JP2002533095A - 配列の同定方法 - Google Patents

配列の同定方法

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JP2002533095A
JP2002533095A JP2000589729A JP2000589729A JP2002533095A JP 2002533095 A JP2002533095 A JP 2002533095A JP 2000589729 A JP2000589729 A JP 2000589729A JP 2000589729 A JP2000589729 A JP 2000589729A JP 2002533095 A JP2002533095 A JP 2002533095A
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エリングトン,ジェフェリー
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Abstract

(57)【要約】 抗生物質活性について化合物をスクリーニングするのに適した枯草菌(Bacillus subtilis)または他の微生物の細胞は、必須タンパク質を発現し、そしてリポーター遺伝子に機能しうる形で連結された調節配列を含むポリヌクレオチド構築物を有する。この調節配列は、該必須タンパク質の合成または活性の変化に応答するフィードバック機構に関連している。抗生物質活性または他の生物学的活性について化合物をスクリーニングする方法は、上記細胞のアリコートと共に化合物をインキュベートし、そしてリポーター遺伝子の発現レベルを観察することを含む。標的遺伝子のプロモーターではない適切な調節配列を同定する方法もまた記述される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (序論) 抗生物質耐性の永続的脅威に対抗するために抗生物質の新規ファミリーを同定
し、開発することが緊急に必要とされている。殆どの大手製薬会社は新しい抗生
物質を同定するために下記の一般的アプローチを用いている。
【0002】 1.標的同定 最初に、細菌の生存能にとって必須であると思われる遺伝子を同定する。これ
は上記遺伝子の不活性化された形態を含有する細胞の生存不能性に基づくことが
最も多い。ゲノムDNA配列から得た情報を用いて、細菌では保存されているがヒ
トでは保存されていない遺伝子を同定する。このような遺伝子を標的として設定
することは、細菌細胞に特異的な(これは抗生物質としての効果にとって決定的
な特徴である)阻害剤を提供する可能性がより大きくなると思われる。
【0003】 2.アッセイの開発 次に、標的遺伝子の機能の阻害についてスクリーニングする適切な手段を考案
する。この手段はin vitroにおける生化学的アッセイであってもよいし、または
全細胞アッセイであってもよい。
【0004】 3.ハイスループット(high throughput)スクリーニング 上記アッセイは、非常に多数の化学化合物が標的機能に対する活性についてス
クリーニングされうるように設計される。多くの製薬会社はスクリーニングしう
る膨大な化合物のコレクションを利用している。このようにして検出された化合
物は、そこから抗生物質を誘導することが潜在的に可能であるリード分子を提供
する。
【0005】 殆どの製薬会社は現在、上記1および3の活動を支援する十分な財源を持って
いる。しかし、アッセイ、特に機能が不明である多数の遺伝子(潜在的に良好な
標的である)のためのアッセイの開発に大きな障害が存在する。
【0006】 生きている細胞、特に細菌および下等真核生物における最も重要な機能は緻密
に調節されている。フィードバック機構はしばしば産物がそれらの機能を果たす
ために十分な量のみ産生されることを確実にするものである。転写または翻訳レ
ベルにおけるフィードバック調節の無数の例が存在する。例えば、tRNAシンテタ
ーゼを制御する転写減衰(Henkin, 1994)およびリボヌクレオチド前駆体合成(Lu
ら, 1996); DNA 超コイル形成はDNAジャイレースのプロモーターを制御する(Men
zelおよびGellert, 1983)等である。同じことが細胞分割、DNA複製、等のための
遺伝子を含む他の多くの遺伝子のプロモーターにも起こるように思われる。
【0007】 本発明は、以下時おり「自動調節」と呼ぶこのフィードバック調節を用いて、
抗生物質活性または他の生物学的活性について化合物をスクリーニングするため
の全細胞アッセイを提供するものである。この目的のためには、標的遺伝子のプ
ロモーターを用いること(リポーター遺伝子の発現をもたらすこと)が都合よい
。または、他の調節配列(例えば、機能が分かっている、または未知の他の遺伝
子のプロモーター)をこの目的のために用いることができる。本発明のもう1つ
の目的は、そのような調節配列を同定する手段を提供することである。
【0008】 (本発明) 第1の態様において、本発明は細菌必須タンパク質のモジュレーターを同定す
る方法であって、以下のステップ: i) 該必須タンパク質を発現し、かつ機能しうる形でリポーター遺伝子に連結さ
れた調節配列を含むポリヌクレオチド構築物を有する細菌宿主細胞を用意し、こ
こで該調節配列は該必須タンパク質の合成または活性における変化に応答するフ
ィードバック機構に関連しており; ii) 被験物質を該宿主細胞と接触させ;そして iii) 該リポーター遺伝子の発現をモニターし、それによって該被験物質が該必
須タンパク質の合成または活性をモジュレートするか否かを決定する; を含んでなる該方法を提供する。
【0009】 別の態様において、本発明は、本発明の方法によって同定することができる細
菌必須タンパク質の阻害剤;本発明の方法によって同定された細菌必須タンパク
質の阻害剤;ヒトもしくは動物の身体を治療する方法に使用するための、上記の
ように同定された阻害剤;または抗生物質として使用するための、上記のように
同定された阻害剤;を提供する。
【0010】 本発明はまた、上に規定した阻害剤および製薬上許容される担体を含む医薬組
成物を提供する。
【0011】 別の態様においては、本発明は細菌必須タンパク質の合成または活性の変化に
関するフィードバック機構によって影響を受ける調節配列を同定する方法であっ
て、以下のステップ: i) 候補調節配列の制御下にあるリポーター遺伝子を有する細菌細胞を用意し;
ii) 該生物中で発現される標的必須タンパク質を選択し; iii) 該必須タンパク質の合成または活性を変化させ; iv) 該リポーター遺伝子の発現をモニターし;そして v) それによって該候補調節配列がフィードバック機構によって影響を受けるか
否かを決定する; を含んでなる該方法を提供する。
【0012】 本発明はまた、細菌必須タンパク質の合成もしくは活性の変化に関するフィー
ドバック機構によってその活性が影響を受ける調節配列を同定する方法であって
