JP2002522757A - 振動導管及び補償された質量流量評価値を生成する方法 - Google Patents

振動導管及び補償された質量流量評価値を生成する方法

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Abstract

(57)【要約】 導管内に含まれる物質と関連するプロセス・パラメータが、導管の運動の実在正規モードと関連する実在正規モードの残留柔軟性成分を評価することにより評価される。導管の運動を表わす複数の運動信号が受取られる。質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、受取られた複数の運動信号と評価された実在正規モードの残留柔軟性成分とから生成される。また、関連する装置及びコンピュータ・プログラムが記述される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、プロセス・パラメータ・センサ、動作方法及びコンピュータ・プロ
グラム製品に関し、特に導管パラメータ・センサ、動作方法及びコンピュータ・
プログラム製品に関する。
【0002】 問題の記述 コリオリ効果質量流量計は、導管を通過する物質に対する質量流量その他の情
報を計測するために広く用いられる。例示的なコリオリ流量計は、全てJ.E.
スミス等の1978年8月29付けの米国特許第4,109,524号、198
5年1月1日付の同第4,491,025号、及び1982年2月11日付けの
再発行特許第31,450号に開示されている。これら流量計は、典型的に、直
線状の形態又は湾曲した形態を持つ1つ以上の導管を含んでいる。各導管は、例
えば、単純な曲げ、捩れ、半径方向の諸モード及び組合わせモードを含む1組の
振動モードを持つものとみなし得る。典型的な質量流量計測の用途においては、
各導管は、物質が導管内を通過するとき、その固有モードの1つにおける共振で
振動するように駆動される。物質で充填された振動系の振動モードは、導管の質
量と剛性との組合わせ特性と、導管内を通過する物質の特性とによって生じる。
【0003】 コリオリ流量計の典型的な構成要素は、駆動系すなわち励振系である。この駆
動系は、周期的な物理力を導管へ加えて導管を振動させるように働く。この駆動
系は、典型的には、流量計の導管に取付けられた少なくとも1つのアクチュエー
タを含んでいる。アクチュエータは、第1の導管に取付けられた磁石と第2の導
管に取付けられた巻線コイルとを持つボイス・コイル装置のような周知の多くの
電気機械的装置の1つを含む。典型的には、駆動装置が、周期的な、例えば正弦
波又は方形波の駆動信号をアクチュエータのコイルへ印加する。この周期的な駆
動信号が、アクチュエータに2つの導管を逆の周期的パターンで駆動させる。
【0004】 駆動された流量計の導管内に実質的に「ゼロ」の流れがあるとき、導管に沿っ
た点は、駆動される振動のモードに従って、駆動装置に関してほぼ同相すなわち
「ゼロ」の流動位相で振動する傾向を持つ。物質が流量計の入口から導管を通っ
て流量計の出口へ流れ始めると、物質流から生じるコリオリ力が、導管に沿う空
間的に別個の点の間に位相のずれを誘起しようとし、導管の入口側の位相は一般
にアクチュエータより遅れ、導管の出口側の位相はアクチュエータより進む。導
管上の2つの場所間に生じる位相のずれは、導管内の物質の質量流量にほぼ比例
する。
【0005】 不都合なことに、従来の位相ずれ法又は時間的遅延法を用いて得られる計測精
度は、流量計構造における非線形性及び非対称性により、ならびにポンプのよう
な外部供給源により流量計構造へ誘起される振動によって悪化され得る。これら
の作用は、例えば、外部振動の作用を減じる均衡のとれた機械的設計を用いるこ
とにより、かつ周波数領域のフィルタ処理を用いて望ましくない振動に関連する
周波数成分を除去することによって低減される。しかし、機械的な設計上の試み
は幾何学的な配慮によって制約を受けがちであり、周波数領域のフィルタ処理は
、導管を励振するのに用いられる駆動周波数のような、問題となる共振周波数又
はその付近で生じる無用の振動エネルギの除去には有効でない。
【0006】 質量流量の計測用途において一般に遭遇する1つの誤りは、「ゼロ・オフセッ
ト」である。先に述べたように、質量流量の計測は、典型的に、センサの導管構
造におけるトランスジューサにより生じる運動信号間の位相的又は時間的な差を
決定することを含む。ゼロ・オフセットは、ゼロの質量流量はゼロの位相的又は
時間的な差を生じることがないよう、これらの位相的又は時間的な差の計測にお
ける偏りすなわちオフセットを表わす。
【0007】 ゼロ・オフセットを減じるために、従来の質量流量の計測手法は、典型的には
、制御されたゼロの質量流量の条件下で計測される運動信号間の位相的又は時間
的な差としてゼロ・オフセットを計測する。従って、他の流動条件下で行われる
位相的又は時間的な差の計測は、更に正確な結果を生じるよう、計測されたゼロ
流量の位相的又は時間的な差に従って補償される。
【0008】 しかし、これらの手法は、潜在的な短所を有する。処理温度又はセンサの取付
け条件の変化は、ゼロ・オフセットを時間的にドリフトさせて計測誤差を生じ得
る。このようなドリフトを補償するには、ゼロ・オフセットを周期的に再計測す
ることが必要である。このことは、更新されるゼロ・オフセット測定を生じるた
めに流れを止めることを従来のゼロ・オフセット補償手法が必要とするので、不
便である。
【0009】 発明の概要 以上のことに照らして、本発明の目的は、質量流量センサと、処理条件及び取
付け条件における変化にそれほど鋭敏でない質量流量決定方法とを提供すること
である。
【0010】 上記及び他の目的、特徴及び利点は、本発明に従って、「残留柔軟性」すなわ
ち、実在正規モードの非共振に寄与する残留運動が、質量流量センサの振動導管
の運動を実在正規モード成分へ分解することにより決定される方法、装置及びコ
ンピュータ・プログラム製品によって提供される。導管運動の少なくとも1つの
実在正規モードに関連する実在正規モード残留柔軟性成分が評価され、質量流量
の残留柔軟性補償済み評価値を生じるのに用いられる。
【0011】 本発明の一特質によれば、実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロの
質量流量の条件における導管の運動を表わす信号から評価される。関連する「動
的ゼロ調整」の特質によれば、ゼロ流量時に計測される「静的な」実在正規モー
ド残留柔軟性成分と、非ゼロの質量流量の条件下で計測される「動的な」実在正
規モード残留柔軟性成分とを含む2つの実在正規モード残留柔軟性成分が決定さ
れる。この2つの実在正規モード残留柔軟性成分は組合わされて、質量流量の残
留柔軟性補償済み評価値を生じるのに用いられる残留柔軟性の評価値を提供する
。動的な実在正規モード残留柔軟性成分は物質がセンサを通過するときに評価さ
れるので、残留柔軟性の評価値は、流れを止めることを必要とせずにセンサの構
造的動特性の変化を補償するために更新され得る。
【0012】 本発明の別の特質によれば、周波数の関数として実在正規モードにおける振動
導管の運動を記述する関数が識別される。識別された関数は、次に、実際の導管
運動、例えばゼロでない質量流量における運動の計測を識別された関数に当ては
めることにより、実在正規モードに関連する残留実在正規モード成分を評価する
ために用いられる。例えば、実在正規モードにおけるセンサ導管の運動の複数の
値が、選択された複数の周波数において計測され、これらの値を用いて、非共振
周波数、例えばセンサの励振周波数において実在正規モードの導管運動を評価で
きるように、実在正規モードに対するモード・スケーリングを決定する。残留運
動のこのような計測は、センサ内の質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生じ
るのに用いることができる。
【0013】 本発明は、質量流量センサにおける残留柔軟性がセンサ構造の様々な振動モー
ドの非共振寄与に帰され得るとの理解から生まれる。実在正規モード分解手法を
用いて、本発明は、非共振実在正規モード運動に関連する導管運動を正確に計測
することができ、これにより、質量流量の更に正確な計測の生成に用いられる残
留柔軟性の正確な計測を提供することができる。本発明の特質によれば、非共振
導管運動の評価は、センサ導管におけるゼロの質量流量を必要とすることなく行
うことができる。
【0014】 特に、本発明によれば、導管に含まれる物質と関連するプロセス・パラメータ
は、導管の運動の実在正規モードと関連する実在正規モード残留柔軟性成分を評
価することによって評価される。導管運動を表わす複数の運動信号が受取られる
。質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、受取られた複数の運動信号と評価さ
れた実在正規モード残留柔軟性成分とから生成される。
【0015】 本発明によれば、導管は励振周波数で励振される。励振周波数における実在正
規モードと関連する実在正規モードの残留柔軟性成分が評価される。この励振に
応答して、導管運動を表わす複数の運動信号が受取られ、励振周波数における導
管の運動が受取られた複数の運動信号から決定される。質量流量の残留柔軟性補
償済み評価値が、励振周波数において決定された運動と評価された実在正規モー
ド残留柔軟性成分とから生成される。
【0016】 本発明によれば、実質的にゼロの質量流量の条件下の導管の運動を表わす第1
の複数の運動信号が受取られ、実質的にゼロの質量流量の条件下の導管運動を複
数の実在正規モード成分へ分解するよう処理される。実在正規モード残留柔軟性
成分は、分解された複数の実在正規モード成分から評価される。導管運動を表わ
す第2の複数の運動信号が受取られ、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、
受取られた第2の複数の運動信号と評価された実在正規モード残留柔軟性成分と
から生成される。
【0017】 残留柔軟性と質量流量の評価は、物理的な座標領域又はモード座標領域におい
て行われる。第1の複数の運動信号は、モード通過フィルタ処理され、実質的に
ゼロの質量流量の条件下の導管運動のモード通過フィルタ処理表示を生じ、実在
正規モードと関連する残留物理的運動の評価値が導管運動のモード通過フィルタ
処理表示から生成される。或いはまた、第1の複数の運動信号は、実質的にゼロ
の質量流量の条件下の残留実在正規モード運動を評価するように処理される。
【0018】 本発明の、関連する「動的ゼロ調整」の特質によれば、実質的にゼロの質量流
量の条件下の導管運動の第1の実在正規モードと関連する第1の実在正規モード
残留柔軟性成分が評価される。非ゼロの質量流量の条件下の導管運動の第2の実
在正規モードと関連する第2の実在正規モード残留柔軟性成分が評価される。質
量流量の残留柔軟性補償済み評価値は、受取られた第2の複数の運動信号と、評
価された第1の実在正規モードの残留柔軟性成分と、評価された第2の実在正規
モード残留柔軟性成分とから生成される。前記第1の実在正規モードは、第2の
実在正規モードより導管内の物質の流量と更に強く相関させられることが望まし
い。
【0019】 本発明の更に別の特質によれば、実在正規モードにおける導管運動を周波数の
関数として記述するよう働く関数が識別される。選択された周波数で振動する導
管の運動を表わす第1の値が決定される。実在正規モードと関連する実在正規モ
ード残留柔軟性成分は、前記第1の値を識別された関数に当てはめることにより
評価される。導管運動を表わす複数の運動信号が受取られ、質量流量の残留柔軟
性補償済み評価値が、受取られた第2の複数の運動信号と評価された実在正規モ
ード残留柔軟性成分とから生成される。
【0020】 モード座標領域の実施の形態においては、実在正規モード残留柔軟性成分が、
前記第1の値と識別された関数とを関連させるスケーリング変換を決定して、実
在正規モードと関連する実在正規モード残留柔軟性成分を、識別された関数と決
定されたスケーリング変換とから評価することによって評価される。質量流量の
残留柔軟性補償済み評価値が、モード座標領域において評価された実在正規モー
ド残留柔軟性成分から生成される。
【0021】 モード通過フィルタ処理の実施の形態においては、実在正規モードと関連する
残留物理的運動が、周波数応答関数から評価される。質量流量の残留柔軟性補償
済み評価値が、物質が導管内を通過するとき、受取られた複数の運動信号をモー
ド通過フィルタ処理することにより生成され、導管運動のモード通過フィルタ処
理表示を生じ、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値をモード通過フィルタ処理
表示と評価された残留物理的運動とから生成する。
【0022】 振動する導管における物質に対する残留柔軟性補償済みの質量流量評価値を生
成するための関連する装置及びコンピュータ・プログラム製品についても、記述
される。
【0023】 実施の形態の詳細な記述 次に、本発明について、本発明の実施の形態が示される添付図面に関して更に
詳細に記述する。当業者は、本発明が多くの異なる形態で具現され、本文に記載
される実施の形態に限定されるものと見なすべきでなく、これらの実施の形態が
この開示が周到かつ完全なものであり本発明の範囲を当業者へ完全に伝えるよう
に提供されることを理解されよう。図面では、同じ番号は全ての図において類似
の要素を指している。
【0024】 本文に記載される実施の形態においては、センサ導管の運動を表わす運動信号
は、導管の運動を複数の実在正規モード成分へ分解するように処理される。実在
正規モード分解は、多くの方法で実現することができる。例えば、モード・パス
・フィルタは、1組の所望の実在モードと関連させられるセンサ導管の運動成分
を通すために用いられる。導管運動に対応するモード応答を明確に決定する必要
はないが、モード通過フィルタ処理は導管運動を各実在正規モードに関連する各
成分へ「分解する」。或いはまた、実在正規モードの運動、すなわち、複数の単
自由度(SDOF)系の座標系における運動は、運動信号から明確に評価するこ
とができ、かつプロセス・パラメータの評価値を生成するため用いることができ
る。
【0025】 1.概説 A.センサ導管のモード挙動 1998年6月16日に出願され本願の譲受人に譲渡された米国特許出願「実
在正規モード分解を用いる振動導管パラメータ・センサ、方法及びコンピュータ
・プログラム製品(Vibrating Conduit Parameter
Sensors,Methods and Computer Progra
m Products Utilizing Real Normal Mod
al Decomposition)」において論述されるように、コリオリ流
量計の導管のような振動構造の挙動は、関連する固有周波数を持つ1つ以上の固
有モード又は実在正規モードに照らして説明される。これらの実在正規モード及
び関連する固有周波数は、固有ベクトル及び関連する固有ベクトルにより数学的
に説明され、固有ベクトルは相対的な大きさにおいて一義的であるが絶対的な大
きさではそうでなく、構造の質量及び剛性に関して直交性を呈する。線形独立な
ベクトルの組が、構造の運動を記述する式を分解する変換として用いられる。
【0026】 特に、励振に対する構造の応答は、スケーリングされたモードの重畳として表
わすことができ、このスケーリングは構造の運動に対する各モードの寄与度を表
わす。励振によっては、一部のモードは他のモードよりも大きく寄与する。モー
ドによっては望ましくないものがある。これは、該モードが所望のモードの共振
周波数におけるエネルギに寄与し得、従って励振周波数において行われた位相差
の計測のような所望のモードの共振周波数で行われた計測を損なうことがあるか
らである。
【0027】 無視し得る減衰及びゼロの流量を持つセンサ導管構造は、振動の純粋に実在の
固有モードすなわち正規モードを持つものと仮定される。すなわち、各モードに
おいて、構造の各点は同時に最大の変位に達すると仮定される。しかし、実際の
導管は無視し得ない減衰を生じ、この導管内を流れる物質は一般に励振に対して
複雑な応答を呈する。すなわち、構造の諸点は一般に最大の大きさに同時に達す
ることはない。導管構造の運動は、実数及び虚数の成分を持ち、或いはまた大き
さと位相の成分を持つ複素モードとして記述される。流動する物質により与えら
れるコリオリ力は、この複素性をセンサ導管の運動に持ち込む。
【0028】 たとえ複素数であっても、導管構造の運動はスケーリングされた固有モードす
なわち「正規な」モードの重畳として記述することができる。複素数の運動を表
わすため、構成する実在正規モードの組合わせにおいて、複素数のスケーリング
係数が用いられる。特定の実在正規モードは、複素モードの実数成分とはそれほ
ど相関がないが、複素モードの虚数成分と密に相関させられる。従って、これら
の特定の実在正規モードは、センサ導管内の物質と関連するコリオリ力と更に密
に相関させられ、このため、例えば物質と関連する質量流量などのパラメータの
正確な評価を生じるための情報を提供することができる。
【0029】 事例として、2連の湾曲管式3インチ(約7.62cm)コリオリ流量計が実
験的に分析された。この流量計の導管構造の概念モデルが図1に示される。方向
zにおける速度を測定するような向きにされた周知の速度トランスジューサ10
5A、105B、105Cが、導管組立体10の左位置、右位置及び駆動装置の
位置に配置された。加速度計105D、105Eの各々が、右側のトランスジュ
ーサ位置付近で導管103A、103Bの各々に載置され、方向zに沿う横方向
の加速度を測定するような向きにされた。加速度計105D、105Eの出力が
積分されて、横方向の絶対速度情報が生じる。
【0030】 応答ベクトル{xresponse}、すなわち
【0031】
【数1】
【0032】 は、運動トランスジューサ105A−105Eの出力から構成することができる
。ここで、斜めの横方向応答は、X軸とZ軸に対して45°の方向に沿った応答
