JP2002532210A - 超音波により癌および他の細胞増殖性疾病を阻止および治療する方法 - Google Patents

超音波により癌および他の細胞増殖性疾病を阻止および治療する方法

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JP2002532210A JP2000589247A JP2000589247A JP2002532210A JP 2002532210 A JP2002532210 A JP 2002532210A JP 2000589247 A JP2000589247 A JP 2000589247A JP 2000589247 A JP2000589247 A JP 2000589247A JP 2002532210 A JP2002532210 A JP 2002532210A
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ウーリ ローゼンシャイン
エル アリー ローゼンザイン
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アンジオソニックス インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 前癌細胞、癌細胞および過剰増殖細胞に超音波エネルギーを作用させることによってアポトーシスを誘導する装置及び方法。本方法は、抗酸化剤および/またはホルモン療法、放射線療法、または化学療法のような従来の療法と組み合わせた、超音波エネルギーの使用を含み得る。超音波エネルギー源のための装置はトランスミッターおよび制御ユニットを含み得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1.発明の背景 本発明は一般に、疾病の阻止および治療のための装置および方法、特に哺乳動
物の身体内部の標的部位に超音波を作用させることによる疾病の阻止および/ま
たは治療のための装置および方法に関する。本発明は、超音波のエネルギーで標
的細胞内部にアポトーシスを誘導するまたは刺激することにより、癌および動脈
硬化症のような哺乳動物の細胞増殖性疾病を阻止または治療するための装置およ
び方法に関する。特に、本発明の装置および方法は癌および他の標的細胞におけ
る細胞死の刺激および/または細胞増殖の阻害に有用である。本発明の実施にお
いて、超音波エネルギーは増殖因子誘導アポトーシス抑制をアンタゴナイズし、
細胞障害性薬剤またはホルモン治療または放射線治療の前アポトーシス機能を増
強し、および/または抗酸化剤の前アポトーシス作用を刺激するために更に作用
させることができる。 癌は合衆国において第2の主要な死因であり、年間およそ450,000人の死因で
ある。癌は任意の正常組織に由来する異常細胞の数的増加、それらの異常細胞の
隣接する組織への浸潤、局所リンパ節への悪性細胞のリンパまたは血液性伝搬お
よび遠隔部位転移によって主として特徴づけられる。このように、正常な細胞の
増殖と死から癌への複雑な事象とストラテジー、浸潤および転移の洞察は治療ス
トラテジーを開発するために重要である。
【0002】 動脈硬化症の合併症は合衆国における全死亡の半分の原因であり、永久障害の
主要な原因である(Circulation 70:153A, 1984)。アテローム斑形成の主要な開
始因子は内膜における平滑筋の増殖である。標的細胞の異常増殖を含む他の状態
には血管性および線維性増殖疾病、網膜障害、皮膚炎または乾せん症が含まれる
。本明細書において「標的細胞」とは、前癌細胞、癌細胞、特異的増殖レセプタ
ーを有する細胞および種々の組織における周辺間質細胞が含まれるが、これらに
限定されない。増殖因子のレセプターには、上皮増殖因子(EGF)、形質転換増殖
因子(TGFαおよびβ)、神経増殖因子(NGF)、線維芽増殖因子(FGF)またはイン
シュリン様増殖因子(IGF IおよびII)または血小板由来増殖因子(PDGF)が含まれ
るが、これらに限定されない。 アポトーシスとは、細胞が広範囲の生理学的、生化学的および発生過程での刺
激下で死へプログラミングされるメカニズムである。癌という観点から見ると、
アポトーシスは発癌を抑制するメカニズムであり、抗腫瘍性治療の支配的な道筋
である。多数の癌細胞はそれらが有する多くの変異ゆえに正常なアポトーシスメ
カニズムを回避して自己破壊を防止する。従って、アポトーシスおよび他の監視
メカニズムを無力化することは癌細胞の悪性かつ転移性表現形質の発達が可能と
なるために基本的に重要なことである(Kerr,J.F.R.ら、1994, Cancer 73:2013;
および、Williams, G.T., 1991, Cell 65:1097)。 アポトーシスはまた、電離放射線照射、UV照射、熱、増殖因子欠乏、(腫瘍壊
死因子(TNF)αおよびインターフェロン(IFN)γのような)ある種のサイトカイン
、および多数の化学療法剤を含み、しかしこれらに限定されない、種々のストレ
スシグナルに対する重要な応答でもある(Fisher,D.E., 1994, Cell 78:539-542)
。しかしながら、アポトーシスを誘導するために現在使用されている療法で超音
波エネルギーの使用に関するものは一つもない。
