JP2002541817A - 酵素基質特異性を決定するための方法及び試薬並びにそれらに関連する利用 - Google Patents

酵素基質特異性を決定するための方法及び試薬並びにそれらに関連する利用

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JP2002541817A JP2000611712A JP2000611712A JP2002541817A JP 2002541817 A JP2002541817 A JP 2002541817A JP 2000611712 A JP2000611712 A JP 2000611712A JP 2000611712 A JP2000611712 A JP 2000611712A JP 2002541817 A JP2002541817 A JP 2002541817A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、酵素の活性部位に対する好適アミノ酸配列モチーフ関連基質特異性サブサイトを決定する方法を提供する。この発明の方法においては、酵素を、方向付けられた縮重ペプチドライブラリーと接触させ、その酵素の基質であるそのライブラリー中のある種のペプチドが、その酵素に結合され、そして結合したペプチド/酵素複合体を未結合ペプチドから分離する。これらの結合したペプチドを酵素から遊離させて配列決定する。その活性部位及び関連する特異性サブサイトの好適アミノ酸配列モチーフを、各縮重位置における異なるアミノ酸残基の相対的豊富さに基づいて決定する。この発明は又、様々な用途を有し且つ本発明から得ることのできるペプチド、ペプチド類似体及び他の小分子をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】発明の背景 酵素がペプチドの加水分解等の反応を触媒する機構は、しばしば遷移状態理論
によって説明される。化学反応に対する遷移状態理論の応用において、反応物が
衝突するプロセスは無視されており、反応物の基底状態と反応経路の最も不安定
な種(遷移状態)だけが考慮されている。この遷移状態は、反応座標線図中のピー
クに生じる。図1を参照されたい。反応プロフィルにおいて、この遷移状態は、
化学結合が破壊され又は形成されるプロセスにある反応物の状態を表している。
遷移状態と基底状態との間のエネルギーの差から、反応速度を求めることができ
る。酵素触媒により達成される反応速度の、自然の反応速度と比較しての増加は
、反応の活性化エネルギーを減少させる酵素の能力により生じる。 【0002】 この観点において、酵素は、本質的に、活性化された遷移状態の幾何学的形態
(基底状態の幾何学的形態と区別される)における反応物に対して正確に相補的で
あるように進化によりデザインされた可撓性の分子テンプレートである。従って
、酵素は、遷移状態と強く結合し、その濃度を大いに増大させ且つ反応を比例的
に加速する。この酵素触媒の説明は、今や、普通に、遷移状態安定化として言及
される。 【0003】 しかしながら、その元々の形態において、遷移状態結合モデルは、多くの酵素
が拡張された基質(例えば、加水分解されるべきペプチド結合又はグリコシド結
合の側部に及び幾らか離れたところに、一層大きいアミノ酸側鎖を有する基質、
又は付加的アミノ酸残基若しくは糖残基を有する基質)に対して大いに増大され
た活性を示すという見かけのパラドックスに対する答えを与えなかった。謎は、
これであった:増大した活性は、通常、Kmの減少によるよりもkcatの増加によ
る方が明らかであり、即ち、基質結合の増大によるよりも最大速度の増大による
方が明らかである(基質の結合親和性が増大するにつれて、Kmは、減少する傾向
がある)。この現象の共通の出現の考察は、酵素の遠位部分が実質的に遷移状態
の全体的結合に寄与するが基底状態の全体的結合には寄与しないという「誘導さ
れる適合」の概念の導入へと導いた。 【0004】 最近、出願人その他は、遷移状態の最適結合が協同現象である改変した誘導さ
れる適合の機構の証拠を提供した。即ち、遷移状態と酵素との間の多くの個々の
結合相互作用は、協同的である。酵素の特異性サブサイトの基質との相互作用は
、活性部位のコンホメーション変化を誘導し、新規なコンホメーションは、遷移
状態の中間体の安定化に一層適している。この協同性は、酵素特異性を増幅する
ためのストラテジーと見ることができ;基質の化学構造の小さい動揺が、次いで
、その遷移状態の結合の大きな減少を引き起こすことができる。例えば、Tsilik
ounas等(1993)Biochemistry 32:12651;Tsilikounas等(1992)Biochemistry 31:1
2839;Bone等(1989)Biochemistry 28:7600;Farr-Jones等(1989)PNAS 86:6922;
Smith等(1989)Science 244:961;Kettner等(1988)Biochemistry 27:7682;Bacho
vchin等(1988)Biochemistry 27:7689及びBachovchin(1986)Biochemistry 25:775
1を参照されたい。 【0005】発明の要約 この発明は、酵素の活性部位及び関連する特異性サブサイトにより優先的に結
合される基質例えば好適なアミノ酸配列モチーフを決定する方法を提供する。か
かる配列モチーフは、ペプチド、ペプチド類似体、ペプチド模倣物又は他の小分
子の方向付けた縮重ライブラリーを所与の酵素と相互作用させて、ライブラリー
のどのメンバーが酵素により好まれるかを測定し、好まれたメンバーを配列決定
して、その酵素の様々な特異性サブサイトの好みを測定することにより得ること
ができる。本発明における使用が考えられる典型的な酵素には、他のものの内で
、プロテアーゼ、ホスファターゼ及びキナーゼが含まれる。 【0006】発明の詳細な説明 (A)概観 本発明の一つの面は、タンパク質/ペプチドプロセッシングに関与する酵素例
えばプロテアーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ等の基質特異性を決定するための
方法及び試薬に関係する。一般に、この発明は、特異的酵素の最適な基質特異性
を規定するアミノ酸配列モチーフの同定を、その酵素のネイティブ基質の同定、
単離及び比較を必要とせずに、可能にする方法を提供する。 【0007】 この発明の方法は、インヒビターの縮重ライブラリーからの特定のペプチド性
インヒビターの選択に基づいている。特に、主題のアッセイは、(i)配列が縮重
している(例えば、インヒビターライブラリーに多様性を与える)ペプチド性部分
;及び(ii)共有結合による付加物(又は他のきつく結合した複合体)を、幾分か
酵素により又は酵素のある特異性サブサイトと相互作用するインヒビターのペプ
チド性部分の能力に依存する親和性によって形成することのできる官能基を各々
含むインヒビターのライブラリーを利用する。かかる官能基を有する部分を、今
後、活性サブユニットと呼ぶ。好適具体例において、活性なサブユニットを、ラ
イブラリーのメンバーが酵素の遅く結合するインヒビターであるように選択する
。このインヒビターライブラリーを、標的の酵素と、酵素−インヒビター複合体
が形成され得る条件下で接触させる。きつい複合体を形成するか又は酵素と共有
結合するライブラリーのメンバーが、このライブラリーから、同定され且つ/又
は単離される。即ち、このアッセイは、酵素の活性部位のコンホメーション変化
を、インヒビターのペプチド部分の配列に依存する仕方で引き起こすインヒビタ
ーを選択する。好適具体例において、選択したインヒビターは、10-6Mより小
さい、一層好ましくは10-7M、10-8Mより小さい解離定数(kd)を有し又は
10-9Mより小さい解離定数さえ有する。 【0008】 下記のように(そして説明として)、あるペプチド性ホウ酸は、Morrison等(198
8) Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol. 61:202により規定されたように、他の
ものの内で、セリンプロテイナーゼについて、ゆっくり結合する阻害の速度論を
示すということが示されている。この傾向は、インヒビターが基質類似体である
かどうかと相関している。いわゆる「良好な」基質類似体例えばペプチド性部分
が酵素の特異性サブサイトに相補的であるインヒビターは、ゆっくり結合する速
度論を示す傾向がある。その上、これらのホウ酸インヒビターは、四面体ホウ酸
−セリン付加物(プロテアーゼの天然の基質の四面体アミド−セリン複合体の良
好な遷移状態類似体)に基づいて予想されるように、活性部位セリンを有する四
面体の付加物を形成した。しかしながら、例えば、特異性サブサイトを満たさな
い点で「不十分な」基質類似体と考えられる単一のアルキル及びアリールホウ酸
は、共有結合性付加物をもプロテアーゼにより形成することができる。例えば活
性部位ヒスチジンを有するこれらの付加物は、事実、良好な基質類似体により形
成された付加物の型と異なる。即ち、遷移状態類似体の存在だけでは、活性部位
を天然の基質と類似の様式でかみ合わせるのに十分でない。 【0009】 加えて、多くの酵素が、拡張された基質に対して、一層小さい基質と比較して
大いに増大した活性を示すということが認められているが、これは、基質結合(
m)の増大によるよりも最大速度(kcat)の増大によって一層明らかにされる。 【0010】 これらの観察その他は、出願人に、触媒につき誘導される歪曲を提案させた。
例えば、Bachovchin等(1988) Biochemistry 27:7689を参照されたい。このモデ
ルにおいて、「誘導される適合」の概念(酵素の遠位が実質的に遷移状態の全体
的結合に寄与するが、基底状態の全体的結合には寄与しない)は、酵素の触媒部
位と特異性サブサイトとの間の協同作用を認識するように改変される。簡単にい
えば、単なる錠と鍵の適合ではなく、特異性サブサイトの占拠(例えば、ペプチ
ドとの有利な接触による)が、酵素を誘導して、遷移状態に一層相補的である触
媒部位の周囲の構造を採用する。この改変された酵素−基質結合の誘導される適
合モデルにおいて、未結合の酵素の活性部位の形状は、基質の正確な相補的なも
のではない。酵素の基質への結合が開始された後に、活性部位の形状のコンホメ
ーション変化が生じる。従って、ペプチド基質と活性部位から遠位にある酵素の
特異性サブサイトとの間の接触は、それにもかかわらず、基質に対する酵素の触
媒活性に深淵な影響を有する。 【0011】 特異性サブサイトと活性部位との間の協同作用を必要とする機構により作動す
る酵素については、ペプチドライブラリーからの個々のペプチドの結合を検出す
る技術の結合アッセイ(例えば、Ladner等の米国特許第5,223,409号及
びRoberts等(1992)Gene 121:9-15参照)は、最適な基質を逸し得る。活性部位と
特異性サブサイトとの間の協同作用は、Kmの減少よりもKcatの増大により大い
に説明されるので、活性部位とかみ合わないペプチドライブラリーは、かかる基
質結合の必要性を識別し得ないが、これらの相互作用は、基質及びインヒビター
のデザインに臨界的であり得る。他方、本発明の方法は、かかる協同作用を説明
することにより最適な基質特異性を決定するようにデザインされている。 【0012】 ゆっくり結合する速度論は、プロテアーゼに限られない現象である。かかる速
度論的振舞いは、ペプチド基質との接触及び活性部位に対するコンホメーション
変化の誘導を必要とし、タンパク質並びに他の天然高分子例えば核酸及び炭水化
物を改変する広範囲の酵素において認められてきた。従って、主題の方法が、キ
ナーゼ及びタンパク質ホスファターゼ等の酵素の基質特異性を決定するためにも
利用できるということは、特に企図される。 【0013】 この方法においては、インヒビターライブラリーを、酵素と、酵素を含む付加
物が形成され得る条件下で接触させる(酵素の適当な特異性サブサイトが生産的
に満たされるならば)。少なくとも幾つかの閾値Kiを有する結合したインヒビタ
ーを未結合のインヒビター及び最小の有効性を有しない結合したインヒビターか
ら分離し、それにより、酵素に対して最適の基質であるペプチド配列を有するイ
ンヒビターのサブポピュレーションを単離する。 【0014】 ある具体例において、このインヒビターライブラリーは、ペプチド性インヒビ
ターよりなり、その各々は、下記の一般式により表される: 【化28】 (式中、 Yaaは、酵素の活性部位の一部と相互作用することのできる活性サブユニッ
トであり、 Xaaは、任意のアミノ酸又はアミノ酸類似体であり、且つ n及びmは、0以上10以下の整数であり、mとnの合計は、少なくとも2で
あり、好ましくは、少なくとも4である)。 【0015】 このライブラリーは、多彩なインヒビターライブラリーを生成するように、少
なくとも一のアミノ酸部分で縮重している。 【0016】 Yaaは、例えば、ペプチド主鎖結合の遷移状態類似体であってよく、又はそ
の側鎖に付着した遷移状態類似体基を有するアミノ酸部分であってよい。この遷
移状態類似体は、インヒビターのペプチド性部分と標的酵素の特異性サブサイト
との間の適当な相互作用のコンテキストにおいて共有結合性付加物又は酵素とき
つく会合した他の複合体を形成し得る官能基であってよい。 【0017】 好適具体例において、このライブラリーのペプチド性部分は、2〜50残基長
、一層好ましくは4〜20残基長、尚一層好ましくは4〜10残基長である。例
えば、このペプチド性部分は、4、5、6、7又は8アミノ酸残基長であってよ
い。 【0018】 ある具体例において、このライブラリーのインヒビターは、下記式の一つにお
いて表される: 【化29】(式中、 Yaaは、上で規定した通りであり、且つ Xaa1及びXaa2は、独立に、各出現につき、アミノ酸部分又はアミノ酸類
似体を表し、そして n及びmは、各々、独立に、1〜10の整数であり、mとnの合計は、少なく
とも2であり、好ましくは、少なくとも4である)。 【0019】 インヒビターのサブポピュレーションの単離後に、それらのインヒビターを配
列決定し、それらのペプチドの各縮重位置における各アミノ酸残基の相対的豊富
さを測定する。酵素の最適の基質特異性を表すアミノ酸配列モチーフは、これら
のペプチドの各縮重位置における最も豊富なアミノ酸残基から決定することがで
きる。この方法は、タンパク質及びペプチドを変化させる任意の酵素について、
その酵素の天然の基質が同定されているかどうかにかかわらず、基質特異性を決
定するために利用することができるという利点を有する。 【0020】 ある具体例においては、所与の酵素につき同定されたコンセンサス配列を用い
て、その酵素の選択的インヒビター(ペプチド、ペプチド模倣物及び他の小分子
インヒビターを含む)を開発することができる。かかるインヒビターをイン・ビ
トロで例えば細胞培養添加剤として又は他の産業的プロセス(例えば、ヒト又は
動物の治療)において用いることができる。 【0021】 他の具体例において、この発明の方法により決定したアミノ酸配列モチーフに
基づいて、特定の酵素例えば特定のプロテアーゼの基質であるペプチドを作成す
ることができる。配列モチーフの最も好適なアミノ酸残基を含むペプチドは、酵
素の最適な基質を表す。例えば、下記のように、主題の基質は、研究及び診断応
用において、特定の酵素を検出して定量する等のために用いることができる。あ
る例においては、この基質を、例えば酵素の小分子インヒビターを同定するため
に生成したアッセイにおいて、特に、天然の基質が未知の場合に、天然の基質の
サロゲートとして用いることができる。 【0022】 (B)定義 便宜のために、本明細書、実施例及び添付の請求の範囲で用いている幾つかの
用語をここに集めた。 【0023】 国際生化学及び分子生物学連合(1984)は、ペプチド結合加水分解酵素のサブセ
ット(サブクラスE.C3.4)に、用語「ペプチダーゼ」を使うことを推奨した
。広く用いられている用語プロテアーゼは、ペプチダーゼと同義である。ペプチ
ダーゼは、酵素の2つのグループ:エンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼを
含んでいる。エンドペプチダーゼは、ペプチド結合をタンパク質内部の点で開裂
させ、エキソペプチダーゼは、アミノ酸をN又はC末端から順次的に取り去る。 【0024】 用語「プロテイナーゼ」も又、エンドペプチダーゼの同義語として用いられて
いる。プロテイナーゼは、それらの触媒機構によって分類されている。4つの機
構のクラス:セリンプロテイナーゼ、システインプロテイナーゼ、アスパラギン
酸プロテイナーゼ及びメタロプロテイナーゼが、国際生化学及び分子生物学連合
により認められている。 【0025】 この触媒型による分類は、プロテアーゼの進化的関係に基づくファミリーによ
る分類により拡張されるべきであることが示唆されてきた(Rawlings, N.D.及びB
arrett, A.J.(1993), Biochem.J., 290, 205-218)。この分類は、SwissP
rotデータベースにおいて入手可能である。 【0026】 これらの4つの機構クラスに加えて、未確認の触媒機構のプロテアーゼに割り
振られた酵素の系統名のセクションがある。これは、触媒機構が同定されておら
ず、新規な型のプロテアーゼが存在する可能性が残っていることを示している。 【0027】 「セリンプロテイナーゼ」のクラスは、2つの異なるファミリー:キモトリプ
シンファミリー及びスブチリシンファミリーを含んでおり、前者は、キモトリプ
シン、トリプシン又はエラスターゼ又はカリクレイン等の哺乳動物酵素を含み、
後者は、細菌酵素例えばスブチリシンを含む。これらの2つのファミリーにおい
て、全体的三次元構造は異なるが、それらは、同じ活性部位の幾何学的形態を有
して同じ機構により触媒作用を行う。これらのセリンプロテイナーゼは、異なる
基質特異性を示し、それは、基質の残基と相互作用する様々な酵素サブサイトに
おけるアミノ酸置換に関係する(Schechter及びBergerの系統名参照)。触媒トラ
イアドを形成する3つの残基:His−57、Asp−102及びSer−19
5(キモトリプシノーゲンナンバリング)は、触媒プロセスに必須である。 【0028】 「システインプロテイナーゼ」のファミリーは、植物のプロテアーゼ例えばパ
パイン、アクチニジン又はブロメライン、幾つかの哺乳動物リソソームカテプシ
ン、サイトゾルカルパイン(カルシウム活性化)及び幾つかの寄生虫のプロテアー
ゼ(例えば、トリパノゾーマ、住血吸虫)を含む。パパインは、このファミリーの
典型であり最もよく研究されている。セリンプロテイナーゼと同様に、触媒作用
は、共有結合性中間体の形成によって進行し、システイン及びヒスチジン残基を
含む。必須のCys−25及びHis−159(パパインナンバリング)は、それ
ぞれ、Ser−195及びHis−57と同じ役割を演じる。親核試薬は、ヒド
ロキシル基よりもチオレートイオンである。チオレートイオンは、His−15
9の隣接イミダゾリウム基とのイオン対の形成により安定化される。攻撃する親
核試薬は、両ステップにおいてチオレート−イミダゾリウムイオン対であり、そ
の場合、水分子は必要とされない。 【0029】 「アスパラギン酸プロテイナーゼ」の殆どは、ペプシンファミリーに属する。
ペプシンファミリーは、ペプシン及びキモシン等の消化酵素並びにリソソームカ
テプシンD、プロセッシング酵素例えばレニン及びある種のカビのプロテアーゼ
(ペニシロペプシン、リゾプスペプシン、エンドチアペプシン)を含む。第二のフ
ァミリーは、ウイルス性プロテイナーゼ例えばAIDSウイルス(HIV)由来の
プロテアーゼ(レトロペプシンともいう)を含む。セリン及びシステインプロテイ
ナーゼと対照的に、アスパラギン酸プロテイナーゼによる触媒作用は、共有結合
性中間体を含まず、四面体中間体が存在する。親核試薬の攻撃は、2つの同時の
プロトンのトランスファーにより達成される(水分子に由来する1つは、2つの
カルボキシル基のダイアドへトランスファーされ、そのダイアドに由来する第二
の1つは、併存的CO−NH結合開裂を伴う基質のカルボニル酸素へトランスフ
ァーされる)。この一般的な酸ベースの触媒作用(「プッシュ−プル」機構と呼ぶ
ことができる)は、非共有結合性の中性四面体中間体の形成へと導く。 【0030】 「メタロプロテイナーゼ」は、細菌、カビ並びに高等生物において見出される
。それらは、配列及び構造において大きく異なるが、大部分の酵素は、触媒的に
活性な亜鉛原子を含む。幾つかの場合には、亜鉛は、活性を失うことなく、他の
金属例えばコバルト又はニッケルにより置き換えることができる。細菌性サーモ
リシンは、よく特性決定されており、その結晶学的構造は、亜鉛が2つのヒスチ
ジンと一つのグルタミン酸と結合していることを示している。多くの酵素は、配
