JP2002541070A - メルカプト官能基をグラフトすることで改変したコラーゲンペプチド、それを得る方法および生体材料としてのその使用 - Google Patents

メルカプト官能基をグラフトすることで改変したコラーゲンペプチド、それを得る方法および生体材料としてのその使用

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JP2002541070A JP2000602276A JP2000602276A JP2002541070A JP 2002541070 A JP2002541070 A JP 2002541070A JP 2000602276 A JP2000602276 A JP 2000602276A JP 2000602276 A JP2000602276 A JP 2000602276A JP 2002541070 A JP2002541070 A JP 2002541070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 S-S架橋を形成することにより十分かつ制御された様式で架橋可能であって、生体適合性のあるチオールコラーゲンを提供すること。 【解決手段】 本発明はメルカプトアミン基に担持されている遊離型または置換型チオール官能基をグラフトすることによって改変されている新規なコラーゲンペプチドに関する。上記課題はメルカプトアミン基が互いに同一であっても異なっていてもよく、アミド結合によりコラーゲン鎖のアスパラギン酸およびグルタミン酸に選択的にグラフトされていることを特徴とする、本発明のチオールコラーゲンによって達せれる。本発明はまた、該チオールおよび架橋性コラーゲンの製造方法に関する。新規な改変架橋性コラーゲンおよび/または架橋コラーゲンは生体材料として使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型または置換型チオー
ル官能基をグラフトすることによって化学的に改変した新規なコラーゲンペプチ
ドに関する。コラーゲンペプチドがチオール官能基を含む場合、それらは酸化に
よって架橋可能であるという特性を有し、ジスルフィド架橋で架橋されたコラー
ゲン誘導体が得られる。
【0002】 本発明はまた、誘導体の架橋性前駆体の形態または架橋形態にある架橋可能な
形態である、これらの新規なコラーゲン誘導体を製造する方法に向けられる。
【0003】 本発明はまた、人工組織または器官、人工皮膚、骨、靭帯、心血管、眼内、腹
膜内などの補綴もしくはインプラント、あるいはin vivoにおいて有効成分の徐
放性および制御放出が可能となる生体カプセル系(インプラント、マイクロスフ
ェアもしくはマイクロカプセル)のような内科、外科または美容製品を製造する
ための出発材料として有用な生体材料としてのこれら新規なコラーゲンペプチド
の使用に関する。その他、縫合糸および移植可能な医療用品の生体適合性コーテ
ィングのような医療付属品も、本発明の新規な生体材料の可能性ある使用の例で
ある。
【0004】 本発明の目的上、「コラーゲンペプチド」とは、特に、テロペプチドを含むま
たは含まないコラーゲン、変性コラーゲンおよびゼラチンを表す。
【0005】
【従来の技術】
テロペプチドを含むまたは含まない種々の市販用等級のコラーゲンが市場で見
かけられる。これらの市販コラーゲンは、ヒトまたは動物起源のものであると考
えられる。コラーゲンは、動物組織器官のあらゆるレベルで存在している公知の
タンパク質であり、それは皮膚および結合組織の主要なタンパク質である。本来
、それは生体材料としての使用に比較的よく適合している生化学的および物理化
学的特性を有する。これらの特徴としては、特に、良好な生体適合性および生分
解性、止血性などがある。
【0006】 しかしながら、コラーゲンベースの移植可能な内科、外科または美容製品には
ある欠点があるということを述べるべきである。それらは物理的特性が不十分で
、そのため取り扱いが難しく、またはある種の適用には使用できないことさえあ
る。さらに、インプラントが長期間緩和作用および/または治癒作用を発揮する
必要がある場合には、それらの生分解性は速すぎるということがあり得る。コラ
ーゲンベースのインプラントの物理的および生分解特性を改善するためには、コ
ラーゲンを化学的に改変すること、特にそれを架橋することが必要であることが
分かっている。
【0007】 コラーゲンペプチドを改変する、特に架橋するためには、コラーゲンのあるア
ミノ酸の側鎖に存在する反応性官能基、すなわち、 ・アミノ酸の3%という数値で示される、リジン残基のアミン官能基、 ・アミノ酸の9%〜12%という数値で示される、アスパラギン酸およびグルタミン
酸のカルボン酸官能基、 ・アミノ酸の14%という数値で示される、セリン、トレオニンおよびヒドロキシ
プロリン残基のアルコール官能基 が用いられる。
【0008】 従って、このコラーゲンペプチドを人工的に架橋する4つの主要なタイプの技
術が現われた。 1. 照射または強制的脱水によって、コラーゲン分子間の共有結合により網目
構造を形成すること。この架橋は、コラーゲンを化学的官能化することなく得ら
れる。
【0009】 2. 自己架橋の可能性を導入するために、例えば、酸化(過ヨウ素酸塩)によ
って、または官能基の活性化(アミンと反応するアジドの形態のカルボジイミド
による酸の活性化)によって自然状態のコラーゲン基を活性化すること。
【0010】 3. 二官能性または多官能性架橋化学剤(アルデヒド、ジカルボキシル化合物
、ジアミド、ジイソシアネート、塩化ジスルホニルまたは二官能化ポリエチレン
グリコール)を用いて架橋すること。
【0011】 4. 別のポリマー(ポリアクリル、コポリアクリロニトリル−スチレン、ポリ
ウレタン、ポリアルコールまたはシリコーン)を用いたコラーゲンの共有結合に
よる共重合。
【0012】 架橋によるタイプ3の1つの架橋の変型として、ジスルフィド基を含有する二官
能性誘導体を用いることがある。この変型は、本発明において興味深いものであ
る。この変型は、先行技術において以下に示される種々の技術提案のもととなる
【0013】 Schade & H. Zahnによる文献[Einbau von cystin-brucken in Kollagen, Ange
w. Chem., 74, 904, 1962]には、ニトロフェノールでエステル化することによっ
てあらかじめ活性化しておいた、一方はコラーゲン鎖のリジン残基の遊離型のNH 2 部分、他方はシスチン誘導体のカルボキシル部分の間にアミド結合を形成する
ことにより、コラーゲンをシスチン誘導体を用いて官能化することが記載されて
いる。グラフトされたシスチン誘導体のジスルフィド架橋の還元によって、酸化
により架橋することができるチオール化物質が得られる。コラーゲンのリジン残
基のみが官能化されるので、最大官能化度は架橋度に直接比例し、数値でいうと
3%以下である。
【0014】 欧州特許出願EP 0 049 469には、N-アセチルホモシステインチオラクトンを用
いる、腱から抽出した可溶性コラーゲンの官能化が開示されている。これもまた
、官能化剤のカルボキシル部分とコラーゲンのリジン残基のアミン部分との間で
反応が起こる事例である。従って、グラフトされたチオール基の最大含有量は、
この場合もまた3%以下である。
【0015】 新規なチオール化コラーゲン誘導体を得るため、かつ/またはコラーゲンのチ
オール官能基のグラフトの程度およびその後の架橋レベルを上昇させるために、
本出願者は、チオール官能基を担持する基またはその前駆体でコラーゲンを化学
的に官能化する3つの新規な経路を順に提案した。
【0016】 第1の経路はチオール化誘導体(システイン、ホモシステインまたはシステア
ミン)でグラフトされたコラーゲンに関する仏国特許FR 2 692 582に記載されて
