JP2002539732A - セルラ通信システムにおける通信資源の時分割 - Google Patents

セルラ通信システムにおける通信資源の時分割

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Abstract

(57)【要約】 時分割二重セルラ通信システムにおいて、第1オペレータにより制御される第1の満負荷状態の基地局(13)が、第2オペレータにより制御される第2基地局(15)の未使用資源を活用することを可能にする装置および方法である。第1基地局(13)は、第2基地局(15)のブロードキャスト・チャネルを監視し、時間フレーム構造内にあり、第2基地局(15)が使用しない被割当搬送周波数における時間スロットを識別する。次に基地局(13)は、新たな時間フレーム構造を計算し、第2基地局(15)の動作との競合を避けるような時間スロットの間に被割当周波数において加入者(17)との通信リンクを開設する。本発明は、異なるオペレータの基地局(13,15)の同期を必要としないという利点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、セルラ通信システムに関し、詳しくは通信サービス・オペレータ間
で資源を共有する手段に関する。
【0001】 (従来の技術) セルラ通信システムにおいては、複数の基地局が複数の遠隔加入者ユニットに
対して、無線データ伝送サービスを提供する。各基地局は、基地局に近接する特
定の地域すなわち「セル」を定義して、カバレージ・エリアとする。基地局から
加入者ユニットへの通信リンクをダウンリンクと称する。逆に、加入者ユニット
から基地局への通信リンクをアップリンクと称する。
【0002】 多重接続技術により、いくつかの加入者ユニットから1つの基地局への同時送
信が可能になる。
【0003】 多重接続技術の1つは、拡散スペクトル信号化を採用する符号分割多重接続(
CDMA:code division multiple access)として知られる。CDMA通信網内の個々
のユーザは同じ搬送周波数を利用するが、個別の拡散コードを利用することによ
り分別される。そのため、無線スペクトルの部分内の複数の拡散コードを利用し
て、複数の通信チャネルが割り振られ、各コードは、1つの加入者ユニットに一
意的に割り当てられる。
【0004】 別種の多重接続技術は、時分割多重接続(TDMA:time division multiple acc
ess)法である。さらに、TDMAとCDMAの両者を組み合わせた方法もある。
【0005】 TDMAシステムにおいては、通信チャネルは、同一の搬送周波数上の周期的な一
連の時間間隔における時間スロットにより構成される。時間スロットの各期間を
フレームと呼ぶ。ある信号エネルギは、これらのスロットのうちの1つに制限さ
れる。
【0006】 本発明が適応可能なTDMA法の1つは、時分割二重(TDD:time division duple
x)と呼ばれ、同一の搬送周波数がアップリンクとダウンリンクの両方に用いら
れる。反復する時間フレームは、この場合、アップリンク方向で用いられる時間
スロットを伴う間隔と、ダウンリンク方向で用いられる時間スロットを伴う別の
間隔とに分割される。アップリンク送信またはダウンリンク送信に対する時間ス
ロットの割り振りは、ある特定の時刻に対応することを要求される加入者ユニッ
ト数を考慮に入れて基地局により制御され、この時間フレーム構造が通信サービ
スを要求している各加入者ユニットにブロードキャストされる。
【0007】 図1は、この反復する時間フレーム構造の概念を図示する。2つの反復フレー
ム1,2が複数の時間スロット3に分割される。各フレームの部分4の間は、基
地局は送信モードとなり、各移動加入者ユニットは受信モードになる。各フレー
ムの部分5の間に、基地局は受信モードになり、各加入者ユニットは送信モード
になる。動作モードが換わる点を、切換点6と呼ぶ。
【0008】 図1の例では、時間スロット7,8,9が第1加入者ユニットとの通信に割り
振られ、時間スロット10,11,12が第2加入者ユニットとの通信に割り振
られる。残りの時間スロットを利用し、さらには前述のCDMA法を採用することに
より、同じ1つの搬送波上でより多くの加入者ユニットに対応することができる
