JP2002522396A - 乾癬治療用プロテアーゼ阻害因子 - Google Patents

乾癬治療用プロテアーゼ阻害因子

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JP2002522396A JP2000563303A JP2000563303A JP2002522396A JP 2002522396 A JP2002522396 A JP 2002522396A JP 2000563303 A JP2000563303 A JP 2000563303A JP 2000563303 A JP2000563303 A JP 2000563303A JP 2002522396 A JP2002522396 A JP 2002522396A
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ブン・クライブ・レイトン
シャープ・フィリップ・ジョン
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バイオテック・オーストラリア・ピーティーワイ・リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスミノーゲン活性化因子/阻害因子系を調節し、且つ特にプラスミノーゲン活性化因子阻害因子を利用する乾癬を治療するための新規な方法及び組成物を開発する。 【解決手段】PAI−2等のウロキナーゼイン阻害因子の局所適用、又はPAI−2等のプロテアーゼ阻害因子と、他のセリンプロテアーゼ阻害因子との組み合わせ、及び/又はメタロプロテイナーゼの阻害因子、酸プロテアーゼの阻害因子及びチオールプロテアーゼの阻害因子等のプロテアーゼ阻害因子との組み合わせの局所適用により、乾癬を治療することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野及び背景技術) 乾癬は、肥大、赤化及びスケーリング(scaling)皮膚の紅斑性プラークを特
徴とする慢性皮膚病である。乾癬は、人口の約2%が冒される。発症は、ほとん
どの場合、成人初期であるが、幼児期や老人にも発症することもある。この疾病
の症状は変化し、通常、緩解期と再発期が繰り返されることが特徴である。より
重症の場合、乾癬は、皮膚の最大90%を冒し、生命を脅かすこともある。
【0002】 細胞レベルでは、乾癬は、Tリンパ球及び他の免疫系細胞の浸潤を伴う表皮ケ
ラチノサイトの過剰増殖を特徴としており、後者の場合は、自己免疫疾患の場合
と類似した炎症を生じる。ケラチノサイトが基底細胞層から角質層に移動する表
皮の転換時間は、通常14日であり、その間、ケラチノサイトは、遺伝子発現に
おいて複雑な一連の変化を受け、細胞死−「末端分化」を生じる。乾癬患者の場
合、表皮の転換時間は、2日である。この場合、ケラチノサイトの増殖が著しく
増加し、続いて、比較的未成熟又は分化度が低い形態となる。
【0003】 現在では、乾癬については、長期療法はない。治療剤や治療法としては、コー
ルタール製剤(天然コールタール又は留出液アントラリン)、局所コルチコステ
ロイド、スケール(scale)を除去する機械的処置、及びメトトレキセート等の
代謝拮抗薬などがある。光感作薬であるソラレンと長波長紫外光(PUVA)と
の併用、及び合成レチノイドも使用される。軽度〜中度の場合には、治療に多少
効果があるが、より重度の場合には、難しく、局所療法又は紫外線光線療法に耐
性もつ傾向がある。さらに、従来から使用されている乾癬治療薬を全身に使用し
たり又は局所ステロイドを長期にわたって使用すると、望ましくない副作用を生
じたり又は乾癬が反動で悪化することがある。
【0004】 遺伝分析は、少なくともある種の形態の乾癬には、遺伝成分を含み、「乾癬感
受性遺伝子」を突き止めるのに鋭意努力がなされている。自己免疫疾患との類似
性、及び疾患した個人におけるHLA−13、HLA−17、HLA−Cw6及
びHLA−DRw7の発生の増加から、免疫調節法、及びT細胞活性を減少させ
たり若しくは活性化T細胞プールを枯渇させたりする新規な薬剤の開発が注目さ
れた。しかしながら、研究は、乾癬プラークに存在する多様な臨床的変化及び細
胞変化を全て反映する動物モデルの不足により大幅に遅れている。
【0005】 この種の薬剤から生じる可能性のある副作用を回避できる免疫調節の別法とし
て、乾癬における異常ケラチノサイトの分化に着眼することが挙げられる。ケラ
チノサイトの成熟は、プロテイナーゼの産生と関連しており、プロテイナーゼは
周囲の細胞外マトリックスを分解して浅葉への細胞移動を可能とし、細胞を活性
化して直接的又はサイトカイン前駆体を活性化することにより間接的に分裂させ
ることができる。末端分化では、安定な角質層の形成には、このようなプロテイ
ナーゼの活性を抑えるべく調製することが必要であろう。プラスミノーゲン活性
化因子及びカテプシンB等の数種のプロテイナーゼは、正常皮膚に存在すること
が判明し、乾癬における細胞病態生理は、プロテイナーゼの過剰レベル及び未調
整レベルから生じる可能性がある。
【0006】 乾癬において、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(u−PA)の発現
と組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)の発現との両方で、異常が観察
された。最も著しい変化は、基底上表皮におけるt−PA発現が大きく増加する
ことである(Jensen等、J.Invest.Dermatol.90(6
):777−782(1988);Baird等、J.Invest.Derm
atol.95(5):548−552(1990年11月))。オートヒスト
グラフィックフィブリンフィルムメソッド(autohistographic fibrin film met
hod)による局所(アントラリン、コルチコステロイド)治療及び全身(PUV
A)治療前後に、乾癬を患った患者40人からのバイオプシー(biopsies)によ
り、u−PAの免疫反応性とt−PA免疫反応性の両方が、乾癬パッチに存在す