いる: コハク経路経由。一方は、リジン残基のアミン部分およびコラーゲンのセリン
、トレオニンおよびヒドロキシプロリン残基の特定のアルコール部分と反応した
一方のカルボキシル末端、他方はチオール化誘導体のアミン部分と反応したもう
他方のカルボキシル末端、さらに 所望により、コラーゲンのアスパラギン酸およびグルタミン酸のカルボキシル
官能基経由で直接。 このように、コラーゲンのアミノ酸の29%までの官能化が達成される。
【0017】 この仏国特許に記載されたメルカプトアミノ官能基、すなわちチオール化誘導
体を、直接または間接的に、コラーゲンの遊離型のNH2、OHおよびCOOH官能基に
結合させる。この特許には、そのOHおよびNH2部分がメルカプトアミノ官能基以
外の官能基で官能化されているコラーゲンペプチドは開示されていない。
【0018】 第2の経路は特許FR 2 699 184に示されており、それはリジン残基のアミン部
分ならびにセリン、トレオニンおよびヒドロキシプロリン残基の特定のアルコー
ル部分に直接結合したチオール化誘導体(システインまたはホモシステイン)で
グラフトされたコラーゲンに関する。この特許によって記載された発明によれば
、コラーゲンへグラフトされたチオール化誘導体の前駆体である官能化剤(例え
ば、シスチン)は、リジンのNH2官能基と反応してアミドを形成し、セリン、ト
レオニンおよびヒドロキシプロリンのOH基と反応してエステルを形成する活性化
カルボキシル官能基を含む。この官能化剤はまた、コラーゲン鎖のアスパラギン
酸およびグルタミン酸のカルボキシルと反応できない保護アミン官能基も含む。
この方法によって達成され得る最大グラフト度は17%である。
【0019】 本出願者によって開発されたコラーゲンの化学的改変によりかかるポリマーに
架橋官能性を与える第3の経路は、仏国特許FR 2 723 957に記載されている。こ
の特許では、そのアミンおよびチオール官能基が1つの同じ保護基で保護されて
いるシステインまたはホモシステインからなり、全体としてチアゾリジン部分を
形成するチオール化誘導体でリジン残基の遊離型のアミン部分にグラフトされた
コラーゲンが開示されている。チアゾリジン誘導体のカルボン酸は活性化される
と、リジン残基のアミン官能基と反応することができる。その結果、この場合の
グラフト化度は3%以下となる。コラーゲン鎖のグルタミン酸およびアスパラギン
酸の遊離型のカルボキシル官能基は、この特許のコラーゲンにおいては置換され
ていない。
【0020】 これら3つの仏国特許のコラーゲンから、有利な架橋レベルを有する、すなわ
ち有利な物理的特性および生分解特性を有する医療品(ゲル、フェルト、膜など
)を調製することができる。しかしながら、それらには改善する余地がある。
【0021】 架橋基でない基で置換されたコラーゲン、ならびに例えばその溶解特性および
/またはそのレオロジー特性および/またはその生物学的特性を改変することに
よってその他の特性をコラーゲンに与えることを意図したものもまた知られてい
る。このように、特許出願PCT WO 90/05755では、リジン残基のアミンが合成親
水性ポリマー鎖、特にはモノメチルポリエチレングリコールで置換されているコ
ラーゲンが記載されている。このコラーゲン-PEGは、免疫原性が低く、弾性およ
び展性といった物理的特性が改善されていることが示されている。
【0022】 特許出願PCT WO 94/01483では、コラーゲンなどの天然ポリマーを、エーテル
結合によってポリエチレングリコール(PEG)などの合成親水性ポリマーと結合さ
せて形成した生物学的に不活性な生体適合性複合ポリマー物質を開示している。
【0023】 先行技術の改変コラーゲンはそれらの物理的特性、それらのin vivo分解速度
およびそれらの生物学的特性に関してすべて望ましい満足が得られるわけではな
い。さらに、遊離型または置換型チオール官能基により改変された公知のコラー
ゲンは、架橋度、それらの物理的特性および生物学的特性を制御するという点で
なお改良の余地がある。
【0024】 最後に、架橋可能な形態の既知のコラーゲンにとっては、それらの架橋レベル
を損なう作用を持たず、それらの使用を容易にするためには、広いpH範囲にわた
って溶解特性を有することが有利である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術において、本発明の本質的な目的の1つは、遊離型または置換型
チオール官能基をグラフトすることによって改変された新規なコラーゲンを提供
することであり、これらの新規なコラーゲンは鎖間にジスルフィド架橋を形成す
ることによって十分かつ制御された様式で架橋される必要がある。
【0026】 本発明のもう1つの本質的な目的は、チオール官能基をグラフトすることによ
って改変された新規なコラーゲンを提供することであり、これは広いpH範囲にわ
たって良好な溶解度を備え、高い程度でグラフトされることを特徴とする。
【0027】 本発明のもう1つの本質的な目的は、工業上使用しやすく、取り扱いやすい、
チオール官能基をグラフトすることによって改変された新規なコラーゲンを提供
することである。
【0028】 本発明のもう1つの本質的な目的は、反応性官能基が必ずしもすべて架橋によ
って改変されておらず、非架橋性官能基のグラフトが可能な、チオール官能基を
グラフトすることによって改変された新規なコラーゲンを提供することである。
【0029】 本発明のもう1つの本質的な目的は、メルカプト官能化され、ゲル、フィルム
またはフェルトなどとすることができ、その架橋密度(および従って機械的強度
および生物分解性)が上記のように改変され得る、新規な架橋性コラーゲンまた
は架橋性コラーゲン前駆体を提供し、生体材料として多くの用途に使用できる多
様な出発材料を提供することである。
【0030】 本発明のもう1つの本質的な目的は、メルカプトアミノ残基に担持されている
遊離型または置換型チオール官能基をグラフトすることによって改変されたコラ
ーゲンペプチドを製造する簡単な方法を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は、それらの努力に対し、コラーゲン鎖のアスパラギン酸およびグルタ
ミン酸のカルボキシル官能基が、コラーゲン鎖間のS-S架橋によって架橋特性の
供給源となるメルカプトアミノ官能基をグラフトする部位として好適であるとい
う事実を明らかにすることで、中でもこれらの目的をすべて達成した。
【0032】 このように本発明は第一に、メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型の
または置換型チオール官能基をグラフトすることによって改変されたコラーゲン
ペプチドに関し、これらのメルカプトアミノ残基は同一であっても互いに異なっ
ていてもよく、アミド結合によるコラーゲン鎖のアスパラギン酸およびグルタミ
ン酸へ選択的にグラフトされており、またこの改変されたコラーゲンペプチドは
水性媒質および/または極性溶媒に可溶であることを特徴とする。
【0033】 架橋性官能基はアスパラギン酸およびグルタミン酸のカルボキシル残基に担持
されているということから、本発明のコラーゲンペプチドは物理学的および生物
学的観点からは完全には予測されない有利な特性が与えられる。特に、この改変
されたコラーゲンペプチドは還元型のチオール形態にあるので、制御された様式
で架橋可能であり、これによりそれに安定性を与える架橋度、および良好な物理
的特性および改変可能な生分解性が達成される。さらに、リジン残基はメルカプ
トアミノ残基のグラフトに関与しないので、それらはその他の基の結合部位とし
て機能することができ、かつ、意図される用途に有用な製品の多様性と可変の官
能性を与え得る。
【0034】 コラーゲンペプチドがテロペプチドを有する、または持たない天然コラーゲン
に相当する場合、メルカプトアミノ残基による官能化の程度は、これはコラーゲ
