,34,72時間で評価した。細
胞は34-72時間の間でこのタンパク質によって重大な影響を受けた。 (e)CryIA(c)を発現するSf21昆虫細胞を、感染後2,24,34,72時間で評価した。こ
こでも細胞は23-72時間の間でこのタンパク質によって重大な影響を受けた。 (f)RTB1を発現するSf21昆虫細胞を、感染後2,24,34,72時間で評価した。多くの
細胞が72時間後で未だ生存していた。 (g)CryIA(b)-RTB1融合タンパク質を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間
後で評価した。細胞は24-34時間の間でこのタンパク質によって重大な影響を受
けた。 (h)CryIA(c)-RTB1融合タンパク質を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間
後で評価した。細胞は24-34時間の間でこのタンパク質によって重大な影響を受
けた。 (i)RTB2を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間で評価した。多くの細胞
が72時間後で未だ生存していた。 (j)CryIA(b)-RTB2タンパク質を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間後で
評価した。24時間までに、多くの細胞が死亡した、即ち上述のアッセイよりずっ
と早かった。 (k)CryIA(c)-RTB2タンパク質を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間後で
評価した。有意な数の細胞が24時間までに死亡した;ここでも上述のアッセイよ
りずっと早かった。 (l)RTB3を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間で評価した。多くの細胞
が72時間後で未だ生存していた。 (m)CryIA(b)-RTB3融合タンパク質を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間
後で評価した。多くの細胞が24時間までに死亡したが、細胞のある部分は72
時間まで生存していた。 (n)CryIA(c)-RTB3融合タンパク質を発現するSf21細胞を、感染後2,24,34,72時間
後で評価した。多くの細胞が24時間まで生存した。
【0141】 昆虫上皮細胞培養物は、Bt d-内毒素に対する天然の標的ではないが、その毒
素感受性は、上記毒素が由来する昆虫において観察されるものより数倍低いオー
ダーを有する(23)。しかしながら細胞培養物は、各種の昆虫種に対するBt毒素の
活性を評価するために通常使用される。
【0142】 RTB1およびRTB2を含む融合タンパク質で感染された昆虫細胞において、多くの
重篤な症状が観察されたが、Cry1Ab及びCry1Acのそれぞれに対する3種の異なる
RTB断片のいずれかの融合物は、エチジウムホモダイマー1及びカルセインAMを
使用して生存能力についてアッセイした場合、Sf21細胞において非常に増大した
毒性感受性を引き起こした。毒素の兆候は、感染後約34時間で観察された。上
記融合タンパク質がそれらを生産する昆虫細胞に対して重篤な毒性効果を有する
ことは明らかであり、それは上記毒素に対するグリコシル化結合(リシン毒素B
鎖)遺伝子の添加が、成熟前の細胞死亡及び過度の細胞溶解によって観察される
ように、この毒性を増大することも明らかである。
【0143】 毒素Cry1Ab及びCry1Acの選択、及びSf21細胞の使用は、Cry1AbがSf9及びIPLB-
Sf21昆虫細胞に対して穏やかな毒性であるのに対し、Cry1Acがこれらの細胞に影
響を有さないという早期の観察に基づいた(42,43)。明らかに、リシン毒素B鎖と
組み合わせた場合のCry1Acによる毒性の獲得は、毒性の発揮におけるガラクトー
ス結合に対する役割を示唆する。
【0144】 実施例5:植物における殺虫性融合物の使用 以下のように、融合タンパク質を植物、例えばトウモロコシまたはコメ内にト
ランスフォームする。上記融合ポリペプチドをコードする配列を、ユビキチンプ
ロモーターの制御の下で発現カセット内に挿入する。植物を遺伝子銃を使用して
