JP2002530922A - 信号を処理する装置と方法 - Google Patents

信号を処理する装置と方法

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JP2002530922A
JP2002530922A JP2000583170A JP2000583170A JP2002530922A JP 2002530922 A JP2002530922 A JP 2002530922A JP 2000583170 A JP2000583170 A JP 2000583170A JP 2000583170 A JP2000583170 A JP 2000583170A JP 2002530922 A JP2002530922 A JP 2002530922A
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シュー・コック・フイ
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ビットウェイブ・プライベイト・リミテッド
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/16Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/175Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general using interference effects; Masking sound
    • G10K11/178Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general using interference effects; Masking sound by electro-acoustically regenerating the original acoustic waves in anti-phase

Abstract

(57)【要約】 センサアレーから受信された信号を処理する方法が開示されており、本方法は、受信された信号をサンプリングしてディジタル変換するステップと、ディジタル変換された信号を処理して出力信号を供給するステップとを含み、上記処理するステップは、ディジタル変換された信号の目標信号を強調するように調整された第1の適応型フィルタと、ディジタル変換された信号の望ましくない信号を抑制するように調整された第2の適応型フィルタとを使用して信号を濾波することと、濾波された信号を周波数領域で処理して望ましくない信号をさらに抑制することを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の技術分野及び背景技術) 本発明は、信号を処理する方法と、そのための装置に関する。
【0002】 多くの状況においては、観測は、位相アレーレーダシステム、ソナーアレーシ
ステムまたはマイクロホンアレーシステムのような多重入力及び多重出力システ
ムの出力で作られ、この出力から、雑音を含む望ましくない信号が全て取り消さ
れ、もしくは抑制されて所望の信号のみを回復することが望まれている。例えば
、音声認識用途のためのマイクロホンアレーシステムの場合、その目的は、背景
雑音及び競合する話者の存在下で目標音声信号を強化することにある。
【0003】 多重チャンネルにおける雑音または干渉の取り消しに最も広範に使用されてい
る方法は、Widrow外による「適応型アンテナシステム」IEEE会報第5
5巻第12号、1967年12月、及び「アンテナにおける信号相殺現象:原因
と対策」IEEE Trans.Antennas Propag.AP30巻
、1982年5月、及びL.J.Griffiths外による「線形的に制約さ
れる適応型ビーム形成の代替方法」IEEE Trans.Antennas
Propag.AP30巻、1982年、において提案されている。これらの方
法及びこれらに類似する他の方法においては、信号処理装置は、観測された信号
を、目標信号と干渉信号及び雑音とを共に含む一次チャンネル、及び干渉信号及
び雑音のみを含む二次チャンネルに分離する。一次チャンネルにおける干渉信号
及び雑音は、二次チャンネル信号を入力として有する適応型フィルタを使用して
推定され、推定された干渉及び雑音信号は一次チャンネルから減算されて所望の
目標信号が取得される。
【0004】 上述の方法には、2つの重要な欠点がある。まず、二次チャンネルは干渉信号
及び雑音だけを含むことが想定されているが、実際には、ハードウェアの不完全
さ及び限定的なアレー規模によって二次チャンネルに所望の信号がリークされる
ことにより、この想定は正しくない場合がある。第2点は、干渉信号及び雑音は
二次チャンネルから正確に推定され得ることが想定されていることである。これ
は、より大きい自由度を必要とし、極めて長いフィルタ及び大型のアレー規模を
含意することから、実際にはやはり正しくない場合がある。極めて長いフィルタ
は、輻輳率及び不安定性のような他の問題を引き起こす。
【0005】 最初の欠点は、信号の相殺に繋がる。これは、装置の性能を低下させる。入力
される信号のパワー次第では、この性能低下は苛酷であって復元される音声の品
質不良をもたらす可能性がある。これは、所望の信号の一部もまた濾波工程によ
って相殺されるためである。第2の欠点は、特にその波長がアレー規模の何倍に
も当たるような低周波数の干渉信号の場合に、干渉及び雑音の相殺不良をもたら
す。
【0006】 本発明の目的は、改良された信号処理の装置及び方法を提供することにある。
【0007】 (発明の概要) 第1の態様における本発明によれば、受信された信号をサンプリングしてディ
ジタル変換するステップと、ディジタル変換された信号を処理して出力信号を供
給するステップとを含むセンサアレーから受信された信号を処理する方法が提供
されており、上記処理するステップは、ディジタル変換された信号の目標信号を
強調するように調整された第1の適応型フィルタと、ディジタル変換された信号
の望ましくない信号を抑制するように調整された第2の適応型フィルタとを使用
して信号を濾波することと、濾波された信号を望ましくない信号をさらに抑制す
る周波数領域で処理することを含んでいる。
【0008】 本発明のさらなる好適な特徴は、添付の請求項2−40に列挙されている。
【0009】 第2の態様における本発明によれば、結合された信号からスペクトルを計算す
る提供された方法は、 1)結合された信号から目標信号成分Sと干渉信号成分Iとを導出するステップ
と、 2)目標及び干渉信号成分を個々の周波数領域等価F(S)及びF(I)に変換
するステップと、 3)下記の式、即ち、 に従って、少なくとも1つの等価物のスペクトルP(S)及びP(I)を構築す
るステップとを含んでいる。但し、Real及びImagは周波数領域等価の実
数部または虚数部の絶対値を取ることを指し、R(s)、R(i)はスカラー調
整係数であり、G[F(S)]及びG[F(I)]は各々F(S)及びF(I)
の関数である。
【0010】 第3の態様における本発明によれば、センサアレーの各信号チャンネルにおけ
る各センサから受信された複数の信号から残響係数を計算する提供された方法は
、 1)適応型フィルタを使用して、チャンネルの中の基準チャンネル及び他の1チ
ャンネルからの信号間の相関時間遅延を計算するステップと、 2)受信された信号上で第2の適応型フィルタを使用して適応型濾波を実行する
