JP2002529145A - 患者冷却用の覆 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平熱よりも低いコア温度に患者の体温を迅速に所望の範囲に低下させる覆を提供すること。 【解決手段】平熱よりも低いコア温度に患者を冷却するために用いる覆において、患者の体の大部分を覆うためのシート材の上部に結合されるシート材の基部から成り、該基部及び／又は上部には、冷却エアーを患者に案内し且つこのエアーを患者の一部又は複数の部分に指向させ、患者の体から急速に熱を奪うための導管が組み合わされていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、平熱より低いコア温度に冷却されるべき患者を収容するための覆或
いはテントに関する。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人に係る先の特許出願ＷＯ９７／４２９１９には、平熱よりも２〜３℃
低いコア温度、例えば３２〜３４℃に患者を冷却するためのシステムが開示され
ている。この臨床処置は、酸素量が増大した血液の流れが減少する結果、心臓病
或いは脳卒中の患者に対して脳のダメージを減少させるという成功をおさめてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

本発明の目的は、コア温度を迅速に所望の範囲に低下させる改良された覆又は
テントを提供することにある。このような処置において、できるだけ迅速に冷却
処置を開始することは難しく、患者の体温を非常に速く低下させることも難しい
。本発明は、少なくとも一つの態様において、このような冷却のために使用する
ことができ、多数のサポートで保持され、冷却用エアー源を備えた救急車内に収
容される覆を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本発明の一つの態様によれば、平熱よりも低いコア温度に患者を冷却するため
に用いる覆において、患者の体の大部分を覆うためのシート材の上部に結合され
るシート材の基部から成り、該基部及び／又は上部には、冷却エアーを患者に案
内し且つこのエアーを患者の一部又は複数の部分に指向させ、患者の体から急速
に熱を奪うための導管が組み合わされていることを特徴とする覆が提供される。

【０００５】 上記の基部は、患者を受けるベースパネル形状を有しており、上部は、ベース
パネルと結合して覆を形成する１又は２以上の上部パネルから成っていることが
有利である。複数の上部パネルが、その一端で、螺子止め、溶着等によりベース
パネルに永久接続されていてもよく、覆は、適当な着脱自在の締結手段によって
上部パネルと結合することによって、テント状の覆を形成していてもよい。その
他の変更も可能である。例えば、単一の上部パネルを、その一端で永久固定する
ことによってベースパネルに接続し、その他端で着脱自在にベースパネルに接続
してもよい。更に他の変更として、上部パネルを、その両端でベースパネルの他
端に、着脱自在の締結手段によって接続してもよい。

【０００６】 本発明において、好ましくは、第１のパネルを、該パネルに対して縦方向に延
びているヘッダー管に組み合わせる。このヘッダー管は、冷却エアーの出口に接
続され、これらの出口には、覆の少なくとも一端からヘッダー管に接続されてい
る冷却エアーが供給される。患者の体の一部、例えば、血管が皮膚の最も近い部
分に位置している首及び鼠径部などの部分からは、急速に且つ有効に熱が奪われ
る。従って、出口は、特に、これらの部分を指向していることが好ましい。

【０００７】 また、ベースパネルは、テントや覆をマットレスやベッドに接続するためのフ
ラップ、ウエッブ、コードの１又は２以上と組み合わされていることが有利であ
る。 テント若しくは覆をベースパネルと組み合わせることは必須ではないが、これ
は好ましい。また、覆をマットレスに容易に接続し得るように構成することが好
適である。マットレスがエアー膨張性であるならば、マットレスを膨張させるエ
アーの供給管を冷却し、覆をマットレスのエア供給管に接続させるためのコネク
タを覆に設けることができる。

【０００８】 本発明の他の態様によれば、平熱よりも低いコア温度に患者を冷却するために
用いる覆において、サイドパネル、エンドパネル、患者の体の一部に冷却エアー
を吹き付け、そこから急速に熱を奪うための通風部材、及び該通風部材に冷却エ
アーを供給するためのヘッダー管から成ることを特徴とする覆が提供される。

【０００９】 最も有効に且つ均一に冷却するためには、覆の壁を形成する材料が、直接患者
に接触せず（患者の体の他の部分の表面を除く）、患者の周囲に対流的空間を設
けることが重要である。