である。実在正規モード・マトリックス[Φ]、すなわち、物理的な運動ベクト
ル{xresponse}(「物理」座標における)を実在正規モードの運動ベクトル{
η}(「モード」座標における)に関連付ける実在正規モード変換マトリックス
【0033】
【数2】
【0034】 のように識別される。 実在正規モード変換マトリックス[Φ]は、多くの手法を用いて識別すること
ができる。例えば、1997年7月11日に出願され本願の譲受人に譲渡された
米国特許出願第08/890,785号及び1998年2月25日に出願され本
願の譲受人に譲渡された同第09/030,453号に記載されたように、試行
錯誤法又は逆の手法を用いることができる。
【0035】 図1の例示的な導管構造10では、実在正規モード変換マトリックス[Φ]が
実験的に次のように決定された。すなわち、
【0036】
【数3】
【0037】 実在正規モード変換マトリックス[Φ]の列は、左から右へ、導管構造10に対
する第1の位相ずれ曲げモード、同相横方向モード、位相ずれ横方向モード、位
相ずれ捩れモード、及び第2の位相ずれ曲げモードにそれぞれ対応する。
【0038】 モード変換マトリックス[Φ]は、運動ベクトル{xresponse}により表わさ
れる物理的運動を実在正規モード成分へ分解するのに用いることができる。例え
ば、式(2)は、式(2)の両辺にモード変換マトリックス[Φ]の逆数を予め
乗じることにより、モード運動ベクトル{η}について明瞭に解くことができる
。すなわち、
【0039】
【数4】
【0040】 である。但し、図1の例示的な構造については、
【0041】
【数5】
【0042】 となる。 上記の米国特許出願「実在正規モード分解を用いる振動導管パラメータ・セン
サ、方法及びコンピュータ・プログラム製品」に記載されたように、実在正規モ
ードの運動ベクトル{η}は、導管構造の1つ以上の実在正規モード、例えば、
コリオリ力に関連するモードと関連するプロセス・パラメータを評価するのに直
接用いられる。或いはまた、モード変換マトリックス[Φ]は、物理的運動{x response }に適用される「モード通過フィルタ」を識別して、導管の1つ以上の
モードと関連する物理的運動{xresponse}の成分を含むことが望ましいフィル
タ処理された物理的領域応答を生じるために用いられる。このフィルタ処理され
た応答は、プロセス・パラメータを評価するために用いられる。
【0043】 選択的な実在正規モード変換逆マトリックス[Φ′]は、実在正規モードの運
動ベクトル{η}を、望ましくない実在正規モードに関連する成分が減衰される
フィルタ処理された運動ベクトル{xfiltered}へ変換するのに用いることがで
きる。すなわち、
【0044】
【数6】
【0045】 が成り立つ。図1の例示的な構造の場合は、選択的な実在正規モード変換逆マト
リックス[Φ′]は、望ましくない実在正規モードと関連する実在正規モード変
換マトリックス[Φ]の要素をゼロで置換することにより、実在正規モード変換
マトリックス[Φ]から構成された。すなわち、
【0046】
【数7】
【0047】 である。 式(6)と式(7)に示されるように、望ましくない実在正規モードに対応す
る導管運動ベクトル{xresponse}の成分は、望ましくない実在正規モードと関
連する実在正規モード変換マトリックス[Φ]の要素をゼロで置換した実在正規
モード変換マトリックス[Φ]に対応する、選択的な実在正規モード変換逆マト
リックス[Φ′]を用いることにより減衰される。しかし、当業者は理解するよ
うに、選択的な実在正規モード変換逆マトリックス[Φ′]のこれらの要素に対
して非ゼロ値を用いることで、これら成分の減衰を達成できる。
【0048】 式(4)と式(6)を組合わせると、
【0049】
【数8】
【0050】 を得る。但し、モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]は
【0051】
【数9】
【0052】 により与えられる。 モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]は、フィルタ処理された出力運動ベ
クトル{xfiltered}が1つ以上の所望のモードに関連する導管運動ベクトル{
response}の成分を望ましくは表わすように、導管運動ベクトル{xresponse }を処理する。モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]もまた
【0053】
【数10】
【0054】 により生成される。但し、[A]は、対角線上にない要素がゼロであり、所望の
モードに対応する選択された対角線上の要素が1に設定された「対角」マトリッ
クスである。例えば、
【0055】
【数11】
【0056】 と表される。 フィルタ処理された出力{xfiltered}は、質量流量のようなプロセス・パラ
メータの正確な評価を生じるように処理される。例えば、フィルタ処理された出
力{xfiltered}は、前掲の米国特許出願「実在正規モード分解を用いる振動導
管パラメータ・センサ、方法及びコンピュータ・プログラム製品」に記載された
ような周知の位相差又は時間差コリオリ計測手法によって処理される。図1に示
されたシステム例の場合、このことは、例えば、スミスの米国再発行特許第31
,450号、ゾロックの米国特許第4,879,911号及びゾロックの同第5
,231,884号に記載されたようなゼロ交差手法又は類似の位相差又は時間
差手法を用いて、或いはディジタル信号プロセッサ(DSP)その他のコンピュ
ーティング装置を使用してディジタル領域で実現される類似の位相差又は時間差
手法を用いて、右側トランスジューサ105A及び左側トランスジューサ105
Bに対応する、フィルタ処理された出力{xfiltered}の成分間の位相差又は時
間差を決定することにより、行うことができる。
【0057】 B.残留柔軟性及びゼロ・オフセット コリオリ流量計は、典型的には、流量計の導管内の流体その他の物質をコリオ
リの加速度を受けるように励振すなわち「駆動」される。このような励振は、典
型的には、センサ導管構造の振動モードの共振周波数又はその付近、例えばいわ
ゆる「駆動」モード又は「励振」モードの共振周波数で与えられる。しばしば、
センサ導管のモードの共振周波数で印加される周期的な励振が単一モードの応答
、すなわちこの駆動モード又は励振モードに限定された応答を生じるものと仮定
される。しかし、実際には、励振は、典型的には、駆動モード又は励振モードを
越えた別の実在正規モードにおける運動を生じる。先に述べたように、駆動モー
ド以外の実在正規モードの非共振応答が、駆動モードの周波数で残留柔軟性に寄
与し得、このため、励振周波数において行われる位相差計測又は時間差計測にお
けるゼロ・オフセットのような計測現象に寄与し得る。
【0058】 実験的に分析された3インチのコリオリ流量計の場合は、0Hzと400Hzと
の間の共振周波数を持つ9つのモードが識別された。図2は、センサの左側トラ
ンスジューサの全物理的応答210を示し、導管構造の初めの9つのモードの周
波数応答を示している。図示のように、励振周波数ωdにおいて非ゼロ応答を呈
する多くのモードがある。これらモードの非共振応答は、励振周波数ωdにおけ
る残留柔軟性に寄与する。特に興味のあるのは、約325Hzの共振周波数を有
する顕著な最初の位相ずれ捩れモード220である。実験的に分析されたセンサ
においては、このモードはセンサ導管内の物質のコリオリの加速度と顕著に相関
させられる1群の「流れモード」の1つを表わす。図2の図示された応答におい
ては、この捩れモードが励振周波数ωdにおいて最も大きな残留柔軟性に寄与す
る。
【0059】 図3は、図2の振幅応答に対応する位相応答を示している。残留柔軟性は、応
答の位相に影響を及ぼし得、このため、質量流量の評価に用いられる位相差又は
時間差の計測において偏り又はゼロ・オフセットを生じ得る。励振周波数ωd
近で拡大された図3の位相応答を示す図4に示されるように、左側運動トランス
ジューサ信号の位相410と右側運動トランスジューサ信号の位相420との間
の差430が、ゼロ流量における偏りを呈し、位相差の計測に対する駆動モード
以外のモードの非共振寄与度の潜在的効果を示している。
【0060】 II. 実在正規モード分解による残留柔軟性の決定 分析的には、ゼロ流量における駆動モード以外の実在正規モードの非共振寄与
度は、これらの非共振寄与度に起因し得る励振周波数における導管応答の部分を
識別することにより、すなわち、残留柔軟性に寄与する導管運動の「実在正規モ
ード残留柔軟性成分」を評価することによって決定することができる。次いで、
評価された実在正規モード残留柔軟性成分を用いて、多くの異なる手法により質
量流量の残留柔軟性が補償された評価が生成される。
【0061】 図5は、本発明による振動導管パラメータ・センサ5の例示的な実施の形態を
示している。センサ5は導管組立体10を含んでいる。この導管組立体10は、
入口フランジ101と、出口フランジ101′と、マニフォールド102と、第
1及び第2の導管103A、103Bとを含む。ブレース・バー106、106
′が、導管103A、103Bを接続する。導管103A、103Bに対して、
駆動装置20に応答して導管103A、103Bを振動させるように働くアクチ
ュエータ104が接続されている。運動トランスジューサ105A、105Bは
、導管103A、103Bの複数の位置における運動を表わす複数の運動信号、
例えば、導管103A、103Bの変位、速度又は加速度を表わす信号を生じる
ように働く。運動トランスジューサ105A、105Bは、コイル型の速度トラ
ンスジューサ、光又は超音波型運動センサ、加速度計、慣性率センサなどのよう
な種々の装置を含む。リード線100が、アクチュエータ104及び運動トラン
スジューサ105A、105Bに接続されている。
【0062】 導管組立体10が物質処理システム内へ装入されると、物質処理システム内に
流れる物質は入口フランジ101を介して導管組立体10へ進入する。物質は、
次にマニフォールド102内を流れ、ここで導管103A、103Bへ送られる
。導管103A、103Bから出た後、物質はマニフォールド102へ再び流入
し、出口フランジ101′を介して導管組立体10から出る。物質が導管103
A、103B内を流れるとき、この物質は導管103A、103Bを摂動させる
コリオリ力を生起する。
【0063】 導管103A、103Bは、その曲げ軸W−W及びW′−W′のそれぞれに関
して反対方向にアクチュエータ104によって駆動され、第1の位相ずれ曲げモ
ードと一般に呼ばれるものを導管組立体10に誘起する。アクチュエータ104
は、第1の導管103Aに取付けられた磁石と第2の導管103Bに取付けられ
た対向コイルとを含む線形アクチュエータのような多くの公知の装置の1つでよ
い。駆動リード線110を介して駆動装置20により与えられる駆動信号によっ
て誘起した交流がコイルを流れ、導管103A、103Bを振動させる機械的作
用力を生じる。アクチュエータ104により供給される励振は、実質的にコヒー
レント、例えば狭い周波数範囲に集束されていても、広帯域であってもよい。
【0064】 図5に示すパラメータ・センサ5は一体のアクチュエータ104を含むように
示されるが、当業者は理解するように、本発明による導管103A、103Bの
振動は他の手法によっても達成される。例えば、広帯域の励振は、ポンプ又はコ
ンプレッサのような供給源により導管組立体10に対し外部で生成され、例えば
フランジ101、101′の一方を介して導管組立体10へ伝達される。同様に
、広帯域な励振は、導管103A、103B内の物質から例えば流体/構造体相
互作用(FSI)機構を介してエネルギを伝達することによって生成される。
【0065】 パラメータ・センサ5は実在正規モード残留柔軟性成分の評価器30を備え、
該評価器30は、リード線111で運動トランスジューサ105A、105Bか
ら運動信号を受取るように構成され且つ導管103A、103Bの運動の実在正
規モード残留柔軟性成分35を評価するよう働く。残留柔軟性補償済み質量流量
の評価器40は、(イ)実在正規モード残留柔軟性成分の評価器30に応答し、
(ロ)運動トランスジューサ105A、105Bから運動信号を受取るよう構成
され、(ハ)運動信号及び評価された実在正規モード残留柔軟性成分35から質
量流量の残留柔軟性補償済み評価値45を生成するよう働く。
【0066】 図6に示されるように、実在正規モード残留柔軟性成分の評価器30と残留柔
軟性補償済み質量流量の評価器40とは、コンピュータ50、例えば、マイクロ
プロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)など
を用いて実現される。図6に示す実施の形態では、実在正規モード残留柔軟性成
分の評価器30と残留柔軟性補償済み質量流量の評価器40とは、アナログ/デ
ィジタル・コンバータ(A/D)614によりディジタル信号値615へ変換す
るため運動信号606をサンプリングしてサンプル613を生成する、例えばサ
ンプリング及び保持回路であるサンプラ612のような、運動信号605を受取
る回路610を含んでいる。サンプラ612とA/D614の動作は当業者には
周知の多くの回路によって行われ得、ここでは更に詳細に論じる必要はない。当
業者は理解するように、運動信号606が多くの方法で処理できる。例えば、ア
ンチエイリアス・フィルタ処理、事後サンプリング・フィルタ処理及び類似の信
号処理を適用することができる。一般に、図6に示された受信手段610は、特
殊目的或いは汎用目的のデータ処理装置又はその組合わせにおいて動作する特殊
目的のハードウエア、ファームウエア或いはソフトウエアを用いて実現され得る
。例えば、前記のサンプリング及びアナログ/ディジタル変換の機能はトランス
ジューサ105A、105Bを用いて一体化される。
【0067】 コンピュータ50は、例えばテキサス・インスツルメンツ社により販売される
DSPのうちのTMS320C4XファミリのDSPのような線形代数計算に特
に適するパイプライン処理DSPでよい。コンピュータ50は、適切なプログラ
ム・コード、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、電気的に消去可
能なプログラム可能読出し専用メモリー(EEPROM)、磁気ディスクなどの
ような記憶媒体60に格納されたソフトウエア及び(又は)ファームウエア及び
データで構成されるので、実在正規モード残留柔軟性成分35の評価値をディジ
タル値615から計算する手段620、ならびに、質量流量の残留柔軟性補償済
み評価値45をディジタル値615から計算する手段630を提供する。理解さ
れるように、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、現場でプログラミン
グ可能なゲート・アレイ(FPGA)などの他の計算装置も同様に用いることが
できる。
【0068】 図7は、物質を含む導管の運動を表わす運動信号からプロセス・パラメータを
評価する動作700を示している。導管の運動の実在正規モードに関連する実在
正規モード残留柔軟性成分が評価される(ブロック710)。物質が導管内を通
過するときのセンサ導管の運動を表わす複数の運動信号が受取られる(ブロック
720)。次いで、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、受け取られた複数
の運動信号と評価されたの実在正規モード残留柔軟性成分とから生成される(ブ
ロック730)。
【0069】 実在正規モード残留柔軟性補償済み評価値と質量流量の残留柔軟性補償済み評
価値とは、多くの方法で生成することができる。本発明の一つの特質によれば、
実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロである質量流量の条件の下の導
管運動を表わす運動信号から評価される。関連する「動的なゼロ調整」の特質に
よれば、(イ)流れと相関する実在正規モードに関連する第1の実在正規モード
残留柔軟性成分が、実質的にゼロの質量流量の条件下の導管運動を表わす運動信
号から評価され、(ロ)第2の実在正規モード残留柔軟性成分が、実質的にゼロ
の質量流量の条件の下の導管運動を表わす運動信号から評価され、(ハ)質量流
量の残留柔軟性補償済み評価値が、第1及び第2の評価された実在正規モード残
留柔軟性成分から生成される。第2の実在正規モード残留柔軟性成分は、ゼロで
ない流量の条件下での計測によって更新することができ、センサの再校正のため
質量流を止めることを必要とせずに正確な残留柔軟性補償済み評価値を生成する
ことを可能にする。
【0070】 本発明の別の特質によれば、実在正規モード残留柔軟性成分は、ゼロ流量の条
件下での計測を必要とせずに評価することができる。駆動モード以外の周波数応
答関数又は「デルタ関数」、例えば、流量相関捩れモードの周波数応答を記述す
る関数は、例えば、極評価手法を用いて識別される。励振周波数以外の周波数、
望ましくは当該モードの共振周波数付近の周波数における前記モードに対する実
際の周波数応答について計測が行われる。次いで、計測値は、このモード・スケ
ーリングを評価するために、識別された周波数応答関数に当てはめられる。次い
で、評価されたモード・スケーリングを用いて、励振周波数における当該モード
の残留柔軟性寄与度の評価値が生成される。モード・スケーリングを非ゼロ流量
条件下での導管運動情報から決定することができるので、センサの校正のために
流れを止めることは不要である。
【0071】 以下の論議は、実在正規モード残留柔軟性成分の評価値の生成と、それからの
質量流量の残留柔軟性補償済み評価値の生成のための種々の手法について記述す
る。この論議は、図5ないし図16のフローチャートと概略図とを参照して行わ
れる。一般に、図5ないし図16のフローチャートと概略図とにおけるブロック
又はブロックの組合わせは、コンピュータ可読プログラム・コード、例えば図6
に示すコンピュータ50のようなコンピュータ又はデータ・プロセッサにおいて
演算されるプログラム命令及び(又は)データを用いて実現できる。本明細書で
