JP2002525089A - レトルト処理ペットフード製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 レトルト処理ペットフード製品。製品は繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成された容器内に包装したペットフード組成物である。ペットフード組成物は約４０重量％以上の水分含量を有する含水製品である。ペットフード製品のレトルト処理はその呈味性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の分野】

本発明は繊維をベースとする容器に入ったレトルト処理したペットフードに関
する。本発明は繊維をベースとする容器中にあるペットフードの呈味性を改良す
る方法にも関する。

【０００２】

【発明の背景】

ペットフードは通常ウェット、半水分または乾燥型に分類される。ウェット型
ペットフードは伝統的に肉ローフ、チャンク型製品、および肉ローフとチャンク
型製品の混合物として入手できる。これらは通例缶詰で入手でき、ペットには非
常に美味である。

【０００３】 缶はウェット型ペットフードにとってすぐれた容器であるが、いくつかの欠点
がある。例えば、開缶系を装備しないと、ペットの飼主は開缶するために缶切り
がなければならない。しかし、開缶系を装備した缶はコストが高くなる。また、
多数の人、特に高齢者はそれを使って開缶系をこじ開けるのは難しい。さらに、
ある開缶系で密閉問題がおき、ペットフードの腐敗を伴なう。また、使用した缶
はゴミ処理系統で一層広い場所をとる。

【０００４】 ウェット型ペットフードは無菌充填パウチでも入手できる。これらのパウチは
開封および廃棄が容易であるので、消費者には非常に便利である。しかし、これ
らのパウチフードはペットにとって必ずしも缶詰ペットフード程美味であるとは
限らない。

【０００５】 従って、消費者に便利でありかつペッフードが良好な呈味性を保持する容器系
のペットフードに対するニーズがある。

【０００６】

【発明の概要】 従って、１特徴では、本発明はレトルト処理ペットフード製品を供し、製品は
繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成された容器および容器内の
ペットフード組成物を含む。

【０００７】 意外なことに、繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成された容
器にあるペットフード組成物をレトルト処理することにより、レトルト処理しな
いペットフード組成物と比較してペットフード組成物の呈味性が高められること
が分かった。ある場合に、缶詰でレトルト処理した類似のペットフード組成物の
ものより一層美味である。

【０００８】 ペットフード製品は、約４０重量％以上、例えば約４５％〜約８５重量％の水
分含量を有するウェット型ペットフード組成物を含有するのが望ましい。ペット
フード組成物の少なくとも一部は固体または実質的に固体であるのがよい。

【０００９】 ペットフードはキャットフードであってよい。ペットフードは猫には非常に美
味であることが分かる。しかし、ペットフード組成物はドッグフードであっても
よい。

【００１０】 ペットフード組成物はゼラチン化した固体フード組成物を含むことが好ましい
。例えば、フード組成物は熱的にゲル化したエマルジョンまたは熱的にゲル化し
たマトリックスの断片形でよい。

【００１１】 ペットフード製品は少なくとも約１００分、例えば約１２０分〜約１８０分の
Ｃ₀値にレトルト処理するのが望ましい。ペットフードは約１５分〜約３０分の
Ｆ₀値にレトルト処理することが好ましい。

【００１２】 別の特徴では、本発明はレトルト処理ペットフード製品を供し、製品は繊維を
ベースとする基部層を有する積層材料から形成された容器および容器内にペット
フード組成物を含み、ペットフード製品はペットフード組成物を容器に充填し、
容器を密閉し、容器を少なくとも約１００分のＣ₀値にレトルト処理することに
より製造する。

【００１３】 別の特徴では、本発明は繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成
された容器内のペットフード組成物の呈味性を改良する方法を供し、この方法は
容器をレトルト処理して少なくとも約１００分のＣ₀値に到達させることを含む
。 本発明は上記方法により製造したペットフード製品も供する。

【００１４】

【好ましい態様の詳細な記載】

発明の態様は例としてのみ記載する。 本明細書において、「Ｆ₀」とは製品を１２１．１℃の基準温度に保持して同
じ滅菌レベルを達成する対応時間を意味する。通常、Ｆ₀値は次の方程式に近似
する。 Ｆ₀＝ｔ真数（（Ｔ−Ｔ_ref）／Ｚ） 式中、 ｔは加熱時間（分）であり、 Ｔは温度（℃）であり、 Ｔ_refは１２１．１℃であり、および Ｚは特定の微生物に関連する値であり、通例畧々１０℃（これはボツリヌス菌
Clostridium botulinumに対する値である）である。

