JP2002524048A - キナーゼ機能を有するポリペプチドをコードするヒトcDNA - Google Patents

キナーゼ機能を有するポリペプチドをコードするヒトcDNA

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JP2002524048A JP2000563803A JP2000563803A JP2002524048A JP 2002524048 A JP2002524048 A JP 2002524048A JP 2000563803 A JP2000563803 A JP 2000563803A JP 2000563803 A JP2000563803 A JP 2000563803A JP 2002524048 A JP2002524048 A JP 2002524048A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、精製され単離されたキナーゼ機能を有するヒトのポリペプチド、当該ポリペプチドをコードする核酸、当該ポリペプチドの組換え型の産生方法、これらのポリペプチドに対して作成された抗体、これらのポリペプチドに由来する断片ペプチド、当該ポリペプチド及びその断片ポリペプチドのリン酸化反応及び分子量マーカーとしての使用、当該ポリペプチド及びその断片ポリペプチドのペプチド断片化についてのコントロールとしての使用、当該ポリペプチドのスクリーニングアッセイにおける使用、並びに当該試薬を含むキットに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願に対するクロス・リファレンス 本出願は、1998年8月4日に提出された米国仮特許出願第60/095,
270号、および1998年9月11日に提出された米国仮特許出願第60/0
99,972号に関連し、そして同一の表題を持ち、そして同一の発明者を記載
している。
【0002】 発明の分野 本発明は、精製されそして単離されている、キナーゼ機能を有するヒトポリペ
プチド、こうしたポリペプチドをコードする核酸、こうしたポリペプチドの組換
え型の産生のための方法、これらのポリペプチドに対して作成されている抗体、
これらのポリペプチド由来の断片化ペプチド、こうしたポリペプチドおよび断片
化ペプチドのリン酸化反応における、および分子量マーカーとしての使用、こう
したポリペプチドおよび断片化ペプチドの、ペプチド断片化に対するコントロー
ルとしての使用、こうしたポリペプチドのスクリーニングアッセイにおける使用
、およびこれらの試薬を含むキットに向けられる。
【0003】 発明の背景 真核プロテインキナーゼは、相同触媒ドメインに基づき関連するタンパク質の
、広いそして急速に拡大しているファミリーを構成する。遺伝子クローニングお
よび配列決定方法論の発達により拍車がかけられ、ショウジョウバエ(Dros
ophila)、土壌線虫(Caenorhabditis elegans)
、アメフラシ(Aplysia)、ヒドラ(Hydra)、ディクチオステリウ
ム(Dictyostelium)、並びに出芽酵母(Saccharomyc
es cerevisiae)および分裂酵母(Schizosaccharo
myces pombe)を含む、無脊椎およびより低次の真核生物の広い種類
から、異なるプロテインキナーゼ遺伝子が同定されてきている。相同遺伝子はま
た、より高次の植物にも同定されてきている。しかし、プロテインキナーゼは真
核生物に限定されているのではない。酵素活性は原核生物でもよく立証されてい
るが、原核プロテインキナーゼ遺伝子は、真核生物のものと明らかに相同という
わけではない。プロテインキナーゼは有用な生化学的試薬であるため、当業には
プロテインキナーゼファミリーの特有のメンバーが連続して発見されることに対
する必要性がある。
【0004】 さらに、タンパク質の発見および同定は現代分子生物学および生化学の最前線
にある。試料タンパク質の一次構造または配列の同定は、実験の困難なプロセス
の到達点である。研究者は、未知の試料タンパク質を同定するため、当業者に知
られる多様な技術を用い、未知の試料タンパク質を、既知のペプチドに比較する
ことに頼ってもよい。例えば、タンパク質は、電気泳動、沈降、クロマトグラフ
ィー、および質量分析などの技術を用い、日常的に解析される。
【0005】 未知のタンパク質試料の、既知の分子量のポリペプチドへの比較により、未知
のタンパク質試料の見かけの分子量の決定が可能になる(T.D. Brock
およびM.T. Madigan, Biology of Microorg
anisms 76−77(Prentice Hall, 第6版, 199
1))。未知のタンパク質試料の分子量の概算を補助するため、タンパク質分子
量標準が商業的に入手可能である(New England Biolabs
Inc. カタログ:130−131, 1995;J. L. Hartle
y、米国特許第5,449,758号)。しかし、分子量標準は、見かけの分子
量の正確な概算を可能にするには、大きさが未知の試料タンパク質に十分に近い
ものに該当しない可能性がある。
【0006】 分子量概算の困難は、化学的または酵素的手段による断片化にさらされている
タンパク質の場合、度合いを増す(A. L. Lehninger, Bio
chemistry 106−108(Worth Books, 第2版,
1981))。化学的断片化は、メチオニン残基のカルボキシル側のペプチド結
合の切断を導く、臭化シアンなどの化学薬品とのタンパク質のインキュベーショ
ンにより達成することが可能である(E. Gross, Methods i
n Enz. 11:238−255, 1967)。タンパク質の酵素的断片
化は、多数のアミノ酸残基で切断するプロテアーゼとのタンパク質のインキュベ
ーションにより達成することが可能である(D. W. Clevelandら
, J. Biol. Chem. 252:1102−1106, 1977
)。タンパク質の酵素的断片化はまた、リジン残基のカルボキシル側のペプチド
結合の切断を導く、アクロモバクター(Achromobacter)プロテア
ーゼI(F. SakiyamaおよびA. Nakata、米国特許第5,2
48,599号;T. Masakiら, Biochim. Biophys
. Acta 660:44−50, 1981;T. Masakiら, B
iochim. Biophys. Acta 660:51−55, 198
1)などのプロテアーゼとのタンパク質のインキュベーションによっても達成す
ることが可能である。断片化ペプチドの分子量は、分子量の広い範囲を含むこと
が可能であり、そしてペプチドは非常に多くなる可能性がある。断片化の度合い
の変動もまた、達成可能である(D. W. Clevelandら, J.
Biol. Chem. 252:1102−1106, 1977)。
【0007】 タンパク質の特定のアミノ酸構成要素に関する、タンパク質組成の特有の性質
は、タンパク質内の切断部位の特有の位置決定を生じる。化学的または酵素的切
断によるタンパク質の特定の断片化は、特有の「ペプチドフィンガープリント」
を生じる(D. W. Clevelandら, J. Biol. Chem
. 252:1102−1106, 1977;M. Brownら, J.
Gen. Virol. 50:309−316, 1980)。その結果、特
定の部位での切断は、既定のタンパク質の、正確な分子量のペプチドへの再現可
能な断片化を生じる。さらに、これらのペプチドは、ペプチドの等電点pHを決
定する、特有の電荷特性を持つ。これらの特有の特性は、多様な電気泳動的技術
および他の技術を用い、利用することが可能である(T. D. Brockお
よびM. T. Madigan, Biology of Microorg
anisms 76−77(Prentice Hall, 第6版, 199
1))。
【0008】 未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントが得られたならば、これを、
未知のタンパク質の同定を補助するため、既知のタンパク質のデータベースに比
較してもよい(W. J. Henzelら, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 90:5011−5015, 1993;B. T
hiedeら, Electrophoresis 1996, 17:588
−599, 1996)。多様なコンピューターソフトウェアプログラム、例え
ばMultiIdent(インターネットサイト:www.expasy.ch
/sprot/multiident.html)、PeptideSearc
h(インターネットサイト:www.mann.embl−heiedelbe
rg.de…deSearch/FR_PeptideSearchForm.
html)、およびProFound(インターネットサイト:www.cha
it−sgi.rockefeller.edu/cgi−bin/prot−
id−frag.html)などが、こうした比較を容易にするため、インター
ネットを介し、当業者に利用可能である。これらのプログラムは、使用者が切断
剤および指示された許容範囲の断片化ペプチドの分子量を特定するのを可能にす
る。該プログラムは、試料タンパク質の同定の解明を補助するため、これらの分
子量をタンパク質データベースと比較する。正確な同定には、断片化ペプチドの
数およびこれらのペプチドの正確な分子量に関する正確な情報が必要である。し
たがって、断片化ペプチドの数およびこれらのペプチドの正確な分子量の決定の
正確さが増せば、未知のタンパク質の同定における成功は高まるはずである。
【0009】 タンパク質の断片化はさらに、アミノ酸組成解析およびタンパク質配列決定の
ための断片の産生(P. Matsudiara, J. Biol. Che
m. 262:10035−10038, 1987;C. Eckersko
rnら, Electrophoresis 1988, 9:830−838
, 1988)、特に「遮断(blocked)」N末端を持つタンパク質から
の断片の産生に使用される。さらに、タンパク質の断片化は、質量分析のための
ペプチドの調製(W. J. Henzelら, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 90:5011−5015, 1993;B.
Thiedeら, Electrophoresis 1996, 17:58
8−599, 1996)、免疫感作、アフィニティー選択(R. A. Br
own、米国特許第5,151,412号)、修飾部位(例えばリン酸化)の決
定、活性生物学的化合物の生成(T. D. BrockおよびM. T. M
adigan, Biology of Microorganisms 30
0−301(Prentice Hall, 第6版, 1991))、および
相同タンパク質の識別(M. Brownら, J. Gen. Virol.
50:309−316, 1980)に用いてもよい。
【0010】 タンパク質研究並びにタンパク質構造および特性の解明における続く関心のた
め、当業には、キナーゼ機能を有する、またはペプチド断片化研究および分子量
測定に用いるのに適切な、ポリペプチドに対する必要性が存在する。
【0011】 発明の概要 本発明は当該分野におけるこれらの必要性を満たすのを援助する。本発明は、
配列番号1、2、3、4、5、6、13、または15のDNA配列を含む単離ヒ
ト核酸分子、および配列番号7、8、9,10、11、12、14、または16
のアミノ酸配列をコードする単離ヒト核酸分子を含む。本発明はまた、これらの
配列に相補的な核酸分子も含む。こうしたものとして、本発明は、配列番号1、
2、3、4、5、6、13、または15のDNA配列、および配列番号7、8、
9,10、11、12、14、または16のアミノ酸配列をコードする単離核酸
分子を含む二本鎖核酸分子を含む。一本鎖および二本鎖両方のRNAおよびDN
A核酸分子が本発明に含まれる。これらの分子を用い、本発明に含まれる一本鎖
および二本鎖両方のRNAおよびDNA変異体(variant)を検出しても
よい。二本鎖DNAプローブは、核酸分子のどちらか一方の鎖に同等な核酸分子
の検出を可能にする。配列番号1、2、3、4、5、6、13、または15のD
NA配列、または配列番号7、8、9,10、11、12、14、または16の
アミノ酸配列をコードする単離核酸分子を含む、変性二本鎖DNAにハイブリダ
イズする単離核酸分子は本発明の範囲内である。ハイブリダイゼーション条件の
好ましい組は、中程度のストリンジェントのものであり:60℃、0.5XSS
C、0.1% SDSの洗浄条件を伴う、50%ホルムアミドおよび6XSSC
、42℃におけるものである。
【0012】 本発明はさらに、in vitro突然変異誘発により配列番号1、2、3、
4、5、6、13または15から得られる単離核酸分子を含む。in vitr
o突然変異誘発は、限定されるわけではないが、部位特異的突然変異誘発、無作
為突然変異誘発、およびin vitro核酸合成を含む、当業に知られる多く
の技術を含むであろう。本発明はまた、遺伝暗号の結果として、配列番号1、2
、3、4、5、または6から縮重している単離核酸分子(および生じるアミノ酸
配列)、本発明のヒトDNAの対立遺伝子変異体である単離核酸分子、または本
発明のDNAの種相同体も含む。本発明はまた、これらの核酸分子の発現を指示
する組換えベクターおよびこれらのベクターで形質転換またはトランスフェクシ
ョンされている宿主細胞も含む。さらに、本発明は、上述の核酸を、染色体を同
定する、ヒト遺伝子をマッピングする、および腫瘍を研究するアッセイにおいて
用いる方法を含む。
【0013】 本発明はまた、SDS−PAGEにより決定されるような分子量を有する単離
ポリペプチド、非糖鎖付加型の単離ポリペプチド、およびそれらの断片を含む、
これらの核酸分子にコードされる単離ポリペプチドも含む。本発明はさらに、こ
れらの核酸分子にコードされる合成ポリペプチドを含む。これらのポリペプチド
のペプチドおよび断片もまた、どのように得られていても、本発明の一部であり
、そして化学的、酵素的、組換え的、または合成的方法から、いかなる標準的手
段により産生されてもよい。これらのポリペプチドに結合する、単離ポリクロー
ナルまたはモノクローナル抗体が、本発明に含まれる。本発明はさらに、宿主細
胞を、発現を促進する条件下で培養し、そして培地からポリペプチドを回収する
ことを含む、キナーゼ機能を有するポリペプチドの産生のための方法を含む。特
に、細菌、酵母、植物、昆虫、および動物細胞におけるキナーゼ機能を有するポ
リペプチドの発現が、本発明に含まれる。
【0014】 一般的に、キナーゼ機能を有する本発明のポリペプチドを用い、標的タンパク
