JP2002523961A - Cdma通信システムにおけるマルチパス伝達のための適応受信機 - Google Patents

Cdma通信システムにおけるマルチパス伝達のための適応受信機

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JP2002523961A
JP2002523961A JP2000566959A JP2000566959A JP2002523961A JP 2002523961 A JP2002523961 A JP 2002523961A JP 2000566959 A JP2000566959 A JP 2000566959A JP 2000566959 A JP2000566959 A JP 2000566959A JP 2002523961 A JP2002523961 A JP 2002523961A
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ウェストマン、タパニ
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Nokia Mobile Phones Ltd
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Abstract

(57)【要約】 たとえば形態電話などの無線通信システムに用いるための受信機であって、複数のフィンガーを備え、前記複数のフィンガーは、各々異なる伝播路から信号を受信することができ、かつ、それぞれのフィンガーにより受信される信号によって用いられる前記伝播路についてのチャンネルコヒーレンス時間を予測することができる。また、前記受信器は、フィルタリング回路を具備し、前記フィルタリング手段の動作は、予測されたコヒーレンス時間に依存して変更される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [技術分野] 本発明は、受信機に関し、そして限定的にではないが、とくにセルラー方式(
携帯)テレコミュニケーションネットワークに用いるためのレーク(RAKE:
熊手形)受信機に関する。該セルラー方式テレコミュニケーションネットワーク
は、必ずというわけではないが、符号分割多重アクセス(CDMA)を使用し得
る。
【0002】 [背景技術] 信号がベースステーション(基地局)からモバイルステーション(移動局)ま
たはその逆に送信されるとき、該信号は、建物または類似物からの信号の反射の
結果として多数の異なる経路(マルチパス(多重経路))をたどるであろう。一
例として、同一の信号が、通った経路の長さに依存して、異なる時間にその送信
先のモバイルステーションまたは基地局に到着するであろう。レーク受信機は、
この問題を解決するものとして知られており且つそのために一般に用いられる。
レーク受信機においては、伝播路の異なる1つが、レーク受信機の異なるフィン
ガーに割り当てられ、そしてそれらの信号は、単一の信号を提供すべく結合され
る。しかしながら、もしもモバイルステーションが動いているならば、あるいは
輸送手段または人々がモバイルまたはベーストランシーバステーションの近傍で
動いているならば、このことは、結果として、異なるマルチパス信号の相対位相
に変化を生じさせるであろう。その結果、このことは結合された単一信号の電力
に変動を生じさせる。これらの移動がなければ、チャンネルインパルス応答は、
概して一定を維持するであろう。したがって、チャンネルインパルス応答の変化
のレート(速度)は、以上に述べた移動の速度に関連している。
【0003】 ベースおよびモバイルステーションの相対的な移動は、種々のマルチパス信号
にドプラー(Doppler)シフトを生じさせ、それは受信信号におけるドプラース
プレッド(ドプラー拡散)を引き起こす。このことは、送信信号周波数の拡散(
スプレッド)として検知され得る。受信信号におけるドプラースプレッドは、受
信信号における変動の速度に関連している。ドプラースプレッドの逆数は、その
チャンネルのコヒーレンス(相関)時間であり、それは送信されたシンボル(符
号)が、その間中にわたってチャンネル変動によって相対的に妨害されないであ
ろう時間間隔である。ベースステーションに対するモバイルステーションの相対
スピードは、チャンネルのコヒーレンス時間の長さを決める。
【0004】 既知のレーク受信機においては、各フィンガーは、スムージングフィルタ(平
滑フィルタ)を含んでいる。しかしながら、これらのフィルタの特性は固定され
ている。このことは、レーク受信機が、当該チャンネルのコヒーレンス時間が限
定された範囲内の値であるときに最適な結果を提供するのみであるという問題を
引き起こす。このことは、あるコヒーレンス値によれば、レーク受信機の出力が
、スムージングフィルタによる不満足なフィルタリングの結果として劣化するこ
とを意味する。
【0005】 符号分割多重アクセスシステムにおいては、ソフトハンドオフ(通信の引継ぎ
)が用いられる。ソフトハンドオフによれば、モバイルステーションは一度に1
以上のベースステーションと通信する。レーク受信機の異なるフィンガーは、そ
れゆえ異なるベースステーションからの信号を受信するように設けられている。
したがって、2つの異なるベースステーションからの信号のためのチャンネルの
コヒーレンス時間は、全く異なる。ベースステーションの1つからの調和のとれ
た少なくとも1つの信号は、最適なやり方で処理されないかもしれない。このこ
とは、結合された信号の品質は低下されるであろうことを意味する。
【0006】 [発明の開示] それゆえ、本発明の実施の形態のねらいは、以上において述べた問題を解消し
、または少なくとも軽減することである。
【0007】 本発明の1つの局面によれば、無線通信システムに用いるための受信機であっ
て、複数の受信機手段を備え、前記複数の受信機手段は、各々異なる伝播路から
信号を受信すべく構成され、前記受信機手段の各々は、それぞれの受信機手段に
より受信される信号によって用いられる前記伝播路についてのチャンネルコヒー
レンス時間を予測する手段と、フィルタリング手段とを具備し、前記フィルタリ
ング手段の動作は、前記予測手段により提供されるコヒーレンス時間予測に依存
して変更される受信機が提供される。
【0008】 前記フィルタリング手段は、前記予測手段によって提供されるコヒーレンス時
間予測に依存して変更されるので、該フィルタリング手段によって提供されるフ
ィルタリング動作はノイズの影響を低減すべく最適化され得る。
