JP2002525269A - Brn−3bの阻害因子ならびに乳癌および卵巣癌の治療のためのその使用 - Google Patents

Brn−3bの阻害因子ならびに乳癌および卵巣癌の治療のためのその使用

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JP2002525269A
JP2002525269A JP2000570307A JP2000570307A JP2002525269A JP 2002525269 A JP2002525269 A JP 2002525269A JP 2000570307 A JP2000570307 A JP 2000570307A JP 2000570307 A JP2000570307 A JP 2000570307A JP 2002525269 A JP2002525269 A JP 2002525269A
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ラツチマン,デイビツド・シーモア
ブダラム−マハデイオウ,ビシユワニー
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ユニバーシテイ・カレツジ・ロンドン
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Abstract

(57)【要約】 Brn−3b発現および/あるいは活性の阻害因子は乳癌あるいは卵巣癌の治療において有用である。Brn−3b発現の阻害因子を同定するための方法は:(a)コード配列に機能的に連結されたBrn−3bプロモーターを含む試験構築物を提供し、(b)試験物質の不在下で当該コード配列によってコードされるポリペプチドを発現することができる条件下で試験物質を試験構築物に接触させ、そして(c)当該物質がBrn−3bの発現を阻害するかどうかを調べることを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、Brn−3bの発現および/あるいは活性の阻害因子、およびその
ような阻害因子の同定のためのスクリーニング方法に関する。さらに癌の治療に
おける上記阻害因子の使用に関する。
【0002】 発明の背景 POU(Pit−Oct−Unc)ファミリーの転写因子は最初、哺乳類の転
写因子Pit−1、Oct−1およびOct−2、ならびに線虫の調節蛋白質U
nc−86において発見された共通の150−160アミノ酸ドメインに基づい
て定義された(検討にあたっては1、2参照)。共通POUドメインはこれらの
蛋白質のDNA結合ドメインを構成し、2つの部分、POU因子に固有のPOU
特異的ドメインと他の多くの転写因子で認められるホメオボックスに関連するP
OUホメオドメインから成る。
【0003】 最初のPOUファミリー転写因子の同定に続いて、このファミリーの他の多く
の成員が定義され(1−3)、遺伝子発現の調節において極めて重要な役割を果
たすことが示された。さらに、これらの因子のいくつかをコードする遺伝子の突
然変異が特定のヒト疾患の原因となることが示された。すなわち、たとえばPi
t−1をコードする遺伝子における突然変異は、マウスとヒトの両方において脳
下垂体の発育不全とその結果としての小人症を生じさせることが示され(検討に
あたっては4参照)、一方Brn−4をコードする遺伝子での突然変異はX連鎖
難聴をもたらすことが示された(5)。最近になって、進行性晩発性難聴を有す
る家系ではPOU因子、Brn−3cをコードする遺伝子に突然変異が存在する
ことが明らかにされた(6)。
【0004】 Brn−3a、Brn−3bおよびBrn−3cは、異なる遺伝子(7)によ
ってコードされるPOUファミリーの緊密に関連する成員であり、発育中および
成体の神経系において異なるが重複するパターンで発現される(3、8−11)
。さらに、しかしながら、Brn−3aとBrn−3bの発現は子宮頚部上皮の
ような一部の非神経細胞においても検出されている(9、12)。
【0005】 Brn−3aは急速進行性神経内分泌腫瘍で過剰発現されることが示されてい
るが(14)、Brn−3aとBrn−3bの両方がヒト神経芽細胞腫において
高いレベルで発現される(15、16)。Brn−3aとBrn−3bはこれま
でにヒト乳癌細胞系、MCF−7において検出されている(13)。我々は最近
、正常なヒト子宮頚部標本と比較して、グレード3の頚部上皮内癌(CIN3)
を示すヒトサンプルでは平均Brn−3aレベルが300倍以上上昇しているが
、Brn−3bレベルは2つの群のサンプルにおいて同様であることを明らかに
した(12)。
【0006】 発明の要旨 本発明は、BRCA−1遺伝子の発現レベルが低下した乳癌組織はPOUファ
ミリー転写因子、Brn−3bの発現上昇を示すという所見に基づく。BRCA
−1遺伝子は家族性乳癌の多くの症例におけるその突然変異に基づいて同定され
、その不活性化がこの疾患を引き起こしうることが示唆された。BRCA−1は
散発性乳癌の症例では突然変異を起こしていないと思われるが、その発現が低下
していることが多くの症例で明らかにされている。
【0007】 Brn−3bの発現上昇は、BRCA−1遺伝子レベルの低下を示さない正常
乳房細胞、良性腫瘍あるいは悪性腫瘍標本では認められない。これに対し、BR
CA−1の発現レベルと関連するPOUファミリー転写因子、Brn−3aの発
現の間には相関は見られない。さらに、Brn−3bは乳癌細胞で起こるトラン
スフェクションにおいてBRCA−1プロモーターを約20倍強く抑制すること
ができるが、Brn−3aにはその作用がない。
【0008】 従ってBrn−3bは、Brn−3bの発現が上昇し、その結果BRCA−1
の発現が低下している乳癌において、BRCA−1の発現を調節する上で重要な
役割を果たし、それによって潜在的に腫瘍の進行に関与すると考えられる。薬理
的治療あるいは遺伝子治療によるBrn−3b発現の抑制は乳癌を治療するため
の潜在的な方法である。
【0009】 そこで本発明は、ヒトあるいは動物の身体の治療法において使用するためのB
rn−3bの発現および/あるいは活性の阻害因子を提供する。そのような阻害
因子は、特に乳癌および/あるいは卵巣癌の治療において有用である。
【0010】 Brn−3b発現および/あるいは活性の阻害因子を同定するためのスクリー
ニングを実施することができる。従って本発明はまた、 (a)コード配列に機能的に連結されたBrn−3bプロモーターを含む試験構
築物を提供し、 (b)試験物質不在下で当該コード配列によってコードされるポリペプチドを発
現することができる条件下で試験物質を試験構築物に接触させ、そして (c)当該物質がBrn−3bの発現を阻害するかどうかを調べる ことを含むBrn−3b発現の阻害因子を同定するための方法、ならびに (a)Brn−3bポリペプチド又はその相同体、あるいはそれらの断片を提供