質をリン酸化し、そして標的タンパク質を32Pで放射標識することが可能である
。さらに、キナーゼ機能を有する本発明のポリペプチドを用い、リン酸活性を有
するタンパク質を同定することが可能である。
【0015】 さらに、キナーゼ機能を有するポリペプチドを利用し、ポリペプチド対構造(
counter−structure)分子に関連する活性の潜在的な阻害剤を
スクリーニングするアッセイ、およびポリペプチド対構造分子により仲介される
、疾患治療のための治療剤として機能する、キナーゼ機能を有するポリペプチド
を用いる方法が、本発明に含まれる。キナーゼ機能を有するポリペプチドを、そ
の阻害剤の設計に用いる方法もまた、本発明の側面である。本発明はさらに、ア
ゴニストおよびアンタゴニストをスクリーニングするための、本発明のポリペプ
チドの使用を含む。
【0016】 本発明はさらに、化学的または酵素的処理により、本発明のポリペプチドから
産生される断片化ペプチドを含む。さらに、本発明のポリペプチドおよびその断
片化ペプチドであって、化学的または酵素的手段による断片化に必要とされる部
位が少なくとも1つ突然変異している前記ポリペプチドおよびその断片化ペプチ
ドが、本発明の側面である。
【0017】 本発明はさらに、タンパク質または断片化タンパク質試料の分子量の概算を可
能にする、分子量マーカーとして、これらのポリペプチドおよびその断片化ペプ
チドを用いるための方法を含む。本発明はまた、電気泳動を用い、本発明の分子
量マーカーを視覚化するための方法も含む。本発明はさらに、本発明のポリペプ
チドおよびその断片化ペプチドを、試料タンパク質の等電点の決定を援助するマ
ーカーとして用いるための方法を含む。本発明はまた、本発明のポリペプチドお
よびその断片化ペプチドを、タンパク質試料の断片化の程度を確かめるためのコ
ントロールとして用いるための方法も含む。
【0018】 本発明にさらに含まれるのは、本発明のポリペプチド分子量マーカー、その断
片化ペプチド、および化学的または酵素的手段による断片化のための部位が少な
くとも1つ突然変異している、これらのポリペプチド分子量マーカーの型を利用
し、試料タンパク質の分子量の決定を援助するキットである。
【0019】 発明の詳細な説明 プロテインキナーゼは酵素の大きなファミリーであり、その多くは、真核細胞
の外部刺激に対する反応を仲介する。近年、プロテインキナーゼファミリーのメ
ンバーは、加速度的に発見されてきている。既知のプロテインキナーゼの数が急
激に高まっているのは、遺伝子クローニングおよび配列決定技術の出現に負うと
ころが大きい。ヌクレオチド配列から推定されるアミノ酸配列は、プロテインキ
ナーゼ触媒ドメインに非常に保存されている、特定の重要な残基を含んでいれば
、プロテインキナーゼを表すと見なされる。ヒトポリペプチドをコードするcD
NAが単離されて、そして配列番号1、2、3、4、5、6、13、または15
に示されている。キナーゼ機能を有するヒトポリペプチドをコードするcDNA
のこの発見は、キナーゼ機能を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む
発現ベクター;該発現ベクターでトランスフェクションまたは形質転換されてい
る宿主細胞;キナーゼ機能を有する生物学的に活性があるヒトポリペプチド、お
よび単離されそして精製されているタンパク質としての分子量マーカー;および
本発明のポリペプチドと免疫反応する抗体の構築を可能にする。
【0020】 より詳細には、本発明は特定のヌクレオチド配列に関する。「ヌクレオチド配
列」は、別個の断片の形の、またはより大きな核酸構築物の構成要素としてのポ
リヌクレオチド分子であって、実質的に純粋な型(すなわち、汚染内因性成分を
含まない)で、そして標準的生化学的方法(例えば、Sambrookら, M
olecular Cloning: A Laboratory Manua
l, 第2版, Cold Spring Harbor Laborator
y, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989)に略述されてい
るものなど)によるその構成要素ヌクレオチド配列の同定、操作、および回収を
可能にする量または濃度で、少なくとも1度単離されているDNAまたはRNA
から由来している、前記ポリヌクレオチド分子を指す。好ましくは、こうした配
列は、真核遺伝子に典型的に存在する、内部非翻訳配列、またはイントロンによ
り中断されない読み枠の形で提供されおよび/または構築される。非翻訳DNA
配列は、該DNA配列がコード領域の操作または発現に干渉しない、読み枠の5
'または3'に存在していてもよい。
【0021】 本発明の特に好ましいヌクレオチド配列は、以下を含む: 名称:HH0900−BF04 DNA ヌクレオチド配列:
【0022】
【化1】
【0023】 名称:HH2040−BF04 DNA ヌクレオチド配列:
【0024】
【化2】
【0025】 名称:JJ503−KS DNA ヌクレオチド配列:
【0026】
【化3】
【0027】 名称:QQ1249−BF04 DNA ヌクレオチド配列:
【0028】
【化4】
【0029】 名称:QQ3351−BF04 DNA ヌクレオチド配列:
【0030】
【化5】
【0031】 名称:SS1771 ヌクレオチド配列:
【0032】
【化6】
【0033】 名称:SS1771A ヌクレオチド配列:
【0034】
【化7】
【0035】 既知の真核プロテインキナーゼの数は引き続き増加しており、適切な分類スキ
ームは、触媒ドメイン配列の比較に基づくものである。同様の触媒ドメインを持
つプロテインキナーゼはまた、同様の酵素的および制御的特性をも有する傾向が
あるであろうということになる。本発明のヌクレオチド配列は、それぞれ、キナ
ーゼ機能を有する以下のポリペプチドをコードする。 名称:HH0900−BF04ポリペプチド 相当する読み枠の翻訳(3'−5'フレーム3):
【0036】
【化8】
【0037】 上記の配列は、真核プロテインキナーゼスーパーファミリーのサブドメインI
IからVのコンセンサス配列と一致している。本配列は、配列番号1のヌクレオ
チド配列にコードされる、キナーゼ活性を有するポリペプチドの配列である。 名称:HH2040−BF04ポリペプチド 相当する読み枠の翻訳(5'−3'フレーム2):
【0038】
【化9】
【0039】 上記の配列は、真核プロテインキナーゼスーパーファミリーのサブドメインV
、VIAおよびVIBのコンセンサス配列と一致している。本配列は、配列番号
2のヌクレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性を有するポリペプチドの配
列である。 名称:JJ503−KSポリペプチド 相当する読み枠の翻訳(5'−3'フレーム1)
【0040】
【化10】
【0041】 該配列は、相同性が不完全だが、キナーゼドメインVIAからXIと一致して
いる。本配列は、配列番号3のヌクレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性
を有するポリペプチドの配列である。 名称:QQ1249−BF04ポリペプチド 相当する読み枠の翻訳(5'−3'フレーム3)
【0042】
【化11】
【0043】 上記の配列は、真核プロテインキナーゼスーパーファミリーのサブドメインI
II−VIIIのコンセンサス配列と一致している。本配列は、配列番号4のヌ
クレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性を有するポリペプチドの配列であ
る。 名称:QQ3351−BF04ポリペプチド 相当する枠の翻訳(5'−3'フレーム1)
【0044】
【化12】
【0045】 上記の配列は、全長であると考えられている。しかし、配列決定されたクロー
ンには最初のメチオニンが存在していなかったが、続いてPCRにより付加され
た。したがって、天然配列は、Leu−2からVal−505を含む可能性があ
る。本配列は、配列番号5のヌクレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性を
有するポリペプチドの配列である。 名称:SS1771 相当する枠の翻訳(3'−5'フレーム3)
【0046】
【化13】
【0047】 本配列は、配列番号6のヌクレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性を有
するポリペプチドの配列である。本配列もまた、Pro−2からGlu−499
を含む可能性がある。 名称:SS1771A 相当する枠の翻訳(5'−3'フレーム3)
【0048】
【化14】
【0049】 本配列は、配列番号1のヌクレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性を有
するポリペプチドの配列である。
【0050】 本発明はまた、本発明の核酸およびポリペプチドの一部切除型も含む。好まし
い態様において、本発明は以下のように、QQ3351−BF04の一部切除型
を含む: ヌクレオチド配列:
【0051】
【化15】
【0052】 相当する枠の翻訳(5'3'フレーム1):
【0053】
【化16】
【0054】 本配列は、配列番号13のヌクレオチド配列にコードされる、キナーゼ活性を
有するポリペプチドの配列である。
【0055】 本配列のポリペプチドは、細胞および組織発現を性質決定し、発生またはホル
モン反応におけるそれらの役割を理解し、そして制御分子および生理学的に関係
があるタンパク質基質を同定するのに有用である。
【0056】 本明細書において、「本発明のポリペプチド」という用語は、さらに、配列番
号7、8、9、10、11、12、14、または16のアミノ酸配列を有するタ
ンパク質と共に、こうしたアミノ酸配列と高い度合いの類似性(少なくとも90
%相同性)を有し、そして生物学的に活性があるタンパク質を含むポリペプチド
の種類を指す。さらに、本発明のポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5
、6、13または15のヌクレオチドの遺伝子産物を指す。
【0057】 単離されそして精製されている本発明のポリペプチドは、糖鎖付加なしに、お
よそ6883(HH0900−BF04);8168(HH2040−BF04
);39,284(JJ503−KS);16,718(QQ1249−BF0
4);58,001(QQ3351−BF04);57,381(SS1771
);および67,331(SS1771A)ダルトンの分子量を有する。これら
のポリペプチドの分子量は、本発明のポリペプチドのアミノおよびカルボキシル
末端両方にさらなるペプチド配列を融合させることにより、変化させることが可
能であることが理解される。本発明のポリペプチドのアミノおよびカルボキシル
末端でのさらなるペプチド配列の融合を用い、これらのポリペプチドの発現を亢
進させ、またはタンパク質の精製を援助してもよい。
【0058】 本発明のポリペプチドのアミノおよびカルボキシル末端でのさらなるペプチド
配列の融合は、酵素的または化学的処理により生成されるポリペプチドの断片化
ペプチドの、通常はすべてではないが、いくつかを改変するであろうと理解され
る。
【0059】 分子生物学の日常的なそして既知の技術を用い、本発明のポリペプチドに突然
変異を導入してもよいと理解される。突然変異は、特定の酵素によるタンパク質
分解的切断の部位または特定の化学的に導入される断片化法による切断部位を除
去するように設計してもよいこともさらに理解される。該部位の除去は、特定の
酵素または化学的方法を用いた断片化に際し、本発明のポリペプチドのペプチド
フィンガープリントを改変するであろうこともまた理解される。
【0060】 本明細書において、「単離されそして精製されている」という用語は、本発明
のポリペプチドまたは断片が、例えば、組換え宿主細胞培養の精製産物のように
、または非組換え供給源からの精製産物のように、本質的に他のタンパク質また
はポリペプチドとの会合がない(free of association)こ
とを意味する。本明細書において、「実質的に精製されている」という用語は、
本発明のポリペプチドまたは断片を含み、そして特異的な抗体を用いて除去する
ことが可能な既知のタンパク質の存在を除けば、本質的に他のタンパク質または
ポリペプチドとの会合がなく、そしてこの実質的に精製されている本発明のポリ
ペプチドまたはその断片を分子量マーカーとして用いることが可能である混合物
を指す。「精製されている」という用語は、どちらも本明細書に記載されている
ような、本発明のポリペプチドの「単離されそして精製されている」型または本
発明のポリペプチドの「実質的に精製されている」型のいずれかを指す。
【0061】 本明細書において、ポリペプチド「変異体」は、本発明の天然ポリペプチドに
実質的に相同であるが、1つまたはそれ以上の欠失、挿入または置換のため、本
発明の天然ポリペプチド(ヒト、ネズミまたは他の哺乳動物種)のものと異なる
アミノ酸配列を有する、ポリペプチドを意味する。変異体アミノ酸配列は、好ま
しくは、天然ポリペプチドアミノ酸配列に少なくとも80%同一であり、最も好
ましくは少なくとも90%同一である。パーセント同一性は、例えば、Deve
reuxら(Nucl. Acids Res. 12:387, 1984)
に記載され、そしてウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWG
CG)より入手可能なGAPコンピュータープログラム、バージョン6.0を用
い配列情報を比較することにより、決定してもよい。GAPプログラムは、Sm
ithおよびWaterman(Adv. Appl. Math 2:482
, 1981)に修正されているように、NeedlemanおよびWunsc
h(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)の整列法を利用
する。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメーターには:(1)ヌクレ
オチドに関する単一(unary)比較マトリックス(同一に対し1および非同
一に対し0の値を含む)、およびSchwartzおよびDayhoff, 監
修, Atlas of Protein Sequence and Str
ucture, National Biomedical Research
Foundation, pp. 353−358, 1979に記載される
ような、GribskovおよびBurgess, Nucl. Acids
Res. 14:6745, 1986の加重比較マトリックス;(2)各ギャ
ップに対する3.0のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対しさらに0.