【００１０】 本発明の種々の態様によれば、覆は、患者の大部分を覆うような形状、大きさ
を有している。好ましくは、この覆は、少なくとも患者の胴を覆い、首と共に、
鼠径部及び足の上部を収容するように配置する。患者の顔は、例えば患者の肺に
空気を送るために、口及び鼻を露出させることがよい。この場合において、エア
ーロスを防止するために、患者の首の回りで覆をシールすることもできる。

【００１１】 また、覆は、クイックリリース或いはスナップコネクタを備えていることが好
ましく、このコネクタにより、ヘッダー管をマットレス用冷却エアー供給部材或
いは別の冷却エアー供給部材に接続させる。

【００１２】 マットレスは、エアーロスの少ないものであることが好ましく、覆は、マット
レス近傍に配置されているメス型コネクタと係合するオス型コネクタを備えてい
ることが好ましい。覆と係合するためのコネクタをマットレス上に設け、そこに
冷却エアーを供給することもできる。また、覆上の供給コネクタをエアーロスの
少ないマットレスのサックにエアーを供給するコネクタと係合させ、例えば、該
マットレスの端部で該サックを除くことにより、覆の供給コネクタをそこに接続
し、冷却エアーを覆の内部に供給することもできる。

【００１３】

【実施例】

以下、添付図面を参照し、単なる例により本発明に係わる密閉体の実施例につ
いて説明する。

【００１４】 図面を参照すると、この密閉体は図１、２（ａ）〜２（ｃ）、４（ａ）および
４（ｂ）において、開けられた状態に示されており、この密閉体はマットレスベ
ース（２）の頂部表面として形成されるか、または別個のマットレスベース上に
支持されるようになっている第１パネル（１）を含む。パネル（１）の長手方向
に一対のヘッダーチューブ（３）が延びており、これらチューブはマットレス（
２）のパネル（１）上に支持された患者（５）に低温の空気を送るようになって
いる。これらヘッダーチューブ（３）はクロスチューブ、すなわちプレナムチャ
ンバー（４）によって接続されており、このチャンバーには本願出願人の先願、
WO97/42919号に記載されているような熱交換器からの低温空気が供給される。こ
れらヘッダーチューブ（３）には位置（６）および（７）に表示された、低温空
気のための出口が設けられている。プレナムチャンバー（４）から離間したヘッ
ダーチューブ（３）の端部は排出バルブに接続でき、これら排出バルブはヘッダ
ーチューブ（３）を通過する低温空気の所望するスループットが得られるように
予め設定、または手動で調節自在、もしくは自動的に制御できるようになってい
る。低温空気の出口に対して患者の頭部の位置を位置決めするために、パネルは
患者の横方向に延びるブロック（８）を含むことができる。これらブロックは膨
張自在とすることができ、ヘッダーに接続でき、更に患者の首に隣接する端部に
開口部（１５）（図２（ｂ）を参照）を含むことができるので、患者の首領域に
直接低温の空気を吹き込むことができるようになっている。図２（ａ）および２
（ｂ）に、より明瞭に示されるように、ブロック（８）は患者の首の下方に延び
る空気路（２０）によって接合できる。この空気路（２０）も開口部（１６）を
含むことができる。従って、患者の首の領域は、患者の首の両側、更に所望する
場合には背中のまわりにも向いた低温空気流を受けることになる。

【００１５】 パネル（１）またはヘッダー（３）には側方パネル（１１）がフレキシブルに
取り付けられている。これらパネル（１１）はヘッダー（３）に接続された管状
延長部（１２）を含む。これら延長部も開口部を含むことができるので、患者の
上にパネル（１１）を折りたたんだ時に延長部（１２）から低温の空気が放出さ
れ、低温の空気は患者の上脚部および下方の胴体領域の上を流れる。これとは異
なり、図１に示されるようにヘッダー（３）内の位置（６）および（７）に開口
部を形成してもよい。下方パネルは患者の上脚部よりも下方を通過するクロスチ
ューブおよび一方のヘッダーまたは双方のヘッダー（３）に接続されたクロッチ
領域を含むことができ、更に、患者の体のこれら領域に低温空気を向けるための
開口部を有する。膨張した状態の管状延長部（１２）を互いに向き合うように折
りたたむと、患者の体から離間するようにパネルを上昇させ、図３に最良に示さ
れるように、テント状の構造となるようにサイドパネルを支持するのに役立つ。
パネル（１１）は密閉体を閉じた時に患者を観察するための、例えば透明プラス
チックから構成されたウィンドー（１３）を含む。パネル（１１）を患者の上に
折りたたむ際に、閉じた密閉体を即座に形成できるよう、パネル（１１）の側方
エッジ（１４）にミニチュアのフックおよびアイ、例えばベルクロ（商標）スト
リップ（マジックテープ（登録商標））のような瞬時締結手段を取り付けてもよ い。別個の再シール可能な締結手段としては、感圧接着ストリップ、磁気テープ および可撓性ビーズおよび溝が挙げられる。患者の鼻および口に容易にアクセス できるように、ウィンドー（１３）は開放可能（かつ、例えばベルクロ（商標） ストリップにより再シール可能）とすることができる。