列HEXXHを含み、これは、亜鉛に対する2つのヒスチジンリガンドを与え、
他方、第3のリガンドは、グルタミン酸(サーモリシン、ネプリリシン、アナニ
ルアミノペプチダーゼ)又はヒスチジン(アスタシン)である。他のファミリーは
、Zn原子の結合の異なる様式を示す。その触媒機構は、切れやすい結合のカル
ボニル基に対する亜鉛結合水分子の攻撃後に、非共有結合性四面体中間体の形成
へと導く。この中間体は、更に、グルタミン酸のプロトンの脱離基へのトランス
ファーにより分解される。 【0031】 ペプチドのプロテイナーゼ(例えば、セリン及びシステインプロテイナーゼ等)
との相互作用の考察において、本願は、Schechter及びBerger[(1967)Biochem.Bi ophys.Res.Commun. 27:157-162]の系統命名法を用いる。基質又はインヒビター
の個々のアミノ酸残基は、P1、P2等と表し、酵素の対応する基質を、S1、
S2等と表す。基質の切れやすい結合は、S1−S1’である。 【0032】 ペプチド基質への結合部位は、酵素の表面を横切る一連の「特異性サブサイト
」よりなる。用語「特異性サブサイト」は、酵素の基質の一部分と相互作用する
ことのできる酵素上のポケット又は他の部位をいう。 【0033】 用語「基質」は、酵素上で触媒的に作用を受けて生成物に変換される酵素の基
質をいう。 【0034】 用語「オキシアニオンホール」は、遷移状態中間体のオキシアニオン種を安定
化させる酵素の少なくとも一つのアミノ酸残基をいう。説明のために、キモトリ
プシンの触媒機構において、X線結晶構造及び化学的データは、四面体遷移状態
中間体の存在を支持している。これは、切れやすい結合のカルボニル炭素原子に
対するSer−195のヒドロキシル基の攻撃により形成される。このC=O結
合は、単結合になって、O原子上に陰性電荷を残し、他方、炭素原子の第4の結
合価は、セリンOγとの結合により占められる。このオキシアニオンは、残基1
93(Gly)及び195(Ser)の2つの主鎖アミドへの水素結合を形成する。
キモトリプシン中のこの結合部位は、オキシアニオンホールの一例である。 【0035】 用語「ペプチド」は、モノマーがアミノ酸(通常アルファ−アミノ酸)であって
、それらがアミド結合により結合されたオリゴマーをいう。ペプチドは、2以上
のアミノ酸モノマー長であるが、一層しばしば5〜10アミノ酸モノマー長であ
り、もっと長くてもよく(即ち、20アミノ酸までか又はそれ以上)、20アミノ
酸より長いペプチドを企図している。 【0036】 用語「タンパク質」は、当分野で周知であり、通常、何らかの生物学的機能を
有する非常に大きいポリペプチド又は会合した同種若しくは異種のポリペプチド
のセットをいう。本発明の目的に関して、用語「ポリペプチド」及び「タンパク
質」は、たいてい交換可能である。 【0037】 用語「ランダムペプチドライブラリー」は、ランダムな又は半ランダムなペプ
チドのセット並びにそれらのランダムペプチドを含む融合タンパク質のセット(
適宜)をいう。 【0038】 用語「合成(の)」は、イン・ビトロでの化学的又は酵素的合成による生成をい
う。 【0039】 語句「個々に選択的様式」及び「個々に選択的結合」は(試験インヒビターの
標的酵素との結合に関して)、タンパク質酵素とインヒビターのペプチド性部分
の分子的正体に特異的な(それに依存する)結合をいう。 【0040】 用語「D−アミノ酸」及び「L−アミノ酸」は、各々、慣行によるグリセルア
ルデヒドの可能な立体異性体に対する絶対的配置を示す。従って、立体化学的に
L−グリセルアルデヒドに合致するすべての立体異性体は、L−と表され、D−
グリセルアルデヒドに合致するものは、D−と表される(所与の異性体による偏
光面の回転の向きによらない)。スレオニンとイソロイシンの場合には、2つの
立体化学的中心即ちCα及びCβ原子がある。ここで用いるD−スレオニン及び
D−イソロイシンは、好ましくは、両キラル部位で立体化学を有し、それらは、
L−エナンチオマーの立体化学と反対(鏡像的)である(例えば、それらは、完全
に鏡像イメージである)。グリシンは、唯一の、共通する非キラルアミノ酸であ
る。従って、ここでは、ペプチドをD−又はL−エナンチオマーとして示した場
合には、本質的に、かかるペプチドを構成するキラルアミノ酸残基のすべてが、
示されたキラリティーを有することを意味する。グリシン等の非キラルアミノ酸
残基の存在は、そのキラリティーの指示に影響しない。 【0041】 自然において見出される即ち「天然の」すべてのキラルアミノ酸は、L−アミ
ノ酸である。 【0042】 用語「立体異性体」は、同じ化学的構成を有するが、原子又は原子団の空間的
配置に関して異なっている化合物をいう。特に、「エナンチオマー」は、互いに
重ね合わせることのできない鏡像イメージの化合物の2つの立体異性体をいう。
他方、「ジアステレオマー」は、2つ以上の不斉中心を有する立体異性体をいい
、その分子は、互いに鏡像ではない。キラル中心の系統命名法に関して、用語「
D」及び「L」配置は、IUPAC推奨により規定された通りである。これらの
用語の使用に関して、ジアステレオマー、ラセミ化合物及びエナンチオマーは、
ペプチド調製物の立体化学を記載する通常のコンテキストにおいて用いられる。 【0043】 同様に、用語「鏡像異性的に富化された」及び「非ラセミの」は、分子の調製
物に関してここで交換可能に用いる場合、実質的に一方のエナンチオマーを欠く
キラル化合物の調製物をいう。例えば、ペプチドに関して、鏡像異性的に富化さ
れたは、L−又はD−エナンチオマー側鎖がペプチド中の所定の位置で富化され
ている調製物をいう。 【0044】 用語「縮重ペプチドライブラリー」は、ライブラリー中の異なるペプチドの同
じ位置に異なるアミノ酸残基が存在するペプチドの集団を記載することを意図し
ている。例えば、5位のアミノ酸残基が20のアミノ酸の任意の1つであってよ
い10アミノ酸長のペプチドの集団は、縮重ペプチドライブラリーである。異な
るペプチドにおいて異なるアミノ酸により占められたペプチド内の位置を、ここ
では、「縮重位置」という。異なるペプチドにおいて同じアミノ酸により占めら
れたペプチド内の位置を、ここでは、「非縮重位置」という。「方向付けられた
縮重ペプチドライブラリー」は、この発明の方法において用いる場合、固定され
た非縮重位置に標的酵素との付加物を形成することのできる官能基を有するペプ
チドよりなる。これは、ライブラリーに含まれるペプチドが、そのペプチド内の
同じ位置にすべて同じ官能基を有することを意味する。 【0045】 ここで用いる場合、「多彩な」は、ペプチドの集団がライブラリーのメンバー
毎に異なるペプチド配列を有することにより特徴付けられるという事実をいう。
例えば、nアミノ酸長の所定のペプチドライブラリーにおいて、そのライブラリ
ー中の異なるペプチド配列の総数は、積V1×V2×・・・Vn-1×Vnで与えられ
る(ここに、各Vnは、ペプチドのn位に現れる、異なるアミノ酸残基の数を表す
)。本発明の好適具体例において、このペプチドディスプレーは、異なるペプチ
ドを標的タンパク質と相互作用する能力について同時にアッセイできるように、
少なくとも96〜107の異なるペプチドを含むペプチドライブラリーを集合的
に生成する。 【0046】 用語「アルキル」は、当分野で認められており、1〜10炭素原子を有する飽
和脂肪族基をいい、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環
式)基、アルキル置換されたシクロアルキル基及びシクロアルキル置換されたア
ルキル基を含む。かかる炭化水素部分は、少なくとも一つの炭素において、例え
ばハロゲン、ヒドロキシル、チオール、アミノ又はニトロ基により置換されてい
てよい。シクロアルキルの場合には、かかる置換基は、更に、アルキル、アルケ
ニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、ニト
ロ、ヒドロキシル、−CF3、−CN等を含むことができる。炭素数を別途特定
しない限り、「低級アルキル」は、ここで用いる場合、上で規定したアルキル基
を意味する(但し、1〜10炭素原子よりも、むしろ1〜6炭素原子を有する)。
同様に、「低級アルケニル」及び「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。 【0047】 かかるアルキル基の典型は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
2−クロロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、2−アミノブチル、イソブ
チル、t−ブチル、3−チオペンチル等である。他の典型的「アルキル」には、
CH2Cl、CH2F、CHF2及びCF3が含まれる。ここで用いる場合、用語「
アミノ」は、−NH2を意味し;用語「ニトロ」は、−NO2を意味し;用語「ハ
ロゲン」及び「ハロ」は、−F、−Cl、−Br又は−Iを指し;用語「チオー
ル」は、SHを意味し;そして用語「ヒドロキシル」は、−OHを意味する。従
って、用語「アルキルアミノ」は、ここで用いる場合、上記のように、アミノ基
を付着させて有するアルキル基を意味する。用語「アルキルチオ」は、上記のよ
うに、スルフヒドリル基を付着させて有するアルキル基をいう。用語「アルキル
カルボキシル」は、ここで用いる場合、上記のように、カルボキシル基を付着さ
せて有するアルキル基を意味する。用語「アルコキシ」は、ここで用いる場合、
上で規定したように、酸素原子を付着させて有するアルキル基を意味する。典型
的アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、t−ブトキシ等が含ま
れる。 【0048】 用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、それぞれ、少なくとも一つの二重
結合又は三重結合を含むアルキルに類似する不飽和脂肪族をいう。 【0049】 用語「アリール」は、ここで用いる場合、0〜4個のヘテロ原子を含むことの
できる4、5及び6員の単環芳香族基を含む(例えば、ベンゼン、ピロール、フ
ラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピ
ロリジン、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジン等)。この芳香族環
は、少なくとも一の環位置で、例えばハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル
、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカル
ボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF3、−CN等により置換されていてよ
い。 【0050】 用語「ヘテロ環」又は「ヘテロ環式基」は、1〜4個のヘテロ原子を含む4、
5及び6員の単環の脂環式基をいう。ヘテロ環式基には、ピロリジン、オキソラ
ン、チオラン、イミダゾール、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルフ
ァリンが含まれる。この脂環式環は、少なくとも一の環位置で、例えば、ハロゲ
ン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級
アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF3
、−CN等により置換することができる。 【0051】 用語「ヘテロ原子」は、ここで用いる場合、炭素又は水素以外の任意の元素の
原子を意味する。好適なヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄及びセレンである。 【0052】 用語「アミノ酸残基」及び「ペプチド残基」は、カルボキシル基の−OHを有
しないアミノ酸又はペプチド分子を意味する。一般に、アミノ酸及び保護基を示
すためにここで用いる略号は、IUPAC−IUBの生化学系統命名法について
の委員会の推奨に基づくものである(Biochemistry(1972) 11:1726-1732参照)。
例えば、Met、Ile、Leu、Ala及びGlyは、それぞれ、メチオニン
、イソロイシン、ロイシン、アラニン及びグリシンの「残基」を表す。残基とは
、対応するα−アミノ酸からカルボキシル基のOH部分とα−アミノ基のH部分
を除去することにより得られる基を意味する。用語「アミノ酸側鎖」は、K.D. K
opple,「Peptides and Amino Acids」, W.A. Benjamin Inc., New York及びアム
ステルダム、1966, 2及び33頁にて規定されたように、−CH(NH2)COOH部
分を除くアミノ酸の部分であり;一般的アミノ酸のかかる側鎖の例は、−CH2
CH2SCH3(メチオニンの側鎖)、−CH2(CH3)−CH2CH3(イソロイシン
の側鎖)、−CH2CH(CH3)2(ロイシンの側鎖)又はH−(グリシンの側鎖)であ
る。 【0053】 殆どの部分について、この発明の応用で用いるアミノ酸は、タンパク質中で見
出される天然のアミノ酸又はかかるアミノ酸の天然の同化又は異化産物(アミノ
基及びカルボキシル基を含む)である。特に適当なアミノ酸側鎖には、次のアミ
ノ酸のものから選択する側鎖が含まれる:グリシン、アラニン、バリン、システ
イン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、グルタミン
酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、プロリ
ン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン、並びにペプ
チジルグリカン細菌細胞壁の成分として同定されているアミノ酸及びアミノ酸類
似体。 【0054】 用語アミノ酸残基は、更に、ここで言及される任意の特定のアミノ酸の類似体
、誘導体及び同族体並びにC末端又はN末端保護されたアミノ酸誘導体(例えば
、C末端又はN末端保護基で改変したもの)をも含む。例えば、本発明は、側鎖
が伸長され又は短縮されているが尚環化のためのカルボキシル、アミノその他の
反応性前駆体官能基を与えるアミノ酸類似体、並びに適当な官能基を有する変異
型側鎖を有するアミノ酸類似体の利用を企図している。例えば、主題の化合物は
、アミノ酸類似体例えばシアノアラニン、カナバリン、ジエンコル酸、ノルロイ
シン、3−ホスホセリン、ホモセリン、ヒジドロキシフェニルアラニン、5−ヒ
ドロキシトリプトファン、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、ジア
ミノピメリン酸、オルニチン又はジアミノ酪酸を含むことができる。他の適当な
側鎖を有する天然のアミノ酸代謝産物又は前駆体は、当業者により認められ、本
発明の範囲内に含まれる。 【0055】 アミノ酸の構造が立体異性体型を許す場合には、かかるアミノ酸の(D)及び(
L)立体異性体も又、含まれる。アミノ酸及びアミノ酸残基の配置は、ここでは
、適当な記号(D)、(L)又は(DL)により示され、更に、この配置が示されない
場合には、アミノ酸又は残基は、配置(D)、(L)又は(DL)を有することができ
る。この発明の化合物の幾つかの構造が不斉炭素原子を含むということは、注意
されよう。従って、かかる不斉から生じる異性体がこの発明の範囲内に含まれる
ということは、理解されるべきである。かかる異性体は、古典的分離技術により
及び立体化学的に制御された合成によって実質的に純粋な形態で得ることができ
る。この出願の目的に関して、指定されたアミノ酸は、そうでないと明記しない
限り、(D)又は(L)立体異性体の両方を含むと解釈されよう。 【0056】 語句「保護基」は、ここで用いる場合、反応性官能基を望ましくない化学反応
から保護する置換基を意味する。かかる保護基の例には、カルボン酸及びホウ素
酸のエステル、アルコールのエステル並びにアルデヒド及びケトンのアセタール
及びケタールが含まれる。例えば、語句「N末端保護基」又は「アミノ保護基」
は、ここで用いる場合、アミノ酸又はペプチドのN末端を合成手順中、望ましく
ない反応から保護するために用いることのできる様々なアミノ保護基をいう。適
当な基の例には、アシル保護基例えばホルミル、ダンシル、アセチル、ベンゾイ
ル、トリフルオロアセチル、スクシニル及びメトキシスクシニル;芳香族ウレタ
ン保護基例えばベンジルオキシカルボニル(Cbz);及び脂肪族ウレタン保護基
例えばt−ブトキシカルボニル(Boc)又は9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル(FMOC)が含まれる。 【0057】 この発明の精神から離れることなく、ペプチド基質のN末端に存在し得るアミ
ノ誘導体基には、エポキシスクシニル、コレステリル、アリール、アルアルキル
及びアシル誘導体が含まれる。この発明の精神から離れることなくペプチド基質
のC末端に存在することのできるカルボキシ誘導体基には、アルコール、アルデ
ヒド、エポキシスクシネート、酸ハリド、カルボニル、ハロメタン及びジアゾメ
タン誘導体が含まれる。 【0058】 上記のように、本発明のある種の化合物は、特定の幾何学的形態又は立体異性
体形態で存在することができる。本発明は、シス及びトランス異性体、R及びS
−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、これらの
ラセミ混合物及び他の混合物を含む、かかる化合物を、すべてこの発明の範囲内
に入るとして企図する。かかる異性体のすべて並びにこれらの混合物は、この発
明に含まれることを意図している。 【0059】 例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが所望される場合には、それ
を、不斉合成により、又はキラル補助を用いる誘導により調製することができ、
生成したジアステレオマー混合物を分離して補助基を開裂させて純粋な所望のエ
ナンチオマーを与える。或は、分子が塩基性官能基例えばアミノ基を含むか又は
酸性官能基例えばカルボキシル基を含む場合には、適当な最適に活性な酸又は塩
基を用いてジアステレオマー塩が形成され、次いで、当分野で周知の分別結晶又
はクロマトグラフィー手段により形成されたジアステレオマーを再溶解させ、そ
の後、純粋なエナンチオマーを回収する。これらの手順のすべては、当分野で周
知である。 【0060】 用語「ホウ素酸」は、当分野で公知であり、官能基−B(OH)2を有する有機
分子をいう。ホウ素酸エステルは、ヒドロキシル基の一方又は両方がアルコキシ
基により置換されたホウ素酸の類似体であり、容易に加水分解されて、対応する
ホウ素酸を遊離し、それ故、ここで用いる用語ホウ素酸に包含されるべきである
と考えられる。 【0061】 「アルデヒド」は、当分野で認められた用語であり、官能基−CHOを有する
有機分子をいう。 【0062】 用語「トリフルオロメチルケトン」は、ここで用いる場合、官能基−C(=O)
CF3を含む任意の有機化合物(この官能基は、この分子の炭素原子に結合してい
る)を包含する。 【0063】 「アルファ−ケトカルボン酸誘導体」は、当分野で認められた用語であり、官
能基−C(=O)C(=O)Xを有する有機化合物(この官能基は、この分子の炭素
原子に結合しており、Xは、置換された又は未置換の酸素、窒素及び硫黄原子を
含む、置換された又は未置換のヘテロ原子を表す)を含む。 【0064】 用語「ハロメチルケトン」は、−C(=O)CH2X等の基(Xは、上で規定した
ようなハロゲンである)を有する構造を含む。この官能基に少なくとも1つのハ
ロゲン(及び、相応じて、2つ未満の水素)を有する構造が、用語「ハロメチルケ
トン」に包含される。例えば、「トリハロメチルケトン」は、メチル基が3つの
ハロゲン原子(例えば、Br、Cl、F又はIから選択したものであり、これら
は、同じであっても異なってもよい)により置換された部分である。 【0065】 (C)典型的具体例 本発明の方法を用いて、例えばプロテイナーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、
リパーゼ等の様々な酵素の特異性を決定することができる。これらの酵素は、動
物、昆虫、植物又は微生物に由来するものであってよい。ある好適具体例におい
ては、主題の方法を用いて、ペプチダーゼ(例えば、国際生化学及び分子生物学
連合(1984)によりサブクラスE.C3.4.−.−と指定された酵素)の特
異性を決定する。例えば、主題の方法を用いて、アミノペプチダーゼ(EC3.
