JP2002531410A - 抗臓器栄養効果をもつ単離物質 - Google Patents

抗臓器栄養効果をもつ単離物質

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Abstract

(57)【要約】 臓器重量を減らす能力を持つ物質を、雌哺乳動物からの卵巣静脈血を採集すること、この血液から卵巣静脈血漿を調製すること、および血漿から得た該物質を少なくともある程度精製することによって、単離した。この物質は、たとえば臓器または組織の肥大化の治療において、医療用途および他の用途を持っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般的に臓器重量を減らす単離物質およびその医療用途に関する。
【0002】 (背景技術) 哺乳動物の生殖腺は、エストロゲンおよびテストステロンなどの種々のホルモ
ン、ならびに全身にわたって効果を示す成長因子およびサイトカインなどの信号
となる分子を分泌する。組織および臓器の重量を調節する機構は、その全体をと
らえて『臓器栄養ステム organotrophic system』と呼ぶ
ことができる。このシステムへの内分泌物(ホルモン)の寄与には、視床下部−
下垂体−生殖腺軸、副腎、胸腺および他の内分泌腺組織が関与している。臓器栄
養システムにおいて一般的にプラスの効果をもつ内分泌腺物質の中には、エスト
ロゲンおよびテストステロンがある。エストロゲンの臓器栄養効果は、Hart
によって論じられている(Pharmac. Ther.(1990年)47巻
203〜218ページ)。
【0003】 Hart(Toxicology(1990年)61巻185〜194ページ
)は、エストロゲン拮抗剤クロミフェン(clomiphene)が雌ラットの
ほとんどの臓器の重量を減ずることを報告した。Hartは、クロミフェンが、
エストロゲンの知られている臓器栄養効果の拮抗剤として作用すると主張した。
【0004】 (発明の要約) 本発明は、身体中の多くの臓器および組織の大きさおよび重量を減らすことの
できる内生物質(本出願では「ミクリン(micrin)」と記載する)の発見
に基づく。ミクリンは、 (i)雌哺乳動物をクロミフェンのクエン酸塩で処理すること(この工程は任
意) (ii)該哺乳動物から卵巣の静脈血を採取すること (iii)工程(ii)で採取した血液から卵巣静脈血漿を調製すること、および (iv)その卵巣静脈血漿からミクリンを少なくともある程度精製すること からなる工程によって得ることができる。
【0005】 ミクリンは、クロミフェンによって誘発され、哺乳動物の体内にある臓器およ
び組織の重量を一般的に減らす効果をもつ内生物質であると定義することができ
る。ミクリンは、単一の化合物または一群の化合物であってよい。ミクリンは、
本出願に記載されているように血液から精製すると、10〜20キロダルトン(
kD)の範囲の見かけ分子量を持っているが、あたかも10〜20kDの辺りで
あるかのように振舞わせる物理化学的性質を持つ、もっと大きな、または小さな
部分である可能性もある。さらに、活性成分は、担体と(共有結合的に、または
さらに可能性が高いのは非共有結合的に)結合することを通して、または同定さ
れたミクリンの断片であることによって、もっと小さい分子からなっているか、
あるいは10〜20kD部分がもっと大きい物質の生化学的活性フラグメントで
ある可能性もある。
【0006】 理論的考察によって縛られることを願わないなら、このホルモンの別の出所も
考慮されるが、ミクリンは主として哺乳動物の生殖腺によって作られる新規に発
見されたホルモンであると信じられる。これは、臓器の大きさに対し広範囲にマ
イナスの効果を持つホルモンが発見された最初である。事実、本発明を除外する
と、本技術分野において技術的偏見があり、臓器の大きさには主にプラスの内分
泌的影響があると信じられた。つまり、臓器の縮小は、プラスの因子(たとえば
、下垂体栄養ホルモンのような因子)の欠如によって引き起こされると推定され
た。本発明は、通常臓器の大きさにマイナスに影響する(ただし、個々の臓器で
異なった応答をする)新規な物質(ミクリン)を導入する。
【0007】 ミクリンの作用のメカニズムは、まだ理解することができない。これには、細
胞の収縮、細胞分裂の阻害、およびアポトーシスの増強効果などの一つまたはそ
れ以上が含まれている可能性があるし、またはミクリンは、そのような効果をも