【００１５】 「Ｃ₀」とは加熱値を意味し、製品を１００℃の基準温度に保持して、すべて
の成分に対し同レベルの加熱インパクトを達成する対応時間（分）を意味する。
通常、Ｃ₀値は次の方程式に近似する。 Ｃ₀＝ｔ真数（（Ｔ−Ｔ_ref）／Ｚ） 式中、 ｔは加熱時間（分）であり、 Ｔは温度（℃）であり、 Ｔ_refは１００℃であり、および Ｚは糖／メイラード反応に関連するパラメータであり、通例畧々３３℃である
。

【００１６】 本発明はレトルト処理ペットフード製品に関し、ペットフード組成物は繊維を
ベースとする基部層を有する積層材料から形成された容器内にある。ペットフー
ド組成物はペットにとって非常に美味であることが分かった。

【００１７】 容器を形成する積層材料は少なくとも基部層および内部層を有する。積層材料
は外部層を有することもできる。材料はレトルト処理に適するだけの十分な程度
の耐水および耐熱性でなければならない。

【００１８】 基部層は繊維をベースとする層、例えば紙または厚紙である。基部層は機械的
強度および寸法安定性を有する積層材料を供する。内部被覆は水分および熱安定
性材料から構成すべきである。外部被覆が使用される場合、水分および熱安定性
材料から形成するのが好ましい。積層材料は１個以上の障壁層を含むこともでき
る。積層材料は望む場合さらに、例えば接着剤、下塗剤、ラッカーなどの層を含
むことができる。

【００１９】 適当な積層材料は市販されている。さらに、適当な積層材料は米国特許第３３
２２３１８号、ＷＯ第９７／０２１４０号、ＷＯ第９７／０２１８２号およびＷ
Ｏ第９７／０２１８１号明細書に記載される。

【００２０】 容器には容器を破って開けることができるように適当な軟弱な線を供すること
ができる。これはこの型の積層材料に通例的であるように実施できる。

【００２１】 容器内のペットフード組成物は固体であるか、または固体片を含む任意の適当
なペットフードでよい。

【００２２】 １つの適当な組成物は冷却すると凝固する熱的にゲル化したエマルジョンであ
る。ゲル化肉ローフは熱的にゲル化したエマルジョンの特に好ましい例である。
熱的にゲル化したエマルジョンは適当な肉材料を細碎して肉バッターを得て製造
できる。肉材料は任意の適当な肉起源、例えば筋肉または骨付き肉、肉副生物、
肉粉またはこれら起源の混合物でよい。肉起源は任意の適当な動物、鳥または魚
であってもよい。肉起源の正確な組成はコストおよび所望フレーバにより選択で
きる。適当なゲル化剤、例えば澱粉およびカッパーカラギナン、ロカストビーン
ガム、グアーガムおよびキサンタンガムのようなガムは肉バッターに添加できる
。通例約１重量％以下のガムが必要である。

【００２３】 糖、塩、スパイス、調味料、フレーバ付与剤、ミネラル、ビタミンなどの付加
成分も肉バッターに添加できる。付加成分の使用量は肉バッターの約０．２５％
〜約３重量％を構成するような量が好ましい。

【００２４】 水も肉バッターに添加して約７０％〜約８５重量％の水分を供することができ
る。十分な水分が肉材料に含まれる場合、水の添加は必要がない。

【００２５】 次に肉バッターは混合物が熱ゲル化を開始するに適する温度、例えばミキサー
・クッカーで約４０°〜約６５℃の温度に加熱する。必要に応じて、蒸気を肉バ
ッターに注入できる。加熱肉バッターは望む場合乳化できる。次に肉バッターは
約４０°〜約６５℃の温度に必要とするまで保持できる。レトルト処理および室
温に冷却後、肉バッターは熱的にゲル化したエマルジョンを形成し、これは実質
的に固体または少なくともその形状を保持する。

【００２６】 別の適当なペットフード組成物はグレービ中の固体フード片またはゲルである
ことができる。グレービ中の固体フード片混合物は肉または他の材料、またはそ
の双方とグレービを単に混合することにより製造できる。肉材料は上記した任意
の適当な肉起源でよい。肉材料はチャンク形またはフレーク形でよい。他の材料
の固体片、例えば米粒、パスタまたはヌードル、植物片なども使用できる。

【００２７】 しかし、固体フード片は熱的にゲル化したマトリックス片形であることが好ま
しい。熱的にゲル化したマトリックス片は任意の適当な方法、例えば米国特許第
４，７８１，９３９号および第５，５６７，４６６号およびＰＣＴ出願ＷＯ９７
／０２７６０号明細書記載の方法により製造できる。これらの方法では、肉材料
は通例肉材料ブロックを磨碎および次に乳化して肉バッターに形成する。