、該必須タンパク質の正常な及び変化した合成または活性の存在下における細菌
遺伝子の発現をモニターし、そして該細菌必須タンパク質に関連するフィードバ
ック機構によって活性が影響を受ける調節配列を同定することを含んでなる該方
法を提供する。
【0013】 別の態様において、本発明は生物学的活性について化合物をスクリーニングす
るのに適した生物の細胞を提供する。該細胞は以下のものを含む染色体を含有す
る: a)発現または活性がフィードバック機構の支配下にある標的遺伝子;および b) 該フィードバック機構に関連する調節配列の制御下にある人為的に導入さ
れたリポーター遺伝子であって、ここで標的遺伝子発現産物の合成または活性の
減少は該リポーター遺伝子の発現の増大と関連している。
【0014】 別の態様において、本発明は生物学的活性について化合物をスクリーニングす
る方法を提供する。この方法は、化合物を上に規定した細胞のアリコートと共に
インキュベートし、そしてリポーター遺伝子の発現レベルを観察することを含ん
でなる。
【0015】 別の態様において、本発明は上記方法によって同定される化合物、例えば、抗
生物質;および細菌に処置する(例えば、殺すまたはその増殖を抑制する)ため
の、そのように同定された化合物の使用を提供する。
【0016】 本発明は細菌必須タンパク質の阻害剤またはモジュレーターをスクリーニング
する方法を提供する。該必須タンパク質は標的遺伝子によってコードされ、そし
てその機能は公知であってもよいし未知であってもよい。標的必須タンパク質の
発現または活性の変化は、細菌中のフィードバック機構に至る。この機構は、細
菌遺伝子のプロモーターまたは調節配列からの発現を変化させる、またはアップ
レギュレーションする役目を果たす。
【0017】 フィードバック機構の性質は重大ではない;それはRNAレベルで作動してもよ
いし、またはタンパク質レベルで作動してもよく、そして標的遺伝子の転写およ
び/もしくは翻訳、ならびに/または標的遺伝子発現産物の活性に関与していて
もよい。標的遺伝子は、一般に、生存能にとって必須であり、そして細菌または
他の微生物中で十分に保存されているが、高等生物(例えば、哺乳動物またはヒ
ト)にあっては存在しないか、または非常に異なるタンパク質をコードするもの
である。
【0018】 標的遺伝子の発現または標的遺伝子発現産物の合成もしくは活性が変化すると
(この変化をもたらす手段は本発明の目的にとって重要ではない)、フィードバ
ック機構が細菌細胞中で作動し、該変化を補償することができる。このフィード
バック機構は調節配列(例えば、標的遺伝子のプロモーター)に作用することが
できる。したがって、例えば標的遺伝子発現産物の合成または活性の減少は、上
記フィードバック機構を介して、標的遺伝子のプロモーター活性における増大と
結びつきうる。本発明の1つのアッセイに従えば、標的遺伝子のプロモーターの
制御下にあるリポーター遺伝子を含むポリヌクレオチド構築物が細菌細胞中に提
供される。
【0019】 または、あるいはさらに、必須タンパク質の合成または活性における減少は、
変化と、そして一般的には別の細菌遺伝子の発現における増大と結びつきうる(
例えば、その遺伝子のプロモーターのアップレギュレーションを介して起こる)
。本発明の別の実施形態においては、標的必須タンパク質自体とは関連していな
いが、該必須タンパク質の活性または合成が変化するとフィードバック機構によ
りアップレギュレーションを受けるプロモーターまたは他の調節配列の制御下に
あるリポーター遺伝子を含むポリヌクレオチド構築物が提供される。
【0020】 いくつかの例においては、標的遺伝子のプロモーター以外にどの遺伝子がフィ
ードバック機構に関与しているかを予測することが不可能な場合もある。本発明
はまた、調査中の必須機能性タンパク質の活性または合成の変化によって影響を
受ける、フィードバック機構の支配下にある可能性のある遺伝子を同定する方法
を提供する。そのような遺伝子が一旦同定されたならば、該遺伝子のプロモータ
ーまたは調節配列の制御下にあるリポーター遺伝子を容易に構築し、そして本発
明のアッセイにしたがって使用するための細菌細胞に組み込むことができる。
【0021】 本発明の細胞はこのように、標的遺伝子に関連する調節配列の制御下にある、
すなわち、標的遺伝子産物の合成または活性の減少と結びついたフィードバック
機構によって影響を受ける、人為的に導入されたリポーター遺伝子を含有してい
る。本発明の別の態様においては、リポーター遺伝子は上記フィードバック機構
によって発現が変化する遺伝子を含み、そしてアッセイは、例えば遺伝子アレイ
または該遺伝子の転写もしくは発現をモニターするためのプロテオミクス(prote
omics)技法を用いて、該遺伝子のアップレギュレーションをモニターすることを
含む。
【0022】 本発明の標的遺伝子は、細菌の生存能にとって必須のタンパク質をコードする
。したがって、該必須タンパク質に影響を及ぼす被験物質は、その合成に影響を
及ぼすものであれ、活性に影響を及ぼすものであれ、抗生物質として有用である
可能性がある。上に強調したように、本発明によれば、そのような標的遺伝子は
また、該標的遺伝子自体または細菌細胞内の他の遺伝子の発現に影響を及ぼすフ
ィードバック機構と何らかの方法で関連している必要がある。したがって、標的
遺伝子または上記フィードバック機構によって影響を受ける遺伝子のプロモータ
ーまたは他の調節配列は、アッセイにおいてリポーター遺伝子に結合させると有
用でありうる。該リポーター遺伝子の発現をモニターすることによって、標的タ
ンパク質の合成または活性を阻害する物質を同定することができる。細胞壁前駆
体の合成、テイコ酸合成、DNA複製、RNA合成、細胞分裂、染色体分離、翻訳およ
び他の必須遺伝子、に関与するタンパク質はすべて本発明にしたがって用いるの
に適切な標的である。いくつかの具体例を、単に例として、以下により詳しく論
じる。
【0023】 枯草菌(B. subtilis)または他の細菌中で用いるための好ましい標的遺伝子と
して以下のものが考えられる。これらは以下のプロセスに関与するタンパク質を
含みうる: 細胞壁(ペプチドグリカン)前駆体の合成(遺伝子 murA, B, C, D, E, F, G,
Z, dal, dap, ddlAの産物を含む); テイコ酸合成(tagA, B, C, D, E, F, G, H, gtaB); DNA複製(dnaA, gyrA, B, topA, B, lig[yerG]); RNA合成(sigA, rpoA, rpoB, rpoC); 細胞分裂(fisA, L, W, Z, divIB, divIC, divIVA, pbpB); 染色体分離(spoIIIE, soj, spoOJ, codV, ripX); 翻訳(infA, B, C, fmt, efp); その他のプロセス(obg, lgt); 本発明者によって発見された、未知の機能を有する必須遺伝子(yjbN, yloQ); 脂質合成(pgsA) 標的遺伝子の例は以下により詳しく論じる。
