JP2002526511A - 平行セレックス - Google Patents

平行セレックス

Info

Publication number
JP2002526511A
JP2002526511A JP2000574297A JP2000574297A JP2002526511A JP 2002526511 A JP2002526511 A JP 2002526511A JP 2000574297 A JP2000574297 A JP 2000574297A JP 2000574297 A JP2000574297 A JP 2000574297A JP 2002526511 A JP2002526511 A JP 2002526511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
reactant
product
rna
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000574297A
Other languages
English (en)
Inventor
イートン、ブルース
タラソウ、セオドア、エム
Original Assignee
インベナックス、インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インベナックス、インコーポレイテッド filed Critical インベナックス、インコーポレイテッド
Publication of JP2002526511A publication Critical patent/JP2002526511A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1048SELEX
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6811Selection methods for production or design of target specific oligonucleotides or binding molecules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C40COMBINATORIAL TECHNOLOGY
    • C40BCOMBINATORIAL CHEMISTRY; LIBRARIES, e.g. CHEMICAL LIBRARIES
    • C40B40/00Libraries per se, e.g. arrays, mixtures

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は生成物を作るための反応を促進することができる核酸とともに二つ以上の反応物から生成物を共進化させるための方法を開示する。本発明は更に該方法により製造された生成物と促進性核酸を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) この発明は、反応体間の反応、好ましくは結合形成が促進性質を有する核酸に
より媒介される2種またはそれ以上の反応体から生成物を、製造するための方法
に関する。また、本発明において該方法により造られた生成物が包含される。さ
らに特定的には、本発明は、促進性核酸そして該促進性核酸の媒介により構築さ
れる生成物を共同発生(coevolving)ための方法に関する。本発明はさらに、促
進性質を有する核酸を確認(同定)するための方法および前記核酸に関する。
【0002】 (背景技術) ターゲット分子への高度に特異的な結合を有する核酸分子のインビトロ発生の
ための方法が開発されて来た。SELEXと呼ばれるこの方法、指数富化による
配位子の系統的発生(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enric
hment)は、“指数富化による配位子の系統的発生”と題する米国特許出願シリ
アル第07/536,428号(現在、放棄)、“核酸配位子”と題する199
1年6月10日に出願された米国特許出願シリアル第07/714,131号(
現在、米国特許第5,475,096号)、および“核酸配位子を確認(同定)
する方法”と題する1992年8月17日に出願された米国特許出願シリアル第
07/931,473号(現在、米国特許第5,270,163号、またWO9
5/19813参照)において記載されている(これらの特許出願の各々を参照
することにより特に本明細書に組み入れる)。集約的にSELEX特許出願とし
て本明細書において称される、これらの出願の各々は、任意の所望のターゲット
分子に核酸配位子を造るための基本的な新規の方法を記載している。
【0003】 結合親和性および選択性の実質的に任意の所望の規準を達成させるために、同
じ一般的選択計画を用いて、SELEX法は、候補オリゴヌクレオチドの混合物
からの選択、そして結合、分配および増幅の段階的反復を包含する。好ましくは
ランダム化配列のセグメントを含む、核酸の混合物から出発して、SELEX法
は、結合のために好ましい条件下に該混合物をターゲットと接触させ、ターゲッ
ト分子に特異的に結合された核酸から結合されていない核酸を分割し、核酸−標
的複合体を解離し、核酸−ターゲット複合体から解離された核酸を増幅して核酸
の配位子富化混合物を生成し、次にターゲット分子への高度に特異性の高い親和
性の核酸配位子を生ずることの所望に応じて、多くのサイクルを通じて結合、分
割、解離および増幅の工程を反復する、工程を包含する。
【0004】 SELEX法は、化学化合物としての核酸が、形、大きさおよび形態の広い配
置を形成することが出来そして結合のはるかに広い種類が可能でありそして生物
系において示される機能以外の機能が可能であることを示すことを本発明者によ
り認識された。
【0005】 多年にわたっての教理は、核酸が情報的役割を主として有したことであった。
SELEXの適用により、核酸が、たんぱく質と異なって、3つの三次元的構造
相違点を有することが本発明者に明らかになった。それとして、SELEXまた
はSELEX様方法は、核酸配位子が任意の一定のターゲットについて確認(同
定)されることが出来る任意の選ばれた反応を促進することが出来る核酸を確認
(同定)するために使用されることが出来ることを本発明者は認識した。理論に
おいて、本発明者は、約1013〜1018の核酸の候補混合物内において、広い種
々の物理的且つ化学的相互作用を促進させるために適当な形を有する少なくとも
1種の核酸が存在すると仮定する。
【0006】 今日までの研究は、ほんの狭い下位のセットの促進能力を有するほんの2、3
の核酸が確認されただけだった。2、3のRNA触媒が知られている(Cechによ
るScience 236:第1532頁〜第1539頁(1987)およびMcCorkleおよびAltmanによる
J. Chem. Education 64:第221頁〜第226頁(1987))。これらの天然に存在する
RNA酵素(リボザイム類)だけが今日までオリゴヌクチオチド基質上に働らく
ことが知られていた。さらに、これらの分子は狭い範囲の化学的実現性にわたっ
て性能を果し、それはかくして、たんぱく質生合成におけるRNAの可能な影響
以外は、りん酸ジエステル結合縮合/加水分解に非常に大きく関連する。RNA
またはDNA触媒を確認するための熱心な最近の研究にもかかわらず、ほとんど
首尾よく確認されなかった。りん酸ジエスラル開裂、アミノアシルエステル類の
加水分解(Piccirilli等によるScience 256:第1420頁〜第1424頁(1992))、3
′OHを用いての触媒5′トリホエフェート端へのオリゴヌクレオチドの結さく
(BartelおよびSzostakによるScience 261:第1411頁〜第1418頁(1993))、ア
ミド結合開裂(Dai等によるScience 267:第237頁〜第240頁(1995))、ビフェ
ニルイソメラーゼ活性(Prudent等によるScience 264:第1924頁〜第1927頁(199
4))およびポリヌクレオチドキナージ活性(LorschおよびSzostakによるNature
371:第31頁〜第36頁(1994))が観察された。Illangasekare等(Science 267:
第643頁〜第647頁(1995))は炭素−酸素結合形成を触媒作用する第1RNA分
子を記載している。今日まで知られている核酸触媒は結合形成/分解反応におけ
るそれらの有効性に伴なっての、或る種の欠点を有している。それらの欠点の中
には、それらがたんぱく質酵素に比較的にゆっくりと働らくことそして上記した
とおりにそれらがやや狭い範囲の化学的実現性にわたって機能を果すことの欠点
がある。
【0007】 基本的なSELEX法は多くの特定の目的を達成させるために修正された。例
えば、“構造のベースについての核酸を選択する方法”と題する1992年10
月14日に出願された米国特許出願シリアル第07/960,093号(現在、
放棄;または米国特許第5,707,796号参照)は、ベントDNAのような
、特異的構造特性を有する核酸分子を選ぶためにゲル電気泳動と組み合わせて、
SELEXの使用を記載している。“核酸配位子の光選択”と題する1993年
9月17日に出願された米国特許出願シリアル第08/123,935号(現在
、放棄;また米国特許第5,765,177号参照)は、ターゲット分子に結合
しそして(または)それに光架橋しそして(または)ターゲット分子を光不活性
化することが出来る光反応性基を含有する核酸配位子を選択するためのSELE
Xをベースとする方法を記載している。米国特許出願シリアル第08/123,
935号(特に参照することにより本明細書に組み入れる)のCIPである、1
994年9月19日に出願された共係続中のPCT出願公開第WO95/080
03号はHIV−1 Revたんぱく質に共有的に結合している5−ヨードウラ
シル残基を含有している或る種の核酸配列が確認されたことを開示している。“
テオフィリンとカフェインとの間を弁別する高い親和性の核酸配位子”と題する
、1993年10月7日に出願された米国特許出願シリアル第08/134,0
28号(現在放棄:また米国特許第5,580,737号参照)は、カウンター
−SELEXと称される、近接的に関連した分子間を弁別することが出来る高度
に特異な核酸配位子を確認するための方法を記載している。“指数富化による配
位子の系統的発生:ソルーションSELEX”と題する1993年10月25日
に出願された米国特許出願シリアル第08/143,564号(現在放棄:また
米国特許第5,567,588号参照)は、ターゲット分子について高いそして
低い親和性を有するオリゴヌクレオチド間を高度に有効に分割させることを達成
するSELEXをベースとする方法を記載している。“指数富化による配位子の
系統的発生:ケミ−SELEX”と題する1995年3月8日に出願された米国
特許出願シリアル第08/400,440号(現在米国特許第5,705,33
7号はそのターゲットに核酸配位子を共有的に結合するための方法を記載してい
る。
【0008】 SELEX法は、改良されたインビボ安定性または改良された送り出し特性の
ような改良された特性を配位子に与える修飾されたヌクレオチドを含有する高度
に親和性の核酸配位子の確認を包含する。そのような修飾の例は、リボースおよ
び(または)ホスフェートおよび(または)塩基位置での化学的置換を包含する
。修飾されたヌクレオチド類を含有するSELEX確認核酸配位子は、ピリミジ
ン類の5−および2′−位置で化学的に修飾されたヌクレオチド誘導体を含有す
るオリゴヌクレオチド類を記載している、“修飾されたヌクレオチド類を含有す
る高親和性核酸配位子”と題する1993年9月8日に出願された米国特許出願
シリアル第08/117,991号(現在放棄:また米国特許第5,660,9
85号参照)において記載されている。上記米国特許出願シリアル第08/13
4,028号は2′−アミノ(2′−NHz)、2′−フルオロ(2′−F)お
よび(または)2′−O−メチル(2′−OMe)で修飾された1種またはそれ
以上のヌクレオチドを含有する高度に特異性の核酸配位子を記載している。“分
子間親核性置き換えにより既知のおよび新規の2′修飾されたヌクレオチド類の
新規な製造方法”と題する1994年6月22日に出願された米国特許出願シリ
アル第08/264,029号(現在米国特許第5,756,703号)は、種
々の2′−修飾ピリミジン類を含有するオリゴヌクレオチド類を記載している。
【0009】 SELEX法は、“指数富化による配位子の系統的発生:キメラ性SELEX
”と題する1994年8月2日に出願された米国特許出願シリアル第08/28
4,063号(現在、米国特許第5,637,459号)および“指数富化によ
る配位子の系統的発生:ブレンド化SELEX”と題する1994年4月28日
に出願された米国特許出願シリアル第08/234,997号(現在、米国特許
第5,683,867号)のそれぞれに記載されているような、選択されたオリ
ゴヌクレオチド類を、他の選ばれたオリゴヌクレオチド類および非オリゴヌクレ
オチド官能単位と組み合わせることを包含する。これらの適用は、オリゴヌクレ
オチド類の、形の広い配置および他の性質そして有効な増幅および複製性質を、
他の分子の所望の性質と組み合わせることを可能にする。基本的なSELEX法
の修飾を記載する上記特許出願の各々は特にそれらの全体において参照すること
により本発明に組み入れられる。
【0010】 新しい医薬を発見するための方法として組み合わせ化学を使用するために最近
幾つかの試みが行なわれた。異なる構造の配置を有する組み合わせのライブラリ
を造るために2、3の念の入った計画が考案された。既知の組み合わせのライブ
ラリと一緒にされた構造は、SELEX法のために前記されたような核酸類、ペ
プチド類(Brenner等によるPNAS 89:第5381頁〜第5383頁(1992); Needels等に
よるPNAS 90第10700頁〜第10704頁(1993): AlperによるScience 264第1399頁
〜第1401頁(1994); LongmanによるIn Vivo第23頁〜第31頁(1994); Fodor等
によるScience 251第767頁〜第773頁(1991);および小さい有機分子に向けられ
たずっと小さい数(Ohlmeyer等によるPNAS 90第10922頁〜第10926頁(1993)を
包含する。既知の組み合わせのライブラリー方法の各々に伴なう或る欠点がある
【0011】 第1に、ペプチドまたは小さい分子組み合わせのライブラリーを造るために用
いられる計画の或るものは、配置/マトリックスにおける任意の点で生じた化学
の軌道を保つために厳格な記録保持システムを必要とする。さらに、ペプチド類
および小さい有機分子は増幅可能性がなくそしてそれ故に、それぞれ各々の生成
物の比較的に大きな量は、所望の生成物の試験および確認を可能にするためにラ
イブラリ中に存在しなければならない。特定の生成物の大きな十分な量を得るた
めに、配置を造り上げる反応は、高度に有効でなければならない。さらに重要な
ことには、これらの方法を実施させるために、配置における同じ部位で生成物と
副生成物との混合物を有することが可能でない。各々が予期出来る結果を有する
単一反応からなる多重工程の異量体(polymeric)組み合わせにより多様性がも
たらされる。しかしながら、異量体組み合わせの範囲は収量および記録保持拘束
により制限される。
【0012】 小さな分子組み合わせ方法の他の制限は、不斉反応による新しい立体中心を生
ずる結合形成反応を排除することである。不斉反応を排除することにより、これ
らの方法は、単一工程で生成されることが出来る化学的多様性を提供しない。多
くの場合、不斉反応は制御することが異なり、そこでもし新しいキラル中心を形
成する反応が、組み合わせの計画に包含される場合、ラセミ体生成物混合物が生
ずることが恐らくは起るであろう。1つより多くのキラル中心が存在する場合、
ジアステレオ異性体生成物混合物が背景問題を生ずる可能性がある。例えば、そ
れは構築のために理想的な原子および基が導入されることが可能であるがしかし
キラリティが所望の性質のためにきわめて重大でありそして正しい鏡像異性体が
合計の小さなパーセンテージとしてのみしか存在しない可能性がある。この例に
おいて、正しい鏡像異性体が確認されるのに十分な量で造られないことが生ずる
まったくの恐れがある。さらに、大きな配置の反応体が不斉トランスフォーメー
ションにおいて包含される場合、各々それぞれの反応のキラリティを正確に予測
することは不可能である。それ故にラセミ体混合物に伴なう困難性が従来の手段
によって克服されることが出来ることは恐らくは不可能であろう。従来の組み合
わせライブラリー方法において不斉触媒作用を包含させるために必要とする労力
および時間は一般に実用的でない。それ故に、不斉反応は記載の問題を回避する
ために一般に排除される。
【0013】 それにもかかわらず、非対称性の反応は、全ての結合形成反応タイプのうち最
も強力なものを含む。コンビナトリアルライブラリー(combinatorial library
)アプローチ法における非対称性の反応の欠失は、作製される生産物のタイプ及
びライブラリーの大きさを著しく制限する。後述の例は、非対称性の反応によっ
てもたらされる、限りない多様性を例示するものである。一般的に、反応物の掛
け合わせ(matrix)から生じるであろう生産物の数は、M=反応物の数、n=キ
ラル中心の数として、M×2nである。1つの非対称性の結合が形成される結合
形成反応の、構成される掛け合わせを考慮されたい。潜在的な生産物の数は、そ
の掛け合わせによる生産物の2倍として増加する。形成される各結合に対して、
2つのキラル中心が発生する可能性があり、よって、単一のトランスフォーメー
ション(transformation)に対して、可能な組合せの数は、4つまり22である
ことに留意されたい。非対称性の反応の特定の例として、2つの炭素−炭素結合
が形成され、4つのキラル中心が存在する可能性があるDiels-Alder反応を考慮
されたい。 Diels-Alder反応について、ジエン親和性(dienophile)反応物の両端は、関連
の立体化学に従い、ジエン反応物の両端であるように結びつき、可能性としての
数を各ジエン/ジエン親和性物質の対に対して23に減少させる。これは、10のジ
エンとの組合せでの単一のジエン親和性物質に対して、形成され得る生産物分子
の数が1×10×23=80であることを意味する。同レベルの多様性を、単一結合
形成工程のみを用いる従来のコンビナトリアルアプローチ法から獲得するために
は、81の化合物の直接的な合成が必要となる。10×10の反応物の配列(array)
に対して、標準的なコンビナトリアルアプローチ法は、100の化合物を産出する
。10×10の反応物に対する、非対称性Diels-Alder反応の配列は、オリジナルの2
0から800の新化合物を産出する可能性を有する。現在のコンビナトリアル戦略は
、非対称性トランスフォーメーションの全ての可能な生産物を選別する(screen
)ことはできない。なぜなら、所望の生産物を各々得ることは一般的にはできな
いからである。上記したように、非対称性反応の排除は、慣用のコンビナトリア
ルライブラリーアプローチ法の重大な制限となる。
【0014】 理想的なコンビナトリアルライブラリーアプローチ法は、SELEX法を補完
するものであり、収量は重要ではなく、オリゴヌクレオチド生産物を増幅する能
力によって、さらに、一般的に経口投与で活性であり、比較的安価で生産できる
小さい有機分子を産出する。本願発明は、SELEXの能力と、生産物の広範な
、構造的に多様なライブラリーを生むための新規アプローチ法とを組合せるもの
である。本願発明で採用されるアプローチ法は、他のコンビナトリアルライブラ
リーアプローチ法に関連する多くの不備を克服し、将来の薬物発見において革新
的な概念を表すものである。
【0015】 発明の簡単な概要 本発明は一以上の化学反応物からのライブラリーの各メンバーを製造するため
に必要な対応する核酸促進剤と同時に進展する生成物ライブラリーを提供する。
より重要なことは、生成物はあらかじめ決定された望ましい特性を持つ生成物ラ
イブラリーから同定することができる。平行セレックス(SELEX)(Par
allel SELEX)と本明細書中で呼ばれるこの方法は、このような生成
物ライブラリーを生じ、次いで望ましい特性を有する生成物を同定するために用
いられるSELEX様プロセスである。SELEXプロセスにおけると同様、極
めて大きく多様な核酸試験混合物が提供される。各核酸は化学反応物にカップリ
ングしている。本発明は十分大きな核酸ライブラリーにおいて、核酸に結合した
化学反応物と遊離の化学反応物との間の化学反応を仲介することができる核酸試
験混合物において核酸を同定することができるという仮定を前提としている。さ
らに、化学反応を仲介することができる核酸のサブセットの間で、いくつかはす
べての可能な生成物の各々又は実質的部分を発生させるのに高度に特異的である
。それゆえ、生成物ライブラリーはある一定の反応のすべての可能な生成物のう
ちの少なくともいくつかを含む。核酸は生成物に対する促進性の特異性を発揮し
、その生成物はターゲット上でのあらかじめ決定された望ましい作用に対する特
異性を発揮する。
【0016】 パラレルセレックス(Parallel SELEX)法は従来技術の組合せ
ライブラリーアプローチ法の欠点の多くを解消する。その最も基本的な形として
、パラレルセレックス法は、二つ以上の反応体を接触させ、ここで、反応体の一
つは結合形成を仲介しうる核酸に結合し、あらかじめ決めた所望の特性を有する
生成物を選び、反復増幅のためにセレックス法のパワーを用いて生成物を同定す
ることにより生成物ライブラリーを形成することからなる。パラレルセレックス
法の概要図を図1に示す。
【0017】 本発明は所望の生成物を生成物ライブラリーから同定する方法を提供し、ここ
で、同所望の生成物は、ターゲットにあらかじめ選択した機能を果すその能力に
対して選択され、同方法は、各々がランダマイズド配列の領域を有し、また各々
が最初の反応体と結合する核酸からなる核酸−反応体テスト混合物を調製し;同
核酸−反応体テスト混合物をフリーの反応体と反応させ、同最初の反応対とフリ
ーの反応体との反応により形成される生成物と結合した核酸からなる生成物ライ
ブラリーを形成し;そして前記あらかじめ選択した機能を果すそれらの相対的能
力に基づいて前記生成物ライブラリーの構成員間を仕切ることからなり、よって
前記所望の生成物を同定することができる。
【0018】 本発明は、少なくとも結合した反応体およびフリーの反応体の間の反応の結果
である生成物の混合物からなる生成物ライブラリーを提供し、ここで、同結合し
た反応体は、前記反応体の反応を促進した核酸に結合している。
【0019】 パラレルセレックス法は、生成物のマトリックスのトラックとそれらのそれぞ
れの性質を保つ必要もなく、また高度に効率のよい、あるいは迅速な反応も必要
もない。この利点は、生成物形成が特定の核酸によって管理されているというこ
との結果である。この管理されたアプローチは他の組合せライブラリーアプロー
チによって行われるコードされたアプローチと対照をなす。
【0020】 所望の生成物形成を特異的に促進する核酸は容易に増幅可能で、生成物は続く
生産ラウンドで確かに再生産される。この方法は、最初に起る多くの反応を可能
にし、あらかじめ決めた所望の性質を示す生成物が形成されたことを一度測定し
たら、後でえり分けることができる。この方法により、生成物は詳細な構造情報
がなくても選択されうる。
【0021】 パラレルセレックス法は、不斉反応を用いる生成物ライブラリーの形成を包含
する。慣用の組合せライブラリーアプローチと違い、たとえ反応開始時に立体化
学的結果を予測することができないとしても、不斉反応は包含されうる。パラレ
ルセレックス法が効果的であるのに特別の性質を追跡する必要はない。唯一の要
件は核酸が可能な反応の総数の少なくとも限りのあるサブセットを仲介するとい
うことである。
【0022】 もう一つの態様として、促進的な核酸が提供される。促進的な性質を有する核
酸は結合形成もしくは結合解裂のような化学反応を仲介することが可能である。
核酸を種々のやり方で修飾して、追加の電荷、極性、水素結合、静電反応および
化学反応仲介に役立つフラッキシオナリティ(fluxionality)を提供する他の化
学基を含ませることができる。他の化学基としては、とりわけ、アルキル基、ア
ミノ酸側鎖、種々のコフアクターおよびオルガノメタル部分があげられる。本発
明では促進的核酸があらかじめ決めた所望の性質を有する生成物の合成を指示す
るということが必要である。
【0023】 本発明には本発明の生成物を含有する医薬組成物および同組成物の投与方法が
含まれる。
【0024】 発明の詳細な記述 パラレルセレックス法は、核酸に結合した第一の化学反応体のプールとフリー
の化学反応体のプールとを合併することにより形成される生成物ライブラリーを
提供する。結合した核酸は生成物ライブラリーに導く化学反応を仲介することが
でき、さらに核酸を増幅させ、あらかじめ決めた所望の性質を有する生成物を豊
富にして、生成物ライブラリーからの同定を可能にする。
【0025】 その最も一般的な形として、パラレルセレックス法は図1におけるごとく記載
することができる。核酸−反応体テスト混合物は、第1の反応体(R)を試験混
合物(102〜1018核酸とランダマイズド配列とを含む)中で核酸の各々に結
合することにより形成される。核酸−反応体テスト混合物を、他のフリーの反応
体(三角形、五角形および六角形で示す)で処理する。これは第1の反応体(R
)と合併し、別の生成物を形成する。核酸テスト混合物(NA)から、別々の核
酸配列が図1において配列−A、配列−Bおよび配列−Cで示されるように異る
形の生成物の形成の促進と関連することを注目することは重要である。
