JP2002540387A - 液体分注装置 - Google Patents

液体分注装置

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Abstract

(57)【要約】 液体分注装置は、液体貯蔵槽（３２）、出口孔（６；３６）、および液体（４）をその出口孔（６；３６）を通して押し出すための追出し手段を含む。追出し手段は、液体（４）をその出口孔（６；３６）を通して押し出すために貯蔵槽（３２）内の液体（４）に衝突する気体のパルスを発生させる。また、そこから液体を分注するための複数のカートリッジを含むカセットも開示される。各カートリッジは、液体貯蔵槽（３２）および、液体貯蔵槽（３２）内において開口（３４）を閉じるために載置された出口部材（３６）を含む。出口部材（３６）は、加圧された気体のパルスによって、液体がそれを通って押し出され得るを出口を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、液体分注装置に関し、特に少量の液体を分注することができる液体
分注装置に関する。
【０００２】 ある種の用途においては、容器から、非常に少量の（例えば１０〜５００ナノ
リットル（ｎｌ）の範囲の）液体を分注することができることが望ましい。この
大きさの液滴は、通常は、毛細管から液体を押し出すことによっては作り出すこ
とができない。それは、液滴の重量が表面張力を克服するのに充分なまでに大き
くなるまで、この表面張力が液滴を毛細管の先端に保持するためである。これは
、液滴の容量が１０乃至５０マイクロリットルの桁、すなわち目的の範囲よりも
２桁乃至３桁大きい程度になるまで起こらない。
【０００３】 液体に作用するピエゾ電気アクチュエーターを用いて、計量されたある量の液
体をノズルの先端を通して押し出すことによって、この限界を克服する器具は利
用可能である。しかし、このような系は高価であり、一度に一つのタイプの液体
にしか使えない可能性がある。そのため、いくつかの異なる液体を分注する必要
がある場合には、その費用が増す。
【０００４】 改良された装置を提供することが，本発明の目的であり、第一の側面から見た
場合、本発明は、液体貯蔵槽、出口孔、および液体を当該出口孔を通して押し出
すための追出し手段を含む液体分注装置であって、当該追出し手段が、液体をそ
の出口孔を通して押し出すために貯蔵槽内の液体に衝突する気体のパルスを発生
させるための手段を含む、液体分注装置を提供する。
【０００５】 したがって、本発明によれば、気体のパルスによって液体をその出口孔を通し
て押し出すことによって、液体が分注され得ることがわかるであろう。分注され
る液体の容量は、気体パルスの振幅および持続時間を調整することによって制御
することができる。これが、好ましい態様においては５０乃至５００ｎｌの桁ま
で、分注される容量の正確な制御を可能にすることが見出された。さらに、液体
に力を伝達する媒体として気体が使用されるので、追出し手段のいかなる部分も
、分注される液体と接触する必要はない。これは、液体の汚染を防ぐ点からも、
そして装置を清掃する必要性が低減することからも、明らかな利点を有する。
【０００６】 液体を追い出す推進力は貯蔵槽内の液体に適用されるので、追出し手段のいか
なる部分も、出口孔の近傍に配置する必要はない。これは、出口孔の製造を単純
にすることができ、そして、出口孔を使い捨て部材上に設けることさえできるこ
とを意味する。
【０００７】 本発明にしたがった一つの好ましい集成装置においては、出口孔は、装置の統
合部である。特に好ましい態様においては、出口孔および液体貯蔵槽の一つ又は
両方が、適切なプラスチック材料から成形され、それによってそれらを使い捨て
にすることができる。より好ましくは、出口孔および液体貯蔵槽は、両方ともに
適切なプラスチックから成形され、最も好ましくは、互いに統合されてカートリ
ッジを形成する。あるいは、このようなカートリッジは、シリカ又はステンレス
鋼のような一つ以上の他の適切な材料から作製されることができる。