4.11.−)、ジペプチダーゼ(EC3.4.13.−)、ジペプチジルペプチ
ダーゼ又はトリペプチジルペプチダーゼ(EC3.4.14.−)、ペプチジルジ
ペプチダーゼ(EC3.4.15.−)、セリン型カルボキシペプチダーゼ(EC
3.4.16.−)、メタロカルボキシペプチダーゼ(EC3.4.17.−)、
システイン型カルボキシペプチダーゼ(EC3.4.18.−)、オメガペプチダ
ーゼ(EC3.4.19.−)、セリンプロテイナーゼ(EC3.4.21.−)、
システインプロテイナーゼ(EC3.4.EC3.4.22.−)、アスパラギン
酸プロテイナーゼ(EC3.4.EC3.4.23.−)、メタロプロテイナーゼ
(EC3.4.24.−)、又は未知の機構のプロテイナーゼ(EC3.4.99
.−)の特異性を決定することができる。典型的なペプチドヒドロリアーゼには
、下記が含まれる: 【0066】 3.4.11.1 ロイシルアミノペプチダーゼ 3.4.11.2 メンブレンアラニンアミノペプチダーゼ 3.4.11.3 シスチニルアミノペプチダーゼ 3.4.11.4 トリペプチドアミノペプチダーゼ 3.4.11.5 プロリルアミノペプチダーゼ 3.4.11.6 アミノペプチダーゼB 3.4.11.7 グルタミルアミノペプチダーゼ 3.4.11.9 Xaa−Proアミノペプチダーゼ 3.4.11.10 細菌ロイシルアミノペプチダーゼ 3.4.11.13 クロストリジアルアミノペプチダーゼ 3.4.11.14 サイトゾルアラニルアミノペプチダーゼ 3.4.11.15 リシルアミノペプチダーゼ 3.4.11.16 Xaa−Trpアミノペプチダーゼ 3.4.11.17 トリプトファニルアミノペプチダーゼ 3.4.11.18 メチオニルアミノペプチダーゼ 3.4.11.19 D−ステレオスペシフィックアミノペプチダーゼ 3.4.11.20 アミノペプチダーゼEy 3.4.11.22 バキュロラーアミノペプチダーゼ1 3.4.13.3 Xaa−Hisジペプチダーゼ 3.4.13.4 Xaa−Argジペプチダーゼ 3.4.13.5 Xaa−メチル−Hisジペプチダーゼ 3.4.13.6 Cys−Glyジペプチダーゼ 3.4.13.7 Glu−Gluジペプチダーゼ 3.4.13.8 Pro−Xaaジペプチダーゼ 3.4.13.9 Xaa−Proジペプチダーゼ 3.4.13.12 Met−Xaaジペプチダーゼ 3.4.13.17 ノンステレオスペシフィックジペプチダーゼ 3.4.13.18 サイトゾルノンスペシフィックジペプチダーゼ 3.4.13.19 メンブレンジペプチダーゼ 3.4.13.20 ベータ−Ala−Hisジペプチダーゼ 3.4.14.1 ジペプチジルペプチダーゼI 3.4.14.2 ジペプチジルペプチダーゼII 3.4.14.4 ジペプチジルペプチダーゼIII 3.4.14.5 ジペプチジルペプチダーゼIV 3.4.14.6 ジペプチジルジペプチダーゼ 3.4.14.9 トリペプチジルペプチダーゼI 3.4.14.10 トリペプチジルペプチダーゼII 3.4.14.11 Xaa−Proジペプチジルペプチダーゼ 3.4.15.1 ペプチジルジペプチダーゼA 3.4.15.4 ペプチジルジペプチダーゼB 3.4.15.5 ペプチジルジペプチダーゼDcp 3.4.16.2 リソソーマルPro−Xカルボキシペプチダーゼ 3.4.16.4 セリン型D−Ala−D−Alaカルボキシペプチダーゼ 3.4.16.5 カルボキシペプチダーゼC 3.4.16.6 カルボキシペプチダーゼD 3.4.17.1 カルボキシペプチダーゼA 3.4.17.2 カルボキシペプチダーゼB 3.4.17.3 リジン(アルギニン)カルボキシペプチダーゼ 3.4.17.4 Gly−Xカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.6 アラニンカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.7 トランスファードエントリー:3.4.19.10 3.4.17.8 ムラミルペンタペプチドカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.10 カルボキシペプチダーゼH 3.4.17.11 グルタメートカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.12 カルボキシペプチダーゼM 3.4.17.13 ムラミルテトラペプチドカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.14 ジンクD−Ala−D−Alaカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.15 カルボキシペプチダーゼA2 3.4.17.16 メンブレンPro−Xカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.17 チューブリニル−Tyrカルボキシペプチダーゼ 3.4.17.18 カルボキシペプチダーゼT 3.4.17.19 サーモステイブルカルボキシペプチダーゼ1 3.4.17.20 カルボキシペプチダーゼU 3.4.17.21 グルタメートカルボキシペプチダーゼII 3.4.17.22 メタロカルボキシペプチダーゼD 3.4.18.1 システイン型カルボキシペプチダーゼ 3.4.19.1 アシルアミノアシルペプチダーゼ 3.4.19.2 ペプチジルグリシンアミダーゼ 3.4.19.3 ピログルタミルペプチダーゼI 3.4.19.5 ベータ−アスパルティルペプチダーゼ 3.4.19.6 ピログルタミルペプチダーゼII 3.4.19.7 N−ホルミルメチオニルペプチダーゼ 3.4.19.8 プテロイルポリ−ガンマ−グルタメート カルボキシペプチダーゼ 3.4.19.9 ガンマ−グルタミルヒドロラーゼ 3.4.19.11 ガンマ−D−グルタミル−メゾ−ジアミノピメレート ペプチダーゼI 3.4.21.1 キモトリプシン 3.4.21.2 キモトリプシンC 3.4.21.3 メトリジン 3.4.21.4 トリプシン 3.4.21.5 トロンビン 3.4.21.6 凝固因子Xa 3.4.21.7 プラスミン 3.4.21.8 トランスファードエントリー:3.4.21.34 及び3.4.21.35 3.4.21.9 エンテロペプチダーゼ 3.4.21.10 アクロシン 3.4.21.11 トランスファードエントリー:3.4.21.36 及び3.4.21.37 3.4.21.12 アルファ−リティックエンドペプチダーゼ 3.4.21.19 グルタミルエンドペプチダーゼ 3.4.21.20 カテプシンG 3.4.21.21 凝固因子VIIa 3.4.21.22 凝固因子IXa 3.4.21.25 ククミシン 3.4.21.26 プロリルオリゴペプチダーゼ 3.4.21.27 凝固因子XIa 3.4.21.32 ブラキュリン 3.4.21.34 血漿カリクレイン 3.4.21.35 組織カリクレイン 3.4.21.36 膵臓エラスターゼ 3.4.21.37 白血球エラスターゼ 3.4.21.38 凝固因子XIIa 3.4.21.39 キマーゼ 3.4.21.41 補体成分C1r 3.4.21.42 補体成分C1s 3.4.21.43 古典的成分経路C3/C5コンバターゼ 3.4.21.45 補体因子1 3.4.21.46 補体因子D 3.4.21.47 補体活性化副経路C3/C5コンバターゼ 3.4.21.48 セレビシン 3.4.21.49 ヒポダーミンC 3.4.21.50 リシルエンドペプチダーゼ 3.4.21.53 エンドペプチダーゼLa 3.4.21.54 ガンマ−レニン 3.4.21.55 ベノムビンAB 3.4.21.57 ロイシルエンドペプチダーゼ 3.4.21.59 トリプターゼ 3.4.21.60 スクテラリン 3.4.21.61 ケクシン 3.4.21.62 スブチリシン 3.4.21.63 オリジン 3.4.21.64 プロテイナーゼK 3.4.21.65 サーモミコリン 3.4.21.66 サーミターゼ 3.4.21.67 エンドペプチダーゼSo 3.4.21.68 T−プラスミノーゲンアクチベーター 3.4.21.69 プロテインC(活性化) 3.4.21.70 膵臓エンドペプチダーゼE 3.4.21.71 膵臓エラスターゼII 3.4.21.72 IgA特異的セリンエンドペプチダーゼ 3.4.21.73 U−プラスミノーゲンアクチベーター 3.4.21.74 ベノムビンA 3.4.21.75 フリン 3.4.21.76 ミエロブラスチン 3.4.21.77 セモノゲラーゼ 3.4.21.78 グランザイムA 3.4.21.79 グランザイムB 3.4.21.80 ストレプトグリシンA 3.4.21.81 ストレプトグリシンB 3.4.21.82 グルタミルエンドペプチダーゼII 3.4.21.83 オリゴペプチダーゼB 3.4.21.84 リムルス凝固因子C 3.4.21.85 リムルス凝固因子B 3.4.21.86 リムルス凝固酵素 3.4.21.87 オムプチン 3.4.21.88 リプレッサーlexA 3.4.21.89 シグナルペプチダーゼI 3.4.21.90 トガビリン 3.4.21.91 フラビリン 3.4.21.92 エンドペプチダーゼC1p 3.4.21.93 プロプロテインコンバターゼ1 3.4.21.94 プロプロテインコンバターゼ2 3.4.21.95 蛇毒因子Vアクチベーター 3.4.21.96 ラクトセピン 3.4.22.1 カテプシンB 3.4.22.2 パパイン 3.4.22.3 フィカイン 3.4.22.6 キモパパイン 3.4.22.7 アスクレパイン 3.4.22.8 クロストリパイン 3.4.22.10 ストレプトパイン 3.4.22.14 アクチニダイン 3.4.22.15 カテプシンL 3.4.22.16 カテプシンH 3.4.22.17 カルパイン 3.4.22.24 カテプシンT 3.4.22.25 グリシルエンドペプチダーゼ 3.4.22.26 癌プロコアギュラント 3.4.22.27 カテプシンS 3.4.22.28 ピコルナイン3C 3.4.22.29 ピコルナイン2A 3.4.22.30 カリカイン 3.4.22.31 アナナイン 3.4.22.32 ステムブロメライン 3.4.22.33 フルーツブロメライン 3.4.22.34 レグマイン 3.4.22.35 ヒストリサイン 3.4.22.36 カスパーゼ−1 3.4.22.37 ギンギパインR 3.4.22.38 カテプシンK 3.4.23.1 ペプシンA 3.4.23.2 ペプシンB 3.4.23.3 ガストリシン 3.4.23.4 キモシン 3.4.23.5 カテプシンD 3.4.23.12 ネオペンテシン 3.4.23.15 レニン 3.4.23.16 レトロペプシン 3.4.23.17 Pro−オピオメラノコルチン変換酵素 3.4.23.18 アスペルギロペプシンI 3.4.23.19 アスペルギロペプシンII 3.4.23.20 ペニシロペプシン 3.4.23.21 リゾプスペプシン 3.4.23.22 エンドチアペプシン 3.4.23.23 ムコロペプシン 3.4.23.24 カンジダペプシン 3.4.23.25 サッカロペプシン 3.4.23.26 ロドトルラペプシン 3.4.23.27 フィサロペプシン 3.4.23.28 アクロシリンドロペプシン 3.4.23.29 ポリポロペプシン 3.4.23.30 ピクノポロペプシン 3.4.23.31 シタリドペプシンA 3.4.23.32 シタリドペプシンB 3.4.23.33 キサントモナペプシン 3.4.23.34 カテプシンE 3.4.23.35 バリヤペプシン 3.4.23.36 シグナルペプチダーゼII 3.4.23.37 シュードモナペプシン 3.4.23.38 プラスメプシンI 3.4.23.39 プラスメプシンII 3.4.23.40 フィテプシン 3.4.24.1 アトロリシンA 3.4.24.3 微生物コラゲナーゼ 3.4.24.6 ロイコリシン 3.4.24.7 間質コラゲナーゼ 3.4.24.11 ネプリリシン 3.4.24.12 エンベリシン 3.4.24.13 IgA特異的メタロエンドペプチダーゼ 3.4.24.14 プロコラーゲンN−エンドペプチダーゼ 3.4.24.15 サイメットオリゴペプチダーゼ 3.4.24.16 ニューロリシン 3.4.24.17 ストロメリシン1 3.4.24.18 メプリンA 3.4.24.19 プロコラーゲンCエンドペプチダーゼ 3.4.24.20 ペプチジル−Lysメタロエンドペプチダーゼ 3.4.24.21 アスタシン 3.4.24.22 ストロメリシン2 3.4.24.23 マトリリシン 3.4.24.24 ゼラチナーゼA 3.4.24.25 エアロモノリシン 3.4.24.26 シュードリシン 3.4.24.27 サーモリシン 3.4.24.28 バシロリシン 3.4.24.29 オーレオリシン 3.4.24.30 コッコリシン 3.4.24.31 ミコリシン 3.4.24.32 ベータ−リティックメタロエンドペプチダーゼ 3.4.24.33 ペプチジル−Aspメタロエンドペプチダーゼ 3.4.24.34 ニュートロフィルコラゲナーゼ 3.4.24.35 ゼラチナーゼB 3.4.24.36 リーシュマノリシン 3.4.24.37 サッカロリシン 3.4.24.38 オートリシン 3.4.24.39 デューテロリシン 3.4.24.40 セラリシン 3.4.24.41 アトロリシンB 3.4.24.42 アトロリシンC 3.4.24.43 アトロキサーゼ 3.4.24.44 アトロリシンE 3.4.24.45 アトロリシンF 3.4.24.46 アダマリシン 3.4.24.47 ホリリシン 3.4.24.48 ルバリシン 3.4.24.49 ボスロパシン 3.4.24.50 ボスロリシン 3.4.24.51 オフィオリシン 3.4.24.52 トリメレリシンI 3.4.24.53 トリメレリシンII 3.4.24.54 ムクロリシン 3.4.24.55 ピトリリシン 3.4.24.56 インシュリシン 3.4.24.57 O−シアロ糖タンパク質エンドペプチダーゼ 3.4.24.58 ラッセルリシン 3.4.24.59 ミトコンドリア中間体ペプチダーゼ 3.4.24.60 ダクチリシン 3.4.24.61 ナルジリシン 3.4.24.62 マグノリシン 3.4.24.63 メプリンB 3.4.24.64 ミトコンドリアプロセッシングペプチダーゼ 3.4.24.65 マクロファージエラスターゼ 3.4.24.66 コリオリシンL 3.4.24.67 コリオリシンH 3.4.24.68 テントキシリシン 3.4.24.69 ボントキシリシン 3.4.24.70 オリゴペプチダーゼA 3.4.24.71 エンドセリン変換酵素1 3.4.24.72 フィブロラーゼ 3.4.24.73 ジャララギン 3.4.24.74 フラジリシン 3.4.99.46 マルチキャタリティックエンドペプチダーゼ複合体 【0067】 i)合成ペプチドライブラリー ペプチドライブラリーは、高度に多様な多数のペプチドのコレクションを、標
的タンパク質との相互作用を可能にする形態で、同時にディスプレーする系であ
る。好適具体例において、コンビナトリアルポリペプチドは、3〜100アミノ
酸長の範囲にあり、一層好ましくは少なくとも5〜50、尚一層好ましくは少な
くとも10、13、15、20又は25アミノ酸残基長の範囲にある。コンビナ
トリアルペプチドの長さは、精製等を容易にするために存在し得る如何なる外来
の配列をも反映しないということは、理解されよう。 【0068】 この発明の方法において使用するための方向付けられた縮重ペプチドライブラ
リーの好適な型は、可溶性合成ペプチドライブラリーである。用語「可溶性合成
ペプチドライブラリー」は、例えば自動化ペプチドシンセサイザーを用いて、イ
ン・ビトロで化学合成により構築されて、ビーズやセル等の固体支持体に結合さ
れていないペプチドの集団を意味することを意図している。ペプチドのイン・ビ
トロでの化学合成のための標準的技術は、当分野で公知である。例えば、ペプチ
ドを、(ベンゾトリアゾリルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキ
サフルオロホスフェート(BOP)/1−ヒドロキシベンゾトリアゾールカップリ
ングプロトコールにより合成することができる。自動化ペプチドシンセサイザー
は、市販されている(例えば、Milligen/Biosearch9600)
。 【0069】 本発明のある局面で採用し得る組換えによる方法と対照的に、イン・ビトロ化
学合成は、標的タンパク質に結合する能力についてスクリーニングすることので
きる化合物のライブラリーを、生物を利用せずに生成する方法を提供する。イン
・ビトロ方法が、しばらくの間、製薬工業において、潜在的薬物を同定するため
に用いられてきたが、最近開発された方法は、多数の化合物を迅速且つ効率的に
生成してスクリーニングすることに焦点が絞られてきており、特に、主題の方法
で使用するための非天然の官能基を有するペプチドライブラリーの生成に従順で
ある。多数の合成ペプチドの同時の製造(ここでは、「マルチペプチド合成」又
は「MPS」)及び分析への様々なアプローチは、各々、1963年にMerrifiel
dにより導入された固体支持体上での合成の基本概念に依存している(Merrifield
, R.B.(1963) J Am Chem Soc 85:2149-2154;及び上記のI節で引用した参考文
献)。一般に、これらの技術は、用いる保護基又は活性化化学に依存しないが、
殆どの研究者は、今日、一層穏和なFmoc/tBu化学及び効率的なヒドロキ
シベンゾトリアゾールベースのカップリング剤の方を選んで、Merrifieldの元々
のtBoc/Bzlストラテジーを避けている。多くの型の固体マトリクスが、
MPSにおいて上首尾に用いられ、合成される個々のペプチドの収量は、採用し
た技術によって大きく変化する(例えば、ナノモル〜ミリモル)。 【0070】 a)マルチピンシステム 主題の方法のペプチドライブラリーが取ることのできる一つの形態は、マルチ
ピン形式である。簡単にいえば、Geysenと共同研究者(Geysen等(1984)PNAS 81:3
998-4002)は、ミクロ滴定プレート形式に並べたポリアクリル酸の格子を付けた
ポリエチレンピン上でのパラレル合成によるペプチド生成のための方法を導入し
た。元々の実験においては、約50nモルの単一ペプチド配列が、各ピンの球形
のヘッドに共有結合され、各ペプチドのレセプター又は抗体との相互作用を、直
接結合アッセイにて測定することができた。このGeysenの技術を利用して、週当
たり数千のペプチドを、マルチピン方を用いて合成してスクリーニングすること
ができ、それらの係留されたペプチドは、多くのアッセイにおいて再利用するこ
とができる。その後の仕事において、個々のピンにロードするペプチドのレベル
は、一層多量の官能化アクリレート誘導体を分離可能なピンヘッドにグラフトす
ることにより2μモル/ピンまで増大され、ペプチドライブラリーのサイズは、
増大された(Valerio等(1993)Int J Pept Protein Res 42:1-9)。合成後に純度の
評価及び競争結合バイオアッセイ又は機能的バイオアッセイでの評価のためにペ
プチドを支持体から開裂させることができるように、適当なリンカー部分も又こ
れらのピンに付加された(Bray等(1990)Tetrahedron Lett 31:5811-5814;Valeri
o等(1991)Anal Biochem 197:168-177;Bray等(1991)Tetrahedron Lett 32:6163-
6166)。 【0071】 もっと最近のMPSのマルチピン方の応用は、可溶性ペプチドを製造するため
の開裂可能なリンカーのストラテジーを利用している(Maeji等(1990)J Immunol
Methods 134:23-33;Gammon等(1991)J Exp Med 173:609-617;Mutch等(1991)Pep
t Res 4:132-137)。 【0072】 b)分割−結合−再合併 更に別の具体例においては、ペプチドの多彩なライブラリーを、分割−結合−
再合併のストラテジーを利用して、一組のビーズ上に用意することができる(例
えば、Houghten(1985)PNAS 82:5131-5135;及び米国特許第4,631,211
号、5,440,016号及び5,480,971号を参照されたい)。簡単に
いえば、名称が暗示するように、縮重をライブラリーに導入する各合成ステップ
において、これらのビーズを、その部位に加えるべき異なるアミノ酸残基の数に
対応する多くの別々のグループに分割し、異なる残基を別々の反応において結合
させ、そしてこれらのビーズを次のステップのために再び一つのプールに合併す
る。 【0073】 一具体例において、この分割−結合−再合併のストラテジーは、最初にHought
enにより開発されたいわゆる「ティーバッグ」MPS法を用いて行うことができ
、ペプチド合成は、多孔性のポリプロピレンバッグ内に封入された樹脂上で生じ
る(Houghten(1985)PNAS 82:5131-5135)。適当な個々の活性化モノマーの溶液中
にバッグを置くことにより、アミノ酸を樹脂に結合させ、すべての共通のステッ
プ例えば樹脂の洗浄及びα−アミノ酸基の脱保護は、一つの反応容器中で同時に
行う。合成の最後に、各バッグは、単一のペプチド配列を含み、それらのペプチ
ドを、マルチプル開裂装置を用いて樹脂から遊離させることができる(Houghten
等(1986)Int J Pept Protein Res 27:673-678)。この技術は、かなりの合成の可
撓性の利点を提供し、部分的に自動化された(Beck-Sickinger等(1991)Pept Res
4:88-94)。その上、15アミノ酸長より大きい可溶性ペプチドを、精製に十分な
量(>.500μモル)で製造することができ、所望であれば特性決定を完了する
ことができる。 【0074】 ティーバッグアプローチを用いる複数のペプチドの合成は、限られたサイズに
もかかわらず、抗体エピトープ分析(Houghten(1985)PNAS 82:5131-5135)、ペプ
チドホルモン構造−機能研究(Beck-Sickinger等(1990)Int J Pept Protein Res
36:522-530;Beck-Sickinger等(1990)Eur J Biochem 194:449-456)及びタンパク
質のコンホメーションマッピング(Zimmerman等(1991)Eur J Biochem 200:519-52
8)を含む分子認識の問題の範囲での利用により例示されたように、本方法のスク
リーニングのためのペプチドライブラリーの生成に有用である。 【0075】 等モル量の20の天然アミノ酸残基を有する一組の混合ペプチドの典型的合成
は、次の通りである。p−メチルベンズヒドリルアミンヒドロクロリド樹脂(M
BHA)の5グラム(4.65mモル)のアリコートを、20の多孔性のポリプロ
ピレンバッグ中に置く。これらのバッグを、共通コンテナ中に置き、1.0リッ
トルのCH2Cl2で3回洗い(各3分間)、次いで、再び、1.0リットルの5パ
ーセントDIEA/CH2Cl2(DIEA=ジイソプロピルエチルアミン;CH2 Cl2=DCM)で3回洗う(各3分間)。次いで、これらのバッグを、DCMです
すぎ、それぞれのt−BOC−アミノ酸/DCMを各々50ml(0.56M)含
む別々の反応容器中に置く。N,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC
DI;25ml;1.12M)を、カップリング剤として各コンテナに加える。
20のアミノ酸誘導体は、50/50(v/v)のDMF/DCM中で、別々に、
樹脂に結合される。1時間激しく振盪した後に、Gisenのピクリン酸試験(Gisen(
1972)Anal.Chem.Acta 58:248-249)を行って、カップリング反応の完結度を測定
する。反応の完結度の確認において、樹脂パケットの全部を、次いで、1.5リ
ットルのDMFで洗い、1.5リットルのCH2Cl2で更に2回洗う。すすいだ
後に、これらの樹脂を、別々のパケットから取り出して、一緒に混合して共通の
バッグ内に一つのプールを形成する。生成した樹脂混合物を、次いで、乾燥させ
て重量を測定し、再び、20の等しい部分(アリコート)に分割して、20の更な
るポリプロピレンバッグ中に置く(密閉)。 【0076】 共通の反応容器内で、次のステップを行う:(1)密閉したアリコート上で、1
.5リットルの55パーセントTFA/DCMを用いて30分間にわたって脱保
護を行い;2)各1.5リットルの5パーセントDIEA/DCMでの3回の洗
浄により中和を行う。各バッグを、活性化t−BOC−アミノ酸誘導体の別々の
溶液中に置き、カップリング反応を、前記のように行って完結させる。すべての