【0026】 生成物は形態、反応性、あるいは形態と反応性の相方で異る。所望の生成物の
形態または反応性の仕切りはターゲットとの結合あるいはターゲットとの反応に
より達成される。蛋白質、小さな分子、脂質、糖類等はすべてターゲット(T)
の例である。ターゲットに結合または反応後、非反応生成物は、図1に示すよう
に、配列−Bおよび配列−Cに結合し、配列−Aから分離され、捨てられる。
【0027】 次いで、核酸配列−Aは種々の当業者周知の方法で増幅される。次いで、配列
−Aは、出発反応体の混合物で処理して選択生成物を形成させるのに特別の反応
を促進させることにより所望の生成物の組立てを促進するのに用いられる。
【0028】 代表的な反応として、配列−Aを第1の反応体に再結合させることができるが
、この再結合は必ずしも必要ではない。これは理想的な場合で、多くの場合、核
酸促進物質は出発混合物から1つ以上の生成物を組立てることができるが、選択
された生成物のすべてはターゲットと結合するか、または化学反応する所望の性
質を有する。
【0029】 I.定義 本明細書で本発明の記載に使用される一部の用語を以下に定義する。 「核酸」は、一本鎖または二本鎖のDNA、RNAのいずれか、およびそれらの任意
の化学的に修飾された鎖を意味する。修飾にはそれらに限定されるものではない
が、個々の核酸塩基または核酸全体に付加的な電荷、極性、水素結合、静電相互
作用および移動性を導入する他の化学基を提供する修飾が包含される。このよう
な修飾には、それらに限定されるものではないが、2’-位における塩基の修飾、
5-位におけるピリミジン塩基の修飾、8-位におけるプリンの修飾、7-位における
プリンの修飾、シトシンの環外アミンにおける修飾、5-ブロモウラシルの置換;
骨格の修飾、メチル化、異常な塩基ペアの配合たとえばイソシチジンおよびイソ
グアニジンのイソ塩基の配合等が包含される。修飾はまた、核酸の促進性を増強
する修飾も包含される。修飾には、キャッピングのような3’および5’修飾も包
含することができる。増幅の各ラウンド後に起こる修飾も本発明に適合する。増
幅後修飾を増幅の各ラウンド後に可逆性または不可逆的に付加することができる
。本発明では、事実上、核酸の任意の修飾が意図される。核酸のランダム化され
たセクションの長さは一般的に8〜800ヌクレオチド、好ましくは40〜400ヌクレ
オチドである。
【0030】 「核酸テスト混合物」とは、一部、それらに化学結合の形成および/または切
断を誘発させることができる形状を有する、異なる、ランダム化された配列の核
酸の混合物である。核酸テスト混合物のソースは、天然に存在する核酸もしくは
それらのフラグメント、化学的に合成された核酸、酵素的に合成された核酸また
は上記技術の組み合わせによって製造された核酸から得られる。好ましい実施態
様においては、それぞれの核酸は増幅過程を促進するランダム化領域を囲む固定
された配列を有する。
【0031】 「促進性を有する核酸」または「促進核酸」または「促進性核酸」または「核
酸ファシリテーター」とは、化学反応を誘発または促進できる任意の核酸を意味
する。化学反応は結合形成反応でもまた結合切断反応でもよい。本発明の好まし
い実施態様では結合の形成反応が意図される。核酸が促成製を有するためには、
必ずしも触媒的な転換性は必要ではない。生成物の形成の反応速度は核酸の存在
によって増大させることができるが、反応速度増大は促進性に要求されるもので
はない。促進性核酸のフォールディング、たとえばその三次元構造は特定の化学
反応を促進する。核酸は、単独で、その核酸に直接カップリングする他の触媒性
残基との組み合わせで、または溶液中に存在する他の触媒性残基との組み合わせ
で化学反応を誘発することができる。他の触媒性残基には、有機金属残基、金属
イオン等が包含される。核酸は異なる立体異性体の形成を引き起こすことができ
る。核酸は、たとえばそれらに限定されるものではないが、縮合/加水分解反応
、環状付加反応(たとえば、ジールス-アルダー反応、エン反応、および1,3双極
子付加反応)、α,β-不飽和化合物への接合付加、アルドール縮合、クライゼン
反応、ならびにペプチド、糖および脂質のグリコシル化を包含する様々な結合タ
イプの形成または切断を誘発することができる。さらに、核酸修飾が有機金属残
基を包含する場合には、それらに限定されるものではないが、シクロプロパン化
、エポキシ化、アジリジン化、水素化、アルキンの環状トリマー化、不飽和分子
の[3+2]および[4+1]環状付加、ならびにオレフィンメタセシスを包含
する反応が起こり、対称または不整生成物を形成することができる。
【0032】 「反応物」とは、核酸の熱的および化学的安定性に適合し、上述の修飾に包含
される結合形成反応または結合切断反応に関与する任意の化学的実体を意味する
。反応物の語は単一の化学的実体または一クラスの化学的化合物を意味し、数種
の一般化学構造を有する数種の反応物または異なる一般化学構造を有する数種の
反応物を包含する。反応物には、通常、2〜1000、好ましくは約26〜500の範囲の
分子量を有する。とくに好ましくは、反応物は小さい有機分子、たとえばアルケ
ン、アルキン、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸、芳香
族炭素、異項環、ジエン、チオール、スルフィド、ジスルフィド、エポキシド、
エーテル、アミン、イミン、リン酸塩、アミド、チオエーテル、スルホネートお
よびハロゲン化化合物が包含される。しかしながら、本発明の一部の実施態様に
おいては、さらに大きな反応物たとえばポリマーおよびタンパク質が包含される
。使用される化学的反応物は、無作為にまたは、所望の生成物の性質、その生成
物が有すると思われる活性、または生成物が作用すると思われる標的の性質に基
づく情報を含む多くの基準により選択することができる。
【0033】 「カップリング反応物」または「第一の反応物」または「第一の化学的反応物」は
、核酸にカップリングして核酸-反応物テスト混合物を形成する上述の反応物を
意味する。第一の反応物の核酸へのカップリングは共有結合でも非共有結合でも
よい。第一の化学的反応物は単一の化学的実体、または一クラスの化学的化合物
であってもよく、数種の一般化学構造を有する数種の反応物または異なる一般化
学構造を有する数種の反応物を包含する。たとえば、第一の反応物は、1種のア
ルケン(たとえば、1-プロペン)、または10種の異なるアルケン、または10種の
異なるアルケンおよび10種の異なるアルキンとすることができる。
【0034】 「遊離反応物」または「第二の反応物」または「遊離の化学的反応物」は、核
酸にカップリングしていない反応物を意味する。反応には、環状トリマー化反応
の場合のように、2種以上の遊離反応物を包含させることができる。遊離反応物
は互いにまたはカップリング反応物と同種でも異種でもよい。たとえば、遊離反
応物は、1種のアルケン(たとえば、1-プロペン)、または10種の異なるアルケ
ン、または10種の異なるアルケンおよび10種の異なるアルキンとすることができ
る。
【0035】 「核酸-反応物テスト混合物」とは、それぞれが第一の化学的反応物とカップ
リングした核酸の混合物を意味する。カップリングは共有結合でも非共有結合で
もよく、直接または核酸と反応物の間にリンカーを用いて行われる。核酸-反応
物テスト混合物は、遊離の化学的反応物のプールと接触させて生成物ライブラリ
ーを形成させる。
【0036】 「生成物」とは、1種または2種以上の反応物の間に核酸によって誘発された
結合形成または結合切断反応から生じる生成物を意味する。好ましい実施態様に
おいては、生成物は通常、カップリング反応物と遊離反応物の間で形成される。
反応して生成物を作成する2種の反応物は必ずしも化学構造の異なる反応物であ
る必要はない。本発明の生成物は、好ましくは、医薬的に活性で治療効果を示す
か、または診断剤もしくは農業用剤として有用な小さい有機分子である。生成物
の通常の分子量は、約40〜2000、好ましくは約100〜1000の範囲内である。しか
しながら、本発明の好ましさは劣る実施態様においては、生成物はさらに大きな
分子たとえばペプチド、タンパク質、ポリマー等でもよい。一部の好ましさが劣
る実施態様においては、反応は結合切断反応であり、カップリング反応物のみで
、または2種もしくはそれ以上の反応物の間で行うことができる。
【0037】 「生成物ライブラリー」とは、促進性核酸にカップリングされた反応物と好ま
しくは少なくとも1種の遊離反応物との間の化学反応によって形成される生成物
の収集を意味する。本発明の本質により、生成物ライブラリーは様々な化学構造
の多くの異なる生成物を含有することができる。
【0038】 「標的に対して予め選択された機能を行う能力を有する生成物」とは、予め定
められた所望の様式で標的に対して作用する生成物を意味する。標的に対する予
め定められた所望の作用の例には、それらに限定されるものではないが、標的の
結合、標的を触媒的に変化させること、標的もしくは標的の機能活性を修飾/変
化させる方式での標的との反応、自殺阻害剤の場合のような標的への共有結合、
標的と他分子の間の反応が包含される。1例として、生成物ライブラリー中、予
め定められた特性を有する生成物は、集団のバルクにおけるよりも大きな親和性
で標的に結合する生成物である。与えられた生成物ライブラリー中に、与えられ
た標的に対する予め定められた特性を有する2種以上の生成物が存在できる。予
め定められた特性を有する生成物は、標的に対するそれらの結合親和性または標
的に対するそれらの他の活性において互いに相違する。
【0039】 「標的」は、平行SELEX法によって同定される生成物が予め定められた所望の
様式で作用できる任意の化合物を意味する。標的分子は、タンパク質、ペプチド
、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、
基質、代謝物、遷移状態同族体、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養物、成長因
子、細胞、組織等であり、とくに制限はない。 とくに好ましい標的には、それらに限定されるものではないが、アンギオテン
シン変換酵素、レニン、シクロオキシゲナーゼ、5-リポキシゲナーゼ、IL-1β変
換酵素、サイトカイン受容体、PDGF受容体、II型イノシンモノリン酸デヒドロ
ゲナーゼ、β-ラクタマーゼ、およびかびシトクロームP-450が包含される。標的
には、それらに限定されるものではないが、ブラジキニン、好中球エラスターゼ
、tat, rev, gag, int, RT, ヌクレオカプシド等を含むHIVタンパク質、VEGF, b
FGF, TGFβ, KGF, PDGF, トロンビン、テオフィリン、カフェイン、サブスタン
スP, セレクチン、サイトカイン、ICP4, 補体タンパク質等を包含することがで
きる。 「分配」とは、核酸テスト混合物または核酸-反応物テスト混合物のメンバー
をその関連反応物が関与する反応を促進する核酸の能力に基づいてテスト混合物
のバルクから分割できる任意の操作を意味する。分配は本技術分野においてよく
知られた様々な方法によって達成することができる。フィルター結合、親和性ク
ロマトグラフィー、液-液分配、ゲルシフト、密度勾配遠心分離、分子量フィル
ター分配、サイズ排除クロマトグラフィー、サイズ排除膜分離および等電点電気
泳動はすべて適当な分配方法の例である。分配方法の選択は標的および生成物の
性質に依存し、本技術分野の通常の熟練者には周知の原理および性質によって行
うことができる。 したがって、生成物と会合している核酸(すなわち、促進性核酸)と第一の反
応物のみと会合している核酸(非促進性核酸)の間を分配することは初期の分配
工程として望ましい。この分配工程は、本技術分野の通常の熟練者には周知の多
くの方法、たとえばサイジングカラム、親和性クロマトグラフィー等によって達
成することができる。このような分配工程後、核酸テスト混合物中に促進性核酸
が濃縮される。
【0040】 「増幅」とは、分子または分子クラスの量またはコピー数を増大させる方法ま
たは方法工程の組み合わせを意味する。好ましい実施態様においては、増幅はテ
スト混合物のメンバーの分配後に行われ、増幅されるのは所望の生成物に会合す
る促進性核酸である。たとえば、RNA分子の増幅は、3つの一連の反応すなわち
、選択されたRNAのcDNAコピーの作成、ポリメラーゼ連鎖反応を用いる各cDNAの
コピー数の増大およびcDNAコピーの転写により選択されたRNA分子と同じ配列を
有するRNA分子の獲得によって行うことができる。本技術分野において周知の任
意の反応および反応の組み合わせ、たとえば本技術分野の熟練者には周知の直接
DNA複製、直接RNA増幅等を適宜使用することができる。増幅法では、増幅前の混
合物中の異なる配列の比率を本質的に表す増幅混合物の比率を生じることになる
。核酸に対する多くの修飾が酵素的増幅に適合することは周知である。増幅に適
合しない修飾は、必要に応じて、増幅の各ラウンド後に実施することができる。 「ランダム化」の語は、与えられた長さにわたって、原理的に任意可能な配列
を有する核酸のセグメントを記載するために用いられる。ランダム化された配列
は、所望により様々な長さ、約8から100以上までの範囲のヌクレオチドを有する
。ランダム化配列セグメントを作成する化学的または酵素的反応は、未知のバイ
アスまたは存在する可能性があるヌクレオチドの優先性により、数学的にランダ
ムな配列を生じないことがある。「ランダム」に代えて「ランダム化」の語が用
いられるのは、非理想性からのこのような偏差の可能性を反映するものである。
現在知られている技術、たとえば逐次化学合成では、大きな偏差が起こることは
知られていない。20ヌクレオチドまたはそれ以下の短いセグメントでは、起こる
可能性のあるわずかなバイアスによる結果は無視できる。 バイアスはランダム化された配列に、たとえば合成反応中の前駆体ヌクレオシ
ド(またはデオキシヌクレオシド)トリホスフェートのモル比を変化させること
によって故意に導入することができる。故意のバイアスは、たとえば二次構造へ
の影響、促進活性を有することが知られている分子に対するバイアスの導入、あ
る種の構造特性の導入、または予備的結果に基づいて所望される場合がある。
【0041】 「SELEX」法には、標的と所望の様式で相互作用する核酸リガンドの選択の組
み合わせ、たとえば選択された核酸の増幅とともにタンパク質への結合を包含す
る。選択/増幅工程の反復サイクリングは、きわめて大量の核酸を含有するプー
ルから標的と最も強力に沿うが作用する1個または少数の核酸の選択を可能にす
る。選択/増幅操作のサイクリングは選択のゴールが達成されるまで続ける。本
発明においては、所望の生成物と会合した核酸の増幅のためにSELEX法が採用さ
れる。 「平行SELEX」は、核酸テスト混合物中の核酸が化学的反応物にカップリング
され、これをついで、他の遊離の化学的反応物プールと促進される結合形成に好
ましい条件下に接触させて生成物ライブラリーを産生させる方法である。生成物
ライブラリーは予め定められた特性を有する生成物を同定するためにスクリーニ
ングされる。生成物は、与えられた標的に予め定められた様式で作用するその能
力(たとえば、標的への結合、ある方法での標的の修飾等)について試験するこ
とができる。ついで、所望の生成物は望ましくない生成物から分配により分割す
ることができる。所望の生成物は、その合成を指図した促進性核酸にカップリン
グしたままである。促進性核酸をプールの残部から分配し、SELEX方法において
記載したように増幅する。促進性核酸は単独でまたはその会合した所望の生成物
とともに分配することができる。増幅された核酸は、所望の生成物をアッセンブ
ルできる核酸について濃縮される。増幅された核酸をついで第一の反応物に再カ
ップリングし、遊離の反応物と再接触させ、SELEX法の選択/増幅工程の反復サ
イクリングが所望の生成物の合成、選択および同定のための導入される。選択さ
れた核酸は、最終的に、構造を決定できるのに十分な所望の生成物を産生する。
【0042】 II.反応 A.核酸 平行SELEX方法は、核酸が生成物の形成を誘発する能力に依存する。この方法は
、核酸テスト混合物の最初の調製を要求する。一般に、核酸テスト混合物の調製
の根拠および方法は、前に記載したSELEX特許出願(引用により、本明細書に導
入する)に略述したとおりである。簡単に述べれば、異なる配列の核酸テスト混
合物を調製する。テスト混合物中の各核酸は一般に、固定された配列(すなわち
、テスト混合物のメンバーのそれぞれは同じ位置に同じ配列を含有する)の領域
およびランダム化された配列の領域を包含する。固定された配列の領域は、(a
)SELEX特許に詳細に記載された増幅工程を支援するように、(b)反応を誘発す
ることが知られている配列を模倣するように、(c)テスト混合物中における与
えられた構造アレンッジメントの核酸の濃度を増大させるように、または(d)
第一の反応物のライゲーションを促進するように選択される。ランダム化された
配列は全体的にランダム化されている(すなわち、任意の位置にある塩基が見出
される確率は4中1である)か部分的にランダム化されているのみである(たと
えば、任意の位置にある塩基が見出される確率は0〜100%から選択できる)。核
酸テスト混合物中に見出される核酸は、様々な化学反応を特異的に誘発するため
に、適切にフォールディングできる核酸が包含される。 核酸テスト混合物は促進性を有する核酸の確率を増大させる様々な方法で修飾
することができる。本発明によって意図される修飾は、正しい電荷、極性、水素
結合、静電相互作用または移動性を有し、全体的にその反応を実施するのに必要
な形状を採用できる他の化学基を導入する任意の修飾である。何らかの理論に固
執するものではないが、反応を実施するための機構には、それらに限定されるも
のではないが、反応遷移状態の安定化、特定の化学反応およびカップリングした
反応物に対して近位に運ぶ様式での遊離反応物への結合の促進を、限定なく包含
する。核酸の活性部位を増強させる修飾には、親水性残基、疎水性残基、様々な
酸化状態の金属原子、剛性構造、タンパク質酵素活性部位に見出される機能性基
たよえばイミダゾール、一級アルコール、カルボン酸エステル基、グアニジノ基
、アミノ基、チオール等が包含される。さらに、有機金属および無機金属触媒を
、レドックス反応物の場合のように、核酸の他の化学基として導入するこができ
る。 核酸テスト混合物の個々の化合物は様々な方法で修飾することができる。適当
な修飾には、それらに限定されるものではないが、核酸のすべての残基、ランダ
ム化残基、すべてのピリミジンもしくはプリンまたはすべての特定宇野塩基(す
なわち、G, C, A, TまたはU)における修飾、あるいは核酸あたり1個の修飾が
包含される。ある種の分子(たとえば、金属触媒等)は溶液中において、核酸に
結合せず、核酸の誘発反応に関する反応を誘発するのに有用である。核酸が第一
の反応物にカップリングしている限り、方法および生成物は本発明の範囲に包含
される化学反応の誘発にある種の方法で関連すると考えられる。修飾は本発明の
核酸の活性を促進するための必須要件ではないことも認められている。 ある条件下には、標的に結合する核酸は、予め選択されることが望ましい。この
実施態様においては、ランダム核酸プールは、反応物が核酸プールにカップリン
グする前に標的分子に対してSELEXの数(1〜10)ラウンドに付される。 i.他の化学基による核酸の修飾 核酸は、リボースおよび/またはホスフェートおよび/または塩基位置の修飾
を包含する任意の数の方法で修飾できる。一部の修飾は ”High Affinity Nucle
ic Acid Ligands Containing Modified Nucleotides” と題する、現在は放棄さ
れた米国特許出願08/117,991号(米国特許第5,660,985号も参照)、および “Me
thod for Palladium Catalyzed Carbon-Carbon Coupling and Products” と題
する米国特許出願08/076,735、現在は米国特許第5,428,149号に記載されている
(これらは引用により本明細書に導入される)。一実施態様においては、修飾は
他の化学基がピリミジンの5-位、プリンの7- もしくは8-位、または糖の2’ 位
に結合する修飾である。個々の分子に導入できる他の化学基の種類については制
限はない。好ましい実施態様においては、生じた修飾核酸は増幅可能であるか、
または増幅工程についで修飾することができる。
【0043】 いかなる意味でも本発明の限定を意味するものではない一例として、生物模倣
性の促進性核酸を考えることができる。核酸修飾のための一選択には、ある種の
塩基がそれらの化学的および物理的性質においてタンパク質をよりふさわしくす
る修飾を包含する。ピリミジンおよびプリンヌクレオチド塩基のある種の修飾は
、核酸をタンパク質のアミノ酸側鎖に類似する「側鎖」をもつようにすることが
できる。ピリミジンの5-位、またはプリンの 7-位もしくは8-位へのアミノ酸誘
導体の場合、数種の合成法が他の化学基を結合させるために利用できる。ピリミ
ジンを5-位で修飾する方法は、米国特許出願08/076,735、現在は米国特許第5,42
8,149号、米国特許出願08/347,600(現在は米国特許第5,580,972号)、および米
国特許出願08/458,421(現在は米国特許第5,719,149号)、ならびに他の観光物
に記載されている。核酸の修飾については多数の刊行物が知られていて、それら
に限定されるものではないが、Limbach, PAら, 1994, Nucleic Acids Res. 22:
2183- 2196およびそれに引用された文献; Hayakawa Hら, 1985, Tetrahedron 41
: 1675-83; Crouch GJら, 1994, Nucleosides Nucleotides 13: 939-44; Scheit
KH, 1966, Chem.Ber. 98: 3884; Bergstrom & Ruth, 1976, J.Am.Chem.Assoc.
98: 1587-89; Bergstrom & Ogawa, 1978, J.Am.Chem.Soc. 100: 8106-12; Ruth
& Bergstrom, 1978, J.Org.Chem. 43: 2870; Bergstrom DEら, 1981, J.Org.Che
m. 46: 1432-41; Bergstrom DEら, 1982, Nucleosides Nucleotides 1: 1-34;
Crip & Flynn , 1990, Tetrohedron Lett. 31: 1347-50; Hobbs FW Jr, 1989, J
.Org.Chem. 54: 3420-22; Hirota Kら, 1993, Synthesis 213-5; Nagamachi Tら
, 1974, J.Med.Chem. 17: 403-6; Barton DHRら, 1979, Tetrahedron Lett. 3:
279-80; Hirota Kら, 1992, J. Org Chem. 57: 5268; Mamos Pら, 1992, Tetra
hedron Lett. 33: 2413-16; Sessler JLら, 1993, J.Am.Chem.Soc. 115: 10418-
19; Long RA ら, 1967, J.Org.Chem. 32: 2751-56; Prakash TPら, 1993, Tetra
hedron 49: 4035; Janokowski AJら, 1989, Nucleosides and Nucleotides 8: 3
39; Kumar & Buncel, 1984, J.Inorg.Biochem. 22: 11-20; Moffatt JGら, 1979
, in Nucleosides Analogues, eds. RT Walker, E De Clercq, F.Eckstein, pp.
71-163, New York, Plenum Press; Townsend LB, 1988, Chemistry of Nucleos
ides and Nucleotides, pp. 59-67, New York, Plenum Press; Verheyden JPHら
,1971, J.Org.Chem. 36: 250-54; Wagner Dら, 1972, J.Org.Chem. 37: 1876-78
; Sproat BSら, 1991, in Oligonucleotides and Analogues. A Practical Appr
oach, ed. F.Eckstein, pp. 49-86, New York, Oxford University Press; Lesn
ik EAら, 1993, Biochemistry 32: 7832-38; Sproat BSら, 1991, Nucleic Acid
s Res. 19: 733-38; Matsuda Aら, 1991, J.Med.Chem. 34: 234-39; Schmit C,
1994, Synlett 238-40; Imazawa & Eckstein, 1979, J.Org.Chem. 44: 2039-4;
Schmit C, Synlett 241-42; McCombiw & Metz, 1987, Tetrahedron Lett. 28:
383-6; Imazawa & ら, 1975, Chem.Pharm.Bull. 23:604-10; Divakar KJら, 19
90, J.Chem.Soc., Perkin Trans. 1, 996-74; Marriott JHら, 1991, Carbohydr
ate Res. 216: 257-69; Divakar & Reesw, 1982, J.Clin.Soc., Perkin Trans.