【0009】 もちろん、特定の時刻において1つの基地局が対応することのできる加入者ユ
ニットの数は有限であり、ときには需要がこの限界を超えることもある。
【0010】 特定の地域全体に2つ以上の通信サービス・オペレータにより同様の通信サー
ビスが提供されることが多い。個々のユーザは、利用可能なオペレータ・サービ
スのうち1つに加入することを選択するので、このユーザの加入者ユニットは、
選択したオペレータの制御下でその基地局としか通信ができないことになる。
【0011】 無線スペクトルは有限であるので、各オペレータには無線周波数スペクトルの
部分が割り振られる(割り振りは、特定の管理団体により制御されることが多い
)。
【0012】 たとえば、第1オペレータにはTDD通信システムで利用する周波数f1が割り振
られ、第2オペレータにはTDD通信システムで利用する周波数f2が割り振られる
とする。第1オペレータも第2オペレータも、同じ地域内のそれらの加入者を支
援するために設置される基地局を有する。すなわち、それぞれのセルが隣接した
り、あるいは互いに重複することもありうる。特定の時刻に、第1オペレータの
基地局の負荷が満杯になり、一方で同じ地域で動作する第2オペレータの基地局
が充分に活用されない、すなわち利用可能な時間スロットがあるということもあ
りうる。このような場合、第1オペレータに属し、負荷が満杯の基地局に接続を
試みる加入者ユニットは、サービスを拒絶されることになる。もし、周波数f2上
の第2オペレータの基地局の未使用の資源の一部を利用することができれば、こ
の加入者ユニットにとっては有益である。しかし、問題の加入者ユニットは第2
オペレータの加入者ユニットではないので、周波数f2上で第2オペレータの基地
局と通信することができない。
【0013】 本発明は、未使用の資源を再度割り振り、負荷が過剰になった資源を補足する
ことができるようにする手段を提供することを目的とする。
【0014】 (発明の概要) よって、本発明は:少なくとも1つの加入者ユニットに通信サービスを提供す
る第1基地局であって、割り当てられた搬送周波数と、第2基地局が提供する通
信資源の複数の時間スロットによって構成される割り当てられた時間フレームと
に関する情報を受信する手段;通信資源によって構成される未使用時間スロット
を識別する手段;および未使用の時間スロットの間に割り当てられた搬送周波数
において加入者ユニットと通信を開設する手段;を具備する第1基地局によって
構成される。
【0015】 これで、本発明により、過剰負荷の基地局は他のオペレータが制御する近隣基
地局の未使用資源を利用することができる。第1基地局が未使用の第2基地局の
資源を識別すると、未占有の時間スロットを用いて、自身の加入者ユニットの1
つにサービスを提供することができる。搬送周波数と未使用資源の時間フレーム
構造とに関する情報を受信すると、第1基地局は新たな切換点を含む新しい時間
フレーム構造を計算することができる。第1基地局は待機中の加入者ユニットに
対して、それが使用する搬送周波数の値と共に、その切換点を送信することがで
きる。次に、加入者ユニットと第1基地局との間に、第2基地局に関わる被割当
搬送周波数において通信が開設される。第1基地局は、それ自身に以前割り当て
られた周波数においても、それ自身の以前に割り当てられた時間フレームにより
動作を続行する。
【0016】 本発明は、2つの独立するオペレータが互いに基地局に密接に同期することを
求めないという利点を有する。
【0017】 被割当搬送周波数と被割当時間フレーム構造とに関する情報を受信する手段は
、第2基地局のブロードキャスト・チャネルを監視するよう構築することもでき
る。
【0018】 第1基地局は、第2基地局の資源が利用可能であるか否かを判断する手段をさ
らに備えることもある。これは、いくつかの形式のうちの1つをとる。たとえば
、第1基地局は、第2基地局が現在充分に活用されていないことを知らせる、第
2基地局からの専用送信を受信するよう構築することができる。この専用送信は
、無線通信、または、たとえば2つの基地局間のハード配線リンクを介する送信
とする。あるいは、第1基地局にある条件をデフォルトとするよう予めプログラ
ミングして、第2基地局からの専用送信を受信しない場合には資源が現在利用可
能であると想定することもできる。
【0019】 オプションで、第1基地局には、以前使用可能であった資源がもはや利用でき
