JP2002525043A5 - - Google Patents

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本発明は、損傷または病気の組織の修復のために使用する組織グラフト構成物としての、あらかじめ選択した細胞集団と組み合わせた脊椎動物の粘膜下組織由来コラーゲンマトリックスに向けられている。本発明に基づいて使用するためのコラーゲンマトリックスは、高度に保存されたコラーゲン、糖タンパク質、プロテオグリカン、およびグリコサミノグリカンをそれらの天然構造のまま天然濃度で含む。本発明に使用する細胞外コラーゲンマトリックスは温血脊椎動物の粘膜下組織に由来する
<好ましい実施態様の詳細な説明>
本発明は外側平滑筋層および粘膜層の管腔部分の両方から離層された脊椎動物粘膜下組織を含んでなる改良組織グラフト構成物に向けられている。この改良は、あらかじめ選択した細胞集団を実質的に無細胞の粘膜下組織基質に添加することを含む。粘膜下組織と組み合わせる細胞は、修復すべき組織の細胞型に基づいて選択される。一実施態様において、あらかじめ選択した細胞は上皮、内皮または軟骨組織から分離した初代細胞を含んでなる。
あらかじめ選択した細胞集団と粘膜下組織基質との組み合わせは、改良組織グラフト構成物を与える。それはどちらか一つの成分を治療剤として用いた場合と比較して、驚くべく改良された創傷治癒力およびより良い組織機能の回復を示す。さらに、添加細胞を植え付けた粘膜下組織を含んでなる組成物を、上記構成物を侵された領域に移植する前に培養することができる。腸粘膜下組織は、普通は in vitro 培養が難しい初代細胞をも含む種々様々の細胞の増殖および発育を補助することができる。粘膜下組織はこのような細胞増殖補助能力を有するため、ホストに移植する前に細胞集団が増殖する機会が与えられる。
本発明により、 in vitro 培養された真核細胞の増殖を補助し、組織の分化を誘発する方法および組成物が提供される。概してこの方法は in vitro にて、真核細胞と脊椎動物粘膜下組織由来コラーゲンマトリックスとを、真核細胞の増殖を誘発する条件のもとで接触させることを含んでなる。細胞培養に関して本明細書で用いられる用語“接触する”とは、粘膜下組織と培養細胞との直接的および間接的接触、例えば液体連通等、を含むものとする。ここに用いる用語“真核細胞増殖を誘発する条件”とは、現在使用できる細胞培養法のなかで真核細胞増殖のために最適と考えられる、滅菌技術、温度および栄養供給等の環境条件を指す。真核細胞培養に用いられる最適細胞培養条件は、或る程度は特定の細胞種に依存するとはいえ、一般的には細胞増殖条件は技術的によく知られている。しかし、多くの種類の分化細胞はまだ培養困難と考えられている(すなわちランゲルハンス島、肝細胞、軟骨細胞、骨芽細胞等)。
本細胞培養基質のコラーゲンマトリックスの成分は脊椎動物粘膜下組織に由来し、自然に結合した細胞外基質タンパク質、糖タンパク質およびその他の因子を含んでなる。コラーゲンマトリックスは温血脊椎動物の腸粘膜下組織を備えるのが好ましい。温血脊椎動物の小腸は、本発明に使用する細胞培養基質の特に好ましいソースである。
一実施態様によると、脊椎動物の粘膜下組織を初代細胞と組み合わせることによって改良脊椎動物粘膜下組織グラフト構成物が形成される。一実施態様において、改良組織グラフト構成物は外側平滑筋層および粘膜の管腔部分の両方から離層された脊椎動物粘膜下組織と添加された初代細胞とを含んでなる。より詳細に述べれば、一実施態様において脊椎動物粘膜下組織は脊椎動物腸組織の筋層および粘膜層の少なくとも管腔部分の両方から離層された粘膜下層を含んでなる。本発明の改良グラフト構成物は、修復を必要とする in vivo 部位に移植され、内因性組織の修復を促進する。初代細胞は内皮、ケラチノサイト、軟骨細胞、上皮および間葉細胞からなる群から選択できる。一般的には、粘膜下組織は固体状であるが、別の実施態様では使用粘膜下組織は流動化粘膜下組織である。粘膜下組織は、組織の粉砕によっておよび/または粘膜下組織を酵素で該粘膜下組織を可溶化するのに十分な時間消化することによって流動化することができる。
一実施態様において、本発明の改良組織グラフト構成物は、脊椎動物腸組織の筋層および粘膜層の少なくとも管腔部分両方から離層された粘膜下層と、内皮細胞、ケラチノサイトおよび間葉細胞からなる群から選択される初代細胞集団とを含んでなる。さらに、あらかじめ選択される細胞の種類には、遺伝的に改変された細胞も含まれる。例えば、細胞は、損傷または病気組織の修復を高めるタンパク質を発現する遺伝子を含むように改変される。