1, 1625-28; Marriott JHら, 1990, Tetrahedron Lett. 31: 7485-88 が包含さ
れる。 上述のアミノ酸修飾ヌクレオチドは、ネイティブなヌクレオチドに置換するこ
とが可能で、核酸テスト混合物の配列中に導入することができる。上述のアミノ
酸に代えて他の化学基で修飾されたヌクレオチドも本発明に意図される。多くの
場合、核酸テスト混合物に付加するのにどの修飾核酸が最も望ましいかについて
の作業仮説を作成することができる。たとえば、意図される反応がクラスIアル
ドラーゼの構造によって導かれるアルドール縮合の誘発を意図する場合、必要な
他の化学基は、カルボニル基質とイミンを形成するためアミノ基を含むアミノ酸
誘導体および反応に求核試薬として作用するエナミンの形成を促進する他の塩基
性基である。
【0044】 他のヌクレオチド修飾には、核酸の促進性を増大させる官能基の拡散への結合
が包含される。このようなs官能基は、促進性核酸の活性部位の創製に参加する
。創製された活性部位は多重基質を結合し、高度な正確度で鍵となる促進機能を
アラインすることができる。これらの官能基は反応物の反応ダイナミックスに配
位するのに十分なコンフォーメーションの自由度を持たなければならない。官能
基には、極性および非極性基の、一般に酸、塩基、求核試薬、求電子試薬および
金属リガンドとして作用する両者が包含される。この様式でヌクレオチドを修飾
することによって、たとえばそれらに限定されるものではないが、溶媒和、pKa
、分極能、ダイナミクッス等、核酸を、実際に任意のタイプの反応物間で相互作
用の促進を可能にする適当な性質を有するすべての種類の核酸を製造することが
できる。ヌクレオチドは、糖および/または塩基および/またはホスフェート位
置を、それらに限定されるものではないが、たとえば以下の1種または2種以上の
官能基によって置換することができる。 式中、星印は核酸への官能基の結合点を指示し、nは任意の整数であり、好まし
くは0〜20である。このような化学基はまた、脂肪族または芳香族位置における
置換も包含する。好ましくは、官能基は塩基置換である。
【0045】 ii. 有機金属基による核酸の改質 本発明によって考えられる核酸試験混合物のもう一つの改質は、核酸試験混合
物を構成する配列に有機金属試薬を配合することである。複雑な有機構造の合成
に有機金属触媒を用いることによって、有機合成が根本的に変化した。有機金属
触媒は、反応を媒介することができる任意の金属および有機リガンド球である。
配位球を構成することができるリガンドは当業者に知られており、ピリジンリガ
ンド、ホスフィンリガンド、オキシムリガンド、ポルフィン、イソシアネート、
シアネート、カルボキシレート、チオール、一酸化炭素、アルケン、エーテルな
どが挙げられる。有用な金属としては、ニッケル、ロジウム、コバルト、パラジ
ウム、ジルコニウム、アルミニウム、鉄、マンガン、チタン、ルテニウム、モリ
ブデン、およびホウ素が挙げられる。例えば、ピリジニウムニッケル錯体は、尿
素を加水分解することが知られており、ロジウムアセテート触媒はシクロプロパ
ン化を促進し、コバルト錯体はシクロトリマー化および[3+2]付加環化を触
媒し、パラジウムは水素化および[3+2]付加環化を触媒し、ルテニウムおよ
びモリブデン錯体はオレフィンメタセシスを触媒する。これらの反応を一緒にす
ることによって、3、4、5、6および7員環を調製することができ、これらは
総て多くの医用化合物の構造に用いられることが知られている。より大きな環は
、π‐アリルパラジウム触媒によって調製することができる。キラル中心の形成
が多くの生物活性化合物の合成にとって重要であり、多くの場合に、誤った鏡像
異性体は有害な薬理作用を有する可能性がある。単一鏡像異性体を形成するため
の非対称水素化は、パラジウムおよびジルコニウム錯体によって行われている。 この態様では、有機金属錯体をオリゴヌクレオチドに結合するには、幾つかの
選択を取ることができる。有機金属錯体は、ピリミジンの5位などのようにヌク
レオチド塩基に直接結合させることができる。改質されたオリゴヌクレオチドは
、良好な一体性で増幅されるものである。 幾つかの場合には、核酸と有機金属錯体との結合は開裂して、オリゴヌクレオ
チドをそっくりそのまま残すものである。開裂可能な結合の例としては、光化学
的に不安定なリンカー、ジスルフィド、およびカーボネートが挙げられるが、こ
れらに限定されない。これらの結合の化学は当業者には周知であり、有機金属錯
体を核酸の5′または3′末端または核酸のピリミジン残基の5位に結合させる
のに用いることができる。 もう一つの選択肢は、有機金属錯体を包含するために合成することができるカ
セットオリゴヌクレオチドを用いることである。カセットオリゴヌクレオチドの
態様としては、有機金属錯体を結合させた固定核酸配列であって、各回の選択の
開始時に核酸に連結することができるものが挙げられる。核酸試験混合物の各要
素は、カセットの固定配列に相補的な同一の固定領域を有する。このカセットオ
リゴヌクレオチドでは、他の接合法の必要をなくすることができる。 オリゴヌクレオチド中に有機金属触媒を埋設するのが望ましいこともある。こ
れらの態様の幾つかについては、各回の増幅の後に改質を行うことができる。有
機金属錯体をオリゴヌクレオチド中に埋設する場合には、1を上回る開裂可能な
結合が望ましいことがあり、かつ各開裂可能な結合の化学は特有のものであるこ
とが必要となる。ビピリジンリガンドを、一例として下記の略図で用いる。 AおよびBで表したオリゴヌクレオチド成分は、支持体から化学選択的に開裂
することができるので、それらの配列は独立して決定することができる。更に、
AおよびBは、化学的方法によって容易に合成することができる比較的短い配列
を含んでなることがある。幾つかの有機金属錯体については、合成または転写の
後に金属を組込むことが必要とする。これらの場合には、金属と結合するキレー
トリガンドを上記のオリゴヌクレオチドに結合させ、リガンド交換反応による核
酸合成または増幅の後に金属を導入する。 核酸への有機金属触媒の埋設は、官能基を触媒に加えて、有機金属錯体を核酸
と会合させることによって行うことができる。典型的には、アセチルアセテート
、アミン、カルボキシレート、ピラゾールボレート、ポルフィリン、カルボラン
、チオール、スルフィド、ホスフィン、ホスファイト、ビナフトール、サレン、
オキサゾリン、およびオキシム金属配位リガンドのようなリガンドは、核酸につ
いて、これらのリガンドの親和性を増強する官能基および任意の結合した金属を
用いて改質することができる。金属配位リガンドは、アミン、アミド、スルホキ
シド、スルホネート、ヒドロキシル、グアニジニウム、ポリアミン、プトレッセ
ン(putrescene)、またはスペルミジンのような核酸結合基を包含するように買位
質することが出基るが、これらに限定されない。有機金属触媒の核酸への非共有
的結合は、静電引力によって行うことができ、この場合には触媒上の官能基が真
の正電荷を含む。更に、核酸の有機金属触媒錯体への会合は、核酸構造中に挿入
されるが、静電引力によって結合されない基を導入することによって行うことが
できた。更に、核酸の大小の溝に良好な親和性で結合する基は周知であり、有機
金属錯体のリガンドに結合させることもできる。アルキンおよびアルケンのシク
ロトリマー化の触媒として用いることができる有機金属補助因子の例は、下図に
示される。
【0046】 1996年3月20日出願の米国特許出願連続番号第08/619,228号
明細書であって、現在は「水溶液におけるアルキンのシクロトリマー化の方法」
という標題の米国特許第5,659,069号明細書の主題(この主題は、参考
として本明細書に引用される)であるコバルト錯体は、一つの可能な例では、B
におけるような置換のためヒドロキシルを活性化することによって核酸補助因子
となる。Bをアグマチンで置換してCを生成し、またはグアニジンで置換してD
を生成することにより、核酸に静電結合することができる種類の基を有するコバ
ルト錯体を生じる。リン酸塩に対する正のグアニジル基の引力は周知であり、約
3kcal/モルの結合エネルギーを供給する。シクロペンタジエニルまたはシ
クロオクタジエニルリガンドの核酸との追加の疎水性接触または挿入により、コ
バルト金属補助因子の結合の親和性および特異性が増強する。 上記の例から分かるように、結合形成および結合開裂のような化学反応を媒介
することができる核酸を改質するには、多数の方法がある。核酸の総ての改質は
、本発明によって考慮される。
【0047】 B. 反応体 最も広義には、反応体という用語は、結合形成または結合開裂反応に関与する
ことができる核酸の熱的および化学的安定性と適合する任意の化学的存在物を表
す。本発明は、反応体の種類によって制限されるものではない。下記のクラスの
小さな有機分子は、潜在的反応体の非制限的例としようとするものである。アル
ケン、アルキン、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸、芳
香族炭素環、複素環、ジエン、チオール、スルフィド、ジスルフィド、エポキシ
ド、エーテル、およびハロゲン化化合物。反応体は、好ましくは分子量が2‐1
000の範囲であり、最も好ましくは26‐500の範囲である。所望な生成物
が大きめの分子である場合には、反応体もペプチド、タンパク質およびポリマー
などのように大きくなる。反応体は1個を上回る官能基を含むことができ、キラ
ル中心を有することができる。一般に、反応体という用語は、化学的に反応性の
単位によって画定される化学的反応体のクラスを表す(例えば、ジエン、エステ
ルなど)。例えば、化学的反応体は、クラスの1‐10n個の異なる成員を含む
ことができる反応体のクラスであることができる。任意の所定の反応に対して選
択される反応体としては、数種類の反応体を挙げることもできる。 Parallel SELEX工程に適当な反応体を決定する工程におけるあるレベルでは、
標的を同定しなければならず、所望な生成物をこの標的に作用させる作用様式を
決定しなければならない。決定したならば、所望な特性を有すると思われる生成
物のクラスを選択することができる。次に、所望なクラスの生成物を生成すると
思われる適当な反応体を選択し、Parallel SELEX工程に組込むことができる。 反応体の選択は、無作為に決定することができる。しかしながら、好ましくは
反応体は、所望なクラスの生成物に基づく反応体であって、所望な特徴を有する
既知の化合物への類似性に基づく初期の構造の仮定によって決定することができ
るもの、他の既知のリガンド、コンピューターモデルシミュレーション、NMR
およびX線データ/構造、酵素および化学的足跡実験(footprinting experiment
s)などの多数の基準によって選択することができるが、これらに限定されない。
生成物のクラスを同定してしまえば、反応体は、得ることができる変動性を細大
にするように選択される。レトロ合成法を用いて、可能な反応体を選択すること
が多い。多数の種類の反応体を同時に用いることができる。 本発明の目的に対して、核酸と結合する反応体を第一の反応体またはカップリ
ング反応体と呼ぶ。典型的には、第一の反応体を、結合形成を促進するのに好都
合な条件下で少なくとも1種類の遊離の反応体と接触させ、得られる生成物を分
析して、これが所定の所望な特徴を有するかどうかを決定する。第一の反応体は
1種類を上回る他の反応体(すなわち、第二、第三、第四の反応体など)と化学
的に反応して生成物を形成することができると考えられる。1種類を上回る化学
反応を同時に行うこともできると考えられる。場合によっては様々な比率の生成
物形成を促進するため複数の核酸を用いて、複数の反応を同時にまたは段階的に
行うことができるとも考えられる。理想的には、生成物を特異的に生成する核酸
配列を促進する能力によって、生成物ライブラリーが作成されるように反応体を
選択する。
【0048】 C. 反応体の核酸へのカップリング Parallel SELEX工程では、第一の反応体を、核酸試験混合物に含まれる促進特
性を有する核酸にカップリングする必要がある。第一の反応体は、核酸に共有的
にまたは非共有的にカップリングされる。カップリングは理論的には、核酸のど
こで行うこともできる。しかしながら、実際的には、カップリングは通常は核酸
の5′または3′末端で行う。典型的には、カップリングは連結反応によるもの
であるが、任意の既知のカップリング反応を受入れることもできる。カップリン
グは、5′GMPS、末端トランスフェラーゼを有する3′ジデオキシなどで行
うことができるように、直接的であることができる。 核酸と反応体とのカップリングとしては、リンカー基を挙げることもできる。
このようなリンカー基は、核酸を更に好ましい配座に折りたたみ、反応体と一層
相互反応して反応を媒介することができるようにすることができる。リンカー基
により、第一の反応体を、折り畳んだ核酸の全表面および触媒ポケットを調査す
ることができる。 リンカー基は、任位の照基と生なスペーサー残基であることができる。リンカ
ー基は十分な長さのものであり、好ましくはポリマー単位からなり、折り畳んだ
核酸の全表面および結合ポケットに様々な反応体が接近できるようにする柔軟な
鎖の余裕をとるべきである。リンカーの最適な大きさは、核酸の大きさによって
変化する。一般に、リンカー基の多基左派10−1000Åであり、好ましくは
20‐300Åである。リンカー基は、核酸−反応体試験混合物で変化させて、
所望な反応の最適な長さを選択することができる。リンカー基は、反応条件下で
容易に溶媒和するものとする。適当なリンカー基としては、PEG、ポリビニル
アルコール、ポリアクリレートおよびポリペプチドが挙げられる。 リンカー基と核酸の結合は、好ましくは開裂可能であり、核酸がそのまま残る
。適当な開裂可能な結合の例としては、光化学的に不安定なリンカー、ジスルフ
ィド、シスジオールおよびカーボネートが挙げられるが、これらに限定されない
。結合は、DNAアーゼおよびプロテイナーゼ酵素でも開裂することができる。 更に、結合は、対数増殖によるリガンドの全身的発生:混合SELEXという標題
の1994年4月28日出願の米国特許出願連続番号第08/234,997号
明細書であって、現在は米国特許第5,683,867号明細書に記載のSplint
Blended SELEX法によることができ、上記特許明細書の内容は、参考として本明
細書に引用される。
【0049】 D. 生成物形成 化学反応は、第一の反応体と少なくとも1種類の第二の反応体が相互作用し、
生成物を形成するとき、または第一の反応体ある方法で開裂し、会合した核酸に
よって促進されるときに起こる。任意の数の化学反応は、Parallel SELEX法と適
合する。唯一の要件は、反応が第一の反応体にカップリングした核酸によって媒
介されることである。好ましくは、核酸による媒介は反応体および所望な生成物
に特異的であるが、いつもその通りとは限らない。化学反応としては、結合形成
および結合開裂反応が挙げられる。様々な結合形成反応が本発明により考えられ
、例えば縮合/加水分解反応、付加環化反応、例えばディールス‐アルダーおよ
びエンク反応、α,β‐不飽和化合物への共役付加、アルドール縮合、および小
さな有機分子、ペプチド、糖および脂質のグリコシル化が挙げられる。更に、試
験混合物中の核酸を改質して有機金属触媒を核酸に包含させるときには、アルキ
ンおよびアルケンのシクロプロパン化、水素化、シクロトリマー化、不飽和分子
の[3+2]および[4+1]付加環化が起きることがあり、これらの総ては非
対称分子を形成することができる。本発明では、これらの反応の単独での、また
は任意の組合せでの一緒の使用が考えられる。本発明では、第一の生成物を2個
以上の反応体で作成した後、この生成物を他の遊離反応体を有する「反応体」と
し、第二の生成物などを形成することができる連続反応も考えられる。 結合開裂反応も、本発明に包含される。結合開裂反応は数個の態様を有し、第
一の反応体を開裂して標的と相互作用する生成物を形成すること、第一の反応体
を開裂して、これを第二の反応体と一層良好に反応して新規生成物などを形成で
きるようにするものなどが挙げられるが、これらに限定されない。 本発明としては、本発明の方法によって形成した生成物がラベル、抗体、他の
小分子など、これらに限定されない他の分子に結合している態様も挙げられる。 (複数の)反応を、当業者に知られている各種条件であって核酸の安定性要件
に合致する条件下で行うことができる。反応は、水、トリス、HEPESなど任
意の緩衝または非緩衝水性溶媒中、または適当なアルキルアンモニウムを含む有
機溶媒系、またはトリエチルアンモニウム塩を含むアルコール/水、DMSO、
ジオキサ/水、アセトニトリル/水、DMF/水中で行うことができる。あるい
は、水性有機二相溶媒系が、用途によって適当であることがある。温度範囲は、
一般に‐10℃‐100℃であり、好ましくは10℃‐50℃である。無作為化
核酸‐反応体試験混合物の濃度は、1pM‐10mMの範囲であり、好ましくは1‐
100μMであり、第二の反応体の濃度は一般に1μM‐10Mの範囲であり、好ま
しくは10μM−10mMの範囲である。
【0050】 E. 所定の望ましい特徴を有する分配生成物 化学反応を行ったならば、所定の望ましい特徴を有する生成物について生成物
ライブラリーをスクリーニングしなければならない。上記のように、所定の所望
な特徴としては、標的に対する結合、標的の触媒変化、標的または標的の機能活
性を変化させ/改質する方法で標的との化学的反応、および自殺インヒビター中
でのような標的との共有結合が挙げられる。 標的は、目的とする任意の化合物であることができる。標的は、タンパク質、
ペプチド、炭水化物、多糖類、糖タンパク質、ホルモン、レセプター、抗原、抗
体、ウイルス、基質、代謝物、遷移状態類似物、補助因子、インヒビター、薬剤
、染料、栄養、成長因子、細胞、組織などであることができるが、これらに限定
されない。特に好ましい標的としては、アンギオテンシン転換酵素、レニン、シ
クロオキシゲナーゼ、5‐リポキシゲナーゼ、IL−1β、転換酵素、サイトカ
インレセプター、PDGFレセプター、II型イノシンモノホスフェートデヒドロゲナ
ーゼ、β‐ラクタマーゼ、および真菌性シトクロムP450が挙げられるが、こ
れらに限定されない。標的としては、ブラジキニン、ニューロフィルエラストマ
ー、HIVタンパク質、例えばtat、rev、gag、int、RT、ヌクレオキャプシドな
ど、VEGF、bFGF、TGFβ、KGF、PDGF、トロンビン、テオフィリン、カフェイン、
サブスタンスP、IgE、5PLA2、赤血球、神経膠芽細胞腫、フィブリン凝塊、PBMC
、hCG、レクチン、セレクチン、サイトカイン、ICP4、補体タンパク質などが挙
げられるが、これらに限定されない。 生成物をスクリーニングする条件は、上記のD節で記載した生成物形成の条件
に限定されない。スクリーニング条件は、当業者に知られている。 所定の所望な特徴を有する生成物は、当業者に知られている各種方法によって
形成を促進する核酸に結合したままで生成物ライブラリーの残りから分割するこ
とができる。キーとなるのは、核酸が増幅可能となるように結合した核酸を化学
的分解せずに全生成物ライブラリーから所望な生成物を分割することである。次
に、核酸を、基本的SELEX法で教示されるように、所望な生成物に結合したまま
でまたは所望な生成物から分離した後に、増幅することができる。 最も好ましい態様では、所望な生成物は、所望な生成物に結合した核酸と標的
との間に相互作用なしに標的に作用する。核酸は、結合した反応体と遊離の反応
体との間の反応を促進し、所望な生成物を生成し、かつ増幅して所望な生成物を
次に再生して、最終的に広汎な生成物ライブラリーから同定することもできる。
しかしながら、この好ましい態様では、核酸が標的と直接相互作用することは考
えられない。 核酸を改質した後に、標的と接触させて、標的と相互作用しないことを確認す
ることができる。改質は、核酸を二本鎖として、これが標的とあまり相互作用で
きないようにするなどの幾つかの方法で行うことができる。幾分好ましくない態
様では、核酸は、独立してまたは合成が促進される所望な生成物と協奏的に、標
的に作用することができる。この態様では、最終生成物は、会合した核酸との生
成物の組合せであることができる。 一態様では、生成物は標的に結合し、結合した生成物‐標的複合体を多数の方
法によって未結合生成物から分割することができる。これらの方法としては、ニ
トロセルロースフィルター結合、カラムクロマトグラフィ、濾過、アフィニティ
ークロマトグラフィ、遠心分離、および他の周知の方法が挙げられる。簡単に説
明すれば、生成物ライブラリーに、標的を結合するカラムのような分割法を施す
。生成物を形成しなかった総ての核酸、または望ましくない生成物と会合したも
のは、カラムを通過する。更に、望ましくない生成物(例えば、他の標的と交差
反応する生成物)は、Counter-SELEXによって除くことができる。所望な生成物
はカラムに結合し、カラムの条件(例えば、塩など)を変化させることによって
溶出することができ、または所望な生成物と会合した核酸は生成物から開裂させ
、直接溶出することができる。 更に、標的と反応する生成物は、標的と反応しない生成物と分離することがで
きる。一例では、標的(例えば、自殺インヒビター)に共有結合している生成物
は、極めてストリンジェントな条件下で洗浄することができる。次に、得られる
生成物‐標的複合体を、プロテイナーゼ、DNAアーゼ、または他の適当な試薬
で処理して、リンカーを開裂し、所望な生成物と会合する核酸を遊離することが
できる。遊離した核酸を増幅することができる。 もう一つの例では、所望な生成物の所定の所望な特徴は、化学基を標的に転移
させることにより、標的を不活性化することができることである。生成物ライブ
ラリーであって、生成物の総てがチオエステル化学基を有するものを有すること
ができる。標的と接触させると、所望な生成物は化学基を標的に転移させ、同時
に所望な生成物をチオエステルからチオールに変化させる。従って、(チオエス
テルよりは)現在はチオールである生成物を同定する分割法により、所望な生成
物を選択することができ、これと会合した核酸を増幅することができる。 本発明と適合する他の分割およびスクリーニング法であって、当業者に知られ
ているものがある。一態様では、生成物を多数のよく用いられる方法によって分
画した後、それぞれの画分を活性について分析することができる。分画法として
は、サイズ、pH、疎水性などが挙げられる。 上記のように、SELEX法としては、所望な生成物を良好に分割する目的で
組込むことができる他の態様を包含することができ、Photo-SELEX、Counter-SEL
EXなどが挙げられるが、これらに限定されない。 Parallel SELEX法に固有なものは、所望な機能に基づく小分子の選択であり、
これは所望な機能および特異性を有する小分子の選択に敷衍することができる。
望ましくない「標的」と相互作用することができる生成物に結合したRNAを抽
出した後(負の選択、またはカウンター選択)、所望な標的を用いて正の選択の
際に、特異性を求めることができる。例えば、真菌性シトクロムP‐450のイ
ンヒビターは、哺乳類のシトクロムP‐450とある程度まで交差反応(重大な
副作用を生じる)することが知られている。真菌性シトクロムの極めて特異的な
インヒビターは、最初に哺乳類シトクロムと相互作用することができる生成物を
除去した後、真菌性シトクロムと相互作用することができる残存生成物を保持す
ることによってParallel-SELEX法によって生成した生成物ライブラリーから選択
することができた。 一態様では、分割段階の前に、核酸を、標的とあまり相互作用しないような方
法で処理する。一例としては、核酸を二本鎖にし、またはpH可逆的グリオキサ
ール変性の後に分割することができる。もう一つの態様では、反応体を核酸にカ
ップリングする前に、核酸試験混合物をCounter SELEXによって分割し、標的に
直接作用する核酸を除去することができる。
【0051】 F.増幅 望ましい特徴を有する生成物の合成を操作する核酸の増幅は、当業者に知られ
た方法を用いて、基本的SELEX方法に記載されたように行われる。必要な若
しくは望ましい場合には、増幅前に任意の修飾又は他の付加特徴(例えば、リン
カー基)を除去することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は核酸を増
幅するための例示的方法である。PCR方法の説明は例えばSaiki等、19
85、Science 230:1350−1354;Saiki等、1986
、Nature 324:163−166;Saiki等、1986、Scie
nce 233:1076−1078;Innis等、1988、Proc.N
atl.Acad.Sci.85:9436−9440;並びに米国特許第4,
683,195号(Mullis等)及び米国特許第4,683,202号(M
ullis等)に見出される。PCR増幅は、その基本形で、ssDNAの3’
及び5’末端に相補的な特異的オリゴヌクレオチドプライマー、DNAポリメラ
ーゼによるプライマー伸長、及びDNA変性を用いた、所望の一本鎖DNA又は
RNAのcDNAコピーの反復複製サイクルを必要とする。1つのプライマーか
らの伸長によって得られる生成物は他のプライマーからの伸長のための鋳型とし
て役立つ。他の既知増幅方法を本発明によって考慮する。
【0052】 鎖排除増幅(strand displacement amplification)(SDA)は代替え分配方
法(partitioning method)の1例である(Walker等、1992、Proc
.Natl.Acad.Sci.89:392−396;Walker等、19
92、Nucleic Acids Research20:1691−169
6)。SDAはssDNAからssDNAを増幅する方法であり、PCRと幾つ
かの類似点を有する。PCRと同様に、SDAはプライマー間に存在するDNA
を増幅するために2つの収束プライマー(convergent primer)のセットを用いて
、これを達成するためにDNAポリメラーゼの活性を必要とする。さらに、SD
Aは、新たに合成されたDNAがさらなるDNA合成の鋳型として役立つ指数関
数的増幅スキームを用いる。PCRとは異なって、SDAは一定の温度(〜40
℃)で行われ、鋳型が新しい鎖を合成すると鋳型から既に合成された鎖を排除す
る、ある一定のクラスのポリメラーゼの能力に依存する。これはPCRに用いら
れる熱変性工程に取って代わる。SDAは、dsDNA鋳型にニック(nick)を形
成するために、付加的な酵素、制限エンドヌクレアーゼの作用を必要とする。ニ
ックの3’側のDNAは新たなDNA合成のためのプライマーとして役立ち、ニ
ックの5’側のDNAはDNAポリメラーゼによって溶液中に排除され、そこで
SDAプライマーの1つとアニールして、さらなるDNA合成のための鋳型とし
て役立つことができる。DNAリガンドが望ましい場合には、SDAはPara
llel SELEXプロセスとして多くの利点を有する。SDA方法はDNA
合成のためにDNAポリメラーゼKlenow exo(−)を用いる、これは
ある一定の修飾dNTPsを容易に加えることが知られる非常に充分に特徴付け
られたポリメラーゼである。 充分に特徴付けられているので、どの修飾dNTPsを作製すべきかについての
合理的な決定は容易になされるはずである。プライマー伸長がDNAリガンドを
テザード(tethered)反応基に結合させるためのライゲーションに取って代わる、
単純なスキームを考案することができる。SDAはPCRと同様な増幅特性を有
するが(DNA<200nt長さに関して)、あまり特殊でない装置を用いてよ
り短時間で達成されることができる。
【0053】 増幅された核酸に次に任意の必要な後−増幅(post-amplification)を受けさせ
て、これを第1反応物に再結合させて、プロセスを上述したように続ける。プロ
セスは、適当な促進活性(facilitating activity)を有する核酸を富化させるた
めに必要なかぎり及び/又は最大に望ましい特徴を有する望ましい生成物が得ら
れるまで、多数回繰り返される。Parallel SELEXプロセスの1ラ
ウンドが望ましい特徴を有する生成物を得るために必要な総てであることが、完
全に可能である。終点は、結合曲線、IC50値によって判定される阻害、不活化
速度、毒性プロフィル、バイオアベイラビリティ、薬物動態等を含めた、当業者
によって理解される多くの方法によって決定されることができる。
【0054】 G.目的生成物の分析 核酸促進体(facilitator)を増幅させ、充分な量の目的生成物を製造した後に、
1種類の又はシリーズの目的生成物の構造を当業者に知られた慣用的な分光方法
によって解明することができる。これをするためには、初期反応条件を適当に複
製しなければならない。第1反応物を核酸促進体に再結合させるべきであり、得
られた核酸−反応物を第2反応物のプールと混合して、結果としての目的生成物
を形成し、単離すべきである。このプロセスを最大に効果的にさせる前提は、核
酸が個々の反応を又は、所望の反応を含めて、少なくともかなり少数の反応を特
異的に促進することである。慣用的な特徴付け方法は、非限定的に、NMR分光
法、質量分析法、HPLC結合分光法、赤外分光法、UV/可視分光法、円二色
法(circular dichroism)、旋光分析、及びX線結晶組織学を包含する。目的生成
物の構造が同定されたならば、目的性生物を標準化学合成方法によって又は側真
性核酸を用いる製造に関して本明細書に略述する方法によって大量に製造するこ
とができる。
【0055】 III.一般的実施例 Parallel SELEX方法をさらに説明するために、以下の一般的実