【０００８】 上述の種類のカートリッジは、単数を提供してもよいが、好ましくは複数をカ
セットにして提供する。このような集成装置は新規であり、それ自身に利点があ
り、したがって、第二の側面から見た場合、本発明は、そこから液体を分注する
ための複数のカートリッジを含むカセットであって、各カートリッジが突出して
いるノズルの形態の出口孔およびそれと統合されて形成された液体貯蔵槽を有す
る、カセットを提供する。
【０００９】 好ましくは、カートリッジは、互いに統合されて形成され、前記カセットを形
成する。
【００１０】 本発明は、少なくともいくつかの好ましい態様においては、必要な液体が予め
充填され、それと統合されて形成された必要な出口孔を有するカートリッジを提
供することを可能にする。こうなると、本発明の第一の側面にしたがった液体分
注装置を形成するために、必要なことのすべては、単に、そのカートリッジの又
は複数のカートリッジのカセットの各カートリッジの液体貯蔵槽を、気体パルス
を発生させる手段との間で気体が連通する状態に置くことだけである。これは、
使用者にとって極めて好都合であり、したがって使用者は、貯蔵槽を液体で満た
したり、出口孔等を清掃したりする心配をする必要はない。実際、少なくとも本
発明のこの側面の好ましい態様においては、分注すべき液体との接触は、完全に
回避することができる。
【００１１】 他の好ましい集成装置においては、出口孔は、液体貯蔵槽の開口を閉じるため
に載置された別個の出口部材によって提供される。これは、液体貯蔵槽および出
口部材を異なる材料で作製することを可能にし、それぞれをその機能について最
適化し得るので、有利である。例えば、液体貯蔵槽の寸法は、比較的重要ではな
く、したがって、それは比較的安価に、例えば射出成形プラスチック成形品とし
て、作製されることができる。一方、出口部材の出口孔の寸法はより重要である
可能性が高く、例えばより厳しい許容誤差で、例えば金属で作製され得る。
【００１２】 上述のように、出口部材および液体貯蔵槽は、好ましくは一緒になってカート
リッジを形成し、そして、好ましい態様においては、複数のそのようなカートリ
ッジを含むカセットが提供される。したがって、更なる側面から見た場合、本発
明は、そこから液体を分注するための複数のカートリッジを含むカセットであっ
て、各カートリッジが、液体貯蔵槽および液体貯蔵槽の開口を閉じるために載置
された出口部材を含み、前記出口部材が、加圧された気体のパルスによって前記
液体がそれを通って押し出され得るを出口孔を提供する、カセットを提供する。
【００１３】 好ましくは、少なくとも前記カートリッジの液体貯蔵槽は、互いに統合されて
形成され、前記カセットを形成する。
【００１４】 いくつかの好ましい態様においては、出口孔は、突出しているノズル、例えば
毛細管を含む。このようなノズルの口径は、好ましくは０．０５乃至０．２ｍｍ
の範囲であり、最も好ましくは約０．１ｍｍである。ノズルの長さは、好ましく
は１乃至１５ｍｍの範囲であり、最も好ましくは５ｍｍである。
【００１５】 より好ましくは、出口孔は、液体貯蔵槽の壁にある隙間を含む。隙間は、所定
の圧力パルスが適用された場合に必要な容量の液滴を与えるように、大きさが選
択される。しかし、隙間は、貯蔵槽内の液体の表面張力がその隙間からの液体の
漏出を防ぐのに十分なほど、小さいものであるべきである。
【００１６】 本発明の第一および第二の側面によれば、隙間が設けられた液体貯蔵槽の壁は
、貯蔵槽と統合されていてもよいが、好ましくは、液体貯蔵槽の開口を閉じるた
めに載置された別個の壁部材である。
【００１７】 好ましいように、複数のカートリッジが一緒になってカセットを形成する場合
、それぞれがそれ自体のそのような壁部材を有してもよく、又は、カートリッジ
の二つ以上が各カートリッジのための隙間を有する壁部材を共有してもよい。
【００１８】 ただ一つの隙間を、その又は各液体貯蔵槽に提供してもよい。あるいは、隙間
の寸法を増大（そのことは、漏出のより大きな可能性をもたらし得る）させずに