し、 (b)当該物質不在下でポリペプチドの活性を可能にする条件下で試験物質をB
rn−3bポリペプチドに接触させ、そして (c)当該物質がBrn−3bの活性を阻害するかどうかを調べる ことを含むBrn−3b活性の阻害因子を同定するための方法を提供する。
【0011】 本発明はさらに、Brn−3bの発現および/あるいは活性の阻害因子と治療
上許容される担体あるいは希釈剤を含む製薬組成物を提供する。
【0012】 上述したように、Brn−3b発現および/あるいは活性の阻害因子は乳癌あ
るいは卵巣癌を治療するのに使用でき、それ故本発明は、乳癌あるいは卵巣癌に
罹患している宿主を治療する治療方法を提供し、かかる方法は、治療上有効な量
のBrn−3b発現および/あるいは活性の阻害因子を宿主に投与することを含
む。
【0013】 図面の簡単な説明 図1は、閉経前あるいは閉経後女性からの正常/良性乳房標本あるいは悪性乳
癌におけるRT/PCRアッセイによって測定したBrn−3a mRNAのレ
ベルを示す。棒は、平均値プラス標準偏差(SD)と母集団の大きさ「n」を表
わす。
【0014】 図2は、閉経前あるいは閉経後女性からの正常/良性乳房標本あるいは悪性乳
癌におけるRT/PCRアッセイによって測定したBrn−3b mRNAのレ
ベルを示す。棒は、平均値プラス標準偏差(SD)と母集団の大きさ「n」を表
わす。
【0015】 図3は、閉経前(パネルa)あるいは閉経後(パネルb)女性から採取した悪
性乳癌標本、あるいは良性乳房標本(パネルc)におけるBrn−3bとBRC
A−1のmRNAレベルの比較を示す。Brn−3bレベルは黒い棒で、BRC
A−1レベルは白い棒で示されている。
【0016】 図4は、閉経前(パネルa)あるいは閉経後(パネルb)女性から採取した悪
性乳癌標本、あるいは良性乳房標本(パネルc)におけるBrn−3aとBRC
A−1のmRNAレベルの比較を示す。Brn−3aレベルは黒い棒で、BRC
A−1レベルは白い棒で示されている。
【0017】 図5は、Brn−3bレベルが低い乳癌あるいはBrn−3bレベルが高い乳
癌におけるBRCA−1レベルの比較を示す。棒は、平均値プラス標準偏差(S
D)と母集団の大きさ「n」を表わす。
【0018】 図6は、挿入部(V)を持たない発現ベクターあるいはBrn−3a又はBr
n−3bのいずれかを発現する同じベクターと共に完全長のBRCA−1プロモ
ーターを含む、プロモーター/レポーター構築物でコトランスフェクションした
MCF7細胞のルシフェラーゼレポーターアッセイを示す。数値は、レポーター
構築物と挿入部不含発現ベクターでのコトランスフェクションにおいて得られる
活性(すなわち100%)に対して等化しており、5回の測定の平均値であって
、標準偏差を棒で示している。
【0019】 発明の詳細な説明 Brn−3bの発現あるいは活性のいかなる適当な阻害因子も本発明において
使用できる。たとえば、Brn−3b mRNAにハイブリダイズすることがで
きるポリヌクレオチドが細胞内に存在することにより、その細胞におけるBrn
−3bの発現が低下しうる。それ故、Brn−3b mRNAにハイブリダイズ
することができるポリヌクレオチドはBrn−3b発現の適切な阻害因子を構成
しうる。これに関して、次のような2つのアプローチがある。
【0020】 (1)アンチセンスRNA Brn−3b mRNAにハイブリダイズすることができるRNAの発現を可
能にする核酸構築物を送達する。これは、たとえばヌクレアーゼに対する感受性
を与える、翻訳の直接阻害および/あるいは標的メッセージの不安定化を生じさ
せうるRNA−RNA二本鎖の形成をもたらす。それ故核酸構築物は、典型的に
はリボソーム結合領域あるいはBrn−3b mRNAのコード領域にハイブリ
ダイズするポリヌクレオチドの発現を導く。
【0021】 (2)アンチセンスオリゴヌクレオチド Brn−3b mRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを送達する
。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、プロセシング、翻訳および代謝回転を含
めたRNA代謝の1又はそれ以上の局面に干渉することにより、標的遺伝子の発
現を阻害すると推定される。化学的に修飾されたオリゴヌクレオチドが使用でき
、ヌクレアーゼに対する耐性および/あるいは細胞透過性を高めると考えられる
【0022】 アンチセンス Brn−3bのコード配列を配列番号1に示す。Brn−3bの阻害因子は、
Brn−3b mRNAにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを
含む。典型的には、そのようなポリヌクレオチドはRNAである。かかるポリヌ
クレオチドはBrn−3b mRNAの全部又は一部にハイブリダイズしうる。
典型的には、当該ポリヌクレオチドはBrn−3b mRNAの全部あるいはそ
の領域に相補的である。たとえば、ポリヌクレオチドはBrn−3b mRNA
の全部又は一部の正確な相補物である。しかし、絶対的な相補性は必要ではなく
、生理的条件下で40℃を越える融解温度を持つ二重鎖を形成するのに十分な相
補性を有する好ましいポリヌクレオチドが、本発明における使用に特に適する。
当該ポリヌクレオチドは、約50から約60℃で塩化ナトリウム0.03Mおよ
びクエン酸ナトリウム0.03Mのような中から高ストリンジェンシー条件下で
Brn−3b mRNAにハイブリダイズするポリヌクレオチドでありうる。
【0023】 ポリヌクレオチドは、配列番号1のヌクレオチド213−392によって定義
されるコード配列に対応するmRNAの領域にハイブリダイズすることが好まし
い。ポリヌクレオチドはこの領域の全部又は一部にハイブリダイズしうる。しか
し、mRNAの5’あるいは3’非翻訳領域の全部又は一部にハイブリダイズす
るポリヌクレオチドも使用できる。これらの領域は配列番号1のヌクレオチド1
−212および1446−3110に対応する。
【0024】 当該ポリヌクレオチドは典型的には少なくとも40、たとえば少なくとも60
又は少なくとも80ヌクレオチドの長さであり、100、200、300、40
0、500、600又は700ヌクレオチドまでの長さ、あるいは配列番号1よ
り短い、5又は10ヌクレオチドのような数個のヌクレオチドの長さである。
【0025】 ポリヌクレオチドがアンチセンスRNAであるときには、組換え複製可能ベク
ターから細胞において発現することができる。そのような複製可能ベクターは、
転写されたときにアンチセンスRNAを生じるポリヌクレオチドを含む。好まし
くは、アンチセンスRNAを生じるポリヌクレオチドは、アンチセンスRNAを
生じるポリヌクレオチドの転写をもたらすことできる制御配列に機能的に連結さ