【0009】 好ましくは、前記受信機は、レーク受信機であり、前記受信機手段は、フィン
ガーを備えている。
【0010】 好ましくは、前記フィルタ手段のためのタップ係数は、コヒーレンス時間予測
に依存して変化可能である。さらに加えてあるいはその代わりに、前記フィルタ
リング手段に用いられるタップの数は、前記コヒーレンス時間予測に依存して変
更可能である。このようにして、該フィルタリング手段の動作は変更することが
できる。
【0011】 好ましくは、前記フィルタリング手段は、前記信号の平均二乗誤差が最小化さ
れる特性を有する。前記フィルタリング手段は、それゆえ、ウィーナ(Wiener)
フィルタを具備していてもよい。
【0012】 しかしながら、他のタイプのフィルタを使用することができる。たとえば、各
受信機手段の前記フィルタリング手段は、有限インパルス応答フィルタまたは無
限インパルス応答フィルタを具備していてもよい。
【0013】 前記受信機は、モバイルステーションに組み込まれていてもよい。好ましくは
、前記予測手段は、モバイルステーションの移動を示すパラメータに基づいてそ
れぞれの受信機手段に関連する伝播路のチャンネルのコヒーレント時間を予測す
る。モバイルステーションの移動は、コヒーレンス時間の変化における重要なフ
ァクタ(要因)であろう。
【0014】 コヒーレント時間予測は、前記モバイルステーションの移動を示すパラメータ
に基づいているので、コヒーレンス時間の妥当な予測が得られ得る。モバイルス
テーションの移動を示す前記パラメータは、与えられた受信機に関連する伝播路
についての、遅延のない、チャンネルインパルス応答の第1の自己相関と、与え
られた遅延を伴う前記チャンネルインパルス応答の第2の自己相関との比率によ
って定義されてもよい。このことは、ほんの少しの構成要素を用いて単純に実施
することができるという利点を持っている。
【0015】 好ましくは、前記第1および第2の自己相関は、平均値である。それゆえに、
どんな特異な値の影響も低減することができる。
【0016】 好ましくは、前記フィルタリング手段の出力は、受信信号に適用される位相変
更を制御するのに用いられる。前記受信信号に適用される位相変更は、異なる受
信機手段を介して受信される信号のコヒーレントな結合を可能とする。前記フィ
ルタリング手段がノイズの影響を低減することができればできるほど、受信信号
に適用される位相変更がよりよくなる。
【0017】 好ましくは、前記予測手段は、受信信号についての複数のチャンネルインパル
ス応答を受信すべく構成され、前記チャンネルインパルス応答予測は前記予測手
段によりチャンネルコヒーレンス時間を予測するために用いられる。
【0018】 前記受信機は、ベーストランシーバステーションに組み込まれていてもよい。
本発明の実施の形態の主要な点は、無線通信環境における変化の影響を補償する
ために用いられ得ることである。
【0019】 好ましくは、前記受信機は、符号分割における信号を受信すべく構成される。
【0020】 本発明の1つの局面によれば、無線通信システムに用いるための受信機であっ
て、複数の受信機手段を備え、前記複数の受信機手段は、各々異なる伝播路から
信号を受信すべく構成され、前記受信機手段の各々は、前記受信信号をフィルタ
リングするための適応フィルタリング手段を具備し、前記適応フィルタリング手
段の動作は、それぞれの受信機手段により受信される伝播路からの信号の特性に
依存して変更される受信機が提供される。
【0021】 各受信機手段における前記フィルタリング手段は、前記個別の受信機手段によ
り受信された信号に依存して個別に変更されるから、該受信機の最適なパフォー
マンスが達成され得る。
【0022】 好ましくは、前記受信信号は、適応フィルタリング手段を通過するのに先立っ
て処理される。好ましくは、前記特性は、それぞれの受信機により受信される前
記信号により用いられる伝播路についてのチャンネルコヒーレンス時間である。
【0023】 該発明の第1の局面の特徴があることが、第2の局面を提供され得ることおよ
びその逆が理解されるべきである。
【0024】 発明のよりよい理解のために、そしてそれがどのように実行に移されるかを示
すために、例を用いて添付図面が参照されるであろう。
【0025】 [発明を実施するための最良の形態] まず、CDMAシステムにおけるモバイルステーション(MS)における送信
および受信回路構成のブロック図を示す図1および本出願が使用されるであろう
状況を図解するブロック図を示す図2が参照されるであろう。すなわち、CDM
A通信システムは、複数のモバイルステーションMS1、MS2、MS3に、共
通のセル内のベーストランシーバステーションBTS1と、チャンネルCH1、
CH2、CH3をそれぞれ介して通信することを可能とする。モバイルステーシ
ョンMS3は、それが第1のベーストランシーバステーションBTS1と通信し
ながら、同時に、第2のベーストランシーバステーションBTS2と通信するこ
とができる。このことは、ソフトハンドオフを達成することを可能とする。ソフ
トハンドオフは、たとえば、モバイルステーションが2つまたはそれ以上の隣接
するセルの縁部に近づいたときに、行なわれる。モバイルステーションMS3は
、チャンネルCH4を用いて第2のベーストランシーバステーションBTS2と
通信する。チャンネルCH3上に伝送される情報は、チャンネルCH4上に伝送
される情報と同一であり、両チャンネルには同一の拡散コードが用いられる。言
い換えれば、第3のモバイルステーションMS3は、第3および第4のチャンネ
ルCH3およびCH4の両方に供給される単一の伝送を提供する。第1のベース
トランシーバステーションBTS1と通信するのに用いられる3つのチャンネル
は、拡散コードの既知の方法での使用により相互に区別される。
【0026】 つぎに、図1が参照されるであろう。モバイルステーション内の送信回路構成
が、まず説明されるであろう。送信されるデータ、そしてそれは通話データ、ビ
デオデータまたはその他のデータであろう、は、MSインタフェース2に供給さ
れる。それは、送信に適する形態にエンコードされる。エンコードされたユーザ
データは、ライン8を介してのビットレートを識別するレート情報シーケンスR
I、ライン10を介してのデータの各フレームについてのチェックシーケンス(
CRC)、およびライン12を介しての各ユーザデータシーケンスの最後を定義
するエラー訂正テールビットと共に、ライン6を介してフレームマルチプレクサ
4に供給される。フレームマルチプレクサ4は、送信するためのデータをフレー
ムシーケンス内に編成する。