分注され得る量を増大させるために、より多くの隙間を提供してもよい。
【００１９】 隙間は、どのような形状であってもよいが、最も都合が良いのは丸である。し
かし、より多量の液体が必要であるならば、例えば細長いスリットを用いること
ができる。
【００２０】 好ましい態様では、隙間は、２μｍと３００μｍとの間の幅、好ましくは約４
０μｍである。隙間がスリットであるならば、それは、例えば４０×５００μｍ
であることができる。
【００２１】 壁部材は、いずれかの適する材料、例えばプラスチック、金属、ガラス又はセ
ラミックスから製造されることができる。好ましくは、その部材は、その液体の
ためにその部材が使用されることが意図されているその液体とは、水に対して反
対の関係を有する。すなわち、好ましくは、その液体が疎水性である場合、その
部材は親水性であり、あるいはその逆である。その部材は、いずれかの適切な厚
さを有することができるが、好ましくは１０μｍと１０００μｍ（１ｍｍ）との
間であり、最も好ましくは約５０μｍである。
【００２２】 隙間は、適切な精巧な技術、例えばエッチング、電気メッキ、レーザー穿孔又
は機械穿孔により形成され得る。
【００２３】 壁部材は、その又は各液体貯蔵槽に、いずれかの適切な方法、例えば接着、超
音波溶接、摩擦溶接等により固定され得る。一つの好ましい態様においては、液
体貯蔵槽は、その開口端に向かって先細りになり、壁部材は、先細り末端を有す
る締り嵌め（ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ ｆｉｔ）内に押し込まれる。従って、
壁部材は、好ましくは液体貯蔵槽と同じ周縁形状を有し、最も好ましくは壁部材
は丸い。そのような場合の壁部材の直径は、好ましくは０.５ｍｍと６ｍｍとの
間であり、最も好ましくは約２ｍｍである。
【００２４】 一つのカートリッジ又はカセットの各カートリッジは、使用前に、適切な液体
、例えば、必要な場合、水中に溶解されている凍結乾燥された試薬で満たされ得
る。液体貯蔵槽が出口孔と隣接している本発明の好ましい態様は、管等のデッド
スペースに配慮するために必要とされる余分な量を必要とせずに、試薬の必要な
量だけを作ることができるので、このような状況において有利である。
【００２５】 上記したように、本発明によるカートリッジのカセットは、免疫検定法、細胞
検定法、薬のスクリーニングを含むがそれらに限定されない多くの用途に有用で
あり、そして、それらは、例えば、ＤＮＡ配列分析のために必要な四つのヌクレ
オチドの各々を含有するカートリッジを有するカセットを与えるので、「シーク
エンシング・バイ・シンセシス（Ｓｅｑｕｅｎｃｉｎｇ Ｂｙ Ｓｙｎｔｈｅｓ
ｉｓ）」としばしば呼ばれている方法を用いてＤＮＡを分析するために、特に有
用である。それゆえ、好ましくは、カートリッジは、それぞれ一種以上のヌクレ
オチドを含有する。単一のカセット中に複数のカートリッジを備える能力により
、配列分析プログラムに必要な試薬の完全なセットを提供することをさらに可能
にする。従って、さらに好ましくは、カセットのカートリッジは、それぞれ一つ
以上の酵素（より好ましくはポリメラーゼ、ルシフェラーゼ、アデノシン三リン
酸（ＡＴＰ）スルフリラーゼ、及びアピラーゼのようなヌクレオチド分解酵素を
含む群から選ばれる）を含有する。そのような一組の試薬は、国際出願公開ＷＯ
９８／１３５２３に述べられている遺伝子配列分析方法に特に有用である。本明
細書に記載されているように、実際、本発明が液体分注装置又はカセットを用い
る遺伝子配列分析方法にまで及ぼされることは、正しく理解されるであろう。
【００２６】 先に論じたように、先に記載した種類のカートリッジは、必要な場合には、使
用者により、適切な液体で満たされ得る。その代わりとして、一つのカートリッ
ジ又はカセットの各カートリッジは、適切な液体で予め満たされ且つ密封されて
おり、その密封（シール）は、気体パルス発生手段を含む装置にカートリッジに
載置されて破断される。好ましくは、その密封は、カートリッジをその装置に載
