JP2002539079A - 抗−ccr4抗体およびその使用方法 - Google Patents

抗−ccr4抗体およびその使用方法

Info

Publication number
JP2002539079A
JP2002539079A JP2000593640A JP2000593640A JP2002539079A JP 2002539079 A JP2002539079 A JP 2002539079A JP 2000593640 A JP2000593640 A JP 2000593640A JP 2000593640 A JP2000593640 A JP 2000593640A JP 2002539079 A JP2002539079 A JP 2002539079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
ccr4
binding
mammalian
receptor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000593640A
Other languages
English (en)
Inventor
ウー,リーチュン
ラフィン,ナンシー
アンドリュー,デビッド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Millennium Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Millennium Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Millennium Pharmaceuticals Inc filed Critical Millennium Pharmaceuticals Inc
Publication of JP2002539079A publication Critical patent/JP2002539079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2866Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against receptors for cytokines, lymphokines, interferons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)CC−ケモカインレセプター4(CCR4)または該レセプターの一部に結合し、かつ該レセプターへのリガンドの結合をブロックする抗体またはその機能的断片に関する。さらに、本発明は、哺乳動物CCR4産生細胞と該CCR4のリガンドとの相互作用を阻害する方法、並びに研究、治療法、予防法及び診断法における該抗体及び断片の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本願は、1999年1月15日に出願した米国出願番号09/231,759
号の一部継続出願であり、その教示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【0002】 発明の背景技術 ケモカインはほとんど全ての白血球型に作用する数多くの炎症誘発活性を持つ
ことから、過去10年の間に、重要な炎症メディエーターとして注目を集めるよ
うになった。また最近ケモカインは、正常な免疫監視と免疫応答ならびに造血、
血管新生、ウイルス感染の制御およびT細胞分化における他のいくつかの機能に
不可欠な基礎的な白血球の輸送(trafficking)の重要な成分として
認識されるようになった(Baggioliniら,Ann.Rev.Immu
nol. 15:675(1997);Zouら,Nature 393:59
5(1998);Tachibanaら,Nature 393:591(19
98))。化学走性、脱顆粒、脂質メディエーターの合成およびインテグリン活
性化の誘因などといった白血球に対する一定の範囲の炎症誘発効果の媒介を含む
この多種多様な生物学的活性は、炎症性疾患の開始と維持にそれらが果たす重要
な役割および一定のケモカインレセプターがHIV−1侵入の補助レセプターと
して最近同定されたことと合わせて、ケモカインおよびケモカインレセプターを
魅力的な新しい治療標的群にしている。
【0003】 ケモカインファミリーのメンバーはIL−1βやTNFαなどの初期の炎症メ
ディエーターに応答して多くの細胞型によって産生され分泌される。ケモカイン
スーパーファミリーは2つの主要なブランチ、すなわち最初の2つのシステイン
の間に1つのアミノ酸が挿入されていることを特徴とするα−ケモカイン(すな
わちCXCケモカイン)と、隣接した2つのシステインを含有するβ−ケモカイ
ン(CCケモカイン)を含む。α−ケモカインのブランチにはIL−8、好中球
活性化ペプチド−2(NAP−2)、黒色腫成長刺激活性(MGSA/groま
たはGROα)およびENA−78などのタンパク質が含まれ、これらのタンパ
ク質はそれぞれ主として好中球に対する誘引および活性化効果を持つ。β−ケモ
カインのブランチのメンバーは単球、リンパ球、好塩基球および好酸球などとい
った他の細胞型に作用し(Oppenheim,J.J.ら,Annu.Rev
.Immunol.,9:617−648(1991);Baggiolini
,M.ら,Adv.Imunol.,55:97−179(1994);Mil
lerおよびKrangel,Crit.Rev.Immunol.,12:1
7−46(1992);Jose,P.J.ら,J.Exp.Med.,179
:881−118(1994);Ponath,P.D.ら,J.Clin.I
nvest.,97:604−612(1996))、そして、単球の化学走性
タンパク質1〜4(MCP−1、MCP−2、MCP−3およびMCP−4)、
RANTES、マクロファージ炎症性タンパク質 (MIP−1α、MIP−1
β)、胸腺および活性化制御されたケモカイン(thymus and act
ivation−regulated chemokine)(TARC;Im
aiら,J.Biol.Chem. 271:21514−21521(199
6))およびマクロファージ由来ケモカイン(MDC;Godiskaら,J.
Exp.Med. 185:1595−1604(1997))などのタンパク
質を含む。
【0004】 ケモカインは7回膜貫通型Gタンパク質共役レセプターに結合する(Murp
hy,P.M.,Annu.Rev.Immunol.,12:593−633
(1994))。現在までに多くのβ−ケモカインレセプター(CCR1〜CC
R10)が同定されており、さらなるケモカインレセプターの探索が活発な研究
の対象になっている(Baggiolini,Nature 392:565−
568(1998))。ケモカインレセプターCCR4はPowerら(J.B
iol.Chem. 270:19495−19500(1995);Genb
ank登録番号X85740)とMeyerら(J.Biol.Chem. 2
71(24):14445−14451(1996);Genbank登録番号
X94151)によって同定された。ヒトCCR4のネズミのホモログも同定さ
れている(Younら,Blood 89(12):4448−4460(19
97))。当初CCR4はMCP−1、MIP−1αとRANTESに応答して
シグナル伝達することが見出されたが、最近になってケモカインTARCおよび
MDCに特異的であることが明らかになった(Imaiら,J.Biol.Ch
em. 272(23):15036−15042(1997);Imaiら,
J.Biol.Chem. 278:1764−1768(1998))。
【0005】 炎症部位への白血球サブセットの選択的な補充と、循環系、組織、リンパ系お
よび二次リンパ系器官を通した白血球の規則正しい輸送は、幾分、細胞のサブセ
ットでのケモカインレセプターの差次的発現によって制御される。このような発
現パターンは機能的に関連した一群の白血球が与えられた刺激によって誘導され
る特定のケモカイン群に対して協調的に応答できることを保証しているようであ
る。T細胞の場合、PCRまたはノーザンブロット法により、CCケモカインの
既知のレセプターがT細胞のサブセット上に発現することが示される。どのサブ
セットが特定のレセプターを発現するかを正確に記述する作業は熾烈な研究分野
になっている。なぜならケモカインレセプター発現はTH1もしくはTH2 T
細胞または組織ホーミングサブセットなどの様々な細胞型の局在または遊走の説
明になるかもしれないからである。また、これはHIV−1の様々な株にどのT
細胞が感染されるかを決定するかもしれない。しかしほとんどの白血球は数種類
のケモカインレセプターを発現し、その多くは複雑で入り交じったリガンド相互
作用を伴なう。これが、所定の細胞型上の特定のレセプターに関する正常な免疫
機能の解明ならびに疾患の開始および進行との関連性の決定を困難にしている。
それは特に、多くのケモカインレセプターで、特異的抗体が利用できないからで
ある。
【0006】 発明の要約 本発明は、哺乳動物のCCケモカインレセプター4(CCR4、CKR−4、
TARCレセプターおよびMDCレセプターともいう)または該レセプターの一
部に結合する抗体(免疫グロブリン)またはその機能的断片(例えば抗原結合断
片)(抗−CCR4)に関する。一実施態様において、本発明の抗体またはその
断片はヒトCCR4またはその一部に対する特異性を有する。もう一つの実施態
様において、本発明の抗体または断片は、上記レセプターに対するリガンド(例
えばTARC、MDC、MCP−1、MIP−1α、RANTES)の結合をブ
ロックし、前記レセプターに対するリガンドの結合に関連する1つ以上の機能(
例えば白血球の輸送)を阻害する。好ましい実施態様では、そのリガンドがTA
RCおよび/またはMDCである。例えば本明細書に記載するようにヒトCCR
4またはその一部を結合する本発明の抗体とその断片は、レセプターに対するケ
モカイン(例えばTARC、MDC、MCP−1、MIP−1α、RANTES
)の結合をブロックし、レセプターに対するケモカインの結合に関連する機能を
阻害することができる。好ましい実施態様では、ケモカインはTARCおよび/
またはMDCである。一実施態様において、抗体はモノクローナル抗体(mAb
)LS141−1G1(1G1)であるか、ヒトCCR4またはヒトCCR4の
一部に対する結合に関して1G1と競合できる抗体である。もう一つの実施態様
において、抗体はモノクローナル抗体(mAb)LS185−2B10(2B1
0)であるか、ヒトCCR4またはヒトCCR4の一部に対する結合に関して2
B10と競合できる抗体である。もう一つの実施態様において、抗体はモノクロ
ーナル抗体(mAb)LS257−10E4(10E4)であるか、ヒトCCR
4またはヒトCCR4の一部に対する結合に関して10E4と競合できる抗体で
ある。上述した抗体の機能的断片も考えられる。
【0007】 また本発明は、哺乳動物のCCR4またはそのレセプターの一部に結合し、他
の抗−CCR4抗体と比較してCCR4またはCCR4含有組成物の増大した蛍
光染色強度を与える抗体またはその機能的断片(例えば抗原結合断片)に関する
。一実施態様において、抗体はモノクローナル抗体1G1、2B10もしくは1
0E4、またはヒトCCR4もしくはヒトCCR4の一部に対する結合に関して
1G1、2B10もしくは10E4と競合できる抗体である。
【0008】 さらに本発明は、細胞が保有している哺乳動物(例えばヒト、ヒト以外の霊長
類またはネズミ)のCCR4とそのリガンドとの相互作用を阻害する方法に関す
る。この方法は、上記細胞を哺乳動物のCCR4もしくはCCR4の一部に結合
する抗体もしくはその機能的断片の有効量と接触させる工程を包含する。適切な
細胞としては顆粒球、白血球(単球、マクロファージ、好塩基球および好酸球な
ど)、およびマスト細胞、Th1細胞やTh2細胞などのT細胞を含むリンパ球
(例えばCD8+細胞、CD4+細胞、CD25+細胞、CD45RO+細胞)
ならびにCCR4を発現する組換え細胞(例えばトランスフェクト細胞)のよう
な、CCR4またはその一部を発現する他の細胞などが挙げられる。ある特定の
態様では、抗体は1G1、2B10もしくは10E4、またはヒトのCCR4も
しくはヒトのCCR4の一部に対する結合に関して1G1、2B10もしくは1
0E4と競合できる抗体である。
【0009】 本発明の別の態様は、哺乳動物のCCR4産生細胞とケモカインとの相互作用
を阻害する方法に関する。この方法は、上記細胞をCCR4または上記レセプタ
ーの一部に結合する抗体またはその機能的断片の有効量と接触させる工程を包含
する。本方法の実施態様では、上記の抗体またはその機能的断片は、任意の1つ
以上の、1G1、2B10もしくは10E4、または1G1、2B10もしくは
10E4の抗原結合断片、または1G1、2B10もしくは10E4と同一もし
くは類似のエピトープ特異性を有する抗体もしくはその断片である。さらに本発
明は、CCR4に対するケモカインの結合に関連する機能を阻害する方法に関す
る。この方法は、哺乳動物のCCR4または上記レセプターの一部に結合する抗
体またはその機能的断片の有効量を投与する工程を包含する。この方法の1つの
局面において、上記の抗体またはその機能的断片は、任意の1つ以上の、1G1
、2B10もしくは10E4、または1G1、2B10もしくは10E4の抗原
結合断片、または1G1、2B10もしくは10E4のものと同一もしくは類似
のエピトープ特異性を有する抗体もしくはその断片である。
【0010】 本発明の別の局面は、細胞による哺乳動物のCCR4またはこのレセプターの
一部の発現を同定する方法である。この方法では、細胞またはその画分(例えば
膜画分)を含む組成物を、哺乳動物のCCR4タンパク質またはこのレセプター
の一部に結合する抗体またはその機能的断片(例えば1G1、2B10または1
0E4)と、それに対する抗体の結合に適した条件で接触させ、そして該抗体ま
たは断片と該タンパク質またはその一部との複合体の形成が検出される。複合体
の検出は、直接的または間接的に、上記細胞またはその画分上に上記レセプター
またはその一部が存在することを示す。また、本発明は生物学的試料中のCCR
4またはその一部の存在を検出することにおける使用のためのキットに関する。
このキットは、哺乳動物のCCR4または上記レセプターの一部に結合する抗体
またはその機能的断片と、該抗体または断片と該タンパク質またはその一部との
複合体の存在を検出するのに適した1つ以上の補助試薬を含む。
【0011】 また本発明は、哺乳動物のCCR4機能の阻害物質および/または促進物質を
含む哺乳動物のCCR4タンパク質に結合するさらなるリガンドまたは他の物質
を同定する方法も包含する。例えば、本発明の抗体またはその機能的断片のもの
と同一または類似の結合特異性を有する試薬が、上記抗体または断片を用いる競
合アッセイによって同定できる。したがって、本発明は、レセプター機能の阻害
物質(例えばアンタゴニスト)または促進物質(例えばアゴニスト)を含むCC
R4レセプターに結合するリガンドまたは他の基質を同定する方法も包含する。
一実施態様において、CCR4レセプタータンパク質を天然に発現する細胞、ま
たは細胞内に導入された核酸によってコードされるCCR4レセプターもしくは
バリアントを発現するように操作されている適当な宿主細胞を、リガンド、レセ
プター機能の阻害物質または促進物質を同定し、その効力を評価するためのアッ
セイにおいて使用する。このような細胞は発現されたレセプタータンパク質また
はポリペプチドの機能を評価することにおいて有用である。
【0012】 したがって、本発明は哺乳動物のCCR4またはそのリガンド結合性バリアン
トに結合する試薬を検出するまたは同定する方法に関する。この方法は、試験さ
れる試薬、本発明の抗体または抗原結合断片(例えばモノクローナル抗体1G1
、モノクローナル抗体2B10もしくはモノクローナル抗体10E4、または1
G1、2B10もしくは10E4と同一または類似のエピトープ特異性を持つ抗
体、または1G1、2B10もしくは10E4の抗原結合断片)および哺乳動物
のCCR4タンパク質またはそのリガンド結合性バリアントを含有する組成物を
混合する工程を包含する。上記の成分は哺乳動物のCCR4タンパク質またはそ
のリガンド結合性バリアントに対する上記抗体または抗原結合断片の結合に適し
た条件で混合することができ、哺乳動物のCCR4タンパク質またはリガンド結
合性バリアントに対する上記抗体または断片の結合が、本明細書に記載の方法ま
たは他の適切な方法に従って直接的または間接的に検出もしくは測定される。適
切な対照(例えば試験される試薬の不在下)と比較した複合体形成量の減少は、
その試薬が上記レセプターまたはバリアントに結合することの指標である。哺乳
動物のCCR4タンパク質またはそのリガンド結合性バリアントを含有する組成
物は、組換えCCR4タンパク質またはそのリガンド結合性バリアントを産生す
る細胞の膜画分であり得る。抗体またはその断片は放射性同位体、スピン標識、
抗原標識、酵素標識、蛍光基および化学発光基などの標識で標識することができ
る。これらのアッセイおよび類似のアッセイは、CCR4を結合し、レセプター
への結合に関して本明細書に記載の抗体と競合できる物質、例えばリガンド(例
えば、CCR4と相互作用するケモカイン)またはレセプター機能の阻害物質も
しくは促進物質を含めた他の基質などを検出するために使用できる。
【0013】 本発明によればリガンド、レセプター機能の阻害物質または促進物質を適切な
アッセイで同定し、さらにそれらを治療効果について評価することができる。レ
セプター機能の阻害物質はレセプター活性を阻害(減少または防止)するために
使用でき、リガンドおよび/または促進物質は正常なレセプター機能を必要に応
じて誘導する(惹起するまたは増進する)ために使用できる。本発明は、炎症性
疾患、自己免疫疾患、アテローム性動脈硬化症および移植片拒絶またはHIV感
染症の治療方法を提供する。この方法は、レセプター機能(例えばケモカインの
結合またはHIVの結合)の阻害物質を個体(例えばヒトなどの哺乳動物)に投
与する工程を包含する。さらに本発明は新規リガンドまたは促進物質を個体に投
与することによってレセプター機能を刺激する方法を提供する。これは例えば感
染性疾患や癌の治療などに役立つ、白血球の機能を選択的に刺激するための新規
の手がかりを提供する。
【0014】 また本発明は患者における白血球の輸送を阻害する方法も含む。この方法は、
哺乳動物のCCR4またはレセプターの一部に結合してそのレセプターに対する
リガンドの結合に関連する機能を阻害する抗体またはその機能的断片の有効量を
患者に投与する工程を包含する。
【0015】 また、本発明は、炎症性障害などのCCR4が媒介する障害を抑制または治療
する方法に関する。この方法は、哺乳動物のCCR4またはレセプターの一部に
結合してCCR4が媒介する機能を阻害する抗体またはその機能的断片の有効量
を患者に投与する工程を包含する。
【0016】 さらに本発明は、治療(予防を含む)または診断における使用のため本明細書
