JP2002542816A - フルオロデオキシウリジン耐性Streptococcusgordonii菌株 - Google Patents

フルオロデオキシウリジン耐性Streptococcusgordonii菌株

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JP2002542816A
JP2002542816A JP2000615736A JP2000615736A JP2002542816A JP 2002542816 A JP2002542816 A JP 2002542816A JP 2000615736 A JP2000615736 A JP 2000615736A JP 2000615736 A JP2000615736 A JP 2000615736A JP 2002542816 A JP2002542816 A JP 2002542816A
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fudr
bacteria
tdk
gordonii
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JP2000615736A
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ルビー,デニス・イー
フランク,クリスティン・エイ
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シガ・テクノロジーズ,インコーポレイテッド
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、5-フルオロデオキシウリジン(FUdR)に耐性を有するグラム陽性菌を特長とする。このような細菌は、共生細菌であり、且つ抗生物質耐性でないことが好ましい。抗原性タンパク質をコードするDNAを用いて、本発明による細菌を形質転換することも可能である。患者における抗原性タンパク質に対する免疫応答を刺激するために、このような形質転換細菌を使用して、ワクチンを調製することができる。本発明は、さらに、FUdRに耐性を有するグラム陽性細菌を単離する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、5−フルオロデオキシウリジンに耐性を有するグラム陽性菌菌株、
およびこのような細菌菌株を産生する方法に関する。
【0002】 2.関連技術に関する説明 共生グラム陽性菌は、粘膜表面でコロニーを形成したり、分泌IgA、ならび
に全身性免疫、これらの生物の表面上に提示される組換え抗原に対する応答を刺
激することができる生ワクチンベクターとして、現在開発中である。このような
有望な生ワクチンデリバリーシステムの候補は、口腔細菌であるストレプトコッ
カス・ゴルドニ(Streptococcus gordonii)であり、これは、大抵の口腔部位でコ
ロニーを形成することができるヒト歯垢の成分である。こうした生物を生ワクチ
ンベクターとして使用することに関連した1つの重要な問題点は、調査研究およ
び臨床試験におけるこれらの組換え生物の操作中に使用するための、非抗生物質
選択可能マーカーを開発すること、ならびに動物試験におけるコロニー形成およ
び起こりうるこうした生物の環境中への分散のモニタリングが必要なことである
【0003】 チミジンキナーゼ(TK;EC 2.7.1.21)は、チミジンおよびおよ
びATPからのチミジレート形成を触媒するピリミジンヌクレオチド代謝のサル
ベージ経路における重要な酵素である。先の大腸菌(Escherichia
coli)の試験でも、Salmonella typhimuriumの試験
でも、それらの、ピリミジン類縁体フルオロデオキシウリジンに対する耐性を基
準にして、本質的に遺伝的背景でのtdk突然変異を選択できることが示唆され
た。FUDRは、TKによりリン酸化されて5-フルオロデオキシウリジン一リ
ン酸になると、チミジレートシンセターゼ(チミジレート合成のための新規合成
(de novo)経路における最終酵素である)を阻害すると考えられる。その結果と
して、前もって形成されたチミジンのソースが存在しないことにより、必須代謝
産物であるTMPが細胞から奪われることとなり、従って、tdkの変異につい
て選択圧となる。事実、先の、FUDR耐性の大腸菌(Escherichia
coli)単離菌は全て、遺伝子地図上の27.5分に、1つの遺伝子座にマ
ッピングされる突然変異を有しており、且つチミジンキナーゼ活性が欠如してい
た。このことから、FUdR耐性の通常のメカニズムは、チミジンキナーゼ活性
の欠如であること、およびE.coliのFUdR突然変異体における突然変異
は全て、tdk遺伝子座で起こることが示唆される。
【0004】 S.gordoniiのチミジンキナーゼをコードする遺伝子がクローン化さ
れ、そのヌクレオチド配列が決定されているため、我々は、S.gordoni
iのFUdR耐性菌株を選択することが可能かどうかを判定し、可能であれば、
最も有力な選択可能マーカーとして評価しようと試みた。
【0005】 発明の概要 簡単に説明すると、本発明は、5-フルオロデオキシウリジン(FUdR)耐
性グラム陽性菌を特徴とする。このような細菌は共生的であり、且つ抗生物質耐
性でないことが好ましい。本発明による細菌は、抗原性タンパク質をコードする
DNAを用いて形質転換することが可能である。患者における抗原性タンパク質
に対する免疫応答を刺激するために、このような形質転換細菌を使用して、ワク
チンを調合することが可能である。
【0006】 本発明は、さらに、FUdR耐性のグラム陽性菌を単離する方法を提供する。