ンを構成するアスパラギン酸またはグルタミン酸タイプのアミノ酸の比率に相当
するので、数値でいえば9%ないし12%に達し得る。そのアミドが加水分解されて
対応する酸誘導体を形成し得るアスパラギンおよびグルタミンはこの比率で矛盾
はない。
【0035】 本発明の1つの有利な特徴によれば、高い程度のグラフトは、水性媒質および
/または極性溶媒中、広いpH範囲にわたって溶解度の高い架橋可能な(架橋され
ていない)形態の改変コラーゲンには適合しない。これにより使用は極めて容易
なものとなる。
【0036】 ジスルフィド架橋によって架橋が可能なためには、本発明の改変されたメルカ
プトアミノ官能基は還元型、いわゆるチオール型(-SH)ある必要がある。従って
それらがこの形態にある場合、改変されたコラーゲンペプチドは「架橋性」であ
るといえる。この言葉は改変されたコラーゲンペプチドが、空気中の酸素の存在
下、周囲温度、所望により酸化剤などの助剤の存在下で自発的に自己架橋する能
力を反映している。
【0037】 遊離型のチオールタイプまたは置換型チオール形態にあるその前駆体の架橋性
官能基を担持するメルカプトアミノ残基は有利には、システインまたはその類似
体であるシステアミンおよびホモシステイン近縁または遠縁の残基である。これ
ら種々のメルカプトアミノ残基は生物学的性質のものであることに着目すると興
味深い。
【0038】 本明細書では、2種の1価メルカプトアミノ残基またはグラフト、すなわち架
橋性チオール官能基を直接担持するものと、このチオール官能基の前駆体である
メルカプト官能基を担持するものは識別される。
【0039】 チオール前駆体であるメルカプタンに関しては、それらは本発明の第1の改変
コラーゲンペプチドを定義するものであり、アスパラギン酸およびグルタミン酸
のカルボン酸へグラフトされた少なくともいくつかのメルカプトアミノ基が下記
一般式(I):
【化6】
【0040】 {式中、 xは1または2であり; R0はHまたはCH3であり; R1はHまたはCOOR3(R3は炭化水素を基本とする脂肪族、芳香族または脂環式基
、好ましくはアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルキルアリール
、もしくはアルケニルアリール基、いっそう好ましくはメチルもしくはエチル基
に相当する)を表し、 R2は脂肪族および/または脂環式および/または芳香族基、好ましくは所望に
より硫黄を含有するアルキルもしくはアシル、および/またはアミノであり、い
っそう好ましくはR2は下式(II):
【化7】
【0041】 (ここで、y、R00およびR4はx、R0およびR1に関して式(I)の記号で示したものと
同義を表す)} に相当することを特徴とする。
【0042】 さらに詳しくは、これらコラーゲンペプチドのグラフトされたメルカプトアミ
ノ残基は即座に架橋するわけではなく、
【化8】
【0043】 からなる1価の基から選択される。
【0044】 これらはシステイン由来のグラフトであることから、メルカプタン(メルカプ
トエタノール、メルカプト酢酸、メルカプトエチルアミン、ベンジルメルカプタ
ン、チオレゾール、ジチオスレイトールなど)および/または還元的塩(NaBH4
、Na2SO3など)および/または有機還元剤(ホスフィン)のような公知の還元剤
で還元され得るジスルフィド架橋を含む。
【0045】 この第1のサブファミリーのこれら新規な改変コラーゲン中間体は安定かつ水
、より一般的には水性媒質および/または極性溶媒に可溶である。さらに、それ
らは容易に精製および単離でき、これによってパッケージング、保存および使用
上実用的な製品となる。
【0046】 本発明の第2のサブファミリーの改変コラーゲンペプチドは、グルタミン酸お
よびアスパラギン酸のカルボキシルが式(I)(置換基R2は水素を表す)のメルカ
プトアミノ残基のアミン官能基と反応したもの化合している。
【0047】 第2のサブファミリーの改変コラーゲンペプチドは上記で定義したものなどの
還元剤用い、第1のサブファミリーのコラーゲンペプチドを還元することにより
製造され得る。
【0048】 これらの還元型コラーゲンペプチドは容易に精製および単離できる。それらは
酸性媒質中で単離した後に乾燥形態で得られるので、これらのペプチドは安定で
ある。最後に、それらは水、より一般的には水性媒質および/または極性溶媒に
可溶であり、使用が容易である。
【0049】 遊離型のチオール官能基を含むこれらのペプチドのメルカプトアミノ残基は下
式(I’):
【化9】
【0050】 {式中、R1はHまたはCOOR3を表し、x、R1、R0およびR3は上記定義の通りであり
、R3はまた水素またはCOO-と塩を形成する陽イオン(この陽イオンは好ましくは
Na+、K+またはLi+である)を表し得る(ただし、エステルの脱保護工程が与えら
れる場合)}で定義される。このように使用されるグラフトは直接システインに
由来する。
【0051】 チオール反応性官能基を含むかかるメルカプトアミノ残基を含むコラーゲンペ
プチドは本発明の意味の範囲内で架橋可能な特徴を有する。
【0052】 架橋はチオールをジスルフィド架橋へ酸化することによって行い、これにより
生理学的媒質に不溶であって完全に安定である化学的に架橋された三次元コラー
ゲン網目構造が得られる。この酸化は例えば弱塩基性媒質中空気中の酸素で、過
酸化水素水溶液で、またはヨード誘導体(ヨウ素、ベタジン)で得ることができ
る。
【0053】 本発明の改変コラーゲンペプチドのうち、架橋形態で存在し、かつ、構成硫黄
原子が選択的にアミド結合によってコラーゲン鎖のアスパラギン酸およびグルタ
ミン酸へグラフトされたメルカプトアミノ残基に属する、ジスルフィド架橋によ
ってともに結合したコラーゲン鎖を含む第3のサブファミリーのコラーゲンペプ
チドからなるものが単離できる。
【0054】 これらの第3のサブファミリーの架橋コラーゲンペプチドは遊離には、第2の
サブファミリーの改変コラーゲンペプチドから得られる。
【0055】 これらの架橋コラーゲンペプチドは、その物理的および生物学的特性によって
、インプラント、補綴、包帯または人工皮膚などの内科または外科用品を製造す
るために選択される生体材料となる新規で安定な生成物である。アスパラギン酸
およびグルタミン酸のカルボキシル部分の置換度を変化させることができるので
、適当な物理的特性および適当な生分解速度を選択する手立てにある程度の余地
がある。
【0056】 さらに、この架橋形態は本明細書に記載された第3サブファミリーに属するこ
れらのコラーゲンペプチドに関係しており、可逆的である。特に、好適な還元剤
を用いてジスルフィド架橋を還元することができる。これらの還元剤の例は上記
に示されている。
【0057】 本発明によれば、コラーゲン鎖のアスパラギン酸およびグルタミン酸モノマー
の遊離型のカルボキシル残基を架橋官能性のグラフトのために移動させる。しか
しながら、それにもかかわらず、例えば、リジン残基のアミン官能基のような、
コラーゲン鎖の少なくともいくつかの他の遊離型の官能基は、上記で定義したメ
ルカプトアミノ残基以外の基と結合する部位として働き、意図した適用に有用な
様々な異なる官能性を与えるという事実に変わりはない。
【0058】 結果として、上記で定義したコラーゲンペプチドは、1つの変型によれば、ア
ミド結合によってコラーゲン鎖の少なくともいくつかの遊離型のアミン部分と結
合したグラフトGを含んでもよく、Gは炭化水素を基本とする種を含んでなるアシ
ル(ただし、メルカプトアミノ残基、特に上記で定義したものを除く)であり、
この種は所望によりヘテロ原子(有利にはOおよび/またはN)を含んでもよく、
好ましくはアルキルおよび/またはアルケニルおよび/または脂環式および/ま
たは芳香族から選択され、いっそう好ましくは、所望により1〜22個の炭素を含
むかまたは下式(III):
【化10】
