JP2002538319A - 泡状物で希釈する泡すき法によるウエブ製造 - Google Patents

泡状物で希釈する泡すき法によるウエブ製造

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JP2002538319A
JP2002538319A JP2000601248A JP2000601248A JP2002538319A JP 2002538319 A JP2002538319 A JP 2002538319A JP 2000601248 A JP2000601248 A JP 2000601248A JP 2000601248 A JP2000601248 A JP 2000601248A JP 2002538319 A JP2002538319 A JP 2002538319A
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ロクマン、カイ
ヤンソン、ユハニ
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アールストロム グラスフィブル オサケ ユキチュア
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F11/00Processes for making continuous lengths of paper, or of cardboard, or of wet web for fibre board production, on paper-making machines
    • D21F11/002Processes for making continuous lengths of paper, or of cardboard, or of wet web for fibre board production, on paper-making machines by using a foamed suspension

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Abstract

(57)【要約】 特定の構造を持つマニホルドを用いて泡すき法により繊維材料不織布を製造する。マニホルドは、第一端部に泡状物・繊維・表面活性剤スラリーのための入口及び場合により第二端部にバルブ付き出口を有する第一及び第二の相対する端部を有するケースを具えている。マニホルドケースの中心領域は入口から出口の方へ行くに従って小さくなる(例えば、矩形の)断面を有する。中心領域には第一及第二の実質的に閉鎖した側壁、有効長さを有する多孔性前壁、及び前壁に相対する後壁が与えられており、それらの壁は平面状であるか又は湾曲している。後壁を通って中心領域中に第二泡状物(例えば、実質的に繊維を含まないか、又は繊維・泡状物スラリー)を導入するための適当な構造体が配備されている。側壁の一方又は両方を貫通する圧力センサーは、中心領域内の圧力を感知し、入口へのスラリーの導入、出口からの取り出し、及び(又は)第二泡状物の後壁中へ、又はそれを通っての導入を自動的に制御し、前壁を通過する泡状物・繊維スラリーの斤量を、前壁の有効長さに沿って実質的に一定に維持するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (本発明の背景及び要約) 係属中の1997年9月4日に出願された特許出願Serial No.08
/923,250には、泡すき法(foam laid process)、及び製造される不織布(
nonwoven web)の斤量分布(basis weight profile)の均一性を向上する繊維不織
布形成方法を実施するための装置が記載されている。本発明は、前記係属中の出
願に記載されている方法及び装置を修正した泡すき法により不織布を製造し易く
するマニホルド及び方法を与えるものであり、それにより斤量分布の均一性を増
し、用いた繊維に依存して、斤量変動を0.5%より小さくし、実際0.2%位
に低いか、それより更に低くすることさえ可能にすることができる。
【0002】 泡すき法により製造された不織布の斤量分布は、マニホルドの分配管の構造及
び設計に大きく依存する。水、ほぼニュートン液体を用いた液体法では、マニホ
ルドの後壁の形を変化させ、マニホルドからの出口バルブを制御することにより
マニホルド中の圧力を変化させることを含め、繊維・液体スラリーの静的及び動
的圧力特性の両方を調節することによりプロファイルを均一にすることが試みら
れている。しかし、泡状物・繊維・表面活性剤スラリーはニュートン液体又はニ
ュートン液体に近い液体とは異なって挙動し、従来のマニホルドパイプを用いた
のではその分布の調製を困難にする。これらの問題は、特定の繊維(又はスラリ
ー中の粒子)がマニホルド中の出口バルブを通って適切に流れず、水中で不安定
になり、凝集を起こし易くなるか、又は結節(knot)又は濾過束(filter bundle)
の蓄積を起こし易い場合には、著しく顕著になる。
【0003】 本発明によれば、泡すき法を用いた不織布の製造をし易くするマニホルド、そ
のマニホルドを用いて不織布を製造するための泡すき法が与えられ、それにより
マニホルド圧力を局部的と同時に実質的にマニホルドの全長に亙って精確に制御
することができる。ウエブ分布及び形成は、精確に制御することができる。出口
バルブ、マニホルドへの供給速度、及びマニホルドの後壁への実質的に繊維を含
まない泡状物の供給速度を制御することにより確立された背圧の一つ、又は好ま
しくは全てにより、制御を行うことができる。
【0004】 本発明の一つの態様により与えられる、繊維材料不織布の製造をやり易くする
マニホルドは、次の構成を有する:第一及び第二の相対する端部(opposite ends
:両端)を有するマニホルドケースで、前記第一端部に泡状物・繊維スラリーの
ための入口を有するマニホルドケース。前記入口から出口へ有効断面積が実質的
に減少していく前記マニホルドケースの中心領域(center section)。前記中心領
域の第一及び第二側壁、有効長さを有する前壁、及び後壁。前記前壁は、泡状物
・繊維スラリーに対し多孔性になっていて、前記スラリーを通過させることがで
きる。前記後壁を通って前記中心領域へ第二泡状物(例えば、実質的に繊維を含
まないか、又は泡状物・繊維スラリーで、それは表面活性剤(界面活性剤)を含
んでいてもよい)を導入するための手段。前記前壁を通過する泡状物・繊維スラ
リーの斤量を、前記前壁の前記有効長さに沿って実質的に一定に維持し易くする
ように構成されている、前記第二泡状物を導入するための手段(及び、恐らく前
記中心領域の形及び大きさ)。
【0005】 マニホルドの重要な特徴は、入口から出口の方へ減少していく断面積である。
断面積の減少は三つの因子に依存する:ヘッドボックスの方へマニホルドから排
出されるスラリーの量、マニホルド内部のスラリーの運動エネルギー、及びマニ
ホルド壁とスラリーとの間の表面摩擦である。マニホルドはこれらの点を考慮に
入れたどのような形態をしていてもよい。例えば、マニホルドは、断面積を減少
するために円錐状部材を中に有する円筒状パイプでもよい。そのような構造では
、マニホルドから出るスラリーを導くノズルは、全ての方向で円筒状マニホルド
の周りに配置されており、第二泡状物を供給するパイプが、マニホルド内部の円
錐状パイプの所に配置されていてもよい。この場合には、側壁、前壁、及び後壁
は、連続的に湾曲した構造体の一部分である。実際、全前壁、後壁、及び側壁の
断面は円筒状であるのが好ましい。
【0006】 別法として、マニホルドの断面が矩形になっている場合には、マニホルドは二
つの側面を持つようにすることができ、即ち、マニホルドの両側(opposite sid
es)にノズルを取付け、繊維を含まない泡状物を他方の相対する壁を通って導入
することができるようにしてもよい。
【0007】 マニホルドの配向は、余り重要ではないのが典型的であり、それは直立、傾斜
、又は水平位置に配置することができる。
【0008】 後壁を通って中心領域へ実質的に繊維を含まない泡状物を導入するための手段
は、ノズル、有孔板、バッフル、噴霧ヘッド等を含めたどのような慣用的流体部
品を具えていてもよい。そのような手段は、1本以上のバルブ付きパイプを有し
、それらのバルブを、通過する泡状物の量を変化させるため制御することができ
るのが好ましい。
【0009】 マニホルドの好ましい態様として、中心領域の後壁は、その後壁が前壁に次第
に近づいて行くように前壁に対し傾斜しており、マニホルドの第一端部に隣接し
た所から第二端部の方へ行くに従って中心領域の断面積が小さくなっていくよう
になっている。側壁は実質的に閉鎖され、後壁は、実質的に繊維を含まない泡状
物を導入するための手段を除き、実質的に閉鎖されているのが好ましく、マニホ
ルドは、そのマニホルドの第二端部の所に出口を更に持っていてもよく、その場
合、繊維・泡状物混合物を再循環することができる。(出口を通過するスラリー
の量を変化させるため、出口にバルブを配置するのが好ましい)。前壁は実質的
に水平であるか、又はそれは別の配向になっていてもよい。前壁を通過してノズ
ル及び導管へ入り、次にヘッドボックスへ入るスラリーにより不織布が形成され
る場合の移動有孔部材(例えば、網)と組合せてヘッドボックスへスラリーを導
くノズル及び導管がマニホルドには配備されているのが典型的である。下流の形
成器では、スラリーから泡状物及び液体が吸引除去され、有孔部材上にウエブを
形成する。
【0010】 マニホルドは、更に、中心領域内の圧力をそこで感知するために、実質的に閉
鎖した側壁の少なくとも一つに作動的に接続された複数の圧力センサーを具えて
いてもよい。更にマニホルドは、中心領域内への泡状物・繊維スラリーの導入、
泡状物・繊維スラリーの取り出し、及び実質的に繊維を含まない泡状物の導入の
少なくとも一つ(好ましくは全て)を制御し、前壁を通過する泡状物・繊維スラ
リーの斤量を、前壁の有効長さに沿って実質的に一定に維持するように、圧力セ
ンサーに呼応した制御手段を具えている。制御手段は、バルブ、バッフル、又は
希望の機能を自動的に遂行するための他の慣用的流体用部材と共働するどのよう
な型のコンピューター制御、ファジー制御器、多変数制御装置等を具えていても
よい。
【0011】 中心領域の断面は平行四辺形、又は種々の他の形の多角形又は他の形(上に記
載したようなもの)でもよいが、実質的に矩形(rectangular)であるのが好ま
しい。マニホルド中心領域は、四角柱のような多角形柱からなるのが典型的であ
る。
【0012】 本発明の別の態様に従って、次の構成部を有する繊維材料不織布の製造をし易
くするマニホルドが与えられる:第一及び第二の相対する端部を有するマニホル
ドケースで、前記第一端部の所にある泡状物・繊維スラリーのための入口、前記
マニホルドの第二端部の所にある出口、及び前記出口を通過するスラリーの量を
変えるために前記出口に配置されたバルブを有するマニホルドケース。実質的に
多角形の断面を有する前記マニホルドケースの中心領域。前記中心領域の第一及
び第二側壁、有効長さを有する前壁、及び後壁。前記前壁は泡状物・繊維スラリ
ーを通過させることができるように、前記スラリーに対し多孔性になっている。
前記後壁を通って前記中心領域へ第二泡状物を導入するための手段。然も、この
場合、前記後壁が前記前壁に近づいていくように、前記中心領域の後壁が前記前
壁に対し傾斜しており、前記中心領域の断面積が、前記マニホルドの前記第一端
部に隣接した所から前記第二端部の方へ行くに従って小さくなって行くようにな
っている。マニホルドの詳細は、上に記載したようになっているのが好ましい。
【0013】 本発明は、泡状物・繊維スラリーが流通することができる有効長さを有する多
孔性前壁、前記有効長さによって隔てられた第一及び第二端部、及び前記前壁に
相対する後壁を有するマニホルド、及びヘッドボックスを用いた繊維材料不織布
の製造方法にも関する。その方法は、好ましくは、(a)泡状物・繊維・表面活
性剤スラリーを前記マニホルドの前記第一端部へ実質的に連続的に導入し、(b
)前記マニホルド前壁中の開口を通って泡状物・繊維・表面活性剤スラリーを実
質的に連続的に排出してヘッドボックスへ送り、そして(c)前記マニホルドの
実質的に全長に亙って実質的に規則的な間隔で配置された複数の開口を通って前
記マニホルド中へ第二泡状物〔例えば、実質的に繊維を含まないか、又は(a)
で導入した泡状物・繊維スラリーとほぼ同じか、又は異なった%(例えば、少な
くとも約1%)の繊維を含む繊維・泡状物スラリー〕を導入し、前記マニホルド
前壁を通過する泡状物・繊維・表面活性剤スラリーの斤量を、前記マニホルド前
壁の有効長さに亙って実質的に一定に維持する。
【0014】 この方法は、更に、(d)マニホルド中の圧力を、その長さに沿った複数の位
置で感知し、そして前記感知した圧力に呼応して(c)を実施し、前壁を通過す
る泡状物・繊維スラリーの斤量を、前記前壁の有効長さに沿ってその変動が0.