【0027】 前記フレームシーケンスは、コンボリューショナルエンコーダ14およびビッ
トインタリーバ16に供給される。これらの回路は、コンボリューショナルエン
コードおよびビットインタリーブを、当該技術分野において知られているやり方
にて実行し、そしてそれらはここではさらには説明されないであろう。コンボリ
ューショナルエンコードの目的は、ユーザデータを無線通信チャンネルにおける
エラーから保護し、もしもいくつかのビットが損なわれたとしてもコード化され
たデータをビタビ(Viterbi)デコーダが回復することができるようにするため
である。ビットインタリーブは、モバイル無線通信チャンネル内に典型的に生じ
るバーストエラーを、デコーダに、コード化されたデータからのエラーをより効
果的に訂正させることを可能とすべく、時間についてより平均的に拡散させる。
【0028】 スロットマルチプレクサ18において、パイロットシンボル(PS)が、スロ
ットシーケンスを生成すべく、エンコードされたデータと共に、タイムスロット
内に導入される。パイロットシンボル(PS)は、コヒーレントシステムにおけ
る各タイムスロットの最初と最後に導入される。これらのシンボルは、容易に認
識することができ、そして各タイムスロットの最初と最後を、同期目的のために
識別することができる。非コヒーレントシステムにおいては、これらのパイロッ
トシンボルは、必要でない。
【0029】 スロットシーケンスは、コード生成器22から拡散コードを受信するコード拡
散器(スプレッダ)20に供給される。拡散コードは、既知のCDMA技術に従
って生成され、そしてここではさらには説明されないであろう。該拡散コードは
、単一のベースステーションへ送信する各モバイルステーションに固有のもので
あり、個別のモバイルステーションからの送信がベースステーションにおいて識
別され得るようにしている。該コードは、異なるモバイルステーション間におい
て、可能な限り直交するように設計される。
【0030】 もしも、M個の並列コードチャンネルが採用されるならば、M個のデータシン
ボルが、異なるコードを用いて拡散される。
【0031】 拡散された後、拡散信号はたとえばQPSK変調に従って送信可能なように変
調する変調器24に供給される。いくつかのシステムにおいては、変調は、拡散
に先立って実行される。拡散、変調信号は、ディジタル信号を、ディジタル−ア
ナログ(D/A)コンバータ26が取り扱うのに一層容易な形態に整形するパル
ス整形フィルタ25に供給される。D/Aコンバータ26は、パルス整形フィル
タ25の出力に接続される。アナログ信号は、送信する準備のできた信号をアン
テナ30を介して供給するRFユニット28に入力される。RFユニット28は
、信号を中間周波数またはベースバンド周波数から無線通信(ラジオ)周波数へ
変換する。RFユニット28は、それゆえミクサ(混合器)を備えていてもよい
【0032】 つぎに、モバイルステーションの受信側が、説明されるであろう。アンテナ3
0に到来する信号は、RFユニット28によって受信され、そして、受信された
アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル(A/D)コン
バータ32に供給される。RFユニット28は、受信された無線通信周波数の信
号を中間またはベースバンド周波数に変換するであろう。モバイルステーション
には、異なる伝播遅延を伴うマルチパスを経て信号が入力されるであろうことは
容易に理解されるであろう。A/Dコンバータ32は、以下においてより詳細に
説明されるであろうレーク受信機34にディジタル信号を供給する。レーク受信
機34は、コード生成器22からの入力も受ける。
【0033】 レーク受信機34の出力は、ビット検出器42に入力される。ビット検出器4
2は、送信されたビットについて受信シンボルをソフトまたはハード判定する。
ビット検出器42からの検出されたビットシーケンスは、スロット構造をデマル
チプレクスし、且つレーク受信機により計算された送信レートの予測を提供する
。デマルチプレクスされたスロット構造は、それからインタリーバ16の動作を
効果的に元へ戻すデインタリービングユニット46に供給される。デインタリー
ブされた信号は、レート情報と共にビタビデコーディングユニット48に供給さ
れる。ビタビデコーディングユニット48により決定されたデーコード信号は、
フレームデマルチプレクサ50に供給され、それからテールビット、ユーザデー
タ、CRCシーケンスおよびRIシーケンスが、復元される。ユーザデータは、
ライン52を通って送信インタフェース2に供給される。
【0034】 レート情報シーケンスRIは、ライン56を通ってレート検出ユニットに供給
される。レート検出ユニットは、デコードされたレート情報を予測されたレート
と比較し、そしてもしもミスマッチがあれば、それを示す信号をビタビデコーデ
ィングユニットにデコードのために異なるレート決定をさせることを可能とすべ
く、ライン58を通ってビタビデコーディングユニット48に供給される。
【0035】 レート情報についての付加的なチェックは、そしてデータ自体の有効性につい
ても、ユーザデータを、受信されたユーザデータからCRCシーケンスを生成す
るCRCエンコーダ60に供給することによって達成される。CRCシーケンス
は、到来データから取り出されたCRCシーケンスに対して、CRCチェックユ
ニット62においてチェックされる。もしもチェックが有効であれば、レート情
報およびデータは良好であるとみなされる。もしもチェックに失敗すれば、ビタ
ビデコーディングユニットに供給される予測レートが、デコードのための正しい
送信レートにおける次の推測をするのに用いられ得る。
【0036】 レーク受信機34は、図3を参照してより詳細に説明されるであろう。レーク
受信機34は、複数のレークフィンガー1001〜nを具備している。レークフ
ィンガーの数は、モバイルフォーン(移動電話)の要求に従って変動する。1つ
の実施の形態においては、6個のフィンガーが設けられる。
【0037】 各レークフィンガー100は、相関器(コリレータ)101、チャンネル予測
器104、コヒーレンス時間予測器106、適応フィルタ108および位相回転
(フェーズローテーション)ユニット110を備えている。各レークフィンガー
100の入力は、相関器101に供給される。相関器101は、出力を位相回転
ユニット110およびチャンネル予測器104に供給する。チャンネル予測器1
04の出力は、適応フィルタ108に、そして、コヒーレンス時間予測器106
に供給される。コヒーレンス(相関)時間予測器106の出力は、適応フィルタ