【0059】 (式中、 R5はHまたはCH3であり; R6はHまたは直鎖もしくは分枝アルキル基、好ましくはメチルであり; Z=0、1または2、かつn>0である) に対応する不飽和アルキル鎖からなる群から選択される。
【0060】 繰り返し単位数nは、ポリマー鎖の分子量が100ないし15000、好ましくは200な
いし8000となるように選択され、例えば約4000である。
【0061】 リジンのアミン部位へのこの官能性の付加は、改変コラーゲンペプチドに親水
性もしくは疎水性の性質、または膨潤特性、機械的強度および分解速度特性を改
変するまさに界面活性特性を与え得る。この官能化はまた、活性成分を結合させ
ることによって治療目的をもつとも考えられる。
【0062】 このようなコラーゲン生成物の態様に加え、本発明はまた、改変コラーゲンペ
プチド、特に上記で定義したもの、さらに特には上記で示した3つのサブファミ
リーに属するものの生成に関する。
【0063】 このように本発明は、メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型または置
換型チオール官能基をグラフトすることによって改変されたコラーゲンペプチド
を得る方法に関する。この方法は、実質的に、好ましくはカルボキシル基を活性
化させる生成物からなる群から選択される少なくとも1種のグラフト剤、いっそ
う好ましくはカルボジイミドの存在下、溶液中でコラーゲンペプチドとチオール
官能基および可能性のあるカルボキシル基がブロックされているメルカプトアミ
ノ残基の少なくとも1つの前駆体とを反応させることにある。
【0064】 生成条件は、メルカプトアミノ残基のグラフトがコラーゲン鎖のアスパラギン
酸およびグルタミン酸の遊離型のカルボキシル部分において行われるように選択
される。
【0065】 この方法は特に新規であり、出発材料および/または中間生成物および/また
は最終改変コラーゲンが少なくとも部分的に溶解する水性媒質中で行うことがで
きる点が有利である。 実際に、水性反応媒質中に含まれる全生成物は、最初から最後の工程までその
中に溶ける。
【0066】 本発明によれば、水性媒質中でのこの合成は、極めて簡単に行え、費用がかか
らず、汚染もないので工業上特に有利である。特に、例えば、試薬を(例えばダ
イアフィルトレーションによって)除去すること、および目的の改変コラーゲン
を回収することが容易である。
【0067】 本発明の方法はすべて、メルカプトアミノ残基の高い程度のグラフト(例えば
、12%)を達成することができるのでさらに有利である。好ましくは、コラーゲ
ンペプチドにグラフトされるメルカプトアミノ残基(一価の基)としては上記の
、特に式(I)、(I.1)、(I.2)および(I.3)で定義したものがある。
【0068】 実際に、このようにして得られたコラーゲンペプチドは、例えば、架橋性コラ
ーゲンペプチドの上記で対象とした前駆体に相当する。これらの前駆体は、本発
明の改変コラーゲンペプチドの第1のサブファミリーに含まれる。
【0069】 コラーゲンペプチドの遊離型のカルボキシル部分と反応することが可能である
ためには、メルカプトアミノグラフトはCOOHと反応してアミド結合を形成するこ
とができる遊離型のアミン官能基を有する。この前駆体は、チオール官能基およ
び可能性のあるカルボン酸官能基が適切に保護されている、例えば、システイン
、ホモシステインまたはシステアミンである。チオール官能基を保護する有効な
手段は、グラフトされるメルカプトアミノ残基に対する前駆体として、メルカプ
ト基を安定化させるジスルフィド架橋を含むシステイン、ホモシステインまたは
システアミンを選択することである。この基を保護する別の手段として選択され
得るものとしては、先行技術において知られるチオールを保護する従来のいずれ
の基であってもよい(例えば、”Greene: Protecting Groups in Organic Chemi
stry, Wiley, 1975”参照。
【0070】 可能性のあるグラフトのCOOH基は、それ自身保護基またはいずれの本来の有利
な特性をもたらし得るその他のいずれの有機基(PEGまたは疎水基もしくは親水基
もしくは荷電基)で保護してもよい。
【0071】 本発明の1つの有利な配置によれば、メルカプトアミノ残基の前駆体は上記の
式(I)に相当する式(IV)に相当し、ここで、自由原子価はコラーゲン鎖のアスパ
ラギン酸およびグルタミン酸のカルボキシル基と反応し得る置換基で置換され、
この置換基は好ましくは水素であり、その結果反応基は第1級アミンである。特
に最も好ましい式(IV)の前駆体は、シスタミン(I.1)、シスチンジメチルエステ
ル(I.2)およびシスチンジエチルエステル(I.3)であり、これら3つはすべてチオ
ール官能基を保護するジスルフィド架橋を含む。
【0072】 実際には、好適な溶媒にコラーゲンペプチド、次いでグラフトされるメルカプ
トアミノ残基の前駆体を溶かすことによって、メルカプトアミノ残基のグラフト
を行う。この溶媒は、例えば、水(好ましくは)および/または有機溶媒、例え
ばジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)などであり得る。
【0073】 反応条件は、活性化コラーゲンがそれ自身の骨格中に含まれるアミンと反応し
ないように選択する。次いでカルボジイミドのようなカップリング剤を反応溶液
に加え、周囲温度で数時間媒質を攪拌しながらグラフトを進行させる。
【0074】 本発明の方法によって、架橋性チオール残基の前駆体であるメルカプトアミノ
残基で置換されたコラーゲンペプチドを得ることが可能となる。このようにして
得られたペプチドは、安定で水に可溶である新規な中間生成物である。それらは
、例えば透析もしくはダイアフィルトレーションおよびそれに次ぐ凍結乾燥によ
って、または有機媒質中での沈殿およびそれに次ぐ乾燥によって単離・精製され
得る。
【0075】 本発明の主題はまた、メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型のチオー
ル官能基をグラフトすることによって改変された架橋性コラーゲンペプチドを製
造する方法である。この方法は、実質的に、 1. 好ましくはカルボキシル基を活性化させる生成物からなる群から選択され
る少なくとも1種のグラフト剤、好ましくはカルボジイミドの存在下、溶液中で
コラーゲンペプチドとそのチオール官能基および可能性のあるカルボキシル基が
ブロックされているメルカプトアミノ残基の少なくとも1つの前駆体とを反応さ
せること、および 2. 工程1で得られた改変コラーゲンペプチドにグラフトされたメルカプトア
ミノ残基のメルカプト基を脱保護(チオールに変換)すること からなることを特徴とする。
【0076】 このようにして製造された架橋性コラーゲンペプチドは、例えば、上記で定義
した改変コラーゲンペプチドの第2のサブファミリーに含まれる遊離型のチオー
ル官能基を含有する生成物に相当する。
【0077】 メルカプト基の保護またはマスキングがジスルフィド架橋によって与えられる
場合(すなわち、グラフト前駆体が、例えば、シスタミンまたはシスチンである
場合)、チオール官能基は還元によって再生する。
【0078】 この還元は、メルカプタン(メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、メルカ
プトエチルアミン、ベンジルメルカプタン、チオクレゾール、ジチオスレイトー
ルなど)および/または還元的塩(NaBH4、Na2SO3など)および/または有機還
元剤(ホスフィン)のような還元剤を用いて行えばよい。
【0079】 本発明の1つの好ましい特徴によれば、保護ジスルフィド架橋は、ジチオスレ
イトールを用いて塩基性水性媒質中で還元する。この工程の後、得られたチオー
ル化コラーゲンを、透析/ダイアフィルトレーションによって精製し、例えば凍
