JP2002529226A - ラネー鉄触媒およびその触媒を用いた有機化合物の水素化方法 - Google Patents
ラネー鉄触媒およびその触媒を用いた有機化合物の水素化方法Info
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Abstract
Description
する基を含有する不飽和有機基、酸素含有基および還元可能な窒素含有基、特に
ニトリルの接触水素化におけるその使用方法に関する。さらに、詳細には、限定
する意図はないが、本発明は、アジポニトリル(ADN)を6−アミノカプロニ
トリル(ACN)およびヘキサメチレンジアミン(HMD)に水素化するための
改良された触媒および方法を提供する。
応において不満足な結果を示した。たとえば、触媒としてのラネー鉄の存在下で
、テレフタル酸のジニトリルの水素化を試みたが、単離可能なジアミンを全く与
えなかったことが、L.Kh.Freidlin、A.A.Balandin、
およびT.A.SladkovaによりDokl.Akad.Nauk SSS
R,112,880(1957)に報告されている。その後、「ラネー鉄は低い
触媒活性を有する」こと、および「ジニトリルの還元に向けた金属触媒の活性は
、Pt、Pd>Ni>Co>Fe、Cuの順で低下する」ことが、L.Kh.F
reidlinとT.A.SladkovaによりRuss.Chem.Rev
.,33,319(1964)に記述された。R.L.Augustine,C
atalytic Hydrogenation,Dekker,New Yo
rk,1965,32ページには、「ラネー銅およびラネー鉄は、合成有機化学
者に多くを提供せず、少数の反応のみが、これらにより影響を受けると報告され
ているにすぎない。」と記述されている。
金をアルカリ水溶液でリーチングして、5から10重量%のコバルトおよび95
から90重量%の鉄を含有する触媒を提供し、このように調製された穏やかに作
用する触媒存在下でのジニトリルの水素化について記述されている。この特許に
教示されている触媒組成物への第3の金属の使用は、何ら考えられていない。
、ラネー処理により製造され、ポリマーと可塑剤とのマトリクス中でペレット化
された触媒を指向し、Al 45〜75重量%と、従来のラネー処理金属、例え
ば、Ni、Co、Cu、もしくはFe、またはこれらの混合物25〜55重量%
からなるラネー処理合金の広範な開示を行っている。これらのラネー触媒は、典
型的には、全金属の約2重量%で、たとえばCr、Mo、Pt、Rh、Ru、O
sおよびPdにより活性化することが可能である。
よび周期律表第VIB族から選択される金属または金属酸化物で促進されるか、
または、周期律表第VIII族の第一鉄金属で促進されるラネーニッケルからな
る群から選択されるラネー型触媒を使用して、低圧下において、高収率で脂肪族
ジニトリルをアミノニトリルに選択的に水素化する方法が報告されている。従っ
て、この触媒では、鉄は、使用するとしても、低濃度でのみ存在するであろう。
鉄触媒、特に、脂肪族有機ニトリルを有機一級アミンに水素化するのに有効な触
媒を提供することである。
の金属が、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、オスミウム、
イリジウムおよびこの群のいずれかの金属の混合物からなる群から選択され、触
媒中の鉄の濃度が乾燥基準で少なくとも30重量%であるが、約70重量%以下
であり、触媒中のコバルトの濃度が乾燥基準で少なくとも10重量%から40重
量%であり、触媒中の第3の金属の含有量が乾燥基準で約1重量%から6重量%
以下であるラネー鉄触媒を提供する。ニッケルが好ましい第3の金属であり、好
ましい触媒は、以下の金属濃度を有する:鉄約50重量%、コバルト約15重量
%、ニッケル約2重量%。
反応圧力、および25℃から150℃の反応温度において、本発明のラネー鉄触
媒と、不飽和有機化合物を接触させることを含む、不飽和有機化合物の水素化の
ための方法を包含する。
類、カルボン酸類、カルボン酸のエステル類、ニトロ化合物、ニトリル類、およ
びイミノ化合物からなる群から選択される不飽和有機化合物を水素化するのに有
用である。この方法は、ニトリル類、特にアジポニトリルの水素化に特に有用で
ある。
の反応圧力および約25から約80℃の反応温度で、有用である。
合金は、鉄20から50重量%、コバルト3から30重量%、0.5から3重量
%の第3の金属であって、この第3の金属がニッケル、ロジウム、ルテニウム、
パラジウム、白金、オスミウム、イリジウムおよびこの群の金属のいずれかの混
合物からなる群から選択される第3の金属を含み、残りが、アルミニウム、亜鉛
、マグネシウムおよびケイ素からなる群から選択されるアルカリ可溶性金属であ
る。ニッケルが好ましい第3の金属であり、ニッケルの好ましい濃度範囲は0.