108の他の入力に接続されている。適応フィルタの出力は、位相回転ユニット
110の他の入力に接続されている。各位相回転ユニット110の出力は、遅延
等化器150の入力に接続されている。各遅延等化器150の出力は、コンバイ
ナ38に入力される。
【0038】 コンバイナ38も復調機能を提供することを認識されるべきである。本発明の
他の実施の形態においては、コンバイナ38の出力は、分離された復調器に入力
されるようにしてもよい。コンバイナ38の出力は、図1に示されるように、ビ
ット検出器42の入力に接続されている。
【0039】 レーク受信機34は、サウンディングブロック114(時にはサーチャーと称
される)も備えており、それは、各マルチパス電波がモバイルステーションに到
達したときを確認すべく、またはもしもベースステーションダイバーシティがあ
れば、ベースステーションからのそれぞれの信号がモバイルステーションに到達
したことを確認すべく、受信信号を通してサーチする。ベースステーションダイ
バーシティは、たとえば、複数のベースステーションが同一のモバイルステーシ
ョンに同一の信号を送出しているソフトハンドオフの間に生ずる。サウンディン
グブロックは、当該技術分野においてはよく知られており、したがって、該サウ
ンディングブロックの詳細な構造は説明されないであろう。高速フーリエ変換等
のような、いかなる適切な方法も、このサウンディングを実行するために用いら
れ得る。
【0040】 前記にかかわらず、サウンディングブロックの機能を説明しておく。サウンデ
ィングブロック114は、受信信号をそれぞれのコードと効果的に相関をとるが
、その相関は遅延時間を変えながら行なわれる。典型的なサウンディング相関の
結果は、図5に示される。読み取られ取れ得るように、第1の相関は、コードが
受信信号に対して相対的な遅延τ1だけ遅延しているときに得られる。次の2つ
の相関はサイズが減少しているが、相対的な遅延がそれぞれτ2およびτ3であ
るときに得られる。他の大きな相関は、相対的な遅延がτ4であるときに得られ
る。これには、2つの減小する強度のτ5およびτ6における相関がそれぞれ続
く。第1の相関ピークは、与えられたベーストランシーバステーションから受信
される最も強いマルチパス信号に対応し、第2および第3のピークは、同一のベ
ースステーションからの同一の信号の2つのマルチパス伝播に対応する。第4の
ピークは、おそらく第1のベーストランシーバステーションよりも当該モバイル
ステーションから遠い第2のベーストランシーバから受信される最も強いマルチ
パス信号に対応する。第5および第6のピークは、前記第2のベーストランシー
バステーションからの信号のマルチパス伝播に対応する。典型的には、どの与え
られたベースステーションからのこれらのマルチパス伝播も、一緒にグループ化
され、第2のベーストランシーバステーションから到来した第2のグループの信
号から容易に区別することができる。換言すれば、サウンディングブロック11
4は、各マルチパス伝播についての異なる位相(または遅延)を決定し、そして
これらの遅延は、特定のマルチパス伝播を取り扱うべく配置されたレーク受信機
34のそれぞれのフィンガーに送られる。
【0041】 一旦、サウンディングブロック114が、相関のピークが得られる遅延を突き
止めると、これらの遅延は異なるフィンガーに供給される。たとえば、もしも6
個のフィンガーがあるならば、第1のフィンガーは、遅延τ1を有するコードに
対して受信信号の相関をとり、第2のフィンガーは、遅延τ2を有するコードに
対して該信号の相関をとり、第3のフィンガーは、遅延τ3を有するコードに対
して該信号の相関をとるなどするであろう。もしも、フィンガーよりも多数の相
関ピークがあるなら、該サウンディングブロックは、それぞれのフィンガーに配
置するための最も大きな信号を選択すべく動作するであろう。各フィンガー10
1について割り当てられた遅延は、ライン1241〜nを介してそれぞれのフィ
ンガーの相関器へ出力される。
【0042】 サウンディングブロック114は、また、各レークフィンガー100のそれぞ
れの遅延等化器150に出力149を供給する。遅延等化器150に対してサウ
ンディングブロック114により供給される出力149は、各フィンガー100
の出力が同期され、且つコンバイナ38によって有意義に結合され得ることを確
実にする。たとえば、もしも遅延時間τ1、τ2およびτ3において生じるピー
クを処理すべく配置される3つのフィンガーのみが存在するならば、それは各フ
ィンガーからの遅延τ1、τ2およびτ3において生ずるピークがたがいに同期
して同時に発生するように、コンバイナ138によって重畳される。このように
して、遅延τ1を有するピークは、遅延τ3に対するピークに関してτ3〜τ1
時間期間だけ遅延されるであろう。同様に、第2のピークは、遅延τ3に対する
ピークに関してτ3〜τ2時間期間だけ遅延されるであろう。こうして、遅延τ
1、τ2およびτ3に対応するピークは、それぞれのフィンガーにより、コンバ
イナ38へ同時に、出力され得るであろう。
【0043】 明白であるように、コード生成器22は、それぞれのフィンガー100のライ
ン122を経由して各相関器101にだけでなく、ライン120を経由してサウ
ンディングブロック114に入力を供給する。
【0044】 各フィンガー100の各相関器101は、ライン33を介してA/Dコンバー
タ32から出力を、ライン122を介してコード生成器22から関連するコード
を、そしてライン124を介してサウンディングブロック144からの割り付け
られた遅延を受ける。各相関器101は、コード生成器22からのコードに対し
て受信信号の相関をとり、該コードは、サウンディングブロック114により決
定され且つ特定のフィンガー100に割り当てられた量だけ遅延される。したが
って、相関器101は受信信号をデスプレッド(拡散を元に戻す)する。
【0045】 各フィンガーの相関器101の出力は、チャンネル予測器104に対して入力
される。信号がベースステーションとモバイルステーションとの間で(アップリ
ンクでも、あるいはダウンリンクでもいずれでも)伝送されるとき、信号受信ユ
ニットは、信号がたどった通信パスについてのいくらかの情報を受けた信号から
(通信パスに関する情報を)確立する必要がある。このことは、「チャンネル予
測」と呼ばれ、且つチャンネルインパルス応答を生成するチャンネル予測器10
4ユニットにおいて実施される。チャンネル予測については、種々の技術が知ら
れている。チャンネルインパルス応答は、到来データを正しくデコードし且つ復
調するために必要とされる。