つ化合物と結合するのかもしれない。
【0008】 (発明の開示) 上に記載した4段階工程に関して、工程(iv)は、好ましくは、たとえば、膜
濾過によって、卵 巣静脈血漿から10〜30kD分子量のフラクションを得ることからなる。さら
に好ましくは、工程(iv)は、たとえばゲル濾過クロマトグラフィーによって、
卵巣静脈血漿から10〜20kD分 子量のフラクションを得ることからなる。もっとも好ましいのは、工程(iv)は
、さらに、イオン 交換クロマトグラフィーによってさらに精製し、0.1〜0.2M NaCl中
で溶出したフラクションを収集することからなる。工程は、下の実施例にくわし
く記載する。次のプロトコルおよびフローダイアグラムは、概要である。
【0009】 (プロトコル) 1.血漿は、+4℃および4000rpmで5分間遠心分離することにより、澄
明にする。 2.澄明にした血漿を2000rpmのアミコン セントリプレップ−30(A
micon Centriprep−30)カートリッジを通して回転させて、
見かけ上0〜30kDのフラクションを得る。 3.見かけ上0〜30kDのフラクションをアミコン セントリプレップ−10
(Amicon Centriprep−10)を通して回転させて、見かけ上
10〜30kDのサブフラクションを得る。 4.見かけ上10〜30kDのフラクションをファルマシア FPLC スーパ
ーデックス−75(Pharmacia FPLC Superdex−75)
カラムを通して、濃縮しかつゲル濾過して、見かけ上10〜20kDのサブフラ
クションを得る。 5.見かけ上10〜20kDのサブフラクションを繰返し濃縮し、緩衝液で希釈
し、ファルマシア FPLC モノ−Q(Pharmacia FPLC Mo
no−Q)イオン交換カラムに移し、0〜0.3M NaClの濃度勾配で溶出
する。溶出液は、0〜0.1M、0.1〜0.2Mおよび0.2〜0.3M N
aClイオン交換フラクションに分割する。
【0010】
【化1】
【0011】 必要ならば、または望むならば、さらに、標準的精製/分別工程を行ってもよ
い。これには、HPLC、FLPC、ゲル濾過、電気泳動、カラムクロマトグラ
フィー、イオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動、または免疫アフィニ
ティーカラムなどの物理化学的方法を使用することが含まれる。
【0012】 どの工程においてもミクリンの存在は、実施例3として下記するバイオアッセ
イによって確認することができる。ミクリンは、前述の工程によって得られたフ
ラクション以外のフラクションにも存在するかも知れないが、そのような他のフ
ラクション中の効果は一般的に低い。
【0013】 ミクリンを多く含む血漿は、ヒツジのような適当な哺乳動物から得られる。た
とえば、ヒツジ(約70kg)に、本明細書に記載されているように繁殖サイク
ルの発情後3日目にクロミフェンのクエン酸塩1.5g/日を投与する。ヒツジ
の年齢などの因子次第では、クロミフェン誘導は不必要であるかも知れない。
【0014】 たとえば上記の方法によって得られたミクリンは、少なくとも1単位/mLの比
活性を持っていることが望ましい。ミクリンの1単位は、毎日投与したとき、本
出願に記載するバイオアッセイを用いて、日毎の同一等用量を4日間投与したと
きに、雌ラットの心臓の相対的(全放血後)臓器重量を5%減少させるに足るミ
クリンの量と定義する。
【0015】 ミクリンは、医療に役立つ。特に、哺乳動物における臓器または組織の肥大お
よび/または過形成の治療に使用することができる。治療することのできる特定
症状には、たとえば、心臓または前立腺の肥大、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜
症、多嚢胞性腎疾患および下垂体線腫が含まれる。
【0016】 この目的には、ミクリンは、上述のように、抽出によって、またはさらに精製
して得られた形態で使用することができるし、あるいは薬剤として処方すること
ができる。したがって、本発明の他の側面によれば、薬剤組成には、ミクリンお
よび薬剤学的に許される賦形剤または担体が含まれる。好ましい薬剤組成は、た
とえば、注射液(好ましくは無菌性)のような腸管外投与に適している。ミクリ
ンをその目的に適切に処方することのできる他の適当な非注射剤的投与方法は、
経口および鼻腔経由である。