10のペナルティ;および(3)末端ギャップに対するペナルティなし、が含ま
れる。
【0062】 変異体は保存的置換配列を含んでもよく、これは既定のアミノ酸残基が同様の
物理化学的特性を有する残基により置換されていることを意味する。保存的置換
の例には、1つの脂肪族残基を互いに、例えばIle、Val、Leu、または
Alaを互いに置換するもの、あるいはLysおよびArg;GluおよびAs
p;またはGln およびAsn間といった、1つの極性残基から別のものへの
置換が含まれる。他のこうした保存的置換、例えば、同様の疎水性特性を有する
領域全体の置換が周知である。天然発生変異体もまた、本発明に含まれる。こう
した変異体の例は、選択的mRNA事象、ポリペプチドのタンパク質分解的切断
、または異なる対立遺伝子からの転写/翻訳から生じるタンパク質である。タン
パク質分解に起因すると考えられる変異体には、例えば、本発明のポリペプチド
からの1つまたはそれ以上の末端アミノ酸(一般的に1−5末端アミノ酸)のタ
ンパク質分解的除去による、異なる種類の宿主細胞における、発現に際してのN
またはC末端の相違が含まれる。
【0063】 本発明のポリペプチドはまた、共有結合もしくは非共有結合している二量体ま
たは三量体などの、オリゴマーとして存在してもよい。オリゴマーは、異なるポ
リペプチド上のシステイン残基間に形成されるジスルフィド結合により連結され
ていてもよい。
【0064】 本発明の1つの態様において、ポリペプチド二量体は、本発明のポリペプチド
を抗体(例えばIgG1)のFc領域に、これらのポリペプチドの生物学的活性
に干渉しない方式で、融合させることにより、生成される。Fc領域は、好まし
くは、本発明の可溶性ポリペプチドのC末端に融合され、Fc融合またはFcポ
リペプチドを形成する。本明細書において、「Fc融合タンパク質」または「F
cポリペプチド」という用語は、天然または突然変異タンパク質(mutein
)型と共に、二量体化を促進するヒンジ領域を含む一部切除Fcポリペプチドを
含む。上述のFcポリペプチドを作成する典型的な方法は、どちらも本明細書に
援用される、米国特許第5,426,048号および第5,783,672号に
開示されている。
【0065】 好ましい態様において、膜貫通結合キナーゼ由来の細胞外ドメインを抗体のF
c部分に融合させ、可溶性Fcポリペプチドを産生する。これらの構築物は、キ
ナーゼ受容体に天然に結合するリガンドの結合部位として作用し、そしてしたが
って天然受容体へのリガンドの結合を阻害することが可能である。
【0066】 抗体由来ポリペプチドの多様な部分(Fcドメインを含む)に融合している異
種性ポリペプチドを含む融合タンパク質の一般的な調製は、例えば、本明細書に
援用される、Ashkenaziら(PNAS USA 88:10535,
1991)およびByrnら(Nature 344:677, 1990)に
記載されている。本発明のポリペプチド:Fc融合タンパク質をコードする遺伝
子融合体を適切な発現ベクターに挿入する。ポリペプチド:Fc融合タンパク質
を、抗体分子によく似た形で集合するのを可能にし、その結果、鎖間ジスルフィ
ド結合がFcポリペプチド間に形成され、二価の本発明のポリペプチドを生じる
。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖両方で作成されている場合、4つもの
ポリペプチド細胞外領域を含むポリペプチドオリゴマーを形成することが可能で
ある。あるいは、2つの可溶性ポリペプチドドメインをペプチドリンカーで連結
してもよい。
【0067】 本発明の1つの態様において、本発明のポリペプチドは、組換え発現により産
生される。1つの好ましい態様において、キナーゼ機能を有する組換えポリペプ
チドの発現は、キナーゼ機能を有するポリペプチドをコードする配列の、本発明
のポリペプチドの精製を援助する別のポリペプチドをコードする配列への融合を
利用し、達成してもよい。こうした融合の例は、キナーゼ機能を有するポリペプ
チドをコードする配列の、New England Biolabs, Inc
のpMAL−c2ベクターのmalE遺伝子の産物をコードする配列への融合で
ある。こうした融合により、融合タンパク質のアフィニティー精製と共に、精製
後の、本発明のポリペプチドからの融合タンパク質のマルトース結合タンパク質
部分の分離が可能になる。
【0068】 キナーゼ機能を有するポリペプチドをコードするDNAの、pMAL−c2ベ
クターへの挿入は、既知の分子生物学的技術を用い、多様な方法で達成すること
が可能である。挿入物の好ましい構築は、本発明のポリペプチドのカルボキシル
末端コドンに隣接している終止コドンを含む。さらに、挿入物の好ましい構築は
、pMAL−c2ベクターの因子Xa切断部位のカルボキシル末端への、本発明
のポリペプチドのアミノ末端の直接の融合を生じる。DNA断片は、テンプレー
トDNAとしての本発明のDNAおよび2つのオリゴヌクレオチドプライマーを
用いたPCRにより生成してもよい。オリゴヌクレオチドプライマーの使用は、
慣用手段により単離することが可能なDNAの平滑末端断片を生成する。本PC
R産物は、慣用手段を用い、pMAL−p2(制限エンドヌクレアーゼXmn
Iで消化されている)と共に連結してもよい。陽性クローンは慣用手段により同
定することが可能である。融合タンパク質の発現の誘導および精製は、製造者の
指示にしたがい行うことが可能である。本構築は、製造者の指示にしたがい、単
純なプロテアーゼ処理を利用し、融合しているマルトース結合タンパク質からの
本発明のポリペプチドの正確な分離を容易にする。この方式で、キナーゼ機能を
有する精製ポリペプチドを得ることが可能である。さらに、こうして構築された
ベクターは、既知の分子生物学的技術を用い、容易に修飾し、さらなる融合タン
パク質を生成することが可能である。もちろん、本発明のポリペプチドの発現お
よび精製には、多くの異なるベクターおよび技術を用いてもよく、そして本態様
はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0069】 本発明のポリペプチドは、化学的および酵素的手段によりペプチドへの断片化
にさらすことが可能である。化学的断片化には、特異的な切断がメチオニン残基
で起こるように、中性または酸性条件下で切断するための、臭化シアンの使用を
含む(E. Gross, Methods in Enz. 11:238−
255, 1967)。これはさらに、システイン残基を非反応種へ変換するカ
ルボキシメチル化段階などの、さらなる段階を含んでもよい。酵素的断片化には
、アスパラギンエンドペプチダーゼ、アルギニンエンドペプチダーゼ、アクロモ
バクタープロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌(Staphlococ
cus aureus)V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼAsp−N、
またはエンドプロテイナーゼLys−Cなどのプロテアーゼの、特定のアミノ酸
残基での切断を生じる慣用的な条件下での使用が含まれる。アスパラギンエンド
ペプチダーゼは、本発明のポリペプチド内に存在するアスパラギン残基のカルボ
キシル側を特異的に切断することが可能である。アルギニンエンドペプチダーゼ
は、これらのペプチド内に存在するアルギニン残基のカルボキシル側を特異的に
切断することが可能である。アクロモバクタープロテアーゼIは、該ポリペプチ
ド内に存在するリジン残基のカルボキシル側を特異的に切断することが可能であ
る(SakiyamaおよびNakat、米国特許第5,248,599号;T
. Masakiら, Biochim. Biophys. Acta 66
0:44−50, 1981;T. Masakiら, Biochim. B
iophys. Acta 660:51−55, 1981)。トリプシンは
、本発明のポリペプチド内に存在するアルギニンおよびリジン残基のカルボキシ
ル側を特異的に切断することが可能である。黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼは
、ポリペプチド内に存在するアスパラギン酸およびグルタミン酸残基のカルボキ
シル側を特異的に切断することが可能である(D. W. Cleveland
, J. Biol. Chem. 3:1102−1106, 1977)。
エンドプロテイナーゼAsp−Nは、ポリペプチド内に存在するアスパラギン残
基のアミノ側を特異的に切断することが可能である。エンドプロテイナーゼLy
s−Cは、本発明のポリペプチド内に存在するリジン残基のカルボキシル側を特
異的に切断することが可能である。他の酵素的および化学的処理を、同様に用い
、これらのポリペプチドを特定のペプチド分子量マーカーの特有の組に断片化し
てもよい。
【0070】 得られる断片化ペプチドを、沈降、電気泳動、クロマトグラフィー、および質
量分析を含む方法により、解析してもよい。本発明のポリペプチドから由来する
断片化ペプチドは、試料タンパク質の分子量測定を補助するためのこうした解析
技術を用い、分子量マーカーとして利用することが可能である。こうした分子量
測定は、試料タンパク質の同定を補助する。本発明の断片化ペプチド分子量マー
カーは、好ましくは、大きさが少なくとも10アミノ酸である。より好ましくは
、これらの断片化ペプチド分子量マーカーは、大きさが10および100アミノ
酸の間である。さらにより好ましいのは、大きさが10および50アミノ酸の間
の、そして特に大きさが10および35アミノ酸の間の断片化ペプチド分子量マ
ーカーである。最も好ましいのは、大きさが10および20アミノ酸の間の断片
化ペプチド分子量マーカーである。
【0071】 さらに、例えば断片化反応の時間または温度を変えることによる、本発明のポ
リペプチドの特定のペプチドへの進行する断片化の解析(D. W. Clev
elandら, J. Biol. Chem. 252:1102−1106
, 1977)を、試料タンパク質の切断の程度に対するコントロールとして用
いてもよい。例えば、同一の条件下での同量のポリペプチドおよび試料タンパク
質の切断は、断片化の度合いの直接的な比較を可能にする可能性がある。ポリペ
プチドの完全な断片化を生じる条件はまた、試料タンパク質の完全な断片化を生
じる可能性もある。
【0072】 さらに、本発明のポリペプチドおよび断片化ペプチドは特有の電荷特性を持ち
、そしてしたがって、等電点電気泳動などの技術を用い、試料タンパク質または
断片化ペプチドの等電点の測定を補助する特定のマーカーとして利用することが
可能である。等電点電気泳動の技術をさらに、分子量および電荷に基づきタンパ
ク質を同時に分離するための、ゲル電気泳動などの他の技術と組み合わせてもよ
い。こうした組み合わせの例は、二次元電気泳動のものである(T. D. B
rockおよびM. T. Madigan, Biology of Mic
roorganisms 76−77(Prentice Hall, 第6版
, 1991))。試料タンパク質または断片化ペプチドの等電点および分子量
両方の測定を補助するため、これらのポリペプチドおよびその断片化ペプチドを
、こうした解析におけるマーカーとして用いてもよい。
【0073】 試料タンパク質の見かけの分子量および等電点の測定を補助するキットを、本
発明のポリペプチドおよびペプチド断片から組み立ててもよい。キットはまた、
試料タンパク質の断片化の度合いを評価するのに利用できる。こうしたキットの
構成要素は、多様である可能性があるが、典型的にはポリペプチドおよび断片化
ペプチド分子量マーカーを含む。また、こうしたキットは、断片化に必要な部位
が除去されているポリペプチドを含んでもよい。さらに、該キットは、化学的ま
たは酵素的切断によるポリペプチドおよび試料タンパク質の特異的切断のための
試薬を含んでもよい。キットはさらに、本発明のポリペプチドまたはその断片に
対して向けられる抗体を含んでもよい。
【0074】 単離されそして精製されている本発明のポリペプチドは、糖鎖付加なしに、お
よそ6883(HH0900−BF04);8168(HH2040−BF04
);39,284(JJ503−KS);16,718(QQ1249−BF0
4);58,001(QQ3351−BF04);57,381(SS1771
);および67,331(SS1771A)ダルトンの分子量を有する。本発明
のポリペプチドは、試料タンパク質と共に、慣用的手段による変性ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(U. K. Laemmli, Nature 227:
680−685, 1970)により、ドデシル硫酸ナトリウムおよび6−20
%の間のアクリルアミド濃度を含むゲルの2つの別個のレーンで、分離すること
が可能である。ゲル上のタンパク質は、慣用的染色方法を用い、視覚化すること
が可能である。本発明のポリペプチド分子量マーカーを、試料タンパク質の見か
けの分子量の概算における分子量マーカーとして用いてもよい。配列番号7、8
、9、10、11、12、および16の特有のアミノ酸配列は、それぞれ、およ
そ6883;8168;39,284;16,718;58,001;57,3
81;または67,331ダルトンに対応する。したがって、ポリペプチド分子
量マーカーは、およそ6883;8168;39,284;16,718;58
,001; 57,381;または67,331ダルトンに近い見かけの分子量
を有する試料タンパク質の見かけの分子量の概算に対する分子量マーカーとして
、特によく利用できる。これらのポリペプチド分子量マーカーの使用は、688
3;8168;39,284;16,718;28,982;または 57,3
81ダルトンに近い見かけの分子量を有するタンパク質の見かけの分子量測定に
おける正確さを増加させることを可能にする。もちろん、本発明のポリペプチド
を用いた試料タンパク質の分子量測定には、多くの異なる技術を用いてもよく、
そして本態様はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0075】 本発明の別の好ましい態様は、ゲル電気泳動により試料タンパク質の見かけの
分子量を概算する分子量マーカーとしての、本発明のポリペプチドおよび断片化
ペプチドの使用である。これらの断片化ペプチドは、化学的断片化などの当業に
周知の方法により生成することも可能である。単離されそして精製されている本
発明のポリペプチドを、本発明のポリペプチド内のメチオニン残基のカルボキシ
ル側での特異的な加水分解によるポリペプチド分子量マーカーの断片化を生じる
慣用的条件下で、臭化シアンで処理してもよい(E. Gross, Meth
ods in Enz. 11:238−255, 1967)。本発明のポリ
ペプチドの特有のアミノ酸配列のため、臭化シアンでのポリペプチド分子量マー
カーの断片化は、断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を生成する。メチオ
ニン残基の分布は各ペプチドにおけるアミノ酸数を決定し、そして各ペプチドの
特有のアミノ酸組成は、その分子量を決定する。本発明のポリペプチド分子量マ
ーカーは、沈降、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、および質量分析を含む方
法により、解析してもよい。
【0076】 本発明の断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質と共に、慣用的手
段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、ドデシル硫酸ナトリウム
および10−20%の間のアクリルアミド濃度を含むゲルの2つの別個のレーン
で、分離することが可能である。ゲル上のタンパク質は、慣用的染色方法を用い
、視覚化することが可能である。本発明の断片化ペプチド分子量マーカーを、試
料タンパク質の見かけの分子量の概算における分子量マーカーとして用いてもよ
い。各マーカーの特有のアミノ酸配列が分子量を指定する。したがって、断片化
ペプチド分子量マーカーは、同様の見かけの分子量を有する試料タンパク質の見
かけの分子量の概算に対する分子量マーカーとして、特によく利用できる。その
結果、これらの断片化ペプチド分子量マーカーの使用は、タンパク質の見かけの
分子量測定における正確さを増加させることを可能にする。
【0077】 膜上のポリペプチドは、試料タンパク質および分子量マーカーの間の区別を可
能にする、2つの異なる方法を用い、視覚化することが可能である。本発明のポ
リペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーは、これらのマーカーに対して
生成された抗体および慣用的イムノブロッティング技術を用い、視覚化すること
が可能である。この検出は、試料タンパク質の検出を生じない慣用的条件下で行
われる。小さいペプチドは免疫原性エピトープを含まない可能性があるため、本
発明のすべてのポリペプチド断片に対し抗体を生成することは可能ではない可能
性があることが理解される。さらに、本アッセイにおいて、すべての抗体が働く
わけではないが;本発明のポリペプチドおよび断片に結合することが可能な抗体
は、慣用的技術を用い、容易に決定することが可能であることが理解される。
【0078】 試料タンパク質は、慣用的染色方法を用い、視覚化される。試料タンパク質の
、本発明のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーに対するモル過剰
は、慣用的染色方法が試料タンパク質を主に検出するようなものである。これら
のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーのレベルは、慣用的染色方
法により、これらのマーカーがほとんどまたはまったく検出されないことを可能
にするようなものである。試料タンパク質の、本発明のポリペプチド分子量マー
カーに対する、好ましいモル過剰は、2および100,000倍の間である。よ
り好ましくは、試料タンパク質の、これらのポリペプチド分子量マーカーに対す
る、好ましいモル過剰は、10および10,000倍の間であり、そして特に1
00および1,000倍の間である。
【0079】 本発明のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーを、試料タンパク
質の見かけの分子量および等電点の概算における分子量および等電点マーカーと
して用いてもよい。これらのポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカー
は、本発明のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーのものと近い見
かけの分子量および等電点を有する試料タンパク質の見かけの分子量および等電
点の概算に対する分子量および等電点マーカーとして、特によく利用できる。こ
れらのポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーおよび試料タンパク質
を、同一の条件下で同時に分離する能力は、試料タンパク質の見かけの分子量お
よび等電点測定における正確さを増加させることを可能にする。これは、方法の
性質がいかなるマーカーも試料タンパク質と同時に分離されることを指示する、
二次元電気泳動などの技術の特有の目的である。
【0080】 別の態様において、本発明のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカ
ーを、切断剤での試料タンパク質の処理により得られる断片化ペプチドの見かけ
の分子量および等電点の概算における分子量および等電点マーカーとして用いて
もよい。もちろん、これらのポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断
片を用いた試料タンパク質およびその断片化ペプチドの分子量および等電点測定
には、多くの技術を用いてもよく、そして本態様はいかなる点でも本発明の範囲
を限定しないことが理解される。
【0081】 本発明に含まれるポリペプチド分子量マーカーは、それらが発現される宿主細
胞に依存し、多様な分子量を有する可能性がある。多様な細胞種における本発明
のポリペプチド分子量マーカーおよびペプチド断片の糖鎖付加は、修飾の程度に
依存し、これらのマーカーの分子量の変動を生じる可能性がある。これらのポリ
ペプチド分子量マーカーの大きさは、該ポリペプチドの細胞外部分に由来するポ
リペプチド断片で最も雑多である可能性がある。一貫した分子量マーカーは、完
全に膜貫通および細胞質領域から由来するポリペプチドを用いる、N−グリカナ
ーゼで前処理し糖鎖付加を除く、または細菌宿主でポリペプチドを発現させるこ
とにより、得ることが可能である。
【0082】 上述のように、本発明は、単離されそして精製されている、組換えおよび非組
換え両方のポリペプチドを提供する。天然ポリペプチドの変異体および誘導体は
、天然ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の突然変異により得ることが
可能である。天然アミノ酸配列の改変は、多くの慣用法のいずれにより達成して
もよい。突然変異は、天然配列の断片への連結を可能にする制限部位が隣接して
いる突然変異配列を含む、オリゴヌクレオチドを合成することにより、特定の遺
伝子座に導入してもよい。連結後、生じた再構築配列は、望ましいアミノ酸挿入
、置換、または欠失を有する類似体(analog)をコードする。
【0083】 あるいは、オリゴヌクレオチド指定部位特異的突然変異誘発法を使用し、あら
かじめ決定されたコドンが置換、欠失または挿入により改変されている可能性が
ある、改変遺伝子を提供してもよい。上述の改変を作成する典型的な例は、すべ
て本明細書に援用される、Walderら(Gene 42:133,1986
);Bauerら(Gene 37:73, 1985);Craik(Bio
Techniques, January 1985, 12−19);Smi
thら(Genetic Engineering: Principles
and Methods, Plenum Press, 1981);Kun
kel(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:48
8, 1985);Kunkelら(Methods in Enzymol.