ステップと、 3)第1及び第2のフィルタのフィルタ係数から残響係数を計算するステップと
を含んでいる。
【0011】 第4の態様における本発明によれば、所望の成分及び望ましくない成分を有す
る信号を処理する提案された信号処理方法は、 1)時間領域において少なくとも1つの適応型フィルタによって信号を処理し、
所望の信号を強化し、かつ/または望ましくない信号を低減させるステップと、 2)こうして処理された信号を周波数領域に変換するステップと、 3)周波数領域において少なくとも1つの望ましくない信号低減工程を実行する
ステップとを含んでいる。
【0012】 本発明は、上述の諸態様による方法を実行するための装置にも及ぶ。
【0013】 本発明の各態様は、他の態様とは独立して、例えば記述されたような本発明の
他の特徴を包含する必要のない他の信号処理装置において使用可能である。
【0014】 記述された本発明の実施形態は、予め決められた或いは周知の到来方向からの
観測された目標信号を強化する方法及び装置を開示している。本装置は、望まし
くない信号及び雑音を本装置によるそれらの結合された観測から相殺し、抑制す
る。目標信号と干渉信号及び雑音とが共に観測された信号内に結合される、より
現実的なシナリオで目標信号を強化する方法が開示されている。さらに、干渉信
号の数または到来方向に関しては、何の想定もなされていない。
【0015】 上述の実施形態は、各々が対応する信号チャンネルを限定するマイクロホン等
のセンサのアレーと、前置増幅器を有する受信機のアレーと、観測された信号を
ディジタル変換するためのアナログ−ディジタル変換器のアレーと、信号を処理
するディジタル信号プロセッサとを含んでいる。本装置は、観測された信号から
強化された目標信号を出力し、雑音及び干渉信号を低減させる。本装置は、干渉
及び雑音の抑制レベルと信号品質とのトレードオフを可能にする。干渉信号の数
及び雑音の特徴に関しては、何の想定もなされていない。
【0016】 ディジタル信号プロセッサは、第1のチャンネルを基準チャンネルとして使用
する信号空間フィルタとして作用する第1の適応型フィルタセットを含んでいる
。このフィルタは、結合された信号から目標信号「s」を除去し、結合された信
号の残りの要素、即ち干渉信号「u」及びシステム雑音「q」を弁別チャンネル
と呼ばれる干渉プラス雑音チャンネル内に置く。このフィルタはまた、目標信号
「s」を強化し、これを和チャンネルと呼ばれる他のチャンネル内に置く。和チ
ャンネルは、強化された目標信号「s」と干渉信号「u」及び雑音「q」とで構
成される。
【0017】 目標信号「s」は、目標話者または話者近辺の物体の突然の動作のために差チ
ャンネルから完全には除去されない場合がある。よってこのチャンネルは、時と
して幾分かの信号相殺に繋がりかねない何らかの残留目標信号を包含する可能性
がある。但し、上述の実施形態は、これを大幅に低減させる。
【0018】 差チャンネルからの信号は、第2の適応型フィルタセットに供給される。この
フィルタセットは、和チャンネルにおける干渉信号及び雑音をアダプティブに推
定する。
【0019】 推定された信号は、和チャンネルからの雑音及び干渉信号を相殺しかつ抑制し
、かつ強化された目標信号を出力する干渉信号及び雑音の相殺及び抑制プロセッ
サに送られる。
【0020】 適応型フィルタセットのパラメータの更新は、前置信号パラメータ推定器と称
されるさらなるプロセッサによって行われる。同プロセッサは観測された信号を
受信し、信号の残響レベル、システムの雑音レベル、信号レベル、推定信号検出
限界値及び信号の到来角を推定する。この情報は、決定プロセッサにより、何ら
かのパラメータ更新が必要かどうかの決定に使用される。
【0021】 本発明の上述の実施形態のアプリケーションの1つは、目標信号の対システム
方向が周知である車環境における音声の増強である。さらに他のアプリケーショ
ンは、音声認識用途のための音声入力である。この場合も、信号の到来方向は周
知である。
【0022】 次に、添付の図面を参照して本発明の実施形態を例示的に説明する。
【0023】 (発明を実施するための最良の形態) 図1は、単純化された部屋の例において示された、本発明の上述の実施形態に
よる信号処理装置5の作動環境を略示したものである。周知の方向にあるソース
s’から放射されて装置5のマイクロホンアレー10のようなセンサアレー上に
衝突する目標音声信号「s」は、他の望ましくない信号、即ち他のソースA、B
からの干渉信号u1、u2、これらの信号の反射u1r、u2r及び目標信号自
体の反射信号srと結合される。これらの望ましくない信号は干渉を引き起こし
、センサアレーによって受信される際の目標信号「s」の品質を低下させる。望
ましくない信号の実際の数はソースの数及び部屋の幾何学的配置に依存するが、
この図には、説明を簡略化するために3つの反射(エコー)経路及び3つの直接
経路だけが示されている。センサアレー10は処理回路20−60に接続され、
同回路に付随して存在する雑音入力qは目標信号の品質をさらに低下させる。
【0024】 図2には、信号処理装置5の実施形態が示されている。本装置は、マイクロホ
ン10a−10d等の4つのセンサから成るアレーで環境を観測する。目標音声
信号及び雑音/干渉音声信号は、センサの各々に衝突する際に結合される。各セ
ンサによって受信された信号は増幅器20a−dによって増幅され、アナログ−
ディジタル変換器30a−dを使用してディジタルビットストリームに変換され
る。ビットストリームはディジタル信号プロセッサ40に並列で供給され、ディ
ジタル処理される。同プロセッサはデジタル-アナログ変換器50に出力信号を
供給し、同信号はライン増幅器60に送られて最終的なアナログ出力が供給され
る。
【0025】 図3は、ディジタルプロセッサの主要な機能ブロックをより詳細に示したもの
である。入力される結合された多重信号は、4チャンネルのマイクロホンアレー
10a−10dによって受信される。マイクロホンアレー10a−10dは各々
信号チャンネルを形成し、チャンネル10aは基準チャンネルである。受信され
た信号は、単一の特注チップ内に増幅器20及びアナログ−ディジタル変換器3
0の機能を供給する受信機のフロントエンドに送られる。ディジタル化された4
チャンネルの出力信号は、並列でディジタル信号プロセッサ40に送られる。デ
ィジタル信号プロセッサ40は、4つのサブプロセッサを備えている。これらは
、(a)前置信号パラメータ推定及び決定プロセッサ42、(b)信号適応型空
間フィルタ44、(c)適応型線形干渉及び雑音推定器46及び(d)適応型干
渉及び雑音相殺及び抑制プロセッサ48である。基本的な信号の流れは、プロセ
ッサ42から、プロセッサ44、プロセッサ46、プロセッサ48へと至る。図
3では、これらの接続が幅広の矢印で表されている。濾波された信号Sは、プロ
セッサ48から出力される。プロセッサ40のオペレーションに必要な決定は、
概してプロセッサ42によって作られる。プロセッサ42は、プロセッサ44−
48から情報を受信し、その情報を基礎として決定を下し、図3の細い矢印で表
された接続を介してプロセッサ44−48へ命令を送る。
【0026】 プロセッサ40の4つの構成要素部分42、44、46、48への分割は本質
的に概念上のものであり、プロセッサのオペレーションの理解を助けるために行
われていることは認識されるであろう。実際にはプロセッサ40は、適当なメモ
リと他の周辺機器とを有する、プログラムによる制御下で上述の機能を実行する
単一の多機能ディジタルプロセッサとして具現されるものと思われる。