に記載の抗体もしくはその断片(例えば、モノクローナル抗体1G1、モノクロ
ーナル抗体2B10もしくはモノクローナル抗体10E4、または1G1、2B
10もしくは10E4の抗原結合断片、または1G1、2B10もしくは10E
4のものと同一または類似のエピトープ特異性を持つ抗体)ならびにCCR4が
媒介する障害または本明細書に記載の他の疾患もしくは炎症状態を処置するため
の医薬品を製造するための上記抗体または断片の使用に関する。
【0017】 発明の詳細な説明 本発明は、哺乳動物のCCケモカインレセプター4(CCR4、CKR−4、
TARCレセプターもしくはMDCレセプター)またはCCR4の一部に結合す
る抗体(抗−CCR4)またはその機能的断片に関する。一実施態様において、
抗体はヒトCCR4またはその一部に対する特異性を有する。一実施態様におい
て、抗体(免疫グロブリン)は単離されたおよび/または組換えの哺乳動物のC
CR4またはその一部(例えば、ペプチド)に対してあるいは、哺乳動物のCC
R4を発現する宿主細胞に対して産生される。好ましい一実施態様において、抗
体は、ヒトCCR4レセプターまたはその一部に特異的に結合し、また特に好ま
しい一実施態様において、抗体は天然に存在するか、または内因性のヒトのCC
R4に対して特異性を有する。哺乳動物のCCR4に特有の1つ以上の機能、例
えば結合活性(例えば、リガンド、阻害物質および/または促進物質の結合)、
シグナル伝達活性(例えば、哺乳動物のGタンパク質の活性化、細胞質ゾルの遊
離カルシウム濃度[Ca2+i の急速でそして一時的な増大の誘導)および/ま
たは細胞性の応答の刺激(例えば、化学走性の刺激、エキソサイトーシスまたは
白血球による炎症メディエーターの放出、インテグリン活性化)などを阻害でき
る抗体またはその機能的断片も本発明に包含される。この抗体は、CCR4に対
するリガンド(すなわち1つ以上のリガンド)の結合および/またはリガンドに
応答してCCR4によって媒介される1つ以上の機能を阻害できる。例えば、一
つの局面においては、抗体またはその機能的断片は、レセプターと、MDC、T
ARC、MCP−1、MIP−1αまたはRANTESなどの天然リガンドとの
相互作用を阻害(減少または防止)し得る。ある態様では、そのリガンドはTA
RCおよび/またはMDCである。別の局面においては、CCR4に結合する抗
体またはその機能的断片は、哺乳動物のCCR4(例えばヒトのCCR4、ヒト
以外の霊長類のCCR4、ネズミのCCR4、モルモット起源のCCR4)に対
するTARC、MDC、MCP−1、MIP−1αおよび/またはRANTES
の結合を阻害し得る。本発明の抗体またはその機能的断片は、例えば白血球の輸
送、T細胞の活性化、炎症メディエーターの放出および/または白血球の脱顆粒
を含む、ヒトのCCR4によって媒介される機能を阻害し得る。ある特定の態様
では抗体またはその機能的断片がケモカインによって誘発される(例えばTAR
CまたはMDCによって誘発される)細胞の化学走性の阻害を、好ましくは約0
.50μg/ml未満、好ましくは約0.30μg/ml未満、より好ましくは
約0.27μg/ml未満で示す。
【0018】 本発明のさらなる実施態様において、本発明の抗体またはその機能的断片は、
CCR4に対するCCR4リガンド(例えばケモカイン)の結合を、好ましくは
約1.5μg/ml未満のIC50で阻害できる。別の実施態様において、本発明
の抗体またはその機能的断片はCCR4に対するCCR4リガンド(例えばケモ
カイン)の結合を約1.5ng/ml未満のIC50で阻害できる。
【0019】 CCR4に対して特異的なネズミモノクローナル抗体(1G1、2B10およ
び10E4と命名した)を本明細書に記載するように産生させた。好ましい一実
施態様において、本発明の抗体はヒトのCCR4に結合し、本明細書に記載のネ
ズミの1G1、2B10または10E4抗体のものと同一もしくは類似のエピト
ープ特異性を有する。ネズミの1G1モノクローナル抗体のものと同一または類
似のエピトープ特異性を有する抗体は、ヒトCCR4(例えば、ヒノのCCR4
産生細胞(例えば、CCRを産生するトランスフェクタント、CD8+細胞、C
D4+細胞、CDR45RO+細胞、CD25+細胞、単球、樹状細胞、マクロ
ファージおよび好塩基球))に対する結合に関してネズミの1G1モノクローナ
ル抗体と競合するそれらの能力によって同定できる。同様に、ネズミの2B10
または10E4モノクローナル抗体のものと同一もしくは類似のエピトープ特異
性を持つ抗体は、ヒトのCCR4に対する結合に関してそれぞれネズミの2B1
0または10E4モノクローナル抗体と競合するそれらの能力によって同定でき
る。レセプターのキメラ(例えば、Ruckerら,Cell 87:437−
446(1996)に記載されているもの)を使用することにより、mAb 1
G1、2B10および10E4のCCR4結合部位(すなわちエピトープ特異性
)をマッピングすることができる。あるいは、CCR4の特定のアミノ酸配列を
持つペプチドを競合アッセイに使って所定の抗体への結合に関してCCR4と競
合できるペプチドを同定するペプチドブロッキング法を用いて、抗体のエピトー
プ特異性を評価することもできる。CCR4と競合できるペプチドをさらに評価
することで、所定の抗体が結合するCCR4エピトープをさらに詳しく規定する
ことができる。これらの技術または他の適切な技術を使用することにより、本発
明の抗体のものと同一または類似のエピトープ特異性を持つ抗体を同定できる。
【0020】 また本発明は、本明細書に記載の抗体のうち少なくとも2種類と同一または類
似のエピトープ特異性を持つ二重特異性抗体またはその機能的断片(例えばF(
ab’)2 )に関する(例えば、米国特許第5,141,736号(Iwasa
ら)、米国特許第4,444,878号、第5,292,668号、第5,52
3,210号(以上Paulusら)および米国特許第5,496,549号(
Yamazakiら)を参照されたい)。例えば本発明の二重特異性抗体はmA
b 1G1および2B10、mAb 1G1並びに10E4、またはmAb 2
B10および10E4と同一もしくは類似のエピトープ特異性を有し得る。
【0021】 本発明の抗体を産生するネズミハイブリドーマ細胞株は、1999年1月6日
にLeukoSite,Inc.,215 First Street,Cam
bridge,MA 02142,U.S.A.を代表してアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(American Type Culture
Collection)、10801、University Bouleva
rd,Manassas,Virginia 20110,U.S.A.に、登
録番号HB−12624(LS141−1G1−65−15−1(1G1))お
よびHB−12625(LS185−2B10−4−1(2B10))で寄託さ
れた。本発明のさらなる抗体を産生するネズミハイブリドーマ細胞株は、200
0年1月14日にLeukoSite,Inc.,215 First Str
eet,Cambridge,MA 02142,U.S.A.を代表してアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション、10801、Universit
y Boulevard,Manassas,Virginia 20110,
U.S.A.に、登録番号 (LS257−10E4.1.1(
10E4))で寄託された。本発明はまた、ATCC登録番号HB−12624
、ATCC登録番号HB−12625、およびATCC登録番号 の下で寄託されたハイブリーマ細胞株、ならびにATCC登録番号HB−126
24、HB−12625およびATCC登録番号 の下で寄託され
たハイブリドーマ細胞株により産生されるモノクローナル抗体に関する。
【0022】 本発明の抗体はポリクローナルであってもモノクローナルであってもよく、「
抗体」という用語はポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方を包含する
ことが意図される。さらにまた、1G1を利用する本明細書に記載の方法では1
G1の機能的断片(例えば抗原結合断片)、1G1と同一または類似のエピトー
プ特異性を有する抗体およびそれらの組み合わせも、必要であれば1G1とは同
じでなく類似してもいないエピトープ特異性を持つ抗体または断片と組み合わせ
て使用できる;同様に、2B10を利用すると記載されている方法では、2B1
0の機能的断片、2B10と同一または類似のエピトープ特異性を持つ抗体およ
びそれらの組み合わせも、必要であれば2B10とは同じでなく類似してもいな
いエピトープ特異性を持つ抗体または断片と組み合わせて使用することもできる
ことが理解される。10E4を使用すると記載される方法では、10E4の機能
的断片、10E4と同一または類似のエピトープ特異性を持つ抗体およびそれら
の組み合わせも、必要であれば10E4とは同じでなく類似してもいないエピト
ープ特異性を持つ抗体または断片と組み合わせて使用することもできる。本発明
の抗体は適当な免疫原(例えば単離および/または組換えの哺乳動物のCCR4
タンパク質もしくはその一部)または合成分子(例えば、合成ペプチド)に対し
て産生させることができる。好ましい一実施態様において、レセプターを発現す
る細胞(例えばトランスフェクト細胞)は免疫原としてまたはレセプターに結合
する抗体のスクリーニングに使用され得る。
【0023】 本発明の抗体およびその断片は、本明細書に記載するように治療適用、診断適
用および研究適用において有用である。本発明は、治療(予防を含む)または(
例えば本明細書に記載するような特定の疾患または状態の)診断に使用するため
の、および本明細書に記載するような疾患または状態の治療に使用するための医
薬品の製造における本発明の抗体またはその機能的部分(例えばmAb 1G1
、2B10もしくは10E4またはその抗原結合断片)の使用を包含する。
【0024】 免疫化抗原の調製とポリクローナルおよびモノクローナル抗体の産生は本明細
書に記載のようにまたは他の適当な技術を使って行なうことができる。様々な方
法が記載されている(例えばKohlerら、Nature,256:495−
497(1975)およびEur.J.Immunol. 6:511−519
(1976);Milsteinら,Nature 266:550−552
(1997);Koprowskiら、米国特許第4,172,124号;Ha
rlow,E.およびD. Lane(1998)Antibodies:A
Laboratory Manual(コールドスプリングハーバー研究所,ニ
ューヨーク州コールドスプリングハーバー);Ausubel,F.M.ら編,
Current Protocols In Molecular Biolo
gy Vol.2(Supplement 27,1994年夏)(John
Wiley & Sons,ニューヨーク州ニューヨーク)のChapter
11(1991)などを参照されたい)。一般にハイブリドーマは適当な不死化
細胞株(例えばSP2/0などの骨髄腫細胞株)を抗体産生細胞と融合させるこ
とによって産生され得る。抗体産生細胞、好ましくは脾臓またはリンパ節由来の
細胞は、対象とする抗原で免疫した動物から得られる。融合細胞(ハイブリドー
マ)は選択培養条件を使って単離し、限界希釈法によってクローン化できる。望
ましい結合特性をもつ抗体を産生する細胞は適切なアッセイ(例えばELISA
)によって選択し得る。
【0025】 CCR4に結合する抗体(ヒト抗体または人工的な抗体を含む)を産生または
単離する他の適切な方法が使用され得る。これは、例えば組換え抗体(例えば、
単鎖FvまたはFab)をライブラリーから選択する方法や、ヒト抗体または人
工的な抗体のレパートリーを産生できるトランスジェニック動物(例えばマウス
)の免疫化による方法などを含む(例えば、Jakobovitsら,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551−2555(1993
);Jakobovitsら,Nature,362:255−258(199
3);Lonbergら、米国特許第5,545,806号;Suraniら、
米国特許第5,545,807号などを参照されたい)。
【0026】 単鎖抗体およびキメラ抗体、ヒト化抗体または霊長類化(primatize
d)(CDR移植)抗体ならびに異なる種に由来する部分を含むキメラ抗体また
はCDR移植単鎖抗体なども、本発明および「抗体」という用語に包含される。
これらの抗体の種々の部分は従来の技術によって化学的に互いに連結されたり、
遺伝子操作技術を使って連続するタンパク質として製造されうる。例えば、キメ
ラ鎖またはヒト化鎖をコードする核酸は、連続したタンパク質を産生するように
発現され得る。例えば、Cabillyら、米国特許第4,816,567号、
Cabillyら、欧州特許第0,125,023 B1号;Bossら、米国
特許第4,816,397号;Bossら、欧州特許第0,120,694 B
1号;Neuberger,M.S.ら、国際公開第86/01533号;Ne
uberger,M.S.ら、欧州特許第0,194,276 B1号;Win
ter、米国特許第5,225,539号;Winter、欧州特許第0,23
9,400 B1号;Queenら、米国特許第5,585,089号、第5,
698,761号および第5,698,762号などを参照されたい。また、霊
長類化抗体についてはNewman,R.ら,BioTechnology,1
0:1455−1460(1992)、単鎖抗体についてはLadnerら、米
国特許第4,946,778号およびBird,R.E.ら、Science,
242:423−426(1988))も参照されたい。
【0027】 さらに、抗体の機能的断片(キメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体または単
鎖抗体の断片を含む)も産生され得る。上述した抗体の機能的断片は、それらの
元となる完全長抗体の少なくとも1つの結合機能および/または調節機能を保持
している。好ましい機能的断片は対応する完全長抗体の抗原結合機能を保持して
いる(例えば哺乳動物のCCR4を結合する能力を保持している)。特に好まし
い機能的断片は、哺乳動物のCCR4に特有な1つ以上の機能(例えば結合活性
、シグナル伝達活性および/または細胞性の応答の刺激など)を阻害する能力を
保持している。例えば、一実施態様において、機能的断片はCCR4と1つ以上
のリガンド(例えばTARC、MDC、MCP−1、MIP−1αおよび/また
はRANTES)との相互作用を阻害しおよび/または1つ以上のレセプターが
媒介する機能(例えば白血球の輸送、細胞へのHIVの侵入、T細胞の活性化、
炎症メディエーターの放出および/または白血球の脱顆粒)を阻害することがで
きる。
【0028】 例えば、哺乳動物のCCR4レセプターまたはその一部に結合できる抗体断片
(Fv、Fab、Fab’およびF(ab’)2 を含むが、これらに限定されな
い)は本発明に包含される。このような断片は、例えば酵素的切断や組換え技術
によって産生し得る。例えばパパインまたはペプシンによる切断によってそれぞ
れFab断片またはF(ab’)2 断片を生成することができる。抗体は、1つ
以上の停止コドンが天然の停止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を使って
種々の切断された形態で産生することもできる。例えばF(ab’)2 重鎖部分
をコードするキメラ遺伝子は重鎖のCH1 ドメインとヒンジ領域とをコードする
DNA配列を含むように設計することができる。
【0029】 本明細書で使用される「ヒト化免疫グロブリン」という用語は、異なる起源を
持つ免疫グロブリンの部分を含む免疫グロブリンであって少なくとも1つの部分
がヒト起源のものをいう。したがって本発明は、哺乳動物のCCR4(例えば、
ヒトのCCR4、ネズミのCCR4、モルモットのCCR4)に結合するヒト化
免疫グロブリンであって、ヒト以外の起源(例えばげっ歯類)の抗原結合領域と
、ヒト起源の免疫グロブリン(例えば、ヒトのフレームワーク領域、ヒトの定常
領域またはその一部)の少なくとも一部とを含む免疫グロブリンに関する。例え
ば、ヒト化抗体は、互いに従来の技術(例えば合成)によって化学的に連結され
たまたは遺伝子操作技術を使って連続したポリペプチドとして調製された(例え
ば、キメラ抗体のタンパク質部分をコードするDNAを発現させて連続したポリ
ペプチド鎖を製造することができる)必要な特異性を持つヒト以外の起源(例え
ばマウス)の免疫グロブリンに由来する部分と、ヒト起源の免疫グロブリン配列
に由来する部分(例えば、キメラ免疫グロブリン)を含み得る。本発明のヒト化
免疫グロブリンの別の例は、ヒト以外の起源のCDR(例えばヒト以外の起源の
抗体に由来する1種以上のCDR)とヒト起源の軽鎖および/または重鎖由来の
フレームワーク領域とを含有する1つ以上の免疫グロブリン鎖を含有する免疫グ
ロブリン(例えばフレームワーク変異を持つまたは持たないCDR移植抗体)で
ある。一実施態様において、ヒト化免疫グロブリンは、ヒトのCCR4に対する
結合に関してネズミの1G1、2B10または10E4モノクローナル抗体と競
合し得る。好ましい実施態様では、ヒト化免疫グロブリン(a)の抗原結合領域
が(例えば1G1、2B10または10E4軽鎖のCDR1、CDR2およびC
DR3と、1G1、2B10または10E4重鎖のCDR1、CDR2およびC
DR3とからなるヒト化免疫グロブリンの場合のように)1G1、2B10また
は10E4モノクローナル抗体に由来する。キメラまたはCDR移植単鎖抗体も
ヒト化免疫グロブリンという用語に包含される。
【0030】 このようなヒト化免疫グロブリンは、所望のヒト化鎖をコードする遺伝子(例
えばcDNA)を作製するために合成および/または組換え核酸を使って産生さ
れ得る。例えば、ヒト化可変領域をコードする核酸(例えば、DNA)配列は、
ヒトまたはヒト化鎖をコードするDNA配列(例えば、予めヒト化された可変領
域から得られるDNA鋳型)を改変するためにPCR突然変異導入法を用いて構
築できる(例えばKamman,M.ら,Nucl.Acids.Res.,1
7:5404(1989);Sato,K.ら,Cancer Researc
h,53:851−856(1993);Daugherty,B.L.ら,N
ucleic Acids Res.,19(9):2471−2476(19
91);Lewis,A.P.およびJ.S. Crowe,Gene,101
:297−302(1991)などを参照されたい)。バリアントはこれらの方
法または他の適切な方法を使って容易に産生され得る。一実施態様において、ク
ローン化された可変領域は、突然変異され得、所望の特異性を持つバリアントを
コードする配列が選択され得る(例えばファージライブラリーから、例えばKr
ebberら、米国特許第5,514,548号;1993年4月1日に公開さ
れたHoogenboomら、国際公開第93/06213号;1997年3月