カップリング反応を、上記の定量的ピクリン酸アッセイを用いてモニターする。 【0077】 次に、これらのバッグを開けて、生成したt−BOC保護されたジペプチド樹
脂を一緒に混合して一つのプールを形成し、このプールからアリコートを作り、
それらのアリコートを密閉して、脱保護し、更に、反応を行う。このプロセスを
、ペプチド鎖中のアミノ酸残基の所望の数の等モル表現を各ステップで生じる任
意の回数反復することができる。これらの主要なプロセスのステップは、便利に
、分割−結合−再合併合成として言及される。 【0078】 所望の数のかかるカップリング及び混合を行った後に、アミノ末端残基を単一
の予め決めた残基として有する20のセットを与えるようにポリプロピレンバッ
グを分離しておき、例えば、2〜4位は、等モル量の20の残基により占められ
る。アミノ末端以外に単一の予め決めたアミノ酸残基を有するセットを調製する
ためには、所望の予め決めた位置に残基を加えた後に、バッグの内容物を混合し
ない。むしろ、20のバッグの各々の内容物を、20のアリコートに分けて、脱
保護し、次いで、20のアミノ酸誘導体と別々に反応させる。そうして、20の
バッグの各組の内容物を、その後、混合して、前記のように、所望のオリゴペプ
チド長が達成されるまで処理する。 【0079】 c)アミノ酸混合物のカップリングによる複数のペプチドの合成 活性化アミノ酸の混合物の単一樹脂支持体への同時のカップリングは、複数の
ペプチドの合成のストラテジーとして幾つかの場合に利用されてきており(Geyse
n等(1986)Mol Immunol 23:709-715;Tjoeng等(1990)Int J Pept Protein Res 35
:141-146;Rutter等(1991)米国特許第5,010,175号;Birkett等(1991)A
nall Biochem 196:137-143;Petithory等(1991)PNAS 88:11510-11514)、主題の
方法において応用を有し得る。例えば、マゲイニン2の4〜7の類似体及びアン
ギオテンシノーゲンペプチドが、上首尾に合成されて、各配列中の単一位置のア
ミノ酸の混合物のカップリングの後に、一回のHPLC精製において分離された
(Tjoeng等(1990)Int J Pept Protein Res 35:141-146)。このアプローチは又、
タンパク質分解エンド酵素の基質特異性を規定するための縮重ペプチド混合物の
調製にも利用されてきた(Birkett等(1991)Anal Biochem 196:137-143;Petithor
y等(1991)PNAS 88:11510-11514)。これらの実験において、一連のアミノ酸を、
基質配列中の単一の位置で置換した。タンパク質分解後に、エドマン分解を利用
して、加水分解産物中の各アミノ酸成分の収量を定量し、それ故、混合物中の各
基質についての相対的kcat/Km値を評価した。 【0080】 しかしながら、モノマー混合物のカップリングによる多くのペプチドの合成の
操作の単純さは、生成物の組成の制御の困難さにより相殺されるということは注
意される。この生成物の分布は、競争的カップリング反応についての個々の反応
速度定数を反映し、バリン又はイソロイシン等の立体障害を受ける残基の活性化
誘導体は、例えばグリシン又はアラニンの活性化誘導体よりも有意に遅く加算さ
れる。アシル化反応の樹脂結合した成分の性質も又、加算速度に影響し、20の
遺伝的にコードされたアミノ酸からの400のジペプチドの形成についての相対
的速度定数は、Rutter及びSantiにより測定された(Rutter等(1991)米国特許第5
,010,175号)。これらの反応速度を用いて、一層厳密に等モルのカップ
リング収量に有利な混合物中のアミノ酸の適当な相対的濃度の選択を導くことが
できる。 【0081】 d)非慣用の固相支持体上での複数のペプチドの合成 複数のペプチドの合成の革新的方法の追求は、Merrifieldにより最初に一般化
したポリスチレン−ジビニルベンゼンマトリクスに代わる高分子支持体の研究へ
と導いた。セルロース{ペーパーディスク(Blankemeyer-Menge等(1988)Tetrahedr
on Lett 29-5871-5874;Frank等(1988)Tetrahedron 44:6031-6040;Eichler等(1
989)Collect Czech Chem Commun 54:1746-1752;Frank, R.(1993)Bioorg Med Ch
em Lett 3:425-430)又は綿断片(Eichler等(1991)Pept Res 4:296-307;Schmidt
等(1993)Bioorg Med Chem Lett 3:441-446)の何れかの形態}が、上首尾に、ペプ
チド合成のために官能化された。セルロース紙を用いて達成された典型的ローデ
ィングは、1〜3μモル/cm2に及び、これらの支持体から開裂された物質の
HPLC分析は、合成ペプチドについての妥当な品質を示す。或は、ペプチドは
、セルロースシート上で、開裂可能でないリンカーを用いて合成して、その後、
ELISAベースの結合研究で使用することができる(Frank, R.(1992)Tetrahed
ron 48:9217-9232)。この支持体の多孔性の極性は、望ましくない非特異的なタ
ンパク質結合効果を抑制する助けとなり得る。紙の上にスポットされた活性化ア
ミノ酸及び他の試薬の容積の制御によって、この支持体上で別の場所で合成され
たペプチドの数は、容易に変わり得る。一つの好都合な配置において、スポット
を、8×12ミクロ滴定プレート形式で作る。Frankは、この技術を用いて、Gey
senの重複するペプチドスクリーニング(Pepscan)ストラテジーに続いて、ヒトの
サイトメガロウイルスタンパク質に対して高められた抗血清の優性のエピトープ
をマップした(Frank, R.(1992)Tetrahedron 48:9217-9232)。複数の固相合成に
利用し得る他の膜様支持体には、ポリスチレングラフトしたポリエチレンフィル
ム(Berg等(1989)J Am Chem Soc 111:8024-8026)が含まれる。 【0082】 e)光で律せられるコンビナトリアルライブラリー、空間的にアドレスできるパ
ラレル化学合成 化合物の正体が合成基質上のその場所によって与えられるコンビナトリアル合
成の計画は、空間的にアドレスできる合成と呼ばれる。一具体例において、コン
ビナトリアルプロセスは、固体支持体上の特定の場所への化学試薬の添加を制御
することにより行われる(Dower等(1991)Annu Rep Med Chem 26:271-280;Fodor,
S.P.A.(1991)Science 251:767;Pirrung等(1992)米国特許第5,143,854
号;Jacobs等(1994)Trends Biotechnol 12:19-26)。この技術は、2つの十分に
開発された技術である固相ペプチド合成化学とフォトリソグラフィーとを合わせ
る。Merrifield化学の高いカップリング収率は、効率的なペプチド合成を可能に
し且つフォトリソグラフィーの空間的分離は、小型化を与える。これら2つの技
術の組合せは、Merrifield合成手順における感光性のアミノ保護基の利用により
行われる。 【0083】 この技術のキーポイントは、Gallop等(1984)J Med Chem 37:1233-1251に説明
されている。合成基質は、アミノ酸カップリングのために、感光性ニトロベラト
リルオキシカルボニル(NVOC)保護されたアミノリンカーの共有結合による付
着により製造される。光を用いて、合成支持体の特定の領域をカップリングのた
めに選択的に活性化する。光による感光性保護基の除去(脱保護)は、選択した領
域の活性化を生じる。活性化の後に、アミノ酸の第1のセット(各々、アミノ末
端に感光性保護基を有する)を全表面にさらす。アミノ酸のカップリングは、前
のステップで光により位置指定された領域においてのみ生じる。アミノ酸の溶液
を除去し、基質を再び第2のマスクを通して照らし、第2の保護されたビルディ
ングブロックとの反応のための異なる領域を活性化する。マスクのパターン及び
反応物の順序が、生成物及びそれらの位置を規定する。このプロセスは、フォト
リソグラフィー技術を利用するので、合成し得る化合物の数は、適当な解像度で
位置指定できる合成部位の数によってのみ制限される。各化合物の位置は、正確
に分かっており;それ故、それの他の分子との相互作用を直接位置指定すること
ができる。標的タンパク質を、蛍光レポーター基を用いて標識して、マトリクス
の個々のメンバーとの特異的相互作用の同定を容易にすることができる。 【0084】 光で指示される化学合成において、生成物は、照明のパターン及び反応物の添
加の順序に依存する。リソグラフィーパターンを変えることにより、試験ペプチ
ドの多くの異なるセットを、同じステップ数で合成することができる。これは、
多くの異なるマスキングストラテジーの生成へ導く。 【0085】 f)コードされたコンビナトリアルライブラリー 更に別の具体例において、主題の方法は、コードされたタグ付きシステムによ
り与えられるペプチドライブラリーを利用する。コンビナトリアルライブラリー
からの活性な化合物の同定における最近の改良は、所定のビーズが受けた反応ス
テップ及び推論によりそれが有する構造をユニークにコードするタグを利用する
化学的インデクシングシステムを採用している。概念的には、このアプローチは
、上記のファージディスプレーライブラリーを真似しており、該ライブラリーで
は、活性は発現されたペプチドに由来するが、活性ペプチドの構造は対応するゲ
ノムDNA配列から演繹される。合成コンビナトリアルライブラリーの第1のコ
ード化は、DNAをコードとして採用した。配列決定可能なバイオオリゴマー(
例えば、オリゴヌクレオチド及びペプチド)を用いるコード化及び配列決定可能
でないタグを用いるバイナリーコード化のコード化の2つの形態が報告されてい
る。 【0086】 1)配列決定可能なバイオオリゴマーのタグ付け オリゴヌクレオチドを利用してコンビナトリアル合成ライブラリーをコード化
する原理は、1992年に記載されており(Brenner等(1992)PNAS 89:5381-5383)
、かかるライブラリーの例は、翌年に現れた(Needles等(1993)PNAS 90:10700-10
0704)。Arg、Gln、Phe、Lys、Val、D−Val及びThr(3文
字アミノ酸コード){これらの各々は、特異的ジヌクレオチド(それぞれ、TA、
TC、CT、AT、TT、CA及びAC)によりコードされた}のすべての組合せ
により構成された名目的に77(=823,543)のコンビナトリアルライブラ
リーが、一連の固体支持体上でのペプチド及びオリゴヌクレオチド合成の交互の
ラウンドにより製造された。この仕事においては、ビーズ上のアミン結合性官能
基が、特に、これらのビーズを、オリゴヌクレオチド合成のための保護されたO
H基とペプチド合成のための保護されたNH2基を生成する試薬と同時に予備イ
ンキュベートすることによるペプチド又はオリゴヌクレオチド合成に対して差次
的であった(ここでは、1:20の比)。完結時に、それらのタグは、各々、69
量体よりなり、その14ユニットは、コードを有した。このビーズ結合ライブラ
リーを、蛍光標識した抗体とインキュベートして、強く蛍光を発する結合抗体を
含むビーズを蛍光活性化セルソーティング(FACS)により収集した。これらの
DNAタグをPCRにより増幅して、配列決定し、予想されるペプチドを合成し
た。かかる技術により、これらのペプチドライブラリーを、主題の方法において
用いるために誘導して、標的タンパク質のD−エナンチオマーを用いてスクリー
ニングすることができる。 【0087】 ヌクレオチドにコードされた合成ペプチドライブラリーの生成に有用な別のア
プローチは、選択的に保護されたOH及びNH2基を含む分枝したリンカーを利
用するということは注意される(Nielsen等(1993)J Am Chem Soc 115:9812-9813
;及びNielsen等(1994)Methods Compar Methods Enzymol 6:361-371)。このアプ
ローチは、等モル量の試験ペプチドとタグが同時に存在することを必要とするが
、これは、特に、核酸ベースの標的を用いる生物学的活性の評価における潜在的
な紛糾であり得る。 【0088】 オリゴヌクレオチドタグの利用は、鋭い感度のタグ分析を可能にする。たとえ
そうであっても、この方法は、タグとライブラリーメンバーの交互の同時合成に
必要な保護基の直交するセットの注意深い選択を必要とする。その上、このタグ
の化学的な不安定性、特にリン酸と糖のアノマー結合は、非オリゴマーライブラ
リーにおける合成のために採用することのできる試薬及び条件の選択を制限し得
る。好適具体例において、これらのライブラリーは、部分的には(以下に記載す
るように)ビーズを用いるアッセイは標的の選択が限られ、そして部分的にはこ
れらのタグは潜在的に生物分解を受け易いので、試験ペプチドライブラリーのメ
ンバーのバイオアッセイのための選択的な分離を可能にするリンカーを用いる。 【0089】 コンビナトリアルライブラリーでは、ペプチド自体が、タグ付け用分子として
用いられてきた。2つの典型的アプローチが、当分野で記載されており、その両
方共、コード鎖とリガンド鎖が交互に作り上げられる固相への分枝リンカーを用
いている。第一のアプローチ(Kerr JM等(1993)J Am Chem Soc 115:2529-2531)に
おいて、合成における直交性は、コード鎖に対する酸不安定な保護及びリガンド
鎖に対する塩基不安定な保護を用いることにより達成されている。 【0090】 別のアプローチ(Nikolaiev等(1993)Pept Res 6:161-170)においては、分枝リ
ンカーを用いて、コードユニットと試験ペプチドが共に樹脂上の同じ官能基に付
着されるようにする。一具体例においては、リンカーを、分枝点とビーズの間に
置いて、開裂が、コード及びリガンドの両方を含む分子を放出するようにするこ
とができる(Ptek等(1991)Tetrahedron Lett 32:3891-3894)。他の具体例におい
ては、このリンカーを、試験ペプチドが選択的にビーズからコードを残して分離
され得るように置くことができる。この最後の構築物は、試験ペプチドのスクリ
ーニングをコードグループの潜在的な干渉又は生物分解なしで可能にするので、
特に価値がある。ペプチドライブラリーのメンバー及びそれらの対応するタグの
自由な開裂及び配列決定の当分野での例は、これらのタグが正確にペプチド構造
を予測できることを確認した。 【0091】 ペプチドタグは、リガンド合成中の分解に対して、オリゴヌクレオチドタグよ
り一層抵抗性であるが、それらは、上首尾に配列決定されるためには、典型的な
130μmのビーズにおいて、リガンドとほぼ同じモル比で用いなければならな
いということは注意される。オリゴヌクレオチドコード化と比べて、ペプチドの
タグとしての利用は、複雑な保護/脱保護化学を必要とする。 【0092】 2)配列決定可能でないタグ付け:バイナリーコード化 試験ペプチドライブラリーをコード化する別の形態は、バイナリーコードとし
て用いられる配列決定可能でない親電子タグ付け分子のセットを採用する(Ohlme
yer等(1993)PNAS 90:10922-10926)。典型的なタグは、電子捕獲型ガスクロマト
グラフィー(ECGC)によりフェムトモルレベル未満でテトラメチルシリルエー
テルとして検出可能な含ハロゲン芳香族アルキルエーテルである。アルキル鎖の
長さ並びに芳香族ハリド置換基の性質及び位置の変化は、少なくとも40のかか
るタグの合成を可能にし、これは、原則的に、240(例えば、1012以上)の異な
る分子をコードすることができる。元の報告(Ohlmeyer等、前出)においては、こ
れらのタグは、ペプチドライブラリーの利用可能なアミン基の約1%に、光開裂
性のO−ニトロベンジルリンカーによって結合された。このアプローチは、ペプ
チド又は他のアミン含有分子のコンビナトリアルライブラリーを調製する場合に
好都合である。しかしながら、本質的に任意のコンビナトリアルライブラリーの
コード化を可能にする一層用途の広いシステムが開発された。ここでは、リガン
ドは、固体支持体に光開裂性リンカーにより付着され、タグは、カテコールエー
テルリンカーにより、ビーズマトリクスへのカルベン挿入によって付着される(N
estler等(1994)J Org Chem 59:4723-4724)。この直交する付着のストラテジーは
、ライブラリーメンバーの溶液中でのバイオアッセイのための選択的な分離とタ
グセットの酸化的分離後のECGCによる解読を可能にする。 【0093】 親電子タグを用いるバイナリーコード化は、基質の合成レセプターとの選択的
相互作用の規定において特に有用であり(Borchardt等(1994)J Am Chem Soc 116:
373-374)、生体分子の結合及び触媒を理解するためのモデル系であった。たとえ
詳細な分子モデリングを用いても、合成レセプターに対する選択性優先性の同定
は、潜在的基質の多くの手作業での合成を必要とした。このコード化されたライ
ブラリーの利用は、潜在的結合セットのすべてのメンバーを迅速に試験すること
を可能にする。このバイナリーコード化ライブラリーの利用は、結合選択性の決
定を非常に容易にしたので、構造選択性は、上記のコード化ライブラリーを用い
て、4つの新規な合成の大型二環式及び三環式レセプターについて、単一の文書
で報告された(Wennemers等(1995)J Org Chem 60:1108-1109;及びYoon等(1994)T
etrahedron Lett 35:8557-8560)。相互作用の特異性の規定における同様の便宜
は、多くの他の生体分子について予想される。 【0094】 当分野での幾つかのアミド結合したライブラリーは、アミン基に付着した親電
子タグを用いるバイナリーコード化を採用しており、これらのタグをビーズマト
リクスに直接付着させることは、コード化されたコンビナトリアルライブラリー
において調製され得るこれらの構造に遙かに大きい他用途性を与える。この方法
で付着させた場合、これらのタグ及びそれらのリンカーは、殆どビーズマトリク
ス自体と同じ位に非反応性である。親電子タグが直接固相に付着され、主題のペ
プチドライブラリーを生成するための手引きを与える2つのバイナリーコード化
コンビナトリアルライブラリーが報告されている(Ohlmeyer等(1995)PNAS 92:602
7-6031)。両ライブラリーは、直交する付着のストラテジーを用いて構築され、
そこでは、ライブラリーメンバーは、固体支持体に感光性リンカーにより結合さ
れ、それらのタグは、強い酸化によってのみ開裂されるリンカーにより付着され
た。これらのライブラリーメンバーは、固体支持体から部分的に繰り返し光抽出
することができるので、ライブラリーメンバーを複数のアッセイにおいて利用す
ることができる。連続的光抽出は又、非常に高いスループットの反復スクリーニ
ングストラテジーをも可能にする:先ず、複数のビーズを96ウェルミクロ滴定
プレート中に置き;第二に、リガンドを部分的に分離してアッセイプレートにト
ランスファーし;第三に、バイオアッセイにより、活性なウェルを同定し;第四
に、対応するビーズを単独で新たなミクロ滴定プレート中に再配列し;第五に、
単一の活性な化合物を同定し;そして第六に、これらの構造を解読する。 【0095】 上記のアプローチは、カルボニックアンヒドラーゼ(CA)結合についてのスク
リーニングにおいて採用されて、CAへのナノモルの親和性を示す化合物を同定
した。配列決定可能なタグ付けと異なり、多数の構造を、バイナリーコード化ラ
イブラリーから、迅速に解読することができる(単一のECGC装置は、1日当
たり50の構造を解読することができる)。従って、バイナリーコード化ライブ
ラリーは、構造−活性の関係の迅速な分析及び活性なシリーズの有効性と選択性
の最適化のために利用することができる。先導的同定のための大きい不偏のバイ
ナリーコード化ペプチドライブラリーの合成及びスクリーニングとその後の、先
導的最適化のための一層小さい焦点を絞ったライブラリーの製造及び分析は、主
題の方法を用いる薬物発見のための特に強力なアプローチを提供する。 【0096】 上記の方法が、高度に多様なペプチドライブラリーの合成に向けられているこ
とは、当業者には明らかとなろう。酵素の活性部位と相互作用する遷移状態種を
真似るようにデザインされた活性なサブユニットの組み込みは、一般的アミノ酸
でないサブユニットを含むことを必要とし得る。上記の方法は、容易に、この目
的に適合させることができる。 【0097】 例えば、ホウ素酸を有するサブユニットがペプチドライブラリーに組み込まれ
ることが望まれる場合には、ペプチドライブラリーを、上記の方法の何れかに従
って製造することができ、C末端を遊離させてカルボン酸を見せることができ、
そして、活性サブユニット{例えば、一般式H2N−CH(R)−B(OH)2のもの(
式中、Rは、このサブユニットに組み込まれることが望まれる任意の官能基であ
って、置換された又はされてないアルキル及びアリール残基を含む)}を、ペプチ
ドカップリングの標準的方法によって、それに結合させることができる。 【0098】 他の可能性は、第1のアミノ酸を樹脂にN末端によって付着させて、ペプチド
ライブラリーをNからC(N-to-C)の向きで合成することである。この向きでのペ
プチド合成は、一層問題があり、CからNの向きでの合成よりもありふれてない
が、この方法は、同じ基本的方法論を用いて、ペプチドライブラリーを合成する
ことを可能にし、次いで、一様に又は縮重して少なくとも1つのホウ素含有サブ
ユニット例えば前節に示した式を有する活性なサブユニット又は望ましい任意の
他の官能基を有する活性なサブユニットに結合することを可能にする。N末端を
介しての付着に適した樹脂は、当分野で公知である。 【0099】 第3のオプションは、上記の一般式に従うホウ素酸を有するサブユニットを樹
脂例えばPerSeptiveの主鎖アミドリンカー(BAL)樹脂に窒素官能基
によって付着させることである。次いで、このペプチドライブラリーの残りの残
基を、上記の方法によって、このホウ素酸を有するサブユニットのN末端に付着
させる。このライブラリーは、この樹脂から、85%TFAの使用により(樹脂
がBAL樹脂の場合)、開裂させることができる。一層一般的には、かかる窒素
ベースの結合は、アルデヒドを有する樹脂を、その樹脂を還元的にアミノ化する
条件下で、水素化物還元剤(例えば、NaBH4及びその変化物)の存在下で、窒
素含有サブユニットで処理することにより形成することができる。かかる還元的
アミノ化は、当分野で周知である。 【0100】 或は、ホウ素酸含有樹脂を、ホウ素酸官能基によって、直接樹脂に付着させる
ことができる。例えば、ビシナルジオール官能基(HO−C−C−OH)を含む樹
脂を用いて、選択したサブユニットのホウ素酸と環状ホウ素酸エステルを形成す
ることができる。これは、ホウ素酸官能基を残りのライブラリー合成の間保護し
つつ、開裂性の結合を固体支持体に与えるという二重の利益を有する。この様式
において、ペプチドライブラリーは、樹脂から例えば酸加水分解によって遊離さ
れたときに、ライブラリーのすべてのメンバー上に存在するホウ素酸残基を有す
る。その上、種々の側鎖を有する様々なホウ素酸サブユニットを樹脂に付着させ
ることにより、この方法は、ホウ素酸を有する位置に縮重を生じさせることもで
きる。同様のストラテジーを、アルデヒド含有活性サブユニットについて採用す
ることができる(該サブユニットは、アセタール結合を形成することによりジオ
ール含有樹脂に付着することができる)。 【0101】 基質のペプチドの約9〜12アミノ酸が、酵素の活性部位と関連基質特異性サ
ブサイトを接触させるということは、ある種のキナーゼのリン酸化部位の公知の
コンセンサスモチーフの突然変異誘発の研究及びキナーゼに結合したペプチドの
X線結晶構造解析研究に基づいて、ありそうなことであると見積もられている。
従って、縮重残基が、選択した酵素の活性部位と特異性サブサイトとを接触させ
るであろう領域を含む、方向付けられた縮重ペプチドライブラリーを用いること
ができる。酵素の基質特異性に影響する活性部位に入る基質の残基の周囲のアミ
ノ酸残基の数が、異なる酵素では異なることは、ありそうなことである。即ち、
この発明の方法において有用であろう方向付けられた縮重ペプチドライブラリー
は、遷移状態類似体として作用する活性サブユニットに共有結合により付着され
た2つの少ない縮重アミノ酸残基を有し得るということが予想される。幾つかの
酵素については、一つのアミノ酸が、酵素の特性に依って、活性サブユニットの
各側部に結合することは、好ましいであろう。活性サブユニットに付着されるべ
き縮重残基の好ましい数は、少なくとも2つであり、好ましくは少なくとも4つ
である。活性サブユニットの両側に同数の縮重残基があってもよいし、又は活性
サブユニットの両側に異なる数の縮重残基があってもよい(例えば、一方の側に