【0027】 図4a−cには、プロセッサのオペレーションを示すフローチャートが示され
ており、まずはこれについて概説する。その後、プロセッサのオペレーションの
態様に関するより詳細な説明を続ける。
【0028】 フロントエンド20、30は、例えば16kHzである予め決められたサンプ
リング周波数でアレー10から受信される信号のサンプルを処理する。プロセッ
サ42は、4つのチャンネルの各々についてN個のこうしたサンプルを保持する
ことのできる入力バッファ43を含んでいる。初期化されると、本装置は、ステ
ップ500で全チャンネルに関してN/2個の新たな信号サンプルによるブロッ
クを収集し、よってバッファはN/2個の新たなサンプルによるブロックと、N
/2個の先行サンプルによるブロックとを保有する。次いでプロセッサ42は、
ステップ502で新たなサンプルから任意のDCを除去し、当該サンプルをプリ
エンファシスする、もしくは白色化する。
【0029】 次には、短い初期化期間であるステップ504が続き、始動後のN/2個の信
号サンプルの最初の20ブロックを使用して環境雑音エネルギーEが推定され
、2つの検出しきい値である雑音しきい値Tn1とより大きい信号しきい値T とが換算係数を使用してEからプロセッサ42によって計算される。この短
期間に、目標信号は全く存在しないという想定がなされる。但しこれらの信号は
、ステップ570で初期のバークスケールシステム雑音値が導出され得るように
引き続き処理が行われる。
【0030】 この初期化期間の後、エネルギー及びしきい値は後述される通りに自動的に更
新する。基準チャンネル10aからのサンプルはこの目的のために使用されるが
、他のチャンネルはどれも使用することができない。
【0031】 次にステップ506で、信号サンプルの非線形エネルギー合計Erが計算され
る。
【0032】 ステップ508では、信号エネルギーEが信号しきい値Tn1より大きいか
どうかが決定される。大きくなければ、ステップ510で、環境雑音E及び2
つのしきい値がステップ506で計算された新たなE値を使用して更新される
。バークスケールシステムの雑音B(下記参照)もまた、ポイントFを介して
同様に更新される。次いで、ルーチンはポイントBに移動する。そうなれば、信
号はしきい値調整サブルーチン512−518へと送られる。
【0033】 ステップ512−518は、しきい値を捕獲する可能性のある環境雑音レベル
の突然の変化を補償するために使用される。音声目標信号は時間の経過に伴って
著しい変動を示し、これにより区別されることが可能であるため、タイムカウン
タを使用して信号レベルが雑音の増加を指示すると思われる定常増加を示してい
るかどうかが決定される。これを示す図12では、信号雑音レベルが初期レベル
から両しきい値を超える新規レベルへと上昇している。ステップ512では、タ
イムカウンタCが増分される。ステップ514では、Cがしきい値Tcc
対してチェックされる。しきい値に到達していない場合は、プログラムは下記の
ステップ520に移行する。しきい値に到達していれば、推定された雑音エネル
ギーEがステップ516において倍数σで増加され、ステップ518において
、Tn1及びTn2が更新される。この効果については、図13に示されて
いる。カウンタはリセットされ、更新は、下記のステップ520で試験されて信
号エネルギーEが第2のしきい値Tn2を下回った時点で終了する。
【0034】 ステップ520では、基準チャンネル10aにおける推定されたエネルギーE が第2のしきい値Tn2を超えているかどうかを確認する試験が行われる。超
過していれば、候補の目標信号が存在しているものと見なされる。本装置は、ア
レーに垂直な周知の方向、以後ボアサイト方向という、から、もしくはそれより
限定角度だけ反れた方向、この実施形態の場合はプラスマイナス15度の方向、
からアレー10に当たる目標信号候補しか処理しようとしない。従って次は、こ
うした方向から到来する任意の信号を確認する段階である。
【0035】 ステップ524では、2つの係数、即ち相関係数C及び相関時間遅延T
確立される。これらは共に、目標信号が到来する方向の指示を提供する。
【0036】 ステップ526では、目標信号候補が実際の目標信号であるかどうかを決定す
る試験が行われる。まず、相互相関係数Cは予め決められたしきい値Tを超
え、第2に、時間遅延係数の大きさはθ値を下回るものであって、信号が予め決
められた角度範囲内でアレーに当たっていることを指示していなければならない
。これらの条件が満たされなければ信号は目標信号とは見なされず、ルーチンは
ポイントBに移行する。条件が満足されれば、ルーチンはポイントAに移行する
【0037】 ステップ520で、基準チャンネル10aにおける推定されたエネルギーE が第2のしきい値Tn2を超過しないことが発見されれば、目標信号は存在しな
いものとされ、ルーチンはカウンタCがリセットされるステップ522を介し
てポイントBに移行する。これは、この時点では第2のしきい値が合計信号エネ
ルギーレベルEよりも上にあり、しきい値は最終的に環境雑音エネルギーレベ
ルEより上でなければならず、よってEの更新はもはや不要であることを指
示しているという理由で実行される。
【0038】 このように信号は、ポイントA及びBによって予め目標信号(ポイントA)ま
たは雑音信号(ポイントB)に分類されている。
【0039】 ポイントAに続いて、信号は、ステップ528−532でさらに試験される。
ステップ528では、フィルタ44のフィルタ係数Wsuが既に更新されている
かどうかが決定される。更新されていなければ、計算目的でフィルタ44の係数
に依存している後続のステップ530、532は飛び越される。更新されていれ
ば、信号残響度の目安を供給する残響係数Crvが計算され、ステップ532で
、Crvがしきい値Trvを超過しているかどうかが決定される。超過していれ
ば、これは信号における許容可能な残響レベルを示し、ルーチンはステップ53
4(目標信号の濾波)に移行する。超過していなければ、信号はポイントBから
の経路に合流してステップ536(非目標信号の濾波)に至る。
【0040】 この時点で確定された目標信号は、信号適応型空間フィルタ44に供給される
。同フィルタ44の目的は、目標信号を強化することにある。同フィルタはステ
ップ534及び538で適応型濾波を実行するように指令される。この場合、フ
ィルタ係数Wsuは、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを使用して、基準チ
ャンネルに「目標信号プラス雑音」を、残りのチャンネルに「雑音のみ」信号を
供給するように適合化されている。基準チャンネルに相当するフィルタ44の出
力チャンネルを便宜的に和チャンネルと呼び、他のチャンネルからのフィルタ4
4の出力を差チャンネルと呼ぶ。こうして処理された信号を、便宜上A’と呼ぶ
【0041】 信号が雑音信号であるとされた場合は、ルーチンはステップ536に移行し、
フィルタ係数が適合化されることなく信号はフィルタ44を通過し、和及び差チ
ャンネル信号が形成される。こうして処理された信号を、便宜上B’と呼ぶ。
【0042】 フィルタ44の効果は、信号が目標信号として同定されるとその信号を強化す
ることにあり、これ以外に信号強化は行われない。
【0043】 ステップ540では、プロセッサ42によって和チャンネルと差チャンネルと
の間のエネルギー比Rsdが推定される。ステップ542では、2つの試験が行
われる。まず、信号がステップ534からのA’信号であれば、ルーチンはステ
ップ550に移行する。第2に、E>Tn2(即ち、高エネルギーレベル)で