なくなると、第2基地局からのメッセージを受信する手段をさらに備えることも
できる。
【0020】 好ましくは、第1基地局は、たとえば、ブロードキャスト・チャネルを監視す
ることにより、第2基地局の活動を随時監視するようにして、第2基地局により
他の加入者ユニットとの通信が設定された場合、それを検出できるようにする。
これによって、第1基地局は、新たな時間フレーム構造を再構築して、別の加入
者ユニットとの競合を回避することができる。
【0021】 オプションで、本発明は、第2基地局が現在第1基地局が利用している時間ス
ロットを要求する場合は、これらの時間スロットを第1基地局が確実に返上する
ようにする複数のフェール・セーフ・モードを提供する。
【0022】 これを行う1つの方法は、第1基地局が(たとえば第2基地局のブロードキャ
スト・チャネルを監視することにより)、このような時間スロットが第2基地局
と通信するユーザに再割当された、すなわちフレーム構造が変化したことを検出
するものである。これを検出すると、第1基地局は、これらの時間スロット上で
通信している加入者ユニットとの通信を短縮するか、あるいは加入者ユニットを
他の時間スロットまたは他の利用可能な資源に再度割り当てるようにする。代替
法では、第2基地局からの専用送信を第1基地局で受信して、第1基地局に、特
定のあるいはすべての時間スロットがもう利用できなくなることを知らせる。
【0023】 エラーがあり、第2基地局のブロードキャスト・チャネルが第1基地局により
受信されない場合に対処するために、第1基地局には、第2基地局の資源の利用
を短縮することにより、受信ができないことに反応する手段をさらに備えること
もできる。
【0024】 オプションで、第1基地局に、第3基地局に利用可能となる自身の通信資源の
被割当周波数と被割当時間フレーム構造に関する情報を送信する手段を備えるこ
ともできる。また、オプションで、利用可能な資源があるか否かを示す手段を備
えることもできる。さらに、資源がもう利用できなくなった場合、それを第3基
地局に知らせる手段を備えることもできる。
【0025】 2つの近接する基地局が同じ周波数上で動作する場合に起こりうる潜在的な干
渉の問題は、本発明の更なるオプションの機能により克服することができる。
【0026】 たとえば、第1基地局が第2基地局に割り当てられている搬送周波数f2上に利
用可能な時間スロットを識別したとする。本発明により、第1基地局は周波数f2
上に加入者ユニットとの通信リンクを開設する。しかし、加入者ユニットが第2
基地局にあまりに近接して位置するので、第2基地局が(第1基地局に加えて)
その送信を検出することができる場合を想定する。第2基地局と第1基地局が互
いに充分に近接すると、周波数f2上の第1基地局の送信を第2基地局も等しく検
出することができることに注目されたい。第1基地局の新しいフレーム構造の時
間スロットの端が第2基地局に割り当てられるフレーム構造の端と正確に一致す
る場合、第2基地局は加入者ユニットが送信中は受信しない(また、その逆)の
で干渉は起こらない。しかし、第1基地局が拾う第2基地局からのブロードキャ
スト・チャネルの伝播遅延のために、第1基地局は第2基地局に割り当てられる
フレーム構造の時間スロットの端を精密に計算することができない。従って、第
2基地局の時間スロットの端と、新しいフレーム構造内の第1基地局の時間スロ
ットの端との間に重複が起こる可能性がある。よって、干渉が起こるメカニズム
が存在する。この問題は、第1基地局が、未使用の時間スロットのうち一部では
なくすべてを利用しようと試みる場合に、よく起こりうる。
【0027】 第1基地局が伝播遅延がどのようなものかを正確に認識していれば、もちろん
、時間スロットに必要な調整を加えることができる。
【0028】 伝播遅延を認識していない場合は、第1基地局において、時間スロット間にガ
ード期間を設定する手段を設けることで、本発明はこの問題を解決する。
【0029】 好ましくは、ガード期間は、1スロットが第1基地局により利用され、第2ス
ロットが第2基地局により利用される2つの隣接するスロット間に設定される。
【0030】 ガード期間の長さは、伝播遅延により決まる。これは、第1基地局がその近隣
セルのサイズを認識している場合は、第1基地局によりほぼ推定することができ