れている。「機能的に連結された」という用語は、記述されている成分が意図さ
れたように機能することができる関係にある近位をさす。アンチセンスRNAを
生じる配列に「機能的に連結された」制御配列を、制御配列と適合する条件下で
配列の転写が実現できるようにライゲーションする。
【0026】 ベクターは、たとえば、複製起点、任意に転写を生じさせるためのプロモータ
ーおよび任意に当該プロモーターのレギュレーターを備えたプラスミドあるいは
ウイルスベクターでありうる。ベクターは1又はそれ以上の選択用マーカー遺伝
子、たとえば細菌プラスミドの場合にはアンピシリン耐性遺伝子あるいは哺乳類
ベクターについてはネオマイシン耐性遺伝子を含みうる。ベクターは、たとえば
アンチセンスRNAの作製のため、あるいは宿主細胞をトランスフェクションす
る又は形質転換するためにin vitroで使用できる。ベクターはまた、た
とえば遺伝子治療法においてin vivoで使用するために適合させることも
できる。
【0027】 プロモーター/エンハンサーおよび他の発現調節シグナルは、発現ベクターを
設計する宿主細胞と適合するように選択しうる。たとえば、b−アクチンプロモ
ーターのような哺乳類プロモーターが使用できる。組織特異的プロモーター、特
に神経細胞特異的プロモーター(たとえばチロシンヒドロキシラーゼ(TH)、
L7あるいはニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーター)は特に好ま
しい。ウイルスプロモーター、たとえばモロニーマウス白血病ウイルスロングタ
ーミナルリピート(MMLV LTR)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(R
SV)LTRプロモーター、SV40プロモーター、ヒトサイトメガロウイウル
ス(CMV)IEプロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーターあるいはア
デノウイルスプロモーターも使用できる。これらのプロモーターはすべて当該技
術において容易に入手可能である。好ましいプロモーターは、カゼイン遺伝子プ
ロモーターのような組織特異的プロモーターである。
【0028】 ベクターはさらに、真核生物ゲノム配列、好ましくは哺乳類ゲノム配列、ある
いはウイルスゲノム配列に相同な配列を含むアンチセンスRNAを生じさせるポ
リヌクレオチドに隣接する配列を含みうる。これは、相同的組換えによって本発
明のポリヌクレオチドを真核細胞あるいはウイルスのゲノムに導入することを可
能にする。特に、ウイルス配列、たとえばHSV1あるいはHSV2配列によっ
て隣接される発現カセットを含むプラスミドベクターを使用して、本発明のポリ
ヌクレオチドを哺乳類細胞に送達するのに適したウイルスベクター、たとえばH
SVベクターを調製することができる。適当なウイルスベクターの他の例は、レ
ンチウイルスを含めたレトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイル
スを含む。これらのウイルスを用いた遺伝子導入手法は当業者には周知である。
たとえばレトロウイルスベクターは、アンチセンスRNAを生じさせるポリヌク
レオチドを宿主ゲノムに安定に組み込むために使用しうる。これに対し、複製欠
損アデノウイルスベクターはエピソームのままであり、それ故一過性の発現を可
能にする。
【0029】 アンチセンスオリゴヌクレオチド アンチセンスオリゴヌクレオチドは典型的に、Brn−3b mRNAに結合
するような配列を持つ。従って典型的には、配列番号1に示す配列の領域の相補
物である配列を持つ。アンチセンスオリゴヌクレオチドは一般に6−40ヌクレ
オチドの長さである。好ましくは12−20ヌクレオチドの長さである。
【0030】 一般に、使用するオリゴヌクレオチドは標的配列に絶対的に相補的な配列を持
つ。しかし、絶対的な相補性は必ずしも必要ではなく、一般に標的核酸と安定な
二重らせん(あるいは場合によっては三重らせん)を形成するのに十分な相補性
を持ついかなるオリゴヌクレオチドも適当とみなされる。二重らせん(あるいは
三重らせん)の安定性は、特に、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの配列
と長さおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドと標的配列間の相補性の度合に依
存する。より長いオリゴヌクレオチドを使用するときには、相補性が低くても系
で許容されうる。しかしながら、生理的条件下で40℃を越える融解温度を持つ
二重鎖を形成するのに十分な相補性を有するオリゴヌクレオチド、特に6−40
ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドが本発明における使用に特に適する。
当該ポリヌクレオチドは、約50−約60℃で塩化ナトリウム0.03Mおよび
クエン酸ナトリウム0.03Mのような中から高ストリンジェンシー条件下でハ
イブリダイズするポリヌクレオチドでありうる。
【0031】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは化学的に修飾されていてもよい。たとえば
、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが使用できる。他のデオキシヌクレオ
チド類似体は、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、ホスホロジチオエー
ト、N3’P5’−ホスホルアミデートおよびオリゴリボヌクレオチドホスホロ
チオエートとそれらの2’−O−アルキル類似体ならびに2’−O−メチルリボ
ヌクレオチドメチルホスホネートを含む。
【0032】 その代わりとして、混合骨格オリゴヌクレオチド(MBO)が使用できる。M
BOは、ホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチドのセグメントと、修飾オ
リゴデオキシヌクレオチドあるいはオリゴリボヌクレオチドの適切に配置された
セグメントを含む。MBOは、ホスホロチオエート結合のセグメントと、非イオ
ン性でヌクレアーゼあるいは2’−O−アルキルオリゴリボヌクレオチドに対し
て非常に抵抗性である、メチルホスホネートのような他の修飾オリゴヌクレオチ
ドの他のセグメントを持つ。
【0033】 投与 従って、本発明のベクターとアンチセンスオリゴヌクレオチドを、任意に付加
的な治療用ポリペプチドあるいは当該治療用ポリペプチドをコードする核酸/ベ
クターと共に、治療を必要とするヒトあるいは動物に投与することができる。本
発明のベクター、ウイルス株、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび組成物を
