JP2002522078A - 低温適応性ウマインフルエンザウィルス - Google Patents
低温適応性ウマインフルエンザウィルスInfo
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Abstract
Description
、特に、弱毒化、優性干渉、または温度感受性などの付加的表現型を有する低温
適応性ウマインフルエンザウィルスに関する。本発明は、そのようなウマインフ
ルエンザウィルスからの、少なくとも1つのゲノム分節を有するリアソータント
インフルエンザA型ウィルスも含み、このため、このリアソータントウィルスは
、供与ウマインフルエンザウィルスの複数の表現型を含む。本発明は、リバース
遺伝工学により作製された、本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスの
複数の識別表現型を持つ、遺伝子組換えされたウマインフルエンザウィルスをさ
らに含む。本発明は、インフルエンザウィルスに起因する疾患から動物を保護す
るため、これらのウィルスを治療用組成中で使用する方法にも関する。
な病原として知られている。ウマインフルエンザウィルスにより引き起こされる
疾患の症状は重症となるおそれがあり、また、多くの場合、続発性の細菌感染症
を伴う。ウマインフルエンザウィルスの亜型としては、A/ウマ/プラハ/1/
56(H7N7)を原型とする亜型−1と、A/ウマ/マイアミ/1/63 (
H3N8)を原型とする亜型−2との2種類が知られている。現在、優勢なウィ
ルス亜型は亜型−2であり、この亜型は、近年ではユーラシア及び北アメリカ分
離菌にさらに分化している。
ワクチンである。このワクチンがウマ類に対して発揮する保護効果は、あるとし
ても非常に低く、また、例えば注射部位の炎症性反応などの望ましくない副作用
を伴う可能性がある。例えば、Mumford, 1987, Equine Infectious Disease IV, 207−217, 及び M
umford, et al., 1993, Vaccine 11, 11
72−1174を参照されたい。さらに、現在の療法を若齢の子馬に適用するこ
とはできない。なぜなら、現在の療法は母子免疫を克服できない可能性があり、
また、若齢の動物の場合は耐薬性を誘発するおそれがあるからである。疾患の重
症度から考えて、ウマをウマインフルエンザウィルスから保護するための、安全
で効果的な治療用組成が必要とされている。
ば、Maassab, et al., 1960, Nature 7,6
12−614, 及び Maassab, et al., 1969, J.
Immunol. 102, 728−732に述べられている。さらに、こ
れらの研究者らは、低温適応性ヒトインフルエンザウィルス、すなわち、通常の
温度よりも低い温度で生育するように適応されたウィルスが、温度感受性表現型
を持つ傾向がある、つまり、そのようなウィルスは、野生型ウィルスが生育及び
複製可能であるような、ある一定のより高い非許容温度では、十分に生育しない
ということを指摘した。既存の低温適応性ヒトインフルエンザA型ウィルスとの
リアソートメントにより作製した様々な低温適応性ヒトインフルエンザA型ウィ
ルスは、ワクチン接種された個体に良好な免疫反応を惹起することが示されてお
り、また、複数の弱毒性の低温適応性リアソータントヒトインフルエンザA型ウ
ィルスが、ヒトを野生型ウィルスの攻撃から保護することが証明されている。例
えば、Clements, et al., 1986, J. Clin. Microbiol. 23, 73−76を参照のこと。 1992年9月2
2日に発行された、Youngner, et alによる米国特許5,149
,531号で、本発明の発明者らは、複数のリアソータント低温適応性ヒトイン
フルエンザA型ウィルスが優性干渉表現型を有する、すなわち、これらのウィル
スが、対応する親野生型系統及び異種インフルエンザA型ウィルスの生育を阻害
することをさらに示した。1987年7月28日に発行された、Coggins
et al.による米国特許4,683,137号及び、1987年9月15
日に発行された、Campbell による米国特許4,693,893号は、
野生型ウマインフルエンザウィルスと弱毒性の低温適応性ヒトインフルエンザA
型ウィルスとのリアソートメントにより作製された、弱毒性の治療用組成を開示
している。これらの治療用組成は、ウマに対しては一般に安全で効果的であるも
のの、ヒトとウマ双方の遺伝子を含むウィルスの環境への導入は、重大な危険を
伴う。
適応により作製したウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つのゲノム分節
を有し、そのウマインフルエンザウィルスのゲノム分節が、低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスの少なくとも1つの識別表現型をリアソータントウィルスに
与えるようなウマインフルエンザウィルスと、リバース遺伝工学により作製され
、低温適応性ウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つの識別表現型を有す
る、遺伝子組換えウマインフルエンザウィルスとを提供する。識別表現型は、低
温適応性、温度感受性、優性干渉性及び弱毒性を含む。本発明は、インフルエン
ザA型ウィルスに起因する疾患から動物を保護するための治療用組成をさらに提
供する。この治療用組成は、本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルス、
リアソータントインフルエンザA型ウィルス、または遺伝子組換えウマインフル
エンザウィルスを含む。また、そのような治療用組成の投与を含む、インフルエ
ンザA型ウィルスに起因する疾患から動物を保護するための方法も提供される。
また、低温適応性ウマインフルエンザウィルスを作製する方法、及び、低温適応
性ウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つのゲノム分節を有するリアソー
タントインフルエンザA型ウィルスを作製する方法も含む。後記の方法では、こ
のウマインフルエンザのゲノム分節が、低温適応性ウマインフルエンザウィルス
の少なくとも1つの識別表現型を、リアソータントウィルスに与える。
0℃までの範囲で複製を行うインフルエンザウィルスである。本発明の低温適応
性ウマインフルエンザウィルス、リアソータントインフルエンザA型ウィルス、
又は遺伝子組換えウマインフルエンザウィルスは、健康な動物を罹患させないよ
うに、弱毒化されていることが好ましい。
ソータントインフルエンザA型ウィルス、又は遺伝子組換えウマインフルエンザ
ウィルスは、このウィルスが、ふ化鶏卵内で、温度約26℃から約30℃の範囲
で複製を行い、組織培養細胞内で、許容温度約34℃でプラークを形成するが、
組織培養細胞内で、非許容温度約39℃ではプラークを形成しないような温度感
受性でもある。
有する。第1の突然変異は、温度約39℃でプラーク形成を阻害し、ウィルスの
核タンパク質遺伝子をコードするゲノム分節と共分離する。第2の突然変異は、
温度約39℃で全てのウィルスのタンパク質合成を阻害する。
エンザウィルスは、ふ化鶏卵内で、温度約26℃から約30℃の範囲で複製を行
い、組織培養細胞内で、許容温度約34℃でプラークを形成するが、組織培養細
胞内で、非許容温度37℃では、プラークを形成せず、また、後発性ウィルスタ
ンパク質を発現しない。
インフルエンザウィルスを1回またはそれ以上継代培養し、次に、低温で安定し
て生育及び複製を行うウィルスを選別することにより作製される。このようにし
て作製された低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、複数の実施例において
は、優性干渉性表現型を含む。すなわち、このようなウィルスは、親ウマインフ
ルエンザウィルスまたは異種野生型インフルエンザA型ウィルスと共感染した場
合に、これらのウィルスの生育を阻害するであろう。
識別されるEIV−P824、受託番号ATCC VR___で識別されるEI
V−MSV+5、及びこれらのウィルスの後代を含む。
アソータントインフルエンザA型ウィルス、又は遺伝子組換えウマインフルエン
ザウィルスを、約105TCID50単位から約108TCID50単位、好適
には約2×106TCID50単位含む。
めの方法も含む。この方法は、本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルス
、リアソータントインフルエンザA型ウィルス、又は遺伝子組換えウマインフル
エンザウィルスを含む治療用組成を動物に投与する工程を含む。保護する対象と
して好適な動物はウマ科の動物であり、特に好適な動物はウマ及び子馬である。
製する方法である。この方法は、野生種ウマインフルエンザウィルスを継代培養
する工程と、低温で生育するウィルスを選別する工程とを含む。一実施例におい
ては、この方法は、温度を順次下げながら継代培養と選別とを繰り返すことを含
む。ウマインフルエンザウィルスの継代培養は、ふ化鶏卵内で行うことが望まし
い。
ム分節と、受容インフルエンザA型ウィルスのゲノム分節との遺伝子リアソート
メントにより、リアソータントインフルエンザA型ウィルスを作製する方法であ
る。本発明のリアソータントインフルエンザA型ウィルスは、(a)供与低温適
応性ウマインフルエンザウィルスのゲノム分節と、受容インフルエンザA型ウィ
ルスのゲノム分節とを混合することと、(b)この供与ウマインフルエンザウィ
ルスの少なくとも1つの識別表現型を含むウィルスを選別することとを含む方法
により作製される。識別表現型は、低温適応性、温度感受性、優性干渉性、及び
弱毒性を含む。これらのようなリアソータントウィルスは、供与ウィルスの少な
くとも1つの弱毒性表現型を含むことが望ましい。典型的なリアソータントウィ
ルスは、受容ウィルスの抗原性を有するであろう。すなわち、受容ウィルスのヘ
マグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)表現型を有するであろう。
ントインフルエンザA型ウィルスを増殖させる方法もまた提供する。これらの方
法は、ふ化鶏卵内または組織培養細胞内での増殖を含む。
応性ウマインフルエンザウィルスを提供し、それらをここに開示する。ここで使
用する「1つの」物体は、1つ又はそれ以上の物体を指す。例えば、「1つの低
温適応性ウマインフルエンザウィルス」は、1つ又はそれ以上の低温適応性ウマ
インフルエンザウィルスを含みうる。従って、「1つの」、「1つまたはそれ以
上の」及び「少なくとも1つの」という語は、ここでは互換的に使用可能である
。また、「備える」、「含む」及び「有する」という語も互換的に使用可能であ
ることに留意されたい。さらに、「から選択される」物体は、そのグループの1
つまたはそれ以上の物体に関し、それらの組み合わせを含む。
ィルスであり、従って、天然に発生するウィルスではない。本発明が、そのよう
な低温適応性ウマインフルエンザウィルスの識別発現型を有するウィルスも含む
ので、天然に発生したウィルスの混合物から分離された、すなわち、天然の環境
から隔離されたがクレームされた表現型を有するウマインフルエンザウィルスは
、本発明に含まれる。本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、特定
のレベルの純度を必要としない。例えば、ふ化鶏卵内で生育した低温適応性ウマ
インフルエンザウィルスは、尿膜腔液(AF)と混合していてもよいし、また、
組織培養細胞内で生育した低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、破砕細胞
及び組織培地と混合していてもよい。
及び子馬などのウマ科の動物に感染し、その体内で生育するインフルエンザウィ