る。たとえば、ピコセル・システムのガード期間は、マクロ・セル・システムの
場合よりもかなり短い期間に設定することができる。
【0031】 搬送周波数f2上の第1基地局と加入者ユニットとの間の送信が、第2基地局と
f2上の自身の加入者の1つとの間との送信を干渉する確率を下げるためには、第
1基地局により利用され、第2基地局が利用する時間スロットと連続する時間ス
ロットが、同様に割り当てられる、すなわち連続スロットの対が両方とも、アッ
プリンク・スロットあるいはダウンリンク・スロットとなることが好ましい。
【0032】 従って、第1基地局内に、第2基地局の被割当時間フレーム構造により未使用
時間スロットがアップリンク送信となるかダウンリンク送信となるかを判断し、
それに従って未使用時間スロットを設定する更なるオプションの手段が設けられ
る。
【0033】 こうすることで、第1基地局は、第2基地局に重大な干渉の問題を起こすこと
なく、アップリンク/ダウンリンクの非対称度が可変するトラフィックを処理す
ることができる。
【0034】 充分に活用されていない基地局内のできるだけ多くの時間スロットを解放して
過負荷の基地局が利用できるようにするために、本発明は更なるオプションを提
供する。これによって、第1基地局(以下の説明では充分活用されない基地局と
見なす)内に、フレーム全体に拡散せずに切換点周辺に使用済みの時間スロット
を集中させるための手段を提供する。これで、過負荷の基地局が1つ以上の加入
者ユニットに割り振るための連続した未使用時間スロットの長い期間を確実に得
ることができる。このように大きな1つの期間を有することで、1つ以上の加入
者ユニットとの通信リンクの管理がより容易になる。また、これは挿入するガー
ド期間が少なくて済むことも意味する。
【0035】 アップリンク上の不充分な活用状態の基地局の負荷を軽減するさらに別の方法
であって、CDMA−TDDシステムに特に有用である方法は、以下の通りである。中
間的なデータ速度のサービスを利用する加入者が、フレーム毎に利用可能なすべ
てのスロットを割り振られ、単独の符号送信法を用いることは普通である。(こ
れは、加入者ユニットが送信する信号のピーク対平均比が大きくなるのを避ける
ために行われる。これは、加入者ユニット内の送信機電力増幅器の非効率的動作
と、それによるバッテリの枯渇を必然的に伴う)。ピーク対平均比が大きくなら
ないようにしながらアップリンク・スロットの一部を解放するために、本発明は
、より少ない時間スロット上で拡散計数を軽減した送信を利用することを加入者
ユニットに命令するオプション手段と、このような送信を受信する手段とをさら
に提供する。しかし、より低い拡散計数を利用するだけでは、スロット毎に用い
られるビット速度が大きくなり、そのために利用できるビット速度の粒度が大き
くなる。従って、利用可能なビット速度の粒度を小さくするために、第1基地局
は、加入者ユニットに対してフレーム毎ではなく1フレームおきに特定の時間ス
ロットを送信することを命ずる更なる手段をオプションで提供する。この原則は
、特定の時間スロットを「N」フレームおきに(ただし「N」はオペレータの選
択した整数)送信することにより、さらに生かされる。あるいは、利用可能なビ
ット速度の粒度は、加入者ユニットが送信に用いる部分集合(全部ではなく)ス
ロットに亘り、拡散計数をより低くすることで小さくすることができる。同じ原
則を第1基地局からの送信に適応して、ダウンリンク上のスロットも解放するこ
とができる。しかし、ピーク対平均の不均衡が、基地局にとって問題となること
は少ない。このオプションは、たとえばインターネット・サイトからの情報のダ
ウンロードなど、遅延の負担をあまり受けない送信に向く。
【0036】 本発明の更なるオプションの機能は、第1基地局において、第2基地局による
利用が可能になり、第1基地局によりそれ自身の加入者が利用できるよう割り当
てられた時間スロットを、その新たに計算された切換点周辺に集中させる手段を
提供する。第1基地局が自身のフレーム構造を再調整した後の時間スロットの再
割振がより容易にできるので、これは有利である。
【0037】 更なる好適な機能は、第1(過負荷の)基地局においてその新しい切換点を、
第2基地局(活用が充分でない基地局)の切換点からは離れた第2基地局の時間