154:367, 1987);並びに米国特許第4,518,584号およ
び第4,737,462号に開示されている。
【0084】 本発明のポリペプチドを修飾し、他の化学部分、例えばグリコシル基、ポリエ
チレングリコール(PEG)基、脂質、リン酸、アセチル基およびそれらに匹敵
するものと共有または凝集結合体を形成することにより、ポリペプチド誘導体を
生成してもよい。本発明のポリペプチドの共有誘導体は、ポリペプチドアミノ酸
側鎖上の、あるいは本発明のポリペプチドのN末端またはC末端、またはその細
胞外ドメインの、官能基上に、化学部分を連結することにより、調製してもよい
。本発明の範囲内の他のポリペプチド誘導体には、N末端またはC末端融合体と
しての組換え培養中の合成によるなど、これらのポリペプチドまたはペプチド断
片と他のタンパク質またはポリペプチドとの共有または凝集結合体が含まれる。
例えば、結合体は、本発明のポリペプチドのN末端にシグナルまたはリーダーポ
リペプチド配列(例えばサッカロミセス属(Saccharomyces)のα
−因子リーダー)を含んでもよい。シグナルまたはリーダーペプチドは、翻訳と
同時にまたは翻訳後に、合成部位から細胞膜または細胞壁の内部または外部の部
位への、結合体の運搬を指示する。
【0085】 ポリペプチド結合体は、本発明のポリペプチドの精製および同定を容易にする
ため添加されるペプチドを含んでもよい。こうしたペプチドには、例えば、ポリ
Hisまたは米国特許第5,011,912号およびHoppら, Bio/T
echnology 6:1204, 1988に記載される抗原性同定ペプチ
ドが含まれる。
【0086】 本発明はさらに、結合する天然パターン糖鎖付加を含むまたは含まない本発明
のポリペプチドを含む。酵母または哺乳動物発現系(例えばCOS−1またはC
OS−7細胞)で発現されたポリペプチドは、発現系の選択に依存し、分子量お
よび糖鎖付加パターンにおいて、天然ポリペプチドと同様である可能性も、また
は有意に異なる可能性もある。細菌発現系、例えば大腸菌(E. coli)で
の本発明のポリペプチドの発現は、非糖鎖付加分子を提供する。グリコシル基は
、慣用法を通じ、特にグリコペプチダーゼを利用するもので、除去することが可
能である。一般的に、本発明の糖鎖付加されているポリペプチドをモル過剰のグ
リコペプチダーゼ(Boehringer Mannheim)とインキュベー
ションしてもよい。
【0087】 それに相応して、アミノ酸残基あるいは配列の様々な付加または置換、または
、末端残基あるいは内部残基あるいは配列の欠損、をコードする均等のDNA構
築物も、本発明に包含される。例えば、ポリペプチド細胞外ドメイン内のN−グ
ルコシル化部位を修飾してグルコシル化を妨ぎ、哺乳動物および酵母発現系内で
の炭水化物類似体の発現を減少させることもできる。真核生物ポリペプチド内の
N−グリコシル化部位は、アミノ酸トリプレットAsn−X−Yを特徴とし、式
中、XはProを除く任意のアミノ酸であり、YはSerまたはThrである。
これらのトリプレットをコードするヌクレオチド配列への適当な置換、付加また
は欠失は、結果としてAsn側鎖への炭水化物残基の付着を防ぐであろう。単一
のヌクレオチドの変換は、結果としてAsnを異なるアミノ酸によって置換する
ことが選択されるが、例えば、N−グリコシル化部位の不活性化に充分である。
タンパク質内のN−グリコシル化部位を不活性化する既知の方法には、合衆国特
許第5,071,972号およびEP276,846に記載された方法が含まれ
、ここに参照として採用する。
【0088】 もう一つの例としては、生物活性に必須でないCys残基をコードする配列を
変換すると、Cys残基は欠失するか、またはその他のアミノ酸で置換され、復
元時の不適正な分子内ジスルフィド架橋の形成を防ぐことができる。その他の均
等物は、KEX2プロテアーゼ活性を示す酵母システム内での発現を強化するた
めに、隣接する二塩基性アミノ酸残基を修飾することによって調製される。EP
212.914は、タンパク質内のKEX2プロテアーゼプロセシング部位を不
活性化する、部位特異的変異誘発を用いることについて開示している。KEX2
プロテアーゼプロセシング部位は、残基を欠失、付加または置換させて、Arg
−Arg、Arg−Lys、およびLys−Arg対合を変化させ、このような
隣接する塩基性残基の発生を排除することによって、不活性化される。Lys−
Lys対合は、KEX2切断をかなり受けにくく、Arg−LysまたはLys
−ArgのLys−Lysへの変換は、KEX2部位の不活性化に保守的で好ま
しい方法を示している。
【0089】 さらに、本発明は、配列番号1、2、3、4、5、6、13または15から誘
導された、単離されたフラグメントおよびオリゴヌクレオチドを包含する。本発
明の範囲内の核酸配列は、中程度または厳しいストリンジェンシーの条件下で本
発明に開示された天然ヌクレオチド配列とハイブリダイズし、そして本発明のポ
リペプチドまたはそのフラグメントをコードする、単離されたDNAおよびRN
A配列を含む。また、これらの単離されたDNAおよびRNA配列は、キナーゼ
活性を持つポリペプチドをコードする全長のDNAまたhRNA分子を含む。こ
こに用いられているように、中程度のストリンジェンシーの条件は、当業者らに
既知のように、そしてSambrookら、Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual、第2版、第1巻、101−10
4頁、Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss,1989で明らかにされているように、ニトロセルロースフィルター用前
洗浄溶液、5xSSC、0.5%SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)
;ハイブリダイゼーション条件、50%ホルムアミド、6xSSC、42℃(ま
たはStark’s溶液のようなその他の類似のハイブリダイゼーション溶液、
50%ホルムアミド内、42℃);および洗浄条件、約60℃、0.5xSSC
、0.1%SDS:の使用を含む。高いストリンジェンシー条件は、上記のよう
なハイブリダイゼーション条件、68℃、0.2xSSC、0.1%SDSでの
洗浄と定義される。当業者らは、温度および洗浄溶液塩濃度を、プローブの長さ
と言ったような因子に従って必要に応じて調整できることを、認識しているであ
ろう。
【0090】 一つ以上のコドンが同一アミノ酸をコードできると言う遺伝子コードの縮重が
知られていることから、DNA配列を配列番号1、2、3、4、5、6、13ま
たは15で示された配列から変化させても、なお、配列番号7、8、9、10、
11、12、14または16のアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードするこ
とができる。そのような変異体DNA配列は、(例えばPCR増幅間に起こる)
サイレント変異から生じるか、または天然配列の故意の変異誘発生成物である可
能性がある。
【0091】 従って、本発明は、(a)天然の哺乳動物遺伝子のコード領域から誘導された
DNA;(b)配列番号1、2、3、4、5、6、13または15のヌクレオチ
ド配列を含むcDNA;(c)配列番号7、8、9、10、11、12、14ま
たは16のポリペプチドをコードするDNA;(d)中程度のストリンジェンシ
ー条件下で(a)のDNAとハイブリダイゼーションする能力を持つDNA;お
よび(e)結果として(a)(b)(c)または(d)に定義したDNAに対す
る遺伝子コードの縮重であり、本発明のポリペプチドをコードする、DNA:か
ら選択された本発明のポリペプチドをコードする、単離されたDNA配列均等物
を提供する。もちろん、そのようなDNA配列均等物によってコードされるポリ
ペプチドも、本発明に包含される。
【0092】 配列番号1、2、3、4、5、6、13または15のDNA配列と均等なDN
Aは、配列番号7、8、9、10、11、12、14または16のアミノ酸配列
を含むポリペプチドをコードする天然の二本鎖DNA配列と、中程度のストリン
ジェント条件下で、ハイブリダイズするであろう。そのようなDNAによってコ
ードされるポリペプチドの例としては、制限するつもりはないが、上記のような
不活性化されたN−グリコシル化部位、不活性化されたプロテアーゼプロセシン
グ部位または保守的なアミノ酸置換を含む、ポリペプチドフラグメントおよびポ
リペプチドが含まれる。その他の哺乳動物種から誘導されたDNAによってコー
ドされるポリペプチドもまた包含され、そのような哺乳動物種内で、前記DNA
は、配列番号1、2、3、4、5、6、13または15のDNAの補体とハイブ
リダイズするであろう。
【0093】 本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターは、周
知の方法を用いて調製することができる。発現ベクターは、哺乳動物、微生物、
ウイルスまたは昆虫遺伝子から誘導されたヌクレオチド配列のような、適当な転
写または翻訳調節ヌクレオチド配列に機能し得るように連結された本発明のDN
A配列を含む。調節配列の例としては、転写プロモーター、オペレーター、また
はエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、および転写および翻訳の開始お
よび終止を制御する適当な配列、が含まれる。調節配列が本発明のDNA配列と
機能的に関係している場合、ヌクレオチド配列は「機能し得るように連結」して
いる。従って、プロモーターヌクレオチオ配列が本発明のDNA配列の転写を制
御しているならば、プロモーターヌクレオチド配列は、DNA配列と機能し得る
ように連結している。さらに、通常は複製開始点によって授けられる望ましい宿
主細胞内で複製する能力、およびトランスフォーマントを同定するための選択遺
伝子を、発現ベクター内に取り入れることができる。
【0094】 さらに、本発明のポリペプチドと天然では関連しない適当なシグナルペプチド
をコードする配列を、発現ベクター内に取り入れることができる。例えば、シグ
ナルペプチド(分泌リーダー)用DNA配列を本発明のヌクレオチド配列にイン
フレームで融合させると、その結果、ポリペプチドは、最初シグナルペプチドを
含む融合タンパク質として翻訳される。予定の宿主細胞内で機能するシグナルペ
プチドは、ポリペプチドの細胞外分泌を強化する。シグナルペプチドは、ポリペ
プチドが細胞から分泌されるときに、ポリペプチドから切断される。
【0095】 本発明のポリペプチドの発現に適当な宿主には、原核生物、酵母またはより高
等な真核生物の細胞が含まれる。細菌、真菌、酵母および哺乳動物細胞宿主で用
いられる適当なクローニングベクターおよび発現ベクターは、例えば、Pouw
elsら、Cloning Vectors:A Laboratory Ma
nual、Elsevier,New York、1985に、記載されている
。また、本発明に開示されたDNA構築物から誘導されたRNAsを用いて、本
発明のポリペプチドを生成させるために、無細胞翻訳系を用いることもできる。
【0096】 原核生物には、グラム(−)またはグラム(+)生物、例えば、大腸菌または
バシラスが含まれる。トランスフォーメーション用の適当な真核生物宿主細胞に
は、例えば、大腸菌、枯草菌、ネズミチフス菌、ならびにシュードモナス属、ス
トレプトマイセス属およびスタフィロコッカス属のその他の様々な種が含まれる
。大腸菌のような、原核生物宿主細胞内では、本発明のポリペプチドは、原核生