5%より小さくなるように維持することを含む。(c)は実質的に連続的に行う
のが好ましい。マニホルドはその第一端部と第二端部との間に、前壁の実質的に
その有効長さに沿って徐々に減少する実質的に多角形の断面を有する中心領域を
有するのが好ましく、その場合、泡状物・繊維・表面活性剤スラリーがその中心
領域の一貫して減少する断面を通って移動するように(c)を実施する。また、
本方法は、(e)マニホルドの第二端部を通って幾らかのスラリーを実質的に連
続的に取り出すことを更に含んでいるのが典型的である。
【0015】 本発明の主たる目的は、マニホルド、及びそのマニホルドを用いて繊維材料不
織布を製造する方法を与えることにあり、それは、泡状物・繊維・表面活性剤ス
ラリーの非ニュートン性の特徴を考慮に入れ、前記マニホルドの前壁の有効長さ
に沿って実質的に一定した斤量を持つ不織布を生成する。本発明のこの目的及び
他の目的は、本発明の詳細な説明を調べることにより、また特記請求の範囲から
明らかになるであろう。
【0016】 (図面の詳細な説明) 本発明で用いるのに望ましい泡すき法を実施するための泡すき処理装置の例を
、図1に10として概略例示する。この系は、繊維入口12、表面活性剤入口1
3、及び他の添加剤、例えば炭酸カルシウム又は酸のようなpH調節薬品、安定
化剤等のための入口14を有する混合タンク又はパルプ形成器11を有する。繊
維、表面活性剤、及び添加剤の特定の性質は特に限定する必要はなく、それらは
製造すべき製品の的確な詳細な点(その斤量を含む)に依存して広く変化させる
ことができる。表面活性剤は最終ウエブの表面張力を、それが依然として存在す
ると減少し、それは或る製品では望ましくない特徴なので、かなり容易に洗浄除
去することができる表面活性剤を用いるのが望ましい。市販されている数千の表
面活性剤から的確な表面活性剤を使用することは、本発明の一部ではない。
【0017】 タンク11はそれ自体全く慣用的なものであり、水簸法を用いた慣用的製紙装
置中のパルプ形成器として用いられているものと同じ型のタンクである。唯一の
相異点は、混合器/パルプ形成器11の側壁が、泡の密度が水の密度の約3分の
1なので、水簸法の高さの約3倍上に伸びていることである。タンク11中の慣
用的機械的混合器の回転速度及び羽根の形状は、製造される製品の特定の性質に
依存して変化するが、特に限定する必要はなく、種々の異なった部品及び変数を
用いることができる。それら壁にはブレーカー(braker)を配備してもよい。泡状
物が滴り落ちるタンク11の底に渦巻きが存在するが、タンク11が泡状物及び
繊維で満たされているので、一度び始動したならば見ることはできない。
【0018】 タンク11の中には、多数の異なった点でpHを測定するための多数のpHメ
ーター15が入っているのが好ましい。pHは表面張力に影響を与えるので、精
確に決定されるのが望ましい。pHメーターは毎日較正する。
【0019】 最初始動した時、導管12から繊維、導管13から表面活性剤、導管14から
他の添加剤を水に添加する。しかし、操作が始まったならば、追加の水は不必要
であり、タンク11中では泡の発生のみならず、泡の維持も行われる。
【0020】 泡状物はポンプ17の影響によりタンク11の底から渦巻き状になって導管1
6中へ出る。ポンプ17は、系10中の他の全てのポンプと同様に、脱ガス遠心
ポンプであるのが好ましい。ポンプ7から排出された泡状物は導管18中を通り
、更に別の構成部へ行く。
【0021】 図1は、場合により存在する保持タンク19を点線で例示している。保持タン
ク19は必ずしも必要ではないが、混合器11中へ導入される或る変動が存在す
る場合には、泡状物中の繊維の比較的均一な分布を確実に与えるために望ましい
。即ち、保持タンク19(典型的には僅か5m3程度の小さなものであるのが典
型的である)は、多かれ少なかれ、繊維分布を均一にするための「サージタンク
(surge tank)」のように働く。本方法を実施した場合、混合器11からヘッドボ
ックス(30)までの全時間は、僅か約45秒であるのが典型的なので、保持タ
ンク19を用いた場合、それは変動を均一にする時間を与える。
【0022】 保持タンク19を用いた場合、泡状物はポンプ17から導管20へ入り、タン
ク19の頂部へ送られ、遠心ポンプ22の影響によりタンクの底を出て導管21
に入り、次に導管18へ導入される。即ち、保持タンク19が用いられた場合、
ポンプ17は直接導管18へ接続されるのではなく、タンク19を通ってのみ接
続される。
【0023】 導管18はワイヤーピット(wire pit)23へ伸びている。ワイヤーピット23
は、それ自体慣用的タンクであり、この場合も慣用的水簸製紙法装置にあるもの
と同じであるが、側壁が一層高くなっている。ワイヤーピット23は行止まりの
角がないように作ることが重要であり、従ってタンク23は大き過ぎないように
すべきである。ポンプ25(ワイヤーピット23の底に隣接して作動的に接続さ
れている)中へ、導管18中の泡状物・繊維混合物を導入できるようにする慣用
的構造体24を、図2に関し、更に記述する。いずれにせよ、ポンプ25は、機
構24により導入された導管18内の泡状物・繊維混合物及びワイヤーピット2
3からの付加的泡状物を導管26中へ送る。ワイヤーピット23からポンプ25
中へはかなり多量の泡状物が引き込まれるので、導管26中のコンシステンシー
は、導管18中のものよりも著しく低くなっているのが典型的である。導管18
中のコンシステンシーは固体(繊維)2〜5%であるのが典型的であるのに対し
、導管26の中のコンシステンシーは約0.5〜2.5%であるのが典型的であ
るが、夫々の場合のコンシステンシーは約12%程の高いものでもよい。
【0024】 ワイヤーピット23中では、泡状物を異なった密度の層にする顕著な分離は存
在しない。底の方への最小限の増大はあるが、その増大程度は小さく、装置の操
作に影響は与えない。
【0025】 泡状物・繊維は、導管26からマニホルド27へ送られ、そのマニホルドには
泡発生ノズル28が付随している。米国特許第3,716,449号、第3,8
71,952号、及び第3,938,782号明細書(それらの記載は参考のた
めここに入れてある)で用いられているような慣用的泡発生ノズル(これは泡状
物を穏やかに撹拌する)であるノズル28がマニホルド27に取付けられている
のが好ましく、多数のノズル28がマニホルド27に取付けられている。各ノズ
ル28から導管29が伸び、ヘッドボックス30へ通じており、そのボックスを
1本以上の慣用的製紙ワイヤー(有孔部材)が通過する。
【0026】 ヘッドボックス30は複数(典型的には約3〜5)の吸引箱31を有し、それ
は導入された泡状物・繊維混合物から泡状物をワイヤー(有孔部材)の反対側か
ら取り出し、最終的分離箱32がヘッドボックス30からの形成されたウエブ3
3の放出端部の所に存在する。排水を制御するための吸引テーブル中に与えられ
た吸引箱31の数は、緻密な製品のため、又は高速操作のためには増大する。典
型的には、約40〜約60%(例えば、約50%)の固体コンシステンシーを有
する形成されたウエブ33は、図1の洗浄段階34により模式的に示したように
洗浄操作にかけるのが好ましい。洗浄段階34は表面活性剤を除去する。ウエブ
33のコンシステンシーが高いことは、最小量の乾燥設備を用いる必要があるこ
とを意味する。
【0027】 ウエブ33は洗浄器34から場合により存在する一つ以上の被覆機35を通り
、慣用的乾燥場所36へ行く。合成鞘/芯繊維〔例えば、セルボンド(Cellbond)
〕がウエブ33の一部分である場合の慣用的乾燥場所36では、鞘材料(典型的
には、ポリプロピレン)の融点より高いが、芯材料(典型的には、PET)は溶
融しない温度へウエブの温度を上昇させるように乾燥機34を操作する。例えば
、セルボンド繊維がウエブ33に使用されている場合、乾燥機の温度は約130
℃か又はそれより僅かに高いのが典型的であり、それは鞘繊維の溶融温度か又は
それより僅かに高いが、芯繊維の溶融温度約250℃よりもかなり低い。そのよ
うにして鞘材料による結合作用が与えられるが、製品の一体性(芯繊維に与えら
れる)が損なわれることはない。
【0028】 必ずしも必要とは限らないが、本方法は多くの有利な目的からヘッドボックス
30に、又はそれに直ぐ隣接して純粋な泡状物を添加することも考慮に入れてい
る。図1に示したように、遠心ポンプ41はワイヤーピット23からの泡状物を
導管40中へ引き込む。導管40中の泡状物はポンプによりヘッダー42へ送り
、次にその泡状物を多数の異なった導管43に分布し、ヘッドボックス30の方
へ送る。導管44で示したように、泡状物をヘッドボックス30の天井の直ぐ下
に導入してもよく(傾斜ワイヤー・ヘッドボックスである場合)、且つ(又は)
導管45を経て泡状物・繊維混合物をヘッドボックス30へ導入するための導管
29(又はノズル28)へ導入してもよい。泡状物導入の詳細は、図3〜6に関
連して記述する。
【0029】 吸引箱31は、ヘッドボックス30から取り出された泡状物を導管46へ放出
し、ワイヤーピット23中へ入れる。その目的のためにはポンプは不必要であり
、用いないのが典型的である。
【0030】 ワイヤーピット23中の泡状物のかなりの量のものがパルプ形成器11へ再循
環される。泡状物を遠心ポンプ48により導管47中に引き出し、次に導管47
を通り、慣用的インライン密度測定装置49を通り、50で概略示したように、
タンク11中へ導入して戻す。更に、図1に模式的に示したように、導管47中
の泡状物を49で密度測定する外に、一つ以上の密度測定装置〔例えば、デンス
オメーター(denseometer)〕49Aをタンク11中に直接取付けてもよい。
【0031】 泡状物再循環の外に、水の再循環も行われるのが典型的である。最後の吸引箱
32から取り出された泡状物は、導管51を通りサイクロン分離器のような慣用
的分離器53へ送られる。分離器53は、例えば渦巻き作用により、分離器53
へ導入された泡状物から空気と水とを分離し、極めて僅かしか空気が入っていな
い水を生じる。分離された水は分離器53の底から導管54を通り水タンク55
へ行く。分離器53により分離された空気は、送風機57を補助として分離器5
3の頂部から導管56中へ送り、大気中へ排出するか、又は燃焼工程で使用する
か、又は別の仕方で処理する。
【0032】 図1中の60で模式的に示したように、水タンク55中に液体レベル58を、
幾らかの水を排水溝へ溢流させるか又は処理することにより確立する。タンク5
5中のレベル58より下の所からも水が導管61中に取り出され、遠心ポンプ6
2の影響により導管61中を慣用的流量計63(これはポンプ62を制御する)
を通って送られる。図1の64で概略示したように、再循環された水は最終的に
混合器11の頂部へ導入される。
【0033】 典型的な流量は、導管18中の泡状物・繊維については4000リットル/分
、導管26中の泡状物・繊維については40,000リットル/分、導管47の
泡状物は3500リットル/分、導管51中の泡状物は500リットル/分であ
る。
【0034】 系10には多数の制御装置も含まれている。系の操作を制御する種々の手段の
好ましい例は、第一ファジー制御器71を有し、タンク11中の泡状物のレベル
を制御する。第二ファジー制御器72は、導管13中の表面活性剤の添加を制御
する。第三ファジー制御器73は、ヘッドボックス30領域内のウエブ形成を制
御する。第四ファジー制御器74は、洗浄器34で用いられている。第五ファジ
ー制御器75は、pHメーター15を制御し、出来れば混合器11へ送られる導
管14中の他の添加剤の添加を制御する。ファジー制御は、表面活性剤及び形成
制御のためにも用いられる。多変数制御装置及びニューロネット制御装置も他の
制御をオーバーレイするために配備するのが好ましい。多変数制御は、ウエブ形
成時の流出比を制御するためにも用いられる。変数は、希望の工程制御及び最終
結果に与えるそれらの影響により変化させることができる。
【0035】 種々の構成部の制御をし易くするため、繊維導入12にスケール76を付随さ
せ、単位時間当たりの繊維添加量を正確に決定する。スケール78と同様、表面
活性剤の導入を制御するため、導管13中にバルブ77を配備してもよい。バル
ブ79を導管14中に配備してもよい。
【0036】 系10では、泡状物の取扱い中、いずれの点でもそれと意図的に接触させるバ
ルブは配備しないのが本質的であるが、但し導管46中にレベル制御バルブを配
備することは可能である。
【0037】 また、図1の系の方法全体を操作中、泡状物を比較的高い剪断条件下に維持す
る。剪断力が大きい程、粘度は低くなるので、泡状物を高剪断状態に維持するの
が望ましい。泡状物・繊維混合物は、非ニュートン挙動を示す擬塑性物として働
く。
【0038】 泡すき法を使用することは、水簸法に比較して、特に高吸収性製品の場合には
多くの利点を有する。ウエブ33のコンシステンシーが高いため、乾燥器の容量
を小さくすることができる事の外に、繊維又は粒子が約0.15〜13の比重を
有する限り、泡すき法は実際上どのような種類の繊維又は粒子でもスラリー(最
終的にはウエブ)中に均一に(低密度粒子は水中に全く沈まないか、幾らかしか
沈まないのに対し、高密度粒子が過度に沈むようなことが起きることなく)分布
させることができる。泡すき法は、水簸法の生成物に比較して向上した均一性及