1つで他方に3つ等)。ペプチドライブラリーの多様性(例えば、ライブラリーに
含まれる、異なるペプチドの数)は、縮重残基数の関数であり;縮重残基数が大
きい程、多様性も大きい。例えば、2つの位置だけが縮重していて任意のアミノ
酸がこれらの縮重位置にあってよいライブラリーは、400のユニークなペプチ
ド(202)を表すが、8つの位置が縮重していて任意のアミノ酸がこれらの位置
にあってよいライブラリーは、約2.5×1010のユニークなペプチド(208)
を表す。 【0102】 この発明の一つの具体例において、方向付けられた縮重ペプチドライブラリー
は、下記式を有するペプチドよりなる: 【化30】 (式中、Yaaは、酵素の活性部位の一部と、例えば共有結合を形成することに
より、相互作用するように選択した活性なサブユニットであり、Xaaは、任意
のアミノ酸又はアミノ酸類似体であり、そしてn及びmは、0以上10以下の整
数であって、mとnの合計は、少なくとも2であり、好ましくは少なくとも4で
ある)。 【0103】 この発明の好適具体例において、固定された非縮重位置の活性サブユニットは
、酵素の活性部位と例えば共有結合により相互作用することのできるペプチド内
の唯一の残基である。選択した酵素の活性部位と相互作用しそうな型のアミノ酸
残基が、縮重位置で削除されているペプチドライブラリーを構築することができ
る。同様に、活性サブユニット例えばセリンと相互作用しそうな官能基を有する
ある種のアミノ酸は(活性サブユニットがホウ素酸の場合)、縮重位置の幾つか又
はすべてから削除され得る。従って、この発明は、ある種のアミノ酸が縮重位置
から削除された式(Xaa)n−Yaa−(Xaa)mを有するペプチドよりなる、方
向付けられた縮重ペプチドライブラリーを提供する。 【0104】 ある具体例においては、更なるアミノ酸残基をペプチドの縮重領域の一端又は
両端に加えることは、望ましいであろう。ペプチドの縮重領域のN末端側の非縮
重アミノ酸は、ペプチド混合物に由来するペプチドが適切に配列されていること
を確認するのに役立ち得るし、存在するペプチドの量を定量するのに利用するこ
とができる。同様に、ペプチドの縮重領域のC末端側の非縮重アミノ酸残基は、
定量化目的のために利用することができる。このライブラリーのペプチドのC末
端へのポリリジンテイルの付加は、自動化シーケンシング中にペプチドが洗い去
られるのを防ぐことができ、ペプチド混合物の溶解度を改良することができる。 【0105】 この発明のペプチドライブラリーの他の具体例は、ペプチドの縮重領域のN末
端及び/又はC末端での非縮重アミノ酸の付加を特異的に可能にする。この具体
例においては、方向付けられた縮重ペプチドライブラリーは、下記式を含むペプ
チドを含む: 【化31】(式中、 Yaaは、上で規定した非縮重活性サブユニットであり、 Xaaは、任意のアミノ酸又はアミノ酸類似体であり、 n及びmは、0以上10以下の整数であって、mとnの合計は、少なくとも2
であり、好ましくは少なくとも4であり、 Z1は、水素又は式(Xaa)aを有するペプチド(式中、Xaaは、任意の非縮
重アミノ酸又はアミノ酸類似体であり、aは、1以上15以下の整数である)で
あり、そして Z2は、水素又は式(Xaa)bを有するペプチド(式中、Xaaは、任意の非縮
重アミノ酸又はアミノ酸類似体であり、bは、1以上15以下の整数である)で
ある)。 このライブラリーは、最長で51アミノ酸のペプチドを含む。或は、a及びbは
、1以上10以下の整数であってよい。このライブラリーは、最長で41アミノ
酸のペプチドを含む。或は、a及びbは、1以上5以下の整数であってよい。こ
のライブラリーは、最長で31アミノ酸のペプチドを含む。 【0106】 更に別の具体例において、この発明は、下記式(SEQ ID NO:3)を含むペプチド
を含む方向付けられた縮重ペプチドライブラリーを提供する: 【化32】 (式中、Xaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xa
a7及びXaa8は、任意のアミノ酸残基であり、Yaaは、上記の活性サブユ
ニットである)。 【0107】 この活性なサブユニットは、ペプチドライブラリーのメンバーを、標的酵素の
ゆっくり結合するインヒビターとして機能させる官能基を含むように選択するこ
とができる。例えば、標的酵素がセリンプロテアーゼである場合には、ホウ素酸
、アルデヒド、トリフルオロメチルケトン、アルファ−ケトカルボン酸誘導体例
えばアルファ−ケトアミド、ペルハロアルキル又はペルハロアルキル又はペルフ
ルオロアルキル例えばペンタフルオロエチル及びホスフィン官能基が(他のもの
の内で)、セリンプロテアーゼのゆっくり結合する阻害を示すことが示されてき
た。セリンプロテアーゼについての好適アミノ酸配列モチーフを決定するために
デザインされた縮重ペプチドライブラリーを、活性サブユニットにこれらの官能
基の一つを含むようにデザインすることができる。この活性サブユニットは、ペ
プチドライブラリーのメンバーのC末端、N末端又は内部に位置してよい。多く
の他のクラスのゆっくり結合するインヒビターが公知であり、同様の活性サブユ
ニットの、この発明の縮重ペプチドライブラリー中への組み込みは、当業者の知
識範囲内にある。 【0108】 上記の縮重ペプチドライブラリーから、活性部位と関連配列特異性サブサイト
を高い親和性で結合させる配列を選択するためには、このペプチドライブラリー
を、ペプチド分子よりもかなり少ない酵素分子が存在するような量の酵素で処理
する。例えば、ペプチドとして、20%以下の、あるいは、10%未満の、5%
の、1%の酵素分子が存在し又は1%未満でさえあってよい。酵素をペプチドラ
イブラリーのメンバーに結合させ、好ましくは平衡に到達するのに適した時間の
後に、酵素を洗って未結合のペプチドをなくす。次いで、結合したペプチドを、
酵素から遊離させて集め、それらの配列を決定することができる(例えば、化学
的配列決定技術、標識又はタグの検出又は特性決定等により)。結合したペプチ
ドの遊離は、酵素/ペプチド複合体を含む媒質のpH、塩濃度、温度、希釈率、
又は他の属性を変えることにより促進することができる。 【0109】 この発明の方法において用いる酵素は、精製したネイティブ酵素(例えば、生
物学的起源から精製したもの)であってよい。幾つかの精製された酵素が、市販
されている(例えば、Sigma Chem. Co.から)。或は、この発明の方法において用
いる酵素は、組換えにより生成した酵素であってよい。多くの酵素が、分子的に
クローン化されて特性決定され、そうして、標準的技術により、組換えによって
発現させることができる。適当な酵素機能を保持している組換えにより生成され
た酵素を、この発明の方法において用いることができる。もし試験すべき組換え
酵素が真核生物の酵素であれば、その酵素を真核生物の発現系で組換えにより発
現させて、適当な翻訳後修飾を確実にすることが好ましい。多くの真核生物の発
現系(例えば、バキュロウイルス及び酵母発現システム)が、当分野では公知であ
り、標準的手順を用いて、組換えによって酵素を発現させることができる。組換
えにより生成した酵素は又、非融合型の触媒活性を保持している限り、融合タン
パク質(即ち、酵素と第二のタンパク質又はペプチドとからなり、例えば、グル
タチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)に融合されたプロテアーゼ)であっ
てもよい。その上、用語「酵素」は、触媒活性を保持しているネイティブ酵素の
部分を含むことを意図している。例えば、プロテアーゼの触媒ドメインを含むマ
ルチサブユニットのプロテアーゼのサブユニットを、この発明の方法において用
いることができる。 【0110】 結合したペプチドを酵素から分離した後に、それらのペプチドのアミノ酸配列
を決定することができる。好ましくは、用いる方向付けられた縮重ペプチドライ
ブラリーは、可溶性の合成ペプチドライブラリーであり、それらのペプチドを、
バルクポピュレーションとして、自動化ペプチドシーケンサーを用いて配列決定
する(或は、手作業の配列決定を例えばエドマンベースの技術を用いて行うこと
ができよう)。このアプローチは、ペプチド混合物のシーケンスにおいて、所定
のサイクルで、各アミノ酸残基の豊富さについての情報を、最も重要なことには
縮重位置において与える。次いで、このライブラリーのペプチドにおける各縮重
位置について、相対的な豊富さの値を、ライブラリーのスクリーニング後(即ち
、ペプチドの結合、遊離及び分離後)に、その位置の特定のアミノ酸残基の豊富
さを、出発ライブラリーのその位置の同じアミノ酸残基の豊富さで割ることによ
り計算することができる。従って、ペプチドの縮重位置におけるアミノ酸残基X
aaの相対的豊富さ(RA)を次のように定義することができる: 【数2】 RA=結合したペプチド集団中のXaaの量 方向付けられた縮重ペプチドライブラリー中のXaaの量 この相対的な豊富さの値は、バックグラウンドの汚染に対して、当分野で周知の
技術を用いて補正することができる。酵素に優先的に結合するペプチドの集団に
つき富化されてもなく、不利に選択されてもいないアミノ酸残基は、1.0の相
対的豊富さを有するであろう。特定の縮重位置に好適なアミノ酸残基(即ち、好
適ペプチド中のその位置で富化された残基)は、1.0より大きい相対的豊富さ
を有するであろう。好適でないアミノ酸残基(即ち、好適ペプチドのその位置に
不利に選択された残基)は、1.0より小さい相対的豊富さを有するであろう。
縮重位置での各アミノ酸残基についての相対的豊富さの値に基づいて、好適なア
ミノ酸残基(即ち、1.0より大きい相対的豊富さを有するアミノ酸残基)を、そ
の位置で同定することができる。 【0111】 上で検討したように、もし、固体支持体に結合したビーズ型のライブラリーを
利用するならば、各単離物を、個々に配列決定しなければならない。これは、多
数の単離物の配列決定を必要とし、縮重位置における各アミノ酸残基の相対的豊
富さの評価のみを与えるであろう。或は、もし、空間的に位置指定可能なペプチ
ドライブラリー例えば上記の項目「e」に記載したものを利用する方法を用いる
ならば、酵素を、検出可能なマーカーを用いて印を付けることができ、ライブラ
リーを一定量のその酵素で処理することができ、次いで、そのライブラリーを試
験して、結合したペプチドの何れが酵素によって好まれるかを決定することがで
きる。例えば、もしマーカーが蛍光であれば、ライブラリーを、そのマーカーに
蛍光を出させる条件下で試験することができる。特定のペプチド配列をディスプ
レーすることの知られた領域の相対的明度を測定することにより、ペプチド配列
の任意の位置における特定のアミノ酸の相対的豊富さを近似することができる。
この近似は、マーカーの強度の測定値程度に正確なだけであり、従って、ここに
示した蛍光ベースの技術は、ある量の定性的評価に対する主題であろう。この方
法の利用により、ペプチドライブラリーは、不可逆的に酵素に結合する活性サブ
ユニット例えばハロメチルケトン、スルホニルフルオリド等を含むことができる
(但し、ペプチドライブラリーは、ゆっくり結合するインヒビターよりなる)とい
うことは、注意されよう。 【0112】 化合物のライブラリーに対する酵素の相対的結合親和性をアッセイするための
他の方法は、当分野で周知であり、この発明の精神から離れることなく、この発
明における利用のために容易に適合させることができよう。 【0113】 アミノ酸でない活性サブユニットを有するペプチド配列の配列決定は、配列決
定のための準備において、更なる操作を必要とし得る。例えば、このペプチドが
アルデヒドで終わる場合には、そのアルデヒドをカルボン酸官能基(ペプチドに
自然な官能基)に、当分野で公知の多くの方法の何れか(例えば、塩化ナトリウム
での処理)によって変換することが望ましいであろう。好ましくは、縮重位置の
アミノ酸に存在し得る硫黄原子を酸化しないであろう方法を選択すべきである。
ペプチドがホウ素酸で終わる場合には、そのホウ素酸をカルボン酸に変換するこ
とができ又はアルデヒドに変換することができ、更に、上記のように操作するこ
とができる(Brown, H.C.等、Pure and Appl.Chem.1991,63,307-316)。もし、ホ
ウ素酸官能基が、鎖の中央にあるならば(例えば、天然のペプチドのカルボニル
官能基の代わりに)、かかる官能基を、容易に加水分解して、C末端ペプチド断
片とN末端ペプチド断片の2つの断片を与えることができ、これらは上記のよう
にプロセッシングを受けるであろう。この発明の目的に関して、特異的なC末端
ペプチド断片を、それがアッセイ中会合していたN末端断片と相関させることが
できることは、必要ではない。単に、特定の位置におけるアミノ酸の相対的豊富
さを知ることで十分である。この例において、N末端断片とC末端断片を、N末
端セットがC末端断片が欠いているホウ素酸残基を含むであろうことに基づいて
区別することができる。ホウ素酸基をペプチドの配列決定に適した官能基に変換
する他の方法は、当分野で公知である。 【0114】 活性サブユニットの性質及び位置に依っては、自動化シーケンシングのために
配列を調製するためのある種の方法を利用することができる。例えば、上記のホ
ウ素酸残基がペプチド鎖の中央に向かってカルボキシル基に置き換わっている場
合等においては、加水分解を利用して、それらのペプチドをこの結合において開
裂させることができ、N末端ホウ素酸部分をC末端ペプチド部分から例えばそれ
らの異なる酸性度又はクロマトグラフィー基質に対する親和性に基づいて分離す
ることができ、これらの試料の2つの部分を自動化シーケンサーによって配列決
定することができる。 【0115】 活性サブユニットが縮重してない場合には、その活性サブユニット自体を配列
決定することは必要なく;他の残基についての配列だけが必要とされるであろう
。エドマン分解(自動化ペプチドシーケンサーで一般に用いられている)は、C末
端の官能基に関係なく、N末端からペプチドを配列決定することができる(N末
端シーケンシング)。従って、例えばアルデヒド又はホウ素酸官能基をC末端に
含む活性サブユニットを有するペプチドも、やはり、自動化シーケンサーを用い
て配列決定することができる。C末端シーケンシングの方法は、当分野で公知で
あり(例えば、Bailey等の米国特許第5,432,092号及びHawke等の米国特
許第5,049,507号)、自動化ペプチドシーケンサーに組み込まれている
。従って、N末端に縮重してない活性サブユニットを有するペプチドも、やはり
、自動化ペプチドシーケンサーを用いて配列決定することができる。その上、同
一の試料についてC末端ペプチドシーケンシングとN末端ペプチドシーケンシン
グの両方を行うことのできる自動化ペプチドシーケンサーが知られている(例え
ば、Hewlett PackardのHP1100シリーズLCベーストN及びC末端タンパ
ク質シーケンサー)。従って、ペプチドの内部に活性サブユニットを有するペプ
チドライブラリーを両端から配列決定して、特定の位置における残基の相対的豊
富さを決定することができる。 【0116】 ペプチドの配列決定に有用な他の方法は、質量分析法である。質量分析法特に
エレクトロスプレー質量分析法を用いて、ペプチド分子のフラグメンテーション
パターンを測定することができる。フラグメンテーションは、主として、ペプチ
ド結合に起きるので、フラグメンテーションパターンは、典型的には、フラグメ
ントの原子質量を与え、減少する質量のフラグメントは、ペプチド配列中のアミ
ノ酸残基の連続的な消失を示す。C末端開裂をN末端開裂と区別するためには、
C末端、N末端又は両方のアミノ酸を特有のアイソトープパターンで標識して有
することは、ペプチドライブラリーのメンバーについて、特に有用である。特有
のアイソトープパターンは、少なくとも2つの異性体として、1:1〜1:10
の比で好ましくは1:1〜1:5の比で自然に存在する元素の存在を示すパター
ンであってよい。この性質を示す元素には、塩素、臭素、ホウ素及びセレンが含
まれる。従って、ホウ素酸が一方の末端に存在するホウ素酸型ペプチドライブラ
リーは、この種の分析によく適合している。別法として又は追加として、ライブ
ラリー中のペプチドの末端残基中の原子の一つを、実質的に完全に又は完全に、
部分的に、富化させて、それらの富化された末端を含むペプチドフラグメントが
マススペクトル中に特有のアイソトープパターンを示すようにすることができる
。従って、例えば、ペプチドライブラリーの末端カルボキシ基を、13Cを富化さ
せることができ、アルファプロトンを、2Hを富化させること等ができる。結果
として、かかる化合物のマススペクトルは、一連のフラグメント(各々は、容易
に同定できる、特有のアイソトープパターンを有する)を示すであろう。連続的
ピーク間の質量の差異を測定することにより、各フラグメントと共に失われたア
ミノ酸を決定することができ、微小量のペプチドの配列決定を可能にする。この
技術を用いるペプチドシーケンシングの例は、Geysen M., Abstracts of Papers
of the American Chemical Society 218:144-Anyl, パート1、1999年8月22日
に与えられている。その上、質量分析技術を酵素結合した基質並びに結合した酵
素から分離した基質に応用することができる。 【0117】 その上、LC/MSを用いて、ペプチドのライブラリーのクロマトグラフィー
による分離を可能にし、続いて、上記のように、質量分析法を行って、各ペプチ
ドをそれが溶出した際に配列決定することができる。或は、質量分析計を配列し
て(当分野では周知であるが)、化合物の混合物のコンバインドマススペクトルを
測定し、それらの分子を質量により分離し、そして別々の実体の各々についての
フラグメンテーションパターンを測定することができる。この方法においては、
ペプチド配列のセット内の各位置についての相対的豊富さよりも個々のペプチド
配列を決定することができる。 【0118】 結合した及び配列決定したペプチドの集団内の各縮重位置の異なるアミノ酸残
基の相対的豊富さに基づいて、酵素の活性部位についての好適なアミノ酸配列モ
チーフを決定することができる。このアミノ酸配列モチーフは、ペプチドの縮重
領域を包含する。各縮重位置のモチーフについて選択される特定のアミノ酸残基
は、各位置で最も豊富なものである。従って、特定の位置で1.0より大きい相
対的豊富さの値を有するアミノ酸残基が、アミノ酸配列モチーフ内のその位置の
アミノ酸として選択され得る。或は、一層高い相対的豊富さの値を、アミノ酸残
基を含むことの基礎として用いて、酵素の一層好適なアミノ酸配列モチーフさえ
造ることができる。例えば、特定の位置で1.5以上の相対的豊富さの値を有す
るアミノ酸残基を、アミノ酸配列モチーフ内のその位置でのアミノ酸残基として
選択することができる。 【0119】 酵素のアミノ酸配列モチーフにより規定される可能な残基の一つに対応するア
ミノ酸残基よりなるペプチドを合成して、酵素のペプチド基質を造ることができ
る。このモチーフの最も好適なアミノ酸残基(即ち、各縮重位置で最高の相対的
豊富さを有するアミノ酸残基)よりなるペプチドを、酵素の最適なペプチド基質
として合成することができる。 【0120】 この発明の基質ペプチドにおけるアミノ酸置換は、そのペプチドの酵素に対す
る親和性を実質的に変化させずに行うことが可能であるということは認められる
べきである。例えば、アミノ酸置換が、アミノ酸残基の変化に比較的反応性の低
いペプチド内の位置で可能であることはありそうなことである。同様に、アミノ
酸置換が、特定の種類のアミノ酸(例えば、疎水性又は親水性アミノ酸)を広く受
け入れる位置で可能であることはありそうなことである。この発明のアミノ酸配
列の決定に用いられる、方向付けられた縮重ペプチドライブラリーは、各縮重位
置にそれぞれ可能なアミノ酸置換を有するペプチドを表し、このライブラリース
クリーニングから決定された配列は、活性部位の周囲の各縮重位置の特定のアミ
ノ酸の置換の効果に関する情報を与える。従って、規定のモチーフからの置換が
可能な位置は、ライブラリーの配列決定された結合ペプチドから得られたデータ
から(即ち、各縮重位置の各アミノ酸残基の相対的豊富さの値から)容易に同定す
ることができる。例えば、アミノ酸残基の変化に対して比較的反応性の低い位置
は、その位置に多くのアミノ酸残基を凡そ1.0の相対的豊富さの値にて有する
であろう(即ち、ライブラリースクリーニングにおいて、実質的に有利にも不利
にも選択されない)。その位置の少なくとも一つのアミノ酸残基は1.0より大
きいRA(この発明のアミノ酸配列モチーフに含むための値のセット)を有し得る
が、この残基を、ペプチド基質のプロテアーゼに対する親和性に実質的に影響を
与えずに、その位置で1.0かそれより僅かに小さいRAを有するミノ酸残基の
代用とすることは可能である。例えば、srcファミリーキナーゼに関して、リ
ン酸化部位(0位)に対する相対的な−4位は、凡そ1.0の相対的豊富さの値を
有する多くのアミノ酸をディスプレーすることができ、これは、この位置が多く
の異なるアミノ酸を受け入れることができることを示している。同様に、例えば
疎水性残基を広く受け入れることのできる位置は、多くの疎水性残基をその位置
に凡そ1.0のRA値にて有するであろう(一つか少数の残基だけは、1.0よ
り大きい好適なRA値を有し得るであろうが)。 【0121】 従って、この発明は、ここに提供する方法により決定した好適なアミノ酸配列
モチーフを含むペプチド基質と実質的に等しい酵素への親和性を有する酵素のペ
プチド基質を包含する。用語「実質的に等しい親和性」は、ペプチドが、酵素へ
の親和性を、ここに提供する好適なアミノ酸配列モチーフを有するペプチドと実
質的に同じ仕方で機能することができるように有することを意味することを意図
している(例えば、このペプチドは、他の基質に対する酵素の活性を、ここに提
供する方法により決定された好適なアミノ酸配列モチーフを有するペプチドとほ
ぼ等しく、競争的に阻害することができる)。ペプチドの酵素に対する親和性は
、他の基質との競争によるKi値(即ち、他の基質に対する活性を50%だけ阻害
するのに要するペプチドの濃度)として規定することができる。好ましくは、こ
こに提供する好適アミノ酸配列モチーフを含むペプチド基質と実質的に等しい酵
素への親和性を有するペプチドは、そのアミノ酸配列モチーフを有するペプチド
のKiの最大で2倍のKi値を有する。酵素に対する基質の親和性を決定する他の
方法は、文献において周知であり、この発明に、その精神から離れることなく適
用することができる。 【0122】 この発明のペプチド基質を、一層大きなタンパク質に組み込んで、そのタンパ
ク質内に好適な酵素結合部位を造ることができる。酵素に対する好適なアミノ酸
配列モチーフのタンパク質への組み込みは、その酵素の高親和性結合のための部
位をタンパク質上に与えることが予想され得る。例えば、酵素がプロテアーゼで
ある場合には、そのプロテアーゼのための好適なアミノ酸配列モチーフを、タン
パク質に組み込むことができる。この好適なアミノ酸配列モチーフは、そのプロ
テアーゼによって容易に且つ選択的に開裂されると予想され得る部位をそのタン
パク質上に与える。 【0123】 この発明の方法により決定された酵素の特異性サブサイトの好適アミノ酸配列
モチーフは又、酵素に対する擬似基質を生成するためにも用いることができる。
ある場合には、この擬似基質は、活性サブユニットを、好適アミノ酸配列モチー
フと結合させる。プロテアーゼの特別のケースでは、これらの擬似基質は、アミ
ノ酸配列モチーフに対応するが、通常プロテアーゼによって開裂される切れやす
い結合が開裂可能でない結合により置換されたアミノ酸配列を有するペプチドを
含むことができる。切れやすい結合を開裂不能にし得る変化には、アミドの窒素
のメチル化、アミドのカルボニルの−CH2での置換、窒素の−CH2−での置換
、及び他の当分野で周知の技術が含まれる。他のクラスの酵素で用いるのに適し
た同様の変化は、当分野で周知であり、本発明に、この開示の精神及び範囲から
離れることなく適用することができる。 【0124】 ペプチド類似体、ペプチド模倣物、及び他の擬似基質に分類され得る小分子も
又、この発明により提供されるアミノ酸配列モチーフに基づいてデザインするこ
とができる。この発明により提供されるアミノ酸配列モチーフを用いて、この発
明の基質のかかる類似体をデザインすることができる。ペプチドを無傷の細胞に
加え又はイン・ビボ投与した場合には、それらの取込みは、非効率的であり且つ
/又はそれらは分解されるということが、一般に、見出されている。従って、シ
グナル変換経路を(例えば、イン・ビボでの治療目的で)調節することを望む場合
、ペプチドよりもペプチド類似体を用いるのが望ましい。用語「ペプチド類似体
」は、ここで用いる場合、ペプチドの化学構造を真似し且つそのペプチドの生物
学的特性を保持しているが細胞膜透過性である分子を含むことを意図している。
用語「ペプチド類似体」は又、ペプチドの化学構造を真似し且つそのペプチドの
