JP2002522789A - コロイド粒子の光学的共鳴を用いた結合分析 - Google Patents

コロイド粒子の光学的共鳴を用いた結合分析

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JP2002522789A JP2000565398A JP2000565398A JP2002522789A JP 2002522789 A JP2002522789 A JP 2002522789A JP 2000565398 A JP2000565398 A JP 2000565398A JP 2000565398 A JP2000565398 A JP 2000565398A JP 2002522789 A JP2002522789 A JP 2002522789A
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ダブリュ ピーター ハンセン
ペトラ ビー クロールダット
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Abstract

(57)【要約】 特定の固定されたレセプタとの結合親和性のための配位子の大きな集合を急速に定量評価できる装置及び方法であり、標識を用いず結合パン(binding pan)が検出されること、及び結合が溶液相において高速で行われることを特徴とする。この装置は、少なくとも2つの実施形態を有する。これらの実施形態は、小径の金属コロイド粒子の特定共鳴波長λRにおいて機能する、一方は高感度吸収測光に、他方は高感度光散乱測光に基づく。共鳴は、特定の共鳴波長λRにおいて、屈折率の実部n(λ)が0に近づき、同時に虚部k(λ)が√2に近づく複素屈折率を有する小粒子において発生する。粒子は実質的に球形で、λRより実質的に小さい。レセプタは、かかる粒子の懸濁液に固定化され、共鳴波長における光学的吸収又は光散乱の変化により、配位子結合が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本願は、「コロイド粒子の光学的共鳴による結合分析(Binding Assays By Me
ans Of Optical Resonace Of Colloidal Particles)と題する米国仮特許出願第
60/096,159号(1998年8月11日に出願)に基づき、該出願の優
先権を主張する。さらに、本願は、「同種結合分析(Homogeneous Bindng Assay
s)と題する同時係属出願第08/789,211号(1996年1月23日に
出願され、参照のため本願に組み込まれている)の一部継続出願である。
【0002】 (技術分野) 本発明は、配位子結合(ligand binding)検出の分野に関し、より詳細には、
種々の生物レセプタに対する相対的な結合親和性の測定により、多数の潜在的治
療化合物(therapeutic compounds)を自動的にスクリーニングする高速装置に
関する。
【0003】 (背景技術) 遺伝子工学を用いた方法により、疾患に関わる細胞表面レセプタの遺伝子配列
の同定、及びこれらのレセプタの相当量を精製された形態で人工的に発現させる
技術が成功を収めている。また、これらのレセプタは細胞プレパレーションから
の単離が可能である。組み合わせ化学(combinatorial chemistry)の技術は、
単離又は同定されたレセプタに対する潜在的な結合パートナーである低分子量化
合物の高速合成を提供する。生成後、これらの厖大な化合物ライブラリは、ター
ゲットレセプタに対する相対的な結合親和性のためにスクリーニングしなければ
ならない。このような検査又はスクリーニングをタイムリに行うためには、高速
機械が必須である。
【0004】 従来からのスクリーニング方法では、各化合物に、例えば放射性部分(radioa
ctive moiety)、蛍光タグ又は発光タグで標識付けし、対象レセプタに対するそ
の標識付けした化合物の結合を判断する。このため、一般にレセプタを固定する
ことによって、標識付けした化合物との接触を可能にする。一定時間の経過後、
非結合化合物を洗い流し、結合した標識の存在を調べるため、固定されたレセプ