【0017】 適当な担体および賦形剤、ならびに他の適当な添加剤は、当業者には公知であ
る。たとえば、ミクリン溶液は、たとえば無菌濾過のような何らかの適当な方法
を用いて無菌形態で調製することができる。
【0018】 投与量は、当業者によって、典型的な因子に考慮して、決定される。適当な用
量は、約1単位/mLの比活性を持つミクリンの1〜25mL/日である。好ま
しい用量は、2.5〜10mL/日、特に5mL/日である。
【0019】 ミクリンは、新規な哺乳動物のミクリンホルモンシステムおよび/または臓器
栄養システムを開発するための実験道具として使用することもできる。ミクリン
は、たとえば、ここに記載するある程度精製したミクリンと作用剤または拮抗剤
の候補化合物を混合し、適当な対照と比較して、ここに記載するバイオアッセイ
において数値差を測定することによって、ミクリンの作用剤または拮抗剤をスク
リーンすることもできる。ミクリンは、ここに記載するバイオアッセイで検出で
きるようなミクリンホルモンシステムでの望ましくない毒物学的性質に対する候
補薬をスクリーンするために、およびより広い臓器栄養システムへの効果を検出
するために、臨床試験における代用マーカーとして使用することもできる。
【0020】 下記の実施例は、添付図面に関連しながら、本発明を例示する。図の中で、
【0021】 図1は、クロミフェンで処理していない卵巣摘出(“ovx”)ヒツジから得
た頚静脈血漿を対照とした、雌ラットにおけるクロミフェン処理ヒツジから得た
試験用卵巣静脈血漿(「活性血漿」)のバイオアッセイ(n=10)を示す。
【0022】 図2は、ovxヒツジ静脈血漿の10〜30kDフラクションを対照として、
雌ラットにおける活性血漿の10〜30kDフラクションのバイオアッセイ(n
=11)を示す。
【0023】 図3は、ovxヒツジ静脈血漿の10〜20kDのサブフラクションを対照(
n=5)として、雌ラットにおける活性血漿の10〜20kDサブフラクション
のバイオアッセイ(n=8)を示す。
【0024】 図4は、パイロジェンフリーの生理食塩水を対照(n=20)として、雌ラッ
トの活性血漿の10〜20kDのサブフラクションの0.1〜0.2M NaC
lイオン交換フラクション(「活性イオン交換フラクション」)のバイオアッセ
イ(n=5)を示す。
【0025】 図5は、ovxヒツジ静脈血漿の10〜20kDのサブフラクションの0.1
〜0.2M NaClイオン交換フラクションを対照として、雄ラットの活性血
漿イオン交換フラクションのバイオアッセイ(n=5)を示す。
【0026】 図中のデータは、次のようにして得られた。まず、試験ラットの平均相対(全
放血後)臓器重量を対照平均値に対するパーセンテージで表現した。100から
これらの数字を引いて、試験平均値と対照平均値間のパーセンテージの差を出し
、その結果を、対照値を示すゼロベースラインに対してプロットした。図中の*
印は、統計学的有意差を示す。すなわち、 *=p<0.05、**=p<0.02、***=p<0.01、 ****=p<0.002、*****=p<0.001。 統計学的分析には、スチューデントのt−検定を用いた。
【0027】 実施例1 ミクリンの調製 1.ヒツジ卵巣静脈血漿の単離 複産の非妊娠雌ヒツジを用いた。雌ヒツジは、発情期の初日(0日目)を知る
ために精管切除した雄ヒツジとともに小屋に入れた。発情後3日目に、クロミフ
ェンのクエン酸塩(Sigma Chemical Co.(Poole、英国
)のカタログ番号C6272)1.5g/日(パイロジェンフリーの温生理食塩
水で最終容量10mLに希釈した)を雌ヒツジに筋肉内注射した。クロミフェン
注射を、発情後4、5および6日後に繰り返した。発情後6日目に、ペントバル
ビタール(RMB Animal Health Ltd.(Dagenham
、英国)麻酔のもとで、Heapらの方法(J.Reprod.Fert.(1
985年)74巻645〜656ページ)にしたがって、ヒツジから卵巣静脈血
を採集し、凝固を防ぐためにヘパリン(1国際単位/血液1mL)(C.P.P
harmaceuticals Ltd.(Wrexham、英国))に入れた
。血液試料は、遠心分離するまで、ただちに氷の上に置いた。ついで、卵巣静脈
血を4℃、4000rpmで20分間遠心分離して、卵巣静脈血漿を得た。血漿
層を取り出し、それをプラスチック製ビンに入れて−10℃の冷凍機中に保存し
た。