るが、正常皮膚及び治療した色つやの良い皮膚には存在しないことが分かった(
Lotti等、Int.J.Dermatol.29(7):528−530(
1990))。さらに、t−PAと同じ基底上領域にある乾癬表皮においてPA
I−2が増加することは、PAI−2が異常創傷治癒パターンを引き出す皮膚病
理において保護的役割を果たすことを示唆している(Lyons−Giorda
no等、“Expression of plasminogen activ
ator inhibitor type 2 in normal and
psoriatic epidermis(正常及び乾癬表皮における2型プラ
スミノーゲン活性化因子阻害因子の発現)、”Histochemistry
101(2):105−112(1994年2月))。
【0007】 したがって、乾癬を治療するための新規な方法及び組成物が、非常に望まれて
いることが明らかである。特に、プラスミノーゲン活性化因子/阻害因子系を調
節し、且つ特にプラスミノーゲン活性化因子阻害因子を利用する乾癬を治療する
ための新規な方法及び組成物を開発することが望ましいであろう。
【0008】 (発明の開示) 本発明は、乾癬治療用ウロキナーゼ阻害因子の使用に関する。すなわち、本発
明によれば、ウロキナーゼ阻害因子の効果的な量を、それを必要としている患者
に投与することを含む乾癬の治療方法であって、前記阻害因子を皮膚の疾患部位
に局所投与する、方法が提供される。本発明の一実施態様によれば、前記ウロキ
ナーゼ阻害因子は、PAI−2と、プラスミノーゲン活性化阻害性を有するその
変異体と、PAI−2の誘導体と、前記誘導体の変異体とからなる群から選択さ
れるものである。
【0009】 本発明の一態様によれば、前記誘導体は、PAI−2の生化学的変更により得
たものであり、前記変更が、ポリエチレングリコールとの化学的結合と、リン酸
基の結合と、硫酸基の結合と、ペプチダーゼ処理と、糖鎖変更酵素による処理と
、糖結合酵素による処理とからなる群から選択されたものである。一実施態様に
よれば、前記変異体は、PAI−2のアミノ末端からのアミノ酸残基の欠失又は
アミノ酸残基の付加により得たものである。別の実施態様によれば、前記変異体
は、PAI−2のカルボキシ末端からのアミノ酸残基の欠失又はアミノ酸残基の
付加により得たものである。
【0010】 本発明の別の態様によれば、前記ウロキナーゼ阻害因子を、ゲル製剤として投
与する。一実施態様によれば、前記ゲルは、洗浄剤をさらに含むセルロースゲル
である。本発明の別の実施態様によれば、前記洗浄剤は、Tween80である
【0011】 本発明の更に別の態様によれば、前記PAI−2を、創傷1cm2当たり0.
1〜2000μgの範囲で投与する。本発明の更に別の態様によれば、前記PA
I−2を、1日当たり少なくとも1回、少なくとも5日間投与する。
【0012】 また、本発明によれば、PAI−2と、少なくとも一種の他のセリンプロテア
ーゼ阻害因子とを含む治療剤の効果的な量を、それを必要としている患者に投与
することを含む乾癬の治療方法であって、前記治療剤を皮膚の疾患部位に局所投
与する、方法が提供される。一実施態様によれば、前記他のセリンプロテアーゼ
阻害因子が、uPA阻害因子である。
【0013】 本発明の一態様によれば、前記治療剤が、チオールプロテアーゼ阻害因子と、
酸プロテアーゼ阻害因子と、メタロプロテイナーゼ阻害因子とからなる群から選
択されるプロテアーゼ阻害因子をさらに含むものである。一実施態様によれば、
これらのプロテアーゼ阻害因子が、PAI−2と共投与されるものである。
【0014】 さらに、本発明は、洗浄剤を含有するゲルにPAI−2を含む医薬組成物に関
する。本発明の一態様によれば、前記医薬組成物が、PAI−2と、少なくとも
一種の他のセリンプロテアーゼ阻害因子とを含む。本発明の別の態様によれば、
前記医薬組成物は、チオールプロテアーゼ阻害因子と、酸プロテアーゼ阻害因子
と、メタロプロテイナーゼ阻害因子とからなる群から選択されるプロテアーゼ阻
害因子をさらに含むものである。一実施態様によれば、前記洗浄剤は、Twee
n80である。別の実施態様によれば、前記ゲルは、セルロースゲルである。別
の実施態様によれば、前記ゲルは、凝集物の形成を減少させ、PAI−2の安定
性を高めるとともに、浸透促進剤としての役割を果たすことができる少なくとも
一種のさらなる成分を含有する。好ましい実施態様によれば、このような成分は
、プロピレングリコールである。
【0015】 本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
しかしながら、本発明の特定の実施態様を示す以下の詳細な説明及び具体的実施
例は、説明の目的のみで示すものであり、本発明の精神及び範囲内にある種々の
変更及び修正は、この詳細な説明から当業者には明らかとなろう。
【0016】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明によれば、乾癬治療に有用なウロキナーゼ阻害因子を含む組成物が提供
される。好ましい実施態様によれば、この阻害因子は、局所剤として提供される
。また、本発明は、ウロキナーゼ阻害因子を別の乾癬治療用プロテアーゼ阻害因
子とともに含む組成物を包含する。さらに、本発明によれば、上記した組成物を
皮膚の疾患部に局所施用することを含む、乾癬治療方法が提供される。
【0017】 好ましい実施態様によれば、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子2(PAI
−2)は、局所剤である。PAI−2の特性は、Kruithof等、“Bio
logical and Clinical Aspects of Plas
minogen Activator Type II(II型プラスミノーゲ
ン活性化因子の生物学的及び臨床的側面)、”Blood86:4007(19
95))に詳細に説明されている。簡単に述べれば、PAI−2は、プラスミノ
ーゲン活性化因子(PA)系の成分である。PA系は、組織再モデリング、細胞
移動、創傷治癒及び脈管形成等の多種多様の生理学的プロセスにおける細胞外タ