ルスを指す。ここで使用される、ウィルスの「生育」という用語は、ウィルスが
、許容宿主細胞内で生殖または自身を「複製」する能力を意味する。従って、「
ウィルスの生育」及び「ウィルスの複製」という用語は、ここでは互換可能に用
いられる。特定の宿主細胞内でのウィルスの生育または複製を、ウィルス学の分
野の熟練技術者に公知の標準的方法で観察及び測定してもよい。例えば、感染し
たウマの鼻咽頭分泌物に含まれるような、感染性のウィルスを含有するサンプル
を、例えば組織培養細胞中のウィルスプラークなど、細胞変性作用(CPE)を
起こさせる能力について検査する。サンプルをふ化鶏卵の尿膜腔内に接種し、次
いで、接種された鶏卵のAFを、赤血球細胞を凝集させる能力、すなわち、AF
内にインフルエンザウィルスヘマグルチニン(HA)タンパク質が存在すること
に起因する赤血球凝集反応を引き起こす能力について検査することにより、感染
性のウィルスを検出してもよい。
34℃から約39℃で良好に複製を行う。例えば、野生型ウマインフルエンザウ
ィルスは、ふ化鶏卵内で、温度約34℃で複製を行い、また、組織培養細胞中で
は、温度約34℃から約39℃で複製を行う。ここで用いられる「低温適応性の
」ウマインフルエンザウィルスという用語は、ウマインフルエンザウィルスの最
適生育温度よりも低い温度で生育するように適応されたウマインフルエンザウィ
ルスを指す。本発明の低温適応性のウマインフルエンザウィルスの一例に、ふ化
鶏卵内で、温度約30℃で複製を行うウィルスがある。本発明の好適な低温適応
性のウマインフルエンザウィルスは、ふ化鶏卵内で、温度約28℃で複製を行う
。本発明の別の好適な低温適応性のウマインフルエンザウィルスは、ふ化鶏卵内
で、温度約26℃で複製を行う。一般に、本発明の好適な低温適応性のウマイン
フルエンザウィルスは、ふ化鶏卵内で、温度約26℃から約30℃の範囲内で、
すなわち、野生型ウィルスが殆どまたは全く生育しない温度で、複製を行う。こ
れらのウィルスがこの温度範囲内で複製を行う能力を有することは、これらのウ
ィルスが、より高いまたはより低い温度でも複製を行う能力を排除するものでは
ないことに留意されたい。例えば、一実施例は、ふ化鶏卵内で、温度約26℃で
複製を行うが、組織培養細胞中で、温度約34℃でも複製を行う低温適応性ウマ
インフルエンザウィルスである。野生型インフルエンザウィルスと同様に、本発
明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスもまた、組織培養細胞中、例えばM
adin Darbyイヌ腎臓細胞(MDCK)中で、温度約34℃で一般にプ
ラークを形成する。本発明の適当な及び好適な低温適応性のウマインフルエンザ
ウィルスの例を、ここに開示する。
と、次いで、低温で生育するウィルスを選別することとを含む方法で作製された
、低温適応性のウマインフルエンザウィルスである。本発明の低温適応性ウマイ
ンフルエンザウィルスを、例えば、野生型インフルエンザウィルスを、ふ化鶏卵
内で、温度を順次低下させながら連続的に継代培養することにより、ウィルス混
合体の中から、低温で安定して複製を行う複数のウィルスを選択して作製しても
よい。継代培養の手順の一例を、例の項に詳しく開示する。継代培養工程の間に
、1つまたはそれ以上の突然変異が、このインフルエンザウィルスのゲノムを有
する一本鎖RNA分節の複数に起こり、これらのRNA分節の遺伝子型、すなわ
ち、これらのRNA分節の初期ヌクレオチド配列を変化させる。ここで使用され
る「突然変異」という用語は、インフルエンザウィルスゲノムを構成している任
意のRNA分節の初期ヌクレオチド配列の変化を指す。突然変異の例には、1つ
またはそれ以上のヌクレオチドの置換、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの欠
失、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの挿入、または、2つまたはそれ以上の
ヌクレオチド切片の逆位がある。ウィルス混合体の中から、低温で安定して複製
を行う複数のウィルスを選択することにより、低温適応性表現型を有するウィル
スを選別する。ここで使用される「表現型」という用語は、細胞やウィルスのよ
うな生物学的実体の観察可能なまたは測定可能な特徴を指し、この観察される特
徴は、その生物学的実体の特定の遺伝子構成、すなわち、ある遺伝子型に帰する
ものである。従って、低温適応性表現型は、ウィルスゲノムの1つまたはそれ以
上の突然変異の結果である。ここで使用される「突然変異」、「ゲノム」、「遺
伝子型」または「表現型」という用語は、1つまたはそれ以上の、または少なく
とも1つの突然変異、ゲノム、遺伝子型、または表現型をそれぞれ指す。
現してもよく、それらの表現型は、一般に、そのようなウィルスのゲノムにおけ
る1つまたはそれ以上の別の突然変異の結果として発現するであろう。例えば、
本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、さらに、弱毒性であり、優
性干渉性を発揮し、及び/又は温度感受性であってもよい。
毒性の特徴を持つ表現型を有する。低温適応性ウマインフルエンザウィルスが「
弱毒性」であるというのは、このウィルスを、ウマインフルエンザウィルス感受
性の動物に投与した結果、その動物に観察される臨床症状が、野生型ウマインフ
ルエンザウィルスに感染した動物に観察される 臨床症状と比較して、軽症であ
るか、または全く観察されない場合を指す。例えば、野生型ウマインフルエンザ
ウィルスに感染した動物は、発熱、くしゃみ、咳、抑うつ、及び鼻汁などの症状
を呈するであろう。これに対し、本発明の弱毒化された低温適応性ウマインフル
エンザウィルスを投与された動物は、臨床症状を呈示するとしても最小であるか
、または全く呈示しない、すなわち、症状が検出不可能であろう。
、温度感受性表現型を有する。ここで説明される温度感受性の低温適応性ウマイ
ンフルエンザウィルスは、低温では複製を行うが、野生型ウィルスが複製及びプ
ラーク形成を行うようなより高い温度では、組織培養細胞中で複製またはプラー
ク形成を行わない。理論に拘束されるわけではないが、温度感受性表現型を有す
るウマインフルエンザウィルスが複製を行う場所は、主として上気道の低温の通
路に限られ、ウィルスがより疾患の症状を引き起こしやすい下気道内では良好に
複製を行わないと信じられている。温度感受性のウィルスが生育する温度は、こ
こでは、その温度感受性ウィルスにとっての「許容」温度として述べられる。そ
して、その温度感受性ウィルスが生育しないが、対応する野生型ウィルスが生育
するような、より高い温度は、ここでは「非許容」温度として述べられている。
例えば、本発明の複数の温度感受性の低温適応性ウマインフルエンザウィルスは
、ふ化鶏卵内で、約30℃またはそれ以下の温度で複製を行い、好適には約28
℃または約26℃で複製を行い、許容温度約34℃では組織培養細胞中でプラー
クを形成するが、非許容温度約39℃では組織培養細胞中でプラークを形成しな
い。本発明の他の温度感受性の低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、ふ化
鶏卵内で、約30℃またはそれ以下の温度で複製を行い、好適には約28℃また
は約26℃で複製を行い、許容温度約34℃では組織培養細胞中でプラークを形
成するが、非許容温度約37℃では組織培養細胞中でプラークを形成しない。
を有する。すなわち、細胞内に別のインフルエンザA型ウィルスと共感染した時
に、優先的に感染することにより、この別のウィルスの生育を抑制する。例えば
、優性干渉性表現型を有する本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスが
、MDCK細胞に、野生型親ウマインフルエンザウィルス、A/ウマ/ケンタッ
キー/1/91(H3N8)と共感染した場合、この親ウィルスの生育が阻害さ
れる。従って、ビルレントインフルエンザウィルス、すなわち、疾患症状を引き
起こすインフルエンザウィルスに最近曝された、またはまもなく曝されるかもし
れない動物の上気道に、優性干渉性表現型を有する低温適応性ウマインフルエン
ザウィルスを含有する治療用組成を投与すれば、そのビルレントウィルスの生育
が阻害されるので、そのウィルスに対する免疫反応がない場合でも、その動物の
疾患は改善または軽減されるであろう。
標準的なウィルス学的手法により測定してもよい。例えば、MDCK細胞の分離
単層を、(a)ビルレント野生型インフルエンザA型ウィルス、(b)温度感受
性、低温適応性ウマインフルエンザウィルス、及び(c)これら両方のウィルス
に感染させてもよい。これらの感染は全て、細胞当たり約2プラーク形成単位(
pfu)の感染多重度(MOI)でなされる。感染後、様々な感染細胞からのウ
ィルス産生量を、複製プラークアッセイにより、その低温適応性ウマインフルエ
ンザウィルスの許容温度および非許容温度で測定する。温度感受性表現型を有す
る低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、非許容温度ではプラークを形成で
きないが、野生型ウィルスは、許容温度でも非許容温度でもプラークを形成でき
る。従って、野生型ウィルスのみに感染した細胞の非許容温度でのウィルス産生
量を、両方のウィルスに感染した細胞の非許容温度でのウィルス産生量と比較す
ることにより、低温適応性ウィルスが存在する条件下での野生型ウィルスの生育
を測定することが可能である。
識別表現型:低温適応性、温度感受性、優性干渉性、及び/又は弱毒性のうちの
1つまたはそれ以上を有する。ここで用いられる「ウマインフルエンザウィルス
が低温適応性、温度感受性、優性干渉性、及び/又は弱毒性の識別表現型を有す
る」という表現は、そのような表現型の1つまたはそれ以上を有するウィルスに
関する。そのようなウィルスの例には、受託番号ATCC VR____で識別
されるEIV−P821、受託番号ATCC VR___で識別されるEIV−
P824、受託番号ATCC VR___で識別されるEIV−MSV+5、及
びEIV−MSV0、EIV、MSV+1、EIV−MSV+2、EIV−MS
V+3、EIV−MSV+4があるが、これらに限定されることはない。これら
のウィルスの作製については、例で説明する。例えば、低温適応性ウマインフル
エンザウィルスEIV−P821は、(a)例えば、ふ化鶏卵内で、温度約26
℃で複製を行う能力などの低温適応性と、(b)例えば、非許容温度約37℃で
は、組織培養細胞内でプラーク形成及び後期遺伝子産物の発現を行うことができ
ず、また、非許容温度約39℃では、組織培養細胞中でプラーク形成及びいかな
るウィルスタンパク質の合成も行うことができないなどの温度感受性、(c)ウ
マインフルエンザウィルス感受性の動物に投与した場合の弱毒性、及び、(d)
例えば、細胞内に野生型インフルエンザA型ウィルスと共感染した場合に、その
野生型ウィルスの生育を阻害するなどの優性干渉性により特徴づけられる、すな
わち、これらの識別表現型を有する。同様に、低温適応性ウマインフルエンザウ
ィルスEIV−P824は、(a)例えば、ふ化鶏卵内で、温度約28℃で複製
を行う能力などの低温適応性と、(b)例えば、非許容温度約39℃では、組織
培養細胞中でプラーク形成を行うことができないなどの温度感受性、及び、(c
)例えば、細胞内に野生型インフルエンザA型ウィルスと共感染した場合に、そ
の野生型ウィルスの生育を阻害するなどの優性干渉性により特徴づけられる。別
の一例では、低温適応性ウマインフルエンザウィルスEIV−MSV+5は、(
a)例えば、温度約26℃で、ふ化鶏卵内で複製を行うことができるなどの低温
適応性、(b)例えば、非許容温度約39℃では、組織培養細胞中でプラーク形
成を行うことができないなどの温度感受性、及び、(c)ウマインフルエンザウ
ィルス感受性の動物に投与した場合の弱毒性により特徴づけられる。
RNA分節を、ここに述べる標準的な方法を用いたリアソートメント分析により
