JP2002539055A - キャップ吸引除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的小さな駆動電力で作動でき、吸引空気を適切に濾過でき、捕集容器を自動的に空にすることができる吸引装置を提供する。 【解決手段】 試料容器の蓋部材を吸引により除去する装置において、吸引ダクト１と、捕集容器２を形成する負圧チャンバと，運転時に捕集容器２内に負圧を形成するファン５とを有し、捕集容器２は、その下面に閉鎖装置４を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

この発明は、請求項１の特徴を有する、試料容器の蓋部材の吸引装置に関する
。

【０００２】

【従来の技術】

この種の吸引装置は、例えば、血液試料容器を開けるための自動設備に設けら
れている。血液試料又は分析すべき他の体液は、通常、ゴム栓又はねじ蓋で閉鎖
されたガラス管又は合成樹脂管に受容されている。試料容器は、コンベヤチェー
ンに配置され、回転運動及び引張運動を同時に行うことに基づきグリッパによっ
て個々に開かれる。かくして試料容器から除去された閉鎖栓又は閉鎖キャップは
、吸引され、捕集容器に導入される。このために設けた吸引装置は、貯蔵容器上
にファンを設置し吸引コネクタを開放装置に接続した、工業用吸引装置として知
られている電気掃除機と構造が同一のものである。血液試料の対応する操作装置
は、ドイツ特許ＤＥ１９５１７４３９．９から公知である。

【０００３】 更に、同一の目的のため、圧縮空気インゼクタを使用する吸引機構は公知であ
る。この場合、一方では、多量の圧縮空気を供給しなければならず、他方では、
空気からエーロゾルを濾別するため、圧縮空気全量を濾過しなければならない。
装置経費は、極めて多額である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

先行技術の装置の場合、一方では、吸引装置が、大容積であり、大きなモータ
出力に基づき、比較的大きな騒音を生じ、他方では、血液試料及び他の医療用試
料の実験時に濾過が十分には行われないという問題がある。更に、公知の装置の
場合、実際に、装置からの排出のため、ファンユニットの支持部材でもある捕集
装置全体を除去しなければならず、かくして、連続的な自動的開放操作の中断が
必要であるという問題がある。

【０００５】 したがって、本発明の課題は、比較的小さい駆動電力で作動でき、吸引空気を
適切に濾過でき、捕集容器を自動的に空にすることができる吸引装置を提供する
ことにある。この課題は、請求項１の特徴を有する装置によって解決される。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

捕集容器は、その下面に、閉鎖装置を有しているので、閉鎖装置の開放時に、
取外されここに捕集された蓋部材の形態の材料を除去できる。この場合、閉鎖装
置を一端を固定した蓋として構成すれば、簡単な構造及び良好な運転確実性にと
って有利である。閉鎖装置が、少なくとも、捕集容器の底壁の一部を形成すれば
、捕集容器の大きな開口横断面積を達成できる。

【０００７】 閉鎖装置が、本質的に水平な旋回軸を有し、捕集容器が空な場合に負圧を加え
なくとも、閉鎖装置が閉鎖又はほぼ閉鎖されるように設計した釣合いおもりを、
旋回軸に関して閉鎖装置の底壁に対向して設ければ、特に簡単で運転確実な構造
が得られる。閉鎖装置が、運転時、試料容器の蓋部材によって直接に負荷され、
負圧によって閉鎖状態に保持されれば好ましい。この場合、負圧を除けば、閉鎖
装置は、１つ又は複数の蓋部材の重量を受けて開放位置に旋回される。開放状態
において閉鎖装置の、特に、底壁を形成している範囲に、自重で蓋部材を落下さ
せるためのシュートを設ければ、捕集容器の排出時（空にする時）の特に良好な
再現性を達成できる。

