JP2002523672A - 内燃機関用の燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、内燃機関用の燃料噴射弁であって、弁体の孔内を軸方向摺動可能な弁部材が設けられており、該弁部材が燃焼室側の端部に、弁閉鎖部材を形成する弁頭を有しており、該弁頭が弁体に向けられた側にシール面を有しており、該シール面によって弁頭が、弁体の燃焼室側の端面に設けられた弁座面と共働するようになっており、弁頭に噴射開口が設けられており、該噴射開口が、弁部材と孔の壁との間に形成された圧力室から延びていて、弁頭の周壁のところで開口しており、噴射開口が、弁座との弁部材の接触時に、孔の壁によって閉鎖されていて、弁部材の外方に向かっての開放行程運動によって開放制御されるようになっており、さらに弁部材が、外部から制御可能な調節部材によって、圧力室における燃料高圧とは無関係に操作可能であり、しかも、圧力室を軸方向において制限していて互いに向かい合っている２つの圧力肩部が、ニードル状の弁部材に設けられており、両圧力肩部がほぼそれぞれ等しい圧力作用面を有している形式のものにおいて、一方の圧力肩部が、弁体の、燃焼室から離れている端部において、圧力室と流体的に接続された補償室内に配置されており、該補償室が端面側において、軸方向摺動可能に案内された圧力スリーブによって閉鎖されていることを特徴とする、内燃機関用の燃料噴射弁。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の燃料噴射弁に関する。

【０００２】 このような燃料噴射弁は例えばドイツ連邦共和国特許第４３２５９０４号明細
書及び開示されていないドイツ連邦共和国第１９７１６２２６.６-１３号明細書
に記載されている。

【０００３】 このような燃料噴射弁における問題点は、弁体における弁部材のガイド及びシ
ールにある。特に正確に方向付けられていない孔の場合、又は弁部材が小さな座
屈部を有しているような場合に、ガイド及びシールに関する問題が生じる。

【０００４】 発明の利点 請求項１の特徴部に記載のように構成された本発明による燃料噴射弁は、公知
のものに対して次のような利点、すなわち従来技術に基づいて公知の内燃機関用
の燃料噴射弁に比べてガイド及びシールが改善されているという利点を有してい
る。一方の圧力肩部が、弁体の、燃焼室から離れている端部において、圧力室と
流体的に接続された補償室内に配置されており、該補償室が端面側において、軸
方向摺動可能に案内された圧力スリーブによって閉鎖されていることによって、
補償室が常に圧力室と接続されているという特に大きな利点が得られる。これに
よって一方では、圧力肩部が常に圧力負荷されるということが保証され、他方で
は、例えば燃料噴射弁の開放時における圧力室と補償室との間の圧力差が、直接
的に補償されるということが、保証されている。このようにして、例えば燃焼室
側の漏れひいてはこれによって生じる両圧力肩部の間における圧力差に基づいて
、開放方向に作用する力が弁部材に作用する場合でも、常に閉鎖ポジションへの
燃料噴射弁の戻りが保証される。

【０００５】 本発明の別の有利な構成では、弁部材が両圧力肩部の間においてニードル状に
形成されていて、一定の直径を有している。このように弁部材が両圧力肩部の間
において一定の直径を備えた細いニードルとして形成されていると、一方では弁
頭によって他方では圧力スリーブによって形成されるガイドの間における小さな
ずれを、簡単かつ有利な形式で補償することが可能である。

【０００６】 漏れを回避するために、圧力スリーブが弁部材にプレス嵌めされていると、有
利である。原理的には補償室は任意の形式で形成することが可能である。しかし
ながら特に、簡単な製造に関して有利な構成では、補償室が、燃焼室から離れて
いる圧力肩部をリング状に取り囲んでいる。

【０００７】 また別の有利な構成では、燃料噴射弁の燃料高圧供給が、すべての燃料弁のた
めに共通の１つの高圧アキュムレータから行われ、該高圧アキュムレータには燃
料高圧ポンプを介して燃料が充填可能である。

【０００８】 さらに別の有利な構成では、弁部材を操作するための調節部材が、電気機械式
の調節部材であり、この調節部材は特に圧電式アクチュエータ又は電磁石として
形成されている。