5から1.5%の範囲である。ニッケルの最も好ましい濃度は約1%以下である
。合金の好ましい組成は、鉄約24から34%、コバルト約5から15%および
ニッケル約0.5から1%である。
、合金の組成は、鉄20から50重量%、コバルト3から30重量、および、0
.5から3重量%の第3の金属であって、該第3の金属がニッケル、ロジウム、
ルテニウム、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウムおよびこれらの金属の
いずれかの混合物からなる群から選択されるものである。触媒組成物の残りは、
アルカリに可溶な金属である。アルカリ可溶性金属には、アルミニウム、亜鉛、
マグネシウムおよびケイ素が含まれる。アルミニウムが好ましいアルカリ可溶性
金属であり、ニッケルが触媒に好ましい第3の金属である。
る。所望の粉末形状の合金を得るために、インゴットを粉砕かつ麾砕する。30
メッシュのスクリーンを通過する粒径を有するふるい分けられた合金粉末を使用
することが好ましい。
、好ましくは水酸化ナトリウムの水溶液でこれを処理することにより、活性な触
媒に変換される。合金とアルカリ溶液とを混合し、水素の発生が停止した後(通
常、2時間以内)、触媒を、脱イオン水で2回または3回、完全に洗浄する。得
られた触媒は、これが確実に空気と接触しないように、通常、水中に保存される
。本発明の活性な触媒の金属含有量は、乾燥基準で、鉄約30から約70重量%
、コバルト約5から約40重量%、ニッケル約1から約6重量%である。触媒組
成の残りは、促進剤が添加されたか否か、およびリーチング工程の完全性に依存
する。一般に、ある少量のアルミニウムが触媒中に残存する。また、乾燥触媒に
対して分析が実施されるため、若干の酸化物が存在する。上記の数値は、酸化物
を含まないデータに標準化されている。
媒が報告されている。本発明の発明者は、コバルトと鉄との組み合せは安定な触
媒をもたらすが、鉄とニッケルとの組み合せは、活性な触媒をもたらすことを発
見した。鉄/ニッケル組み合せの活性がはるかに望ましいが、この組み合せも、
短命であり、工業的方法には速すぎる速度にて失活する。本発明者は、正確な濃
度範囲内の3金属の組み合せは、活性な触媒および安定な触媒の両者をもたらす
ことを発見した。本発明の触媒は、この正確な濃度範囲で配合され、意外なこと
に、鉄/コバルト組み合せに等しいか、それよりもよい安定性と共に鉄/ニッケ
ル組み合せの活性を有する。本発明の触媒の利点を実現するためには、合金中の
コバルト濃度は15%程度に、および、ニッケル濃度は6%程度になりうる。本
発明では、合金中のコバルトの濃度は、少なくとも5%でなければならず、少な
くとも約9%であることが好ましく、同時に、合金中のニッケルの濃度は0.5
%でなければならず、1.5%未満であることが好ましいことが要求される。
ることを発見した。こうした他の金属は、ロジウム、ルテニウム、白金および白
金とルテニウムとの混合物である。白金とルテニウムとの好ましい混合物は、白
金90重量%である。鉄およびコバルトと共に最大の活性および安定性を達成す
る、これらの金属の濃度は、ニッケルの濃度と異なってもよく、また互いに異な
ってもよく、これらの濃度は、合金中で約0.5〜6%の範囲内に入る。
要とする。促進剤も本触媒に組み込んでよい。このような促進剤には、ラネー触
媒のための公知の促進剤が含まれる。
触媒を使用することができる。不飽和基には、オレフィン性の基;アセチレン性
の基;ケトン類、アルデヒド類、アミド類、カルボン酸類およびエステル類のカ