【0003】 2.発明の概要 本発明により、超音波エネルギーを作用させることによる疾病の阻止および治
療のための装置および方法が提供される。この装置は身体内の部位に挿入される
プローブまたは身体内の部位に非侵襲的に超音波を合焦させるためのトランスデ
ューサーを備えていてよい。阻止および/または治療方法は、アポトーシスまた
はプロブラム細胞死を誘導し、それによって種々の疾病または症状を阻止および
/または治療し、種々の利益をもたらし得る。 本発明は、哺乳動物の種々の組織および器官において前癌細胞のアポトーシス
またはプロブラムされた細胞死を誘導する超音波エネルギーを作用させることに
より癌を阻止する方法を提供することができる。本方法は、前癌細胞を効果的な
量の超音波エネルギーに曝し、その前癌細胞にプログラム細胞死を誘導すること
を含み得る。
【0004】 本発明はまた、癌細胞をその癌細胞にアポトーシスを誘導するに効果的な量の
超音波エネルギーに曝すことによって、癌細胞のプログラム細胞死またはアポト
ーシスと関連した癌治療のための治療方法を提供することができる。 本発明により、一次癌病巣の外科的除去に続く癌の阻止および治療のためのシ
ステムも提供される。そのシステムには、残っている前癌細胞または癌細胞にア
ポトーシスを誘導するに効果的な量の超音波エネルギーを一次癌病巣の除去領域
に伝達するためのトランスミッターに結合した超音波エネルギー源とが含まれる
【0005】 本発明のさらなる特徴によれば、ビタミンE、N-アセチルシステイン、グルタ
チオン、ビタミンC、システイン、メチオニン、2-メルカプトエタノールおよび
/または光感作性分子のような抗酸化剤の効果量の投与を含む、抗酸化剤療法と
共に超音波エネルギーを作用させることによる癌細胞にアポトーシスを誘導する
方法が提供される。 さらに本発明の別の特徴により、放射線治療、ホルモン療法または1以上の細
胞障害性薬剤を含む従来の治療レジュメンと組み合わせて超音波エネルギーを作
用させることを含む、前癌細胞または癌細胞にアポトーシスを誘導する方法が提
供される。 本発明のさらなる特徴により、増殖因子レセプターを有する癌細胞、支持間質
細胞および関連する転移性細胞のアポトーシスを、それらの細胞にアポトーシス
を誘導するに効果的な量の超音波エネルギーを伝達することによりアポトーシス
を誘導する装置および方法が提供される。
【0006】 本発明はまた、異常増殖している細胞、例えば、動脈硬化、血管および繊維性
増殖疾病、網膜障害、皮膚炎、または乾癬症を含む状態にある細胞に、超音波を
単独または、ビタミンE、N-アセチルシステイン、還元型グルタチオン、ビタミ
ンC、システイン、メチオニン、2-メルカプトエタノールまたは光感作性分子を
含む1以上の抗酸化剤の効果的量と組み合わせて作用させることによりアポトー
シスを誘導するための装置及び方法が提供される。 本発明により、前癌細胞、癌細胞または他の標的細胞にアポトーシスを誘導す
るためのシステムが提供される。このシステムには、超音波エネルギーを細胞に
伝達するトランスミッターに接続した超音波エネルギー源、および、血管に伝達
される超音波エネルギーの量を細胞のアポトーシス装置を動かすために効果的な
量に制御するための制御ユニットを含んでいる。 本発明は超音波エネルギーがアポトーシスを誘導するために効果的であるとい
う予想外の発見に基づいている。
【0007】 本発明の目的は、機能的欠陥を示す老化細胞および/または組織にアポトーシ
スを誘導し、細胞および組織の更新を誘発するための方法を提供することである
。 本発明の目的はまた、前癌細胞および癌細胞にアポトーシスを誘導する方法を
提供することである。 本発明の別の目的は、一次癌病巣の外科的除去の後に腫瘍の再発を防止するた
めの治療方法を提供することである。 また本発明の目的は、EGF、TGF、NGF、FGF、IGF、PDGFを含むがこれらに限定
されない1以上の増殖因子を有する標的細胞にアポトーシスを誘導する方法を提
供することである。 また本発明の目的は、超音波エネルギーを単独で、または1以上抗酸化剤の効
果的量と組み合わせて用いて、異常増殖を起こしている細胞にアポトーシスを誘
導する方法を提供することである。
【0008】 本発明の更なる目的および利点は、一部は明白であり、一部は本明細書から明
らかとなるであろう。 本発明は、いくつかのステップを含み、そのようなステップの1以上のそれぞ
れの関連性、および構築の特徴を具体化した装置、そのようなステップを実施す
るために適合した要素の組み合わせおよび部品の配置は全ての以下の詳細な説明
中に例示され、発明の範囲は請求項に示される。
【0009】 4.発明の詳細な記載 本発明は一般に処理された細胞のアポトーシスを誘導するために効果的な超音
波エネルギーを用いて癌および他の増殖性疾病を阻止および治療するための新規
な装置および方法に関する。本発明の癌の阻止および治療方法は基本的に正常リ
ンパン細胞および癌性細胞のアポトーシスに対する超音波エネルギーの新たに発
見された効果に基づいている。本発明はまた、機能が欠損した老化細胞および/
または組織におけるアポトーシスを誘導し細胞および組織の更新を誘発するため
の方法を提供する。
【0010】 4.1 癌増殖および細胞死のメカニズム 癌は不適切な組織の蓄積の疾病である。この混乱は腫瘍組織塊が生命器官の機