置させる行為により破断される。カートリッジの液体貯蔵槽の内部との気体の連
通を確立するための導管が、その密封を破断するのが有利である。
【００２７】 上記のことから、本発明の第一の側面に従って、装置により分注される液体を
含有する密封されたカートリッジは、それ自体新規ではないが、使用者には特に
便利であり、従って、更なる側面からみたときに、本発明は、その中に貯蔵され
た所定の液体を有する液体貯蔵槽であって、その一端が壊れ易い密閉手段によっ
て閉じられている当該貯蔵槽と、当該貯蔵槽に結合するか又は当該貯蔵槽と統合
的に形成され且つ当該貯蔵槽と液体で連通する出口孔とを含むカートリッジを提
供することが分かるであろう。
【００２８】 代替態様として、本発明は、試薬、好ましくはヌクレオチド又は酵素との組み
合わせにおける、液体貯蔵槽と、当該貯蔵槽に結合するか又は当該貯蔵槽と統合
的に形成され且つ当該貯蔵槽と液体で連通する出口孔とを含む、上述した液体分
注装置中における使用のためのカートリッジにも及ぶことがわかるであろう。
【００２９】 試薬、例えばヌクレオチド又は酵素は、適切な液体形状であることができ又は
凍結乾燥され得る。後者の場合には、水のような容易に入手できる希釈剤が用い
られ得、又はその代わりに、適切な希釈剤が組み合わせの一部として提供され得
もする。
【００３０】 壊れ易い密封手段は、好ましくは、貯蔵槽の上への開口を覆う、例えばアルミ
ニウムの箔膜を含む。これは、汚染されずに貯蔵槽中の液体を保持し、一方同時
に、例えば気体パルス発生手段と連結した気体ノズルによって突き刺すのが比較
的容易である、費用対効果のある方法である。
【００３１】 所定の液体は、好ましくはヌクレオチド又は酵素を含む。
【００３２】 酵素が提供される場合、予め充填されたカートリッジ中の所定の液体として又
は使用者により添加される別個の液体として、その酵素は、好ましくは、ポリメ
ラーゼ、ルシフェラーゼ、アデノシン三リン酸（ＡＴＰ）スルフリラーゼ、及び
アピラーゼのようなヌクレオチド分解酵素を含む群から選ばれる。
【００３３】 気体パルスを発生させる手段は、いずれかの適切な手段、例えば、容量の迅速
な低減を受けるために準備されたふいごを含み得る。しかし、好ましくは、その
パルス発生手段は、液体貯蔵槽に選択的に連通され得る加圧気体の供給源を含む
。そのような集成装置は、複数の液体貯蔵槽を駆動させるために加圧気体の単一
の供給源を用いることができ、それにより、多くのノズルの各々に駆動手段が個
々に備えられている集成装置に比べて費用を有意に節約させるので、特に有益で
ある。液体貯蔵槽を気体の供給源と選択的に連通させるための手段が、そのよう
な液体貯蔵槽の各々のために提供されるか、又は、液体貯蔵槽の二つ以上が、そ
れらの内容物が同時に分注されるように、単一の選択手段と連結され得る。
【００３４】 前記の選択的連通をもたらすために、好ましくは一つ以上のバルブが提供され
、好ましい態様では、電磁バルブが用いられる。電磁バルブは、機械的摩耗が殆
どなく、非常に迅速にかつ正確に操作され得るので、特に有利である。
【００３５】 好ましいように、液体を分注するための装置が、加圧気体の供給源を液体貯蔵
槽と選択的に連通させるための手段の形態で気体パルス発生手段を含む場合、加
圧気体の供給源は、その装置内に含まれ得る。最も好ましくは、加圧気体の供給
源は、加圧貯蔵槽を供給する圧縮機を含む。代替的には、その装置は、加圧気体
の外部供給源に連結するための気体入口を含む。どちらの場合においても、本発
明の装置は、好ましくは入ってくる気体の圧力を制御する手段を含み、それによ
り、発生されるパルスの振幅が正確に制御されるのを、従ってその結果として、
液体の容量が正確に制御されるのを可能にする。圧力制御手段は、機械的開放バ
ルブ等を含む。しかし、好ましくは、そのような手段は、貯蔵槽内又は気体入口
の圧力を監視するために用いられる圧力電子センサー、及び前記圧力を所定の範
囲内に維持するために、圧力センサーからの信号に応答して前記圧力を高くした
り低くしたりする手段を含む。