用いられるコンピュータ可読プログラム・コードは、オペレーティング・システ
ム・コマンド(例えば、オブジェクト・コード)や高レベルの言語命令など、な
らびに、このようなプログラム命令に関して読取られ、アクセスされ或いは他の
方法で利用されるデータを含むが、これに限定ない。
【0072】 プログラム・コードは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジ
タル信号プロセッサ(DSP)などを含むがこれに限定されないコンピュータ又
は類似のデータ処理装置へロードされる。プログラム・コードとコンピュータと
の組合わせは、フローチャート又は概略図のブロックで示される機能を実現する
ように働く装置を提供する。同様に、プログラム・コードは、このプログラム・
コードとコンピュータとがブロックに示された機能を実施するための手段を提供
するように、コンピュータ又はデータ処理装置へロードされる。
【0073】 プログラム・コードはまた、磁気ディスク又はテープ、バブル・メモリ、電気
的に消去可能なプログラム可能読出し専用メモリー(EEPROM)のようなプ
ログラム可能なメモリ装置などのような、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され
る。記憶されたプログラム・コードはコンピュータに指令して記憶媒体にアクセ
スさせ、記憶媒体に記憶されたプログラム・コードがフローチャート又は概略図
のブロックに指示された機能を実現するプログラム・コード手段を含む製造物を
形成するように機能する。また、プログラム・コードは、コンピュータにロード
されて一連の動作ステップを実行させ、これにより、コンピュータと関連してプ
ログラム・コードがフローチャート又は概略図のブロックに指示された機能を実
現するためのステップを提供するようにプロセスを実現する。従って、フローチ
ャート及び概略図のブロックは、指示された機能を実行するためコンピュータ可
読記憶媒体に具現された、指示された機能を実行するよう働く装置、指示された
機能を実行する手段の組合わせ、指示された機能を実行するステップの組合わせ
、及びコンピュータ可読プログラム・コード手段をサポートする。
【0074】 一般に、フローチャート及び概略図の各ブロックと、フローチャート及び概略
図におけるブロックの組合わせとは、汎用コンピュータで実行する特殊目的のハ
ードウエア、ソフトウエア又はファームウエア、又はそれらの組合わせによって
実現できる。例えば、フローチャート及び概略図のブロックの機能は、特定用途
集積回路(ASIC)、プログラム可能ゲート・アレイ、或いは類似の特殊目的
装置により、或いはマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP又は他
の汎用計算装置にロードされかつこれらにより実行されるプログラム命令及びデ
ータによって実現される。マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP
又は他の計算装置を用いるディジタル的な構成について触れたが、当業者は理解
するように、フローチャート及び概略図の諸機能はアナログ・フィルタ、アナロ
グ算術計算構成素子などのアナログ計算又は処理素子を用いて実現され得る。
【0075】 A.駆動モード・フィルタ処理を用いる実在正規モード残留柔軟性成分の評価 本発明の第1の特質によれば、問題の周波数、例えばセンサ励振周波数、にお
ける駆動モード以外のモードと関連する実質的にゼロの質量流量の条件下におけ
る残留導管運動は、「駆動」モード又は「励振」モードに起因する導管運動の部
分を除去することによって決定される。従って、実在正規モード残留柔軟性成分
を用いて、未知の質量流量における質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が生成
される。駆動モードのフィルタ処理はモード座標領域において、或いは物理的座
標領域におけるモード通過フィルタ処理によって達成される。
【0076】 第1の手法によれば、残留柔軟性補償済み質量流量の評価値がモード領域計算
を用いて生成される。駆動モード以外の少なくとも1つのモードにおける実質的
にゼロの質量流量の条件下の残留実在正規モード運動が評価される。次いで、以
降の未知の質量流量の条件下のセンサ導管の運動を表わす運動信号が処理されて
、未知の質量流量の条件下の導管の実在正規モード運動が評価される。次に、実
質的にゼロの質量流量の条件における実在正規モード運動が、未知の質量流量の
条件において評価された実在正規モード運動から差し引かれて、未知の質量流量
の条件における実在正規モードの導管運動の残留柔軟性補償済み評価値が生成さ
れる。次いで、モード領域質量流量評価手法を用いて質量流量の残留柔軟性補償
済み評価値を生成するため、導管運動の残留柔軟性補償済み評価値が用いられる
【0077】 図8において、実質的ゼロの質量流量の条件下の実在正規運動{η}noflow
、モード・フィルタ[Φ]-1を用いることにより実質的にゼロの質量流量の条件
下の導管運動の物理的座標領域表示{x}noflowから評価される。すなわち、
【0078】
【数12】
【0079】 但し、{η}noflowは実質的にゼロの質量流量の条件下のモード応答を表わし、
{x}noflowは、例えばセンサ導管構造と動作的に関連する運動トランスジュー
サから受取る運動信号によって表わされた実質的にゼロの質量流量の条件下の変
位、速度などのような物理量を表わす。
【0080】 駆動モード以外のモードと関連する励振周波数におけるゼロ流量のモード応答
{η}noflowの実在正規モード残留柔軟性成分{ηresidualnoflowは、未知の
質量流量の条件下の導管運動の物理的領域表示{x}flowから未知の質量流量の
条件下の実在正規モード運動{η}flowを評価して、実在正規モード残留柔軟性
成分{ηresidualnoflowを差し引くことにより未知の質量流量の条件下の質量
流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成して、未知の質量流量の条件下の導管運
動の残留柔軟性補償済み評価値{η}flowcompensatedを生成するために用いら
れる。すなわち、
【0081】
【数13】
【0082】 次いで、非ゼロの質量流量の条件下の実在正規モード運動の残留柔軟性補償済み
評価値{η}flow,compensatedを用いて、例えば、前掲の米国特許出願「実在正
規モード分解を用いる振動導管パラメータ・センサ、方法及びコンピュータ・プ
ログラム製品」に記載されるように、モード領域座標における実在正規モード運
動から直接に質量流量を評価するように働く質量流量評価器810を用いて、質
量流量の残留柔軟性補償済み評価値45が生成される。
【0083】 図9は、モード領域計算を用いて残留柔軟性補償済み質量流量の評価値を生じ
る例示的な動作900を示している。実質的にゼロの質量流量の条件下の導管運
動を表わす複数の運動信号が受取られる(ブロック910)。実質的にゼロの質
量流量の条件下の残留実在正規モード運動は、受取られた運動信号から評価され
る(ブロック920)。次に、未知の質量流量の条件下の導管運動を表わす運動
信号が受取られる(ブロック930)。未知の質量流量の条件下の実在正規モー
ド運動は、受取られた運動信号から評価される(ブロック940)。次に、質量
流量の残留柔軟性補償済み評価値が、未知の質量流量の条件下の評価された残留
実在正規モード運動と評価された実在正規モード運動とから生成される(950
)。
【0084】 代替的な手法によれば、残留柔軟性補償済み質量流量の評価値が、物理的座標
領域におけるモード通過フィルタ処理手法を用いて生成される。センサ導管の運
動{x}は、駆動モードに起因する物理的運動{xdrive}と他のモードに起因
する残留物理的運動{xresidual}との和と見なされる。すなわち、
【0085】
【数14】
【0086】 である。式(14)を配列し直すと、
【0087】
【数15】
【0088】 が得られる。 モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]の一般的形態は、逆手法を用いて、
【0089】
【数16】
【0090】 と表される。但し、[A]は、先に述べた選択されたモードを通すよう設計され
た対角マトリックスであり、[Φ]は、モードの形状に対応する列と物理的応答
場所に対応する行とを持つモード形状マトリックスであり、[Φ]-1はモード・
マトリックスの一般化された逆数である。
【0091】 駆動モードに起因する物理的導管運動の部分は、
【0092】
【数17】
【0093】 として表される。但し、[Ψ]driveは、駆動モード又は励振モードのみを通す
よう構成されたモード通過フィルタである。式(16)と式(17)とを式(1
5)へ代入して因数分解すると、
【0094】
【数18】
【0095】 が生じる。 図10において、未知の流量条件下の物理的運動の残留柔軟性補償済み評価値
{x}flow,compensatedは、
【0096】
【数19】
【0097】 により、未知の流量条件下の物理的応答{x}flowと実質的にゼロの質量流量の
条件下の物理的応答{x}noflowとから評価される。このように、残留柔軟性補
償プロセスは、実質的にゼロの流量における残留柔軟性ベクトルを計算し、この
ベクトルを未知の流量における物理的応答{x}flowから差し引くことを含む。
残留柔軟性が補償された応答{x}flow,compensated、すなわち、除去された残
留柔軟性位相差に対する応答は、例えば、前掲の米国特許出願「実在正規モード
分解を用いる振動導管パラメータ・センサ、方法及びコンピュータ・プログラム
製品」に記載されたように、位相計測手法を用いる従来の質量評価手段1010
を用いて、質量流量の評価値45を生成するのに用いることができる。
【0098】 図11は、このようなモード・フィルタ処理に基く手法により残留柔軟性補償
済み質量流量の評価値を生成する例示的な動作1100を示している。実質的に
ゼロの質量流量の条件下の導管運動を表わす運動信号が受取られる(ブロック1
110)。受取られた信号は、実質的にゼロの質量流量の条件下の残留物理運動
を評価するため、先に述べたようにモード通過フィルタ処理される。(ブロック
1120)。次いで、未知の質量流量の条件下の導管運動を表わす運動信号が受
取られる(ブロック1130)。未知の質量流量の条件下の物理的運動が決定さ
れ(ブロック1140)、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、未知の質量
流量の条件下の評価された物理的運動と評価された残留物理的運動とから生成さ
れる(ブロック1150)。
【0099】 B.動的なゼロ調整 本発明の別の特質によれば、2つの実在正規モード残留柔軟性成分が評価され
、残留柔軟性補償済み質量流量の評価値を生成するのに用いられる。第1の実在
正規モード残留柔軟性成分は、先に述べたように、実質的にゼロの質量流量の条
件下の運動を表わす運動信号から評価される。第2の「動的な」実在正規モード
残留柔軟性成分は非ゼロ質量流量の条件下で評価され、これにより、流れを止め
ることなく、センサを用いてセンサのゼロ・オフセット校正を更新するときに周
期的に再評価され得る。これら第1及び第2の実在正規モード残留柔軟性成分を
用いて、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が生成される。
【0100】 本発明のこのような特質は、センサ導管の実在正規モードが「流量と強く相関
する」或いは「流量と弱く相関する」として分類されるとの理解から生じる。流
量と強く相関するモードは、センサ導管内の流れに感応する応答を生じるモード
であり、流量と弱く相関するモードは、予測されるように、流量に対してそれほ
ど著しく感応しない。流量と弱く相関するモードは、例えば、先に述べた実験的
に分析されたセンサの横方向モードを含み得る。
【0101】 流量と強く相関するモードは、実質的にゼロの流量における残留柔軟性に寄与
する。多くの場合、流量と強く相関するモードと関連する残留柔軟性は、比較的
時間的に不変であり、ゼロ・ドリフトが流れモードの変化によっては恐らくは生
じないことを意味すると仮定するのが妥当である。しかし、流量と弱く相関する
モードは、流量に対して比較的鈍感であるが、境界条件の変化に対しては敏感で
ある。境界条件の変化は、これらのモードが変化する際、短期又は長期のゼロ・
オフセット・ドリフトを生じ得る。例えば、境界条件の変化は、上記の例示のセ
ンサにおける横方向モード周波数のずれを生じ、その結果このモードの残留柔軟
性すなわちゼロ・オフセットへの寄与度における変化を生じることになる。
【0102】 例として、先に述べた3インチのセンサに対する実験データを用いると、この
センサに対するモード(すなわち、「モード形状」)マトリックス[Φ]は、1
25Hzにおける駆動(位相ずれ曲げ)モード、132Hzにおける同相横方向
モード及び位相ずれ捩れモードに対応する3個の列まで減じられる。すなわち、
【0103】
【数20】
【0104】 である。モード・マトリックス[Φ]の行は、先に述べたように、右側、駆動装
置及び左側のトランスジューサ位置並びに後の斜め及び横の加速度計に対応して
いる。
【0105】 N個の実在正規モードrに対するモード・マトリックス[Φ]、モード・スケ
ール・ファクタQr及び極λrは、周波数応答関数マトリックス[H]の決定に用
いられる。すなわち、
【0106】
【数21】
【0107】 である。応答ベクトル{x}は、
【0108】
【数22】
【0109】 から、周波数応答関数[H]と駆動力{F}とから計算される。3つのモードに
対するモード応答は、例えば、逆手法を用いて、モード形状マトリックス[Φ]
から構成されるモード・フィルタにより導出することができる。図12A及び図
12Bは、それぞれ、この例示的なシステムに対する周波数の関数として、物理
的応答x及びモード応答ηbend、ηtwist、ηlateralに対する振幅及び位相を示
している。
【0110】 物理的応答の残留柔軟性により生じる時間的遅延は、左右のトランスジューサ
により生じる運動信号間の位相角を計算して、時間差Δtを決定するため励振周
波数ωdで除すことによって計算することができる。図12A及び図12Bに示
されたデータについては、
【0111】
【数23】
【0112】 が成り立つ。 曲げモードと横方向モードとにより物理的応答ベクトル{x}blを生じる第1
のモード通過フィルタと、曲げモードと捩れモードとにより物理的応答ベクトル
{x}btを生じる第2のモード通過フィルタとを含む、2つの異なるモード通過
フィルタを定義することができる。すなわち、
【0113】
【数24】
【0114】 但し、{xbl(ωd)}、{xbt(ωd)}、及び{η(ωd)}は、それぞれ、
曲げモードと横モードとの組合わせモードの物理的応答ベクトル、曲げモードと
捩れモードとの組合わせモードの物理的応答ベクトル及びモード応答ベクトルで
あり、これらは励振周波数ωdで評価される。
【0115】 実験的に分析されたセンサに対するゼロ流量におけるモード通過フィルタ処理
された成分{xbl(ωd)}、{xbt(ωd)}のゼロ・オフセット寄与度を計算
すると、
【0116】
【数25】
【0117】 を得る。すなわち、横方向モード応答は、ゼロ・オフセットの11ナノ秒と関連
し、捩れモード応答はゼロ・オフセットの135ナノ秒と関連している。 流量と相関する捩れモード応答は一般に流量と混同されるので、このモードに
起因するゼロ・オフセットを流動条件下で決定することは困難である。しかし、
流量と相関する捩れモードは、一般に、境界条件からは切り離されるので、時間
的に不変と見なすことができる。流量と弱く相関する横方向モード成分は、流量
に対して鈍感である見なすことができるが、境界条件と共に著しく変動し得る。
【0118】 例えば、横方向モードの共振周波数が境界条件の変化により4Hzだけ減じる
とすると、ゼロ・オフセットに対する個々のモード寄与度は、
【0119】
【数26】
【0120】 のようになる。従って、この新たな横方向モード周波数からの寄与度を用いる全
ゼロ・オフセット、すなわち、横方向モードの共振周波数の変化に起因し得る変
化は158ナノ秒である。捩れモード応答と関連するゼロ・オフセットΔtbt
、横方向モード周波数のずれが捩れモードには影響しないので、135ナノ秒に
おいては変化しない。
【0121】 これらの観察から明らかなことは、境界条件の変化を監視するには、流量と弱
く相関するモードの変化を追跡できるということである。流量と弱く相関するモ
ードの変化は非ゼロの流量条件下で監視することができるので、流れを止めるこ
とを必要とせずに残留柔軟性の補償を動的に更新することが可能になる。
【0122】 図13は、動的ゼロ調整手法により質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生
成する例示的な動作1300を示している。流量と強く相関する実在正規モード
、例えば先に述べたセンサの捩れモードと関連する第1の実在正規モード残留柔
軟性成分が、実質的にゼロの質量流量の条件に対して評価される(ブロック13
10)。従って、流量と弱く相関するモード、例えば先に述べたセンサの横方向
モードと関連する第2の実在正規モード残留柔軟性成分は、非ゼロの質量流量の
条件下で評価される(ブロック1320)。次いで、導管運動を表わす運動信号
が受取られ(ブロック1330)、これらの信号から、第1及び第2の実在正規
モード残留柔軟性成分を用いて質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が評価され
る(ブロック1340)。その後、第2の実在正規モード残留柔軟性成分が更新
され(ブロック1320)、追加の運動信号が受取られ(ブロック1330)、
更新された第2の実在正規モード残留柔軟性成分を用いて、受取った運動信号か
ら質量流量の新たな残留柔軟性補償済み評価値が生成される(ブロック1340