トランスフォームする(例えばChristenson等, (1992) Plant Mol Biol 18: 675
-689; Christou等, (1991) Bio/Technol 16: 957-962)。次いで上記植物を、全
生体レベルで上記融合物の毒性を評価し、各種の選択圧の条件の下で抵抗性を測
定するために、昆虫食餌バイオアッセイで使用する。
【0145】 Btトランスジェニックコメ植物の生産の概要 成熟種子由来の胚形成コメカルスを、図1Bに示された11種の構築物(6種
の融合物と5種のコントロール)でトランスフォームした。各構築物は、ヒグロ
マイシン耐性についての選択を許容する共トランスフォームベクターと共に、遺
伝子銃によってコメ組織内に導入された。11種の組換えタンパク質の等量を発
現する植物につて、さらなる分析を実施した。上記融合タンパク質は、非修飾Bt
タンパク質を有するバキュロウイルス感染昆虫細胞よりも、トランスジェニック
コメ植物においてより効率的に発現した。
【0146】 トランスジーン構築物 上述のコントロール及び融合タンパク質カセットを、EheIとHindIIIを使用す
る中間体pFASTBAC Hbベクターから単離し、指向的にSmaIとHindIIIで切断したpA
L76内にサブクローン化した(ハウス中ユビキチンプロモーターベースのトラン
スフォーメーションベクター)(図1C)。
【0147】 遺伝子銃とトランスジェニック植物の回収 成熟コメ種子(Oryza staiva L. cv Eyi105)を脱穀し、70%エタノール中で2分
洗浄した。滅菌水で二回リンスした後、種子を穏やかに攪拌しながら30分1.6%
次亜塩素酸ナトリウム中で滅菌し、次いで滅菌蒸留水で3回リンスした。上記種
子を、コメカルス誘導培地(RCIM;2.5mg/lの2,4-Dを補い、2.5g/lフィタゲルで
固化されたMS基本培地)で暗所で発芽させた。7日後、盤状体由来のカルスを発
芽中の種子から切り取り、浸透培地で暗所で4時間培養した(36g/lソルビトール
と36g/lマンニトールを補ったRCIM(48))。次いで上記カルスを、DNAでコートさ
れた0.95mmの直径の金粒子で射撃し、上記カルスを、融合またはコントロール構
築物を含む11種のプラスミドの一つと、ヒグロマイシン耐性を与えるマーカー
を含む共トランスフォーメーションプラスミド(49)で1:3のモル比で共射撃した
。粒子のコーティング及び射撃法は、以前に記載された(50,51)。第二の射撃の
後、カルスをさらに16時間浸透培地で暗所でインキュベートし、3日間RCIMに
移した。次いでカルスを4週間選択培地(30mg/lヒグロマイシンBを補ったRCIM)
に移した。サブカルチャーを2週間間隔で実施した。ヒグロマイシン耐性カルス
を、日光中でHRSM1培地に移し(30g/lマルトース、2mg/l BAP、0.5mg/l NAA、30m
g/lヒグロマイシンB及び5g/lゲルライトゲランゴムを補ったMS基本培地)、茎の
再生を開始させた。1週間後、再生したカルスをHRSM2培地(ゲルライトゲランゴ
ムを2.5g/lのみ有するHRSM1)に移し、同じ条件下で培養した。十分に再生した茎
系を、植え付け培地HRRM(10g/lスクロースを補った1/2MS基本培地)に移した。成
熟した植物をガラスハウスに移した。
【0148】 RT-PCR分析 製造者の推奨に従ってRAeasy Plant Miniキット(Qiagen)を使用して、、トラ
ンスフォーム化及び野生型コメ植物の100mg葉組織から全RNAを抽出した。製造者
の説明書に従ってAccess-PCRキット(Promega)を使用して、RT-PCRを実施した。
我々は、100ngの全RNAと50pmolの各プライマーを使用した。プライマーCRF1とRT
R1はcry1Abとcry1Acの両者を増幅し、プライマーRTF1とRTR1はRTB遺伝子断片を
増幅する。プライマー配列は以下の通りであった: CRF1 (5'- CGCATTGAAAC CGGTTACACTC CCA -3'); CRR1 (5'- CTTGGGCAGAACCACGGAAGCTACC -3'); RTF1 (5'- GATGTTTGTATGGATCCTCAGCCCA -3');及び RTR1 (5'- GCCGAACAATGGTTGTAACAAAAGG -3')。