タを分析する。
【0005】 上記方法には、少なくとも2つの問題がある。第1に、洗浄によって、理想的
ではないが、ある活動を伴う化合物の検出には重要であるかもしれない、弱い結
合が破壊されるおそれがある。第2に、おそらくは何千何百という化合物を含む
ライブラリ全体に標識付けするという作業は、スクリーニングできる化合物の数
を実際に制限してしまう。各化合物は標識付けに関して解決すべき独自の課題が
あるので、これらすべてが同じタグで標識付けできるわけではない。さらに、標
識の存在が、化合物とレセプタの親和性を変更する可能性もある。
【0006】 したがって、標識付けを省略しても、化合物とレセプタとの結合親和性の定量
分析が可能な装置及び方法が非常に望ましい。これにより、非常に大きい化合物
のライブラリの高速スクリーニングに対する基本的な制限を解決することができ
る。
【0007】 本発明は、レセプタが標識付けされていない結合化合物により占有される場合
にこのレセプタを結合させるソリッドサポートにおける光学特性の変化を検出す
る装置及び方法を提供することにより、上記目的を達成する。ソリッドサポート
は、粒径が100nm未満の特定種類のコロイド粒子である。このような小さい
な粒径は、反応に対する結合動態(binding kinetics)が溶液相(solution pha
se)動態に類似することを意味する。この装置は、化合物をレセプタのコロイド
懸濁液と混合し、この混合物をインキュベートし、1時間当たり何千テストとい
う速度で結果を読み取る。
【0008】 上記同時係属中の出願において、発明者らは光学的共鳴を利用して粒子の架橋
を検出できることを発見した。本発明は、粒子の架橋には依存せず、以下に説明
するように、標識付けされていない配位子の粒子への結合を直接検出する。
【0009】 (発明の開示) 本発明は、特殊化されたタイプの光感光性サブミクロン粒子を利用する。前記
粒子の表面は、溶液相配位子を結合できる特定分子レセプタの単一層で予めコー
ティングされている。(本発明では、「レセプタ」は、自由溶液中の他の分子と
結合できる、前記粒子に固定化された分子をいう。さらに、本発明では、自由溶
液中の分子を「配位子」と呼ぶ。)粒子自体がトランスデューサであり、レセプ
タに対する配位子の結合を直接検知し、この結合を表す光学信号を生成する。こ
のように粒子自体が結合センサであるため、配位子に標識を付ける必要がなくな
る。
【0010】 本発明で用いられる粒子の信号伝達特性は、特定の共鳴波長λRにおける、光
学的な光の散乱及び吸収の存在に依存している。かかる共鳴は、複素屈折率(co
mplex refractive index)を有する小粒子において起こる。複素屈折率とは、特
定の共鳴波長λRにおいて、屈折率の実部n(λ)が0に近づき、同時に虚部k
(λ)が√2に近づく屈折率である。(本発明では、小粒子とは、入射光の約1
0分の1波長未満の粒子である。)光散乱の詳細理論により、以下が知られてい
る。すなわち、上記共鳴条件が満たされると、光の散乱と吸収のいずれもが、n
およびkが一定でλの関数ではない(Bohrens and Hoffman)と仮定する単純光
散乱のレイリー(Rayleigh)理論による予測よりも実質的に大きくなる。本発明
は、このような共鳴粒子に固定されたレセプタに配位子が結合すると、前記共鳴
波長における小粒子の光散乱及び吸収の強度が変化するという、さらなる驚くべ
き結果を示している。n及びkの2つの条件が満たされるほど、共鳴は強くなり
、レセプタをコーティングした粒子の配位子結合に対する検出力が高まる。
【0011】 通常、一定の屈折率を有する小粒子からの光の散乱及び吸収の式は、単純な波
長の関数である。一般的に、光の散乱と吸収のいずれも、短波長(例えば、紫外
線の)に対して最も高く、長波長(例えば、赤色光又は赤外線の)に対して最も
低い。このような波長依存は単調であり、短波長における強い吸収及び散乱から
、長波長におけるより弱い吸収及び散乱への連続的な推移を意味する。波長依存
が強い複素屈折率を有する粒子では、このような挙動に対する例外が起こる。
【0012】 1)n(λ)が0に近づき、2)k(λ)が√2に近づくという2つの条件が