び一層大きな嵩を有し、非常に高度の均一性を持つ製品である極めて多種類の斤
量のウエブの製造を可能にする。複数のヘッドボックスを順次配備してもよく。
或は二つ(又はそれ以上)の層を一つのヘッドボックス内に同時に形成し、二重
のワイヤー等を持つように構成してもよく、且つ(又は)単一の被覆機35を用
いて非常に簡単に付加的層(被覆のようなもの)を与えるようにしてもよい。
【0039】 図2は、泡状物・繊維混合物及び泡状物を、ワイヤーピット23に伴われたポ
ンプ25へ導入することを示している。構造体24は、ここに参考のため記載し
た特許に開示されているようなウィギンス・ティープ法(Wiggins Teape process
)から知られており、導管18中を通る泡状物・繊維を、曲がった導管83によ
って例示されているように向きを逆にし、その開口端84から泡状物・繊維混合
物がポンプ25の取り入れ口85へ直接排出させるようにする。ワイヤーピット
23からの泡状物も、矢印86で例示したように、入口85へ流れる。ファジー
制御の下で行われるポンプ48の操作により、ワイヤーピット23中のレベルを
制御する。
【0040】 泡状物を作るのに用いる繊維が特に長い場合、即ち、数インチの程度である場
合、ポンプ25の吸引入口85の方へ導管18を向ける代わりに(図2に示した
ように)、導管18をポンプ25の下流の導管26中で終わらせる。この場合、
ポンプ17は勿論他の場合よりも大きな圧力を与えなければならない。即ち、1
8からの流れがポンプ25からの導管26中の圧力にも拘わらず導管26中へ入
って行くような充分な圧力を与えなければならない。
【0041】 図3は、本発明の方法の別の泡状物導入特徴を持つ一つの形態の詳細を示して
いる。図3は、ヘッドボックス30の直前で導管29中の泡状物・繊維混合物中
に導入される導管45からの泡状物それ自体を例示している。泡状物注入導管4
5を用いた場合、それらは導管29の全ての中へ泡状物を注入する必要はなく、
希望の結果を達成するのに丁度充分な泡を注入すればよい。希望の結果には、(
主たる利点として)一層均一な斤量分布が含まれる。もし望むならば、導管29
は、泡状物ノズル28からヘッドボックス30中の爆発室(explosion chamber)
中へ泡状物を導入することができる。しかし、アールストローム(Ahlstrom)法を
実施するためにヘッドボックス中に爆発室を用いる実際的理由は存在しない。も
し用いるならば、爆発室は単に安全性のためである。
【0042】 導管45中に添加される純粋泡状物の量は、確かにそれが添加される場合には
、用いられる特定のヘッドボックス30及び他の装置、繊維の種類及大きさ、及
び他の変数により、夫々の状態に対し経験的に決定しなければならない。殆どの
状況下では、泡状物・繊維混合物の体積の約2〜20%の範囲のいずれかの純粋
泡状物の添加で希望の結果が得られる。
【0043】 図4は、二つの異なった形態の泡状物注入(図3に例示した形態+他の形態)
を用いた、傾斜ワイヤー・ヘッドボックス301の一例を例示している。図4の
ヘッドボックス301中では、傾斜した慣用的形成用ワイヤー90が矢印の方向
に移動し、45の所から注入された泡状物と共に泡状物・繊維混合物が、全体的
に図4に例示したように、導管29からヘッドボックス301中へ分散される。
一般に図4の矢印92で例示したように泡状物が流れるように、導管44からも
泡状物がヘッドボックス301中に導管される。即ち矢印92の方向に流れる泡
状物は、ヘッドボックス301の天井93の下側に対して流れる。泡状物の最初
の流れを複数の導管44の各々から92の方向へ確実に流すため、ヘッドボック
ス301中にバッフル94を配備してもよい。
【0044】 ヘッドボックス301の傾斜(例えば、約45°)は、多くの理由から好まし
い。ヘッドボックス301の天井93がワイヤー90の移動方向に上方へ傾いて
いるならば、ヘッドボックス301の頂部で形成された気泡はヘッドボックス3
01から自力で出て行くであろう。ヘッドボックス301の底部を形成するワイ
ヤー90が水平であると、気泡はヘッドボックス301の頂部に止まり、それを
除去するために特別な構造〔例えば、バルブ付き導管及び(又は)ポンプ〕を配
備しなければならない。
【0045】 実質的に純粋な泡状物を1本以上の導管44中に導入する一つの理由は、ヘッ
ドボックス301中の繊維の剪断力を少なくし、スラリー中の繊維が一方向(一
般にワイヤー90の移動方向)向かないようにするためである。流体運動の基本
的原理により、泡状物・繊維混合物が天井93の方へ移動すれば、摩擦により界
面層では望ましくない一方向の繊維配向を生ずるであろう。92の方向に流れる
ように導入された泡状物は、潤滑剤として働き、その界面層問題を解消する。
【0046】 導管44中に導入された泡状物も、泡状物・繊維スラリー91の斤量分布に望
ましい影響を与える。導管44中に導入された92の方向に流れる泡状物は、天
井93の下側を清浄に保ち、それも望ましいことである。
【0047】 このやり方で(導管44を経て)導入される泡状物の量も、異なった夫々の状
況で経験的に決定されなければならないが、通常最適値は導管29により導入さ
れる泡状物・繊維混合物の体積の約1〜10%の範囲内のいずれかにあるであろ
う。
【0048】 図3及び4の両方で例示したように、導管45中の泡状物の導入は(典型的に
は、約30〜90°の角度で導入される;図3と図4を比較)、種々の目的から
行われる。図5は、ヘッドボックス30(例えば、301)の模式的上面図(僅
か3本の導管29しか示していないが、通常遥かに多くのものが与えられている
)であり、純粋泡状物注入が生ずる差を示している。45からの実質的に繊維を
含まない泡状物の注入がないと、導管29により導入された泡状物・繊維混合物
は一般に図4及び5の導入91によって示されたように分布する。しかし、45
からの泡状物の注入があると、図5の線96によって概略示したように、泡状物
・繊維混合物の一層大きな分散が起きるため、斤量分布が変化する。この斤量分
布に対する影響は、図6の模式的例示で分かる。通常の斤量分布(泡状物の注入
がない場合)は、線91Aで例示したように、大きな膨らみ97を有する。しか
し、泡状物が注入されると、線96aによって示されているように、膨らみ98
は遥かに小さくなる。即ち、斤量は一層均一になる。分布制御は、マニホルド2
7の主流に(例えば、ノズル28の前に)、又は導管29がヘッドボックス30
1に入る直前又は直後に(図4で45の所で見られるようになる直前に)、即ち
、ノズル28の後で、希釈用泡状物を添加することにより行われる。
【0049】 もし望むならば、導管29により泡状物ノズル28からの泡状物をヘッドボッ
クス30、301中の爆発室へ導入してもよい。しかし、本発明の方法を実施す
るためには、ヘッドボックス中に爆発室を用いる実際的理由は存在しない。もし
用いるならば、爆発室は単に安全性のためである。
【0050】 図4に点線で示したように、導管44の幾つか又は全てに泡状物ノズル98を
配備する。また、泡状物の流れ92(単独又は導管45中の流れと組合せて)を
用いて斤量分布を調節することもできる。導管44は分岐していて、一つの枝は
92の方向に、他は流れ91と交差するようにしてもよい(バッフル94を取り
除くか、又は第二分岐により貫通させる)。
【0051】 図3〜5に例示した組立体を用いて、次の方法の工程を実施することができる
ことは分かるであろう:(a)空気、水、繊維(例えば、合成及びセルロース繊
維であるが、他の繊維、例えばガラス繊維を用いることもできる)及び適当な表
面活性剤の第一泡状物スラリーをヘッドボックス301中へ送入し、移動する有
孔部材90と接触させる。(b)実質的に繊維を含まない第一泡状物を、図4の
矢印92で示したように導入し、有孔部材90から遠い点でヘッドボックス30
1の表面93(例えば、天井)と接触させる。工程(b)は、典型的には表面9
3に沿って部材90の方へ泡状物を流すように実施され、ヘッドボックス301
中の繊維の剪断を最小にし、繊維が有孔部材90の全体的移動方向に一方向に並
ばないようにし、更に表面93を清浄に維持するようにする。更に、有孔部材9
0を通して泡状物を取り出し、部材90上に繊維不織布を形成する工程(c)が
存在し、泡の取り出しは、吸引箱31、32、又はその目的のために適した慣用
的装置(例えば、吸引ローラー又はテーブル、プレス用ローラー等)を用いて達
成される。
【0052】 図3〜5の全てで見ることができる方法もあり、それは次の工程を含む:(a
)図3及び4で見られる導管29によるなどして(例えば、図4の流れ92と基
本的に同じ方向の流れ91を用いて)第一繊維・泡状物スラリーを供給し;(b
)部材90を通して泡状物を取り出し(上で述べたように);そして(c)第二
の実質的に繊維を含まない泡状物を第一泡状物スラリー(図3及び4の両方で4
5で示されているように)第一泡状物スラリーがヘッドボックス30、301中
へ導入される近辺(典型的には、マニホルド27で、或はその導入点直後まで)
に送り、製造される不織布に一層均一な斤量分布を与えるようにする(図6に示
したように)。
【0053】 本発明による方法の実施及び系の利用で用いることができる典型的な泡すき法
パラメーターを次の表に記載する(生成物の範囲は広いので、パラメーターの範
囲は一層広くすることができる)。
【0054】 パラメーター 値 pH(実質的に全系) 約6.5 温度 約20〜40℃ マニホルド圧力 1〜1.8バール 混合器中のコンシステンシー 2.5% ヘッドボックス中のコンシステンシー 0.5〜2.5% 粒子、充填剤、又は他の添加剤の コンシステンシー 約5〜20% 形成されたウエブのコンシステンシー 約40〜60% ウエブ斤量変動 1/2%未満 泡状物密度(繊維含有又は無含有) 1バールで250〜450g/l 泡状物の気泡粒径 平均直径0.3〜0.5mm (ガウス分布) 泡状物空気含有量 25〜75%(例えば、60%; 方法の圧力により変化する) 粘度 「目標」粘度は存在しないが、典 型的には泡状物は高剪断条件で2〜 5センチポアズ、低剪断条件下で2 00kから300kセンチポアズの 程度の粘度を有し、それらの範囲は 粘度決定方法により広くなることが ある。 ウエブ形成速度 約200〜500m/分 繊維又は添加剤の比重 0.15〜13の範囲内のいずれ か 表面活性剤濃度 水硬度、pH、繊維の種類等のよ うな多くの因子に依存する。通常循 環する水の0.1〜0.3%。 形成用ワイヤー張力 2〜10N/cmの間 流量の例 --混合器からワイヤーピットへ 約4000リットル/分 --ワイヤーピットからヘッドボックスへ 約40,000リットル/分 --泡状物再循環導管 約3500リットル/分 --吸引除去から水再循環 約500リットル/分
【0055】 これまで記述してきたことは、1997年9月4日に出願された係属中の米国
特許出願Serial No.08/923,250に記載されていることであ
る。本発明によれば特定のマニホルド及びそのマニホルドを用いた不織布製造方
法が与えられ、それは幅全体に亙って実質的に一定の斤量分布を有する不織布を
製造し易くする。図7及び8には、図4に例示したものと同様な部材が、「1」
を前に付けただけで同じ参照番号で示されている。他の部材は「2」を最初に付
けた参照番号を有する。
【0056】 本発明によるマニホルドは、図7及び8の200で模式的に例示した構造を持
っているが、図12に模式的に例示した実質的に円筒状の形のような多くの他の
形(円錐状挿入物、湾曲した側壁等を有する円筒状を含む)を用いることができ
が、図中、図8のものに匹敵する部材は、「1」又は「2」ではなく、「3」を
前に付けるだけで同じ二桁の参照番号で示されている。前壁(210、310)
が平面上である場合には円錐状挿入物は通常用いられない。なぜなら、それは構
造を余りにも複雑にし、高価にするからである。
【0057】 図7及び8のマニホルド200は、入口129を有する第一端部201、場合
により手動又は好ましくは自動的に制御可能なバルブ204に通ずる出口203
を有する第二端部202を有するケースを有する。もし入口129が図7に例示
したように断面が円状で、出口203もそうであるならば、この好ましい態様で
はマニホルド200は好ましくは多角形の基底を持つ台形角柱である中心領域2
05を有するので、円状断面の入口129から中心領域角柱205の多角形基底
までの移行領域206、及び角柱中心領域205の截頭頂部から出口203(も
し与えられているならば)に接続された別の移行領域207を有する。
【0058】 マニホルド200の中心領域205は、第一側壁208及び第二側壁209を
有する。図7では、中空内部及びその部材を明瞭に例示するため、第一側壁20
8はその長さの殆どに亙って除去されている。しかし、側壁208、209の両
方は実質的に閉鎖されているのが好ましいが、センサー又は他の目的のために種
々の開口がそこに儲けられていてもよい。側壁208、209は実質的に平面状
であるか、又は湾曲していてもよい(例えば、図12の308、309参照)。
【0059】 中心領域205は、有効な長さ(一つの移行領域206から他の移行領域20
3まで、又はその距離より幾らか小さい部分)を有する前壁210及びその前壁
210に相対する後壁193も有する。前壁210は、入口129から入る泡状