決定してもよい。一実施例においては、本発明の低温適応性ウマインフルエンザ
ウィルスは、このウィルスのゲノム中の少なくとも2つの突然変異と相関する、
温度感受性表現型を有する。この実施例では、ここに述べるリアソートメント分
析により位置決定された、前記2つの突然変異のうちの1つが、ウィルスが組織
培養細胞中で非許容温度39℃でプラークを形成する能力を抑制、すなわち、阻
害または防止する。この突然変異は、ウマインフルエンザウィルスゲノム中の、
このウィルスの核タンパク質(NP)遺伝子をコードする分節と共分離する。す
なわち、この突然変異は、このNP遺伝子と同じRNA分節に位置する。この実
施例の第2の突然変異は、非許容温度約39℃で、全てのタンパク質の合成を阻
害する。従って、この非許容温度では、このウィルスのゲノムは、いかなるウィ
ルスタンパク質も発現できない。これらの特徴を持つ低温適応性ウマインフルエ
ンザウィルスの例に、EIV−P821及びEIV MSV+5がある。EIV
−P821を、例1Aで説明する方法を用いて、ふ化鶏卵内で野生型インフルエ
ンザウィルスを連続的に継代培養することにより作製した。 EIV MSV+
5を、例1Eで説明する方法を用いて、EIV−P821をさらに連続的に継代
培養することにより得た。
阻害する2つの突然変異を有する、低温適応性かつ温度感受性のウマインフルエ
ンザウィルスは、そのウィルスが組織培養細胞中で非許容温度約37℃で後期遺
伝子を発現し及びプラークを形成する能力を阻害する、1つまたはそれ以上の突
然変異を有してもよい。これらの特徴を有する低温適応性ウマインフルエンザウ
ィルスの一例に、EIV−P821がある。このウィルス分離株は、温度約26
℃では、ふ化鶏卵内で複製を行い、温度約39℃では、プラーク形成もいかなる
ウィルスタンパク質の合成も行わない。さらに、EIV−P821は、非許容温
度約37℃では、MDCK細胞でプラークを形成せず、また、この温度では、後
期遺伝子の発現が阻害される。この阻害は、後期遺伝子が生成されない、すなわ
ち、通常レベルのNPタンパク質が合成され、低レベル又は検出不可能なレベル
のM1又はHAタンパク質が合成され、高レベルのポリメラーゼタンパク質が合
成されるような方法で行われる。この表現型は、特異なウィルスタンパク質合成
により特徴づけられるため、非許容温度約39℃での全てのウィルスタンパク質
合成の阻害により特徴づけられるタンパク合成表現型との相違は明白である。
1及びEIV−P824として表される低温適応性ウマインフルエンザウィルス
は、ブダペスト条約に基づき、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(ATCC、20110−2209 バージニア州、マナッサス、ユニバーシテ
ィ・ブルヴァール10801)に、それぞれATCC受託番号 ATCC VR
−___及びATCC VR−___として、1998年7月11日に寄託され
た。低温適応性ウマインフルエンザウィルスEIV−MSV+5は、ATCCに
、ATCC受託番号ATCC VR−___として、1998年8月3日に寄託
された。米国連邦規制基準37の1.806により、寄託は少なくとも30年間
維持され、かつ当該サンプルの最終の分譲請求を寄託期間が受領したのち少なく
とも5年間維持される。連邦規則コード37の1.808(a)(2)により、
寄託者が分譲に関して設けた全ての制限は、特許の取得と同時に無効となり、こ
れを取り消すことはできない。
、EIV−P824及び EIV−MSV+5の識別表現型を有する。特に好適
な低温適応性ウマインフルエンザウィルスは、EIV−P821、EIV−P8
24及び EIV−MSV+5、及びこれらのウィルスの後代を包含する。ここ
で使用される「後代」とは、「子孫」であり、従って、親ウィルスと比較してわ
ずかに異なる表現型であってもよいが、その親ウィルスの、例えば低温適応性、
温度感受性、優性干渉性、または弱毒性などの識別表現型を保持する。例えば、
低温適応性ウマインフルエンザウィルスEIV−MSV+5は、低温適応性ウマ
インフルエンザウィルスEIV−P821の「後代」である。「後代」は、供与
親ウィルスの1つまたはそれ以上の識別表現型を有するリアソータントインフル
エンザA型ウィルスもまた包含する。
応性ウマインフルエンザウィルスのゲノム分節と受容インフルエンザA型ウィル
スのゲノム分節との遺伝子リアソートメントを行った後に、8つのRNAゲノム
分節のうちの少なくとも1つが供与ウィルスに由来するリアソータントウィルス
を選別るすことにより、このリアソータントウィルスが、供与低温適応性ウマイ
ンフルエンザウィルスの少なくとも1つの識別表現型を獲得するような方法で作
製される。識別表現型は、低温適応性、温度感受性、弱毒性及び優性干渉性を含
む。好適には、本発明のリアソータントインフルエンザA型ウィルスの少なくと
も弱毒性表現型は、供与ウィルスに由来する。リアソータントインフルエンザウ
ィルスを分離する方法は、ウィルス学の分野の熟練技術者に公知であり、例えば
、Fields, et al., 1996, Fields Virol
ogy, 3d ed., Lippincott−Raven、 Pales
e, et al., 1976, J. Virol., 17, 876−
884. Fields, et al., 同上、及び Palese, et al., 同上、に開示されている。
エンザウィルスであり、例えば、受託番号ATCC VR____で識別される
EIV−P821、受託番号ATCC VR____で識別されるEIV−P8
24、又は、受託番号ATCC VR_____で識別されるEIV−MSV+
5である。好適な受容インフルエンザA型ウィルスは、別のウマインフルエンザ
ウィルス、例えば、A/ウマ/サフォーク/89(H3N8)などのユーラシア
亜型2ウマインフルエンザウィルスまたはA/プラハ/1/56(H7N7)な
どの亜型1インフルエンザウィルスであってもよい。受容インフルエンザA型ウ
ィルスもまた、供与低温適応性ウマインフルエンザウィルスを用いてリアソータ
ントウィルスを作製することの可能な任意のインフルエンザA型ウィルスであっ
てもよい。そのようなインフルエンザA型ウィルスの例には、A/プエルトリコ
/8/34(H1N1)、A/香港/156/97(H5N1)、A/シンガポ
ール/1/57(H2N2)及びA/香港/1/68(H3N2)などのヒトイ
ンフルエンザウィルス、A/ブタ/アイオワ/15/30(H1N1)などのブ
タウィルス、及びA/マガモ/ニューヨーク/6750/78(H2N2)及び
A/ニワトリ/香港/258/97(H5N1)などの鳥ウィルスがあるが、こ
れらに限定されることはない。本発明のリアソータントウィルスは、その結果得
られるリアソータントインフルエンザウィルスが供与ウィルスの少なくとも1つ
の識別表現型を有する限り、供与及び受容遺伝子分節の任意の組み合わせを含ん
でもよい。
ィルスである。このウィルスの6つの「内部遺伝子分節」、すなわち、NP、P
B2、PB1、PA、M及びNS遺伝子を持つ分節は、供与低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスに由来し、また、このウィルスの2つの「外部遺伝子分節」
、すなわち、HA及びNA遺伝子を持つ分節は、受容インフルエンザA型ウィル
スに由来する。このようにして作製されたウィルスは、供与低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスの弱毒性、低温適応性、温度感受性、及び/又は優性干渉性
表現型を有するが、受容株の抗原性は有しない。
ルスを、組換え手段により作製してもよい。この方法では、識別された低温適応
性、弱毒性、温度感受性または優性干渉性表現型に関連する1つまたはそれ以上
の特異的突然変異を同定し、リバース遺伝工学的方法を用いて野生型ウマインフ
ルエンザウィルス株に再導入する。リバース遺伝工学的方法では、インフルエン
ザウィルスに感染した細胞から分離したRNAポリメラーゼ複合体を使用して、
当該変異を有する人工インフルエンザウィルスゲノム分節を転写し、この合成さ
れたRNA分節を、ヘルパーウィルスを用いてウィルス粒子内に組み込み、所望
の変化を含むウィルスを選別する。インフルエンザウィルスへのリバース遺伝工
学的方法の使用は、例えば、Enami, et al., 1990, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. 87, 3802−3805及び
1996年11月26日に発行された、Palese, et al.による米
国特許5,578,473に述べられている。この方法を用いて、当業者は、冗
長な低温適応工程を経ることなく、また、所望のウィルス表現型を有する突然変
異体を、インヴィトロおよびインヴィヴォの両方で選別する工程を経ることなく
、本発明の別の低温適応性ウマインフルエンザウィルスを作製できる。
ウィルス学的方法を用いて増殖させてもよい。そのような方法の例をここに開示
する。例えば、低温適応性ウマインフルエンザウィルスを、ふ化鶏卵中で生育さ
せてもよいし、真核性組織培養細胞中で生育させてもよい。本発明の低温適応性
ウマインフルエンザウィルスがその中で生育可能な、好適な無限継代真核細胞株
は、インフルエンザウィルスの生育を補助する、例えばMDCK細胞などの細胞
株を含む。本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスがその中で生育可能
な、他の好適な細胞には、サル、子ウシ、ハムスターまたはニワトリの初代腎臓
細胞があるが、これらに限定されることはない。
から動物を保護するための治療用組成を提供する。この治療用組成は、低温適応
性ウマインフルエンザウィルスまたは低温適応により作製されたウマインフルエ
ンザウィルスの少なくとも1つのゲノム分節を有するリアソータントインフルエ
ンザA型ウィルスのいずれかを含む。このウマインフルエンザウィルスのゲノム
分節は、低温適応性ウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つの識別表現型
を付与する。さらに、本発明の治療用組成は、本発明の低温適応性ウマインフル
エンザウィルスのある識別表現型を付与することが識別されている1つまたはそ
れ以上の突然変異を有するように遺伝子操作されたウマインフルエンザウィルス
を含んでもよい。ここで使用される「インフルエンザA型ウィルスに起因する疾
患」という語句は、ビルレントインフルエンザA型ウィルスに感染している動物
に観察される臨床症状に関する。そのような臨床症状の例には、発熱、くしゃみ
、咳、鼻汁、水疱音、食欲減退および抑うつがあるが、これらに限定されること
はない。さらに、「インフルエンザA型ウィルスに起因する疾患」は、ここでは
、感染した動物によるビルレントウィルスの放散を包含するものとして定義され
る。ある動物に観察される臨床症状と、ビルレントウマインフルエンザウィルス
による感染との関連は、その動物中のウマインフルエンザウィルスに対する特定
の抗体及び/又はT細胞応答の検出を含めた複数の方法で確認してもよい。好適
には、ある動物に観察される臨床症状と、ビルレントウマインフルエンザウィル
スによる感染との関連を、例えば、感染した動物の鼻咽頭腔から、ウィルスを含
有する分泌物を綿棒で採取して、感染した動物からウィルスを分離することによ
り確認する。ウィルス分離は、分離された分泌物を接種した組織培養細胞中の細
胞変性効果を検出するか、分離された分泌物をふ化鶏卵内に接種し、そこで、接
種された卵から採取したAFの持つ、インフルエンザウィルスのヘマグルチニン
タンパク質の存在を示唆する赤血球凝集能力から、ウィルス複製を検出するか、
または、例えば、Directigen(登録商標) FLU Aテストなどの
、一般に利用可能な診断テストを行うことにより、確認される。
ンザA型ウィルス感染の防止または治療を含む。従って、本発明の治療用組成を