【0046】 チャンネル予測器104は、それゆえ、受信され且つ相関された信号について
のチャンネルインパルス応答を予測する。チャンネル予測は、受信信号における
パイロットシンボルに基づいていてもよい。パイロットシンボルは、基準参照信
号とみなされ得る。チャンネル予測器104は、受信機内で用意された基準参照
パイロットシンボルに対して、受信されたパイロット信号との相関をとるであろ
う。相関は、受信されるべきパイロットシンボルと実際に受信されたパイロット
シンボルとの間での比較を有効に実行する。チャンネルのコヒーレンス時間を予
測するためコヒーレンス時間予測器によるばかりでなく、チャンネル予測器10
4によって決定されたチャンネル予測も、適応フィルタ108の制御に用いられ
る。
【0047】 チャンネルのコヒーレンス時間は、それにわたって送信されたシンボルが、チ
ャンネル内の変動によって相対的に妨げられない時間間隔(インターバル)であ
る。チャンネルにおける変動は、移動する輸送媒体内にあるかまたは無線通信環
境における変化によるモバイルステーションの移動によって引き起こされるであ
ろう。コヒーレンス時間予測器106は、チャンネルのコヒーレンス時間を予測
すべく設けられており、該コヒーレント時間予測器106の構成要素は、図4を
参照して説明されるであろう。
【0048】 コヒーレンス時間は、モバイルステーションの予測スピードに基づいている。
概して、モバイルステーションがより速く動くと、コヒーレンス時間はより短く
なる。モバイルステーションのスピードは、多くの異なる方法で予測され得る。
モバイルステーションのスピードの予測の望ましい方法は、図4に示されるコヒ
ーレンス時間予測器106に関連して説明される。
【0049】 コヒーレンス時間予測器106は、自己相関ユニット120を備えており、そ
の入力はチャンネル予測器104の出力に接続されている。自己相関ユニット1
20の出力は、ローパスフィルタユニット122に入力される2つの出力を提供
する。ローパスフィルタユニット122は、2つの出力を有し、その各々は、そ
れぞれ絶対値ブロック124および126に接続される。絶対値ブロック124
および126の各々の出力は、除算ユニット128に入力される。除算ユニット
128の出力は、適応フィルタ108の1つの入力に接続される。
【0050】 チャンネル予測器104によって計算されたチャンネルインパルス応答は、自
己相関ユニット120に入力される。自己相関機能は、チャンネルインパルス応
答に対して実行される。換言すれば、入力チャンネルインパルス応答は、それ自
体との相関がとられる。チャンネルインパルス応答の自己相関は、0およびτの
遅延によってとられる。言い換えれば、チャンネルインパルス応答は、該チャン
ネルインパルス応答の2つのバージョンの間に遅延がない1つのケースにおいて
は、それ自体との相関がとられ、そしてチャンネルインパルス応答の1つのバー
ジョンを有する他のケースにおいては、時間τだけ該他のバージョンのチャンネ
ルインパルス応答について遅延される。これら2つの自己相関の結果は、ローパ
スフィルタ122に対する自己相関ユニット120のそれぞれの出力における出
力である。ローパスフィルタユニット122は、2つの平均値を提供するために
、自己相関ユニット122で実行される自己相関を平均化する。第1の平均値は
、遅延のない自己相関の平均を表現すると同時に、他の値は遅延τを有する自己
相関の平均を表現する。自己相関値は遅延のない最大自己相関値を表現する時に
得られる。
【0051】 遅延のない平均自己相関値R(0)は、次のようにあらわすことができる。 R(0)=E[C(t)C (t)] ここで、Eは、ローパスフィルタユニット122により行なわれる平均化機能を
示し、C(t)は、チャンネル予測器104により提供されるチャンネルイン
パルス応答であり、そしてC (t)は、チャンネルインパルス応答値の複素
共役値である。それから、C(t)C (t)は、自己相関値を与える複素
乗算値である。
【0052】 遅延τに対する平均自己相関値R(τ)は、次の通りである。 R(τ)=E[C(t)C (t+τ)]
【0053】 それぞれの自己相関値の平均は、ノイズの影響を減小するであろう。2つの平
均値は、ローパスフィルタユニット122のそれぞれの出力によって出力され、
且つ絶対値ブロック124のそれぞれに入力される。絶対値ブロック124は、
平均値の各々の絶対値(すなわち大きさ)を計算する。計算された絶対値は、そ
れぞれの絶対値ブロック124により除算ブロック128に、出力される。除算
ブロック128は、相関係数pを提供するために2つの平均値を比較する。とく
に、除算ブロック128は、次の計算を実行する。
【数1】
【0054】 このように、pは、モバイルステーションの速度に比例するパラメータである
。もしもモバイルステーションが動いていないならば、そのときは、前記2つの
平均値は、類似した値となり、そしてpは1に近づくであろう。しかしながら、
モバイルステーションがより速く動くと、前記2つの平均値の間の相違はより増
大し、pはモバイルステーションの速度が増大するにつれて増大し、pはチャン
ネルのコヒーレンス時間の表現である。
【0055】 図6は、図4の概念的な構成を実際にどのように実施することができるかの1
つの方法を示している。チャンネル予測器104の出力は、第1のデシメータ1
52に入力される。チャンネル予測器104の出力は、2つの分離された信号と
して表現され、その1つがI成分に対応し、もう1つがQ成分に対応する。デシ
メータは、nビット毎にmを廃棄することにより入力信号のサイズを低減する。
mおよびnは、いかなる適切な値も持つことができ、且つ発明の実施の形態にお
いては、タイムスロット内の全ての非パイロットシンボルは、廃棄される。この
実施の形態の1つの変形においては、全ての非パイロットシンボルおよびいくつ
かのパイロットシンボルは、各タイムスロットについて廃棄されることが可能で
ある。
【0056】 第1のデシメータ152は、前述の信号のIおよびQ成分に対応する2つの出
力を提供する。これら2つの出力は、遅延のない自己相関値を提供する第1の複
素乗算器130および遅延τを有する自己相関を提供する第2の複素乗算器13
2を含む自己相関ユニット120に入力される。第1の複素乗算器130は、2
つの分離された入力において、信号のI成分を受信し、そして、2つの分離され
た入力において、信号のQ成分を受信する。第2の複素乗算器132は、信号の
I成分のための第1の入力および信号のQ成分のための第2の入力を有している