物・繊維・表面活性剤スラリー211に対し多孔性であるが、後壁193は開口
212を除き実質的に閉鎖されており、その開口を通って図7及び8の矢印21
3で概略示したように、第二泡状物が中心領域205の内部容積内へ導入するこ
とができる。後壁193は、実質的に平面上であるか、又は湾曲している(例え
ば、図12の393参照)。
【0060】 簡単に示すため、第二泡状物の流れ213は、実質的に繊維を含まない泡状物
からなるものとして下で記述するが、それは単に好ましい態様に過ぎず、多くの
状況下では、繊維を含む泡状物(211で導入される泡状物・繊維スラリーとほ
ぼ同じ%の繊維、又は211で導入されるスラリーよりも1%以下又は以上の%
の繊維を含むもの)を、第二泡状物213として用いてもよい。異なった導入点
では、泡状物の流れ213は、異なった繊維%を持っていてもよい。
【0061】 開口212に気密に接続されたバルブ214を中に有するパイプ144は、後
壁193を通って中心領域に実質的に繊維を含まない泡状物213を導入するた
めの一つの態様を構成する。パイプ144及び開口212は、図7及び8に例示
したように唯一つの列の形で与えるか、又は多数の列で与えるか、又は他の模様
又は配列の種々の形で与えることができる。ノズル、ヘッド、有孔板、バッフル
等のような他の慣用的流体用部材を、泡状物213を導入するための手段として
、又はその一部として用いることができるが、それら手段は、中心領域205の
長手方向に沿った種々の異なった位置で泡状物213を導入し、どの点でも中心
領域205内の圧力条件を変化させ、最終的に前壁210を通過する泡状物・繊
維・表面活性剤スラリーの斤量をその有効な長さに沿って実質的に一定(例えば
、変動が0.5%より少なく、好ましくは約0.2%或は更にそれより少ない位
に低いのが好ましい)にすることができることが好ましい。
【0062】 中心領域205内の圧力は、確実に斤量が実質的に一定になるようにするため
感知するのが好ましい。なぜなら、特定の点での斤量は、その点での泡状物・繊
維スラリーの圧力に大きく依存するからである。例えば、図7及び8に模式的に
例示したように、複数の圧力センサー217を側壁208(又は側壁208、2
09の各々)に伴わせて配備してもよい。別法として、前壁210が平面状で、
後壁及び側壁193、208、209を、図13に模式的に例示したように、湾
曲した表面、好ましくは円又は円錐の一部から形成することができる。それによ
り圧力センサー217及び泡状物導入導管144の両方を、一つ以上の後壁/側
壁15、193、208、209の所に配置することができる。
【0063】 センサー217は、圧力計又は慣用的センサーのどのような他の型のものでも
よいが、電気的読取り又はパルスを与えるのが好ましい。センサー217(幾つ
配備されていてもよく、典型的には配備される数が多い程、斤量は一層均一にな
るであろう)の各々からの出力は、図7の218に概略示したように、自動制御
手段に電気的に接続されているのが好ましい。圧力センサー217からの出力の
外、他の環境的因子又は人によって引き起こされた因子に呼応して、制御手段2
18は、バルブ204、入口129へスラリー211を送るポンプ(例えば、図
1及び2に例示したポンプ25)、第二泡状物213を中心領域205へ供給す
るバルブ214、又は好ましくはバルブ204、ポンプ25、及びバルブ214
の全てを制御する。バルブ204を制御してそれを更に開くことにより、形成機
205内の圧力は低下し、それを一層閉じることにより中心領域205内の圧力
は増大する。ポンプ25の速度を増大することにより圧力は増大し、速度を低下
することにより、圧力は減少し、バルブ214を制御することにより後壁193
に沿った特定の点での流れの量を個々に制御し、それによりその点での圧力を局
部的に増大又は減少する。
【0064】 例示した好ましい態様では、図8から明らかなように、後壁193が前壁21
0に近づいていくように後壁193は前壁210に対して傾いており、マニホル
ド200の第一端部201に隣接した所から第二端部202へ行くに従って中心
領域205の断面積は小さくなっていくようになっている。後壁193の傾斜は
実質的に均一で、断面積の減少も一様であるのが好ましいが、実質的に繊維を含
まない泡状物の導入手段等の変更により均衡がとれるならば一様でない傾斜を与
えてもよい。
【0065】 制御手段218は、ファジー制御器、多変数制御装置、又は制御バルブ204
及び214、できればポンプ25の希望の機能を遂行することができる他の適当
なコンピューター制御器のような適当な慣用的制御手段からなっていてもよい。
【0066】 図9は、中心領域205の長手方向に沿って前壁210を通過する泡状物・繊
維スラリーの斤量を表したグラフである。中心領域205の有効長さは、図9中
の参照番号220によって示されているのに対し、一定値221に対する斤量の
変動(典型的には、g/m2で表す)は、線222によって例示されている。図
9に示した変動は基準線221より上の曲線222のピークから下の値まで0.
5%より小さい。一方、図10及び11は曲線223、224を夫々示し、それ
らは不適切な生成物をもたらしている。図10は、マニホルド中へ流れ込むスラ
リーの量が不充分で、入口129では低く過ぎるマニホルド圧力を生じ、そのた
め図7で見られるようなマニホルド200の左側では斤量が低く過ぎる場合を示
している。図11は、バルブ204を余りにも開け過ぎたため、導管225中に
再循環する(例えば、ポンプ25、又はワイヤーピット23への戻り)スラリー
が余りにも多くなり過ぎ、マニホルド中の圧力低下を起こし、前壁210を通過
してマニホルド200の右へ行く(図7から分かるように)スラリーの斤量が低
くなり過ぎる異常な状態を示している。
【0067】 図7は、慣用的ヘッドボックス30に対するマニホルド200の概略的関係も
示している。即ち、マニホルド200は、図1及び3に例示したマニホルド27
の代わりになり、それらに伴われるノズルを有し(図3の28及び29のように
)、吸引箱31を伴う、ワイヤー99を有するヘッドボックス30へ供給するの
が好ましい。
【0068】 繊維材料不織布を製造するための本発明によるマニホルド200を用いる方法
では、次の手順を実施することができる;(a)泡状物・繊維・表面活性剤スラ
リー211をマニホルド200の第一端部201中へ実質的に連続的に導入する
。(b)マニホルド前壁210中の開口を通して泡状物・繊維・表面活性剤スラ
リー211を実質的に連続的に排出し、ヘッドボックス30へ送る。そして、(
c)マニホルドの実質的に全長に亙って実質的に規則的な間隔で開けられた多数
の開口212を通ってマニホルド中へ第二泡状物213(実質的に繊維を含まな
いか、又は泡状物・繊維スラリー)を導入し、マニホルド前壁210を通過する
泡状物・繊維・表面活性剤スラリーの斤量を、マニホルド前壁210の有効長さ
220に沿って実質的に一定に維持するようにする(図9の曲線222によって
示されているように)、例えば、前壁210を通過するスラリーの斤量の変動が
0.5%以下になるようにし、有孔部材99上にウエブが均一に形成されるよう
にする。
【0069】 この方法は、(d)マニホルド200中の圧力を、その長手方向に沿って複数
の位置で圧力を感知し(センサー217)、感知された圧力に呼応して、前壁2
10を通過するスラリーの斤量が、前壁210の有効長さ220に沿って実質的
に一定(好ましくは0.5%より小さい変動)に維持するように(c)を制御す
ることも包含していてもよい。例えば、これは、制御手段218へ制御信号を与
え、必要に応じバルブ214(出来ればバルブ204、同じく出来ればポンプ2
5の速度)を制御するセンサー217によって達成される。この方法の中で、(
c)は実質的に連続的に実施されるのが好ましいが、マニホルド中心領域205
内の圧力を均一にするため、一方のパイプ144から他方のものまで流量を変化
させてもよく、スラリー211は中心領域205の一定して減少する断面積を入
口129から出口203へ移動する(図8から分かるように)。
【0070】 図12のマニホルド300は、円錐状挿入物399を有する円筒状の断面をし
ている。図12では、1番上の構造体及び1番下の構造体が、更にヘッドボック
スへの接続部及び孔を有するマニホルドの「前壁」310を表している。繊維・
泡状物混合物311はマニホルド300に右から入る。マニホルド内部のテーパ
ーの付いた部分は、マニホルドの「後壁」に相当する円錐状挿入物399であり
、即ち、両方共円状断面を有する。図に示したように、第二泡状物313は、円
錐状「後壁」393の所の開口で終わっている複数のパイプ344を通って円錐
状挿入物399に入る。「側壁」309中には圧力センサー317が配置されて
いる。更に、マニホルド300は円錐状にし、挿入物(399)を円筒状にする
か、又は両方共円錐状にしてもよいことは認められるであろう。円筒以外の断面
、例えば、楕円状の断面を用いてもよく、或は表面408、409、493が湾
曲し、好ましくは二分された円錐になっている図13の形態を用いてもよい(図
13では、図7、8及び12のものに匹敵する部品は、「4」を前に付けただけ
の同じ二桁の数字によって示されている)。
【0071】 本発明の主たる目的は、泡すき法の極めて有利な修正を与えることにある。本
発明を、その最も実際的で好ましい態様であると現在考えられるものについてこ
こに記載し、示してきたが、当業者には本発明の範囲内で多くの修正を行えるこ
とは明らかであろう。本発明の範囲は、全ての同等の方法及び組立体を包含する
ように特許請求の範囲の最も広い解釈と一致すべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施することができる泡すき法のための系及び用いられる本発
明の装置を例示する一般的模式図である。
【図2】 図1の系のマニホルド及びヘッドボックスに供給する、混合器からポンプへの
泡状物・繊維スラリーの供給を示す一部断面、一部立面図として示した詳細な模
式図である。
【図3】 本発明により、マニホルドとヘッドボックスの間の導管への泡状物それ自体の
添加を示す、一部断面で示した詳細な模式的斜視図である。
【図4】 泡状物が導入される傾斜ワイヤー・ヘッドボックスの一例の詳細を、一部断面
、一部立面図として示す側面図である。
【図5】 マニホルドからヘッドボックスへ通ずる導管に純粋泡状物を添加した影響を例
示する模式図である。
【図6】 図4及び5のヘッドボックスの斤量分布を、純粋泡状物を添加しない場合につ
いて表した模式図である。
【図7】 本発明による泡すき法を用いて繊維材料不織布の製造を容易にするマニホルド
の、例示を簡明にするため側面の一つを切除して示した模式的斜視図である。
【図8】 図7の線8−8に沿ってとった断面図である。
【図9】 図7及び8の本発明を用いて得ることができるスラリー分布の一例を表すグラ
フである。
【図10】 単に異常な状態を示す、図9のグラフと同様なグラフである。
【図11】 単に異常な状態を示す、図9のグラフと同様なグラフである。
【図12】 実質的に円状断面及び円錐状挿入物を有するマニホルドの態様の側断面図であ
る。
【図13】 実質的に二分された円錐状断面を有するマニホルドを示すだけの、図8と同様
な断面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (本発明の背景及び要約) 係属中の1997年9月4日に出願された特許出願Serial No.08
/923,250には、泡すき法(foam laid process)、及び製造される不織布(
nonwoven web)の斤量分布(basis weight profile)の均一性を向上する繊維不織
布形成方法を実施するための装置が記載されている。本発明は、前記係属中の出
願に記載されている方法及び装置を修正した泡すき法により不織布を製造し易く
するマニホルド及び方法を与えるものであり、それにより斤量分布の均一性を増
し、用いた繊維に依存して、斤量変動を0.5%より小さくし、実際0.2%位
に低いか、それより更に低くすることさえ可能にすることができる。
【0002】 EP−A2−0 158 938には、泡状物・繊維完成紙料から繊維ウエブ
をすいて製造するための装置及び方法が記載されている。ヘッドボックスは、形
成用ワイヤーの移動方向を横切って伸びる長い溝を定める壁を有する。泡状物形
成用ノズルは、溝中へ泡状物・繊維完成紙料を導入し、溝を定める相対して配置
された壁に乱流誘発衝撃を与えるように配置されている。乱流する泡状物・繊維
完成紙料を、次にヘッドボックス・スライスへ導入し、繊維の機械方向への配向
を最小にするようにして形成用ワイヤー上へ排出する。
【0003】 泡すき法により製造された不織布の斤量分布は、マニホルドの分配管の構造及
び設計に大きく依存する。水、ほぼニュートン液体を用いた液体法では、マニホ
ルドの後壁の形を変化させ、マニホルドからの出口バルブを制御することにより
マニホルド中の圧力を変化させることを含め、繊維・液体スラリーの静的及び動
的圧力特性の両方を調節することによりプロファイルを均一にすることが試みら
れている。しかし、泡状物・繊維・表面活性剤スラリーはニュートン液体又はニ
ュートン液体に近い液体とは異なって挙動し、従来のマニホルドパイプを用いた