結乾燥によって単離すればよい。
【0080】 本発明はまた、メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型のチオール官能
基をグラフトすることによって改変されたコラーゲンペプチドから、架橋コラー
ゲンペプチドを製造する方法に関する。この方法は、実質的に、 1. 好ましくはカルボキシル基を活性化させる生成物からなる群から選択され
る少なくとも1種のグラフト剤、好ましくはカルボジイミドの存在下、溶液中で
コラーゲンペプチドとそのチオール官能基および可能性のあるカルボキシル基が
ブロックされているメルカプトアミノ残基の少なくとも1つの前駆体とを反応さ
せること、および 2. 工程1で得られた改変コラーゲンペプチドにグラフトされたメルカプトア
ミノ残基のメルカプト基を脱保護(チオールに変換)すること、および 3. 工程2で得られた架橋性改変コラーゲンペプチドのチオール官能基を酸化
して、鎖間にジスルフィド架橋を形成させること からなることを特徴とする。
【0081】 この酸化は、例えば、弱塩基性媒質中で空気中の酸素を用い、または過酸化水
素水溶液もしくはヨード誘導体(ヨウ素、ベタジン)を用いて行ってもよい。 上記方法によって製造した架橋コラーゲンペプチドは、特に、上記で定義した
改変コラーゲンペプチドの第3のサブファミリーの架橋生成物に相当する。
【0082】 上記3つの方法に固有の1つの有利な特徴によれば、追加の工程Fが考えられる
。これはアスパラギン酸およびグルタミン酸のカルボキシル基と結合したグラフ
トとは本来異なるグラフトGで官能化する工程であり、この工程Fは、実質的には
、それにグラフトGが結合するようにコラーゲン鎖の少なくともいくつかの遊離
型のアミン官能基のアシル化を行うことからなり、グラフトGは炭化水素を基本
とする種(ただし、メルカプトアミノ残基、特に上記で定義したものを除く)を
含んでなり、この種は所望によりヘテロ原子(有利にはOおよび/またはN)を含
んでもよく、好ましくはアルキルおよび/またはアルケニルおよび/または脂環
式および/または芳香族から選択され、いっそう好ましくは、所望により不飽和
アルキル鎖を含むかまたは下式(III):
【化11】
【0083】 (式中、 R5はHまたはCH3であり; R6はHまたは直鎖もしくは分枝アルキル基、好ましくはメチルであり; z=0、1または2、かつn>0である) に相当する群から選択される。
【0084】 コラーゲン鎖の残基の3つのアミン官能基でアシル化することによって反応す
ることが可能であるためには、グラフトGの前駆体は、有利には少なくとも1つの
活性化可能なカルボン酸官能基を含む。
【0085】 このアシル化は、コラーゲン鎖の遊離型のカルボキシル基とメルカプトアミノ
グラフト(I)前駆体との反応前に起こることが好ましい。これに関しては、この
アシル化はまた、工程1で得られたチオール化コラーゲンペプチド上で、かつ/
または工程3で得られた架橋コラーゲンペプチド上で(例えば、架橋膜上で単に
洗浄することによって試薬を除去して直接的に)行うことも考えられる。
【0086】 タンパク質に属するカルボキシル部位によるアミン官能基のアシル化およびカ
ップリング反応は、タンパク質生化学の分野の当業者には公知である。この点に
関するさらなる詳細については、特に以下の書籍が参照される。 “Techniques in protein chemistry” R.L. Lundblad Chap. 10-14. “Chemistry of protein conjugation and cross-linking” S.S. Wong, Boca r
aton, CRC Press, 1993, Chap. 2。
【0087】 興味深いことには、本発明の方法に従って行われる化学修飾に使用される試薬
は、無害の生成物へ変換可能であるか、または例えば透析のような非分解法によ
って容易に除去可能であるかのいずれかであることに着目される。 さらに、本発明によって、コラーゲンの架橋速度および架橋度をかなり制御で
きる可能性が得られる。
【0088】 本発明のもう1つの顕著な利点は、コラーゲンの質量単位当たりに導入される
メルカプトアミノ残基の数を制御することによって、物理的および生分解特性を
改変できることにある。 架橋したまたは架橋していないコラーゲン鎖を、例えば親水基で官能化するこ
とができることもまた興味深い。
【0089】 最後に、本発明の生成物は、生物ポリマーを滅菌する従来法によって滅菌でき
ることを示しておくことも重要である。 最後に、本発明の新規な非架橋コラーゲンペプチドの水性媒質への極めて良好
な溶解性を強調すべきであり、これらのペプチドは選択的にアスパラギン酸およ
びグルタミン酸のカルボキシルに担持されている硫黄含有架橋基を有するという
特徴を有する。
【0090】 結果として、本発明の架橋性生成物は、第1にヒトの医薬に、第2に生物学の分
野に直ちに適用が見出せる。 ヒトの医薬において、それらは眼科用インプラントなどのインプラント、補綴
(例えば、骨補綴)、フィルムもしくはフェルトの形態の包帯、人工組織(表皮、
血管、靭帯または骨)、in vivoで有効成分を放出制御を可能とする生体カプセ
ル系(マイクロスフェアまたはマイクロカプセル)、移植可能な医療用品の生体
適合性コーティング、または縫合糸であってもよい。本発明の架橋性コラーゲン
生成物はまた、接着剤としておよび/または封止材料(セメント)として、外科
的処置に使用してもよい。 生物学においては、本発明の材料は、2次元の細胞培養物用(フィルム)およ
び3次元の細胞培養物用(フェルト)の優れた支持体となる。
【0091】 本発明の架橋コラーゲンは単独で使用してもよいし、あるいは例えば改変もし
くは非改変生体ポリマーもしくは合成ポリマーとの混合物として使用してもよい
。 上記の生物医学への適用のそれぞれについては、所定のおよび特定の物理化学
的、物理的または生物学的特性を有する架橋コラーゲンが利用できることが不可
欠である。結局のところ、広範囲の架橋性コラーゲンを製造することができ、従
って所定の適用に対する仕様を開発していくうち出てくる制約の大部分を満足さ
せるためには、コラーゲンの化学的改変を十分に制御することが必要である。本
発明はこの要求を十分満たすことは、上記から明らかである。
【0092】 本発明のその他の利点および変型は、以下に示す実施例から明らかとなる。
【実施例】
実施例1:カルボン酸がシステインエチルエステルで置換されている(置換度
はアミノ酸0.8%に相当)コラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 1) 工程I:カップリング(第1のサブファミリーの製造): 25gのアテロコラーゲン(I型+III型、子牛の皮膚から抽出した、1.3mmolのCOOH
/g)を2.5lの水に入れ、攪拌しながら媒質の温度を50℃に上げる。このようにし
て得られた1%w/v溶液を0.22μmのフィルターで濾過する。
【0093】 温度を30℃に下げたところで、46.5gのシスチンジエチルエステルを加えてpH
を4.2に調整する。次いで0.6gの1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカル
ボジイミドHClを加え、30℃で2時間、攪拌しながら反応を進行させる。反応媒質
を5%w/vまで濃縮し、水で透析して過剰の試薬および反応副生成物を除去する。 得られた生成物は、安定な合成中間体である。それは、そのアスパラギン酸お
よびグルタミン酸の一部がシスチンジエチルエステルで置換されているコラーゲ
ンペプチド(第1サブファミリー)である。
【0094】 ジスルフィド架橋試薬であるNSTB(2-ニトロ-5-チオスルホ安息香酸塩)でアッ
セイすることによって、置換度を測定する。このアッセイは、Thannhauser T.W.