能と妥協する場合に臨床的に最も顕著である。 化学療法細胞毒性薬剤は一般に正常細胞よりも悪性細胞を殺すまたは損傷する
ことに関してより効果的である。しかしながら、それらが正常細胞を損傷すると
いう事実はそれらの毒性の可能性を示すものである。現在使用されているほとん
ど全ての細胞障害性薬剤はDNA合成に干渉し、DNAおよびRNA合成の前駆体供給ま
たは有糸分裂に干渉する。いずれかの単一薬剤または薬剤の組合せ治療後の細胞
死メカニズムは複雑であり1以上のプロセスを含んでいるようである。そのよう
な細胞障害性薬剤はサイクリングしている細胞に対して最も効果的であり得る。 大部分の臨床的に検出可能な腫瘍はほとんど非サイクリング細胞から構成され
ているため、化学療法が必ずしも癌を根絶するのに効果的でないということは驚
くことではない。細胞障害性薬剤をある種の固形腫瘍の中心にある標的細胞へデ
リバリーできないことによって細胞障害性治療の有効性には限りがあった。しか
しながら、ある種の化学療法剤はBcl-2のようなアポトーシスのモジュレーター
と相互作用しアポトーシスを活性化する(Hannun, Y.A., 1997, J. Am. Soc. Hem
atol. 89:1845-1853)。アポトーシスを調節することが示されている化学療法剤
のいくつかには、エトポシド、VM26、mAMSA、デキサメタゾン、ビンクリスチン
、シス-プラチナ、シクロフォスファミド、アドリアマイシン、パクリタキセル
、5'-フルオロウラシル、5'-フルオロデオキシウリジン、カンプトセシン、ヒド
ロキシウレア、Ara-C、5-アザシチジン、窒素マスタード、メトトレキセート、
クロラムブシル、ブレオマイシン、BCNU、アクチノマイシンDまたはメルファラ
ンが含まれる。
【0011】 アポトーシスは大部分の細胞の一般的特性であり、ホメオスタシスおよび細胞
数を制御するための、一切の器官の形成と寿命の基本である。細胞の充分な生存
と圧倒的な増殖と拡大との間の充分なバランスをとることが大切である。このこ
とは悪性増殖を防ぐために特に重要であるが、病原体または他の刺激によって攻
撃され、自己反応性リンパ細胞を除去するための防御機構としての免疫細胞の拡
大を抑制することも重要である(Steller, H., 1995, Science 267:1445-1449)。 機能欠損を示す老化細胞および/または組織においては、アポトーシスは老化
した細胞をターンオーバーさせ、細胞機能および構造の更新を引き起こすために
有効なアプローチである。 癌の観点から見ると、アポトーシスあるいはプログラム細胞死は共に腫瘍の発
達を抑制するメカニズムであり抗癌療法における主要な筋道である。認められて
いる制御遺伝子クラス、例えばp53またはc-mycの研究によりアポトーシスは細胞
周期進行を必要としないがp53(Attardi L.D.ら、1996, EMBO J 15:3693-3701)お
よびc-myc(Packham, G.ら、1996, Oncogene 13:461-469)の両方の転写活性化に
よってシグナリングされることが示された。アポトーシスの2つの主要な内在性
制御因子が明らかにされている。例えば、特にDNAの損傷発生に応答して細胞死
の誘導因子として機能する野生型p53タンパク質(Lane, D.P., 1992, Nature 358
:15)、それと反対に重要な抗アポトーシス機能を有するBcl-2オンコジーン(Yang
, E.ら、1995, Cell 80:285)である。 アポトーシスは電離放射線照射、UV照射、熱、サイトカイン(TNFおよびIFNγ)
および化学療法剤を含む種々のシグナリングに対する重要な細胞応答である(Fis
her, D.E., 1994, Genes Der. 8: 2817-2830) 。
【0012】 4.1.1. DNA断片化 アポトーシスは細胞死の明確な形態的様式であり、細胞収縮、膜破壊および細
胞断片化に最終的につながるクロマチン凝縮によって特徴づけることができる。
アポトーシスの顕著な特徴はDNAを含む過染色核の形成とその核辺縁(nuclear ma
rgin)への再配分である。この辺縁化(marginalization)は、DNAを検出可能なオ
リゴヌクレオソームサイズの断片に消化する、死にかけている細胞中のCa2+/Mg 2+ 依存性エンドヌクレアーゼと相関している。断片の解析により、DNAの断片化
は段階的過程であって、断片化とロゼット間部位における断片化(300kbよりも
大きなDNA断片を生じさせる)、ループ間部位における断片化(約50kbの断片を
生じさせる)、および内部ヌクレオソーム部位における断片化(特徴的な200bp
断片を生じさせる)が含まれることが示された(Walker P.R.ら、1994, Biochem
. Cell Biol. 72:615-623)。 フローサイトメトリーによって、超音波エネルギーあるいは治療超音波(ULS)
が正常および白血病ヒトリンパ細胞にアポトーシスを誘導することが観察されて
いる。以下の第6節を参照のこと。
【0013】 4.2 アポトーシスおよび抗酸化剤 活性酸素スカベンジャー酵素スーパーオキシドムターゼおよびカタラーゼのよ
うな細胞の抗酸化剤防御メカニズムはアポトーシスを制御し得る(Buttke, M.T.