ルボニル;ニトロ;イミノ;およびニトリル基などがある。アルコール類の還元
、イオウ含有有機化合物の水素化分解およびFischer−Tropsch反
応にも、本発明の触媒を使用することができる。
は、約50psig(0.345MPa)から約2000psig(13.78
MPa)の低圧が使用でき、約25℃から約150℃の温度で水素化が十分に進
行するため、本発明の触媒は工程コストを最小限にする。本発明の触媒を使用し
たニトリル類の水素化に好ましい圧力の範囲は、約200psig(1.38M
Pa)から約1000psig(6.89MPa)であり、好ましい温度は、約
60℃から約80℃である。本発明による水素化は、一般に、苛性ソーダまたは
他の強アルカリの存在を必要としない。
うな)、1から4個の炭素原子を有する脂肪族アルコール(実施例3におけるよ
うな)または4から10個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素のような溶媒の存
在下で、実施することができる。1種または複数種の溶媒が存在することにより
、ジニトリル類の水素化において、アミノニトリル類に対する選択性を改善する
ことができる。アジポニトリル(ADN)の水素化では、ジニトリル1モル当た
り1モルより多い量の溶媒を使用してもよく、ADN 1モル当たり約1から約
5モルの溶媒を使用することが好ましい。
ることが可能である。商業生産には、連続方法が好ましい。ACNおよびHMD
を生成するためのADNの水素化では、本発明の触媒は、低い失活速度を有し、
上首尾の連続商業プロセスに必要な安定した反応速度および生成物の分布を提供
する。
で作成した速度データから評価することができる。したがって、アジポニトリル
の水素化では、反応は、一次速度の関係に従う。一次反応パターンからの経時的
な負の偏差は、触媒活性の失活(安定性の喪失)を示す。実験的には、実施した
方法で収集した最初の2、3のデータポイントに基づく最小二乗法を使用して、
一次速度線をプロットする。反応全体にわたる実験データポイントが、この一次
速度線によく適合する場合には、図1に例示されるように、触媒は安定であり、
失活を示さないが、実験データポイントのプロットが負の偏差(減少勾配)を示
すとき、触媒の失活が起きている。触媒失活を図3に示す。以下の実施例に示す
通り、本発明の触媒は、顕著な安定性を示す。
れの水素化反応器も含まれる。かかる反応器の例には、プラグ流れ反応器、連続
攪拌タンク反応器、およびバブルカラム反応器などが挙げられるが、これらに限
定されない。バブルカラム反応器の例であるが、この反応に限定されないものが
米国特許第4,429,159号に記載されている。プラグ流れ反応器および連
続攪拌タンク反応器の説明が、Octave Levenspiel著「Che
mical Reaction Engineering」と題する本に詳細に
記述されている。
連続攪拌タンク反応器(CSTR)、すなわちオートクレーブエンジニアーズ(
Autoclave Engineers)により設計され、製造された300
ccオートクレーブ内で実施された。これは、Hastelloy−Cで組み立
てられており、300℃において約1500psig(10.34MPA)のそ
の最大許容作動圧力を有していた。中空軸に据え付けられ、電動機で駆動される
、磁気により連結された羽根車を用いて、反応器内での混合を実施した。400
ワット外部バンドヒーターで反応器を加熱した。
好ましいラネー金属触媒は、鉄25から45重量%、コバルト5から15重量%
、ニッケル0.7から1.5重量%を含み、残りがアルミニウムのようなアルカ