【0007】 本発明の前述および他の目的、以下で明らかになる本発明の利点および特長と
共に、本発明の性質は、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明および添付のク
レームを参照することにより、さらに明確に理解されるであろう。
【0008】 発明の好ましい実施形態の詳細な説明 さらに詳細には、本発明は、(1)5-フルオロデオキシウリジン(「FUd
R」)を含む培地で細菌を培養するステップと、(2)FUdRの存在下で増殖
する細菌を選択するステップとを含む、FUdR耐性グラム陽性菌の菌株を単離
する方法に関する。
【0009】 本発明の方法で使用する培地は、ブレイン−ハートインフュージョン(brain-h
eart infusion)およびトリプティックソイブロス(tryptic soy broth)からなる
群から選択されることが好ましい。本発明の方法で使用する培地は、約0.5〜
約50μg/mlのFUdRを含んでもよい。好ましい実施形態では、本発明の
方法で使用する培地は、約1〜約10μg/mlのFUdRを含む。培地は、約
12.5μg/mlのウリジンおよび約2μg/mlのチミジンをさらに含むこ
とが望ましい。
【0010】 任意のグラム陽性菌を本発明の方法で使用することが可能である。本発明で使
用される細菌は、グラム陽性共生細菌であり、且つ抗生物質耐性でないことが好
ましい。本発明で使用するのに特に好ましい細菌種は、ストレプトコッカス・ゴ
ルドニ(Streptococcus gordonii)である。
【0011】 本発明は、さらに、単離されたFUdR耐性グラム陽性菌を提供する。このよ
うな細菌は、本発明の方法で単離してもよく、組換え方法で作成してもよい。本
発明による細菌は、ストレプトコッカス・ゴルドニ(Streptococcu
s gordonii)等の共生細菌であり、且つ抗生物質耐性でないことが好
ましい。
【0012】 本発明による細菌は、結果としてtdkのORFに翻訳終止コドンが導入され
るtdk遺伝子における点突然変異に起因する、FUdR耐性である。このよう
な突然変異は、早発的に終結されたTKポリペプチドの発現を招く。本発明の好
ましい実施形態では、上記早期終結TKポリペプチドは、ドメインVIIを欠く
【0013】 患者における免疫応答を刺激するために、抗原性タンパク質をコードするDN
Aを用いて、本発明によるFUdR耐性細菌をさらに形質転換することが可能で
ある。好ましい実施形態では、患者における疾患に対する免疫応答を刺激するた
めに、病原性細菌の表面タンパク質をコードするDNAを用いて、ワクチン組成
物で使用する本発明による細菌を形質転換することが可能である。本発明の状況
で使用される用語「患者」は、免疫応答が生じることが望まれる、ヒトを含むが
ヒトに限らない動物を指すと理解される。本発明の特に好ましい実施形態におい
て、DNAは、米国特許第4,784,948号および第5,840,314号
(その内容は参照することにより本明細書に組み込まれるものとする)に記載の
連鎖球菌M6タンパク質、またはそのフラグメントをコードする。たとえば、米
国特許第5,616,686号、第5,786,205号および第5,821,
088号(その内容は参照することにより本明細書に組み込まれるものとする)
に記載の方法を使用して、それらの表面上に 異種タンパク質を発現するように
、グラム陽性菌を形質転換することが可能である。
【0014】 本発明の好ましい実施形態をさらに十分に説明するために、以下の実施例を示
す。これらの実施例は、決して、広範囲の本発明を制限するものと解釈すべきで
はない。
【0015】 実施例1 この試験では、S.gordoniiのFUdRr菌株の選択、ならびにそれ
らの遺伝学的特性、生化学的特性および(in vitroおよびin viv
oでの)増殖特性の特性決定について説明する。我々は、S.gordonii
の自然発生的FUdR耐性菌株が一段階で容易に選択されることを実証し、結果
として生じたtdk遺伝子座における突然変異の性質を同定し、チミジンキナー
ゼ酵素活性およびチミジン取込みに対するこれらの突然変異の生化学的結果を分
析する。さらに、我々は、FUdR耐性菌株の経口/鼻腔内接種材料を接種した
マウスのコロニー形成は、親S.gordoniiに匹敵することを示す。
【0016】 実験手順 細菌菌株および培養条件 Streptococcus gordonii菌株V288(ATCC35
105)の自然発生的ストレプトマイシン耐性突然変異体である、Strept
ococcus gordonii菌株GP204が、この試験に記載のFUd
r S.gordonii菌株が選択された親菌株である。テキストに指示され
ている通りに、適当な成分(硫酸ストレプトマイシン、500μg/ml;FU
dR、50μg/ml、12.5μg/mlウリジンおよび2μg/mlチミジ
ン)を加えたブレイン−ハートインフュージョンブロス(BHI;DIFCO)
またはトリプティックソイブロス(DIFCO)のいずれかで、37℃にて、S
.gordonii培養を静的培養として増殖させた。E.coli菌株KY8
95(F-、tdk-、1-ilv)は、チミジンキナーゼ活性が欠如している。
TK活性を回復するE.coli tdk遺伝子を発現するプラスミドを含むE
.coli菌株KY895も、この試験で使用した。
【0017】 tdk遺伝子のPCR増幅およびヌクレオチド配列分析 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、S.gordonii菌株の染
色体DNA調製物からチミジンキナーゼのオープンリーディングフレームを増幅
した。使用した方法は、Gene Amp XL PCR Kit(Perki