【0024】DnaA - DNA複製タンパク質の1例 dnaA遺伝子は、細菌の種の間で広範に保存されており、そして少なくとも大腸
菌(E. coli)および枯草菌においては該遺伝子は必須であって、DNA複製の開始に
必要とされる(ただし、シアノバクテリアの該遺伝子は必須でないことが最近報
告された:Richterら, 1998, J. Bacteriol. 180, 4946-4949)。対照的に、真
核生物は染色体の複製を開始するのに全く異なる機構を用いる。したがってDnaA
機能を特異的に阻害する作用物質は、細菌に対する選択的毒性を有するに相違な
い。細胞周期の間におけるDnaAの蓄積は、oriC領域内の結合部位(「DnaAボック
ス」)を徐々に埋めていくと思われる。ついには、染色体二方向複製の開始をも
たらす開始複合体の形成を可能とするに十分なDnaAが蓄積する。少なくとも枯草
菌においては、dnaA遺伝子はモノシストロン性であって、oriCのすぐ右に位置し
ている(Moriyaら, 1988, EMBO J. 7, 2911-2917)。数個のDnaAボックスを含有す
る長い上流調節領域が存在する。これらの領域のうち2つは該遺伝子のプロモー
ター領域と重複しているように思われる。DnaAは負に自動制御する、したがって
DnaAの枯渇はそのプロモーターからの転写の増大によって補償される、という十
分に実証された証拠が大腸菌および枯草菌の両方にある。DnaAタンパク質の枯渇
(その遺伝子を人為的に抑制することにより起こる)がdnaAプロモーターからの
転写の増大をもたらすことを示す予備的実験が進行中である。もしこれがうまく
いくならば、dnaAプロモーターに結合させたリポーター遺伝子は、この優れた抗
生物質標的に対する阻害剤をスクリーニングする便利な手段を提供するに相違な
い。DNA複製に関与しない遺伝子のプロモーター(例えば、キシロースの存在に
よって誘導されるPxylプロモーター)はDnaAの阻害剤によって影響されないか、
またはDNAの喪失により細胞が死滅し始めるので、徐々に停止する。DnaAの枯渇
または阻害によって引き起こされるDNA複製開始の阻止は、DNA複製の他のステッ
プに関与する遺伝子の抑制をもたらす可能性がある。そのような遺伝子のプロモ
ーターは、DnaAに対する、むしろDNA複製全般に対する阻害剤の特異性を確実に
する、より良好な制御プロモーターを提供するかもしれない。PdnaAプロモータ
ーおよび 恐らくPxylプロモーターに基づく二重リポーター系は、DnaA機能の阻
害剤に対する高感度、かつ特異的な全細胞アッセイを提供するに相違ない。
【0025】Dal - 細胞壁合成に関与するタンパク質の1例 細菌の細胞壁はペプチドグリカン(PG)からなる、圧力耐性必須構造体である。
壁は事実上全ての真正細菌に存在する。これは、短いペプチドによって架橋され
た長いグリカン(アミノ糖)ポリマーから構成される。上記ペプチドはD異性体
状態のアミノ酸を含有するという点で、普通とは異なる。高等真核生物には細胞
壁に相当する構造体は何ら存在せず、またD-アミノ酸は一般に存在しない。ペニ
シリン、セファロスポリンおよびバンコマイシンを含む多くの重要な抗生物質は
PG合成に作用する。PGに普遍的に見いだされるD-アラニンは、細菌によってその
増殖培地から、またはdal遺伝子によってコードされる酵素であるD-アラニンラ
セマーゼ(これはL-アラニンをD形に変換する)の作用によって得られる。dal
は真正細菌において高度に保存された遺伝子であるが、真核生物には存在しない
【0026】 dalプロモーターは自動制御されるか否かを決定する試験が進行中である;こ
のプロモーターはDalタンパク質の枯渇に応答してアップレギュレーションされ
ることが予想されている。もしこれが正しければ、該プロモーターを用いてDal
の阻害剤をスクリーニングすることができる。より良いプロモーター(例えば、
Dalによって使用される基質の増大に対し負に応答するプロモーター)があるか
もしれないが、ここでもまた対照としてPxylを用いることができる。
【0027】InfC - 翻訳に関与するタンパク質の1例 翻訳開始のプロセスは細菌において高度に保存されているが、真核生物とは根
本的に異なる。このように開始コドンは、通常AUGであるが時々UUGまたはGUGで
ある開始コドンの近くに存在する「リボソーム結合部位」(RBS)により規定され
る。
【0028】 ヒトにおいては、前後関係に関わらす、mRNAの最初のAUGが使用される傾向が
ある。RBSに相当するものは存在しない。細菌の翻訳開始因子3は細菌において
高度に保存されており、そして開始コドンにおける開始の特異性に必要とされる
ように思われる。枯草菌および大腸菌の両方において、infC遺伝子の開始コドン
は高度に異例で、AUUである。恐らくこのコドンは、該因子が限定されていてリ
ボソームがより低い厳密さで開始し得る場合にのみ、翻訳を開始し、そしてより
多くのinfCタンパク質を産生するために用いうるものである。大腸菌を用いた実
験はこれを支持する(Grunberg-Managoによって、Escherichia coli and Salmon
ella typhimurium: cellular and molecular biology, Neidhardtら(編), ASM
Press, Washington D.C., 1996の 1432-1457ページに総論されている)。InfC
の阻害剤のための高度に特異的な全細胞アッセイが、1対のリポーター遺伝子の
使用に基づいて考慮されている。これらのリポーター遺伝子は両方とも、infC翻
訳開始領域の転写を駆動するプロモーターを担持しているであろう。ある場合に
は、AUU開始コドンを含むinfCコード領域の開始部に読み枠を合わせてリポータ
ー遺伝子を融合させるであろう。また別の場合には、開始コドンとしてAUGを有
する以外は同一の開始部(leader)に融合させた別のリポーター遺伝子が用いられ
るであろう。InfCが枯渇するか、または阻害された場合に第1のリポーターが誘
導されるであろう。後者のリポーター遺伝子は、InfCのレベルの変化には本質的
に非応答性である対照を提供するであろう。
【0029】Fmt - 翻訳に関与するタンパク質の1例 メチオニルtRNAホルミルトランスフェラーゼ(Fmt)は、細菌において開始tRNA
の合成の最終ステップを実施する。細菌細胞は特別な開始tRNAであるtRNAFmt
特に開始コドンに使用する。真核細胞は、開始コドンおよび内部コドンの両方に
ついてメチオニンに対する通常のtRNAを用いる。したがって、Fmtは全く必要が
ない。(少なくとも)大腸菌のfmt遺伝子の破壊は重大な増殖欠陥を引き起こす(
Guillon, J.-M., Mechulam, Y., Schmitter, J.-M., Blanquet, S., Fayat, G.