【０００９】 実施例の記載 次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。

【００１０】 燃焼室側に位置する下側部分が図１に断面図で示されている、内燃機関用の燃
料噴射弁の１実施例は、弁体１０を有しており、この弁体１０は袋状のナットで
あるユニオンナット（Ueberwurfmutter）３０を用いて弁保持体２０に軸方向不
動にしっかりと緊締されている。

【００１１】 弁体１０は軸方向の案内孔４０を有しており、この案内孔４０においてニード
ル状の弁部材５０が軸方向摺動可能に案内されており、この弁部材５０は、燃料
供給される内燃機関の燃焼室（図示せず）に突入する下端部に、弁閉鎖部材とし
て作用する弁頭５２を有している。孔から突出するこの弁頭５２は、弁体１０に
向けられた円錐形のシール面５３を有しており、このシール面５３は図示の実施
例では、弁頭５２に載着された座リング（Sitzring）によって形成されていて、
弁体１０の燃焼室側の端面における対応する弁座面と共働する。

【００１２】 孔４０の壁と弁部材５０のシャフトの一部との間には、弁体１０内に圧力室１
２が形成されており、この圧力室１２は軸方向においてそれぞれ、弁部材５０に
形成された圧力肩部５４，５５によって制限されている。

【００１３】 この圧力室１２には、圧力室１２の容積増大部である圧力室１３において、自
体公知の形式で供給孔６０が開口している。

【００１４】 圧力室１２の、燃焼室から離れている端部に配置された圧力肩部５５は、弁部
材ヘッド５２に形成された、燃焼室に近い圧力肩部５４と等しい圧力作用面を有
しており、その結果弁部材５０は圧力を相殺されている。このようにして、作用
するコモンレール圧に基づいて燃料噴射弁が自動的に開放することは、阻止され
る。

【００１５】 図１及び特に図２から分かるように、燃料噴射弁は、燃料高圧によって負荷さ
れる別の付加的な作用面を有しており、このような作用面を介して、噴射弁にお
ける燃料高圧は閉鎖方向で弁部材５０に作用する。この付加的な圧力作用面は、
圧力スリーブ７０の、燃焼室側の下端面７１によって形成され、この下端面７１
は補償室８０を、燃焼室とは反対側において閉鎖しており、この補償室８０は、
燃焼室から離れている圧力肩部５５をリング状に取り囲んでいて、圧力室１２と
流体的に接続されている。補償室８０はこのようにして圧力室１２の、燃焼室か
ら離れている閉鎖部を形成している。圧力スリーブ７０は軸方向摺動可能にリン
グ体９０内において案内されている。圧力スリーブ７０は漏れを回避するために
、弁部材５０の上側のシャフト部分５６にプレス嵌めされている。端面７１によ
って形成された圧力作用面は、肩部５４；５５の圧力作用面よりも幾分大きいの
で、例えば弁頭５２の領域における燃料噴射弁の高い負荷に基づいて、燃料噴射
弁の不都合な開放を惹起するわずかな非シール性が発生した場合でも、閉鎖位置
への燃料噴射弁の戻りが保証される。

【００１６】 図１からさらに分かるように、弁部材シャフト部分５６には別のシャフト部分
５７が接続されており、この別のシャフト部分５７は、弁保持体２０に設けられ
たばね室２２内に突入している。燃料噴射弁を開放するために、弁ばね２４の戻
し力に抗して、電気機械式の調節部材の制御例えば圧電式アクチュエータ又は電
磁石の制御によって、弁部材５０の軸方向摺動ひいては、弁頭５２に設けられた
噴射開口（図示せず）の開放が惹起される。

【００１７】 弁部材５０の両圧力肩部５４；５５の間における領域は、ニードル状に一定の
直径をもって形成されている。これによって可能になる、特に弁部材軸線に対し
て垂直な方向における弁部材５０の弾性によって、ニードル状の領域の中央領域
において、弁部材５０のガイドつまり圧力スリーブ７０と弁頭５２とによって形
成されるガイドの間におけるずれを、簡単に補償することが可能になる。