n Elmer)およびTth Start Antibody(Clonte
ch)の製造業者により指示されたものを改変したものであった。簡単に記載す
ると、PCR反応は、以下の成分を含む反応混合物50μlであった:(XL緩
衝液II(1×)、Mg(OAc)2溶液(1.1mM)、プライマーCF12
(5’-GATTATGGCTCAATTATATTATAAATACGG-3’
、0.4μM)、プライマーCF13(5’-CAATTATTAATGTCT
GGCTTAAAATAATG-3’、0.4μM)、dNTP(0.2μM)
、Tth Start Antibody(0.88μg)、rTth DNA
ポリメラーゼ(2U)、SP204(1-1)Lot#SP22-09染色体DN
A(180ng)またはGP204 Lot#SP5-IB染色体DNA(26
2ng))。Tth Start AntibodyおよびrTth DNAポ
リメラーゼを、56:1モル濃度溶液(Tth Start Antibody:
rTth DNAポリメラーゼ)として調製し、PCR反応に加える前に、室温
で5分間インキュベートした。この反応混合物にシリコンオイルを重層し、次い
で、以下のプログラム((94℃、1分;53℃、1分;72℃、2分)1×;
(94℃、30秒;55℃、1分;72℃、1分)35×および(72℃、10
分)1×)に従って、ERICOMP Twin Block熱サイクラー内で
熱循環に供した。製造業者により指示された説明書に従って、576bpのPC
R産物を、Invitrogen TA Cloning Kitで供給される
pCR2.1ベクターにクローニングした。
【0018】 QIAGEN QIAprep Spin Miniprep Kitを使用
してプラスミドDNA鋳型を調製し、子牛胸腺DNAを検定標準として使用して
蛍光光度計(Hoeffer DYNA Quant 200)で計量した。D
NA配列決定のために、プラスミドDNA鋳型をCentral Servic
es Laboratory of the Center for Gene
Research and Biotechnology,Oregon S
tate Universityに提出した。製造業者(PE Applied
Biosystems P/N 402114,Revision C)によ
り指定された方法に従って、ABI PriSMTm Dye Primer
Cycle Sequencing Core Kit with Ampli
Taq@ DNA Polymerase,FS Kitを使用して、DNAジ
デオキシ鎖終結シーケンシング反応混合物を調製した。T7ダイプライマー(5
’-TAATACGACTCACTATAGGG-3’)およびM13リバースダ
イプライマー(5’-CAGGAAACAGCTATGACC-3’)を使用して
両鋳型を配列決定し、ABI 373シーケンサーでシーケンシング反応を分析
した。
【0019】 無細胞転写および翻訳 製造業者の指示に従って、TnT Reticulocyte Lysate
kit(Promega)をプログラムするために、放射標識の非存在下且つ
L-[35S]-メチオニン(Amersham Radiochemicals
Co.; 1249 Ci/mmol)の存在下で、プラスミドDNA鋳型を使
用して、連結転写/翻訳反応を同時に実施した。合成された放射性ポリペプチド
をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析し、オートラジオグラフィー
で可視化した。
【0020】 チミジンキナーゼ酵素アッセイおよびチミジン取込み 既述の通り、[3H]-チミジンの[3H]-TMPへの転換に従うフィルター結
合アッセイで、非放射標識in vitro翻訳産物のチミジンキナーゼ活性を
決定した。S.gordonii菌株の対数増殖期のチミジン取込みを測定した
。一晩培養からのアリコートを、500μg/mlの硫酸ストレプトマイシンを
含むBHIブロスで1:100希釈し、A590nm=0.5まで37℃で増殖させた
。[3H]dT(最終濃度0.75μM;85Ci/mmol)を総量1mlで
加え、37℃でインキュベートした。インキュベーション後、アリコート50μ
lを取り、10%トリクロロ酢酸(TCA)で予め湿らせたWhatman 3
MM濾紙ディスク上にスポットし、既述通りに、処理して取込まれた放射標識を
決定した。
【0021】 マウスコロニー形成 S.gordonii菌株を、BHIブロス(適当な選択的添加物を含む)培
養液50mlで、OD650=0.8まで37℃で増殖させた。この培養液45m
lを、40℃にて、2,200×gで20分間遠心分離した。上澄を吸引し、連
鎖球菌細胞ペレットを、用時調製したBHI 1mlに再懸濁した。この濃度の
細胞懸濁液により、1〜5×109cfu/50μl用量が送達された。適当な
選択的添加物を含む5%羊血寒天上に接種材料の段階希釈をプレーティングする
ことにより、コロニー数を確認した。メスBALB/cマウス(6〜8週齢;C
harles River)に、S.gordoniiを移植する前の2日間、
随時摂取可能な水に入れてストレプトマイシン(5gm/l)を投与し(-2日
)、移植中ずっと、ストレプトマイシン水で維持し、その後、非添加水に戻した
。0日に、各細胞懸濁液50μlを鼻孔と口腔との間に一様に分布させてマウス
に移植し、2日に、新たに増殖させた細胞でこの工程を繰返した。毎週または隔
週の間隔で、マイクロスワブ(Fisher)を使用して、連鎖球菌コロニー形
成について、各マウスの咽頭領域、歯肉および歯をモニタリングし、続いて、適
当な選択的添加物を含む5%羊血寒天上にプレーティングした。このプレートを
37℃で48時間インキュベートした後、生じたコロニーを計数した。