【００３６】 気体パルス発生手段は、好ましくは、１乃至１０００ミリ秒のパルス幅を有し
て、２００乃至１，０００ミリバール（２０乃至１００ｋＰａ）の範囲の振幅を
有する圧力パルスを発生する。これにより、５０ｎｌ乃至１，０００ｎｌ（１０
μｌ）の範囲の容量が、分注可能になる。
【００３７】 本発明のある好ましい態様が、添付の図面を参照して、単に実施例として、こ
こに記述される。
【００３８】 図１に戻り、参照番号１で一般に命名されたカートリッジカセットを含む液体
分注装置が見られる。このカセットは、八つのカートリッジ２を含み、そのうち
三つは図中で目に見える。各カートリッジ２は、遺伝子配列分析方法に使用され
る試薬４で部分的に満たされている。カートリッジの容量は約２ｍｌである。異
なる試薬４が、各カートリッジ２中に用意されている。具体的には、カートリッ
ジ２の四つは、四種の塩基、即ちシトシン、グアニン、アデノシン及びチミンの
、各一つのデオキシヌクレオチド三リン酸塩を含む。四つの更なるカートリッジ
２は、ポリメラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼ及びＡＴＰスルフリラーゼを
含む。しかしながら、同様に、カートリッジのいくつか又は全ては、同じ内容物
を含むことが出来る。
【００３９】 各カートリッジ２の端に、毛細管ノズル６がある。このノズルは０．１ｍｍの
口径を有する。描かれた態様においては、ノズル６は、カートリッジ２の残りと
統合的に、高分子から成型されている。しかし、カートリッジは、別個のノズル
を収容するための手段と共に形成され得る。
【００４０】 カセット１は、使用者がそれらを扱うことによる汚染からカートリッジ２を護
り、逆に、使用者を分注される液体又はとても細い、即ち鋭いノズル６に接触す
ることから護る、外部ケース８を有する。隙間１０は、液体を通過させるために
、ノズル６と整列されているカセットケース８の土台に備えられている。
【００４１】 カセット１の上端に、薄い金属箔１６が、カートリッジ２を密封するために、
それらの頂上を覆って提供されている。箔１６は、ケース８の側壁で形成された
カセット１の開放上端まで延びているが、箔１６の頂上の周りに直立した縁を残
すように、頂上の端から少しばかり下方にセットされる。
【００４２】 カセット１は、マイクロ・タイター・プレート（ＭＴＰ）１２の上で横に両方
向に動かせるキャリッジ（運送箱）１８内に取付けられる。ＭＴＰは、９６穴１
４を有し、それらの中の三つが示されている。カセット１は、実際、隙間のある
板２２上に置かれるように、下向きに先細になっているチャンバー２０中に収容
され、その隙間は、カセット中の隙間１０と、そしてカートリッジ１８が適切に
配置される時にはＭＴＰ１２の穴１４とも、一直線となっている。
【００４３】 カセット１は、カセットケース８の頂端で縁内部にぴったりと合う、ゴムシー
ル２４をその下面に有している蝶番で動く蓋３により、チャンバー２０中に保持
される。シール２４は、カートリッジ２が蓋３に関して密封されるのと同様にお
互いに関しても密封されることを確実にするようにも配列される。
【００４４】 蓋３中に固定されるのは、ずらりと並んだ穴あけカニューレ２８であり、それ
は、カートリッジ２の各々について一つである。これらのカニューレ２８は、鋭
い先端を有し、よって、蓋３がチャンバー２０中のカセット１上で下向きに蝶番
で動かされるとき、カニューレ２８が箔シール２８を貫く。カニューレの他方の
端は、各々、パイプ２６によって電磁バルブ（示されていない）（このバルブは
、予め決まった時間、パイプ２６を加圧気体の供給源に選択的につなげ、気体パ
ルスを発生させる）に接続されている。加圧気体は、イタリアのＦｉｎｉ，Ｚｏ
ｌａ，Ｐｒｅｄｏｓａ，Ｂｏから市販されているコンプレッサー型ＥＣ Ｇｅｎ
ｉｕｓ／Ｍ ２０２ ２３０５ ＥＵ．ＳＶ．Ｃによって発生させられる。
【００４５】 気体パルスは、計量された量の試薬４を、ノズル６を通ってカートリッジ２の
外に押し出し、ＭＴＰ１２上の対応する穴１４中に入れる。１０ミリ秒間の５０