、例えば予防接種ワクチンとして、被験動物が当該ビルレントウィルスに曝され
る以前のある時点で、その動物に投与し、その動物をインフルエンザ疾患から保
護するために使用してもよい。
本発明の治療用組成を、ビルレントインフルエンザA型ウィルスに最近感染した
、または今後数日以内にそのようなウィルスに曝される可能性のある動物を保護
するために使用してもよい。この場合、この治療用組成は、動物がそのビルレン
トウィルスに対する抗体を産生する以前に、そのビルレントウィルスの生育を迅
速に阻害する。優性干渉性表現型を有する低温適応性ウマインフルエンザウィル
スを含有する治療用組成を、今後予想される曝露の前に、本発明の低温適応性ウ
マインフルエンザウィルスが、治療される動物の上気道で複製を行うおおよその
期間、例えば約7日間まで、に相当する期間、効果的に投与してもよい。優性干
渉性表現型を有する低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含有する治療用組
成を、ビルレントウマインフルエンザウィルスに曝された後に、感染した動物が
疾患症状を呈示するのに必要な期間、例えば約2日間まで、に相当する期間、効
果的に投与してもよい。
水生鳥類、家禽、闘鶏、アザラシ、ミンク、クジラなどの、インフルエンザウィ
ルス疾患感受性の任意の動物に投与可能である。より好適には、本発明の治療用
組成は、ウマインフルエンザウィルス疾患から保護するために、ウマに投与され
る。
ワクチンは、子馬の保護には有効ではないが、それはおそらく、これらのワクチ
ンは、子馬の体内に存在する母親の抗体を克服することができないためであり、
このため、多くの場合、例えば生後3ヶ月などの若齢でのワクチン投与は、免疫
性よりもむしろ薬剤耐性に結びつくおそれがある。一実施例においては、既存の
ウマインフルエンザウィルスワクチンとは異なり、本発明の低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスを含有する治療用組成は、明らかに若齢の動物に免疫性を付
与することが可能である。従って、本発明の治療用組成を、生後約3ヶ月程度の
子馬に、薬剤耐性を誘発することなくウマインフルエンザ疾患から保護するため
に、安全かつ効果的に投与することが可能である。
、本発明の1つまたはそれ以上の低温適応性ウマインフルエンザウィルス、1つ
またはそれ以上のリアソータントインフルエンザA型ウィルス、及び/又は、本
発明の1つまたはそれ以上の遺伝子組換えされたウマインフルエンザウィルスの
組み合わせを提供することにより、ある動物を1つまたはそれ以上のインフルエ
ンザA型ウィルス株から保護してもよい。多価性治療用組成は、例えば、A/ウ
マ/ケンタッキー/1/91(H1N8)のような北米亜型−2ウィルス分離株
とA/ウマ/サフォーク/89(H3N8)のようなユーラシア亜型−2ウィル
ス分離株、または、1つまたはそれ以上の亜型−2ウィルス分離株とA/ウマ/
プラハ/1/56(H7N7)のような1つの亜型−1ウィルス分離株に抗する
、少なくとも2つの低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含んでもよい。同
様に、本発明の多価性治療用組成は、本発明の低温適応性ウマインフルエンザウ
ィルスとリアソータントインフルエンザA型ウィルス、または、本発明の2つの
リアソータントインフルエンザA型ウィルスを含んでもよい。本発明の多価性治
療用組成は、インフルエンザA型ウィルスに加えて、1つまたはそれ以上の他の
感染因子からも保護するための1つまたはそれ以上の製剤をさらに含んでもよい
。そのような別の感染因子には、ウィルス類、細菌類、真菌類及び真菌類微生物
類、及び寄生虫類があるが、これらに限定されることはない。好適な多価性治療
用組成には、本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルス、リアソータント
インフルエンザA型ウィルス、または遺伝子組換えウマインフルエンザウィルス
と、ウマを罹患させる1つまたはそれ以上の感染因子から防御するための1つま
たはそれ以上の組成との組み合わせがあるが、これらに限定されることはない。
対抗すべき好適な感染因子には、ウマ感染性貧血症ウィルス、ウマヘルペスウィ
ルス、東部、西部、またはベネズエラウマ脳炎ウィルス、破傷風、ストレプトコ
ッカス−エクイ、及びEhrlichia resticiiがあるが、これら
に限定されることはない。
もよい。そのような賦形剤の例として、水、生理食塩水、リンゲル液、ブドウ糖
液、ハンクス液、及びその他の生理的平衡食塩水がある。賦形剤はまた、等張性
及び、化学的または生物学的安定性を増強する物質のような微量の添加物も含有
してもよい。バッファの例には、リン酸バッファ、重炭酸バッファおよびトリス
バッファがあり、安定化剤の例には、アイオワ州デモイン、ダイアモンド・アニ
マル・ヘルス社より入手可能なA1/A2安定化剤がある。標準的な製剤は、動
物へ投与するための懸濁液または溶液に適した液体中に溶解可能な、液体または
固体のいずれでもよい。一実施例においては、非液体製剤は、投与の前に滅菌水
または生理食塩水を加えることの可能な食塩、バッファ、安定化剤などの添加剤
を含有してもよい。
してもよい。典型的なアジュバントは、特定の抗原に対する動物の免疫反応を増
強する物質であり、また、担体は、治療される動物の体内での治療用組成の半減
期を延ばす化合物を含む。本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスまた
はリアソータントインフルエンザA型ウィルスを含有する治療用組成の利点の一
つは、有効なワクチンの調製にアジュバント及び担体を必要としないことである
。さらに、当業者に公知の多くの場合において、アジュバントまたは担体の使用
が、本発明の治療用組成の利点を妨げることがあるかもしれない。しかし、本発
明はアジュバントまたは担体の使用を予め排除するものではないことに留意すべ
きである。
る動物を保護するのに十分な量の低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含む
。一実施例においては、本発明の治療用組成は、50%組織培養感染価(TCI
D50)約105単位から約108単位の低温適応性ウマインフルエンザウィル
スを含んでもよい。ここで使用される「TCID50単位」とは、感染した培養
細胞の50%に細胞変性効果を及ぼすウィルス量である。TCID50を測定及
び算出する方法は、当業者に周知であり、例えば、Reed and Muen
ch, 1938, Am. J. of Hyg. 27, 493−497
に記載されている。本発明の好適な治療用組成は、本発明の低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスまたはリアソータントインフルエンザA型ウィルスを、約1
06TCID50単位から約107TCID50単位含有し、より好適には、本
発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルスまたはリアソータントインフルエ
ンザA型ウィルスを、約2×106TCID50単位含有している。
ザA型ウィルスに起因する疾患から保護するための方法も含む。好適な方法は、
ウマ科動物をウマインフルエンザウィルスに起因する疾患から保護するための方
法であり、これらの方法は、そのウマ科動物への低温適応性ウマインフルエンザ
ウィルスの投与を含む。効果的な方法で治療用組成を投与するための容認可能な
プロトコルは、個別の投与量、投与回数、投与頻度及び投与方式を含む。これら
のプロトコルの決定は当業者によってなされ、ここにその例を開示する。
めの好適な方法は、本発明の低温適応性ウマインフルエンザウィルス、リアソー
タントインフルエンザウィルスまたは遺伝子組換えウマインフルエンザウィルス
を含有する治療用組成を1回量投与することを含む。好適な1回量は、適切な間
隔で1回またはそれ以上の回数投与した時に、動物を疾患から保護することの可
能な投与量である。本発明の方法は、治療用組成の後続的、またはブースター投
与も含んでもよい。ブースター投与は、最初の投与後約2週間から約2年間行わ
れてもよい。ブースター投与は、その動物の免疫反応が、その動物を疾患から保
護するのに不十分となった時に行われることが望ましい。適切かつ好適な投与ス
ケジュールを、例の項に記載する。
って複製を行うような様々な手段を用いて、その動物に投与してもよい。そのよ
うな手段には、経鼻投与、経口投与及び眼内投与があるが、これらに限定される
ことはない。インフルエンザウィルスは、元来、上気道の粘膜に感染するので、
本発明の治療用組成を、経鼻投与により投与することが望ましい。そのような投
与は、カニューレを装着した注射器を用いて、または、ワクチン投与される動物
の鼻と口とに装着した噴霧器を用いて行ってもよい。
の治療用組成の有効性について、様々な方法で検査を行ってもよい。そのような
方法には、例えば赤血球凝集抑制(HAI)検査による抗体の検査、治療される
動物の細胞免疫の検査、または、治療される動物について、ビルレントインフル
エンザウィルスを用いて誘発試験を行い、その治療される動物が罹患に対する抵
抗性を持つかどうかを調べること、があるが、これらに限定されることはない。
さらに、ビルレントな野生型ウマインフルエンザウィルスを過去に接種された、
または接種感受性の動物の疾患症状を緩和または減退させる優性干渉性表現型を
有する低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含有する本発明の治療用組成の
有効性を、治療される動物の疾患症状の減退または消失について判別することに
により検査してもよい。
調製する好適な方法を以下に開示する。本発明の治療用組成の1類型、すなわち
低温適応性ウマインフルエンザウィルスの調製に関する適切な工程は、(a)野
生型ウマインフルエンザウィルスを、例えばふ化鶏卵内などのインヴィトロで継
代培養することと、(b)低温で生育するウィルスを選別することと、(c)継
代培養および選別工程を、1回またはそれ以上の回数、温度を順次低下させなが
ら繰り返し、ウィルスが所望の低温で安定して生育するようなウィルス個体数を
選択することと、(d)得られたウィルス製剤を適切な賦形剤と混合することと
、を含む。
フルエンザウィルスの少なくとも1つのゲノム分節を有するリアソータントイン
フルエンザウィルスを調製する適切な工程は、次の工程を含む:(a)好適には
弱毒性、温度感受性または優性干渉性の表現型も有する供与低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスのゲノム分節を、受容インフルエンザA型ウィルスのゲノム
分節と混合することと、(b)供与ウマインフルエンザウィルスの少なくとも1
つの認識表現型を有するリアソータントウィルスを選別すること。選別を行うた
めの認識表現型は、弱毒性、低温適応性、温度感受性及び優性干渉性を含む。こ
れらの表現型を判別する方法は、当業者に周知であり、それらをここに開示する
。少なくとも弱毒性の表現型を持つウィルスについて判別検査を行うことが望ま
しい。
ノム分節を有するリアソータントインフルエンザA型ウィルスを、この方法を用
いて作製する時、選別されるリアソータントウィルスの1類型は、「6+2」リ
アソータントである。このウィルスの6つの「内部遺伝子分節」、すなわち、N
P、PB2、PB1、PA、M及びNS遺伝子をコードする分節は、供与低温適
応性ウマインフルエンザウィルスのゲノムに由来し、また、2つの「外部遺伝子
分節」、すなわち、HA及びNA遺伝子をコードする分節は、受容インフルエン
ザA型ウィルスに由来する。このようにして作製されたウィルスは、供与低温適
応性ウマインフルエンザウィルスの低温適応性、弱毒性、温度感受性及び/又は
干渉性表現型を有するが、受容株の抗原性は有しない。