)。理解されるように、図5ないし図11に関して先に述べた手法及び装置を用
いて、モード領域又は物理的領域において、図13に示された評価プロセスが行
われる。
【0123】 特定の実在正規モード、例えば先に述べた横方向モードのモード応答もまた、
実際の導管運動の計測による代わりに、当該モードに対する所定の周波数応答関
数を用いて、所望のモードに対する極の評価値から計算することができる。例え
ば、横方向モードに対するモード応答を計測する代わりに、r=2に設定するこ
とにより、既知の作用力{F}に対して式(20)及び(21)を用いて横方向
モードのモード応答の評価値を計算することもできる。
【0124】 C.モード形状スケーリングの評価による実在正規残留運動の評価 本発明の別の特質によれば、所与の周波数、例えば位相差又は時間差の測定が
行われる励振周波数における実在正規モードと関連する残留柔軟性が、所与の周
波数以外の周波数における実在正規モードでの計測された運動から評価される。
例えば、実在正規モードの運動は励振周波数付近の周波数において計測され、こ
の計測された運動を用いて励振周波数における残留柔軟性が補間される。本発明
によれば、種々の線形手法、多項式手法、又は他の補間手法を用いて、励振周波
数以外の周波数における計測された実在正規モード運動から励振周波数における
実在正規モード運動の評価値が生成される。
【0125】 本発明の一特質によれば、応答が更に容易に計測される周波数における計測を
用いて、実在正規モードにおける運動を表わす計測データを、仮定の周波数応答
関数すなわち「デルタ」関数に当てはめるため、最小2乗手法が用いられる。問
題のモードrに対する単一の自由度に対する周波数応答関数すなわち「デルタ」
関数Δrは、一般に
【0126】
【数27】
【0127】 の形態を取る。但し、λrはモードrの固有値であり、ηrはモードrにおける運
動、Nrはモードrにおけるモード励振、krはモード応答Δrをスケールするス
カラー値を表し、*は複素共役を示している。固有値λrは、計測から仮定又は
評価することができる。例えば、固有値λrは、D.J.ユーイング著「モード
・テスト:理論と実際(Modal Testing:Theory and
Practice)」(John Wiley and Sons,Inc、1
984年発行)に記載されたような多数の周知の極評価手法を用いて評価される
【0128】 固有値λrは、モードrの減衰を表わす実数部とモードrの減衰された固有周
波数ωmrを表わす虚数部とを持つ複素数である。モードの減衰は計測が困難であ
るが、典型的なコリオリ質量流量計の場合には、減衰は低いものと仮定すること
ができる。減衰が無視し得ると仮定すると、
【0129】
【数28】
【0130】 が成り立つ。 先に述べたように、図1の例示的なセンサの捩れモードのような流量相関モー
ドの応答は、一般に、流量と混同されるので、非ゼロの流動条件下の励振周波数
付近のモードなどと関連する残留柔軟性の計測を困難にし得る。しかし、{Δr
}が流量と高度に相関する実在正規モードに対応するデルタ関数のベクトルを表
わすとすると、最小2乗法を用いて、励振周波数から除去された周波数における
流量相関モードでの計測した運動をデルタ関数のベクトル{Δr}と関連付ける
「スケーリング・マトリックス」[κ]を計算することができる。従って、スケ
ーリング・マトリックス[κ]は、スケーリング変換[κ]をデルタ関数のベク
トル{Δr}に適用することにより、流量相関モードに起因する励振周波数にお
ける残留柔軟性の正確な評価値を生成するのに用いることができる。
【0131】 特に、導管構造は、非ゼロの流動条件の下で、1つ以上の選択された周波数ω s において励振される。選択された周波数ωsは任意に選択し得るが、一般に、励
振(駆動)周波数ωdから離れるほど、流量相関モードの応答は、導管内の質量
流量によって歪みを受けることが少なくなる。モードrを評価するため用いた選
択された周波数ωsは、モードrの共振周波数ωmr付近に選択されることが好ま
しい。
【0132】 例えば、直接の計測或いは駆動電流のようなパラメータからの推論によって既
知となった物理力{F}が、選択された周波数ωsにおいて印加される。この物
理力{F}は、
【0133】
【数29】
【0134】 によりモード励振{N}に変換される。物理力{F}に対する物理的応答{x}
は、
【0135】
【数30】
【0136】 によりモード応答{η}へ変換され得る。 複数の選択された周波数[ωs]において取得されたモードrに対するモード
応答
【0137】
【数31】
【0138】 のマトリックスに対して、
【0139】
【数32】
【0140】 が仮定される。但し、[Δ(λr,ωs)]は、複数の選択された周波数ωsにお
けるモードrに対するデルタ関数のベクトル{Δr}を評価することにより生成
されるマトリックスを表わす。スケーリング・マトリックスについて式(26)
を解くと、
【0141】
【数33】
【0142】 従って、ゼロ流量における周波数ωでのモード応答
【0143】
【数34】
【0144】 すなわち、周波数ωにおける流量相関モードと関連する運動は、
【0145】
【数35】
【0146】 により(モード領域座標において)評価することができる。通常は、励振周波数
ωdにおける流量相関モードと関連する残留柔軟性を評価することが望ましく、
これは式(28)においてω=ωdと設定することにより評価することから達成
することができる。
【0147】 先に述べたように、流量相関モードすなわち捩れモードに対する残留柔軟性が
決定される。しかし、理解されるように、上記の手法もまた流量相関モードに適
用され得る。例えば、図1の例示のセンサに対して述べたような無視し得る流量
と相関する横方向モードと関連する残留柔軟性は、横方向モードの周波数応答を
記述するデルタ関数から同様に評価することもできる。
【0148】 所与の周波数において残留柔軟性が補償された実在正規モード運動、すなわち
、望ましくないモードと関連する残留柔軟性について補償された実在正規モード
運動の評価は、所与の周波数における実在正規モード運動{η}flowを計測して
、望ましくないモードと関連する残留実在正規モード運動{ηrnoflowを差し
引くことにより生成され得る。モード励振{N}を一定であると仮定すると、残
留柔軟性が補償された実在正規モード運動{η}flow,compensatedは、
【0149】
【数36】
【0150】 により与えられる。次いで、補償された実在正規モード運動は、先に述べたもの
と類似の方法で、未知の流量における質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生
成するのに用いられる。
【0151】 しかし、ある用途においては、物理的座標における残留柔軟性を決定すること
が更に便利である。モード座標領域から物理的座標領域へ変換して、導管運動の
残留柔軟性補償済み評価値が
【0152】
【数37】
【0153】 により与えられる。流量相関モードと関連する残留柔軟性を補償するには、例え
【0154】
【数38】
【0155】 とする。但し、[Adrive]及び[Aflowmode]は、それぞれ駆動モード及び流
量相関モードを通すように意図された対角マトリックスである。それぞれが駆動
モード及び流量相関モードに対するモード通過フィルタ[Ψdrive]及び[Ψflo wmode ]に関して式(31)について更に述べるならば、
【0156】
【数39】
【0157】 が成り立つ。 図14は、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するための例示的な動
作1400を示している。実在正規モードにおけるセンサ導管の運動を周波数の
関数として記述する機能が識別される(ブロック1410)。選択された周波数
、例えば実在正規モードの共振周波数付近の周波数における導管の運動を表わす
値が決定される(ブロック1420)。例えば、非ゼロの流量条件下のセンサ導
管の運動を表わす運動信号を受取ることができ、これらの信号から、実在正規モ
ードの共振周波数付近の複数の選択された周波数において実在正規モードにおけ
る運動を決定することができる。従って、例えば、先に述べた最小2乗法を用い
て、実在正規モードと関連する実在正規モードの残留柔軟性成分が評価される(
ブロック1430)。未知の質量流量における導管運動を表わす複数の運動信号
が次に受取られ(ブロック1440)、受取られた運動信号と評価された実在正
規モードの残留柔軟性成分とから、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が生成
される(ブロック1450)。
【0158】 図15は、モード座標領域における質量流量の残留柔軟性補償済み評価値の生
成に用いられる残留実在正規モード運動を評価するための動作1500を示して
いる。実在正規モードでのデルタ関数を表す運動信号が受取られる(ブロック1
510)。導管運動を表わす運動信号が受取られる(ブロック1520)。受取
られた運動信号は、選択された複数の周波数における導管運動を表わす第1の複
数の値を生じるように処理される(ブロック1530)。例えば、この第1の複
数の値は、当該モードの共振周波数付近の複数の選択された周波数における流量
相関モードでの運動を記述する。識別されたデルタ関数は、複数の選択された前
記周波数において評価されて第2の複数の値を生じる(ブロック1540)。次
いで、モード・スケーリング変換が、例えば、式(27)を用いて、第1及び第
2の複数の値から決定される(ブロック1550)。次いで、問題の周波数、例
えば励振周波数における残留実在正規モード運動が、スケーリング条件とデルタ
関数とから決定され(ブロック1560)、例えば図9に関して述べた手法を用
いて、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するのに用いられる(ブロッ
ク1570)。
【0159】 図16は、物理的座標領域において質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生
成するための例示的な動作1600を示している。実在正規モード、例えば流量
相関モード又は他のモードにおける運動を記述するデルタ関数が識別される(ブ
ロック1610)。導管運動を表わす運動信号、例えば、非ゼロの質量流量の条
件下の導管運動を表わす運動信号が受取られる(ブロック1620)。受取られ
た運動信号が処理されて、複数の選択された周波数における導管運動を表わす第
1の複数の値を生じる(ブロック1630)。識別されたデルタ関数が、第2の
複数の値を生じるように、複数の選択された周波数において評価される(ブロッ
ク1640)。このデルタ関数は、問題の周波数、例えば励振周波数において評
価され(ブロック1650)、モード通過フィルタが、第1の複数の値と第2の
複数の値と問題の周波数におけるデルタ関数の値との積に適用されて、式(32
)にならって、問題の周波数における残留物理的運動の評価値を生じる(ブロッ
ク1660)。次いで、例えば図11に関して述べた手法を用いて、質量流量の
残留柔軟性補償済み評価値を生じるよう、評価された残留物理的運動を用いるこ
とができる(ブロック1670)。
【0160】 III. 結論 本発明によれば、「残留柔軟性」すなわち、実在正規モードの非共振寄与に起
因する残留運動が、質量流量センサの振動導管の運動を実在正規モード成分へ分
解することによって決定される。導管運動の少なくとも1つの実在正規モードと
関連する実在正規モード残留柔軟性成分が評価され、質量流量の残留柔軟性補償
済み評価値を生成するのに用いられる。
【0161】 実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロの質量流量の条件における導
管の運動を表わす信号から評価される。評価は、モード座標領域において行われ
、或いは、物理的座標領域においてモード通過フィルタ処理を用いることにより
行われる。実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロの質量流量の条件下
のセンサ導管運動を表わす運動信号から評価される第1の成分と、非ゼロの質量
流量の条件下の導管運動を表わす運動信号から生成される第2の「動的な」成分
とを含む。この第2の成分は、非ゼロの流量の条件下で動的に更新される。
【0162】 本発明の別の特質によれば、実在正規モードにおける振動導管の運動を周波数
、例えば周波数応答すなわち「デルタ関数」の関数として記述する関数が識別さ
れる。この関数は、実際の導管運動の計測値を当該関数へ当てはめることにより
、例えば、複数の選択された周波数における実在正規モードでのセンサ導管の運
動の複数の値を計測して、実在正規モードに対するモード・スケーリングを決定
するために最小2乗法を用いることにより、実在正規モードと関連する残留実在
正規モード成分を評価するのに用いられる。このモード・スケーリングは、実在
正規モードの残留柔軟性成分の評価値を生成するのに用いることができる。
【0163】 本発明による用いられる実在正規モード分解は、残留柔軟性の更に正確な評価
を提供することができる。残留柔軟性の更に正確な評価は、例えば、位相差又は
時間差型の質量流量の計測におけるゼロ・オフセットの補償を改善することが可
能である。更に、本発明の特質によれば、残留柔軟性の評価は、センサ導管にお
けるゼロの質量流量を必要とすることなく行うことができる。
【0164】 本願の図面及び本文は、本発明の実施の形態を開示するものである。特定の用
語が用いられるが、これらの用語は一般的かつ記述的な意味において用いられ、
限定の目的のために用いられるものではない。予測されるように、当業者は、文
言上或いは均等論において、請求の範囲内に含まれる代替的な実施の形態を作り
、使用し又は販売することができ且つこれを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例示的なセンサ導管構造を示す図である。
【図2】 図1の例示的な導管構造の実在正規モードの周波数応答を示すグラフである。
【図3】 図1の例示的な導管構造の実在正規モードの周波数応答を示すグラフである。
【図4】 図1の例示的な導管構造の実在正規モードの周波数応答を示すグラフである。
【図5】 本発明による振動導管パラメータ・センサの実施の形態を示す図である。
【図6】 本発明による振動導管パラメータ・センサの実施の形態を示す図である。
【図7】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成する動作を
示すフローチャート及び概念図である。
【図8】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成する動作を
示すフローチャート及び概念図である。
【図9】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成する動作を
示すフローチャート及び概念図である。
【図10】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成する動作を
示すフローチャート及び概念図である。
【図11】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成する動作を
示すフローチャート及び概念図である。
【図12】 図12A及び図12Bは、例示的なセンサ導管構造のモードの周波数応答を示
すグラフである。
【図13】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するための
動作を示すフローチャート及び概念図である。
【図14】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価ちを生成するための
動作を示すフローチャート及び概念図である。
【図15】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するための
動作を示すフローチャート及び概念図である。
【図16】 本発明の特質による、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するための
動作を示すフローチャート及び概念図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年8月11日(2000.8.11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月22日(2002.3.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項22】 前記残留柔軟性補償済み質量流量評価器(40)が、 複数の選択された周波数における前記導管の物理的運動を表わす第1のマトリ
ックスを生じる手段(1630)と、 モード共振周波数付近の前記複数の選択された周波数において前記関数を評価
して第2のマトリックスを生じる手段(1640)と、 前記駆動周波数において前記第2のマトリックスを評価する手段(1650)
と、 前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスと前記関数の前記評価との
積にモード通過フィルタを適用して、前記駆動周波数における前記残留物理的運
動の評価値を生じる手段(1660)と、 前記駆動周波数における前記残留物理的運動の前記評価値から、前記プロセス
・パラメータの前記評価値を生じる手段(1670)と、 を含む、請求項20記載の装置。
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、プロセス・パラメータ・センサ、動作方法及びコンピュータ・プロ
グラム製品に関し、特に導管パラメータ・センサ、動作方法及びコンピュータ・
プログラム製品に関する。
【0002】 問題の記述 コリオリ効果質量流量計は、導管を通過する物質に対する質量流量その他の情
報を計測するために広く用いられる。例示的なコリオリ流量計は、全てJ.E.