特定波長λRにおいて同時に満たされるというように、粒子の屈折率が波長に伴
い変化する場合、光の散乱及び吸収は、λR周辺の狭い波長帯域において大きく
増加する。このような変化(departure)を共鳴と呼ぶ。共鳴は、デリケートで
、その粒子の表面上に置かれた化学物質により摂動する可能性がある。レセプタ
の層を粒子にコーティングすると、共鳴が変化する。しかしながら、本発明の驚
くべきかつ重要な側面として、このレセプタの層に配位子が結合すると、さらな
る共鳴の摂動が発生し、これを光学的に簡単に検出できる。
【0013】 本発明に関する光学信号は、吸収と光散乱のいずれかの測光により検出される
。光学的共鳴により、光散乱及び吸収のレベルは、共鳴波長λRにおける光散乱
の通常レベルの少なくとも10倍にまで増加する。これにより、約100オング
ストローム(10nm)程の小粒子を低濃度で検出することができる。このよう
な小粒子は、溶液中の高分子と同等の高速で、実質上拡散するという効果を有す
る。このような粒子の急速運動は、マイクロメートル(μm)単位である粒子間
の距離に鑑み、配位子とレセプタの表面結合反応がほぼ最大速度で起こることを
意味する。このような粒子ベースの反応は、レセプタをマイクロウェル(micro-
wells)の表面に固定するなど、平坦な表面上で発生する結合反応とは対照的で
ある。平坦面上の反応では、配位子は、レセプタに到達するために約ミリメート
ル(1000μm)以上の距離を拡散しなければならない。よって、このような
反応は低速であり、結合反応スクリーニングのための自動化システムの望ましい
高スループットを妨げるものである。
【0014】 本発明の結合反応及び信号変換は、単一の高速ステップにおいて発生する。こ
れにより、結合分析(binding assays)が簡単に自動化できるとともに、複雑性
の低い流体処理メカニズムを利用した、連続的に動作する装置によって、配位子
とレセプタの大きな集合を結合親和性に関して比較的短時間に評価できるような
システムスループット率で、結合分析を実行することができる。
【0015】 (発明を実施するための最良の形態) 以下の説明は、当業者が本発明を実施することを可能にするために提供され、
本発明を実施するために本発明者らによって考えられる最良の形態を示す。しか
しながら、本発明の根本方針は特に、標識付けされていない配位子の、光学的共
鳴コロイド粒子に対する結合を検出する方法及び装置の提供であると定義されて
いるため、当業者には様々な修正が明らかであろう。
【0016】 図1を参照し、反応混合物の液体要素のための容器10が存在し、この容器1
0は、光源14からの入光のための窓12と、第二の窓の集合16及び18とを
備え、これらの窓16及び18を通じて、透過光及び散乱光がそれぞれ検出器又
は検出器の集合22及び24へ通過できる。一つの実施形態では、容器は、マル
チウェル滴定量トレイの一つのウェルであり、代替実施形態では、容器は光学分
光光度計で使用されるようなキュベットである。装置の一つの実施形態は、一体
化球26を使い散乱光を統合し、この散乱光は球26の一つのポートを通じてサ
ンプルされる。他のポートは、サンプル容器10の照明及び透過検出器22によ
る透過光の計測を可能にする。
【0017】 光透過の計測は、サンプル信号と参照信号とを比較することにより実行できる
。サンプル信号は、共鳴波長λRにおいて又はその周辺において、サンプルを通
じて透過された光を計測することにより得られる。参照信号は、二つの方法の一
つから導かれる。参照信号は、λRの共鳴帯域から十分に外側の波長の、サンプ
ルを透過した光からか、又は反応混合物と同じ濃度の粒子を有するが配位子を有
さないウェル(例えば対照混合物)を通じて透過された光から求められる。最も
一般的には、なんらかの種類の光学チョッパ又はその代わりに光学ビームスプリ
ッタを用い、サンプルビーム及び参照ビームを単一の光源から作り出す。これら
の方法は、反応混合物が色のついた成分を有し、このような二重のビームによる
方法無しには、比較的小さな共鳴信号の検出を難しくする可能性のある場合に重
要である。図2に示すように、これらの測定に使われる光源14は、安定化され
