JP2002527481A - 哺乳動物の記憶を改善する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオン及びその３βエステルの有効量を投与することにより、健康な哺乳動物の記憶及び年齢とともに記憶の減退した哺乳動物の記憶を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の分野 本発明は、記憶を改善する医薬及び食事補充物の使用に関する。

【０００２】 背景 長年、特殊な食物の摂取から黙想にまで及ぶ努力を含む、記憶を改善する方法
が探究されてきた。これらの技術のあるものが、記憶の改善において限られた成
功を示す一方、記憶を改善するための他に採り得る手段が探索し続けられている
。

【０００３】 発明の要約 Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオン及びその３β−エス
テルの有効量を投与することにより、健康な哺乳動物及び年齢と共に記憶が減退
した哺乳動物の両者の記憶が改善できることを発見した。

【０００４】 最良の方法を含む本発明の詳細な記述 定義 ここで使用される用語「健康な哺乳動物」は、記憶を損なうか、さもなければ
記憶を減ずることが知られている疾病、障害、虚弱又は不快になっていると診断
されていない動物を意味する。

【０００５】 ステロイド ステロイドΔ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオンは、性ホ
ルモンの製造を多少とも刺激せず、増加させず又はさもなければ強化しない、デ
ヒドロエピアンドロステロン（ＤＨＥＡ）の誘導体である。このステロイドは、
Steraloids,Inc.of Newton,Rhode Islandを含む多数の出所から市販されている
。このステロイドの３βアセチル形は、Humanetics Corporation of St.Louis P
ark,Minnesotaから市販されている。ＤＨＥＡからΔ５−アンドロステン−３β
−オール−７，１７−ジオン及び３βアセチル形を合成するのに多数の操作手順
を利用でき、そのような操作手順の１つが米国特許第５２９６４８１号に記載さ
れている。

【０００６】 Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオンの前駆体も、記憶を
改善するために有効に使用することができる。そのような前駆体は、生体内で容
易に代謝され、活性Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオンに
転換される。そのような代謝転換可能な前駆体の１例は、市販のΔ５−アンドロ
ステン−３β−アセチル−７，１７−ジオンである。３β−アセチル基は、血液
及び種々の組織中に存在するエステラーゼにより生体内で加水分解され、活性Δ
５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオンを生じ、かつ前記アセチ
ル基は、製造工程の間、活性Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−
ジオン上に見られるヒドロキシ基より酸化に対する感受性が低いと考えられてい
る。他の代謝転換可能な前駆体は、Δ５−アンドロステン−３β，１７β−ジオ
ール−７−オン、Δ５−アンドロステン−３β，７α−ジオール−１７−オン、
Δ５−アンドロステン−３β，７β−ジオール−１７−オン及びこれらのステロ
イドの相当するエステルを含む。

【０００７】 投与 投与経路 粘膜投与、経口摂取、眼内投与、皮下注射、経皮投与等々を特定的ではあるが
、排他的ではなく含む、医薬製剤投与のために通常認容される医療手段の何れか
を事実上用いて、ステロイドを投与することができる。

【０００８】 ステロイドの粘膜投与は、頬側粘膜、気管内粘膜、鼻粘膜、咽頭粘膜、直腸粘
膜、舌下粘膜、膣粘膜等々のような経路を含む。頬側／舌下／咽頭／気管内粘膜
を経る投与のために、ステロイドを、乳液、ガム(gum)、ロゼンジ、スプレー、
錠剤又は包接錯体（inclusion complex）、例えばシクロデキストリン包接錯体
、として、処方することができる。経鼻投与は、かぎパウダー（sniffing power
）又は鼻スプレーを使用して行うのが好都合である。直腸及び膣投与用には、ス
テロイドは、クリーム、灌注液（douch）、浣腸剤又は座薬として処方すること
ができる。

【０００９】 ステロイドの経口摂取は、ステロイドを食物又は飲料に混ぜるか又はステロイ
ドを噛み砕き得るか又は嚥下し得る錠剤に処方することにより、行うことができ
る。

【００１０】 眼内投与は、点滴薬又はスプレーのような経眼用途用に適合された溶液又は懸
濁液にステロイドを混ぜることにより行うことができる。

【００１１】 皮下投与は、薬学的に認容できかつ注射できる担体中にステロイドを混ぜるこ
とを含む。

【００１２】 経皮投与については、ステロイドを脂肪親和性担体中に混入し、局所的クリー
ム（topical creme）又は接着パッチとして好都合に処方することができる。