生物学的特性を保持しているがそのペプチドより一層安定である(イン・ビボで
の循環中又は細胞中において一層分解を受けにくい)分子を含むことをも意図し
ている。この発明のペプチド基質のペプチド類似体の場合には、そのペプチド類
似体は、酵素に結合し得る(即ち、この酵素の触媒部位を占める)生物学的特性を
保持する。好ましくは、このペプチド類似体は、この酵素により変化されない(
変化し得るペプチド類似体も有用であるが)。ペプチド類似体をデザインするた
めのアプローチは、当分野で公知である。例えば、Farmer, P.S.[Drug Design(E
.J. Ariens編)Academic Press, New York, 1980, 10巻、119-143頁];Ball. J.B
.及びAlewood, P.F.(1990)J.Mol.Recognition 3:55;Morgan, B.A.及びGainor,
J.A.(1989)Ann.Rep.Med.Chem.24:243;及びFreidinger, R.M.(1989)Trends Phar
macol.Sci.10:270を参照されたい。 【0125】 生成することのできるこの発明のペプチド基質のペプチド類似体の一つの型は
、メチル化アミド結合を有するペプチドである。このペプチドの改変は、ペプチ
ドの膜透過性を増大させ且つその安定性を増大させることが見出されている。加
えて、このペプチドの硬さを増大させることができ、これは、ペプチド類似体の
酵素の触媒部位への親和性を、未改変のペプチド基質と比べて増大させることが
できる。 【0126】 或は、レトロ−インベルソペプチドは、ここに開示した方法において有用であ
り得る。この発明によるレトロ−インベルソペプチドは、後述の実施例に対する
アナロジーにおいて製造することができる。もし、好適なアミノ酸配列モチーフ
がH2N−(L)Arg−(L)Ala−(L)Lys−CO2−であるならば、対応す
るレトロ−インベルソペプチドは、−O2C−(D)Arg−(D)Ala−(D)L
ys−NH2−である。概念的に、かかる配列は、親の配列の逆向き(レトロ)で
あり、親配列のアミノ酸に対して鏡像(インベルソ)のアミノ酸を用いる。レトロ
−インベルソペプチドの一つの利点は、それらが、親配列と類似の親和性で酵素
に結合するのに、酵素活性に耐性であることである。この特性は、それらを、そ
れらが結合する酵素のインヒビターとして有用にしている。その上、かかるレト
ロ−インベルソペプチドは、標準的ペプチドに身体内で短い半減期を与える酵素
による分解に耐性であるので、医薬製剤において有用である。 【0127】 非ペプチド性の小分子も又、この発明によるインヒビターとして有用であり得
る。かかる小分子は、好適なアミノ酸結合モチーフの公知の構造に基づいて合理
的にデザインすることができ、この小分子の構造的特徴をそのモチーフの構造的
特徴に類似するように仕立てることができる。或は、かかる小分子は、コンビナ
トリアル技術によって生成して、ペプチド基質用の上記のようなアッセイにかけ
ることができる。この発明に有用な小分子基質を決定するために利用することの
できる他の方法は、この発明の範囲に包含されるものである。 【0128】 この発明のペプチド基質及び擬似基質を用いて、酵素の活性を阻害することが
できる。特定の酵素による基質結合は、その酵素を阻害的量のその酵素のペプチ
ド基質又は擬似基質と接触させることにより阻害することができる。酵素の阻害
は、イン・ビトロの研究及びイン・ビボでの治療処置において有用であり得る。
酵素は、事実上、細胞周期の制御、免疫学的応答、転写の活性化及び細胞分化に
関与するものを含むすべてのシグナル変換経路において役割を演じている。その
上、酵素は、細胞のトランスフォーメーションにおける役割を演じている。従っ
て、酵素の活性を阻害する能力は、広範囲の細胞性応答を調節する手段を提供す
る。従って、この発明のペプチド基質、擬似基質及びペプチド類似体よりなる又
は基づく新規な治療剤は、広範囲の病気における応用を有し得る。幾つかの場合
において、酵素の活性を阻害することは、シグナル変換経路を調節するために望
ましい。例えば、VanXは、エンテロコッカス・ファエシウムにおけるバンコ
マイシン耐性に必須のD−Ala−D−Alaジペプチダーゼである。このジペ
プチダーゼの阻害は、公知の抗細菌性医薬の影響を受けない感染症を与え得る細
菌におけるバンコマイシン耐性の回避において有用であることを証明することが
できる。 【0129】 この発明のペプチド基質は、イン・ビトロでの酵素の活性を検出し、定量する
ために有用である。例えば、溶液をこの発明の基質と接触させて、その溶液中の
特定の酵素の存在を検出することができる。例えば、この溶液は、細胞抽出物で
あっても、部分精製した酵素のカラム画分であってもよい。イン・ビトロアッセ
イのために、このペプチド基質を、固体支持体(例えば、ビーズ)上に固定化して
、そのペプチドの他の反応成分(例えば、[γ−32P]−ATP)からの容易な分離
を可能にすることができる。 【0130】 例えば、プロテアーゼを迅速に検出し、阻害する能力は、タンパク質溶液の安
定性の維持において重要である。もしプロテアーゼの夾雑が検出されず、阻害さ
れなかったならば、タンパク質分解が、精製の間中において、低下した収率へと
導き、長期の保存中に、不安定性へと導くかもしれない。非常に微量のプロテア
ーゼが、分解を引き起こすのに十分である。 【0131】 一面において、ペプチド性インヒビターのライブラリーは、下記の一般式Iに
より表される化合物を含む: 【化33】(式中、 Wは、BY12、ペルハロアルキル(例えば、ペルフルオロアルキル)、又はC
(=O)R5を表し R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化34】 を表し; R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7; R3及びR4は、それぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C
2)m−R7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−
アルケニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7
−(CH2)n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、
−(CH2)n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又は
アミノ酸類似体のα−炭素に結合した側鎖、 【化35】を表し 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8原子を有する環を完成すること
ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
構造中に3〜8原子を有する環を完成することができ、 Y1とY2は、独立に又は一緒に、ヒドロキシル、又はヒドロキシル基に加水分
解され得る基であってよく、Y1とY2が環構造中に5〜8原子を有する環により
繋がれた環状誘導体を含み、 R5は、H、ハロメチル、トリフルオロメチル、アミド、エステル、ケトン、
カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(CH 2 )n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−アルケニル、−(CH 2 )n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7、−(CH2)n−SH、−
(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、−(CH2)n−S−アル
キニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、−CH2O−R10、 R6は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、−(
CH2)m−R7、−(CH2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O
−アルケニル、−(CH2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−(CH2)m−R7
、−(CH2)m−SH、−(CH2)m−S−アルキル、−(CH2)m−S−アルケニル
、−(CH2)m−S−アルキニル、−(CH2)m−S−(CH2)m−R7、 【化36】7は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル又はヘテロ環を表し; R8とR9は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、−(CH2)m−R7
−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−
C(=O)−(CH2)m−R7を表し、 又は、R8とR9は、それらが付着しているN原子と一緒に、環構造中に4〜8
原子を有するヘテロ環を完成し; R10は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、 【化37】 を表し mは、0又は1〜8の範囲の整数であり;そして nは、1〜8の範囲の整数である)。 【0132】 ある具体例において、Wは、ホウ素酸(ホウ素酸エステルを含む)、アルデヒド
、ペルハロアルキル又はペルフルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル、
ペンタフルオロエチル)、トリフルオロメチルケトン、ハロメチルケトン(例えば
、−C(=O)CX3、−C(=O)CHX2、又は−C(=O)CH2X、ここに、X
は、各出現につき独立に、F、Cl又はBrである)、アルファ−ケトエステル
、アルファ−ジケトン、アルファ−ケトアミド又はアルファ−ケト酸を表す。 【0133】 ある好適具体例において、R2及びR4は、各々、Hを表し、そしてR3は、化
合物ライブラリー中での各出現につき独立に、天然のアミノ酸側鎖を表す。 【0134】 加水分解により、ホウ素酸エステル及びハリドを含む上記の化合物の何れかに
変換され得る如何なる化合物も又、同等物と認められ、そして、カルボニル同等
物は、アセタール、ヘミアセタール、ケタール及びヘミケタール並びに環状ジペ
プチド類似体を含む。 【0135】 ある別の具体例においては、主題のインヒビターは、アミノ酸のホウ素酸類似
体である。この方法において用いるためのホウ素酸由来のライブラリーは、下記
の一般式IIに表された複数のインヒビターを含む: 【化38】 (式中、 R1、R2、R3及びR4は、上記の通りであり;そして R11は、各出現につき独立に、水素、アルキル、若しくは製薬上許容し得る塩
を表し、又は両R11は、それらが付着しているO−B−O原子と一緒に、環構造
中に5〜8原子を有するヘテロ環を完成する)。 【0136】 他の具体例において、主題のインヒビターライブラリーは、アルデヒド類似体
を含む。本発明の典型的なアルデヒド由来のインヒビターは、一般式IIIによ
り表される: 【化39】(式中、 R1、R2、R3及びR4は、上記の通りである)。 【0137】 ある具体例において、主題のインヒビターのライブラリーは、一般式IIIa
により表されるインヒビターを含む: 【化40】 (式中、 R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化41】 を表し R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7を表し; R3とR4は、各々、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m
7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−アルケ
ニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7、−(CH 2 )n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、−(CH 2 )n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又はアミノ酸
類似体のα炭素に結合した側鎖、 【化42】 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8炭素を有する環を完成すること
ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
構造中に3〜8原子を有する環を完成することができ;そして R5は、ハロメチル、トリフルオロメチル、アミド、ケトン又はカルボキシル
を表す)。 【0138】 尚更なる具体例において、主題のインヒビターライブラリーは、ハロ−メチル
ケトン類似体を含む。このクラスの典型的インヒビターは、一般式IVで表され
る化合物を含む: 【化43】(式中、 R1、R2、R3及びR4は、上で規定した通りであり;そして X1、X2及びX3は、各々、水素又はハロゲンを表す)。 【0139】 更に別の具体例においては、主題の類似体は、改変されたチロシン残基を含む
。かかる類似体は、キナーゼ及びホスファターゼのインヒビターとして特に有用
である。従って、本発明の他の面は、広範囲の化合物中の、ボロノフェニルアラ
ニン部分を提供する(例えば、米国特許第5,776,902及び5,580,
979号に記載)。一具体例において、この類似体は、一般式Vにより表される
ボロノフェニルアラニン(ボロノF)又はホスホノフェニルアラニン(ホスホノF)
である: 【化44】 (式中、 Y’は、フェニル部分のメタ、オルト又はパラ位の一つにある置換基を表し、
Y’は、下記の一般式により与えられるボロノであり 【化45】又は、下記の一般式により与えられるホスホノであり 【化46】 (ここに、R15及びR16は、各々独立に、水素、低級アルキル、若しくは製薬上
許容し得る塩を表し、又はR15及びR16は、それらが付着しているO−B−O若
しくはO−P−O原子と一緒に、環構造中に5〜8原子を有するヘテロ環を完成
する); R’14は、存在しないか又は残りの環位置にある少なくとも一つの置換基を表
し、該置換基は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシル、ア
ミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、カルボニル、カルボキシル
、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、ア
ルデヒド、エステル又は−(CH2)m−R7、−CF3、−CN等から選択され; Mは、各出現につき独立に、置換された又はされてないメチレン基例えばCH 2 、CHOH、CHF、CHMe、CHNH2等(好ましくは、CH2又はCHOH
)を表し; X8及びX9は、各々独立に、メチレン、エチレン、アセチレン、アミン、カル
ボニル、ホスホニル、硫黄、酸素又はセレンを表し; R’17は、存在しないか又は水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキ
ニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホ
スホリル、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エ
ーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エ
ステル若しくは−(CH2)m−R7を表し、又はR’17は、アミノ酸残基若しくは
8で縮合したペプチドを表し; R’3は、存在しないか又は水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキ
ニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホ
スホリル、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エ
ーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エ
ステル若しくは−(CH2)m−R7を表し、又はR’3は、アミノ酸残基若しくはX 9 で縮合したペプチドを表し; R7は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環又は多環を
表し; mは、0又は1〜8の範囲の整数であり;そして nは、1、2又は3である)。 【0140】 ある具体例においては、式Vの化合物は、少なくとも一つのメチレン基をフェ
ニル環とY’部分との間に有する(例えば、m=1又はm=2)。好適具体例にお
いては、n=1。ある具体例においては、Y’は、フェニル環のパラ位に付着し
ている。 【0141】 上記のように、式Vの置換を、模倣物を不溶性マトリクス上に共有結合又は非
共有結合により固定化するための架橋剤を与えるように選択して、プロテインキ
ナーゼ及びホスファターゼ例えばチロシンキナーゼ、チロシンホスファターゼ等
を精製することができる。これらの置換基は又、模倣物の存在を検出するための
検出可能な標識例えば放射性若しくは蛍光標識、又はビオチン、ストレプトアビ
ジン等を与えることができる。 【0142】 好適具体例において、式Vの化合物は、大きさがジペプチド以上であるペプチ
ド又はペプチド類似体として与えられ、例えば、この化合物は、2つ以上のアミ
ノ酸又はアミノ酸類似体のペプチド又はペプチド類似体である。好ましくは、こ
のペプチド又はペプチド類似体の長さは、2〜30アミノ酸残基、一層好ましく
は2〜20又は4〜20残基長の、尚一層好ましくは4〜10残基長の範囲内で
ある。 【0143】 本願の開示から明らかなように、式Vの化合物を組み込んだ加水分解可能でな
いペプチド類似体を生成することができる。説明目的のために、本発明のペプチ
ド類似体を、上記のベンゾジアゼピンに加えて、置換されたガンマラクタム環(G
arvey等、Peptides: Chemistry and Biology, G.R. Marshall編、ESCOM Publish
er: Leiden, オランダ、1988, p123)、C−7模倣物(Huffman等、Peptides: Che
mistry and Biology, G.R. Marshall編、ESCOM Publisher: Leiden, オランダ、
1988, p105)、ケト−メチレンシュードペプチド(Ewenson等(1986)J Med Chem 29
:295;及びEwenson等、Peptides: Structure and Function(Proceedings of the
9th American Peptides Symposium)Pierce Chemical Co. Rockland,イリノイ、
1985)、β−ターンジペプチドコア(Nagai等(1985)Tetrahedron Lett 26:647;及
びSato等(1986)J Chem Soc Perkin Trans 1:1231)、β−アミノアルコール(Gord
on等(1985)Biochem Biophys Res Commun 126:419;及びDann等(1986)Biochem Bi
ophys Res Commun 134:71)、ジアミノケトン(Natarajan等(1984)Biochem Biophy
s Res Commun 124:141)及び改変メチレンアミノ(Roark等、Peptides: Chemistry
and Biology, G.R. Marshall編、ESCOM Publisher: Leiden, オランダ、1988,
p134)を用いて生成することができる。一般に、セッションIII:Analytic an
d synthetic methods, Peptides: Chemistry and Biology, G.R. Marshall編、E
SCOM Publisher: Leiden, オランダ、1988も参照されたい)。 【0144】 同様に、ペプチド類似体中に、下記の式VIの残基等のボロノ又はホスホノ改
変したセリン又はスレオニン類似体を含有させることにより、自然にセリン又は
スレオニンを修飾するホスファターゼとキナーゼを標的とすることができる: 【化47】(式中、X8、X9、R’3、R’17、Y’、m、M及びnは、上で規定した通りで
あり、 jは、0〜3の整数であり、そして R’10は、H、OH、NH2、ハロゲン、又は低級アルキルであり、好ましく
は、H又はMeである)。 【0145】 ある具体例において、mは、1又は2、好ましくは1である。ある具体例にお
いて、jは、0又は1、好ましくは0である。 【0146】 典型的具体例において、ペプチド模倣物は、レトロ−インベルソペプチドであ
ってよい。説明のために、ボロノF−EEIペプチドを、下記のレトロ−インベ
ルソ類似体として生成することができる: 【化48】 【0147】 かかるレトロ−インベルソ類似体は、当業者に公知の方法例えばSisto等の米
国特許第4,522,751号に記載された方法によって作成することができる
。例えば、この例示したレトロ−インベルソ類似体を、下記のように生成するこ
とができる。ボロノフェニルアラニン類似体に対応するジェミナルジアミンを、
ボロノ保護した(例えば、2,6−ジクロロベンジルエーテルとして)N−Boc
−L−ボロノPheを、HOBT−DCCカップリング条件下で、アンモニアで
処理してN−Boc−L−ボロノフェニルアラニンアミドを生成し、次いで、Ra
dhakrishna等(1979)J.Org.Chem.44:1746に記載されたように、I,I−ビス−(
トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(TIB)でホフマン転移を行うことに
より合成する。その生成物のアミン塩を、次いで、側鎖保護した(即ち、ベンジ
ルエステルとして)N−FmocD−Glu残基に、標準的条件下で結合させて
、シュードペプチドを生成する。このFmoc(フルオレニルメトキシカルボニ
ル)基をジメチルホルムアミド中でピペリジンにより除去し、その結果生成した
アミンを、ビストリメチルシリルアセタミド(BSA)でトリメチルシリル化した
後に、Pinori等の米国特許第5,061,811号に記載されたように、適当に
側鎖保護したメルドラム酸誘導体と縮合させて、レトロ−インベルソトリペプチ
ド類似体を生成する。このシュードペプチドを、次いで、L−Ileと、標準的
条件下で結合させて、保護されたテトラペプチド類似体を与える。これらの保護
基を除去して最終生成物を遊離させ、HPLCにより精製する。 【0148】 他の説明のための具体例においては、このペプチド模倣物を、下記の典型的な
レトロ−エナンチオペプチド類似体のようなペプチドのレトロ−エナンチオ類似
体として誘導することができる: 【化49】 【0149】 このようなレトロ−エナンチオ類似体を、主題のボロノ類似体又はホスホノ類
似体のD−エナンチオマー及び市販のD−アミノ酸及び標準的な固相又は溶液相
ペプチド合成技術を用いて合成することができる。例えば、好適な固相合成法に
おいて、適当にアミノ保護した(t−ブチルオキシカルボニル、Boc)D−ボロ
ノフェニルアラニン残基を固体支持体例えばクロロメチル樹脂に共有結合により
結合する。このぼろニルを、例えば、下記の実施例に記載のように保護すること
ができる。この樹脂をジクロロメタン(DCM)で洗い、BOC保護基をDCM中
でTFAにより処理することによって除去する。この樹脂を洗って中和し、次の
Boc保護したD−アミノ酸(D−Glu;この側鎖カルボキシレートを例えば
ベンジルエステルとして保護する)を、ジイソプロピルカルボジイミドを用いる
カップリングにより導入する。この樹脂を再び洗い、このサイクルを、残りのア
ミノ酸(D−Glu、D−Met)の各々につき反復する。保護したレトロ−エナ
ンチオペプチドの合成が完了した時点で、保護基を除去し、ペプチドを固体支持
体から、フッ化水素酸/アニソール/ジメチルスルフィド/チオアニソールで処
理することにより開裂させる。最終生成物をHPLCにより精製して純粋なレト
ロ−エナンチオ類似体を生成する。 【0150】 更に別の説明のための具体例においては、トランスオレフィン誘導体を、主題
の類似体を用いて、例えば、ホスホノF又はボロノF部分を組み込むことにより
作成することができる。例えば、典型的なオレフィン類似体は、下記の通りであ
る: 【化50】 このボロノフェニルアラニン含有ペプチドのトランスオレフィン類似体は、Y.K.