リ可溶性金属である合金から調製されるものである。ニッケル含量は、特に重要
である。これは、安定性が約2%より高いニッケル濃度で低下するためである。
ニッケル1%を含有する合金から製造される好ましい触媒組成物の長期安定性が
、実施例3の連続運転により証明され、一方、実施例7は、5%のニッケル含有
量では、より低い安定性の触媒になることを証明している。
び第3の金属0.5から3重量%を含む金属合金であって、該第3の金属がニッ
ケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウムおよ
びこれらの金属のいずれかの混合物からなる群から選択される金属合金から調製
されるラネー鉄触媒の存在下で、ニトリルをガス状水素と接触させ、引き続き、
ニトリル、水素、および触媒を攪拌して一級アミンを形成することを含む、有機
ニトリルの水素化方法を提供する。
発明の方法および触媒には、2000psig(13.78MPa)を超える圧
力を使用することができるが、このような高圧は費用効果がない可能性がある。
ことを意図するものではない。
ニウムである、本発明の触媒の調製について例を挙げて説明する。
縁するためにポップコーン状の石英を部分的に詰めた石英カップに入れた。この
内容物が入った石英カップを、誘導炉の誘導コイルの内側に入れた。アルミニウ
ムが溶融したとき、鉄チップ26.10g、コバルトチップ7.83gおよびニ
ッケルショット0.87gの混合物を、溶融アルミニウムに注意深く加えた。得
られた溶融混合物を、黒鉛棒で攪拌した。炉を閉め、電源を2分間入れた。炉を
開け、溶融物を黒鉛棒で再度攪拌し、炉を再度閉じ、さらに2分間、電力を印加
した。次いで、炉への電力を止め、炉を開けた。黒鉛るつぼをその溶融内容物と
ともに石英カップから取り出し、溶融金属合金を、黒鉛るつぼから、炉内に置か
れた黒鉛冷却用プレート上に注いだ。この合金を約10分間冷却し、硬化させた
後、これを黒鉛冷却用プレートから取り除き、これが室温になるまで水中で冷却
した。
、そして直径1インチの鋼製の球を使用して遊星ボールミル内で粉砕した。粉砕
された粉末を、30メッシュのふるいを使用して選別した。選別された合金粉末
は、ラベルを張った容器内で保存され、活性化できる準備が整っていた。
85℃に加熱することにより、この合金を活性化した。50重量%の水酸化ナト
リウム水溶液60gを攪拌された合金スラリーに、注意深く加え、90℃で30
分間、攪拌を続けた。次いで、攪拌を止め、触媒を沈降させた。液体をデカンテ
ーションし、100mlずつの脱イオン水で3回、触媒を洗浄した。得られた、
洗浄された触媒を、5重量%の水酸化ナトリウム溶液100gに加え、この混合
物を90℃で30分間攪拌した。液体をデカンテーションすることにより、触媒
を液体から分離し、次いで、これを中性(EM ScienceからのColo
rpHast(登録商標)pH 0〜14試験紙で測定したとき、pH7)にな
るまで、100mlずつの脱イオン水(通常約5回分)で連続して洗浄した。活
性化された触媒を水中で保存した。
ル2.0%およびアルミニウム2.9%を含有していた。
の使用について、例を挙げて説明する。
elloy−c攪拌オートクレーブを水素化に使用した。オートクレーブ反応器
カップに、実施例1の手順で調製された湿った触媒2.0gおよび30%水酸化
アンモニウム水溶液26.2gを充填した。反応器カップを反応器の頂部に固定
し、300psig(2.07MPa)の窒素で反応器を加圧し、次いで水素で
パージした。
リル10.8g、メタノール5.0gおよび1−メチル−2−ピロリジノン(N