6日に公開されたKnappikら、国際公開第97/08320号などを参照
されたい)。
【0031】 抗イディオタイプ抗体も提供される。抗イディオタイプ抗体は別の抗体の抗原
結合部位に関わる抗原決定基を認識する。抗イディオタイプ抗体は、二次抗体を
産生するのに使用される動物と同じ種の、好ましくは同じ系統の動物を免疫化す
ることによって、二次抗体に対して産生させることができる。例えば米国特許第
4,699,880号を参照されたい。
【0032】 また本発明は、ATCC登録番号HB−12624、HB−12625および の下で寄託されたハイブリドーマ細胞株ならびにATCC登録
番号HB−12624、HB−12625および の下で寄託さ
れたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体に関する。本
発明の細胞株はモノクローナル抗体の産生の他にも用途を有する。例えば、本発
明の細胞株をさらなるハイブリドーマを作製するために、他の細胞(適当な薬剤
標識された(drug−marked)ヒトの骨髄腫、マウスの骨髄腫、ヒト−
マウスヘテロ骨髄腫またはヒトのリンパ芽球細胞など)と融合させて、モノクロ
ーナル抗体をコードする遺伝子の伝達を提供することができる。またこれらの細
胞株は抗−CCR4免疫グロブリン鎖をコードする核酸の供給源として使用する
こともできる。これは、単離し、発現させることができる(例えば任意の適切な
技術を使って他の細胞に移入したとき、例えばCabillyら、米国特許第4
,816,567号;Winter、米国特許第5,225,539号を参照さ
れたい)。例えば、再配列された抗−CCR4軽鎖または重鎖を含むクローンは
(例えばPCRによって)単離され得るか、またはこれらの細胞株から単離され
るmRNAからcDNAライブラリーを作成して抗−CCR4免疫グロブリン鎖
をコードするcDNAクローンが単離され得る。したがって、特異的な免疫グロ
ブリン、免疫グロブリン鎖またはそのバリアント(例えばヒト化免疫グロブリン
)を様々な宿主細胞中またはインビトロ翻訳系中で産生するために、抗体または
その一部の重鎖および/または軽鎖をコードする核酸を組換えDNA技術に従っ
て取得し使用することができる。例えば、核酸(cDNA、またはヒト化免疫グ
ロブリンもしくは免疫グロブリン鎖などのバリアントをコードするその誘導体を
含む)は、適切な原核生物または真核生物ベクター(例えば発現ベクター)中に
配置され得る。これを適切な宿主細胞中に適当な方法(例えば形質転換、トラン
スフェクション、エレクトロポレーション、感染など)によって導入することが
できる。その結果、核酸が(例えばベクター中または宿主細胞のゲノム中に組み
込まれた)1つ以上の発現制御因子に作動可能な形で連結される。産生のために
は、宿主細胞を発現に適した条件下に(例えば誘導物質、適当な塩類が補足され
た適切な培地、成長因子、抗生物質、栄養補充剤の存在下に)維持することがで
き、それによりコードされたポリペプチドが産生される。所望であれば、コード
されたタンパク質を(例えば、宿主細胞、培地、乳から)回収および/または単
離し得る。この産生方法にトランスジェニック動物の宿主細胞中での発現が包含
されることは理解されるだろう(例えば、1992年3月19日に公開された国
際公開第92/03918号,GenPharm International
を参照されたい)。
【0033】 本明細書で記載されているように、本発明の抗体とその機能的断片はCCR4
に対するリガンドの結合をブロック(阻害)および/またはCCR4に対するそ
のリガンドの結合に関連する機能を阻害することができる。以下に述べるように
、CCR4に対するリガンドの結合の阻害、および/またはレセプターに対する
リガンドの結合に関連する機能を評価するためには、様々な方法を使用すること
ができる。
【0034】 結合アッセイ 本明細書で用いられる「哺乳動物CCR4」とは、天然に生じる(naturally o
ccuring)もしくは内因性の哺乳動物CCR4タンパク質、および天然に生じるも
しくは内因性哺乳動物CCR4タンパク質のものと同一であるアミノ酸配列を有
するタンパク質(例えば、組換えタンパク質)をいう。従って、本明細書におい
て規定されるように、前記用語は、成熟受容体タンパク質、多型または対立遺伝
子バリアント、および(例えば、オルタナティブスプライシングまたは他の細胞
プロセスによって産生された)哺乳動物CCR4のイソ型、および前記のものの
修飾型または未修飾型(例えば、グリコシル化、非グリコシル化)を含む。哺乳
動物CCR4タンパク質は単離および/または組換えタンパク質(合成により生
産されたタンパク質など)でありうる。天然に生じるまたは内因性の哺乳動物C
CR4タンパク質としては、成熟CCR4などの野生型タンパク質、多型または
対立遺伝子バリアントおよび哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類)において
、天然に生じる他のイソ型が挙げられる。かかるタンパク質は、例えば、天然に
哺乳動物CCR4を生じる供給源から回収または単離されうる。これらのタンパ
ク質および天然に生じるまたは内因性の対応する哺乳動物CCR4と同一のアミ
ノ酸配列を有する哺乳動物CCR4タンパク質を、対応する哺乳動物の名称によ
って呼称する。例えば、対応する哺乳動物が、ヒトである場合、タンパク質は、
ヒトCCR4タンパク質(例えば、適切な宿主細胞で産生された組換えヒトCC
R4タンパク質)として表示される。
【0035】 哺乳動物CCR4タンパク質の「機能的バリアント」としては、機能的断片、
機能的変異タンパク質、および/または機能的融合タンパク質(例えば、変異誘
発および/または組換え技術を介して産生されたもの)が挙げられる。一般に、
哺乳動物CCR4タンパク質の断片または一部としては、(N−末端、C−末端
または内部欠失などの)成熟哺乳動物CCR4タンパク質に関してアミノ酸(す
なわち、1以上のアミノ酸)の欠失(すなわち、1以上の欠失)を有するものが
挙げられる。成熟哺乳動物CCR4タンパク質に関して連続した(contiguous)ア
ミノ酸のみが欠失された断片もしくはタンパク質、または非連続アミノ酸が欠失
された断片もしくはタンパク質も考えられる。
【0036】 一般に、哺乳動物CCR4タンパク質のバリアントとしては、1以上の連続ま
たは非連続アミノ酸残基の付加、欠失および/または置換だけ異なる哺乳動物C
CR4タンパク質の天然または人工バリアント(例えば、受容体キメラ)を含む
。かかる変異は、例えば、(他のCXC(α)および/またはCC(β)ケモカ
イン受容体と比較して)保存領域または非保存領域、細胞外領域、細胞質領域、
または膜貫通領域であり得る。
【0037】 一般に、融合タンパク質は、ペプチド結合を介して、天然に見出される哺乳動
物CCR4には存在しない第2の部分(moiety)に連結した、哺乳動物CCR4(
例えば、ヒトCCR4)またはそのバリアントを第1の部分として含有したポリ
ペプチドを包含する。したがって、第2の部分は、アミノ酸、オリゴペプチドま
たはポリペプチドであり得る。第1の部分は、融合タンパク質に対してN−末端
位置、C−末端位置または内部であり得る。1つの態様において、融合タンパク
質は、親和性リガンド(例えば、酵素、抗原、エピトープタグ)を第1の部位と
し、リンカー配列とヒトCCR4またはその一部とを含有した第2の部位とを含
有する。
【0038】 哺乳動物CCR4タンパク質の「機能的断片または一部(portion) 」、「機能
的バリアント」および/または「機能的融合タンパク質」とは、結合活性、シグ
ナル伝達活性および/または細胞応答を刺激する能力などの、本明細書に記載さ
れた哺乳動物CCR4タンパク質の少なくとも1つの機能的特徴を有する単離さ
れたおよび/または組換えタンパク質またはポリペプチドをいう。好ましい機能
的バリアントは、リガンド(すなわち、TARC、MDC、MCP−1、MIP
−1αおよび/またはRANTESなどの1以上のリガンド)に結合することが
でき、本明細書において、「リガンド結合バリアント」と称される。
【0039】 1つの態様において、哺乳動物CCR4の機能的バリアントは、該哺乳動物C
CR4と少なくとも約85%の配列同一性、好ましくは、該哺乳動物CCR4と
少なくとも約90%の配列同一性、より好ましくは、少なくとも約95%の配列
同一性を有する。他の態様において、機能的融合タンパク質は、哺乳動物CCR
4と少なくとも約85%、好ましくは、少なくとも約90%配列同一性、より好
ましくは、哺乳動物CCR4と少なくとも約95%配列同一性を有する第1の部
分を含有する。配列同一性は、Blastxプログラム(バージョン1.4)な
どの適切なプログラムを用い、デフォルトパラメーターなどの適切なパラメータ
ーを用いて決定することができる。1つの態様において、Blastxサーチに
ついてのパラメーターは、スコアリングマトリックスBLOSUM62、W=3
である。他の態様において、機能的バリアントは、天然に生じる核酸分子と異な
るが、遺伝子コードの縮重により、哺乳動物CCR4またはその一部をコードす
る核酸配列を含有する。
【0040】 単離されたおよび/または組換え哺乳動物CCR4またはその機能的バリアン
トを含有した組成物(composition) を、結合に適した条件下に維持することがで
き、哺乳動物CCR4またはバリアントと、試験対象抗体または断片とを接触さ
せ、結合を直接的または間接的に検出または測定する。1つの態様において、天
然にCCR4を発現する細胞または哺乳動物CCR4またはそのバリアントをコ
ードする組換え核酸配列を含有した細胞が使用される。前記細胞を、受容体の発
現に適した条件下に維持する。前記細胞を、結合に適した条件下で(例えば、適
切な結合緩衝液中で)、抗体または断片と接触させ、標準的な技術によって、結
合を検出する。結合を測定するには、結合の程度を適切な対照について測定する
ことができる(例えば、抗体の非存在下で測定されたバックグラウンドと比較し
、第2の抗体(例えば、標準)の結合と比較し、抗体の非トランスフェクト細胞
への結合と比較する)。受容体を含有した膜画分または受容体を含有したリポソ
ームを含有した膜画分などの細胞画分を全細胞の代わりに使用することができる
【0041】 1つの態様において、抗体を適切な標識(例えば、蛍光標識、同位体標識、抗
原またはエピトープ標識、酵素標識)で標識し、標識の検出により、結合を測定
する。他の態様において、結合した抗体を、標識された第2の抗体によって検出
することができる。結合の特異性は、例えば、非標識抗体またはコンペティター
としての非標識抗体またはリガンドを用い、競合または置換によって評価するこ
とができる。
【0042】 また、結合阻害アッセイを用いて、CCR4に結合し、かつリガンド(例えば
、TARC、MDC、MCP−1、MIP−1αおよび/またはRANTES)
などの他の化合物のCCR4または機能的バリアントへの結合を阻害する抗体ま
たはその断片を同定することができる。例えば、抗体の非存在下におけるリガン
ドの結合と比較して、(抗体の存在下での)CCR4のリガンドの結合の減少を
検出または測定する結合アッセイを行なうことができる。単離されたおよび/ま
たは組換え哺乳動物CCR4もしくはその機能的バリアントを含有した組成物を
、リガンドおよび抗体と同時、または他方の後に一方を、いずれかの順序で接触
させるうる。抗体の非存在下におけるリガンドの結合の程度の低下は、抗体によ
る結合の阻害の指標である。例えば、リガンドの結合は減少または破壊する(abo
lish) ことができる。
【0043】 1つの態様において、リガンド(例えば、TARCまたはMDCなどのケモカ
イン)の哺乳動物CCR4またはそのバリアントの結合の、抗体または断片によ
る直接的阻害をモニターする。例えば、125 I−標識TARC、125 I−標識M
DC、125 I−標識MCP−1、125 I−標識MIP−1αまたは125 I−標識
RANTESの哺乳動物CCR4への結合を阻害する抗体の能力をモニターする
ことができる。そのようなアッセイは、例えば、単離された血液細胞(例えば、
T細胞など)または天然にCCR4を発現する適切な細胞株、または哺乳動物C
CR4をコードする核酸を含有する細胞株、または該細胞からの膜画分などの、
CCR4を生じる適切な細胞株またはその機能的バリアントを用いて行なうこと
ができる。
【0044】 他の適切な結合アッセイ、またはシグナル伝達機能および/または細胞応答の
刺激(例えば、白血球の輸送)を含む、受容体結合により引き起こされる事象を
モニターする方法などの、CCR4に結合する抗体の存在を同定する他の方法が
利用できる。
【0045】 本発明の抗体の阻害効果は、結合阻害アッセイで評価されうることが理解され
よう。受容体結合のための抗体の間の競合を、該方法で評価することもできる。
このようにして同定された抗体をさらに評価して、結合に続いて、それらがCC
R4の他の機能を阻害するように、および/またはそれらの治療利用性を評価す
るように作用するか否かを判断することができる。
【0046】 シグナル伝達アッセイ アゴニストなどのリガンドまたは促進物質のCCR4への結合は、このGタン
パク質−共役型受容体によるシグナル伝達がもたらされ得、Gタンパク質ならび
に他の細胞内シグナル伝達分子の活性が刺激される。化合物(例えば、抗体また
はその断片)によるシグナル伝達機能の誘導は、いかなる適切な方法を用いても
モニターすることができる。そのようなアッセイを用いて、CCR4の抗体アゴ
ニストを同定することができる。抗体またはその機能的断片の阻害活性は、アッ
セイにおいてリガンドまたは促進物質を用い、リガンドまたは促進物質によって
誘導された活性を阻害する抗体の能力を評価し、測定することができる。
【0047】 GTPのGDPへの加水分解、または細胞内(細胞質)遊離カルシウム[Ca 2+i の濃度の迅速かつ一過性の増加の誘導などの、受容体結合により引き起こ
される後のシグナル伝達事象のようなGタンパク質活性は、当該分野で公知の方
法または他の適切な方法によってアッセイすることができる(例えば、Neot
e, K.ら, Cell 72:415−425 1993); Van R
iperら, J.Exp.Med., 177:851−856(1993)
;Dahinden, C.A.ら, J.Exp.Med., 179:75
1−756(1994))。
【0048】 例えば、ハイブリッドGタンパク質結合受容体を用いるSledziewsk
iらの機能アッセイを用いて、受容体に結合si、かつGタンパク質を活性化す
るリガンドまたは促進物質の能力をモニターすることができる(Sledzie
wskiら,米国特許第5,284,746号明細書、その教示は、参照により
本明細書に取り込まれる)。
【0049】 かかるアッセイは、評価対象である抗体またはその断片の存在下で行なうこと
ができ、リガンドまたは促進物質によって誘導された活性を阻害する抗体または
断片の能力は、公知の方法および/または本明細書に記載された方法を用いて測
定される。
【0050】 化学走性および細胞刺激のアッセイ また、化学走性アッセイを用いて、リガンドの哺乳動物CCR4またはその機
能的バリアントへの結合をブロックする能力、および/またはリガンドの受容体
への結合に関連する機能を阻害する抗体またはその機能的断片の能力を評価する
ことができる。これらのアッセイは、化合物によって誘導されたイン・ビトロま
たはイン・ビボでの細胞の機能的移動に基づく。化学走性は、例えば、96−ウ
ェル化学走性プレートを用い、または化学走性を評価するための他の当該分野で
認識された方法を用いるアッセイにおいて、実施例に記載したように評価しうる
。例えば、イン・ビトロ経内皮細胞化学走性アッセイの使用はSpringer
らによって記載されている(Springerら,国際公開第94/20142
号パンフレット,1994年9月15日に発表、その教示は、参照により本明細
書に取り込まれる;また、Bermanら, Immunol.Invest.
, 17:625−677(1988))。内皮を通過するコラーゲンゲルへの
移動もまた記載されている(Kavanaughら, J.Immunol.,
146:4149−4156(1991))。例えば、マウスL1.2プレ−
B細胞の、および化学走化しうる適切な宿主細胞の安定なトランスフェクタント
を化学走性アッセイで用いることができる。
【0051】 一般に、化学走性アッセイは、バリアー(例えば、内皮、フィルター)の中へ
のまたはそれを通っての、化合物の増大したレベルに向けての、バリアーの表面
から対向する第2の表面に向けてへの、(リンパ球、好酸球、好塩基球などの)
適切な細胞の方向性運動または移動をモニターする。膜またはフィルターは、適
切な細胞のフィルターへのまたはそれを通っての、フィルターの第2の表面への
、フィルターの第1の表面からフィルターの対向する第2の表面への方向性運動
または移動がモニターされるように、便宜なバリアーを提供する。いくつかのア
ッセイにおいて、膜は、ICAM−1、フィブロネクチンまたはコラーゲンなど
の接着を容易にする物質で被覆する。そのようなアッセイは白血球「ホーミング
(homing)」のイン・ビトロ近似を提供する。
【0052】 例えば、試験対象の抗体と接触し、膜によって第1のチャンバーから分割され
る第2のチャンバーへの多孔性膜へのまたはそれを通っての第1のチャンバーか
らの、(包含手段(a containig means) )適切な容器中の細胞の移動の阻害を検
出または測定することができる。例えば、ニトロセルロース、ポリカーボネート
を含めた、化合物に応答しての特異的移動をモニターするための適切なポアサイ
ズを有する適切な膜を選択する。例えば、約3−8ミクロン、好ましくは約5−
8ミクロンのポアサイズを用いることができる。ポアサイズはアィルター上で均
一であるか、または適切なポアサイズの範囲内である。
【0053】 移動および移動の阻害を評価するには、フィルターへの移動の距離、フィルタ
ーの第2の表面に接着したままであるフィルターを横切る細胞の数、および/ま
たは第2のチャンバーに蓄積する細胞の数を、標準的な技術(例えば、顕微鏡)
を用いて検出することができる。1つの態様において、細胞を検出可能な標識(
例えば、放射性同位体、蛍光標識、抗原またはエピトープ標識)を用いて測定す
ることができ、移動は、適切な方法を用い、膜に接着したおよび/または第2の
チャンバーに存在するまたは標識の存在を測定することによって(例えば、放射
活性、蛍光、イムノアッセイによって)、抗体または断片の存在または非存在下
で評価することができる。抗体アゴニストによって誘導された移動の程度は、適
切な対照に対して測定することができる(例えば、抗体の非存在下で測定したバ
ックグラウンド移動と比較し、第2の化合物(すなわち、標準)によって誘導さ
れた移動の程度と比較し、抗体によって誘導された非トランスフェクト細胞の移
動と比較する)。
【0054】 1つの態様において、特に、T細胞、単球、または哺乳動物CCR4発現細胞
については、経内皮細胞移動をモニターすることができる。この態様において、
内皮細胞層を介する移動を評価する。細胞層を調製するには、内皮細胞を、所望
により、内皮細胞の付着を容易にするためのコラーゲン、フィブロネクチン、ま
