JP2002535281A - 接着分子の発現を調節することができる薬剤組成物 - Google Patents

接着分子の発現を調節することができる薬剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 接着分子発現調節活性を有する薬剤組成物本発明は、接着分子であるインテグリン、セレクチン及び免疫グロブリンの発現に対し調節活性を示す薬剤組成物の新しい薬学的応用及び抗炎症剤としてのその適用に関する。上記薬剤組成物は、許容可能な賦形剤の他に、ポリポジウムロイコトマスの根茎の水溶性抽出物及び脂質可溶性抽出物であるアナプソスを活性物質として含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の分野】
本発明は、アナプソス(Anapsos) の新しい薬理学的使用法に関する。アナプソ
スは、水溶性抽出物118 ミリグラム及び脂質可溶性画分2ミリグラムを含む、ポ
リポジウムの中性抽出物である。
【0002】 本発明は、接着分子発現の調節におけるアナプソスの関与を開示するものであ
る。アナプソスは、インテグリンβ-2(CD11a 及びCD11b)のα鎖、インテグリン
β-2(CD18)のβ鎖、及び免疫グロブリンスーパーファミリーの分化抗原CD54の発
現を低減する。これは、免疫表現型の変動を正常化することもできる。
【0003】 更に、病理学的な症状及び兆候が、細胞及び組織の損傷から誘導される過度の
炎症によるものである疾患にアナプソスを使用することも開示される。
【0004】
【本発明の背景】
免疫機構の細胞は、それらに要求される機能を効率良く果たすために他の細胞
及び細胞外マトリックスと接触する。これは、これらの細胞が、それらの周囲の
状況を認識できなければならないからである。それゆえ、白血球は、所定の刺激
に反応して特異的に活性化され得る特異表面レセプタを有するだけではなく、世
界的に接着分子と呼ばれる一連の分子をも含む。この接着分子は、他の細胞上に
位置したリガンドのレセプタとして、及び様々な細胞外マトリックスタンパク質
、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、層(lamina)及び他の物中に存在するア
ミノ酸シークエンスを結合することができるレセプタとして働く。接着分子は、
細胞と細胞間の並びに細胞と細胞外マトリックス間の接着に関与するばかりでな
く、細胞内部にコアクチベーター信号を送ることによって細胞の活性化に協力す
る。
【0005】 免疫反応にとって本質的な、組織への白血球の遊走は、接着分子が根本の役割
を果たす分子間の一連の相互作用によって仲介される。接着分子は、その構造に
基づいて3つのカテゴリーに分類される。
【0006】 − セレクチン類 − インテグリンファミリー − 免疫グロブリンのスーパーファミリー 炎症の第一段階では、白血球が内皮壁の周りに集まり内皮細胞を互いに分離さ
せる。この初期プロセスは、特定の内皮性セレクチン類( セレクチンE及びP)
及びそれらの対応する白血球レセプタ(sLex) との相互作用及び白血球セレクチ
ンLと内皮の特定の接着分子との間の相互作用によって仲介される。また同時に
、接着分子の発現と共に炎症性サイトカインも放出される。次いで、活性化信号
が、白血球インテグリンの細胞外ドメインに組織変化(conformational change)
を誘発し、これがより強い接着を与える。これは、特定のインテグリンとそれら
のリガンド(LFA-1/ICAM-1、VLA-4/VCAM-1) との間の相互作用によって仲介され
る。白血球/内皮の接着の結果、白血球の蓄積が減少し、そして化学走性によっ
て、血液循環から炎症の病巣に向かう白血球の管外遊出及び遊走が起こる。その
結果、接着分子は、様々な粘着プロセスの原因となり、内皮への最終的な接着、
管外遊出、及び炎症の病巣に向かう遊走を仲介する。
【0007】 インテグリンβ-2(CD11a 、CD11b 、CD18) のα及びβ鎖は、全ての組織中を
貫いて伸びる。その結果、それらの発現の減少は、組織に抗炎症性の効果をもた
らす。接着分子CD54は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、そして様々
な組織、例えば内皮、白血球などにも高程度に分布している。
【0008】 多発性硬化症を持つ患者では、リンパ球集団CD4+CD29+CD45RA の増加が観察さ
れる。更に、ヴァージン及びメモリ細胞の文献からの最近のデータは、復帰変異
体CD4+CD29+CD45RA+細胞は、真正のメモリ細胞であるため根本的に重要であるこ