のではその分布の調製を困難にする。これらの問題は、特定の繊維(又はスラリ
ー中の粒子)がマニホルド中の出口バルブを通って適切に流れず、水中で不安定
になり、凝集を起こし易くなるか、又は結節(knot)又は濾過束(filter bundle)
の蓄積を起こし易い場合には、著しく顕著になる。
【0004】 本発明によれば、泡すき法を用いた不織布の製造をし易くするマニホルド、そ
のマニホルドを用いて不織布を製造するための泡すき法が与えられ、それにより
マニホルド圧力を局部的と同時に実質的にマニホルドの全長に亙って精確に制御
することができる。ウエブ分布及び形成は、精確に制御することができる。出口
バルブ、マニホルドへの供給速度、及びマニホルドの後壁への実質的に繊維を含
まない泡状物の供給速度を制御することにより確立された背圧の一つ、又は好ま
しくは全てにより、制御を行うことができる。
【0005】 本発明の一つの態様により与えられる、繊維材料不織布の製造をやり易くする
マニホルドは、次の構成を有する:第一及び第二の相対する端部(opposite end
s:両端)を有するマニホルドケースで、前記第一端部に泡状物・繊維スラリーの
ための入口を有するマニホルドケース。前記入口から出口へ有効断面積が実質的
に減少していく前記マニホルドケースの中心領域(center section)。前記中心領
域の第一及び第二側壁、有効長さを有する前壁、及び後壁。前記前壁は、泡状物
・繊維スラリーに対し多孔性になっていて、前記スラリーを通過させることがで
きる。前記後壁を通って前記中心領域へ第二泡状物(例えば、実質的に繊維を含
まないか、又は泡状物・繊維スラリーで、それは表面活性剤(界面活性剤)を含
んでいてもよい)を導入するための手段。前記前壁を通過する泡状物・繊維スラ
リーの斤量を、前記前壁の前記有効長さに沿って実質的に一定に維持し易くする
ように構成されている、前記第二泡状物を導入するための手段(及び、恐らく前
記中心領域の形及び大きさ)。
【0006】 マニホルドの重要な特徴は、入口から出口の方へ減少していく断面積である。
断面積の減少は三つの因子に依存する:ヘッドボックスの方へマニホルドから排
出されるスラリーの量、マニホルド内部のスラリーの運動エネルギー、及びマニ
ホルド壁とスラリーとの間の表面摩擦である。マニホルドはこれらの点を考慮に
入れたどのような形態をしていてもよい。例えば、マニホルドは、断面積を減少
するために円錐状部材を中に有する円筒状パイプでもよい。そのような構造では
、マニホルドから出るスラリーを導くノズルは、全ての方向で円筒状マニホルド
の周りに配置されており、第二泡状物を供給するパイプが、マニホルド内部の円
錐状パイプの所に配置されていてもよい。この場合には、側壁、前壁、及び後壁
は、連続的に湾曲した構造体の一部分である。実際、全前壁、後壁、及び側壁の
断面は円筒状であるのが好ましい。
【0007】 別法として、マニホルドの断面が矩形になっている場合には、マニホルドは二
つの側面を持つようにすることができ、即ち、マニホルドの両側(opposite sid
es)にノズルを取付け、繊維を含まない泡状物を他方の相対する壁を通って導入
することができるようにしてもよい。
【0008】 マニホルドの配向は、余り重要ではないのが典型的であり、それは直立、傾斜
、又は水平位置に配置することができる。
【0009】 後壁を通って中心領域へ実質的に繊維を含まない泡状物を導入するための手段
は、ノズル、有孔板、バッフル、噴霧ヘッド等を含めたどのような慣用的流体部
品を具えていてもよい。そのような手段は、1本以上のバルブ付きパイプを有し
、それらのバルブを、通過する泡状物の量を変化させるため制御することができ
るのが好ましい。
【0010】 マニホルドの好ましい態様として、中心領域の後壁は、その後壁が前壁に次第
に近づいて行くように前壁に対し傾斜しており、マニホルドの第一端部に隣接し
た所から第二端部の方へ行くに従って中心領域の断面積が小さくなっていくよう
になっている。側壁は実質的に閉鎖され、後壁は、実質的に繊維を含まない泡状
物を導入するための手段を除き、実質的に閉鎖されているのが好ましく、マニホ
ルドは、そのマニホルドの第二端部の所に出口を更に持っていてもよく、その場
合、繊維・泡状物混合物を再循環することができる。出口を通過するスラリーの
量を変化させるため、出口にバルブを配置するのが好ましい。前壁は実質的に水
平であるか、又はそれは別の配向になっていてもよい。前壁を通過してノズル及
び導管へ入り、次にヘッドボックスへ入るスラリーにより不織布が形成される場
合の移動有孔部材(例えば、網)と組合せてヘッドボックスへスラリーを導くノ
ズル及び導管がマニホルドには配備されているのが典型的である。下流の形成器
では、スラリーから泡状物及び液体が吸引除去され、有孔部材上にウエブを形成
する。
【0011】 マニホルドは、更に、中心領域内の圧力をそこで感知するために、実質的に閉
鎖した側壁の少なくとも一つに作動的に接続された複数の圧力センサーを具えて
いてもよい。更にマニホルドは、中心領域内への泡状物・繊維スラリーの導入、
泡状物・繊維スラリーの取り出し、及び実質的に繊維を含まない泡状物の導入の
少なくとも一つ(好ましくは全て)を制御し、前壁を通過する泡状物・繊維スラ
リーの斤量を、前壁の有効長さに沿って実質的に一定に維持するように、圧力セ
ンサーに呼応した制御手段を具えている。制御手段は、バルブ、バッフル、又は
希望の機能を自動的に遂行するための他の慣用的流体用部材と共働するどのよう
な型のコンピューター制御、ファジー制御器、多変数制御装置等を具えていても
よい。
【0012】 中心領域の断面は平行四辺形、又は種々の他の形の多角形又は他の形(上に記
載したようなもの)でもよいが、実質的に矩形(rectangular)であるのが好ま
しい。マニホルド中心領域は、四角柱のような多角形柱からなるのが典型的であ
る。
【0013】 本発明の別の態様に従って、次の構成部を有する繊維材料不織布の製造をし易
くするマニホルドが与えられる:第一及び第二の相対する端部を有するマニホル
ドケースで、前記第一端部の所にある泡状物・繊維スラリーのための入口、前記
マニホルドの第二端部の所にある出口、及び前記出口を通過するスラリーの量を
変えるために前記出口に配置されたバルブを有するマニホルドケース。実質的に
多角形の断面を有する前記マニホルドケースの中心領域。前記中心領域の第一及
び第二側壁、有効長さを有する前壁、及び後壁。前記前壁は泡状物・繊維スラリ
ーを通過させることができるように、前記スラリーに対し多孔性になっている。
前記後壁を通って前記中心領域へ第二泡状物を導入するための手段。然も、この
場合、前記後壁が前記前壁に近づいていくように、前記中心領域の後壁が前記前
壁に対し傾斜しており、前記中心領域の断面積が、前記マニホルドの前記第一端
部に隣接した所から前記第二端部の方へ行くに従って小さくなって行くようにな
っている。マニホルドの詳細は、上に記載したようになっているのが好ましい。
【0014】 本発明は、泡状物・繊維スラリーが流通することができる有効長さを有する多
孔性前壁、前記有効長さによって隔てられた第一及び第二端部、及び前記前壁に
相対する後壁を有するマニホルド、及びヘッドボックスを用いた繊維材料不織布
の製造方法にも関する。その方法は、好ましくは、(a)泡状物・繊維・表面活
性剤スラリーを前記マニホルドの前記第一端部へ実質的に連続的に導入し、(b
)前記マニホルド前壁中の開口を通って泡状物・繊維・表面活性剤スラリーを実
質的に連続的に排出してヘッドボックスへ送り、そして(c)前記マニホルドの
実質的に全長に亙って実質的に規則的な間隔で配置された複数の開口を通って前
記マニホルド中へ第二泡状物〔例えば、実質的に繊維を含まないか、又は(a)
で導入した泡状物・繊維スラリーとほぼ同じか、又は異なった%(例えば、少な
くとも約1%)の繊維を含む繊維・泡状物スラリー〕を導入し、前記マニホルド
前壁を通過する泡状物・繊維・表面活性剤スラリーの斤量を、前記マニホルド前
壁の有効長さに亙って実質的に一定に維持する。
【0015】 この方法は、更に、(d)マニホルド中の圧力を、その長さに沿った複数の位
置で感知し、そして前記感知した圧力に呼応して(c)を実施し、前壁を通過す
る泡状物・繊維スラリーの斤量を、前記前壁の有効長さに沿ってその変動が0.
5%より小さくなるように維持することを含む。(c)は実質的に連続的に行う
のが好ましい。マニホルドはその第一端部と第二端部との間に、前壁の実質的に
その有効長さに沿って徐々に減少する実質的に多角形の断面を有する中心領域を
有するのが好ましく、その場合、泡状物・繊維・表面活性剤スラリーがその中心
領域の一貫して減少する断面を通って移動するように(c)を実施する。また、
本方法は、(e)マニホルドの第二端部を通って幾らかのスラリーを実質的に連
続的に取り出すことを更に含んでいるのが典型的である。
【0016】 本発明の主たる目的は、マニホルド、及びそのマニホルドを用いて繊維材料不
織布を製造する方法を与えることにあり、それは、泡状物・繊維・表面活性剤ス
ラリーの非ニュートン性の特徴を考慮に入れ、前記マニホルドの前壁の有効長さ
に沿って実質的に一定した斤量を持つ不織布を生成する。本発明のこの目的及び
他の目的は、本発明の詳細な説明を調べることにより、また特記請求の範囲から
明らかになるであろう。
【0017】 (図面の詳細な説明) 本発明で用いるのに望ましい泡すき法を実施するための泡すき処理装置の例を
、図1に10として概略例示する。この系は、繊維入口12、表面活性剤入口1
3、及び他の添加剤、例えば炭酸カルシウム又は酸のようなpH調節薬品、安定
化剤等のための入口14を有する混合タンク又はパルプ形成器11を有する。繊
維、表面活性剤、及び添加剤の特定の性質は特に限定する必要はなく、それらは
製造すべき製品の的確な詳細な点(その斤量を含む)に依存して広く変化させる
ことができる。表面活性剤は最終ウエブの表面張力を、それが依然として存在す
ると減少し、それは或る製品では望ましくない特徴なので、かなり容易に洗浄除
去することができる表面活性剤を用いるのが望ましい。市販されている数千の表
面活性剤から的確な表面活性剤を使用することは、本発明の一部ではない。
【0018】 タンク11はそれ自体全く慣用的なものであり、水簸法を用いた慣用的製紙装
置中のパルプ形成器として用いられているものと同じ型のタンクである。唯一の
相異点は、混合器/パルプ形成器11の側壁が、泡の密度が水の密度の約3分の
1なので、水簸法の高さの約3倍上に伸びていることである。タンク11中の慣
用的機械的混合器の回転速度及び羽根の形状は、製造される製品の特定の性質に
依存して変化するが、特に限定する必要はなく、種々の異なった部品及び変数を
用いることができる。それら壁にはブレーカー(braker)を配備してもよい。泡状
物が滴り落ちるタンク11の底に渦巻きが存在するが、タンク11が泡状物及び
繊維で満たされているので、一度び始動したならば見ることはできない。
【0019】 タンク11の中には、多数の異なった点でpHを測定するための多数のpHメ
ーター15が入っているのが好ましい。pHは表面張力に影響を与えるので、精
確に決定されるのが望ましい。pHメーターは毎日較正する。
【0020】 最初始動した時、導管12から繊維、導管13から表面活性剤、導管14から
他の添加剤を水に添加する。しかし、操作が始まったならば、追加の水は不必要
であり、タンク11中では泡の発生のみならず、泡の維持も行われる。
【0021】 泡状物はポンプ17の影響によりタンク11の底から渦巻き状になって導管1
6中へ出る。ポンプ17は、系10中の他の全てのポンプと同様に、脱ガス遠心
ポンプであるのが好ましい。ポンプ7から排出された泡状物は導管18中を通り
、更に別の構成部へ行く。
【0022】 図1は、場合により存在する保持タンク19を点線で例示している。保持タン
ク19は必ずしも必要ではないが、混合器11中へ導入される或る変動が存在す
る場合には、泡状物中の繊維の比較的均一な分布を確実に与えるために望ましい
。即ち、保持タンク19(典型的には僅か5m3程度の小さなものであるのが典
型的である)は、多かれ少なかれ、繊維分布を均一にするための「サージタンク
(surge tank)」のように働く。本方法を実施した場合、混合器11からヘッドボ
ックス(30)までの全時間は、僅か約45秒であるのが典型的なので、保持タ
ンク19を用いた場合、それは変動を均一にする時間を与える。
【0023】 保持タンク19を用いた場合、泡状物はポンプ17から導管20へ入り、タン
ク19の頂部へ送られ、遠心ポンプ22の影響によりタンクの底を出て導管21
に入り、次に導管18へ導入される。即ち、保持タンク19が用いられた場合、
ポンプ17は直接導管18へ接続されるのではなく、タンク19を通ってのみ接
続される。
【0024】 導管18はワイヤーピット(wire pit)23へ伸びている。ワイヤーピット23
は、それ自体慣用的タンクであり、この場合も慣用的水簸製紙法装置にあるもの
と同じであるが、側壁が一層高くなっている。ワイヤーピット23は行止まりの
角がないように作ることが重要であり、従ってタンク23は大き過ぎないように
すべきである。ポンプ25(ワイヤーピット23の底に隣接して作動的に接続さ
れている)中へ、導管18中の泡状物・繊維混合物を導入できるようにする慣用
的構造体24を、図2に関し、更に記述する。いずれにせよ、ポンプ25は、機