ンパク質分解の調節を含む極めて多数の機能を有している。
【0018】 プラスミノーゲン活性化因子(PA)は、プラスミノーゲンを、フィブリンの
分解を招くだけでなく、細胞外マトリックスの分解及び転換の一因ともなる、 トリプシン様セリンプロテアーゼであるプラスミンに転化するセリンプロテアー
ゼである。プラスミンは、炎症部位に局部的に形成され、血漿及び間質液中を循
環する不活性前駆体であるプラスミノーゲンのタンパク質分解を限定することで
修復することができる。プラスミノーゲンは、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン
活性化因子(u−PA)又は組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)に
より活性化される。これらの触媒反応は、一般的に形質膜(u−PA)で生じる
か、フィブリン表面(t−PA)上で生じる。これらの活性化酵素は、多様なサ
イトカイン及び成長因子に応答して広範囲の間葉細胞、上皮細胞及び上皮内細胞
により産生される。活性プラスミンは、細胞外マトリックスマクロ分子(コラー
ゲンを除く)及びフィブリンを含む広範囲の基質を分解することができる。プラ
スミンとその活性化プロテイナーゼの活性は、PAI−2及びプラスミノーゲン
活性化因子阻害因子1(PAI−1)を含む多数のプロテアーゼ阻害因子を介し
て細胞外調節される。
【0019】 本発明者等は、PAI−2等のウロキナーゼ阻害因子に分類されるものから選
択された化合物を局所投与することにより、乾癬病変に関連した乾癬プラーク厚
さ、発赤及びスケーリング並びに紅斑が減少することを見いだした。本発明の好
ましい実施態様によれば、セリンプロテアーゼ阻害因子PAI−2を使用する。
PAI−2のアミノ酸配列と実質的に同じであり、且つプラスミノーゲン活性化
因子を阻害するPAI−2の変異体も、本発明の組成物に使用できる。すなわち
、「PAI−2の変異体」は、PAI−2アミノ酸配列の残基を、自然又は人工
的に欠失、付加又は置き換えたものであるが、PAI−2の特徴的な阻害活性を
失わない程度の実質的にPAI−2アミノ酸配列を有するタンパク質である。当
該技術分野において周知のPAI−2活性のアッセイを、これに関する推定上の
変異体のスクリーニングに容易に適用できる。
【0020】 したがって、本発明では、活性が減少して、影響を受けたポリペプチドがこの
状況において治療に効果がないようにならない限りは、保存的、半保存的及び他
のアミノ酸置換体も考えられる。天然組換えPAI−2のN末端領域及びC末端
領域における配列は、産生条件に応じて異なる(アミノ酸残基数の増加又は減少
を生じる)。これらの変異は、明確に本発明の範囲内である。当業者には、PA
I−2の他の活性変異体も、PAI−2の特徴的なプロテアーゼ阻害因子特性を
保持している限りは本発明に使用できることは分かるであろう。また、PAI−
2の変異体及びそのような変異体の製造方法は、米国特許第5,728,564
号、第5,550,042号、第5,486,602号、第5,444,153
号及び第5,403,482号に記載されている。
【0021】 また、本発明によれば、PAI−2又はPAI−2変異体を化学的又は生化学
的に変更することにより製造できる誘導体も、活性成分として好適である。この
ような誘導体の代表例は、(A)ポリエチレングリコール又はその類似体を化学
的に結合すること、(B)リン酸基又は硫酸基を結合させること、(C)エンド
ペプチダーゼ等のペプチダーゼで処理すること、及び(D)糖鎖変更酵素又は糖
鎖結合酵素、例えば、シアリダーゼ、により処理することにより得られる化合物
である。この方法で調製される誘導体を、当該技術分野において周知の方法によ
りプロテアーゼ阻害因子活性についてのアッセイに附することができる(例えば
、Fersht、ENZYME STRUCTURE AND MECHANI
SM、第2版、W.H.Freeman and Co.、1985、及びそこ
に記載の参考文献参照)。
【0022】 PAI−2又はPAI−2変異体及びここに記載の誘導体(ここでは、まとめ
て「PAI−2」と称する)等のプロテアーゼ阻害因子は、いずれかの好適な生
理学的に許容できるビヒクル(vehicle)、例えば、リン酸緩衝食塩(PBS)
液に添加して、患者に局所投与できる。他のビヒクルは、当該技術分野において
周知であり、例えば、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL
SCIENCES、第18版、Mack Publishing社、ペンシル
バニア州Easton(1990)に記載されている。
【0023】 プロテアーゼ阻害因子は、創傷に、必要に応じて、毎日、どちらかと言えば頻
繁に適用することができる。当業者には、個々の適用についての投与計画の最適
化は、例えば、上記したREMINGTON’Sに記載されているように、当該
技術分野において周知であることが分かるであろう。阻害因子の典型的な一日当
たりの適量は、皮膚上の疾患部位の1cm2当たり約20μgである。しかしな
がら、この量は、変更でき、0.1〜2000μg/cm2の濃度で、有利に使
用できる。例えば、乾癬のより重症な場合では、500μg/cm2の濃度で一
日当たり複数回、例えば、一日当たり2回、3回又は4回適用することが必要で
あると思われる。重症度がもっと低い場合、又はより高用量に十分反応する場合
には、用量を低下できる。例えば、プロテアーゼ阻害因子の用量は、順次、例え
ば、100μg/cm2、10μg/cm2、1μg/cm2又は0.1μg/c
2に低下してよい。さらに、阻害因子の適用は、より少ない頻度、例えば、1
日当たり4〜1回おこなうことができる。PAI−2は、全身性の毒性を有して
おらず、したがって、より高用量を必要に応じて使用できる。必要に応じて、P
AI−2の全身濃度を、ELISA試験を用いて測定でき、PAI−2の適量を
、それに応じて調整できる。他の好適な阻害因子の毒性及び全身濃度は、当業者
に公知の方法により測定できる。
【0024】 患者への適用に使用されるビヒクル中の阻害因子濃度は、約1mg/mlが有