使用して治療しうる癌は、乳癌あるいは卵巣癌を含み、特に非家族性乳癌のよう
なBrn−3b発現が上方調節される乳癌あるいは卵巣癌を含む。そのような癌
に罹患している患者の状態を改善することができる。
【0034】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび本発明のアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドを含む組成物は、治療する部位、たとえば乳房組織への直接注入に
よって投与することができる。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを
製薬上許容される担体あるいは希釈剤と組み合わせて製薬組成物を生成する。適
当な担体および希釈剤は、等張食塩水、たとえばリン酸緩衝食塩水を含む。組成
物は、非経口、筋肉内、静脈内、皮下、眼内あるいは経皮投与用に製剤すること
ができる。
【0035】 アンチセンスオリゴヌクレオチドを患者に投与する用量は、患者の年齢、体重
および全身状態、治療する癌および癌が達している段階、ならびに投与する個々
のアンチセンスオリゴヌクレオチドのような様々な因子に依存するであろう。し
かしながら適当な用量は、1−40mg/kg体重のような0.1−100mg
/kg体重であると考えられる。
【0036】 本発明のアンチセンスRNAを生じさせるポリヌクレオチドは、裸の核酸構築
物として直接投与しうる。いくつかの既知のトランスフェクション手法、たとえ
ばトランスフェクション剤を使用する手法によって、哺乳類細胞による裸の核酸
構築物の取り込みが高められる。それらの作用物質の例は、カチオン性物質(た
とえばリン酸カルシウムおよびDEAE−デキストラン)およびリポフェクタン
ト(たとえばlipofectamTMおよびtransfectamTM)を
含む。
【0037】 典型的には、核酸構築物をトランスフェクション剤と混合して組成物を生成す
る。
【0038】 好ましくは、裸の核酸構築物、ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターある
いは組成物を、製薬上許容される担体あるいは希釈剤と組み合わせて製薬組成物
を生成する。適当な担体および希釈剤は等張食塩水、たとえばリン酸緩衝食塩水
を含む。組成物は、非経口、筋肉内、静脈内、皮下、眼内あるいは経皮投与用に
製剤することができる。
【0039】 製薬組成物は、本発明のポリヌクレオチド、遺伝子治療のためのウイルスベク
ターが適当な領域で細胞に組み込まれるように投与する。本発明のポリヌクレオ
チドがウイルスベクターによって細胞に送達されるとき、投与するウイルスの量
は、ヘルペスウイルスベクターについては10−10pfu、好ましくは1
−10pfu、より好ましくは約10pfuの範囲であり、アデノウイ
ルスベクターについては10−1010pfu、好ましくは10−10
fu、より好ましくは10pfuの範囲内である。注入するときには、典型的
には製薬上許容される適当な担体あるいは希釈剤中1−2mlのウイルスが投与
される。本発明のポリヌクレオチドを裸の核酸として投与するときには、投与さ
れる核酸の量は典型的には1μg−10mgの範囲内である。
【0040】 アンチセンスRNAを生じさせるポリヌクレオチドが誘導的プロモーターの制
御下にある場合には、治療期間中の遺伝子発現を誘導するだけでよい。ひとたび
状態が治療されれば、誘導物質は除去され、本発明のポリペプチドの発現は停止
する。これは明らかに臨床的利点を持つであろう。そのような系は、たとえばt
etレプレッサー/VP16融合蛋白への作用を通して遺伝子発現を活性化する
ための抗生物質、テトラサイクリンの投与を含みうる。
【0041】 組織特異的プロモーターを使用することは、本発明のポリペプチド、ポリヌク
レオチドおよびベクターを使用する疾患の治療において役立つであろう。たとえ
ばいくつかの神経系疾患は、小さな細胞のサブセットだけに起こる特定遺伝子産
物の異常発現によるものである。該当する罹患細胞型においてだけ治療遺伝子を
発現できることは、特にそのような遺伝子が他の細胞型で発現したときに毒性で
ある場合には、有益であろう。
【0042】 上述した投与経路と用量は単に手引きとしてのみを意図したものであり、熟達
した医師は個々の患者と状態についての至適投与経路と用量を容易に決定できる
であろう。
【0043】 Brn−3b発現および/あるいは活性の阻害因子に関するスクリーニング 本発明は、 (i)コード配列に機能的に連結されたBrn−3bプロモーターを含む試験構
築物を提供し、 (ii)試験物質不在下で発現される当該コード配列によってコードされるポリ
ペプチドの発現を可能にする条件下で、試験物質を試験構築物に接触させ、そし
て (iii)当該物質がBrn−3bの発現を阻害するかどうかを調べる ことを含むBrn−3b発現の阻害因子を同定するための方法を提供する。
【0044】 Brn−3b発現の阻害因子を同定するために、適当ないかなるアッセイ方式
も使用できる。しかしながら典型的には、プロモーター:レポーターポリペプチ
ド構築物を内包する細胞を用いてアッセイを実施する。典型的なアッセイは次の
通りである: −一定数の細胞を、たとえば100μlの増殖培地中で、試験物質の存在下に
プラスチック製マイクロタイタープレートの穴に接種する、 −使用するレポーターポリペプチドに適した方法に従って、レポーターポリペ
プチドの発現を590nmの光学密度(OD)で測定する、 −マイクロタイタープレートに蓋をし、暗室において37℃でインキュベーシ
ョンする、 −再びODを読取り、適当な時間間隔をおいてレポーターポリペプチドを検定
する。ODの変化が細胞増殖の測定値である。試験物質を省いて対照実験を実施
することができる。
【0045】 試験物質が遺伝子発現の一般的阻害因子である可能性を排除するために、他の
既知のプロモーターを用いて物質を試験することもできる。
【0046】 どのようなレポーターポリペプチドも使用でき、たとえばGUSあるいはGF
Pが使用される。GUSは、適当な基質、たとえば5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリル−β−D−グルクロン酸(X−gluc)あるいは4−メチルウン
ベリフェリル−β−グルクロニド(MUG)の加水分解を測定することによって
検定される。GFPは、494nmで励起したあと590nmで蛍光を測定する
ことによって定量される。これらの方法は当業者には周知である。
【0047】 その代わりとして、コード配列がBrn−3bをコードする配列それ自体であ
ってもよい。そのような実験では、Brn−3bの過剰発現を示す乳癌細胞系が
使用できる。Brn−3bの発現は、たとえばノーザン/RNAブロット法、ウ
エスタン/抗体ブロット法、RNA in situハイブリダイゼーションあ