構24により導入された導管18内の泡状物・繊維混合物及びワイヤーピット2
3からの付加的泡状物を導管26中へ送る。ワイヤーピット23からポンプ25
中へはかなり多量の泡状物が引き込まれるので、導管26中のコンシステンシー
は、導管18中のものよりも著しく低くなっているのが典型的である。導管18
中のコンシステンシーは固体(繊維)2〜5%であるのが典型的であるのに対し
、導管26の中のコンシステンシーは約0.5〜2.5%であるのが典型的であ
るが、夫々の場合のコンシステンシーは約12%程の高いものでもよい。
【0025】 ワイヤーピット23中では、泡状物を異なった密度の層にする顕著な分離は存
在しない。底の方への最小限の増大はあるが、その増大程度は小さく、装置の操
作に影響は与えない。
【0026】 泡状物・繊維は、導管26からマニホルド27へ送られ、そのマニホルドには
泡発生ノズル28が付随している。米国特許第3,716,449号、第3,8
71,952号、及び第3,938,782号明細書(それらの記載は参考のた
めここに入れてある)で用いられているような慣用的泡発生ノズル(これは泡状
物を穏やかに撹拌する)であるノズル28がマニホルド27に取付けられている
のが好ましく、多数のノズル28がマニホルド27に取付けられている。各ノズ
ル28から導管29が伸び、ヘッドボックス30へ通じており、そのボックスを
1本以上の慣用的製紙ワイヤー(有孔部材)が通過する。
【0027】 ヘッドボックス30は複数(典型的には約3〜5)の吸引箱31を有し、それ
は導入された泡状物・繊維混合物から泡状物をワイヤー(有孔部材)の反対側か
ら取り出し、最終的分離箱32がヘッドボックス30からの形成されたウエブ3
3の放出端部の所に存在する。排水を制御するための吸引テーブル中に与えられ
た吸引箱31の数は、緻密な製品のため、又は高速操作のためには増大する。典
型的には、約40〜約60%(例えば、約50%)の固体コンシステンシーを有
する形成されたウエブ33は、図1の洗浄段階34により模式的に示したように
洗浄操作にかけるのが好ましい。洗浄段階34は表面活性剤を除去する。ウエブ
33のコンシステンシーが高いことは、最小量の乾燥設備を用いる必要があるこ
とを意味する。
【0028】 ウエブ33は洗浄器34から場合により存在する一つ以上の被覆機35を通り
、慣用的乾燥場所36へ行く。合成鞘/芯繊維〔例えば、セルボンド(Cellbond)
〕がウエブ33の一部分である場合の慣用的乾燥場所36では、鞘材料(典型的
には、ポリプロピレン)の融点より高いが、芯材料(典型的には、PET)は溶
融しない温度へウエブの温度を上昇させるように乾燥機34を操作する。例えば
、セルボンド繊維がウエブ33に使用されている場合、乾燥機の温度は約130
℃か又はそれより僅かに高いのが典型的であり、それは鞘繊維の溶融温度か又は
それより僅かに高いが、芯繊維の溶融温度約250℃よりもかなり低い。そのよ
うにして鞘材料による結合作用が与えられるが、製品の一体性(芯繊維に与えら
れる)が損なわれることはない。
【0029】 必ずしも必要とは限らないが、本方法は多くの有利な目的からヘッドボックス
30に、又はそれに直ぐ隣接して純粋な泡状物を添加することも考慮に入れてい
る。図1に示したように、遠心ポンプ41はワイヤーピット23からの泡状物を
導管40中へ引き込む。導管40中の泡状物はポンプによりヘッダー42へ送り
、次にその泡状物を多数の異なった導管43に分布し、ヘッドボックス30の方
へ送る。導管44で示したように、泡状物をヘッドボックス30の天井の直ぐ下
に導入してもよく(傾斜ワイヤー・ヘッドボックスである場合)、且つ(又は)
導管45を経て泡状物・繊維混合物をヘッドボックス30へ導入するための導管
29(又はノズル28)へ導入してもよい。泡状物導入の詳細は、図3〜6に関
連して記述する。
【0030】 吸引箱31は、ヘッドボックス30から取り出された泡状物を導管46へ放出
し、ワイヤーピット23中へ入れる。その目的のためにはポンプは不必要であり
、用いないのが典型的である。
【0031】 ワイヤーピット23中の泡状物のかなりの量のものがパルプ形成器11へ再循
環される。泡状物を遠心ポンプ48により導管47中に引き出し、次に導管47
を通り、慣用的インライン密度測定装置49を通り、50で概略示したように、
タンク11中へ導入して戻す。更に、図1に模式的に示したように、導管47中
の泡状物を49で密度測定する外に、一つ以上の密度測定装置〔例えば、デンス
オメーター(denseometer)〕49Aをタンク11中に直接取付けてもよい。
【0032】 泡状物再循環の外に、水の再循環も行われるのが典型的である。最後の吸引箱
32から取り出された泡状物は、導管51を通りサイクロン分離器のような慣用
的分離器53へ送られる。分離器53は、例えば渦巻き作用により、分離器53
へ導入された泡状物から空気と水とを分離し、極めて僅かしか空気が入っていな
い水を生じる。分離された水は分離器53の底から導管54を通り水タンク55
へ行く。分離器53により分離された空気は、送風機57を補助として分離器5
3の頂部から導管56中へ送り、大気中へ排出するか、又は燃焼工程で使用する
か、又は別の仕方で処理する。
【0033】 図1中の60で模式的に示したように、水タンク55中に液体レベル58を、
幾らかの水を排水溝へ溢流させるか又は処理することにより確立する。タンク5
5中のレベル58より下の所からも水が導管61中に取り出され、遠心ポンプ6
2の影響により導管61中を慣用的流量計63(これはポンプ62を制御する)
を通って送られる。図1の64で概略示したように、再循環された水は最終的に
混合器11の頂部へ導入される。
【0034】 典型的な流量は、導管18中の泡状物・繊維については4000リットル/分
、導管26中の泡状物・繊維については40,000リットル/分、導管47の
泡状物は3500リットル/分、導管51中の泡状物は500リットル/分であ
る。
【0035】 系10には多数の制御装置も含まれている。系の操作を制御する種々の手段の
好ましい例は、第一ファジー制御器71を有し、タンク11中の泡状物のレベル
を制御する。第二ファジー制御器72は、導管13中の表面活性剤の添加を制御
する。第三ファジー制御器73は、ヘッドボックス30領域内のウエブ形成を制
御する。第四ファジー制御器74は、洗浄器34で用いられている。第五ファジ
ー制御器75は、pHメーター15を制御し、出来れば混合器11へ送られる導
管14中の他の添加剤の添加を制御する。ファジー制御は、表面活性剤及び形成
制御のためにも用いられる。多変数制御装置及びニューロネット制御装置も他の
制御をオーバーレイするために配備するのが好ましい。多変数制御は、ウエブ形
成時の流出比を制御するためにも用いられる。変数は、希望の工程制御及び最終
結果に与えるそれらの影響により変化させることができる。
【0036】 種々の構成部の制御をし易くするため、繊維導入12にスケール76を付随さ
せ、単位時間当たりの繊維添加量を正確に決定する。スケール78と同様、表面
活性剤の導入を制御するため、導管13中にバルブ77を配備してもよい。バル
ブ79を導管14中に配備してもよい。
【0037】 系10では、泡状物の取扱い中、いずれの点でもそれと意図的に接触させるバ
ルブは配備しないのが本質的であるが、但し導管46中にレベル制御バルブを配
備することは可能である。
【0038】 また、図1の系の方法全体を操作中、泡状物を比較的高い剪断条件下に維持す
る。剪断力が大きい程、粘度は低くなるので、泡状物を高剪断状態に維持するの
が望ましい。泡状物・繊維混合物は、非ニュートン挙動を示す擬塑性物として働
く。
【0039】 泡すき法を使用することは、水簸法に比較して、特に高吸収性製品の場合には
多くの利点を有する。ウエブ33のコンシステンシーが高いため、乾燥器の容量
を小さくすることができる事の外に、繊維又は粒子が約0.15〜13kg/l
の比重を有する限り、泡すき法は実際上どのような種類の繊維又は粒子でもスラ
リー(最終的にはウエブ)中に均一に(低密度粒子は水中に全く沈まないか、幾
らかしか沈まないのに対し、高密度粒子が過度に沈むようなことが起きることな
く)分布させることができる。泡すき法は、水簸法の生成物に比較して向上した
均一性及び一層大きな嵩を有し、非常に高度の均一性を持つ製品である極めて多
種類の斤量のウエブの製造を可能にする。複数のヘッドボックスを順次配備して
もよく。或は二つ(又はそれ以上)の層を一つのヘッドボックス内に同時に形成
し、二重のワイヤー等を持つように構成してもよく、且つ(又は)単一の被覆機
35を用いて非常に簡単に付加的層(被覆のようなもの)を与えるようにしても
よい。
【0040】 図2は、泡状物・繊維混合物及び泡状物を、ワイヤーピット23に伴われたポ
ンプ25へ導入することを示している。構造体24は、ここに参考のため記載し
た特許に開示されているようなウィギンス・ティープ法(Wiggins Teape process
)から知られており、導管18中を通る泡状物・繊維を、曲がった導管83によ
って例示されているように向きを逆にし、その開口端84から泡状物・繊維混合
物がポンプ25の取り入れ口85へ直接排出させるようにする。ワイヤーピット
23からの泡状物も、矢印86で例示したように、入口85へ流れる。ファジー
制御の下で行われるポンプ48の操作により、ワイヤーピット23中のレベルを
制御する。
【0041】 泡状物を作るのに用いる繊維が特に長い場合、即ち、数インチの程度である場
合、ポンプ25の吸引入口85の方へ導管18を向ける代わりに(図2に示した
ように)、導管18をポンプ25の下流の導管26中で終わらせる。この場合、
ポンプ17は勿論他の場合よりも大きな圧力を与えなければならない。即ち、1
8からの流れがポンプ25からの導管26中の圧力にも拘わらず導管26中へ入
って行くような充分な圧力を与えなければならない。
【0042】 図3は、本発明の方法の別の泡状物導入特徴を持つ一つの形態の詳細を示して
いる。図3は、ヘッドボックス30の直前で導管29中の泡状物・繊維混合物中
に導入される導管45からの泡状物それ自体を例示している。泡状物注入導管4
5を用いた場合、それらは導管29の全ての中へ泡状物を注入する必要はなく、
希望の結果を達成するのに丁度充分な泡を注入すればよい。希望の結果には、(
主たる利点として)一層均一な斤量分布が含まれる。もし望むならば、導管29
は、泡状物ノズル28からヘッドボックス30中の爆発室(explosion chamber)
中へ泡状物を導入することができる。しかし、アールストローム(Ahlstrom)法を
実施するためにヘッドボックス中に爆発室を用いる実際的理由は存在しない。も
し用いるならば、爆発室は単に安全性のためである。
【0043】 導管45中に添加される純粋泡状物の量は、確かにそれが添加される場合には
、用いられる特定のヘッドボックス30及び他の装置、繊維の種類及大きさ、及
び他の変数により、夫々の状態に対し経験的に決定しなければならない。殆どの
状況下では、泡状物・繊維混合物の体積の約2〜20%の範囲のいずれかの純粋
泡状物の添加で希望の結果が得られる。
【0044】 図4は、二つの異なった形態の泡状物注入(図3に例示した形態+他の形態)
を用いた、傾斜ワイヤー・ヘッドボックス301の一例を例示している。図4の
ヘッドボックス301中では、傾斜した慣用的形成用ワイヤー90が矢印の方向
に移動し、45の所から注入された泡状物と共に泡状物・繊維混合物が、全体的
に図4に例示したように、導管29からヘッドボックス301中へ分散される。
一般に図4の矢印92で例示したように泡状物が流れるように、導管44からも
泡状物がヘッドボックス301中に導管される。即ち矢印92の方向に流れる泡
状物は、ヘッドボックス301の天井93の下側に対して流れる。泡状物の最初
の流れを複数の導管44の各々から92の方向へ確実に流すため、ヘッドボック
ス301中にバッフル94を配備してもよい。
【0045】 ヘッドボックス301の傾斜(例えば、約45°)は、多くの理由から好まし
い。ヘッドボックス301の天井93がワイヤー90の移動方向に上方へ傾いて
いるならば、ヘッドボックス301の頂部で形成された気泡はヘッドボックス3
01から自力で出て行くであろう。ヘッドボックス301の底部を形成するワイ
ヤー90が水平であると、気泡はヘッドボックス301の頂部に止まり、それを
除去するために特別な構造〔例えば、バルブ付き導管及び(又は)ポンプ〕を配
備しなければならない。
【0046】 実質的に純粋な泡状物を1本以上の導管44中に導入する一つの理由は、ヘッ
ドボックス301中の繊維の剪断力を少なくし、スラリー中の繊維が一方向(一
般にワイヤー90の移動方向)向かないようにするためである。流体運動の基本
的原理により、泡状物・繊維混合物が天井93の方へ移動すれば、摩擦により界
面層では望ましくない一方向の繊維配向を生ずるであろう。92の方向に流れる
ように導入された泡状物は、潤滑剤として働き、その界面層問題を解消する。
【0047】 導管44中に導入された泡状物も、泡状物・繊維スラリー91の斤量分布に望
ましい影響を与える。導管44中に導入された92の方向に流れる泡状物は、天
井93の下側を清浄に保ち、それも望ましいことである。
【0048】 このやり方で(導管44を経て)導入される泡状物の量も、異なった夫々の状