【0149】 ノーザンブロット 全RNAを上述のように抽出し、等量物を1%アガロース−ホルムアルデヒドゲル
での電気泳動によって分画し、標準法に従ってニトロセルロースフィルターにト
ランスファーした(52)。我々は、プローブとして使用するため、cry1Abとcry1Ac
コード領域に対応する1.8kbのBamHI/EcoRI断片をラベルした。
【0150】 ウエスタンブロット分析 トランスジェニック植物のウエスタンブロット分析を、液体窒素の下で均一な
パウダーに分割された小葉切片で実施した。サンプルをタンパク質抽出バッファ
ー(100mM Tris.Cl pH8.1, 100mM 2-メルカプトエタノール)に分散させ、4℃で
10分12,000×gで遠心分離した。30mgのサンプルを使用してSDS-PAGEを実施し
、ブロッティング及び検出法を上述のように実施した。
【0151】 ウエスタンブロットでのバンドパターンの分析は、最長のRTB断片(RTB1)を含
む融合タンパク質が最も安定であることを示唆した。コントロールRTB断片もま
た、トランスジェニックコメ植物において有効に発現した。植物中でのトランス
ジーンmRNAの存在を、ノーザンブロット分析とRT-PCRによって確認した(データ
示さず)。
【0152】 かくして、上記融合タンパク質はトランスジェニックコメ植物において有効に
発現したことが明らかである。
【0153】 実施例6:昆虫バイオアッセイ 昆虫バイオアッセイの概要 野生型コントロール植物と、図1Bに示された11種の構築物(6種の融合物
と5種のコントロール)の9種で個々にトランスフォームされたトランスジェニ
ックシステムの茎切片を使用して、昆虫バイオアッセイを実施した。pR2とpR3(
より短いRTB断片を含むコントロール構築物)でトランスフォームされた植物は試
験しなかった。これらのコントロールと融合タンパク質の効果を、経済的に重要
なコメの害虫である裸茎フナクイムシについて測定した。
【0154】 昆虫バイオアッセイ 裸茎フナクイムシの卵(Chilo suppressalis)の培養物を、Dr M. Cohen, Inter
national Rice Research Institute, The Philippinnesから得た。卵を、16時
間の光周期で27/25℃の明/暗温度周期の下で維持した。昆虫は、MAFFライセン
スEPHL 51/2595(3/1998)の下で保有された。コメ植物を同等な条件下で生育させ
て維持した。
【0155】 第一世代トランスフォーマントと野生型コントロール由来の茎切片について、
バイオアッセイを実施した。7cmの長さと少なくとも1の節を有する単一の茎切
片を、各植物から得た。切片を皿中の湿ったフィルターペーパーに配置し、茎へ
の侵入を容易にするため切断切片のかくまったんで3回配置することによって新
生茎フナクイムシ幼虫(<2時間齢)で感染させた。野生型コントロールを除い
て4種の複製物を各系について用意し、8の複製物を使用した。次いで皿をPara
film(登録商標)で密封し、上述の条件下で制御された生育チェンバー中で4日
間放置した。試験期間の後、茎切片を双眼顕微鏡の下で切開し、昆虫の生存、発
達及び重量を記録した。昆虫データの統計的分析を、Statviewソフトウェアーv. 5.0 (Abacus Concepts, CA)で実施した。偏差の分析(ANOVA)を、処理の間で有
意な差異について試験するために使用した。p>0.05の拒絶制限を使用した。
【0156】 結果 その結果は、図2に示される。野生型コントロールについての昆虫の生存は、
>95%であった
【0157】 非修飾Cry1AbとCry1Ac毒素を発現する植物については、昆虫の生存は55から
80%の間に減少した(79%(Cry1Ab)及び71%(Cry1Ac)の平均値)。上記デ
ータは、Cry1AcがCry1Abより茎フナクイムシに対してわずかに毒性であることを
示唆するが、その差異は統計的に有意ではなかった。RTB1コントロール断片を発
現するpR1系における昆虫の生存に対しては有意な効果は存在しないが、生存し
ている幼虫は成長が減少した(以下に示す)。
【0158】 構築物pBR3でトランスフォームされた植物を除いて、融合タンパク質を発現す
る全ての植物に対する平均の昆虫生存は、野生型コントロール植物、及びコント
ロールタンパク質を発現する植物のものより有意に低かった。