et al., Analysis of disulfide bonds in peptides and proteins. Methods i
n Enzymology. Jacoby W.B. and Griffith O. XL New-York: Academic Press, 1
987. Vol. 143, 115-119に記載されている。 [S-S]:乾燥生成物0.094mmol/g、すなわち、置換アミノ酸0.87mol%。
【0095】 得られた生成物は凍結乾燥によって単離してもよいし、あるいは還元して対応
するチオールコラーゲンを得てもよい。 2) 工程II:還元(第2のサブファミリーの製造): 7.6gのグリシン、5.8gの1,4-ジチオスレイトールおよびpHが9.0となるのに
十分な量の4N NaOHを、工程Iで得られ、水に5%w/vで溶解した改変コラーゲンペ
プチドに加える。反応媒質を35℃で3時間攪拌する。この段階で、溶液を6N HCl
でpH 2まで酸性化し、0.012N HClで透析して試薬および反応副生成物の全痕跡を
除去し、次いで0.22μmのフィルターで濾過する。このようにして精製した生成
物を凍結乾燥によって単離する。
【0096】 チオール基に特異的な試薬である5,5’-ジチオビス-2-ニトロ安息香酸(DTNB)
を用いたアッセイによって、置換度を測定する。このアッセイは、”Ellman G.L
., Tissue sulfhydryl groups, Archives of Biochemistry and Biophysics, 19
59, 82,70-77”に記載されている。 [SH]:乾燥生成物0.091mmol/g、すなわち、置換アミノ酸0.8mol%。 全合成を無菌下で行って無菌凍結乾燥物の形態の細粒生成物を得てもよい。
【0097】 実施例2:カルボン酸がシステインエチルエステルで置換されている(置換度
はアミノ酸3mol%に相当)コラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 カップリング剤の量が2.9gであること以外は実施例1を繰り返す。 [SH]:乾燥生成物0.347mmol/g、すなわち、置換アミノ酸3.3mol%。
【0098】 実施例3:カルボン酸がシステインエチルエステルで置換されている(置換度
はアミノ酸の7mol%に相当)コラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 カップリング剤の量が12gであること以外は実施例1を繰り返す。 [SH]:乾燥生成物0.706mmol/g、すなわち、置換アミノ酸7mol%。
【0099】 実施例4:カルボン酸がシステインエチルエステルで置換されている(置換度
はアミノ酸5mol%に相当)コラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 アテロコラーゲンをゼラチン(豚の皮膚から抽出したゼラチン、250ブルーム
、1mmolCOOH/g)に置き換え、実施例1を繰り返す。 [SH]:乾燥生成物0.536mmol/g、すなわち、置換アミノ酸5.2mol%。
【0100】 実施例5:カルボン酸がシステアミンで置換されている(置換度はアミノ酸3mo
l%い相当)コラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 46.5gのシスチンジエチルエステルを28.4gのシステアミンに置き換え、実施
例1を繰り返す。 [SH]:乾燥生成物0.33mmol/g、すなわち、置換アミノ酸3.0mol%。
【0101】 実施例6:アミンがアセチル化され(グラフトG)、かつカルボン酸がシステイ
ンエチルエステルで置換されている(置換度はアミノ酸5mol%に相当)コラーゲ
ンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 25gのアテロコラーゲン(I型+III型、子牛の皮膚から抽出した、1.0mmolのCOOH
/g、0.33molのδ-NH2/g)を0.5lの水に入れ、攪拌しながら媒質の温度を50℃に上
げる。このようにして得られた5%w/v溶液を0.22μmのフィルターで濾過する。
【0102】 溶液を30℃に冷却した後、4.2gのNaHCO3およびpHを8.5に調整するのに十分な
量の4N NaOHを溶かす。次いで7.34mlの無水酢酸をゆっくりと加え、次いで4N水
酸化ナトリウム溶液でpHを8.5に維持しながら30℃で30分にわたって攪拌する。
次いで溶液を6N HClでpH 3にゆっくりと酸性化し、水で透析して過剰の試薬を除
去する。最後に、1%w/v媒質を水で希釈し、実施例1(シスチンジエチルエステル
のカップリングと、それに続く還元)に記載されたように合成を続ける。
【0103】 [アセチル]生成物の塩基性加水分解の後の酢酸のアッセイ(Boehringerキット)
による:乾燥生成物0.30mmol/g、すなわち、アセチル化アミノ酸2.9mol%(事実
上リジン残基がすべてアセチル化)。 [SH]:乾燥生成物0.53mmol/g、すなわち、置換アミノ酸5.1mol%。
【0104】 実施例7:アミンがPEGで置換され(グラフトG)、かつカルボン酸がシステイ
ンエチルエステルで置換されている(置換度はアミノ酸5mol%に相当)コラーゲ
ンペプチド(第2のサブファミリー)の合成 10gのアテロコラーゲン(I型+III型、子牛の皮膚から抽出した、1.3mmolのCOOH
/g、0.33molのε-NH2/g)を0.5lの水に入れ、攪拌しながら媒質の温度を50℃に上
げる。このようにして得られた2%w/v溶液を0.22μmのフィルターで濾過する。
【0105】 温度を30℃に下げたところで、4N NaOH でpHを9.0に調整する。次いで分子量
が5000g/molである5gのメトキシポリエチレングリコールプロピオン酸N-ヒドロ
キシスクシンイミジルエステル(SPA-PEG)を加え、4N NaOHの添加によってpHを9
に維持しながら30℃で30分間攪拌しながら反応を進行させる。さらに5gのSPA-P
EGを加え、pHを維持しながら反応媒質を30分間攪拌する。次いで媒質を水で1/2
に希釈して、コラーゲンの濃度を1%w/vとする。
【0106】 18.5gのシスチンジエチルエステルを加えてpHを4.2に調整する。次いで2.2g
の1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドHClを加え、30℃で2
時間攪拌しながら反応を進行させる。反応媒質を5%w/vに濃縮し、水で透析して
過剰の試薬および反応副生成物を除去する。
【0107】 3.0gのグリシン、2.3gの1,4-ジチオスレイトールおよびPhを9.0とするのに
十分な量の4N NaOHを、水に5%w/vで溶解した改変コラーゲンペプチドに加える。
反応媒質を35℃で3時間攪拌する。この段階で、溶液を6N HClでpH 2に酸性化し
、0.012N HClで透析して試薬および反応副生成物の全痕跡を除去し、次いで0.22
μmのフィルターで濾過する。このように精製した生成物を凍結乾燥によって単
離する。
【0108】 凍結乾燥物を2lの無水エタノールで抽出し、アセトンで収縮させ、次いで30℃
で18時間真空乾燥させる。 グラフトしていないポリエチレングリコールが存在しないことを、屈折測定学
的検出を用いるゲル浸透クロマトグラフィーによってモニターする。 [SH]:乾燥生成物0.247mmol/g、すなわち、置換アミノ酸4.5mol%。 [PEG]:アミノ酸0.8mol%置換、改変生成物/非改変生成物においてアッセイし