ることが最良である。特に有効な光源は、検出器44からのフィードバック信号
に応答して、光源電力モジュール42によって直接電気的に変調できる、発光ダ
イオード(LED)14’を備える。検出器44は、反応ウェルを通過しなかっ
たλRの光を監視する。
【0018】 図3は、不要な背景信号を回避する有効な光学構成を示す。レンズ32は、反
応室10の液体内部52の像を、光学検出器22の表面上に形成する。この方法
により、光を散乱し不要な背景を生成する傾向がある容器10の壁54は、焦点
をぼかされ、壁からの背景光は、フィールドストップ及び/又は開口部34によ
って低減できる。
【0019】 この例では、共鳴粒子は、英国カーディフにあるブリティッシュバイオセルイ
ンターナショナル(British Biocell, International, Cardiff, U.K.)から購
入できるものなどの、銀コロイドから調製された。小さな銀粒子は、スペクトル
の紫領域内で光学共鳴を示す。図4のAは、n(λ)とk(λ)のグラフであり
、粒子が真空中にある場合には、λR=390nmにおいて、n(λ)が0に近
づき、k(λ)が√2に近づくことを示す(図4のB)。粒子が水に浸された場
合、共鳴は摂動を起こされ、400nm近くの長い波長にシフトされる。このよ
うな共鳴挙動は巨視的な銀物質では見られず、粒子境界が入射光の波長に比べて
小さな距離だけ離れている、銀の小さな粒子においてのみ見られる。
【0020】 共鳴波長はまた、粒径の関数でもある。図5は、共鳴波長の周辺で計られた、
様々な直径を有する銀粒子懸濁液の一連の光透過スペクトルを示す。直径20.
1nmの粒子の場合、サンプルの吸収作用が、400nm付近の狭い帯内で劇的
に増加することがわかる。粒径が増大するにしたがって、共鳴が長い波長に向か
ってシフトされ、共鳴のピークが穏やかになり、より広い波長帯に渡って分散す
る。例えば、直径76.8nmの粒子の場合、共鳴波長は、約460nmまで移
動し、共鳴は、20.1nmの粒子の場合に比べ、約三分の一の強度である。
【0021】 銀粒子は次に、結合タンパク質ストレプタビジン(streptavidin)(MW65
,000)によってコーティングされた。コーティングは、室温で受動的吸着に
よって行われた。タンパク質コーティング目的のために、コロイド銀粒子の水溶
液がまず、Tris/HCl緩衝液,pH9.0によって、共鳴波長ピークにお
ける光学吸収率が1.1吸収単位まで希釈され、これにより、200mM Tr
is/HClの最終的な緩衝液濃度を達成した。ストレプタビジンが、0.1μ
g/mlまで追加され、室温で20分間インキュベートされた。分光測光がタン
パク質追加前及びタンパク質追加の20分後に行われた。吸収を読む目的のため
に、両方のサンプルが、200mM Tris/HCl緩衝液、pH9.0によ
って1:10に希釈された。図6は、タンパク質コーティング前の粒子吸収共鳴
62及びコーティング後の粒子吸収共鳴64を示す。ストレプタビジンは、吸収
ピークを非常に微妙に長波長側にシフトすることで共鳴を摂動させ、吸収の最大
値を低減させる。
【0022】 ストレプタビジンコーティングされた粒子が後にビオチン溶液に接触させられ
た時、共鳴ピークは、時間と共に減少することが観察された。図7は、ストレプ
タビジンコーティングされた粒子が、10ng/mlのビオチン(MW100)
を含む溶液のアリコートと接触された5分後に測定された吸収スペクトル68で
ある。結合反応は実質上、5分以内に完了した。ビオチン結合の時間推移は、反
応混合物中で直接測定できる。これが、ビオチン追加前の粒子の吸収スペクトル
66(このサンプルは、希釈効果を修正するために、後に追加されるビオチンと
同量の緩衝液のアリコートによって予め希釈された)と比較された。
【0023】 5分間の結合後の、共鳴吸収ピークの減少は、次の表に示すようにビオチン濃
度の関数である。
【0024】
【表1】
【0025】 これらのストレプタビジンコーティングされた粒子は、ストレプタビジンに結
合しない他の小さな分子と接触させることにより、特異性をテストされた。全て
の場合において、吸収率の変化は、10マイクログラム/mlの濃度まで、0.