【0159】 構築物pCR1、pCR2及びpCR3でトランスフォームされた植物は、茎フナクイムシ
に対して高度に耐性であり、それぞれ87%、74%及び61%の昆虫死亡率を
有した。
【0160】 構築物pBR1、pBR2及びpBR3でトランスフォームされた植物の結果はより有用で
あり、30−50%の範囲の生存を有し、pBR2が最も有効であった。
【0161】 生存している幼虫は、全てのトランスジェニック系において減少した生育及び
発達の停止を示した。平均幼虫重量は、コントロールBtタンパク質及びコントロ
ールRTB断片を発現する植物の30%まで下降した。発達の停止は、Cry1Abを発
現する植物よりCry1Acを発現する植物においてより顕著であった。
【0162】 Cry1Ab融合タンパク質について、pBR1のみがコントロールBtタンパク質Cry1Ab
より有意に大きい効果を有し、平均幼虫重量において60%の減少を生じた。幼
虫生育と発達における大きな減少はまた、pCR1、pCR2及びpCR3を発現する植物に
おいても観察された。pCR2とpCR3での結果は、pBR1についての結果と同様であっ
たが、pCR1は最も有効な構築物であり、>80%の平均幼虫重量の減少を引き起
こし、第一齢を越える発達を妨げた。
【0163】 かくして、融合タンパク質を発現するトランスジェニックコメ植物は、裸茎フ
ナクイムシによる食餌に対して十分に保護され、55−80%の死亡率と微弱な
成長を引き起こし、生存幼虫の発達を停止した。最も毒性の融合タンパク質は、
pCR1であった。4日後、87%の昆虫死亡率と、生存幼虫において第一齢の段階
での発達の停止が存在した。4日後で、野生型植物を摂食する幼虫は第三齢に達
し、茎に対する重篤な損傷を引き起こした。逆に言うと、融合タンパク質を発現
するトランスジェニック植物を摂食する幼虫は、有意な損傷を引き起こさなかっ
た。それ故、Bt毒素に対するガラクトース結合ドメインの付加は、裸茎フナクイ
ムシに対するその活性を有意に増大した。
【0164】 結論 これらの実施例は、本質的に毒性でないが、毒素(例えばd-内毒素Cry1AbとCr
y1Ac)に結合された場合、細胞膜を破壊することなく細胞膜に非特異的に結合可
能な異種結合ドメイン(例えばリシン毒素B鎖)が、毒素に対する利用可能な分
子相互作用の範囲を増大し、それによってその活性のスペクトルを潜在的に広げ
ることができることを明確に示す。特に上記実施例は、in virto(Sf21細胞につ
いて)及びin vivo(剥がれた茎フナクイムシについて)の両者で、非修飾毒素と
比較して増大した毒性を示す。さらに、新規な結合ドメインの付加は、昆虫が二
つ以上の別個の細胞取り込み活性を破壊するミューテーションを受ける可能性が
低いため、昆虫の集団における耐性の進化を遅延するまたは予防することが可能
である。
【0165】 実施例7:昆虫腸ポリペプチドに対するレクチン、Bt毒素及びBt-レクチン融合
物の結合 方法体系 略記すると、腸をコメの二種類の昆虫害虫、上述の昆虫バイオアッセイで使用
された裸茎フナクイムシと、同翅類種、コメ茶プラントホッパ(milaparvata lug
ens)から腸を切開した。抽出された腸ポリペプチドを、SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動によって分離し、ブロットして、レクチン、Bt毒素、またはBt-レ
クチン融合タンパク質でプローブした;結合プローブを、適切な特異的抗体で検
出した。
【0166】 より詳細には、Bt毒素Cry1Acのドメイン1とマツユキソウレクチン(GNA)のHis
タグ融合物をコードする構築物(JD1と称する)を、初めに大腸菌において発現し
た。上記融合タンパク質を、溶解の後Ni-NTAアガロースビーズ(Qiagen)でのクロ
マトグラフィーによって精製し、変性剤を除くため透析し、超遠心分離によって
濃縮し、可溶性の機能的なタンパク質の調製物を得た。最終濃度及び純度を、SD
S-PAGEによって評価した。茶植物バッタ(Nilapavata lugens)中腸を、コメ植物
から回収した新鮮な昆虫から切開し、ソニケーションによりSDSサンプルバッフ
ァー中でホモジェナイズした。裸茎フナクイムシ中腸(Dr.MikeCohen, IRRIに