０ミリバール（５０ｋＰａ）のパルスは、約２００ナノリットルの試薬を穴１４
に分注する。同時の分注も可能であり、例えば、いくつかの別個の一連の穴への
分注をキャリッジ１８を移動させずに行うことが出来るように、使用された差し
込まれた一連の穴を有する非常に多くの穴を有するプレートが使用された場合に
は、これは有用であり得るけれども、試薬は、一度にカートリッジ２の一つから
のみ分注される。
【００４６】 カートリッジ中の試薬が一旦使用されると、カセットは蓋３を開けることで簡
単に取除かれ、新しいものと取替えられ得、新しいシールは、カニューレ２８で
壊される。カニューレ２８も装置のその他固有の部分も、どの段階においても試
薬と接触しないため、汚染の機会は殆どなく、異なる試薬が使用されることとな
っている場合であっても、使用と使用との間に、装置を洗浄する必要はない。
【００４７】 図２は、本発明のもう一つの態様のカートリッジ３０の一部を示す。液体貯蔵
槽３２は、その下端３２ａで先細りとなっており、環状の縁３４で取り囲まれた
開口を形成していることが分かるであろう。貯蔵槽３２と縁３４は、射出成型さ
れたプラスチックで統合的に形成されている。底の開口は、薄い金属箔ディスク
３６（これは、穴あけで形成された中央の隙間を有する）で閉じられている。デ
ィスク３６は、液体貯蔵槽３２の端に押しつけられ、それにより、液体を漏らさ
ない締り嵌めを形成している。ディスクは、直径が２ｍｍで、５０μｍの厚みで
ある。隙間は、本質的に、直径が約４０μｍの円である。これは、貯蔵槽３２か
らの液体のいかなる漏出をも防ぐのに十分なほど小さい。
【００４８】 この態様は、毛細管の口径に比べて隙間の寸法を正確に制御することはより容
易であり、更に、潜在的に危険な鋭い先端がないという更なる利益を有すること
が正しく理解されるであろうけれども、既に述べた態様と全く同じ方法で作動す
る。
【００４９】 いくつかのカートリッジを含むカセットを有する本発明の態様が記載されたが
、本発明は、いくつかのカートリッジを使用することに限定されず、その代わり
に単一のカートリッジ貯蔵槽が使用され得ることは、当業者によって理解される
であろう。さらに、液体貯蔵槽は、除去可能である必要はなく、その代わりに、
装置の統合部分であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明に従うカートリッジのカセットと液体分注装置の概略図である
。
【図２】 図２は、本発明の第二の態様に従うカートリッジの断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ， ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，Ｋ Ｐ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ， ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，Ｓ Ｇ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 2G052 AA33 AD06 AD46 CA11 CA18 CA31 CA38 HC25 JA07 2G058 CA01 CC02 EB15 EB21 EB22 ED11 ED21

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 カセットが、そこから液体を分注するための複数のカートリッ
    ジを含み、各カートリッジが、液体貯蔵槽および液体貯蔵槽内において開口を閉
    じるために載置された出口部材を含み、当該出口部材が、加圧された気体のパル
    スによって前記液体がそれを通って押し出され得るを出口孔を提供する、カセッ
    ト。
  2. 【請求項２】 少なくとも、前記複数のカートリッジの複数の液体貯蔵槽が互
    いに統合的に形成されている、請求項１のカセット。