フレーム内に割り当てる手段を提供する。この機能は、活用が不充分な基地局に
おいて使用済みの時間スロットをその切換点周辺に集中させる機能と結びついて
、過負荷の基地局が時間スロットを再度割り振らねばならない、あるいは別のユ
ーザが活用が不充分な基地局に接続すると既存の接続を切らなければならなくな
る確率を小さくする。
【0038】 本発明は、Eメール・メッセージのダウンロードやインターネット/ウェブの
ブラウジングなど、送信/受信の遅延に許容範囲の広い通信サービスに特に適す
ることが当業者には認識頂けよう。
【0039】 (好適な実施例の説明) 図2において、第1基地局13は、搬送周波数f1上で複数の移動加入者ユニッ
ト14(わかりやすくするために2つしか図示しない)に対する通信サービスを
支援する。
【0040】 第1基地局13とは異なるサービス・オペレータが操作する第2近隣基地局1
5が、搬送周波数f2上で1つの移動加入者ユニット16との呼を支援する。第2
基地局15は、第1基地局13が受信することのできるブロードキャスト・チャ
ネル(BBCH)も送信する。
【0041】 この例では、第1基地局に割り当てられる時間フレーム内のすべての時間スロ
ットが利用されるが、第2基地局の時間スロットは少数のものしか利用されない
(詳しくは移動加入者ユニット16のみ)。
【0042】 第1基地局13のオペレータにより提供されるサービスに加入する更なる移動
加入者ユニット17が第1基地局13からのサービスを要求すると仮定する。第
1基地局13は、すべての時間スロットが満杯であるために、搬送周波数f1上で
サービスを提供することができない。ゆえに、第1基地局13は、第2基地局1
5が利用していない時間スロットの間に、搬送周波数f2上に新たな移動加入者ユ
ニット17とのリンクを開設する。
【0043】 図3を参照して、基地局13は、基地局13と移動加入者ユニットとの間に通
信信号を受信および送信するアンテナ18によって構成される。アンテナ18の
出力は、デュプレクサ19を介して、受信機20,検出器21および送信機22
に接続される。検出器21の出力は、処理モジュール23の第1入力に送られ、
第2出力は受信機20に接続される。受信機20の出力は、時間スロット識別モ
ジュール24と、処理モジュール23の第2入力とに送られる。時間スロット識
別モジュール24の出力は、処理モジュール23の第3入力に送られる。
【0044】 処理モジュール23は、3つのサブモジュールによって構成される。第1サブ
モジュール25は、時間フレーム構造と切換点を計算するよう構築され、ガード
期間を計算済みのフレーム構造に挿入する第2サブモジュール26と、検出器2
1とからの入力を受信する。第1モジュール25の出力は、送信機22に送られ
る。処理モジュール23を構成する第3サブモジュール27は、受信機の出力か
ら搬送周波数を引き出し、それを送信機22に送る。
【0045】 基地局13は、送信機22を介した基地局13からの送信にフレーム構造を割
り当てるモジュール28も備える。
【0046】 図3に示されるすべての構成部品は、従来の無線およびソフトウェア・エンジ
ニアリング技術を利用して実現することができる。
【0047】 図3の基地局13の動作は以下のようになる。基地局13には加入者14との
すべての通信のための搬送周波数として周波数f1が割り当てられる。基地局13
は、TDDモードで動作するよう構築され、モジュール28が適切な時間フレーム
構造と切換点を割り当てる。基地局13は、この構造と切換点とを、送信機22
,デュプレクサ19およびアンテナ18を介して、ブロードキャスト・チャネル
上で、その加入者の移動加入者ユニット14に通信する。この例では、モジュー
ル28も、上記の理由により切換点周辺に使用済みの時間スロットを集中させる
ように構成される。
【0048】 さらにこの例では、モジュール28は、送信遅延が許される場合には、加入者
ユニット14が特定の時間スロット上でN時間フレームおきに拡散係数を減じて
送信するように、時間フレーム構造を設定する。送信機22を介して送信される
ブロードキャスト・チャネルは、基地局13に割り当てられる利用可能な資源で
あって、現在は用いられていない資源を他の基地局に知らせる指標としても利用
することができる。あるいは、送信機22からの専用信号がこの機能を実行する
【0049】 たとえば、ある時点において周波数f1上の基地局13の資源がフルに利用され