【0022】 結果 FUdRr Streptococcus gordonii菌株の選択。 グラム陰性菌系での以前の調査研究で、細菌を阻止濃度の5-フルオロデオキ
シウリジン(FUdR)に曝露すると突然変異が生じ、細菌ゲノムのtdk遺伝
子の遺伝学的不活化が随伴することを証明した。Streptococcus
gordonii等のグラム陽性菌が類似した挙動を示すかどうかは分からなか
った。代表的なグラム陽性共生細菌の相対的FUdR感受性を決定するために、
S.gordonii、菌株GP204(ストレプトマイシン耐性、Smr)を
FUdR選択プレート上にプレーティングした。選択プレートは、チミジレート
合成の代替新規生合成経路を促進するために、ウリジン(12.5μg/ml)
およびチミジン(2μg/ml)の存在下で、1〜60μg/mlのFUdRを
含むブレイン−ハートインフュージョン(BHI)寒天ベースであった。ポジテ
ィブコントロールおよびネガティブコントロールとして、それぞれ、野生型td
k遺伝子発現E.coli菌株および十分に研究されたTK突然変異体(KY8
95)を使用した。得られた結果から、S.gordonii GP204は、
E.coliと比較して、FUdR阻害に非常に敏感であることが分かった。T
+ E.coliは、60μg/mlのFUdRの存在下でコロニーを形成した
が、0.5μg/mlという僅かなFUdRの存在下で、S.gordonii
GP204の著しい阻害は明白であった。従って、FUdR S.gordo
nii菌株を選択し単離するために、S.gordonii GP204を、1
〜10μg/mlのFUdRを含む繰り返し選択プレート上にプレーティングし
た。こうした条件で、1μg/ml FUdRを含むプレート上にFUdRr
ロニー2個が得られ、SP204(1-1)およびSP204(1-2)と呼ばれ
た。10μg/ml FUdRを含むプレート上でFUdRrコロニー1個が増
殖し、SP204(10-1)と呼ばれた。これらの菌株が親菌株S.gord
onii GP204に由来することを保証するために、SP204(1-1)
、SP204(1-2)およびSP204(10-1)のSmr表現型を検証した
。さらなる定量分析で、S.gordonii GP204 FUdR耐性突然
変異体が生じる自然発生的突然変異率は、1×10-6であることが分かった。
【0023】 S.gordonii FUdR突然変異体tdk遺伝子座のヌクレオチド配列
分析。 グラム陰性細菌の場合と同様に、tdk遺伝子にマッピングされた突然変異が
、FUdR耐性獲得の原因であるかどうかを決定するために、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)を使用して、S.gordonii 菌株SP204(1-1)
、SP204(1-2)、SP204(10-1)およびGP204(PCR反応
の陽性対照として含めた)の染色体DNA調製物から、チミジンキナーゼオープ
ンリーディングフレームを増幅した。PCRプライマーは、以前に公表された、
菌株DL-1由来のS.gordonii tdk遺伝子の配列(Challi
s)に基づいており、全tdk遺伝子座(576bp)を含む579塩基対(b
p)DNA産物を増幅するようにデザインした。いずれの場合にも、DNAサイ
ズ標準と比較して測定したとき、およそ600bpのサイズの独特のPCR産物
が得られた。
【0024】 増幅されたPCR産物をアガロースゲルから切除し、プラスミドベクターpC
R2.1に連結し、INVαFコンピテント細胞に形質転換した。アンピシリン
(50μg/ml)耐性コロニーを寒天プレートで選択した。制限エンドヌクレ
アーゼEcoRIで消化した代表的なコロニーからプラスミドDNAを調製し、
アガロースゲル電気泳動法で分析し、適当なサイズ(〜600bp)の挿入物が
存在することを確認した。M13逆プライマーおよびT7シーケンシングプライ
マーを使用して、代表的なクローン由来のプラスミドDNAを、両鎖について配
列決定した。
【0025】 FUdRr菌株からのDNA配列分析で、tdk ORFは、S.gordo
nii GP204の配列と比較して、それぞれ、1個の塩基対置換を含み、そ
の結果、翻訳終止コドンをtdkORFの各菌株独特の位置に導入することにな
ったことが明らかになった(図1)。SP204(l-1)のtdk ORFは
、191アミノ酸tdk ORFのコドン86に、GAGからTAGへのトラン
スバージョン突然変異を含んでいた。SP204(1-2)の突然変異は、コド
ン155に生じたCGAからTGAへのトランスバージョン突然変異であった。
SP204(10-1)では、tdk ORFのコドン88に、CAGからTA
Gへの別のトランスバージョン突然変異が認められた。誘導されたS.gord
onii GP204のヌクレオチド配列は、DLI(Challis)につい
て公表されたヌクレオチド配列と残基1個が異なり、tdk ORFのヌクレオ
チド54に、サイレントAからGへの突然変異を含むことにも留意すべきである
。SP204(1-2)、SP204(10-1)も、それぞれ、ヌクレオチド5
4にサイレント突然変異を含んでおり、親菌株S.gordonii GP20
4に由来することが確認された。
【0026】 S.gordonii FUdRr突然変異体におけるTK活性の喪失。 全長S.gordonii TKポリペプチドの予測分子量は21,843ダ
ルトンである。SP204(1-1)、SP204(1-2)、SP204(10
-1)FUdRr突然変異体によりコードされる早期終結TKポリペプチドの予測
分子量は、それぞれ、9,800ダルトン、17,800ダルトンおよび10,
100ダルトンである(図1)。これらの表現型を検証するために、pCR2.