MP)0.5gの混合物を、500psig(3.45MPa)の水素圧下で7
5mlの添加用シリンダーから注入した(NMPをGC分析用内部標準として加
えた)。
sigになるまで、温度75℃および水素圧500psigを維持した。反応時
間は312分であった。81psigの水素の取り込みは、反応の終端を表すと
考えられた。
反応混合物の試料(0.5ml)を定期的に採取し、GCで分析した。
物を放出させた。
4%のADN反応率で、ACN53%およびHMD9%が形成されており、AC
Nへの選択性(Mares等,J.Catal.,112,145−156,1
988に定義されている)は72%であった。74%のADN反応率における副
生成物濃度は約4%であり、副生成物は、ビス−ヘキサメチレントリアミンおよ
び微量のヘキサメチレンイミンおよびテトラヒドロアゼピンを含んでいた。
一次ADN消失に関するデータポイントは一次速度線に当てはまり、良好な触媒
安定性を示した。
め、および生成物を反応器から回収するために、それぞれ設計された、5μmス
テンレス鋼フリットを取り付けた、2つの1/8インチの浸漬脚部を備えた30
0ccの連続攪拌タンク反応器を使用した。
ム)0.6ml、および15グラムの実施例1の湿った活性化された触媒(乾燥
重量7.5g)を充填した。
9MPa)で試験をした。漏れがないことを確認した後、反応器を75℃に加熱
し、攪拌器のスイッチを入れた(1200rpm)。所望の反応温度が達成され
るとすぐに、背圧制御装置を調整することにより反応器圧を1000psigに
設定し、攪拌器の中空軸を介して水素を給送した。反応器内への水素流量を計量
し、ブルックス(BROOKS)マスフロー制御装置でモニタリングした。水素
流速を1分あたり、600標準立法センチメートルに設定した。
れぞれ連続的に1時間あたり12グラムの速度で、1時間あたり1グラムの速度
の水と共に反応器に加えた。反応器内での生成物のホールドアップ時間は5.0
時間であった。
回収した。反応が進むにつれて、試料を一定間隔で採取し、ACN、HMD、A
DNおよび副生成物(BYP)についてGCで分析した。ACN、HMD、およ
びBYPの生成を示す分析結果を、日にちで表した実施時間の関数として図2に
示す。
除き、連続水素化を、安定して937時間(39日)、すなわち実験実施の最後
まで続行した。668時間に、温度を75℃から80℃に上昇させ、716時間
に、温度を再び90℃まで上昇させ、実験の残りの間、この温度で維持した。8
0℃および90℃で、反応は75℃のときと本質的に同様に進行しつづけた。こ
の連続的実験の結果を図2にグラフで示す。
て、湿った触媒1.00g、30%水酸化アンモニウム水溶液26.2gを使用
し、n−ブチロニトリル10.8g、1−メチル−2−ピロリドン0.50g、
およびメタノール5.00gを充填した。水素の取り込みが115psig(0
.79MPa)になるまで(355分)、圧力500psig(3.45MPa
)下、75℃で、水素化を実施した。
のジ(n−ブチル)イミンおよび2%のジ(n−ブチル)アミンが副生成物とし
て生じることが示された。一次反応速度定数は0.545hr−1であった。反
応速度は、反応の355分間、一次速度線に従い、触媒の失活を全く示さなかっ
た。
を調製し、水酸化ナトリウム水溶液で処理して、米国特許第2,257,814
号の実施例1に記載の、活性化触媒を得た。
素化した。この反応はACNおよびHMDを生成したが、反応速度は、実施例2
で観測されたものよりはるかに遅かった。
と、反応速度は1.121hr−1であった。303分の反応時間後、ADN変