るいは免疫局在法によって追跡できる。
【0048】 本発明はさらに、 (i)Brn−3bポリペプチド又はその相同体、あるいはそれらの断片を提供
し、 (ii)当該物質の不在下でポリペプチドの活性を可能にする条件下で試験物質
をBrn−3bポリペプチドに接触させ、そして (iii)当該物質がBrn−3bの活性を阻害するかどうかを調べる ことを含むBrn−3b活性の阻害因子を同定するための方法を提供する。
【0049】 アッセイのための適当なBrn−3bは、たとえば当業者に既知の方法による
組換えを通して入手することができる。Brn−3bの阻害因子を同定するため
に適当ないかなる方式も使用できる。
【0050】 試験物質が転写因子活性の一般的阻害因子である可能性を排除するために、他
の既知の転写因子を用いて物質を試験することもできる。
【0051】 Brn−3bポリペプチドに加えて、反応混合物は適当な緩衝剤を含みうる。
適当な緩衝剤は、Brn−3bの反応必要条件を導くpHで緩衝能力を提供する
ことができる適当ないかなる生物学的緩衝剤も含む。
【0052】 試験物質 Brn−3bの発現を阻害する物質は、プロモーターに直接結合することによ
り、従って転写の開始を妨げることにより、発現を阻害すると考えられる。その
代わりに物質が、プロモーターに結びつき、転写のために必要とされる蛋白質に
結合する場合もある。これは転写レベルの低下をもたらすと考えられる。
【0053】 本発明のBrn−3bプロモーター:レポーターポリペプチド構築物は、Br
n−3b遺伝子の非翻訳領域を含みうる。それ故、物質はBrn−3b遺伝子の
非翻訳領域に結合することによってBrn−3bの発現を低下させると考えられ
る。これは翻訳の開始を妨げることができる。その代わりとして、物質が非翻訳
領域に結びつく蛋白質に結合して、かかる蛋白質が非翻訳領域に結合するのを妨
げることができる。
【0054】 Brn−3bの活性を阻害する物質は、酵素の1つ又は両方に結合することに
よって活性を阻害すると考えられる。そのような酵素阻害は可逆性あるいは非可
逆性のいずれでもよい。非可逆性阻害因子は、共有結合あるいは非共有結合のい
ずれかによって酵素に非常に強く結合するので、その標的酵素から極めてゆっく
りと解離する。非可逆性阻害と異なって、可逆性阻害は酵素−阻害因子複合体の
速やかな解離を特徴とする。
【0055】 試験物質は競合的阻害因子であってもよい。競合的阻害においては、酵素は基
質(酵素−基質複合体を形成する)あるいは阻害因子(酵素−阻害因子複合体)
に結合しうるが、その両方に結合することはできない。多くの競合的阻害因子は
基質に類似しており、酵素の活性部位に結合する。それ故基質は同じ活性部位に
結合するのを妨げられる。競合的阻害因子は、基質に結合する酵素分子の比率を
減じることによって触媒作用の速度を低下させる。
【0056】 阻害因子はまた非競合的阻害因子であってもよい。可逆性でもある非競合的阻
害においては、阻害因子と基質が同時に酵素分子に結合することができる。これ
は、それらの結合部位が重複しないことを意味する。非競合的阻害因子は、基質
に結合する酵素分子の比率を低下させるのではなく、酵素の転換数を低下させる
ことによって働く。
【0057】 阻害因子はまた混合阻害因子であってもよい。混合阻害は、阻害因子が基質の
結合をもたらし、且つ酵素の転換数を変化させるときに起こる。
【0058】 Brn−3bの活性を阻害する物質はまた、基質に結合することによって活性
を阻害する場合もある。物質それ自体が基質の反応を触媒すると考えられ、その
結果酵素が基質を使用できなくなる。その代わりに、阻害因子が単に酵素への基
質の結合を妨げる場合もある。
【0059】 適当な候補物質は、Brn−3bに特異的な抗体産物(たとえばモノクローナ
ルおよびポリクローナル抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体ならびにCDR移植抗体
)を含む。さらに、組合せライブラリー、定義された化学単位、ペプチドおよび
ペプチドミメティック、オリゴヌクレオチドならびに天然産物ライブラリーを、
下記に述べるようなアッセイにおいてBrn−3bの阻害因子としての活性に関
してスクリーニングすることができる。候補物質を、たとえば各反応につき10
個の物質の初期スクリーニングにおいて使用し、これらのバッチの阻害を示す物
質を個々に試験する。
【0060】 Brn−3b発現および/あるいは活性の阻害因子 Brn−3bの発現および/あるいは活性の阻害因子は、上述したアッセイに
おいてBrn−3b発現および/あるいは活性の測定可能な低下を生じさせるも
のである。好ましい物質は、1μg/ml−1、10μg/ml−1、100μ
g/ml−1、500μg/ml−1、1mg/ml−1、10mg/ml−1 、100mg/ml−1の阻害因子濃度でBrn−3bの発現および/あるいは
活性を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも4
0%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも8
0%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも99%阻害す
るものである。阻害パーセンテージは、試験物質の存在下と不在下でのアッセイ
の比較における発現/活性の低下パーセンテージである。上述した度合の阻害パ
ーセンテージと阻害因子濃度のどのような組合せも本発明の阻害因子を規定する
ために使用しうるが、より低い濃度でより大きな阻害が好ましい。
【0061】 下記に述べるようなアッセイにおいて活性を示す候補物質を、その後たとえば
乳癌細胞系に関して試験することができる。候補阻害因子を、Brn−3bが上
方調節される乳癌細胞系においてBrn−3bの発現を減衰させる能力に関して
、またBRCA−1が下方調節される乳癌細胞系においてBRCA−1発現への
作用に関して試験することができるであろう。
【0062】 人体での使用 上述したスクリーニング手順によって同定されたBrn−3b発現および/あ
るいは活性の阻害因子を使用して、乳癌あるいは卵巣癌、特に非家族性乳癌のよ
うなBrn−3bの発現が上方調節される乳癌あるいは卵巣癌を治療することが
できる。従って、そのような阻害因子の投与によって癌に罹患している患者の状
態を改善することができる。そのような阻害因子の治療上有効な量を、その必要
のあるヒト患者に投与することができる。
【0063】 乳癌あるいは卵巣癌を予防あるいは治療する際に使用する阻害因子の製剤は、
同定された物質の性質、製薬用あるいは動物薬用のいずれを意図しているか、等
の因子に依存するであろう。典型的には、阻害因子は製薬上許容される担体ある
いは希釈剤と共に用途に合わせて製剤される。たとえば、局所、非経口、静脈内