1プラスミドベクターでクローニングされたFUdRr tdk遺伝子座を、T7
RNAポリメラーゼを使用して転写し、誘導された転写物を、[35S]メチオニ
ンの存在下、ウサギ網赤血球溶解物で翻訳し、放射標識された翻訳産物をゲル電
気泳動法で分析した。図2aのデータから、このゲルの蛍光写真で確認される標
識されたin vitro翻訳産物の見掛けの分子量は、SP204(1-1)
、SP204(1-2)、SP204(10-1)のtdk遺伝子座のTK切断生
成物の予測サイズと良好な一致を示すが、SP204(1-1)tdk由来の転
写物は、翻訳不良であるか、翻訳産物が不安定であるかかのいずれかであった。
【0027】 先に、我々は、真核TK酵素でも原核TK酵素でも高度に保存されている7つ
の機能的ドメイン(I〜VII)を同定した。SP204(1-1)およびSP
204(10-1)によりコードされた切断型TK酵素は、ドメインIII〜V
IIが欠如しており、切断型SP204(1-2)TK酵素は必須ドメインVI
I(カルボキシル末端付近の4アミノ酸配列)が欠如している。この観察結果か
ら、切断型FUdRrtdk ORFの中で、活性なTK酵素をコードするもの
はないと予測される。この予想をテストするために、抽出物が[3H]チミジン
を[3H]TMPに転換する能力で測定したときの、チミジンキナーゼ活性につ
いて、FUdRrtdk由来のin vitro転写産物でプログラムされた非
標識翻訳反応を試験した。図2bで明白なように、SP204(1-1)、SP
204(1-2)、SP204(10-1)TK翻訳では、[3H]チミジンリン
酸化活性がバックグラウンド以上に存在し、親GP204TK翻訳反応では、高
レベルのチミジンキナーゼ活性が明白であった。これらのデータをひとまとめに
して考えると、各FUdR'SP204菌株は、tdk遺伝子座内の、トリプレ
ットコドンの最初の塩基に突然変異を有し、その結果、各菌株の独特の部位に翻
訳終止コドンを導入したことがわかる。各SP204菌株のtdk ORFのi
n vitro翻訳産物の分析で、切断型TKポリペプチドが合成されること、
およびこれらの不完全なポリペプチドはチミジンキナーゼ欠失であることが確認
される。
【0028】 S.gordoniiにおけるFUdRrのin vivo結論。 FUdRrS.gordonii 突然変異体を単離して特性決定したため、
何か結論があるとすれば、チミジンキナーゼ欠失表現型が細胞培養またはレシピ
エント動物におけるS.gordoniiの増殖にどんな影響を及ぼすかを決定
することが関心事であった。組換えS.gordonii 菌株構築物用の選択
可能マーカーとして、FUdRrを伝統的な抗生物質耐性の代わりに使用するの
であれば、またそれらをin vivoワクチンデリバリー媒体として実行する
のであれば、この情報は重要であろう。3つのFUdRr突然変異体(SP20
4(1-1)、SP204(1-2)、SP204(l0-1))は全て同じTK-
表現型を示すため、in vivo分析を簡素化するために、我々は、さらなる
分析用にSP204(l-1)1個を選択した。
【0029】 取り組むべき第1の問題は、標準的な実験的増殖条件でSP204(1-1)
の増殖が損なわれないかということであった。外因的に加えられたウリジンおよ
びチミジンの存在下ではあるが、BHIプレート上で突然変異体を単離して増殖
できることによって、この問題には、既にある程度答が出されていた。我々は、
様々な培地を使用したブロス培養で、もっと厳密に問題点に取り組んだ。トリプ
チカーゼ大豆ブロス(TSB)等の最小培地では、SP204(1-1)の増殖
は、親菌株GP204と比較して、ひどく阻害されることを発見した。この阻害
は、大部分が(しかし全部ではない)、50μg/ml外因性ウラシルを増殖培
地に加えることにより抑えられる(データ示さず)。対照的に、図3に示す通り
、SP204(1-1)はリッチブロス培養(BHI)でかなりよく増殖した。
この実験は、GP204およびSP204(1-1)の一晩培養の1:100逆希
釈を、用時調製BHIブロスに接種し、ヌクレオチドを加えずに、37℃で増殖
をモニタリングした結果を示す。こうした条件で、SP204(1-1)は、G
P204と同じ速度で増殖し、同じ細胞密度に達することがわかり、必要な外因
性ヌクレオチドは、BHI調製物で供給されることが示唆される。この結果から
、培養条件でFUdRrを選択可能マーカーとして使用できるという仮説が裏付
けられるが、使用する培地への注意が不可欠である。
【0030】 取り組むべき次の問題は、あるとすれば、FUdRrマーカーの存在が、ヌク
レオシド取込みおよび/または代謝にどのような影響を及ぼすかということであ
る。先の、グラム陰性細菌E.coliでの研究で、チミジン取込みと細胞内チ
ミジンキナーゼ活性レベルとの間に固有の関連があることが示唆された。S.g