【０００８】 更に、ファンがラジアルファンであれば有利である。なぜならば、達成可能な
高い負圧によって僅かな吸引横断面積及び、かくして高い流速において吸引ダク
トに作用する良好な吸引出力を僅かな駆動電力及び僅かな騒音発生によって達成
できるからである。 0.2μｍの粒経において約９５％の分離度を有する孔径を有
するフィルタを装置に設ければ、医療用目的に特に有利である。簡単な保守のた
め、フィルタをフィルタカセットとしてファンの吸引側に挿入できる。

【０００９】 上述の如き装置を運転する方法において、捕集容器を空にするため、ファンを
停止し、次いで、試料容器の蓋部材の重量によって閉鎖装置を開放位置に旋回し
、蓋部材を閉鎖装置から落下させ、次いで、閉鎖装置を自重によって少なくとも
ほぼ閉鎖位置に旋回すれば、有利である。蓋部材の排出は、単にファンの停止に
よって開始できる。排出後、ファンを再び運転し、閉鎖装置を負圧によって閉鎖
位置に押込み、ファンを始動すれば、装置は、再び、運転スタンバイ状態となる
。閉鎖状態は、負圧によって確実に保証される。

【００１０】 更に、上述の如き装置が、ヒト又は動物の体液試料の自動開放装置の一部分で
あれば、用途として、特に有利である。

【００１１】

【発明の実施の形態】

次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１は、本発明に係る
吸引装置の斜視図である。

【００１２】 図１は、組込状態の吸引装置の下方から見た斜視図である。図１に、捕集容器
２に接続された吸引ダクト１を有する本発明に係る吸引装置を示した。捕集容器
２の上面には、フィルタカセット３が設けてあり、下面には、同時に捕集容器２
の底壁をなす閉鎖蓋４が設けられている。ラジアルファン５は、フィルタカセッ
ト３の上面に設けてあり、したがって、ファン５には、濾過ずみ排気が供給され
る。

【００１３】 図１に開放状態で示した閉鎖蓋４は、捕集容器２の下部開口８を完全に覆うこ
とができる平坦面７を有する。平坦面７の２つの対向する側部は、平坦面７と一
体に形成され平坦面７に対して垂直な案内部分９によって規定される。更に、閉
鎖装置４は、Ｕ字状部分１２の範囲に設置された旋回軸１１の軸受１０を有する
。更に、平坦面７から遠い側のＵ字状部分１２の端部範囲には、固定ネジ１４に
よって長穴１５に摺動自在に配列された釣合いおもり１３が支持されている。結
局、旋回軸自体は、捕集容器２に形成された突起１６に固定されており、かくし
て、閉鎖装置４は、捕集容器２の所定の位置に旋回自在に設置される。

【００１４】 実際に、上述の如き吸引装置は、例えば、血液試料又は他の試料容器を自動的
に開けるための試料自動処理系に組込むことができる。この場合、吸引ダクト１
は、パイプ２０を介してキャップ回転取外器に案内される。フィルタカセット３
が試料処理装置の基板の下方に設置され、更に、廃棄容器又は廃棄バッグを設置
できるスペースが捕集容器２の下方に構成されるように、残余の吸引装置を組込
む。

【００１５】 運転時、上述の如き装置は、下記の如く作動する。

【００１６】 閉鎖装置４の釣合いおもり１３は、閉鎖装置４が、休止状態では、即ち、ファ
ン停止時且つ捕集容器２内に試料容器の閉鎖キャップ（蓋）がない場合には、開
口８を完全に又はほぼ閉鎖するように、調整されている。次いで、ファン５を始
動し、平坦面７を開口８に対して吸引し確実に固定する負圧を捕集容器２内に形
成する。ファンの吸引側は、吸引ダクト１及びパイプ２０と連通し、この場合、
パイプ２０は、同じく、試料容器の閉鎖キャップ（蓋）を開ける装置（図示して
ない）に接続される。フィルタカセット３は、ファン５の吸引側に設けてあるの
で、運転時に、エーロゾルがチャージされた全空間には負圧が印加され、したが
って、場合による非密封状態は、空気導入を誘起するが、エーロゾルのランダム
な放出を誘起することはない。ファン５の高圧側は、屋外に案内される。吸引装
置の下方には、適切な寸法の廃棄物容器を設ける。