、筋肉内、皮下、眼内、経皮あるいは経口投与用に製剤することができる。医師
は、各々の患者に合わせて必要な投与経路を決定することができるであろう。製
薬担体あるいは希釈剤は、たとえば等張液でありうる。
【0064】 阻害因子の用量は様々なパラメータに従って、特に使用する物質、治療する患
者の年齢、体重および状態、投与経路、ならびに必要なレジメに従って決定され
うる。やはり、医師は個々の患者に合わせて必要な投与経路と用量を決定するこ
とができるであろう。
【0065】 下記の実施例は本発明を例示するものである。
【0066】 実施例 試験材料および方法 特に異なる指示がない限り、使用する方法は標準的な生化学および分子生物学
手法である。適当な一般的方法論のテキストの例は、Sambrookら、分子
クローニング、実験室マニュアル(1989)およびAusubelら、分子生
物学における現在のプロトコール(1995)、John Wiley and
Sons,Inc.を含む。
【0067】 正常および乳癌標本 正常な乳腺と悪性乳癌(閉経前および閉経後の女性からのもの)からの総RN
AをCandis Tissue Bank Research Centre
Liverpool Universityより入手した。
【0068】 逆転写酵素/ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ 各標本からのRNA約0.1μgをcDNA合成の鋳型として使用した。合成
したcDNAを、次のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて先に記述されてい
るような(17)RT−PCRアッセイにおいて使用した:Brn−3a:5’
GTCGACATGGACTCGGACACG−3’,3’−ACGGTGAA
TGACTCCCCCGA−5’;Brn−3b:5’GGAGAAGAAGC
GCAAGC−3’,3’CTGAGAACCGGAGAGGTCT−5’。平
行して、対照として用いる不変的に発現されるヒトシクロフィリンmRNAの増
幅を、次のプライマーを用いて実施した:5’−TTGGGCCGCGGTAC
TCCTTTCA−3’および3’−TTTCGTATGGCCCAGGACC
G−5’。
【0069】 すべての場合に、各々のPCR産物20μlを2%アガロースゲル上で分画し
、Hybon−N+ナイロン膜(Amersham Internationa
l,Little Chalfont,United Kingdom)にブロ
ットし、相同な相補的32P標識プローブとハイブリダイズした。膜をフィルム
(Eastman Kodak Co.,Rochester,NY)に露光し
、その後得られたオートラジオグラフをデンシトメーター(Bio−Rad L
aboratories,Hercules,CA)を用いて分析した。我々は
以前にこのブロット法が、使用するRT−PCRの条件と合わせて、構成的に発
現されるシクロフィリンmRNAに比してBrn−3aおよびBrn−3b m
RNAの正確な定量を可能にすることを示した(9、12、17)。
【0070】 プラスミド構築物 Brn−3aおよびBrn−3b発現ベクターは、モロニーマウス白血球ウイ
ルスプロモーターの制御下で完全長のcDNAクローンを含み、これまでにも記
述されている(7、17)。BRCA−1プロモーター/レポーター構築物は、
pGL2ルシフェラーゼベクターにクローニングされたBRCA−1αおよびβ
プロモーターを担う4キロ塩基あるいは400塩基の上流配列を含む。
【0071】 一過性トランスフェクション 10%ウシ胎児血清とml当り10ngのインスリンを補足したL−グルタメ
ートおよびフェノールレッドを含有するダルベッコ修正イーグル培地においてM
CF7細胞を常套的に増殖させた。実験を行う前に、集密下細胞を、Migli
accioら(18)が述べた方法に従って調製した、10%デキストランで被
覆し、炭処理ウシ胎児血清とml当り10ngのインスリンを含むフェノールレ
ッド不含のダルベッコ修正イーグル培地中に72時間保持した。トランスフェク
ションの12時間前に培地を新鮮培地5mlと交換した。Gorman(19)
の方法に従ってプラスミドDNAのトランスフェクションを実施した。常套的に
、レポーターDNA5μgと各発現ベクター5μgを5×10細胞にトランス
フェクションし、72時間後に細胞を採集した。各々の場合に細胞によって取り
込まれたDNAの量を、抽出物15μlのスロットブロット法およびプラスミド
ベクター中のアンピリシン耐性遺伝子から誘導したプローブとのハイブリダイゼ
ーションによって測定した(20)。バンドの強度の差をデンシトメトリーによ
って測定し、その後のアッセイに使用する抽出物の容積を等しくするために使用
した。またすべてのトランスフェクションが、トランスフェクション効率を制御
するために実施する二元的ルシフェラーゼアッセイに関しての、renilla
ルシフェラーゼをコードする内部レポーター遺伝子を含んだ。ルシフェラーゼア
ッセイは製造者(Promega)のプロトコールに記載されているように実施
し、Tumer 20−Eルミノメーターで結果を測定した。
【0072】 実験結果 Brn−3aおよびBrn−3b mRNAのレベルを定量するために、我々
がこれまで少量の臨床試料や他の材料においてこれらのmRNAを信頼可能に定
量するために使用してきた逆転写酵素/ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)
アッセイを用いた(12、15)。これらのアッセイを使用して、正常乳房組織
あるいは良性乳腫瘍材料におけるBrn−3aおよびBrn−3b mRNAの
レベルを閉経前あるいは閉経後女性からの悪性乳癌から得たものと比較した。B
rn−3a(図1)とBrn−3b(図2)の平均レベルはいずれも、正常/良
性腫瘍材料から得たものと比較して閉経前悪性腫瘍から調製した試験材料におい
て多少の上昇を示し、閉経後腫瘍材料では両者ともさらなる上昇を認めたが、こ
れは統計的に有意ではなかった(正常対腫瘍レベルのすべての比較においてp<
0.05)。
【0073】 しかしながら興味深いことに、種々の腫瘍標本においてBrn−3aとBrn
−3bの発現レベルの分布パターンに明瞭な相違を認めた。すなわち、Brn−
3aレベルは種々の標本間で継続的な分布を示すと思われた。これに対し、Br
n−3bレベルは種々の腫瘍標本で二分する分布を示し、標本の約40%は正常
サンプルで認められた範囲内の低レベルのBrn−3bを示したが、残りのサン
プルは正常範囲よりはるかに高いレベルを示した。この二分する分布は、閉経前
および閉経後の女性から採取した腫瘍標本について認められた。
【0074】 この二分分布が機能的有意性を持つのかどうかを調べるため、それぞれ低レベ
ルあるいは高レベルのBrn−3b発現を示す腫瘍サンプル間の相違を探索した