たは他の細胞内マトリックスタンパク質などの物質で被覆される多孔性フィルタ
ーまたは膜上で培養することができる。好ましくは、内皮細胞は、コンフルエン
トな単層が形成されるまで培養する。例えば、ヒト臍帯静脈内皮細胞(Clon
etics Corp, San Diego, CA)などの、静脈、動脈ま
たは微小血管内皮細胞などの種々の哺乳動物内皮細胞が単層形成のために利用で
きる。特定の哺乳動物受容体に応答しての化学走性を評価するには、同一哺乳動
物の内皮細胞が好ましい;しかしながら、異種哺乳動物種または属からの内皮細
胞も使用できる。
【0055】 一般に、前記アッセイは、第1の表面に内皮細胞層を含むフィルターの第1の
表面からフィルターの対向する第2の表面に向けての、化合物の増大するレベル
に向けての方向での、膜またはフィルターへのまたはそれを通っての細胞の方向
性の移動を検出することによって行われる。方向性の移動は、第1の表面に隣接
する領域から、膜へのまたはそれを通っての、フィルターの対向する側に位置す
る化合物に向けて起こる。第2の表面に隣接する領域に存在する化合物の濃度が
第1の表面に隣接する領域におけるものよりも大きい。
【0056】 抗体阻害物質について試験するのに用いられる1つの態様において、移動でき
、かつ哺乳動物CCR4受容体を発現しうる細胞を含有した組成物が、第1のチ
ャンバーに配置されうる。第1のチャンバー中の細胞の化学走性を誘導できる1
以上のリガンドまたは促進物質を含有した組成物(化学誘因機能を有する)を第
2のチャンバーに入れる。好ましくは、細胞を第1のチャンバーに入れる直前ま
たは該細胞と同時に、試験対象の抗体を含有した組成物を、好ましくは、第1の
チャンバーに入れる。このアッセイにおいては、受容体に結合し、哺乳動物CC
R4発現細胞の化学走性の、リガンドまたは促進物質による誘導を阻害できる抗
体またはその機能的断片は、受容体機能の阻害物質(例えば、刺激機能の阻害物
質)である。抗体または断片の存在下に、リガンドまたは促進物質によって誘導
される移動の程度の低下は、阻害活性の指標である。別の結合試験(前記参照)
を行なって、阻害が、抗体または受容体の結合の結果であるか、異なるメカニズ
ムを介して起こるか否かを判断できる。
【0057】 組織における化合物(例えば、ケモカインまたは抗体)の注入に応答した組織
の白血球侵潤をモニターするイン・ビボアッセイを後述する(Models o
f Inflammation参照)。イン・ビボホーミングのこれらのモデル
は、炎症の部位への移動および化学走性によるリガンドまたは促進物質に応答す
る細胞の能力を測定し、およびこの移動をブロックする抗体またはその断片の能
力を評価する。
【0058】 記載された方法において、CCR4の刺激機能に対する抗体または断片の効果
は、受容体を含む適切な宿主を用い、活性受容体によって誘導された細胞応答を
モニターすることにより評価されうる。
【0059】 哺乳動物のCCR4機能のさらなるリガンド、阻害物質、および/または促進物
質の同定 本発明の抗体および断片の結合および機能を評価するために用いられうる上記
アッセイ法を調整し、哺乳動物CCR4、またはその機能的バリアントに結合す
る別のリガンドまたはそれ以外の物質、ならびにCCR4機能の阻害物質および
/または哺乳動物CCR4機能の促進物質を同定することができる。例えば、本
発明の抗体またはその一部を用いた競合アッセイ法によって、本発明の抗体また
はその機能的部分の機能と同一ないし類似した結合特異性を有する薬剤を同定す
ることができる。したがって、本発明は、レセプターのリガンド、または哺乳動
物CCR4タンパク質に結合する他の物質、および、レセプター機能の阻害物質
(例えば、アンタゴニスト)または促進物質(例えば、アゴニスト)の同定法を
も包含する。1つの態様において、哺乳動物CCR4タンパク質、またはその機
能的バリアントを産生する細胞(例えば、細胞に導入された核酸によりコードさ
れた哺乳動物CCR4タンパク質または機能的バリアントを発現するよう改変さ
れた白血球、細胞株または適切な宿主細胞)は、リガンドや、レセプター機能の
阻害物質または促進物質などの、レセプターに結合する他の物質の効力を同定お
よび判定するアッセイ法に用いられる。かかる細胞は、発現されたレセプタータ
ンパク質またはポリペプチドの機能を評価するのに有用である。
【0060】 本発明によれば、リガンド、およびレセプターに結合する他の物質、すなわち
レセプター機能の阻害物質または促進物質を適切なアッセイ法によって同定し、
さらに、治療効果を評価することができる。レセプター機能の阻害物質は、レセ
プター活性を阻害(低下または阻止)するのに用いられ得、リガンドおよび/ま
たは促進物質は、示された正常なレセプター機能を誘導(開始または促進)する
のに用いられうる。したがって、本発明は、レセプター機能の阻害物質を個体(
例えば、哺乳動物)に投与することを含む、自己免疫疾患および移植片拒絶など
の炎症疾患を治療する方法を提供する。さらに、本発明は、レセプター機能の新
規のリガンドまたは促進物質を個体に投与することによって、レセプター機能を
刺激する方法を提供し、白血球機能を選択的に刺激するための新規の手がかりを
提供するが、これは、例えば、感染症や癌の治療に役立つ。
【0061】 本明細書に用いられるように、哺乳動物CCR4の「リガンド」とは、天然の
リガンド、ならびに天然リガンドの合成型および/または組換型を含む、哺乳動
物CCR4タンパク質に結合する物質の特定の分類群を意味する。哺乳動物CC
R4陽性細胞に対する親和性を有する感染病原体(例えば、HIVなどのウイル
ス)も、哺乳動物CCR4タンパク質に結合することができる。選ばれたレセプ
ターの天然のリガンドは、哺乳動物CCR4タンパク質のリガンド(例えば、T
ARC、MDC、MCP−1、MIP−1αおよび/またはRANTESなどの
ケモカインなど)と同じ哺乳動物由来である。好ましい態様では、哺乳動物CC
R4タンパク質のリガンド結合は、高い親和性で生じる。
【0062】 本明細書に用いられるように、「阻害物質」とは、結合活性(例えば、リガン
ド結合、促進物質結合、抗体結合)、シグナル伝達活性(例えば、哺乳動物Gタ
ンパク質の活性化、細胞質中の遊離カルシウム[Ca2+i の急速かつ一過的な
濃度上昇の誘発など)、および/または細胞応答機能(例えば、白血球の走化性
、エキソサイトーシス、または炎症メディエーター放出)など、哺乳動物CCR
4タンパク質(例えば、ヒトCCR4)に特徴的な機能の一つ以上を阻害(低下
または阻止)する物質である。阻害物質は、HIVが細胞の中に侵入するのを阻
害する物質でもある。阻害物質という語は、レセプターに結合するアンタゴニス
ト(例えば、抗体、天然リガンドのバリアント、低分子量の有機分子、その他リ
ガンド結合の競合阻害物質)、および、レセプターに結合することなく、レセプ
ター機能を阻害する物質(例えば、抗イディオタイプ抗体)などの物質を意味す
る。
【0063】 ここで、「促進物質」とは、結合活性(例えば、リガンド結合、促進物質結合
、抗体結合)、シグナル伝達活性(例えば、哺乳動物Gタンパク質の活性化、細
胞質中の遊離カルシウム[Ca2+i の急速かつ一過的な濃度上昇の誘導など)
、および/または細胞応答機能(例えば、白血球の走化性、エキソサイトーシス
、または炎症メディエーター放出)など、哺乳動物CCR4タンパク質(例えば
、ヒトCCR4)に特徴的な機能の1つ以上を促進(誘導、惹起、亢進、または
増加させる)物質である。促進物質という語は、レセプターに結合するアゴニス
ト(例えば、抗体、別種由来の天然リガンドのホモログなど)、および、レセプ
ターに結合することなくレセプター機能を(例えば、会合するタンパク質を活性
化することによって)促進させる物質を意味する。好ましい態様においては、ア
ゴニストは、天然のリガンドのホモログ以外のものである。
【0064】 したがって、本発明は、哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4またはその
リガンド結合バリアントに結合する、リガンド、阻害物質、促進物質、および哺
乳動物CCR4タンパク質またはその機能的バリアントに結合する他の物質など
の薬剤を検出または同定する方法にも関する。本方法によれば、試験対象の薬剤
、本発明の抗体または抗原結合断片(例えば、1G1;2B10;10E4;1
G1、2B10または10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトー
プ特異性を有する抗体、およびこれらの抗原結合断片)、および哺乳動物のCC
−ケモカインレセプター4またはそのリガンド結合バリアントを含有した組成物
を組合わせることができる。抗体または抗原結合断片が哺乳動物のCC−ケモカ
インレセプター4またはそのリガンド結合バリアントに結合するのに適した条件
下で上記成分を組合わせ、哺乳動物CC−ケモカインレセプター4またはそのリ
ガンド結合バリアントへの抗体またはその断片の結合を、本明細書記載の方法ま
たは適切な他の方法により、直接または間接的に検出または測定する。適切な対
照(例えば、試験対象の薬剤非存在下)に比べて、形成された複合体の量が減少
すれば、薬剤が該レセプターまたはそのバリアントに結合することの指標となる
。哺乳動物CC−ケモカインレセプター4またはそのリガンド結合バリアントを
含有した組成物は、組換えケモカインレセプター4またはそのリガンド結合バリ
アントを産生する細胞の膜画分でもよい。抗体またはその断片は、放射性同位元
素、スピン標識、抗原またはエピトープ標識、酵素標識、蛍光基および化学発光
基などの標識によって標識することができる。
【0065】 1つの態様において、本発明は、試験対象の薬剤、本発明の抗体または抗原結
合断片(例えば、1G1;2B10;10E4;1G1、2B10または10E
4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性をもつ抗体、または
これらの抗原結合断片)、および哺乳動物のCCケモカインレセプター4または
そのリガンド結合バリアントを産生する細胞を組み合わせることを含む、哺乳動
物CC−ケモカインレセプター4またはそのリガンド結合バリアントに結合する
薬剤を検出または同定する方法に関する。上記成分は、抗体または抗原結合断片
が哺乳動物のCCケモカインレセプター4またはそのリガンド結合バリアントに
結合するのに適した条件下で組み合わせられ、該抗体またはその断片によるCC
R4タンパク質またはそのリガンド結合バリアントへの結合を、本明細書記載の
方法または適切な他の方法により、直接または間接的に検出または測定する。適
切な対照と比べて、形成された複合体の量が減少すれば、薬剤が該レセプターま
たはそのバリアントに結合することの指標となる。抗体またはその断片は、放射
性同位元素、スピン標識、抗原またはエピトープ標識、酵素標識、蛍光基および
化学発光基からなるグループより選択された標識によって標識することができる
。これらのアッセイ、および同様のアッセイを用いて、リガンド(例えば、ケモ
カイン、CCR4と相互作用するHIV株)または他の物質で、レセプター機能
の阻害物質または促進物質など、CCR4に結合して、レセプター結合について
、本明細書記載の抗体と競合する物質などの薬剤を検出することができる。
【0066】 前記アッセイ法は、単独で、もしくはそれぞれを組み合わせて、または、適切
な別法と組み合わせて、哺乳動物CCR4タンパク質に結合するリガンドまたは
他の物質、および哺乳動物CCR4タンパク質またはそのバリアントの阻害物質
または促進物質を同定するために用いることができる。本発明のインビトロ法は
、多数の試料を処理するハイスループットスクリーニング(例えば、96穴方式
)を行うために調整することができる。ハイスループットスクリーニングを行な
うのに適した量の哺乳動物CCR4(例えば、ヒトCCR4)を発現する細胞を
用いることができるため、このような細胞は、レセプターに結合するリガンドま
たは他の物質、および哺乳動物CCR4タンパク質の阻害物質または促進物質を
同定および/または単離するのに有用である。レセプターの発現は、さまざまな
方法でモニターすることができる。例えば、レセプターまたはその一部に結合す
る、本発明の抗体を用いて、発現を観察することができる。また、市販の抗体を
用いて、レセプタータンパク質またはポリペプチド(例えば、FLAGでタグし
たレセプター)を含み、抗原またはエピトープでタギングした融合タンパク質の
発現を検出することができ、所望の量を発現する細胞を選択することができる。
【0067】 哺乳動物CCR4タンパク質またはその機能的バリアントをコードする核酸を
発現系に組み込んで、レセプタータンパク質またはポリペプチドを産生しうる。
哺乳動物CCR4タンパク質またはそのバリアントをコードする組換え核酸を含
有した構築物により、安定にまたは一過的にトランスフェクトされた細胞内、ま
たはレセプターを含む細胞画分(例えば、トランスフェクト細胞、レセプターを
組み込んだリポソーム)の中で発現するレセプターなど、単離および/または組
換え哺乳動物CCR4タンパク質またはバリアントを、レセプター機能を調べる
ために用いることができる。所望であれば、前記レセプターをさらに精製するこ
とができる。レセプター機能の試験は、インビトロまたはインビボで行なわれう
る。
【0068】 ヒトCCR4などの、単離されたおよび/または組換え哺乳動物CCR4タン
パク質またはその機能的バリアントを、本明細書に記載したように、レセプター
機能をモニターすることまたは他の適切な技術を用いることにより、化合物の効
果を判定する本方法で用いることができる。例えば、安定または一過的なトラン
スフェクタント(例えば、バキュロウイルス感染Sf9細胞、マウスL1.2プ
レB細胞など)を、結合アッセイ法において用いることができる。例えば、ジャ
ーカット細胞、または化学走性しうる他の適切な細胞(例えば、マウスL1.2
プレB細胞)の安定なトランスフェクタントを走化性アッセイに用いうる。
【0069】 本発明の方法によれば、化合物を個別にスクリーニングしたり、本明細書記載
の方法によって1種以上の化合物を同時に調べることもできる。化合物の混合物
を試験する場合、記載されたプロセスにより選択された化合物を適切な方法(例
えば、PCR、シークエンシング、クロマトグラフィー、質量分析法)によって
、(適切に)分離し、同定することができる。試験対象の試料における1種以上
の化合物(例えば、リガンド、阻害物質、促進物質など)の存在も、これらの方
法によって決定することができる。
【0070】 コンビナトリアル化学合成法または別法によって作出された化合物(例えば、
有機化合物、組換えまたは合成したペプチド、“ペプトイド”、核酸など)のラ
ージコンビナトリアルライブラリーを調べることができる(例えば、Zucke
rman,R.N.ら、J.Med.Chem.,37:2678−2685(
1994)およびそこで引用されている文献を参照のこと;また、Ohlmey
er,M.H.J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90
:10922−10926(1993)、ならびに、タグされた化合物について
は、DeWitt,S.H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 90:6909−6913(1993);Rutter,W.J.ら、米国
特許第5,010,175号明細書;Huebner,V.D.ら、米国特許第
5,182,366号明細書;およびGeysen,H.M.米国特許第4,8
33,092号明細書参照)。本方法によりコンビナトリアルライブラリーから
選抜された化合物がユニークなタグを持っていれば、クロマトグラフィー法によ
る各化合物の同定が可能になる。
【0071】 1つの態様において、ファージディスプレイ法を用いる。例えば、哺乳動物C
CR4タンパク質またはその機能的バリアント、本発明の抗体またはその機能的
部位、およびポリペプチドを提示するファージ(例えば、ファージ、またはライ
ブラリーなどのファージのコレクション)を、抗体またはその一部が哺乳動物C
CR4タンパク質またはバリアントに結合するのに適した条件下(例えば、適切
な結合バッファー中)で組み合わせることができる。抗体またはその一部と競合
して、哺乳動物CCR4タンパク質またはその機能的バリアントに結合するファ
ージは、標準的な技術または他の適切な方法を用いて検出または選抜することが
できる。結合したファージは、適切な溶出用バッファーを用いて、レセプターか
ら分離することができる。例えば、イオン強度またはpHを変えてファージの遊
離をもたらすことができる。または、溶出用バッファーは、遊離成分、または、
化合物の結合を破壊するように設計された成分(例えば、結合を競合阻害するリ
ガンド、阻害物質、および/または促進物質など、提示されたペプチドがレセプ
ターに結合するのを破壊できる1種以上の化合物)を含有する。任意に、選抜プ
ロセスを繰り返したり、別の選抜ステップを用いて、レセプターに結合するファ
ージをさらに富化することができる。提示されたポリペプチドの特徴を(例えば
、ファージDNAの配列を決定して)調べることができる。同定されたポリペプ
チドを産生させて、さらに結合について、および阻害物質または促進物質の機能
について調べることができる。かかるペプチドのアナログで、安定性が増加した
か、他の所望の性質を有するペプチドアナログを製造することができる。
【0072】 1つの態様において、任意の配列の核酸によってコードされたN末側ペプチド
を有するコートタンパク質を含有し、融合タンパク質を発現し提示するファージ
を作出することができる。哺乳動物CCR4タンパク質またはバリアント、およ
び抗−CCR4抗体またはその機能的部位を発現する適切な宿主細胞をファージ
と一緒にして、結合してファージを選抜し、回収して特徴を調べる。(例えば、
DoorbarおよびWinter、J.Mol.Biol.244:361(
1994)(Gタンパク質共役型レセプターとともに用いられるファージディス
プレイ法を検討している)、および1997年3月6日に公開された国際公開第
97/08320号パンフレット(Morphosys)を参照のこと)。
【0073】 哺乳動物CCR4タンパク質のリガンド、それに結合する他の物質、またはそ
の阻害物質および/または促進物質の可能性のあるものが得られる他のソースと
しては、限定されないが、TARC、MDC、MCP−1、MIP−1αおよび
/またはRANTESの天然、合成、または組換えバリアントなどのCCR4リ
ガンドのバリアント、他の化学誘引物質またはケモカインなどの物質、それらの
バリアント、低分子量有機分子、他の阻害物質および/または促進物質(例えば
、抗−CCR4抗体、アンタゴニスト、アゴニストなど)、他のGタンパク質共
役型レセプターリガンド、阻害物質および/または促進物質(例えば、アンタゴ
ニスト、アゴニストなど)、および、適切なレセプターペプチド、またはレセプ
ター機能を阻害することのできる適切なレセプターペプチドまたはアナログなど
、哺乳動物CCR4レセプターの可溶性部分(例えば、Murphy,R.B.