とを示している。これらは、CD45RO+ と比較して半減期がより長く、そして一度
活性化されると、生物中に数年間維持されることができる。
【0009】 通常の生理学的なプロセスであろう炎症は、その極端な場合では、病理学的な
問題に変わる。例えば、これは、自己免疫プロセス(全身性もしくは器官特異的
なプロセス)、慢性炎疾患、または病状の特徴が、対応する損傷を器官または組
織に与える悪化した炎症にある感染症の殆どで起こる。そのため、炎症プロセス
下に通常は発現が増加する接着分子の発現を減少させることができる薬剤は、特
定の疾患の病因に無関係に、これらの疾患の治療に好適であり得る。このような
疾患は、神経変性疾患(多発性硬化症、アルツハイマー)、及び結合組織疾患(
全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、慢性関節リウマチ、ベーチェット病な
ど)であろう。
【0010】 接着分子の発現低下による抗炎症性作用は、炎症性サイトカインの阻害- 刺激
に係わらず及び細胞性免疫の刺激効果に係わらず(TH1-様サイトカインの増加並
びにT CD8+リンパ球及びNK細胞の増加)、発揮される。
【0011】 従来、ウラボシ科属の抽出物が、その様々な活性、例えば、抗炎症活性(Bole
tin de la Sociedad Quimica del Peru pag 91 (1988) ); 悪性腫瘍の予防(
Nature 214: 1256-1258(1967) の故に中央アメリカで一般薬中に使用されてきた
。免疫欠損に関連する疾患、例えばアトピー性皮膚炎(Dermatologica 173; 154
-156(1986)); アトピー性皮膚炎(Allergology et Inmunopathology 15: 185
-189(1987); International Journal of Dermatology 13: 276-282(1974); Pl
anta Medica 58: 306-310(1992) )及び白斑(International journal of Dermat
ology 28: 479(1989) )などにおける臨床的効果も報告されている。これらの刊
行物では、ポリポジウム・ロイコトモス(Polypodium leucotomos) の抽出物は、
ハイパークエラトシス(Hyperqueratosis) 、パラクエロトシス(paraquerotosis)
、表皮分裂(epidermal mitosis) 、及び表皮の病変に関して活性を持つことが確
認されている。
【0012】 これらのシダ類の抽出物は、アトピー性皮膚炎を持つ患者に対し免疫調節能を
持ち、ポリポジウム・ロイコトモス(Anapsos(アナプソス)(R) )の抽出液で処
理した後にCD4+/CD8+ 関係を正常化させることが報告されている(Dermatologic
a 173: 154-56(1986); Annals Inmulogie 134: 393-400(1983)) 。Annals of Ps
ychiatry 3: 329-341(1992) には、Anapsos (アナプソス)(R) が、記憶を向上
させ、頭頂皮質中のサイトカインIL-1β-2及びIL-2のレベルを低下させ及び海馬
中のIL-1βを低下させることが記載されており、Br.J.Clin.Pharmacol 43: 85-8
9(1997) には、免疫機構の様々な集団に多面発現効果を与え得る、サイトカイン
IL-1β、IL-2、IL-10 、INF-γに関してポリポジウムロイコトモス(Anapsos( ア
ナプソス) (R) ) の極性抽出物のインビトロでの免疫調節効果が記載されている
【0013】 特許文献に関しては、以下の関連文献が確認されている。
【0014】 ヨーロッパ特許出願第503.208 号は、様々なシダ類の葉及び/または根茎を抽
出することによって水溶性抽出物を得る方法を開示している。この特許出願では
、これらの抽出物が免疫活性を持ち、それゆえ、一般的にリンパ球T-サプレッサ
の欠損を伴う免疫機構の低下を含む疾患に有効であり、また自己免疫疾患及びウ
ィルス感染に対する有益な効果も得られることを挙げている。病理学的利用の例
は、慢性関節リウマチ、紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、多発性硬化症、B型
肝炎、ディジョージ症候群、自己溶血性貧血、アトピー性皮膚炎、乾癬、バセド
ウ病、クローン病、ミステニア(mistenia)、白斑、帯状ヘルペスなどである。こ
の抽出物は、リンパ球T-サプレッサのレベルを高める。