【００２８】 通例タン白源はエマルジョンに添加してエマルジョンの安定性および結着性を
改良する。タン白源は植物または動物タン白源、例えばプラズマ、小麦グルテン
、大豆粉、濃縮大豆タン白、分離大豆タン白、卵タン白、ホエイ、カゼインなど
でよい。所望または必要な場合、脂肪はエマルジョンに添加できる。添加する場
合、脂肪は任意の適当な動物脂肪、例えばタローでよく、または植物脂肪でよい
。糖、塩、スパイス、調味料、フレーバ付与剤、ミネラル、ビタミンなどのよう
な付加成分もエマルジョンに添加することができる。

【００２９】 水もエマルジョンに添加して約４５％〜８０重量％の水分にすることもできる
。十分量の水分が肉材料に含まれる場合、水の添加は必要ではない。

【００３０】 次にエマルジョンはエマルジョンミルまたはエクストルーダのような適当な装
置で加工して断片またはチャンクに形成できる。エクストルーダを使用する場合
、エマルジョンはオリフィスを通して所望形状、例えば長円形、正方形または長
方形横断面を有するエマルジョンを供することができる。次に押出し物は適当な
連続式加熱装置、例えば熱媒体として熱風、蒸気、熱風と蒸気の混合物を使用す
るトンネルオーブンまたはマイクロ波で加熱できる。押出し物の中心温度は押出
し物が熱ゲル化するように上昇する。例えば中心温度は少なくとも約８０℃、例
えば約８５°〜約９５℃に上昇できる。次にゲル化押出し物は断片に切断し、冷
却片は熱的にゲル化したマトリックスの片を供することができる。断片は望む場
合フレーク化できる。冷却は断片に水を噴霧して行なうことができる。別法では
、他の冷却媒体を使用できる。

【００３１】 固体フード片を含むグレービを使用する場合、１種以上の澱粉またはガム、お
よび適当なフレーバ付与剤から製造できる。グレービは固体片とグレービの混合
物を約２０％〜約８０重量％含むことが好ましい。適当なガムはカッパーカラギ
ナン、ロカストビーンガム、グアーガムおよびキサンタンガムである。

【００３２】 固体フード片を含むゲルを使用する場合、適当なゲル化剤、水および適当なフ
レーバ付与剤から製造できる。ゲルは固体片とグレービの混合物を約２０〜約８
０重量％含むことが好ましい。適当なゲル化剤はゼラチンのようなタン白、アル
ギネート、カッパーカラギナン、ロカストビーンガム、グアーガムおよびキサン
タンガムなどのようなガムである。ゲルまたは肉ジェリーは通例のように製造で
きる。

【００３３】 別の適当なペットフード組成物は熱的にゲル化したエマルジョン中の固体フー
ド片でよい。熱的にゲル化したエマルジョンは上記のように製造できる。固体フ
ード片は熱的にゲル化したマトリックス片、肉片、植物片、これらの片の組合せ
などでよい。熱的にゲル化したマトリックス片は上記のように製造できる。

【００３４】 さらに別法として、熱的にゲル化したエマルジョンとグレービまたはゲル中の
固体フード片との組合せは使用できる。適当な組合せはＷＯ第９８／０５２１８
号およびＷＯ第９８／０５２１９号明細書に記載される。

【００３５】 容器を形成し、ペットフード組成物はこの型の容器で通例的であるように、ま
たは充填装置の製造者の教示に従って容器に充填する。さらに適当な形成および
充填方法はＷＯ第９７／０２１８２号明細書に記載される。容器充填方法の部分
として密閉される。

【００３６】 次に密閉容器は通例オートクレーブでレトルト処理する。適当なレトルト処理
はＷＯ第９８／１６４３１号明細書に記載される。この開示は参考として加える
。一般に、密閉容器は約７０°〜約１２８℃の範囲の温度に加熱する。

【００３７】 温度を上げ、温度を下げる時間を含むレトルト処理時間は、少なくとも約１０
０分のＣ₀値を容器内容物に供するのに十分であるべきである。好ましくは、レ
トルト処理時間は約１２０分〜約１８０分、例えば約１５０分のＣ₀値を容器内
容物に供するのに十分であるべきである。約１２０分〜約１５０分のレトルト処
理時間は大部分の場合十分な時間であるべきである。

【００３８】 ペットフード組成物の呈味性はＣ₀値に関連することが分かった。Ｃ₀値が１０
０分以上の範囲に増加するとペットフード組成物の呈味性は増加する。実際、或
るペットフード組成物では、繊維をベースとする容器の呈味は同様の缶詰ペット
フード組成物のものより良い。

【００３９】 さらに、レトルト処理時間は容器の内容物を滅菌するのに、例えば少なくとも
約１５分のＦ₀値に十分であるべきである。好ましくはＦ₀値は約２０分〜約３０
分である。

【００４０】 ペットフード製品は２段階で冷却してレトルト処理を終了するのが好ましい。
第１段階では、ペットフード製品は空気または適当な乾燥ガスで冷却できる。そ
の後第２段階で、ペットフードは水または他の液体により通常方法で冷却できる
。適当な方法はＷＯ第９８／１６４３１号明細書に記載される。