【００１８】 補償室を供給路１２ａを介して圧力室１２と直接接続することによって、例え
ば燃料噴射弁の開放時に、圧力室１２と補償室８０との間において圧力差は直接
的に補償される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 内燃機関用の燃料噴射弁の下側領域を示す断面図である。

【図２】 図１に示された内燃機関用の燃料噴射弁の弁体の、燃焼室から離れている端部
を拡大して示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 弁体、 １２，１３ 圧力室、 ２０ 弁保持体、 ２４ 弁ばね、
３０ ユニオンナット、 ４０ 案内孔、 ５０ 弁部材、 ５２ 弁頭、 ５
３ シール面、 ５４，５５ 圧力肩部、 ５６，５７ シャフト部分、 ６０
供給孔、 ７０ 圧力スリーブ、 ７１ 下端面、 ８０ 補償室、 ９０
リング体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3G066 AB02 AC09 BA18 BA36 CC06U CC14 CC40 CC56 CD10 CE22 CE27 【要約の続き】 的に接続された補償室内に配置されており、該補償室が 端面側において、軸方向摺動可能に案内された圧力スリ ーブによって閉鎖されていることを特徴とする、内燃機 関用の燃料噴射弁。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関用の燃料噴射弁であって、弁体（１０）の孔（４０
   ）内を軸方向摺動可能な弁部材（５０）が設けられており、該弁部材（５０）が
   燃焼室側の端部に、弁閉鎖部材を形成する弁頭（５２）を有しており、該弁頭（
   ５２）が弁体（１０）に向けられた側にシール面（５３）を有しており、該シー
   ル面（５３）によって弁頭（５２）が、弁体（１０）の燃焼室側の端面に設けら
   れた弁座面（１１）と共働するようになっており、弁頭（５２）に噴射開口が設
   けられており、該噴射開口が、弁部材（５０）と孔（４０）の壁との間に形成さ
   れた圧力室（１２）から延びていて、弁頭（５２）の周壁のところで開口してお
   り、噴射開口が、弁座（１１）との弁部材（５０）の接触時に、孔（４０）の壁
   によって閉鎖されていて、弁部材（５０）の外方に向かっての開放行程運動によ
   って開放制御されるようになっており、さらに弁部材が、外部から制御可能な調
   節部材によって、圧力室（１２）における燃料高圧とは無関係に操作可能であり
   、しかも、圧力室（１２）を軸方向において制限していて互いに向かい合ってい
   る２つの圧力肩部（５４，５５）が、ニードル状の弁部材（５０）に設けられて
   おり、両圧力肩部（５４，５５）がほぼそれぞれ等しい圧力作用面を有している
   形式のものにおいて、一方の圧力肩部（５５）が、弁体（１０）の、燃焼室から
   離れている端部において、圧力室（１２）と流体的に接続された補償室（８０）
   内に配置されており、該補償室（８０）が端面側において、軸方向摺動可能に案
   内された圧力スリーブ（７０）によって閉鎖されていることを特徴とする、内燃
   機関用の燃料噴射弁。
2. 【請求項２】 弁部材（５０）が両圧力肩部（５４，５５）の間においてニ
   ードル状に形成されていて、一定の直径を有している、請求項１記載の燃料噴射
   弁。
3. 【請求項３】 圧力スリーブ（７０）が弁部材（５０）にプレス嵌めされて
   いる、請求項１又は２記載の燃料噴射弁。
4. 【請求項４】 補償室（８０）が、燃焼室から離れている圧力肩部（５５）
   をリング状に取り囲んでいる、請求項１記載の燃料噴射弁。
5. 【請求項５】 燃料高圧供給が、すべての燃料弁のために共通の１つの高圧
   アキュムレータから行われ、該高圧アキュムレータには燃料高圧ポンプを介して
   燃料が充填可能である、請求項１から４までのいずれか１項記載の燃料噴射弁。
6. 【請求項６】 調節部材が、電気機械式の調節部材として、有利には圧電式
   のアクチュエータ又は電磁石として形成されている、請求項１から５までのいず
   れか１項記載の燃料噴射弁。