よって提供された)を後期の齢の幼虫から回収し、同様に処理した。溶解した腸
タンパク質を、SDS-PAGEによって分離し(12.5%アクリルアミド)、ニトロセルロ
ース膜にトランスファーした。乗せるタンパク質の量は、茶植物バッタについて
レーン当たり約1.5μgに等しく、裸茎フナクイムシについては、約5μgの
タンパク質をレーン当たり乗せた。ブロッキングバッファー(Sigma)で60分の
インキュベーションの後、腸タンパク質を含む膜を、JD1、Cry1Ac(Dr. David El
larから得た;上記タンパク質は記載されたようにトリプシン処理によって活性
化された(53))、GNA(Drs. W. PeumansとE. van Damme, Catholic University of
Leuven, Belgium)、またはRicinus communisアグルチニン(Sigma)のそれぞれと
共にインキュベーションによってプローブ化した。インキュベーションは、1μ
g/mlの濃度で25℃で60分間実施した。膜をそれぞれ5分、20ml Tris緩
衝Triton塩水(TBS-T; 0.15M NaClと0.1% Triton X-100を含む50mM Tris-HClバッ
ファー、pH7.2)で3回洗浄した。リガンド結合を、25℃で60分1:10000の希
釈でTBS-T中の適切な一次抗体(抗Cry1Ac、Dr. David Ellarから得た;抗GNA、
著者によって生産された;抗Ricinus communisアグルチニン, Vector Labs)での
インキュベーションによって検出した。膜を上述のように再び洗浄し、1:5000の
希釈の二次抗体(HRP接合物; Bio-Rad)でインキュベートした。膜を上述のように
洗浄し、皿に蒸留水で二回リンスし、その後ECL試薬(Amersham Pharmacia Biote
ch, UK)を加え、ブロットを製造者の説明書に従ってX線フィルムにさらした。
【0167】 結果 プローブとしてRicinus Communisレクチン、検出試薬として抗Ricinus commun
isレクチン抗体の組み合わせは、両昆虫の腸組織からの抽出物中の数多くのポリ
ペプチドに強力な結合を示した。対照的に、Cry1Acタンパク質プローブは、同じ
抽出物の一つのポリペプチドにのみ強力に結合した(裸茎フナクイムシにおいて
約45kDa、及び茶植物バッタにおいて90kDa)。さらにBt毒素とBt-レクチン融合
物の間の結合における差異を特徴付けするため、マツユキソウから得た特異的マ
ンノース結合レクチン(Galanthus nivalisアグルチニン;GNA)とCry1Acの間の融
合タンパク質を、大腸菌における適切な遺伝子構築物の発現によって生産した。
昆虫腸タンパク質に対する上記融合タンパク質の結合を、GNA及びCry1Acタンパ
ク質のそれぞれの結合と比較した。上述の結果と一致して、GNAは、コメ茶植物
バッタ腸から抽出される約75kDa(2バンド)及び50kDaのポリペプチドに強力に
結合し、裸茎フナクイムシ腸由来の約80kDaのポリペプチドに強力に結合した。G
NAはまた、Cry1Acによって検出される主要なバンドと同じ分子量である、茎フナ
クイムシ腸抽出物中の45kDaポリペプチドにも結合した。BNA-Cry1Ac融合物は、
裸茎フナクイムシ腸中のGNAによって認識される85kDaポリペプチドに弱くのみ結
合するが、GNAとCry1Ac毒素の両者によって認識される45kDaポリペプチドには結
合しなかった。他方で、融合物は、茶植物バッタ腸抽出物のGNAとCry1Ac毒素に
よって認識される全ての主要なポリペプチド(約90kDa、75kDa及び45kDa)に結
合を示した。これらの結果は、レクチン-Bt融合物が、それらが由来するBt毒素
と比較して、昆虫腸組織から抽出したポリペプチドに対する異なる結合特性を有
することを示した。
【0168】 議論 上述の実験において、精製レクチン、Bt毒素及びBt-レクチン融合タンパク質
は、昆虫腸から抽出されたポリペプチドと反応を可能にした。この結果は、リシ
ン中のガラクトース結合ドメインが、Cry1Ac毒素よりも昆虫腸抽出物中の多くの
ポリペプチドに対して強力に結合することを示した。レクチン−Bt融合タンパク
質の結合の二官能性(即ち、構成するタンパク質ドメインの両者から由来する結