。特に、家族性乳癌の多くの症例で突然変異が生じており(21、22)、また
非遺伝性(散発性)乳癌において発現低下を示すことが報告されている(23)
、BRCA−1蛋白質をコードするmRNAの種々のサンプルでのレベルを検討
した。最も興味深い点として、種々のサンプルにおけるBRCA−1のレベルは
Brn−3bに関して認められたものと逆の発現パターンを示した。すなわち、
閉経前(図3a)と閉経後(図3b)女性の両方から誘導したサンプルで認めら
れた、低レベルのBrn−3bを示すサンプルが高レベルのBRCA−1レベル
を示したが、その作用は閉経前女性からのサンプルにおいて特に著明であった。
これに対し、正常乳房試料あるいは良性腫瘍からの試験材料の種々の標本ではB
RCA−1 mRNAレベルの有意の変動を認めず、これらは同様のBrn−3
bレベルを有していた(図3c)。
【0075】 Brn−3bに関する結果と異なって、閉経前(図4a)あるいは閉経後(図
4b)女性からの悪性試験材料におけるBRCA−1 mRNAレベルは、種々
の標本中のBrn−3a mRNAレベルと相関を示さなかった。さらに、種々
の標本でBrn−3aレベルが異なるにもかかわらず、正常あるいは良性試験材
料では同様のレベルのBRCA−1 mRNAが認められた(図4c)。高いB
rn−3bレベルと低いBRCA−1発現の特異的な結びつきは、サンプルを高
いBrn−3bを有するものと低いBrn−3bを有するものに分けることによ
って確認された。図5に例示するように、BRCA−1レベルは、高いBrn−
3bを有するサンプル群でのレベルに比べて、低いBrn−3bを有するサンプ
ル群では大きく上昇していた。この作用は統計的に有意であった(Brn−3b
の高発現群と低発現群におけるBRCA−1レベルを比較してp<0.001)
【0076】 それ故これらの所見は、Brn−3b転写因子がBRCA−1発現に対する阻
害作用を有しており、一部の悪性乳癌標本で認められた高いレベルのBrn−3
bは低いレベルのBRCA−1に結びつくという可能性を提起する。この可能性
をさらに検討するため、我々はMCF7細胞を、Brn−3aあるいはBrn−
3bをコードする発現ベクターおよびBRCA−1プロモーターの4kb断片が
ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を推進する構築物とコトランスフェクシ
ョンした。
【0077】 この実験において(図6)、挿入部を含まない対応する発現ベクターでコトラ
ンスフェクションしたサンプルで認められたレベルと比較して、Brn−3aで
コトランスフェクションしたサンプルではプロモーターの活性が約50%低下し
た。しかし、Brn−3bでコトランスフェクションしたサンプルでははるかに
劇的な阻害作用が認められ、プロモーター活性は、挿入部のない空発現ベクター
でトランスフェクションしたサンプルで認められたレベルの約5%にまで低下し
た。400塩基対のBRCA−1プロモーターだけを含むレポーター構築物に関
しても同様の結果が得られ、この作用がこの短いプロモーター領域に依存するこ
とを示唆した(データは示していない)。エストロゲン応答要素を含むレポータ
ーで同じBrn−3b発現ベクターをトランスフェクションすると、我々の以前
の結果と一致して(13)プロモーターへの強い刺激作用を生じたことから(デ
ータは示していない)、この作用はBRCA−1プロモーターに特異的であった
。それ故、Brn−3bは実際に、乳癌細胞へのコトランスフェクションにおい
てBRCA−1プロモーターを直接阻害することができる。
【0078】
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【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、閉経前あるいは閉経後女性からの正常/良性乳房標本あるいは悪性乳
癌におけるRT/PCRアッセイによって測定したBrn−3a mRNAのレ
ベルを示す。棒は、平均値プラス標準偏差(SD)と母集団の大きさ「n」を表
わす。
【図2】 図2は、閉経前あるいは閉経後女性からの正常/良性乳房標本あるいは悪性乳
癌におけるRT/PCRアッセイによって測定したBrn−3b mRNAのレ
ベルを示す。棒は、平均値プラス標準偏差(SD)と母集団の大きさ「n」を表
わす。
【図3】 図3は、閉経前(パネルa)あるいは閉経後(パネルb)女性から採取した悪
性乳癌標本、あるいは良性乳房標本(パネルc)におけるBrn−3bとBRC
A−1のmRNAレベルの比較を示す。Brn−3bレベルは黒い棒で、BRC
A−1レベルは白い棒で示されている。
【図4】 図4は、閉経前(パネルa)あるいは閉経後(パネルb)女性から採取した悪
性乳癌標本、あるいは良性乳房標本(パネルc)におけるBrn−3aとBRC
A−1のmRNAレベルの比較を示す。Brn−3aレベルは黒い棒で、BRC
A−1レベルは白い棒で示されている。
【図5】 図5は、Brn−3bレベルが低い乳癌あるいはBrn−3bレベルが高い乳
癌におけるBRCA−1レベルの比較を示す。棒は、平均値プラス標準偏差(S
D)と母集団の大きさ「n」を表わす。
【図6】 図6は、挿入部(V)を持たない発現ベクターあるいはBrn−3a又はBr
n−3bのいずれかを発現する同じベクターと共に完全長のBRCA−1プロモ
ーターを含む、プロモーター/レポーター構築物でコトランスフェクションした
MCF7細胞のルシフェラーゼレポーターアッセイを示す。数値は、レポーター
構築物と挿入部不含発現ベクターでのコトランスフェクションにおいて得られる
活性(すなわち100%)に対して等化しており、5回の測定の平均値であって
、標準偏差を棒で示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12Q 1/02 4C087 C12Q 1/02 1/68 A 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ブダラム−マハデイオウ,ビシユワニー イギリス国、ロンドン・ダブリユ・1・ピ ー・6・デイー・ピー、クリーブランド・ ストリート・46、ザ・ウインデイヤー・ビ ルデイング、デパートメント・オブ・マレ キュラー・パサラジー、デイビジヨン・オ ブ・パサラジー、ユー・シー・エル・メデ イカル・スクール (72)発明者 ヌデイサング,ダニエル イギリス国、ロンドン・ダブリユ・1・ピ ー・6・デイー・ピー、クリーブランド・ ストリート・46、ザ・ウインデイヤー・ビ ルデイング、デパートメント・オブ・マレ キュラー・パサラジー、デイビジヨン・オ ブ・パサラジー、ユー・シー・エル・メデ イカル・スクール Fターム(参考) 2G045 AA40 FB02 FB03 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 