たOH-プロリン量に従い再計算した置換度。
【0109】 実施例8:改変コラーゲンペプチドの溶解度 250mgのコラーゲンペプチドを5gの注射水に入れ、40℃で15分間密封したフラ
スコ中で攪拌する。pH測定は30℃で行い、pH調整は1N NaOHを用いて行う。いく
つかの溶解度の例を表1に示す。
【表1】
【0110】 実施例9:酸化によるコラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の架橋:ゲ
ル(第3のサブファミリー)の形成 用いた方法は、使用したコラーゲンペプチド(実施例1、3および7)に関わら
ず同じである。 250mgの凍結乾燥物を4.5mlの10mM pH 7.4リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に入れ
、混合物を40℃で15分間密封したフラスコ中で攪拌する。pHを1N NaOH で7.4±0
.1に調整し、コラーゲンペプチドの最終濃度50g/lを得るために必要なPBSの量を
加える。サンプルを37℃に置く。あらかじめ37℃に温めておいた100μlのPBS 中
の1% H2O2溶液を、900μlのコラーゲンペプチド溶液に加える。表2の表示は、与
えられた条件下での酸化による架橋(速度および程度)は、使用した改変コラー
ゲンペプチドに依存することを示している。
【表2】
【0111】 実施例10:酸化によるコラーゲンペプチド(第2のサブファミリー)の架橋:
膜の形成 膜の製造方法は、使用したコラーゲンペプチドに関わらず同一である。 工程1: 凍結乾燥物を滅菌した水に溶かすことによって、20g/lの前駆体コラーゲンペ
プチドを含有する溶液を調製する。この例においては、2.0gの凍結乾燥物を98
gの滅菌した水に溶かす。完全に溶解させるために、混合物を40℃で15分間密封
した容器中で攪拌する。25℃で1N水酸化ナトリウム溶液を用いて溶液のpHを6.5
に調整する。溶液を再び40℃で10分間攪拌する。
【0112】 工程2: 40℃の溶液を孔隙0.45μmの膜で、次いで孔隙0.2μmの膜で濾過する。最後の
濾過は滅菌した鋳型で行う(ポリスチレン製のペトリ皿を用いてもよい)。 工程3: 40.0gの濾過溶液を2つの12x12cm2の鋳型に入れる。鋳型を閉じる。 工程4: 溶液を熟成し、それは16℃±1℃の温度で24時間、物理的ゲル化によって反射
する。この温度は必ずゲル/ゾル転移温度未満である。温度制御下、チャンバー
中で熟成を行い、鋳型を水平なプレートの上に置く。
【0113】 工程5: 24時間後、鋳型のカバーを取り外し、乾燥剤(典型的には水酸化ナトリウムの
小球)の存在下、閉じたチャンバー中で同じ温度でゲル化した溶液を24時間以上
かけて蒸発させる。24時間後、得られた膜は、乾燥しており、透明で滑らかであ
る。 工程6: 酢酸アンモニウムのデシモル水溶液中の0.3%過酸化水素溶液を30g添加するこ
とによって、20℃で乾燥した膜を架橋させる。 工程7: 架橋した膜を取り出し、30gのpH 7.4のリン酸バッファーおよび30gの水で順
次洗浄する。なお、使用した溶液すべて滅菌したものである。 工程8: 次いで膜を積層流フュームカップボード下で24時間乾燥させる。得られた乾燥
膜には約10%の割合で水が残存している。 得られた膜は室温で安定である。水またはリン酸バッファーの中に24時間おい
た後でもそれらは安定なままであり、取り扱い可能である。
【0114】 実施例11:実施例10に従い得られた膜の引張機械特性 膜の機械特性の測定を、商標Adamel LhomargyのDY34型の一般的な試験機械を
用いて行う。周囲温度で2時間、膜をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS, pH=7.4)中で
水和させる。次に、非常に鋭いサンプルパンチを用いてそれらを縦4mmで横30mm
の細片に切る。水和したサンプルで厚さを測定する。サンプルをそれらがかみ合
い部に位置するのを補助する厚紙のフレームに取り付ける。膜のサンプルは水和
状態が保たれている。引張試験の直前にフレームを切断し、2mm/分の一定速度で
進める。初期係数および破壊応力を、水和した試験片の部分を用いた引張曲線か
ら計算する。
【0115】 実施例10に記載された方法に従い得られた膜の引張特性は、表3に示すように
、用いた改変コラーゲンペプチドに依存する。
【表3】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年2月26日(2001.2.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 {式中、 xは1または2であり; R0はHまたはCH3であり; R1はHまたはCOOR3(R3は炭化水素を基本とする脂肪族、芳香族または脂環式基
、好ましくはアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルキルアリール
、もしくはアルケニルアリール基、いっそう好ましくはメチルもしくはエチル基
に相当する)を表し、 R2は脂肪族および/または脂環式および/または芳香族基、好ましくは所望に
より硫黄を含有するアルキルもしくはアシル、および/またはアミノであり、い
っそう好ましくはR2は下式(II):
【化2】 (ここで、y、R00およびR4はx、R0およびR1に関して式(I)の記号で示したものと
同義を表す)} に相当する、請求項1に記載のコラーゲンペプチド。
【化3】 から選択される、請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
【化4】 {式中、R1はHまたはCOOR3を表し、x、R1、R0およびR3は式(I)の記号で上記請求
項2に定義された通りであり、R3はまた水素またはCOO-と塩を形成し得る陽イオ
ン(この陽イオンは好ましくはNa+、K+またはLi+である)を表し得る} のメルカプトアミノ残基を含む、請求項4に記載のコラーゲンペプチド。
【化5】 (式中、 R5はHまたはCH3であり; R6はHまたは直鎖もしくは分枝アルキル、好ましくはメチルであり; Z=0、1または2、かつn>0であり、nはポリマー鎖の分子量が100ないし1500、好
ましくは200ないし8000の間となるように選択される) に対応する不飽和アルキル鎖からなる群から選択される、炭化水素を基本とする
種を含むアシルである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコラーゲンペ
プチド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 27/00 A61L 31/00 T 31/00 C07K 1/08 33/00 C08H 1/06 C07K 1/08 C08L 89/00 C08H 1/06 A61L 25/00 A C08L 89/00 33/00 T (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C081 AA01 AC01 AC02 AC03 AC04 BA02 CD121 DA01 DA02 DA04 DA05 4H045 AA10 AA20 AA30 AA40 BA32 BA33 EA34 EA60 FA57 FA83 4J002 AD031 GB01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型または置換型