本発明はさらに、関節軟骨欠損を修復する粘膜下組織グラフトの能力を高める方法を提供する。上記方法は、該グラフト構成物を移植または注入する前に、脊椎動物粘膜下組織に軟骨細胞を植え付ける段階を含む。よって、本発明の一実施態様において、関節軟骨欠損の修復のための組成物は、脊椎動物腸組織の筋層および粘膜層の少なくとも管腔部分両方から離層され、初代軟骨細胞を付加した粘膜下層を含んでなる。
本発明は、上皮構造(例えば歯周囲構造または食道)欠損を修復する脊椎動物粘膜下組織グラフト構成物の能力を高める方法であって、グラフト構成物をホストに移植または注入する前に粘膜下組織に初代上皮細胞を植え付ける段階を含む方法も提供する。これらの組織の修復法はその他に、上記グラフト材料をホストに移植または注入する前に、上記植え付けされたグラフト構成物を細胞の増殖を誘発する条件下に置く段階を含むことができる。よって本発明の一実施態様において、歯周囲構造または食道の修復のための組成物は、脊椎動物腸組織の筋層および粘膜層の少なくとも管腔部分両方から離層され、初代上皮細胞、より詳細には初代歯肉上皮細胞および初代食道上皮細胞からなる群から選択される初代上皮細胞を付加した粘膜下層を含んでなる。
現在までに、増殖基質として腸粘膜下組織を用い、下記の初代培養細胞株の増殖特性を研究した。
初代培養細胞株は、微生物から採取して培養した細胞である。これらの細胞を(細胞数を増やすための)標準 in vitro 細胞培養技術を用いて継代培養し(2−3回)、その後の使用時まで凍結した。上に列挙した細胞株の各々を融解し、腸粘膜下組織の存在下で培養し、組織学的に検査を行った。培養した細胞株集団の各々は、増殖し、組織検査によって確認されたように、それらの分化した外観を保持していた。例えば腸粘膜下組織において7〜14日間培養後、ヒト骨芽細胞は燐灰石結晶を蓄積し続け、ホルモン等の骨原性刺激に反応し、ラット心筋細胞はそれらの収攣性を保持し、ブタ平滑筋細胞は平滑筋アクチンを保有し、また、ブタ内皮細胞は第8因子を作った。
<例7>
創傷治癒を改善し、組織リモデリングを促進する腸粘膜下組織の能力は、前に開示されている。しかし或る種の組織は組織損傷後の修復が遅く、或るいは粘膜下組織のみでは所望速度の回復ができない程ひどく(例えば火傷患者)損傷を受ける場合もある。あらかじめ選択した細胞集団と粘膜下組織基質とを組み合わせると、粘膜下組織グラフト構成物の修復能力が高まることが見いだされた。一実施態様において、粘膜下組織と、身体の修復すべき損傷組織または病気の組織に特異的な初代細胞培養物とを組み合わせる。あらかじめ選択した細胞集団と粘膜下組織基質との組み合わせは、驚くほど改善された創傷治癒を示し、いずれかの成分のみを治療剤として用いた場合に比してその後の機能回復がより優れている組織グラフト構成物を提供する。
イヌモデルにおいて数本の歯から歯肉(ガム)およびより深い歯周囲構造を完全に除去する研究を行った。歯槽骨にまで広がったその欠損領域を、腸粘膜下組織だけ、アロダーム(Alloderm)(ヒト皮膚に由来する市販品)、または腸粘膜下組織と初代自己歯肉上皮細胞との複合物で処理した。結果は、腸粘膜下組織プラス初代上皮細胞複合物で処理した部位が最も良く治癒し、培養した上皮細胞からなる完全な上皮細胞集団があって、上皮下結合組織層が欠如した結合組織支持構造を置換していた。腸粘膜下組織のみ、またはアロダームで処理した部位は、複合物構造で処理した部位に見られるものと比較して、より少ない上皮細胞成分を有するより典型的な瘢痕組織型反応を生じた。この研究は複合物の優れた治癒力を示した。
さらに、食道修復デバイスとして有用であることがわかっている8層腸粘膜下組織層構造上に初代食道上皮細胞を増殖させた。多層粘膜下構造の製法は米国特許第 5,711,969号に完全に記載されている。この開示は本明細書に明確に援用される。
<例8>
最近ブタにおいて完了した大規模な研究は、腸粘膜下組織を剥片厚みの皮膚グラフト(実質的には自己グラフトをあらわす)と組み合わせた際、STSGのみの使用に比較して、剥片厚みの皮膚グラフト(STSG)の“採皮”率が改良される。この腸粘膜下組織プラス薄いSTSGの組み合わせは、全厚み(full thickness)の皮膚損傷の治療における特殊な要求を満たす。詳細に述べれば、グラフト採取部位に深い創傷を残し、かなり重大な病的状態とその後の瘢痕を伴う厚い(0.010インチより厚い)STSG採取の代わりに、薄い(0.010インチ未満)STSGを採取し、腸粘膜下組織担体とともに用いてこの種の創傷を治癒することができる。この種の研究は、腸粘膜下組織プラス初代上皮細胞複合物の有用性および、そのどちらかの単独使用にまさる有益性を示すものである。
JP2000570292A 1998-09-11 1999-09-10 改良粘膜下組織グラフト構成物 Pending JP2002525043A (ja)

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