利であるが、必要に応じて、より高濃度又はより低濃度で使用することができる
。例えば、約0.1mgほどの低濃度、又はビヒクルへの阻害因子の溶解度限界
といった高濃度で使用することができる。
【0025】 阻害因子は、短期間適用してもよいし、長期間適用してもよい。PBS等のビ
ヒクルは、阻害因子の短期間の適用に好適である。より長期の適用では、遅放出
ビヒクルの使用が好ましい。例えば、ゲル製剤を、阻害因子の効果的運搬に使用
できる。セルロース誘導体は、以前、EGF、TGF−α、PDGF及びFGF
等の一定のタンパク質を有するゲル製剤に適合すると記載された。しかしながら
、これらの製剤におけるタンパク質は、時間を経ると凝集しやすく、この適用に
は有害である。凝集したことは、ゲルが乳白色となるか、混濁することにより分
かり、活性タンパク質成分の活性が低下し、且つ凝集物のサイズが増加するため
にゲルからのタンパク質の放出速度が低下する。
【0026】 本発明者等は、この凝集の問題を、少量(0.05%以下)の洗浄剤を阻害因
子/セルロースポリマーゲルに添加することにより解決した。これにより、透明
性が実質的に向上したゲルが得られる。このゲルの利点は、以下の実施例2に詳
細に示されている。Tween80又はGenapolPF10等の洗浄剤を、
用いることができる。また、当業者には、他の洗浄剤を用いても、良好な結果を
得ることができることが分かるであろう。
【0027】 予想外にも、本発明者等は、ゲルの凝集を減少させることに加えて、Twee
n80を0.02%で使用すると、阻害因子/ナトロゾル(Natrosol)
含有ゲルからの阻害因子の放出速度が増加することを見いだした。これらの実験
は、以下の実施例2に記載されている。さらに、本発明者等は、ゲルにプロピレ
ングリコールを10%以下添加しても、凝集物の形成を減少させ且つゲル中のP
AI−2の安定性を高めることを見いだした。プロピレングリコールは、さらに
PAI−2の皮膚への浸透を促進すると思われる。
【0028】 本発明の別の実施態様によれば、PAI−2を、少なくとも一種の他のプロテ
アーゼ阻害因子とともに使用する。例えば、PAI−2を、アミロライド等の別
のセリンプロテアーゼ阻害因子又はその誘導体とともに使用できる。
【0029】 さらに別の実施態様によれば、PAI−2を、メタロプロテイナーゼ、酸プロ
テアーゼ及び/又はチオールプロテアーゼの少なくとも一種の阻害因子とともに
使用する。例えば、PAI−2は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ペプ
スタチン及びN−エチルマレイミド(NEM)の一つ以上とともに使用できる。
【0030】 さらに別の実施態様によれば、PAI−2を、少なくとも一種の他のプロテア
ーゼ阻害因子と、メタロプロテイナーゼ、酸プロテアーゼ及び/又はチオールプ
ロテアーゼの少なくとも一種の他の阻害因子の組み合わせとともに使用する。
【0031】 セリン及びチオールプロテアーゼの阻害因子並びに酸プロテアーゼ及びメタロ
プロテアーゼの阻害因子が当該技術分野において周知であり、数多くのものが、
例えば、Boehringer Mannheim社(インディアナ州Indi
anapolis)、Promega社(ウィスコンシン州Madison)、
Calbiochem社(カリフォルニア州La Jolla)及びLife
Technologies社(メリーランド州Rockville)から市販さ
れている。他の阻害因子が、酵素学についての周知の教科書、例えば、Fers
ht、ENZYME STRUCTURE AND MECHANISM、第2
版、W.H.Freeman and Co.、1985、及びそこで引用され
ている参考文献に記載されている。
【0032】 他の阻害因子は、PAI−2治療の前若しくは後又は治療と同時に適用できる
。また、阻害因子は、PAI−2よりも適用頻度は、多くても、少なくてもよい
。特に、より迅速に分解される阻害因子は、より安定な阻害因子よりも頻繁に適
用してよい。逆に、より安定な阻害因子は、適用頻度がより少なくてよい。当業
者には、阻害因子の安定性についての容易なアッセイを使用して、阻害因子の投
与頻度を判断できることが明らかであろう。
【0033】 他の阻害因子を、PAI−2と同じビヒクルに添加して適用するのが有利であ
るが、これは、効力の面を考慮すると必須ではない。特に、阻害因子を、上記し
たようなPAI−2に使用できるとの同じゲルビヒクルに添加して適用できる。
阻害因子をPAI−2と同じビヒクルに添加して適用しない場合には、例えば、
上記したREMINGTON’Sに記載されているようないずれかの薬学的に許
容されるビヒクルに添加して適用できる。
【0034】 (実施例) 概略説明した本発明は、以下の実施例を参照することにより、より容易に理解
されるであろう。しかしながら、以下の実施例は、説明の目的のみに使用され、
本発明を限定するものではない。
【0035】 実施例1:乾癬治療のためのPAI−2ゲル(1mg/g)の局所適用 A.基本的試験計画 二重盲検プラシーボ制御ランダム試験をおこなって、軽度〜中度の乾癬の治療
にPAI−2ゲルを局所適用した場合の安全性、許容度及び効力を測定した。試
験には、男性13人と女性9人(平均年齢42歳、年齢範囲18歳〜64歳)の
合計22人の患者を登録した。試験に参加した患者の疾病期間、平均で17年(
疾病期間範囲3年〜34年)であった。試験を開始した22人の患者のうち、1
4人の患者は、試験を開始する前には試験病変についての治療はおこなわず、8
人の患者は、試験病変についての治療を中止しなければならなかった。
【0036】 乾癬プラークを、14日間治療した。各腕について、一つの病変を、治療前(
0日目)に剥離し、治療開始7日後(7日目)に再び病変を剥離した。プラーク
を、接着性の包帯の適用及び除去を反復する(10回)ことにより剥離した。試
験に登録した各患者は、4カ所の病変を治療(各腕について2カ所づつ)した。
【0037】 PAI−2ゲル又はプラシーボゲルを、乾癬病変に毎晩適用した。包帯剤は、
使用しなかった。各腕についての病変を、0.5g(2.5mLシリンジに0.