,国際公開第94/05695号パンフレットを参照)などが挙げられる。
【0074】 炎症のモデル 本発明の抗体および断片のインビボでの治療薬としての効果を判定するために
用いることのできるインビボの炎症モデルを利用することができる。例えば、ウ
サギ、マウス、ラット、モルモット、またはアカゲザルなど、適当な動物にケモ
カインと、哺乳動物CCR4に反応する抗体またはその断片を皮内注射したとき
の白血球の浸潤をモニターすることができる(例えば、Van Damme、J
.ら、J.Exp.Med.,176:59−65(1992);Zachar
iae,C.O.C.ら、;J.Exp.Med.,171:2177−218
2(1990);Jose,P.J.ら、J.Exp.Med.,179:88
1−887(1994)参照)。一つの実施態様において、皮膚の生検を、白血
球(例えば、好酸球、顆粒球など)の浸潤について組織学的に判定する。別の実
施態様において、化学走性および血管外遊出能力をもつ標識された細胞(例えば
、哺乳動物CCR4を発現する安定にトランスフェクトされた細胞で、111 In
で標識されたもの)を動物に投与する。例えば、判定対象の抗体または断片は、
リガンドまたはアゴニストを試験動物に投与する前か後、またはこれと同時に投
与することができる。阻害物質不在下での浸潤の程度と較べた場合の、抗体存在
下での浸潤の程度の減少が阻害の指標となる。
【0075】 診断および治療への適用 本発明の抗体および断片は、研究、診断、および治療への適用など、さまざま
な適用場面に役立つ。一つの実施態様において、適当な標識(例えば、蛍光標識
、化学発光標識、アイソトープ標識、抗原またはエピトープ標識、または酵素標
識)によって抗体を標識する。例えば、それらを用いて、レセプターまたはその
一部を単離および/または精製したり、レセプター構造(例えば、立体構造)お
よび機能を研究することができる。
【0076】 さらに、本発明のさまざまな抗体を用いて、CCR4を検出したり、例えば、
T細胞(例えば、CD8+細胞、CD45RO+細胞)、単球、および/または
レセプター遺伝子でトランスフェクトされた細胞などの上でのレセプター発現を
測定することができる。したがって、診断や研究目的で、細胞選別(例えば、フ
ローサイトメトリー、蛍光標示式細胞分取)などに適用することもできる。
【0077】 本発明の抗−CCR4抗体は、診断に適用する上で価値がある。抗−CCR4
抗体またはその断片は、抗−CD4をHIVの段階の診断指標として用いたとき
と同様の方法で、各個体におけるこのレセプターの発現をモニターすることがで
きる。
【0078】 一般的に、診断アッセイでは、抗体またはその断片がCCR4に結合してでき
る複合体の形成を検出する必要がある。診断目的で、抗体または抗原結合断片を
標識したり、非標識化することができる。抗体または断片を直接標識することが
できる。放射性核種、蛍光剤、酵素、酵素基質、酵素補助因子、酵素阻害物質お
よびリガンド(例えば、ビオチン、ハプテンなど)などがあるが、これらに限定
されない、さまざまな標識を用いることができる。数多くの適切な免疫アッセイ
法が当業者に知られている(例えば、米国特許第3,817,827号;第3,
850,752号;第3,901,654号および第4,098,876号を参
照)。標識されていないときには、例えば、凝集アッセイ法など、適当な手段を
用いて、抗体または断片を検出することができる。非標識抗体または断片は、最
初の抗体と反応する標識抗体(例えば、二次抗体)など、抗体を検出するために
使用できる別の(すなわち、一つ以上の)適当な試薬(例えば、抗イディオタイ
プ抗体、または、非標識免疫グロブリンに特異的な別の抗体)、または他の適当
な試薬(例えば、標識されたプロテインA)と組み合わせて用いることもできる
【0079】 一つの実施態様において、本発明の抗体または断片は、酵素免疫測定法に利用
することができるが、その場合、本発明の抗体または断片、もしくは二次抗体が
酵素に結合している。哺乳動物CCR4タンパク質を含む生物学的試料を該抗体
と合わせると、抗体とCCR4タンパク質の間で結合が生じる。一つの実施態様
において、ヒト血液のように、哺乳動物CCR4タンパク質を発現する細胞を含
む試料を該抗体と合わせると、抗体と、該抗体によって認識されるエピトープを
含むヒトCCR4タンパク質を有する細胞との間で結合が生じる。これらの結合
細胞を非結合の試薬から分離し、例えば、試料を、酵素作用を受けると発色やそ
の他検出可能な変化を生じる酵素基質に接触させて、細胞に特異的に結合してい
る抗体−酵素結合物の存在を測定することができる。別の実施態様において、本
発明の抗体を標識せずに、該抗体を認識する標識二次抗体を加えることができる
【0080】 生物学的試料中に哺乳動物CCR4タンパク質が存在することを検出するとき
に使用するキットを調製することもできる。このようなキットには、哺乳動物C
C−ケモカインレセプター4または該レセプターの一部に結合する抗体またはそ
の機能的断片、および、抗体または断片とCCR4またはその一部との間の複合
体の存在を検出するのに適した一種類以上の補助試薬が含まれている。本発明の
抗体組成物は、単独、または、別のエピトープに特異的な別の抗体と組み合わせ
て、凍結乾燥した形で提供することができる。抗体は、標識されていてもいなく
ても、添加成分(例えば、トリス、リン酸および炭酸などの緩衝液、安定化剤、
賦形剤、殺生物剤、および/または、例えば、ウシ血清アルブミンなどの不活性
タンパク質)とともにキットに含まれる。例えば、抗体は、添加成分との凍結乾
燥混合物として提供することができるが、もしくは使用者が組み合わせられるよ
うに添加成分を別に提供することもできる。一般的に、これらの添加物質は、活
性抗体量に基づいて約5重量%よりも少なく、通常は、全量で、抗体濃度の約0
.001重量%以上存在する。モノクローナル抗体に結合できる二次抗体を利用
するとき、この抗体は、例えば、別のバイアル瓶または容器に入れて、キットの
中で提供することができる。二次抗体が存在するときには、この二次抗体は、一
般的には標識されており、上記の抗体処方物と同様の方法で処方することができ
る。
【0081】 同様に、本発明は、哺乳動物CCR4またはこのレセプターの一部の細胞によ
る発現を検出および/または定量する方法で、抗体またはその断片が結合するの
に適した条件下で、細胞またはその画分(例えば、膜画分)を含む組成物を、哺
乳動物CCR4またはこのレセプターの一部に結合する抗体またはその機能的断
片(例えば、1G1および/または2B10および/または10E4)に接触さ
せ、結合をモニターする方法にも関する。抗体と、CCR4またはその一部との
間で複合体を形成したことを示す、抗体の検出は、該レセプターの存在を示して
いる。抗体の細胞への結合は、例えば、「結合アッセイ」という見出しの下で上
記したようにして測定することができる。この方法を用いて、(例えば、血液、
唾液などの体液などの試料、またはその他適当な試料中の)個体由来の細胞上で
のCCR4発現を検出することができる。また、T細胞または単球の表面におけ
るCCR4発現量を、例えば、フローサイトメトリーによって測定することがで
き、発現量(例えば、染色強度)が、病気感受性、病気の進行またはリスクと相
関していることがある。
【0082】 ケモカインレセプターは、身体全体、特に、炎症部位に白血球が移動するとき
に機能する。脈管からの炎症細胞の遊出は、白血球および内皮細胞接着タンパク
質および細胞特異的化学誘引物質および活性化因子との相互作用を含む3段階の
プロセスによって制御されている(Springer,T.A.,Cell,7
6:301−314(1994);Butcher,E.C.,Cell,67
:1033−1036(1991);Butcher,E.C.とPicker
,L.J.,Science(Wash.DC),272:60−66(199
6))。これらは:(a)白血球のセレクチンと内皮細胞の炭水化物との間の低
親和性相互作用;(b)白血球の化学誘引物質レセプターと化学誘引物質/活性
化因子との間の高親和性相互作用;ならびに(c)白血球のインテグリンと、免
疫グロブリンスーパーファミリーの内皮細胞接着タンパク質との間の緊密な結合
である。白血球のサブセットが異なると、セレクチン、化学誘引物質レセプター
、およびインテグリンの異なったレパートリーを発現する。さらに、炎症が起き
ると、内皮接着タンパク質の発現、および化学誘引物質および白血球活性化因子
の発現が変わる。その結果、血管外部位に白血球を補充するときの選択性の制御
が非常に多様になる。第二の工程は、白血球化学誘引物質レセプターの活性化が
、セレクチン媒介性のセルローリング(cell rolling)からインテグリン媒介性
の緊密な結合への変化を引き起こすと考えられている点で重要である。この結果
、白血球が血管周囲部位に遊出する準備ができる。化学誘引物質/化学誘引物質
レセプター相互作用も、経内皮遊走、および組織内への局在化にとって重要であ
る(Campbell,J.J.ら、J.Cell Biol.,134:25
5−266(1996);Carr,M.W.ら、Immunity,4:17
9−187(1996))。この遊走は、炎症の中心に導く化学誘引物質の濃度
勾配によって誘発される。
【0083】 CCR4は、白血球輸送に重要な役割を果たしている。CCR4は、一定の炎
症部位へのT細胞、T細胞サブセット、または単球の遊走に関する重要なケモカ
インレセプターである可能性が高いため、抗−CCR4mAbを用いて、T細胞
または単球の遊走、特に、自己免疫疾患またはアレルギー反応などのT細胞機能
異常、または、アテローム性動脈硬化症など、単球媒介性障害に関連する遊走を
阻害(減少または阻止)することができる。したがって、本発明の抗体およびそ
の断片を用いて、研究や治療への適用場面で、レセプター機能を調節することも
できる。例えば、本明細書記載の抗体および機能的断片は、(a)(例えば、リ
ガンド、阻害物質、またはプロモーター(promoter)の)レセプターへの結合、
(b)レセプターのシグナル伝達機能、および/または(c)刺激機能を阻害(
低下または阻止)するための阻害物質として作用することができる。レセプター
機能の阻害物質として作用する抗体は、(例えば、立体構造の変化を生じさせる
ことによって)直接または間接的に、リガンドまたはプロモーターの結合をブロ
ックすることができる。例えば、抗体は、リガンドの結合を阻害することによっ
て、または、(リガンドの結合を阻害したり、阻害することなしに)脱感作する
ことによってレセプター機能を阻害することができる。レセプターに結合する抗
体は、レセプター機能のアゴニストとしても作用することができ、レセプターに
結合して、レセプターのシグナル伝達機能および/または刺激機能(例えば、白
血球の輸送)などのレセプター機能を開始または刺激する。
【0084】 このように、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒトの患者)における白血球の輸
送を阻害する方法で、哺乳動物に本発明の抗体またはその機能的断片を有効量投
与することを含む方法を提供する。本発明の抗体または断片を投与すると、疾病
状態の改善または解消をもたらすことができる。
【0085】 また、本発明の抗体またはその機能的断片は、ケモカインの結合によるCCR
4レセプターの活性化が関与している病気の治療に用いることができる。例えば
、抗体またはその機能的断片(例えば1G1および/または2B10および/ま
たは10E4またはその機能的断片)を用いて、アレルギー、アテローム発生、
アナフィラキシー、悪性腫瘍、慢性および急性炎症、ヒスタミンおよびIgE媒
介性のアレルギー反応、ショック、および慢性関節リューマチ、アテローム性動
脈硬化症、多発性硬化症,同種移植片拒絶、線維症、喘息、および炎症性糸球体
症を治療することができる。
【0086】 CCR4レセプター機能の阻害物質(抗体またはその好適な断片など)を用い
て治療可能な、ヒトまたは他の生物種の病気または症状には以下のものがあるが
,それらに限定されない。すなわち:
【0087】 ● 喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺炎、間質性肺疾患(I
LD)(例えば特発性肺線維症、または慢性関節リューマチと関連したILD、
全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、
多発性筋炎または皮膚筋炎)等の呼吸器系統のアレルギー性疾患;アナフィラキ
シーまたは過敏性反応、(例えばペニシリン、セファロスポリンに対する)薬物
アレルギー、昆虫の刺毛アレルギー;クローン病および潰瘍性大腸炎等の炎症性
腸疾患;脊椎関節症;硬皮症;乾癬、および皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、
アレルギー性接触皮膚炎,蕁麻疹のような炎症性皮膚炎;血管炎(例えば壊死性
血管炎,皮膚血管炎および過敏性血管炎)を含む、炎症性またはアレルギー性の
疾患および症状;
【0088】 ● 関節炎(例えば慢性関節リューマチ、乾癬性関節炎)、多発性硬化症、全
身性エリテマトーデス、重症筋無力症、若年性糖尿病、糸球体腎炎等の腎炎,自
己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病等の自己免疫疾患;
【0089】 ● 同種移植片拒絶または移植片対宿主疾患を含む移植片拒絶(例えば臓器移
植における);
【0090】 ● アテローム性動脈硬化症;
【0091】 ● 皮膚または器官の白血球の浸潤を伴う癌;
【0092】 ● 望ましくない炎症反応を阻害することで治療できる他の疾患または症状
(CCR4媒介性疾患または症状を含む)には、再潅流障害,ある種の血液学的
な悪性腫瘍、サイトカインが誘発する毒性(例えば敗血症性ショック,内毒性シ
ョック)、多発性筋炎、皮膚筋炎、および全身性肉芽腫症を含む肉芽腫性疾患な
どがあるが、それらに限定されない
【0093】 CCR4レセプター機能のプロモーター(抗体およびその断片を含む)を用い
て治療可能な疾患または症状には以下のものがあるが、それらに限定されない:
【0094】 ● たとえばAIDSのような免疫不全症候群に罹った個体、免疫抑制を生じ
る放射線治療、化学治療、自己免疫疾患の治療または他の薬物治療(例えば副腎
皮質ホルモン治療)を受けている個体における免疫抑制;およびレセプター機能
の先天的な不全または他の原因による免疫抑制。
【0095】 本発明の抗−CRR4抗体は、1種類以上のケモカインの結合をブロックする
ことができ、その結果、上述の障害をもたらす一つ以上の事象のカスケードの下
流をブロックすることができる。
【0096】 投与法 本発明の一つ以上の抗体または断片は、適当な経路で、単独で、または別の薬
物または薬剤と組み合わせて(その投与前に、同時に、または投与後に)、個体
に投与することができる。例えば、本発明の抗体は、他のモノクローナル抗体ま
たはポリクローナル抗体と組み合わせて(例えば、CCR3およびCCR5など
であるが、これらに限定されない、他のケモカインレセプターに結合する抗体を
組み合わせて)、または、予防処置または治療処置に用いる市販のガンマグロブ
リン製剤および免疫グロブリン製剤のような既存の血液血漿産物と組み合わせて
用いることもできる。本発明の抗体または断片は、抗生物質および/または抗菌
剤と共に供される、別個に投与される組成物として用いることができる。
【0097】 有効量の抗体または断片(すなわち1種類以上の抗体または断片)が投与され
る。有効量とは,CCR4機能を阻害し、それによって、炎症反応またはHIV
感染を阻害するのにするのに十分な量、または、上述のように、CCR4機能を
促進するのに十分な量というように、投薬条件下で、所望の治療効果(予防も含
む)を達成するのに十分な量のことである。
【0098】 経口、摂食、局部、非経口(例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、および皮下へ
の注射)、吸入、(例えば、気管支内、眼球内、鼻腔内または経口吸入、点鼻剤
)などであり、必ずしもこれらに限定されない、さまざまな投与経路が、治療対
象の疾患と症状に応じて可能である。他の適当な投与方法には、再充填可能な、
または生物分解性のデバイス(devices)や、緩徐放出ポリマーデバイスなどが
ある。本発明の医薬組成物は、他の薬剤との併用治療の一部として投与すること
も可能である。
【0099】 投与対象の抗体または断片の処方は、選択した投与経路および処方(例えば、
溶液、乳濁物、カプセルなど)によって様々である。投与対象の抗体またはその
機能的断片を含む、適当な医薬組成物を生理学的に許容できるビヒクル(vehicl
e)や担体に入れて調製することができる。抗体および/または断片の混合物を
用いることもできる。溶液または乳濁物の場合、適当な担体は、例えば、生理食
塩水や緩衝化媒体などの、水溶液もしくはアルコール/水溶液、乳濁物もしくは
懸濁物などである。非経口的なビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンガーの
デキストロース、デキストロース、および塩化ナトリウム、乳酸加リンガーのま
たは固定された油などがある。水、緩衝化された水、緩衝化生理食塩水、ポリオ
ール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコ
ールなど)、デキストロース液、およびグリシンなど、当業者には、さまざまな
適当な水性担体が知られている。静脈内ビヒクルとしては、さまざまな添加剤、
保存剤、または液剤、栄養素または電解質の補充剤などがある(一般的には、レ
ミントンの薬剤科学、第16版、マック編、1980(Remington’s
Pharmaceutical Science,16th,Edition
,Mack,Ed.1980)を参照)。該組成物は、例えば、酢酸ナトリウム
、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、および乳酸ナトリウムなど
のpH調節剤、緩衝剤、および毒性調節剤のように、生理的条件に近づけるのに
必要な薬学的に許容される補助物質を任意に含むことができる。本発明の抗体お
よび断片は、当技術分野において既知の凍結乾燥および再構成の技術によって、
貯蔵するために凍結乾燥し、使用する前に適当な担体中で再構成することができ
る。選択した媒体中の活性成分の至適濃度は、所望の最終的な薬剤処方に応じて
、当業者に公知の手順によって経験的に決定される。吸入の場合には、抗体また
は断片を可溶化し、適当な投薬用容器(例えば、アトマイザー、ネブライザー、
または加圧エアロゾル投薬容器)に入れることができる。
【0100】 ここで、以下の実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、それら
は、本発明の範囲を制限するためのものではない。本明細書において引用されて
いるすべての文献が教示するところは、すべて参照してここに組み込まれる。
【0101】 実施例 材料および方法 CCR4の安定なトランスフェクタントの構築 側方にそれぞれHindIII部位とXbaI部位を含む5` −オリゴヌクレ
オチドプライマー(5’−CCAACCAAGCTTATGAACCCCACG
GATATAGCAG−3’;配列番号:1)および3’−オリゴヌクレオチド
プライマー(5’−CCAACCTCTAGATTAGAGCATCATGGA
GATCATGATCC−3’;配列番号:2)を用いたPCRによって、CC
R4cDNAを得た。PCR断片をpMRB101のHindIIIおよびXb
aI部位にサブクロニーングし、挿入した遺伝子をCMVプロモーターによって
作動させた。このDNAを、既述されているように(Ponathら、J.Ex
p.Med.183:2437(1996);Wuら、J.Biol.Chem
.271:31202(1996);Wuら、Nature,384:179(
1996))、マウスのプレBリンパ腫細胞株(L1.2またはL1/2)の中
に安定にトランスフェクトした。TARCおよびMDCに対する化学走性能力に
ついて、連続稀釈/サブクロニーングを行なって、CCR4を高レベル発現する
細胞を選抜した。モノクローナル抗体を作製するには、細胞を5mMの酪酸で1
6〜18時間処理し、マウスを免疫するために用いた。
【0102】 細胞および細胞株 ボランティアのドナーから静脈血を集め、既述されているように(Ponat
hら、J.Exp.Med.183:2437(1996))、フィコール−ヒ
パーク(ficoll−hypaque)密度勾配遠心によってPBMCを単離
した。この他に使用した細胞株には、さまざまなケモカインレセプターまたはオ
ーファンGタンパク質共役型レセプターを発現する、L1.2マウスプレBリン
パ腫細胞株のトランスフェクタントなどがある。
【0103】 ヒト末梢血を10%(v/v)の0.1M EDTAの中に集めて、1ステッ
プポリモルフ勾配(ニューヨーク州(NY)のアキュレートケミカル社(Acc
urate Chemical Co.))の上に重層し、室温下、400×g
で30分間遠心分離した。好中球および単球の細胞層を集めて、カルシウムおよ
びマグネシウムを含まないDPBS(ニューヨーク州グランドアイランド(Gr
and Island、NY)のライフテクノロジーズ社(Life Tech
nologies))に再懸濁して、750×gで15分間遠心分離した。この
ペレットをE−Lyse(ニューメキシコ州サンタフェ(Santa Fe,N
M)のカーディナルアソシエイツ社(Cardinal Associates
)に再懸濁して5分間氷上に置いて、赤血球細胞を好中球画分に溶解した。両方
の細胞画分を氷冷DPBSで2回洗浄した。107 個の単球を5×107 細胞/
mlで、107 単球あたり20μlのCD14Miltenyiビーズ(カリフ
ォルニア州オーバーン(Auburn,CA)のミルテニイバイオテック社(M
iltenyi Biotech))とともに、PBS、1%BSA、5mM
EDTAの中で30分間4℃でインキュベートして、末梢単球からCD14陽性
単球を取り出した。そして、これらをスピンダウンして、PBS、1%BSA、
5mM EDTAで5×107 細胞/mlになるよう再懸濁して、磁界中に置い
たVSカラム(カリフォルニア州オーバーン(Auburn,CA)のミルテニ
イバイオテック社(Miltenyi Biotech))に通して、タギング
されていない細胞を除去した。磁界の外で5mlのPBS、1%BSA、5mM
EDTAをVSカラムに流して細胞を除去した。この手順を、CD4Milt
enyiビーズを用いて繰り返してCD4リンパ球を単離し、化学走性アッセイ
に用いる前に、10%FCS(ユタ州(Utah)84321のハイクローン社
(Hyclone))入りのDMEM、2nMグルタミン、50U/mlペニシ
リン、50ug/mlストレプトマイシン、1nM MEMピルビン酸ナトリウ
ム、10nM Hepes(すべて、ニューヨーク州14072、グランドアイ
ランド(Grand Island、NY14072)のギブコ(Gibco)
BRL社から入手)の中で一晩インキュベートした。
【0104】 慢性的に活性化されているTH1およびTH2リンパ球の調製 6穴の組織培養皿(Falcon3046,ニュージャージー州フランクリン
レイクス(Franklin Lakes,NJ)のベクトン・ディキンソン・
ラボウエア社(Beckton Dickinson Labware))を1
0μg/mlの抗−CD28(ベクトン・ディキンソン社(Beckton D
ickinson))および2μg/mlのOKT3(バージニア州マナッサス
(Manassas,VA)のアメリカンタイプカルチャーコレクション(Am
erican Type Culture Collection))によって
一晩コートした後、PBSで2回洗浄した。臍帯血のCD4リンパ球(メリーラ
ンド州ジャーマンタウン(German Town,MD)のポイエティックシ
ステムズ社(Poietic Systems))を、10%FCS(ユタ州(
Utah)のハイクローン社(Hyclone))およびIL−2(4ng/m
l)入りのDMEM、2nMグルタミン、50U/mlペニシリン、50ug/
mlストレプトマイシン、1nM MEMピルビン酸ナトリウム、10nM H
epes(すべて、ニューヨーク州グランドアイランド(Grand Isla
nd NY)のギブコ(Gibco)BRL社から入手)の中で、105 〜10 6 細胞/mlで培養した。IL−12(5ng/ml)および抗−IL4(1m
g/ml)を用いてTH1を誘発する一方、IL−4(5ng/ml)および抗
−IFNガンマ(1μg/ml)を用いてTH2を誘発した。4〜5日後、活性
化されたTH1リンパ球とTH2リンパ球を一度DMEMで洗浄してから、10
%FBSおよびIL−2(1ng/ml)入りのDMEM中で4〜7日間培養し
た。その後、活性化されたTH1リンパ球とTH2リンパ球を、上記のごとく、
抗−CD28/OKT3およびサイトカインによって5日間再刺激したが、アポ
トーシスを防止するために抗−CD95L(1mg/ml)を加えた。4〜5日
後、TH1およびTH2リンパ球を洗浄してから、再び、IL−2とともに4日
間培養した。活性化TH1およびTH2リンパ球は、このようにして、最大3回
まで維持した。サイトカインはすべて、RアンドDシステムズ社(ニューメキシ
コ州ミネアポリス(Minneapolis、MN)から入手したが、抗IL−
4、抗−CD95L、および抗−IFNガンマはファーミンゲン社(Pharm
ingen)(カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego,CA))
から入手した。
【0105】 抗−CCR4モノクローナル抗体の作製、免疫蛍光染色、およびFACS(登
録商標)解析 トランスフェクトされたCCR4を大量に発現するL1.2細胞でマウスを免
疫して、CCR4と反応するmAbを作製した。6匹のメスのC57BL6マウ
スを、107 細胞で2週間隔で8〜12回腹膜内から免疫し、CCR4特異的な
mAbを同定するために、融合を6回行なった。具体的には、CCR4/L1.