況で経験的に決定されなければならないが、通常最適値は導管29により導入さ
れる泡状物・繊維混合物の体積の約1〜10%の範囲内のいずれかにあるであろ
う。
【0049】 図3及び4の両方で例示したように、導管45中の泡状物の導入は(典型的に
は、約30〜90°の角度で導入される;図3と図4を比較)、種々の目的から
行われる。図5は、ヘッドボックス30(例えば、301)の模式的上面図(僅
か3本の導管29しか示していないが、通常遥かに多くのものが与えられている
)であり、純粋泡状物注入が生ずる差を示している。45からの実質的に繊維を
含まない泡状物の注入がないと、導管29により導入された泡状物・繊維混合物
は一般に図4及び5の導入91によって示されたように分布する。しかし、45
からの泡状物の注入があると、図5の線96によって概略示したように、泡状物
・繊維混合物の一層大きな分散が起きるため、斤量分布が変化する。この斤量分
布に対する影響は、図6の模式的例示で分かる。通常の斤量分布(泡状物の注入
がない場合)は、線91Aで例示したように、大きな膨らみ97を有する。しか
し、泡状物が注入されると、線96aによって示されているように、膨らみ98
は遥かに小さくなる。即ち、斤量は一層均一になる。分布制御は、マニホルド2
7の主流に(例えば、ノズル28の前に)、又は導管29がヘッドボックス30
1に入る直前又は直後に(図4で45の所で見られるようになる直前に)、即ち
、ノズル28の後で、希釈用泡状物を添加することにより行われる。
【0050】 もし望むならば、導管29により泡状物ノズル28からの泡状物をヘッドボッ
クス30、301中の爆発室へ導入してもよい。しかし、本発明の方法を実施す
るためには、ヘッドボックス中に爆発室を用いる実際的理由は存在しない。もし
用いるならば、爆発室は単に安全性のためである。
【0051】 図4に点線で示したように、導管44の幾つか又は全てに泡状物ノズル98を
配備する。また、泡状物の流れ92(単独又は導管45中の流れと組合せて)を
用いて斤量分布を調節することもできる。導管44は分岐していて、一つの枝は
92の方向に、他は流れ91と交差するようにしてもよい(バッフル94を取り
除くか、又は第二分岐により貫通させる)。
【0052】 図3〜5に例示した組立体を用いて、次の方法の工程を実施することができる
ことは分かるであろう:(a)空気、水、繊維(例えば、合成及びセルロース繊
維であるが、他の繊維、例えばガラス繊維を用いることもできる)及び適当な表
面活性剤の第一泡状物スラリーをヘッドボックス301中へ送入し、移動する有
孔部材90と接触させる。(b)実質的に繊維を含まない第一泡状物を、図4の
矢印92で示したように導入し、有孔部材90から遠い点でヘッドボックス30
1の表面93(例えば、天井)と接触させる。工程(b)は、典型的には表面9
3に沿って部材90の方へ泡状物を流すように実施され、ヘッドボックス301
中の繊維の剪断を最小にし、繊維が有孔部材90の全体的移動方向に一方向に並
ばないようにし、更に表面93を清浄に維持するようにする。更に、有孔部材9
0を通して泡状物を取り出し、部材90上に繊維不織布を形成する工程(c)が
存在し、泡の取り出しは、吸引箱31、32、又はその目的のために適した慣用
的装置(例えば、吸引ローラー又はテーブル、プレス用ローラー等)を用いて達
成される。
【0053】 図3〜5の全てで見ることができる方法もあり、それは次の工程を含む:(a
)図3及び4で見られる導管29によるなどして(例えば、図4の流れ92と基
本的に同じ方向の流れ91を用いて)第一繊維・泡状物スラリーを供給し;(b
)部材90を通して泡状物を取り出し(上で述べたように);そして(c)第二
の実質的に繊維を含まない泡状物を第一泡状物スラリー(図3及び4の両方で4
5で示されているように)第一泡状物スラリーがヘッドボックス30、301中
へ導入される近辺(典型的には、マニホルド27で、或はその導入点直後まで)
に送り、製造される不織布に一層均一な斤量分布を与えるようにする(図6に示
したように)。
【0054】 本発明による方法の実施及び系の利用で用いることができる典型的な泡すき法
パラメーターを次の表に記載する(生成物の範囲は広いので、パラメーターの範
囲は一層広くすることができる)。
【0055】 パラメーター 値 pH(実質的に全系) 約6.5 温度 約20〜40℃ マニホルド圧力 1〜1.8バール 混合器中のコンシステンシー 2.5% ヘッドボックス中のコンシステンシー 0.5〜2.5% 粒子、充填剤、又は他の添加剤の コンシステンシー 約5〜20% 形成されたウエブのコンシステンシー 約40〜60% ウエブ斤量変動 1/2%未満 泡状物密度(繊維含有又は無含有) 1バールで250〜450g/l 泡状物の気泡粒径 平均直径0.3〜0.5mm (ガウス分布) 泡状物空気含有量 25〜75%(例えば、60%; 方法の圧力により変化する) 粘度 「目標」粘度は存在しないが、典 型的には泡状物は高剪断条件で2〜 5センチポアズ、低剪断条件下で2 00kから300kセンチポアズの 程度の粘度を有し、それらの範囲は 粘度決定方法により広くなることが ある。 ウエブ形成速度 約200〜500m/分 繊維又は添加剤の比重 0.15〜13kg/lの範囲内 のいずれか 表面活性剤濃度 水硬度、pH、繊維の種類等のよう な多くの因子に依存する。通常循環 する水の0.1〜0.3%。 形成用ワイヤー張力 2〜10N/cmの間 流量の例 --混合器からワイヤーピットへ 約4000リットル/分 --ワイヤーピットからヘッドボックスへ 約40,000リットル/分 --泡状物再循環導管 約3500リットル/分 --吸引除去から水再循環 約500リットル/分
【0056】 これまで記述してきたことは、1997年9月4日に出願された係属中の米国
特許出願Serial No.08/923,250に記載されていることであ
る。本発明によれば特定のマニホルド及びそのマニホルドを用いた不織布製造方
法が与えられ、それは幅全体に亙って実質的に一定の斤量分布を有する不織布を
製造し易くする。図7及び8には、図4に例示したものと同様な部材が、「1」
を前に付けただけで同じ参照番号で示されている。他の部材は「2」を最初に付
けた参照番号を有する。
【0057】 本発明によるマニホルドは、図7及び8の200で模式的に例示した構造を持
っているが、図12に模式的に例示した実質的に円筒状の形のような多くの他の
形(円錐状挿入物、湾曲した側壁等を有する円筒状を含む)を用いることができ
が、図中、図8のものに匹敵する部材は、「1」又は「2」ではなく、「3」を
前に付けるだけで同じ二桁の参照番号で示されている。前壁(210、310)
が平面上である場合には円錐状挿入物は通常用いられない。なぜなら、それは構
造を余りにも複雑にし、高価にするからである。
【0058】 図7及び8のマニホルド200は、入口129を有する第一端部201、場合
により手動又は好ましくは自動的に制御可能なバルブ204に通ずる出口203
を有する第二端部202を有するケースを有する。もし入口129が図7に例示
したように断面が円状で、出口203もそうであるならば、この好ましい態様で
はマニホルド200は好ましくは多角形の基底を持つ台形角柱である中心領域2
05を有するので、円状断面の入口129から中心領域角柱205の多角形基底
までの移行領域206、及び角柱中心領域205の截頭頂部から出口203(も
し与えられているならば)に接続された別の移行領域207を有する。
【0059】 マニホルド200の中心領域205は、第一側壁208及び第二側壁209を
有する。図7では、中空内部及びその部材を明瞭に例示するため、第一側壁20
8はその長さの殆どに亙って除去されている。しかし、側壁208、209の両
方は実質的に閉鎖されているのが好ましいが、センサー又は他の目的のために種
々の開口がそこに儲けられていてもよい。側壁208、209は実質的に平面状
であるか、又は湾曲していてもよい(例えば、図12の308、309参照)。
【0060】 中心領域205は、有効な長さ(一つの移行領域206から他の移行領域20
3まで、又はその距離より幾らか小さい部分)を有する前壁210及びその前壁
210に相対する後壁193も有する。前壁210は、入口129から入る泡状
物・繊維・表面活性剤スラリー211に対し多孔性であるが、後壁193は開口
212を除き実質的に閉鎖されており、その開口を通って図7及び8の矢印21
3で概略示したように、第二泡状物が中心領域205の内部容積内へ導入するこ
とができる。後壁193は、実質的に平面上であるか、又は湾曲している(例え
ば、図12の393参照)。
【0061】 簡単に示すため、第二泡状物の流れ213は、実質的に繊維を含まない泡状物
からなるものとして下で記述するが、それは単に好ましい態様に過ぎず、多くの
状況下では、繊維を含む泡状物(211で導入される泡状物・繊維スラリーとほ
ぼ同じ%の繊維、又は211で導入されるスラリーよりも1%以下又は以上の%
の繊維を含むもの)を、第二泡状物213として用いてもよい。異なった導入点
では、泡状物の流れ213は、異なった繊維%を持っていてもよい。
【0062】 開口212に気密に接続されたバルブ214を中に有するパイプ144は、後
壁193を通って中心領域に実質的に繊維を含まない泡状物213を導入するた
めの一つの態様を構成する。パイプ144及び開口212は、図7及び8に例示
したように唯一つの列の形で与えるか、又は多数の列で与えるか、又は他の模様
又は配列の種々の形で与えることができる。ノズル、ヘッド、有孔板、バッフル
等のような他の慣用的流体用部材を、泡状物213を導入するための手段として
、又はその一部として用いることができるが、それら手段は、中心領域205の
長手方向に沿った種々の異なった位置で泡状物213を導入し、どの点でも中心
領域205内の圧力条件を変化させ、最終的に前壁210を通過する泡状物・繊
維・表面活性剤スラリーの斤量をその有効な長さに沿って実質的に一定(例えば
、変動が0.5%より少なく、好ましくは約0.2%或は更にそれより少ない位
に低いのが好ましい)にすることができることが好ましい。
【0063】 中心領域205内の圧力は、確実に斤量が実質的に一定になるようにするため
感知するのが好ましい。なぜなら、特定の点での斤量は、その点での泡状物・繊
維スラリーの圧力に大きく依存するからである。例えば、図7及び8に模式的に
例示したように、複数の圧力センサー217を側壁208(又は側壁208、2
09の各々)に伴わせて配備してもよい。別法として、前壁210が平面状で、
後壁及び側壁193、208、209を、図13に模式的に例示したように、湾
曲した表面、好ましくは円又は円錐の一部から形成することができる。それによ
り圧力センサー217及び泡状物導入導管144の両方を、一つ以上の後壁/側
壁15、193、208、209の所に配置することができる。
【0064】 センサー217は、圧力計又は慣用的センサーのどのような他の型のものでも
よいが、電気的読取り又はパルスを与えるのが好ましい。センサー217(幾つ
配備されていてもよく、典型的には配備される数が多い程、斤量は一層均一にな
るであろう)の各々からの出力は、図7の218に概略示したように、自動制御
手段に電気的に接続されているのが好ましい。圧力センサー217からの出力の
外、他の環境的因子又は人によって引き起こされた因子に呼応して、制御手段2
18は、バルブ204、入口129へスラリー211を送るポンプ(例えば、図
1及び2に例示したポンプ25)、第二泡状物213を中心領域205へ供給す
るバルブ214、又は好ましくはバルブ204、ポンプ25、及びバルブ214
の全てを制御する。バルブ204を制御してそれを更に開くことにより、形成機
205内の圧力は低下し、それを一層閉じることにより中心領域205内の圧力
は増大する。ポンプ25の速度を増大することにより圧力は増大し、速度を低下
することにより、圧力は減少し、バルブ214を制御することにより後壁193
に沿った特定の点での流れの量を個々に制御し、それによりその点での圧力を局
部的に増大又は減少する。
【0065】 例示した好ましい態様では、図8から明らかなように、後壁193が前壁21
0に近づいていくように後壁193は前壁210に対して傾いており、マニホル
ド200の第一端部201に隣接した所から第二端部202へ行くに従って中心
領域205の断面積は小さくなっていくようになっている。後壁193の傾斜は
実質的に均一で、断面積の減少も一様であるのが好ましいが、実質的に繊維を含
まない泡状物の導入手段等の変更により均衡がとれるならば一様でない傾斜を与
えてもよい。
【0066】 制御手段218は、ファジー制御器、多変数制御装置、又は制御バルブ204
及び214、できればポンプ25の希望の機能を遂行することができる他の適当
なコンピューター制御器のような適当な慣用的制御手段からなっていてもよい。
【0067】 図9は、中心領域205の長手方向に沿って前壁210を通過する泡状物・繊
維スラリーの斤量を表したグラフである。中心領域205の有効長さは、図9中
の参照番号220によって示されているのに対し、一定値221に対する斤量の
変動(典型的には、g/m2で表す)は、線222によって例示されている。図
9に示した変動は基準線221より上の曲線222のピークから下の値まで0.