ordonii等のグラム陽性菌が同じ方式で反応するかどうかを決定するため
に、GP204およびSP204(1-1)でチミジン取込みを直接測定した。
GP204およびSP204(1-1)の対数期培養の2組のアリコート1ml
に、[3H]チミジンを加えた。0分または10分間インキュベートした後、T
CAで細胞を沈澱させ、洗浄し、細胞内放射能を決定するためにカウントした。
図4のデータから分かるように、GP204はチミジンを速やかに吸収すること
ができたが、SP204(1-1)は大きく阻害され、10分間インキュベート
した後でも、痕跡量の放射能が蓄積しただけであった。この結果から、グラム陰
性およびグラム陽性細菌で、ヌクレオチド取込みと代謝が連結される方式の共通
点が示唆され、また、濃度または外因性ヌクレオシド/ヌクレオチドが未知のi
n vivo状況で、TK7菌株の増殖が損なわれる可能性があるかどうかとい
う問題が提起される。
【0031】 少なくとも幾つかの培養条件で、SP204(1-1)による増殖もチミジン
取込みもin vitroで損なわれると考えられるため、栄養条件が変わりや
すく且つ未知のレシピエント動物で、SP204(1-1)がコロニーを形成し
て持続する能力が、同様に影響を受けるかどうかを決定することは興味深い。も
しそうであれば、FUdRrマーカーの潜在的ワクチン調製物での使用は禁忌で
あろう。モデルシステムとして、我々はBALB/cマウスを選択した。先の研
究で、経口的および鼻腔内的にマウス接種したとき、組換えS.gordoni
i 菌株は、コロニーを長期間(8〜12週間)形成でき、その結果、活発な局
所免疫応答および全身性免疫応答を誘導することを示した。従って、マウス10
匹ずつの2グループにストレプトマイシンを投与して、既存の内因性細菌叢を抑
制した。次いで、2回の口腔鼻移植(48時間離す)の各回に、GP204また
はSP204(1-1)(両者ともストレプトマイシン耐性である)のいずれか
109cfuを、各群の個々のマウスに投与した。次いで、導入された接種材料
によるコロニー形成のレベルおよび持続期間を、定期的に口腔をスワブしてスト
レプトマイシンおよび/またはFUdR含有血液寒天プレート上にプレーティン
グすることにより、モニタリングした。意外なことに、コロニーを形成したマウ
スの数またはコロニー形成の平均持続期間に差はなかった(図5)。どちらの場
合にも、最初は、100%のマウスがコロニーを形成した。個々の動物のコロニ
ー形成持続期間は1〜12週の間で変化したが、GP204群とSP204(1
-1)群との間に統計学的有意差は認められなかった。対照的に、データの視覚
的精査から、どちらかといえば、平均して、SP204(1-1)はGP204
よりも僅かによくコロニーを形成する傾向があった。同様に、コロニー形成の程
度の列挙は、明白な差を示さなかった。
【0032】 考察 本明細書に示す結果により、E.coli等のグラム陰性菌とグラム陽性共生
細菌S.gordoniiとの間の、ヌクレオチド代謝(少なくともチミジンの
場合)の見掛け上の共通点が確認された。本明細書に示すデータから、阻止濃度
のFUdR存在下で増殖させたとき、S.gordoniiは約1×10-6の頻
度でFUdR耐性突然変異体を生じさせることが分かった。FUdRr獲得の原
因であるゲノムの遺伝子座の同定によって、3つの独立した突然変異(SP20
4(l-1)、SP204(1-2)、SP204(10-1))全てが、ヌクレ
オシドサルベージ酵素チミジンキナーゼをコードする同一遺伝子tdkにマッピ
ングされることが明らかになった。3つのFUdRr突然変異体は、それぞれ、
tdkオープンリーディングフレーム内にナンセンス突然変異を導入して、他の
チミジンキナーゼ酵素に不可欠であることが分かっている1つ以上のモチーフが
欠如した切断型タンパク質を生じさせることによって、チミジンキナーゼ欠失表
現型を獲得した。SP204(1-1)tdk遺伝子、SP204(1-2)td
k遺伝子、SP204(10-1)tdk遺伝子によりコードされた切断型酵素
の中で、酵素活性を保持したものはないことが、酵素アッセイで確認された。
【0033】 FUdRrS.gordonii 突然変異体を単離しようとする最初の勢い
によって、このマーカーを候補の組換えワクチン菌株のためのin vitro
選択に使用すること、およびin vivoで、レシピエント動物に移植された
生物の検出を容易にすることが可能になった。従って、FUdRr突然変異体は
増殖できるが、野生型S.gordoniの増殖は阻害する選択条件を確立する
ことができ(1μg/ml FUdR、12.5μg/mlウリジンおよび2μ
g/mlチミジン)、したがって、in vitroでの非抗生物質による選択
方法としてFUdRrを使用できることを示すことは興味深い。富栄養培地では