5mL入れる)プラシーボゲル(1%w/vナトロゾルゲル)で治療した。他の
腕についての病変は、プラシーボと同じ用量でPAI−2ゲル(1%w/vナト
ロゾルゲルに1.0mg添加)で治療した。各ゲルを、各病変に適用し、穏やか
に擦った。
【0038】 PAI−2ゲルは、PAI−2(1mg/g)を、セルロースの部分置換ポリ
(ヒドロキシエチル)エーテルである1%ナトロゾルのゲルに溶解することによ
り調製した。PAI−2は、このゲルにおいて生物学的に活性のままであり、こ
のゲルから6時間で75%放出する速度で放出される。
【0039】 PAI−2自体は、例えば、米国特許第5,298,400号(引用すること
により、本明細書に全て記載されたものとする)に記載の方法によりヒトPAI
−2をコードしているcDNAで形質転換した酵母細胞の発酵から得られる高度
に精製された組換えタンパク質として製造できる。PAI−2の精製方法は、例
えば、米国特許第5,204,807号及び第5,462,857号に記載され
ている。
【0040】 B.安全性及び許容度 本試験の一つの目的は、局所適用したPAI−2ゲルの安全性及び許容度を評価
することであった。試験に登録した22人の患者のうち、1回目の診察後試験を
継続しなかった被験者一人を除く全ての患者を、安全性分析(n=21)に含め
た。
【0041】 完全な血液学的及び生化学的スクリーンを、治療前、治療の終わり、及び試験
の終わりに実施した。全血球カウント、電解質、尿素、クレアチニン、肝機能及
び血糖を試験した。
【0042】 研究者により臨床的に有意であると判断された後治療検体検査を含む異常実験
値は、正常値又はベースライン値に戻るまで、適当な医学的管理で追跡検査すべ
きものとした。
【0043】 治療1週間目(7日目)、治療の終わり(14日目)及び試験の終わり(21
日目)に、不利な現象について監視した。研究者は、薬剤関連評価及び/又は臨
床的有意性とは無関係に、試験中に観察又は記録された全ての不利な現象を記録
した。
【0044】 不利な現象(AE)は、ベースラインで存在しなかったが試験中に生じたか、
ベースラインで存在していた場合には試験中に悪化したと思われる、いずれかの
症状、身体的徴候、症候群又は疾病として定義した。これは、この結果の推測さ
れる原因とは無関係であった。
【0045】 かなり不利な現象(SAE)を、生命を脅かす致命的か、生命を脅かすと考え
られるか、入院を必要とするか入院を長引かせるか、永久能力障害、先天的異常
、癌又は過量を生じた、結果として定義した。
【0046】 不利な現象は、患者による自発的にか、研究者による一般的な質問に対する応
答でか、実験値の変化の結果として報告できた。
【0047】 全ての不利な現象を、記録した。期間、頻度(単一エピソード、間欠的、連続
的)、重症度(軽度、中度、重度−表1)、その原因の評価(根拠としての試験
の指標、共存する疾病、付随する投薬、試験投薬等)、試験投薬との関係(確実
、可能性大、可能性あり、ありそうもない、無関係−表2)並びに試験投薬の経
過への影響及びその結果を、記載した。
【0048】 試験の開始時、患者には、試験追跡中の不利な又は異常な現象/反応を報告す
るよう要請した。最後の診察以後に不利な現象が生じたかどうかを決定する際、
「最後の診察以後いかがでしたか」以外の暗示的な質問はしないものとした。
【0049】 治療の終わりまで持続している全ての不利な現象を、この現象が解決したか、
安定化するまで追跡した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】 21人の患者は、安全分析については、合格であった。規定一日当たりの総用
量については、PAI−2を1.0mg/mL含有するナトロゾルゲル1mgを
、2カ所の病変に、各0.5mgづつ適用して治療した。しかしながら、患者1
9人については、各腕について2つの注射器の代わりに一つの注射器を使用した
ので、治療の最初の週についてはPAI−2の一日当たりの規定用量の半分を適
用し、2人の患者については、一週間についてのみ一日当たりの規定用量を適用
した。19人の患者のうち2人については、一度に1回分の余分の用量の投薬を
おこなった。
【0053】 合計6つの不利な現象が、試験中患者5人において報告された。一人の患者に
ついては、3回目の診察(14日目)で軽度の血糖レベルの上昇が見られた。こ
の血糖レベルの上昇は、研究者の判断では、試験投薬に関係したものではないよ
うであった。患者4人において、合計5つの皮膚関連の不利な現象が、試験中に
報告された:ゲルの適用による冷感覚、わずかな刺痛、灼熱感及び軽い刺創、並
びに肘の痒み/疼痛/ひび割れ/出血。
【0054】 報告された不利な現象は、ひどくはなく、反復して生じ、重症度が軽度〜中度
であった。不利な現象のいずれも、何ら行動をとる必要のないものであった。皮
膚に関連する不利な現象(痒み/疼痛/ひび割れ/出血を除く)は、ある程度調
査対象物に関連していると考えられたが、これらの現象の分布は、試験薬剤とプ
ラシーボとの間で類似していた。
【0055】 報告された不利な現象には、重大なものはなかった。この試験では、報告され
た死亡はなかった。また、この試験についての報告では、他の有意の不利な現象
はなかった。
【0056】 血液学及び臨床化学における臨床的に有意な変化が、患者4人について報告さ
れた。臨床化学及び血液学の基準範囲以外の他の値は、臨床的に有意なものはな
かった。
【0057】 患者No.5は、ベースライン及び3回目の診察でALT(SGPT)の高血
清レベル(それぞれ123U/L及び112U/L)を示し、ベースライン及び
3回目の診察でGGTの高血清レベル(それぞれ62U/L及び63U/L)を
示した。試験開始18ヶ月前及びベースラインで高肝機能(ALT/GGT)で
あることが確認され、且つ試験中に上昇する傾向が見られなかったので、これら
の変化は試験投薬に関連するものではないと結論できた。
【0058】 患者No.6は、ベースライン及び3回目の診察で、SGOT(67U/L)
、SGPT(124U/L)及びGGT(257U/L)の高血清レベル(それ
ぞれ71U/L、89U/L及び237U/L)を示した。これらの変化は、試
験投薬と関連していないように思われた。
【0059】 患者No.8では、ベースラインで、WBCカウント(2.0x109/L)
、好中球(0.95x109/L)及びリンパ球(0.80x109/L)が減少
した。
【0060】 患者No.17では、血小板の血中レベルが、ベースライン(82x109
L)、3回目の診察(82x109/L)及び4回目の診察(85x109/L)
で減少した。GGTの血清レベルが、ベースライン(227U/L)及び4回目
の診察(208U/L)で上昇した。血中グルコースレベル(BGL)が、3回
目の診察(11mmol/L)及び4回目の診察(10.9mmol/L)の両
方で増加した。3回目の診察でのBGLの変化は、AEとして報告された。これ