【0015】 スペイン特許第2.088.770 号は、認識機能障害及び/または神経免疫に対して
、特にアルツハイマー病の治療に有益な効果を有する、種々のシダ類の葉及び/
または根茎の水溶性及び脂質可溶性画分に基づく薬剤組成物を教示する。
【0016】 米国特許第5.614.197 号は、ポリポジウムの抽出物を光保護剤及び酸化防止剤
として使用することを開示している。スペイン特許第470.204 号は、種々のシダ
類の根茎及び葉を抽出することによって得られる、抗乾癬活性を有する天然テル
ペンに関する。スペイン特許第490.293 号は、人の骨運動器に影響を及ぼす病理
学的問題、特に、関節炎に抗炎症効果を持つ薬剤に関する。この薬剤は、ウラボ
シ科のシダ類からその葉及び根茎の両方を用いて抽出物として得られる。米国特
許第3.839.553 号は、キャピラリーコンディショナーとしてポリポジウムの抽出
物を使用する。フランス特許第2.395.266 号は、ポリポジウムのシダ類から出発
して、哺乳綱に対し免疫抑制及び抗ウイルス活性を有するa-d-グルコ- オクタン
- デルタ-l- ラクトン- エノ- ジオール及びそのカルシウム塩を得ることに関す
る。
【0017】 公開番号WO97/40838号の特許出願は、プラーク凝集因子(plaque aggregation
factor) の阻止によって、皮膚の炎症性疾患、特に乾癬の治療に硫黄脂質を使用
することを開示している。硫黄脂質は、メタノール抽出によって葉から得られる
。 従来技術に開示されたポリポジウム抽出物は、極性溶剤で抽出し、次いで様々
な精製段階、例えばイオン交換を介した樹脂による精製、活性炭上への吸収、そ
してそれに次ぐ溶剤の蒸発または凍結乾燥によって得ることができる水溶性また
は親水性の抽出物である。対応して、脂質または脂質可溶性画分は、ヘキサン、
クロロホルムまたはエーテルなどの非極性溶剤で抽出し、葉及び/または根茎中
に存在する様々なトリテルペンを得ることによって得ることができる。本発明の
薬剤組成物は、スペイン特許第2.088.770 号に記載の薬剤組成物に対応して、ポ
リポジウムの抽出物、すなわちアナプソスを活性成分として含む。この組成物は
、水溶性及び脂質可溶性画分と薬学的に許容可能なキャリアを含む。各単位用量
は、120mg の抽出物からなり、そのうちの118mg は、アルコール抽出物60mgに同
等の水溶性画分であり及び2mgは、脂質可溶性画分である。
【0018】 適当な賦形剤(excipients)は、薬剤工業において通常使用される物であり、例
えばラクトース調合物、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素な
どである。他の賦形剤及び他の割合で使用することも可能である。
【0019】 水溶性抽出物は、ポリポジウム・オーレウム(Polypodium aureum) 、ポリポジ
ウム・ロイコトモス(Polypodium leucotomos) 、ポリポジウム・バルガー(Polyp
odium vulgare)、ポリポジウム・トリセライアーレ(Polypodium trisereiale)、
ポリポジウム・アクイリナム(Polypodium aquilinum)、ドライプテリス・クラッ
シルヒゾーマ(Drypteris crassirhizoma) またはシアス・タイワミアナ(Cyathe
taiwamiana) の葉及び根茎を、水中で24〜48時間、液浸(maceration)することに
よって得られる。この抽出物は、キニーネ酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、フマ
ル酸が存在すること及びどのような種類の硫黄脂質も存在しないことを特徴とす
る。脂質可溶性画分は、質量分析によって確認されるネオ- ホップ-13(18)-エノ
、フェルン-9-(11)-エノ及びホップ-(22)-29- エノが存在することを特徴とする
【0020】 従来技術の文献は、ウラボシ科のシダ類の根茎及び/または葉の極性及び非極
性抽出物について、時折、そのメカニズムを説明することもなく経験的手法で、
様々な活性を記載している。
【0021】 その薬理学的な作用は以下のように要約することができる。 ──リンパ球T-サプレッサの欠損、感染及び自己免疫を含む疾患における免疫調 節活性。この場合、該抽出物は、サイトカインの様々な集団に対し多面発現 性効果を示す。 ──乾癬、アトピー性皮膚炎でのコラーゲンポイエティク活性(collagenpoyetic activity)及び適用。 ──骨運動器、主に関節炎の抗炎症活性。 ──プラーク凝集因子の阻止によって特徴付けられる抗炎症活性。