【0028】 2.ヒツジ卵巣血漿からの見かけ上0〜30kD分子量のフラクションの調製 上の1で得た血漿を、+4℃、4000rpmで5分間遠心分離して、澄明に
した。ついで、澄明にした血漿フラクションを、見かけ上のカットオフサイズ3
0kDを持つ膜によって分離された同心の内側コンパートメントおよび外側コン
パートメントをもつ遠心分離装置である、アミコン セントリプレップ−30(
Amicon Centriprep−30)に注入した。装置を、+4℃、2
000rpmで2時間回転させた。内側コンパートメントに採集された濾液をピ
ペットで取り除き、さらに2時間遠心分離を継続した。この工程をさらに2回繰
返し、その後、内側コンパートメントを膜とともに交換した。遠心分離の連続操
作を繰返した。この方法によって、血漿フラクションから20mLの濾液、見か
け上0〜30kDのフラクションを得た。この見かけ上0〜30kDのフラクシ
ョンを−10℃でプラスチック製容器に保存するか、下の3に使用した。
【0029】 3.ヒツジ卵巣血漿からの、見かけ上10〜30kD分子量のサブフラクショ
ンの調製 上の2から得た、見かけ上0〜30kDの血漿フラクションを、見かけ上10
kDのカットオフサイズを持つアミコン セントリプレップ−10(Amico
n Centriprep−10)に注入した。装置を、+4℃、2000rp
mで1時間回転させた。内側コンパートメントに採集された濾液をピペットで取
り除き、約2mLの試料が外側のコンパートメントに残るまでこの操作を繰り返
した。これを、リン酸緩衝液を加えた食塩水(PBS)で15mLに希釈し、外側コ
ンパートメントの容量が約2mLに減るまで、遠心分離を繰り返した。得られた
フラクション(見かけ上10〜30kDのサブフラクション)は、−10℃でプ
ラスチック製容器に保存するか、下の4に使用した。
【0030】 4.ヒツジ卵巣血漿からの、見かけ上10〜20kD分子量サブフラクション
の調製 上の3から得られた、見かけ上10〜30kDの血漿サブフラクションを、見
かけ上10kDのカットオフサイズを持つ膜を取り付けた小さな遠心分離装置で
ある、アミコン セントリコン−10(Amicon Centricon−1
0)を用い、2000rpmで1時間遠心分離機中で回転させることによって、
800μLに濃縮した。200μLのアリコートを、タンパク質の分子量標品で
較正したFPLCゲル濾過カラム(Pharmacia Superdex−7
5、HR 10/30、長さ30cm、直径1cm)にかけた。溶出は、PBS
25mLで25分間行い、0.5mLのフラクションを採集した。見かけ上10
〜20kDのサブフラクションを得るために、見かけ上10〜20kD分子量の
範囲内に入ったフラクションをプールし、−10℃でプラスチック製容器中に保
存するか、下の5で使用した。
【0031】 5.ヒツジ卵巣血漿の見かけ上10〜20kDのサブフラクションから得た3
個のイオン交換(塩化ナトリウム)フラクションの調製 上の4から得たヒツジ卵巣血漿の見かけ上10〜20kD分子量のサブフラク
ションを、アミコン セントリコン−3(Amicon Centricon−
3)中で遠心分離により(5mLを1mLに)濃縮した。濃縮したフラクション
を、希釈およびアミコン セントリプレップ−3およびセントリコン−3中での
濃縮を繰り返して、20mLのトリス・HCl緩衝液で緩衝液交換にかけた。つ
いで、500μLのアリコートを、FPLCイオン交換カラム(Pharmac
ia Mono−Q、HR 5/5、長さ4cm、直径0.5cm)にかけ、2
0mMトリス・HCl緩衝液(pH7)中の0〜0.3M 塩化ナトリウム溶液
の線形グラジエントで溶出した。溶出は、1mL/分の流速で15分間行い、0
.5mLのフラクションを採集した。溶出液フラクションは、NaClグラジエ
ントの0〜0.1M、0.1〜0.2Mおよび0.2〜0.3Mセクションに相
当する3個のプールに分けた。
【0032】 実施例1A 収率を上げるために、実施例1に掲げたいくつかの工程を下記のように変更し
てもよい。 2.ヒツジ卵巣血漿から得られた見かけ上0〜30kD分子量のフラクション
の調製 血漿を、2000Gまたは同等の条件で10分間遠心分離して、澄明にした。
澄明にした血漿(120mL)を8個のAmicon Centriprep−
30濾過ユニットに分配し、+4℃、1800rpmで10〜12時間濃縮した