換率は僅か34%であったが、実施例1の本発明の触媒を使用すると、僅か15
0分後に、ADN変換率は95%であった。
ト5重量部、およびニッケル5重量部からなる合金を調製した。次いで、この合
金を粉末にし、水酸化ナトリウム水溶液で処理することにより、活性なラネー金
属触媒に変換した。
l水素供給貯蔵容器から測定される水素取り込みが145psigになるまで、
75℃および500psig(3.45MPa)水素圧という反応条件を維持し
た。
%のADN変換率では、ACN54%およびHMD12%が形成していた。しか
し、触媒失活が、約100分の反応時間で始まることが記録されたこの失活は、
一次速度線と比較して、反応時間に対するln(A/A−X)のプロットの減少
勾配により示され、これを図3に示す。ln(A/A−X)の表現において、X
は、時刻tにおける変換されたADNの重量%であり、Aは、時刻0におけるA
DNの重量%(通常100)であり、lnは自然対数を表す。
た。 この2つ目の実験結果を図4にグラフで示す。この結果から、触媒の安定性が
不十分であることが示された。
ル1重量部を含有する合金を調製し、実施例1に記載の通りに水酸化ナトリウム
水溶液で処理することにより、活性なラネー金属型触媒に変換した。
ml水素供給貯蔵容器から測定される水素取り込みが115psigになるまで
、75℃および500psig(3.78MPa)水素圧という反応条件を維持
した。総反応時間は303分であり、その時点でADN変換率は91%であった
。62%ADN変換率では、ACN42%およびHMD4%が6%の副生成物と
共に形成していた。ADN消失に関する一次速度線に従う安定した反応速度によ
って示される通り、触媒失活は全く認められなかった。これは、反応時間に対す
るln(A/A−X)の直線プロットにより示される。一次反応速度定数は0.
473hr−1であった。
をl00℃で実施し、試料Aを除き、総圧力は2000psig(13.78M
Pa)であった(アンモニア分圧と水素分圧の和)。試料Aは、総圧力1000
psig(6.89MPa)で実施した。
応の生成物混合物中に生じた不純物を、ポーラログラフィで測定した。本発明の
触媒の場合、これらの不純物は、市販のラネーニッケル触媒、ラネーニッケル2
400によって生じる不純物より、平均して、約5倍少なく、ラネーコバルト2
724によって生じる不純物のレベルより、平均して、約8倍少なかった。これ
らの市販の触媒は両者共に、W.R.Grace,Davison Chemi
cal Division,Chattanooga,TNから入手可能である
。
属の使用および活性について例を挙げて説明する。周期律表のVIII族の全て
の金属が、本発明で使用でき、且つ本発明の利益を提供するが、以下の実施例が
示すとおり、鉄およびコバルトと組み合わされたとき公知のラネー触媒用促進剤
全てが、許容し得る活性を示すとは限らない。
重量部を含有する合金を作製し、実施例1に記載の通りに水酸化ナトリウム水溶
液で処理することにより、活性なラネー鉄触媒に変換した。
ml水素供給貯蔵容器から測定される水素取り込みが128psigになるまで
、75℃および512psig(3.53MPa)水素圧という反応条件を維持
した。総反応時間は78分であり、その時点でADN変換率は96%であった。
82%ADNの変換率で、ACN55%およびHMD8%が11%の副生成物と
共に形成していた。ADNの消失に関する一次速度線に従う安定した反応速度に
よって示される通り、触媒の失活は全く認められなかった。一次速度定数は2.