【0022】 上記の種々のシダ類の抽出物が接着分子発現を調節できることまたはこれらの
抽出物が、多発性硬化症を持つ患者に増量して存在するリンパ球CD4+CD29+CD45R
A+集団を調節できることを開示した文献は確認されていない。
【0023】
【本発明の要約】
本発明によって解決されるべき問題は、様々な細胞伝達物質の調節に基づくア
ナプソスの新規治療的用法を提供することである。接着分子発現の調節(インテ
グリン及び免疫グロブリンスーパーファミリーの鎖の発現の減少)及びリンパ球
CD4+CD29+CD45RA+集団の正常化は、アナプソスを、炎症プロセスに関連する疾患
の治療、特に多発性硬化症の治療に好適な治療薬とする。
【0024】
【本発明の詳細な説明】
本発明者らは、アナプソス(ポリポジウムの水溶性抽出物118mg と脂質可溶性
抽出物2mg)が、健康体の人の末梢血液中の単核細胞において、インビボ及びイ
ンビトロの両方で、接着分子発現に関して調節効果を有することを実証した。更
に、アナプソスが、多発性硬化症の患者に増加した量で存在するリンパ球CD4+CD
29+CD45RA+集団の正常状態を回復し、それによって患者の安定化を得ることに関
して、アザチオプリンに類似の能力を有することも実証された。
【0025】 アナプソス0〜5000μg/mlの用量で及びフィトヘマグルチニンを様々な量で用
いた場合に、人間の末梢血液中の単核細胞で実行した研究において、インビトロ
でのアナプソスは、フィトヘマグルチニンによって誘発されて接着分子(CD54 及
びCD11b)の発現の増加を阻害することができる。その結果は、アナプソスが150
μg/ml及びフィトヘマグルチニンが10μg/mlの用量において最も著しい。
【0026】 1日当たり720mg の抽出物を11日間にわたり人に投与した後、アナプソスは、
リンパ球集団CD11a 、CD11b 及びD54 の割合を低減させる。それゆえ、該抽出物
は、インテグリンβ2(CD11a 、CD11b)のある種の接着分子及び免疫グロブリンス
ーパーファミリー(CD54)のある種の接着分子の発現を阻害する。
【0027】 それゆえ、従来技術に記載されるサイトカインによる細胞性免疫に対する刺激
作用及びその免疫調節作用の他に、アナプソスは、ラットにおける抗炎症試験に
おいて対照物として使用したフェニルブタゾンに似た強い抗炎症能を有する。ア
ナプソスの抗炎症効果は、その接触分子発現調節能に直接結びつけては考えられ
ていない。
【0028】 ポリポジウムの水溶性抽出物及び脂質可溶性抽出物に基づく薬剤組成物は、人
間に対して行った臨床試験において、炎症プロセスを含む幾つかの疾患、例えば
多発性硬化症、前立腺炎及び咽頭炎に対し有効であることが実証された。これら
の疾患は全て異なる病因を有する。
【0029】 以下には、本発明を例をもって説明する。但し、これらの例は、本発明の範囲
を限定するものではない。
【0030】
【実施例】
例1−抗炎症能の試験 材料、器具: 150 ±15gの雌のウィスター(WISTAR)ラット プレチスモメータ レチカ(Plethysmometer LETICA) 秤量器 メトラー(METTLER) AJ 100 秤量器 コボス(COBOS) D 600 フェニルブタゾン DIFCO CMC 及びツィーン(Tween) 80 方法: 抗炎症活性の試験をラットの急性期及び慢性期において行った。使用した方法
は、ミズシマ氏によって記載された通りのものである。参考薬( フェニルブタゾ
ン、用量80mg/Kg)及び本研究材料(動物1kg当たり抽出物1.25gに等しい用量)
を、経口投与するために、蒸留水中1%(w/v) のCMC (カルボキシメチルセルロ
ース)及びツィーン80:蒸留水(0.2:3.3 v/v) の溶液に溶解した。
【0031】 尾の基部へのフロイント完全アジュバント(DIFCO)0.1mlの皮内ルートによる接
種6日後、カラゲニンタイプIV2%(w/v) の懸濁液0.1mL を左後足の腱膜に注射
した。
【0032】 カラゲニン注射の直後(基準体積)、3、5及び7時間後(炎症の急性期)及
び24、48、72及び96時間後(炎症の慢性期)に、この動物の足の体積をウォータ
ープレチスモメーターを用いて測定した。
【0033】 本研究材料、フェニルブタゾン及びキャリアを、カラギニン注射の1時間前と
、24、48及び72時間後に、各々6体の動物からなる各被試験群に経口投与した。 結果: 炎症阻害率は、各々の動物群について及び対照群に対して、動物の足の体積の
基準体積からの増分を比較することによって算出した。対照群には、フェニルブ