は、試験投薬に関連しないものであると判断された。
【0061】 PAI−2を、ELISA法を用いて、治療(1回目の診察)前に得られた血
液試料、治療の終わり(3回目の診察)及び試験の終わり(4回目の診察)に測
定して、全身性吸収が生じたかどうかを判定した。PAI−2分析の検出下限は
8ng/mLであり、定量限界(LOQ)は約50ng/mLであると推定され
た。反復分析間の合格変動係数(CV)は、10%以下であった。
【0062】 血中PAI−2レベルを、ELISA法を用いて測定して、全身性吸収が生じ
たかどうかを判定した。治療前に採取した血液試料の一部分を、−80℃に保存
し、PAI−2により誘起される可能性のある抗体の検出に使用するものとした
。一つの20mL血液試料を、各患者から、治療前(1回目の診察)、治療の終
わり(3回目の診察)及び試験の終わり(4回目の診察)で採取した。血液試料
を、3つの別個の管に分割して、PAI−2分析用、血液分析用、臨床化学スク
リーン用とした。
【0063】 血液試料において検出されたPAI−2レベルを、表3に示す。この表に示さ
れた結果は、両方の分析の結果を示したときに結果が互いに異なる場合のみ、異
なるアッセイからの分析結果を示す。
【0064】 治療前に得られた試料中のPAI−2レベルは、患者No.4を除く全ての患
者における検出限界未満(BDL)であった。治療の終わり及び治療2週間後に
採取した血液試料の大部分は、2週間の治療後及び治療の終わりでのPAI−2
濃度が検出限界未満であった。しかしながら、検出限界を超える濃度は、有意な
レベルではなかった。2人の患者では、CVが10%を超えたために、分析に失
敗した。この試験で得られた全ての結果が、LOQ未満であった。
【0065】
【表3】
【0066】 要するに、不利な現象の大部分は、試験の過程全体を通じて報告され、ある程
度調査対象物に関連していると考えられるけれども、試験薬剤とプラシーボとの
間の分布は類似していた。試験中に見られた血液上及び臨床化学上の臨床的に有
意な変化は、ベースラインで存在していたので、調査物とは関係ないものであっ
た。
【0067】 一部の試料においては、局所適用PAI−2が吸収されたと思われる形跡があ
ったが、大部分の試料は、検出可能なPAI−2は存在しなかった。検出された
PAI−2濃度は、有意なレベルではなく、全てLOQ未満であり、PAI−2
の吸収の可能性は、あるとしても最小であろうことを示している。
【0068】 したがって、実施した安全性の評価は、局所適用PAI−2ゲルは、乾癬患者
には十分に許容できるものであったことを示唆している。
【0069】 C.効力 本試験の別の目的は、PAI−2ゲルによる乾癬の治療効力を評価することで
あった。この目的に沿って、各診察で、プラーク厚さの変化、発赤度の変化及び
スケーリングの変化を評価した。さらに、病変の写真を、治療前、治療の終わり
及び試験の終わりにとった。
【0070】 1.効力の測定及び変数 a.プラーク厚さ 治療プラークの厚さを、Harpendenカリパスを用いて同じヒトにより
、0日目、7日目、14日目及び28日目で測定した。プラークの厚さを、正常
皮膚の隣接部の厚さを乾癬病変の厚さから減じることにより算出した。正常皮膚
の同じ領域を、各評価に使用するものとした。
【0071】 プラーク厚さの評価は、0日目及び7日目に病変を剥離する前後に実施した。
【0072】 b.発赤度及びスケーリング 各診察時(0日目、7日目、14日目及び28日目)、発赤度を紅斑メータを
用いて測定し、カテゴリースケール[グレード0(なし)〜3(重度)]により
評価した。各病変のスケーリングを、各診察時、スケール[グレード0(なし)
、1(軽度)、2(中度)及び3(重度)]を用いて評価した。
【0073】 発赤度及びスケーリングの評価を、0日目及び7日目に病変を剥離する前後に
実施した。
【0074】 c.写真による立証 病変の写真を、治療前(0日目)、治療の終わり(14日目)及び試験の終わ
り(28日目)に、標準条件下で病院の医療撮影者により撮影した。病変の写真
を、0日目に病変を剥離する前後に撮影した。
【0075】 2.効力の評価 2つの試験集団を、治療コードを解読する前に定義した:意図的治療(ITT
)及びプロトコール通り(PP)。ITT群は、安全性及び効力分析に使用し、
PP群は、0日目〜14日目の効力分析に使用した。
【0076】 ITT集団は、ある用量の試験投薬を受けた全ての被験者から構成され、治療
開始後、少なくとも一つの効力についての所見を記録した(n=21)。一週間
の治療のみを受けた患者No.3及び患者No.8についての2回目の診察(7
日目)で得たデータを、14日目と28日目のITT分析に回した。
【0077】 PP集団は、3回目(14日目)の診察を終えた全ての被験者を含み、主要調
査者(n=19)により測定したところ、プロトコルからの有意の逸脱はなかっ
た。
【0078】 プラーク厚さの変化及び発赤度/紅斑度及びスケーリングを、各診察時に評価
し、分析した。剥離病変及び未剥離病変について、能動処置とプラシーボ処置と
の間での比較、及び各処置群内での剥離と未剥離との間での比較をおこなった。
処置のサブ群の各々内の経時変化も、調査した。
【0079】 a.意図的治療(ITT)分析結果 (i)プラーク厚さ 0日目から14日目及び28日目のプラーク厚さの変化(単位:mm)を、表
4に示す。各処置の組み合わせについてのプラーク厚さの変化率(%)を、表5
に示す。
【0080】 能動薬剤で処置した未剥離病変プラーク厚さの減少が、0日目から14日目で
27.24±43.7%であった一例以外は、0日目から14日目及び28日目
の変化を分析したときにプラーク厚さの有意な減少はなかった(表5)。しかし
ながら、変化率(%)の変動が大きく、多少大きな負の変化率(%)を含み、プ
ラーク厚さのサイズが増加したことが分かった。
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】 (ii)発赤度 0日目から14日目及び0日目から28日目における、0(なし)〜3(重度
)に格付スケールに従って評価した発赤スコアの変化を、表6に示す。 プラシーボで処置した病変について0日目から28日目での変化が未剥離で(−
0.048±0.7)あったのに対して剥離で(0.524±0.81)であっ
たp値が有意に近い(p=0.022)一例を除いては、発赤スコア変化は有意
ではなかった。
【0084】 また、0日目から14日目の変化を分析したとき、能動群における剥離病変の
発赤に有意の減少があり、対t検定を用いたp値が0.016であった。0日目
から28日目の変化を比較したところ、プラシーボ群において発赤に有意の減少
があり、p値が0.008であった(表6)。
【0085】
【表6】
【0086】 (iii)紅斑 紅斑メータを用いて、紅斑を測定した。0日目から14日目及び0日目から2
8日目の紅斑の変化を、表7に示す。