(1992) J. Bacteriol, 174, 4294-4301)。したがって、該遺伝子の産物は抗生物
質の良好な標的であるように思われる。この遺伝子配列には、すぐ右にATGを有
する異例なRBSが存在し、その後にIleコドンおよび停止コドンが続いている。正
しい開始コドンAUGが次に続く。過剰なFmtの存在下では、不適切な上流AUGで結
合が起こると予想され、そしてこれは正しい開始コドンの使用をブロックするか
もしれない。これはinfCについて記述したように、読み枠を合わせてlacZに融合
させた野生型および突然変異型開始領域を用いて試験することが可能であろう。
これらのリポーターはFmtの枯渇に適切に応答し、そしてFmtの阻害剤のための特
異的アッセイを提供することが予想される。
【0030】 本発明の1つの態様においては、第2のプロモーターに結合した第2のリポー
ター遺伝子を含む第2のポリヌクレオチド構築物が細菌宿主細胞中に提供される
。該第2のプロモーターは、アッセイの条件下で、被験物質の不存在下で該第2
のリポーター遺伝子が発現されると普通であれば予想されるような具合に提供さ
れる。これは同定されるべき被験物質の非特異的効果を考慮に入れたものである
。例えば、被験物質が細菌細胞内の翻訳の全般的阻害剤である場合、第2リポー
ター遺伝子の発現は全く予想されないであろう。
【0031】 第1および/または第2リポーター遺伝子は容易に検出可能な産物をコードす
る。例えば、リポーター産物は蛍光、化学発光、または他の標準的リポート技法
によって検出されるものであってよい。リポーター遺伝子産物は、発色性または
発蛍光性酵素基質の使用によって産生を同定することができるβ-ガラクトシダ
ーゼ等の酵素を含んでいてもよい。他のリポーター遺伝子には、β-グルクロニ
ダーゼ、グリーン蛍光タンパク質(GFP)およびその変異型、ルシフェラーゼ、ク
ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、カテコールオキシダーゼ、抗
体によって容易に認識される抗原、ストレプトアビジン/ビオチン等のアフィニ
ティーリガンド、または抗体等によって検出可能なプロテインAが含まれる。第
1リポーター遺伝子および(存在する場合は)第2リポーター遺伝子は、第1リ
ポーター遺伝子の発現および第2リポーター遺伝子の発現の間で差異を生じさせ
ることが可能なように選択される。本発明の別の態様においては、第2リポータ
ー遺伝子は用意されない。しかし、培養物増殖の変化(これらの変化は被験物質
の効果を評価する際に考慮に入れることができる)に基づいて、どの程度まで非
特異的効果が起こっているかを評価する目的で、細菌培養物の光学濃度等の他の
特性をモニターすることができる。
【0032】 ポリヌクレオチド構築物は発現されるべきリポーター遺伝子に機能しうる形で
連結されたプロモーターを含む。好ましくは、第2ポリヌクレオチド構築物を用
意する場合は、第2プロモーターは誘導プロモーターを含んでなる。アッセイの
途中で被験物質を添加する場合は、上記プロモーターを誘導するのに必要とされ
る条件を宿主細胞に適用することができる。そのような誘導条件は、該被験物質
の不在下において第2リポーター遺伝子の発現を可能とするであろう。誘導物の
例としては、キシロース、テトラサイクリン、ラクトースおよびIPTGを含むそれ
らの誘導体、アラビノースおよびグルコン酸、または温度変化が挙げられる。例
えば、上記プロモーターが温度感受性リプレッサーによって制御されている場合
、該プロモーターは温度上昇によって誘導することができる。
【0033】 フィードバック機構と関連した調節配列またはプロモーターは、内因性細菌プ
ロモーター、またはプロモーターの活性を保持している(すなわち上記フィード
バック機構によって影響される)、そのような内因性プロモーターに相同的なポ
リヌクレオチドからなるものであってよい。フィードバック機構によってリポー
ター遺伝子を機能しうる形で発現するに十分な他の調節配列と結合したフィード
バック機構に応答する応答性エレメントを含む、天然に存在しないプロモーター
を用意してもよい。
【0034】 「機能しうる形で連結された」という表現は、記述された構成要素がそれぞれ
意図されたように機能することを可能とする関係にある並置をいう。従って、コ
ード配列に「機能しうる形で連結された」プロモーター等の調節配列は、該調節
配列と適合した条件下で該コード配列の発現が達成されるように配置されている
【0035】 上記ポリヌクレオチド構築物は、細菌宿主細胞を形質転換するためのベクター
として提供することが可能である。ポリヌクレオチド構築物は同一のまたは異な
るベクター上に用意することができる。ベクターを用いて、適合する宿主細胞中
で該ベクターを複製することが可能である。ベクターは、例えば、複製起点およ
び場合によりプロモーターの調節配列を備えたプラスミドベクターであってよい
。ベクターは細菌細胞の選択のため、アンピシリンまたはクロラムフェニコール
耐性遺伝子などの1つ以上の選択マーカー遺伝子を含有することができる。
【0036】 別の態様において、本発明は第1および第2リポーター遺伝子を発現させるた
めに第1および第2ポリヌクレオチド構築物によって形質転換、コンジュゲート
化または形質導入された宿主細胞にも関する。
【0037】 本発明のアッセイは、細菌必須タンパク質の合成または活性をモジュレートす
る化合物をスクリーニングするために用いられる。細菌タンパク質活性(標的タ
ンパク質)のモジュレーターを同定するためのアッセイに適切な任意のフォーマ
ットを用いることができる。アッセイを実施する方法は、第1リポーター遺伝子
および(存在する場合は)第2リポーター遺伝子の性質に部分的に依存するであ
ろう。いくつかの例においては、第1および第2リポーター遺伝子の活性を別々
にモニターするために、被験物質の添加後、宿主細胞を含有するサンプルを分割
する必要があるかもしれない。宿主細胞は好ましくは細菌細胞であり、枯草菌、
大腸菌、サルモネラ属(Salmonella)、連鎖球菌属(Streptococcus)、ブドウ球菌
属(Staphylococcus)などから選択することができる。アッセイの条件は、宿主細
菌細胞が被験物質の不存在下で増殖しうるように選択する。好ましくは、アッセ
イは、標的タンパク質の合成または活性に変化があった場合に、リポーター遺伝
子が発現されるようにフィードバック機構が作動できる条件下で実施される。
【0038】 さらに対照実験を行うことが適切であろう。アッセイの経過を被験物質の存在
下および不存在下で追跡することができる。被験物質の匹敵するまたは類似の効
果を示すために、陽性対照として公知の標的タンパク質モジュレーターを用いる
ことができる。公知の抗生物質を試験して標的タンパク質に対するそれらの効果
を示すことができる。例えば、哺乳動物細胞を用いて、または哺乳動物宿主中で
、付加的アッセイを実施して被験物質がそのような宿主細胞に対して望ましくな
い副作用を示さないことをチェックすることができる。
【0039】 上記アッセイで試験することができる適切な被験物質としては、コンビナトリ
アルライブラリー、定義された化学的存在物、ペプチドおよびペプチド模倣物、
オリゴヌクレオチド、ならびにディスプレー(例えば、ファージディスプレーラ
イブラリー)および抗体産物等の天然産物ライブラリーが含まれる。
【0040】 被験物質は、例えば反応あたり10個の物質を用いる最初のふるいにかけ、そし
て阻害または活性化を示すこれらのバッチの物質を個別に試験することができる
。被験物質は1μM〜10 mM、好ましくは1μM〜100μM、より好ましくは1μM〜10
μMの濃度で用いることができる。天然起源の複雑な混合物(例えば、細菌培養
物由来の濾過物、または植物抽出物)を用いることが可能である。
【0041】 標的細菌タンパク質活性の阻害剤を用いて細菌の増殖を制限することができる
。そのような阻害剤は、ヒトまたは動物における細菌性の病態を治療するのに用
いることができる。したがって、そのような細菌感染を治療する抗生物質として