ある信号については、Rsdがしきい値Tsdと比較される。同比がTsdより
低ければ推定雑音を表すが、高ければ、これは目標信号の差チャンネルへの幾分
かの漏れがあったことを表し、結局は目標信号の存在を指示する可能性がある。
こうした目標信号についても、ルーチンはやはり即ち550に移行する。これ以
外のあらゆる非目標信号については、ルーチンはステップ544に移行する。
【0044】 ステップ544−560では、信号が適応型線形干渉及び雑音推定フィルタ4
6によって処理される。この場合の目的は、望ましくない信号を減少させること
にある。フィルタ46はステップ544で、和チャンネルにおける望ましくない
信号を何らかの小誤差値eまで減少させるようにフィルタ係数を調整するとい
う意図を以て、非目標信号上で適応型濾波を実行するように指令される。
【0045】 信号相殺をさらに防止するために、ステップ546でプロセッサ42によりフ
ィルタ係数のノルムが計算される。ステップ548でこのノルムが予め決められ
た値[Tno]を超える場合は、フィルタ係数がステップ549で低減された値
に縮小される。
【0046】 代替方法では、目標信号はステップ550でフィルタ46へと供給されるが、
この場合は適応型濾波が実行されず、和及び差信号はフィルタを通過する。
【0047】 和チャンネルの信号出力もまた、変更されずにフィルタ46を通過する。
【0048】 従って、プロセッサ46からの出力信号は、和チャンネル信号S(ポイント
C)、濾波された差信号D(ポイントE)及び誤差信号e(ポイントD)で
ある。ステップ562では、誤差信号eと和チャンネル信号との加重平均S(
t)が計算され、差チャンネルからの信号Dが合計されて単一の信号I(t)
が形成される。次いで、これらの信号S(t)及びI(t)は収集されて新たな
N/2個のサンプル及び終わりの先行ブロックからのサンプルとなり、収集され
たサンプルには、図10が示すようにハニングウィンドウHが付加されてベク
トルS及びIが形成される。これは一つのオーバーラップ技術であり、重複
するベクトルS、IがN/2個のサンプルの過去及び現在のブロックから連
続して形成される。これは、図11に示されている。次にステップ564におい
て、ベクトルS及びIに高速フーリエ変換が実行され、両ベクトルは周波数
領域の等価物S及びIに変換される。
【0049】 ステップ566では、変換された信号に関する修正されたスペクトルが計算さ
れて「擬似」スペクトル値P及びPが供給され、ステップ568では、これ
らの値が同じバーク周波数スケールにワープされてバーク周波数にスケールされ
た値B及びBが供給される。
【0050】 和チャンネルのシステム雑音のバーク値Bは、ステップ570でB及びス
テップ508における条件が満足されていれば(経路Fを介して)Bの先行値
を使用して更新される。Bは始動時に、条件が満たされているかどうかをこの
ブロックでまず計算される。この時点では目標信号は存在するべくもなく、よっ
て信号検出の開始後にこの初期B値が確定される短い初期化期間が必要である
【0051】 次にステップ572で、B及びBの加重された組合せByが作られ、これ
は、ステップ574でBと結合されてバークスケール非線形利得Gが計算さ
れる。
【0052】 次にGは、ステップ578で通常の周波数領域にワープし直されて利得値G
が供給され、次にこれは、ステップ580でステップ564からの信号スペクト
ルSを使用する出力スペクトルSoutの計算に使用される。利得を調整され
たこのスペクトルは、環境雑音及びシステム雑音である両干渉信号を抑制する。
【0053】 次に、ステップ582でスペクトルSoutに逆フーリエ変換が実行され、次
にその出力信号は、ステップ584でオーバーラップ加算手順を使用して重複す
る信号から再構成される。
【0054】 次に、上述のフローチャートにおける主要ステップについてさらに詳しく説明
する。
【0055】 非線形エネルギーとしきい値の推定及び更新(ステップ506、510) プロセッサ42は、基準チャンネルからのエネルギー出力を推定する。説明さ
れている4つのチャンネル例では、チャンネル10aが基準チャンネルとして使
用される。
【0056】 N/2個のディジタル化された信号サンプルはシフトレジスタにバッファされ
、以下のような形式の信号ベクトルを形成する。 但し、J=N/2である。ベクトルの大きさは、分解能の要件に依存する。この
好適な実施形態では、J=256サンプルである。
【0057】 次に、ベクトルの非線形エネルギーが以下の式を使用して推定される。 システムが初期化されると、システム及び環境雑音の平均エネルギーが、最初の
20の信号ブロックを使用して推定される。このタスクの実行には、一次再帰的
フィルタが下記のように使用される。 但し、上付き文字Kはブロック番号であり、αは経験的に選定されたゼロから1
までの重量である。この実施形態では、α=0.9である。
【0058】 雑音エネルギーEが取得されると、2つの信号検出しきい値Tn1及びT が以下のように確定される。 δ及びδは、信号の検出を最適化しかつ誤った信号検出を最小にするような
しきい値の選択に使用されるスカラー値である。図5が示すように、Tn1はシ
ステム雑音レベルよりも上でなければならず、Tn2は概して潜在的な目標信号
がこれを突き抜けるようなレベルでなければならない。これらのしきい値は、手
探りで発見される。この実施形態では、δ=1.125及びδ=1.8が好
結果をもたらすものとして発見されている。
【0059】 しきい値が確定されると、ステップ510における初期化の後に、Eを以下
のように更新することができる。 (E<Tn1のとき、E=α+(1−α)E その他は、E=E ...A.6) 更新されたしきい値は、次に式A.4及びA.5に従って計算することができる
【0060】 時間遅延(T)の推定(ステップ524) 図6Aは、センサアレーに当たる単一の波面を示したものである。波面は、(
Aで示されるように)まずセンサ10dに当たり、しばらくして時間遅延t
後に(A’で示されるように)センサ10aに当たる。これは、信号がボアサイ
ト方向から40度の角度で発信されるためである。信号がボアサイト方向から発
信されていれば、時間遅延tは理想的にはゼロとなっているであろう。
【0061】 時間遅延の推定は、図6Bが示すプロセッサ42に包含される遅延線時間遅延
推定器を使用して実行される。このフィルタは、遅延Z−L/2を有する、基準
チャンネル10aに接続された遅延素子600と、フィルタ係数Wtdを有する
、チャンネル10dに接続された遅延線フィルタ610とを有している。遅延素
子600は、遅延線フィルタ610の遅延の半分に等しい遅延を供給する。遅延
素子の出力はd(k)であり、フィルタ610の出力はd’(k)である。これ
らの出力の差は素子620で取り込まれ、エラー信号e(k)が供給される(k
は説明を容易にするために使用した時間指数である)。エラー信号は、フィルタ
610に戻される。フィルタ係数Wtdは、以下のように最小平均二乗(LMS
)アルゴリズムを使用して適合化される。 但し、βtdはユーザによって選択される収束係数0<βtd≦2であり、‖‖
はベクトルのノルムを示し、kは時間指数であり、Lはフィルタの長さである
【0062】 図6cには、適合化の終了時における遅延線フィルタ620のインパルス応答
が示されている。インパルス応答は測定され、原点Oに対するインパルス応答の
ピークまたは最大値の位置が2つのセンサ間の時間遅延Tを与える。これはま
た、信号の到来角でもある。図示されている事例では、ピークは中央にあり、信