施例を含める。Parallel SELEX方法の最も基本的スキームを図1
に略述する。次の実施例は、本発明によって考慮される反応の小サンプリングを
さらに詳細に説明する。これらの実施例は説明のためのみに提供されるのであり
、本発明を如何なる意味でも限定するとは解釈されないことが意図される。
【0056】 A.Diels−Alder反応 下記考察は、RNA促進体と一般的ターゲットに結合するシクロヘキセン小分
子生成物とを、図2A−2Dに示すDiels−Alder反応を用いて同時発
生させる方法を説明する。このParallel SELEX実施例の他のバー
ジョンはDNAを用いることができ、場合によっては、DNAがRNAよりも好
ましいと考えられる。
【0057】 出発RNA(図2AのA)は転写を可能にする3’及び5’固定領域とPEG
スペーサーへのコンジュゲーションのためのライゲーション部位とを含有し、こ
の部位が次に第1反応物ジエノフィル(dienophile)に結合する。出発RNA(A
)は約4Nの異なる配列(NはRNA配列中のヌクレオチド数である)から成る
ランダム化領域を有する、この場合、NはRNA配列中のヌクレオチド数であり
;正確な数はランダム領域の長さと、RNA配列を作製するために用いられたR
NA合成の規模とに依存する。PEGスペーサーは、折り畳みRNAの全表面と
結合ポケット(図2AのCとD)へ第1反応物ジエノフィルをアクセスさせるフ
レキシブルテザーを可能にする充分な数のポリマー単位を含有する。第1反応物
に結合する出発RNA(A)は、簡明さのために線状構造として示す。実際のR
NA構造はCとDによって代表されるような種々な折り畳みモチーフから成る。
【0058】 この実施例では、工程1はB1-10と標識された10第2反応物ジエン基質のプ
ールを包含し、この場合、基R1、R2及びR3は水素ではない。このプールが、
基R1、R2及びR3の1つ又は総てが水素である第2反応物ジエンを包含するよ
うに拡大されることができないという理由はない。これは少数の立体中心(ster
eocenter)の形成を生じるにすぎない。構造CとDは第1反応物ジエノフィルが
アプローチする2つの可能性を表す。各レジオアイソマー(regioisomer)は形成
されうる可能な4立体異性体を有し、総てが形成された場合には、11化合物が
80にトランスフォームされる(図2B)。概略構造要素(diagrammatic struct
ural elements)αとβはRNA中の理論的バルジ(bulge)を表し、これらは第2
反応物ジエン又は第1反応物ジエノフィルと相互反応して、第2反応物ジエンの
配向と、トランジション状態にある第2反応物ジエンのアプローチとを決定する
ことができる。例えば、E1-10に関して、R3がR2よりも小さいならば、ジエン
の好ましい配向は、G/G*及びH/H*に比べて、RNA特徴βとジエノフィル
基R2との間の立体障害のために、E/E*及びF/F*の形成を容易にする。ア
プローチCに関しては、エナンチオマーE/E*及びF/F*が形成される。例え
ば、ジエノフィルカルボキシレートの酸素とα標識RNA領域との間のH結合の
ような、アトラクティブ相互作用はエンド(endo)生成物の形成を促進する。R1
と、β標識RNA表面との間の引力(attractive force)もエンドアタックを容易
にすることができる。これとは対照的に、RNA構造特徴αとβはカルボキシレ
ート及びジエノフィルのR1に対しては反発的相互作用を有して、エキソ(exo)生
成物の形成を生じる可能性がある。対E/E*及びF/F*の間の関係がジアステ
レオマー的であるので、これらが同じサブユニットR1、R2及びR3に対してさ
え異なる物理的性質を有することに注目のこと。アプローチDに関しては、エナ
ンチオマーG/G*及びH/H*が形成され、対G/G*及びH/H*の間の関係は
ジアステレオマー的である。しかし、オリゴヌクレオチドは固有のキラリティを
有するので、RNA促進部位はエナンチオマー対のトランジション状態とのエネ
ルギー的に異なるジアステレオマー的相互作用を有し、これはエネルギー差が小
さい(ΔΔG‡3−4kcal/mol)としても高度なエナンチオ選択性を可
能にすることができる。
【0059】 シクロヘキセン目的生成物の選択は工程2(図2C)に示す。ターゲットがタ
ンパク質であり、目的生成物がターゲットへの結合に関して選択される場合には
、開始ラウンド中に過剰なターゲットタンパク質中で工程2を行うことができ、
次に、シクロヘキセン目的生成物の富化が上昇するにつれて、タンパク質濃度を
減ずることができる。ターゲットタンパク質の例は、酵素、ホルモン、細胞受容
体、細胞接着分子等を包含する。競合アッセイでは、最高アフィニティの目的生
成物が結合される。このことは最初に、例えばE/E*及びF/F*のような全体
グループ(entire groups)の選択を生じうる。この実施例では、1つのエナンチ
オマーセット、例えばEが、それがターゲットタンパク質により緊密に結合する
という理由で選択され、例として、可能な10構造のうちの5構造体のみが同様
なアフィニティを有することがることが想定される。E1−5は、タンパク質に
結合する5“ウィンナー(winners)”を示す。(ジアステレオマーの各々に由来
する目的生成物を得ることができないと考える推測的な理由が存在しないことが
注目される)。
【0060】 選択された目的生成物と、それらが付着した同時発生RNA促進体とを好まし
くない生成物から分離し、RNA促進体を工程3〜5(図2Cと2D)の標準S
ELEX方法によって増幅する。工程5後に、化合物のEグループを特異的に形
成する促進活性のためにRNAsが富化されている。工程5後に得られたRNA
構造は、折り畳まれたfolded up)ときに、図2CのEによって示されるシクロヘ
キセン生成物の形成のための活性な触媒である。この時点において多くの5を超
えるRNA(more than 5RNA)配列が存在しうる。SELEXのその後のラウンド
を行うためには、第1反応物ジエノフィルを含む初期PEGスペーサーをRNA
sの新たな富化プールにライゲートさせる工程6が必要である。工程1〜6の反
復は工程5後に得られたRNAの促進活性をさらに富化させることができる。さ
らに、シクロヘキセン目的生成物の結合アフィニティは最大に達することができ
る。種々なRNAsをクローニングし、配列決定することによって、RNAプー
ルが今や非ランダムであると想定すると、個々のRNA分子をそれらの促進活性
に関して試験することができる。これらのRNA分子を同じ第1及び第2反応物
ジエノフィルとジエンによって処理すると、必然的に、同時発生シクロヘキセン
目的生成物の形成が生ずる。充分な量のRNA促進体を製造した後に、1種類の
又はシリーズのシクロヘキセン目的生成物の構造を慣用的な分光法によって解明
する。
【0061】 上記実施例は単一の第1反応物ジエノフィルの10第2反応物ジエンのプール
による処理に関するものであった。多くの異なる第1反応物ジエノフィルをライ
ゲーション配列に単に付着させることによって、この同時発生プロセスに含まれ
る第1反応物ジエノフィルの数を拡大することができる。同時発生、クローニン
グ及び配列決定後に、次に、この促進性RNAによって形成される個々の目的生
成物が分光的構造同定を可能にするほど充分な量で製造されうるように、個々の
RNA促進体を第1及び第2反応物ジエノフィルとジエンの混合物によって処理
する。上記に示したParallel SELEX例では、第1反応物ジエノフ
ィルをRNAに付着させるので、促進性RNA(facilitating RNA)が付着した第
1反応物ジエノフィルの反応に対して、他のRNAに付着した第1反応物に比べ
て、特異的であることが想定される。単一の促進性RNAの第1及び第2反応物
ジエノフィルとジエンのプールによる処理は、第2反応物ジエンに関しては、こ
れが選択されたものであるので、非常に特異的な反応を生じるが、第1反応物ジ
エノフィルに対しては、これは選択中に付着するので、あまり選択性でないこと
が判明しうる。
【0062】 他方では、第1及び第2反応物の両方が変化する場合には、両方の反応物に対
する特異性を得ることができる。改良実施態様は、図3に示すように特定の核酸
に付着する、したがってマトリックスの拡大を可能にする、第1反応物ジエノフ
ィルをコードするライゲーション配列を用いることであると考えられる。このア
プローチを用いると、個々の促進性RNAsのクローニング及び配列決定時に、
ライゲーション部位の配列は、PEGリンカーを介してそれに付着した第1反応
物ジエノフィルを示すと考えられる。この方法では、特定の促進性RNAに対応
する第1反応物ジエノフィルのみが、発生する目的生成物の最終的製造に用いら
れると考えられる。単一の第1反応物ジエンをRNAライゲーション配列に付着
させ、第2反応物ジエノフィルのプールを工程1に導入する、図2に提案した実
験に対する補足実験を用いることができないという理由が存在しないことを注目
すべきである。多重の第1反応物と1つの第2反応物とを用いることも可能であ
る。 Diels−Alderは、多くの非常に強力な非対称的(asymmetric)結合形
成反応の1つに過ぎない。
【0063】 B.アルドール反応 合成および生合成化学において有用な別の反応型は、アルドール縮合である。
ディールス・アルダー反応について考察した基本概念が、一つまたはそれ以上の
アルデヒドが一反応体であり、一つまたはそれ以上のケトンが別の反応体である
ようなアルドール反応に応用される。アルドール縮合にParallel SE
LEXプロセスをどのようにして仕立てるかの論理的変形が、以下の実施例およ
び図4A−4Cに記載されている。RNA(またはDNA)は、転写のための3
’または5’固定領域から成り立っている。RNAへの結合は、最初の反応体ア
ルデヒドを有するPEGリンカー(20−50エチレン・ユニット長)である。
最初の反応体アルデヒドは、第二の反応体ケトンに比べてその大きな反応性によ
って、アルドール反応において求電子剤として作用する。Aで標識されたRNA
のプールは、異なった構造モチーフにたたみ込まれる。異なった化学基R1およ
びR2とB1-10で標識された第二の反応体ケトンは、図4Aのステップ1でAと
処理される。この例において、RNAは、ケトンのカルボニルに付加することが
でき、C1-10、D1-10、E1-10、およびF1-10で示されるエナミンを形成するア
ミンを含んでいる。RNAの形は、E−またはZ−エナミンが形成されるかどう
かによって決定される。エナミンは、アルドール反応において、付属するアルデ
ヒドと共に求核剤として作用する。エナミンの周囲のRNAの立体的および電子
的環境が、与えられたRNA配列に観察されるエナンチオ選択性の程度を決める
。 この実施例の目的のために、アルドール縮合産物G1-10、H1-10、G* 1-10
よびH* 1-10が、同じ面から第一の反応体アルデヒドの攻撃により誘導された。
もし、第一の反応体アルデヒドの異なったエナミンおよび相対的配向が起こると
、そしてこれは起こりそうであるが、反対の面からのアプローチによって同じ産
物が形成される可能性がある。二つの新しいキラル中心が、全ての40の産物が
1-10、H1-10、G* 1-10およびH* 1-10で代表されるように形成されることが重
要である。アルドール産物G1-10/G*は、H1-10/H* 1-10のようにエナンチオ
マーである。 水中では、G1-10、H1-10、G* 1-10およびH* 1-10のイミン結合は可逆的であ
り、加水分解されて相当するβ−ケトアルコール産物を与える。最高の親和性を
選択することによって、所望の産物であるβ−ケトアルコールは、ビオチンまた
はカラム支持体に結合したタンパク質標的で得られた産物のライブラリーを分配
することによって達成される。平衡の後、選択されたRNAは、図4Cのステッ
プ3−5により示された標準SELEX技術によって増幅される。折りたたまれ
たときステップ5の後で得られるRNAは、G1-9により示されたアルドールβ
−ケトアルコール産物を形成する活性な触媒である。 最高レベルの促進が達成されると、あるいは標識に対する結合の親和性が一様
になると、所望の産物に関連した促進されるRNAをクローン化し、配列が決定
される。促進されるRNAは別に調製することができ、所望の産物であるそれら
の相当するβ−ケトアルコールの合成が、単離するに充分なスケールで完成され
、分光学的方法により構造特性が決定される。 ディールス・アルダーの例では、Parallel SELEXプロセスで採
用される第一の反応体アルデヒドのアレーは、PEGリンカーへの別の第一反応
体に接着し、第一の反応体アルデヒドがその核酸に結合する連結配列をコードす
ることによって拡張することができる。 上記に考察したディールス・アルダーの例から、4の因子が二つの立体中心を
造るために得られる。しかし、アルドール縮合は、これよりもより多くの可能性
を形成する潜在能力を有している。二つのケトンが、カルボニル炭素に比較し得
る求電子性とα炭素に類似した求核性を有する第一および第二の反応体として使
用される混合アルドール反応を考えてみる(図5)。有機合成に典型的な、この
型の反応は非常に複雑な産物の混合物が生じるので避けるべきである。Para
llel SELEX戦略では、この多様性の増加は、更なる有利な点と成り得
る。構造C、D、E、F、G、H、IおよびJは、全て異なったジアステレオマ
ーである。これらのそれぞれの産物は、相当するエナンチオマーを有し、それは
図4の混合アルドール縮合反応に対して、異なった構造の1600の産物が元の
20(A1-10およびB1-10)から生成することを意味している。
【0064】 C.[2+2+2]シクロ三量体化反応 促進RNAおよび所望の産物の両者の平行選択(Parallel Sele
ction)および共進化は、キラル中心を創造する構造を有する産物の形成に
限定されない。多くの重要な医薬化合物が、付随するキラル置換体を有するアキ
ラル(achiral)芳香基を含んでいる。芳香環系(ベンゼン、ナフタレン
、ピリジンなど)を含む産物を構築する強力な方法の一つは、第一、第二、第三
の反応体アルキンのシクロ三量体媒介シクロペンタジエニルコバルト(CpCo
)である。[2+2+2]シクロ三量体化反応は、アルキン反応体に限定されるも
のではなく、非芳香属6員環産物も、アルキンおよびアルケン反応体を結合する
ことによって組みたてることができることに注意すべきである。 ここに考察する実施例は、本発明の実施態様を含み、そこでは有機金属触媒が
RNA(またはDNA)に取り込まれ、そのParallel SELEXプロ
セスにおける使用である。上記および図2および4に示したステップ1−6は、
Parallel SELEXプロセスに一般的なものであり、それで生成する
可能性のある数の産物の構造におけるシクロ三量体化反応の影響のみをここでは
考察する。ベンゼン環を含む産物を形成する三つのアルキン反応体のシクロ三量
体化反応のために、最大数の可能性が、各反応体の各末端に結合した異なった置
換体を有する三つの異なったアルキン反応体を使用して得られる(図6に描写)
。 図6に示すアルキン反応体のシクロ三量体化のために、可能性のある位置異性
体は4MN2種類ある。ここでM=RNAに結合した非対称的アルキン第一反応
体の数、およびN=RNA第一反応体混合物に接触する遊離非対称的アルキン第
二、第三の反応体の数である。図6は、3種類のアルキン反応体のみの可能性の
マトリックスを示した。ここで、第一の反応体は、RNAに結合しており、第二
、第三の反応体は遊離である。もし、Parallel SELEXプロセスを
、RNA分子に結合した10種類のアルキン第一反応体および10種類の第二、
第三の反応体に拡張したならば、4000種類のベンゼン産物ができる。 アルキン反応体のCpCo触媒シクロ三量体化の機構は、図6の最下パネルに
示される。CpCo(またはアルキンを環化し得るその他の金属複合体)を上記
したようにオリゴヌクレオチドに結合することによって、シクロ三量体化促進R
NAを形成することが可能である。有機金属中心の周囲に折れ曲がったRNA構
造は、図6C、B→CまたはC→Dに描写した結合形成ステップのいずれかに選
択性を与えるポケットを供給する。Parallel SELEXプロセスの分
配を採用することによって、所望するベンゼン産物の合成の特異性を提供する。
促進するRNAの充分量のクローニングおよび調製において、共進化芳香属産物
が、選択に使用したアルキン反応体の混合物とRNAを処理することによって調
製され得る。得られた芳香属産物は、通常の方法により構造的に特徴づけられる
【0065】 D.逆合成戦略 一般的に、全てのParallel SELEXスキームは、上記したように
および図2、4に示したように、共通してステップ1−6を有していることが予
見される。異なった化学では、生成する産物の型および数が変わるだけである。
Parallel SELEXプロセスに包含されるには、どの化学が最良かを
考慮するとき、関連する構造産物のクラスの逆合成解析を行うことは価値あるこ
とである。図7を考慮して、産物の可能性のある結合切断を示した。切断Aは、
ディールス・アルダー転移を、Bはアルドール縮合を含む。これら結合形成反応
の両者は、上記に考察した。この産物を製造するに多くの他の切断がある。一般
的に、環形成産物転移を含む逆合成戦略は、多くの数の結合あるいは立体中心が
生じるので、望ましい。Parallel SELEXプロセスのどの型の反応
が最も強力かを考慮するとき、別の因子も考慮する必要がある。例えば、試薬の
入手可能性および反応条件下でのオリゴヌクレオチドの反応性および安定性であ
る。著しく重要なことは、生じる可能性のある立体および位置異性体産物の数で
ある。ディールスアルダーおよびアルドール縮合は、新規立体中心の形成の結果
として多くの産物を創製する可能性を有しているので、逆合成経路Cは、多くの
位置異性体を提供することができる。本発明は、一つないしそれ以上の促進する
核酸および二つないしそれ以上の異なった反応体を、本発明の産物をつくるため
に、同時にまたは連続して、包含することができる。 E.反SELEX戦略 Parallel SELEX方法論に固有のものとして、所望の機能に基づ
いた小分子の選択がある。これは、所望の機能と特異性を有する小分子の選択に
拡張することができる。特異性は、非所望の「標的」(反SELEX、負の選択
、あるいは反対の選択)と相互作用することができる産物に結合したRNAを先
ず抽出し、次いで所望の標的について正の選択をすることにより、選択プロセス
の間必要とされ得る。この技術の応用は、限定的ではないが、多アイソフォーム
酵素の単一アイソフォームとのみ反応する小分子の選択、レセプターファミリー
に結合することのできる小分子の選択、近接して関連するレセプター間を区別す
ることのできる小分子の選択、哺乳類の対応部分を阻害しない真核病原体の重要
な酵素/レセプターの小分子阻害剤の選択などを包含する。 この技術に応用し得る標的の例としては、限定ではないが、シクロオキシゲナ
ーゼ、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ、および真菌チトクロームP−450
を包含する。シクロオキシゲナーゼ、抗炎症剤の標的、は古典的プロスタグラン
ジン(PGD2、PGE2、PGF2α)、プロスタサイクリン(PGI2)、
およびトロンボキサンA2(TXA2)の形成を終局的に誘導するアラキドン酸
の過酸化を触媒する。現在得られる阻害剤は、非ステロイド性抗炎症剤(NSA
IDS)を含み、プロスタグランジン阻害に由来する消化管潰瘍形成は、これら
の薬物の完全に普通な副作用である。標的酵素の2つのアイソマー、Cox1と
Cox2、がある。Cox1イソ酵素は、ほとんどの細胞型で構成的に発現して
いるが、Cox2は単球でLPSによりおよび繊維芽細胞(炎症組織はCox2
を発現する)におけるIL−1により急速に誘導される。Parallel S
ELEX法/反SELEX法の応用により、Cox1と交差反応しないCox2
の小分子阻害剤を選択することが可能となった。Cox2の選択的阻害は、消化
管糜爛がない抗炎症活性をもたらすことが期待される。 II型イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(II型IMPデヒドロゲナーゼ)
は、重要な免疫抑制剤の標的である。IMPデヒドロゲナーゼを必要とするグア
ノシンヌクレオチドのde novo合成は、抗原性および変異原性促進にヒト
TおよびBリンパ球の増殖応答を必要とするように見える。I型IMPデヒドロ
ゲナーゼは、リンパ球を含む静止細胞で発現されるが、II型IMPデヒドロゲ
ナーゼは、TおよびBリンパ球が増殖シグナルに応答するときに急速に誘導され
る。Parallel SELEX法/反SELEX法は、I型酵素に交差反応
が少なくあるいはしないでII型酵素の小分子阻害剤(免疫抑制剤リード)を選
択するのに使用することができる。 真菌チトクロームP−450は、重要な抗真菌剤標的であり、どのようしして
Parallel SELEX法/反SELEX実験が実行されるか、の例とし
て使用される。P−450の機能は、エルゴステロール(真菌細胞膜成分)合成
のステップである、ラノステロールのC14脱メチル化である。現在、アゾール
抗真菌剤(イミダゾールおよびトリアゾール)は、このチトクロームを標的とし
ている。 真菌チトクロームP−450の特異的阻害剤を同定する可能性のある方法はこ
こに概要を記する。第一に、生産物ライブラリーが、第1反応体に関連したRN
Asと遊離反応体と反応することによって生産される。次ぎに、生産物ライブラ
リーは、多くの可能性のある分配プロトコール(別に記載する)の一つを使用し
て、最も好ましくは固形支持体上に固定化した哺乳類チトクロームP−450と
接触させることにより、哺乳類チトクロームP−450と接触させる。哺乳類チ
トクロームに対する親和性のプロトコールは、次いで、生産物ライブラリーの残
りと分配される。哺乳類チトクロームによって保持されない生産物は、回収され
、真菌チトクロームP−450と、多くの既述の分配方法の一つによって、接触
させられ、それによって真菌チトクロームに特異性を有する生産物が、生産物ラ
イブラリーの残りから分配され得る。真菌チトクロームに対して増加した親和性
を有する生産物は、回収され、それらに関連する核酸が増幅される。選択と増幅
プロセスが、核酸のプールがそれらに関連した産物の同定ができるように促進さ
れた核酸が充分に豊富になるまで、繰り返される。 公知のP−450阻害ファルマコフォーのParallel SELEX逆合
成分析は、以下の図式に示され、どのようにして反応体が選択されるかの、非限
定的例示とされる。
【0066】 大多数の逆合成戦略をもくろむことができる。二つの自明な、しかし非制限的
な戦略は上記スキームのAとBにより示されている。2,4−二置換芳香族カル
ボニル化合物から出発して、R1での縮合により対応するベンジルアルコールが
得られる。戦略Aに用いることができるタイプの反応の例は、R1がアルデヒド
、ケトン、及びエステル、カルボン酸、ニトリル、又はアミドであるアルドール
及びクライゼン縮合を包含するが、これらに制限されるものではない。さらに、
戦略Aはイミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、キノリン、イン
ドール、オキサゾール、ピリミジン及びプリンを包含するヘテロ環化合物のアル
キル化を伴うことができる。あるいは、戦略BはX及び又はX’がカルボン酸と
BrとI以外のすべての官能基から選ばれ得る環状三量化反応において三つとい
う多くの異なるアルキンを反応させるものである。R及び/又はR’は同じであ
っても異なってもよく、カルボン酸とBrとI以外のすべての官能基の群から選
ばれる。
【0067】 F.セレクチン平行SELEX法 セレクチンの天然の細胞表面ターゲット、例えばシアリルルイスXへの結合は
炎症の原因となる症状のカスケードにおける重要な工程として関連付けられてい
る。この工程を阻害する分子は他のセレクチン仲介症状を防止することに加えて
抗炎症剤として役立つ可能性を持っている。以下に小分子セレクチンリガンドを
引き出すための二つの平行SELEX戦略を概説する。
【0068】 二つの平行SELEX実験の一般的スキームを以下に示す。両者とも化合物の
ライブラリーと組合せる誘導された糖が関与している。一つのケースでは、糖は
ミカエル付加様式でα,β不飽和カルボニル化合物と反応し得る求核官能性を持
っている。もう一つの戦略は、同じセットのα,β不飽和カルボニル化合物又は
ジエノフィルの全く異なるライブラリーのいずれかとディールス−アルダー環状
付加を起こすジエン官能化糖が関与している。示された例は天然のリガンドのL
−フコースへの類似性の故に、誘導体化された糖としてD−マンノシドを利用し
ているが、主として適当に官能化された分子であればいずれも関与し得る。同様
にミカエルアクセプター/ジエノフィルライブラリーにも制限がないが、α,β
不飽和カルボニル化合物の広範なプールを発生させるための一つの好都合な戦略
の概略を以下に述べる。ライブラリーにおける一定の官能性のためのバイアスは
シアリルルイスX類似体として知られる結合要求に基づいて慎重であるべきであ
ろう。例えば、シアリル酸の負の電荷の保存は結合にとって重要であることが示
されている。その結果、ミカエルアクセプター/ジエノフィルライブラリーは分
子上のどこかに負の電荷を有する大きな分子集団を含むべきである。最終的には
、分離はいくつかの方法で行うことができるが、シアリルルイスX結合部位に発
生した小分子が結合することを保証する方法が好ましい。これらは遊離のシアリ
ルルイスX又は公知の競合剤で抽出すること、又は要求されるカルシウムイオン
をEDTAのようなキレーターでタンパクから除去することを包含するが、それ
らに限定されるものではない。
【0069】 G. Parallel SELEX法を用いたピリジン化合物の合成 数多くの天然の酵素コファクター及び薬品は誘導体化されたピリジン類であり
、その若干を以下に示す。例えば、ニトロピリジン類はよく知られた抗ガン剤で
ある。ニトリル−環三量体化反応であるParallel SELEX法を用い
れば、機能化されたピリジンファーマコフォアに一歩近づくことが可能のようで
ある。例えば、ピリドキサル(ビタミンB6)依存酵素を阻害するピリジン誘導
体類は、鍵となる反応中間体を模倣することによって生成させることができる。
ニコチン酸及びニコチン受容体をターゲットとして同様の実験を行うことができ
る。上記方法により合成できる、代表的な化合物を以下に示す。 IV. 投与及び用法 本発明の望ましい生成物の適用には、治療、予防、診断、美容など種々の用途
が含まれる。化学品が望ましいとされる用途はすべて本発明の範囲内である。具
体的な健康状態の種類には、炎症、心臓血管障害、腫瘍、代謝障害、寄生虫病及
び伝染病が含まれるが、これらに限定されるわけではない。より具体的には、本
発明の生成物は、ガン、アンギナ、関節炎、喘息、アレルギー、鼻炎、ショック
、炎症性腸疾患、低血圧の治療又は予防、及び痛みや炎症、傷、火傷、発疹など
の局部的外傷の組織治療のために有用である。 本発明の生成物の好ましい適用には、高血圧及び慢性炎症の治療(アンジオテ
ンシン転化酵素(Angiotensin converting enzym
e,ACE)阻害剤を含む)及び免疫抑制剤、抗菌剤及び抗真菌剤としての使用
が含まれるが、これらに限定されるわけではない。 特に好ましいターゲットには、アンジオテンシン転化酵素、レニン、シクロオ
キシゲナーゼ、5−リポキシゲナーゼ、IL−1β転化酵素、サイトカイン受容
体、PDGF受容体、タイプIIイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ、
β−ラクタマーゼ、及び真菌チトクロームP−450が含まれるが、これらに限
定されるわけではない。ターゲットには、ブラジキニン、ニュートロフィルエラ
スターゼ、HIVタンパク(tat、rev、gag、int、RT、ヌクレオ
カプシドなどを含む)、VEGF、bFGF、TGFβ、KGF、PDGF、ト
ロンビン、テオフィリン、カフェイン、サブスタンスP、IgE、sPLA2
赤血球、グリオブラストーマ、フィブリン凝固塊、PBMC類、hCG、レクチ
ン類、セレクチン類、サイトカイン類、ICP4、補タンパク、などが含まれる
が、これらに限定されるわけではない。 抗炎症剤は、急性及び慢性の炎症の治療用に使用することができ、シクロオキ
シゲナーゼ、5−リポキシゲナーゼ、IL−1β転化酵素(IL−1β Con
verting Enzyme,ICE)、及びサイトカイン受容体(例、IL
−1及びTNF受容体その他プロ炎症性サイトカインに対する受容体)の阻害剤
を含むことができる。 ターゲット酵素には、Cox1とCox2の2種のイソ型がある。Cox1イ
ソ酵素は過半の細胞型において構造的に表現されるのに対して、Cox2はモノ
サイト類中のLPSによって及びフィブロブラスト中のIL−1によって迅速に
誘導することができる(炎症性組織はCox2を表現する)。Cox2を選択的
に阻害すると、胃腸を荒らすことなく抗炎症活性をもたらすことができる。 5−リポキシゲナーゼ(これもまたアラキドン酸代謝に含まれる)はロイコト
リエンホルモンの合成のために必要である。この酵素の阻害剤の発生は、それが
いくつかのコファクター(Ca++、ATP、リン脂質、など)によって制御さ
れているという事実によって妨げられていた。それゆえ、純粋な形で研究するこ
とは困難である。現今の薬剤先導スクリーニング法は、細胞全体を使用すること
を必要とする。単離酵素を利用するParallel SELEX法は、不可逆
阻害剤の選択(付随的酵素活性分析の必要性を伴う)に適用することができる。 免疫抑制剤は、タイプIIイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(タイ