物宿主細胞内での組み換えポリペプチドの発現を容易にするため、N−末端にメ
チオニン残基を含むことができる。N末端Metは、発現した組換えポリペプチ
ドから切断することができる。
【0097】 原核生物宿主細胞で用いられる発現ベクターは、一般的に、一つ以上の選択可
能な表現型マーカー遺伝子を含む。選択可能な表現型マーカー遺伝子とは、例え
ば、抗生物質耐性を授けるか、または独立栄養要求を供給する、タンパク質をコ
ードする遺伝子である。原核生物宿主細胞のための有用な発現ベクターの例とし
ては、クローニングベクターpBR322(ATCC37017)の様な市販プ
ラスミドから誘導されたそれらが含まれる。pBR322は、アンピシリン耐性
およびテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、そうすることによって、形質転換さ
れた細胞を同定するための単純な手段が提供される。pBR322を用いて発現
ベクターを構築するために、適当なプロモーターおよび本発明のDNA配列をp
PBR322ベクター内に挿入する。その他の市販ベクターには、例えば、pK
K223−3(Pharmacia Fine Chemicals,Upps
ala,Sweden)およびpGEM1(Promega Biotec,M
adison,WI,USA)が含まれる。その他の市販ベクターには、タンパ
ク質発現用に具体的に設計されたベクター類が含まれ;これらには、マルトース
結合タンパク質と融合させたタンパク質の発現用に用いられる、pMAL−p2
およびpMAL−c2が含まれる(New England Biolabs,
Beverly,MA,USA)。
【0098】 原核生物組換え宿主細胞発現ベクターに共通に用いられているプロモーター配
列には、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(C
hangら、Nature、275,615、1978;および、Goedde
lら、Nature,281,544、1979)、トリプトファン(trp)
プロモーター系(Goeddelら、Nucl.Acids Res.,8,4
057、1980;および、EP−A−36776)、およびtacプロモータ
ー(Maniatis,Molecular Cloning,A Labor
atory Manual,Cold Spring Harbor Labo
ratory,412,1982)が含まれる。特に有用な原核生物宿主細胞発
現系は、ファージλPL プロモーターおよびcI857ts熱不安定レプレッ
サー配列を用いる。λPL プロモーター誘導体を含む、American T
ype Culture Collectionから入手可能なプラスミドベク
ターには、プラスミドpHUB2[大腸菌JMB9株(ATCC37092)内
に常在]およびpPLc28[大腸菌RR1(ATCC53082)内に常在]
が含まれる。
【0099】 本発明のDNAは、通常の細胞発現ベクターの複数のクローニング部位内にイ
ンフレームでクローン化することができる。誘導原(inducer)を付加す
ると、研究者らが選択した時点で非常に高レベルの組換えタンパク質の生成を導
くので、理想的には、ベクターはクローニング部位の上流に誘導プロモーターを
含む。いくつかのタンパク質では、発現レベルは、プロモーターと興味ある遺伝
子の間に(ヘキサヒスチジンのような)融合パートナーをコードするコドンを取
り入れることによって、上昇させることができる。得られた「発現プラスミド」
は、大腸菌のような様々な原核生物宿主内で増殖させることができる。
【0100】 組換えタンパク質を発現させるために、細菌細胞を、あらかじめ決めておいた
光学密度に到達するまで、増殖培地内で増殖させる。次いで、組換えタンパク質
の発現を、例えば、IPTG(イソプロピル−b−D−チオガラクトピラノシド
)を付加して、lacオペレーター/プロモーターを含むプラスミドからのタン
パク質の発現を活性化することによって、誘導する。誘導(典型的には1−4時
間)後、例えば、5,000xG、4℃で20分間遠心分離して、細胞をペレッ
ト状にすることによって収集する。
【0101】 発現タンパク質を回収するために、ペレット状細胞を、10倍容量の50mM
Tris−HCl(pH8)/1M NaCl内に再縣濁し、次に、フレンチ
プレスを2または3回通す。最も高発現した組換えタンパク質は、封入体として
知られている様な不溶性凝集体を形成する。封入体は、5,000xG、4℃で
20分間遠心分離してペレット状にすることによって、可溶性タンパク質から分
離生成することができる。封入体ペレットを、50mM Tris−HCl(p
H8)/1% Triton X−100で洗浄し、次に、50mM Tris
−Hcl(pH8)/8M尿素/0.1M DTT内に溶解する。溶解できない
任意の物質は、遠心分離(10,000xG、20℃で20分)によって除去さ
れる。興味あるタンパク質は、ほとんどの場合、得られた透明上清内に最も豊富
に含まれるタンパク質であろう。このタンパク質は、50mM Tris−HC
l(pH8)/5mM CaCl2/5mM Zn(OAc)2/1mM GSS
G/0.1mM GSHで透析することによって、活性なコンフォメーションに
「リホールディング」される。リホールディング後、イオン交換またはゲルろ過
のような様々なクロマトグラフィー法によって、精製を行うことができる。いく
つかのプロトコールでは、リホールディングの前に、最初の精製を行うこともで
きる。例として、ヘキサヒスチジンでタグ付けした融合タンパク質を、固定化ニ
ッケル上で部分精製することができる。
【0102】 前記の精製法およびリホールディング法は、タンパク質が封入体から最も良く
回収されると仮定しているが、タンパク質精製の熟練者らは、数多くの組換えタ
ンパク質が細胞溶解物の可溶性フラクションから最も良く精製されることを、認
識しているであろう。これらの場合、リホールディングは必要ではない場合もあ
り、標準的クロマトグラフィー法による精製を直接行うこともできる。
【0103】 代わりに、本発明のポリペプチドを、好ましくはサッカロミセス属(例えば、
S.cerevisiae)からの酵母宿主細胞内で、発現させることもできる
。Pichia、K.lactis、またはKluyveromycesのよう
なその他の属の酵母もまた用いることができる。酵母ベクターは、時には、2μ
酵母プラスミドからの複製開始配列、自己複製配列(ARS)(autonom
ously replicating sequence) 、プロモーター領
域、ポリアデニル化配列、転写終止配列、および選択可能マーカー遺伝子を含む
であろう。酵母ベクター用の適当なプロモーター配列には、その他にもいろいろ
あるが、メタロチオネイン用プロモーター、3−ホスホグリセレートキナーゼ(
Hitzemanら、J.Biol.Chem.,255,2073、1980
)、またはエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘ
キソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グル
コース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルベー
トキナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、
およびグルコキナーゼのような、その他の解糖系酵素(Hessら、J.Adv
.Enzyme Reg.,7,149、1968;および、Hollandら
、Biochem.,17,4900、1978)を含む。酵母内での発現に用
いられるさらなるその他の適当なベクターおよびプロモーターは、Hitzem
an,EPA−73,657;またはFleerら、Gene,107,285
−195、1991;および、van den Bergら、Bio/Tech
nology.,8,135−139、1990に記載されている。もう一つの
代替物は、Russellら、J.Biol.Chem.,258,2674、
1982およびBeierら、Nature、300,724、1982に記載
のグルコース−抑制性ADH2プロモーターである。酵母および大腸菌の両方で
複製可能なシャトルベクターは、大腸菌内での選択および複製用のpBR322
からのDNA配列(Ampr 遺伝子および複製開始点)を上記の酵母ベクター
内に挿入することによって、構築される。
【0104】 酵母α−因子リーダー配列を用いると、本発明のポリペプチドの分泌を指揮す
ることができる。α−因子リーダー配列を、プロモーター配列と構造遺伝子配列
の間に挿入する場合もある。例えば、Kurjanら、Cell,30,933
、1982;Bitterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
,81,5330、1984;合衆国特許第4,546,082号;および、E
P324,274を参照のこと。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌の促
進に適当なその他のリーダー配列は、当業者らに既知である。リーダー配列は、
その3’末端近くを修飾して、一つ以上の制限部位を含むようにすることができ
る。このことにより、構造遺伝子へのリーダー配列の融合が促進されるであろう
【0105】 酵母の形質転換プロトコールは、当業者らに既知である。そのようなプロトコ
ールの一つは、Hinnenら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,75,1929、1978に記載されている。Hinnenらのプロトコー
ルでは、0.67%酵母窒素源、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10μ
g/mlアデニン、および20μg/mlウラシルからなる選択培地内で、Tr
+形質転換株を選択する。
【0106】 ADH2プロモーター配列を含むベクターによって形質転換された酵母宿主細
胞は、「富(rich)」培地内で発現を誘導するように増殖させることができ
る。富培地の例としては、80μg/mlアデニンおよび80μg/mlウラシ
ルを補充した1%酵母抽出物、2%ペプトンおよび1%グルコースからなる培地
である。ADH2プロモーターの抑制解除は、グルコースを培地から排除した場
合に起こる。
【0107】 また、哺乳動物または昆虫の宿主細胞培養系を用いて、本発明の組換えポリペ
プチドを発現することもできた。昆虫細胞内で異種タンパク質を生成するための
バキュロウイルス系は、LuckowおよびSummers、Bio/Tech
nology,6,47、1988で再吟味されている。また、哺乳動物起源の
確立された細胞系を用いることもできる。適当な哺乳動物宿主細胞系の例として
は、サル腎臓細胞のCOS−7系(ATCC CRL1651)(Gluzma
nら、Cell,23,175、1981)、L細胞、C127細胞、3T3細
胞(ATCC CCL163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、
HeLa細胞、およびBHK(ATCC CRL10)細胞系、および、Mcm
ahanら、EMBO J.,10,2821,1991に記載されているよう
なアフリカミドリザル腎臓細胞系CVI(ATCC CCL70)から誘導され
たCV−1/EBNA−1細胞系(ATCC CRL10478)が含まれる。
【0108】 哺乳動物細胞内にDNAを導入する確立された方法は、Kaufman,R.