およびSandstrom, P.A., 1994, Immunol. Today 15:7-10)。例えば、プロトオ
ンコジーンBcl-2が抗酸化経路を介してアポトーシスを抑制するという証拠があ
る(Hockenberg, D.M.ら、1993, Cell 75:241-251)。しかしながら、他の実験
データはBcl-2がCaフラックスを変えることによってアポトーシスを阻害してい
るという考えを支持している。さらに、抗酸化剤N-アセチル-システインは血管
平滑筋細胞にアポトーシスを誘導する(M-Eリーらに与えられた米国特許、第5,5
71,523号、1996年11月5日発行)。従って、本発明はまた、超音波エネルギーお
よび抗酸化剤治療の組み合わせを用いて血管筋細胞、前癌細胞および癌細胞にア
ポトーシスを誘導する方法も含む。本発明の方法は、癌および他のBcl-2タンパ
ク質産物を過剰発現している細胞型に生存優位性を与えるBcl-2誘導抗アポトー
シス活性を阻害することに関する。適切な抗酸化剤には、N-アセチルシステイン
、ビタミンE、グルタチオン、ビタミンC、システイン、メチオニン、または2-
メルカプトエタノールが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】 抗酸化剤製剤あるいは抗酸化剤医薬組成物は静脈内、腹腔内、筋肉内、髄こう
内、経口的、局所的に、またはエアロゾルによって投与されてよい。製剤は種々
の形態で、例えば、固体(錠剤、丸剤、粉剤)、半固体および液体用量形態、懸
濁液、リポソーム、注射可能および輸液可能溶液で投与されることがある。製剤
は単位用量またはマルチ用量の密封容器であってもよい。本発明の方法は、癌、
動脈硬化症、血管および繊維増殖性疾病、網膜障害、皮膚炎、または乾癬を治療
する他の療法と組み合わせて使用されることがある。 経口投与のための患者薬量は使用する酸化剤によって変動するであろう。例え
ば、ビタミンEの成人用量は1日あたり200 I.U.から1000 I.U.の範囲であろう
【0015】 4.3 増殖因子 増殖因子の過剰発現は細胞死の抑制に繋がり、癌の治療において重要な意味を
有している。例えば、前立腺癌における上皮細胞の生長および増殖はEGF、TGF-
α、TGF-β、NGFおよびFGFによって影響を受ける。これらの増殖因子の過剰発現
はDNA断片化およびアポトーシスメカニズムを妨げる(Chung, L.W.ら、1992、J.
Cell Biochem. Supplm. 16H:99-105)。本発明の方法は、超音波エネルギーによ
って増殖因子レセプターを有する前癌細胞および癌細胞、および支持間質細胞の
アポトーシスを誘導する。
【0016】 4.4 標的癌 本発明の超音波治療によって阻止および/または治療し得る癌には、ヒト肉腫
および癌腫、例えば、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、繊維肉腫、粘
液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、軟骨腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ肉
腫、リンパ内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑液膜腫、中皮腫、ユー
イング腫、平滑筋肉腫、胎児型性横紋筋肉腫、へん平上皮癌、基底細胞癌、腺癌
、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄質癌、気管支癌、腎細胞癌
、肝細胞癌、胆道癌、絨毛膜癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚
癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽
細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、
乏突起細胞腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫;白血病、例えば
、急性リンパ白血病および急性骨髄性白血病(骨髄芽細胞性白血病、骨髄球細胞
性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病);慢性白血病(慢
性骨髄球(顆粒球)白血病および慢性リンパ球性白血病);および、真正赤血球
増加症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ワルデン
シュトレームマクログロブリン血症、および重鎖病が含まれるが、これらに限定
されない。このような癌の特定の例は以下の節で記載される。 上述した超音波エネルギーまたは超音波治療の作用の起こり得るメカニズムは
本発明の範囲を限定することを目的としたものではなく、純粋に説明および/ま
たは例示目的で提示されているものである。
【0017】 4.4.1 前立腺癌 本発明は、超音波治療単独および従来の治療、例えば、原発癌の外科的除去、
放射線治療、ホルモン療法、または化学療法と組み合わせた超音波治療プロトコ
ルによって説明される。 前立腺癌の治療について決定を下す際に、臨床医は患者の年齢および一般的な
健康状態、臨床的状態および癌の組織学的等級、生活の質(quality of life)に
関する要因を考慮する。細胞障害性化学療法は前立腺癌の治療にはたいてい効果