用いることができる。
【0042】 そのような阻害剤は種々の剤形で投与することができる。したがって、それら
は例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁物、分散粉剤または
顆粒剤として経口投与することが可能である。上記阻害剤は、皮下、静脈内、筋
肉内、胸骨内、皮内投与または注入技法によって腸管外投与することも可能であ
る。
【0043】 モジュレーターは座剤として投与することもできる。医師は特定の患者のそれぞ
れが必要とする投与経路を決定することができるであろう。
【0044】 予防または治療に用いるためのモジュレーターの製剤化は、そのモジュレータ
ーの性質、医薬または獣医薬用途が意図されているかどうかなどの因子に依存す
るであろう。モジュレーターは同時、分離または連続使用のために製剤化するこ
とが可能である。
【0045】 標的タンパク質活性のモジュレーターは、典型的には本発明において投与する
ために製薬上許容される担体または希釈剤を用いて製剤化される。製薬上許容さ
れる担体または希釈剤は、例えば、等張性溶液であってよい。例えば、固形経口
製剤は活性化合物と共に希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、サッカ
ロース、セルロース、コーンスターチまたはポテトスターチ);潤滑剤(例えば
、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム
、および/またはポリエチレングリコール);結合剤(例えば、スターチ、アラ
ビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポ
リビニルピロリドン);分離剤(例えば、スターチ、アルギン酸、アルギン酸塩
またはグリコール酸スターチナトリウム);起泡性混合物;染料;甘味料;湿潤
化剤(例えば、レシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェート);および一
般に、医薬製剤に用いられる非毒性で、かつ薬学的に不活性な物質を含有するこ
とができる。このような医薬調製物は公知の方法、例えば、混合する、造粒する
、打錠する、糖で被覆する、またはフィルムで被覆するプロセスによって製造で
きる。
【0046】 経口投与用の液体分散物は、シロップ剤、エマルジョンおよび懸濁物であって
よい。シロップ剤は担体として、例えば、サッカロース、またはサッカロースお
よびグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールを含有
することができる。
【0047】 懸濁物およびエマルジョンは担体として、例えば、天然ゴム、寒天、アルギン
酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ま
たはポリビニルアルコールを含有することができる。筋肉内注射用の懸濁物また
は溶液は、活性化合物と共に、製薬上許容される担体(例えば、滅菌水、オリー
ブオイル、オレイン酸エチル、プロピレングリコール等のグリコール)および所
望であれば適切な量の塩酸リドカインを含有することができる。
【0048】 静脈注射または注入用の溶液は担体として、例えば、滅菌水を含有することが
できる。または、好ましくは該溶液は滅菌、水性、等張性生理食塩溶液の形をと
ることができる。
【0049】 治療上有効量のモジュレーターを患者に投与する。モジュレーターの用量は種
々のパラメーター、特に使用する物質;治療を受ける患者の年齢、体重、および
病態;投与経路;および必要とされる治療法式にしたがって決定することができ
る。ここでもまた、医師は任意の特定の患者について必要な投与経路および用量
を決定することができるであろう。典型的な1日あたりの用量は、特定の阻害剤
の活性、治療すべき患者の年齢、体重及び病態、感染の種類および重篤性、なら
びに投与頻度及び経路によって、体重1kgあたり約0.1〜50 mg、好ましくは約0.
1〜10 mgである。好ましくは、1日あたりの用量レベルは5 mg〜2 gである。
【0050】 ハイスループットスクリーニングは以下のように行う。すなわち、β-ガラク
トシダーゼやβ-グルクロニダーゼなどの検出可能な酵素またはタンパク質をコ
ードする2つのリポーター遺伝子を含有する枯草菌の菌株を構築する。バチルス
属(Bacillus)種において発現されうるリポーター遺伝子は周知であり、また文献
に記述されている。リポーター遺伝子は、好ましくは、それらの産物が同時に容
易にアッセイ可能であるように選択される。グリーン蛍光タンパク質は、その固
有の蛍光により該タンパク質を直接蛍光定量測定によってアッセイし得るという
利点を有する。LacZは10年以上にわたって枯草菌において大いに成功して用いら
れてきた。そして、β-ガラクトシダーゼによって加水分解されると、着色産物
または蛍光産物を生成する一連の有用な基質が存在する。大腸菌のuidA遺伝子が
、最近同様の目的に利用されるようになった。そして、遺伝子産物β-グルクロ
ニダーゼについて利用できる一連の基質の範囲も、β-ガラクトシダーゼのそれ
と同等である。2つの異なる発蛍光性基質を用いて、上記2つのリポーターの活
性を1つの反応で同時にアッセイすることができる。一方のリポーターは、所望
の機能(例えば、ジャイレース)の不存在下で発現増大を引き起こす配列に融合
させる;他方のリポーターは、変化しない発現または発現減少をもたらす配列に
融合させる。二重リポーターを有する菌株を適切な培地で増殖させ、マイクロタ
イタープレートのウエル等の大規模スクリーニングを可能とする容器に分注する
。各ウエルは少なくとも1つの被験化合物を含有するであろう。細胞を適切な期
間(好ましくは細胞倍加時間の2倍以上)にわたってインキュベートし、その後
(用いたリポーターによって、もし必要であれば)2つのリポーター酵素の同時
アッセイを可能とする反応カクテルが添加されるであろう。アッセイは、例えば
、化学発光産物または蛍光産物または着色産物をもたらす酵素基質に基づくもの
であり得る。発蛍光性基質を用いる場合は、2つの異なる適切な波長を受け取る
ようにセットした蛍光光度計によって、いずれか一方または両方の酵素の存在を
同時に検出することができる。上記の例においては、DNAジャイレースの阻害に
ついて陽性の応答はβ-ガラクトシダーゼ活性の増大およびβ-グルクロニダーゼ
活性の低下によって示されるであろう。そのような応答を誘導する化合物は、有
望な標的としてのDNAジャイレースに対する潜在的な抗菌性物質であろう。
【0051】 または、発色性または発蛍光性基質を含有する増殖培地上に配置した細胞の芝
生上に化合物をそれぞれスポットすることも可能であろう。適切な応答を誘導す
る化合物は、スポットの近隣における酵素活性の増強または阻害によって検出可
能であろう。
【0052】 原則として、細菌には、有用な抗生物質に必要な選択毒性を提供するに十分な
だけ、哺乳動物細胞の遺伝子とは異なっていると思われる多数の必須遺伝子が存
在する。さらに、中枢代謝機能(ヌクレオチド前駆体合成など)に影響を及ぼす
突然変異はビルレンスの衰弱をもたらすことが周知である。なぜなら、突然変異
は宿主細胞または組織中で増殖する病原体の能力を混乱させるからである。した
がって、このアプローチは抗生物質を提供するばかりでなく、ビルレンスを衰弱
させ、そして抗生物質と相乗的に作用するであろう薬物をも提供することができ
る。この戦略は特に重要である。なぜなら、遺伝子の正確な機能が不明であって
も、この戦略は興味のある任意の遺伝子に適用し得るからである。
【0053】 本発明はまた、必ずしも標的遺伝子自体のプロモーターではないが、該標的遺
伝子の合成または活性における低下に応答してアップレギュレーションされるプ
ロモーターである、調節配列またはプロモーターの使用に関する。本発明はまた
、必須タンパク質の合成または活性が変化した場合に調節配列の制御下にある遺
伝子の示差的発現を捜すことによって、上記のような調節配列を同定する方法を