813hr−1であった。
1重量部を含有する合金を調製し、実施例1に記載の通りに水酸化ナトリウム水
溶液で処理することにより、活性なラネー鉄触媒に変換した。
500ml水素供給貯蔵容器から測定される水素取り込みが155psigにな
るまで、75℃および509psig(3.51MPa)水素圧という反応条件
を維持した。総反応時間は231分であった。87%のADN変換率で、ACN
52%、HMD8%および9%の副生成物が形成していた。ADN消失に関する
一次速度線に従う安定した反応速度によって示される通り、触媒の失活は全く認
められなかった。一次速度定数は1.165hr−1であった。
部およびロジウム0.1重量部を含有する合金を調製し、実施例1に記載の通り
に水酸化ナトリウム水溶液で処理することにより、活性なラネー鉄触媒に変換し
た。
ml水素供給貯蔵容器から測定される水素取り込みが139psig(0.96
MPa)になるまで、75℃および507psig(3.49MPa)水素圧と
いう反応条件を維持した。総反応時間は305分であり、その時点で、ADN変
換率は99%であった。84%のADN変換率で、ACN46%およびHMD8
%が、10%の副生成物と共に形成していた。ADN消失に関する一次速度線に
従う安定した反応速度によって示される通り、触媒の失活は全く認められなかっ
た。一次速度定数は0.794hr−1であった。
することにより、ラネー鉄触媒に変換した:
℃、および500psig(3.45MPa)水素圧で、ADNを水素で処理し
た。これらの触媒のいずれを用いても、水素の取り込みは全く起こらなかった。
するADNの消失を示す図である。
Nの消失を示す図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 鉄、コバルト、第3の金属を含むラネー鉄触媒であって、第
3の金属が、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、オスミウム
、イリジウムおよびこれらの金属のいずれかの混合物からなる群から選択され、
触媒中の鉄の濃度が乾燥基準で少なくとも30重量%であるが約70重量%以下
であり、触媒中のコバルトの濃度が乾燥基準で少なくとも10から40重量%で
あり、触媒中の第3の金属の含有量が乾燥基準で約1から6重量%以下であるこ
とを特徴とするラネー鉄触媒。 - 【請求項2】 前記第3の金属がニッケルである、請求項1に記載の触媒。
- 【請求項3】 前記鉄の濃度が約50重量%であり、前記コバルトの濃度が
5から約15重量%であり、前記ニッケルの濃度が約4重量%以下であることを
特徴とする請求項1に記載の触媒。 - 【請求項4】 前記鉄の濃度が約50重量%であり、前記コバルトの濃度が
約9から15重量%であり、前記ニッケルの濃度が約4重量%以下であることを
特徴とする請求項1に記載の触媒。 - 【請求項5】 前記ニッケルの濃度が約2%であることを特徴とする請求項
3に記載の触媒。 - 【請求項6】 不飽和有機化合物を水素化する方法であって、水素の存在下
、約50から約2000psig(0.345〜13.78MPa)の反応圧力
および約25から約150℃の反応温度で、不飽和有機化合物を、請求項1に記
載のラネー鉄触媒と接触させることを含むことを特徴とする方法。 - 【請求項7】 前記不飽和有機化合物がオレフィン類、アセチレン類、ケト
ン類、アルデヒド類、アミド類、カルボン酸類、カルボン酸のエステル類、ニト
ロ化合物、ニトリル類、およびイミノ化合物からなる群から選択されることを特
徴とする請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】 前記不飽和有機化合物がニトリルであることを特徴とする請
求項6に記載の方法。 - 【請求項9】 反応圧力が約50から約2000psig(0.345〜1
3.78MPa)であり、反応温度が約60から約80℃であることを特徴とす
る請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】 前記方法が連続式であることを特徴とする請求項6に記載
の方法。 - 【請求項11】 前記方法が回分式または半回分式であることを特徴とする
請求項6に記載の方法。 - 【請求項12】 前記ニトリルがアジポニトリルであることを特徴とする請
求項8に記載の方法。 - 【請求項13】 金属の合金をアルカリで処理することにより調製されるラ
ネー金属触媒において、前記合金が、鉄20から50重量%、コバルト3から3
0重量%、0.5から3重量%の第3の金属であって、該第3の金属がニッケル
、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウムおよびこ
れらの金属のいずれかの混合物からなる群から選択されるものを含み、混合物の
残りが、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムおよびケイ素からなる群から選択さ
れるアルカリ可溶性金属であることを特徴とするラネー金属触媒。 - 【請求項14】 前記第3の金属がニッケルであることを特徴とする請求項
13に記載の触媒。 - 【請求項15】 前記第3の金属の濃度が0.5から1.5%であることを
特徴とする請求項13に記載の触媒。 - 【請求項16】 前記第3の金属の濃度が約1%であることを特徴とする請
求項13に記載の触媒。 - 【請求項17】 前記濃度が、鉄約24から34%、コバルト約5から15
%、ニッケル約0.5から1%であることを特徴とする請求項13に記載の触媒
。
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