【００１６】 図２（ａ）〜２（ｃ）および３、並びに４（ａ）、４（ｂ）は、ヘッダー（３
）がパネル（１）の全長にわたって延びていないという点で、図１に示された密
閉体と本質的に異なる密閉体を示している。均等な部品を示すのに、図１と同じ
番号が使用されている。図２（ａ）、４（ａ）および４（ｂ）から判るように、
下方パネル（１）は各端部に取り付けられた三角形のフラップ（２２）および（
２３）を有する。これらフラップは折りたたまれ、パネル（１１）に接合され、
図３から判るような組み立てられた密閉体を形成する。パネル（１１）の隣接す
るエッジ（３０）およびフラップ（２２）および（２３）のエッジ（３１）に設
けられたベルクロ（商標）ストリップによって、瞬時解放テント状密閉体を形成
することが可能となっている。実際には脚部の冷却をすることによって患者の冷
却速度にはほとんど差がなくなり、集中に最も有効な領域は首および肩の領域、
もも、特に内側のももおよび下腹部であることが判った。従って、これら領域に
冷却された空気が吹き付けられるように、冷却された空気の出口を設けることが
好ましい。

【００１７】 この密閉体は一方の端部および両端部にて、上記本願出願人のＰＣＴ出願に記
載された冷却兼ブロアユニットのような低温空気源に接続することができる。図
３において、低温空気導管のための接続ポイントが番号２４で表示されている。
この接続ポイント（２４）はクロス部材（４）に連通するマニホールドチャンバ
ー（２５）につながっている。

【００１８】 図４（ｂ）および４（ｃ）では、チャンバー（２５）のいずれかの端部に供給
導管を接続するための手段が設けられているという点で、すなわちチャンバー内
に空気が存在している場合に自動的に閉じる「ダックビル」バルブがチャンバー
（２５）の各端部に取り付けられているという点で構造が若干異なっている。こ
のバルブは供給導管をバルブに挿入することによって開くようになっている。支
持ループ（２７）が供給導管をマニホールドチャンバーに取り付けるための瞬時
取り付けシステムを構成している。

【００１９】 この密閉体は低温空気の連続流が供給される低圧空気サポートマットレスに取
り付けることが好ましい。換言すれば、マットレスのサックは冷却された空気に
よって加圧され、患者支持サック内の低温を維持するために、サックを連続に通
過するように低温空気が流れる。この密閉体は下方マットレスまたはベッドにル
ープまたはフラップ（２８）によって位置時的に固定できる。サイドパネルは患
者の下方部分にアクセスするための開放可能なパネル（２９）も含むことができ
る。

【００２０】 パネル（１）と管状ヘッダー（３）と、パネル（１１）の組立体は、廃棄可能
な材料、例えば不織プラスチック材料、例えばポリプロピレン、または強度を更
に増すために補強またはコーティング可能な紙で形成すると好都合である。密閉
体を、相互に接続されたパネル、膨張可能なリブおよびチューブのほぼ平らなシ
ートとして製造することは、運搬および保管の点で有利であり、適当な支持体、
例えばマットレス上に容易に組み立てることが可能となる。しかしながら、密閉
体を予め組み立てた状態に製造することができ、この場合、密閉された空間を形
成するのにサイドパネルを接合するのにベルクロ（商標）ストリップまたは他の
密閉手段は不要となる。かかるケースではパネルの間の接合部は糊付け、スティ
ッチまたは溶着によって形成できる。 図５（ａ）〜５（ｄ）は、本発明に係わる密閉体の別の実施例を示す。