5%より小さい。一方、図10及び11は曲線223、224を夫々示し、それ
らは不適切な生成物をもたらしている。図10は、マニホルド中へ流れ込むスラ
リーの量が不充分で、入口129では低く過ぎるマニホルド圧力を生じ、そのた
め図7で見られるようなマニホルド200の左側では斤量が低く過ぎる場合を示
している。図11は、バルブ204を余りにも開け過ぎたため、導管225中に
再循環する(例えば、ポンプ25、又はワイヤーピット23への戻り)スラリー
が余りにも多くなり過ぎ、マニホルド中の圧力低下を起こし、前壁210を通過
してマニホルド200の右へ行く(図7から分かるように)スラリーの斤量が低
くなり過ぎる異常な状態を示している。
【0068】 図7は、慣用的ヘッドボックス30に対するマニホルド200の概略的関係も
示している。即ち、マニホルド200は、図1及び3に例示したマニホルド27
の代わりになり、それらに伴われるノズルを有し(図3の28及び29のように
)、吸引箱31を伴う、ワイヤー99を有するヘッドボックス30へ供給するの
が好ましい。
【0069】 繊維材料不織布を製造するための本発明によるマニホルド200を用いる方法
では、次の手順を実施することができる;(a)泡状物・繊維・表面活性剤スラ
リー211をマニホルド200の第一端部201中へ実質的に連続的に導入する
。(b)マニホルド前壁210中の開口を通して泡状物・繊維・表面活性剤スラ
リー211を実質的に連続的に排出し、ヘッドボックス30へ送る。そして、(
c)マニホルドの実質的に全長に亙って実質的に規則的な間隔で開けられた多数
の開口212を通ってマニホルド中へ第二泡状物213(実質的に繊維を含まな
いか、又は泡状物・繊維スラリー)を導入し、マニホルド前壁210を通過する
泡状物・繊維・表面活性剤スラリーの斤量を、マニホルド前壁210の有効長さ
220に沿って実質的に一定に維持するようにする(図9の曲線222によって
示されているように)、例えば、前壁210を通過するスラリーの斤量の変動が
0.5%以下になるようにし、有孔部材99上にウエブが均一に形成されるよう
にする。
【0070】 この方法は、(d)マニホルド200中の圧力を、その長手方向に沿って複数
の位置で圧力を感知し(センサー217)、感知された圧力に呼応して、前壁2
10を通過するスラリーの斤量が、前壁210の有効長さ220に沿って実質的
に一定(好ましくは0.5%より小さい変動)に維持するように(c)を制御す
ることも包含していてもよい。例えば、これは、制御手段218へ制御信号を与
え、必要に応じバルブ214(出来ればバルブ204、同じく出来ればポンプ2
5の速度)を制御するセンサー217によって達成される。この方法の中で、(
c)は実質的に連続的に実施されるのが好ましいが、マニホルド中心領域205
内の圧力を均一にするため、一方のパイプ144から他方のものまで流量を変化
させてもよく、スラリー211は中心領域205の一定して減少する断面積を入
口129から出口203へ移動する(図8から分かるように)。
【0071】 図12のマニホルド300は、円錐状挿入物399を有する円筒状の断面をし
ている。図12では、1番上の構造体及び1番下の構造体が、更にヘッドボック
スへの接続部及び孔を有するマニホルドの「前壁」310を表している。繊維・
泡状物混合物311はマニホルド300に右から入る。マニホルド内部のテーパ
ーの付いた部分は、マニホルドの「後壁」に相当する円錐状挿入物399であり
、即ち、両方共円状断面を有する。図に示したように、第二泡状物313は、円
錐状「後壁」393の所の開口で終わっている複数のパイプ344を通って円錐
状挿入物399に入る。「側壁」309中には圧力センサー317が配置されて
いる。更に、マニホルド300は円錐状にし、挿入物(399)を円筒状にする
か、又は両方共円錐状にしてもよいことは認められるであろう。円筒以外の断面
、例えば、楕円状の断面を用いてもよく、或は表面408、409、493が湾
曲し、好ましくは二分された円錐になっている図13の形態を用いてもよい(図
13では、図7、8及び12のものに匹敵する部品は、「4」を前に付けただけ
の同じ二桁の数字によって示されている)。
【0072】 本発明の主たる目的は、泡すき法の極めて有利な修正を与えることにある。本
発明を、その最も実際的で好ましい態様であると現在考えられるものについてこ
こに記載し、示してきたが、当業者には本発明の範囲内で多くの修正を行えるこ
とは明らかであろう。本発明の範囲は、全ての同等の方法及び組立体を包含する
ように特許請求の範囲の最も広い解釈と一致すべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維材料不織布を製造し易くするマニホルドにおいて、 第一及び第二の相対する端部を有するマニホルドケースで、前記第一端部に泡
    状物・繊維スラリー用入口を有するマニホルドケース、 前記入口から出口へ有効断面積が実質的に減少していく前記マニホルドケース
    の中心領域、 前記中心領域の第一及び第二側壁、有効長さを有する前壁、及び後壁、(ここ
    で前記前壁は、前記泡状物・繊維スラリーを通過させることができるように前記
    スラリーに対し多孔性になっている) 前記後壁を通って前記中心領域へ第二泡状物を導入するための手段で、前記前
    壁を通過する泡状物・繊維スラリーの斤量を、前記前壁の前記有効長さに沿って
    実質的に一定に維持し易くするように構成されている、前記第二泡状物を導入す
    るための手段、 を具えたマニホルド。
  2. 【請求項2】 実質的に減少する有効断面積が、後壁が前壁に近づいて行く
    ように中心領域の後壁を前記前壁に対し傾斜することにより与えられ、マニホル
    ドの第一端部に隣接した所から第二端部の方へ行くに従って、中心領域の断面積
    が小さくなって行く、請求項1に記載のマニホルド。
  3. 【請求項3】 側壁が実質的に閉鎖されており、後壁が、第二泡状物を導入
    するための手段を除き、実質的に閉鎖されている、請求項2に記載のマニホルド
  4. 【請求項4】 マニホルドの第二端部の所にある出口、及び前記出口を通過
    するスラリーの量を変化させるための、前記出口に配置されたバルブを更に具え
    た、請求項2に記載のマニホルド。
  5. 【請求項5】 側壁及び後壁が実質的に平面状である、請求項3に記載のマ
    ニホルド。
  6. 【請求項6】 側壁及び後壁が湾曲している、請求項3に記載のマニホルド
  7. 【請求項7】 側壁及び後壁が湾曲しており、一体的構造になっている、請
    求項1に記載のマニホルド。
  8. 【請求項8】 前壁及び後壁が湾曲している、請求項1に記載のマニホルド
  9. 【請求項9】 前壁及び後壁が実質的に円筒状の断面を有する、請求項1に
    記載のマニホルド。
  10. 【請求項10】 実質的に閉鎖した側壁の少なくとも一つに作動的に接続さ
    れ、中心領域内の圧力を感知するための複数の圧力センサーを更に具えた、請求
    項3に記載のマニホルド。
  11. 【請求項11】 中心領域中への、泡状物・繊維スラリーの導入、泡状物・
    繊維スラリーの取り出し、及び第二泡状物の導入の少なくとも一つを制御し、前
    壁を通過する泡状物・繊維スラリーの斤量を前記前壁の有効長さに沿って実質的
    に一定に維持するための、圧力センサーに呼応した自動制御手段を更に具えた、
    請求項10に記載のマニホルド。
  12. 【請求項12】 中心領域の断面が実質的に矩形であり、第二泡状物を導入
    するための手段が、1本以上のバルブ付きパイプを含む、請求項1に記載のマニ
    ホルド。
  13. 【請求項13】 側壁が実質的に閉鎖され、後壁が、第二泡状物を導入する
    ための手段を除き、実質的に閉鎖されており、更に、マニホルドの第二端部の所
    に出口を具え、そして前記出口を通過するスラリーの量を変えるための前記出口
    に配備されたバルブを具えた、請求項1に記載のマニホルド。
  14. 【請求項14】 側壁及び後壁が実質的に平面状であり、断面が実質的に矩
    形である、請求項1に記載のマニホルド。
  15. 【請求項15】 中心領域内の圧力を感知するために側壁の少なくとも一つ
    に作動的に接続されている複数の圧力センサーを更に具えた、請求項1に記載の
    マニホルド。
  16. 【請求項16】 中心領域中への、泡状物・繊維スラリーの導入、泡状物・
    繊維スラリーの取り出し、及び第二泡状物の導入の全てを制御し、前壁を通過す
    る泡状物・繊維スラリーの斤量を前記前壁の有効長さに沿って変動が0.5%よ
    り小さくなるように維持するための、圧力センサーに呼応した自動制御手段を更
    に具えた、請求項15に記載のマニホルド。
  17. 【請求項17】 繊維材料不織布を製造し易くするマニホルドにおいて、 第一及び第二の両端を有するマニホルドケースで、前記第一端部に泡状物・繊
    維スラリーのための入口、及び前記マニホルドの第二端部にある出口を有するマ
    ニホルドケース、 断面を有する前記マニホルドケースの中心領域、 前記中心領域の第一及び第二側壁、有効長さを有する前壁、及び後壁、(ここ
    で、前記前壁は、前記泡状物・繊維スラリーを通過させることができるように前
    記スラリーに対し多孔性になっている) 前記後壁を通って前記中心領域へ第二泡状物を導入するための手段、 を具え、然も、前記中心領域の前記断面積が、前記マニホルドの前記第一端部に
    隣接した所から前記第二端部の方へ行くに従って、実質的に連続的に小さくなっ
    ている、マニホルド。
  18. 【請求項18】 側壁が実質的に閉鎖され、後壁が、第二泡状物を導入する
    ための手段を除き、実質的に閉鎖されており、更に、第二泡状物を導入するため
    の手段が、1本以上のバルブ付きパイプからなる、請求項17に記載のマニホル
    ド。
  19. 【請求項19】 側壁及び後壁が実質的に平面状であり、断面が実質的に矩
    形である、請求項17に記載のマニホルド。
  20. 【請求項20】 中心領域内の圧力を感知するために側壁の少なくとも一つ
    に作動的に接続されている複数の圧力センサーを更に具えた、請求項17に記載
    のマニホルド。
  21. 【請求項21】 出口を通過するスラリーの量を変化させるため、前記出口
    に配置されたバルブ、及び中心領域中への、泡状物・繊維スラリーの導入、泡状
    物・繊維スラリーの取り出し、及び第二泡状物の導入の全てを制御し、前壁を通
    過する泡状物・繊維スラリーの斤量を前記前壁の有効長さに沿って変動が0.5
    %より小さくなるように維持するための、圧力センサーに呼応した自動制御手段
    を更に具えた、請求項20に記載のマニホルド。
  22. 【請求項22】 側壁及び後壁が湾曲している、請求項17に記載のマニホ
    ルド。
  23. 【請求項23】 泡状物・繊維スラリーが流通することができる有効長さを
    有する多孔性前壁、前記有効長さに沿って隔てられた第一及び第二端部、前壁に
    相対する後壁、及びヘッドボックスを有するマニホルドを用いて繊維材料不織布
    を製造する方法において、 (a) 泡状物・繊維・界面活性剤スラリーを前記マニホルドの前記第一端部
    へ実質的に連続的に導入し、 (b) 前記マニホルド前壁中の開口を通って泡状物・繊維・界面活性剤スラ
    リーを実質的に連続的に排出してヘッドボックスへ送り、そして (c) 前記マニホルドの実質的に全長に亙って実質的に規則的な間隔で配置
    された複数の開口を通って前記マニホルド中へ第二泡状物を導入し、前記マニホ
    ルド前壁を通過する泡状物・繊維・界面活性剤スラリーの斤量を前記マニホルド
    前壁の有効長さに沿って実質的に一定に維持する、 ことを包含する製造方法。
  24. 【請求項24】 (d)マニホルド中の圧力を、その長さに沿った複数の位
    置で感知し、そして(c)を前記感知した圧力に呼応して、前壁を通過する泡状
    物・繊維スラリーの斤量を、前記前壁の有効長さに沿って変動が0.5%より小
    さくなるように維持して実施することを更に含む、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 マニホルドがその第二端部にバルブ付き出口を有し、更に
    、(e)前記出口のバルブを自動的に制御して、前記出口から流出するスラリー
    の量を制御し、(c)を、前壁の有効長さに実質的に沿って徐々に減少する実質
    的に多角形の断面を有する、第一端部と第二端部との間の後壁中心領域を通って
    第二泡状物を供給するパイプ中のバルブを制御することにより実施し、更に(c
    )を、泡状物・繊維・界面活性剤スラリーが前記中心領域の一定して減少する断
    面を通って移動するように実施する、請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 (c)を、実質的に連続的に実施する、請求項19に記載
    の方法。
  27. 【請求項27】 (c)を、第二泡状物として実質的に繊維を含まない泡状
    物を導入するように実施する、請求項19に記載の方法。
  28. 【請求項28】 (c)を、第二泡状物として泡状物・繊維スラリーを導入
    するように実施する、請求項19に記載の方法。
  29. 【請求項29】 (c)を、(a)で導入した泡状物・繊維スラリーとほぼ
    同じ%の繊維を含有する泡状物・繊維スラリーを導入するように実施する、請求
    項19に記載の方法。
  30. 【請求項30】 (c)を、(a)で導入した泡状物・繊維スラリーと少な
    くとも約1%異なった%で繊維を含有する泡状物・繊維スラリーを導入するよう
    に実施する、請求項19に記載の方法。
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