J.,Large Scale Mammalian Cell Cultur
e,1990、15−69頁に記載されている。Lipofectamine(
Gibco/BRL)またはLipofectamine−Plusの様な市販
の試薬を用いたさらなるプロトコールをトランスフェクト細胞に用いることもで
きる(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,8
4,7413−7417、1987)。さらに、Sambrookら、Mole
cular Cloning,A Laboratory Manual、第二
版、第1巻−第3巻、Cold Spring Harbor Laborat
ory Press、1989に記載されたそれらのような慣用の方法を用いて
、哺乳動物細胞をトランスフェクトするために、エレクトロポレーションを用い
ることもできる。安定な形質転換株の選択は、例えば、細胞毒薬剤に対する耐性
のような、この技術分野で既知の方法を用いて成し遂げることができる。Kau
fmanら、Meth.in Enzymology,185,487−511
、1990は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)(dihidrofol
ate reductase)耐性のような、いくつかの選択スキームについて
記載している。DHFR選択に適当な宿主株は、DHFRの欠乏しているCHO
株DX−B11であることができる(UrlaubおよびChasin、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,77,4216−4220、198
0)。DHFR cDNAを発現するプラスミドを、DX−B11株内に導入す
ることができ、そして、プラスミドを含む一つの細胞のみを、適当な選択培地内
で増殖させることができる。発現ベクター内に取り込まれることのできる選択可
能マーカーのその他の例としては、G418およびヒグロマイシンBの様な抗生
物質への耐性を授けるcDNAsが含まれる。ベクターを持つ細胞を、これら化
合物への耐性を基にして選択することができる。
【0109】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターの転写および翻訳調節配列を、ウイルスゲノム
から切り出すことができる。共通に用いられるプロモーター配列およびエンハン
サー配列を、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サルウイルス40(SV
40)、およびヒトシトメガロウイルスから誘導する。SV40ウイルスゲノム
から誘導されたDNA配列、例えばSV40オリジン、初期および終期プロモー
ター、エンハンサー、スプライスならびにポリアデニル化部位を用いて、哺乳動
物宿主細胞内で構造遺伝子配列を発現させるためのその他の遺伝子エレメントを
提供することができる。ウイルスの初期および終期プロモーターは、それらの両
方がウイルスゲノムからフラグメントとして得られ易く、さらにそれらはウイル
スの複製開始点をも含む(Fiersら、Nature,273,113,19
78;Kaufman,Meth.in Enzumology,1990)こ
とができるため、特に有用である。SV40ウイルス複製開始点部位内に位置す
るHindIII部位からBglI部位に向かって延びるおおよそ250bpの
配列が含まれる限りにおいて、より小さいかまたはより大きいSV40フラグメ
ントも用いることもできる。
【0110】 哺乳動物発現ベクターからの異種遺伝子の発現を改良するために示されたさら
なる調節配列には、CHO細胞から誘導された発現増強配列エレメント(EAS
E)(the expression augmenting sequenc
e element)(Morrisら、Animal Cell Techo
logy、1997、529−534)ならびにアデノウイルス2からの3分節
系リーダー(TPL)(the tripartite leader) およ
びVA遺伝子RNAs(Gingerasら、J.Biol.Chem.,25
7,13475−13491、1982)の様なエレメントが含まれる。ウイル
ス起源の内部リボソームエントリー部位(IRES)(the interna
l ribosome entry site)配列は、ジシストロンmRNA
が効率よく翻訳されることを可能にする(OhおよびSarnow、Curre
nt Opinion in Genetics and Developme
nt,3,295−300、1993;Rameshら、Nucleic Ac
ids Research,24,2697−2700、1996)。ジシスト
ロンmRNAとそれに続く選択可能マーカー遺伝子(例えばDHFR)の一部分
としての異種cDNAの発現は、異種cDNAの宿主へのトランスフェクト能力
および発現を改良することを示した(Kaufman、Meth.in Enz
ymology,1990)。ジシストロンmRNAsを用いる模範的発現ベク
ターは、Mosserら、Biotechniques,22,150−161
、1997に記載のpTR−DC/GFP、およびMorrisら、Anima
l Cell Technology,1997、529−534頁に記載のp
2A51である。
【0111】 有用な高発現ベクターpCAVNOTは、Mosleyら、Cell,59,
335−348、1989に記載されている。哺乳動物宿主細胞内で用いられる
その他の発現ベクターは、OkayamaおよびBerg、Mol.Cell
Biol.,3,280、1983に開示の方法に従って、構築することが出来
る。C127ネズミ哺乳動物上皮細胞内での哺乳動物cDNAsの安定な高レベ
ル発現に有用なシステムは、実質上、Cosmanら、Mol.Immunol
.,23,935,1986に記載の方法に従って構築することができる。Co
smanら、Nature,312,768、1984に記載されている有用な
高発現ベクターPMLSV N1/N4は、ATCC39890として寄託され
ている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターは、EP−A−0367566お
よび合衆国特許出願番号07/701,415、1991年5月16日出願、に
記載されており、ここに参照として採用する。ベクターをレトロウイルスから誘
導することもできる。天然シグナル配列の正しい位置に、合衆国特許第4,96
5,195号に記載のIL−7のシグナル配列;Cosmanら、Nature
、312,768,1984に記載のIL−2レセプターのシグナル配列;EP
367,566に記載のIL−4シグナルペプチド;合衆国特許第4,968,
607号に記載のI型IL−1レセプターシグナルペプチド;およびEP460
,846に記載のII型IL−1レセプターシグナルペプチド:のような、異種
のシグナル配列を加えることもできる。その他の有用な発現ベクターpFLAG
を用いることも可能である。FLAG技術は、pFLAG−1TM発現ベクター(
1)(IBI Kodakから入手した)により発現した組換えタンパク質のN
−末端に、低分子量(1kD)親水性のFLAGマーカーペプチドを融合させる
中心となる。
【0112】 本発明に従って単離され精製されたポリペプチドは、上記のような組換え発現
系によって生成させるか、または天然発生細胞から精製することができる。実質
上、ポリペプチドは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PA
GE)による分析時に単一のタンパク質バンドによって示されるように、精製す
ることができる。
【0113】 本発明のポリペプチドを生成するための一つの方法は、ポリペプチドの発現を
促進するに充分な条件下で本発明のポリペプチドをコードするDNA配列を含む
発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養することを含む。次いで、用いら
れ発現系によって、ポリペプチドを培養基または細胞抽出物から回収する。当業
者らに既知なように、組換えタンパク質を精製する方法は、用いられた宿主細胞
の型および組み換えタンパク質が培養基内に分泌されるか否か、の様な因子に従
って、変化するであろう。例えば、組換えタンパク質を分泌する発現系が用いら
れた場合、最初に、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmiconまた
なMillipore Pellicon限外ろ過ユニットを用いて、培養基を
濃縮することができる。濃縮段階に次いで、濃縮物をゲルろ過媒体のような精製
用マトリックスに適用することができる。代わりの方法として、アニオン交換樹
脂、例えばジエチルアミノエチル(DEAE)ペンダント基を持つマトリックス
または基体を用いることもできる。マトリックスは、アクリルアミド、アガロー
ス、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製に共通に用いられるその
他の型、であることができる。あるいは、カチオン交換段階を用いることもでき
る。適当なカチオン交換体には、スルホプロピルまたはカルボキシメチル基を含
む様々な不溶性マトリックスが含まれる。スルホプロピル基が好ましい。最終的
には、疎水性RP−HPLC媒体(例えば、メチルまたはその他の脂肪族ペンダ
ント基を有するシリカゲル)を用いる一段階以上の逆層高圧液体クロマトグラフ
ィー(RP−HPLC)を用いて、さらに、ポリペプチドを精製することができ
る。様々に組み合わせた前述の精製段階のいくつかまたはすべては、良く知られ
ており、これを用いて単離され精製された組換えタンパク質を提供することがで
きる。
【0114】 本発明のポリペプチドに対して作成されたモノクローナル抗体のような本発明
のポリペプチド結合タンパク質を含むアフィニティーを、発現されたポリペプチ
ドのアフィニティー精製に用いることが可能である。これらのポリペプチドは、
慣用の技術、例えば高塩溶出バッファーを用いて、アフィニティーカラムから除
去し、次いで、使用されるより低い塩バッファー内で透析するか、またはpHを
変えることによって、あるいは使用するアフィニティーマトリックスに依存した
その他の成分により、除去することができる。
【0115】 本発明のこの態様では、本発明の抗−ポリペプチド抗体のようなポリペプチド
結合タンパク質を、カラムクロマトグラフィーマトリックス、またはその表面上
に本発明のポリペプチドを発現する細胞の同定、分離あるいは精製に適当な類似
物質のような固相、に結合することができる。固相接触表面への本発明のポリペ
プチド結合タンパク質の粘着は、任意の手段、例えば磁気ミクロ球をこれらのポ
リペプチド結合タンパク質でコートし、磁場を通してインキュベーションベッセ
ル内に保つ、ことによって達成することが出来る。細胞混合縣濁液を、その上に
そのようなポリペプチド結合タンパク質を持つ固相と接触させる。表面上に本発
明のポリペプチドを有する細胞は、固定化ポリペプチド結合タンパク質と結合さ
せ、その後、非結合細胞を洗浄除去する。このアフィニティー結合法は、溶液か
らのそのようなポリペプチド発現細胞の精製、スクリーニングおよび分離に有用
である。固相から選択された細胞を積極的に遊離させる方法は、この技術分野で
既知であり、例えば、酵素の使用が含まれる。好ましくは、そのような酵素は、
細胞に対して無毒性で無害であり、好ましくは、細胞表面結合パートナーの切断
に関係する。
【0116】 あるいは、最初に本発明のポリペプチド発現細胞を含むと予想される細胞混合
物を、本発明のビオチニル化ポリペプチド結合タンパク質と共にインキュベート
する。インキュベーション期間は、典型的には、本発明のポリペプチドへの充分
な結合を確保するための持続期間、少なくとも1時間である。その後、得られた
混合物を、アビジン−コードビーズでパックしたカラムを通過させ、それによっ
て、アビジンへのビオチンの高親和性が、ビーズへのポリペプチド結合細胞の結
合を提供する。アビジンコートビーズの使用はこの技術分野では既知である。B
erensonら、J.Cell Biochem.,10D:239、198
6を参照のこと。慣用の方法を用いて、非結合物質の洗浄および結合細胞の放出
を成し遂げることができる。
【0117】 上記の方法では、適当なポリペプチド結合タンパク質は、抗ポリペプチド抗体
、および本発明のポリペプチドと高アフィニティー結合する能力を持つその他の
タンパク質である。好ましいポリペプチド結合タンパク質は、ポリペプチドモノ
クローナル抗体である。
【0118】 通常、細菌培養で生成された組換えタンパク質は、最初に宿主細胞の崩壊、遠
心分離、不溶性ポリペプチドであれば細胞ペレットからの、あるいは可溶性ポリ
ペプチドであれば上清液体からの抽出、次いで、一段階以上の濃縮、脱塩、イオ
ン交換、アフィニティー精製またはサイズ排除クロマトグラフィーの段階によっ
て、単離される。最後に、RP−HPLCを、最終精製段階に用いることができ
る。微生物細胞は、凍結解凍循環、音波処理、機械破砕、または細胞溶解剤の使
用を含む、任意の慣用法によって、破壊することができる。
【0119】 好ましくは、精製を単純化するために、本発明のポリペプチドを分泌ポリペプ
チドとして発現させるために、形質転換された酵母宿主細胞を用いる。酵母宿主
細胞発酵からの分泌組換えポリペプチドを、Urdalら、J.Chromat
og.,296,171、1984に開示されたそれらに類似した方法を用いて
、精製することができる。Urdalらは、調製用HPLCカラム上でヒト組換
えIL−2を精製するために、逆層HPLCを順々に二段階行うことについて、
記載している。
【0120】 本発明のさらなるもう一つの実施態様では、(二本鎖を形成する)標的mRN
A配列と、または(トリプルヘリックスを形成する)DNA二本鎖ヘリックスと
結合する能力を持つ(RNAまたはDNAのいずれかの)一本鎖核酸配列を含む
、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを、本発明に従って、作成する
ことができる。本発明に従って、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチド
は、cDNAのコード領域のフラグメント(配列番号1、2、3、4、5、6、
13または15)を含む。そのようにフラグメントは、一般的に、少なくとも約
14のヌクレオチド、好ましくは約14から約30ヌクレオチドを含む。得られ
たタンパク質のcDNA配列を基に、アンチセンスまたはセンス−オリゴヌクレ
オチドを作り出す能力は、例えば、SteinおよびCohen、Cancer
Res.,48,2659、1988;および、van der Krolら
、BioTechniques,6,958、1988に記載されている。
【0121】 標的核酸配列へのアンチセンスまたはセンス−オリゴヌクレオチドの結合は、
結果として、二本鎖の分解の強化、転写または翻訳の成熟前終結を含むいくつか
の手段の一つによって、またはその他の手段によって、翻訳(RNA)または転
写(DNA)をブロックする複合体を形成する。このように、アンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いると、本発明のポリペプチドの発現をブロックすることが
できる。アンチセンスまたはセンス−オリゴヌクレオチドは、さらに、修飾され
た糖−ホスホジエステル骨格(またはWO91/06629に記載のそれらのよ
うなその他の糖結合)を持ち、その中でそのような糖結合は内因性ヌクレアーゼ
に耐性である、オリゴヌクレオチドを含む。耐性な糖結合を持つそのようなオリ
ゴヌクレオチドは、インビボで安定である(即ち、酵素分解に抵抗する能力を持
つ)が、標的ヌクレオチド配列に結合することの出来る配列特異性を保持してい
る。センスまたはアンチセンス−オリゴヌクレオチドのその他の例としては、W
O90/10448に記載のそれらのような有機部分、およびポリ−(L−リジ
ン)のような標的核酸配列についてオリゴヌクレオチドのアフィニティーを増加
させるその他の部分、と共有結合するそれらのオリゴヌクレオチドが含まれる。
さらになお、エリプチシンのような挿入剤およびアルキル化剤または金属複合体
を、センスまたはアンチセンス−オリゴヌクレオチドに付着させて、標的ヌクレ
オチド配列についてのアンチセンスまたはセンス−オリゴヌクレオチドの結合特
異性を修飾することが出来る。
【0122】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、例えばCaPO4 仲介D
NAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子トラン
スファー法によって、またはEpstein−Barrウイルスのような遺伝子
トランスファーベクターを用いることによって、標的核酸を含む細胞内に導入す
ることが出来る。好ましくは、アンチセンスまたはセンス−オリゴヌクレオチド
は、適当なレトロウイルスベクター内にアンチセンスまたはセンス−オリゴヌク
レオチドを挿入し、次に、インビボまたはエキソビボのいずれかで、挿入配列を
含むレトロウイルスベクターと細胞を接触させることによって、標的核酸を含む
細胞内に導入される。適当なレトロウイルスベクターには、限定するつもりはな
いが、ネズミのレトロウイルスM−MuLV、N2(M−MuLVから誘導され
たレトロウイルス)またはDCT5A、DCT5BおよびDCT5C(PCT出
願US90/02656を参照のこと)と名付けられたダブルコピーベクターが
含まれる。
【0123】 また、あるいは、W091/04753に記載の方法に従って、センスまたは
アンチセンス−オリゴヌクレオチドを、リガンド結合分子と複合体を形成するこ
とによって、標的ヌクレオチド配列を含む細胞内に導入することもできる。適当