001吸収単位以下であった。
【0026】 第二のテストでは、溶液相ハプテンローダミンが、銀粒子に固定化されたネズ
ミ科の抗ローダミン抗体(murine anti-rhodamine antibody)と共に使われた。
同様の時間に渡る同様の光学吸収の減少がここでも観察され、これは、ストレプ
タビジンとネズミの免疫グロブリンとの間の分子量及び大きさの違いが、実験の
結果に大きく影響を与えないことを示す。
【0027】 生体分子を銀又は他の共鳴コロイド粒子表面に固定させる、他の方法も可能で
ある。当業者には、生体分子を固定表面に取付けるための反応性基を有する、多
くの二機能又は多機能の有機分子が広く知られている。これらの反応性基は、ア
ルデヒド、イソシアネート、イソチオシアネート、スクシンイミジルエステル(
succinimidyl ester)などを含む。単純な吸収の他に、自己組立て単分子層(se
lf-assembling monolayer)もまた、金属表面においてレセプタを固定するため
に有効な、機能基を提供するために使われてもよい。細胞から単離されたレセプ
タはまた、レセプタが埋め込まれた細胞膜の破片と共に固定されてもよい。
【0028】 本発明の原理に基づく実際の装置としては、上述の分光光度計に加え、何らか
の種類のサンプル処理流体工学及びデータ処理システム(コンピュータ)を含む
。例えば、新しい治療薬を探して化学ライブラリをスクリーニングする場合、ス
クリーニングされる各化合物のアリコートを、マルチウェル滴定量プレートの一
つのウェルに置いてもよい。自動インデックスシステムが、プレートを移動させ
、各ウェルを上で示したように分光光度計の分析ビームへと進める。ウェルが分
析位置に進むに従って、自動ピペットシステムが、コロイド粒子のアリコートを
ウェル内に分配する。粒子はその表面上に、薬候補が相互作用すべきレセプタを
有する。ピペットシステム又は他の自動装置が、粒子及びテスト化合物が完全に
混合されることを保証する。分光光度計は次に、共鳴ピークの変化を結合の指標
として測定する。好適には、これらの測定は数分で終わり、これにより結合の時
間推移を求められる。コンピュータはこのデータを受信し、各候補化合物に対し
て結果を計算する。そして、装置は次のウェルに移動する。結合が5分間の期間
で測定された場合、1時間あたり12個のサンプル化合物を分析できる。テスト
期間が短ければ、より多くの数をスクリーニングできる。装置に、何ダースもの
プレートを予め装填してもよく、これにより、人間の介入無しに分析を昼夜進め
ることができる。装置は小さく、まずまず経済的であり、これにより複数の装置
を平行して動作でき、24時間の期間に何千もの候補化合物をスクリーニングで
きる。もちろん、多くのテストのバリエーションが可能である。レセプタに既知
の配位子を含むことにより、テスト化合物による競合又は抑制をスクリーニング
できる。
【0029】 特許請求の範囲に記載された要素と同等のものに加え、当業者に現在明らかな
又は将来明らかになる置き換えは、特許請求の範囲に記載された要素の範囲内に
あるものと規定される。よって特許請求の範囲は、上述で特に示され説明されて
いるもの、概念的に同等のもの、明らかに置換できるもの、及び本発明の本質的
な概念を具体化したものを含むものと理解される。したがって、付随する特許請
求の範囲内で、本発明はここに特に説明されたものとは別に実施できることを理
解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光の散乱及び吸収の検出を示す概略図である。
【図2】 本発明で使われる、光源安定化の仕組みを示す概略図である。
【図3】 光学的像形成、背景散乱光の最小化を説明する図である。
【図4】 銀のkとnのパラメータグラフであり、減光に対する共鳴の影響
を示すグラフである。
【図5】 光学共鳴に対する、粒径の影響を示すグラフである。
【図6】 光学共鳴に対する、共鳴粒子のタンパク質コーティングの影響を
示すグラフである。