【００１７】 次いで、パイプ２０の開口の範囲において取外された試料容器の閉鎖キャップ
（蓋）を開放装置から解放し、空気流によってパイプ２０内に吸引し、次いで、
接線方向へ設置された吸引ダクト１を介して捕集容器２に送る。次いで、空気流
は、横断面積の増加に基づき、減速され、キャップ又は栓（蓋）は、重力の方向
へ、即ち、下方へ閉鎖装置４の平坦面７上に落下する。この場合、キャップは、
水平に位置する。次ぎに来るキャップは、試料容器の連続的開放時、同じく、上
記箇所に達する。試料から遊離される又は閉鎖キャップ又は閉鎖栓（蓋）に付着
し、場合によっては空気流で吸引されるエーロゾルは、フィルタカセット３に導
入され、良好な効率で上記カセットに捕捉される。ヒトの試料の場合、 0.2μｍ
の粒径において少なくとも９５％の分離度のフィルタを選択するのが好ましい。
次いで、排気を問題なく実験室内に導入できる。

【００１８】 若干数の試料容器の開放操作後、取外された閉鎖蓋部材は、ほぼ、捕集容器２
を埋める。この場合、試料自動処理系の制御機構が、所定時間の間、ファン５を
停止し、かくして、捕集容器２の負圧が低下する。次いで、閉鎖装置４の平坦面
７に負荷される栓（蓋）重量によって、閉鎖装置４は、図１に示した開放位置に
旋回され、この場合、平坦面７及び案内部分９は、いわば、閉鎖蓋部材を廃棄物
容器に滑落させるためのシュートを形成する。釣合いおもり１３は、捕集容器２
の所要の閉鎖蓋部材の排出後、閉鎖装置４を閉鎖位置に戻すよう作用し、閉鎖装
置４は、ファン５の始動及びかくして生ずる負圧によって固定される。かくして
、装置は、続いて送られる閉鎖蓋部材の受容にスタンバイ状態となる。

【００１９】 捕集容器２を空にするのに必要なファン５の停止は、比較的短時間（例えば、
５〜１０秒の範囲）で十分である。この時間は、血液試料などの通常の試料処理
において是認でき、規則的な分析操作の中断を意味するものではない。なぜなら
ば、試料管又は試料容器は、パレットに受容され、若干数の試料容器を開けた後
、パレットを交換しなければならないからである。捕集容器２の寸法は、パレッ
トに受容する試料容器の閉鎖栓（蓋）の寸法及び数に適合させることができ、し
たがって、全パレットの閉鎖蓋部材は、捕集容器２に適合する。この場合、ファ
ンの停止は、何れにせよパレットの交換に必要なインターバルに含まれることに
なる。

【００２０】 上記操作方式の場合、吸引装置の下方に設けた廃棄物容器を、全設備を停止す
ることなく常時、排出できるという利点がある。他方、従来の吸引装置の場合、
廃棄物容器を引出し又は交換するには、全設備を停止しなければならない。更に
、廃棄物容器は、先行技術の場合とは異なり、排気しないので負圧に耐える必要
はない。かくして、以降に簡単且つ確実に閉鎖できるバッグ又は袋を使用できる
。

【００２１】 更に、実際に、捕集容器２からの閉塞蓋の排出を自動的に制御でき、使用する
ラジアルファン５を比較的僅かな電力で、したがって、僅かな騒音発生状態で運
転でき、例えば、疾病の誘因となる病原菌を確実に濾過できる。閉鎖装置４の開
閉は、ファン５の運転電圧の制御のみによって行うことができ、したがって、試
料自動処理系全体の制御機構は、この１つの機能を果たせばよい。