、FUdRrS.gordoniiの増殖は(野生型S.gordoniiと比
較して)損なわれず、この方式で誘導された組換え体は、ワクチン接種材料向け
に、高密度まで容易に増殖できることも分かった。最も重要なことは、in v
ivo移植実験で、S.gordonii がマウスの口腔でコロニー形成を確
立し且つ持続できる能力は、FUdRr突然変異の存在によって損なわれないこ
とが示唆されたことである。この結果から、ネズミ口腔粘膜上で見られる状況お
よび環境では、機能的チミジンキナーゼは不可欠ではないことが示唆される。従
って、このことは、他の粘膜ニッチ、たとえば、腸管または尿生殖管でコロニー
を形成する共生細菌および他種に当てはまるはずである。ひとまとめにして考え
ると、本明細書で得られた結果から、FUdRrは、S.gordonii系組
換えワクチンにおける選択方法および表現型マーカーとして有用なことが分かる
。この方法は、幾つかの潜在的利点を有する。第1に、FUdRは、ヒトの疾患
の治療に日常的に使用されないため、移植されたワクチンの検出を複雑にするF
UdRr口腔細菌のかなりの貯蔵所がないはずである。このことは、臨床治験中
ずっと、ワクチンコロニー形成のレベルおよび持続期間をモニタリングできるよ
うにするために重要な因子である。1×10-6の自然発生的突然変異率が問題で
あるならば、組換えワクチンで、FUdRrを天然のストレプトマイシン耐性マ
ーカーと組み合せることができる。臨床治験の間に生じる自然発生的FUdRr
/Smr突然変異体の見込み率は、ほとんど無視できるほど小さい。第2に、F
UdRrチミジンキナーゼをコードする遺伝子は、十分に研究されていることで
ある。TK-表現型には、積極的な生化学的選択方法も消極的な生化学的選択方
法も存在する。さらに、この表現型は、多数の基本型ウイルスのワクチンで問題
なく使用されてきた。最後に、しかも最も重要なことには、FUdRは抗生物質
ではなく、且つFUdRrはプラスミド媒介性ではない。抗生物質耐性病原性細
菌の出現率が上昇したため、操作された、または選択された、臨床関連の薬剤に
対する耐性マーカーを、構成体(プラスミド等)中に含まない生菌菌株がワクチ
ンベクターとして使用される場合、それによって生菌菌株が移植された共生病原
体から常在病原体に変わることができることが不可欠である。FUdRrゲノム
マーカーは、これらの両基準を満たす。
【0034】 様々な具体的な材料、手順および実施例を参照することにより、本発明を本明
細書に説明してきたが、本発明は、本発明の目的に合わせて選択された特定の材
料、材料の組み合せ、および手順に限定されないことが理解される。このような
詳細の多数の変更が含まれてもよく、また当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 FUdRr突然変異体のtdk遺伝子構造。指示された菌株由来のtdk遺伝
子のヌクレオチド配列分析から推定されるオープンリーディングフレームの主要
な特徴を示す線図である。下付きの数字で示したコドン番号で、予測される開始
コドンおよび終止コドンの位置および同一性を示す。FUdRr突然変異体につ
いて、本来のヌクレオチドおよび突然変異を示す。左側は菌株の名称であり、右
側は、各tdk遺伝子によりコードされるポリペプチドの予測分子量である。
【図2】 FUdRrtdk遺伝子の構造分析および機能分析。野生型S.gordon
ii およびFUdRr突然変異体のtdk遺伝子の転写物を作成し、次いで、
35S]メチオニンの存在下および非存在下で、ウサギ網赤血球溶解物中で翻訳
した。A)SDSを含む12%ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動で放射
標識翻訳産物を分離し、オートラジオグラフィーで可視化した。レーンM、分子
量マーカー(それぞれ、46、30、21.5、14.3、6.5および3.4
kDa);レーン1、RNA無添加;レーン2、GP204;レーン3、SP2
04(1-1);レーン4、SP204(1-2);レーン5、SP204(10
-1)。B)[3H]チミジンの[3H]チミジン一リン酸への転換を測定する既
述のプロトコールを使用して、非標識翻訳産物を、チミジンキナーゼ酵素活性に
ついて試験した。各tdk遺伝子産物について、放射標識の取込みを示す。「な
し(None)」と表示されたレーンは、外因性RNAを全く加えなかった網赤
血球溶解物により指令された取込みを示す。
【図3】 BHIブロス中でのGP204およびSP204(1-1)の相対的増殖速度
。2組のBHlブロス培養に、等量のGP204(白抜きの丸)またはSP20
4(中黒の丸)を接種した。培養を、攪拌せずに37℃でインキュベートした。
サンプルを30分毎に採取し、590nmにおける吸光度を測定した。
