JP2002540298A - リファイニング素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 繊維材料を加工するためのディスク形リファイナー用リファイニング素子であって、前記リファイニング素子（１０）は上面（１３）及び端部（１４）を持つバー（１１）と中間溝（１２）のパターンで形成されている。前記したバー（１１）の上面（１３）には、異なる高さに位置する少なくとも２つの縦方向端部（１４，１８，２４）がバー上に形成されるように少なくとも１つのステップ（１７，２０，２１，２２，２３）が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、相互に回転する対向リファイニングディスクを有するディスク形リ
ファイナーに関する。リファイニングディスクは複数のリファイニング素子を備
えており、これらのリファイニング素子の間には繊維材料を加工するためのリフ
ァイナーゾーンを有するリファイナー間隙が形成されている。好ましい繊維材料
はリグノセルロース繊維材料であり、リファイナーは、例えばリジェクトパルプ
、再利用繊維パルプ、機械パルプ（例えば、ボードパルプ、サーモメカニカルパ
ルプ（ＴＭＰ）及びケミカル−サーモメカニカルパルプ（ＣＴＭＰ））、及び化
学パルプを製造するために使用されている。

【０００２】 本発明は、より詳しくは、上記タイプのリファイナーに使用するためのリファ
イニング素子に関する。

【０００３】 リファイニング素子は、バー及び中間溝のパターンで設計されている。前記バ
ー及び溝は、加工する繊維材料、加工度、及びリグノセルロース材料の場合には
所望するパルプ品質に応じて各種方法で形成されている。例えば、バーは連続で
も非連続でもよく、異なるパターンで配置され得る。

【０００４】 リファイナー間隙は、半径方向に見て繊維材料が内側から外に通過するように
設計されている。リファイナー間隙の最も遠い内側で、リファイニング素子は通
常材料をまず砕解し、材料をリファイナー間隙中を更に外側に送るように設計さ
れている。離解、すなわちリグノセルロース材料の繊維の分離も、リファイニン
グ面間の距離が最大であるリファイナー間隙の内側部分でも起こる。その後、繊
維材料を所望通りに加工するために前記距離は外に向かって狭くなる。

【０００５】 繊維材料の加工は、実質的にリファイニング素子のバーで実施される。よって
、バーの設計はパルプの品質のために非常に重要である。パルプの品質に影響を
及ぼす他の因子は、例えばリファイナー間隙の大きさ、繊維材料中の液体含量、
供給量、温度等である。

【０００６】 前記バーは端部を持つ上面を有する。繊維材料の加工時に、バー、特にその端
部が摩耗し、よって端部は丸くなる。１つのリファイナーディスクが固定されて
いる場合、そのバーはしばしば最も激しく摩耗される。なぜならば、繊維材料と
固定リファイナーディスクの間のスピードの差が繊維材料と回転リファイナーデ
ィスクの間のスピードの差よりも大きいからである。

【０００７】 摩耗は、特に、繊維材料と一緒に砂や他の硬い異物がリファイナーに、よって
リファイナー間隙に入り込み、これらがリファイニング素子のバーと繰り返し接
触するために起こる。

【０００８】 リファイナーディスクは、通常相互に最高３，０００回転数／分の回転速度を
有し、リファイナー間隙は通常約０．２〜２ｍｍの大きさを有する。リファイナ
ー間隙よりも大きい直径を有する硬い異物がリファイニング素子を大きく損傷す
るだけでなく、小さな粒子もリファイニング素子を摩耗させる。

【０００９】 摩耗のためにバー前端が丸くなると、所望の品質を有するパルプを製造するた
めのエネルギー要求量が増大する。加工度、よってパルプ品質はリファイナー間
隙に依存し、このリファイナー間隙の大きさは所望のパルプ品質を得るためにコ
ントロールされている。バー端部がより多く、不均一に摩耗すると、所望のパル
プ品質を維持するために問題が生ずる。これは、リファイニング素子を交換しな
ければならないことを意味する。

【００１０】 バーの摩滅は、繊維材料がしばしば多くの不純物（例えば、石や砂）を含んで
いる繊維パルプを製造するときには特に重大な問題である。リファイニング素子
が摩耗したときには該リファイニング素子を交換しなければならず、これにより
工程を中断せざるを得ない。よって、バー端部の鋭角さをできる限り長く維持す
ることが望ましい。

【００１１】 本発明は上記した問題を解決する。よって、本発明によれば、エネルギー要求
量を増大させずに、パルプ品質を維持しながらリファイニング素子を長期間使用
することが可能である。バーの上面に少なくとも１つのステップを形成すること
により、異なる高さに位置する少なくとも２つの縦方向端部が形成される。これ
は、最初最上部の端部が機能し、摩耗することを意味する。最上部の端部が次第
に摩耗するので、端部での作業はステップ上の直ぐ下に位置するバー端部に引き
継がれる。こうして、リファイニング素子の実用寿命を実質的に延長し得る。

【００１２】 前記ステップは、例えば棒の全長に沿って延びていてもよく、また棒の縦方向
にステップなしの小部分により分割されていてもよい。各ステップのバーの上面
への深さはバーに沿って一定でも異なっていてもよい。前記ステップはバーの片
側または両側に形成され得る。１つのステップがバー上に設けられていることが
好ましいが、場合により２つ以上のステップを形成してもよい。