【0087】 プラシーボ処置を能動処置と比較したときの、0日目から14日目及び0日目
から28日目での変化を比較したとき、有意の変化がなかった。しかしながら、
対t検定を用いて各処置サブ群内のベースラインからの変化を分析した結果、有
意の減少があった(表7)。
【0088】
【表7】
【0089】 (iv)スケール度 0日目から14日目及び0日目から28日目における、0(なし)、1(軽度
)、2(中度)及び3(重度)の格付スケールに従って評価したスコアの変化を
、表8及び表9に示す。 このパラメータについておこなったいずれの比較でも有意差がなかった。
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】 b.プロトコル通り(PP)の場合の分析結果 19人の患者が、効力のPP分析結果について評価可能であった。能動薬剤で処
置した未剥離病変のプラーク厚さの減少が28.36±45.6%であったプラ
ーク厚さを除いて、実施したPP分析結果のいずれにおいても有意差がなかった
(表10)。
【0093】
【表10】
【0094】 3.統計的/分析結果 2つの試料についてt検定を実施して、4つの因子(プラーク厚さ、発赤、紅斑
及びスケール度)について、0(なし)〜3(重度)の格付のスケールを用いて
(発赤及びスケール度については連続変数として)、それぞれ0日目から14日
目及び0日目から28日目について、処置サブ群間の変化を比較した。紅斑は、
紅斑メータを用いることにより測定した。各例において、14日目の測定値及び
28日目の測定値を、0日目から減じ(正の差は、経時的減少を示す)、以下の
群間で差を比較した:
【0095】 ・未剥離、プラシーボ対能動 ・剥離、プラシーボ対能動 ・プラシーボ、未剥離対剥離 ・能動、未剥離対剥離
【0096】 各処置サブ群内の経時変化を調査するために対t検定も実施し、ベースライン
からの変化がその特定のサブ群内でゼロであるという前提を試験した。
【0097】 プラーク厚さについての変化率(%)を、各期間について、0日目と14日目
との間の差及び0日目と28日目との間の差を、0日目の値で割った後、100
を掛けることにより算出した。
【0098】 対での比較を、4つの処置サブ群内で実施した。したがって、結論は、そのサ
ブ群内のベースラインからの差についてのみ出すことができ、処置群間では出す
ことができない。
【0099】 4.効力についての結論 以下の比較のいずれにおいても、0日目から14日目及び0日目から28日目
での変化を比較したときに、有意差がなかった: プロトコルに規定されたα=0.02(ワンサイド確率)レベルで測定した4つ
のパラメータ(すなわち、プラーク厚さ、発赤、紅斑及びスケール度)について
、 未剥離、プラシーボ対能動 剥離、プラシーボ対能動 プラシーボ、未剥離対剥離 能動、未剥離対剥離。
【0100】 しかしながら、p値が有意に近接(p=0.022)した一例があった。これ
は、発赤についての、ITT集団、0日目から28日目、プラシーボ、未剥離(
−0.048±0.7)対剥離(0.524±0.81)であった。
【0101】 5.各処置群内の対比較 プラーク厚さの減少が25%を超えた例が一つあった。これは、未剥離、能動
サブ群、0日目から14日目についてであった。ITT集団では、減少率(%)
は、27.24±43.7であり、プロトコル通り群では、28.36±45.
6であった。これらの差は、それぞれp=0.01及びp=0.014で群内で
の対t検定を用いて試験したときに有意であった。しかしながら、変化率に大き
な変動があり、これには、例えば、ある場合に変化率が負に大きく変化しており
、プラーク厚さのサイズが増加したことを示している。
【0102】 また、対t検定を用いて各処置サブ群内でベースラインからの変化を分析した
ときに、発赤及び紅斑において有意の減少があった。これらの有意の変化は、全
てベースラインからの減少であり、且つ全てがITT集団においてのものであっ
た。
【0103】 D.考察及び総合的結論 この試験において見られる血液学及び臨床化学上の臨床的に有意な変化は、試
験投薬に関連しているとは考えられなかった。このことは、全身性副作用は、存
在しないことはないとしても最小のようであることを示している。
【0104】 適用による多数の皮膚反応が、この試験では記録された。ある程度は調査物に関
連していると考えられるが、この現象の大部分は、試験薬剤とプラシーボとの間
では同様に分布していた。
【0105】 この試験で使用したのと同じバッチ及び同じ濃度でPAI−2を用いた健康な
志願者において従来実施したときでは、薬剤は、PAI−2又は緩衝液に対して
いずれの陽性皮膚反応をも示さず十分に許容された。この知見を、本試験での皮
膚反応の分布がプラシーボと能動処置との間で類似していた事実と考え合わせる
と、PAI−2ゲルの局所適用が十分に許容されるであろうことが分かる。しか
しながら、より大きな患者群での長期安全性試験を実施して、乾癬を患った患者
での皮膚反応の発生率を評価しなければならない。
【0106】 処置の終わり及び処置2週間後に得られた試料の大部分には、検出可能な程度
のPAI−2が存在しなかったため、局所適用したPAI−2が吸収及び全身的
分布を示す決定的なデータがなかった。
【0107】 乾癬病変を治癒させる際の局所適用PAI−2ゲルの効力についてのデータを
、プラーク厚さ、発赤/紅斑及びスケーリングにおける変化の分析から得た。そ
の結果、未剥離病変のプラーク厚さの減少は、能動薬剤による2週間の処置後で
25%超であった(表5及び表10)。さらに、また、2週間の能動処置後、剥
離病変の発赤が有意に減少した。また、対t検定を用いて各処置サブ群内のベー
スラインからの変化を分析したとき、発赤及び紅斑における有意な減少が認めら
れた(表6及び表7)。しかしながら、測定した4つのパラメータについて未剥
離病変と剥離病変を比較したところ、有意差はなかった。
【0108】 但し、プラーク厚さの変化率(%)に大きな変動があった(表5)。これは、
部分的には、厚さ測定に使用した不正確な方法(Harpendenカリパス)
、測定値の偏差及びオペレータによる変動により生じた、プラーク厚さと皮膚厚
さとの間の結果の変動によるものであると説明できるであろう。
【0109】 要するに、この試験で実施した安全性評価は、局所的に適用されたPAI−2
ゲルは、乾癬を患った患者に十分許容されたことを示唆している。効力に関する
データから、乾癬病変に局所適用されたPAI−2は、皮膚病理学的に保護的役
割を果たして創傷治癒を誘起し、且つ乾癬の治療に有利であることが分かる。
【0110】 実施例2:PAI−2含有ゲルの調製及びPAI−2放出の測定 これらの実験では、PAI−2含有ゲルを、2コンパートメント容器の上チャ
ンバーに入れた。下チャンバーには、緩衝液が入れられ、これらの2つのチャン
バーは、微孔性膜により分離した。下チャンバーにPAI−2が出てくることは