号がボアサイト方向(T=0)から着信していることを示している。ステップ
506におけるしきい値θは、到来する目標信号の発信源と思われるボアサイト
方向からの可能偏差角度の推定値に依存して選択される。この実施形態の場合、
θは±15゜である。
【0063】 相互相関推定Cの正規化(ステップ524) 基準チャンネル10aと最遠チャンネル10dとの間の正規化された相互相関
は、以下のようにして計算される。
【0064】 基準チャンネル10a及びチャンネル10dからの信号サンプルはシフトレジ
スタX及びYにバッファされ、2つの独立したベクトルX及びYが形成され
る。但し、XはJ個のサンプルの長さであり、YはK個のサンプルの長さであり
、J>Kである。 信号間の時間遅延が仮定され、この差を捕捉するためにJはKより大きくされて
いる。差は、関心のある角度に基づいて選択される。次に、正規化された相互相
関が下記のように計算される。 但し、 但し、はベクトルの転置を表し、‖‖はベクトルのノルムを表し、lは相関遅
延である。lは、関心のある遅延を張るように選択される。サンプリング周波数
が16kHz、センサ10a及び10dの間隔が18cmの場合、遅延lは関心
のある角度15゜に対して5サンプルであるように選択される。
【0065】 しきい値Tは、経験的に決定される。この実施形態では、T=0.85が
使用されている。
【0066】 信号残響Crvの推定(ステップ530) 受信される信号の残響の度合いは、上記Tの計算に使用された時間遅延推定
フィルタ重量[Wtd]及び(後述する)フィルタ44からの空間フィルタ重量
セット[Wsu]を使用して、以下のように計算される。 但し、はベクトルの転置を表し、Mはフィルタ係数Wsuに関係づけられたチ
ャンネルである。この実施形態では、Crvは各フィルタ係数Wsuにつき1つ
の3値が計算され、その最大値が後続処理に採用される。
【0067】 ステップ506で使用されるしきい値Trvは、図7が示すように、残響レベ
ルが適度である場合にのみ当該信号が目標信号として選択されることを保証する
ように選択される。
【0068】 適応型空間フィルタ44(ステップ534、536) 図8は、適応型線形空間フィルタ44のブロック図である。同フィルタの機能
は、結合された目標干渉信号と雑音信号とを2つのタイプに分離することにある
。第1のタイプは、和チャンネルと称される単一の出力チャンネルにおける、弱
められた干渉及び雑音、即ち目標信号の方向からでない信号を有する強化された
目標信号である。第2のタイプは、4チャンネルの事例では3つの別個の出力を
構成する差チャンネルと称される残りのチャンネルにおいて、干渉及び雑音信号
のみを構成しようとするものである。
【0069】 その目的は、目標信号を強化してこれを和チャンネルに出力し、同時に、結合
された信号から目標信号を除去してこれを差チャンネルに出力するように、フィ
ルタ44のフィルタ係数を適合化することにある。
【0070】 フィルタ44内の適応型フィルタ素子は、目標信号が存在すれば必ず基準チャ
ンネルにおける当該信号を予測する線形空間予測フィルタとして作用する。この
フィルタは、信号が存在していないと判断されれば適合化を止める。
【0071】 フィルタ係数は、以下のようなステップ504及び506の条件が満たされる
と更新される。 (i)適応型しきい値検出器が信号の存在を検出している。 (ii)時間遅延推定器が、予め決められた角度から信号が到来していることを
指示している。 (iii)正規化された信号の相互相関がしきい値を超えている。 (iv)残響レベルが低い。
【0072】 図8が示すように、センサ10aからのディジタル化された結合信号Xは、
遅延Z−Lsu/2のディジタル遅延素子710を介して供給される。センサ1
0b、10c、10dからのディジタル化された結合信号X、X、Xは、
各々のフィルタ素子712、714、716に供給される。素子710、712
、714、716からの出力は加算素子718で加算され、加算素子718から
の出力は分割素子719で4で割られて和チャンネルの出力信号が形成される。
遅延素子710からの出力はまた、各差素子720、722、724でフィルタ
712、714、716の出力から減算され、各差素子からの出力は個々の差チ
ャンネル出力信号を形成し、これが各フィルタ712、714、716にも戻さ
れる。遅延素子710の機能は、基準チャンネル10aからの信号とフィルタ7
12、714、716からの出力との時間整合を行なうことにある。
【0073】 フィルタ素子712、714、716は、下記の式E.1,...,E.8に
よって与えられるLMSアルゴリズムを使用して同時に適応し、和チャンネルの
出力は式E.1によって与えられ、各差チャンネルからの出力は式E.6によっ
て与えられる。 但し、 但し、mはチャンネル数0,1,2,...,M−1であって、この場合は0,
...,3であり、はベクトルの転置を示している。 但し、X(k)及びWsu (k)はLsu 1次元の列ベクトルである。
【0074】 重量Wsu (k)は、LMSアルゴリズムを使用して以下のように更新さ
れる。 但し、 であり、βsuはユーザによって選択される収束係数0<βsu≦2であり、‖
‖はベクトルのノルムを示し、kは時間指数である。
【0075】 エネルギー比Rsdの計算(ステップ540) これは、以下のように実行される。 J=N/2はサンプル数であり、この実施形態では256である。
【0076】 ESUMは和チャンネルのエネルギーであり、EDIFは差チャンネルのエネ
ルギーである。
【0077】 和チャンネルと差チャンネルとのエネルギー比(Rsd)は、予め決められた
しきい値を超過してはならない。ここに図示されている4チャンネルの場合、し
きい値は約1.5であることが決定されている。
【0078】 適応型干渉及び雑音推定フィルタ46(ステップ544、550) 図9は、適応型干渉及び雑音推定フィルタ46の略ブロック図である。このフ
ィルタは雑音信号及び干渉信号を推定し、これらを和チャンネルから減算して低
減された雑音及び干渉を有する出力を導出させる。
【0079】 フィルタ46は、フィルタ44の和及び差チャンネルから出力を取込み、差チ
ャンネル信号を他の適応型フィルタ素子セット750、752、754に並行し
て供給し、かつ和チャンネル信号を対応する遅延素子756に供給する。3つの
フィルタ素子750、752、754からの出力は差素子758で遅延素子75
6の出力から減算されてエラー出力eが形成され、エラー出力eはフィルタ
素子750、752、754へも戻される。フィルタ素子756からの出力はま
た、3つのフィルタ素子750、752、754の出力と同様に出力として直接
供給される。
【0080】 この場合もやはり、フィルタ係数Wuqが以下のように最小平均二乗アルゴリ
ズム(LMS)を使用して適合化される。 但し、 であり、βuqはユーザによって選択される収束係数0<βuq≦2であり、m
はチャンネル数0,1,2,...,M−1であって、この場合は0,...,
3である。
【0081】 フィルタ係数のノルムの計算(ステップ546) フィルタ750、752、754の係数のノルムもまた、予め決められた値よ
り小さいものであるように制約されている。この制約を課す理論的根拠は、目標
信号が差チャンネルに漏出すればフィルタ係数のノルムが大きくなることにある
。フィルタ係数のノルム値を縮小すれば、信号相殺効果は低減する。
【0082】 これは、以下のように計算される。 であれば、 である。但し、mは、Wuqフィルタを有するチャンネルの数、1,2,...