ている、すなわち、すべての時間スロットが満杯であるのに、別の移動加入者ユ
ニット17がサービスを要求していると想定する。
【0050】 搬送周波数f2上で送受信する近隣基地局15は充分に活用されておらず、利用
可能な時間スロットをいくつか持っている(図4参照)。
【0051】 図4の上部のフレーム29内では、切換点36の片側の時間スロット30〜3
2と33〜35だけが占有されている。スロット30〜32はアップリンク・ス
ロットであり、スロット33〜35はダウンリンク・スロットである。
【0052】 基地局13内の検出器21は、近隣基地局15からの送信を監視して、資源が
利用可能であることを知らせる信号を検出する。次に検出器21は、受信機20
が近隣基地局15のブロードキャスト・チャネルを聴取するよう起動し、近隣基
地局の送信の搬送周波数とフレーム構造とを確認する。(代替の実施例において
は、検出器21は近隣基地局15から所定の信号を受信しなければ、資源が利用
可能であると想定し、それを受信機20に知らせるようなデフォルト・モードに
設定される)。
【0053】 受信機20を介して近隣基地局15からのブロードキャスト・チャネルを受信
すると、モジュール24は未使用の近隣基地局のフレーム構造内の時間スロット
(すなわち図4内で斜線が施されていないスロット、たとえば37〜41)を識
別する。
【0054】 時間フレーム構造とどのスロットが利用可能であるかを知ると、サブモジュー
ル25は次に、周波数f2上での新たな移動加入者ユニット17との通信リンクの
ための新しいフレーム構造と切換点とを計算する。
【0055】 モジュール26は、2つの基地局13,15間の伝播遅延に関する近隣セルの
サイズの格納された推定値に基づいて、ガード期間をフレーム構造に挿入する。
【0056】 構成時間スロットを伴う計算されたフレーム構造は、サブモジュール27が決
定した使用すべき搬送周波数(f2)の値と共に、送信機22を介して移動加入者
ユニット17に送信される。
【0057】 図4の下部は、計算されたフレーム構造が、この例ではどのように設定される
かを示す。モジュール25は、借用した時間スロット37〜41を計算された切
換点42の周辺に集中させるように構成され、近隣基地局の割り当てられた切換
点36からは充分に離れた位置に切換点42を設定する。
【0058】 モジュール25は、第2基地局が使用するダウンリンク・スロットと連続し、
これもダウンリンク・スロットとなるスロットを割り振り、第2基地局が利用す
るアップリンク・スロットと連続していてアップリンク・スロットとなるスロッ
トを割り振るようにさらに設定される。
【0059】 ガード期間43が近隣基地局15の活動点に最も近い両スロット(37,41
)の端に挿入される。近隣基地局15のアップリンク・スロット30と連続する
スロット41は、アップリンク・スロットとして指定されている。
【0060】 周波数f2上で、さらに多くの時間スロットが近隣基地局15に使用されるため
に取られても、ブロードキャスト・チャネルが動作を監視しているために基地局
13には明白になる。これに応答して、サブモジュール25は、そのフレーム構
造と切換点とを再設定し、近隣基地局15の送信と競合することを避ける。
【0061】 近隣基地局15の資源が基地局13に利用できなくなった場合、この状態を知
らせる送信が検出器21により受信され、それに応答して、サブモジュール25
に通知する。サブモジュール25はそれに応じて周波数f2上での移動加入者ユニ
ット17との通信を短縮する。
【図面の簡単な説明】
本発明の実施例のいくつかを、以下の図面を参照して説明するが、これは例に
過ぎない。
【図1】 本発明が適用可能なTDD通信システムのタイミング・フレーム構
造を示す図である。
【図2】 本発明による基地局を採用する通信システムの概略図である。
【図3】 本発明による基地局の概略ブロック図である。
【図4】 図3の基地局により受信されるタイミング・フレーム構造と基地