プII IMPデヒドロゲナーゼ)の阻害剤を含むことができる。グアノシンヌ
クレオチドのde novo合成は、抗原性及び突然変異原性刺激に対するヒト
T及びBリンパ球の増殖性応答のために必要とされるように見える(Aliso
n,A.C.1993.Annals New York Acad. of
Sciences)。タイプI IMPデヒドロゲナーゼは休眠細胞(リンパ細
胞を含む)において表現され、一方、タイプII酵素はT及びBリンパ球が増殖
信号に応答すると迅速に誘導される。上記Parallel SELEX法は、
タイプII酵素に対して高度に特異的な(タイプI酵素との交叉反応性が無いか
、低い)薬剤の設計に適用することができた。 抗真菌性製品は、真菌チトクロームP−450阻害剤を含む。P−450の機
能は、エルゴステロール(真菌細胞膜成分)の合成の一段階である、ラノステロ
ールのC14脱メチル化である。現今のアゾール抗真菌剤(イミダゾール類及び
トリアゾール類)はこのチトクロームをターゲットとしている。上記Paral
lel SELEX法は、真菌チトクロームP−450に対する選択性の改善さ
れた(哺乳類チトクロームP−450に対する交叉反応性がより低くされた)薬
剤を提供することができた。 ステロイドホルモン作用薬及び拮抗剤として有用な生成物も、本発明に含まれ
る。これらの生成物は、乳ガン、前立腺ガン、及び子宮ガンを治療するのに有用
であろうと考えられる。これらの生成物は、産児制限剤及び関節炎治療薬として
も有用である。 本発明の望ましい生成物は、いったん上記Parallel SELEX法に
よって同定してしまえば、慣用の化学的合成経路により、もしくは反応体の間の
反応を仲介する、促進性核酸を使用することにより、工業的に製造することがで
きる。本発明の生成物は、非対称原子を単数又は複数含むことができる。この非
対称原子(単数又は複数)は、若干の例を挙げれば、炭素、リン、ケイ素、イオ
ウなどの中から選択することができる。このように、本発明は、個々の立体異性
体、及びそれらの混合物を含む。個々の異性体は、当業界において公知の方法に
より調製し、単離することができる。 上記望ましい生成物は、当業者に知られている、任意の方法により投与するこ
とができる。投与の態様には、経口投与、非経口(静脈、皮下、及び筋肉内)投
与、局所投与、及び粘膜(鼻、呼吸器、など)塗布が含まれるが、これらに限定
されるわけではない。 本発明による治療方法は、治療を必要とする患者に、有効量の上記望ましい生
成物を内的又は局所的に投与することを含む。本発明の方法及び医薬組成物に含
まれる望ましい生成物の用量は、望ましい生成物を一般的には0.01〜500
mg/kgの範囲、好ましくは0.1〜50mg/kgの範囲から選択される、
効き目があるが、毒にはならない量である。ルーチン臨床試験を用いる当業者は
、治療すべき具体的な疾患に対して最適の用量を決めることができる。その望ま
しい用量は、一般に患者に毎日1〜6回又はそれ以上、静脈、経口、直腸、非経
口、局所的に、又は吸入により投与される。本発明の望ましい生成物の効き目は
、当業者に知られている標準的な方法により求めることができる。 医薬製剤に入れた、投与用の生成物の調製は、当業者によく知られている、種
々の方法により行うことができる。本発明の範囲内において、好適な、医薬品と
して許容可能な塩は、無機酸(例、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、及
び硫酸)から誘導されるもの及び有機酸(酒石酸、フマル酸、乳酸、シュウ酸、
エチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、など)であって、それぞれ、塩酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩その他の塩を与えるものから誘導されるも
のである。 本発明の望ましい生成物は、非経口投与用に水性注射溶液に製剤化することが
でき、そこには、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、可溶化剤、化学防護剤、などを
含めることができる。即席注射溶液は、希釈剤、分散及び界面活性剤、バインダ
ー及び潤滑剤(これらの材料はすべて当業者によく知られているものである)を
含有してもよい避妊ピル、顆粒剤、又は錠剤から調製することができる。 経口投与の場合、上記望ましい生成物の微粉末又は顆粒は、希釈剤及び分散及
び界面活性剤を用いて(水中又はシロップ中において調製してもよい)、乾燥状
態又は非水サスペンション(懸濁剤を含めてもよい)中においてカプセル又はカ
シェーに製剤化することができる。上記望ましい生成物は、任意のバインダー及
び潤滑剤を含んだ錠剤型で、又は水中又はシロップ中サスペンションで、又は油
剤、又は油中水エマルションで、又は生分解性又は生腐食性ポリマーを原料とす
る徐放型で投与することもでき、香料、防腐剤、懸垂剤、増粘剤、及び乳化剤を
含むことができる。経口投与用顆粒又は錠剤はコーティングすることもでき、そ
の他の医薬品として許容できる薬剤や製剤を利用することもでき、これらはすべ
て医薬品関係の当業者に知られているものである。 固体又は液体担体もまた使用できる。固体担体には、デンプン、ラクトース、
硫酸カルシウム2水和物、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、カンテン、ペクチ
ン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が含まれる。液体
担体には、シロップ、ピーナッツオイル、オリーブオイル、食塩水、及び水が含
まれる。軟膏やクリームは、種々の、よく知られた親水性及び疎水性基剤を用い
て調製される。局所的貯蔵容器は、公知のポリマー材料(例、所望の放出特性が
得られるように選択された種々のアクリル系ポリマー)を用いて好適に調製され
る。座薬は、標準的な基剤(例、ポリエチレングリコール及びカカオバター)を
原料として調製される。リポソームも本発明の生成物の担体として使用すること
ができる。 更に、本発明の望ましい生成物には農薬としての用途もある。具体的には、上
記望ましい生成物は、除草剤、殺虫剤、成長調節剤などとすることができる。本
発明の生成物の農業目的での使用及び投与は、当業者には知られている。本発明
の生成物は、化学的製造プロセスにおいて使用することもできる。
【0070】 以下の例は、本発明の調製方法及び生成物の好ましい実施の態様を説明するた
めのものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。例1 修飾されたヌクレオシドを含む核酸試験混合物の合成及び特性表示 T7 RNAポリメラーゼを用いて、天然及び修飾されたヌクレオシドを含む
核酸試験混合物を生成させ、その修飾されたRNAを、例えば、40nt5’−
固定領域とそれに続く40又は100ヌクレオチドランダム化領域及び24ヌク
レオチド3’−固定領域からなるdsDNAテンプレートから転写した。1のラ
ンダム化領域を有するテンプレートを、(1)RNAの合成ランダムプールの相
対的効率を試験し、(2)逆転写(reverse transcriptio
n,RT)実験用ランダムRNAテンプレートを生成させ、(3)RNAを生成
させて、その塩基構成で特徴づけるために使用した。典型的な転写の例は、下記
例3に挙げる。転写条件は、5’−モノホスフェートRNAを生成するためのG
MPを含み、典型的なSELEX実験におけるRNAの生成中に採用されるのと
同様の条件である。単修飾RNAライブラリーの合成後、そのRNAを塩基性条
件にて消化し、得られたヌクレオチドを細菌アルカリ性ホスファターゼを用いて
脱リン酸した。次いで、得られた混合物のヌクレオシド構成を、C18逆相HP
LCを用いて分析した。 種々の修飾されたウリジン及びシチジンの合成は、「パラジウム触媒炭素−炭
素カップリング法及び生成物」と題された米国特許第5,428,149号、1
994年6月22日出願の、「分子間求核置換による既知及び新規な2’−修飾
ヌクレオシドの新規な調製方法」と題された米国特許出願第08/264,02
9号(現在では米国特許第5,756,703号、1994年12月1日出願の
、「パラジウム触媒法によるプリンヌクレオシド修飾」と題された米国特許出願
第08/347,600号(現在では米国特許第5,580,972号、及び1
995年6月2日出願の、「求核試薬及び一酸化炭素を用いたパラジウム触媒ヌ
クレオシド修飾法」と題された米国特許出願第08/458,421号(現在で
は米国特許第5,719,273号に記載されている(これらすべての内容全体
は本願明細書の記載の一部とする)。そのトリホスフェートの合成は、修正され
た文献実施要領(Ludwig and Eckstein,J.Org.Ch
em.(1989)54,631−635)により、5’−ヒドロキシルヌクレ
オシド類をそれらのトリホスフェートに転化し、続いて、酸性Dowex脱保護
することによって、或いは、ヌクレオシド 5’−モノホスフェート類を、文献
実施要領(J.Org.Chem.(1990)55,1834)を経由して転
化することによって達成した。それらのトリホスフェートを、イオン交換クロマ
トグラフィ及び/又は水性相として0.05M重炭酸トリエチルアンモニウム緩
衝液を用いた逆相HPLCを通して精製し、それらの1H及び31P−NMRスペ
クトル及び質量分析スペクトルによって特徴付けた。それらトリホスフェート類
の溶液は、遊離のヌクレオシドやヌクレオシド 5’−モノホスフェートについ
て求めたようにして、各λmaxにおけるUV吸収に基づいて定量した。 製造され、トリホスフェートに転化された、修飾ピリミジンの若干の例を下記
に示す。ここには、5−ベンゾイルウリジン(BenzU)、5−ピリジルメチ
ルウリジン(PymeU)、5−エチレンジアミンウリジンカルボキシアミド(
N−TFA−enU)、5−イミダゾールウリジンカルボキシアミド(imid
U)、5−ピリジルメチルシチジンモノホスフェートカルボキシアミド(pym
eCMP)、及び5−イミダゾールシチジンモノホスフェートカルボキシアミド
(imidCMP)が含まれている。
【0071】例2 反応物質−リンカー化合物の合成 平行(Parallel)SELEX法の一の態様において、化学反応物質はリンカー基を
通じて核酸試験混合物に結合される。この例は化学反応物質をPEG分子にカップ
リングすることにより、幾つかの反応物質−リンカー化合物を作製する方法を例
証する。幾つかの化学反応物質が、モノ−アミノPEG2000(「アミノPEG」)へと
変換されたPEG2000を用いる幾つかの技法により、2000MW PEGへとつなげられた
。以下は、ジエン(環状及び非環状)、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、β−ケト
アミド、アルキン(末端及び内部)、並びにビオチン部分と結合したPEG化合物
の例である。これらのPEG化合物は続いて、標準的な方法により対応するホスホ
ールアミダイト(phosphoramidites)へと変換された。保護されたPEGリンカー
へとカップリングされた反応物質を次に、DNAの10−merの5’末端に結合させた
(ランダム核酸試験混合物とのリゲートを容易にするため)。このリストは、PE
G化合物への結合に近付くことができる化学基を含むことを意図されている訳で
はない。反応物質−PEG−DNA部分は、次に、例えば、例1またはSELEX特許出願
に記載されたような、核酸試験混合物へとカップリングされた。このカップリン
グ反応は、例3に記載されている。
【0072】PEG−非環状ジエン合成 以下の工程を、下記スキームに示す通り、PEG−非環状ジエン、特に2,3−ヘキ
サジエニルPEG2000カルバメートを調製するために行った。 2,4−ヘキサジエニル−p−ニトロフェニルカルボナートを以下の通りに調製し
た。アルゴン雰囲気下で、1.0mL(8.87ミリモル)の2,4−ヘキサジエン−1−オ
ール及び2.0mL(11.5ミリモル)の無水ジイソプロピルエチルアミンを100mLのCH
Cl3中に溶解し、氷浴により5℃まで冷却した。この混合物に、10mLのCHCl3中に
溶解した1.97g(9.76ナノモル)のp−ニトロフェニルクロロホルマートを、攪拌
しながら30分かけて滴下により加えた。反応混合物を、ゆっくりと室温まで戻し
ながら、さらに5時間攪拌した。混合物を次に50mLの食塩水により洗浄した。水
層をCHCl3で逆抽出し(50ml×2回)、有機部分を合わせて、MgSO4上で乾燥し、
溶媒を減圧下で取り除いた。
【0073】 生成物を残留する黄色の固体から、エタノールからの再結晶により精製し、1.
94g(83%)のカルボナートを白色の針状物として得た。TLC:Rf=0.39(へキサ
ン)。化合物をその1H及び13C NMRスペクトルに基づき特徴付けした。
【0074】 2,4−ヘキサジエニルPEG−2000カルバメートを以下のように調製した。30mLの
CHCl3中の500mg(0.25ミリモル)のPEG−2000と42mg(0.275ミリモル)のDBUの
攪拌している溶液中に、室温で、72mg(0.275ミリモル)の2,4−ヘキサジエニル
−p−ニトロフェニルカルボナートを加えた。反応を室温で攪拌しながら、一晩
進行させた。当該溶液を次に飽和NaHCO3(50mL×6回)及び食塩水(50mL×1回)
で洗浄した。クロロホルム相をMgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、僅
かに黄色の、ワックス状のオイルを得た。生成物を、フラッシュシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(7%MeOH/CH2Cl2)によりさらに精製し、184mgの無色固
体を得た。所望の生成物の同定は、1H NMRにより確認された。
【0075】PEG−環状ジエン合成 以下の工程を、下記スキームに示す通り、PEG−環状ジエン、特にPEG−N−ア
セチルシクロヘキサジエン、を調製するために行った。
【0076】 PEG−シクロヘキサジエン鉄トリカルボニル錯体を以下のように調製した。3m
Lの無水DMF中の250mg(0.8ミリモル)のシクロヘキサジエニリウム鉄(0)トリ
カルボニルテトラフルオロボラートの攪拌した溶液に、0℃で4mLの無水DMF中の1
.6g(0.8ミリモル)のアミノPEGの溶液を加えた。溶液を室温までゆっくりと暖
めた後、真空下で濃縮した。残留物を10mLのTHF中に懸濁し、生成物を沈殿させ
るために200mLのジエチルエーテルを加えた。青白い黄色の固体が得られ、それ
らを真空濾過により集めて1.46g(粗収率81%)の、1H NMRスペクトルにより確
認された生成物を得た。
【0077】 PEG−シクロヘキサジエンを以下のように調製した。4mLのメタノール中のPEG-
シクロヘキサジエン鉄錯体500mg(0.22ミリモル)の溶液に、42mg(0.22ミリモ
ル)のp−トルエンスルホン酸を加えた。当該溶液を−15℃まで冷却し、1mLのCH 2 Cl2を加えて反応物質を溶解した。次にセリン硝酸アンモニウム(263mg、0.48
ミリモル)を固体として加え、溶液を−15℃で40分間攪拌した。次に溶液を周囲
の温度まで暖め、真空下で濃縮した。残留物を150mLの2:1の食塩水:酢酸エチ
ル中に溶かし、100mLの濃NaHCO3水溶液で塩基性として、20%のCH2Cl2/酢酸エ
チル50mLで4回抽出し、有機抽出物を真空下で濃縮し、369mg(粗収率79%)の1H
NMRスペクトルにより確認された生成物を得た。
【0078】 PEG−ジアセチルシクロヘキサジエンを以下の通りに調製した。5mLの無水ピリ
ジン中369mg(0.17ミリモル)の上記PEG−シクロヘキサジエンの溶液中に、35.3
μL(0.37ミリモル)の無水酢酸を加えた。溶液を周囲の温度で一晩攪拌し、さ
らに16μLの無水酢酸を加えた。1時間後、混合物を真空下で濃縮した。残留物を
120mLの2:1の食塩水:酢酸エチルに溶かし、50mLの酢酸エチルで4回、つぎに2
0%のCH2Cl2/酢酸エチルで2回抽出し、抽出物を合わせて真空下で濃縮して、26
0mg(粗収率61%)の1H NMRスペクトルにより確認された生成物を得た。
【0079】 PEG−N−アセチルシクロヘキサジエンを以下の通りに調製した。3mLのメタノ
ール中の260mg(0.12ミリモル)のジアセチル化PEG−シクロヘキサジエンの攪拌
されている溶液に、1mLのH2O中の163mg(1.2ミリモル)のK2CO3の溶液を加えた
。溶液を周囲の温度で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。残留物を60mLの2:1食塩
水:酢酸エチル中に溶かし、40mLの20%のCH2Cl2/酢酸エチルで2回抽出した。
抽出物を合わせて、真空下で濃縮し、残留物を2mLのTHFに溶かし、ガラスウール
の栓を通して濾過して、100mLのジエチルエーテルを加えた。得られた白色の固
体を真空濾過により回収し、高真空下で乾燥して、119mg(収率46%)の1H NMR
スペクトル及び質量分析により確認された生成物を得た。
【0080】PEG−ケトン合成 PEG−アセトフェノン合成 以下の通りにPEG−アセトフェノンを調製した。アルゴン雰囲気下で、2.0g(
1.0ミリモル)のPEG−2000を乾燥THF中に溶かし、287mg(1.1ミリモル)のp−
(N-ヒドロキシスクシンイミジル)−カルボニルアセトフェノンで処理した。混
合物を室温で2時間攪拌し、その後、PEGをエーテルの添加により沈殿させて濾過
により単離した。残留の白色固体をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(
7%MeOH/CH2Cl2)により精製し、450mgの所望の生成物をワックス様の固体と
して得た。生成物の同定を1H NMRにより確認した。
【0081】PEG−アセチルアセトアミドの合成 PEG−アセチルアセトアミドを以下のように調製した。2mLの無水DMF中の300mg
(0.18ミリモル)のアミノPEGの溶液に、36mg(0.15ミリモル)のN-ヒドロキシ
スクシンイミジルアセトアセタートを加えた。溶液を周囲の温度で2日間攪拌し
、真空下で濃縮した。残留物を5mLのTHF中に懸濁し、100mLのジエチルエーテル
を加えて生成物を沈殿させた。白色固体を真空濾過により回収し、262mg(収率7
0%)の1H NMRスペクトルにより確認された生成物を得た。PEG−4−アセチルブチルアミド合成 PEG−4−アセチルブチルアミドを以下の通りに調製した。25mLの無水CH2Cl2
の0.5mL(4.2ミリモル)の4−アセチル酪酸の攪拌している溶液に、1.6g(6.3ミ
リモル)のジスクシンイミジルカルボナート及び644μL(4.6ミリモル)のトリ
エチルアミンを加えた。当該溶液を周囲の温度で一晩攪拌し、真空下で濃縮した
。残留物を30%の酢酸エチル/へキサンを用いたシリカ上のフラッシュカラムク
ロマトグラフィーにより精製し、668mg(収率70%)の、1H NMRスペクトルによ
り確認されたNHSエステルを得た。
【0082】 3.0mLの無水DMF中の55mg(0.24ミリモル)の4−アセチル酪酸NHSエステルの溶
液に、400mg(0.2ミリモル)のアミノPEGを加えた。溶液を周囲温度下で一晩攪
拌し、真空下で濃縮した。残留物を10mLのTHFに溶かし、ジエチルエーテル200mL
を加えて生成物を沈殿させた。形成した白色固体を真空濾過により回収し、高真
空下で乾燥して、334mg(収率66%)の1H NMRスペクトルにより確認された生成
物を得た。
【0083】PEG−アルキン合成 PEG−2−ブチンアミドの合成 以下の通りにPEG−2−ブチンアミドを合成した。20mLの無水CH2Cl2中の250mg
(3.0ミリモル)の2−ブチン酸の攪拌している溶液に、619mg(3.0ミリモル)の
1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドと、345mg(3.0ミリモル)のN-ヒドロキ
シスクシンイミドを加えた。当該溶液を1.5時間攪拌し、固体を濾過により除去
し、真空下で濃縮した。残留物を40%の酢酸エチル/へキサンを用いたシリカ上
のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、448mg(収率83%)の、1 H NMRスペクトルにより確認されたNHSエステルを得た。
【0084】 2mLの無水DMF中の300mg(0.15ミリモル)のアミノPEGの攪拌されている溶液に
、33mg(0.18ミリモル)の2−ブチン酸NHSエステルを加えた。溶液を周囲温度下
で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。残留物を15mLのTHF中に懸濁し、ジエチルエ
ーテル200mLを加えて生成物を沈殿させた。形成された白色固体を真空濾過によ
り回収し、高真空下で乾燥して、280mg(収率75%)の1H NMRスペクトルにより
確認された生成物を得た。
【0085】PEG−4−ペンチンアミド合成 PEG−4−ペンチンアミドを以下の通りに調製した。20mLの無水CH2Cl2中の250m
g(2.5ミリモル)の4−ペンチン酸の攪拌している溶液に、515mg(2.5ミリモル
)の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドと、288mg(2.5ミリモル)のN-ヒド
ロキシスクシンイミドを加えた。当該溶液を周囲温度下で一晩攪拌し、固体を濾
過により除去し、溶液を真空下で濃縮した。残留物を40%の酢酸エチル/へキサ
ンを用いたシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、
367mg(収率75%)の、1H NMRスペクトルにより確認されたNHSエステルを得た
【0086】 2mLの無水DMF中の300mg(0.15ミリモル)のアミノPEGの攪拌されている溶液に
、35mg(0.18ミリモル)の4−ペンチン酸NHSエステルを加えた。溶液を周囲温度
下で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。残留物を15mLのTHF中に懸濁し、ジエチル
エーテル200mLを加えて生成物を沈殿させた。形成された白色固体を真空濾過に
より回収し、高真空下で乾燥して、214mg(収率57%)の1H NMRスペクトルによ
り確認された生成物を得た。
【0087】PEG−ビオチンアミド合成 PEG−ビオチンアミドを以下の通りに調製した。2mLの無水DMF中の400mg(0.2
ミリモル)のアミノPEGの攪拌している溶液に、82mg(0.24ミリモル)のビオチ
ンNHSエステルを加えた。当該溶液を周囲温度下で4日間攪拌し、真空下で濃縮し
た。残留物を6mLのTHF中に懸濁し、ジエチルエーテル150mLを加えて生成物を沈
殿させた。形成された白色固体を真空濾過により回収し、高真空下で乾燥し、41
1mg(収率92%)の1H NMRスペクトルにより確認された生成物を得た。
【0088】例3 核酸−反応物質試験混合物の調製 核酸試験混合物を例1及びSELEX特許出願中に記載されたように調製した。反
応物質を、直接又は、例えば例2に記載されているようなリンカー部分を通して
、のいずれかにより核酸試験混合物にカップリングした。核酸−反応物質試験混
合物の調製を以下の通りに達成した。核酸試験混合物は典型的に特定の5’及び3
’末端によりフランクされている(flanked)隣接ランダム配列の、プライマー
ハイブリダイゼーションを可能とする100またはそれ以上のヌクレオチドを含有
する。Taqポリメラーゼにより合成される二本鎖DNA(dsDNA)分子は、5’末端に
T7 RNAポリメラーゼプロモーターを有し、転写を容易にする。
【0089】 典型的な転写反応は、最終容量400μLまでで、200pmolのdsDNA、80μLの5X
T7 RNAポリメラーゼバッファー(200mM Tris-pH8.0、60mMのMgCl2、5mMのスペ
ルミジン、25mMのDTT、20%のグリセロール及び0.01%のトリトン(triton)X−
100)、40μLの10mMのATP、40μLの10mMのGTP、40μLの10mMのCTP、40μLの10mM
のUTP(または修飾UTP)、4μLのα[32P]ATP(必要により、10μCi/μL)、3
2μLの250mMのGMP、5μLのRNasin(プロメガ(Promega)、40,000単位(Units)
/mL)、16μLのT7 RNAポリメラーゼ(ニューイングランドバイオラボ(New E
ngland Biolabs、50,000単位(Units)/mL)及びdH2Oを含む。37℃で一晩イ
ンキュベーションした後、RNAを6%の変性ポリアクリルアミドゲル上で精製した
。以下に説明する通り、5’モノホスファートがRNAのリンカー配列のDNA部分へ
のリゲートのために必要である。
【0090】核酸試験混合物のDNA−PEG−反応物質へのリゲート リゲート反応は、最終容量100μLまでで、500pmolesの核酸試験混合物、1nmo
leの例2に記載されたDNA−PEG−反応物質、1.5nmolesのブリッジオリゴ(5’−C
TTGTCTCCCGCGTGCCTGG)(配列番号3)、10μLの10X T4 DNAリガーゼバッファ
ー(べーリンガー マンハイム(Boehringer Mannheim)、660mM のTris−HCl
pH7.5、50mMMgCl2、10mMのジチオエリトリトール、10mMのATP)、8μLのT4 DNA
リガーゼ保存バッファー(べーリンガー マンハイム、20mM のTris−HCl pH7
.5、1mMのEDTA、5 mMのDTT、60 mM KCl、50%のグリセロール)、2μLのRNas
in(プロメガ、40,000単位/mL)、8μLのT4 DNAリガーゼ(べーリンガー マ
ンハイム、5単位/μL)及びdH2Oを含有する。RNasin及びリガーゼを除くリゲー
ト反応の全ての成分を混合し、72℃で3分間加熱した。次に溶液をゆっくりと室
温まで(〜10分間)冷まし、RNasin及びリガーゼを加えた。37℃で一晩インキュ
ベーションした後、リゲート生成物を6%の変性ポリアクリルアミドゲル上で精
製した。得られたRNA−DNA−PEG−反応物質が核酸−反応物質試験混合物である
【0091】 例4ディールスアルダー反応を容易にするために未修飾RNAの使用 PEGリンカーの合成 ポリエチレングリコール(PEG)リンカーを合成して、核酸(この場合40N8 RNA
)(配列ID NO:2)と第1反応体(この場合マレイミド)との間のスペーサーと
して作用させる。このリンカーの合成経路は以下に示す。 トシル化PEG(Ts-PEG)(2)の合成−ポリエチレングリコール1、1.0g(
0.670ミリモル、平均分子量1500)を無水THF15mLに溶解し、溶媒を
真空下除去した。無水THF15mLに溶解した残りの残査に、DBU52mg(0.33
5ミリモル)を加え、ついでp-トルエンスルフォニルクロリド64mg(0.33
5ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で10日間アルゴン下で攪拌し、
白色の沈殿物を生成した。10日後に、反応混合物を濾過し、溶媒を真空下除去
した。フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(7%MeOH/CH2Cl2 )によりモノトシル化生成物を精製し、わずかに黄色の固体(Rf=0.31)32
0mg(58%)を得た。生成物は1HNMRスペクトルにより同定した。 アミノ−PEG(3)の合成−無水DMF2mLにTs-PEG(2)400mg(0.243
ミリモル)を溶解し、ついでアジドリチウム119mg(2.43ミリモル)を溶
解した。アルゴンの雰囲気下攪拌しながら、反応混合物を80℃で5時間加熱し
た。室温に達してから、混合物をシリカパッドで濾過し、生成物が溶離剤中に検
出されなくなるまで、このパッドを10%MeOH/CH2Cl2で洗った。合わせた濾液を
減圧下蒸発乾固した。のこりの残査を4mLのMeOHに溶解し、それに30mgの5%P
d/Cを加え、ついで溶液を水素雰囲気下16時間で攪拌した。この混合物をセラ
イトで濾過した。セライトパッドはMeOHで洗い、濾液を合わせ、溶媒を減圧下蒸
発させ、灰白色の固形を得た。フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(12%M
eOH・NH3/CH2Cl2)で精製して、白色固体として、279mg(77%)の目的のア
ミノ−PEG生成物(Rf=0.38,15% MeOH・NH3/CH2Cl2)を得た。 FMOC-PEG(4)の合成−アミノ−PEG(3)を75mLの無水THFに840mg(0.5
63ミリモル)を溶解して乾燥しつづいて回転蒸発により溶媒を除去した。アル
ゴン雰囲気下、アミノ−PEGを50mLの無水THFに溶解し、9−フルオレニルメチ
ル サクシンイミジルカーボネート190mg(0.563ミリモル)で処理し、溶液を
室温で2時間攪拌した。ついで溶媒を回転蒸発により除去し、生成物をフラッシ
ュシリカゲルクロマトグラフィ(8%MeOH/CH2Cl2)により精製し、白色固体(Rf
=0.28,10%MeOH/CH2Cl2)863mg(92%)を得た。 FMOC-PEGホスホルアミダイト(5)の合成−FMOC-PEG(4)は無水THF25mL
に173mg(0.104ミリモル)溶解して乾燥し、ついで回転蒸発により溶媒
を除去した。アルゴン雰囲気下、FMOC-PEGを無水CH2Cl225mLに溶解し、34.