,M−1である。Tnoは予め決められたしきい値、Cnoは換算係数であり、
双方とも経験的に推定することができる。
【0083】 式F.1からの出力eは、ほぼ干渉及び雑音のない理想の状態にある。しか
しながら現実の状況では、これは達成され得ない。これは目標信号の品質を低下
させる信号相殺を引き起こし、もしくは雑音または干渉が供給されて出力信号対
雑音及び干渉比の低減に繋がる。説明された実施形態では、信号相殺の問題は、
差チャンネルへの目標信号の漏出を減少させる適応型空間フィルタ44の使用に
よって軽減されている。但し、信号対雑音及び干渉比が極めて高い場合には、や
はり幾分かの目標信号がこれらのチャンネルに漏出する場合がある。
【0084】 目標信号の相殺問題及び望ましくない信号の出力への供給をさらに低減させる
ために、プロセッサ46からの出力信号は、下記のように適応型非線形干渉及び
雑音抑制プロセッサ48に供給される。
【0085】 適応型非線形干渉及び雑音抑制プロセッサ48(ステップ562−584) このプロセッサは、周知のオーバーラップ加算ブロック処理技術によって結合
された周波数領域における入力信号を処理する。
【0086】 ステップ562:出力信号(e)及び和チャンネル出力信号(S)は、以
下のように加重平均として結合される。 重量(W,W)は、信号相殺を最小にする、もしくは望ましくない信号の抑
制を増大させるように経験的に選定することができる。この実施形態では、W =W=0.5である。
【0087】 この結合された信号は、図10が示すようにメモリにバッファされる。バッフ
ァは、N/2個の新規サンプルとN/2個の先行ブロックからの旧サンプルとで
構成される。同じく、差チャンネルからの望ましくない信号が以下のように加算
され、和チャンネルと同様にバッファされる。 但し、 である。i=1,2,...,M−1であり、Mはチャンネルの数であって、こ
の場合はM=4である。
【0088】 次に、図11が示すように、バッファされたN個のサンプル信号にハニングウ
ィンドウが適用される。これは、数学的には次のように表記される。 但し、(H)はN次元のハニングウィンドウであり、Nはバッファの大きさで
ある。「点」は、ポイント毎のベクトルの乗算を示し、tは時間指数である。
【0089】 ステップ564:結果として得られるベクトル[S]及び[I]は、下記
の式H.5及びH.6が示すように高速フーリエ変換アルゴリズムを使用して周
波数領域に変換される。
【0090】 ステップ566:次に、式H.7及びH.8が示すように修正されたスペクト
ルが計算される。 但し、「Real」及び「Imag」は実数部及び虚数部の絶対値を取ることを
表し、r及びrはスカラー値であり、F(S)及びF(I)は各々S 及びIの関数を示す。
【0091】 下記の式H.9及びH.10には、ベキ関数を使用する1つの好適な関数Fが
示されている。但し、「Conj」は複素共役を示す。
【0092】 下記の式H.11及びH.12には、乗法的関数を使用する第2の好適な関数
Fが示されている。 スカラー値(r及びr)は、望ましくない信号の抑制と信号の歪みとのトレ
ードオフを制御し、経験的に決定されることが可能である。(r及びr)は
1/(2vs)及び1/(2vi)として計算される。但し、vs及びviはス
カラーである。この実施形態では、vs=viが8として選定されており、r =r=1/256となる。vs,viが減少すると、抑制量は増大する。
【0093】 ステップ568:スペクトル(P)及び(P)は、バーク周波数スケール
を使用して(Nb)臨界帯域にワープされる[Lawrence Rabine
r、Bing Hwang Juang共著「音声認識の原理」プレンティスホ
ール、1993年、参照]。バーク臨界帯域の数は、使用されるサンプリング周
波数に依存する。16kHzのサンプリングの場合、Nb=25の臨界帯域が存
在する。(P)及び(P)のワープされたバークスペクトルは、(B)及
び(B)で示される。
【0094】 ステップ570:システム雑音及び環境雑音のバークスペクトルは同様に計算
され、(B)で示される。Bはまず、システムの初期化の間にB=B
して確定され、システムによって目標信号が検出されなければ(ステップ508
)、即ちあらゆる無音時間において更新され続ける。Bは、次のように更新さ
れる。 E<Tn1 であれば、 である。但し、0<α<1であり、この場合はα=0.9である。
【0095】 ステップ572、574:(B、B及びB)を使用して、以下のように
非線形技術により利得(G)が推定される。
【0096】 まず、望ましくない信号のバークスペクトルが、式J.1が示すように、適当
な加重関数を使用してシステム雑音のバークスペクトルに結合される。 Ω及びΩは、望ましくない信号及び雑音の抑制を最大にし、信号の歪みを最
小にするように経験的に選定されることが可能な重量である。
【0097】 次に、以下の式J.2及びJ.3を使用して、後信号対雑音比が計算される。
【0098】 式J.2における除算は、ベクトルの除算ではなく素子毎の除算を意味してい
る。Rpo及びRppは、以下のように、Nb1次元の列ベクトルであり、N
bはバークスケール臨界周波数帯域の大きさ、IはNb1次元の列単位ベク
トルである。 ppのrpp(nb)素子の何れかがゼロに満たない場合、これらはゼロに設
定される。
【0099】 決定指向方法[Y.Ephraim、D.Malah共著「最適非線形スペク
トル振幅推定を使用する音声強化」音響音声と信号処理に関するIEEE国際会
議会報(ボストン)、1983年、1118−1121頁参照]を使用して、以
下のように、アプリオリ信号対雑音比Rprが計算される。
【0100】 式J.7における除算は、素子毎の除算を意味する。BはNb1次元の列
ベクトルであり、先行ブロックからの出力信号バークスケールバークスペクトル
=G・Bを示している(式J.15参照)(Bの初期値はゼロである
)。Rprもやはり、Nb1次元の列ベクトルである。βの値は、下記の表
1に与えられている。
【0101】
【表1】 iの値は、信号の始まりで1に設定され、よってβ値は0.01625となる。
i値はその後、N/2個のサンプルの新たなブロックが処理されるたびに1から
5までになり、信号がなくなるまで5のままである。次いでiは、次の信号の始
まりで再度1から始まり、βもこれに対応した値になる。
【0102】 βを定数にする代わりに、本実施形態ではβが変数にされ、目標信号の抑制を
防止するために信号の始まりで小値で開始され、好適には幾何級数的に平滑なR pr へと増大する。
【0103】 これから、Rrrが以下のように計算される。 J.8における除算は、やはり素子毎の除算である。Rrrは、Nb1次元の
列ベクトルである。
【0104】 これから、Lが計算される。 の値は、P(≒3.14)に限定される。式J.9における乗算は、素子
毎の乗算を意味している。Lは、以下のようなNb1次元の列ベクトルであ
る。 よって、Nb1次元のベクトルLは、以下のように定義される。 但し、nb=1,2,...,nBである。よってLは、以下のように与えら
れる。 また、 である。E(nb)は、所望の精度に切り捨てられる。Lは、テーブル索引方
法を使用して、計算負荷を低減するように取得することができる。
【0105】 最後に、利得Gが以下のように計算される。 「点」は同じく、素子毎の乗算を含意している。Gは、以下のようなNb
次元の列ベクトルである。
【0106】 ステップ578:Gはまだバーク周波数スケールにあるため、次にこれは元
のN次元の正規線形周波数スケールにワープされる。ワープされていないG
、Gで示される。望ましくない信号が抑制されている出力スペクトルは、以下の
ように与えられる。 この場合も、「点」は素子毎の乗算を含意している。
【0107】 ステップ580:回復される時間領域信号は、次式で与えられる。 IFFTは逆高速フーリエ変換を示し、逆変換の実数部のみが利用されている。
【0108】 ステップ584:最後に、出力時間領域信号が、出力信号の先行ブロックとの
オーバーラップ加算によって取得される。 但し、 である。
【0109】 説明された実施形態は、限定的なものとして解釈されてはならない。例えばチ
ャンネルの数は、2以上の任意の数が可能である。さらに、当業者には明白とな