提供する。さらに、本発明のアッセイは、フィードバック機構によって影響を受
ける遺伝子の示差的発現をモニターすることを含みうる。
【0054】 調節配列の制御下にある遺伝子の示差的発現の同定は、いくつかの異なる方法
で実施することができる。第1の実施形態においては、細菌遺伝子の染色体の断
片からなるライブラリーであって、各断片がリポーター遺伝子に融合しているラ
イブラリーが調製される。そのような構築物を用いて細菌を形質転換する。次に
、必須標的遺伝子の合成または活性を変化させ、該リポーター遺伝子の発現をモ
ニターする。次に、リポーター遺伝子のアップレギュレーションを示す構築物を
さらに分析し、必須標的遺伝子の合成または活性の変化に応答してアップレギュ
レーションされる調節配列を同定する。別の実施形態においては、示差的発現は
当該生物の遺伝子に由来するヌクレオチド配列の遺伝子アレイを用いて、そして
どの遺伝子が標的タンパク質の合成または活性の変化に応答してアップレギュレ
ーションされたかを分析することによってモニターすることが可能である。また
は、そのような示差的発現は当該生物からタンパク質を回収し、そして回収した
タンパク質を分離して、標的遺伝子の合成または活性の変化から生じた変化を観
察することによって分析できるであろう。次に、必須標的遺伝子の合成または活
性における変化に応答して発現が変化するそのような遺伝子またはタンパク質と
関連したプロモーターまたは調節配列を、本発明のアッセイにしたがって用いる
ことができる。
【0055】 本発明の1つのアッセイにおいては、標的必須タンパク質の発現または活性に
おける変化によって発現が影響を受ける遺伝子が選択される。被験物質の存在下
および不存在下で細菌細胞をインキュベートし、そして上に概略を記述した方法
の1つによって該遺伝子の示差的発現を調べる。
【0056】 調節配列が標的遺伝子のプロモーターでない場合、本発明は調節配列を同定す
る方法をも提供する。この方法は以下のステップ: i) 標的遺伝子の発現がフィードバック機構に支配されている、生物の染色体内
に存在する標的遺伝子の選択; ii) 該標的遺伝子の発現産物の合成または活性の変化;および iii) 該フィードバック機構に関連する調節配列の活性における対応する変化の
観察; を含んでなり、ここで該生物の該染色体には該調節配列の制御下にあるリポータ
ー遺伝子が導入されており、そして上記ステップiii)は該リポーター遺伝子の発
現における対応する変化を観察することによって実施される。
【0057】 上記方法のステップii)は、好ましくは、細胞を外部の化学的または物理的誘
導因子に暴露することによって発現産物のレベルをモジュレートするように、公
知のリプレッサーまたはプロモーター配列を含有する遺伝子構築物の使用によっ
て標的遺伝子の発現を制御すること;または特定の条件下(低温または高温など
)でのみ産物の活性を可能とする、該遺伝子中の制限つきの突然変異を単離する
ことを含む。
【0058】 1つの方法においては、調節配列の制御下にあるリポーター遺伝子が宿主生物
に導入されており、そしてステップiii)は該リポーター遺伝子の発現における対
応する変化を観察することによって実施される。好ましくは、上記フィードバッ
ク機構と関連する潜在的調節配列の構築物からなるライブラリーが用意される。
上記潜在的調節配列の各々はリポーター遺伝子と融合している。好ましくは、ス
テップiii)は該生物の細胞のアリコートを、各アリコートの細胞の染色体に上記
ライブラリーの異なる構築物を導入することによって遺伝子的に改変することに
よって実施される。この遺伝子改変は、単に、1つの構築物を含有するプラスミ
ドの導入からなっていてもよい。潜在的調節配列は、好ましくは、該生物ゲノム
の約50〜1000 bpのDNA断片である。ライブラリーは好ましくは少なくとも10個の
異なる構築物を含有するであろう。好ましくは、ライブラリーのDNA断片は該生
物の全ゲノムを構成する。
【0059】 別の方法は、該生物の遺伝子のDNA配列のアレイを用意し、そして標的遺伝子
の機能的抑制の存在下における示差的mRNA発現をモニターすることを含む。好ま
しくは、上記アレイは該生物の遺伝子の各々から取ったDNA配列のアレイであっ
て、そして支持体の表面上に一定の距離を置いて配置させたスポットの形で提供
される。標的遺伝子の発現を可能とする条件下で該生物の細胞をインキュベート
し、RNAを回収し、所望であればcDNAに変換する。このRNAまたはcDNAをハイブリ
ダイゼーション条件下で上記アレイに添加し、ハイブリダイゼーションパターン
を記録する。該生物細胞の別のアリコートを、標的遺伝子の発現を変化させる、
または妨げる条件下でインキュベートする。RNAを回収し、そして前のパターン
と異なるハイブリダイゼーションパターンを生成させるため、RNAまたはcDNAを
ハイブリダイゼーション条件下でアレイに添加する。差異を記録する。それらの
差異は標的遺伝子に関連するフィードバック機構に関与する遺伝子および調節配
列を示している。このような遺伝子発現アレイは文献に記述されており、微生物
のフィードバック機構を研究するために用いられてきたが、抗生物質のスクリー
ニングに用いるための調節配列を同定する目的には使用されていないと思われる
(DeRisi, J.L.ら, 1997)。
【0060】 さらに別の方法においては、ステップiii)は該生物の細胞からタンパク質を回
収し、回収したタンパク質を分離し、そして個々のタンパク質のうち少なくとも
1つの濃度における対応する変化を観察することによって実施される。したがっ
て、該生物の細胞の第1のアリコートは標的遺伝子の発現を可能とする条件下で
培養される。細胞中のタンパク質を回収し、そして、例えば二次元電気泳動ゲル
を用いることによって分離する。この技法は文献において周知であり(Anderson,
N.L.ら, 1998)、各タンパク質の同一性が分かっているか、または決定すること
ができるパターンを生じる。次に、細胞の別のアリコートを該標的遺伝子の発現
を妨げる条件下でインキュベートする。回収したタンパク質を電気泳動によって
分離し、第1のパターンと異なるパターンを生成する。差異を観察する。それら
の差異は該標的遺伝子に関連するフィードバック機構に関与する遺伝子および調
節配列を示している。
【0061】 これら3つの方法のうち第1のものは、それぞれがリポーター遺伝子と融合し
た潜在的調節配列の構築物からなるライブラリーを作製するために実質的な資本
投資を必要とする。しかし、この方法は標的遺伝子に関連するフィードバック機
構に関与する任意のまたは全ての遺伝子を同定するのに効果的であるに相違ない
。遺伝子発現アレイを用いる第2の方法は、ライブラリーを作製する費用を回避
する。そして、この方法は転写が変化した場合にフィードバック機構に関与する
調節配列をピックアップするのに効果的であるに相違ない。「プロテオミクス」
を用いる第3の方法は比較的簡素で、かつ安上がりであるが、フィードバック機
構がmRNA合成またはタンパク質安定性もしくは活性に関連する場合、調節配列を
ピックアップするのに効果的でないかもしれない。
【0062】 これらの方法の使用は、標的遺伝子のフィードバック調節に関与するが該標的
遺伝子のプロモーターではない調節配列の同定を可能とする。一旦これがなされ
ると、該調節配列の制御下にある外因性リポーター遺伝子を含有する上記の細胞
を構築すること、および抗生物質活性または他の生物学的活性について化合物を
スクリーニングするための全細胞アッセイにそれらの細胞を用いることは単純な
ことである。
【0063】 生物は、他の原核生物および酵母等の単純な真核生物も考えられるが、好まし
くは、例えば枯草菌等の細菌である。ゲノムが、潜在的調節配列のライブラリー
を構成する便利な大きさのランダムな断片に切り刻めるほど十分小さく、ライブ
ラリーの潜在的調節配列の数を非実用的に大きくしない生物を用いることが好都
合であろう。これは細菌が、および恐らくは酵母も、有する特性である。