8mL(0.208ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンで処理し、つづいて
2−シアノN,N−ジイソプロピルクロロホスホアミダイト36.2mL(0.15
6ミリモル)で処理した.混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒と過剰の塩基を
減圧下除去した。目的のホスホルアミダイトをフラッシュシリカゲルクロマトグ
ラフィ(8% MeOH/CH2Cl2)により精製し、白色固体(Rf=0.30,10% MeOH
/CH2Cl2)190mg(97%)を得た。 DNA-PEG接合および第1反応体の付加 上記のように合成した保護PEGリンカーをDNA10-merの5’末端に接合し(ラン
ダムRNAとの連結を容易にする)つづいて下記の反応式に示すように第1反応体(
この場合マレイミド)をカップリングさせる。 応用DNAシンセサイザーを使って、DNA10-mer(5’-CCAGGCACGC)(配列ID NO.1)
を合成し、上記の標準ホスホルアミダイト化学物質を使って1段階で合成したFM
OC-PEGホスホルアミダイトを接合した。DNA-PEG接合体をCPG(調整ポアグラス)
固体相支持体から分離し、濃水酸化アルミニウムにて一晩標準インキュベーショ
ン法を使って十分に脱保護し、DNA-PEG遊離アミン種6を得た。各種反応を使っ
てPEG鎖の末端に任意の基質を加えることができる。例えば、アミノDNA-PEGとマ
レイミド−活性化エステル7を反応させて、ディールス−アルダーのためにマレ
イミドジエノフィルを追加して、アミド8を得た。 5’モノ燐酸を有するランダムRNAプールの製造 オペロン(カリフォルニア州アラメダ)から入手した合成、ランダム配列短鎖
DNA(ssDNA)テンプレートから標準SELEXストラテジ技術を使ってランダム配列4
0N8 RNAプール(配列ID,NO.2)を調製した。ランダム領域は、オリゴヌクレ
オチド合成中4つのヌクレオチド混合物(モル比を調整して付加ヌクレオチドの
1:1:1:1比を得る)を使ってランダム領域を生成した。ssDNAは、プライマーハ
イブリッドを行う画定した5’および3’末端の側面にある連続ランダム配列の
40ヌクレオチドを含んだ。Taqポリメラーゼにより合成した二重鎖DNA(dsDNA)
分子は転写を容易にするために5’末端にT7RNAポリメラーゼプロモーターを有す
る。 各転写反応は、80μlの5XT7RNAポリメラーゼバッファー(200mM トリス
−pH8.0,,60mM MgCl2, 5mM スパーマジン、25mM DTT, 20%グリセロール、0
.01%のトリトン−X−100)、40μlの10mM GTP,40μlの10mM CTP,40
μlの10mM ATP, 40μlの10mM UTP, 40μlの500mM GMP, 8μlのRnasi
n(Promega, 40,000単位/mL),24μl T7 RNA ポリメラーゼ(ニュー
イングランド・バイオラブ、50,000単位/mL)、およびdH2Oと一緒にして
100pモルの40N8 dsDNAからなり、最終容量400μlになる。37℃で一晩
インキュベーション後、5’モノ燐酸RNAは8%変性ポリアクリルアミドゲルを使
って精製した。この5’モノ燐酸はRNAを下記したリンカー配列のDNA部分に連結
するために必要である。 ランダムRNAをDNA-PEG−マレイミドに連結 ランダム配列RNAプールは上記したように生成した。連結反応に使用するDNA10
-mer(配列 ID No.1)とDNAブリッジオリゴ(5’-CTTGTCTCCCGCGTGCCTGG)(配列 I
D No.3)はオペロン(カリフォルニア州アラメダ)から得、使用前にゲル精製し
た。100pモルのランダム40N8 RNA(配列 ID No.2)は細菌アルカリフォスフ
ァターゼ(Gibco BRL)で脱フォスフォリル化し、ついでT4ポリヌクレオチドキ
ナーゼ(ニューイングランド・バイオラブ)とγ−[32P]ATPでフォスフォリル化
して末端ラベル化した。 連結反応には50ピコモルのランダム40N8 RNA、大体60,000CPMのラン
ダム、5’-末端ラベル化40N8 RNA, 100ピコモルDNA-PEG-マレイミド、150
ピコモルDNAブリッジオリゴ、2.5μL10XT4 DNAリガーゼバッファー(50m
M Tris-pH7.8, 10mM MgCl2, 1 mM ATP, 25mg/mL ウシ血清アルブミン)、0.
5μl RNAasin(Promega, 40,000単位/mL), T4 DNA リカ゛ーセ゛を最終濃度1.2ワ イス単位mL(ニューイングランド・バイオラブ)、およびdH2Oを最終容量25μ
lを含む。1.2ワイス単位/mLはニューイングランド・バイオラブ単位定義を任
意のカタログに見られる変換因子を使ってワイス単位に変換して得られる(1NE
B=0.015ワイス単位)。 RnasinとT4DNAリガーゼを除く全ての成分を混合し、70℃で3分間インキュ
ベーションし、そして37℃未満にゆっくり冷却する。RnaseとT4DNAをついで添
加し、混合物を37℃で90分間インキュベーションした。インキュベーション
後、RNAローディングバッファーを加え、混合物を70℃で30分間加熱しつい
で予備加熱8%変性ポリアクリルアミドゲルに担持させた。連結イールドはオー
トジオグラフィにより得た。生成したRNA-DNA-PEG-マレイミドは核酸−反応体試
験混合物である。 ビオチニル化ジエン接合体の調製 NHS-ビオチン(Pierce, 99.3mg, 0.291ミリモル)と2,4−ヘキサジエン−
1−オール(66.2mg, 2.3eq)をアルコ゛ン下0℃で無水ピリジン10mLに一緒にし、 室温で加温しながら、一晩暗所で攪拌した。TLC(50%EtOAc/ヘキサン)により
反応混合物を監視し、遅延反応を示し、ついで溶液を一晩アルゴン下で還流させ
た。溶媒を真空除去しついで5%MeOH/EtOAcついで6%MeOH/CH2Cl2によりフラ
ッシュシリカゲルでクロマトグラフィにかけ、精製物9を得、これは1Hおよび1H
COSY NMR スペクトルで同定した。 化学反応 上記で調製した核酸−反応体試験混合物(RNA-DNA-PEG-マレイミド)を次ぎの
条件下で第2反応体(ビオチニル化ジエン)と反応させる。1/2ナノモル(〜
50,000cpm)の核酸−反応体試験混合物を50μLの反応バッファー(10
mM MES, 200mM NaCl, pH 6.5)に溶解するか、別法として反応バッファーは10mM
Tris, 300mM NaCl, pH 7.0)でよい。この混合物を70℃で5分間加熱する。つ
いでMgCl2をそれぞれ100μMと10μMの最終濃度に添加し、溶液をゆっくり室温
に下げた(大体10分)。ついでビオチニル化ジエンを最終濃度1mMに加え、混合
物を室温で12時間インキュベーションした。ついで溶液を固定化ストレプタビジ
ンカラムにはこび、カラムは10μM MgCl2を含む反応バッファーで丁寧に洗っ
た。結合RNAはプロティナーゼKで処理しついでカラムを反応バッファーで洗い、
カラムマトリックスから遊離する。別法として、RNAは樹脂に結合したまま逆転
写することができ、あるいはジスルフィド結合ビオチン−ジエン基質を使用する
ことが出来、その場合RNAは50mM DTTを使ってカラムから溶離させる。プール
の豊富化につづいてcpmの数は標準プロティナーゼK処理にしたがって溶離した。
溶離したRNAはついで逆転写し、生成したcDNA をPCR増幅しそしてdsDNAは代表的
SELEX実験のように転写した。DNA-PEG-マレイミド接合体は上記のようにRNAに連
結し、生成物の量がその構造を決定するのに十分になるまで方法を繰り返した。
【0092】例5 ジールスアルダー反応を促進するための溶液中における非修正RNA及び金属 の使用 例4の方法を、反応液に金属イオンアルミニウム(III)とコバルト(II)を
含ませて、正確に繰り返した。例6 ジールスアルダー反応を促進するための修正RNA(ピリジン修正UTPに組み込 んだ)の使用 本発明の核酸を、前記した各種方法により修正することができる。修正核酸の
一つ例として、ピリジン型残基を5位に組み込んだ修正UTPを調製した。このピ
リジン修正UTPは、前記したようにランダムRNAに組み込むことができる。修正RN
AはPEGリンカーを通して反応試薬に結合させてジールスアルダー反応の促進に用
いられる。 以下の方法により、ピリジン残基が塩基の5位に結合したウリジントリホスフ
ェート(UTP)誘導体を合成できる。
【0093】 カルボキシアミデーション 5−ヨードウリジン−2’,3’−イソプロピリデン(0.225g,0.5
45mmol)、Pd(PPh34(0.1eq.,56mg)、トリエチルアミン(1
0eq.,0.76mL)及び4−(アミノメチル)−ピリジン(4eq.,0.23m
L)のドライTHFの10mL溶液を、テフロンストップコック付きのフレーム乾燥
ガラス容器中でアルゴン気流下に調製した。続いて容器に50psiCOを充填し、
3回減圧し、50psiCOとした後シールした。70℃に加熱しながら、フラスコ
を激しく攪拌した。2時間後、パラジウムプレートの視覚化が始まった。フラス
コを更に18時間攪拌し、冷却し、通気して、溶液を蒸発させて、黄色のオイル
を得た。シリカゲルクロマトグラフィーに付して8−10%MeOH/CH2Cl2グラジ
エントで溶出して、白色固形物として化合物10を0.177g(78%)得た
1H,13C NMRスペクトルで特徴化した。分析用サンプルはメタノールによる再
結晶により得た。
【0094】 トリホスフェートの調製 上記で調製した5’―ヒドロキシ修正ウリジンを用いて、LudwigとEckstein の方法(J.Org. Chem., 1989,54, 631-635)により、トリフォスフェートを調製
した。反応混合物の蒸留水溶液を、0.05−1.00M TBK(トリエチルアン
モニウムビカーボネート)緩衝液でアニオン交換カラムに通して、トリホスフェ
‐トを精製した。トリホスフェートを含むフラクションを凍結乾燥して、イソプ
ロピリデン保護トリホスフェートを得、31P NMRにより特徴化した。イソプロリ
デン保護基は、Dowex 50WX8 樹脂(H+フォーム)100mgと共に蒸留水5mL
中で70℃で15分間加熱し、次いで2M TBK バッファー(pH8ヘ)で中和し
て脱離した。この溶液を、逆相調製クロマトグラフィーHPLC(C18カラム
)に付して、0.005M TBK バッファー溶液中CH3CNの3−5%グラジィ
エントで最後の精製を行った。かくして得られたトリフォスフェート(11)を
、そのトリス(トリエチルアンモニウム)塩の形態の13P NMR スペクトルの1
を基に特徴化し、UV吸収(277nm,ε=14,600M-1cm-1)で定量し
た。 反応を、例4の方法により続ける。
【0095】例7 ジールスアルダー反応を促進するための修正RNA(ピリジン修正UTPに組み込 んだ)の使用 本発明の核酸を、前記した各種方法により修正することができる。修正核酸の
一つ例として、ヒスチジン型残基を5位に組み込んで修正UTPを調製した。この
ヒスチジン修正UTPは、前記したようにランダムRNA(SEQ ID NO:2)に組み込む
ことができる。修正RNAはPEGリンカーを通して反応試薬に結合させて、ガストリ
ン放出ペプチド(GRP)の解裂促進に用いられる。 ヒスチジン修正UTPの合成 以下の方法により、ヒスチジン型残基が5位に結合したウリジントリホスフ
ェート(UTP)分子を合成できる。
【0096】 圧力同等化追加フネエルを備えた自己含有カップリング装置に、不活性雰囲気
グローブボックス中で、化合物12を702.3mg(2.0mmol)、パラ
ジウムアセテート44.9mg(0.20mol)、沃化銅(I)114.3mg
(0.60mmol)及びトリフェニルホスフィン157.4mg(0.60mm
ol)を秤リ取った。装置をシールし、ボックスから離し、カニューレにより、
装置の丸底部分に無水THF30mLを加えた。ビニルトリブチルチン0.64
3mL(2.2mmol)の40mL無水THF溶液のアルゴン置換したものを、
カニューレを通して、追加フネエル部分に加えた。フラスコを減圧し次いでCO
で3回充填し、黄色い溶液が少しオレンジ色になるまで1.0時間70℃で加熱
した。次いで、ビニルトリブチルチン溶液を、10秒間で1滴の割合で追加した
。5−10%試薬を追加した後で、溶液が黒赤色になった。溶液を70℃で5時
間加熱し、次いで冷却し、減圧した。残査をCH2Cl2に溶解しシリカパッドに
付し、200mLヘキサン及び200mLCH2Cl2で洗浄し、5%CH3OH/
CH2Cl2で生成物を溶出した。溶出液を濃縮し、5%CH3OH/CH2Cl2でシリカゲ
ルによるフラッシュクロマトグラフィーに付して、白色固形物として化合物13
を0.294g得た。
【0097】 ヒスチジノールミカエル付加生成物 TBDMS保護ヒスチジノール化合物14 ヘキサンで3回洗浄したNaH205mg(5.1mmol)の3.0mLD
MF溶液に、攪拌しながらアルゴン下で、N−メチルヒスチジノール2塩酸塩の
1部500mg(2.3mmol)を加え、中程度のガスが発生した。溶液を1
.5時間攪拌し、次いで無水ピリジン1.8mL(23mmol)及びTBDM
SCl 693.0mg(4.6mmol)を加えた。溶液を1.5時間攪拌し
、減圧下に濃縮し、5%CH3OH/CH2Cl2でシリカゲルによるフラッシュクロマ
トグラフィーに付して、14を得た。
【0098】 ミカエル生成物15 化合物13の167.9mg(0.6mmol)の10mLDMF溶液に、
ジイソプロピルエチルアミン0.105mL(0.6mmol)を加え、次いで
化合物14の185mg(0.72mmol)の無水DMF1.85mL(23
mmol)溶液を滴下した。溶液を1時間攪拌し、減圧下に濃縮し、15%CH3 OH・NH3/エチルアセテートでシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィ
ーに付して、化合物15を白色固形物として得、1H NMRスペクトルで特徴
化した。
【0099】 トリフォスフェートの調製 化合物15のジオキサン/ピリジン溶液に、2−クロロ−4H−1,2,3−
ベンゼ−ヂオキサホスフォリン−4−オンのTHF溶液を滴下し、20分間攪拌
し、次いでビス(トリブチルアンモニウム)ピロフォスフェートの0.5M D
MF溶液とトリブチルアミンを同時に加えた。溶液を更に20分間攪拌し、I2
のピリジン/水の溶液を加え、20分間攪拌した。過剰のヨウ素を、5%ビスル
フアイトナトリウムで破壊し、15分間攪拌し、溶液を濃縮し、濃水酸化アンモ
ニウムで加水分解した。アンモニアを減圧下に除去し、残った溶液をCH2Cl2 で2回、エチルアセテートで1回洗浄し、減圧下に濃縮した。残査を水に溶解し
、Dowexと共に70℃で15分間攪拌した。溶液を濾過し、2M TBKバ
ッファーで中和し、DEAEセファデックスに直接付し、0.005Mトリエチ
ルアンモニウムビカーボネートバッファー(TBKバッファー)〜1.0M T
BKバッファーのグラジエントで溶出して、シアリレート種及び少量のTBDM
Sとイソプロピリデン保護を含むものを僅かに含む生成物を得た。これをDoe
x樹脂で再び処理し、逆相HPLC C18カラムに付して、0−5%アセトニ
トリルの0.005M TBKバッファー溶液のグラジエントで15分間溶出し
て、化合物16を得、1H、13H及び31P NMRで確認した。 上記例4と同様にして、実験を続けた。しかしながら、シクロヘキサン生成物
が形成されるより、むしろ核酸がGPR蛋白を加水分解した。
【0100】例8 N−ブロモアセチルブラジキンに結合した5’−ホスホロチオエート修正R NA 本例は、結合反応試薬が、ランダム核酸テスト混合物に直接結合した5’−グ
アノシンモノホスホロチオエート(GMPS)であるパラレルSELEX方法に
ついて記載するものである。フリーの反応試薬は、ブラジキニンターゲット(B
rBK)に結合したブロモアセチル基である。本例は、N−ブロモアセチル化ブ
ラジキニン(BrBK)と特異的に反応しRNAとBrBKとのチオエーテル結
合の形成を促進する5’−グアノシンモノホスホロチオエート置換RNA(GM
PS−RNA)の選択及び分析について記載するものである。この分野の以前の
研究により、フリー溶液中及び支持マトリックスに結合したブラジキニンに対す
るリガンドを得るのは難しいことが分かっている。以下に記載するように、kc
at/Kmが6700倍にそしてN−ブロモアセチルブラジキニンについての結合ア
フィニティーが出発プールに対し100倍上昇するRNAを同定した。このRN
Aはその基質に特異的に結合し、最適活性のためにペプチドのアミノ及びカルボ
キシ末端の両者を必要とした。
【0101】 A.パラレルSELEX RNAテスト混合物に結合した結合反応試薬として5’−グアノシンモノホス
ホロチオエート(GMPS)を、フリー反応試薬及びターゲットとしてブロモア
セチル化ブラジキニンを用いて、パラレルSELEXを実施した。GMPS−R
NAは、BrBKのブロミド基をRNAのチオエート基に迅速に置換できるもの
として選択された。次いで、BK−S−RNAの生成物を、残った未反応GMP
S−RNAから分画し、他のセレクションサイクルに付す前に再度増幅した。
【0102】 1.GMPS−RNA Schneider et.al.,(FASEB)に詳細に記載された30ランダム化ヌクレオ
シド(30N1)(SEQ ID NO:4)の中心領域を有する76ヌクレオ
シドの長さの約5×1013GMPS−RNA分子のイニシャルレパートリーを、
増幅用のテンプレートとしての非ランダム領域と共に用いて、パラレルSELE
Xを実施した。核酸反応試薬テスト混合物は、GMPSにより約80%の全長生
成物が生成するようにT7RNAポリメラーゼによる転写のプライムにおける同
モルのGTPに対して優先的に利用されるように、最初の及びそれに続く全ての
転写反応にGMPSを取り込ませて形成した。GMPS−RNAを転写し、アミ
コンー50スピン分離機で精製し、過剰のGMPSを除いた。GMPS−RNA
を、チオプロピルセファロース6Bで非GMPS RNAから分離し、ヂチオス
レイトール(DTT)のマトリックスから溶出し、他のミクロン50スピン分離
機でRTTから精製した。チオプロピルセファロース 6B(ファルマシア)は
、カラムバッファー(500mM NaCl、20mM HEPES pH7.