なリガンド結合分子には、限定するつもりはないが、細胞表面レセプター、成長
因子、その他のサイトカインまたは細胞表面レセプターと結合するその他のリガ
ンド、が含まれる。好ましくは、リガンド結合分子の複合体は、実質上、関連分
子またはレセプターと結合するリガンド結合分子の能力を阻害せず、センスある
いはアンチセンス−オリゴヌクレオチドまたはその複合変異体の細胞内への導入
をブロックしない。
【0124】 さらなるもう一つの実施態様では、WO90/10448記載の方法に従って
、センスまたはアンチセンス−オリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチド脂質
複合体を形成することによって、標的核酸配列を含む細胞内に導入することが出
来る。好ましくは、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体
は、内因性リパーゼによって細胞内で解離する。
【0125】 本発明のもう一つの実施態様は、キナーゼの治療的用途に関する。キナーゼは
、細胞内シグナル導入に中心的役割を演ずる。それなりに、キナーゼの発現およ
び/または活性化の変化は、限定するつもりはないが、細胞特異的応答の活性化
または阻害、増殖およびプログラムされた細胞死(アポトーシス)を含む、多数
の細胞プロセスに深い影響を及ぼすことが出来る。クローン化キナーゼまたは触
媒として不活性なキナーゼ変異体の過剰発現を用いて、特定のキナーゼが特異的
シグナル化イベントで演じる役割を同定する。
【0126】 キナーゼが仲介する細胞のシグナル化には、活性化キナーゼが標的基質を特異
的にホスホリル化することによってリガンド−レセプター仲介シグナルを広げる
間、分子活性化カスケードが含まれる場合がある。このような基質はそれら自身
が、リン酸化されることによって活性化されるキナーゼである可能性がある。代
わりに、それらは、リン酸化されることによってタンパク質−タンパク質相互作
用を通して下流のシグナル化を促進するアダプター分子であることもできる。基
質分子の姿にかかわらず、本発明の発現した触媒的に活性な型の推定されるキナ
ーゼを用いると、どの基質が本発明のキナーゼによって認識されリン酸化される
かを同定することが出来る。これらのキナーゼはそれなりに、シグナル導入経路
に含まれる新規分子を同定する薬剤として用いることが出来る。
【0127】 特定のキナーゼの知識により、32Pで基質を酵素的に標識して同定を容易にす
ることができ、また、得られた放射能標識されたタンパク質またはタンパク質の
ある領域から誘導されたペプチドを、特異的ホスファターゼを同定し分離するた
めの基質プローブとして、用いることもできる。ホスファターゼは、選択された
リンタンパク質からリン酸を除去する機能を持つ酵素であり;それらは、キナー
ゼの逆の機能を演ずる。
【0128】 いくつかのシステムにおけるN−アセチルグルコサミン残基での特異的グリコ
シル化は、キナーゼに対する生物学的逆平衡として説明されている。即ち、グリ
コシダーゼは、同一のセリンまたはスレオニン残基についてキナーゼと競合し、
共有結合により修飾されると考えられる。それ故、キナーゼを用いて、キナーゼ
とホスファターゼの間、およびキナーゼとグリコシダーゼの間の動的相互関係を
検討し、最終的に、キナーゼ、ホスファターゼおよびグリコシダーゼの間の動的
相互関係を試験することが出来る。
【0129】 キナーゼは、特異的認識モチーフの状況下で、標的セリン、スレオニンまたは
チロシン残基をリン酸化する。認識モチーフは、単に一次構造からなるか、ある
場合には認識はより複雑な構造特徴を必要とする。キナーゼを一般標識試薬とし
て用いることによって、厳格な一次構造認識要件でキナーゼを利用することが出
来る。特定のキナーゼによって認識されるアミノ酸をコードするヌクレオチドを
、興味あるタンパク質のいずれかの末端上に工作し、それによって分子を「タグ
付け」することが出来る。発現しタグ付けされたタンパク質を、その特異的キナ
ーゼによって工作したタグ上の既知部位に32P標識し、それによって十分に定義
付けられた放射能標識されたタンパク質を作り出すことができた。
【0130】 キナーゼはホスホトランスフェラーゼであるため、それらは、少なくとも一つ
以上の基質分子、例えばそのリン酸レシピエント、とのタンパク質−タンパク質
相互作用に関係するはずである。それ故、キナーゼまたはキナーゼの部分をなす
ポリペプチドを、充分に確立された分子生物技術による酵母のツーハイブリッド
システム内の「餌(baits)」として用い、ポリペプチドと直接相互作用す
る分子を同定することが出来た。
【0131】 あるいは、本発明のポリペプチドを、発現前にポリ−HisまたはFLAGの
ようなタグで工作し、その後、発現させて、それぞれニッケルキレートクロマト
グラフィーまたは抗−FLAG抗体結合樹脂のいずれかを用いて精製した。ひと
たび樹脂に結合したならば、本発明のポリペプチドは、充分に確立された技術を
用いて二価性架橋剤を用いて共有結合させることが出来る。次に、樹脂に共有結
合したポリペプチドを用いて、本発明のポリペプチドへのそれらのアフィニティ
ーを通して(様々な薬剤で処理することにより)細胞溶解物または細胞上清から
分子を精製することができる。
【0132】 また、本発明の単離され精製されたキナーゼポリペプチドまたはそのフラグメ
ントは、シグナル化を阻害する治療薬剤として有用であることが出来る。ポリペ
プチドは、リポソーム内にタンパク質を包む、または特異的な細胞型を標的とす
るモノクローナル抗体にそれをカップリングすることによるような、周知の手段
により細胞内環境内に導入される。
【0133】 本発明のDNA、ポリペプチドおよびポリペプチドに対する抗体を、様々な研
究プロトコールの試薬として用いることが出来る。そのような研究プロトコール
のサンプルは、Sambrockら、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual、第二版、第1巻−第3巻、Cold
Spring Harbor Laboratory Press、1989、
に記載されている。例えば、これらの試薬を、RNAまたはタンパク質の細胞特
異的または組織特異的発現のマーカーとして供することが出来る。同様に、これ
らの試薬を、RNAまたはポリペプチドの構成性および一過性の発現を研究する
ために用いることが出来る。DNAを用いて、DNAの染色体での位置を決定し
、そしてこの染色体位置との関係で遺伝子地図を作成することが出来る。また、
DNAを、遺伝子のフィンガープリントのような技術を用いて遺伝的の異種性お
よび遺伝性を試験するために、ならびに遺伝子疾患に関する危険性を同定するた
めに、用いることが出来る。さらに、DNAは、DNAと関連するさらなる遺伝
子を同定し、そして配列の比較を基にして進化樹(evolutionary
trees)を確立するために用いることも出来る。DNAおよびポリペプチド
を用いて、サザンブロッティングおよびイムノブロッティングのような正のスク
リーニング法を通して、また引き算の様な負のスクリーニング法を通して、DN
Aまたはポリペプチドと相同であるそのような遺伝子又はタンパク質について選
択することが出来る。
【0134】 また、本発明のポリペプチドおよびフラグメントを、(a)ポリペプチドを調
節する任意のタンパク質、および(b)相互作用することの出来るその他のタン
パク質;を同定するための試薬として用いることが出来る。ポリペプチドは、ア
フィニティーマトリックスに組換えタンパク質をカップリングすることによって
、またはそれらをツーハイブリッドシステムに餌として用いることによって、用
いることが出来る。ポリペプチドおよびそのフラグメントを、キナーゼシグナル
化をブロックする試薬としてキナーゼシグナル化経路の研究での試薬として用い
ることが出来る。
【0135】 タンパク質キナーゼの顕著な特徴は、その他のタンパク質をリン酸化するそれ
らの能力と自己リン酸化能力である。それ故、本発明の一つの態様では、キナー
ゼ活性を持つ単離されたポリペプチドを、標的タンパク質をリン酸化するアッセ
イ、標的タンパク質を32P放射能標識するアッセイ、およびホスファターゼ活性
を持つタンパク質を同定するアッセイに、用いることが出来る。上記のリン酸化
アッセイの典型的方法は、合衆国特許第5,447,860号に開示されており
、ここに参照として採用する。全長のポリペプチドに加えて、本発明はまた、ト
ランスメンブラン結合キナーゼおよび細胞質キナーゼの細胞内ドメインのような
、キナーゼの単離された活性キナーゼドメインを含み、これらはキナーゼアッセ
イにおける試薬として機能することが出来る。さらに、可溶型のキナーゼの細胞
外ドメインは、天然のリガンド−レセプター相互作用の阻害に有用である。
【0136】 治療薬剤として用いる場合、本発明のポリペプチドは、既知の方法に従って、
医薬組成物内に製剤することが出来る。ポリペプチドを、単独の活性物質として
、またはその他の既知の活性物質と共に、医薬として適当な希釈剤(例えばTr
is−HCl、アセテート、ホスフェート)、保存剤(例えばThimeraz
ol、ベンジルアルコール、パラベン)、乳化剤、可溶化剤、アジュバントおよ
び/またはキャリヤーと共に、のいずれかで、混合物中で混ぜ合わせることが出
来る。適当なキャリヤーおよびそれらの調合物は、Remington’s P
harmaceutical Science、16版、Mack Publi
shing Co.,に記載されている。さらに、そのような組成物は、ポリエ
チレングリコール(PEG)、金属イオンと複合したポリペプチド、またはポリ
酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル等のような重合化合物内に取り込まれたポ
リペプチド、またはリポソーム、ミクロエマルジョン、ミセル、ユニラメラある
いはマルチラメラベシクル、赤血球ゴーストまたはスフェロブラスト内に取り込
まれたポリペプチドを含むことが出来る。そのような組成物は、本発明のポリペ
プチドの物理的状態、溶解度、安定性、インビボでの遊離速度、およびインビボ
でのクリアランス速度に影響を与えるであろう。
【0137】 当業者らは、組成物の投与量を容易に決定することが出来る。投与される量お
よび投与頻度は、実験的に決定することが出来、治療される患者の年齢およびサ
イズ、ならびに治療される病気が考慮に入れられるであろう。
【0138】 治療には、静脈内、腹腔内、肉体内注射、関節内、心室内、硬膜下腔内、筋肉
内、皮下、局所、扁桃、鼻腔内、膣内、および経口を含む、当業者らに良く知ら
れている任意の方法による組成物の投与が含まれる。また、組成物を、特定領域
内に、筋肉内または皮下のいずれかでの注射によるように、局部的に与えること
も出来る。
【0139】 本発明の治療および研究の態様と共に、本発明のポリペプチドおよびそのアミ
ノ酸配列を基にしたペプチドを利用して、ポリペプチドと特異的に結合する抗体
を調製することができる。用語「抗体」とは、ポリクローナル抗体、モノクロー
ナル抗体、F(ab’)2のようなそのフラグメント、およびFabフラグメン
ト、ならびに任意の組換えにより生成させた結合パートナーを含むことを意味し
ている。抗体は、それらが約107-1より大きいかまたは等価のKdで本発明
のポリペプチドと結合する場合、特異的に結合していると定義される。パートナ
ーまたは抗体と結合するアフィニティーは、慣用の技術、例えば、Scatch
ardら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,51,660、1949に記
載の方法、を用いて容易に定量することが出来る。
【0140】 ポリクローナル抗体は、様々な起源、例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イ
ヌ、トリ、ウサビ、マウスまたはラットから、この技術分野で周知の方法を用い
て、容易に生成させることができる。一般的には、本発明の精製されたポリペプ
チド、または適当に結合する本発明のポリペプチドのアミノ酸配列を基にしたペ
プチドを、典型的には非経口注射を通して宿主動物に投与する。これらのペプチ
ドの免疫原性は、アジュバント、例えばフロイントの完全または不完全アジュバ
ント、の使用を通して、強化することが出来る。追加免疫による免疫化の後、血
清のサンプルを少量収集し、ポリペプチドに対する反応性について試験した。そ
のような定量に有用な様々なアッセイの例としては、Antibodies:A
Laboratory Manual,HarlowおよびLane編、Co
ld Spring Harbor Laboratory Press、19
88、に記載のアッセイ、ならびにカウンターカレント免疫電気泳動(CIEP
)(countercurrent immuno−electorphore
sis)、ラジオイムノアッセイ、放射能免疫沈降、酵素連結イムノソルベント
アッセイ(ELISA)(enzume−linked immuno−sor
bent assays) 、ドットブロットアッセイ、およびサンドイッチア
ッセイ(合衆国特許第4,376,110号および第4,486,530号を参
照のこと)、の様な方法を含む。
【0141】 周知の方法を用いて、モノクローナル抗体を容易に調製することができる。例
えば、合衆国特許Nos.RE32,011、第4,902,614号、第4,
543,439号、および第4,411,993号;Monoclonal A
ntibodies,Hybridomas:A New Dimension
in Biological Analyses,Plenum Press
,Kennett、McKearnおよびBechtol編、1980;に記載
の方法を参照のこと。簡単に言えば、Balb/cマウスの様な宿主動物に、本
発明の単離され精製されたポリペプチドまたは複合ポリペプチドを、所望であれ
ばアジュバント存在下で、少なくとも一回、好ましくは少なくとも2回、約3週
間の間隔で、腹腔内に注射した。本発明の単離され精製されたポリペプチドまた
は本発明のポリペプチドのアミノ酸配列に基づくペプチドを10μg、RIBI
アジュバント(RIBI Corp.,Hamilton,Montana)の
存在下で、。次いで、マウス血清を、慣用のドットブロット技術または抗体捕獲
(ABC)(antibody capture)によってアッセイし、どの動
物が最も高レベルの抗体を生成しているか、そしてどの脾臓細胞が融合の最良の
候補であるかについて、決定した。おおよそ2−3週間後、マウスに、ポリペプ
チドまたは無菌PBS内に縣濁したような3μgの複合ポリペプチドの静脈内追
加免疫を与える。後にマウスを屠殺し、脾臓細胞を、確立されたプロトコールに
従って、例えばAg8.653(ATCC)の様な市販のミエローマ細胞と融合
させた。簡単に言えば、ミエローマ細胞を、培養液で数回洗浄し、そしてマウス
の脾臓細胞に、脾臓細胞:ミエローマ細胞=約3:1の比率で、融合した。融合
薬剤は、この技術分野で用いられている任意の適当な薬剤、例えば、ポリエチレ
ングリコール(PEG)またはより好ましくは、50%PEG:10%DMSO
(Sigma)、であることが出来る。融合は、例えば、HATを補充したDM
EM培地のような適当な培地を含む20の96穴平底プレート(Corning
)内に、塗布し、8日間増殖させる。得られたハイブリドーマからの上清を集め
、例えば、60分間、96穴プレートに加える、即ち、最初にヤギの抗−マウス
Igでコートする。次に洗浄し、本発明の125I−ポリペプチドまたはペプチド
をそれぞれの穴に加え、60分間室温でインキュベートし、4回洗浄した。次に
、オートラジオグラフ、−70℃、Kodak X−Omat Sフィルム使用
の様な慣用の方法で、陽性の穴を検出することが出来る。陽性クローンを大量培
地内で増殖させ、次に上清を、プロテインAカラム上(Pharmacia)な
どで、精製する。もちろん、多くの技術を用いて、本発明のポリペプチドおよび
フラグメント化されたペプチドに対する抗体を生成できること、そして、この実
施態様は、少しも本発明の範囲が制限されないことが、了解されている。
【0142】 本発明のモノクローナル抗体を、Alting−Meesら、”Monocl
onal Antibody Expression Libraries:a
Rapid Alternative to Hybridomas”Str
ategies in Molecular Bioogy,3,1−9、19
90(ここに参照として採用する)に記載されている技術のような、代わりの技
術を用いて、作り出すこともできる。同様に、結合パートナーは、特異的結合抗
体をコードする遺伝子の可変領域を組み込む組換えDNA技術を用いて、構築す
ることが出来る。そのような技術は、Larrickら、Biotechnol
ogy,7,394、1989に記載されている。
【0143】 その他の型の「抗体」は、この技術分野での知識状態と共に本明細書中に提供
された情報を用いて、作成することができる。例えば、本発明のポリペプチドと
特異的に結合する能力を持つヒト抗体のエレメントを含むように工作された抗体
もまた、本発明に包含される。
【0144】 ひとたび単離され精製されたならば、本発明のポリペプチドに対する抗体を、
確立されたアッセイプロトコールを用いて、サンプル内のポリペプチドの存在を
検出するために、用いることが出来る。さらに、本発明の抗体を、治療目的に、
またはインビボまたはインビトロでポリペプチドと結合しその活性を阻害する研
究目的に、用いることが出来る。
【0145】 本発明のポリペプチドと免疫反応する抗体、および特に、これらのポリペプチ
ドに対するモノクローナル抗体は、今、本発明を通して作成することが出来る。
そのような抗体は、インビボでのポリペプチド活性の阻害、およびサンプル内で
の本発明のポリペプチドの存在の検出、に有効であることが出来る。