2細胞を静脈内注射してから4日後、脾臓を取り出し、既述のごとく(Coli
ganら、免疫学の最新プロトコル(Current Protocols i
n Immunology)、ニューヨーク(New York)のジョン・ワ
イリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons))、細
胞をSP2/0細胞株と融合させた。一般的に、一回の融合あたり3000〜5
000個のハイブリドーマをスクリーニングした。6回の融合のうち1回におい
て、抗−CCR4mAbを検出した;このmAbを1G1(IgG1)と名付け
た。さらに7回融合を行なって、2番目の抗−CCR4mAbを検出した;この
mAbを2B10(IgG2a)と呼んだ。また、さらに抗−CCR4mAbを
同定し、10E4(IgG1)と呼んだ。1G1、2B10、および10E4の
ハイブリドーマは、DMEM、10%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、1mM
ピルビン酸ナトリウム、および100ng/mlのIL−6、ならびにペニシリ
ン(50ユニット/ml)およびストレプトマイシン(50ug/ml)の中で
培養することができる。
【0106】 ケモカインレセプターまたはオーファンGタンパク質共役型レセプターを発現
する、様々なL1.2トランスフェクタントに対する反応性に関して、1G1、
2B10、および10E4をスクリーニングした。CD4、CD8、CD14、
CD20、CD25、CD26、CD69、CD45RO、およびCD45RA
に対するPE結合mAbを、ベクトン・ディキンソン社(Beckton Di
ckinson)(カリフォルニア州サンノゼ(San Jose、CA))か
ら入手した。ファーミンゲン社(Pharmingen)(カリフォルニア州ラ
ホヤ(La Jolla,CA))から、同様のmAb、および抗−CD95
PE、抗−CD3 Cy−Chrome、および抗−CD4 Cy−Chrom
eの供給を受けた。
【0107】 トランスフェクトされた細胞または白血球に対するmAbの反応性を判定する
ために、間接免疫蛍光法とフローサイトメトリーを用いた。細胞を一度PBSで
洗浄し、5%ヒト血清および0.1%アジ化ナトリウムを含む100μlのPB
S(染色用緩衝液)、5μg/ml精製抗体、5μg/ml IgG1アイソタ
イプに適合した対照mAbのMOPC21(ミズーリ州セントルイス(St.L
ouis、MO)のシグマケミカル社(Sigma Chemical Co.
))または50mlのハイブリドーマ培養上清の中に再懸濁した。4℃に20分
間置いた後、染色用緩衝液で細胞を2回洗浄し、FITCに結合した、アフィニ
ティー精製されたF(ab’)2ヤギ抗−マウスIgG(ペンシルバニア州ウエ
ストグローブ (West Grove,PA)のジャクソン・イムノリサーチ
研究所(Jackson ImmunoResearch Laborator
ies))50mlに再懸濁した。4℃で20分間インキュベートした後、染色
用緩衝液で細胞を1回洗浄してから、FACScan(登録商標)上で解析して
、表面発現量を測定した。
【0108】 組織および免疫組織化学 国立疾患研究交流機関(National Disease Researc
h Interchange)(NDRI、ペンシルバニア州フィラデルフィア
(Philadelphia,PA))から正常なヒト縦隔リンパ節を入手し
た。既述の技術(Silberら、Lab.Invest.70:163(19
94))を用い、凍結組織試料に対して、CCR4についての免疫組織化学的解
析を行なった。抗−CCR4mAb1G1(0.3%トリトンX100/0.2
%トゥイーン20(Tween20)/1%FCS/5%ヒトAB血清、0.1
%アジ化ナトリウム中10μg/ml)を組織切片の上に適用し、4℃で一晩イ
ンキュベートした。アイソタイプが適合する無関係なmAb(MOPC21;ミ
ズーリ州セントルイス(St.Louis、MO)のシグマ社(Sigma))
を、縦隔節の段階的切片に対し、陰性対照として同じ濃度で用いた。次に、ビオ
チン化ヤギ抗−マウスIgGおよびアビジン−ビオチン−アルカリホスファター
ゼ複合体(カリフォルニア州サンラモン(San Ramon,CA)のバイオ
ジェネックス社(Biogenex))を順々に加えた。内因性アルカリホスフ
ァターゼ活性をブロックするためにレバミゾールを含むファーストレッド(Fa
st Red)(カリフォルニア州サンラモン(San Ramon,CA)の
バイオジェネックス社(Biogenex))を色素原として用い、メイヤーの
ヘマトキシリンを対比染色に用いた。
【0109】 125 I−TARC結合 125 Iで標識したヒトTARCをデュポン・NEN社(DuPont NEN
)(マサチューセッツ州ボストン(Boston,MA))から購入し、非標識
ケモカインは、ペプロテック社(Peprotech)(ニュージャージー州ロ
ッキーヒル(Rocky Hill,NJ))またはR&Dシステムズ社(ニュ
ーメキシコ州ミネアポリス(Minneapolis、MN))から購入した。
標的細胞へのケモカインの結合は、以下の手順で行なった:CCR4/L1.2
細胞を洗浄して、結合用緩衝液(50mM HEPES,pH7.5,1mM
CaCl2 ,5mM MgCl2 ,および0.5%BSA)に107 /mlとな
るよう再懸濁した。各結合反応液(最終容量100μl)について、25μlの
細胞懸濁液(2.5×105 細胞)を、適当な量の抗−CCR4のmAb、また
はアイソタイプが適合する対照mAbとともに、またはそれを入れずに、0.1
nMの放射性標識ケモカインと混合した。全結合は、放射性標識ケモカインのみ
存在するところで測定し、非特異的結合(バックグラウンド)は、100nMの
非標識ケモカイン存在下で測定した。反応液を室温で45〜60分間インキュベ
ートし、混合液をGFBフィルタープレートに移して停止させ、次に、0.5M
NaClを含む結合用緩衝液で2〜3回洗浄した。プレートを乾燥させ、計測
する前にマイクロセイント(MicroSeint)シンチレーション液を加え
た。各試料は反復して測定した。結果を図5に示す。2B10のIC50値は、約
1ng/mlであり、1G1のIC50値は約1μg/mlであった(カレイダグ
ラフソフトウエア(Kaleidagraph software))。
【0110】 化学走性アッセイ CCR4/L1.2トランスフェクタント細胞およびピア(Peer)細胞株
を用いた化学走性を、以前の記載にしたがって行なった(Wuら、J.Biol
.Chem.271:31202(1996);Wuら、J.Exp.Med.
186:1373(1997))。簡単にいうと、コスター社(Costar、
マサチューセッツ州)から入手した3μM口径のトランスウエルインサートを用
いた。0.5mlのRPMI、0.5%BSA、10mM Hepes中100
ng/mlになるようケモカインを下方のウエルに加えた。調査中の細胞をRP
MIで洗浄してRPMI、0.5%BSAおよび10mM Hepes中で4×
106 細胞/mlとなるよう再懸濁した。場合によっては、mAbを細胞懸濁液
に50μg/mlとなるまで加え、4℃で10分間結合させた。200μlの細
胞懸濁液のアリコート(aliquot)(2×106 個の細胞投入)を各インサート
に加えた。5%CO2 インキュベーター内に3℃で2〜4時間置いた後、インサ
ートをプレートから外した。トランスウエルの底部チャンバーに遊走した細胞を
、FACScan(登録商標)を用いて30秒間、細胞を数えて数量化した。フ
ォワードアングル(Forward angle)とサイドスキャッターゲート(side scatte
r gates)を、細胞残さまたは無関係な細胞を排出させるために設けた。MDC
およびTARCに対する化学走性の1G1阻害のIC50値は約0.25μg/m
lであった。
【0111】 結果 CCR4は、T細胞上で発現する、TARCおよびMDCによって特異的に活
性化されうるケモカインレセプターである。CCR4の発現と機能をさらに調べ
るため、ヒトCCR4レセプターに対するモノクローナル抗体(1G1,2B1
0および10E4)を作製した。モノクローナル抗体1G1は、CCR4/L1
.2トランスフェクタントを染色するが、他のケモカインレセプターやオーファ
ンGタンパク質共役型レセプターを発現する20種類以上の異なるL1.2トラ
ンスフェクタントのパネルは染色しなかった(図1)。モノクローナル抗体2B
10は、L1.2CCR4トランスフェクタントと反応するが、これまでに調べ
た別の2種類のケモカインレセプタートランスフェクタントと反応しなかった。
モノクローナル抗体(mAb)1G1は、CD4+末梢血リンパ球の約15%を
染色するが、CD8+Tリンパ球を染色することはほとんどない(図2と3)。
CCR4は、活性化メモリーT細胞のサブセット上で発現しており;ほとんどの
CLA+/a4b7−上で発現しているが、CLA−/a4b7+細胞上では発
現しない。より具体的には、mAb1G1は、インビトロ由来のTh2を特異的
に染色するが、Th1細胞は染色しない。一方、CXCR3は、ほとんどのTh
1上で発現しているが、Th2細胞では発現しない。CCR2はどちらの細胞型
でも発現している(図4)。さらに、予備的な免疫組織化学実験では、CCR4
が、ヒトの扁桃腺およびいくつか別の組織におけるT細胞のサブセット、マクロ
ファージ、および内皮で検出されうることが示されている。mAb1G1は、12 5 I標識TARCがCCR4/L1.2トランスフェクタントに結合するのを阻
害し(図5)、また、これらの細胞のTARCおよびMDCに対する化学走性も
阻害する(図6A〜6D、7A〜7B、8、9および10)。
【0112】 モノクローナル抗体2B10は、L1.2CCR4トランスフェクタントを染
色するが、L1.2の親細胞株や、別の2種類のケモカインレセプタートランス
フェクタント(gpr−9−6とV28)は染色しないと認められた。1G1と
合わせて考えてみると、2B10は、末梢CD4リンパ球の約15%のサブセッ
トを染色するが、CD8リンパ球はほとんど染色しないことが分かった。CD1
9リンパ球およびNK細胞は、2B10では染色されなかった。2B10で染色
されたCD4リンパ球は、CD45ROの発現によって区別したところ、メモリ
ーCD4リンパ球のサブセットであった。1G1と合わせて考えてみると、2B
10は、インビトロ由来のTh2リンパ球と選択的に反応して、インビトロ由来
のTh1リンパ球とは反応しないことが分かった。化学走性アッセイにおいて、
2B10は、末梢血CD4リンパ球とインビトロ由来のTh2リンパ球のTAR
CおよびMDCに対する化学走性を有意にブロックした。全体的に見て、10E
4が、もっとも優れたブロッキングを行なう抗−CCR4モノクローナル抗体で
あり、次が2B10、その次が1G1であることが明らかとなった(図10Aと
10B)。これらをまとめた結果は、CCR4およびそのリガンドが、Th2媒
介性炎症反応および皮膚では重要な役割を果たしているが、粘膜、Tリンパ球の
ホーミングでは、重要な役割は果たしていない可能性を示唆している。
【0113】 本発明は、その好ましい実施態様を挙げながら、具体的に説明されているが、
添付の特許請求の範囲によって規定される発明の精神と範囲を逸脱することなく
、その形状や細部にさまざまな変更を加えることができることは、当業者の理解
しているところである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、様々なL1.2トランスフェクタントのmAb 1G1染色を示すF
ACScan(登録商標)プロフィールである。異なるケモカインレセプターC
CR1〜CCR8を発現させる安定L1.2トランスフェクタントを抗−CCR
4 mAb 1G1で染色した。陰性対照染色はどのL1.2トランスフェクタ
ントについてもCCR1/L1.2細胞の染色と似ていた。
【図2】 図2は、末梢血リンパ球の様々な集団でのCCR4発現を示すFACScan
(登録商標)ドットプロットである。2色染色プロトコールにより、mAb 1
G1(全てのプロットでx軸)と、細胞マーカー(全てのプロットでy軸)CD
14(単球)、CD4とCD8(T細胞)、CD16とCD56(NK細胞)お
よびCD19とCD20(B細胞)とを使って、CCR4の発現を評価した。各
プロットにサブセットマーカーを表示する。各象現は対照mAbの染色に従って
設定した。染色は解析したドナーを示す。
【図3】 図3は、CD4+T細胞でのCCR4発現を示すFACScan(登録商標)
ドットプロットである。3色染色プロトコールを使って、CD4+T細胞でのC
CR4(全てのプロットでx軸)とT細胞サブセットマーカー(全てのプロット
でy軸)の発現を評価した。各プロットにサブセットマーカーを表示する。各象
現は対照mAbの染色に従って設定した。染色は解析した複数のドナーを示す。
CD4+リンパ球にゲートをかけ、CCR4対様々な細胞マーカーをグラフに表
すことによって細胞を解析した。各象現は対照mAbの染色に従って設定した。
メモリー/ナイーブ(naive)マーカー:CD45RO、CD45RA。セ
レクチン/リガンド:CLA、P−セレクチンリガンド、E−セレクチンリガン
ド、L−セレクチン。インテグリン:ACT−1(α4β7)、CD49d(α
4)、インテグリンβ7、CD29(β1)、CD104(β4)およびCD1
03(αe)。mAb 2B10によるCCR4染色は同じ染色パターンを示す
【図4】 図4は、Th2細胞でのCCR4の発現を示すFACScan(登録商標)プ
ロフィールである。臍帯血CD4リンパ球から2サイクルの活性化によって産生
した慢性活性化Th1リンパ球(線)と慢性活性化Th2リンパ球(塗り潰した
部分)を陽性対照として抗α4β7 mAb Act1で染色した。このインテ
グリンはTh1リンパ球とTh2リンパ球の両方に発現するからである。抗−C
CR2 mAb 1D9による染色はTh1およびTh2 mAbがどちらもC
CR2を発現することを示し、抗−CXCR3 mAb(R&D、ミネソタ州ミ
ネアポリス)による染色はCXCR3がインビトロ誘導Th1細胞に選択的に発
現されることを示した。1G1を使用することにより、CCR4はTh2リンパ
球に選択的に発現することを見出した。
【図5】 図5は、mAb 1G1および2B10がCCR4/L1.2トランスフェク
タントに対する125 I−TARCの結合を阻害することを示すグラフである。C
CR4/L1.2細胞をある用量範囲のmAb 1G1、mAb 2B10また
はMOPC21(IgG1イソタイプ対照)の不在下(総結合量)または存在下
(競合結合量)で0.1nMの125 I−TARCと共にインキュベートした。6
0分後に過剰の抗体とケモカインを洗い流し、反応液をカウントした。示された
データは、総結合量に対する阻害パーセントである。
【図6】 図6A−6Dは、TARCおよびMDCに対するCCR4/L.12化学走性
のmAb 1G1による阻害を示すグラフである。トランスウェル化学走性アッ
セイにおいてCCR4/L1.2細胞をmAb 1G1またはmAb MOPC
21(イソタイプ対照)の存在下または不在下でTARCまたはMDCに向かっ
て走化させた。図6Aおよび6Bではある濃度範囲のケモカインを20μg/m
lのmAb 1G1およびMOPC21と共に使用した。図6Cおよび6Dでは
5nMのケモカインをある濃度範囲の1G1およびMOPC21と共に使用した
。移動した細胞数は前方散乱と側方散乱を用いてフローサイトメトリーによって
カウントした。
【図7】 図7A−7Bは、TARC(図7A)およびMDC(図7B)に対するPee
r細胞(ヒトデルタ・ガンマT細胞レセプター株)化学走性のmAb 1G1に
よる阻害を示すグラフである。トランスウェル化学走性アッセイにおいてPee
r細胞をmAb 1G1の存在下または不在下でTARCまたはMDCに向かっ
て走化させた。ある濃度範囲のTARCまたはMDCを50μg/mlの抗−C
CR4 mAb 1G1およびmAb MOPC21(イソタイプ対照)と共に
使用した。移動した細胞数は前方散乱と側方散乱を用いてフローサイトメトリー
によってカウントした。
【図8】 図8は、Th2の移動に対する抗−CCR4 mAb 1G1および2B10
の効果を示す。慢性活性化Th1/Th2を臍帯血CD4リンパ球から2サイク
ルの活性化によって産生し、50μg/mlのIgG1対照mAb、抗−CCR
4 mAb 1G1または抗−CCR4 mAb 2B10と共にプレインキュ
ベートした。氷上で10分の後、Th2細胞を100ng/mlのMDC、TA
RCまたはRANTESに向かって2時間移動させた。ある場合は、MDCをM
DCに対するウサギポリクローナルと共に10分間プレインキュベートしてから
使用した(MDC/−MDC)。バックグラウンドの移動を確定するために、下
部ウェルにケモカインを使用しなかった(−)。この時間の後、下部ウェルに蓄
積された細胞をFACSCANを用いてカウントした。
【図9】 図9は、24時間齢のCD4リンパ球の移動に対する抗−CCR4 mAb
1G1および2B10の効果を示す。24時間齢のCD4リンパ球を50μg/
mlの対照mAb、抗−CCR4 mAb 1G1または抗−CCR4 mAb 2B10と共にプレインキュベートした。氷上で10分の後、そのCD4リン
パ球を100ng/mlのMDC、TARCまたはRANTESに向かって2時
間移動させた。ある場合は、MDCをMDCに対するウサギポリクローナルと共
に10分間プレインキュベートしてから使用した(MDC/−MDC)。バック
グラウンドの移動を確定するために、下部ウェルにケモカインを使用しなかった
(−)。この時間の後、下部ウェルに蓄積した細胞をFACSCANを用いてカ
ウントした。
【図10】 図10Aと10Bは、MDCとTARCに対するL1.2/CCR4トランス
フェクタントの移動をモノクローナル抗体10E4、2B10および1G1がブ
ロックすることを示すグラフである。L1.2/CCR4トランスフェクタント
(2×106 細胞/ml RPMI、0.5%ウシ血清アルブミン、10mM
Hepes)を様々な濃度の精製抗−CCR4モノクローナル抗体10E4(I
gG1)、2B10(IgG2a)および1G1(IgG1)と共に氷上で10
分間前処理し、次に各200μlの細胞のアリコートをCostar 3.0μ
M トランスウェルフィルター(Costar、マサチューセッツ州ケンブリッ
ジ)を使った化学走性アッセイに使用して、50ng/mlのMDC(図10A
)または100ng/mlのTARC(図10B)に向かって走化させた。次に
Becton DickinsonのFACSCANで細胞をカウントした。1
0E4が最もよいブロッキング抗−CCR4モノクローナル抗体であり、2B1
0がこれに続き、1G1はその次であることがわかった。IgG1対照モノクロ
ーナル抗体はL1.2/CCR4トランスフェクタントのMDC(315±30
)またはTARC(382±11)への移動に対して何の効果も持たなかった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月12日(2001.1.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項44
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】 本発明の抗体を産生するネズミハイブリドーマ細胞株は、1999年1月5日
にLeukoSite,Inc.,215 First Street,Cam
bridge,MA 02142,U.S.A.を代表してアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(American Type Culture
Collection)、10801、University Bouleva
rd,Manassas,Virginia 20110,U.S.A.に、登
録番号HB−12624(LS141−1G1−65−15−1(1G1))お
よびHB−12625(LS185−2B10−4−1(2B10))で寄託さ
れた。本発明のさらなる抗体を産生するネズミハイブリドーマ細胞株は、200
0年1月14日にLeukoSite,Inc.,215 First Str
eet,Cambridge,MA 02142,U.S.A.を代表してアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション、10801、Universit
y Boulevard,Manassas,Virginia 20110,
U.S.A.に、登録番号PTA−1203(LS257−10E4.1.1(
10E4))で寄託された。本発明はまた、ATCC登録番号HB−12624
、ATCC登録番号HB−12625、およびATCC登録番号PTA−120
3の下で寄託されたハイブリーマ細胞株、ならびにATCC登録番号HB−12
624、HB−12625およびATCC登録番号PTA−1203の下で寄託
されたハイブリドーマ細胞株により産生されるモノクローナル抗体に関する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】 また本発明は、ATCC登録番号HB−12624、HB−12625および
PTA−1203の下で寄託されたハイブリドーマ細胞株ならびにATCC登録
番号HB−12624、HB−12625およびPTA−1203の下で寄託さ
れたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体に関する。本
発明の細胞株はモノクローナル抗体の産生の他にも用途を有する。例えば、本発
明の細胞株をさらなるハイブリドーマを作製するために、他の細胞(適当な薬剤
標識された(drug−marked)ヒトの骨髄腫、マウスの骨髄腫、ヒト−
マウスヘテロ骨髄腫またはヒトのリンパ芽球細胞など)と融合させて、モノクロ
ーナル抗体をコードする遺伝子の伝達を提供することができる。またこれらの細
胞株は抗−CCR4免疫グロブリン鎖をコードする核酸の供給源として使用する
こともできる。これは、単離し、発現させることができる(例えば任意の適切な
技術を使って他の細胞に移入したとき、例えばCabillyら、米国特許第4
,816,567号;Winter、米国特許第5,225,539号を参照さ
れたい)。例えば、再配列された抗−CCR4軽鎖または重鎖を含むクローンは
(例えばPCRによって)単離され得るか、またはこれらの細胞株から単離され
るmRNAからcDNAライブラリーを作成して抗−CCR4免疫グロブリン鎖
をコードするcDNAクローンが単離され得る。したがって、特異的な免疫グロ
ブリン、免疫グロブリン鎖またはそのバリアント(例えばヒト化免疫グロブリン
)を様々な宿主細胞中またはインビトロ翻訳系中で産生するために、抗体または
その一部の重鎖および/または軽鎖をコードする核酸を組換えDNA技術に従っ
て取得し使用することができる。例えば、核酸(cDNA、またはヒト化免疫グ
ロブリンもしくは免疫グロブリン鎖などのバリアントをコードするその誘導体を
含む)は、適切な原核生物または真核生物ベクター(例えば発現ベクター)中に
配置され得る。これを適切な宿主細胞中に適当な方法(例えば形質転換、トラン
スフェクション、エレクトロポレーション、感染など)によって導入することが
できる。その結果、核酸が(例えばベクター中または宿主細胞のゲノム中に組み
込まれた)1つ以上の発現制御因子に作動可能な形で連結される。産生のために
は、宿主細胞を発現に適した条件下に(例えば誘導物質、適当な塩類が補足され
た適切な培地、成長因子、抗生物質、栄養補充剤の存在下に)維持することがで
き、それによりコードされたポリペプチドが産生される。所望であれば、コード
されたタンパク質を(例えば、宿主細胞、培地、乳から)回収および/または単
離し得る。この産生方法にトランスジェニック動物の宿主細胞中での発現が包含
されることは理解されるだろう(例えば、1992年3月19日に公開された国
際公開第92/03918号,GenPharm International
を参照されたい)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、様々なL1.2トランスフェクタントのmAb 1G1染色を示すF
ACScan(登録商標)プロフィールである。異なるケモカインレセプターC
CR1〜CCR8を発現させる安定L1.2トランスフェクタントを抗−CCR
4 mAb 1G1で染色した。陰性対照染色はどのL1.2トランスフェクタ
ントについてもCCR1/L1.2細胞の染色と似ていた。
【図2】 図2A−2Bは、末梢血リンパ球の様々な集団でのCCR4発現を示すFAC
Scan(登録商標)ドットプロットである。2色染色プロトコールにより、m
Ab 1G1(全てのプロットでx軸)と、細胞マーカー(全てのプロットでy
軸)CD14(単球)、CD4とCD8(T細胞)、CD16とCD56(NK
細胞)およびCD19とCD20(B細胞)とを使って、CCR4の発現を評価
した。各プロットにサブセットマーカーを表示する。各象現は対照mAbの染色
に従って設定した。染色は解析したドナーを示す。
【図3】 図3A−3Dは、CD4+T細胞でのCCR4発現を示すFACScan(登
録商標)ドットプロットである。3色染色プロトコールを使って、CD4+T細
胞でのCCR4(全てのプロットでx軸)とT細胞サブセットマーカー(全ての
プロットでy軸)の発現を評価した。各プロットにサブセットマーカーを表示す
る。各象現は対照mAbの染色に従って設定した。染色は解析した複数のドナー
を示す。CD4+リンパ球にゲートをかけ、CCR4対様々な細胞マーカーをグ
ラフに表すことによって細胞を解析した。各象現は対照mAbの染色に従って設
定した。メモリー/ナイーブ(naive)マーカー:CD45RO、CD45
RA。セレクチン/リガンド:CLA、P−セレクチンリガンド、E−セレクチ
ンリガンド、L−セレクチン。インテグリン:ACT−1(α4β7)、CD4
9d(α4)、インテグリンβ7、CD29(β1)、CD104(β4)およ
びCD103(αe)。mAb 2B10によるCCR4染色は同じ染色パター
ンを示す。
【図4】 図4は、Th2細胞でのCCR4の発現を示すFACScan(登録商標)プ
ロフィールである。臍帯血CD4リンパ球から2サイクルの活性化によって産生
した慢性活性化Th1リンパ球(線)と慢性活性化Th2リンパ球(塗り潰した
部分)を陽性対照として抗α4β7 mAb Act1で染色した。このインテ
グリンはTh1リンパ球とTh2リンパ球の両方に発現するからである。抗−C
CR2 mAb 1D9による染色はTh1およびTh2 mAbがどちらもC
CR2を発現することを示し、抗−CXCR3 mAb(R&D、ミネソタ州ミ
ネアポリス)による染色はCXCR3がインビトロ誘導Th1細胞に選択的に発
現されることを示した。1G1を使用することにより、CCR4はTh2リンパ
球に選択的に発現することを見出した。
【図5】 図5は、mAb 1G1および2B10がCCR4/L1.2トランスフェク
タントに対する125 I−TARCの結合を阻害することを示すグラフである。C
CR4/L1.2細胞をある用量範囲のmAb 1G1、mAb 2B10また
はMOPC21(IgG1イソタイプ対照)の不在下(総結合量)または存在下
(競合結合量)で0.1nMの125 I−TARCと共にインキュベートした。6
0分後に過剰の抗体とケモカインを洗い流し、反応液をカウントした。示された
データは、総結合量に対する阻害パーセントである。
【図6】 図6A−6Dは、TARCおよびMDCに対するCCR4/L.12化学走性
のmAb 1G1による阻害を示すグラフである。トランスウェル化学走性アッ
セイにおいてCCR4/L1.2細胞をmAb 1G1またはmAb MOPC
21(イソタイプ対照)の存在下または不在下でTARCまたはMDCに向かっ
て走化させた。図6Aおよび6Bではある濃度範囲のケモカインを20μg/m
lのmAb 1G1およびMOPC21と共に使用した。図6Cおよび6Dでは
5nMのケモカインをある濃度範囲の1G1およびMOPC21と共に使用した
。移動した細胞数は前方散乱と側方散乱を用いてフローサイトメトリーによって
カウントした。
【図7】 図7A−7Bは、TARC(図7A)およびMDC(図7B)に対するPee
r細胞(ヒトデルタ・ガンマT細胞レセプター株)化学走性のmAb 1G1に
よる阻害を示すグラフである。トランスウェル化学走性アッセイにおいてPee
r細胞をmAb 1G1の存在下または不在下でTARCまたはMDCに向かっ
て走化させた。ある濃度範囲のTARCまたはMDCを50μg/mlの抗−C
CR4 mAb 1G1およびmAb MOPC21(イソタイプ対照)と共に
使用した。移動した細胞数は前方散乱と側方散乱を用いてフローサイトメトリー
によってカウントした。
【図8】 図8は、Th2の移動に対する抗−CCR4 mAb 1G1および2B10
の効果を示す。慢性活性化Th1/Th2を臍帯血CD4リンパ球から2サイク
ルの活性化によって産生し、50μg/mlのIgG1対照mAb、抗−CCR
4 mAb 1G1または抗−CCR4 mAb 2B10と共にプレインキュ
ベートした。氷上で10分の後、Th2細胞を100ng/mlのMDC、TA
RCまたはRANTESに向かって2時間移動させた。ある場合は、MDCをM