【００２１】 図５（ａ）〜５（ｄ）を参照すると、これら図において、密閉体（５０）は仰
向けの人を収容するのに適当な長さおよび高さの、全体に管状またはクサビ状と
なっている。密閉体（５０）は傾斜した側方パネル（５１）および傾斜または直
立した端部パネル（５２）から形成されている。パネル（５１）および（５２）
は断熱性を増すために、図５（ｂ）に示されるように、二重表皮とすることが好
ましい。

【００２２】 ベースパネル（５３）も設けることが好ましく、密閉体全体は一人の患者にし
か使用しないような使い捨て品として製造する。長手方向ヘッダー導管（５４）
は横方向導管（５２）に空気を供給するようになっており、横方向導管（５５）
は（５７）にて患者の首領域を部分的に囲むような形状となっている。患者の空
気に冷却された空気流を向けるよう、部分（５７）に開口部が設けられている。
ヘッダー（５４）は導管（５６）とも連通しており、導管（５６）は適当な位置
に設けられた開口部を通して、患者の鼠蹊部および下腹部に冷却された空気を向
けるようになっている。患者の状態をモニタするための、例えば透明プラスチッ
クから形成された１つ以上のアクセスウィンドー（５８）が設けられている。患
者へのアクセスを容易にするため、更に、例えばカテーテルおよびモニタ機器を
患者に接続するためのアクセスパネル（５９）も設けることができる。患者に通
気、すなわち酸素を供給するための通気ホースまたは患者の生命機能をモニタす
るためのカテーテルまたはセンサーのためのアクセス孔（７３）が設けられてい
る。これらアクセス孔（７３）はホースのまわりで自動シールとなるように、拡
大図に示されるよう、セグメント化されている。スリットにより、外れることな
くホースまたは他のラインを固定することが可能となっている。ヘッダー導管は
ブリッジ部分（６０）を含むことができ、図示されている実施例では、このブリ
ッジ部分は膨張可能なリブ（６１）に空気を供給し、アクセスカバー（５８）お
よび／または（５９）が開いている時に、端部パネル（５２）を支持するのに役
立つようになっている。

【００２３】 下方コーナーに設けられたコネクタ（６３）を通して密閉体に冷却された空気
が供給される。各コネクタ（６３）は半雄型コネクタであり、このコネクタは膨
張可能なマットレス（６５）のコーナーに設けられた、対応する半雌型コネクタ
（６４）に係合するようになっている。適当なコネクタとしては、英国公開特許
出願第2,070,174号に記載されているタイプのものがある。半コネクタ（６４）
には冷却器兼ブロアユニット（８０）から冷却された空気が供給される。この冷
却器兼ブロアユニットは国際特許出願第WO97/42919号に記載されているタイプの
ものでよく、このユニットはユニットから放出される冷却された空気の温度を制
御し、ディスプレイするための制御手段および制御パネル（８１）を含む。この
制御手段は他のパラメータ、例えばマットレスを形成する空気サック（７１）内
の圧力および冷却された空気の流量も制御してもよい。