がない。従って、改善された前立腺癌治療に対する強い要求が存在する。 本発明は、超音波療法単独または、従来の療法、例えば、放射線療法、ホルモ
ン療法、または化学療法との組み合わせで患者の腫瘍のアポトーシスを誘導し、
その増殖を阻害することを含む前立腺癌の阻止および治療方法を提供する。従来
の治療法が超音波療法と共に施される場合に、当業者に知られた用量範囲および
プロトコルに従って施される。治療レジメンは術前、すなわち腫瘍にin situで
行なわれるか、または術後に一次癌病巣の外科的除去の後にその腫瘍領域に行な
われる。 本発明の方法の特に重要な特徴は、細胞のアポトーシスメカニズムを起動する
ことによって癌および他の増殖性疾病を阻止および治療をすることにある。アポ
トーシスを誘導するための超音波の治療的使用はこれまで使用も提案もされてい
ない。以下の非限定的実施例は本発明に従ったある種の治療方法を例示するもの
である。
【0018】 4.5 超音波治療 4.5.1 侵襲的超音波治療 侵襲的超音波装置は図4の態様に示した以下の要素を備え得る。出力発生装置
20は超音波エネルギーを発生するために必要な充分な電気的エネルギーを備えた
アポトーシス誘導システムを供給する。ハンドピース40内の超音波トランスデュ
ーサー30は電気エネルギーを超音波エネルギーに変換する圧電素子(示していな
い)を備えている。超音波伝達ワイヤー50はその基部でトランスデューサーに接
続されており、超音波チップ60をその他端に備えている。超音波エネルギーは伝
達ワイヤー50の長軸方向の振動に従って伝達され、それにより超音波エネルギー
を患者の動脈系(示していない)へ向かわせることができる。 使用する超音波エネルギーの周波数レベルはin vitro、in vivoおよびヒト前
癌細胞、癌細胞および標的細胞の研究では1kHzから3kHz、典型的には2kHzで
あり、in situ癌研究では15 kHzから250kHz、典型的には45kHzである。 出力は出力発生装置20によって供給される。腫瘍細胞照射は例えば出力約20で
行なわれる。腫瘍細胞は、例えば、in vivoで約20±2W、ヒトでは約12.0±0.9
Wで照射される。システム出力は、超音波チップ60(大きさ、初期研究では150±
25μm、細胞への応用には10-15μm)の長軸方向変位量に変換される。 正確な操作パラメータは使用される個別の超音波システムおよび標的組織に依
存して決定される。
【0019】 4.5.2 非侵襲的超音波治療 非侵襲的超音波技術は人の身体の外部にある超音波源からの超音波エネルギー
を、白血病化している白血病性血液細胞のような特異的な外部部位に伝達する、
あるいは、身体内部の部位に伝達することを可能とする。治療のエネルギー強度
レベルは治療部位に一過性の音響キャビテーションを生じさせるために充分に高
くなければならない。 この点でのいかなるリスクをも除去するために、エネルギーはその標的位置の
みに集中するように治療領域に伝達されるのが好ましい。経路途中では合焦され
ていないため、最小限の熱のみが発生し、リスクは殆ど伴わない。連続波ULSま
たはパルス波ULSのいずれも使用することができる。超音波エネルギーの強度は
固形腫瘍のような標的組織の中心部へ化学療法剤が伝達されるのを促進するほど
に充分に高くなければならない。
【0020】 本装置は、専用の治療用超音波プローブを付け加えることにより、超音波画像
診断システムと共存可能に製造することができる。その統合システムはイメージ
ングプローブおよび治療プローブの両方として作用することができ、それによっ
て超音波撮像下で選択した標的へ治療に必要なエネルギーを伝達することができ
る。ソフトウエアパッケージは標的に映像化を支援する能力を付加し、標的への
治療エネルギー伝達を作動させることができる。 この装置の操作および取り扱いも超音波画像診断システムと類似しているが、
非侵襲的治療超音波伝達の作動が加わっている。 本発明による癌または細胞増殖性疾病の阻止および/または治療のためのシス
テムは、治療用超音波プローブ、好ましくは治療および画像化能を有する治療用
超音波プローブを備えていることが好ましい。治療用超音波素子は超音波合焦の
ためのいかなる方法に基づいていてもよい(例えば、幾何学的配列、輪状配列、
整相配列)。このシステムはまた典型的には超音波エネルギー出力を制御するた
めの制御ユニットも含むであろう。更に、このシステムは好ましくはモニター、
通常の画像モニターに類似したモニターを備え、より好ましくはソフトウエアお
よびハードウエアと共に統合された画像化および治療ドランスデューサーの操作
に適したものである。
【0021】 4.6 実施例:正常リンパ細胞および白血病リンパ細胞、および実験的白血病 における超音波処理の応用 アポトーシス誘導に関する治療用超音波の効果を正常ヒトリンパ細胞および白
血病ヒトリンパ細胞、およびHL-60、急性骨髄球ヒト白血病細胞株で調べた。末
梢血単核細胞を健康な成人ドナーおよび慢性リンパ性白血病(CLL)患者から入手
した。 血液単核細胞(MNC)をフィコールパック勾配(D=1.077)上の密度勾配遠心によっ
て単離した。MNC層をフィコールパック血漿中間層から集め、リン酸緩衝血清(PB
S)で洗浄し、ペレット化し、10%ウシ胎仔血清(FCS)を含むRPMI-1640中に懸濁し
た。MNCは125μg/mlのフィトヘマグルチニン(PHA)によって、細胞を10%FCS含む
RPMI-1640培地で37℃、10%CO2を含む給湿大気中で種々の時間間隔(48時間および