局により生成されるタイミング・フレーム構造を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウィリアム・ロビンソン 英国ジー・ユー9、9イー・ディー、サレ ー、ファーンハン、ウェイボルン、コス プ・アベニュー14 (72)発明者 ドラガン・ボスコビッチ フランス、サン・ジェルマン・ア・レイ、 エフ−78100、リイ・デ・ウルスラインス 40・テレ Fターム(参考) 5K022 EE01 EE21 EE31 5K028 BB06 CC02 CC05 EE08 HH00 KK12 LL12 RR02 5K067 AA15 BB02 CC04 EE02 EE10 EE24 EE61 EE71 GG01 GG11

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの加入者(14,17)に通信サービスを提
    供する第1基地局(13)であって: 被割当搬送周波数と、第2基地局(15)により提供される通信資源の複数の
    時間スロットによって構成される被割当時間フレームとに関する情報を受信する
    手段(20); 前記通信資源によって構成される未使用の時間スロットを識別する手段(24
    )および 前記未使用スロット中に、前記被割当搬送周波数において加入者ユニット(1
    7)との通信を開設する手段(23); によって構成されることを特徴とする第1基地局(13)。
  2. 【請求項2】 被割当搬送周波数と、前記第2基地局(15)の前記被割当
    時間フレームとに関する情報を受信する前記手段(20)が、前記第2基地局(
    15)のブロードキャスト・チャネルを監視するよう構築されることを特徴とす
    る請求項1記載の第1基地局(13)。
  3. 【請求項3】 前記第2基地局(15)の資源が利用可能であるか否かを検
    出する手段(21)によってさらに構成されることを特徴とする前出のいずれか
    の請求項記載の第1基地局(13)。
  4. 【請求項4】 前記第2基地局(15)の資源が利用可能であるか否かを検
    出する前記手段(21)が、前記第2基地局(15)から専用送信を受信するよ
    う構築されることを特徴とする請求項3記載の第1基地局(13)。
  5. 【請求項5】 前記第2基地局(15)の資源が利用可能であるか否かを検
    出する前記手段(21)が、前記第2基地局(15)から専用送信を受信しない
    場合は、デフォルト・モードを設定するよう構築されることを特徴とする請求項
    3記載の第1基地局(13)。
  6. 【請求項6】 以前利用可能であった資源が、もう利用できなくなるという
    通知を受信する手段(21)によってさらに構成されることを特徴とする前出の
    請求項記載の第1基地局(13)。
  7. 【請求項7】 前記未使用時間スロット中に加入者ユニット(17)との通
    信を開設する前記手段(23)が新たな時間フレーム構造を計算する手段(25
    )を具備することを特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(13)。
  8. 【請求項8】 新たなフレーム構造を計算する前記手段(25)が、新しい
    切換点を前記新たなフレーム構造に挿入する手段(25)をさらに具備すること
    を特徴とする請求項7記載の第1基地局(13)。
  9. 【請求項9】 前記未使用時間スロット中に加入者ユニット(17)との通
    信を開設する前記手段(23)が前記加入者ユニット(17)に対して、前記第
    2基地局(15)に割り当てられる前記搬送周波数の値を送信する手段(27,
    22)を具備することを特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(13)。
  10. 【請求項10】 前記未使用時間スロット中に加入者ユニット(17)との
    通信を開設する前記手段(23)が前記第2基地局(15)により送信される信
    号に応答して、前記計算済みの新たなフレーム構造を修正するよう構築されるこ
    とを特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(13)。
  11. 【請求項11】 前記未使用時間スロット中に加入者ユニット(17)との
    通信を開設する前記手段(24)が前記第2基地局(15)により送信される信
    号に応答して、加入者ユニット(17)との通信を短縮するよう構築されること