スミス等の1978年8月29付けの米国特許第4,109,524号、198
5年1月1日付の同第4,491,025号、及び1982年2月11日付けの
再発行特許第31,450号に開示されている。これら流量計は、典型的に、直
線状の形態又は湾曲した形態を持つ1つ以上の導管を含んでいる。各導管は、例
えば、単純な曲げ、捩れ、半径方向の諸モード及び組合わせモードを含む1組の
振動モードを持つものとみなし得る。典型的な質量流量計測の用途においては、
各導管は、物質が導管内を通過するとき、その固有モードの1つにおける共振で
振動するように駆動される。物質で充填された振動系の振動モードは、導管の質
量と剛性との組合わせ特性と、導管内を通過する物質の特性とによって生じる。
【0003】 コリオリ流量計の典型的な構成要素は、駆動系すなわち励振系である。この駆
動系は、周期的な物理力を導管へ加えて導管を振動させるように働く。この駆動
系は、典型的には、流量計の導管に取付けられた少なくとも1つのアクチュエー
タを含んでいる。アクチュエータは、第1の導管に取付けられた磁石と第2の導
管に取付けられた巻線コイルとを持つボイス・コイル装置のような周知の多くの
電気機械的装置の1つを含む。典型的には、駆動装置が、周期的な、例えば正弦
波又は方形波の駆動信号をアクチュエータのコイルへ印加する。この周期的な駆
動信号が、アクチュエータに2つの導管を逆の周期的パターンで駆動させる。
【0004】 駆動された流量計の導管内に実質的に「ゼロ」の流れがあるとき、導管に沿っ
た点は、駆動される振動のモードに従って、駆動装置に関してほぼ同相すなわち
「ゼロ」の流動位相で振動する傾向を持つ。物質が流量計の入口から導管を通っ
て流量計の出口へ流れ始めると、物質流から生じるコリオリ力が、導管に沿う空
間的に別個の点の間に位相のずれを誘起しようとし、導管の入口側の位相は一般
にアクチュエータより遅れ、導管の出口側の位相はアクチュエータより進む。導
管上の2つの場所間に生じる位相のずれは、導管内の物質の質量流量にほぼ比例
する。
【0005】 不都合なことに、従来の位相ずれ法又は時間的遅延法を用いて得られる計測精
度は、流量計構造における非線形性及び非対称性により、ならびにポンプのよう
な外部供給源により流量計構造へ誘起される振動によって悪化され得る。これら
の作用は、例えば、外部振動の作用を減じる均衡のとれた機械的設計を用いるこ
とにより、かつ周波数領域のフィルタ処理を用いて望ましくない振動に関連する
周波数成分を除去することによって低減される。しかし、機械的な設計上の試み
は幾何学的な配慮によって制約を受けがちであり、周波数領域のフィルタ処理は
、導管を励振するのに用いられる駆動周波数のような、問題となる共振周波数又
はその付近で生じる無用の振動エネルギの除去には有効でない。
【0006】 質量流量の計測用途において一般に遭遇する1つの誤りは、「ゼロ・オフセッ
ト」である。先に述べたように、質量流量の計測は、典型的に、センサの導管構
造におけるトランスジューサにより生じる運動信号間の位相的又は時間的な差を
決定することを含む。ゼロ・オフセットは、ゼロの質量流量はゼロの位相的又は
時間的な差を生じることがないよう、これらの位相的又は時間的な差の計測にお
ける偏りすなわちオフセットを表わす。
【0007】 ゼロ・オフセットを減じるために、従来の質量流量の計測手法は、典型的には
、制御されたゼロの質量流量の条件下で計測される運動信号間の位相的又は時間
的な差としてゼロ・オフセットを計測する。従って、他の流動条件下で行われる
位相的又は時間的な差の計測は、更に正確な結果を生じるよう、計測されたゼロ
流量の位相的又は時間的な差に従って補償される。
【0008】 しかし、これらの手法は、潜在的な短所を有する。処理温度又はセンサの取付
け条件の変化は、ゼロ・オフセットを時間的にドリフトさせて計測誤差を生じ得
る。このようなドリフトを補償するには、ゼロ・オフセットを周期的に再計測す
ることが必要である。このことは、更新されるゼロ・オフセット測定を生じるた
めに流れを止めることを従来のゼロ・オフセット補償手法が必要とするので、不
便である。
【0009】 発明の概要 以上のことに照らして、本発明の目的は、質量流量センサと、処理条件及び取
付け条件における変化にそれほど鋭敏でない質量流量決定方法とを提供すること
である。
【0010】 上記及び他の目的、特徴及び利点は、本発明に従って、「残留柔軟性」すなわ
ち、実在正規モードの非共振に寄与する残留運動が、質量流量センサの振動導管
の運動を実在正規モード成分へ分解することにより決定される方法、装置及びコ
ンピュータ・プログラム製品によって提供される。導管運動の少なくとも1つの
実在正規モードに関連する実在正規モード残留柔軟性成分が評価され、質量流量
の残留柔軟性補償済み評価値を生じるのに用いられる。
【0011】 本発明の一特質によれば、実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロの
質量流量の条件における導管の運動を表わす信号から評価される。関連する「動
的ゼロ調整」の特質によれば、ゼロ流量時に計測される「静的な」実在正規モー
ド残留柔軟性成分と、非ゼロの質量流量の条件下で計測される「動的な」実在正
規モード残留柔軟性成分とを含む2つの実在正規モード残留柔軟性成分が決定さ
れる。この2つの実在正規モード残留柔軟性成分は組合わされて、質量流量の残
留柔軟性補償済み評価値を生じるのに用いられる残留柔軟性の評価値を提供する
。動的な実在正規モード残留柔軟性成分は物質がセンサを通過するときに評価さ
れるので、残留柔軟性の評価値は、流れを止めることを必要とせずにセンサの構
造的動特性の変化を補償するために更新され得る。
【0012】 本発明の別の特質によれば、周波数の関数として実在正規モードにおける振動
導管の運動を記述する関数が識別される。識別された関数は、次に、実際の導管
運動、例えばゼロでない質量流量における運動の計測を識別された関数に当ては
めることにより、実在正規モードに関連する残留実在正規モード成分を評価する
ために用いられる。例えば、実在正規モードにおけるセンサ導管の運動の複数の
値が、選択された複数の周波数において計測され、これらの値を用いて、非共振
周波数、例えばセンサの励振周波数において実在正規モードの導管運動を評価で
きるように、実在正規モードに対するモード・スケーリングを決定する。残留運
動のこのような計測は、センサ内の質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生じ
るのに用いることができる。
【0013】 本発明は、質量流量センサにおける残留柔軟性がセンサ構造の様々な振動モー
ドの非共振寄与に帰され得るとの理解から生まれる。実在正規モード分解手法を
用いて、本発明は、非共振実在正規モード運動に関連する導管運動を正確に計測
することができ、これにより、質量流量の更に正確な計測の生成に用いられる残
留柔軟性の正確な計測を提供することができる。本発明の特質によれば、非共振
導管運動の評価は、センサ導管におけるゼロの質量流量を必要とすることなく行
うことができる。
【0014】 特に、本発明によれば、導管に含まれる物質と関連するプロセス・パラメータ
は、導管の運動の実在正規モードと関連する実在正規モード残留柔軟性成分を評
価することによって評価される。導管運動を表わす複数の運動信号が受取られる
。質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、受取られた複数の運動信号と評価さ
れた実在正規モード残留柔軟性成分とから生成される。
【0015】 本発明によれば、導管は励振周波数で励振される。励振周波数における実在正
規モードと関連する実在正規モードの残留柔軟性成分が評価される。この励振に
応答して、導管運動を表わす複数の運動信号が受取られ、励振周波数における導
管の運動が受取られた複数の運動信号から決定される。質量流量の残留柔軟性補
償済み評価値が、励振周波数において決定された運動と評価された実在正規モー
ド残留柔軟性成分とから生成される。
【0016】 本発明によれば、実質的にゼロの質量流量の条件下の導管の運動を表わす第1
の複数の運動信号が受取られ、実質的にゼロの質量流量の条件下の導管運動を複
数の実在正規モード成分へ分解するよう処理される。実在正規モード残留柔軟性
成分は、分解された複数の実在正規モード成分から評価される。導管運動を表わ
す第2の複数の運動信号が受取られ、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、
受取られた第2の複数の運動信号と評価された実在正規モード残留柔軟性成分と
から生成される。
【0017】 残留柔軟性と質量流量の評価は、物理的な座標領域又はモード座標領域におい
て行われる。第1の複数の運動信号は、モード通過フィルタ処理され、実質的に
ゼロの質量流量の条件下の導管運動のモード通過フィルタ処理表示を生じ、実在
正規モードと関連する残留物理的運動の評価値が導管運動のモード通過フィルタ
処理表示から生成される。或いはまた、第1の複数の運動信号は、実質的にゼロ
の質量流量の条件下の残留実在正規モード運動を評価するように処理される。
【0018】 本発明の、関連する「動的ゼロ調整」の特質によれば、実質的にゼロの質量流
量の条件下の導管運動の第1の実在正規モードと関連する第1の実在正規モード
残留柔軟性成分が評価される。非ゼロの質量流量の条件下の導管運動の第2の実
在正規モードと関連する第2の実在正規モード残留柔軟性成分が評価される。質
量流量の残留柔軟性補償済み評価値は、受取られた第2の複数の運動信号と、評
価された第1の実在正規モードの残留柔軟性成分と、評価された第2の実在正規
モード残留柔軟性成分とから生成される。前記第1の実在正規モードは、第2の
実在正規モードより導管内の物質の流量と更に強く相関させられることが望まし
い。
【0019】 本発明の更に別の特質によれば、実在正規モードにおける導管運動を周波数の
関数として記述するよう働く関数が識別される。選択された周波数で振動する導
管の運動を表わす第1の値が決定される。実在正規モードと関連する実在正規モ
ード残留柔軟性成分は、前記第1の値を識別された関数に当てはめることにより
評価される。導管運動を表わす複数の運動信号が受取られ、質量流量の残留柔軟
性補償済み評価値が、受取られた第2の複数の運動信号と評価された実在正規モ
ード残留柔軟性成分とから生成される。
【0020】 モード座標領域の実施の形態においては、実在正規モード残留柔軟性成分が、
前記第1の値と識別された関数とを関連させるスケーリング変換を決定して、実
在正規モードと関連する実在正規モード残留柔軟性成分を、識別された関数と決
定されたスケーリング変換とから評価することによって評価される。質量流量の
残留柔軟性補償済み評価値が、モード座標領域において評価された実在正規モー
ド残留柔軟性成分から生成される。
【0021】 モード通過フィルタ処理の実施の形態においては、実在正規モードと関連する
残留物理的運動が、周波数応答関数から評価される。質量流量の残留柔軟性補償
済み評価値が、物質が導管内を通過するとき、受取られた複数の運動信号をモー
ド通過フィルタ処理することにより生成され、導管運動のモード通過フィルタ処
理表示を生じ、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値をモード通過フィルタ処理
表示と評価された残留物理的運動とから生成する。
【0022】 振動する導管における物質に対する残留柔軟性補償済みの質量流量評価値を生
成するための関連する装置及びコンピュータ・プログラム製品についても、記述
される。
【0023】 実施の形態の詳細な記述 次に、本発明について、本発明の実施の形態が示される添付図面に関して更に
詳細に記述する。当業者は、本発明が多くの異なる形態で具現され、本文に記載
される実施の形態に限定されるものと見なすべきでなく、これらの実施の形態は
この開示が周到かつ完全なものであり本発明の範囲を当業者へ完全に伝えるよう
に提供されるものであることを理解する。図面では、同じ番号は全ての図におい
て類似の要素を指している。
【0024】 本文に記載される実施の形態においては、センサ導管の運動を表わす運動信号
は、導管の運動を複数の実在正規モード成分へ分解するように処理される。実在
正規モード分解は、多くの方法で実現することができる。例えば、モード・パス
・フィルタは、1組の所望の実在モードと関連させられるセンサ導管の運動成分
を通すために用いられる。導管運動に対応するモード応答を明確に決定する必要
はないが、モード通過フィルタ処理は導管運動を各実在正規モードに関連する各
成分へ「分解する」。或いはまた、実在正規モードの運動、すなわち、複数の単
自由度(SDOF)系の座標系における運動は、運動信号から明確に評価するこ
とができ、かつプロセス・パラメータの評価値を生成するため用いることができ
る。
【0025】 1.概説 A.センサ導管のモード挙動 コリオリ流量計の導管のような振動構造の挙動は、関連する固有振動周波数を
持つ1つ以上の固有モード又は実在正規モードに照らして説明される。これらの
実在正規モード及び関連する固有周波数は、固有ベクトル及び関連する固有値に
より数学的に説明され、固有ベクトルは相対的な大きさにおいて一義的であるが
絶対的な大きさでは一義的ではなく、構造の質量及び剛性に関して直交性を呈す
る。線形独立なベクトルの組が、構造の運動を記述する式を分解する変換として
用いられる。
【0026】 特に、励振に対する構造の応答は、スケーリングされたモードの重畳として表
わすことができ、このスケーリングは構造の運動に対する各モードの寄与度を表
わす。励振によっては、一部のモードは他のモードよりも大きく寄与する。モー
ドによっては望ましくないものがある。これは、該モードが所望のモードの共振
周波数におけるエネルギに寄与し得、従って励振周波数において行われた位相差
の計測のような所望のモードの共振周波数で行われた計測を損なうことがあるか
らである。
【0027】 無視し得る減衰及びゼロの流量を持つセンサ導管構造は、振動の純粋に実在の
固有モードすなわち正規モードを持つものと仮定される。すなわち、各モードに
おいて、構造の各点は同時に最大の変位に達すると仮定される。しかし、実際の
導管は無視し得ない減衰を生じ、この導管内を流れる物質は一般に励振に対して
複雑な応答を呈する。すなわち、構造の諸点は一般に最大の大きさに同時に達す
ることはない。導管構造の運動は、実数及び虚数の成分を持ち、或いはまた大き
さと位相の成分を持つ複素モードとして記述される。流動する物質により与えら
れるコリオリ力は、この複素性をセンサ導管の運動に持ち込む。
【0028】 たとえ複素数であっても、導管構造の運動はスケーリングされた固有モードす
なわち「正規な」モードの重畳として記述することができる。複素数の運動を表
わすため、構成する実在正規モードの組合わせにおいて、複素数のスケーリング
係数が用いられる。特定の実在正規モードは、複素モードの実数成分とはそれほ
ど相関がないが、複素モードの虚数成分と密に相関させられる。従って、これら
の特定の実在正規モードは、センサ導管内の物質と関連するコリオリ力と更に密
に相関させられ、このため、例えば物質と関連する質量流量などのパラメータの
正確な評価を生じるための情報を提供することができる。
【0029】 事例として、2連の湾曲管式3インチ(約7.62cm)コリオリ流量計が実
験的に分析された。この流量計の導管構造の概念モデルが図1に示される。方向
zにおける速度を測定するような向きにされた周知の速度トランスジューサ10
5A、105B、105Cが、導管組立体10の左位置、右位置及び駆動装置の
位置に配置された。加速度計105D、105Eの各々が、右側のトランスジュ
ーサ位置付近で導管103A、103Bの各々に載置され、方向xに沿う横方向
の加速度を測定するような向きにされた。加速度計105D、105Eの出力が
積分されて、横方向の絶対速度情報が生じる。
【0030】 応答ベクトル{xresponse}、は、運動トランスジューサ105A−105E
の出力から構成することができる。すなわち
【0031】
【数1】 ここで、斜めの横方向応答は、x軸とz軸に対して45°の方向に沿った応答で
ある。実在正規モード・マトリックス[Φ]、すなわち、物理的な運動ベクトル
{xresponse}(「物理」座標における)を実在正規モードの運動ベクトル{η
}(「モード」座標における)に関連付ける実在正規モード変換マトリックスは
【0032】
【数2】 のように識別される。
【0033】 実在正規モード変換マトリックス[Φ]は、多くの手法を用いて識別すること
ができる。例えば、試行錯誤法又は逆の手法を用いることができる。 図1の例示的な導管構造10では、実在正規モード変換マトリックス[Φ]が
実験的に
【0034】
【数3】 のように決定された。実在正規モード変換マトリックス[Φ]の列は、左から右
へ、導管構造10に対する第1の位相ずれ曲げモード、同相横方向モード、位相
ずれ横方向モード、位相ずれ捩れモード、及び第2の位相ずれ曲げモードにそれ
ぞれ対応する。
【0035】 モード変換マトリックス[Φ]は、運動ベクトル{xresponse}により表わさ
れる物理的運動を実在正規モード成分へ分解するのに用いることができる。例え
ば、式(2)は、式(2)の両辺にモード変換マトリックス[Φ]の逆数を予め
乗じることにより、モード運動ベクトル{η}について明瞭に解くことができる
。すなわち、
【0036】
【数4】 である。但し、図1の例示的な構造については、
【0037】
【数5】 となる。
【0038】 実在正規モードの運動ベクトル{η}は、導管構造の1つ以上の実在正規モー
ド、例えば、コリオリ力に関連するモードと関連するモードと関連するプロセス
・パラメータを評価するのに直接用いられる。或いはまた、モード変換マトリッ
クス[Φ]は、物理的運動{xresponse}に適用される「モード通過フィルタ」
を識別して、導管の1つ以上のモードと関連する物理的運動{xresponse}の成
分を含むことが望ましいフィルタ処理された物理的領域応答を生じるために用い
られる。このフィルタ処理された応答は、プロセス・パラメータを評価するため
に用いられる。
【0039】 選択的な実在正規モード変換逆マトリックス[Φ′]は、実在正規モードの運
動ベクトル{η}を、望ましくない実在正規モードに関連する成分が減衰される
フィルタ処理された運動ベクトル{xfiltered}へ変換するのに用いることがで
きる。すなわち、
【0040】
【数6】 が成り立つ。図1の例示的な構造では、選択的な実在正規モード変換逆マトリッ
クス[Φ′]は、望ましくない実在正規モードと関連する実在正規モード変換マ
トリックス[Φ]の要素をゼロで置換することにより、実在正規モード変換マト
リックス[Φ]から構成された。すなわち、
【0041】
【数7】 である。
【0042】 式(6)と式(7)に示されるように、望ましくない実在正規モードに対応す
る導管運動ベクトル{xresponse}の成分は、望ましくない実在正規モードと関
連する実在正規モード変換マトリックス[Φ]の要素をゼロで置換した実在正規
モード変換マトリックス[Φ]に対応する、選択的な実在正規モード変換逆マト
リックス[Φ′]を用いることにより減衰される。しかし、当業者は理解するよ
うに、選択的な実在正規モード変換逆マトリックス[Φ′]のこれらの要素に対
して非ゼロ値を用いることで、これら成分の減衰を達成できる。
【0043】 式(4)と式(6)を組合わせると、
【0044】
【数8】 を得る。但し、モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]は
【0045】
【数9】 により与えられる。
【0046】 モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]は、フィルタ処理された出力運動ベ