合特性を有する)は、昆虫腸から得たポリペプチドに対する精製GNA-Cry1Ac融合
タンパク質での結合アッセイによって直接に示された。
【0169】
【参考文献】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、SF21細胞及びトランスジェニックコメ植物において発
現される構築物を示す。(A)ガラクトース結合ドメインに亘る3'末端断片から由
来する、リシン毒素B鎖(RTB)のサイトディレクトミュータジェネシスを示す(太
線)。ミスマッチしたオリゴヌクレオチドLF1、LB1、LB2及びLB3が、新規なEcoR
I(LF1)及びHindIII(LB1、LB2及びLB3)部位に導入するために使用された。3種の
RTB断片が得られ、RTB1、RTB2及びRTB3と称された。(B)コントロール及び融合カ
セットの模式図を示す。Bt cry1Ab及びcry1Ac配列が太線で示され、RTB断片が棒
線で示される。構築物pB及びpCはBtコントロールであり、構築物pR1、pR2及びpR
3はRTBコントロールであり、pBR1、pBR2、pBR3、pCR1、pCR2及びpCR3は融合構築
物である。制限酵素部位はpBR1についてのみ示され、全ての構築物について適用
される。制限酵素部位は以下にように省略される:B=BamHI、Ec=EcoRI、Eh=EheI
、H=HindIII。(c)トランスジェニック植物における発現のため、トウモロコシユ
ビキチン−1プロモーターと第一のイントロン、並びにnosターミネーターを含
むベクターpAC76内にクローン化した。制限酵素部位は以下にように省略される
:Eh=EheI、H=HindIII、S=SmaI。
【図2】 図2は、トランスジェニック茎及びコントロールに対して食餌
する茎フナクイムシ幼虫の生存、成長及び発達を示す図である。グラフは、6匹
の新生幼虫の接種から開始して4日後の昆虫の生存±SEを示す。各値は、6の
平行するバイオアッセイを表すコントロールを除いて、4の平行するバイオアッ
セイの平均を表す。
【図3】 図3(a)−(k)は、CryIA(b&c)、リシン毒素B鎖遺伝子断片、及
びポリヘドリンプロモーターの制御の下にあるpFASTBAC1中にクローン化された
融合遺伝子のヌクレオチド配列を示す図である。配列は、配列番号1−11で標
識される。全ての配列は、5'-3'方向で読まれる。ヌクレオチド97で開始するコ
ドンATGは、CryIA(b&c)遺伝子及び全ての融合遺伝子の転写開始部位である。リ
シン毒素B鎖断片については、ヌクレオチド125位で開始するコドンATGが、転写
開始部位として機能する。全ての遺伝子は、SV40ポリアデニル化配列によって終
結する。停止コドンTAG及びTAAが使用され、その位置(もし配列が5'-3'方向で
読まれるなら)は各遺伝子のサイズで変化する。もし配列が3'-5'方向で読まれ
るなら、二つのコドンTAG及びTAAはそれぞれヌクレオチド17位及び7位に位置す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/42 C07K 19/00 4H011 19/00 C12P 21/02 C 4H045 C12N 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/44 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/44 5/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2B030 AA07 AD08 CA15 CA17 CA19 4B024 AA07 BA38 CA04 DA01 DA02 DA06 EA02 EA04 GA07 GA11 GA18 HA03 HA11 4B063 QA01 QQ08 QQ32 QR58 QR59 QR69 QR77 QR80 QS24 QS28 QX01 4B064 AG01 AG30 CA02 CA10 CA11 CA19 CC24 DA12 4B065 AA20Y AA26X AA88X AA88Y AA90X AB01 AC14 BA02 CA24 CA48 CA53 4H011 AC01 BB06 BB22 4H045 AA10 AA20 AA30 BA41 CA11 CA30 DA80 DA83 EA06 FA74