【００１３】 用量率 所望の生物学的特性及び特徴を得るのに有効な投薬量及び用量率の範囲は、標
準の工業的実施により決定することができる。所望の応答が、事実上、予防、調
整、改善又は治療であるかどうかに依存して、これらの範囲は異なることが予想
できる。

【００１４】 実施例 例１（老齢マウス） 老齢である、２歳のマウスを、モリス水迷路方法（Morris water maze proced
ure）で、台の位置を１５秒未満で突き止めるよう３回連続試行でマウスを訓練
することにより、試験した。訓練完了後直ちに、マウスの１グループにＤＨＥＡ
（２０ｍｇ／ｋｇ）を投与し、第二のグループはΔ５−アンドロステン−３β−
アセチル−７，１７−ジオンの等モル量を投与した。投与の２週間後、モリス水
迷路方法で救出時間を計った。対照 ３６秒；ＤＨＥＡ ２７秒；Δ５−ア
ンドロステン−３β−アセチル−７，１７−ジオン １３秒。

【００１５】 例２（スコポラミン誘発性健忘症） １３〜１６Ｃ５７ＢＬ７６マウス（３５ｇｍ）のグループを、モリス水迷路方法
で、台の位置を１５秒未満で突き止めるよう３回連続試行でマウスを訓練するこ
とにより、試験した。訓練完了後直ちに、３グループのマウスに、それぞれ、ス
コポラミン（１ｍｇ／ｋｇ）、スコポラミン＋ＤＨＥＡ又はスコポラミン＋Δ５
−アンドロステン−３β−アセチル−７，１７−ジオンを投与した。投与６日後
、モリス水迷路方法で平均救出時間（秒）を計った。対照 １２．２±１．８
；スコポラミン ２０．０±３．６；スコポラミン＋ＤＨＥＡ ９．７±１
．６；スコポラミン＋Δ５−アンドロステン−３β−アセチル−７，１７−ジオ
ン ８．３±１．８。但し、対照対スコポラミンは、ｐ＜／＝０．０５５；ス
コポラミン対スコポラミン＋ＤＨＥＡは、ｐ＜／＝０．０２；スコポラミン対ス
コポラミン＋Δ５−アンドロステン−３β−アセチル−７，１７−ジオンは、ｐ
＜／＝０．００８である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4C086 AA01 AA02 DA09 MA01 MA04 NA14 ZA15 4C091 AA01 BB05 CC01 DD01 EE04 FF01 GG01 HH01 JJ03 KK01 LL01 MM03 NN01 PA09 QQ01

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオン及
   びその３βエステルから選択されるステロイドの有効量を哺乳動物に投与するス
   テップを含む、健康な哺乳動物の記憶を改善する方法。
2. 【請求項２】 哺乳動物にステロイドを投与するステップは、ヒトへステロ
   イドを投与するステップを含む、請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】 前記方法は、健康なヒトの長期記憶を改善する、請求項２記
   載の方法。
4. 【請求項４】 ステロイドの投与ステップは、ステロイドを注射するステッ
   プを含む、請求項２記載の方法。
5. 【請求項５】 ステロイドの投与ステップは、ステロイドの摂取を誘発する
   ステップを含む、請求項２記載の方法。
6. 【請求項６】 ステロイドの投与ステップは、Δ５−アンドロステン−３β
   −アセチル−７，１７−ジオンの投与ステップを含む、請求項２記載の方法。
7. 【請求項７】 Δ５−アンドロステン−３β−オール−７，１７−ジオン及
   びその３βエステルから選択されるステロイドの有効量を哺乳動物に投与するス
   テップを含む、老齢により記憶の減退した哺乳動物の記憶を改善する方法。
8. 【請求項８】 哺乳動物にステロイドを投与するステップは、ヒトへステロ
   イドを投与するステップを含む、請求項７記載の方法。
9. 【請求項９】 前記方法は、ヒトの長期記憶を改善する、請求項８記載の方
   法。
10. 【請求項１０】 ステロイドの投与ステップは、ステロイドを注射するステ
    ップを含む、請求項８記載の方法。
11. 【請求項１１】 ステロイドの投与ステップは、ステロイドの摂取を誘発す
    るステップを含む、請求項８記載の方法。
12. 【請求項１２】 ステロイドの投与ステップは、Δ５−アンドロステン−３
    β−アセチル−７，１７−ジオンの投与ステップを含む、請求項８記載の方法。