    を特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(13)。
  12. 【請求項12】 前記未使用時間スロット中に加入者ユニット(17)との
    通信を開設する前記手段(23)が、前記第2基地局(15)のブロードキャス
    ト・チャネルを受信できないことに応答して、前記計算済みの新たなフレーム構
    造を修正するよう構築されることを特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(
    13)。
  13. 【請求項13】 前記未使用時間スロット中に加入者ユニット(17)との
    通信を開設する前記手段(24)が前記第2基地局(15)のブロードキャスト
    ・チャネルを受信できないことに応答して、加入者ユニット(17)との通信を
    短縮するよう構築されることを特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(13
    )。
  14. 【請求項14】 新たな時間フレーム構造を計算する前記手段(25)が時
    間スロット間にガード期間を挿入する手段(26)を具備することを特徴とする
    前出の請求項記載の第1基地局(13)。
  15. 【請求項15】 新たな時間フレーム構造を計算する前記手段(25)が、
    前記新たな計算済み切換点(42)の周辺に使用済み時間スロットを集中させる
    よう構築されることを特徴とする請求項8ないし14のうち任意の請求項記載の
    第1基地局(13)。
  16. 【請求項16】 新たな時間フレーム構造を計算する前記手段(25)が、
    前記第2基地局(15)の前記被割当時間フレーム構造に依存して、未使用時間
    スロットがアップリンクに設定されるか、ダウンリンクに設定されるかを決定し
    、それに従って前記未使用時間スロットを設定するよう構築されることを特徴と
    する請求項8ないし13のうち任意の請求項記載の第1基地局(13)。
  17. 【請求項17】 前記第1基地局(13)の利用可能な資源に関する情報を
    第3基地局に送信する手段(22)をさらに備えることを特徴とする前出の請求
    項記載の第1基地局(13)。
  18. 【請求項18】 反復する時間フレームにより構成される被割当時間スロッ
    トの時間フレーム構造と、関連の切換点とを割り当てられ、前記関連切換点(3
    6)周辺に使用済み時間スロットを集中させる手段(28)をさらに備えること
    を特徴とする前出の請求項記載の第1基地局(13)。
  19. 【請求項19】 前記時間フレーム構造を設定し、N個(ただしNは2以上
    の整数)の時間フレームおきに加入者ユニット(14)との通信を支援する手段
    (28)を有する請求項18記載の第1基地局。
  20. 【請求項20】 新たな時間フレーム構造を計算する前記手段(25)が、
    前記第2基地局(15)の被割当時間フレーム構造に関わる切換点(36)から
    離れた位置に前記新たな切換点(42)を配置するよう構築されることを特徴と
    する請求項8ないし19記載の第1基地局(13)。
  21. 【請求項21】 セルラ通信システムにおいて通信サービス・オペレータ間
    で資源を共有する方法であって: 第1基地局(13)において、 被割当周波数と、第2基地局(15)により提供される通信資源の複数の時間
    スロットによって構成される被割当時間フレーム構造とに関する情報を受信する
    段階; 前記通信資源によって構成される未使用時間スロットを識別する段階;および 前記未使用時間スロット中に、前記被割当周波数において、加入者ユニット(
    17)との通信を開設する段階; によって構成されることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 前記第1基地局(13)において、被割当周波数と、前記
    第1基地局により提供される通信資源の被割当時間フレーム構造とに関する情報
    を第3基地局に送信する段階によってさらに構成されることを特徴とする請求項
    21記載の方法。
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