【0146】 もう一つの実施態様では、本発明のポリペプチドおよびフラグメント化ペプチ
ドに対して作成された抗体を、本発明のポリペプチドまたはフラグメント化ペプ
チド分子量マーカーと組み合わせて用いて、これらの分子量マーカーを用いた正
確さを強め、サンプルタンパク質の正確な分子量および等電点を定量することが
出来る。本発明のポリペプチドまたはフラグメント化ペプチド分子量マーカーを
、過剰モルのサンプルタンパク質と混合して、混合物を、慣用の手段による二次
元電気泳動により解析することが出来る。ポリペプチドを、慣用の手段によって
ニトロセルロースの様な適当なタンパク質結合膜にトランスファーし、本発明の
抗体によって検出することが出来る。
【0147】 本発明に従って精製されたポリペプチドは、そのようなポリペプチドの阻害剤
の発見を容易にするであろう。その潜在的阻害剤のスクリーニングに、精製され
た本発明のポリペプチドを用いることは重要であり、汚染物質との反応を妨害す
る可能性を除外するかまたは減ずることが出来る。
【0148】 さらに、本発明のポリペプチドを、構造を基にしたポリペプチド−阻害剤の設
計に用いることが出来る。また、そのような構造を基にした設計は、「合理的薬
剤設計(rational drug design)」として知られている。
ポリペプチドは、例えば、X線結晶解析、核磁気共鳴または相同性モデル化によ
って、三次元分析することが出来、その方法はすべて周知の方法である。阻害剤
の設計に役立つ分子モデル化ソフトウエアシステムおよび阻害剤−ポリペプチド
相互作用にポリペプチド構造情報を用いることもまた、本発明に包含される。そ
のようなコンピューター援助モデル化および薬剤設計には、化学構造の分析、分
子の静電能力、タンパク質の折り畳み等のような情報を用いることが出来る。例
えば、メタロプロテアーゼのクラス特異的阻害剤の設計の大部分は、触媒亜鉛原
子とキレートを作らせるか、または結合させる試みに焦点を合わせている。合成
阻害剤は、特定のプロテアーゼの特異的ポケットに適合するように設計された一
連のその他の基を結合する負荷電部分を含むように、通常、設計される。本発明
の詳細な方法としては、基質の適切な結合部位について本発明のポリペプチドの
三次元構造を分析すること、予想される反応部位を取り入れた新規分子を合成す
ること、および上記のような新規分子をアッセイすること、が含まれる。
【0149】 また、本発明のポリペプチドをスクリーニングアッセイに用いて、本発明のポ
リペプチドの活性化を阻害(アンタゴナイズ)または強化(アゴナイズ)する化
合物および小分子を同定することができる。このように、例えば、本発明のポリ
ペプチドを、細胞、無細胞調製物、化学ライブラリーおよび天然生成混合物から
、アンタゴニストおよびアゴニストを同定するために、用いることが出来る。ア
ンタゴニストおよびアゴニストは、本発明のポリペプチドの、天然のまたは修飾
された基質、リガンド、酵素、レセプター等であるか、または、ポリペプチドの
構造的又は機能的擬態であることが出来る。本発明のポリペプチドの潜在的アゴ
ニストには、ポリペプチドの結合部位と結合しそれを塞ぐ、小分子、ペプチドお
よび抗体が含まれ、それらがリガンドと結合できなくなり、その結果、正常な生
物活性が妨害される原因となる。その他の潜在的アンタゴニストは、インビボで
mRNAとハイブリダイズでき、本発明のポリペプチドへのmRNAの翻訳をブ
ロックすることの出来る、アンチセンス分子である。潜在的アゴニストは、本発
明のポリペプチドの結合を原因とするそれらのように、本ポリペプチドと結合し
、同一または強化された生物学的影響を引き出す、小分子、ペプチドおよび抗体
を含む。
【0150】 小分子のアゴニストおよびアンタゴニストは、通常10K分子量より小さく、
細胞浸透性が強化され、分解に耐性であり、それらの生理学的半減期を延長する
、多数の生理学的および薬理学的性質を持つことが出来る(Gibbs,J.,
Pharmaceutical Research in Molecular
Oncology,Cell,79、1994)。抗体は、完全な分子ならび
にFabおよびF(ab’)2フラグメントのようなフラグメントを含み、シグ
ナル化カスケードの開始をブロックすることによって本発明のポリペプチドを結
合し阻害するために、用いることが出来る。好ましくは、抗体はヒト化され、よ
り好ましくは抗体はヒトである。様々な任意の周知の方法によって、本発明の抗
体を調製することができる。
【0151】 具体的スクリーニング法は、この技術分野で既知であり、その多くは、高情報
量処理試験システムに広範囲に取り込まれ、その結果、多数の試験化合物を短期
間にスクリーニングすることが出来る。アッセイは、タンパク質タンパク質結合
アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、細胞基本アッセ
イ等、を含む様々なフォーマットで行うことが出来る。これらのアッセイフォー
マットは、この技術分野では周知である。本発明のスクリーニングアッセイは、
化学的ライブラリーのスクリーニングに従い、小分子の薬剤候補、抗体、ペプチ
ド、ならびにその他のアンタゴニストおよびアゴニストの同定に適当である。
【0152】 ポリペプチドをアンタゴナイズするかまたは阻害する分子を同定する方法の一
つの実施態様は、本発明のポリペプチドを発現する細胞を含む培地に候補分子を
加え;前記培地の状態を変化させ(その結果、候補分子が存在しなかったなら、
ポリペプチドがそれらリガンドと結合するであろう);そして、結合および機能
的応答の刺激または阻害を観察すること;を含む。次いで、候補分子と接触した
細胞の活性を、接触しなかった同一細胞と比較し、本発明のポリペプチドのアゴ
ニストおよびアンタゴニストを同定することが出来る。生物活性の測定は、存在
するタンパク量(例えばELISA)またはタンパク質の活性量の測定のような
、数多くの周知の方法によって行うことが出来る。生物学的刺激または活性化の
減少は、アンタゴニストであることを示唆するであろう。増加はアゴニストであ
ることを示唆するであろう。具体的には、本発明の一つの実施態様は、QQ33
51、SS1771、SS1771Aおよび切除型QQ3351のアゴニストお
よびアンタゴニストを含む。
【0153】 さらに、スクリーニングアッセイをデザインして、本発明のポリペプチドの生
物学的活性を擬態する分子を見つけだすことも出来る。ポリペプチドの生物活性
を擬態する分子は、ポリペプチドの生物活性の強化に有用であることが出来る。
ポリペプチドの生物活性を擬態する治療的に活性な薬剤について化合物を同定す
るために、最初に、候補分子がポリペプチドと結合するか否かを決定しなければ
ならない。次いで、結合した候補分子をその生物学的影響を決定する生物学的ア
ッセイに加える。次いで、候補分子の生物学的影響を、ポリペプチドのそれらと
比較する。
【0154】 明細書は、明細書に列挙された参考文献の教えに照らして、最も充分に理解さ
れ、その明細書はここに参照として採用される。明細書内の実施態様は、本発明
の実施態様を説明するために提供され、本発明の範囲を制限ものとして解釈され
てなはらない。当業者らは、多くのその他の実施態様が本発明の請求の範囲内に
包含されることを、認識している。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月11日(2000.4.11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/00 4B065 9/12 G01N 33/15 Z 4H045 C12Q 1/00 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 33/577 B 33/566 C12P 21/08 33/577 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/08 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G D,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZA,ZW (72)発明者 アンダーソン,ダーク・エム アメリカ合衆国ワシントン州98107,シア トル,ノース・ウエスト・シックスティフ ォース・ストリート 3616 (72)発明者 マーケン,ジョン・エス アメリカ合衆国ワシントン州98146,シア トル,ナインス・アベニュー・サウス・ウ エスト 11804 Fターム(参考) 2G045 BB20 CB17 CB21 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 FB02 FB03 FB04 FB05 FB06 4B024 AA11 BA10 BA44 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 GA03 GA11 HA01 HA03 HA15 4B050 CC01 CC03 DD11 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ01 QQ27 QR08 QR16 QR33 QR42 QR59 QR74 QR80 QS05 QS16 QS25 QS33 QS36 QX02 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AB02 BA02 BA08 CA25 CA29 CA44 CA46 4H045 AA11 AA20 CA40 DA76 DA89 EA50 FA72 FA74 GA31

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1、2、3、4、5、6、13および15のDN
    Aを含む単離核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号7、8、9,10、11、12、14および16
    の配列を含むアミノ酸配列をコードする単離核酸分子。
  3. 【請求項3】 60℃、0.5XSSC、0.1% SDSの洗浄条件を
    伴う、50%ホルムアミドおよび6XSSC、42℃における、中程度にストリ
    ンジェント(stringent)な条件下で、請求項1または2のいずれか1
    つの核酸配列を含む変性二本鎖DNAのどちらかの鎖にハイブリダイズする単離
    核酸分子。
  4. 【請求項4】 前記単離核酸分子がin vitro突然変異誘発により
    配列番号1、2、3、4、5、6、13および15から得られる、請求項3の単
    離核酸分子。
  5. 【請求項5】 遺伝暗号の結果として、配列番号1、2、3、4、5、6
    、13および15から縮重している単離核酸分子。
  6. 【請求項6】 ヒトDNA、ヒトDNAの対立遺伝子変異体、またはHH
    0900、HH2040、JJ503、QQ1249、QQ3351、QQ33
    51(一部切除(truncated))、SS1771、およびSS1771
    Aからなる群より選択されるDNAの種相同体(homolog)である、単離
    核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、5および6の核酸分子からなる群より選択
    される核酸分子の発現を指示する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項3の核酸分子の発現を指示する組換えベクター。
  9. 【請求項9】 請求項4の核酸分子の発現を指示する組換えベクター。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、5および6の核酸分子からなる群より選
    択される核酸分子にコードされる単離ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 SDS−PAGEにより決定されるように、およそ68
    83;8168;39,284;16,718;58,001;57,381;
    および67,331ダルトンの分子量を有する、請求項10の単離ポリペプチド
  12. 【請求項12】 非糖鎖付加型の請求項10の単離ポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項3の核酸分子にコードされる単離ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 非糖鎖付加型の請求項13の単離ポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項4の核酸分子にコードされる単離ポリペプチド。
  16. 【請求項16】 非糖鎖付加型の請求項15の単離ポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項10のポリペプチドに結合する単離抗体。
  18. 【請求項18】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項17の単離抗
    体。
  19. 【請求項19】 請求項13のポリペプチドに結合する単離抗体。
  20. 【請求項20】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項19の単離抗
    体。
  21. 【請求項21】 請求項15のポリペプチドに結合する単離抗体。
  22. 【請求項22】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項21の単離抗
    体。
  23. 【請求項23】 請求項7のベクターでトランスフェクションまたは形質
    導入されている宿主細胞。
  24. 【請求項24】 請求項23の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養
    し、そして培地からポリペプチドを回収することを含む、ポリペプチドの産生の
    ための方法。
  25. 【請求項25】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞
    、および動物細胞からなる群より選択される、請求項24の方法。
  26. 【請求項26】 請求項8のベクターでトランスフェクションまたは形質
    導入されている宿主細胞。
  27. 【請求項27】 請求項26の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養
    し、そして培地からポリペプチドを回収することを含む、ポリペプチドの産生の
    ための方法。
  28. 【請求項28】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞
    、および動物細胞からなる群より選択される、請求項27の方法。
  29. 【請求項29】 請求項9のベクターでトランスフェクションまたは形質
    導入されている宿主細胞。
  30. 【請求項30】 請求項29の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養
    し、そして培地からポリペプチドを回収することを含む、ポリペプチドの産生の
    ための方法。
  31. 【請求項31】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動
    物細胞からなる群より選択される、請求項30の方法。
  32. 【請求項32】 配列番号1、2、3、4、5、6、13および15から
    なる群より選択されるcDNAにコードされるポリペプチドを阻害する(該ポリ
    ペプチドと拮抗する(antagonize))または該ポリペプチド様に作動
    する(agonize)能力を同定するため、候補分子をスクリーニングする方
    法であって: (a)前記候補分子を前記ポリペプチドを発現する細胞を含む培地に添加し; (b)前記候補分子が存在しなければ、前記ポリペプチドが結合するであろうよ
    うに、前記培地の条件を変化させ; (c)前記培地中に形成される前記ポリペプチドの生物学的活性のレベルを測定
    し;そして (d)段階(c)の生物学的活性のレベルを、前記候補分子の非存在下に前記培
    地で発生する生物学的活性のレベルと比較する; ここで、前記候補分子の非存在下に前記培地で発生する生物学的活性のレベルと
    比較したとき段階(c)の生物学的活性のレベルが減少していれば、アンタゴニ
    ストを示し、そして生物学的活性のレベルが増加していれば、アゴニストを示す
    段階を含む、前記方法。
  33. 【請求項33】 請求項32の方法により同定されるようなアンタゴニス
    ト。
  34. 【請求項34】 前記cDNAが配列番号5、6、13および15からな
    る群より選択される、請求項33のアンタゴニスト。
  35. 【請求項35】 請求項32の方法により同定されるようなアゴニスト。
  36. 【請求項36】 配列番号1、2、3、4、5、6、13または15から
    なる群より選択されるcDNAにコードされるポリペプチドの生物学的活性を模
    倣する能力を同定するため、候補分子をスクリーニングする方法であって: (a)前記候補分子が前記ポリペプチドまたはその断片に結合するかどうか決定
    し; (b)前記候補分子を、その生物学的影響を測定するため、生物学的アッセイに
    添加し;そして (c)前記候補分子の前記生物学的影響を、前記ポリペプチドの生物学的影響と
    比較する 段階を含む、前記方法。
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