EA02 FA02 GA11 HA12 HA17 4B063 QA01 QA18 QQ08 QQ42 QQ52 QR08 QR32 QR42 QR56 QR60 QR62 QR77 QR80 QS05 QS25 QS34 QS36 QX02 4C084 AA02 AA03 AA06 AA07 AA13 AA17 AA27 BA01 BA02 BA05 BA08 BA09 BA10 BA17 BA18 BA19 BA20 BA23 BA24 BA25 BA35 CA01 CA18 CA53 CA56 CA59 DC50 MA17 MA58 MA63 MA66 MA67 NA14 ZB262 4C086 AA01 AA02 AA03 EA18 MA05 MA17 MA56 MA58 MA63 MA66 MA67 NA14 ZB26 ZC80 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 MA17 MA52 MA56 MA58 MA63 MA66 MA67 NA14 ZB26

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳癌および/または卵巣癌の治療において使用する薬剤の製
    造のためのBrn−3bの発現および/または活性の阻害因子の使用。
  2. 【請求項2】 阻害因子が、Brn−3b mRNAにハイブリダイズする
    ことができるポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 阻害因子が、宿主細胞において請求項2で定義されたような
    ポリヌクレオチドを発現することができる核酸ベクターを含む、請求項1に記載
    の使用。
  4. 【請求項4】 ベクターがウイルスベクターである、請求項3に記載の使用
  5. 【請求項5】 ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、レトロウイル
    スベクター、アデノ随伴ウイルスベクターあるいは単純ヘルペスウイルス株であ
    る、請求項4に記載の使用。
  6. 【請求項6】 治療によるヒトあるいは動物の身体の処置方法において使用
    するためのBrn−3bの発現および/または活性の阻害因子。
  7. 【請求項7】 乳癌あるいは卵巣癌の治療方法において使用するための、請
    求項6に記載の阻害因子。
  8. 【請求項8】 Brn−3b mRNAにハイブリダイズすることができる
    ポリヌクレオチドを含む、請求項6又は7に記載の阻害因子。
  9. 【請求項9】 宿主細胞において請求項8で定義されたようなポリヌクレオ
    チドを発現することができる核酸ベクターを含む、請求項6又は7に記載の阻害
    因子。
  10. 【請求項10】 ベクターがウイルスベクターである、請求項9に記載の阻
    害因子。
  11. 【請求項11】 ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、レトロウイ
    ルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターあるいは単純ヘルペスウイルス株で
    ある、請求項10に記載の阻害因子。
  12. 【請求項12】 (a)コード配列に機能的に連結されたBrn−3bプロ
    モーターを含む試験構築物を提供し、 (b)試験物質不在下で当該コード配列によってコードされるポリペプチドを発
    現することができる条件下で試験物質を試験構築物に接触させ、そして (c)当該物質がBrn−3bの発現を阻害するかどうかを調べる ことを含む、Brn−3b発現の阻害因子を同定するための方法。
  13. 【請求項13】 コード配列がBrn−3bポリペプチドをコードする、請
    求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 コード配列がレポーターポリペプチドをコードする、請求
    項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 宿主細胞が試験構築物を内包する、請求項12から14の
    いずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 宿主細胞が哺乳類細胞である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 (a)Brn−3bポリペプチド又はその相同体、あるい
    はそれらの断片を提供し、 (b)当該物質不在下でポリペプチドの活性を可能にする条件下で試験物質をB
    rn−3bポリペプチドに接触させ、そして (c)当該物質がBrn−3bの活性を阻害するかどうかを調べる ことを含む、Brn−3b活性の阻害因子を同定するための方法。
  18. 【請求項18】 (d)Brn−3bを阻害すると判定された当該物質を
    哺乳類細胞に投与し、そして (e)BRCA−1の発現への当該物質の作用を調べる ことをさらに含む、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 哺乳類細胞が乳癌細胞あるいは卵巣癌細胞である、請求項
    18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 当該物質が細胞の増殖を抑制する能力を測定する、請求項
    19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 請求項12から20のいずれかに記載の方法によって同定
    される阻害因子。
  22. 【請求項22】 治療によるヒトあるいは動物の身体の処置方法において使
    用するための、請求項21に記載の阻害因子。
  23. 【請求項23】 乳癌あるいは卵巣癌の治療方法において使用するための、
    請求項22に記載の阻害因子。
  24. 【請求項24】 乳癌および/または卵巣癌の治療において使用する薬剤の
    製造のための、請求項21で定義されたような阻害因子の使用。
  25. 【請求項25】 請求項1から6および21のいずれか一項に記載の阻害因
    子と製薬上許容される担体あるいは希釈剤を含む製薬組成物。
  26. 【請求項26】 乳癌あるいは卵巣癌に罹患している宿主に治療上有効な量
    のBrn−3bの発現および/あるいは活性の阻害因子を投与することを含む、
    上記の宿主を治療する治療方法。
  27. 【請求項27】 阻害因子が請求項1から6および21のいずれか一項で定
    義された通りである、請求項26に記載の治療方法。
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