【図7】 光学共鳴に対する、標識付けされていない配位子の共鳴粒子への
結合の影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クロールダット ペトラ ビー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 カナー ン トップ オブ ディーン ヒル ロー ド 121 ピー オー ボックス 315 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB06 CC16 DD04 DD13 EE01 EE02 FF08 GG02 GG06 HH02 JJ11 JJ16 JJ22 JJ24 JJ30 KK01 MM01 NN01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配位子の結合を判断する方法であって、 複素屈折率を有し、共鳴波長において光学的共鳴を示し、前記配位子に対する
    レセプタをコーティングしたコロイド粒子を用意するステップであって、前記共
    鳴波長とは、前記屈折率の実部n(λ)が0に近づき、同時に前記屈折率の虚部
    k(λ)が√2に近づく屈折率であり、前記粒子の粒径は、共鳴波長の約10分
    の1未満である、コロイド粒子を提供するステップと、 前記コロイド粒子をサンプル溶液に接触させるステップと、 前記共鳴波長における光散乱と光吸収の少なくともいずれかを測定し、共鳴波
    長における光散乱と光吸収の少なくともいずれかの減少により、前記コロイド粒
    子への配位子の結合を表すステップと、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 配位子の結合を判断するシステムであって、 サンプル容器と、 複素屈折率を有し、共鳴波長において光学的共鳴を示し、前記配位子に対する
    レセプタをコーティングしたコロイド粒子であって、前記共鳴波長とは、前記屈
    折率の実部n(λ)が0に近づき、同時に前記屈折率の虚部k(λ)が√2に近
    づく屈折率であり、前記粒子の粒径は、共鳴波長の約10分の1未満である、コ
    ロイド粒子と、 前記コロイド粒子をサンプル液体に接触させてこれらの混合物を生成する手段
    と、 前記混合物を前記サンプル容器に入れる手段と、 前記サンプル容器内の前記混合物の、共鳴波長における光散乱と光吸収の少な
    くともいずれかを測定し、共鳴波長における光散乱と光吸収の少なくともいずれ
    かの減少により、前記コロイド粒子への配位子の結合を表す手段と、 を含むシステム。
  3. 【請求項3】 配位子の結合を判断する方法であり、 前記配位子に対するレセプタがコーティングされ、粒径が約70ナノメートル
    未満のコロイド銀粒子を用意するステップと、 前記コロイド粒子をサンプル溶液に接触させるステップと、 350ナノメートルと500ナノメートルの間の共鳴波長における光散乱と光
    吸収の少なくともいずれかを測定し、前記共鳴波長における光散乱と光吸収の少
    なくともいずれかの減少により、前記コロイド粒子への配位子の結合を表すステ
    ップと、 を含む方法。
  4. 【請求項4】 配位子の結合を判断するシステムであって、 サンプル容器と、 前記配位子に対するレセプタがコーティングされ、粒径が約70ナノメートル
    未満のコロイド銀粒子と、 前記粒子をサンプル液体に接触させてこれらの混合物を生成する手段と、 前記混合物を前記サンプル容器に入れる手段と、 前記サンプル容器内の前記混合物の、350ナノメートルと500ナノメート
    ルの間の共鳴波長における光散乱と光吸収の少なくともいずれかを測定し、前記
    共鳴波長における光散乱と光吸収の少なくともいずれかの減少により、前記コロ
    イド粒子への配位子の結合を表す手段と、 を含むシステム。
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