Shue等(1987)Tetrahedron Letters 28:3225の方法に従って合成することができ
、その概要は、米国特許第5,776,902号の図8に示されている。用いる
試薬の性質及び標的化合物によっては、手順の変法が必要であるが、かかる如何
なる変法も、当業者には日常的なことであり明らかなことであろう。 【0151】 更に、上記の方法により合成したペプチド類似体を別のペプチド類似体に結合
させて、幾つかのオレフィン性官能基をアミド官能基の代わりに有するペプチド
類似体を作成することも可能である。例えば、pTyr−Glu及びGlu−I
leに対応するシュードジペプチドを作成し、次いで、標準的技術により一緒に
結合して、残基間に2つのオレフィン性結合を有するテトラペプチドpYEEI
類似体を生成することができる。 【0152】 更に別のクラスのペプチド模倣物のボロノフェニルアラニン及びホスホノフェ
ニルアラニン誘導体には、下記のようなホスホネート誘導体が含まれる: 【化51】かかるホスホネート誘導体の合成は、公知の合成計画から適合させることができ
る。例えば、Loots等、Peptides: Chemistry and Biology,(Escom Science Publ
ishers, Leiden, 1988, p.118);Petrillo等、Peptides: Structure and Functi
on(Proceedings of the 9th American Peptide Symposium, Pierce Chemical Co
. Rockland, イリノイ、1985)を参照されたい。 【0153】 ここで用いる場合、各表現例えばアルキル、m、n等の定義は、何れかの構造
中に2回以上出現した場合には、同構造中の他所でのその定義とは独立している
ことを意図している。この発明は、上に列記した化合物の置換により制限される
ことを意図していない(かかる置換が、列記した化合物に組み込むのに適してい
ることが当分野で公知である官能基を含む場合)。 【0154】 他の面において、本発明は、治療上有効な量の少なくとも一種の酵素インヒビ
ター(上記の方法により同定されるもの等)又はそのペプチド模倣物を、少なくと
も一種の製薬上許容し得るキャリアー(添加剤)及び/又は希釈剤と一緒に配合し
て含む、医療状況の処置で用いるための製薬上許容し得る組成物を提供する。以
下に詳細に記載するように、本発明の医薬組成物は、(1)経口投与に適合させた
もの例えば液剤(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、
ペースト(舌への塗布用);(2)非経口投与例えば皮下注射、筋肉注射若しくは静
脈注射に適合させたもの例えば無菌溶液若しくは無菌懸濁液;(3)局所投与に適
合させたもの例えばクリーム、軟膏若しくはスプレー(皮膚用);又は(4)膣投与
に適合させたもの例えばペッサリー、クリーム若しくはフォームを含み、固体又
は液体形態での投与のために特別に配合することができる。 【0155】 語句「治療上有効な量」は、ここで用いる場合、特定の酵素の作用を阻害する
ことにより、何らかの所望の治療効果を生じるのに有効である、本発明の酵素イ
ンヒビターを含む化合物、物質又は組成物の量を意味する。 【0156】 語句「製薬上許容し得る」は、ここでは、完全な医学的判断の範囲内で、ヒト
及び動物の組織と接触して用いるのに適当であって、過度の毒性、刺激、アレル
ギー応答又は他の問題又は合併症を生じない化合物、物質、組成物及び/又は剤
形(合理的な利益/リスク比と同程度)をいうために用いる。 【0157】 語句「製薬上許容し得るキャリアー」は、ここで用いる場合、製薬上許容し得
る物質、組成物又はビヒクル例えば液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、
溶剤又はカプセル封入用物質(主題のペプチド模倣剤の、一の臓器又は身体の部
分から他の臓器又は身体の部分への運搬又は輸送に関与するもの)を意味する。
各キャリアーは、配合物の他の成分と適合性であって且つ患者に対して有害でな
いという意味において「許容し得る」ものでなければならない。製薬上許容し得
るキャリアーとして役立ち得る物質の幾つかの例には、次のものが含まれる:(
1)糖類例えばラクトース、グルコース若しくはシュークロース;(2)澱粉例え
ばコーンスターチ及びジャガイモ澱粉;(3)セルロース及びその誘導体例えばナ
トリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテ
ート;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形
剤例えばココアバター及び座薬ワックス;(9)油例えば落花生油、綿実油、紅花
油、胡麻油、オリーブ油及び大豆油;(10)グリコール例えばプロピレングリコ
ール;(11)ポリオール例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポ
リエチレングリコール;(12)エステル例えばエチルオレエート及びエチルラウ
レート;(13)寒天;(14)緩衝剤例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アンモ
ニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張塩溶液;
(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;及び(
21)他の医薬配合物で用いられる非毒性の適合性物質。 【0158】 上述のように、本願の酵素インヒビターのある具体例は、アミノ又はアルキル
アミノ等の塩基性官能基を含むことができ、それ故、製薬上許容し得る酸と製薬
上許容し得る塩を形成することができる。この点において、用語「製薬上許容し
得る塩」は、比較的非毒性の、無機酸及び有機酸の付加塩をいう。これらの塩は
、最後のペプチド、この発明のペプチド模倣物若しくは他の小分子の分離・精製
中にイン・シトゥーで製造することができ、又は遊離の塩基の形態のこの発明の
精製したペプチド、ペプチド模倣物若しくは他の小分子を適当な無機若しくは有
機酸と別々に反応させ、そうして形成された塩を単離することにより製造するこ
とができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン
酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン
酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン
酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチレート、メシレート、グルコ
ヘプトネート、ラクトビオネート及びラウリルスルホネート塩等が含まれる。(
例えば、Berge等(1977)「Pharmaceutical Salts」, J.Pharm.Sci. 66:1-19を参
照されたい)。 【0159】 他のケースにおいては、本発明の化合物は、少なくとも一つの酸性官能基を含
むことができ、従って、製薬上許容し得る塩基と製薬上許容し得る塩を形成する
ことができる。用語「製薬上許容し得る塩」は、これらの例においては、比較的
非毒性の、酵素インヒビターの無機及び有機塩基の付加塩をいう。これらの塩は
、同様に、これらのペプチド若しくはペプチド模倣物の単離・精製中にイン・シ
トゥーで製造することができ、又は遊離の酸形態の精製した化合物を適当な塩基
例えば製薬上許容し得る金属カチオンの水酸化物、炭酸塩若しくは重炭酸塩と、
アンモニアと若しくは製薬上許容し得る有機の第一、第二若しくは第三アミンと
反応させることにより別々に製造することができる。代表的なアルカリ又はアル
カリ土類塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
及びアルミニウムの塩等が含まれる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機ア
ミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ピペラジン等が含まれる(例えば、Berge等、前出を参
照されたい)。 【0160】 湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マ
グネシウム並びに着色剤、剥離剤、被覆剤、甘味料、調味料及び香料、防腐剤及
び酸化防止剤も又、これらの組成物中に存在してよい。 【0161】 製薬上許容し得る酸化防止剤の例には、次のものが含まれる:(1)水溶性酸化
防止剤例えばアスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等;(2)油溶性酸化防止剤例えばアスコルビ
ルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシ
トルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール等
;及び(3)金属キレート剤例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
ソルビトール、酒石酸、リン酸等。 【0162】 本発明の配合物は、経口投与、鼻投与、局所投与(頬側及び舌下を含む)、直腸
投与、膣投与及び/又は非経口投与に適したものを包含する。これらの配合物は
、便利に、単位剤形で与えることができ、製薬業界で周知の任意の方法によって
製造することができる。単一の剤形を生成するためにキャリアー物質と合わせる
ことのできる活性成分の量は、治療される宿主、投与の特定の様式に依って変化
する。単一の剤形を生成するためにキャリアー物質と合わせることのできる活性
成分の量は、一般に、治療効果を生じる酵素インヒビターの量である。一般に、
100パーセントの内で、この量は、活性成分の約1パーセントから約99パー
セントに、好ましくは約5パーセントから約70パーセントに、最も好ましくは
約10パーセントから約30パーセントに及ぶ。 【0163】 これらの配合物又は組成物の製造方法は、本発明の化合物をキャリアーと合わ
せ、そして、適宜、少なくとも一種の補助成分と合わせるステップを含む。一般
に、これらの配合物は、本発明のペプチド又はペプチド模倣物を液体キャリアー
と一様に且つ完全に合わせることにより、又は固体キャリアーからきれいに分け
ることにより製造され、次いで、必要ならば、その生成物を成形する。 【0164】 この発明の経口投与に適した配合物は、カプセル、カシェ剤、ピル、錠剤、菓
子錠剤(風味付けしたベース、通常、シュークロース及びアラビアゴム又はトラ
ガカントを用いる)、粉末、顆粒、又は水性若しくは非水性液体中の溶液若しく
は懸濁液、又は水中油若しくは油中水の液体エマルジョン、又はエリキシル若し
くはシロップ、又は香錠(不活性ベースとして、ゼラチン及びグリセリン、又は
シュークロース及びアラビアゴムを用いる)及び/又は口内洗浄剤等の形態であ
ってよい(各々、予め決めた量の本発明の化合物を活性成分として含む)。本発明
のペプチド、ペプチド模倣物又は小分子は又、丸薬、舐剤又はペーストとして投
与することもできる。 【0165】 経口投与用のこの発明の固体剤形(カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、顆粒等)に
おいては、活性成分を、少なくとも一種の製薬上許容し得るキャリアー例えばク
エン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム、及び/又は次の何れかと混合す
る:(1)充填剤若しくは増量剤例えば澱粉、ラクトース、シュークロース、グル
コース、マンニトール及び/若しくはケイ酸;(2)結合剤例えばカルボキシメチ
ルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、シュークロー
ス及び/又はアラビアゴム;(3)湿潤剤例えばグリセロール;(4)崩壊剤例えば
寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ澱粉及び葛澱粉、アルギン酸、ある種のケイ
酸塩及び炭酸ナトリウム;(5)溶解抑制剤例えばパラフィン;(6)吸収促進剤例
えば第四アンモニウム化合物;(7)湿潤剤例えばセチルアルコール及びグリセロ
ールモノステアレート;(8)吸収剤例えばカオリン及びベントナイトクレイ;(
9)潤滑剤例えばタルク、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート
、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物;
並びに(10)着色剤。カプセル、錠剤及びピルの場合には、これらの医薬組成物
は、緩衝剤をも含むことができる。類似の型の固体組成物も又、ラクトース即ち
乳糖等の賦形剤、並びに高分子量ポリエチレングリコール等を用いて、軟及び硬
式充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることができる。 【0166】 錠剤は、適宜、一種以上の補助成分と共に、加圧又は型込めにより作成するこ
とができる。加圧錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメ
チルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウム
澱粉グリコレート又は架橋したナトリウムカルボキシメチルセルロース)、表面
活性剤又は分散剤を用いて製造することができる。型込め錠剤は、適当な機械に
て、粉末ペプチド、ペプチド模倣物又は小分子の混合物を不活性な液体希釈剤で
濡らして型込めすることにより作成することができる。 【0167】 本発明の医薬組成物の錠剤及び他の固体剤形例えば糖衣錠、カプセル、ピル及
び顆粒は、コーティング及びシェル(例えば、腸溶性コーティング及び他の医薬
配合技術において周知のコーティング)により、適宜、獲得し又は製造すること
ができる。それらは又、その中で用いている活性成分のゆっくりした又は制御さ
れた放出を与えるように配合することもでき、例えば、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースの割合を変えて、所望の放出プロフィルを与えることができる(他
のポリマーマトリクス、リポソーム及び/又はミクロスフェアも)。それらは、
例えば、細菌を保持するフィルターによる濾過により、又は滅菌水に溶解させる
ことのできる無菌の固体組成物形態の滅菌剤若しくは他の無菌の注射用メディウ
ムを使用直前に取り込むよって滅菌することができる。これらの組成物は又、適
宜、乳白剤を含むことができ、活性成分を胃腸管のある部分でのみ又は該部分で
優先的に、適宜遅延した様式で、放出する組成物であってよい。用いることので
きる包埋組成物の例には、高分子物質及びワックスが含まれる。個の活性成分は
又、微小カプセル封入された形態であってもよく、適宜、上記の賦形剤の少なく
とも一種を含む。 【0168】 この発明の化合物の経口投与のための液体剤形には、製薬上許容し得るエマル
ジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが含まれ
る。活性成分に加えて、これらの液体剤形は、当分野で普通に用いられる不活性
希釈剤例えば水その他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤例えばエチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール
、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール
、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚種油、オリーブ油、ヒマシ油及び
胡麻油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコ
ール及びソルビタンの脂肪酸エステル並びにこれらの混合物を包含することがで
きる。 【0169】 不活性希釈剤の他に、これらの経口組成物は、アジュバント例えば湿潤剤、乳
化剤及び懸濁化剤、甘味料、調味料、着色剤、香料及び防腐剤をも含むことがで
きる。 【0170】 懸濁液は、活性GGPTアーゼインヒビターに加えて、懸濁化剤例えばエトキ
シル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビ
タンエステル、微小結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナ
イト、寒天及びトラガカント並びにこれらの混合物を含むことができる。 【0171】 この発明の直腸又は膣投与用の医薬組成物の配合物は、座薬として提供するこ
とができ、この発明の一種以上の化合物を少なくとも一種の適当な非刺激性賦形
剤又はキャリアー(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、座薬ワッ
クス又はサリチレートを含む)と混合することにより製造することができ、そし
て、室温で固体であるが、体温では液体であり、従って、直腸又は膣腔内で溶け
て活性なインヒビターを放出する。 【0172】 本発明の膣投与に適した配合物には、当分野で適当であることが知られている
キャリアーを含むタンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー
配合物も含まれる。 【0173】 この発明のペプチド、ペプチド模倣物又は小分子の局所又は経皮投与のための
剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶
液、パッチ及び吸入が含まれる。活性化合物を、無菌条件下で、製薬上許容し得
るキャリアーと及び任意の防腐剤、緩衝剤又は推進剤(必要とされ得る)と混合す
ることができる。 【0174】 これらの軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、活性なGGPTアーゼインヒ
ビターに加えて、賦形剤例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィ
ン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコ
ーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物を含む
ことができる。 【0175】 粉末及びスプレーは、この発明の化合物に加えて、賦形剤例えばラクトース、
タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、
又はこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、付加的に、慣用の
推進剤例えばクロロフルオロ炭化水素及び揮発性の置換されてない炭化水素例え
ばブタン及びプロパンを含むことができる。 【0176】 経皮パッチは、本発明の化合物の身体への制御された送達を与える更なる利点
を有する。かかる剤形は、このペプチド、ペプチド模倣物又は小分子を適当な媒
質に溶解又は分散させることにより作成することができる。吸収促進剤を用いて
薬物の皮膚を横切る流れを増大させることもできる。かかる流れの速度は、流れ
制御膜を用意するか又はペプチド、ペプチドも放物若しくは小分子をポリマーマ
トリクス若しくはゲル中に分散させることによって制御することができる。 【0177】 眼科用配合物、眼用軟膏、粉末、溶液等も又、この発明の範囲内にあることが
企図される。 【0178】 この発明の非経口投与に適した医薬組成物は、少なくとも一種のこの発明のペ
プチド、ペプチド模倣物又は小分子を、製薬上許容し得る無菌の等張の水性又は
非水性の溶液、分散液、懸濁液又は乳液、又は使用直前に無菌の注射用溶液若し
くは分散液中に戻すことのできる粉末(酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、配合物を
意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質又は懸濁化剤若しくは増粘剤を
含むことができる)と組み合わせて含む。 【0179】 この発明の医薬組成物中で用いることのできる適当な水性又は非水性キャリア
ーの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール等)及びこれらの適当な混合物、植物油例
えばオリーブ油、及び注射可能な有機エステル例えばエチルオレエートが含まれ
る。適当な流動性を、例えば、コーティング物質例えばレシチンの利用により、
必要な粒径の維持により(分散液の場合)、及び界面活性剤の利用によって保持す
ることができる。 【0180】 これらの組成物は又、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤等のアジュバントを
含むこともできる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び他の抗カビ剤例え
ばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含有することにより
確実にすることができる。等張剤例えば糖類、塩化ナトリウム等をこれらの組成
物中に含むことも望ましいであろう。加えて、注射用医薬形態の延長された吸収
を、吸収を遅延させる薬剤例えばアルミニウムモノステアレート及びゼラチンを
含有させることによってもたらすことができる。 【0181】 幾つかの場合には、薬物の効果を延長させるために、皮下又は筋肉注射からの
薬物の吸収を遅らせるのが望ましい。これは、溶解度の乏しい結晶又は非晶質物
質の液体懸濁液の利用によって達成することができる。そして、薬物の吸収速度
は溶解速度に依存し、それは更に、結晶の大きさ及び形に依存し得る。或は、非
経口投与される薬物形態の遅延した吸収は、その薬物を油性ビヒクルに溶解又は
懸濁させることによって達成される。 【0182】 注射用デポー剤形は、主題のペプチド、ペプチド模倣物又は小分子の生物分解
性ポリマー例えばポリラクチドポリグリコリド内に微小カプセル封入したマトリ
クスを形成することにより作成することができる。薬物のポリマーに対する比率
及び用いる特定のポリマーの性質に依って、薬物放出速度を制御することができ
る。他の生物分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)
が含まれる。デポー剤注射用配合物は又、薬物を身体組織に適合性のリポソーム
又はミクロエマルジョン中に取り込むことによっても製造することができる。 【0183】 本発明の化合物を医薬としてヒト及び動物に投与する場合には、それらを、そ
れ自体で投与することもできるし、例えば0.1〜99.5%(一層好ましくは
、0.5〜90%)の活性成分を製薬上許容し得るキャリアーと組み合わせて含
む医薬組成物として投与することもできる。 【0184】 本発明の調製物は、経口投与、非経口投与、局所投与又は直腸投与によって、
与えることができる。それらは、当然、各投与経路に適した形態で与えられる。
例えば、それらは、錠剤又はカプセル形態で投与され、注射、吸入、眼外用水薬
、軟膏、座薬等により投与され(注射、点滴又は吸入による投与);ローション又
は軟膏により局所投与され;そして座薬により直腸投与される。経口投与が、好
適である。 【0185】 語句「非経口投与」及び「非経口投与した」は、ここで用いる場合、腸及び局
所投与以外の投与方法、通常、注射による投与を意味し、制限はしないが、静脈
注射、筋肉注射、動脈注射、髄腔内注射、嚢内注射、眼窩内注射、心腔内注射、
皮内注射、経皮気管内注射、皮下注射、角皮下注射、クモ膜下注射、脊髄内注射
及び胸骨内注射及び点滴を含む。 【0186】 語句「全身投与」、「全身投与した」、「末梢投与」及び「末梢投与した」は
、ここで用いる場合、患者の系に入り、そうして、代謝される、中枢神経系に直
接投与する以外の化合物、薬物又は他の物質の投与及び他の同様の方法例えば皮
下投与を意味する。 【0187】 選択した投与経路にかかわらず、主題の方法において有用な酵素インヒビター
は、適当な水和した形態で用いることができ、且つ/又は本発明の医薬組成物は
、当業者に公知の慣用の方法によって、製薬上許容し得る剤形に配合される。 【0188】 この発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組
成物及び投与方法につき、毒性とならずに所望の治療応答を達成するのに十分で
ある活性成分の量を得るように変えることができる。 【0189】 選択される投薬量レベルは、用いる特定の酵素インヒビター、そのエステル、
塩又はアミドの活性、投与経路、投与時間、用いた特定の化合物の排出速度、治
療の継続期間、用いた特定のインヒビターと組み合わせた他の薬物、化合物及び
/又は物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康さ及び以前
の病歴並びに医療分野で周知の同様の因子を含む様々な因子に依存する。 【0190】 当分野の通常の知識を有する医師又は獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を
容易に決定して処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、この医薬組
成物において用いるこの発明の化合物の投与量を、所望の治療効果を達成するた
めに必要とされるよりも低レベルで開始して、徐々に、その投薬量を、所望の効
果が達成されるまで増加させることができよう。 【0191】 一般に、強力な酵素インヒビターの適当な毎日の投与量(例えば、1mMから
ナノモル未満の範囲のEC50を有する投与量)は、治療効果を生じるのに有効な
最低の投与量である化合物の量である。かかる有効な投与量は、一般に、上記の
因子に依存する。一般に、この発明の化合物の患者への静脈内、脳室内及び皮下
への投与量は、所望の効果のために用いる場合、1日当たり体重1kg当たり約
0.0001〜1000mgに及び、好ましくは、1kg当たり0.5〜300
mgに及ぶ。 【0192】 所望であれば、活性インヒビターの有効な毎日の投与量を、2、3、4、5、
6回以上のサブ投与量に分けて、適当な間隔で、適宜、単位剤形で、投与するこ
とができる。 【0193】 好適具体例において、この薬剤は、経口投与用に、例えば固体の錠剤、ピル、
カプセル等(以後、ひとまとめに、「錠剤」という)として、又は水性溶液若しく
は懸濁液として配合される。この薬剤の錠剤型の好適具体例において、それらの
錠剤を、好ましくは、合わせた場合に20錠中に与えられる薬剤の量が、少なく
とも50%有効量(ED50)の投与量を与えるように、例えば、少なくとも50
%の個人が酵素活性の阻害の計数的効果(例えば、統計的に有意の活性低下)を示
すように配合する。一層好ましくは、これらの錠剤を、10、5、2又は1錠中
に与えられる薬剤の全量が患者(ヒト又は非ヒト動物)に少なくともED50の投
与量を与えるように配合する。他の具体例においては、24時間で摂られる20
、10,5又は2錠中に与えられる薬剤の量は、平均で、少なくともED50の
濃度(最大効果例えば細胞生育阻害の50%に対する濃度)の薬剤の平均血漿レベ
ルを与える投薬量管理を与える(もっとも、好ましくは、ED50の100倍未
満であり、ED50の10又は5倍未満であれば尚一層好ましいが)。好適具体
例において、錠剤の単一投与量(1〜20錠)は、約0.25〜1250mgの薬
剤を与える。 【0194】 同様に、これらの薬剤は、非経口投与例えば皮下注射、筋肉注射又は静脈注射
用に配合することができ、例えば、その薬剤を、無菌溶液又は懸濁液(以後、集
合的に「注射用溶液」という)として用意することができる。この注射用溶液は
、好ましくは、200ccのボーラス注射で与えられる薬剤の量が、少なくとも
50%有効量の投与量を与えるように配合する(もっとも、好ましくはED50
の100倍未満であり、ED50の10又は5倍未満は尚一層好ましいが)。一
層好ましくは、この注射用溶液を、100、50、25、10、5、2.5又は
1ccの注射で与えられる薬剤の全量が、患者に、ED50の投与量を、好まし
くはED50の100倍未満の、尚一層好ましくはED50の10又は5倍未満
の投与量を与えるように配合する。他の具体例においては、100cc、50、
25、5又は2ccで与えられる薬剤の量(24時間で少なくとも2回注射する)
は、平均で、少なくともED50の濃度の薬剤の平均血漿レベルを与える投薬量
管理を与える(もっとも、好ましくはED50の100倍未満であり、ED50
の10又は5倍未満であれば尚一層好ましいが)。好適具体例においては、単一
投与量の注射は、約0.25〜1250mgの薬剤を与える。 【0195】 連続的静脈内注入(例えば、点滴又はプッシュ)のためには、薬剤を、無菌の希
釈溶液又は懸濁液(以後、集合的に、「i.v.注射用溶液」という)にて与える
ことができる。このi.v.注射用溶液は、好ましくは、1L溶液中に与えられ
る薬剤の量が、もし15分以内に投与するならば、少なくとも50%有効量の投
与量を与えるように配合する(もっとも、好ましくはED50の100倍未満で
あり、ED50の10又は5倍未満であれは尚一層好ましいが)。一層好ましく
は、このi.v.注射用溶液は、60、90、120又は240分間に投与され
る1L溶液中に与えられる薬剤の全量が患者にED50の投与量を与えるように
配合する(もっとも、好ましくは、ED50の100倍未満であり、ED50の
10又は5倍未満であれば尚一層好ましいが)。好適具体例においては、単一の
i.v.「バッグ」は、i.v.溶液1リットル当たり約0.25〜5000m
gの、尚一層好ましくは約0.25〜1250mgの薬剤を与える。 【0196】 上で検討したように、好適な薬剤の医薬製剤は、注射用であれ経口送達用であ
れ(又はその他の投与経路であっても)、宿主における酵素活性の調節のために、
ED50未満の投与量を与え、一層好ましくは少なくとも一桁少ない規模であり
、少なくとも2、3又は4桁少ない規模は尚一層好ましい。 【0197】 ED50は、ヒトについては、10〜250lbsの体重に基づいているが、
一層好ましくは、成人については、100〜250lbsの範囲である。 【0198】例示 本発明を、今から、下記の実施例を参照して説明するが、これらは、特に有利
な具体例を示す。しかしながら、これらの具体例は説明のためのものであり、何
れにせよこの発明を制限するものと解釈すべきではないということに注意すべき
である。 【0199】 LC−MS分析のための可溶性ペプチドホウ素酸ライブラリーの製造 【化52】 X−ボロPro ステップ1: BocX(boc)〜〜〜〜{オキシム樹脂} ステップ2: BocX(boc)-ボロPro (ボロProにより遊離) ステップ3: 全保護基を除去する => X−ボロPro X−X−ボロPro ステップ1: Fmoc-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ2: BocX(boc)-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ3: BocX(boc)-X(boc) (1%TFA 開裂) ステップ4: BocX(boc)-X(boc)〜〜〜〜{オキシム樹脂} ステップ5: BocX(boc)-X(boc)-ボロPro (ボロProにより遊離)