クトル{xfiltered}が1つ以上の所望のモードに関連する導管運動ベクトル{
response}の成分を望ましくは表わすように、導管運動ベクトル{xresponse }を処理する。モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]もまた
【0047】
【数10】 により生成される。但し、[A]は、対角線上にない要素がゼロであり、所望の
モードに対応する選択された対角線上の要素が1に設定された「対角」マトリッ
クスである。例えば、
【0048】
【数11】 と表される。
【0049】 フィルタ処理された出力{xfiltered}は、質量流量のようなプロセス・パラ
メータの正確な評価を生じるように処理される。例えば、フィルタ処理された出
力{xfiltered}は、前掲の米国特許出願「実在正規モード分解を用いる振動導
管パラメータ・センサ、方法及びコンピュータ・プログラム製品」に記載された
ような周知の位相差又は時間差コリオリ計測手法によって処理される。図1に示
されたシステム例の場合、このことは、例えば、スミスの米国再発行特許第31
,450号、ゾロックの米国特許第4,879,911号及びゾロックの同第5
,231,884号に記載されたようなゼロ交差手法又は類似の位相差又は時間
差手法を用いて、或いはディジタル信号プロセッサ(DSP)その他のコンピュ
ーティング装置を使用してディジタル領域で実現される類似の位相差又は時間差
手法を用いて、右側トランスジューサ105A及び左側トランスジューサ105
Bに対応する、フィルタ処理された出力{xfiltered}の成分間の位相差又は時
間差を決定することにより、行うことができる。
【0050】 B.残留柔軟性及びゼロ・オフセット コリオリ流量計は、典型的には、流量計の導管内の流体その他の物質をコリオ
リの加速度を受けるように励振すなわち「駆動」される。このような励振は、典
型的には、センサ導管構造の振動モードの共振周波数又はその付近、例えばいわ
ゆる「駆動」モード又は「励振」モードの共振周波数で与えられる。しばしば、
センサ導管のモードの共振周波数で印加される周期的な励振が単一モードの応答
、すなわちこの駆動モード又は励振モードに限定された応答を生じるものと仮定
される。しかし、実際には、励振は、典型的には、駆動モード又は励振モードを
越えた別の実在正規モードにおける運動を生じる。先に述べたように、駆動モー
ド以外の実在正規モードの非共振応答が、駆動モードの周波数で残留柔軟性に寄
与し得、このため、励振周波数において行われる位相差計測又は時間差計測にお
けるゼロ・オフセットのような計測現象に寄与し得る。
【0051】 実験的に分析された3インチのコリオリ流量計の場合は、0Hzと400Hzと
の間の共振周波数を持つ9つのモードが識別された。図2は、センサの左側トラ
ンスジューサの全物理的応答210を示し、導管構造の初めの9つのモードの周
波数応答を示している。図示のように、励振周波数ωdにおいて非ゼロ応答を呈
する多くのモードがある。これらモードの非共振応答は、励振周波数ωdにおけ
る残留柔軟性に寄与する。特に興味のあるのは、約325Hzの共振周波数を有
する顕著な最初の位相ずれ捩れモード220である。実験的に分析されたセンサ
においては、このモードはセンサ導管内の物質のコリオリの加速度と顕著に相関
させられる1群の「流れモード」の1つを表わす。図2の図示された応答におい
ては、この捩れモードが励振周波数ωdにおいて最も大きな残留柔軟性に寄与す
る。
【0052】 図3は、図2の振幅応答に対応する位相応答を示している。残留柔軟性は、応
答の位相に影響を及ぼし得、このため、質量流量の評価に用いられる位相差又は
時間差の計測において偏り又はゼロ・オフセットを生じ得る。励振周波数ωd
近で拡大された図3の位相応答を示す図4に示されるように、左側運動トランス
ジューサ信号の位相410と右側運動トランスジューサ信号の位相420との間
の差430が、ゼロ流量における偏りを呈し、位相差の計測に対する駆動モード
以外のモードの非共振寄与度の潜在的効果を示している。
【0053】 II. 実在正規モード分解による残留柔軟性の決定 分析的には、ゼロ流量における駆動モード以外の実在正規モードの非共振寄与
度は、これらの非共振寄与度に起因し得る励振周波数における導管応答の部分を
識別することにより、すなわち、残留柔軟性に寄与する導管運動の「実在正規モ
ード残留柔軟性成分」を評価することによって決定することができる。次いで、
評価された実在正規モード残留柔軟性成分を用いて、多くの異なる手法により質
量流量の残留柔軟性が補償された評価が生成される。
【0054】 図5は、本発明による振動導管パラメータ・センサ5の例示的な実施の形態を
示している。センサ5は導管組立体10を含んでいる。この導管組立体10は、
入口フランジ101と、出口フランジ101′と、マニフォールド102と、第
1及び第2の導管103A、103Bとを含む。ブレース・バー106、106
′が、導管103A、103Bを接続する。導管103A、103Bに対して、
駆動装置20に応答して導管103A、103Bを振動させるように働くアクチ
ュエータ104が接続されている。運動トランスジューサ105A、105Bは
、導管103A、103Bの複数の位置における運動を表わす複数の運動信号、
例えば、導管103A、103Bの変位、速度又は加速度を表わす信号を生じる
ように働く。運動トランスジューサ105A、105Bは、コイル型の速度トラ
ンスジューサ、光又は超音波型運動センサ、加速度計、慣性率センサなどのよう
な種々の装置を含む。リード線100が、アクチュエータ104及び運動トラン
スジューサ105A、105Bに接続されている。
【0055】 導管組立体10が物質処理システム内へ装入されると、物質処理システム内に
流れる物質は入口フランジ101を介して導管組立体10へ進入する。物質は、
次にマニフォールド102内を流れ、ここで導管103A、103Bへ送られる
。導管103A、103Bから出た後、物質はマニフォールド102へ再び流入
し、出口フランジ101′を介して導管組立体10から出る。物質が導管103
A、103B内を流れるとき、この物質は導管103A、103Bを摂動させる
コリオリ力を生起する。
【0056】 導管103A、103Bは、その曲げ軸W−W及びW′−W′のそれぞれに関
して反対方向にアクチュエータ104によって駆動され、第1の位相ずれ曲げモ
ードと一般に呼ばれるものを導管組立体10に誘起する。アクチュエータ104
は、第1の導管103Aに取付けられた磁石と第2の導管103Bに取付けられ
た対向コイルとを含む線形アクチュエータのような多くの公知の装置の1つでよ
い。駆動リード線110を介して駆動装置20により与えられる駆動信号によっ
て誘起した交流がコイルを流れ、導管103A、103Bを振動させる機械的作
用力を生じる。アクチュエータ104により供給される励振は、実質的にコヒー
レント、例えば狭い周波数範囲に集束されていても、広帯域であってもよい。
【0057】 図5に示すパラメータ・センサ5は一体のアクチュエータ104を含むように
示されるが、当業者は理解するように、本発明による導管103A、103Bの
振動は他の手法によっても達成される。例えば、広帯域の励振は、ポンプ又はコ
ンプレッサのような供給源により導管組立体10に対し外部で生成され、例えば
フランジ101、101′の一方を介して導管組立体10へ伝達される。同様に
、広帯域な励振は、導管103A、103B内の物質から例えば流体/構造体相
互作用(FSI)機構を介してエネルギを伝達することによって生成される。
【0058】 パラメータ・センサ5は実在正規モード残留柔軟性成分の評価器30を備え、
該評価器30は、リード線111で運動トランスジューサ105A、105Bか
ら運動信号を受取るように構成され且つ導管103A、103Bの運動の実在正
規モード残留柔軟性成分35を評価するよう働く。残留柔軟性補償済み質量流量
の評価器40は、(イ)実在正規モード残留柔軟性成分の評価器30に応答し、
(ロ)運動トランスジューサ105A、105Bから運動信号を受取るよう構成
され、(ハ)運動信号及び評価された実在正規モード残留柔軟性成分35から質
量流量の残留柔軟性補償済み評価値45を生成するよう働く。
【0059】 図6に示されるように、実在正規モード残留柔軟性成分の評価器30と残留柔
軟性補償済み質量流量の評価器40とは、コンピュータ50、例えば、マイクロ
プロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)など
を用いて実現される。図6に示す実施の形態では、実在正規モード残留柔軟性成
分の評価器30と残留柔軟性補償済み質量流量の評価器40とは、アナログ/デ
ィジタル・コンバータ(A/D)614によりディジタル信号値615へ変換す
るため運動信号606をサンプリングしてサンプル613を生成する、例えばサ
ンプリング及び保持回路であるサンプラ612のような、運動信号606を受取
る回路610を含んでいる。サンプラ612とA/D614の動作は当業者には
周知の多くの回路によって行われ得、ここでは更に詳細に論じる必要はない。当
業者は理解するように、運動信号606が多くの方法で処理できる。例えば、ア
ンチエイリアス・フィルタ処理、事後サンプリング・フィルタ処理及び類似の信
号処理を適用することができる。一般に、図6に示された受信手段610は、特
殊目的或いは汎用目的のデータ処理装置又はその組合わせにおいて動作する特殊
目的のハードウエア、ファームウエア或いはソフトウエアを用いて実現され得る
。例えば、前記のサンプリング及びアナログ/ディジタル変換の機能はトランス
ジューサ105A、105Bを用いて一体化される。
【0060】 コンピュータ50は、例えばテキサス・インスツルメンツ社により販売される
DSPのうちのTMS320C4XファミリのDSPのような線形代数計算に特
に適するパイプライン処理DSPでよい。コンピュータ50は、適切なプログラ
ム・コード、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、電気的に消去可
能なプログラム可能読出し専用メモリー(EEPROM)、磁気ディスクなどの
ような記憶媒体60に格納されたソフトウエア及び(又は)ファームウエア及び
データで構成されるので、実在正規モード残留柔軟性成分35の評価値をディジ
タル値615から計算する手段620、ならびに、質量流量の残留柔軟性補償済
み評価値45をディジタル値615から計算する手段630を提供する。理解さ
れるように、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、現場でプログラミン
グ可能なゲート・アレイ(FPGA)などの他の計算装置も同様に用いることが
できる。
【0061】 図7は、物質を含む導管の運動を表わす運動信号からプロセス・パラメータを
評価する動作700を示している。導管の運動の実在正規モードに関連する実在
正規モード残留柔軟性成分が評価される(ブロック710)。物質が導管内を通
過するときのセンサ導管の運動を表わす複数の運動信号が受取られる(ブロック
720)。次いで、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、受け取られた複数
の運動信号と評価されたの実在正規モード残留柔軟性成分とから生成される(ブ
ロック730)。
【0062】 実在正規モード残留柔軟性補償済み評価値と質量流量の残留柔軟性補償済み評
価値とは、多くの方法で生成することができる。本発明の一つの特質によれば、
実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロである質量流量の条件の下の導
管運動を表わす運動信号から評価される。関連する「動的ゼロ調整」の特質によ
れば、(イ)流れと相関する実在正規モードに関連する第1の実在正規モード残
留柔軟性成分が、実質的にゼロの質量流量の条件下の導管運動を表わす運動信号
から評価され、(ロ)第2の実在正規モード残留柔軟性成分が、実質的にゼロの
質量流量の条件の下の導管運動を表わす運動信号から評価され、(ハ)質量流量
の残留柔軟性補償済み評価値が、第1及び第2の評価された実在正規モード残留
柔軟性成分から生成される。第2の実在正規モード残留柔軟性成分は、ゼロでな
い流量の条件下での計測によって更新することができ、センサの再校正のため質
量流を止めることを必要とせずに正確な残留柔軟性補償済み評価値を生成するこ
とを可能にする。
【0063】 本発明の別の特質によれば、実在正規モード残留柔軟性成分は、ゼロ流量の条
件下での計測を必要とせずに評価することができる。駆動モード以外の周波数応
答関数又は「デルタ関数」、例えば、流量相関捩れモードの周波数応答を記述す
る関数は、例えば、極評価手法を用いて識別される。励振周波数以外の周波数、
望ましくは当該モードの共振周波数付近の周波数における前記モードに対する実
際の周波数応答について計測が行われる。次いで、計測値は、このモード・スケ
ーリングを評価するために、識別された周波数応答関数に当てはめられる。次い
で、評価されたモード・スケーリングを用いて、励振周波数における当該モード
の残留柔軟性寄与度の評価値が生成される。モード・スケーリングを非ゼロ流量
条件下での導管運動情報から決定することができるので、センサの校正のために
流れを止めることは不要である。
【0064】 以下の論議は、実在正規モード残留柔軟性成分の評価値の生成と、それからの
質量流量の残留柔軟性補償済み評価値の生成のための種々の手法について記述す
る。この論議は、図5ないし図16のフローチャートと概略図とを参照して行わ
れる。一般に、図5ないし図16のフローチャートと概略図とにおけるブロック
又はブロックの組合わせは、コンピュータ可読プログラム・コード、例えば図6
に示すコンピュータ50のようなコンピュータ又はデータ・プロセッサにおいて
演算されるプログラム命令及び(又は)データを用いて実現できる。本明細書で
用いられるコンピュータ可読プログラム・コードは、オペレーティング・システ
ム・コマンド(例えば、オブジェクト・コード)や高レベルの言語命令など、な
らびに、このようなプログラム命令に関して読取られ、アクセスされ或いは他の
方法で利用されるデータを含むが、これに限定ない。
【0065】 プログラム・コードは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジ
タル信号プロセッサ(DSP)などを含むがこれに限定されないコンピュータ又
は類似のデータ処理装置へロードされる。プログラム・コードとコンピュータと
の組合わせは、フローチャート又は概略図のブロックで示される機能を実現する
ように働く装置を提供する。同様に、プログラム・コードは、このプログラム・
コードとコンピュータとがブロックに示された機能を実施するための手段を提供
するように、コンピュータ又はデータ処理装置へロードされる。
【0066】 プログラム・コードはまた、磁気ディスク又はテープ、バブル・メモリ、電気
的に消去可能なプログラム可能読出し専用メモリー(EEPROM)のようなプ
ログラム可能なメモリ装置などのような、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され
る。記憶されたプログラム・コードはコンピュータに指令して記憶媒体にアクセ
スさせ、記憶媒体に記憶されたプログラム・コードがフローチャート又は概略図
のブロックに指示された機能を実現するプログラム・コード手段を含む製造物を
形成するように機能する。また、プログラム・コードは、コンピュータにロード
されて一連の動作ステップを実行させ、これにより、コンピュータと関連してプ
ログラム・コードがフローチャート又は概略図のブロックに指示された機能を実
現するためのステップを提供するようにプロセスを実現する。従って、フローチ
ャート及び概略図のブロックは、指示された機能を実行するためコンピュータ可
読記憶媒体に具現された、指示された機能を実行するよう働く装置、指示された
機能を実行する手段の組合わせ、指示された機能を実行するステップの組合わせ
、及びコンピュータ可読プログラム・コード手段をサポートする。
【0067】 一般に、フローチャート及び概略図の各ブロックと、フローチャート及び概略
図におけるブロックの組合わせとは、汎用コンピュータで実行する特殊目的のハ
ードウエア、ソフトウエア又はファームウエア、又はそれらの組合わせによって
実現できる。例えば、フローチャート及び概略図のブロックの機能は、特定用途
集積回路(ASIC)、プログラム可能ゲート・アレイ、或いは類似の特殊目的
装置により、或いはマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP又は他
の汎用計算装置にロードされかつこれらにより実行されるプログラム命令及びデ
ータによって実現される。マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP
又は他の計算装置を用いるディジタル的な構成について触れたが、当業者は理解
するように、フローチャート及び概略図の諸機能はアナログ・フィルタ、アナロ
グ算術計算構成素子などのアナログ計算又は処理素子を用いて実現され得る。
【0068】 A.駆動モード・フィルタ処理を用いる実在正規モード残留柔軟性成分の評価 本発明の第1の特質によれば、問題の周波数、例えばセンサ励振周波数、にお
ける駆動モード以外のモードと関連する実質的にゼロの質量流量の条件下におけ
る残留導管運動は、「駆動」モード又は「励振」モードに起因する導管運動の部
分を除去することによって決定される。従って、実在正規モード残留柔軟性成分
を用いて、未知の質量流量における質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が生成
される。駆動モードのフィルタ処理はモード座標領域において、或いは物理的座
標領域におけるモード通過フィルタ処理によって達成される。
【0069】 第1の手法によれば、残留柔軟性補償済み質量流量の評価値がモード領域計算
を用いて生成される。駆動モード以外の少なくとも1つのモードにおける実質的
にゼロの質量流量の条件下の残留実在正規モード運動が評価される。次いで、以
降の未知の質量流量の条件下のセンサ導管の運動を表わす運動信号が処理されて
、未知の質量流量の条件下の導管の実在正規モード運動が評価される。次に、実
質的にゼロの質量流量の条件における実在正規モード運動が、未知の質量流量の
条件において評価された実在正規モード運動から差し引かれて、未知の質量流量
の条件における実在正規モードの導管運動の残留柔軟性補償済み評価値が生成さ
れる。次いで、モード領域質量流量評価手法を用いて質量流量の残留柔軟性補償
済み評価値を生成するため、導管運動の残留柔軟性補償済み評価値が用いられる
【0070】 図8において、実質的ゼロの質量流量の条件下の実在正規運動{η}noflow
、モード・フィルタ[Φ]-1を用いることにより実質的にゼロの質量流量の条件
下の導管運動の物理的座標領域表示{x}noflowから評価される。すなわち、
【0071】
【数12】 但し、{η}noflowは実質的にゼロの質量流量の条件下のモード応答を表わし、
{x}noflowは、例えばセンサ導管構造と動作的に関連する運動トランスジュー
サから受取る運動信号によって表わされた実質的にゼロの質量流量の条件下の変
位、速度などのような物理量を表わす。
【0072】 駆動モード以外のモードと関連する励振周波数におけるゼロ流量のモード応答
{η}noflowの実在正規モード残留柔軟性成分{ηresidualnoflowは、未知の
質量流量の条件下の導管運動の物理的領域表示{x}flowから未知の質量流量の