1/91(H3N8)及び低温適応性ウマインフルエンザウィルスEIV−P8
21から分離された核酸分子を含む。
ち、人間により操作されてきた)核酸分子であり、DNA、RNA、または、D
NAまたはRNAのいずれかの誘導体であってもよい。従って、「分離された」
という用語は、核酸分子が精製されている程度を反映するものではない。
ードする核酸分子を含む。本発明の核酸分子を、当業者に周知の方法で作製して
もよい。本発明のタンパク質を、当業者に周知の方法、すなわち、組換えDNA
技術により作製してもよい。好適な核酸分子は、核酸配列SEQ ID NO:
1, SEQ ID NO:3, SEQ ID NO:4, SEQ ID NO:6, SEQ ID NO:7, SEQ ID NO:9, SEQ ID NO:10, SEQ ID NO:12, SEQ ID NO:13
, SEQ ID NO:15, SEQ ID NO:16, SEQ ID NO:18, SEQ ID NO:19, SEQ ID NO:21, SEQ ID NO:22, SEQ ID NO:23, SEQ ID N
O:25及び/又はそれらの相補体を含むコドン鎖を有する。相補体は、核酸の
2本の一本鎖であり、そのヌクレオチド配列が全長にわたって塩基対合すること
によりハイブリッドを形成するようなものとして定義される。ヌクレオチド配列
が分かれば、当業者はその相補体を導き出すことが可能である。
又はneica2M756であり、それらのコドン鎖は、SEQ ID NO:
1, SEQ ID NO:3, SEQ ID NO:4及び/又はSEQ ID NO:6で表される。
Q ID NO:9, SEQ ID NO:10及び/又はSEQ ID N
O:12で表される。
eiwtPB2−N1241, neiwtPB2−N1214, neica 1 PB2−N1241 neica2PB2−N1241, neica1PB
2−N1214 neica2及び/又はPB2−N1214であり、それらの
コドン鎖は、SEQ ID NO:13, SEQ ID NO:15, SE
Q ID NO:16及び/又はSEQ ID NO:18で表される。
eiwt1PB2−C1233, neiwt2PB2−C1232, nei wt PB2−C1194, neica1PB2−C1232, neica2 PB2−C1231及び/又はneica1PB2−C1194であり、それら
のコドン鎖は、SEQ ID NO:19, SEQ ID NO:22, S
EQ ID NO:21, SEQ ID NO:23及び/又はSEQ ID
NO:25で表される。
分子とを含む。
neiwt1M1023, neiwt2M1023, neiwtM756 , neiwt1M756, neiwt2M756, neica1M102 3 , neica2M1023, neica1M756及び/又はneica 2 M756を有する核酸分子によりコードされるタンパク質を含む。好適なウマ
インフルエンザMタンパク質は、PeiwtM252, Peica1M252 及び/又はPeica2M252である。一実施例においては、本発明の好適な
ウマインフルエンザMタンパク質は、SEQ ID NO:1, SEQ ID
NO:3, SEQ ID NO:4及び/又はSEQ ID NO:6によ
りコードされ、従って、SEQ ID NO:2及び/又はSEQ ID NO
:5を含むアミノ酸配列を有する。
エンザHAタンパク質は、P PeiwtHA565, Peica1HA56 5 及び/又はPeica2HA565である。一実施例においては、本発明の好
適なウマインフルエンザHAタンパク質は、SEQ ID NO:7, SEQ
ID NO:9, SEQ ID NO:10及び/又はSEQ ID NO
:12によりコードされ、従って、SEQ ID NO:8及び/又はSEQ ID NO:11を含むアミノ酸配列を有する。
2−N1241, neiwtPB2−N1214, neica1PB2−N 1241 neica2PB2−N1241, neica1PB2−N121 4 neica2及び/又はPB2−N1214を有する核酸分子によりコード
されるタンパク質を含む。好適なウマインフルエンザPB2−Nタンパク質は、
PwtPB2−N404, Pca1PB2−N404及び/又はPca2PB
2−N404である。一実施例においては、本発明の好適なウマインフルエンザ
PB2−Nタンパク質は、SEQ ID NO:13, SEQ ID NO:
15, SEQ ID NO:16及び/又はSEQ ID NO:18により
コードされ、従って、SEQ ID NO:14及び/又はSEQ ID NO
:17を含むアミノ酸配列を有する。
B2−C1233, neiwt2PB2−C1232, neiwtPB2−
C1194, neica1PB2−C1232, neica2PB2−C1 231 及び/又はneica1PB2−C1194を有する核酸分子によりコー
ドされるタンパク質を含む。好適なウマインフルエンザPB2−Nタンパク質は
、 PwtPB2−C398, Pca1PB2−C398及び/又はPca2 PB2−C398である。一実施例においては、本発明の好適なウマインフルエ
ンザPB2−Cタンパク質は、SEQ ID NO:19, SEQ ID N
O:22, SEQ ID NO:21, SEQ ID NO:23及び/又
はSEQ ID NO:25によりコードされ、従って、SEQ ID NO:
20及び/又はSEQ ID NO:24を含むアミノ酸配列を有する。
eiwt2M1023として表される、PCR増幅された核酸分子のコドン鎖か
ら導き出されたコンセンサス配列を表し、その製法については例の項で開示する
。核酸配列SEQ ID NO:4 は、ここでneica1M1023及びn
eica2M1023として表される、PCR増幅された核酸分子のコドン鎖か
ら導き出された配列を表し、その製法については例の項で開示する。核酸配列S
EQ ID NO:7は、ここでneiwtHA1762として表される、PC
R増幅された核酸分子のコドン鎖から導き出された配列を表し、その製法につい
ては例の項で開示する。核酸配列SEQ ID NO:10は、ここでneic a1 HA1762及びneica2HA1762として表される、PCR増幅さ
れた核酸分子のコドン鎖から導き出された配列を表し、その製法については例の
項で開示する。核酸配列SEQ ID NO:13 は、ここでneiwtPB
2−N1241として表される、PCR増幅された核酸分子のコドン鎖から導き
出された配列を表し、その製法については例の項で開示する。核酸分子SEQ ID NO:16 は、ここでneica1PB2−N1241及びneica 2 PB2−N1241として表される、PCR増幅された核酸分子のコドン鎖か
ら導き出された配列を表し、その製法については例の項で開示する。核酸配列S
EQ ID NO:19は、ここでneiwt1PB2−C1233として表さ
れる。PCR増幅された核酸分子のコドン鎖から導き出された配列を表し、その
製法については例の項で開示する。核酸配列SEQ ID NO:22は、ここ
でneiwt2PB2−C1232として表される、PCR増幅された核酸分子
のコドン鎖から導き出された配列を表し、その製法については例の項で開示する
。核酸配列SEQ ID NO:23は、ここでneica1PB2−C123 2 として表される、PCR増幅された核酸分子のコドン鎖から導き出された配列
を表し、その製法については例の項で開示する。さらなる核酸分子、核酸配列、
タンパク質及びアミノ酸配列については、例の項で説明する。
をコードする低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含有する核酸分子を含む
。本発明の別の一実施例は、SEQ ID NO:11を持つアミノ酸配列を有
するHAタンパク質をコードする低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含有
する核酸分子を含む。本発明の別の一実施例は、SEQ ID NO:17を持
つアミノ酸配列を有するPB2−Nタンパク質をコードする低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスを含有する核酸分子を含む。本発明の別の一実施例は、SE
Q ID NO:24を持つアミノ酸配列を有するPB2−Cタンパク質をコー
ドする低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含有する核酸分子を含む。
配列及びアミノ酸配列は、それぞれ、本発明の核酸分子の見かけの核酸配列と、
本発明の見かけのM, HA, 及びPB2−N, 及びPB2−Cタンパク質
をそれぞれ表すことに留意されたい。
, PB2−C, PB2タンパク質と選択的に結合する抗体である。本発明の
別の一実施例は、本発明の低温適応性ウィルスM, HA, PB2−N, P
B2−C, PB2と選択的に結合する抗体である。好適な抗体は、SEQ I
D NO:2, SEQ ID NO:5, SEQ ID NO:8, SE
Q ID NO:11, SEQ ID NO:14, SEQ ID NO:
17, SEQ ID NO:20 及び/又はSEQ ID NO:24と選
択的に結合する。
としては意図されていない。
現型の特徴を説くものである。
N8) (ケンタッキー州レキシントン、ケンタッキー大学、トム・チャンバ
ーズより入手)を、外来宿主種、すなわち、ふ化鶏卵中で、次の方法で低温適応
させた。例えば、メリーランド州チェスタータウン、トラスロー・ファームまた
アイオワ州アデル、ハイバック社より入手可能な、ふ化後10日目または11日
目の鶏卵の殻に穿孔した小さな孔を介して、尿膜腔内に、約106プラーク形成
単位(pfu)の親ウマインフルエンザウィルスを含有する約0.1ミリリット
ル(ml)の非希釈AFを注射することにより、このウィルスを接種した。これ
らの孔を、マニキュア液で密封した後、これらの卵を、加湿したインキュベータ
内で、適切な温度で3日間インキュベートした。インキュベート後、これらの卵
を検卵し、無生育性の卵をすべて廃棄した。卵殻の一部を無菌的に除去し、滅菌
ピンセットで尿漿膜(CAM) を剥がし、AFを滅菌ピペットで取り出して、
生育可能な胚からAFを回収した。回収したAFを、次の継代培養まで冷凍した
。次に、このAFを、未希釈の状態で、または表1に示したように、リン酸緩衝
生理食塩水(PBS)で1000倍に希釈して使用し、2回目以降の継代培養に
用いる新たな卵をインキュベートした。合計69回の継代培養を行った。初期の
継代培養は、約34℃(継代1−2回目)または約30℃で行い、それ以降の継
代培養では、培養温度を約28℃または約26℃に低下させた。安定した弱毒性
のウィルスの所望の表現型の選択の可能性を高めるため、表1に示すように、初
回の連続継代を、連続継代培養ツリーの5つの異なる枝、AからEまでに展開し
た。
、すなわち、当該低温適応ウィルスが比較的低温または許容温度(例えば約34
℃)では生育するが、比較的高温または非許容温度(例えば約37℃)ではプラ
ークを形成しないような表現型について、下記のように検査を行った。低温適応
継代培養の各回に、AFをプラークアッセイで約34℃で力価測定した。アッセ
イを行った個々のプラークのプラーク領域を周期的に切り出し、切り出した寒天
培地を、MDCK細胞の単層を含有する96ウェルのトレイに置いて、当該プラ
ークをクローン分離した。この96ウェル・トレイを一晩インキュベートし、そ
の産物の温度感受性を、約34℃及び約39℃でインキュベートした複製96ウ
ェル・トレイで、CPEアッセイによりアッセイした。このアッセイにより温度
感受性変異体であるとして判別されたクローンのパーセント、すなわち、34℃
では生育するが39℃では生育しないウィルス性のプラークの数を、プラークの
総数で割ったものを算出し、図2に示す。次に、温度感受性分離株の非許容温度