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)毒性ドメイン;及び(ii)細胞膜を破壊することなく細胞
    膜に非特異的に結合可能な異種結合ドメインを含む、農薬性融合ポリペプチドを
    コードする核酸分子。
  2. 【請求項2】 上記毒性ドメインが、Bacillus thuringiensis cry毒素から
    由来する、請求項1記載の核酸。
  3. 【請求項3】 上記Bacillus thuringiensis cry毒素が、CryIA(b)または(c
    )である、請求項2記載の核酸。
  4. 【請求項4】 上記結合ドメインが、炭水化物に結合する、請求項1から3
    のいずれか一項記載の核酸。
  5. 【請求項5】 上記結合ドメインが、ガラクトースまたはガラクトシルアフ
    ィニティーを有する、請求項4記載の核酸。
  6. 【請求項6】 上記結合ドメインが、レクチンから由来する、請求項4また
    は5記載の核酸。
  7. 【請求項7】 上記レクチンが、二つのリボソーム不活性化タンパク質のタ
    イプである、請求項6記載の核酸。
  8. 【請求項8】 上記結合ドメインが、リシン毒素B鎖から由来する、請求項
    7記載の核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号1(CryIA(b))または配列番号2(CryIA(c))またはそ
    れらと縮重して同等な配列の全てまたは一部を含む、請求項2から8のいずれか
    一項記載の核酸。
  10. 【請求項10】 配列番号3(RTB1)、配列番号4(RTB2)または配列番号5(R
    TB3)またはそれらと縮重して同等な配列の全てまたは一部を含む、請求項2から
    9のいずれか一項記載の核酸。
  11. 【請求項11】 配列番号6(CryIA(b)-RTB1);配列番号7(CryIA(b)-RTB2)
    ;配列番号8(CryIA(b)-RTB3);配列番号9(CryIA(c)-RTB1);配列番号10(Cry
    IA(c)-RTB2);または配列番号11(CryIA(c)-RTB3)のいずれか一つに示されるCr
    yIA-RTBの組み合わせ、またはそれらと縮重して同等な配列を含む、請求項9ま
    たは10記載の核酸。
  12. 【請求項12】 配列番号1から11のいずれかのホモローガスな変異体で
    あるヌクレオチド配列を含む、請求項2から8のいずれか一項記載の核酸。
  13. 【請求項13】 毒素をコードする核酸と、異種結合ドメインをコードする
    核酸を組み合わせる工程を含み、上記結合ドメインが、細胞膜を破壊することな
    く細胞膜に非特異的に結合可能である、請求項1から12のいずれか一項記載の
    核酸を生産する方法。
  14. 【請求項14】 さらに、上記核酸中の一つ以上のヌクレオチドの付加、挿
    入、欠失または置換によって、毒性ドメインまたは結合ドメインの配列を修飾す
    る工程を含む、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記配列の修飾が、上記配列のコドン使用頻度の改変を引
    き起こす、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から12のいずれか一項記載の核酸を含む組換え
    ベクター。
  17. 【請求項17】 請求項1から12のいずれか一項記載の核酸が、プロモー
    ターに機能的に結合している、請求項16記載のベクター。
  18. 【請求項18】 誘導剤または補食に応答して引き金を引く他の植物シグナ
    ルに応答してスイッチオンする誘導可能なプロモーターである、請求項17記載
    のベクター。
  19. 【請求項19】 バキュロウイルスベクターまたは植物における使用に適し
    たベクターである、請求項16から18のいずれか一項記載のベクター。
  20. 【請求項20】 請求項16から19のいずれか一項記載のベクターを細胞
    に導入する工程、及び上記ベクターと上記細胞の間で組み替えを引き起こしまた
    は可能にし、ゲノム内に上記核酸を導入する工程を含む、宿主細胞をトランスフ