【図4】 GP204およびSP204(1-1)によるチミジンの取込み。GP204
およびSP204(1-1)のブロス培養を中間対数期(mid−log)まで
増殖させた。590nmにおける培養の吸光度を測定した。各培養のアリコート
1mlを採取し、[3H]チミジンと混合し、37℃でインキュベートした。0
分および10分間インキュベートした後、各アリコートから3組のサンプル50
μlを採取し、処理してTCA沈澱可能な放射能を測定した。次いで、得られた
、取込まれたカウントを、細菌の細胞数に正規化した。
【図5】 GP204およびSP204(1-1)によるマウスコロニー形成。GP20
4およびSP204(1-1)のブロス培養を中間対数期まで増殖させた。細胞
を収穫し、ブロスで1回洗浄した。50μl中に109細菌が含まれるような濃
度を得るように、細胞ペレットをブロス中に再懸濁し、これを、それぞれ2日に
(48時間離して)、群当たり10匹のメスBALB/cマウスに、鼻腔内およ
び口腔に点滴した。接種マウスの口腔を毎週スワブし、ストレプトマイシン含有
血液寒天プレート上にプレーティングした。2個より多い、ストレプトマイシン
耐性、α−溶血性グラム陽性球菌のコロニーが回収された場合、そのマウスをコ
ロニー形成陽性と評点をつけ、中黒の円で示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク,クリスティン・エイ アメリカ合衆国オレゴン州97321,オール バニー,ノースウェスト・インディペンデ ンス・ハイウェイ 2262 Fターム(参考) 4B065 AA49X AB01 AC14 AC20 BA01 BA23 BB01 BB12 BB13 BC03 BC50 CA45

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FUdR含有培地上で細菌を培養するステップと、 FUdRの存在下で増殖する細菌を選択するステップと を含む、5-フルオロデオキシウリジン(「FUdR」)に耐性のグラム陽性菌
    株を単離する方法。
  2. 【請求項2】 前記培地が、ブレインハートインフュージョンおよびトリプ
    ティックソイブロスからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記培地が0.5〜50μg/mlのFUdRを含む請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記培地が1〜10μg/mlのFUdRを含む請求項3に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記培地が12.5μg/mlのウリジンおよび2μg/m
    lのチミジンをさらに含む請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記細菌が抗生物質耐性ではない請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記細菌が共生細菌である請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記細菌がストレプトコッカス・ゴルドニ(Streptococcus g
    ordonii)である請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の方法で単離された細菌。
  10. 【請求項10】 5-フルオロデオキシウリジンに耐性である単離されたグ
    ラム陽性細菌。
  11. 【請求項11】 前記細菌が共生細菌である請求項10に記載の細菌。
  12. 【請求項12】 前記共生細菌がストレプトコッカス・ゴルドニ(Streptoco
    ccus gordonii)である請求項10に記載の細菌。
  13. 【請求項13】 前記細菌がtdk遺伝子に点突然変異を含み、その結果と
    して翻訳終止コドンをtdk ORFに導入することになる請求項10に記載の
    細菌。
  14. 【請求項14】 前記突然変異が、結果として早発的に終結されたTKポリ
    ペプチドの発現を招く請求項13に記載の細菌。
  15. 【請求項15】 前記早発的に終結されたTKポリペプチドがドメインVI
    Iを欠く請求項14に記載の細菌。
  16. 【請求項16】 抗原性タンパク質をコードするDNAにより前記細菌が形
    質転換されている請求項10に記載の細菌。
  17. 【請求項17】 前記抗原性タンパク質がM6タンパク質である請求項16
    に記載の細菌。
  18. 【請求項18】 請求項10に記載の細菌およびそのための担体を含む組成
    物。
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