るであろうが、使用される方法の多くのステップは本質的に離散的なものであり
、他のステップとは独立した使用、もしくは他のステップの全てではなく幾つか
との組合せによる使用が可能である。例えば、適応型濾波と周波数領域処理とは
互いに独立して実行されることが可能であり、修正されたスペクトルの使用、バ
ークスケールへのワープ及び換算係数βの使用といった周波数領域処理における
ステップは、全てが共に使用される必要のない一連の独立したツールとして捉え
ることができる。
【0110】 請求の範囲における用語「第1の」、「第2の」他の使用は、工程のステップ
順ではなく請求項の完全性を同定する1つの手段としてのみ解釈されるべきもの
である。開示された新規特徴または組合せは何れも、本出願に添付された請求の
範囲において当初の出願の通りに特定的に主張されているか否かに関わらず、独
立した発明を形成するものとして解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明が使用される可能性のある一般的なシナリオを示している。
【図2】 図2は、本発明を具現する一般的なディジタル信号処理システムの略図である
【図3】 図3は、図2が示す実施形態のシステムレベルのブロック図である。
【図4a】 図4aは、図3の実施形態のオペレーションを示すフローチャートである。
【図4b】 図4bは、図3の実施形態のオペレーションを示すフローチャートである。
【図4c】 図4cは、図3の実施形態のオペレーションを示すフローチャートである。
【図5】 図5は、あるチャンネルの非線形エネルギーと確立されたしきい値の典型的な
プロットを示している。
【図6a】 図6(a)は、ボアサイト方向外40度から到来する波面を示している。
【図6b】 図6(b)は、適応型フィルタを使用する時間遅延推定器を表示している。
【図6c】 図6(c)は、ボアサイト方向からの波面を指示するフィルタのインパルス応
答を示している。
【図7】 図7は、受信された信号の時間経過に伴う残響レベルを示している。
【図8】 図8は、4チャンネル適応型空間フィルタの略ブロック図である。
【図9】 図9は、図3の適応型干渉及び雑音推定器の略ブロック図である。
【図10】 図10は、入力された信号バッファを示している。
【図11】 図11は、信号の重複するブロック上でのハニングウィンドウの使用を示して
いる。
【図12】 図12は、線形エネルギープロットの雑音レベルの突然の上昇を示している。
【図13】 図13は、雑音エネルギーレベルの突然の上昇を反映させるしきい値の再調整
を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10L 21/02 G10L 3/02 301E 5K052 H01Q 3/26 301F H04B 1/10 301G 9/00 H Fターム(参考) 5B056 BB28 5D015 EE05 5J021 AA04 AA11 DB01 EA07 FA13 FA23 FA29 GA02 HA04 HA06 JA10 5J023 DA03 DA05 DC08 DD03 5J070 AA02 AD08 AH31 AH39 5K052 AA01 BB01 DD04 FF05 FF32 FF33

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサアレーから受信された信号を処理する方法であって、
    受信された信号をサンプリングしてディジタル変換するステップと、ディジタル
    変換された信号を処理して出力信号を供給するステップとを含み、上記処理する
    ステップは、ディジタル変換された信号の目標信号を強調するように調整された
    第1の適応型フィルタとディジタル変換された信号の望ましくない信号を抑制す
    るように調整された第2の適応型フィルタとを使用して信号を濾波することと、
    濾波された信号を周波数領域で処理して望ましくない信号をさらに抑制すること
    を含む方法。
  2. 【請求項2】 信号から信号エネルギーを決定し、信号エネルギーから雑音
    エネルギーを決定するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 信号エネルギーは、N/2個のディジタル化された信号サン
    プルをシフトレジスタにバッファして、以下の形式、即ち、 但しJ=N/2、の信号ベクトルを形成することと、次式、即ち、 但しEは信号エネルギー、を使用して信号エネルギーを推定することによって
    決定される請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 雑音エネルギーは、ディジタル変換された信号ブロックの信
    号エネルギーEを測定することと、次式、即ち、 但し、上付き文字Kはブロック番号であり、αは経験的に選択された重量である
    、によって雑音エネルギーEを計算することによって決定される請求項2また
    は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 雑音エネルギーから雑音しきい値を決定し、信号エネルギー
    が雑音しきい値より低い場合には雑音エネルギー及び雑音しきい値を更新するス
    テップをさらに含む請求項2乃至4の何れかに記載された方法。
  6. 【請求項6】 信号エネルギーを信号しきい値と比較することによって目標
    信号が存在するか否かを決定するステップをさらに含む請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 雑音エネルギーから信号しきい値を決定し、信号エネルギー
    が雑音しきい値より低い場合には信号しきい値を更新するステップをさらに含む
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 雑音しきい値Tn1は、次式、即ち、 但しδは経験的に選択された値である、によって決定される請求項5乃至7の
    何れかに記載された方法。
  9. 【請求項9】 信号しきい値Tn2は、次式、即ち、 但しδは経験的に選択された値である、によって決定される請求項6または7
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 目標信号の到来方向を決定するステップをさらに含む先行
    する任意の請求項記載の方法。
  11. 【請求項11】 アレーの間隔を置いた2つのセンサからの信号を第3の適
    応型フィルタで処理して上記到来方向を決定するステップをさらに含む請求項1
    0記載の方法。
  12. 【請求項12】 信号が選択された角度範囲内からアレー上に衝突しなかっ
    た場合には、当該信号を望ましくない信号として扱うステップをさらに含む請求
    項10または11記載の方法。
  13. 【請求項13】 アレーの間隔を置いた2つのセンサからの信号の相互相関
    の測度を計算し、相互相関の度合いが選択された値を下回る場合には当該信号を
    望ましくない信号として扱うステップをさらに含む先行する任意の請求項記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 第1及び第3の適応型フィルタのフィルタ重量から信号の
    残響の度合いを計算するステップをさらに含む請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 残響測度Crvは、次式、即ち、 但しTはベクトルの転置を示し、Wsuは第1のフィルタのフィルタ係数であり
    、Wtdは第3のフィルタのフィルタ係数である、に従って計算される請求項1
    4記載の方法。
  16. 【請求項16】 残響測度が選択された値を越える残響の度合いを指示する
    場合は、当該信号を望ましくない信号として扱うステップをさらに含む請求項1
    4または15記載の方法。
  17. 【請求項17】 上記目標信号が存在すると判断される場合にのみ適応型濾
    波を実行するように第1のフィルタのオペレーションを制御するステップをさら
    に含む先行する任意の請求項記載の方法。