。第2の複素乗算器も、遅延ユニット134の2つの出力に接続される2つの入
力を有する。遅延ユニット134は、第1のデシメータ152のそれぞれの出力
からの信号の1つの入力においてI成分をそして第2の入力においてQ成分を受
信する。遅延ユニット134は、前記IおよびQ成分を第2の複素乗算器132
へ出力する前に、これらの信号を時間τだけ遅延させる。自己相関機能は、第1
および第2の複素乗算器130および132により、そのように実現される。
【0057】 第1の複素乗算器130の出力は、第1の無限インパルス応答(IIR)フィ
ルタ136へ出力される。同様にして、第2の複素乗算器132の出力は、第2
のIIRフィルタ138へ出力される。第1および第2のIIRフィルタ136
および138の出力は、それぞれ、第2および第3のデシメータ140および1
42に出力される。第2および第3のデシメータ140および142は、第1の
デシメータ152と同一の機能を提供するが、mおよびnの値が異なっているか
もしれない。mおよびnの値は第2および第3のデシメータ140および142
については同一であろうことに留意すべきである。第2および第3のデシメータ
140および142の出力は、第3および第4のIIRフィルタ145および1
46に入力される。4個のIIRフィルタ136、138、145および146
、並びに第2および第3のデシメータ140および142は、自己相関ユニット
120によって実行される自己相関の結果を平均化すべく構成されている。第3
および第4のIIRフィルタ145および146は、実際の平均化機能を提供す
る。
【0058】 第2および第3のデシメータ140および142は、第3および第4のIIR
フィルタ145および146にわたされるサンプルの数を低減し、そしてそれゆ
え第3および第4のIIRフィルタの複雑さを低減することができる。第3およ
び第4のIIRフィルタの出力は、図4におけるように、それぞれ絶対値ブロッ
ク124に入力される。絶対値ブロック124の出力は、図4のそれと同一の機
能を実行する除算ユニット128に入力される。第1から第3のデシメータ15
2、140、および142についてのmおよびnの最も適切な値は、経験的に決
定され得る。
【0059】 チャンネル予測器104によって提供されるチャンネル予測は、ノイズによっ
て影響される。適応フィルタ108は、ノイズの影響を低減するために設けられ
ている。位相回転ブロック110における信号の位相を補正するためにそれらが
用いられる前にチャンネル予測をフィルタリングすることにより、位相回転ブロ
ック110の結果は一層正確になるであろう。言い換えれば、適応フィルタは、
チャンネル予測の信号対ノイズ比を改善する。
【0060】 このように、適応フィルタ108は、レークフィンガー100によって取り扱
われうる特定の伝播路についてのコヒーレンス時間予測器106によって予測さ
れるコヒーレンス時間に応答してその動作特性が変更されるように構成されてい
る。さらに詳細には、適応フィルタ108の動作が、相関係数の現在値を考慮し
て変更される。それから、適応フィルタ108は、チャンネル予測器104によ
り計算されたチャンネル予測をフィルタする。各レークフィンガー100は、一
度に単一の伝播路を考慮することは理解されるべきである。適応フィルタ108
は、それゆえ予測コヒーレンス時間にしたがってプログラムされたプログラマブ
ルフィルタである。
【0061】 本発明の実施の形態に用いられるであろう1つのタイプのフィルタを模式的に
示す図7を参照する。フィルタ108は、多数の遅延ブロック160〜168を
具備する。遅延ブロックの数は、必要に応じて変更され得る。しかしながら、説
明のためだけの目的で、図7のフィルタ108には5つの遅延ブロック160〜
168が設けられている。フィルタ108への入力170は、2つの出力を有す
る第1の遅延ブロック160に接続されており、該2つの出力の一方は、第2の
遅延ブロック162に接続され、且つその他方は加算器172に接続されている
。同様にして、第2の遅延ブロック16は、2つの出力を持ち、そのうちの一方
は、第3の遅延ブロック164に接続され、且つそのうちの他方は加算器172
に接続されている。第3および第4の遅延ブロック164および166の各々は
、2つの同様の出力を持っている。第5の遅延プロック168は、単一の出力を
持ち、それは、加算器172に接続されている。各遅延ブロックは第2の入力1
74を有しており、それは特定の遅延ブロックについて割り当てられた係数を提
供する。この一般的な構造は、FIR(有限インパルス応答)フィルタ、IIR
フィルタおよびウィーナ(Wiener)フィルタにより用いられており、それらは、
全て本発明の実施の形態において使用され得る。これらのフィルタにより達成さ
れる異なる機能は、遅延ブロック160〜168に適用される係数によって達成
される。フィルタ108の出力は、加算器172の出力によって供給され、該加
算器は遅延ブロック160〜168の各々の出力を合計する。
【0062】 スムージング機能を提供する適応フィルタ108は、上述したようにフラット
なFIRフィルタ、IIRフィルタ、ウィーナフィルタまたは他のあらゆる適切
なタイプのフィルタであってもよい。適応フィルタは、それゆえ、スムーザまた
はスムージングフィルタとも称され得る。ウィーナフィルタにおいて、使用され
る係数は特定のドプラースペクトラムに適応される。係数pは、これらの係数お
よび/または使用されるタップの数を変更するのに用いられてもよい。フラット
FIRフィルタは、平均であり、そこではあらゆるタップ係数が同一の値を持っ
ている。たとえば、20タップフィルタにおいて、各フィルタ係数は同一の値、
たとえば0.05であってもよい、を持つであろう。フラットFIRフィルタを
用いる本発明の実施の形態において、使用されるタップの数は、コヒーレンス時
間予測器106により提供されるコヒーレンス時間にしたがって変化されるであ
ろう。
【0063】 ウィーナフィルタは、信号の平均二乗誤差を最小とするリニアフェーズフィル
タ(線形位相フィルタ)を通してチャンネル予測が通ることにより最適なチャン
ネル予測を得ることを試みている。そのような機能は、実際に実施することが困
難であり得るとともに、可能性のある最大のドプラー周波数よりも大きいかそれ
と等しいカットオフ周波数を有する適応線形位相の、ローパスフィルタが用いら
れ得る。
【0064】 長いコヒーレンス時間および短いコヒーレンス時間を有するチャンネルをそれ
ぞれ示す図8aおよび図8bを参照する。より長いコヒーレンス時間(フェーデ