  3. 【請求項３】 前記出口孔が前記出口部材中に隙間を含む、請求項１又は２の
    カセット。
  4. 【請求項４】 前記出口孔が突出しているノズルを含む、請求項１又は２のカ
    セット。
  5. 【請求項５】 液体分注装置が、液体貯蔵槽、出口孔、および液体を当該出口
    孔を通して押し出すための追出し手段を含み、当該追出し手段が、液体をその出
    口孔を通して押し出すために貯蔵槽内の液体に衝突する気体のパルスを発生させ
    るための手段を含む、液体分注装置。
  6. 【請求項６】 前記出口孔が、その又は各液体貯蔵槽と統合的に形成されてい
    る、請求項５の装置。
  7. 【請求項７】 前記出口孔が、液体貯蔵槽内において開口を閉じるために載置
    された別個の出口部材によって提供される、請求項５の装置。
  8. 【請求項８】 前記出口孔および液体貯蔵槽が、プラスチックから成形されて
    カートリッジを形成する、請求項５、６又は７の装置。
  9. 【請求項９】 カセットを含む請求項８の装置であって、当該カセットが複数
    の前記カートリッジを含む、装置。
  10. 【請求項１０】 前記パルス発生手段が、液体貯蔵槽と選択的に連通され得る
    加圧された気体の供給源を含む、請求項５乃至９のいずれかの装置。
  11. 【請求項１１】 前記の選択的連通をもたらすために、一つ以上の電磁バルブ
    が提供される、請求項１０の装置。
  12. 【請求項１２】 前記気体パルス発生手段が、２００乃至１０００ミリバール
    （２０乃至１００ｋＰａ）の範囲の振幅を有するパルスを発生させるように設定
    されている、請求項５乃至１１のいずれかの装置。
  13. 【請求項１３】 前記気体パルス発生手段が、１乃至１０００ミリ秒の範囲の
    幅を有するパルスを発生させるように設定されている、請求項５乃至１２のいず
    れかの装置。
  14. 【請求項１４】 その又は各出口孔が突出しているノズルを含む、請求項５乃
    至１３のいずれかの装置。
  15. 【請求項１５】 前記出口孔が液体貯蔵槽の壁に隙間を含む、請求項５乃至１
    ３のいずれかのカセット又は装置。
  16. 【請求項１６】 前記隙間が２μｍと３００μｍとの間の幅を有する、請求項
    ３又は１５のカセット又は装置。
  17. 【請求項１７】 カセットが、そこから液体を分注するための複数のカートリ
    ッジを含み、各カートリッジが、突出しているノズルの形態の出口孔および出口
    孔と統合的に形成された液体貯蔵槽を含む、カセット。
  18. 【請求項１８】 その又は各液体貯蔵槽が、ある量の液体を含み、且つ、その
    一端が壊れ易い密封手段によって閉じられている、請求項１乃至１７のいずれか
    の装置又はカセット。
  19. 【請求項１９】 カートリッジが、その中に貯蔵された所定の液体を有する液
    体貯蔵槽であって、その一端が壊れ易い密封手段によって閉じられている当該貯
    蔵槽と、当該貯蔵槽に結合するか又は当該貯蔵槽と統合的に形成され且つ当該貯
    蔵槽と液体で連通するノズルとを含む、カートリッジ。
  20. 【請求項２０】 前記の壊れ易い密封手段が箔膜を含む、請求項１８又は１９
    の装置、カートリッジ又はカセット。
  21. 【請求項２１】 前記液体貯蔵槽がヌクレオチド又は酵素を含む、請求項１乃
    至２０のいずれかの装置、カートリッジ又はカセット。
  22. 【請求項２２】 前記の液体を貯蔵している貯蔵槽が、ポリメラーゼ、ルシフ
    ェラーゼ、アデノシン三リン酸（ＡＴＰ）スルフリラーゼ、およびアピラーゼの
    ようなヌクレオチド分解酵素からなる群から選択された酵素を含む、請求項２１
    の装置、カートリッジ又はカセット。
  23. 【請求項２３】 請求項１乃至４又は１５乃至２２のいずれかのカセット又は
    カートリッジを含む、液体分注装置。
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