72時間)培養することによって活性化した。PHA感作細胞をRPMI-1640培地で2回洗
浄し、適当な濃度で懸濁した。
【0022】 血液MNCおよびHL-60白血病細胞を以下のように超音波エネルギー処理した
: 10%FCSを含む5mlのRPMI-1640中の2.5x106個を16x125mm培養チューブ中(Cor
ning-Staffordshire, UK)で懸濁した。次に、MNCを、共振長90mmの垂直懸架式の
薄チタニウムプローブ(直径2mm)からなり20kHzの周波数で種々の出力レベル
で共振するソニケーターを用いて超音波エネルギーに曝した。ソニケーションの
間にエアロゾルが形成されるのを防ぐため、液体のメニスカスがプローブの超音
波伝達部材ワイヤーと変位ノードにて接触するようにプローブの浸漬深度を調製
した。 更に、HL-60白血病骨髄球細胞懸濁液の温度に対する超音波処理の影響を、0.5
、1.0、1.5および3.0ワットを5、15または30秒間使用して調べた。温度は試験
管内に設置した熱電対を用いて測定した。
【0023】 超音波エネルギーに曝した血液MNCおよびHL-60細胞の生存率はトリバンブルー
排除法によってテストした。MNCのアリコートを取り出し、細胞懸濁液に色素(
リン酸緩衝生理食塩水、PBS中0.4%)を添加した。色素の取込の程度が細胞損傷
の指標となる。生存細胞を血球計算盤で計測した。各実験はソニケーション後の
所定数の生存細胞で行なった。対照は同数のソニケーションしない細胞とした。 治療超音波のLD50は、20kHz周波数にて、血液MNCについては1.5ワットを15秒
間、HL-60細胞については1.5ワット10秒間または0.5ワット30秒間であった。こ
の用量を全ての実験に使用した。また、この用量は最少効果用量と考えることが
できる。 HL-60細胞懸濁液に対する種々のレベルの超音波エネルギーの結果は表1に示
した。使用した出力(0.5から3.0ワット)および時間間隔(5,15、30秒間)内
では、熱電対で測定した場合にHL-60細胞懸濁液の温度に有意な差はなかった。
これらの結果は、生物学的細胞系における超音波治療の安全性を示す。
【0024】
【表1】 表1.HL-60細胞懸濁液の温度(℃)に対する超音波処理の影響
【0025】 アポトーシスに対する超音波処理の効果をフローサイトメトリーで解析し、ア
ポトーシスの結果としてのMNCおよびHL-60細胞の光散乱特性の変化をモニターし
た。 Vermes(Vermes, I., 1995, J. Immunol. Methods 184:34-51)およびFadok(F
adok, V.A., 1992, J. Immunol. 143:2207)によって既述されたようにフルオレ
セイン標識Annexin Vおよびヨウ化プロピジウムを用いた初期アポトーシス細胞
を検出するためのアッセイによって、細胞膜の健全性をアッセイした。細胞膜の
変化の一つは、細胞膜の内部から細胞の外部表面の外層へのホスファチジルセリ
ン(PS)の転移である。Annexin VはPSに対して高いアフィニティーを有し、細胞
膜上に露出したPSに対する高感度のプローブとして作用し、アポトーシスの初期
段階の測定基準を与える。 超音波処理48時間後における正常リンパ球アポトーシスの明白な証拠が存在し
た。未処理対照細胞の14%が初期アポトーシスを示したのに対して、超音波処理
後に初期アポトーシス段階にあった血液全MNCのパーセンテージは39%であった
(Annexin V*/PI-)(図1)。初期アポトーシス状態における小および大血液M
NC細胞数のパーセンテージは(図1、それぞれゲートG:A、ゲートG:B)、未処理
対照細胞におけるパーセンテージ(それぞれ、20%および8%)よりも高かった
(それぞれ51%および20%)。しかしながら、超音波処理24時間後には超音波処
理および未処理細胞の間で有意な差は無かった。
【0026】 アポトーシス細胞を検出するための第2の方法は文献記載の(Vermes, I., 19
95, J. Immunol. Methods 184:34-51;Fadok, V.A., 1992, J. Immunol. 148:22
07 ; McCloskey, T.W.ら、1994, Clin. Immunol. Immunopathol. 71:14-18;お
よび、Nicoletti, I. ら、1991, J. Immunol. 139:271)常法に従ってDNA特異的
蛍光色素ヨウ化プロピウムで染色後、細胞DNAプロファイルにおけるサブ-G0ピー
ク(A0)の存在を測定することによる。アポトーシス細胞はヨウ化プロピジウム染
色後、G0/G1ピークの下に細胞DNAプロファイルの存在を示す。 アポトーシス細胞中の分解DNAを示す亜2倍体細胞(A0細胞)集団は、PHA-活性
化正常血液MNCにおいて72時間の培養後に対照未処理細胞よりも2.1倍高かった(
図2a)。CLL患者の血液MNCは、超音波処理48時間および8時間後に、対照に比較
してアポトーシス細胞数が増加したサブG0ピークを示した(図2bおよび2c)。HL
-60白血病細胞は超音波処理90分後に、対照よりも3.2倍高いサブG0ピークを示し
た(図2d)。
【0027】 アポトーシスを研究する第3の方法は、メイ-グリュンヴァルト−ギムザ染色
後に細胞の形態的変化をモニターすることである。アポトーシスの際の形態的変
化には、しばしば凹形をとる各クロマチンの凝縮、および、光吸収性色素で強い
過染色性を示す凝縮(ピクノティック(picnotic))クロマチン中のDNAが含まれ