条件下の実在正規モード運動{η}flowを評価して、実在正規モード残留柔軟性
成分{ηresidualnoflowを差し引くことにより未知の質量流量の条件下の質量
流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成して、未知の質量流量の条件下の導管運
動の残留柔軟性補償済み評価値{η}flowcompensatedを生成するために用いら
れる。すなわち、
【0073】
【数13】 次いで、非ゼロの質量流量の条件下の実在正規モード運動の残留柔軟性補償済み
評価値{η}flow,compensatedを用いて、例えば、前掲の米国特許出願「実在正
規モード分解を用いる振動導管パラメータ・センサ、方法及びコンピュータ・プ
ログラム製品」に記載されるように、モード領域座標における実在正規モード運
動から直接に質量流量を評価するように働く質量流量評価器810を用いて、質
量流量の残留柔軟性補償済み評価値45が生成される。
【0074】 図9は、モード領域計算を用いて残留柔軟性補償済み質量流量の評価値を生じ
る例示的な動作900を示している。実質的にゼロの質量流量の条件下の導管運
動を表わす複数の運動信号が受取られる(ブロック910)。実質的にゼロの質
量流量の条件下の残留実在正規モード運動は、受取られた運動信号から評価され
る(ブロック920)。次に、未知の質量流量の条件下の導管運動を表わす運動
信号が受取られる(ブロック930)。未知の質量流量の条件下の実在正規モー
ド運動は、受取られた運動信号から評価される(ブロック940)。次に、質量
流量の残留柔軟性補償済み評価値が、未知の質量流量の条件下の評価された残留
実在正規モード運動と評価された実在正規モード運動とから生成される(950
)。
【0075】 代替的な手法によれば、残留柔軟性補償済み質量流量の評価値が、物理的座標
領域におけるモード通過フィルタ処理手法を用いて生成される。センサ導管の運
動{x}は、駆動モードに起因する物理的運動{xdrive}と他のモードに起因
する残留物理的運動{xresidual}との和と見なされる。すなわち、
【0076】
【数14】 である。式(14)を配列し直すと、
【0077】
【数15】 が得られる。
【0078】 モード通過フィルタ・マトリックス[Ψ]の一般的形態は、逆手法を用いて、
【0079】
【数16】 と表される。但し、[A]は、先に述べた選択されたモードを通すよう設計され
た対角マトリックスであり、[Φ]は、モードの形状に対応する列と物理的応答
場所に対応する行とを持つモード形状マトリックスであり、[Φ]-1はモード・
マトリックスの一般化された逆数である。
【0080】 駆動モードに起因する物理的導管運動の部分は、
【0081】
【数17】 として表される。但し、[Ψdrive]、駆動モード又は励振モードのみを通すよ
う構成されたモード通過フィルタである。式(16)と式(17)とを式(15
)へ代入して因数分解すると、
【0082】
【数18】 が生じる。
【0083】 図10において、未知の流量条件下の物理的運動の残留柔軟性補償済み評価値
{x}flow,compensatedは、
【0084】
【数19】 により、未知の流量条件下の物理的応答{x}flowと実質的にゼロの質量流量の
条件下の物理的応答{x}noflowとから評価される。このように、残留柔軟性補
償プロセスは、実質的にゼロの流量における残留柔軟性ベクトルを計算し、この
ベクトルを未知の流量における物理的応答{x}flowから差し引くことを含む。
残留柔軟性が補償された応答{x}flow,compensated、すなわち、残留柔軟性位
相差が除去された応答は、例えば、位相計測手法を用いる従来の質量評価手段1
010を用いて、質量流量の評価値45を生成するのに用いることができる。
【0085】 図11は、このようなモード・フィルタ処理に基く手法により残留柔軟性補償
済み質量流量の評価値を生成する例示的な動作1100を示している。実質的に
ゼロの質量流量の条件下の導管運動を表わす運動信号が受取られる(ブロック1
110)。受取られた信号は、実質的にゼロの質量流量の条件下の残留物理運動
を評価するため、先に述べたようにモード通過フィルタ処理される。(ブロック
1120)。次いで、未知の質量流量の条件下の導管運動を表わす運動信号が受
取られる(ブロック1130)。未知の質量流量の条件下の物理的運動が決定さ
れ(ブロック1140)、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が、未知の質量
流量の条件下の評価された物理的運動と評価された残留物理的運動とから生成さ
れる(ブロック1150)。
【0086】 B.動的なゼロ調整 本発明の別の特質によれば、2つの実在正規モード残留柔軟性成分が評価され
、残留柔軟性補償済み質量流量の評価値を生成するのに用いられる。第1の実在
正規モード残留柔軟性成分は、先に述べたように、実質的にゼロの質量流量の条
件下の運動を表わす運動信号から評価される。第2の「動的な」実在正規モード
残留柔軟性成分は非ゼロ質量流量の条件下で評価され、これにより、流れを止め
ることなく、センサを用いてセンサのゼロ・オフセット校正を更新するときに周
期的に再評価され得る。これら第1及び第2の実在正規モード残留柔軟性成分を
用いて、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が生成される。
【0087】 本発明のこのような特質は、センサ導管の実在正規モードが「流量と強く相関
する」或いは「流量と弱く相関する」として分類されるとの理解から生じる。流
量と強く相関するモードは、センサ導管内の流れに感応する応答を生じるモード
であり、流量と弱く相関するモードは、予測されるように、流量に対してそれほ
ど著しく感応しない。流量と弱く相関するモードは、例えば、先に述べた実験的
に分析されたセンサの横方向モードを含み得る。
【0088】 流量と強く相関するモードは、実質的にゼロの流量における残留柔軟性に寄与
する。多くの場合、流量と強く相関するモードと関連する残留柔軟性は、比較的
時間的に不変であり、ゼロ・ドリフトが流れモードの変化によっては恐らくは生
じないことを意味すると仮定するのが妥当である。しかし、流量と弱く相関する
モードは、流量に対して比較的鈍感であるが、境界条件の変化に対しては敏感で
ある。境界条件の変化は、これらのモードが変化する際、短期又は長期のゼロ・
オフセット・ドリフトを生じ得る。例えば、境界条件の変化は、上記の例示のセ
ンサにおける横方向モード周波数のずれを生じ、その結果このモードの残留柔軟
性すなわちゼロ・オフセットへの寄与度における変化を生じることになる。
【0089】 例として、先に述べた3インチのセンサに対する実験データを用いると、この
センサに対するモード(すなわち、「モード形状」)マトリックス[Φ]は、1
25Hzにおける駆動(位相ずれ曲げ)モード、132Hzにおける同相横方向
モード及び位相ずれ捩れモードに対応する3個の列まで減じられる。すなわち、
【0090】
【数20】 である。モード・マトリックス[Φ]の行は、先に述べたように、右側、駆動装
置及び左側のトランスジューサ位置並びに後の斜め及び横の加速度計に対応して
いる。
【0091】 N個の実在正規モードrに対するモード・マトリックス[Φ]、モード・スケ
ール・ファクタQr及び極λrは、周波数応答関数マトリックス[H]の決定に用
いられる。すなわち、
【0092】
【数21】 である。応答ベクトル{x}は、
【0093】
【数22】 から、周波数応答関数[H]と駆動力{F}とから計算される。3つのモードに
対するモード応答は、例えば、逆手法を用いて、モード形状マトリックス[Φ]
から構成されるモード・フィルタにより導出することができる。図12A及び図
12Bは、それぞれ、この例示的なシステムに対する周波数の関数として、物理
的応答x及びモード応答ηbend、ηtwist、ηlateralに対する振幅及び位相を示
している。
【0094】 物理的応答の残留柔軟性により生じる時間的遅延は、左右のトランスジューサ
により生じる運動信号間の位相角を計算して、時間差Δtを決定するため励振周
波数ωdで除すことによって計算することができる。図12A及び図12Bに示
されたデータについては、
【0095】
【数23】 が成り立つ。
【0096】 曲げモードと横方向モードとにより物理的応答ベクトル{x}blを生じる第1
のモード通過フィルタと、曲げモードと捩れモードとにより物理的応答ベクトル
{x}btを生じる第2のモード通過フィルタとを含む、2つの異なるモード通過
フィルタを定義することができる。すなわち、
【0097】
【数24】 但し、{xbl(ωd)}、{xbt(ωd)}、及び{η(ωd)}は、それぞれ、
曲げモードと横モードとの組合わせモードの物理的応答ベクトル、曲げモードと
捩れモードとの組合わせモードの物理的応答ベクトル及びモード応答ベクトルで
あり、これらは励振周波数ωdで評価される。
【0098】 実験的に分析されたセンサに対するゼロ流量におけるモード通過フィルタ処理
された成分{xbl(ωd)}、{xbt(ωd)}のゼロ・オフセット寄与度を計算
すると、
【0099】
【数25】 を得る。すなわち、横方向モード応答は、ゼロ・オフセットの11ナノ秒と関連
し、捩れモード応答はゼロ・オフセットの135ナノ秒と関連している。
【0100】 流量と相関する捩れモード応答は一般に流量と混同されるので、このモードに
起因するゼロ・オフセットを流動条件下で決定することは困難である。しかし、
流量と相関する捩れモードは、一般に、境界条件からは切り離されるので、時間
的に不変と見なすことができる。流量と弱く相関する横方向モード成分は、流量
に対して鈍感である見なすことができるが、境界条件と共に著しく変動し得る。
【0101】 例えば、横方向モードの共振周波数が境界条件の変化により4Hzだけ減じる
とすると、ゼロ・オフセットに対する個々のモード寄与度は、
【0102】
【数26】 のようになる。従って、この新たな横方向モード周波数からの寄与度を用いる全
ゼロ・オフセット、すなわち、横方向モードの共振周波数の変化に起因し得る変
化は158ナノ秒である。捩れモード応答と関連するゼロ・オフセットΔtbt
、横方向モード周波数のずれが捩れモードには影響しないので、135ナノ秒に
おいては変化しない。
【0103】 これらの観察から明らかなことは、境界条件の変化を監視するには、流量と弱
く相関するモードの変化を追跡できるということである。流量と弱く相関するモ
ードの変化は非ゼロの流量条件下で監視することができるので、流れを止めるこ
とを必要とせずに残留柔軟性の補償を動的に更新することが可能になる。
【0104】 図13は、動的ゼロ調整手法により質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生
成する例示的な動作1300を示している。流量と強く相関する実在正規モード
、例えば先に述べたセンサの捩れモードと関連する第1の実在正規モード残留柔
軟性成分が、実質的にゼロの質量流量の条件に対して評価される(ブロック13
10)。従って、流量と弱く相関するモード、例えば先に述べたセンサの横方向
モードと関連する第2の実在正規モード残留柔軟性成分は、非ゼロの質量流量の
条件下で評価される(ブロック1320)。次いで、導管運動を表わす運動信号
が受取られ(ブロック1330)、これらの信号から、第1及び第2の実在正規
モード残留柔軟性成分を用いて質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が評価され
る(ブロック1340)。その後、第2の実在正規モード残留柔軟性成分が更新
され(ブロック1320)、追加の運動信号が受取られ(ブロック1330)、
更新された第2の実在正規モード残留柔軟性成分を用いて、受取った運動信号か
ら質量流量の新たな残留柔軟性補償済み評価値が生成される(ブロック1340
)。理解されるように、図5ないし図11に関して先に述べた手法及び装置を用
いて、モード領域又は物理的領域において、図13に示された評価プロセスが行
われる。
【0105】 特定の実在正規モード、例えば先に述べた横方向モードのモード応答もまた、
実際の導管運動の計測による代わりに、当該モードに対する所定の周波数応答関
数を用いて、所望のモードに対する極の評価値から計算することができる。例え
ば、横方向モードに対するモード応答を計測する代わりに、r=2に設定するこ
とにより、既知の作用力{F}に対して式(20)及び(21)を用いて横方向
モードのモード応答の評価値を計算することもできる。
【0106】 C.モード形状スケーリングの評価による実在正規残留運動の評価 本発明の別の特質によれば、所与の周波数、例えば位相差又は時間差の測定が
行われる励振周波数における実在正規モードと関連する残留柔軟性が、所与の周
波数以外の周波数における実在正規モードでの計測された運動から評価される。
例えば、実在正規モードの運動は励振周波数付近の周波数において計測され、こ
の計測された運動を用いて励振周波数における残留柔軟性が補間される。本発明
によれば、種々の線形手法、多項式手法、又は他の補間手法を用いて、励振周波
数以外の周波数における計測された実在正規モード運動から励振周波数における
実在正規モード運動の評価値が生成される。
【0107】 本発明の一特質によれば、応答が更に容易に計測される周波数における計測を
用いて、実在正規モードにおける運動を表わす計測データを、仮定の周波数応答
関数すなわち「デルタ」関数に当てはめるため、最小2乗手法が用いられる。問
題のモードrに対する単一の自由度に対する周波数応答関数すなわち「デルタ」
関数Δrは、一般に
【0108】
【数27】 の形態を取る。但し、λrはモードrの固有値であり、ηrはモードrにおける運
動、Nrはモードrにおけるモード励振、krはモード応答Δrをスケールするス
カラー値を表し、*は複素共役を示している。固有値λrは、計測から仮定又は
評価することができる。例えば、固有値λrは、D.J.ユーイング著「モード
・テスト:理論と実際(Modal Testing:Theory and
Practice)」(John Wiley and Sons,Inc、1
984年発行)に記載されたような多数の周知の極評価手法を用いて評価される
【0109】 固有値λrは、モードrの減衰を表わす実数部とモードrの減衰された固有周
波数ωmrを表わす虚数部とを持つ複素数である。モードの減衰は計測が困難であ
るが、典型的なコリオリ質量流量計の場合には、減衰は低いものと仮定すること
ができる。減衰が無視し得ると仮定すると、
【0110】
【数28】 が成り立つ。
【0111】 先に述べたように、図1の例示的なセンサの捩れモードのような流量相関モー
ドの応答は、一般に、流量と混同されるので、非ゼロの流動条件下の励振周波数
付近のモードなどと関連する残留柔軟性の計測を困難にし得る。しかし、{Δr
}が流量と高度に相関する実在正規モードに対応するデルタ関数のベクトルを表
わすとすると、最小2乗法を用いて、励振周波数から除去された周波数における
流量相関モードでの計測した運動をデルタ関数のベクトル{Δr}と関連付ける
「スケーリング・マトリックス」[κ]を計算することができる。従って、スケ
ーリング・マトリックス[κ]は、スケーリング変換[κ]をデルタ関数のベク
トル{Δr}に適用することにより、流量相関モードに起因する励振周波数にお
ける残留柔軟性の正確な評価値を生成するのに用いることができる。
【0112】 特に、導管構造は、非ゼロの流動条件の下で、1つ以上の選択された周波数ω s において励振される。選択された周波数ωsは任意に選択し得るが、一般に、励
振(駆動)周波数ωdから離れるほど、流量相関モードの応答は、導管内の質量
流量によって歪みを受けることが少なくなる。モードrを評価するため用いた選
択された周波数ωsは、モードrの共振周波数ωmr付近に選択されることが好ま
しい。
【0113】 例えば、直接の計測或いは駆動電流のようなパラメータからの推論によって既
知となった物理力{F}が、選択された周波数ωsにおいて印加される。この物
理力{F}は、
【0114】
【数29】 によりモード励振{N}に変換される。物理力{F}に対する物理的応答{x}
は、
【0115】
【数30】 によりモード応答{η}へ変換され得る。
【0116】 複数の選択された周波数[ωs]において取得されたモードrに対するモード
応答
【0117】
【数31】 のマトリックスに対して、
【0118】
【数32】 が仮定される。但し、[Δ(λr,ωs)]は、複数の選択された周波数ωsにお
けるモードrに対するデルタ関数のベクトル{Δr}を評価することにより生成
されるマトリックスを表わす。スケーリング・マトリックスについて式(26)
を解くと、
【0119】
【数33】 従って、ゼロ流量における周波数ωでのモード応答
【0120】
【数34】 すなわち、周波数ωにおける流量相関モードと関連する運動は、
【0121】
【数35】 により(モード領域座標において)評価することができる。通常は、励振周波数
ωdにおける流量相関モードと関連する残留柔軟性を評価することが望ましく、
これは式(28)においてω=ωdと設定することにより評価することから達成
することができる。
【0122】 先に述べたように、流量相関モードすなわち捩れモードに対する残留柔軟性が
決定される。しかし、理解されるように、上記の手法もまた流量相関モードに適
用され得る。例えば、図1の例示のセンサに対して述べたような無視し得る流量
と相関する横方向モードと関連する残留柔軟性は、横方向モードの周波数応答を
記述するデルタ関数から同様に評価することもできる。
【0123】 所与の周波数において残留柔軟性が補償された実在正規モード運動、すなわち
、望ましくないモードと関連する残留柔軟性について補償された実在正規モード
運動の評価は、所与の周波数における実在正規モード運動{η}flowを計測して
、望ましくないモードと関連する残留実在正規モード運動{ηrnoflowを差し
引くことにより生成され得る。モード励振{N}を一定であると仮定すると、残
留柔軟性が補償された実在正規モード運動{η}flow,compensatedは、
【0124】
【数36】 により与えられる。次いで、補償された実在正規モード運動は、先に述べたもの
と類似の方法で、未知の流量における質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生
成するのに用いられる。
【0125】 しかし、ある用途においては、物理的座標における残留柔軟性を決定すること
が更に便利である。モード座標領域から物理的座標領域へ変換して、導管運動の
残留柔軟性補償済み評価値が
【0126】
【数37】 により与えられる。流量相関モードと関連する残留柔軟性を補償するには、例え
【0127】
【数38】 とする。但し、[Adrive]及び[Aflowmode]は、それぞれ駆動モード及び流
量相関モードを通すように意図された対角マトリックスである。それぞれが駆動
モード及び流量相関モードに対するモード通過フィルタ[Ψdrive]及び[Ψflo wmode ]に関して式(31)について更に述べるならば、
【0128】
【数39】 が成り立つ。
【0129】 図14は、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するための例示的な動
作1400を示している。実在正規モードにおけるセンサ導管の運動を周波数の
関数として記述する機能が識別される(ブロック1410)。選択された周波数
、例えば実在正規モードの共振周波数付近の周波数における導管の運動を表わす
値が決定される(ブロック1420)。例えば、非ゼロの流量条件下のセンサ導
管の運動を表わす運動信号を受取ることができ、これらの信号から、実在正規モ
ードの共振周波数付近の複数の選択された周波数において実在正規モードにおけ