DCに対するウサギポリクローナルと共に10分間プレインキュベートしてから
使用した(MDC/−MDC)。バックグラウンドの移動を確定するために、下
部ウェルにケモカインを使用しなかった(−)。この時間の後、下部ウェルに蓄
積された細胞をFACSCANを用いてカウントした。
【図9】 図9は、24時間齢のCD4リンパ球の移動に対する抗−CCR4 mAb
1G1および2B10の効果を示す。24時間齢のCD4リンパ球を50μg/
mlの対照mAb、抗−CCR4 mAb 1G1または抗−CCR4 mAb
2B10と共にプレインキュベートした。氷上で10分の後、そのCD4リン
パ球を100ng/mlのMDC、TARCまたはRANTESに向かって2時
間移動させた。ある場合は、MDCをMDCに対するウサギポリクローナルと共
に10分間プレインキュベートしてから使用した(MDC/−MDC)。バック
グラウンドの移動を確定するために、下部ウェルにケモカインを使用しなかった
(−)。この時間の後、下部ウェルに蓄積した細胞をFACSCANを用いてカ
ウントした。
【図10】 図10Aと10Bは、MDCとTARCに対するL1.2/CCR4トランス
フェクタントの移動をモノクローナル抗体10E4、2B10および1G1がブ
ロックすることを示すグラフである。L1.2/CCR4トランスフェクタント
(2×106 細胞/ml RPMI、0.5%ウシ血清アルブミン、10mM
Hepes)を様々な濃度の精製抗−CCR4モノクローナル抗体10E4(I
gG1)、2B10(IgG2a)および1G1(IgG1)と共に氷上で10
分間前処理し、次に各200μlの細胞のアリコートをCostar 3.0μ
M トランスウェルフィルター(Costar、マサチューセッツ州ケンブリッ
ジ)を使った化学走性アッセイに使用して、50ng/mlのMDC(図10A
)または100ng/mlのTARC(図10B)に向かって走化させた。次に
Becton DickinsonのFACSCANで細胞をカウントした。1
0E4が最もよいブロッキング抗−CCR4モノクローナル抗体であり、2B1
0がこれに続き、1G1はその次であることがわかった。IgG1対照モノクロ
ーナル抗体はL1.2/CCR4トランスフェクタントのMDC(315±30
)またはTARC(382±11)への移動に対して何の効果も持たなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 G01N 33/532 G01N 33/532 33/566 33/566 33/577 B 33/577 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アンドリュー,デビッド アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02451 ウォールサム,ナンバー1628,ブ ラック ベア ドライブ 85 Fターム(参考) 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA92X AB05 BA08 CA25 CA44 CA46 4C085 AA14 AA16 BB31 BB41 BB43 CC02 CC22 CC23 EE01 GG01 GG02 GG03 GG04 GG08 GG10 4H045 AA11 AA30 CA40 DA75 EA22 EA54 FA72 FA74

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)また
    は該レセプターの一部に結合し、該レセプターへのリガンドの結合を阻害する、
    抗体またはその抗原結合断片。
  2. 【請求項2】 該抗体またはその抗原結合断片がレセプターへのリガンドの
    結合に関連する1つ以上の機能を阻害するものである、請求項1記載の抗体また
    は抗原結合断片。
  3. 【請求項3】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)がヒ
    トのCC−ケモカインレセプター4(CCR4)である、請求項1記載の抗体ま
    たはその抗原結合断片。
  4. 【請求項4】 抗体が: a)モノクローナル抗体1G1; b)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する抗
    体; c)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    G1と競合することができる抗体; d)モノクローナル抗体2B10; e)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; f)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して2
    B10と競合することができる抗体; g)モノクローナル抗体10E4; h)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; i)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    0E4と競合することができる抗体;および j)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合するものである、(a)〜(i)のいずれか1つの抗原結合断片、 からなる群より選択されるものである、請求項1記載の抗体またはその抗原結合
    断片。
  5. 【請求項5】 リガンドがケモカインである、請求項1記載の抗体またはそ
    の抗原結合断片。
  6. 【請求項6】 ケモカインが、TARC、MDC、MCP−1、MIP−1
    αおよびRANTESのいずれか1つ以上である、請求項5記載の抗体またはそ
    の抗原結合断片。
  7. 【請求項7】 ATCC登録番号 の下
    に寄託された1G1ハイブリドーマ細胞株。
  8. 【請求項8】 ATCC登録番号 の下
    に寄託された2B10ハイブリドーマ細胞株。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のハイブリドーマ細胞株によって産生されたモ
    ノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のハイブリドーマ細胞株によって産生された
    モノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
  11. 【請求項11】 a)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4
    )または該レセプターの一部に結合し、該レセプターへのリガンドの結合を阻害
    する、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合断片、および b)該抗体またはその抗原結合断片と該哺乳動物のCC−ケモカインレセプター
    4(CCR4)またはその一部との複合体の存在を検出するのに適した1つ以上
    の補助試薬、 を含有する、生物学的試料中の哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CC
    R4)の存在の検出に使用するための試験キット。
  12. 【請求項12】 抗体が i)モノクローナル抗体1G1; ii)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; iii)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関し
    て1G1と競合することができる抗体; iv)モノクローナル抗体2B10; v)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; vi)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して
    2B10と競合することができる抗体; vii)モノクローナル抗体10E4; viii)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を
    有する抗体; ix)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して
    10E4と競合することができる抗体;および x)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合する、(i)〜(ix)のいずれか1つの抗原結合断片、 からなる群より選択されるものである、請求項11記載の試験キット。
  13. 【請求項13】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)産
    生細胞と、哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)または前記レ
    セプターの一部に結合し、かつ該レセプターへのリガンドの結合を阻害する抗体
    またはその抗原結合断片の有効量とを接触させる工程を含む、前記リガンドと哺
    乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)産生細胞との相互作用の阻
    害方法。
  14. 【請求項14】 細胞が、リンパ球、単球、顆粒球、T細胞、好塩基球、お
    よびCCR4またはその一部をコードする組換え核酸を含有する細胞からなる群
    より選択されるものである、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 T細胞が、CD8+細胞、CD25+細胞、CD4+細胞
    およびCD45RO+細胞からなる群より選択されるものである、請求項14記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 リガンドがケモカインである、請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】 ケモカインが、TARC、MDC、MCP−1、MIP−
    1αおよびRANTESのいずれか1つ以上である、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 抗体またはその抗原結合断片が: a)モノクローナル抗体1G1; b)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する抗
    体; c)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    G1と競合することができる抗体; d)モノクローナル抗体2B10; e)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; f)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して2
    B10と競合することができる抗体; g)モノクローナル抗体10E4; h)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; i)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    0E4と競合することができる抗体;および j)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合する(a)〜(i)のいずれか1つの抗原結合断片、 からなる群より選択されるものである、請求項13記載の方法。
  19. 【請求項19】 a)細胞または試験対象の細胞の画分を含有した組成物と
    、哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)または該レセプターの
    一部に結合し、該レセプターへのリガンドの結合を阻害する抗体またはその抗原
    結合断片とを、哺乳動物のCCR4またはその一部への前記抗体またはその抗原
    結合断片の結合に適した条件下で接触させる工程;ならびに b)前記抗体またはその抗原結合断片の結合を検出する工程 を含み、前記抗体またはその抗原結合断片の結合が、前記細胞上での前記レセプ
    ターまたは前記レセプターの一部の存在を示す、細胞または該細胞の画分による
    哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部の発現の
    検出方法。
  20. 【請求項20】 抗体またはその抗原結合断片が i)モノクローナル抗体1G1; ii)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; iii)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関し
    て1G1と競合することができる抗体; iv)モノクローナル抗体2B10; v)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; vi)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して
    2B10と競合することができる抗体; vii)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部
    に結合する(i)〜(vi)のいずれか1つの抗原結合断片; viii)モノクローナル抗体10E4; ix)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有す
    る抗体; x)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    0E4と競合することができる抗体;ならびに xi)上記の組み合せ からなる群より選ばれるものである、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 組成物がヒトの細胞を含有する試料である、請求項20記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 a)試験対象の試料と、哺乳動物のCC−ケモカインレセ
    プター4(CCR4)または該レセプターの一部に結合し、該レセプターへのリ
    ガンドの結合を阻害する抗体またはその抗原結合断片とを、哺乳動物のCCR4
    またはその一部への前記抗体またはその断片の結合に適した条件下で接触させる
    工程;ならびに b)前記抗体またはその抗原結合断片の結合を検出または測定する工程 を含み、試料中における物質への前記抗体またはその抗原結合断片の結合が、前
    記試料中における哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)または
    該レセプターの一部の存在を示す、哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(
    CCR4)または該レセプターの一部の検出方法。
  23. 【請求項23】 抗体またはその抗原結合断片が、 i)モノクローナル抗体1G1; ii)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; iii)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関し
    て1G1と競合することができる抗体; iv)モノクローナル抗体2B10; v)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; vi)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して
    2B10と競合することができる抗体; vii)モノクローナル抗体10E4; viii)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を
    有する抗体; ix)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して
    10E4と競合することができる抗体; x)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合する(i)〜(ix)のいずれか1つの抗原結合断片;および xi)上記の組み合せ からなる群より選ばれる、請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 試料が、正常個体における哺乳動物のCC−ケモカインレ
    セプター4(CCR4)または該レセプターの一部を含有してなる細胞の画分で
    ある、請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たは該レセプターの一部に結合する抗体またはその抗原結合断片の有効量と、前
    記レセプターまたはその一部を含有する組成物とを接触させる工程を含み、該抗
    体または断片が前記ケモカインの哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(C
    CR4)への結合を阻害し、かつケモカインの前記レセプターへの結合に関連す
    る1以上の機能を阻害する、哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR
    4)または前記レセプターの機能性断片へのケモカインの結合に関連する機能の
    阻害方法。
  26. 【請求項26】 ケモカインが、TARC、MDC、MCP−1、MIP−
    1αおよびRANTESのいずれか1つ以上である、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 抗体またはその抗原結合断片が: a)モノクローナル抗体1G1; b)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する抗
    体; c)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    G1と競合することができる抗体; d)モノクローナル抗体2B10; e)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; f)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して2
    B10と競合することができる抗体; g)モノクローナル抗体10E4; h)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; i)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    0E4と競合することができる抗体;および j)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合する(a)〜(i)のいずれか1つの抗原結合断片、 からなる群より選択されるものである、請求項25記載の方法。
  28. 【請求項28】 a)試験対象の試薬、 b)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)または該レセプター
    の一部に結合し、リガンドの該レセプターへの結合を阻害する、抗体または抗原
    結合断片:並びに c)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはそのリガンド
    結合バリアントを含有する組成物 を、前記哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはそのリガ
    ンド結合バリアントへの前記抗体または抗原結合断片の結合、および前記哺乳動
    物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはそのリガンド結合バリア
    ントへの前記抗体または抗原結合断片の結合を検出または測定するのに適した条
    件下で混合する(combining)工程を有する、哺乳動物のCC−ケモカインレセプ
    ター4(CCR4)またはそのリガンド結合バリアントに結合する試薬の検出ま
    たは同定方法。
  29. 【請求項29】 抗体またはその抗原結合断片が: a)モノクローナル抗体1G1; b)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する抗
    体; c)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    G1と競合することができる抗体; d)モノクローナル抗体2B10; e)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; f)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して2
    B10と競合することができる抗体; g)モノクローナル抗体10E4; h)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; i)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    0E4と競合することができる抗体; j)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合する(a)〜(i)のいずれか1つの抗原結合断片;および k)上記の組み合わせ からなる群より選択されるものである、請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記抗体または抗原結合断片と前記哺乳動物のCC−ケモ
    カインレセプター4(CCR4)またはリガンド結合バリアントとの複合体の形
    成をモニターし、かつ適切な対照と比較して形成された複合体の量における減少
    が、薬剤が前記レセプターまたはそのリガンド結合バリアントに結合することを
    示す、請求項28記載の方法。
  31. 【請求項31】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たはそのリガンド結合バリアントを含有してなる組成物が、組換えCC−ケモカ
    インレセプター4(CCR4)またはそのリガンド結合バリアントを産生する細
    胞である、請求項28記載の方法。
  32. 【請求項32】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たはそのリガンド結合バリアントを含有してなる組成物が、前記の組換えCC−
    ケモカインレセプター4(CCR4)またはそのリガンド結合バリアントを産生
    する細胞の膜画分である、請求項28記載の方法。
  33. 【請求項33】 抗体またはその抗原結合断片が、放射性同位体、スピン標
    識、抗原標識、酵素標識、蛍光性基および化学発光基からなる群より選択される
    標識で標識される、請求項28記載の方法。
  34. 【請求項34】 薬剤が、哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CC
    R4)またはその抗原結合断片に対する特異性を有する抗体である、請求項28
    記載の方法。
  35. 【請求項35】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たは該レセプターの一部に結合する抗体またはその抗原結合断片であり、かつレ
    セプターへのリガンドの結合を阻害する抗体またはその抗原結合断片の有効量を
    含有する組成物を患者に投与する工程を含む、患者における白血球輸送(traffi
    cking)の阻害方法。
  36. 【請求項36】 リガンドがケモカインである、請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 ケモカインが、TARC、MDC、MCP−1、MIP−
    1αおよびRANTESのいずれか1つ以上である、請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 抗体またはその抗原結合断片が: a)モノクローナル抗体1G1; b)1G1のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する抗
    体; c)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    G1と競合することができる抗体; d)モノクローナル抗体2B10; e)2B10のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; f)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して2
    B10と競合することができる抗体; g)モノクローナル抗体10E4; h)10E4のエピトープ特異性と同一または類似のエピトープ特異性を有する
    抗体; i)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)への結合に関して1
    0E4と競合することができる抗体;および j)哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)またはその一部に結
    合する(a)〜(i)のいずれか1つの抗原結合断片 からなる群より選択されるものである、請求項35記載の方法。
  39. 【請求項39】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たは前記レセプターの一部に結合し、該レセプターへのリガンドの結合を阻害す
    る抗体またはその抗原結合断片、および任意に薬学的に許容され得るベヒクルを
    含有してなる組成物。
  40. 【請求項40】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たは該レセプターの一部に結合し、約1.5μg/ml未満のIC50で該レセプ
    ターへのリガンドの結合を阻害する、抗体またはその抗原結合断片。
  41. 【請求項41】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たは該レセプターの一部に結合し、約1.5ng/ml未満のIC50で該レセプ
    ターへのリガンドの結合を阻害する、抗体またはその抗原結合断片。
  42. 【請求項42】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たはその一部に結合する抗体またはその抗原結合断片の有効量を患者に投与する
    工程を含む、患者のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)媒介性障害の治
    療方法。
  43. 【請求項43】 哺乳動物のCC−ケモカインレセプター4(CCR4)ま
    たはその一部に結合する抗体またはその抗原結合断片の有効量を患者に投与する
    工程を含む、患者の炎症性障害の治療方法。
  44. 【請求項44】 ATCC登録番号
    下に寄託された10E4ハイブリドーマ細胞株。
  45. 【請求項45】 請求項44記載のハイブリドーマ細胞株によって産生され
    たモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
JP2000593640A 1999-01-15 2000-01-14 抗−ccr4抗体およびその使用方法 Pending JP2002539079A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/231,759 1999-01-15
US09/231,759 US6488930B1 (en) 1999-01-15 1999-01-15 Anti-CCR4 antibodies and methods of use therefor
PCT/US2000/000917 WO2000042074A1 (en) 1999-01-15 2000-01-14 Anti-ccr4 antibodies and methods of use therefor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002539079A true JP2002539079A (ja) 2002-11-19

Family

ID=22870544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000593640A Pending JP2002539079A (ja) 1999-01-15 2000-01-14 抗−ccr4抗体およびその使用方法