0)であらかじめ洗浄し、使用前に12,000gで乾燥した。GMPS−RN
A精製ミクロン50カラム精製RNAは、500mM NaCl、10mM E
DTA及び20mM HESPES pH7.0の終濃度にし、60μLボイド
量に対して25μLのメジャーでマトリックスに加えた。マトリックスを70℃
で5分間反応させ、12,000gでスパンし、90%フォルムアミド、50m
M MES pH5.0の4つのカラム量で70℃でスピン洗浄し、pH5.0
で50mM中の500mM NaClの4カラム量でスピン洗浄し、pH5.0
で50mM MES中の100mM DTTの4カラム量でスピン溶出した。こ
れらの条件は、GMPS−RNAのみのリテンション及びそれに続く溶出のため
に最適化した。
【0103】 2.ブロモアセチル化ブラジキニン この例では、ブロモアセチルブラジキニン(BrBK)は、フリーの反応試薬
とターゲットの両者として用いた。ブロモアセチル基はフリー反応試薬である。
BrBKは、5mMブラジキンの50μLと、42mMブロモ酢酸N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステルの3ツの250μL部分とを、室温で12分間のイン
ターバルで反応させて合成した。過剰のブロモ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミ
ドエステルは、アミノエチルアクリルアミド5mMで濾過して除き(室温で5分
間反応)、BrBKをGS−10セファロースで分離した。BrBK濃度は、1
2,000cm-1-1の吸収係数で220nmで決定した。
【0104】 3. 選択反応 BrBKとの反応をほとんど実施できるこれらの種のGMPS−RNAは、S
ELEXの複数のラウンド(multiple rounds)を通して相互に
選択される。選択されたラウンドは、以下の表1に示される所定の時間及び温度
で、反応緩衝(reaction buffer)中、1.1mMのBrBK及び
GMPS−RNAの濃度で実施された。 選択の間、BrBKペプチドの濃度は、BrBKを有するラウンド0プールの
Kmよりも12倍も低い濃度である1.1mMに保持された。選択の進行にあた
り、全GMPS−RNAの5%以下に反応を制限するために、反応時間は制限さ
れ、反応温度は下げられた。目的は、結合(binding)と化学(chem
istry)の両方の改善を選択するために二次反応条件を維持することにある
。BrBKの活性は、25μM GMPS−RNA、12.5μM BrBKで
評価された。反応を完全に実施すると、RNAの50%がBrBKと共有結合し
、ペプチドのブロモアセチル化が本質的に完全であることを示していた。 反応は、チオリン酸ナトリウム(ラウンド1〜8)又はチオ硫酸ナトリウム(
ラウンド9〜12)の最終濃度を235mMにして抑制され、そして変性7M尿
素8%ポリアクリルアミドAPMゲル(ラウンド1〜6)又はアフィニティーク
ロマトグラフィーによって分配された。反応したRNA%(%RNA Reac
ted)とは、アクリルアミドゲル分配から又はアフィニティーカラム分配での
BK−S−RNAの自由溶出からのBK−S−RNAとして存在する全GMPS
−RNAの%のことを指している。バックグラウンドは、両方のケースにおいて
、回収されたRNAから差し引かれた。バックグラウンドは、BrBKを添加す
る前に反応が抑制されたときの調節処理からRNAが回収された量を指している
。バックグラウンド比は、[反応したRNA]対[バックグラウンドとして存在
するもの]の比である。反応時間を調節することによって、SELEXのラウン
ド中、この比は2〜10の間に保つ試みがなされた。 サブトラクティブ・分配は、チオプロピル セファローズ6Bによるサブトラ
クションによるか、又はAPMポリアクリルアミドゲル上で二つの種を分離する
ことによって完成される。G.L.イグロイ(Igloi)によってバイオケミ
ストリー27巻、3842(1988)に報告されているように、塩化[(β−
アクリロイルアミノ)フェニル]水銀(APM)を合成し、チオール含有RNA
を遅延させるために濃度25μMで変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動で使用
した。100mMのDTTの存在下に、APM−ポリアクリルアミドから溶出し
て、GMPS−RNAを精製した。新たに精製された、APM−遅延GMPS−
RNAをAPMゲル上で再精製し、適用された全GMPS−RNAの約3%から
なる、未遅延RNAの自由バンドが得られることが、前記引用文献から分かった
。自由−ランニング(free−running;空走)RNAは、それが(ゲ
ル中で使用されたアクリルアミドの%に関係なく)BK−RNAに非常に近接し
て溶出し、分配の間にバックグラウンドを増加させることが問題であった。この
自由−ランニングRNAをゲルから精製し、APMゲルに戻すとき、約50%の
このRNAが自由ラニングのまま残っており、残りのRNAはGMPS−RNA
としてランニングされた。自由−ランニングRNAの量は、分配に要した時間の
量に比例したが、pHの影響、DTT、マグネシウム、アセテート、ホルムアミ
ド、尿素、又は熱の存在又は不存在には依存しなかった。 逆転写及びポリメラーゼ鎖反応を、シュナイダー(Schneider)ら(
FASEB,7,201,1993)が報告したように、実施した。GMPS−
RNAプールのkobs値はラウンド4〜6の間に100倍に増加し、その後のラ
ウンドではわずか2倍増加しただけであった。kobs値を決定するための反応は
0℃で反応緩衝(50mMのHEPES、pH7.0、0.5mMのMgCl2
、150mMのNaCl)中で、2μMのGMPS−RNA及び130μMのB
rBKで、0、1、3、10、30及び90分で監視しつつ行なった。GMPS
−RNAは、70℃で、3分間変性され、最終反応緩衝状態まで希釈される前に
室温で徐冷するようにされ、氷に移され、BrBKを添加した。反応は氷上、2
35mMのチオ硫酸ナトリウムで停止され、変性7M尿素8%ポリアクリルアミ
ドAPMゲル上で溶出され、kobs値は、[未反応GMPS−RNAの濃度]対
[時間のプロット]からのデータ点の直線範囲のマイナスの傾斜として測定され
た。ラウンド10及び12は、クローニング及び配列化を決定するのに使用され
た。 B. クローン 56の独立したクローンが、配列決定された。16の反応物がBrBKとの反
応性の30Nlバルク プールと比較された。試験された反応物の全ては、最初
のプールと比較してkobs値で10倍から100倍の増加を示した。反応物12.1
(配列 ID NO:5)は、3つの基準:(i)競合(competing)
ブラドキニンによる反応抑制の予備的検討において、ブラジキニンとして最も低
いKi(データは示されていない)を有すること、(ii)ラウンド12ポピュ
レーション(polpulation)において最も屡々表れる分子であること
、(iii)試験された反応物の中で、第二に速いkobs値を有すること、に基
づき、更なる機構分析のために選ばれた。 反応物のkobs値12.1の選択された増加は、反応性及び結合の両方の増加
に帰することができる。BrBKとの反応において、反応物12.1はkcat
でバルク30N1 GMPS−RNAの67倍の増加を示し、Km値で100倍
の減少を示し、kcat/mが全体として6700倍増加した(表1参照)。 C. 特異性 反応物12.1による最適結合(optimal binding)に要求さ
れるBrBKの構造要素(structural elements)を、ブラ
ジキノン類似物による反応抑制によって検討した。BKによる抑制は、バルク3
0NIのGMPS−RNAとBrBKとの反応では測定できない(データは示さ
れていない)が、ネイティブのブラジキノン(BK)は反応物12.1とBrB
Kとの反応のKi 140±60μMを有する。この値は、未抑制の反応のKm
ほぼ同じである。Des−Arg9−BK(カルボキシル末端アルギニンを欠く
BK類似物)はKi 2.6±0.5mMを有する。このように、カルボキシ末
端アルギニンを欠くことは、BKと反応物12.1との結合を約18倍減少させ
る。さらに、des−Arg1−BK(アミノ末端アルギニンを欠くBK類似物
)は、アミノ末端アルギニンが反応物12.1とBrBKとの間に観察される結
合反応には絶対的に必要であることを示す、反応物12.1とBKとの反応のい
かなる測定できるほどの抑制も示さない。アルギニンは、ペプチドとの関連にお
いて認識されなければならないが、遊離のL−アルギニン単独は反応を測定可能
なほどは抑制しない。したがって、反応物12.1のアフィニティーがBrBK
のバルク 30N1 GMPS−RNAのアフィニティーよりも増加することは
、部分的には、BrBKのアミノ末端アルギニンの反応物認識に帰せられ、カル
ボキシ末端アルギニンには帰せられる程度はそれより少ない。 反応物12.1の本質的な反応活性は、微量のブロモアセチル構造としてN−
ブロモアセチルアミド(BrAcNH2)を使用して検討した。反応物12.1
と30NI RNAプール及びBrAcNH2との反応のKmとkcatの値は、ほ
ぼ同じであった。したがって、反応物12.1とBrBKの反応の加速された反
応速度は、みかけ上、チオネート基の求核性の増加に帰すべきではなく、むしろ
、二つの基質の位置における立体要因及び/又はエントロピー要因の結果に帰す
べきである。このように、パラレルSELEXプロセスに求められたのと全く同
様に、化学反応は容易化された。
【0105】実施例9 クライゼン縮合を促進するための改変していないRNA及びイミダゾール−U MPで改変したRNAの使用 この実施例では、結合した反応物質が、PEG結合を経由してランダムな核酸
試験混合物に取り付けられたアセトフェノンである、平行SELEX法について
記述する。核酸試験混合物は、改変していないか又はイミダゾール−UTPを含
有する、100のヌクレオチドのランダムな配列を含んでいた。アセトフェノン
反応物質−核酸試験混合物の用意は、実施例1−3において述べている。フリー
の反応物質は、ビオチン−4−ニトロフェノール分子である。RNAによって促
進される反応は、以下のスキームに示される通り、アセトフェノンとニトロフェ
ノール部分とのクライゼン反応である。 PCRとRNAの転写のための一本鎖DNAテンプレート 隣接するランダムな配列である100−ヌクレオチド領域と、5’及び3’固
定領域(SEQ ID NO:6)を有する、147‐ヌクレオチド 100N
8 一本鎖DNA(ssDNA)オリゴヌクレオチドを標準的な方法で合成した
。3’固定領域中のランダムな領域に並んでいる8のヌクレオチドが、5’固定
領域中のランダムな領域に並んでいる8のヌクレオチドに対して相補的である点
以外は、この100N8C(SEQ ID NO:7)ssDNAテンプレート
は、100N8テンプレートと同一であった。100N8Cの相補的な8のヌク
レオチドは、可変領域中の100NループをもつRNAの幹の構造を形成するた
めに準備される。それゆえ、100N8Cは、最初の構造を有している。 シングル−コピー二本鎖PCR生成物の生成 100N8と100N8C両者のための、2nmolのシングル−コピーss
DNAテンプレートを、2nmolの転写生成物を作るために、2サイクルの増
幅のためのPCR反応に用いた。シングル−コピー2本鎖PCR生成物は、転写
のためのキアゲンカラム(Qiagen column)で精製した。100N
8及び100N8Cテンプレートそれぞれの1nmolを改変していないRNA
との転写のために用い、それぞれの1nmolを5−イミダゾール−UTPとの
転写のために用いた。以下に述べるように、RNA転写物は精製され、くくられ
、ゲル精製された。 5’モノホスフェートを有するランダムなRNAプールの生成 RNA転写物は、40mM Tris−Cl、12mM MgCl2、1mM
スペルミジン、ATP,CTP、UTP又は5−イミダゾール−UTPそれぞれ
1mM、20mM GMP、0.26μM α−32P−ATP、5mM DTT
、4%PEG、0.002%TritonX−100、を含み、pH8.0であ
る500μlの反応混合物中の、2本鎖PCR生成物の転写によって準備された
。RNAの濃度は、125nMから1μMまで、つまり、より高い増幅を与える
低濃度で変化させた。T7RNAポリメラーゼを1.5μM加え、転写物は37
℃で2時間インキュベートした。反応混合物は、等量のフェノール、フェノール
:クロロホルム(50:50)およびクロロホルムでそれぞれ1回ずつ抽出した
。抽出に引き続き、RNAは、Centrex UF−0.5 30,000M
Wフィルターにかけた。RNAは、500μlのH2Oで3回洗浄した。RNA
は、200μlのH2Oでそれぞれのフィルターから溶出した。RNAを定量し
た。 ランダムなRNAのDNA−PEG−アセトフェノンへのくくりつけ RNAは、5μMのRNA濃度で500μlのaliquots中のアセトフ
ェノン−PEG−10−ヌクレオチドDNAにくくりつけた。このくくりつけの
反応は、2つのステップで行われた。第1のステップは、66mM Tris−
Cl、5mM MgCl2、1mM DTE、1mM ATPを含み、pH7.
5である330μl混合物(ベーリンガーマンハイム リガーゼバッファー)中
の、2重に過剰なアセトフェノン−PEG−10−ヌクレオチドDNA及び3重
に過剰な20−ヌクレオチド架橋DNAで、72℃、3分間、RNAをインキュ
ベートした。 第2のステップは、反応混合物が室温に達した後、40μlのベーリンガーマ
ンハイムエンザイムストレージバッファー(20mM Tris−Cl、60m
M KCl、1mM EDTA、5mM DTE,50%グリセロール、pH7
.5)、53μl H2O、17μl RNAsin(Promega,40ユ
ニット/μl)、17μl 10xリガーゼバッファー(上記に同じ)及び40
μl リガーゼ(ベーリンガーマンハイム、5ユニット/μl)を最終的な容積
が500μlになるように加えた。くくりつけの反応は、37℃のインキュベー
ターの中に2−3時間置いて行った。くくりつけられたRNAは、ゲルから切り
離され、0.2μMのフィルターを通じて凍結圧搾し、NAP−5脱塩カラムに
通して、急速真空乾燥した。乾燥させたくくりつけられたRNAは、50μlの
水の中に懸濁させて定量した。
【0106】化学反応 核酸−反応体試験混合物(アセトフェノン−PEG−DNA−RNA)と第2
反応体(ビオチン−4−ニトロフェノール)との反応は、50mM Hepes
、200mM NaCl、200mM KCl、2mM MgCl2、2mM
CaCl2、10μM ZnCl2、20%アセトニトリルを含む、pH7.0の
、500μlアリコット中においてであった。反応中における連結反応したRN
Aの濃度は2.5μMであり、ビオチン−4−ニトロフェノール化合物の濃度は
0.5mMであった。核酸−反応体及び第2反応体の濃度は、厳密度を上げるた
めに必要に応じて調節した。これらの反応混合物を17時間25℃においてイン
キュベートした。インキュベーション後、反応混合物は、まずNAP−5カラム
を通し、次いでNAP−10カラムを通して、遊離のビオチン−4−ニトロフェ
ノール化合物を除去した。これらの試料は高速真空にて乾燥し、次いで100μ
lの水に懸濁した。これらの試料の特異的活性を求めた。反応した生成物は、下
記のように分画し、逆転写し、PCR増幅し、転写した。アセトフェノン−PE
G−DNA10mer接合体を、上記したように、RNAに連結反応し、それらの結
合した反応生成物の構造を求めるために、試験混合物プールが促進RNAで十分
に豊富になるまで選択/増幅を繰り返した。ゲル−シフト分画 ラウンド1−3 ストレプタビジン(10ナノモル)及び10x緩衝液(10mMトリス、15
0mM NaClを含む、pH7.5の溶液を与えるための)を添加し、各試料
を37℃にて15分間インキュベートし、次いで70℃にて3分間インキュベー
トした。ビオチニル化RNAのストレプタビジン誘導ゲルシフトに対するポジテ
ィブコントロールとして、上記アセトフェノン−PEG−DNA10−RNA100N と同様にして調製したビオチン−PEG−DNA10−RNA100N(約7ピコモル
)を、上記したように、10ナノモルのストレプタビジンと共にインキュベート
した。このストレプタビジンシフトさせた試料を、1.5mm6%変性ゲル上を
、絶縁ゲル装置中50ワットにて、キシレンシアノール指示薬染料が底から約1
インチとなるまで動かした。 そのシフトした領域におけるゲルバンドを、上記ポジティブコントロールによ
って予想されたとおりに削った。そのゲルからRNAを凍結絞出し、NAP−5
カラムを通し、高速真空にて乾燥した。このRNAを50μlの水中に再懸濁さ
せた。この回収したRNAの量を、回収カウントを求め、ゲルに適用されたこの
RNAの特異的活性を用いることによって求めた。このRNAを逆転写し、得ら
れるDNAをPCR−増幅する。次いでこのPCR生成物を転写し、RNAの複
写を、上記したように、上記アセトフェノン−PEG−DNA10MERに連結反応
させる。
【0107】ストレプタビジン−被覆磁気ビーズ(DYNAL)での分離 ラウンド4−6 1.5mlエッペンドルフチューブ中の50μlの常磁性ビーズスラリー(1
00ピコモルのビオチン化オリゴヌクレオチドにまで結合すべき)をMPC装置
(磁気ホルダー)に入れ、上清を取り除いた。ビーズはチューブを各洗浄の間M
PC中に入れることにより、10mMTris、pH7.5、1mM EDTA
、2.0M NaCl、0.5% PEG2000を含む結合及び洗浄(B&W
)バッファーで3回洗浄した。B&WバッファーはDEPC−処理水で調製する
。結合反応については、ビーズは100μlB&Wバッファーに再懸濁する。R
NAは200μlの全体積に対して一容の100μl DEPC−処理水中に添加
する。RNAは時折混合しながら30分間ビーズと共にインキュベートする。チ
ューブはMPCホルダーに入れ、バッファーは取り除きNo.1として保存する。
ビーズは200μlB&Wで2回洗浄し、洗浄の間MPCホルダー中に入れる。洗浄
バッファーはNo.2及び3として保存する。次いでビーズは200μlの水で
、その後100μlの水で洗浄する。洗浄水はNo.4として保存し、プールす
る。ビーズは50μlの水に再懸濁し、No.5として保存する。ラウンド6の
後、追加の200μlの水での洗浄を行った。洗浄バッファーは各々4mlシン
チレーション液体のバイアルに添加する。磁気ビーズのアリコットもカウントす
る。これらの数は結合%を決定するために使用される。この実験でのバックグラ
ウンドは第二の反応物(ビオチン−4−ニトロフェノール)なしで反応中に核酸
反応物試験混合物(アセトフェノン−PEG−DNA−RNA)をインキュベー
トすることにより決定され、0.02%より小さい。ビーズに結合したRNAは
逆転写される。cDNAは熱変性条件とMPCホルダーを用いてビーズから取り
除き、PCR増幅される。
【0108】カウンターSELEX法 第二反応物(ビオチン−4−ニトロフェノール)と、核酸の通常の官能基又は
RNAを修飾するための共配列として導入される基(イミダゾール)との反応か
ら生じる可能性のある望ましくない生成物を排除するために、いくつかのカウン
ターSELEX法がある。
【0109】 DNA−PEGリンカーのDNアーゼI消化は,第一反応物が関与しない核酸
−反応物試験混合物(アセトフェノン−PEG−DNA−RNA)の間の生成物
を除くための最も効率的な方法である。すべてのビオチン化した生成物は磁気ビ
ーズ上のストレプタビジンに結合するであろう。未結合核酸−反応物を除くため
の多重洗浄工程の後、磁気ビーズ(結合ビオチン化RNAと共に)を200μl
のDNアーゼIバッファーに再懸濁する。DNアーゼI(4単位;RNアーゼフリー
)を添加し、DNAを37℃で30分間消化する。ビーズをMPCに入れ、遊離
するRNAを上清中に集める。ビーズは未結合RNAを除くために数回洗浄する
。上清と洗浄液はアセトフェノンとビオチン−4−ニトロフェノールの反応によ
り形成された生成物によりストレプタビジンに結合したRNAのみを含む。RNA
溶液はDAアーゼを取り除くためにフェノール/クロロホルム抽出され、乾燥させ
るためにスピード真空に置く。cDNAはPCR増幅され、次のラウンドの転写
のために二本鎖DNA生成物を作る。
【0110】 あるいは、カウンターSELEX法は、RNAが別の反応物−PEG−DNA
10マー、すなわちクライゼン縮合の場合のジエンに連結するサブトラクション
工程を含む。このRNAはアセトフェノン−PEG−DNA−RNAと同じ条件
下で第二の反応物(ビオチン−4−ニトロフェノール)と反応させられる。スト
レプタビジン−被覆磁気ビーズに結合しないRNAはNAP−10カラムを通過
して塩を取り除き、スピード真空中で乾燥され、水中に再懸濁され、逆転写され
る。cDNAはPCR増幅され、ポジティブ選択のためにアセトフェノン−PE
G−DNA10マーに連結するために転写される。
【0111】 もし、連結されないRNAの第二反応物とのインキュベーションの結果、ター
ゲットに結合した同様の量のRNAになるのであれば、それらの望ましくないR
NAはこの混合物を磁気ビーズの上を通過させることにより取り除くことができ
る。未結合RNAは次いでNAP−10脱塩カラムを通過し、スピード真空下で
乾燥される。RNAは次いで水中に再懸濁され、アセトフェノン−PEG−DN
A10マーとの連結反応に直接使用することができる。アセトフェノン−PEG
−DNA−RNAは次いで上述のようにビオチン−4−ニトロフェノールとイン
キュベートされる。
【0112】実施例10 RNA促進クライゼン反応 この例は、パラレルSELEX処理を記載するものであり、ここでは、結合反
応物質は、PEGリンカーを介して、先の実施例1−3に記載したランダム核酸
試験混合物に結合したアセトフェノンである。この核酸試験混合物は、ベンゾイ
ル−UTPまたはイミダゾール−UTPのいずれかを含むランダムなシークエン
スの100ヌクレオチドを含んでいた。フリーの反応物質は、AMP−ビオチン
分子である。このRNAによって促進される反応は、下記のスキームで示すアセ
トフェノンとAMP分子との間のクライゼン反応である。
【0113】アセトフェノン−核酸試験混合物の合成 出発材料のランダム核酸試験混合物は100N8の2ナノモルであり、実施例
1に記載したベンゾイル−UTPまたはイミダゾール−UTPのいずれかを含ん
でいる。実施例2−3に記載のとおり、アセトフェノン求核原子をDNA−PE
Gリンカーを介してRNA分子に連結した。HCl/ピリジン混合物中に過剰の
DCCを存在させて、AMPとビオチンの等モルインキュベーションにより、A
MP−ビオチンを合成した。AMP−ビオチンは、逆相HPLCで精製し、31
−NMRでキャラクタライズした。
【0114】反応 SELEX反応緩衝液は、200ミリモルのHEPES(pH7)、200ミ
リモルのNaCl、200ミリモルのKCl、2ミリモルのMgCl2、2ミリ
モルのCaCl2、それぞれ10マイクロモルのCoCl2、CuCl2、FeC
2、MnCl2、NiCl2、ZnCl2を含んでおり、反応を25℃でインキュ
ベートして行った。SELEX実験の間、RNA濃度を10マイクロモルから1
マイクロモルに下げ,AMP−ビオチン濃度を10ミリモルから0.2−1ミリ
モルにさげ、インキュベートの時間を16時間から1時間に減らすことによって
、反応の切迫度(stringency)をじょじょに高めた。促進されたRN
A分子の分割は、反応した分子にビオチンによるタグが存在するか否かによった
。ラウンド1−7およびラウンド11においてゲル−シフト分割を使用し、ラウ
ンド8−10およびラウンド12−14では、分割に常磁性ストレップタビディ
ンダイナビーズM−280(paramagnetic streptavid
in Dynabeads M−280)を使用した。ラウンド12−14の間
、富化(enriched)プールとスターティングプールのSELEX反応を
並行して行った。対応するバックグラウンドは、AMP−ビオチンの不存在下で
それぞれのRNAプールの半分をインキュベートすることによって決定した。
【0115】 ビオチン化が末端の求核分子で起こっているのか、内部の反応中心で起こって
いるのかを決定するために、訂正(correct)末端求核分子またはRNA
分子に連結した非反応性のジエンを用いてラウンド14を行った。比較により、
末端求核分子としてアセトフェノンを有しているRNA分子は、だいたい、内部
がビオチン化されていることがわかる。実施例9に記載したカウンターSELE
X法によって、内部のビオチン化が促進されたRNA分子をプールから除く。S
ELEXプールは、反応の緊迫度が増加するようにランドを続けることによって
、末端求核分子のビオチン化が促進されたRNA分子によりさらに富化される。
【0116】実施例11 RNA−促進アミド化反応 この例は、パラレルSELEX処理を記載するものであり、ここでは、結合反
応物質は、PEGリンカーを介して、先の実施例1−3に記載したランダム核酸
試験混合物に結合したアミンである。この核酸試験混合物は、ベンゾイル−UT
Pまたはイミダゾール−UTPのいずれかを含むランダムなシークエンスの10
0ヌクレオチドを含んでいた。フリーの反応物質は、AMP−ビオチン分子であ
る。このRNAによって促進される反応は、下記のスキームで示すアミンとAM
P分子との間の反応である。
【0117】
【0118】アミン−RNAライブラリーの合成 出発材料のランダム核酸試験混合物は100N8の2ナノモルであり、実施例
1に記載したベンゾイル−UTPまたはイミダゾール−UTPのいずれかを含ん
でいる。実施例1−3の記載と同様にして、DNA−PEGリンカーを介してア
ミン求核分子をRNA分子に連結した。 HCl/ピリジン混合物中に過剰のDCCを存在させて、AMPとビオチンの
等モルインキュベーションにより、AMP−ビオチンを合成した。AMP−ビオ
チンは、逆相HPLCで精製し、31P−NMRでキャラクタライズした。
【0119】反応 SELEX反応緩衝液は、200ミリモルのHEPES(pH7)、200ミ
リモルのNaCl、200ミリモルのKCl、2ミリモルのMgCl2、2ミリ
モルのCaCl2、それぞれ10マイクロモル/lのCoCl2、CuCl2、F
eCl2、MnCl2、NiCl2、ZnCl2を含んでおり、反応を25℃でイン
キュベートして行った。SELEX実験の間、RNA濃度を10マイクロモルか
ら1マイクロモルに下げ,AMP−ビオチン濃度を10ミリモルから0.2−1
ミリモルにさげ、インキュベートの時間を16時間から1時間に減らすことによ
って、反応の切迫度をじょじょに高めた。促進されたRNA分子の分割は、反応
した分子にビオチンによるタグが存在するかいなかによった。ラウンド1−7お
よびラウンド11においてゲル−シフト分割を使用し、ラウンド8−10および
ラウンド12−14では、分割に常磁性ストレップタビディンダイナビーズM−
280を使用した。ラウンド12−14の間、富化プールとスターティングプー
ルのSELEX反応を並行して行った。対応するバックグラウンドは、AMP−
ビオチンの不存在下でそれぞれのRNAプールの半分をインキュベートすること
によって決定した。
【0120】 ビオチン化が末端アミン求核分子で起こっているのか、内部の反応中心で起こ
っているのかを決定するために、訂正末端求核分子またはRNA分子に連結した
非反応性のジエンを用いてラウンド14を行った。比較により、イミダゾール−
UTP RNA分子のビオチン化は、末端アミンにおいて優先して起こっている
ことがわかる。実施例9に記載したカウンターSELEX法によって、内部のビ
オチン化が促進されたRNA分子をプールから除く。SELEXプールは、反応
の緊迫度が増加するようにランドを続けることによって、末端求核分子のビオチ
ン化が促進されたRNA分子によりさらに富化される。
【0121】実施例12 アシル化反応を促進するための改変していないRNA及び5−イミダゾール− UMPで改変したRNAの使用:NHS−カルバメートで官能基化したペプチド ライブラリーからのヒト好中球エラスターゼ抑制剤の選択 平行SELEX法の、追加の適用は、改変していないRNA又は第一アミンと
接合した5−イミダゾール−UMPで改変したRNAを使用した、NHS−カル
バメートで官能基化した大きなペプチドライブラリーからの、セリンプロテアー
ゼ ヒト好中球エラスターゼ(HNE)の抑制剤を選択することを含んでいる。
この応用は、あらかじめ合成された組み合わせ(コンビナトリアル)ライブラリ
ーのデコンヴォリューション(deconvolution)を取り扱う。RN
Aに取り付けた求核的な第一アミンと、NHS−カルバメートの求電子的なカル
ボニル基の炭素との間の反応(アシル化)を促進することができるRNAは、結
果として得られる、HNEと相互に作用するRNA−接合ペプチドの能力に基づ
き選択される。現在進行中である、この平行SELEX実験のより詳細な記述を
以下に記す。
【0122】 NHS−カルバメートで官能基化したペプチド−ホスホン酸ジフェニルライブ ラリーの合成 (α−アミノアルキル)ホスホン酸ジフェニルのある一定のペプチド誘導体は
、HNEの効果的な非可逆的(共有的)抑制剤であることが知られている(J.