【００４１】 多数の修正は請求項に示した発明の範囲から逸脱せずに上記態様になしうるこ
とは認められるであろう。例えば、積層材料から製造される全体の容器には必要
ではない。望む場合、容器の或る部分、例えば蓋は金属シートから製造できる。 本発明の特別例はさらに説明するために記載する。

【００４２】 例１ チャンクを含むジェリーペットフード組成物を積層材料から製造した容器に充
填する。積層材料はポリプロピレン内層、アルミニウム障壁層、厚紙基部層およ
びポリプロピレン外層を含む。積層材料はテトラ・パック・インターナショナル ＡＢ、スエーデンから得られる。成形、充填およびレトルト処理ラインもテト
ラ・パック・インターナショナル ＡＢから得られる。容器は製造者の指示に従
って形成し、充填し、ついで密閉する。 次に容器は約２時間約１２８℃に達するレトルト処理を行なう。Ｃ₀値は１５
０分およびＦ₀値は２５分である。冷却中、容器は最初に空気で約９０℃の中心
温度に冷却し、次に水で冷却する。ペットフード製品は試料１として表示する。 比較のため、チャンクを含むジェリー製品は同じ積層材料の容器に無菌充填す
る。容器は製造者の指示に従って形成し、充填し、密閉する。製品はレトルト処
理しない。ペットフード製品は試料Ａと表示する。 同様に比較のため、チャンクを含むジェリー製品は通常方法で缶に充填する。
缶は１００分のＣ₀値および４０分のＦ₀値にレトルト処理する。ペットフード製
品は試料Ｂと表示する。 次にペットフード製品は猫のパネルに給餌する。猫は試料／含有、試料Ａ含有
および試料Ｂ含有の３個のボウルに自由に接近する。猫が消費する各フード量は
監視する。 猫は試料１およびＢから実質的に等量のフードを消費する。しかし猫は試料Ａ
からの消費量は有意に少ない。従って、積層材料から製造した容器内のペットフ
ード製品のレトルト処理は呈味性を増加する。

【００４３】 例２ 容器および缶に肉ローフを充填することを除いて例１を反復する。積層材料か
ら製造した容器のレトルト処理フード製品は試料２と表示する。 猫は試料２からのフードを缶詰製品および無菌充填製品より有意に多量を消費
する。積層材料から製造した容器内のペットフード製品をレトルト処理すること
により呈味性が増加する。

【００４４】 猫に貯蔵２日、１５日、3ヶ月、６ヶ月および１年の例１の試料１およびＢか
らのフードを給餌する。猫は各時点の試料１およびＢからのフードを実質的等量
を消費する。従って試料１のフードは缶詰フードと同様に貯蔵できる。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成された
   容器、および容器内にペットフード組成物を含む、レトルト処理ペットフード製
   品。
2. 【請求項２】 製品は繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成
   された容器、および容器内にペットフード組成物を含み、ペットフード組成物を
   容器中に充填し、容器を密閉し、ついで容器を少なくとも約１００分のＣ₀値に
   レトルト処理して製造する、レトルト処理ペットフード製品。
3. 【請求項３】 ペットフード組成物は約４０％〜約８５重量％の水分含量を
   有する、請求項１または２記載のレトルト処理ペットフード製品。
4. 【請求項４】 ペットフード組成物はゼラチン化、固体フード組成物を含む
   、請求項１から３のいずれか１項に記載のレトルト処理ペットフード製品。
5. 【請求項５】 ゼラチン化、固体フード組成物は熱的にゲル化したエマルジ
   ョンである、請求項４記載のレトルト処理ペットフード製品。
6. 【請求項６】 ゼラチン化、固体フード組成物は熱的にゲル化したマトリッ
   クスの断片形である、請求項５記載のレトルト処理ペットフード製品。
7. 【請求項７】 ペットフード製品は約１２０分〜約１８０分のＣ₀値にレト
   ルト処理する、請求項１から６のいずれか１項に記載のレトルト処理ペットフー
   ド製品。
8. 【請求項８】 ペットフード製品は約１５分〜約３０分のＦ₀値にレトルト
   処理する、請求項１から７のいずれか１項に記載のレトルト処理ペットフード製
   品。
9. 【請求項９】 容器を少なくとも約１００分のＣ₀値に達するまでレトルト
   処理することを含む、繊維をベースとする基部層を有する積層材料から形成され
   た容器中のペットフード組成物の呈味性を改良する方法。
10. 【請求項１０】 ペットフード製品は約１２０分〜約１８０分のＣ₀値にレ
    トルト処理する、請求項１から９のいずれか１項に記載の方法。