。間隔をおいて濾過液を収集し、最終容量80mLが得られるまで、遠心分離を
続けた。この見かけ上0〜30kDのフラクションを−20℃でポリプロピレン
チューブ中に一夜保存した。
【0033】 3.ヒツジ卵巣血漿からの見かけ上3〜30kD分子量のフラクションの調製 (上の2で記載したようにして生成した)見かけ上0〜30kD分子量のフラ
クションを、6個のアミコン セントリプレップ−3濾過ユニットに分配し、+
4℃、1800rpmで8〜10時間遠心分離した。各セントリプレップ−3ユ
ニットの外側のコンパートメントに2mlの残分が残るまで、遠心分離を行った
。残分(3〜30kD分子量のサブフラクション)を−20℃で一夜保存した。
続いて、この残分を、アミコン セントリコン−3ユニット中で500μLの最
終体積になるまで濃縮した。+4℃、3000rpmで1〜2時間試料を遠心分
離した後、残分を氷の上に置き、その後、下の4に記載するようにゲル濾過カラ
ムにかけた。
【0034】 4.ヒツジ卵巣血漿からの見かけ上10〜20kD分子量のサブフラクション
の調製 上の3で調製した試料(2×200μL)を、次に、タンパク質分子量標品で
較正したFPLCゲル濾過カラム(Pharmacia Superdex−7
5、HR 10/30、長さ30cm、直径1cm)にかけた。溶出は、PBS
で行い、45分間にわたってフラクション(1mL/チューブ)を採集した。見
かけ上10〜20kD分子量の範囲内に入ったフラクションをプールし、セント
リプレップ−3ユニットでの遠心分離(+4℃、1800rpmで1〜2時間)
により2mLに濃縮した。残分を、−20℃でポリプロピレンチューブ中に保存
するか、下の5で使用した。
【0035】 5.ヒツジ卵巣血漿の見かけ上10〜20kD分子量のサブフラクションから
の、イオン交換(塩化ナトリウム)フラクションの調製 上の4で生成した濃縮フラクションを、20mMトリス・HCl緩衝液(pH
7.6)で希釈して15mLにすることにより緩衝液交換にかけた。セントリプ
レップ−3ユニットを、前と同じように、6〜8時間(+4℃で1800rpm
)遠心した。このフラクションをさらに、セントリコン−3ユニット(+4℃、
3000rpmで1〜2時間)中で約500μL以下に濃縮した。試料(2×2
00μL)を、Vydac’s Proton SAX HPLCイオン交換カ
ラム(0.75×5cm)に適用し、20mMトリス・HCl緩衝液(pH7.
6)中の0〜1M塩化ナトリウムの線形濃度勾配で溶出した。溶出フラクション
(2mL/チューブ)を45分間以上採集し、ラットのバイオアッセイ(実施例
3)で活性を測定した。
【0036】 実施例2 薬剤組成 本明細書に記載したような0.1〜0.2M NaCl活性イオン交換フラク
ションとしての無菌濾過したミクリン(5.5mL。ここに記載したように、比
活性1単位/mL)であって、パイロジェンフリーの生理食塩水で適当に希釈し
、かつ無菌ガラス製バイアルに入れて供給するミクリン。その投与量(5mL)
を、無菌針を用いる腹膜内注射によって投与することができる。
【0037】 実施例3 バイオアッセイ 全血漿および上の実施例1から得られた、ある程度精製したミクリンを、下に
記載するようにインビボのバイオアッセイで試験した。
【0038】 生育したウイスター系雌アルビノラット(体重200〜220g)または生育
したウイスター系雄アルビノラット(体重300〜400g)に、ヒツジ卵巣静
脈血漿(または上の実施例1で調製した他のフラクション)の日毎投与量1×1
mLを、4日間、無菌針(0.5×16mm、25g)で腹膜内に注射した。投
与開始後96時間後に、ラットに麻酔をかけ(最後は炭酸ガスを使用)、胸腔を
外科的に開いた。ラットには、心臓穿刺で少し放血させた(5mL)。ついで、
Hart;Toxicology(1990年)61巻185〜194ページに
よって記述されている方法で、各ラットの全身解剖を行った。
【0039】 下記の臓器を、標準的な順序で一部放血させた雌ラットから取り出し、結合組
織および脂肪を削ぎ落とし、重量を測定した:心臓、肝臓、下垂体、副腎、腎臓
、脾臓、子宮および卵巣。雄のラットからは、心臓、肝臓、下垂体、腎臓、脾臓
、前立腺および精巣。各臓器の重量を測定し、結果をラットの最終総体重に対す
るパーセンテージ(g/kgまたは%)として表示した。
【0040】 対照実験は、上の実施例1におけるようにして、しかし卵巣摘出したクロミフ