    ォームする方法。
  21. 【請求項21】 請求項1から12のいずれか一項記載の核酸、または請求
    項16から19のいずれか一項記載のベクターを含む宿主細胞。
  22. 【請求項22】 請求項1から12のいずれか一項記載の核酸、または請求
    項16から19のいずれか一項記載のベクターでトランスフォームされた宿主細
    胞。
  23. 【請求項23】 植物細胞である、請求項21または22記載の宿主細胞。
  24. 【請求項24】 上記植物が単子葉植物である、請求項23記載の宿主細胞
  25. 【請求項25】 上記単子葉植物が、トウモロコシまたはコメである、請求
    項24記載の宿主細胞。
  26. 【請求項26】 以下の工程: (a)請求項20の方法を実施して、トランスフォーム化植物細胞を生産する工程
    ; (b)上記トランスフォーム化宿主細胞から植物を再生する工程; を含む、トランスジェニック植物を生産する方法。
  27. 【請求項27】 請求項23から25のいずれか一項記載の宿主細胞を含む
    、請求項26記載の方法によって入手可能な植物。
  28. 【請求項28】 請求項23から25のいずれか一項記載の宿主細胞を含む
    、請求項27記載の植物のクローン、自身のまたはハイブリッドな子孫、または
    他の子孫である植物。
  29. 【請求項29】 単子葉植物である、請求項27または28記載の植物。
  30. 【請求項30】 上記単子葉植物が、トウモロコシまたはコメである、請求
    項29記載の植物。
  31. 【請求項31】 請求項23から25のいずれか一項記載の宿主細胞を含む
    、請求項27から30のいずれか一項記載の植物の一部または繁殖体。
  32. 【請求項32】 植物中で請求項1から12のいずれか一項記載の核酸から
    の発現を引き起こすまたは可能にする工程を含む、害虫に対する植物の毒性に影
    響するまたは改変する方法。
  33. 【請求項33】 請求項1から12のいずれか一項記載の核酸によってコー
    ドされる農薬性融合ポリペプチド。
  34. 【請求項34】 適切な宿主植物中で、請求項1から12のいずれか一項記
    載の核酸からの発現を引き起こす工程を含む、請求項33記載のポリペプチドを
    生産する方法。
  35. 【請求項35】 請求項33記載のポリペプチドと少なくとも一つのさらな
    る構成成分を含む組成物。
  36. 【請求項36】 害虫による攻撃に対して感受性を減少するように、請求項
    35記載の組成物で処理されている産物。
  37. 【請求項37】 請求項33記載のポリペプチドの使用を含む、害虫を制御
    する方法。
  38. 【請求項38】 (i)害虫種から得た宿主細胞内に、上記ポリペプチドをコ
    ードする核酸を導入する工程; (ii)上記核酸を当該種から得た宿主細胞内で発現を引き起こすまたは発現させる
    工程; (iii)細胞の生存能力を観察し、上記ポリペプチドの毒性での観察の結果を相関
    させ、上記生存能力が、エステラーゼ活性または膜完全性を評価することによっ
    て測定される工程; を含む害虫種に対するポリペプチドの毒性を評価する方法。
  39. 【請求項39】 上記害虫が、昆虫の種である、請求項37または38記載
    の方法。
  40. 【請求項40】 上記種が、Lepidoptera, Coleoptera, Culicidae, Simuli
    idae, Hymenoptera, Homoptera, Orthoptera及びDipteraから選択される、請求
    項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 LF1=5' CAACAACAAAGGAATTCATGCTGATG 3' LB1=5' GGACACACACACTGCAAGCTTGTAATC 3' LB2=5' CGGATCCGAAAGCTTCACATCTAACAC 3'または LB3=5' GCTTGCAAGCTTAGACCATATAGCCC 3' より成る群から選択されるオリゴヌクレオチド。
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