【0064】 任意の与えられた標的遺伝子について、ゲノムのどこかに、標的機能の欠如に
よってその活性が増強または減少する調節配列が存在する十分な見込みがある。
枯草菌においては、遺伝子が抑制されうる遺伝子構築物を作製することによって
任意の標的遺伝子をオフにすること[例えば、IPTGによって誘導されるPspac
ロモーター(YansuraおよびHenner, 1984)、またはキシロースによって誘導され
るプロモーターPxyl (Feuchtら, 1996)の使用によって]は簡単である。誘導化
合物を取り払うと、該遺伝子の発現はブロックされ、そして標的機能は細胞から
枯渇する。上に論じたように、これは1つ以上の遺伝子の特異的誘導をもたらす
ように思われる。そのような遺伝子のプロモーターまたは調節配列を見いだすた
め、枯草菌または関連生物の染色体に由来する短い(約50 から 1,000 bp)DNA
配列の大きな(>10,000)ランダムコレクションを適切なリポーター遺伝子(例
えば、lacZ)に融合させる。これを達成するには、当技術分野で公知の方法が利
用できる(Errington, 1990によって総論されている)。次に、融合物のコレクシ
ョンの各メンバーを、標的機能の枯渇を可能とするように遺伝子操作された枯草
菌の菌株の細胞に導入する。標的機能が枯渇するとリポーター遺伝子発現をモジ
ュレートするという所望の特性を示す調節配列は、標的遺伝子機能の特異的モジ
ュレーターである化合物をスクリーニングする手段を提供するであろう。例えば
、DNAジャイレースのサブユニットの1つをコードする遺伝子(gyrA)を枯渇させ
た場合、その結果生じる細胞中のDNA超コイルにおける変化は、gyrA遺伝子のプ
ロモーターからの発現の増大をもたらすであろう。DNAのいくつかのランダムな
断片(例えば、gyrAプロモーター自体を含有する断片)は、リポーター遺伝子と
融合させてジャイレースが枯渇した細胞中に導入すると、リポーター活性の増大
を生じるであろう。gyrAプロモーター断片(または同様に作用する何らかの調節
配列)を単離し、それをリポーター遺伝子に融合させると、化学的阻害剤(すな
わち潜在的抗生物質)によるDNAジャイレースの阻害に対して発現の増大で応答
する遺伝子構築物ができる(MenzelおよびGellert, 1983)。いかなる操作のスク
リーニングにおいても、遺伝子発現の非特異的阻害剤を制御するため、非ジャイ
レース依存性プロモーター断片をコードする第2のリポーター遺伝子を含めるこ
とが好ましい。または、培養物の増殖を、例えば光学濃度の測定および培養物増
殖に対する非特異的効果について補正をおこなうことによって追跡することが可
能であろう。原則として、リポーターに融合させ、そして例えばgyrA産物を枯渇
させた場合に、発現の低下で応答するであろうDNA配列をランダムなコレクショ
ン中に見いだすことが時々可能であるかもしれない。そのようなリポーターは、
DNAジャイレースの阻害剤のためのアッセイの特異性を増大させる可能性が非常
に高い制御リポーターを提供するであろう。
【0065】 上記の一般的な戦略は他の生物にも適用可能である。酵母遺伝学は、酵母を用
いることを可能にするほど十分平易であるに相違ない。これは、特定の真核生物
機能(少なくとも酵母において維持されている機能)を阻害する化合物を同定す
る可能性を開く。最初に酵母菌株の内因性遺伝子をそれに相当するヒト遺伝子と
置換して、スクリーニングを一層直接的かつ特異的にすることが可能である。
【0066】実施例1 枯草菌のgyrA遺伝子のN末端コード領域を含有するプラスミド(pAT1)を枯草菌
中に形質転換し、菌株2842を作製する。この菌株において、上記プラスミドは相
同組換えにより染色体中に組み込まれており、gyrA遺伝子の部分的重複をもたら
す。残存するgyrAの機能性コピーは抑制性Pspacプロモーターの制御下に置かれ
たので、増殖しつつある培養物からのIPTGの除去は細胞からのGyrAタンパク質の
枯渇をもたらす。Pspacプロモーターの抑制を向上させるために、第2の、自律
複製プラスミド(p65)もまた導入し、lacIリプレッサー遺伝子の複数コピーを提
供した(菌株2844をもたらした)。GyrAは必須DNAジャイレースタンパク質の1つ
のサブユニットである。したがって、IPTGの不存在下では培養物の増殖は強く損
なわれる(図1A)。プラスミドpAT1の組み込みはまた、lacZリポーター遺伝子
をgyrAの天然のプロモーターの制御下に置く。このリポーターの発現レベルは、
IPTGが存在しつづける対照培養物と比較して、IPTGの不存在下において増大し(
図1B)、該プロモーターが負のフィードバック調節に支配されていることを示
した。GyrAタンパク質の利用可能性の減少は、gyrAプロモーターからの転写の増
大をもたらす。
【0067】 原則として、菌株2842および2844はDNAジャイレースの阻害剤を検出する手段
を提供する。なぜなら、そのような化合物を用いてこれらの細胞を処理すると、
lacZリポーター遺伝子の相対的発現の増大を同様に誘導するに相違ないからであ
る。これを実証するため、菌株2844をIPTGの存在下で増殖させ、一連の濃度のナ
リジクス酸(DNAジャイレースの公知の阻害剤)で処理した。図2に示すように
、ナリジクス酸の濃度が2μg/mlから16μg/mlの範囲でβ-ガラクトシダーゼ(gy
rA-lacZリポーター遺伝子によってコードされる)の比活性は未処理細胞におけ
る比活性の約3倍まで増大した。
【0068】 上記アッセイ菌株はDNAジャイレースに対する活性について化合物をハイスル
ープットフォーマットでスクリーニングするのに用いうることを示すため、菌株
2844の培養物由来のサンプルを、一連の公知の作用機序を有する一連の抗生物質
を予め添加した96ウエルマイクロタイタープレートのウエルに導入した。各抗生
物質は2倍希釈物シリーズの形で添加した。2時間増殖させた後、β-ガラクトシ
ダーゼ比活性を測定し、培養物の光学濃度(OD600)を用いて抗生物質作用による
細胞増殖の減少について補正を行なった。図3A、BおよびCは、ウエル番号に
対する活性をプロットしたものである。ウエル1における抗生物質濃度はμg/ml
で表わすと以下の通りである。図3A:ポリミキシン:256、プロフラビン: 165
、トリメトプリム:128、バンコマイシン:8、ナリジクス酸:128;図3B:アンピ
シリン:128、カルベニシリン:1024、クロラムフェニコール:128、ナリジクス酸:
128、リファンピシン:64;図3C:バシトラシン:1024、クロルヘキサジン:128
、モネンシン:128、ノボビオシン:128、ホスホマイシン:750。次に、ウエル2-12
は2倍希釈物シリーズを順に追っている。図3A、BおよびCに示すように、ナ
リジクス酸およびノボビオシンの両者はアッセイプレート中でgyrAプロモーター
からの発現を刺激した。他方、クロラムフェニコール、カナマイシン、リファン
ピシン、カルベニシリン、ポリミキシンBおよびバンコマイシンは未処理対照細
胞よりも有意に高い比活性を示すことはなかった。興味深いことに、DNA代謝の
他の側面に影響を及ぼすプロフラビンおよびトリメトプリムもまた、このアッセ
イにおいて陽性と記録された。本発明者は、アッセイ菌株を用いて開発されたフ
ィードバック調節は、DNAジャイレースの阻害剤および恐らくDNA複製マシナリー
の他の面に作用する化合物を同定するのに有用であると結論する。
【0069】追加参照文献 Menzel, R. & Gellert, M. (1983) Regulation of the genes for E. coli DN
A gyrase: homeostatic control of DNA supercoiling. Cell 34, 105-113.「大
腸菌DNAジャイレース遺伝子の調節:DNA超コイルの恒常的制御」 Yansura, D.G. Henner, D.J. (1984) Use of the Escherichia coli lac repr