タゾン及び本研究材料のキャリアを投与した。統計的な意義は、T-Student tes
t によって評価した。結果を以下の表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】 この結果は、ポリポジウム抽出物が、急性期でコントロールよりも優れ及び急
性期でフェニルブタゾンと似た、炎症に対する阻害活性を発揮することを示して
いる。 例2− 様々な病状に対するアナプソスの効果の臨床試験 多発性硬化症:多発性硬化症を持つ患者に、一日当たり720mg の抽出物による治
療を1年以上行った。その結果は、この疾患に最も特徴的な免疫表現型の変動が
治療され、患者の臨床的安定化が得られた。更に、リンパ球CD4+CD29+CD45RA+集
団が正常化された。 前立腺炎: 主食事の60分前に抽出物240mg の用量で三日間治療したところ、患
者が回復し、全ての症状が消えた。 咽頭炎: 120mg の抽出物の用量が、咽頭炎の問題、特に亜急性期の咽頭炎に好
ましい効果をもたらした。 例3− 末梢血液の単核細胞(PBMN)中の接着分子のインビトロ試験 10名の健康体の被験者から末梢血液を採取し、そしてFycoll-Hypaque密度勾配
遠心分離によりその単核細胞を分離した。これらの細胞を、CO2 インキュベータ
中で48時間100万/mlのタイターで、及び0、0.5 、2、5及び10μg/mlの濃
度のフィトヘマグルチニン(PHA) 及び/または0〜5000μg/mlの濃度のアナプソ
スを用いて平底マイクロタイタープレートで培養した。
【0036】 培養を停止したら、リンパ球をフローサイトメトリによって分析した。所定の
接着分子(CD11a、CD11b 、CD18、CD54) の発現を、異なる刺激条件に関して調べ
た。上記の培養と並行して、上記と同じ刺激条件下に別の5日間の培養を行った
。培養を停止する16時間前に、トリチウムチミジンを加えた。培養を停止させた
ら、細胞をハーベスター(Harvester) で洗浄し、そしてフラッシング液をこの細
胞に導入した。トリチウムチミジンの細胞への取り込み量をβカウンタにより測
定した。培養の間、倒立顕微鏡を用いて細胞を撮影した。結果を以下に示す。
【0037】
【表2】
【0038】 例4− 末梢血液の単核細胞(PBMN)中の接着分子のインビボ発現 10名の有志者に11日間連続して720mg/日のアナプソスを投与した。処置開始前
日、処置一日後、4日後及び最終投与の後に、全ての被験者から末梢血液を取っ
た。Fycoll-Hypaque密度勾配遠心分離により単核細胞を分離し、そしてそれらの
異なるリンパ球集団を、識別標識のCD11a 及びCD11b について分析した。その結
果を以下に示す。
【0039】
【表3】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性画分、脂質可溶性画分及び薬学的に許容可能なキャリ
    アを含む、ポリポジウムの根茎から単離された天然抽出物であるアナプソスの、
    接着分子の発現を調節するための薬剤の製造のための使用。
  2. 【請求項2】 接着分子の発現の調節が、インテグリンβ-2のアルファ鎖及
    び/またはインテグリンβ-2のベータ鎖の発現の減少である請求項1の使用。
  3. 【請求項3】 接着分子の発現の調節が、CD54の発現の減少である請求項1
    の使用。
  4. 【請求項4】 接着分子の発現の調節が、分化抗原CD11b 及び/またはCD6L
    の量の減少である、請求項1の使用。
  5. 【請求項5】 上記薬剤が抗炎症剤及び/または免疫調節剤として使用され
    、そしてこの薬剤が接着分子の発現を調節できることを特徴とする、請求項1の
    使用。
  6. 【請求項6】 水溶性画分、脂質可溶性画分及び薬学的に許容可能なキャリ
    アを含む、ポリポジウムの根茎から単離された天然の抽出物であるアナプソスの
    、リンパ球CD4+CD29+CD45RA+集団が増加する病状においてこのような集団を正常
    化させるための薬剤の製造のための使用。
  7. 【請求項7】 多発性硬化症の治療のための請求項6の使用。
JP2000594476A 1999-01-25 2000-01-21 接着分子の発現を調節することができる薬剤組成物 Withdrawn JP2002535281A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

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