ィングレート)は、よりゆっくりと動くモバイルステーションによって得られる
とともに、より短いコヒーレンス時間がより速い移動ステーションにより得られ
る。図8aおよび図8bのy軸は、パワー(電力)を示す。最初に図8aを参照
するに、それについてチャンネル予測がなされるべき時間期間は、値が比較的一
定である領域178によって示される。それゆえ、フィルタ108は、フィルタ
出力176を決定するために相対的に多数の値を使うであろう。したがって、全
ての遅延ブロックが使用されてよく、且つ各遅延ブロックについてのタップ係数
は、非常に似ているであろう。次に図8bを参照すると、チャンネル予測がなさ
れるべき時間期間は、領域180で示され、やはりそこでは値は比較的一定であ
る。しかしながら、領域180は領域178よりもずっと短い。それゆえ、より
少ない遅延ブロックが使用されるであろう。たとえば、遅延ブロックについての
係数のいくつかは0であろう。両例において、非ゼロ係数は、それぞれのチャン
ネルのコヒーレンス時間を表現する領域176および180の長さにしたがって
選択されるであろう。両例において、もしも領域176および180のサイズが
、チャンネルコヒーレンス時間よりも長くなるように増大されたら、チャンネル
予測は不正確になり、そしてチャンネル予測が最早チャンネルインパルス応答に
対応しなくなって不正確な結果を提供する。
【0065】 レーク受信機において、レーク受信機は、コンバイナ38によって結合(コン
バイン)されるチャンネルの異なる遅延路からの信号エネルギを効果的に収集す
る。各個別の通路は、独立のフェーディング特性を導入するものと仮定される。
上述したように、n個の異なる遅延または伝播路が存在するであろう。異なる遅
延路の最大比率結合を実行することが可能である。最大比率結合は、信号が結合
される前に、最も強い信号には最大の重みが与えられるように、効果的に信号を
重み付けする。この計算のこの正確さは、チャンネル予測器104により計算さ
れるチャンネル予測の正確さに依存するであろう。適応フィルタ108は、それ
ゆえ、チャンネル予測器104により得られるチャンネル予測をスムーズ(平滑
)するであろう。チャンネル予測器104により提供されるチャンネル予測は、
コヒーレンス時間を予測するために該予測を用いるコヒーレンス時間予測器10
6へ出力され、そしてタップをフィルタする適応フィルタ108にも出力される
。上述において議論したように、適応フィルタ108の特性は、チャンネルコヒ
ーレンス時間予測器106により計算される係数に依存するであろう。
【0066】 コンバイナ38は、レークフィンガーの各々により提供される信号をコヒーレ
ントに結合する。コヒーレント結合は、各フィンガー100における位相回転ユ
ニット110の存在により可能である。とくに、コヒーレント結合において、各
フィンガーにより提供される信号の位相は同一である。本発明の代替的実施の形
態において非コヒーレント結合を生じさせることができることを認識すべきであ
る。位相回転ユニット100は、適応フィルタ108により出力されるフィルタ
されたチャンネル予測により、乗算されるべく、相関器101により提供される
相関がとられた出力を生じる。位相回転ユニットとコンバイナ38との間に配設
される遅延等化器150の機能は、既に上述している。したがって、位相回転ユ
ニット100は、結合されるべき信号が同一の位相を持つことを、遅延等化器1
50は、結合されるべき信号が該信号の対応する部分が遅延等化器150から同
時に出力されるように、各々について遅延されることを確実にする。
【0067】 コンバイナ38は、信号を結合するためにどのような適切なアルゴリズムも用
いることができる。たとえば、異なる重み付けファクタが、異なるフィンガーか
らの信号と共に用いられ得る。本発明の1つの実施の形態において、送信データ
信号についてコンバイナにより提供される予測は、次の通りである。 Σ(1つの伝播路についての信号)×(チャンネルタップ複素予測値の複素共役)
【0068】 各フィンガー100は、(与えられた伝播路についての信号の結果)×(チャ
ンネルタップ複素予測値の複素共役)を与える。各フィンガー100からの結果
は、それから合計される。
【0069】 チャンネルのコヒーレンス時間を予測するための図4または図6に示されたシ
ステムは、受信機に他の処理機能も提供するディジタルシグナルプロセッサにイ
ンプリメントされ得る。代わりに、個別の構成要素または個別のプロセッサが、
各フィンガーについてのコヒーレンス時間を予測するために提供され得る。
【0070】 以上に説明された実施の形態に対する1つの変形において、適応フィルタの後
段に、2つの連続するタイムスロットの間の予測値を補間するために線形補間器
を加えてもよい。
【0071】 本発明の上述した実施の形態においては、チャンネルのコヒーレンス時間の予
測は、モバイルステーションの予測スピードに基づいている。しかしながら、チ
ャンネルのコヒーレンス時間を計測するのに他のいかなる適切な技術も代替的に
使用され得る。
【0072】 発明の実施の形態においては、サウンディングブロックの相関機能は、マッチ
トフィルタにより達成されてもよい。各フィンガーにおける相関器は、マッチト
フィルタにより置き換えてもよい。
【0073】 チャンネル予測は、パイロットシンボルでないデータシンボルに基づいていて
もよい。代わりに、該予測は、パイロットおよびデータシンボルの両方に基づい
てもよい。
【0074】 以上に詳述した特別な方法に代えてモバイルステーションのスピードを予測す
るための他のいかなる適切な方法またはスピードを示すパラメータが用いられ得
る。
【0075】 適応フィルタにより提供されるフィルタ機能は、図7に示されたフィルタ構成
の代わりに他のいかなる適切なフィルタ構成を用いて実施されることも可能であ
る。
【0076】 本発明の実施の形態がモバイルステーションに関連して詳述されたが、発明の
実施の形態はベーストランシーバステーションに組み込まれるようにすることも
できる。ベーストランシーバステーションは、移動可能でも固定的でもよい。加
えて、本発明の実施の形態は、ベースステーションその他と通信し得る固定装置
に組み込まれるようにしてもよい。本発明の実施の形態が、固定装置に組み込ま
れた場合にも、たとえば交通等の動きに起因して無線通信環境自体が変化するこ
とに対して、なお利点が達成される。
【0077】 本発明の実施の形態は、とくにコード分割多重アクセスシステムおよび広帯域
コード分割多重アクセスシステムに適用し得るものである。しかしながら、本発
明の実施の形態は、たとえば、他の拡散スペクトラムシステム、時分割多重アク