【００２４】 密閉体内で所望する温度、すなわち目標温度が得られるように、冷却される空
気の温度および流量をプログラムできるように、ユニット（８０）に密閉体内の
温度検出器をリンクしてもよい。一般に、密閉体内で８〜１２℃の目標温度が得
られるように、冷却空気の温度を選択することができる。このような温度は約５
〜８℃にて毎分約０.２８〜０.５６立法メートル（１０〜２０立法フィート）の
供給流量で密閉体に空気を供給することによって、本発明の密閉体でこのような
温度を迅速に得ることができることが判っている。約１キロワットの冷却パワー
が使用される。フレキシブルチューブ（８２）、（８３）、空気入口ソケット（
７０）および半コネクタ（６４）に対するマットレス内部の導管を介してマット
レスに冷却された空気が導かれる。密閉体への冷却された空気流を制御するため
に、密閉体に空気を供給するようになっているコネクタ（６４）もあれば、密閉
体から空気を排出するようになっているコネクタもある。例えば、マットレスの
ヘッドに設けられたコネクタ（６４）はクロスチューブ（６０）に低温の空気を
供給できるが、一方、脚部に設けられたコネクタは密閉体から空気を排出する。
これとは異なり、一方の側に設けられたコネクタ（６４）が空気を供給し、反対
側に設けられたコネクタが密閉体から空気を排出してもよい。患者が正しいレベ
ルの冷却効果を受け、患者の中心部の温度が医者の指定する値、通常約３２〜３
４℃の間の温度まで低下できるように、正しく配置された供給バルブまたは排出
バルブを手動または自動制御することができる。患者を目標中心温度まで冷却す
ることは、患者内に設けられた温度プローブによって制御でき、これらプローブ
は冷却器兼ブロアユニット内の制御ユニットへリンクされているので、目標温度
に近づくにつれ、低温空気の供給レートが減少されるか、または空気温度を上昇
させることができる。例えば米国特許第4,525,885号、欧州特許第EPA034954号お
よび米国特許第5,396,671号に記載されているように、最大の表皮接触および支
持を保証するよう、空気入口ソケットの一部は空気サック（７１）およびセクシ
ョンに分割されたマットレスへの供給部に加圧された冷却空気を供給できる。

【００２５】 通常の生理学的血液温度まで再び患者を暖める速度を制御することも重要であ
る。このことは、密閉体への空気の供給を徐々に暖めるようにすることによる、
本発明の別の特徴によって達成できる。このことは、例えば患者の中心部の温度
をモニタしながら、半コネクタ（６４）へ供給される空気の温度を徐々に高める
ことによって達成できる。

【００２６】 本明細書に記載した実施例では、密閉体は密閉体内の空気の若干正の圧力、お
よび二重表皮壁および膨張可能なリブ、例えばリブ（１２）および（６１）内の
膨張空気の効果を含む要素の組み合わせによって支持される。しかしながら、密
閉体をワイヤー、糸、ストリングまたはウェブによって吊り下げる外部フレーム
によって、密閉体を支持したり、（または追加支持体を設ける）ことが望ましい
こともある。これとは異なり、例えばマットレス、ベッドまたは他の支持表面内
のリセス内にて下方端部に位置できるワイヤーフレームまたはポールを含む内部
フレームに密閉体を支持してもよい。膨張可能なサック（７１）は冷却された空
気供給部から送られる冷却された空気によっても膨張させることが好ましい。ヘ
ッダー（５４）からの一部の冷却された空気は、密閉体の断熱性を高めるよう、
パネル（５１）の二重表皮の間の空間内に流れ出る。導管（８）および（１２）
内の出口から密閉体へ送られる空気は、密閉体内の縫い目または固有の漏れ部を
通して大気中に漏れることがある。しかしながら、密閉体からの冷却された空気
の空気流量をより予測できるようにするために、側部壁または端部壁に、好まし
くは密閉体の脚部端部に近い部分に出口６６を設けてもよい。

【００２７】 壁およびベースを形成する材料は湿分蒸気が透過できるものでよい。このこと
は、恐らくは湿分蒸気透過性材料から製造される、空気損失の低いマットレスの
サックを通って空気が流れることによって、汗または他の液体が蒸発できるよう
、ベースにとってはより重要なことである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 密閉体のベースパネル上に横たわっている患者を示す。

【図２】 図２中、（ａ）は、図１に示された、組み立てられていない密閉体の変形例の
平面図であり、（ｂ）は、図１に示された、組み立てられていない密閉体の変形
例の端面図であり、（ｃ）は、図１に示された、組み立てられていない密閉体の
変形例の側面図である。

【図３】 図２（ａ）〜２（ｃ）に示された、組み立てられた密閉体の斜視図である。

【図４】 図４中、（ａ）は、組み立てられていない密閉体の平面図であり、（ｂ）は、
組み立てられていない密閉体の下面図であり、（ｃ）は、供給導管を取り付ける
方法を示す、（ａ）および（ｂ）の密閉体の詳細図である。

【図５】 図５中、（ａ）は、低空気損失量マットへ取り付けるようになっている、密閉
体の別の実施例を示す、一部を断面図にした分解斜視図であり、（ｂ）は、密閉
体の別の特徴を示す、密閉体の斜視図であり、（ｃ）は、密閉体の別の特徴を示
す、密閉体の斜視図であり、（ｄ）は、密閉体の別の特徴を示す、密閉体の斜視
図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＤＥ，Ｊ Ｐ，ＵＳ Ｆターム(参考） 4C099 AA02 CA01 EA02 GA21 LA07 PA01