Country Status (6)

Country Link
US (3) US6488930B1 (ja)
EP (1) EP1144453A1 (ja)
JP (1) JP2002539079A (ja)
AU (1) AU773293B2 (ja)
CA (1) CA2358693A1 (ja)
WO (1) WO2000042074A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005053741A1 (ja) * 2003-12-04 2005-06-16 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. ケモカイン受容体ccr4に対する遺伝子組換え抗体を含む医薬
US7651688B2 (en) 1999-04-09 2010-01-26 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules to CD52
US7691568B2 (en) 2002-04-09 2010-04-06 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-containing medicament
US7737325B2 (en) 2000-10-06 2010-06-15 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell
JP2012529280A (ja) * 2009-06-09 2012-11-22 アフィテック リサーチ エイエス 抗体
JP2014513519A (ja) * 2010-12-07 2014-06-05 アフィテック リサーチ エイエス 抗ccr4抗体およびその使用

Families Citing this family (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6245332B1 (en) * 1999-01-15 2001-06-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Modulation of systemic memory T cell trafficking
PT1270595E (pt) * 2000-03-03 2008-09-16 Kyowa Hakko Kogyo Kk Anticorpo recombinante de genes e os seus fragmentos
WO2002010138A2 (en) * 2000-08-01 2002-02-07 Schering Corporation Uses of mammalian genes and related reagents
EP1578341A2 (en) 2000-10-11 2005-09-28 Tularik Inc. Modulation of ccr4 function
AU2002240751A1 (en) * 2001-03-09 2002-09-24 William Herman Targeted ligands
US7144903B2 (en) 2001-05-23 2006-12-05 Amgen Inc. CCR4 antagonists
KR100959248B1 (ko) 2001-08-31 2010-05-26 교와 핫꼬 기린 가부시키가이샤 사람형 cdr-이식 항체 및 이의 항체 단편
US20050142539A1 (en) * 2002-01-14 2005-06-30 William Herman Targeted ligands
EP2075256A2 (en) * 2002-01-14 2009-07-01 William Herman Multispecific binding molecules
WO2003072134A1 (fr) * 2002-02-28 2003-09-04 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Diagnostics et therapeutiques pour la pneumonie interstitielle
US8496930B2 (en) * 2003-10-01 2013-07-30 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of stabilizing antibody and stabilized solution-type antibody preparation
CA2542037A1 (en) * 2003-10-08 2005-04-21 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Composition of antibody capable of specifically binding ccr4
US20060034841A1 (en) * 2004-06-07 2006-02-16 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Method of depleting regulatory T cell
WO2006089141A2 (en) * 2005-02-18 2006-08-24 Dana-Farber Cancer Institute Antibodies against cxcr4 and methods of use thereof
US7919265B2 (en) * 2006-06-21 2011-04-05 Children's Research Institute Antibody-based method for isolating Th1 and Th2 helper lymphocytes from human peripheral blood
GB0718167D0 (en) 2007-09-18 2007-10-31 Cancer Rec Tech Ltd Cancer marker and therapeutic target
US8962806B2 (en) * 2007-12-28 2015-02-24 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Humanized monoclonal antibodies and methods of use
PT3903829T (pt) 2009-02-13 2023-06-02 Immunomedics Inc Imunoconjugados com uma ligação intracelular clivável
US20160095939A1 (en) 2014-10-07 2016-04-07 Immunomedics, Inc. Neoadjuvant use of antibody-drug conjugates
US20120251525A1 (en) * 2009-06-30 2012-10-04 Streeper Robert T Method of utilizing azelaic acid esters to modulate communications mediated by biological molecules
CA2774260C (en) 2009-09-16 2018-10-09 Immunomedics, Inc. Class i anti-cea antibodies and uses thereof
CA2782194C (en) 2009-12-02 2018-01-16 Immunomedics, Inc. Combination of radiolabelled antibodies (rait) and antibody-drug conjugates (adc) for treatment of pancreatic cancer
US10266599B2 (en) 2010-12-07 2019-04-23 Cancer Research Technology Limited Antibodies which bind to the human CC chemokine receptor 4 and uses thereof
WO2012151199A1 (en) 2011-05-02 2012-11-08 Immunomedics, Inc. Ultrafiltration concentration of allotype selected antibodies for small-volume administration
WO2012178137A1 (en) 2011-06-24 2012-12-27 Gillies Stephen D Light chain immunoglobulin fusion proteins and methods of use thereof
EP3586874A1 (en) 2012-08-14 2020-01-01 IBC Pharmaceuticals, Inc. T-cell redirecting bispecific antibodies for treatment of disease
EP4035689A1 (en) 2012-12-13 2022-08-03 Immunomedics Inc. Dosages of immunoconjugates of antibodies and sn-38 for improved efficacy and decreased toxicity
GB2512857A (en) * 2013-04-09 2014-10-15 Cancer Res Technology Cancer biomarker
US9988445B2 (en) 2013-09-02 2018-06-05 The University Of Melbourne Method of treatment of pain by administration of a CCL17 specific antibody
AU2015219495B2 (en) 2014-02-21 2019-11-21 Ibc Pharmaceuticals, Inc. Disease therapy by inducing immune response to Trop-2 expressing cells
CN106029098A (zh) 2014-02-25 2016-10-12 免疫医疗公司 人源化rfb4抗cd22抗体
EP3160504B1 (en) 2014-06-24 2020-09-16 Immunomedics, Inc. Anti-histone therapy for vascular necrosis in severe glomerulonephritis
CN107428837A (zh) 2015-04-22 2017-12-01 免疫医疗公司 循环trop‑2阳性癌细胞的分离、检测、诊断和/或鉴定
PT3313443T (pt) 2015-06-25 2023-08-30 Immunomedics Inc Combinação de anticorpos anti-hla-dr ou anti-trop-2 com inibidores de microtúbulos, inibidores de parp, inibidores de bruton quinase ou inibidores de fosfoinositídeo 3-quinase melhora significativamente o resultado terapêutico no cancro
SI3316885T1 (sl) 2015-07-01 2021-09-30 Immunomedics, Inc. Imunokonjugati protitelo-SN-38 z linkerjem CL2A
JP7461741B2 (ja) 2016-06-20 2024-04-04 カイマブ・リミテッド 抗pd-l1およびil-2サイトカイン
EP3625565B1 (en) 2017-05-19 2022-11-30 Royal Melbourne Institute Of Technology Predicting responders to cyclophosphamide therapy
KR20200104291A (ko) 2017-11-06 2020-09-03 랩트 테라퓨틱스, 인크. 항암제
EP4342497A1 (en) 2021-05-10 2024-03-27 Kawasaki Institute of Industrial Promotion Antibody having reduced binding affinity for antigen
WO2024040194A1 (en) 2022-08-17 2024-02-22 Capstan Therapeutics, Inc. Conditioning for in vivo immune cell engineering

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69126871T2 (de) * 1990-04-06 1998-03-12 Jolla Cancer Res Found Verfahren und verbindung zur behandlung von thrombose
US5440021A (en) 1991-03-29 1995-08-08 Chuntharapai; Anan Antibodies to human IL-8 type B receptor
US5543503A (en) 1991-03-29 1996-08-06 Genentech Inc. Antibodies to human IL-8 type A receptor
DE4332256C1 (de) 1993-09-22 1995-03-09 Lipp Martin Dr Dr Habil Monoklonale Antikörper gegen Leukozyten-spezifische G-Protein-gekoppelte Rezeptoren
GB9501683D0 (en) 1995-01-27 1995-03-15 Glaxo Group Ltd Substances and their uses
CZ29397A3 (cs) 1995-06-07 1998-01-14 Icos Corporation Chemokiny pocházející z makrofágů a jejich analogy, polynukleotidy, které je kódují, použití těchto chemokinů a farmaceutické prostředky na jejich bázi
US6498015B1 (en) 1995-06-07 2002-12-24 Icos Corporation Methods of identifying agents that modulate the binding between MDC and an MDC receptor
US6737513B1 (en) * 1996-06-07 2004-05-18 Icos Corporation Macrophage derived chemokine (MDC) and chemokine analogs and assay to identify modulators of MDC activity, and therapeutic uses for same
US5783089A (en) * 1995-07-19 1998-07-21 Sorin, Inc. Method and apparatus for waste water treatment
KR100514015B1 (ko) 1995-09-27 2006-01-27 시오노기세이야쿠가부시키가이샤 씨씨형케모카인유형의단백질
SE9600820D0 (sv) 1996-03-01 1996-03-01 Pharmacia Ab Antibodies and their use
AU5812498A (en) 1996-12-20 1998-07-17 Merck & Co., Inc. Substituted aminoquinolines as modulators of chemokine receptor activity
US5919776A (en) 1996-12-20 1999-07-06 Merck & Co., Inc. Substituted aminoquinolines as modulators of chemokine receptor activity
JP2001519795A (ja) 1997-04-04 2001-10-23 マックス プランク ゲゼルシャフト ツール フェルデルング デル ヴィーセンシャフテン エーファウ 既存の細動脈連結からの側副動脈及び/またはその他の動脈の成長の変調方法
US5968829A (en) * 1997-09-05 1999-10-19 Cytotherapeutics, Inc. Human CNS neural stem cells
CA2302806A1 (en) * 1997-09-26 1999-04-01 Icos Corporation Macrophage derived chemokine (mdc), mdc analogs, mdc inhibitor substances, and uses thereof
JPH11243960A (ja) 1998-03-06 1999-09-14 Shionogi & Co Ltd ヒトcc型ケモカインエオタキシン3
US6245332B1 (en) 1999-01-15 2001-06-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Modulation of systemic memory T cell trafficking

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7763246B2 (en) 1999-04-09 2010-07-27 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Method of modulating the activity of functional immune molecules to platelet-derived growth factor receptor
US7651688B2 (en) 1999-04-09 2010-01-26 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules to CD52
US7655228B2 (en) 1999-04-09 2010-02-02 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules to GM2
US7682610B2 (en) 1999-04-09 2010-03-23 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules
US7682611B2 (en) 1999-04-09 2010-03-23 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules to CXCR4 protein
US7687061B2 (en) 1999-04-09 2010-03-30 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules to Her-2
US10233247B2 (en) 1999-04-09 2019-03-19 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules
US7708997B2 (en) 1999-04-09 2010-05-04 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules
US7708992B2 (en) 1999-04-09 2010-05-04 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Methods for producing antibody compositions with increased ADCC
US7718175B2 (en) 1999-04-09 2010-05-18 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Method of modulating the activity of functional immune molecules to interleukin-5 receptor protein
US8679491B2 (en) 1999-04-09 2014-03-25 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Method of modulating the activity of functional immune molecules
US8039595B2 (en) 2000-10-06 2011-10-18 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Glycoengineered, recombinant antibody to CCR-4 with reduced fucosylation
US8329443B2 (en) 2000-10-06 2012-12-11 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell
US7846725B2 (en) 2000-10-06 2010-12-07 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell in which enzyme expression is inhibited by RNAi
US10233475B2 (en) 2000-10-06 2019-03-19 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell
US8067232B2 (en) 2000-10-06 2011-11-29 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell with inactivated A-1,6-fusocyltransferase
US8101185B2 (en) 2000-10-06 2012-01-24 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Anti-il-5 antibody composition exhibiting cellular cytotoxicity due to glycosylation
US8110195B2 (en) 2000-10-06 2012-02-07 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Antibody composition exhibiting cellular cytotoxicity due to glycosylation and containing ganglioside GM2 binding antibody
US8158760B2 (en) 2000-10-06 2012-04-17 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Glycoengineered, recombinant antibody
US9409982B2 (en) 2000-10-06 2016-08-09 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell
US7741442B2 (en) 2000-10-06 2010-06-22 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition exhibiting increased cellular cytotoxicity due to glycosylation
US8367407B2 (en) 2000-10-06 2013-02-05 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Cells with altered fucosylation and producing antibodies therefrom
US8895266B2 (en) 2000-10-06 2014-11-25 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell
US7737325B2 (en) 2000-10-06 2010-06-15 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-producing cell
US7691568B2 (en) 2002-04-09 2010-04-06 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd Antibody composition-containing medicament
US8491902B2 (en) 2003-12-04 2013-07-23 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Medicament comprising recombinant antibody against chemokine receptor CCR4
US9675625B2 (en) 2003-12-04 2017-06-13 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Medicament comprising recombinant antibody against chemokine receptor CCR4
WO2005053741A1 (ja) * 2003-12-04 2005-06-16 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. ケモカイン受容体ccr4に対する遺伝子組換え抗体を含む医薬
JP2012529280A (ja) * 2009-06-09 2012-11-22 アフィテック リサーチ エイエス 抗体
JP2014513519A (ja) * 2010-12-07 2014-06-05 アフィテック リサーチ エイエス 抗ccr4抗体およびその使用

Also Published As

Publication number Publication date
US6488930B1 (en) 2002-12-03
AU773293B2 (en) 2004-05-20
CA2358693A1 (en) 2000-07-20
US20070031896A1 (en) 2007-02-08
US20060246062A1 (en) 2006-11-02
EP1144453A1 (en) 2001-10-17
AU2726600A (en) 2000-08-01
WO2000042074A1 (en) 2000-07-20
US7138117B1 (en) 2006-11-21
WO2000042074A9 (en) 2001-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7138117B1 (en) Anti-CCR4 antibodies and methods of use therefor
US6448021B1 (en) Method of inhibiting cell function associated with CCR2 by anti-CCR2 amino-terminal domain antibodies
US6756035B2 (en) Anti-CCR1 antibodies and methods of use therefor
AU772316B2 (en) Anti-CCR1 antibodies and methods of use therefor
AU2004201168A1 (en) Anti-CCR4 antibodies and methods of use therefor
WO2000044789A1 (en) Anti-ccr1 antibodies and methods of use therefor
AU2004200923A1 (en) Anti-CCR1 antibodies and methods of use thereof
MXPA01007199A (en) Anti-ccr4 antibodies and methods of use therefor
MXPA01000742A (en) Anti-crr2 antibodies and methods of use therefor