【００１３】 ステップがバーの片側にのみ形成されているときには、リファイニング素子を
備えているリファイナーディスクの回転方向を変更することはできない。しかし
ながら、強度の点で、これが好適な設計である。

【００１４】 本発明の特徴は請求の範囲から明らかである。

【００１５】 以下、本発明の幾つかの具体例を示す添付図面を参照しながら本発明をより詳
細に説明する。

【００１６】 図１は、バー及び中間溝のパターンを有するリファイニング素子の正面図であ
る。

【００１７】 図２〜図５は、異なるデザインを持つバーの上面を示す。

【００１８】 図６は、図２〜４のバーの断面図である。

【００１９】 図７は、図５のバーの断面図である。

【００２０】 図１には、バー１１及び中間溝１２のパターンを有するリファイニング素子１
０が示されており、前記バーは上面１３及び端部１４を有する。前記パターンは
内部ゾーン１５と外部ゾーン１６の２つのゾーンに分かれている。内部ゾーンの
バー及び溝は外部ゾーンのものよりも粗い。内部ゾーンのバーは、まず材料を砕
解し、材料を外部ゾーンに外側へ送るためのものである。外部ゾーンのバーはよ
り密に配置されており、これは材料を実質的に離解し、加工するためにバー端部
がより多いことを意味する。前記パターンがより多くのゾーンを含んでいてもよ
く、この場合パターンは通常１つのゾーンから別のゾーンに外向き放射状に密に
作成されている。

【００２１】 図２には、本発明のリファイニング素子上のバー１１の具体例が示されている
。バー１１に沿って、バーの上面１３の下向きに位置するステップ１７が延びて
いる。レベルの違いは１〜数ｍｍであり、好ましくは２〜５ｍｍである。よって
、異なる高さに位置する２つの縦方向端部、すなわちバーの上面上の端部１４及
びステップ１７上の端部１８が形成されている。ステップ１７はバー中に一定の
深さを有するが、バー１１の強度を改善するためにバーに沿ってステップなしの
複数の小部分１９により分割されている。ステップ１７からバー上に位置するレ
ベルまでの転移部は、バーに対して最適の強度を与えるために図６に示すように
丸いことが適当である。

【００２２】 図３には、バーの別の具体例を示す。図２とは、ステップ２０のバーの上面１
３への深さがバーに沿って異なる点で異なっている。

【００２３】 図４には、バー１１の両側上にステップ２１を有する具体例が示されている。
これは、バーを有するリファイニング素子が両方向に回転し得ることを意味する
。

【００２４】 図５及び図７には、異なるレベルに２つのステップ２２，２３を有するバーの
代替具体例が示されており、バー上には下方ステップ２３にもう１つの端部２４
が形成されている。勿論、リファイニング素子に対してバーの図示具体例を適当
に組み合わせることも可能である。

【００２５】 本発明に従って設計したバーはリファイニング素子の任意のゾーンに配置され
得るが、離解及び加工が最も集中的であり、対向するリファイニング素子間の距
離間が最短である（すなわち、リファイナー間隙が最小である）外部ゾーンに配
置されることが好ましい。

【００２６】 勿論、本発明は図示した具体例に限定されず、請求の範囲内で詳細説明及び図
面を参照して変更可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 バー及び中間溝のパターンを有するリファイニング素子の正面図である。

【図２】 異なるデザインを持つバーの上面を示す。

【図３】 異なるデザインを持つバーの上面を示す。

【図４】 異なるデザインを持つバーの上面を示す。

【図５】 異なるデザインを持つバーの上面を示す。

【図６】 図２〜４のバーの断面図である。

【図７】 図５のバーの断面図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年１０月１８日（２０００．１０．１８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ 【要約の続き】

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面（１３）と端部（１４）を持つバー（１１）及び中間溝
   （１２）のパターンで形成されている繊維材料を加工するためのディスク形リフ
   ァイナー用リファイニング素子（１０）であって、前記バー（１１）の上面（１
   ３）には異なる高さに位置する少なくとも２つの縦方向端部（１４，１８，２４
   ）がバー上に形成されるように少なくとも１つのステップ（１７，２０，２１，
   ２２，２３）が形成されていることを特徴とする前記リファイニング素子。
2. 【請求項２】 すべてのステップ（１７）がバー（１１）の全長に沿って延
   びていることを特徴とする請求項１に記載のリファイニング素子。
3. 【請求項３】 すべてのステップ（１７，２０，２１，２２）がバーの縦方
   向にステップなしで複数の部分により分割されていることを特徴とする請求項１
   に記載のリファイニング素子。
4. 【請求項４】 すべてのステップ（１７，２２，２３）がバー（１）の上面
   （１３）中に一定の深さを有していることを特徴とする請求項１〜第３項のいず
   れか１項に記載のリファイニング素子。
5. 【請求項５】 すべてのステップのバーの上面中への深さがバーに沿って異
   なっていることを特徴とする請求項１〜第３項のいずれか１項に記載のリファイ
   ニング素子。
6. 【請求項６】 ステップがバーの片側にのみ形成されていることを特徴とす
   る請求項１〜第５項のいずれか１項に記載のリファイニング素子。
7. 【請求項７】 ステップがバーの両側に形成されていることを特徴とする請
   求項１〜第５項のいずれか１項に記載のリファイニング素子。