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プロテオームおよびプロテオミクス:新技術、新概念、新用語」
【図面の簡単な説明】
【図1】 IPTGの存在下、不存在下における培養物の増殖(A)およびβ―
ガラクトシダーゼ比活性(B)を表す図である。
【図2】 ナリジクス酸処理した場合のβ―ガラクトシダーゼ比活性を表す
図である。
【図3】 抗生物質処理した場合のβ―ガラクトシダーゼ比活性を表す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 (C12Q 1/04 //(C12Q 1/04 C12R 1:125) C12R 1:125) C12N 15/00 A (72)発明者 エリングトン,ジェフェリー イギリス国 オーエックス1 3アールイ ー オックスフォード,サウス パークス ロード,ユニバーシティ オブオックス フォード,ケミカル パソロジー ユニッ ト,サー ウィリアム ダン スクール オブ パソロジー Fターム(参考) 4B024 AA11 BA10 BA80 CA04 DA07 EA04 FA02 FA10 GA11 GA19 HA11 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ06 QQ13 QQ20 QQ42 QQ52 QQ79 QR32 QR38 QR56 QR60 QR68 QR75 QR80 QR84 QS05 QS14 QS24 QS28 QS34 QS38 QX01 4C084 AA17 AA27 MA23 MA35 MA43 MA52 MA55 MA66 ZB352

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細菌必須タンパク質のモジュレーターを同定する方法であっ
    て、以下のステップ: i) 該必須タンパク質を発現し、かつ機能しうる形でリポーター遺伝子に連結さ
    れた調節配列を含むポリヌクレオチド構築物を有する細菌宿主細胞を用意し、こ
    こで該調節配列は該必須タンパク質の合成または活性における変化に応答するフ
    ィードバック機構に関連しており; ii) 被験物質を該宿主細胞と接触させ;そして iii) 該リポーター遺伝子の発現をモニターし、それによって該被験物質が該必
    須タンパク質の合成または活性をモジュレートするか否かを決定する; を含んでなる該方法。
  2. 【請求項2】 前記必須タンパク質が細胞壁合成、テイコ酸合成、DNA複製
    、RNA合成、細胞分裂、染色体分離、翻訳または脂質合成に関与している、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記必須タンパク質の抑制が前記リポーター遺伝子の前記調
    節配列からの発現をアップレギュレーションする、請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記調節配列が前記必須タンパク質をコードする遺伝子のプ
    ロモーターの活性を有し、そして該必須タンパク質の抑制がそのプロモーターか
    らの発現をアップレギュレーションする、請求項1、2または3のいずれか1項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記調節配列が、前記必須タンパク質をコードしないが該必
    須タンパク質の合成または活性における変化に応答して前記フィードバック機構
    によりアップレギュレーションされる遺伝子のプロモーターの活性を有する、請
    求項1、2または3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記リポーター遺伝子が前記必須タンパク質の合成または活
    性における変化に応答してアップレギュレーションされる遺伝子を含み、そして
    前記ステップ(iii)が被験物質の存在下または不存在下における該遺伝子の示差
    的発現をモニターすることを含む、上記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記細菌細胞が第2リポーター遺伝子と機能しうる形で連結
    されたプロモーターを含む第2ポリヌクレオチド構築物を備えている上記請求項
    のいずれかに記載の方法であって、該第2リポーター遺伝子の発現をモニターす
    ることをさらに含む該方法。
  8. 【請求項8】 被験物質が前記必須タンパク質を特異的に抑制するか否かを
    決定することを含む、上記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記請求項のいずれか1項に記載の方法によって同定しうる
    、細菌必須タンパク質の阻害剤。
  10. 【請求項10】 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法によって同定
    された、細菌必須タンパク質の阻害剤。
  11. 【請求項11】 ヒトまたは動物の身体を治療する方法に使用するための、
    請求項9または10に記載の阻害剤。
  12. 【請求項12】 抗生物質として使用するための、請求項11に記載の阻害
    剤。
  13. 【請求項13】 請求項9、10または11のいずれか1項に記載の阻害剤
    および製薬上許容される担体を含んでなる医薬組成物。
  14. 【請求項14】 細菌必須タンパク質の合成または活性の変化に関するフィ
    ードバック機構によって影響を受ける調節配列を同定する方法であって、以下の
    ステップ: i) 候補調節配列の制御下にあるリポーター遺伝子を有する細菌細胞を用意し;
    ii) 該生物中で発現される標的必須タンパク質を選択し; iii) 該必須タンパク質の合成または活性を変化させ; iv) 該リポーター遺伝子の発現をモニターし;そして v) それによって該候補調節配列が該必須タンパク質の合成または活性の変化に
    応答するフィードバック機構によって影響を受けるか否かを決定する; を含んでなる該方法。
  15. 【請求項15】 フィードバック機構または必須細菌タンパク質の合成もし
    くは活性の変化によってその活性が影響を受ける調節配列を同定する方法であっ
    て、以下のステップ: (a) 該必須タンパク質の正常な及び変化した合成または活性の存在下における細
    菌宿主中の細菌遺伝子の発現をモニターし; (b) 該必須タンパク質の正常な及び変化した合成または活性の存在下における示
    差的遺伝子発現を同定し;そして (c) それによって活性が該フィードバック機構によって影響を受ける調節配列を
    同定する; を含んでなる該方法。
  16. 【請求項16】 前記ステップ(b)が前記細菌細胞の遺伝子のヌクレオチド
    配列のアレイを用意し、前記生物の細胞からポリヌクレオチド物質を回収し、該
    ポリヌクレオチド物質を該アレイに添加し、そして該細菌核酸物質の該アレイと
    のハイブリダイゼーションをモニターすることを含む、請求項15に記載の方法
  17. 【請求項17】 前記ステップ(b)が前記細菌細胞からタンパク質を回収し
    、分離し、そして前記必須タンパク質の正常な及び変化した合成または活性の存
    在下におけるタンパク質濃度の変化をモニターすることを含む、請求項15に記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 前記調節配列が請求項14から17のいずれか1項に記載
    の方法によって同定される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
JP2000589729A 1998-12-22 1999-12-22 配列の同定方法 Withdrawn JP2002533095A (ja)

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