る。 図3a、3bおよび3cは、PHA-活性化超音波処理後72時間培養のMNC(図3a)、超
音波処理後48時間培養のCLL MNC(図3b)および食作用を受けたアポトーシス細
胞(図3c)における、核クロマチンの凝縮および核断片化(矢印で示した)を含
む、アポトーシスを起こしているMNCの形態的変化を示している。 このように、治療超音波エネルギーは、超音波処理48時間後に正常血液単核細
胞初期アポトーシス(Annexin V+/PI-細胞によって示される)を誘導し、後期ア
ポトーシス(Annexin V+/PI+細胞によって示される)を誘導した。超音波処理72
時間後に、PHA-活性化MNCおよびCLL MNC細胞は分解DNAを有し、アポトーシスに
特徴的な形態を示す。これらのデータは本発明による超音波治療が前癌細胞、癌
細胞および標的細胞にアポトーシスまたはプログラム細胞死を誘導することに効
果的であるという予想外の利点を示すものである。
【0028】 本発明は実施例中で開示された実施態様の範囲に限定されるものではない。実施
例は本発明の一つの側面を例示することを意図しており機能的に等価ないかなる
方法も本発明の範囲内である。実際、本明細書に記載されたものに加えて種々の
改変は前述の記載から当業者には明らかとなるであろう。そのような改変は添付
の請求の範囲内に入ると解される。 種々の刊行物が本明細書で引用されているが、それらの開示は引用により本明
細書に含まれるものとする。 従って、上述したものは、前述の記載から明らかにされた中でも、効果的に達
成されるものであり、上述の方法を実施するに際し、および、上述の構成におい
て本発明の精神および範囲を逸脱することなく幾つかの変更を行なうことができ
るため、上記の記載に含まれる事項および添付の図面に示された事項は例示的な
ものであって限定を意図していないことは理解できるであろう。 以下の請求の範囲は本明細書に記載した本発明の一般的な特徴および特定の特
徴の全てをカバーすべく意図したものであり、本発明の範囲の全ての記載はそれ
らの間に入ると言えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は対照と超音波エネルギー処理後の大および小リンパ球集団
中の、Annexin V-FITC およびヨウ化プロピジウム(PI)で染色後の正常ヒト末梢
血単核細胞(MNC)の側方散乱(side scatter)対前方散乱(forward scatter)を示し
た図である。右下の象限(4)はAnnexin V-FITC陽性かつPI結合陰性の初期アポ
トーシス細胞を表す。右上の象限(2)はAnnexin V-FITC結合陽性かつPI取り込
み陽性の非−生育、後期アポトーシス細胞または壊死細胞を含む。各パネルの左
下の象限はAnnexin V-FITCおよびPI染色陰性の生細胞を示す。
【図2】 図2a、2b、2cおよび2dは、それぞれ対照および超音波エネルギー
処理PHA-活性化リンパ細胞(72時間後)、慢性リンパ性白血病(CLL)患者から採
取したリンパ細胞(48時間後)、CLLにかかった患者のリンパ細胞(8時間後)
およびHL-60骨髄球細胞(90分後)における、サブ-G0ピーク(A0)としてのアポトー
シス細胞を表す散乱ダイアグラム (scattergram)である。
【図3】 図3a、3bおよび3cはそれぞれPHA-活性化MNC、CLL患者のリンパ球
の超音波処理後72時間および48時間の形態を示したものである。核クロマチンは
メイ−グリュンヴァルトギムザ染色を用いて示した。
【図4】 図4は本システムの一つの実施態様に従った侵襲的超音波装置の
模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/02 A61P 35/00 35/00 43/00 101 43/00 101 105 105 121 121 125 125 A61B 17/36 330 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C060 JJ11 MM24 4C084 AA11 AA17 AA20 NA05 NA14 ZA332 ZA452 ZA892 ZB212 ZB262 ZC542

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 老化細胞領域または前癌細胞領域を有する個体の癌の発達を
    阻止する方法であって、老化細胞領域または前癌細胞領域にアポトーシスを誘導
    するために充分な用量で超音波エネルギーの効果的量を前記老化細胞領域または
    前記前癌細胞領域に作用させることを含む前記方法。
  2. 【請求項2】 供給する超音波エネルギーの用量が少なくとも22.5ワット/
    秒よりも高く、かつ、血液のキャビテーション閾値よりも高い、請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 供給される超音波エネルギーが約1kHzから約3MHzの範囲の
    周波数を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 供給される超音波エネルギーが約15kHzから約250kHzの範囲
    の周波数を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 身体の部分に癌細胞を有する個体に対して、前記癌細胞にア
    ポトーシスを誘導するために効果的な量の超音波エネルギーを前記癌領域に作用