る運動を決定することができる。従って、例えば、先に述べた最小2乗法を用い
て、実在正規モードと関連する実在正規モードの残留柔軟性成分が評価される(
ブロック1430)。未知の質量流量における導管運動を表わす複数の運動信号
が次に受取られ(ブロック1440)、受取られた運動信号と評価された実在正
規モードの残留柔軟性成分とから、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値が生成
される(ブロック1450)。
【0130】 図15は、モード座標領域における質量流量の残留柔軟性補償済み評価値の生
成に用いられる残留実在正規モード運動を評価するための動作1500を示して
いる。実在正規モードでのデルタ関数を表す運動信号が受取られる(ブロック1
510)。導管運動を表わす運動信号が受取られる(ブロック1520)。受取
られた運動信号は、選択された複数の周波数における導管運動を表わす第1の複
数の値を生じるように処理される(ブロック1530)。例えば、この第1の複
数の値は、当該モードの共振周波数付近の複数の選択された周波数における流量
相関モードでの運動を記述する。識別されたデルタ関数は、複数の選択された前
記周波数において評価されて第2の複数の値を生じる(ブロック1540)。次
いで、モード・スケーリング変換が、例えば、式(27)を用いて、第1及び第
2の複数の値から決定される(ブロック1550)。次いで、問題の周波数、例
えば励振周波数における残留実在正規モード運動が、スケーリング条件とデルタ
関数とから決定され(ブロック1560)、例えば図9に関して述べた手法を用
いて、質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生成するのに用いられる(ブロッ
ク1570)。
【0131】 図16は、物理的座標領域において質量流量の残留柔軟性補償済み評価値を生
成するための例示的な動作1600を示している。実在正規モード、例えば流量
相関モード又は他のモードにおける運動を記述するデルタ関数が識別される(ブ
ロック1610)。導管運動を表わす運動信号、例えば、非ゼロの質量流量の条
件下の導管運動を表わす運動信号が受取られる(ブロック1620)。受取られ
た運動信号が処理されて、複数の選択された周波数における導管運動を表わす第
1の複数の値を生じる(ブロック1630)。識別されたデルタ関数が、第2の
複数の値を生じるように、複数の選択された周波数において評価される(ブロッ
ク1640)。このデルタ関数は、問題の周波数、例えば励振周波数において評
価され(ブロック1650)、モード通過フィルタが、第1の複数の値と第2の
複数の値と問題の周波数におけるデルタ関数の値との積に適用されて、式(32
)にならって、問題の周波数における残留物理的運動の評価値を生じる(ブロッ
ク1660)。次いで、例えば図11に関して述べた手法を用いて、質量流量の
残留柔軟性補償済み評価値を生じるよう、評価された残留物理的運動を用いるこ
とができる(ブロック1670)。
【0132】 III. 結論 本発明によれば、「残留柔軟性」すなわち、実在正規モードの非共振寄与に起
因する残留運動が、質量流量センサの振動導管の運動を実在正規モード成分へ分
解することによって決定される。導管運動の少なくとも1つの実在正規モードと
関連する実在正規モード残留柔軟性成分が評価され、質量流量の残留柔軟性補償
済み評価値を生成するのに用いられる。
【0133】 実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロの質量流量の条件における導
管の運動を表わす信号から評価される。評価は、モード座標領域において行われ
、或いは、物理的座標領域においてモード通過フィルタ処理を用いることにより
行われる。実在正規モード残留柔軟性成分は、実質的にゼロの質量流量の条件下
のセンサ導管運動を表わす運動信号から評価される第1の成分と、非ゼロの質量
流量の条件下の導管運動を表わす運動信号から生成される第2の「動的な」成分
とを含む。この第2の成分は、非ゼロの流量の条件下で動的に更新される。
【0134】 本発明の別の特質によれば、実在正規モードにおける振動導管の運動を周波数
、例えば周波数応答すなわち「デルタ関数」の関数として記述する関数が識別さ
れる。この関数は、実際の導管運動の計測値を当該関数へ当てはめることにより
、例えば、複数の選択された周波数における実在正規モードでのセンサ導管の運
動の複数の値を計測して、実在正規モードに対するモード・スケーリングを決定
するために最小2乗法を用いることにより、実在正規モードと関連する残留実在
正規モード成分を評価するのに用いられる。このモード・スケーリングは、実在
正規モードの残留柔軟性成分の評価値を生成するのに用いることができる。
【0135】 本発明による用いられる実在正規モード分解は、残留柔軟性の更に正確な評価
を提供することができる。残留柔軟性の更に正確な評価は、例えば、位相差又は
時間差型の質量流量の計測におけるゼロ・オフセットの補償を改善することが可
能である。更に、本発明の特質によれば、残留柔軟性の評価は、センサ導管にお
けるゼロの質量流量を必要とすることなく行うことができる。
【0136】 本願の図面及び本文は、本発明の実施の形態を開示するものである。特定の用
語が用いられるが、これらの用語は一般的かつ記述的な意味において用いられ、
限定の目的のために用いられるものではない。予測されるように、当業者は、文
言上或いは均等論において、請求の範囲内に含まれる代替的な実施の形態を作り
、使用し又は販売することができ且つこれを行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シェリー,スチュアート・ジェイ アメリカ合衆国オハイオ州45227,シンシ ナティ,ノーレン・サークル 6943 Fターム(参考) 2F035 JA02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス・パラメータ計測装置において振動導管内に流れる
    物質のプロセス・パラメータを評価する方法であって、 前記導管の実在正規モード運動と関連する実在正規モード残留柔軟性成分を評
    価するステップ(710)と、 前記導管に沿った異なる点における該導管の運動を表わす複数の運動信号を受
    取るステップ(720)と、 複数の前記運動信号と前記実在正規モード残留柔軟性成分とから前記プロセス
    ・パラメータの残留柔軟性補償済み評価値を生成するステップ(730)と、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記実在正規モード残留柔軟性成分が、実質的にゼロの流量
    の条件下の実在正規モード運動と未知の質量流量の条件下の実在正規モード条件
    とを含み、 前記実在正規モード残留柔軟性成分を評価する前記ステップ(710)が、 実質的にゼロの流量の条件下の前記導管の運動を表わす第1の複数の運動信号
    を受取るステップ(910)と、 前記第1の複数の運動信号から前記実質的にゼロの流量の条件下で前記第1の
    残留実在正規モード運動を評価するステップ(920)と、 未知の質量流量の条件下の前記導管の運動を表わす第2の複数の運動信号を受
    取るステップ(930)と、 前記第2の複数の運動信号から前記未知の質量流量の条件下で前記残留実在正
    規モード運動を評価するステップ(940)と、 を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記プロセス・パラメータを評価する前記ステップ(730
    )が、 前記実質的にゼロの流量の条件下の前記残留実在正規モード運動と、前記未知
    の質量流量の条件下の前記残留実在正規モード運動とから、前記プロセス・パラ
    メータの残留柔軟性補償済みの前記評価値を生成するステップ(950)を含む
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記実在正規モード残留柔軟性成分を評価する前記ステップ
    (710)が 実質的にゼロの質量流量の条件下の前記導管の運動を表わす第1の複数の運動
    信号を受取るステップ(1110)と、 前記第1の複数の運動信号をモード通過フィルタ処理して、前記実質的にゼロ
    の質量流量の条件下の残留物理的運動を評価するステップ(1120)と、 未知の質量流量の条件における前記導管の運動を表わす第2の複数の運動信号
    を受取るステップ(1130)と、 前記未知の質量流量の条件における物理的運動を評価するステップ(1140
    )と、 を含む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記プロセス・パラメータを評価する前記ステップ(730
    )が、 複数の前記運動信号と前記物理的運動と前記残留物理的運動とから、前記プロ
    セス・パラメータの前記残留補償済み評価値を生成するステップ を含む請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記実在正規モード残留柔軟性成分を評価する前記ステップ
    (710)が、 実質的にゼロの質量流量の条件下の流量と相関する実在正規モードと関連する
    第1の実在正規モード残留柔軟性成分を評価するステップ(1310)と、 未知の質量流量の条件における流量相関モードと関連する第2の実在正規モー
    ド残留柔軟性成分を評価するステップ(1320)と、 を含む請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記プロセス・パラメータを評価する前記ステップ(730
    )が、 受取られた複数の前記運動信号と、前記第1の実在正規モード残留柔軟性成分
    と、前記第2の実在正規モード残留柔軟性成分とから、前記プロセス・パラメー
    タの残留柔軟性補償済み評価値を生成するステップ(1340) を含む請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記実在正規モードの残留柔軟性成分を評価する前記ステッ
    プ(710)が、 実在正規モードにおける導管の運動を周波数の関数として記述する関数を識別
    するステップ(1410)と、 選択された周波数における前記導管の運動を表わす値を決定するステップ(1
    420)と、 前記値を前記関数に当てはめることにより、前記実在正規残留柔軟性成分を評
    価するステップ(1430)と、 を含む請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記実在正規モード残留柔軟性成分を評価する前記ステップ
    (710)が、 実在正規モードにおける導管の運動を周波数の関数として記述する関数を識別
    するステップ(1510) を含む請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記プロセス・パラメータを評価する前記ステップ(73
    0)が、 複数の選択された周波数における実在モード運動を表わす第1の複数の値を生
    成するステップ(1530)と、 モード共振周波数付近の前記複数の選択された周波数における前記関数を評価
    して、第2の複数の値を生成するステップ(1540)と、 前記第1の複数の値と前記第2の複数の値とから、モード・スケーリング変換
    を決定するステップ(1550)と、 前記モード・スケーリング変換と前記関数とから、駆動周波数における残留実
    在正規モード運動を評価する評価するステップ(1560)と、 前記駆動周波数における評価された前記残留実在正規モード運動から、前記残
    留柔軟性補償済みのプロセス・パラメータを生成するステップ(1570)と、
    を含む請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記プロセス・パラメータを評価する前記ステップ(73
    0)が、 複数の選択された周波数における前記導管の物理的運動を表わす第1のマトリ
    ックスを生成するステップ(1630)と、 モード共振周波数付近の前記複数の選択された周波数における前記関数を評価
    して、第2のマトリックスを生成するステップ(1640)と、 前記駆動周波数において前記第2のマトリックスを評価するステップ(165
    0)と、 前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスと前記関数の前記評価との
    積にモード通過フィルタを適用して、前記駆動周波数における前記残留物理的運
    動の評価値を生成するステップ(1660)と、 前記駆動周波数における前記残留物理的運動の前記評価値から前記プロセス・
    パラメータの前記評価値を生成するステップ(1670)と、 を含む請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 振動導管(103A、103B)内に流れる物質のプロセ
    ス・パラメータの評価値を生成する装置(5)であって、 前記導管を振動させる駆動装置(104)と、 少なくとも2つの異なる場所において前記導管の運動を計測し、該運動を表わ
    す信号を生成するセンサ(105A、105B)と、 前記センサ(105A、105B)から信号を受取り、前記導管(103A、
    103B)の実在正規モードと関連する実在正規モード残留成分を評価する実在
    正規モード残留柔軟性成分の評価器(30)と、 前記実在正規モード残留成分に応答して、前記信号と前記実在正規モード成分
    とから、残留柔軟性補償済みのプロセス・パラメータを生成する残留柔軟性補償
    済み質量流量の評価器(40)と、 を備える装置。
  13. 【請求項13】 前記実在正規モード残留柔軟性成分の評価器(30)が、 実質的にゼロの質量流量の条件下の前記導管の運動を表わす第1の複数の運動
    信号を受取る手段(910)と、 前記第1の複数の運動信号から実質的にゼロの流量の条件下で前記残留実在正
    規モード運動を評価する手段(920)と、 未知の質量流量の条件下の前記導管の運動を表わす第2の複数の運動信号を受
    取る手段(930)と、 前記第2の複数の運動信号から未知の質量流量の条件下で前記残留実在正規モ
    ード運動を評価する手段(940)と、 を含む請求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記残留柔軟性補償済みの質量流量の評価器(40)が、 実質的にゼロの流量の条件下の前記残留実在正規モード運動と、未知の質量流
    量の条件下の前記残留実在正規モード運動とから、前記プロセス・パラメータの
    前記残留柔軟性補償済みの評価値を生じる手段(950) を含む請求項13記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記実在正規モード残留柔軟性成分の評価器(30)が、 実質的にゼロの質量流量の条件下の前記導管の運動を表わす第1の複数の運動
    信号を受取る手段(1110)と、 前記第1の複数の運動信号をモード通過フィルタ処理して、実質的にゼロの質
    量流量の条件下の残留物理的運動を評価する手段(1120)と、 未知の質量流量の条件下の前記導管の運動を表わす第2の複数の運動信号を受
    取る手段(1130)と、 未知の前記質量流量の条件における物理的運動を評価する手段(1140)と
    、 を含む請求項12記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記残留柔軟性補償済みの質量流量の評価器(40)が、 複数の前記運動信号と前記物理的運動と前記残留物理的運動とから、前記プロ
    セス・パラメータの前記残留柔軟性補償済みの評価値を生じる手段 を含む請求項15記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記実在正規モード残留柔軟性成分の評価器(30)が、 実質的にゼロの質量流量の条件下の流量相関実在正規モードと関連する第1の
    実在正規モードの残留柔軟性成分を評価する手段(1310)と、 未知の質量流量の条件における流量相関モードと関連する第2の実在正規モー
    ドの残留柔軟性成分を評価する手段(1320)と、 を含む請求項12記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記残留柔軟性補償済みの質量流量の評価器(40)が、 受取られた複数の前記運動信号と、前記第1の実在正規モード残留柔軟性成分
    と、前記第2の実在正規モード残留柔軟性成分とから、前記プロセス・パラメー
    タの残留柔軟性補償済み評価値を生じる手段(1340) を含む請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記実在正規モード残留柔軟性成分の評価器(30)が、 実在正規モードにおける導管の運動を周波数の関数として記述する関数を識別
    する手段(1410)と、 選択された周波数における前記導管の運動を表わす値を決定する手段(142
    0)と、 前記値を前記関数に当てはめることにより、前記実在正規モード残留柔軟性成
    分を評価する手段(1430)と、 を含む請求項12記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記実在正規モード残留柔軟性成分の評価器(30)が、 実在正規モードにおける導管の運動を周波数の関数として記述する関数を識別
    する手段(1510) を含む請求項19記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記残留柔軟性補償済みの質量流量の評価器(40)が、 複数の選択された周波数における実在モード運動を表わす第1の複数の値を生
    じる手段(1530)と、 モード共振周波数付近の前記複数の選択された周波数において前記関数を評価
    して第2の複数の値を生じる手段(1540)と、 前記第1の複数の値と前記第2の複数の値とからモード・スケーリング変換を
    決定する手段(1550)と、 前記モード・スケーリング変換と前記関数とから、駆動周波数における残留実
    在正規モード運動を評価する手段(1560)と、 前記駆動周波数における前記評価された残留実在正規モード運動から、前記残
    留柔軟性補償済みのプロセス・パラメータを生じる手段(1570)と、 を含む請求項20記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記残留柔軟性補償済みの質量流量の評価器(40)が、 複数の選択された周波数における前記導管の物理的運動を表わす第1のマトリ
    ックスを生じる手段(1630)と、 モード共振周波数付近の前記複数の選択された周波数において前記関数を評価
    して第2のマトリックスを生じる手段(1640)と、 前記駆動周波数において前記第2のマトリックスを評価する手段(1650)
    と、 前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスと前記関数の前記評価との
    積にモード通過フィルタを適用して、前記駆動周波数における前記残留物理的運
    動の評価値を生じる手段(1660)と、 前記駆動周波数における前記残留物理的運動の前記評価値から前記プロセス・
    パラメータの前記評価値を生じる手段(1670)と、 を含む請求項20記載の装置。
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