でのタンパク合成について、放射線標識されたウィルス合成タンパク質をSDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)で視覚化することによ
り、測定した。
る検査に使用した。表1に示すように、クローンEIV−P821を枝Bの継代
49回目から選択し、また、クローンEIV−P824を枝Cの継代48回目か
ら選択した。これらのウィルス分離株は、両方とも温度感受性であり、どちらの
分離株のプラーク形成も、温度約39℃で阻害された。この温度では、タンパク
質合成はEIV−P821では完全に阻害されたが、EIV−P824は通常の
レベルのタンパク質合成を示した。加えて、EIV−P821のプラーク形成は
、温度約37℃で阻害され、また、この温度では、後期遺伝子発現が阻害された
。すなわち、NPタンパク質合成は通常レベルであり、M1またはHAタンパク
質の合成は少ないか全く行われず、ポリメラーゼタンパク質の合成レベルは高か
った。ウィルス特異的なタンパク質合成を特徴とする、37℃で観察された表現
型は、すべてのウィルスタンパク質合成の阻害を特徴とする、39℃で観察され
た表現型とは異なる。ウィルスEIV−P821は、アメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクション(ATCC)に、受託番号ATCC VR−_____で
寄託され、また、ウィルスEIV−P824は、ATCCに受託番号ATCC
VR−_____で寄託されている。
分析により、次のように明らかにした。インフルエンザウィルスのリアソートメ
ント分析により、当業者は、いくつかの条件下で、任意のウィルスの表現型と、
あるインフルエンザA型ウィルスゲノムを有する8つのRNA分節の複数に発生
していると推定される突然変異とを関連づけることができる。この技術は、例え
ばPalese, et al., 同上、に説明されている。EIV−P82
1と、鳥類インフルエンザウィルス、A/マガモ/ニューヨーク/6750/7
8との混合感染を、次のように行った。MDCK細胞とEIV−P821との共
感染を、感染多重度(MOI)2pfu/細胞で、また、MDCK細胞とA/マ
ガモ/ニューヨーク/6750/78との共感染を、MOI2、5、または10
pfu/細胞で行った。感染した細胞を、温度約34℃でインキュベートした。
これら様々な共感染の産物を力価測定し、個々のプラークを約34℃で分離した
。そして、その結果得られたクローン分離株について、約39℃及び約37℃で
生育できるか否か、また、約39℃、約37℃及び約34℃で遺伝子発現、すな
わち、ウィルスタンパク質の合成ができるか否かを調べた。タンパク質の合成を
、放射線標識された感染細胞の溶解産物のSDS−PAGE分析により評価した
。これら2つの親ウィルスのHA、NP及びNS−1タンパク質は、それぞれ分
離ゲノム分節でコードされ、SDS−PAGE分析で区別可能である。なぜなら
、これらの各ウィルスタンパク質は、ウマまたは鳥類インフルエンザウィルスの
いずれかに由来し、異なる見掛け分子量で移動するからである。このような方法
で、少なくともHA、NP及びNS−1遺伝子については、親ウィルスの温度感
受性表現型やタンパク質合成表現型などのいくつかの表現型が、これらの遺伝子
を有するゲノム分節と共分離するか否かを調べることができる。EIV−P82
1の HA、NP及びNS−1タンパク質のそれぞれについて、a)非許容温度
約39℃でのプラーク形成を阻害する、すなわち、CPEを誘発する突然変異、
またはb)非許容温度約39℃でのタンパク質合成を阻害する突然変異の共分離
を、リアソートメント分析により調べ、その結果を表3及び表4にそれぞれ示す
。
ラーク形成を阻害する突然変異との関連性が示された。しかし、HA、NPまた
はNS−1遺伝子のいずれについても、非許容温度約39℃でEIV−P821
のウィルスタンパク質発現を阻害する突然変異との関連性は示されなかった。従
って、これらのデータは、ウィルスEIV−P821のプラーク形成表現型とタ
ンパク質合成表現型とが、異なる突然変異の結果であることも示した。
つか否か、すなわち、野生型親ウィルスA/ケンタッキー/1/91(H3N8
)との混合感染の場合にこれらのウィルスを抑制するか否か.についても研究を
行った。ウィルスEIV−P821及びEIV−P824の優性干渉性表現型を
、次の方法で測定した。MDCK細胞の分離単層を、親ウィルスA/ケンタッキ
ー/1/91(H3N8)にMOI2で単感染させるか、低温適応性ウィルスE
IV−P821またはEIV−P824のいずれかにMOI2で単感染させるか
、又は、これら親ウィルスと、低温適応性ウィルスの1つとにMOI2+2で同
時に二重感染させた。このときの温度はいずれの場合も約34℃であった。感染
後24時間で、培養株から培地を採取し、これらの様々な感染細胞からのウィル
ス産生を測定した。測定は、温度約34℃及び約39℃の複製プラークアッセイ
で行った。このアッセイでは、低温適応性ウマインフルエンザウィルスEIV−
P821またはEIV−P824が温度感受性であり、従って、非許容温度約3
9℃ではプラークを形成できないが、親ウィルスはいずれの温度でもプラークを
形成できるため、これら低温適応性ウィルスの存在下でも親ウィルスの生育を測
定できるという事実を利用した。具体的には、これらの低温適応性ウィルスがこ
の親ウィルスの生育に及ぼす優性干渉作用を、約39℃で親ウィルスに単感染さ
せた細胞のウィルス産出量と、二重感染させた細胞の親ウィルス産出量とを比較
することにより、定量した。EIV−P821は、混合感染で、親ウィルスの産
出量をおよそ200分の1まで減少させることができ、また、EIV−P824
は、混合感染で、親ウィルスの産出量をおよそ3200分の1まで減少させるこ
とができた。従って、このアッセイは、低温適応性ウマインフルエンザウィルス
EIV−P821及びEIV−P824が、両方とも優性干渉性表現型を発揮す
ることを示した。
誘導した。EIV−P821を、上述の方法で卵内で1回継代培養し、ここでE
IV−MSV0として表されるマスター・シード・ウィルス分離株を作製した。
次に、EIV−MSV0を、卵内でさらに3回継代培養し、各回の終了毎に得ら
れたウィルス分離株を、それぞれEIV−MSV+1、EIV−MSV+2、E
IV−MSV+3とした。EIV−MSV+3を、次の方法で、MDCK細胞内
でさらに2回継代培養した。MDCK細胞を、150cm2の組織培養フラスコ
中で、子ウシ血清を10%含むハンクス液のMEM組織培養培地で生育させた。
次に、細胞を滅菌PBSで洗浄し、生育培地を、フラスコ当たり約8mlの感染
培地(ハンクス液、1μg/mlのTPCKトリプシン溶液、0.125%のウ
シ血清アルブミン(BSA)及び10mMのHEPESバッファからなるMEM
組織培養培地)と取り替えた。MDCK細胞に、ウィルスEIV−MSV+3(
MDCK細胞の継代培養1回目)またはEIV−MSV+3(MDCK細胞の継
代培養2回目)から採取したウィルスストックを含有するAFを接種し、これら
のウィルスを約34℃で1時間吸収させた。接種物を細胞単層から取り除いた後
、細胞を再度PBSで洗浄し、フラスコ当たり約100mlの感染培地を加えた
。感染した細胞を、約34℃で24時間インキュベートした。フラスコを強く揺
すって細胞単層を破砕することにより、ウィルス感染したMDCK細胞を採集し
、ウィルス分離株EIV−MSV+4(MDCK細胞の継代培養1回目)及びE
IV−MSV+5(MDCK)細胞の継代培養2回目)を得た。
ンBで述べた方法で分析し、これらのウィルスが温度約34℃、約37℃及び約
39℃でプラーク形成及びタンパク質合成を行う能力を測定した。EIV−MS
V0及びEIV−MSV+5は、いずれも温度約34℃では組織培養細胞内でプ
ラークを形成したが、温度約39℃では、いずれのウィルス分離株も、プラーク
形成または検出可能なウィルスタンパク質合成を行わなかった。ウィルスEIV
−MSV0は、温度約37℃でEIV−P821と類似した温度感受性表現型を
示した。すなわち、プラーク形成の阻害及び後期遺伝子発現の阻害が見られた。
しかし、EIV−MSV+5の場合は、その親ウィルスEIV−P821とは異
なり、温度約37℃で、組織培地内でプラークを形成し、また、この温度で、全
てのタンパク質を通常量合成した。ウィルスEIV−MSV+5は、受託番号A
TCC VR−_____でATCCに寄託されている。
60個のSPFふ化鶏卵を検卵し、無生育卵を廃棄した。ストックウィルスを、
滅菌PBSで、約1.0×105pfu/mlに希釈した。ウィルスを、例1A
で説明した方法で、卵の尿膜腔に接種した。加湿したインキュベータで、温度約
34℃で3日間インキュベートした後に、例1Aで説明した方法で、AFを卵か
ら採取した。採取したAFを、例えばアイオワ州デモイン、ダイアモンド・アニ
マル・ヘルス社より入手可能なA1/A2安定化剤などの安定化剤液と、25%
V/V(安定化剤/AF)で混合した。採取したAFを遠心分離管内でバッチに
して、旋回バケットロータを取り付けたIEC Centra−7R冷却卓上遠
心機中で、10分間、1000rpmで遠心分離して清澄化させた。清澄化した
液体を、1−ml冷凍バイアルに入れ、約−70℃で冷凍した。ウィルスストッ
クを、MDCK細胞中で、約34℃で、CPE及びプラークアッセイにより力価
測定した。
させた。MDCK細胞を、150cm2の組織培養フラスコ中で、子ウシ血清を
10%含むハンクス液のMEM組織培養培地で生育させた。次に、細胞を滅菌P
BSで洗浄し、生育培地を、フラスコ当たり約8mlの感染培地と取り替えた。
MDCK細胞を、ウィルスストックに、細胞当たり約0.5pfuから細胞当た
り約0.005pfuの範囲のMOIで接種し、ウィルスを約34℃で1時間吸
収させた。接種物を細胞単層から取り除いた後、細胞を再度PBSで洗浄し、フ
ラスコ当たり約100mlの感染培地を加えた。感染した細胞を、約34℃で2
4時間インキュベートした。フラスコを強く揺すって細胞単層を破砕することに
より、ウィルス感染したMDCK細胞を採集し、安定化剤をフラスコに25%V
/V(安定化剤/ウィルス溶液)で加えた。上清を無菌的に冷凍バイアルに入れ
て、−70℃で冷凍した。
含む治療用組成を、以下の方法で製剤した。ワクチン接種工程の直前に、以下の
例3−7に記載されているように、EIV−P821又はEIV−MSV+5の
保存バイアルを解凍し、水またはPBSを含む賦形剤、または、0.125%の
ウシ血清アルブミンを含有するハンクス液を加えたMEM組織培養培地(BSA
−MEM溶液)に希釈し、動物への接種のための所望の濃度とした。このワクチ
ン組成を、投与前に氷冷した。全ての治療用組成を、ワクチン接種の直前に、M
DCK細胞で、標準的な方法で力価測定し、また、動物に投与された組成と同一
に処理された一定量の組成を、可能な方法で、ワクチン接種後力価測定し、ウィ
ルスが工程の間生育可能であり続けるようにした。
成の安全性と複製能力とを、ウマインフルエンザウィルスに対する検出可能な免
疫をすでに持っている3頭のウマで次のように検査した。例1で説明した方法で
作製したEIV−P821を、例2Aで説明した方法により卵内で生育させ、こ
れを用いて例2Cに述べた107pfu EIV−P821/2ml BSA−
MEM溶液を含有する治療用組成を調剤した。
)価をすでに持っている3頭の子馬に、EIV−P821を含有する治療用組成
を、次の方法で接種した。各子馬に2−ml量のEIV−P821を、偽鼻孔に
十分に届く長さのブラント・カニューレを嵌めた注射器を用いて、各鼻孔に1m
lずつ経鼻投与した。
、過敏症、または発熱などの即時型アレルギー反応を、ワクチン投与直後約30
分間及び約4時間後に観察した。これらの動物の、惰眠や食欲低下などの遅延型
アレルギー反応を、ワクチン接種後1日目から11日目にわたってさらに観察し
た。この研究では、3頭の子馬のいずれも、ワクチン接種によるアレルギー反応
を示さなかった。