ェン未処理のヒツジから得られた、ヒツジの全頚静脈血漿およびヒツジの頚静脈
血漿から得られた類似のフラクション(分子量フラクションまたはイオン交換フ
ラクション)でもって、同一方法を用いて行った。
【0041】 活性血漿、活性血漿のフラクション、活性血漿のサブフラクションおよび活性
血漿のイオン交換フラクションを用いて得られた臓器重量の減少の結果を、図1
〜5に示す。
【図面の簡単な説明】
図1〜5は各々、種々の臓器の重量に及ぼす種々の単離段階でのミクリンの効
果のバイオサッセイの結果を、対照と比較して示す。
【図1】 クロミフェンで処理していない卵巣摘出(“ovx”)ヒツジから得た頚静脈
血漿を対照とした、雌ラットにおけるクロミフェン処理ヒツジから得た試験用卵
巣静脈血漿(「活性血漿」)のバイオアッセイ(n=10)を示す。
【図2】 ovxヒツジ静脈血漿の10〜30kDフラクションを対照として、雌ラット
における活性血漿の10〜30kDフラクションのバイオアッセイ(n=11)
を示す。
【図3】 ovxヒツジ静脈血漿の10〜20kDのサブフラクションを対照(n=5)
として、雌ラットにおける活性血漿の10〜20kDサブフラクションのバイオ
アッセイ(n=8)を示す。
【図4】 パイロジェンフリーの生理食塩水を対照(n=20)として、雌ラットの活性
血漿の10〜20kDのサブフラクションの0.1〜0.2M NaClイオン
交換フラクション(「活性イオン交換フラクション」)のバイオアッセイ(n=
5)を示す。
【図5】 ovxヒツジ静脈血漿の10〜20kDのサブフラクションの0.1〜0.2M
NaClイオン交換フラクションを対照として、雄ラットの活性血漿イオン交
換フラクションのバイオアッセイ(n=5)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C087 AA01 AA02 AA04 AA05 BB35 CA32 DA15 DA27 NA14 ZB21 4H045 AA10 AA20 CA40 DA30 EA28 FA71 GA15 GA23 HA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臓器重量を減らす能力をもつ物質であり、 雌哺乳動物の卵巣静脈血から採集すること、 その血液から卵巣静脈血漿を調製すること、および その血漿から得た該物質を少なくともある程度は精製すること によって得られる物質。
  2. 【請求項2】 該精製が10〜30kDフラクションを得ることからなる請
    求項1記載の物質。
  3. 【請求項3】 該精製が10〜20kDフラクションを得ることからなる請
    求項1記載の物質。
  4. 【請求項4】 該精製が、さらに、イオン交換クロマトグラフィーおよび0
    .1〜0.2M NaCl中に溶出したフラクションを採集することを含む請求
    項3記載の物質。
  5. 【請求項5】 該精製が下記のプロトコル: 血漿を遠心分離によって澄明にすること 澄明にした血漿を回転させて、見かけ上0〜30kDサブフラクションを得
    ること 見かけ上0〜〜30kDのサブフラクションを回転させて、見かけ上10〜
    30kDのサブフ ラクションを得ること 見かけ上10〜〜30kDのサブフラクションを回転させて、見かけ上10
    〜20kDのサブ フラクションを得ること 見かけ上10〜20kDのサブフラクションを繰返し濃縮し、緩衝液で希釈
    し、イオン交換カ ラムにかけ、0〜0.3M NaClの濃度勾配で溶出
    すること、および 溶出液を0〜0.1M、0.1〜0.2Mおよび0.2〜0.3M NaC
    lイオン交換フラ クションに分割すること を含む請求項1記載の物質。
  6. 【請求項6】 哺乳動物がヒツジであることを特徴とする前記各請求項記載
    の物質。
  7. 【請求項7】 医療用途のための前記各請求項記載の物質。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の物質および薬剤学的に許容
    される賦形剤または担体からなる薬剤組成物。
  9. 【請求項9】 臓器または組織の肥大化の治療用薬剤を製造するための、請
    求項1〜6のいずれかに記載の物質の使用。
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