【００２２】 適切なファン５は、例えば、ドイツ国、セント ゲオルゲン所在のパプスト社
（Firma Papst GmbH）の製品ＲＧ１６０−２８／１４Ｎである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る試料容器の蓋部材の吸引除去装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ 吸引ダクト ２ 捕集容器 ３ フィルタカセット ４ 閉鎖装置 ５ ファン ７ 平坦面 ８ 開口 ９ 案内部分 10 軸受け 11 旋回軸 12 Ｕ字状部分 13 釣合いおもり 14 固定ネジ 15 長穴 16 突起 20 パイプ

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸引ダクト（１）と、捕集容器（２）を形成する負圧チャン
   バと，運転時に捕集容器（２）内に負圧を形成するファン（５）とを有する、試
   料容器の蓋部材の吸引除去装置において、捕集容器（２）が、その下面に閉鎖装
   置（４）を有することを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 閉鎖装置（４）が、一端固定の蓋として構成されていること
   を特徴とする請求項１に係る装置。
3. 【請求項３】 閉鎖装置（４）が、捕集容器（２）の底壁の少なくとも一部
   分（７）を形成することを特徴とする請求項１又は２に係る装置。
4. 【請求項４】 閉鎖装置（４）が、本質的に水平な旋回軸（１１）を有し、
   底壁（７）が、捕集容器（２）が空の際に閉鎖装置（４）が負圧を使用しなくと
   も閉鎖又はほぼ閉鎖されるように設計された釣合いおもり（１３）に対向させて
   設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に係る装置。
5. 【請求項５】 閉鎖装置（４）が、試料容器の蓋部材によって負荷され、負
   圧によって閉鎖状態に保持され、この場合、負圧を除くと、閉鎖装置（４）が、
   １つ又は複数の蓋部材の重量を受けて開放位置に旋回することを特徴とする請求
   項１〜４のいずれか１項に係る装置。
6. 【請求項６】 閉鎖装置（４）が、開放状態において、底壁を構成する範囲
   （７）に、特に、蓋部材をその自重に基づき閉鎖装置（４）から落下させるため
   のシュート（７，９）を形成していることを特徴とする請求項１〜５のいずれか
   １項に係る装置。
7. 【請求項７】 ファン（５）が，ラジアルファンであることを特徴とする請
   求項１〜６のいずれか１項に係る装置。
8. 【請求項８】 捕集容器（２）とファン（５）との間には、フィルタ（３）
   が設けられており、この場合、フィルタ（３）は、好ましくは、粒径 0.2μｍに
   おいて約９５％の分離度を有する孔径を有することを特徴とする請求項１〜７の
   いずれか１項に係る装置。
9. 【請求項９】 フィルタ（３）をフィルタカセットとしてファン（５）の吸
   引側に嵌め込めるように構成していることを特徴とする請求項１〜８のいずれか
   １項に係る装置。
10. 【請求項１０】 請求項１〜９のいずれか１項に係る装置の運転法であって 、下記工程，即ち、捕集容器（２）内に負圧を形成するファン（５）を始動する 工程と、若干数の蓋部材を吸引し、捕集容器（２）に蓋部材を捕集する工程とを 含む形式のものにおいて、捕集容器（２）を空にするため、ファン（５）を停止 し、次いで、蓋部材の重量によって閉鎖装置（４）を開放位置に旋回し、蓋部材 を閉鎖装置（４）から落下させ、次いで、釣合いおもり（１３）によって閉鎖装 置（４）を少なくともほぼ閉鎖位置に旋回することを特徴とする方法。
11. 【請求項１１】 空にした後、ファン（５）を再び運転し、閉鎖装置（４） を負圧によって閉鎖位置に押込むことを特徴とする請求項10に係る方法。
12. 【請求項１２】 請求項１〜11のいずれか１項に係る装置又は方法において 、前記装置が、ヒト又は動物の体液試料の自動開放装置の一部分であることを特 徴とする装置又は方法。