2日前からワクチン接種後11日目まで、毎日ほぼ同じ時刻に観察した。これら
の子馬の鼻汁、眼球分泌物、食欲低下、気質、心拍数、毛細血管レフィル時間、
呼吸数、呼吸困難、肺音、上歯肉上の中毒線の出現及び体温を観察した。加えて
、顎下及び腹壁のリンパ節を触診し、異常を記述した。この研究に使用した3頭
の子馬のいずれも、観察期間中、いかなる異常反応または顕性の臨床症状も示さ
なかった。
3. Chambers, et al., 同上 に記載されている方法で
、ワクチン接種後0日目から11日目にわたって、子馬の鼻咽頭スワブを採取し
た。簡単に言うと、これらの子馬のそれぞれの鼻孔に、2本の滅菌ダクロンポリ
エステルチップアプリケータ(例えばメイン州ギルフォード、ハードウッド・プ
ロダクツ社より入手可能)を同時に挿入した。スワブ(合計4本、各鼻孔毎に2
本)を、5%のグリセロール、ペニシリン、ストレプトマイシン、ネオマイシン
及びゲンタマイシンを含有する生理的pHのPBSからなる冷却輸送培地2.5
mlを入れた15−mlコニカル遠心分離管内に折り入れた。サンプルを湿らせ
た氷上に保持しながら、スワブを無菌的に培地中に絞り出し、鼻咽頭サンプルを
2つのアリコートに分けた。アリコートの1つを使用して、例1に記載の方法で
、ふ化鶏卵接種によるEIVの分離を行った。次に、接種された鶏卵のAFの赤
血球凝集能力を、標準的な方法で検査したところ、当該AF中にウマインフルエ
ンザウィルスの存在が確認された。ワクチン接種後2日目及び3日目に、もう1
つのアリコートを使用して、ベクトン−ディッキンソン社(メリーランド州コッ
キーズヴィル)より入手可能なDirectigen(登録商標)Flu Aテ
ストによるウィルス検査を行った。
た試みは、失敗に終わった。しかし、2日目及び3日目に、検査した全ての動物
がDirectigen Flu Aテストによるウィルス放散検査で陽性を示
した。このことは、EIV−P821が血清陽性の子馬の体内で複製を行うとい
う仮説を裏付けるものである。
を検査するために、ワクチン接種前及び、ワクチン接種後の指定日に当該動物か
ら血液を採取した。血清を分離し、トリプシン/過ヨウ素酸塩またはカオリンの
いずれかで処理し、通常の血清に見られる赤血球凝集反応の非特異インヒビター
を阻害した。新鮮なEIV分離株に抗する血清サンプルの赤血球凝集反応阻害(
HAI)価を、例えば連邦規則コード9の113.2に基づき、U.S.D.A
.国立獣医学実用試験所(National Veterinary Serv
ices Laboratory)提供の「ウマインフルエンザウィルス抗体の
赤血球凝集反応阻害アッセイを行うための補助的アッセイ」(SAM 124)
に記載の標準的な方法で検査した。
21接種後の3頭の動物すべてにおいて、血清HAI価は、初期価に関係なく、
少なくとも4倍に増加した。
が、安全かつ非反応発生性であることを示し、また、これらの動物が、すでに証
明可能な価を持っている場合でも、ウマインフルエンザウィルス抗体価を増加さ
せたことを示している。
する治療用組成の安全性と有効性を評価するための動物研究を開示する。
成を、弱毒性及び、ビルレントウマインフルエンザウィルスの攻撃からウマを保
護する能力について、以下のように検査した。例1に記載の方法で作製されたE
IV−P821を、例2Aに記載の方法で卵内で生育させ、例2Cに記載の方法
で、ウィルス107pfu/水2mlを含有する治療用組成を調製した。8頭の
EIV−血清陰性の子馬を本研究に使用した。これら8頭の子馬のうち3頭に、
例3で記載した方法と同様の方法で、EIV−P821治療用組成を107pf
u含有するワクチンを2−ml経鼻接種した。1頭の子馬にEIV−P821治
療用組成を107pfu経口投与した。投与は、6mlのウィルスを、以下の方
法で細かい霧を発生するようにした10−ml注射器を用いて、咽頭に注入する
ことによりなされた。針を取り付けるための突出した「台(seat)」を、モ
デリング・クレイを用いて密封し、キャップを正しく閉めた。25ゲージの針を
用いて、注射器の底部、すなわち、「台(seat)」の周囲に約10個の孔を
開けた。注射器を歯間隙内に入れ、ウィルスを口の裏側に強制的に注入した。残
り4頭の子馬を、非ワクチン接種対照動物とした。
分間及び約4時間後に観察し、さらに、これらの子馬の遅延型アレルギー反応を
ワクチン接種後1日目から11日目にわたって観察した。ともに例3に記載の方
法で行った。この研究に用いたこれら4頭のワクチン接種された子馬のいずれも
、ワクチン接種による異常な反応を示さなかった。
毎日ほぼ同じ時刻に、これらの子馬の臨床症状を観察した。この研究でワクチン
接種された4頭の子馬のいずれも、観察期間中にいかなる臨床症状も示さなかっ
た。この結果、低温適応性ウマインフルエンザウィルスEIV−P821が弱毒
性表現型を発揮することが立証された。
0日目から11日目にわたって、例3に記載の方法で、鼻咽頭スワブをこれらの
子馬から採取した。例3に記載の方法で、この鼻咽頭サンプルのウィルスを、ふ
化鶏卵中で検査した。
から分離された。しかし、例3で述べたように、この方法でウィルスが分離され
なかったことにより、ウィルスの複製の事実が否定されるわけではない。なぜな
ら、より感度の高い、例えばDirectigen Flu Aテストのような
方法では、複製が検出されるかもしれないからである。
体価を測定するために、ワクチン接種前及びワクチン接種後7日目、14日目、
21日目及び28日目に、これらの動物から血液を採取した。例3に記載の方法
に基づき、血清サンプルを分離し、新鮮なEIV分離株に対する赤血球凝集阻害
(HAI)価を測定した。
が、それとは異なり、この例の研究で用いられた動物では、EIV−P821ワ
クチン接種後、HAI価の著しい増加、すなわち、4倍を超える増加は観察され
なかった。
ワクチン接種された4頭と非ワクチン接種対照動物である4頭とに、以下の処置
を施した。1頭毎に、ビルレントウマインフルエンザウィルス株A/ウマ/ケン
タッキー/1/91 (H3N8)107pfuを水5mlに懸濁した。マスク
をネブライザに接続し、このマスクを、これらの動物の鼻孔を含めた鼻鏡部に被
せた。5mlを1頭毎に噴霧した。このとき、5ml全部を噴霧するのに5−1
0分かかるように調節した。処置の3日前及び処置後11日間の毎日、例3に記
載した方法で臨床観察を行った。
I価に著しい増加が見られなかったという事実にもかかわらず、ワクチン接種さ
れた4頭の動物はすべて、ウマインフルエンザウィルスの攻撃から保護された。
ワクチン接種された動物はいずれも顕性の臨床症状を示さなかった。ただし、そ
のうち1頭に微弱な喘鳴が2日間見られた。一方、ワクチン接種されたかった4
頭はいずれもウィルスを放散し、ウマインフルエンザウィルス感染に特有の臨床
症状及び発熱を示した。従って、この例は、本発明の治療用組成が、ウマをウマ
インフルエンザ疾患から保護可能であることを実証している。
する治療用組成の弱毒性と、ワクチン接種されたウマを、その後のビルレントウ
マインフルエンザウィルスの攻撃から保護する能力とを評価するためのさらなる
動物研究を開示する。さらに、この研究では、運動ストレスがこの治療用組成の
安全性と有効性に及ぼす効果についても評価した。
成の安全性と有効性とを、ウマを用いて次のように検査した。例1に記載の方法
で作製したEIV−P821を、例2Aに記載の方法で卵内で生育させ、例2C
に記載した方法で、ウィルス107pfu/水5mlを含有する治療用組成を調
製した。この研究では、15頭の子馬を使用した。これらの子馬を、表8に示す
ように、それぞれ5頭からなる3つのグループに無作為に分けた。そのうち2つ
のグループにはワクチンを接種し、1つのグループは非接種対照グループとした
。グループ2の子馬には、ワクチン接種前に運動ストレスを与えたが、接種グル
ープ1の子馬は厩舎に留置した。
た。これらの子馬に、トレッドミルを歩行のみで6時間使用させ、慣れさせた。
実際の運動負荷ストレス試験では、ワクチン接種の4日前からワクチン接種当日
(ワクチン接種直前)まで、毎日運動させた。トレッドミル運動の内容を表9に
示す。
IV−P821を107pfu含有する治療用組成を投与した。この研究でワク
チン接種した子馬のいずれも、このワクチン接種による即時型または遅延型アレ
ルギー反応を示さなかった。
ン接種後11日目までの毎日、ほぼ同じ時刻に観察した。この研究でワクチン接
種した子馬のいずれも、観察期間中に顕性の臨床症状を示さなかった。
ワクチン接種後1日目から11日目にかけて、例3に記載した方法で、これらの
子馬から鼻咽頭スワブを採取した。これらの鼻咽頭サンプルのウィルスを、ふ化
鶏卵内で、例3に記載の方法に従って検査した。表10に示すように、ウィルス
を、ワクチン接種した動物、すなわち、グループ1及び2から分離した。
価を検査するために、ワクチン接種前及びワクチン接種後7日目、14日目、2
1日目及び28日目に血液を採取した。例3に記載の方法に従って、血清サンプ
ルを分離し、最近のEIV分離株に対するHAI価を検査した。これらの価を表
11に示す。
の方法により107pfuのウマインフルエンザウィルス株A/ウマ/ケンタッ
キー/1/91 (H3N8)で攻撃した。例3に記載した臨床症状の観察を、
すべての動物について、攻撃の3日前及び、攻撃後11日間の毎日行った。ワク
チン接種した動物のいずれも、顕性の臨床症状を示さなかった。ワクチンを接種
しなかった5頭のうち4頭は、ウマインフルエンザウィルス感染に特有の発熱及
び臨床症状を示した。
を与えた場合でも、これらのウマをウマインフルエンザウィルスから保護するこ
とを実証するものである。
養細胞中で生育させた場合とで比較した。製剤的見地からすると、本発明の治療
用組成を、ふ化鶏卵内で生育させるよりも、組織培養細胞中で生育させる方が有
利である。ウマインフルエンザウィルスは、しかし、細胞内では、卵内ほど高力
価にまで生育しない。加えて、このウィルスが感染力を得るためには、ウィルス
のヘマグルチニンに、トリプシンのようなタンパク分解酵素による細胞外タンパ
ク分解開裂が必要である。血清にはトリプシン抑制物質が含まれるので、細胞培
養で生育したウィルスに感染力を付与するためには、トリプシンを含む無血清培
地中で増殖させなければならない。このような条件が、組織培養細胞の生存力の
点では決して最適ではないことは、当業者に周知である。さらに、これらの生育
条件のために、ウマ細胞との結合性が変化したウィルスが選別されるかもしれな
いが、そのためにウィルスの感染力が影響を受けるかもしれない。なぜなら、ウ
ィルスは、複製及び免疫刺激を行うためには、動物の鼻粘膜に効率的に結合する
必要があるからである。従って、この例で開示した研究は、本発明の治療用組成
の感染力が、インヴィトロ組織培養における多数の継代にわたる生育により、逆
に影響を受けるかどうかを評価することを目的とする。
で生育させるか、または、例2Bに記載の方法でMDCK細胞内で生育させる。
どちらの場合も、ウィルスを5回継代培養した。各継代毎に、EIV−P821
の低温適応性表現型及び温度感受性表現型を検査した。これらの卵及び細胞継代
ウィルス調製物を、例2Cで述べたように、ウィルス107pfu/BSA−M
EM溶液2mlを含む治療用組成に製剤し、卵培養EIV−P821治療用組成
と、MDCK細胞培養EIV−P821治療用組成とをそれぞれ得た。
インフルエンザウィルスに対するHAI価を、この研究に先立って検査した。こ
れらの動物を、それぞれ4頭からなる2つのグループに無作為に分けた。グルー
プAには、卵培養EIV−P821治療用組成を投与し、グループBには、例2
Bの方法で調製したMDCK培養EIV−P821治療用組成を投与した。これ
らの治療用組成を、例3Cに記載の方法で経鼻投与した。
接種の2日前からワクチン接種後11日目まで、毎日ほぼ同じ時刻に観察した。
これらの動物のいずれも、アレルギー反応または顕性の臨床症状を示さなかった
。
。鼻スワブ中のウィルス物質の存在を、例1に記載したように、MDCK細胞の