ステップ6: 全保護基を除去する => X−X−ボロPro X−X−X−ボロPro ステップ1: Fmoc-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ2: FmocX(boc)-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ3: BocX(boc)-X(boc)-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ4: BocX(boc)-X(boc)-X(boc) (1%TFA 開裂) ステップ5: BocX(boc)-X(boc)-X(boc)〜〜〜〜{オキシム樹脂} ステップ6: BocX(boc)-X(boc)-X(boc)-ボロPro {ボロProにより遊離}
ステップ7: 全保護基を除去する => X−X−X−ボロPro X−X−X−X−ボロPro ステップ1: Fmoc-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ2: FmocX(boc)-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ3: FmocX(boc)-X(boc)-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ4: BocX(boc)-X(boc)-X(boc)-X(boc)〜〜〜〜{2-ClTrt樹脂} ステップ5: BocX(boc)-X(boc)-X(boc)-X(boc) (開裂) ステップ6: BocX(boc)-X(boc)-X(boc)-X(boc)〜〜〜〜{オキシム樹脂} ステップ7:BocX(boc)-X(boc)-X(boc)-X(boc)-ボロPro {ボロProにより遊離}
ステップ8: 全保護基を除去する => X−X−X−X−ボロPro 【0200】 この出願中で引用したすべての参考文献、公開された特許及び特許出願の内容
を、本明細書中に参考として援用する。上記の具体例は、例示であって、この発
明の範囲をそれに限定することを意図したものではない。上記の方法及び化合物
の多くの同等物及び変形が、当業者には明らかであろうが、それらは、この発明
に包含されるものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、反応座標図を説明している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 5/08 C07K 7/06 5/10 C12N 9/99 7/06 C12Q 1/42 C12N 9/99 A61K 37/02 C12Q 1/42 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 酵素の活性部位に好適なアミノ酸配列モチーフを決定する方
    法であって、下記を含む当該方法: a)その酵素を、固定した非縮重位置に活性サブユニットを含む、方向付けら
    れた縮重ペプチドライブラリーと、その活性サブユニットのその酵素の活性部位
    との相互作用を可能にする条件下で接触させ b)その酵素を、この方向付けられた縮重ペプチドライブラリー内のペプチド
    と結合させ; c)未結合ペプチドの集団をペプチド/酵素複合体から分離し; d)この酵素から、結合ペプチドを遊離させ; e)結合ペプチドの集団のアミノ酸配列を決定し;そして f)この酵素の活性部位の好適アミノ酸配列モチーフを、結合ペプチド集団中
    の各縮重位置における異なるアミノ酸残基の相対的豊富さに基づいて決定する。 【請求項2】 方向付けられた縮重ペプチドライブラリーが、可溶性合成ペ
    プチドライブラリーである、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 方向付けられた縮重ペプチドライブラリーが、固体支持体に
    結合されたライブラリーである、請求項1に記載の方法。 【請求項4】 方向付けられた縮重ペプチドライブラリーが、下記式を含む
    ペプチドを含む、請求項1に記載の方法: 【化1】 (式中、Yaaは、酵素の活性部位の一部分と共有結合性の付加物又は強く結合
    した付加物の一つを形成することのできる活性サブユニットであり、Xaaは、
    任意のアミノ酸又はアミノ酸類似体であり、且つn及びmは、0以上10以下の
    整数であり、mとnの合計は、少なくとも2である)。 【請求項5】 方向付けられた縮重ペプチドライブラリーのペプチドの固定
    された非縮重位置の活性サブユニットが、それらのペプチド中の唯一の活性サブ
    ユニットである、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 酵素がプロテアーゼであり、方向付けられた縮重ペプチドラ
    イブラリーが下記式を含むペプチドを含む、請求項1に記載の方法: 【化2】 (式中、Yaaは、親核試薬と共有結合性付加物又はきつく結合した付加物の一
    つを形成することのできる官能基を含む活性サブユニットであり、Xaaは、任
    意のアミノ酸又はアミノ酸類似体であり、且つn及びmは、0以上10以下の整
    数であり、mとnの合計は、少なくとも2である)。 【請求項7】 Yaaが、アルデヒド、ホウ素酸、ハロメチルケトン、トリ
    フルオロメチルケトン、アルファ−ケトカルボン酸誘導体及びホスホン酸官能基
    よりなる群から選択する官能基を含む、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 酵素が、プロテアーゼである、請求項4に記載の方法。 【請求項9】 方向付けられた縮重ペプチドライブラリーが、下記式を含む
    ペプチドを含む、請求項1に記載の方法: 【化3】 (式中、 Yaaは、酵素の活性部位の一部分と共有結合性の付加物又はきつく結合した
    付加物の一つを形成することのできる活性サブユニットであり、 Xaaは、任意のアミノ酸又はアミノ酸類似体であり、 n及びmは、0以上10以下の整数であって、mとnの合計は、少なくとも2
    であり、 Z1は、水素又は式(Xaa)aを有するペプチド(式中、Xaaは、任意の非縮
    重アミノ酸又はアミノ酸類似体であり、aは、1以上15以下の整数である)で
    あり、そして Z2は、水素又は式(Xaa)bを有するペプチド(式中、Xaaは、任意の非縮
    重アミノ酸又はアミノ酸類似体であり、bは、1以上15以下の整数である)で
    ある)。 【請求項10】 a及びbが、1以上10以下の整数である、請求項9に記
    載の方法。 【請求項11】 a及びbが、1以上5以下の整数である、請求項9に記載
    の方法。 【請求項12】 方向付けられた縮重ペプチドライブラリーが、下記式を含
    むペプチドを含む、請求項1に記載の方法: 【化4】 (式中、Xaa1は、各出現につき独立に、任意のアミノ酸又はアミノ酸類似体を
    表し、nは、0〜20の整数であり、Yaaは、酵素の活性部位の一部分と共有
    結合性の付加物又はきつく結合した付加物の一つを形成することのできる活性サ
    ブユニットである)。 【請求項13】 nが、0〜10の整数である、請求項12に記載の方法。 【請求項14】 活性サブユニットが、酵素の活性部位の一部分と少なくと
    も一つの共有結合性の又はきつく結合した複合体を形成する、請求項1に記載の
    方法。 【請求項16】 酵素が、タンパク質ホスファターゼである、請求項1に記
    載の方法。 【請求項17】 酵素の活性部位のための好適アミノ酸配列モチーフを、各
    縮重位置での各アミノ酸残基(Xaa)についての相対的豊富さ(RA)値を計算す
    ること及び縮重位置で、好適アミノ酸配列モチーフにおける縮重位置に対応する
    位置における含有につき、1.0より大きい相対的豊富さの値を有するアミノ酸
    残基を選択することにより決定し、RAが、下記式により決定される、請求項1
    に記載の方法: 【数1】 RA=選択したペプチド集団中のXaaの量 方向付けられた縮重ペプチドライブラリー中のXaaの量。 【請求項18】 請求項1に記載の方法により決定したアミノ酸配列モチー
    フを含むペプチド。 【請求項19】 請求項18に記載の好適アミノ酸配列モチーフ又はその模
    倣物を含む医薬製剤。 【請求項20】 酵素の活性を阻害する方法であって、その酵素を、請求項
    18に記載の好適アミノ酸配列モチーフを含むインヒビターと接触させることを
    含む、当該方法。 【請求項21】 生物の病気を治療する方法であって、該生物を請求項19
    に記載の医薬製剤で治療することを含む、当該方法。 【請求項22】 酵素の基質であるタンパク質であって、請求項18に記載
    の好適アミノ酸配列モチーフを含む、当該タンパク質。 【請求項23】 酵素のインヒビターを製造する方法であって、 請求項1に記載の方法により、酵素の好適アミノ酸配列モチーフを決定し、そ
    して 該好適アミノ酸配列モチーフに対応するペプチド模倣物を製造する ことを含む、上記の方法。 【請求項24】 ライブラリーが、下記の式Iの構造を有する活性サブユニ
    ットを含む、請求項1に記載の方法: 【化5】 (式中、 Wは、BY12、ペルハロアルキル(例えば、ペルフルオロアルキル)、又はC
    (=O)R5を表し R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
    に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化6】 を表し; R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
    2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
    2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
    O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7; R3及びR4は、それぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C
    2)m−R7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−
    アルケニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7
    −(CH2)n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、
    −(CH2)n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又は
    アミノ酸類似体のα−炭素に結合した側鎖、 【化7】 を表し 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8原子を有する環を完成すること
    ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
    構造中に3〜8原子を有する環を完成することができ、 Y1とY2は、独立に又は一緒に、ヒドロキシル、又はヒドロキシル基に加水分
    解され得る基であって、Y1とY2が環構造中に5〜8原子を有する環により繋が
    れた環状誘導体を含み、又はY1とY2は、アミノ酸残基のアミノ基への結合を表
    し、 R5は、H、ハロメチル、トリフルオロメチル、アミド、エステル、ケトン、
    カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(CH 2 )n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−アルケニル、−(CH 2 )n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7、−(CH2)n−SH、−
    (CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、−(CH2)n−S−アル
    キニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、−CH2O−R10、 R6は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、−(
    CH2)m−R7、−(CH2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O
    −アルケニル、−(CH2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−(CH2)m−R7
    、−(CH2)m−SH、−(CH2)m−S−アルキル、−(CH2)m−S−アルケニル
    、−(CH2)m−S−アルキニル、−(CH2)m−S−(CH2)m−R7、 【化8】 7は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル又はヘテロ環を表し; R8とR9は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、−(CH2)m−R7
    −C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−
    C(=O)−(CH2)m−R7を表し、 又は、R8とR9は、それらが付着しているN原子と一緒に、環構造中に4〜8
    原子を有するヘテロ環を完成し; R10は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
    に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、 【化9】 を表し mは、0又は1〜8の範囲の整数であり;そして nは、1〜8の範囲の整数である)。 【請求項25】 Wが、ホウ素酸、アルデヒド、ペルハロアルキル若しくは
    ペルフルオロアルキル、トリフルオロメチルケトン、ハロメチルケトン、アルフ
    ァ−ケトエステル、アルファ−ジケトン、アルファ−ケトアミド又はアルファ−
    ケト酸を表す、請求項24に記載の方法。 【請求項26】 R2及びR4が、共にHを表し、R3が、化合物ライブラリ
    ー中で、各出現につき独立に、天然のアミノ酸側鎖を表す、請求項24に記載の
    方法。 【請求項27】 Wが、BY12を表し、Y1とY2が、独立に又は共に、ヒ
    ドロキシル、又はY1とY2が環構造中に5〜8炭素を有する環により繋がれた環
    状誘導体を含む、ヒドロキシル基に加水分解され得る基である、請求項24に記
    載の方法。 【請求項28】 R1がC末端に結合されたアミノ酸残基又はアミノ酸類似
    体を表し且つR2がHを表す、請求項24に記載の方法。 【請求項29】 ライブラリーが、下記の一般式IIで表される複数のイン
    ヒビターを含む、請求項1に記載の方法: 【化10】(式中、 R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
    に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化11】 を表し; R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
    2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
    2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
    O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7; R3及びR4は、それぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C
    2)m−R7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−
    アルケニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7
    −(CH2)n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、
    −(CH2)n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又は
    アミノ酸類似体のα−炭素に結合した側鎖、 【化12】を表し 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8原子を有する環を完成すること
    ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
    構造中に3〜8原子を有する環を完成することができ、 R11は、各出現につき独立に、水素、アルキル、若しくは製薬上許容し得る塩
    を表し、又は両R11は、それらが付着しているO−B−O原子と一緒に、環構造
    中に5〜8原子を有するヘテロ環を完成する)。 【請求項30】 R11が、両出現において、Hを表す、請求項29に記載の
    方法。 【請求項31】 R1が、C末端に結合したアミノ酸残基又はアミノ酸類似
    体を表し且つR2がHである、請求項29に記載の方法。 【請求項32】 ペプチドライブラリーが、下記の一般式IIIにより表さ
    れるインヒビターを含む、請求項1に記載の方法: 【化13】 (式中、 R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
    に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化14】を表し; R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
    2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
    2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
    O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7; R3及びR4は、それぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C
    2)m−R7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−
    アルケニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7
    −(CH2)n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、
    −(CH2)n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又は
    アミノ酸類似体のα−炭素に結合した側鎖、 【化15】 を表し 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8原子を有する環を完成すること
    ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
    構造中に3〜8原子を有する環を完成することができる)。 【請求項33】 R1が、C末端に結合したアミン酸残基を表し且つR2がH
    である、請求項32に記載の方法。 【請求項34】 ペプチドライブラリーが、下記の一般式IIIaにより表
    されるインヒビターを含む、請求項1に記載の方法: 【化16】 (式中、 R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
    に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化17】 を表し; R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
    2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
    2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
    O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7; R3及びR4は、それぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C
    2)m−R7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−
    アルケニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7
    −(CH2)n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、
    −(CH2)n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又は
    アミノ酸類似体のα−炭素に結合した側鎖、 【化18】を表し 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8原子を有する環を完成すること
    ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
    構造中に3〜8原子を有する環を完成することができ、そして R5は、ハロメチル、トリフルオロメチル、アミド、エステル、ケトン又はカル
    ボキシルを表す)。 【請求項35】 R1が、C末端に結合したアミノ酸残基又はアミノ酸類似
    体を表し且つR2がHである、請求項34に記載の方法。 【請求項36】 ペプチドライブラリーが、下記の一般式IVにより表され
    る化合物を含む、請求項1に記載の方法: 【化19】 (式中、 R1は、C末端に結合したアミノ酸残基若しくはアミノ酸類似体、又はC末端
    に結合したペプチド若しくはペプチド類似体、又は 【化20】を表し; R2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)m−R7、−(C
    2)m−OH、−(CH2)m−O−アルキル、−(CH2)m−O−アルケニル、−(C
    2)m−O−アルキニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキル、−(CH2)m
    O−C(=O)−アルケニル、−(CH2)m−O−C(=O)−アルキニル、−(CH2 )m−O−C(=O)−(CH2)m−R7; R3及びR4は、それぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C
    2)m−R7、−(CH2)n−OH、−(CH2)n−O−アルキル、−(CH2)n−O−
    アルケニル、−(CH2)n−O−アルキニル、−(CH2)n−O−(CH2)m−R7
    −(CH2)n−SH、−(CH2)n−S−アルキル、−(CH2)n−S−アルケニル、
    −(CH2)n−S−アルキニル、−(CH2)n−S−(CH2)m−R7、アミノ酸又は
    アミノ酸類似体のα−炭素に結合した側鎖、 【化21】 を表し 又は、R2とR3は、一緒に、環構造中に4〜8原子を有する環を完成すること
    ができ、 又は、R2とR3が、一緒に環を形成しない場合には、R3とR4は、一緒に、環
    構造中に3〜8原子を有する環を完成することができ、そして X1、X2及びX3は、各々、水素又はハロゲンを表す)。 【請求項37】 R1が、C末端に結合したアミノ酸残基を表し且つR2がH
    である、請求項36に記載の方法。 【請求項38】 X1、X2及びX3が、各々独立に、H、Cl、Br若しく
    はIを表し、又はX1、X2及びX3が、すべて、Fを表す、請求項36に記載の
    方法。 【請求項39】 ライブラリーが、下記の一般式Vにより表される活性サブ
    ユニットを含む、請求項1に記載の方法: 【化22】 (式中、 Y’は、フェニル部分のメタ、オルト又はパラ位の一つにある置換基を表し、
    Y’は、下記の一般式により与えられるボロノであり 【化23】 又は、下記の一般式により与えられるホスホノであり 【化24】 (ここに、R15及びR16は、各々独立に、水素、低級アルキル、若しくは製薬上
    許容し得る塩を表し、又はR15及びR16は、それらが付着しているO−B−O若
    しくはO−P−O原子と一緒に、環構造中に5〜8原子を有するヘテロ環を完成
    する); R’14は、存在しないか又は残りの環位置にある少なくとも一つの置換基を表
    し、該置換基は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシル、ア
    ミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、カルボニル、カルボキシル
    、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、ア
    ルデヒド、エステル又は−(CH2)m−R7、−CF3、−CN等から選択され; Mは、各出現につき独立に、置換された又はされてないメチレン基を表し; X8及びX9は、各々独立に、メチレン、エチレン、アセチレン、アミン、カル
    ボニル、ホスホニル、硫黄、酸素又はセレンを表し; R’17は、存在しないか又は水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキ
    ニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホ
    スホリル、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エ
    ーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エ
    ステル若しくは−(CH2)m−R7を表し、又はR’17は、アミノ酸残基若しくは
    8で縮合したペプチドを表し; R’3は、存在しないか又は水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキ
    ニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホ
    スホリル、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エ
    ーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エ
    ステル若しくは−(CH2)m−R7を表し、又はR’3は、アミノ酸残基若しくはX 9 で縮合したペプチドを表し; R7は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環又は多環を
    表し; mは、0又は1〜8の範囲の整数であり;そして nは、1、2又は3である)。 【請求項40】 ライブラリーが、下記の式VIの残基を有する活性サブユ
    ニットを含む、請求項1に記載の方法: 【化25】(式中、 Y’は、フェニル部分のメタ、オルト又はパラ位の一つにある置換基を表し、
    Y’は、下記の一般式により与えられるボロノであり 【化26】 又は、下記の一般式により与えられるホスホノであり 【化27】 (ここに、R15及びR16は、各々独立に、水素、低級アルキル、若しくは製薬上
    許容し得る塩を表し、又はR15及びR16は、それらが付着しているO−B−O若
    しくはO−P−O原子と一緒に、環構造中に5〜8原子を有するヘテロ環を完成
    する); R’14は、存在しないか又は残りの環位置にある少なくとも一つの置換基を表
    し、該置換基は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシル、ア
    ミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、カルボニル、カルボキシル
    、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、ア
    ルデヒド、エステル又は−(CH2)m−R7、−CF3、−CN等から選択され; Mは、各出現につき独立に、置換された又はされてないメチレン基を表し; X8及びX9は、各々独立に、メチレン、エチレン、アセチレン、アミン、カル
    ボニル、ホスホニル、硫黄、酸素又はセレンを表し; R’17は、存在しないか又は水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキ
    ニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホ
    スホリル、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エ
    ーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エ
    ステル若しくは−(CH2)m−R7を表し、又はR’17は、アミノ酸残基若しくは
    8で縮合したペプチドを表し; R’3は、存在しないか又は水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキ
    ニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホ
    スホリル、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エ
    ーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エ
    ステル若しくは−(CH2)m−R7を表し、又はR’3は、アミノ酸残基若しくはX 9 で縮合したペプチドを表し; R7は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環又は多環を
    表し; mは、0又は1〜8の範囲の整数であり; jは、0〜3の整数であり、そして R’10は、H、OH、NH2、ハロゲン又は低級アルキルであり、好ましくは
    H又はMeである)。
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