セスシステム、周波数分割多重アクセスシステムおよびこれらのアクセスシステ
ムのハイブリッドのような、実質的に他のいかなるアクセスシステムとも組み合
わせて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、モバイルステーションにおける送信および受信回路構成のブロック図
を示している。
【図2】 図2は、モバイルステーションのブロック図を示している。
【図3】 図3は、レーク受信機のブロック図を示している。
【図4】 図4は、図3のコヒーレンス時間予測器の構成要素の概念図を示している。
【図5】 図5は、異なるマルチパス信号がどのようにして識別されるかを図解している
【図6】 図6は、図4のコヒーレンス時間予測器の1つの実施形態を示している。
【図7】 図7は、図3のアジャスタブル(調整可能)フィルタの1つの実施形態を示し
ている。
【図8a】 図8aは、長いコヒーレンス時間を有するチャンネルの特性を示している。
【図8b】 図8bは、短いコヒーレンス時間を有するチャンネルの特性を示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年9月11日(2000.9.11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G D,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZA,ZW

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線通信システムに用いるための受信機であって、複数の受
    信機手段を備え、前記複数の受信機手段は、各々異なる伝播路から信号を受信す
    べく構成され、前記受信機手段の各々は、それぞれの受信機手段により受信され
    る信号によって用いられる前記伝播路についてのチャンネルコヒーレンス時間を
    予測する手段と、フィルタリング手段とを具備し、前記フィルタリング手段の動
    作は、前記予測手段により提供されるコヒーレンス時間予測に依存して変更され
    る受信機。
  2. 【請求項2】 前記受信機がレーク受信機であり、前記受信機手段が複数の
    フィンガーを備える請求項1に記載の受信機。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ手段のためのタップ係数が、コヒーレンス時間
    予測に依存して変化可能である請求項1〜2のいずれか1項に記載の受信機。
  4. 【請求項4】 前記フィルタリング手段に用いられるタップの数が、前記コ
    ヒーレンス時間予測に依存して変更可能である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の受信機。
  5. 【請求項5】 前記フィルタリング手段が、前記信号の平均二乗誤差が最小
    化される特性を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の受信機。
  6. 【請求項6】 各受信機手段の前記フィルタリング手段がウィーナフィルタ
    を具備する請求項5に記載の受信機。
  7. 【請求項7】 各受信機手段の前記フィルタリング手段が有限インパルス応
    答フィルタを具備する請求項1〜6のいずれか1項に記載の受信機。
  8. 【請求項8】 各受信機手段の前記フィルタリング手段が、無限インパルス
    応答フィルタを具備する請求項1〜7のいずれか1項に記載の受信機。
  9. 【請求項9】 前記受信機が、モバイルステーションに組み込まれている請
    求項1〜8のいずれか1項に記載の受信機。
  10. 【請求項10】 前記予測手段が、モバイルステーションの移動を示すパラ
    メータに基づいてそれぞれの受信機手段に関連する伝播路のチャンネルのコヒー
    レント時間を予測する請求項1〜9のいずれか1項に記載の受信機。
  11. 【請求項11】 モバイルステーションの移動を示す前記パラメータが、与
    えられた受信機に関連する伝播路についての、遅延のない、チャンネルインパル
    ス応答の第1の自己相関と与えられた遅延を伴う前記チャンネルインパルス応答
    の第2の自己相関との比率によって定義される請求項10に記載の受信機。
  12. 【請求項12】 前記第1および第2の自己相関が、平均値である請求項1
    1に記載の受信機。
  13. 【請求項13】 前記フィルタリング手段の出力が、受信信号に適用される
    位相変更を制御するのに用いられる請求項1〜12のいずれか1項に記載の受信
    機。
  14. 【請求項14】 前記予測手段が、受信信号についての複数のチャンネルイ
    ンパルス応答予測を受信すべく構成され、前記チャンネルインパルス応答予測は
    前記予測手段によりチャンネルコヒーレンス時間を予測するために用いられる請
    求項1〜13のいずれか1項に記載の受信機。
  15. 【請求項15】 前記受信機がベーストランシーバステーションに組み込ま
    れた請求項1〜14のいずれか1項に記載の受信機。
  16. 【請求項16】 前記受信機が、符号分割における信号を受信すべく構成さ
    れた請求項1〜15のいずれか1項に記載の受信機。
  17. 【請求項17】 無線通信システムに用いるための受信機であって、複数の
    受信機手段を備え、前記複数の受信機手段が各々異なる伝播路から信号を受信す
    べく構成され、前記受信機手段の各々は、前記受信信号をフィルタリングするた
    めの適応フィルタリング手段を具備し、前記適応フィルタリング手段の動作がそ
    れぞれの受信機手段により受信される伝播路からの信号の特性に依存して変更さ
    れる受信機。
  18. 【請求項18】 前記受信信号が、適応フィルタリング手段を通過するのに
    先立って処理される請求項17に記載の受信機。
  19. 【請求項19】 前記特性が、それぞれの受信機により受信される前記信号
    により用いられる伝播路についてのチャンネルコヒーレンス時間である請求項1
    7または18に記載の受信機。
JP2000566959A 1998-08-21 1999-08-10 Cdma通信システムにおけるマルチパス伝達のための適応受信機 Pending JP2002523961A (ja)

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