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平熱よりも低いコア温度に患者を冷却するために用いる覆にお
   いて、患者の体の大部分を覆うためのシート材の上部に結合されるシート材の基
   部から成り、該基部及び／又は上部には、冷却エアーを患者に案内し且つこのエ
   アーを患者の一部又は複数の部分に指向させ、患者の体から急速に熱を奪うため
   の導管が組み合わされていることを特徴とする覆。
2. 【請求項２】 前記基部は、ベースパネル形状を有し、上部は、永久固定又は
   着脱自在の固定により、ベースパネルと結合して覆を形成する１又は２以上の上
   部パネルから成っている請求項１に記載の覆。
3. 【請求項３】 前記ベースパネルは、該パネルの長手方向に延びている少なく
   とも１個のヘッダー管に接続され、該ヘッダー管は、患者の体を指向するアウト
   レットに冷却エアーを供給する請求項２に記載の覆。
4. 【請求項４】 前記ベースパネルは、覆をマットレス、ベッド或いはその他の
   支持表面に固定するためのフラップを少なくとも１個備えている請求項３に記載
   の覆。
5. 【請求項５】 平熱よりも低いコア温度に患者を冷却するために用いる覆にお
   いて、サイドパネル、エンドパネル、患者の体の一部に冷却エアーを吹き付け、
   そこから急速に熱を奪うための通風部材、及び該通風部材に冷却エアーを供給す
   るためのヘッダー管から成ることを特徴とする覆。
6. 【請求項６】 前記通風部材は、患者の首部及び又は鼠径部を指向している請
   求項５に記載の覆。
7. 【請求項７】 空気膨張性のマットレスに固定され、ヘッダー管をマットレス
   にエアーを供給する部材に接続するためのクイック−リリースコネクタを備えて
   いる請求項４に記載の覆。
8. 【請求項８】 前記マットレスは、エアーロスの少ないものであり、マットレ
   スにエアーを供給する部材は、冷却エアー源から成っている請求項７に記載の覆
   。
9. 【請求項９】 少なくとも上部パネルは二重壁構造を有しており、上部パネル
   の二重壁の間に冷却エアーを供給するための部材が設けられ、覆のシール性が高
   められている請求項３に記載の覆。
10. 【請求項１０】 前記パネルの少なくとも１個は、覆の直立保持を捕捉する可
    撓性リブを有している請求項１乃至９の何れかに記載の覆。
11. 【請求項１１】 平熱よりも低いコア温度に患者を冷却するための装置におい
    て、患者を受ける第１の可撓性パネル、第１のパネルに接続され、患者を覆うよ
    うな覆を形成する折り畳み可能な１又は２以上の他の可撓性パネル及び冷却エア
    ー源に接続された少なくとも１個の導管を備え、前記ベースパネルは、複数の膨
    張サックを含むマットレス上に保持され、前記導管は、空気流を患者の体に吹き
    付ける１又は２以上のアウトレットに接続されていることを特徴とする装置。
12. 【請求項１２】 前記導管は、ベースパネルの縦方向に延びている請求項１１
    に記載の装置。
13. 【請求項１３】 前記他のパネルは、覆内での大気圧よりも大きな空気圧によ
    って、少なくとも患者の皮膚に部分的に非接触である壁を形成する請求項１１に
    記載の装置。
14. 【請求項１４】 前記他の壁は、リシール可能な密封手段によって互いに結合
    されて蓋体を形成している請求項１１乃至１３の何れかに記載の装置。
15. 【請求項１５】 前記導管は、膨張性サックと同じ冷却エアー源に接続されて
    いる請求項１１乃至１４の何れかに記載の装置。
16. 【請求項１６】 前記ヘッダーを、加温空気源に接続するための部材を備え、
    患者をコア温度から通常の血液温度に暖める請求項１１乃至１５の何れかに記載
    の装置。
17. 【請求項１７】 患者の温度をモニターしながら覆を徐々に加温する手段を備
    えた請求項１６に記載の装置。