    チオール官能基をグラフトすることによって改変されたコラーゲンペプチドであ
    って、 これらの残基は同一であっても互いに異なっていてもよく、アミド結合によっ
    てコラーゲン鎖のアスパラギン酸およびグルタミン酸へ選択的にグラフトされ;
    かつ、 水性媒質および/または極性溶媒に可溶である ことを特徴とする、コラーゲンペプチド。
  2. 【請求項2】 アスパラギン酸およびグルタミン酸のカルボン酸へグラフト
    された少なくともいくつかのメルカプトアミノ基が下記一般式(I): 【化1】 {式中、 xは1または2であり; R0はHまたはCH3であり; R1はHまたはCOOR3(R3は炭化水素を基本とする脂肪族、芳香族または脂環式基
    、好ましくはアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルキルアリール
    、もしくはアルケニルアリール基、いっそう好ましくはメチルもしくはエチル基
    に相当する)を表し、 R2は脂肪族および/または脂環式および/または芳香族基、好ましくは所望に
    より硫黄を含有するアルキルもしくはアシル、および/またはアミノであり、い
    っそう好ましくはR2は下式(II): 【化2】 (ここで、y、R00およびR4はx、R0およびR1に関して式(I)の記号で示したものと
    同義を表す)} に相当する、請求項1に記載のコラーゲンペプチド。
  3. 【請求項3】 グラフトされたメルカプトアミノ基が以下の基: 【化3】 から選択される、請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項2で定義された式(I)のグラフトされたメルカプトア
    ミノ(ここで、R2は水素を表す)を含み、かつ 架橋性である、 請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
  5. 【請求項5】 下式(I’): 【化4】 {式中、R1はHまたはCOOR3を表し、x、R1、R0およびR3は式(I)の記号で上記請求
    項2に定義された通りであり、R3はまた水素またはCOO-と塩を形成し得る陽イオ
    ン(この陽イオンは好ましくはNa+、K+またはLi+である)を表し得る} のメルカプトアミノ残基を含む、請求項4に記載のコラーゲンペプチド。
  6. 【請求項6】 ジスルフィド架橋によってともに結合しているコラーゲン鎖
    を含み、ここでは構成硫黄原子がアミド結合によってコラーゲン鎖のアスパラギ
    ン酸およびグルタミン酸へ選択的にグラフトされているメルカプトアミノ残基に
    属するものであり、 請求項4および/または5に記載のコラーゲンペプチドから得られたものであ
    る、 架橋したコラーゲンペプチド。
  7. 【請求項7】 アミド結合によってコラーゲン鎖の少なくともいくつかの遊
    離型のアミン部分と結合したグラフトGを含み、Gは炭化水素を基本とする種を含
    んでなるアシル(ただし、メルカプトアミノ残基、特に上記で定義したものを除
    く)であり、この種は所望によりヘテロ原子(有利にはOおよび/またはN)を含
    んでもよく、好ましくはアルキルおよび/またはアルケニルおよび/または脂環
    式および/または芳香族から選択され、いっそう好ましくは、所望により1〜22
    個の炭素を含むかまたは下式(III): 【化5】 (式中、 R5はHまたはCH3であり; R6はHまたは直鎖もしくは分枝アルキル基、好ましくはメチルであり; Z=0、1または2、かつn>0である) に対応する不飽和アルキル鎖からなる群から選択される、請求項1ないし6のい
    ずれか1項に記載のコラーゲンペプチド。
  8. 【請求項8】 水性媒質および/または極性溶媒に可溶であり、かつ、メル
    カプトアミノ残基に担持されている置換チオール官能基をグラフトすることによ
    って改変されたコラーゲンペプチドを得る方法であって、 実質的に、好ましくはカルボキシル基を活性化させる生成物からなる群から選
    択される少なくとも1種のグラフト剤、好ましくはカルボジイミドの存在下、溶
    液中でコラーゲンペプチドとチオール官能基および可能性のあるカルボキシル基
    がブロックされているメルカプトアミノ残基の少なくとも1つの前駆体とを反応
    させることにある、方法。
  9. 【請求項9】 メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型のチオール官
    能基をグラフトすることによって改変された架橋性コラーゲンペプチドを製造す
    る方法であって、実質的に、 1. 好ましくはカルボキシル基を活性化させる生成物からなる群から選択され
    る少なくとも1種のグラフト剤、好ましくはカルボジイミドの存在下、コラーゲ
    ンペプチドとそのチオール官能基および可能性のあるカルボキシル基がブロック
    されているメルカプトアミノ残基の少なくとも1つの前駆体とを反応させること
    、および 2. 工程1で得られた改変コラーゲンペプチドにグラフトされたメルカプトア
    ミノ残基のメルカプト基を脱保護(チオールに変換)すること からなる、方法。
  10. 【請求項10】 メルカプトアミノ残基に担持されている遊離型のチオール
    官能基をグラフトすることによって改変されたコラーゲンペプチドから、架橋コ
    ラーゲンペプチドを製造する方法であって、実質的に、 1. 好ましくはカルボキシル基を活性化させる生成物からなる群から選択され
    る少なくとも1種のグラフト剤、好ましくはカルボジイミドの存在下、溶液中で
    コラーゲンペプチドとそのチオール官能基および可能性のあるカルボキシル基が
    ブロックされているメルカプトアミノ残基の少なくとも1つの前駆体とを反応さ
    せること、および 2. 工程1で得られた改変コラーゲンペプチドにグラフトされたメルカプトア
    ミノ残基のメルカプト基を脱保護(チオールに変換)すること、および 3. 工程2で得られた架橋性改変コラーゲンペプチドのチオール官能基を酸化
    して、鎖間にジスルフィド架橋を形成させること からなる、方法。
  11. 【請求項11】 さらなる工程Fが考えられ、これが、アスパラギン酸およ
    びグルタミン酸のカルボン酸基と結合したグラフトとは全く異なるグラフトGで
    官能化する工程であり、この工程Fが、実質的には、コラーゲン鎖の少なくとも
    いくつかの遊離型のアミン官能基(ただし、メルカプトアミノ残基、特に上記で
    定義したものを除く)のアシル化を行うことからなり、この種が所望によりヘテ
    ロ原子(有利にはOおよび/またはN)を含んでもよく、好ましくはアルキルおよ
    び/またはアルケニルおよび/または脂環式および/または芳香族から選択さる
    、請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 インプラント、補綴、包帯、人工組織、生体カプセル系、
    生体適合性コーティング、縫合糸、接着剤もしくは外科用セメント、または細胞
    培養用支持体の成分である生体材料としての、請求項1ないし7のいずれか1項
    に記載のコラーゲンペプチド、または請求項8ないし11のいずれか1項に記載
    の方法によって得られるペプチドの使用。
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