Oleksyszyn and J.C.Powers、1991、(α−アミ
ノアルキル)ホスホン酸ジフェニルエステルのペプチド誘導体によるセリンプロ
テアーゼの非可逆的抑制、Biochemistry 30:485−493)
。出発点として既知の弱い抑制剤ValP(OPh)2を使用すると、コンビナト
リアルスプリット合成の標準溶液層によって、約250,000の異なるテトラ
ペプチドホスホン酸ジフェニルのライブラリーが合成された。Boc基で保護し
た、50の異なるアミノ酸の対称な無水物を合成し、赤外線分光法で特定し、そ
して、以下のスキームに示すアミノホスホネート6と反応させた。この反応は、
Boc−ジペプチド混合物と一致した1H及び31P共鳴を有する、約100の化
合物の混合物7を与えるように組み合わせた。混合物7はフリーのアミン8に変
換し、50の等しい部分に分割して、50の無水物のそれぞれで処理して5Kラ
イブラリー9を生成した。この方法はペプチドライブラリーを完成させるために
一度繰り返した。結果として生じた脱保護されたペプチドは、NHSカルバメー
トとして誘導された。
【0123】
【0124】 RNAプール ランダムな配列のRNAプール(100N;隣接するランダムな配列の100
のヌクレオチド;改変していないもの又は5−イミダゾール−Uで改変したもの
)は、上記実施例1−3で述べた様に、DNA−PEG−NH2でくくられてい
た。
【0125】 NHS−カルバメートで官能基化したペプチドライブラリーとRNA−NH2
プールとの反応 RNAプールのそれぞれにおいて、初期の反応(この初期反応は典型的な反応
例として与えられる)は、反応緩衝液(20%v/vメタノール、100mM
NaCl、10mM KCl、1mM MgCl2、1mM CaCl2、100
μM MnCl2、10μM CuSO4、10μM ZnCl2、10μM C
oCl2、10μM NiCl2、50mM HEPES、pH7.5)の200
μl中に、約2nmolのRNA−NH2と約100nmolのNHS−カルバ
メートで官能基化されたペプチドから構成されていた。次いで、22℃で16時
間インキュベーションし、フリーのペプチドは、大きさで振り分ける、サイズエ
クスクルージョンクロマトグラフィーによって、RNA溶液から除去された。R
NAは、分子量30,000でカットオフ(MWCO)するマイクロ遠心スピン
フィルター上の保持に引き続いて、残っているフリーのペプチドを除去するため
の広範囲にわたる洗浄により、さらに精製した。
【0126】 HNEとの親和性に基づくRNA配列の選択を防止するために、回収されたR
NAは、二重らせんのRNA/cDNAハイブリッドを作成するため、負の逆転
写酵素RNaseH(上付き記号;GibcoBRL)を用いて逆転写された。
【0127】 RNA−接合HNE抑制剤の選択 RNA−接合HNE抑制剤の効果的な選択のための方法は、充分特定されてい
る。これらの方法は、フリーのRNAと変性したポリアクリルアミドゲル上のH
NE−接合RNAの特異な移動性、または、ビーズで連結したHNE上における
RNA−接合HNE抑制剤の特定の保持を利用している。第一の選択サイクルに
でRNA−接合HNE抑制剤を選択するため、アガロースビーズ(Sephar
ose 6B)で接合したHNEが用いられるが、NHS−カルバメートで官能
基化されたHNE抑制剤とのアシル化反応を促進するRNAのみを豊富にするよ
うにRNAの数を調節することを保証するために、以下に述べるそれぞれの方法
を、選択のプロセスを通してずっと用いることができる(すなわち、異なる分割
法を交互に行うことによって、RNAの数は、取り付けたHNE抑制剤を有して
いるということ以外の理由のため、保持された核酸とともに増加することはない
)。
【0128】 ゲル移動シフト分割のために、回収されたRNAは、HNE反応緩衝液(1M
NaCl、0.01%TritonX−100、50mM HEPES、pH7
.5)中の過剰なHNEと結合し、室温で30分間インキュベートされる。2容
積のゲル装填緩衝液(7M 尿素、50%v/vホルムアミド、0.05%SD
S、20mM リン酸カリウム、1mM EDTA、キシレンシアノール及びブ
ロモフェノールブルーおのおの0.1%w/v)を反応混合物に加え、次いで、
20mM リン酸カリウム/1mM EDTAを泳動緩衝液として用いて、変性
ポリアクリルアミドゲル[5%アクリルアミド(19:1 アクリルアミド:ビ
ス−アクリルアミド)、7M 尿素、50%v/vホルムアミド、0.05%S
DS、20mM リン酸カリウム、1mM EDTA]上で電気泳動させた。電
気泳動に続いて、RNA−HNE接合体は、オートラジオグラフィー(auto
radiography)で特定し、標準的な方法で回収した。
【0129】 RNA−接合HNE抑制剤をビーズで連結したHNEと分割するための2つの
方法が開発されている。第1の方法では、HNEを、分割可能な結合を通じてS
epharose 6Bと接合させた。より詳しくは、DTTで結合手を還元す
ることによって、チオプロピル−Sepharose 6B(シグマ社、ピリジ
ルジチオール結合手)をチオール−Sepharose 6Bに変換した。DT
Tの除去後、チオールで官能基化したビーズを3−(2−ピリジルジチオール)
プロピオニル ヒドラジド(PDPH;Pierce)と反応させ、これにより
、ヒドラジドで官能基化されたビーズとジスルフィドを含む結合手とを還元剤に
よって開裂させやすくした。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化したHN
Eは、ヒドラジド基を通じてビーズと結合させた。この方法で、Sepharo
seビーズと結合したHNEは、十分な活性を有しており、RNA接合−HNE
抑制剤としての活性を保持していた。得られたRNA−HNE接合体は、DTT
(150mM NaCl、≧100mM DTT,50mM HEPES、pH
7.5)による結合手の開裂によって、ビーズから遊離しうる。HNEの特異な
遊離は、HNE以外の母体の成分と相互作用する拡散の保持を防止する。
【0130】 HNEは、また、ストレプタビジン(streptavidin)で被覆した
超常磁性ビーズ(ダイナビーズ(Dynabeads(Dynal))は、磁場
内に置かれたときのみ磁気的性質を発現する)と結合されている。この特別の適
用において重要なことは、これらの均一な大きさのポリスチレン(Fe23を一
様に分散したもの)のビーズが、核酸との非常に低い非特異性結合を有すること
である。HNEの結合は、まず、ビオチン−LC−ヒドラジド(Pierce)
で、メタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化したHNEをビオチン化し、次いで、スト
レプタビジンで被覆したビーズにビオチン−HNEを添加することにより完成さ
れた。この方法で結合させたHNEもまた、RNA−接合HNE抑制剤として十
分に効果的である。これらの非常に低い非特異性結合の性質ゆえに、HNE−接
合RNAは、ビーズの存在下、直接拡充することができる。
【0131】 これまで述べた分割法のそれそれについて、最も良いHNE抑制剤は、結合反
応の説得力が大きいことから、優先的にSELEX法から選ばれ得る。このこと
は、例えば、反応液の濃度を減少させることによって、インキュベーションする
時間を減らすことによって、又は、RNA−接合HNE抑制剤を、HNEとの結
合のための可逆的なHNE抑制剤と競争させるようにすることによって、成し遂
げられる。選択/拡充のプロセスは、RNAに特別に取り付けられたHNE抑制
剤の同一性を許容することを、RNAが促進するに充分なまでに、RNAプール
を豊富にするまで繰り返されるであろう。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 パラレルセレックス法の最も基本的な形としてその代表的概要を示す。
【図2】 A−D: パラレルセレックス法の概要を示す。ここで、促進性核酸はジエン
とジエノフィルとの間の一般的Diels−Alder反応を仲介する。
【図3】 A−E: パラレルセレックス法において、第二の反応体分子の配列を広げる
ために結合配列をいかに用いるかを示す。図2と一致する16,384の可能性
のうちの5つが示される。
【図4】 A−C: パラレルセレックス法の概要を示す。ここでは、促進性核酸はケト
ンとアルデヒドとの間の一般的結合形成Aldol縮合反応を仲介する。
【図5】 A−C: 生成物の構造的多様性に関し図4に記載の混合Aldol反応のイ
ンパクトを示す。A1-10およびB1-10は反応体を示す。C1-10、D1-10、G1-10 およびH1-10は、Aが求核性剤でかつBが求電子性剤である場合、形成されるジ
アステレオマーを示す。E1-10、F1-10、I1-10およびJ1-10はBが求核性剤で
、かつAが求電子性剤である場合、形成されるジアステレオマーを示す。唯一の
ジアステレオマーが示され、各構造は相当するエナンチオマーを有する。
【図6A】 3つのアルキンのシクロトリマー化による置換ベンゼン環の形成を示す。
【図6B】 図6Aに示された3つのアルキンのシクロトリマー化によるベンゼン化合物の
集合の可能性のマトリックスを示す。
【図6C】 アルキンのシクロトリマー化の機構を示す。可能な生成物の唯一が示される。
【図7】 本発明の代表的生成物をレトロ合成する可能な手法を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 ZCC A61K 45/00 // A61K 45/00 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA77 FB01 FB02 4B024 AA11 CA01 CA09 CA11 HA14 4C057 AA18 BB01 MM05 4C084 AA17 MA01 NA14 4H006 AA02 AB20 AC90

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲット上であらかじめ選択された機能を遂行する能力を
    有する生成物を製造する方法において、 (a)核酸試験混合物を調製すること、ここで該核酸試験混合物は以下からな
    る群から選ばれる一又は二以上の官能基を有する核酸を含み、アステリスクは核
    酸への官能基の結合点を示し、nは整数であり、該官能基は脂肪族又は芳香族位
    置で置換されていてもよい; (b)該核酸試験混合物の各メンバーを第一反応物とカップリングさせて核酸
    −第一反応物試験混合物を形成すること; (c)該核酸−第一反応物試験混合物を、2〜1000の範囲の分子量の小有
    機分子からなる遊離の反応物の混合物と接触させることにより生成物ライブラリ
    ーを形成すること、ここで該生成物ライブラリーは該第一反応物と少なくとも一
    つの該遊離の反応物との間の結合形成反応の結果として形成されるものであり、
    該結合形成反応は該第一反応物にカップリングした核酸により促進されるもので
    あり; (d)工程(c)の生成物ライブラリーをターゲットと接触させること、ここ
    で生成物ライブラリーに対して該ターゲット上であらかじめ選択された機能を遂
    行する能力を有する生成物を生成物ライブラリーの残りから分離することができ
    るものであり; (e)該ターゲット上であらかじめ選択された機能を遂行する能力を有する生
    成物を生成物ライブラリーの残りから分離すること、ここで該生成物を同定する
    ことができる、 からなる上記方法。
  2. 【請求項2】 該核酸試験混合物が保存された配列の領域とランダムの配列
    の領域を有する核酸を含むものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該第一反応物にカップリングした該核酸が、一本鎖RNA、
    一本鎖DNA及び二本鎖DNAからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該核酸試験混合物が2’−又は5−位で修飾されたピリミジ
    ンを含む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該官能基が該核酸のリボース位置にある請求項1記載の方法
  6. 【請求項6】 該官能基が該核酸の塩基位置にある請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該官能基が該核酸のリン酸エステル位置にある請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 該第一反応物と該核酸との間でカップリングしたリンカー基
    を更に含む請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 該リンカー基が10〜1000Dの範囲の大きさを有する請
    求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 該リンカー基がPEG、ポリビニルアルコール、ポリアク
    リレート及びポリペプチドからなる群から選ばれる請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 結合形成を促進する核酸とターゲット上であらかじめ選択
    された機能を遂行する生成物を共に製造する方法において、 (a)核酸試験混合物を調製すること、ここで該核酸試験混合物は以下からな
    る群から選ばれる一又は二以上の官能基を有する核酸を含み、アステリスクは核
    酸への官能基の結合点を示し、nは整数であり、該官能基は脂肪族又は芳香族位
    置で置換されていてもよい; (b)該核酸試験混合物の各メンバーに第一反応物をカップリングさせて核酸
    −第一反応物試験混合物を形成すること; (c)該核酸−第一反応物試験混合物を、2〜1000の範囲の分子量の小有
    機分子からなる遊離の反応物の混合物と接触させることにより生成物ライブラリ
    ーを形成すること、ここで該生成物ライブラリーは該第一反応物と少なくとも一
    つの該遊離の反応物との間の結合形成の結果として形成されるものであり、該結
    合形成は該第一反応物にカップリングした核酸により促進され、各生成物は核酸
    にカップリングしている; (d)該生成物ライブラリーをターゲットと接触させること、ここで生成物ラ
    イブラリーに対して該ターゲット上であらかじめ選択された機能を遂行する生成
    物を生成物ライブラリーの残りから分離することができるものであり; (e)該ターゲット上であらかじめ選択された機能を遂行する生成物と会合し
    た核酸を増幅して、該第一反応物と該遊離の反応物との間の結合形成を促進する
    核酸が豊富化された核酸の混合物を生成すること、それにより結合形成を促進す
    る該核酸と該生成物が製造される、 からなる上記方法。
  12. 【請求項12】 更に (f)増幅された核酸を該第一反応物とカップリングすること; (g)該ターゲット上であらかじめ選択された機能を遂行する生成物が構造決
    定に十分な量で製造することができるまで工程(c)〜(f)を繰り返すことを
    含む請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該核酸試験混合物が保存された配列の領域とランダムの配
    列の領域を有する核酸を含むものである請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 該第一反応物にカップリングした該核酸が、一本鎖RNA
    、一本鎖DNA及び二本鎖DNAからなる群から選ばれる請求項11記載の方法
  15. 【請求項15】 該官能基が該核酸のリボース位置にある請求項11記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 該官能基が該核酸の塩基位置にある請求項11記載の方法
  17. 【請求項17】 該官能基が該核酸のリン酸エステル位置にある請求項11
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 該第一反応物と該核酸との間でカップリングしたリンカー
    基を更に含む請求項11記載の方法。
  19. 【請求項19】 該リンカー基が10〜1000Dの範囲の大きさを有する
    請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 該リンカー基がPEG、ポリビニルアルコール、ポリアク
    リレート及びポリペプチドからなる群から選ばれる請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 各々が核酸試験混合物のメンバーにカップリングした第一
    反応物の混合物を遊離の反応物の混合物と接触させることからなる生成物ライブ
    ラリーを製造する方法において、該核酸試験混合物は以下からなる群から選ばれ
    る一又は二以上の官能基を有する核酸を含み、 アステリスクは核酸への化学基の結合点を示し、nは整数であり、該化学基は脂
    肪族又は芳香族位置で置換されていてもよく、第一の及び遊離の反応物の各々は
    2〜1000の範囲の分子量の小有機分子からなり、ここで該生成物ライブラリ
    ーは該第一反応物と少なくとも一つの該遊離の反応物との間の結合形成反応の結
    果として形成されるものであり、該結合形成反応は該第一反応物にカップリング
    した核酸によって促進されるものである上記方法。
  22. 【請求項22】 該官能基が該核酸のリボース位置にある請求項21記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 該官能基が該核酸の塩基位置にある請求項21記載の方法
  24. 【請求項24】 該官能基が該核酸のリン酸エステル位置にある請求項21
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 該第一反応物と該核酸との間でカップリングしたリンカー
    基を更に含む請求項21記載の方法。
  26. 【請求項26】 該リンカー基が10〜1000Dの範囲の大きさを有する
    請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 該リンカー基がPEG、ポリビニルアルコール、ポリアク
    リレート及びポリペプチドからなる群から選ばれる請求項26記載の方法。
JP2000574297A 1998-09-21 1999-09-13 平行セレックス Pending JP2002526511A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/157,601 US6048698A (en) 1994-09-20 1998-09-21 Parallel SELEX™
US09/157,601 1998-09-21
PCT/US1999/021079 WO2000017398A1 (en) 1998-09-21 1999-09-13 Parallel selex

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002526511A true JP2002526511A (ja) 2002-08-20

Family

ID=22564452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000574297A Pending JP2002526511A (ja) 1998-09-21 1999-09-13 平行セレックス

Country Status (9)

Country Link
US (1) US6048698A (ja)
EP (1) EP1115887A4 (ja)
JP (1) JP2002526511A (ja)
KR (1) KR20010089276A (ja)
CN (1) CN1156583C (ja)
AU (1) AU768414B2 (ja)
CA (1) CA2344288A1 (ja)
MX (1) MXPA01003108A (ja)
WO (1) WO2000017398A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030099945A1 (en) * 1994-09-20 2003-05-29 Invenux, Inc. Parallel selex
US6777176B1 (en) 1997-02-19 2004-08-17 Arpida Ag Target system
DE19748489A1 (de) * 1997-11-03 1999-05-06 Roche Diagnostics Gmbh Polyethylenglykol-derivatisierte Biomoleküle und deren Verwendung in heterogenen Nachweisverfahren
US7811768B2 (en) * 2001-01-26 2010-10-12 Aviva Biosciences Corporation Microdevice containing photorecognizable coding patterns and methods of using and producing the same
US7015047B2 (en) * 2001-01-26 2006-03-21 Aviva Biosciences Corporation Microdevices having a preferential axis of magnetization and uses thereof
ES2271306T5 (es) * 2001-03-19 2013-10-16 President And Fellows Of Harvard College Evolución de una nueva función molecular
DE60237768D1 (de) 2001-05-25 2010-11-04 Univ Duke Modulatoren pharmakologischer mittel
WO2003051314A2 (en) * 2001-12-18 2003-06-26 Medallion Biomedical, Llc Antibiotic compounds
CN101307363A (zh) * 2002-07-26 2008-11-19 株式会社东芝 核酸探针固定化基体和用其检测靶核酸存在的方法
US7432350B2 (en) * 2002-08-05 2008-10-07 Cropsolution, Inc. Recombinant biotin carboxylase domains for identification of Acetyle CoA carboxylase inhibitors
JP4657919B2 (ja) * 2002-08-19 2011-03-23 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ 進化する新しい分子機能
CA2509248A1 (en) * 2002-12-31 2004-07-22 Nektar Therapeutics Al, Corporation Polymeric reagents comprising a ketone or a related functional group
US8017323B2 (en) 2003-03-26 2011-09-13 President And Fellows Of Harvard College Free reactant use in nucleic acid-templated synthesis
CN101208437B (zh) * 2003-12-12 2012-07-04 圣路易斯大学 检测大分子和其它分析物的生物传感器
US8956857B2 (en) 2005-06-06 2015-02-17 Mediomics, Llc Three-component biosensors for detecting macromolecules and other analytes
US7795009B2 (en) * 2005-06-15 2010-09-14 Saint Louis University Three-component biosensors for detecting macromolecules and other analytes
WO2006135527A2 (en) 2005-06-10 2006-12-21 Saint Louis University Methods for the selection of aptamers
US7811809B2 (en) * 2005-06-15 2010-10-12 Saint Louis University Molecular biosensors for use in competition assays
EP2703816B1 (en) 2008-11-21 2016-10-05 Saint Louis University Biosensor for detecting multiple epitopes on a target
US9040287B2 (en) 2010-02-12 2015-05-26 Mediomics, Llc Molecular biosensors capable of signal amplification
EP3191843A1 (en) 2014-09-12 2017-07-19 Mediomics, LLC Molecular biosensors with a modular design

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4605735A (en) * 1983-02-14 1986-08-12 Wakunaga Seiyaku Kabushiki Kaisha Oligonucleotide derivatives
US5506337A (en) * 1985-03-15 1996-04-09 Antivirals Inc. Morpholino-subunit combinatorial library and method
JP2584613B2 (ja) * 1985-03-30 1997-02-26 バリベ、マール 組換えdna技術によってdna、rna、ペプタイド、ポリペプタイド、または蛋白質を取得するための方法
US4794073A (en) * 1985-07-10 1988-12-27 Molecular Diagnostics, Inc. Detection of nucleic acid hybrids by prolonged chemiluminescence
US4968602A (en) * 1986-03-05 1990-11-06 Molecular Diagnostics, Inc. Solution-phase single hybridization assay for detecting polynucleotide sequences
WO1989006694A1 (en) * 1988-01-15 1989-07-27 Trustees Of The University Of Pennsylvania Process for selection of proteinaceous substances which mimic growth-inducing molecules
JPH05505941A (ja) * 1990-03-29 1993-09-02 ギリード サイエンシズ インコーポレーテッド オリゴヌクレオチド―輸送剤ジスルフィド結合体
US5723289A (en) * 1990-06-11 1998-03-03 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Parallel selex
ES2110444T3 (es) * 1990-06-11 1998-02-16 Nexstar Pharmaceuticals Inc Ligandos de acidos nucleicos.
US5270163A (en) * 1990-06-11 1993-12-14 University Research Corporation Methods for identifying nucleic acid ligands
WO1992014843A1 (en) * 1991-02-21 1992-09-03 Gilead Sciences, Inc. Aptamer specific for biomolecules and method of making
US5573905A (en) * 1992-03-30 1996-11-12 The Scripps Research Institute Encoded combinatorial chemical libraries
US5541061A (en) * 1992-04-29 1996-07-30 Affymax Technologies N.V. Methods for screening factorial chemical libraries
US5288514A (en) * 1992-09-14 1994-02-22 The Regents Of The University Of California Solid phase and combinatorial synthesis of benzodiazepine compounds on a solid support
US5565324A (en) * 1992-10-01 1996-10-15 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Complex combinatorial chemical libraries encoded with tags
WO1995016788A1 (en) * 1993-12-17 1995-06-22 Cubicciotti Roger S Nucleotide-directed assembly of bimolecular and multimolecular drugs and devices
US5593853A (en) * 1994-02-09 1997-01-14 Martek Corporation Generation and screening of synthetic drug libraries
US5571681A (en) * 1994-03-10 1996-11-05 The Scripps Research Institute Chemical event selection by suicide substrate conjugates
US5688670A (en) * 1994-09-01 1997-11-18 The General Hospital Corporation Self-modifying RNA molecules and methods of making
US5807718A (en) * 1994-12-02 1998-09-15 The Scripps Research Institute Enzymatic DNA molecules

Also Published As

Publication number Publication date
AU6039299A (en) 2000-04-10
US6048698A (en) 2000-04-11
CN1367845A (zh) 2002-09-04
CA2344288A1 (en) 2000-03-30
CN1156583C (zh) 2004-07-07
MXPA01003108A (es) 2003-05-15
KR20010089276A (ko) 2001-09-29
EP1115887A4 (en) 2002-07-17
AU768414B2 (en) 2003-12-11
EP1115887A1 (en) 2001-07-18
WO2000017398A1 (en) 2000-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5858660A (en) Parallel selex
US6030776A (en) Parallel SELEX
JP2002526511A (ja) 平行セレックス
US5962219A (en) Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: chemi-selex
US5763595A (en) Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: Chemi-SELEX
EP2256133B1 (en) Bioconjugation of macromolecules
AU692469B2 (en) Nucleic acid ligands and improved methods for producing the same
JP2001508657A (ja) オリゴヌクレオチドのバイオコンジュゲーション
US20030099945A1 (en) Parallel selex
JP4738741B2 (ja) テンプレートされた分子を合成するための改良法
Jensen Systematic Evolution Of Ligands By Exponential Enrichment: Chemi-selex
JP2005521365A6 (ja) テンプレートされた分子を合成するための改良法