    させることを含む、個体の癌を治療する方法。
  6. 【請求項6】 供給する超音波エネルギーの用量が少なくとも22.5ワット/
    秒よりも高く、かつ、血液のキャビテーション閾値よりも高い、請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 供給される超音波エネルギーが約1kHzから約3MHzの範囲の
    周波数を有する、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 供給される超音波エネルギーが約15kHzから約250kHzの範囲
    の周波数を有する、請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 癌の外科的除去後に、前記癌の領域に超音波を作用させる、
    請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 抗酸化剤を投与することを含む、請求項5に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ビタミンE、N-アセチルシステイン、グルタチオン、ビタ
    ミンC、システイン、メチオニン、2-メルカプトエタノールおよび光感作分子か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種の抗酸化剤の効果的量を投与することを含
    む、請求項5に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ホルモン療法の効果的量を施すことを含む、請求項5に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 放射線療法の効果的量を施すことを含む、請求項5に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも1種の化学療法剤を投与することを含む、請求
    項5に記載の方法。
  15. 【請求項15】 標的への化学療法剤のデリバリーを促進するために効果的
    な量の超音波エネルギーを与えることを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 動脈硬化症を有する個体の動脈硬化を治療する方法であっ
    て、血管壁のアテローム斑領域の平滑筋細胞に、前記平滑筋細胞にアポトーシス
    を誘導するために効果的な量の超音波エネルギーを作用させることを含む前記方
    法。
  17. 【請求項17】 抗酸化剤を投与することを含む、請求項16に記載の方法
  18. 【請求項18】 ビタミンE、N-アセチルシステイン、グルタチオン、ビタ
    ミンC、システイン、メチオニン、2-メルカプトエタノールおよび光感作分子か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種の抗酸化剤を投与することを含む、請求項
    16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 増殖中の細胞領域に、前記細胞にアポトーシスを誘導する
    ために効果的な量の超音波エネルギーを作用させることを含む、細胞増殖性疾病
    を阻止または治療する方法。
  20. 【請求項20】 細胞増殖性疾病が、皮膚炎、乾癬、網膜障害、血管疾病お
    よび繊維疾病からなる群より選ばれる、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 増殖因子を発現している細胞に超音波エネルギーを作用さ
    せることを含む、前記細胞にアポトーシスを誘導する方法。
  22. 【請求項22】 増殖因子がEGF、TGF、NGF、FGF、IGFまたはPDGFからなる
    群より選ばれる、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 超音波エネルギーが、超音波エネルギーを供給する超音波
    エネルギー源、前記超音波エネルギーを老化細胞領域または前癌細胞領域へ伝達
    するためのトランスミッター、および、前記超音波エネルギー源を制御する制御
    ユニットによって供給される、前記超音波エネルギー源、前記トランスミッター
    および前記制御ユニットは前記超音波エネルギーを前記老化細胞領域または前記
    前癌細胞領域へ、前記領域中に存在する老化細胞または前癌細胞にアポトーシス
    を誘導するために効果的な量で超音波エネルギーを伝達するために構成され配置
    されている、請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 超音波エネルギーが、超音波エネルギーを供給する超音波
    エネルギー源、前記超音波エネルギーを癌細胞領域へ伝達するためのトランスミ
    ッター、および、前記超音波エネルギー源を制御する制御ユニットによって供給
    される、前記超音波エネルギー源、前記トランスミッターおよび前記制御ユニッ
    トは前記超音波エネルギーを前記癌細胞領域へ、前記領域中に存在する癌細胞に
    アポトーシスを誘導するために効果的な量で超音波エネルギーを伝達するために
    構成され配置されている、請求項1に記載の方法。
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