、ゲルからPAI−2が放出されたことを示す。これを、PAI−2活性につい
てのアッセイによりモニターした。
【0111】 下表は、新規なPAI−2ゲル製剤が向上した特性を有することを示している
。ゲルからのPAI−2の放出が増加することが、図1から分かる。
【0112】
【表11】
【0113】 方法: ポリマーを溶解して所望濃度とした後、滴定してpH7.4〜7.7とした。
洗浄剤を0.05%添加し、PAI−2を1mg/ml添加した。アジ化ナトリ
ウム(0.05%)を、防腐剤として使用した。
【0114】 ここに記載の本発明は、本発明の精神又は必須の特徴から逸脱することなく、他
の具体的態様で実施することができる。したがって、上記した具体的実施態様は
、説明の目的のみで示したものであり、本発明の範囲はこれらに限定されない。
さらに、上記で引用した全ての刊行物の開示内容は、個々に引用して組み込むの
と同様に、引用することにより、明確に本明細書に全て記載されたものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Tween80の存在下でのセルロースゲルからのPAI−2の放出の増加を
示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月6日(2000.10.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/48 A61P 17/06 A61P 17/06 A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G D,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZA,ZW (72)発明者 シャープ・フィリップ・ジョン オーストラリア国 ニュー・サウス・ウェ ールズ 2037、グリーブ、ダーガン・スト リート 26 Fターム(参考) 4C076 AA09 BB31 CC20 DD38 EE23 FF63 4C084 AA02 AA03 AA27 BA01 CA53 CA59 DC32 MA05 MA28 MA63 ZA89

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウロキナーゼ阻害因子の効果的な量を、それを必要としている
    患者に投与することを含む乾癬の治療方法であって、前記阻害因子を皮膚の疾患
    部に局所投与する、方法。
  2. 【請求項2】前記ウロキナーゼ阻害因子が、PAI−2と、プラスミノーゲ
    ン活性化阻害性を有するその変異体と、PAI−2の誘導体と、前記誘導体の変
    異体とからなる群から選択されるものである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記セリンプロテアーゼ阻害因子を、ゲル製剤として投与する
    、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記ゲルが、洗浄剤をさらに含むセルロースゲルである、請求
    項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記洗浄剤が、Tween80である、請求項4に記載の方法
  6. 【請求項6】前記ゲルが、プロピレングリコールをさらに含むものである、
    請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】PAI−2と、少なくとも一種の他のセリンプロテアーゼ阻害
    因子とを含む治療剤の効果的な量を、それを必要としている患者に投与すること
    を含む乾癬の治療方法であって、前記治療剤を皮膚の疾患部に局所投与する、方
    法。
  8. 【請求項8】前記他のセリンプロテアーゼ阻害因子が、uPA阻害因子であ
    る、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記治療剤が、チオールプロテアーゼ阻害因子と、酸プロテア
    ーゼ阻害因子と、メタロプロテイナーゼ阻害因子とからなる群から選択されるプ
    ロテアーゼ阻害因子をさらに含むものである、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記プロテアーゼ阻害因子が、PAI−2と共投与されるも
    のである、請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】洗浄剤を含有するゲルにPAI−2を含む医薬組成物。
  12. 【請求項12】前記洗浄剤がTween80であり、前記ゲルがセルロース
    ゲルである、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】PAI−2と、少なくとも一種の他のセリンプロテアーゼ阻
    害因子とを含む医薬組成物。
  14. 【請求項14】チオールプロテアーゼ阻害因子と、酸プロテアーゼ阻害因子
    と、メタロプロテイナーゼ阻害因子とからなる群から選択されるプロテアーゼ阻
    害因子をさらに含むものである、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】前記組成物が、洗浄剤を含むセルロースゲルの形態である、
    請求項13に記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】前記PAI−2を、創傷1cm2当たり0.1〜2000μ
    gの範囲で投与する、請求項2に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記PAI−2を、1日当たり少なくとも1回、少なくとも
    5日間投与する、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記PAI−2の誘導体が、PAI−2の生化学的変更によ
    り得たものであり、前記変更が、ポリエチレングリコールとの化学的結合と、リ
    ン酸基の結合と、硫酸基の結合と、ペプチダーゼ処理と、糖鎖変更酵素による処
    理と、糖結合酵素による処理とからなる群から選択されたものである、請求項2
    に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記変異体が、PAI−2のアミノ末端からのアミノ酸残基
    の欠失又はアミノ酸残基の付加により得たものである、請求項2に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記変異体が、PAI−2のカルボキシ末端からのアミノ酸
    残基の欠失又はアミノ酸残基の付加により得たものである、請求項2に記載の方
    法。
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