  18. 【請求項18】 第1の適応型フィルタは、ディジタル化された信号を入力
    として受信し、かつ1つの和信号及び少なくとも1つの差信号を出力として供給
    する複数のチャンネルを有し、差信号チャンネルは対応するフィルタ重量を有す
    るフィルタ素子を含む先行する任意の請求項記載の方法。
  19. 【請求項19】 和及び差チャンネルにおけるエネルギー比を計算するステ
    ップをさらに含む請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 上記比が、和チャンネルにおけるエネルギーが差チャンネ
    ルにおけるエネルギーよりも選定された係数を超えている大きいことを示す場合
    は、当該信号を上記目標信号を含むものとして扱うステップをさらに含む請求項
    19記載の方法。
  21. 【請求項21】 信号エネルギーがしきい値を越える場合にのみ、当該信号
    を上記目標信号を含むものとして扱うステップをさらに含む請求項20記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 上記目標信号が存在しないと判断された場合にのみ適応型
    濾波を実行するように第2のフィルタのオペレーションを制御するステップをさ
    らに含む先行する任意の請求項記載の方法。
  23. 【請求項23】 第1の適応型フィルタは、第1の適応型フィルタから入力
    信号を受信しかつ第1の適応型フィルタから受信される1つの和信号と、1つの
    エラー信号と、少なくとも1つの差信号とを出力として供給する複数のチャンネ
    ルを有し、差信号チャンネルは対応するさらなるフィルタ重量を有するフィルタ
    素子をさらに含む先行する任意の請求項記載の方法。
  24. 【請求項24】 さらなるフィルタ重量のノルムがしきい値を超える場合は
    、さらなるフィルタ重量をスケーリングするステップをさらに含む請求項23記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 和信号とエラー信号とを結合して、下記の形式、即ち、 但しS(t)は時間tにおける和信号であり、e(t)は時間tにおけるエ
    ラー信号であり、W及びWは重量値である、の単信号S(t)を形成するス
    テップをさらに含む請求項23または24記載の方法。
  26. 【請求項26】 複数の差信号を結合して単信号を形成するためステップを
    さらに含む請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 単信号にハニングウィンドウを適用するステップをさらに
    含む請求項25または26記載の方法。
  28. 【請求項28】 濾波された信号を2つの周波数領域信号、即ち所望の信号
    と干渉信号Iとに変換し、変換された信号を処理して所望の信号に利得を
    供給し、かつ利得を修正された所望の信号を元の時間領域に変換して出力を供給
    するステップをさらに含む先行する任意の請求項記載の方法。
  29. 【請求項29】 処理するステップは周波数領域信号のスペクトルを形成す
    るステップを含む請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 スペクトルは、下記の形式、即ち、 但し「Real」及び「Imag」は実数部及び虚数部の絶対値をとることを示
    し、r及びrはスカラー値であり、F(S)及びF(I)は各々S
    びIの関数を示す、の所望の信号及び干渉信号の修正されたスペクトルP
    である請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 関数はベキ関数である請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 スペクトルは下記の形式、即ち、 但し「Conj」は複素共役を示す、である請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 関数は乗法関数である請求項30記載の方法。
  34. 【請求項34】 スペクトルは下記の形式、即ち、 である請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 処理するステップは、信号と干渉スペクトルとをバークス
    ケールへとワープして対応する信号と干渉バークスペクトルとを形成するステッ
    プを含む請求項29乃至34の何れかに記載された方法。
  36. 【請求項36】 処理するステップは、システム雑音のバークスペクトルを
    計算するステップをさらに含む請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 干渉バークスペクトルとシステム雑音のバークスペクトル
    とを結合して結合された雑音バークスペクトルを形成するステップをさらに含む
    請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 結合された雑音バークスペクトルBは下記の形式、即ち
    但しΩ及びΩは加重値であり、Bは干渉バークスペクトルであり、B
    システム雑音のバークスペクトルを示す、である請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 スペクトルから信号対雑音比を計算し、信号対雑音比から
    利得を導出するステップをさらに含む請求項29乃至38の何れかに記載された
    方法。
  40. 【請求項40】 信号開始時点の第1の値から、信号が継続する間は変わら
    ず維持される第2の値へと徐々に変化する換算係数によって、換算係数が第1の
    値に落ち着いた時点で信号が止まるまで信号対雑音比を修正するステップをさら
    に含む請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 換算係数は複数のステップで変化する請求項40記載の方
    法。
  42. 【請求項42】 換算係数は幾何級数的に変化する請求項40または41記
    載の方法。
  43. 【請求項43】 結合された信号からスペクトルを計算する方法であって、 1)結合された信号から目標信号成分Sと干渉信号成分Iとを導出するステッ
    プと、 2)目標及び干渉信号成分を各々周波数領域等価F(S)及びF(I)に変換
    するステップと、 3)次式、即ち、 但しReal及びImagは周波数領域等価の実数部または虚数部の絶対値をと
    ることを示し、R(S)、R(I)はスカラー調整係数であり、G[F(S)]
    及びG[F(I)]は各々F(S)及びF(I)の関数である、によって少なく
    とも1つの等価のスペクトルP(S)及びP(I)を構成するステップとを含む
    方法。
  44. 【請求項44】 センサアレーの各信号チャンネル内の各センサから受信さ
    れる複数の信号から残響係数を計算する方法であって、 1)適応型フィルタを使用して、チャンネルの中の基準となるものの信号と他
    のチャンネルの1つからの信号との相関時間遅延を計算するステップと、 2)受信された信号上で第2の適応型フィルタを使用して適応型濾波を実行す
    るステップと、 3)第1及び第2のフィルタのフィルタ係数から残響係数を計算するステップ
    とを含む方法。
  45. 【請求項45】 所望の成分と望ましくない成分とを有する信号の信号処理
    を行う方法であって、 1)所望の信号を強調し、かつ/または望ましくない信号を減少させるように
    、少なくとも1つの適応型フィルタにより時間領域において信号を処理するステ
    ップと、 2)こうして処理された信号を周波数領域に変換するステップと、 3)周波数領域において少なくとも1つの望ましくない信号の減少工程を実行
    するステップとを含む方法。
  46. 【請求項46】 先行する任意の請求項に記載された方法を実行するための
    装置。
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