CPEを検出することにより、または、例3に記載したように、卵へ接種し、感
染したAFが赤血球凝集を起こす能力を調べることにより、測定した。検査した
のは、ウィルスの存在についてのみであり、サンプル中のウィルスの力価につい
ては検査しなかった。ウィルス分離の結果を表12に示す。血液を採取し、ワク
チン接種後0日目、7日目、14日目、21日目及び28日目の血清サンプルの
、新鮮分離株に対する赤血球凝集阻害抗体価を検査した。HAI価も表12に示
す。
P821治療用組成との間で、感染性も免疫抗原性も著しい差がなかったことを
示している。 例7
な、低温適応性ウマインフルエンザウィルスを含有する治療用組成の最小量を評
価した。
であることが示された。これらの研究で用いられた投与量は107pfuであり
、これは約108TCID50単位に相当する。しかし、費用及び安全面から考
えると、ウマインフルエンザウィルスに起因する疾患からウマを保護するであろ
う最小ウィルス力価を用いると有利である。この研究では、低温ウマインフルエ
ンザウィルスを含有する治療用組成の4種類の異なる量を子馬にワクチン接種し
、ビルレントウマインフルエンザウィルスの攻撃からウマを保護する最小量を決
定した。
DCK細胞内で継代培養して生育させ、例2Cに記載したように、2×104、
2×105、2×106または2×107TCID50単位/BSA−MEM溶
液1ml の治療用組成を製剤した。様々に異なる年齢及び血統の19頭のウマ
を使用した。これらのウマを、3頭のグループ1つと4頭のグループ3つからな
る4つのワクチングループと、4頭からなる対照グループ1つとに分けた(表1
3参照)。ワクチングループの各子馬に、例3に記載したのと同様の方法で、指
示された治療用組成を1−ml量投与した。
後約4時間後に観察し、また、これらの動物の遅延型反応を、ワクチン接種後1
日目から11日目にかけて観察した。ともに例3に記載の方法を用いた。この研
究では、これらのワクチン接種した動物のいずれも、ワクチン接種による異常な
反応や顕性の臨床症状を示さなかった。
目、及びワクチン接種後35日目及び42日目の攻撃後に、血清分析用の血液を
採集した。例3に記載の方法に従い、新鮮なEIV分離株に抗するHAI価につ
いて、血清サンプルを検査した。これらの価を表14に示す。29日目の攻撃の
前に、グループ1の3頭のうち2頭、グループ2の4頭のうち4頭、グループ3
の4頭のうち3頭及びグループ4の4頭のうち4頭のHAI価が、ワクチン接種
後少なくとも4倍に増加した。加えて、4頭の対照ウマのうち2頭も、HAI価
が増加した。この結果に対する説明の一つとして、対照ウマが、ワクチン接種さ
れたウマのワクチンウィルスに感染したのかもしれない。なぜなら、この研究で
用いたウマはすべて同じ厩舎で飼育されていたからである。
法を用いて、ウマインフルエンザウィルス株A/ウマ/ケンタッキー/1/91
(H3N8)で攻撃した。攻撃の投与量を見込み計算し、1頭当たり、容量5m
lに約108TCID50単位の攻撃ウィルスが含まれるようにした。攻撃の2
日前、攻撃当日及び攻撃後11日間、例3に記載された臨床観察を行った。表1
4に示されるように、グループ1及び2のいずれの動物も、ウマインフルエンザ
疾患の臨床症状を示さず、また、グループ3の4頭のうち1頭だけが罹患した。
グループ4の4頭のうち2頭が罹患し、また、4頭の対照動物のうち2頭だけが
罹患した。表14の結果は、血清変換と疾患からの保護との関連性を示唆してい
る。なぜなら、例えば、ワクチン接種期間中にHAI価が増加した2頭の対照動
物は、攻撃後はウマインフルエンザ疾患の臨床症状を示さなかったからである。
しかし、別の解釈として、攻撃ウィルスの実際の力価が、計算した量108TC
ID50単位よりも少なかったのかもしれない。なぜなら、前出の結果に基づけ
ば、このレベルの攻撃は、全ての対照動物を罹患させたはずだからである。
のレベル及び臨床症状の欠如は、この量が、ウマインフルエンザ疾患からウマを
保護するのに十分な量であったことを示唆している。さらに、2×105 TC
ID50 単位の投与で血清変換が誘発され、4頭のうち3頭が攻撃から臨床的
に保護されたことから、この量でも、ウマをウマインフルエンザウィルスから効
果的に保護するのには十分であるのかもしれない。
する治療用組成の免疫性の持続時間を評価するための動物研究について開示する
。
P821を含有する治療用組成を、例2Aに記載した方法と同様に卵内で生育さ
せ、例2Bに記載した方法と同様にMDCK細胞内で継代培養により展開し、例
2Cに記載した方法と同様に治療用組成に製剤した。生後およそ11ヶ月から1
2ヶ月の30頭のウマをこの研究に使用した。これらのうち19頭のそれぞれに
、EIV−P821治療用組成TCID50単位を6log含む投与量1.0m
lをのワクチンを、端部に送出装置の先端を取り付けた注射器を使用して、片方
の鼻孔に経鼻接種した。ワクチン接種を0日目に行った。
び、ワクチン接種後の研究日1日目、2日目、3日目、7日目、15日目及び1
69日目に観察した。これらの日に、少なくとも15分間の遠隔検査を行った。
この遠隔検査には、様子、行動、咳、くしゃみ及び鼻汁の観察が含まれた。16
9日目の検査でも、これらのウマは、ワクチン接種場所から約360マイル離れ
た攻撃場所までの輸送に適する健康状態であったことが確認された。
により疾患の徴候を観察された。ワクチン接種後171日目に、次の項目につい
て、一般的な身体検査を行った:様子、行動、咳、くしゃみ及び鼻汁。172日
目から177日目までは、これらのウマそれぞれの異常な臨床症状を観察する担
当獣医の判断に基づき、同様の検査に加えて、直腸温を記録した。
。そのうち1頭は、ワクチン接種の約2ヶ月後に死亡した。このウマは、ワクチ
ン接種後少なくとも1ヶ月間の観察時には、有害反応の徴候を全く示さなかった
。死因を確定することはできないとしても、死亡は突発的なものではなく、疝痛
、骨折または重症の寄生虫性の負担などの要因と関連があるのではないかと考え
られた。他のワクチン接種したウマには、ワクチン接種後に有害反応は見られな
かったので、この場合、ワクチンが何らかの有害反応の原因となったとは考えに
くい。
め確認されている、次のウマインフルエンザウィルスの野生型分離株:A/ウマ
/2/ケンタッキー/91を、攻撃ウィルスとして使用した。各攻撃グループの
感染の前に、攻撃材料を約37度で急速解凍した。ウィルスをリン酸緩衝生理食
塩水で希釈し、総量約21mlとした。この希釈した材料を、接種の直前まで氷
冷保存した。各攻撃グループの接種前及び噴霧終了時に、希釈した攻撃ウィルス
のサンプルを採集して、接種前及び接種後のウィルス力価を確認した。ワクチン
接種ウマと対照ウマとを、それぞれ6頭からなる4つの攻撃グループと、5頭か
らなる1つの攻撃グループとに無作為に分け、各攻撃グループが、4頭のワクチ
ン接種ウマと2頭の対照ウマ、または3頭のワクチン接種ウマと2頭の対照ウマ
の組み合わせから構成されるようにした。
デル099HD, ペンシルベニア州サマセット、デビルビス・ヘルスケア社)
を用いて、プラスチックのシーリングの中央に開けた小さな孔から挿入した管を
介して、約10分間投与した。噴霧終了後さらに約30分間、これらのウマをチ
ャンバ内に留置した(曝露時間合計約40分間)。この時点でプラスチックを取
り除いてチャンバを換気し、これらのウマを解放してそれぞれの厩舎に戻した。
この攻撃工程を各グループについて繰り返した。
、SASインスティテュート社)を使用し、P<0.05を統計上有意であると
した。ワクチン接種後178日目(攻撃3日前)から191日目(攻撃後10日
目)まで、これらのウマを遠隔検査及び個体検査の双方により、毎日観察した。
この時、直腸温を測定した。0日目(攻撃当日)から攻撃後10日目までのデー
タを分析に使用し、表15に示す。
ン非接種対照ウマの温度よりも低い(P<0.05)ことを示している。
吸及び抑うつ。採点基準を表16に示す。
パ節を触診し、細菌感染の有無を調べた。同じ日に行われた観察で、遠隔検査の
主観臨床症状スコアと個別検査の主観臨床症状スコアとが異なる場合は、結果の
整理分析の際に、大きい方のスコアを用いた。最終処理の前にこれらのウマの健
康状態を評価する目的で、攻撃後14日目、18日目及び21日目に遠隔検査を
行った。この分析には、攻撃後1日目から10日目までのデータも使用した。こ
れらのスコアを1頭毎に日別に合計し、ウィルコクソン順位合計検定により、ワ
クチン接種ウマと対照ウマとを比較した。さらに、1頭毎に全ての日のスコアを
合計し、同じ方法で比較した。平均順位及び平均臨床スコアを、表17及び表1
8にそれぞれ示す。接種後5日目では、ワクチン接種ウマのスコアの平均順位は
、ワクチン非接種対照ウマのスコアの平均順位よりも低かった(P<0.05)
。そして、この結果は、6日目、7日目、8日目、9日目及び10日目でも同様
であった(P<0.05)。検査期間全体の累積順位についても、ワクチン接種
ウマの方がワクチン非接種対照ウマよりも低かった(P<0.05)。
にかけて採取し、放散されたウィルスを細胞培養アッセイにより検査した。攻撃
ウィルスを放散していたウマの各グループのパーセンテージを、表19に示す。
攻撃ウィルスを放散していたウマのワクチン接種グループでのパーセントは、攻
撃後5日目及び6日目では、非ワクチン接種対照グループでのパーセントよりも
低かった(P<0.05)。攻撃ウィルスが放散された平均日数も、ワクチン接
種グループは、非ワクチン接種対照グループよりも低かった(P<0.05)。
温度測定のスコアは共に、対照グループと比較して低く、その差は統計的に有意
であった;このことは、このワクチンが疾患からの著しい保護効果を有すること
を説明するものである。
複数の日の放散陽性のウマの出現率と、1頭当たりの放散日数とが、共に、ワク
チン接種グループの方が対照グループよりも著しく少なかった。ワクチン接種グ
ループによる放散が少ないというこの事実は、重要な意味を持つ。なぜなら、こ
のことが、インフルエンザ流行時に、感受性の動物が野生型ウィルスに曝露され
る潜在的な可能性を減少させるのに役立つと予想されるからである。
を6ヶ月間安全に防止し、天然に発生するビルレントウマインフルエンザウィル
スの放散の可能性を減少させたということを説明するものである。疾患からの保
護の程度は完全ではないが(ワクチン接種された19頭のうち13頭が保護され
たのに対し、10頭の対照ウマのうち10頭が罹患した)、臨床疾患の重度及び
期間は明らかに軽減され、また、ウマインフルエンザのビルレント株への曝露後
にウィルスが放散する潜在的な可能性に大きな影響を与えた。ワクチン接種ウマ
と対照ウマとが、免疫接種後6ヶ月目の攻撃の直前に、双方とも血清陰性であっ
たという結果は、血清抗体以外の何かにより伝達される免疫力が、このワクチン
の測定可能なかつ恒久性の保護能力を最も大きく左右するのかもしれないという
ことを示唆している。
する治療用組成の、ウマインフルエンザウィルスの異種株への曝露後の疾患を予
防する能力を評価するための動物研究を開示する。
学、ヒューゴ・タウンセンドより入手)として述べられるA/ウマ/2/サスカ
トゥーン/90であった。20頭の約15月齢(ワクチン接種時)のペルシュロ
ン種の雌ウマを、有効性研究に使用した。これらのウマを、10頭からなるワク
チン接種グループと、10頭からなるワクチン非接種対照グループとの2グルー
プに分けた。0日目に、例8に述べた方法でワクチン接種グループにワクチンを
接種した。
0[H3N8]を、例8で述べた製法と同様の方法で調製した。ワクチン接種ウ
マと対照ウマとを、それぞれ5頭からなる4つの攻撃グループに無作為に分け、
各攻撃グループが2頭のワクチン接種ウマと3頭の対照ウマ、または3頭のワク
チン接種ウマと2頭の対照ウマから構成されるようにした。攻撃の工程は、例8
で述べた工程と同様であった。ワクチン接種後28日目に攻撃を行った。
0日目(ワクチン接種前からワクチン接種後4時間まで)、1日目から7日目、
12日目、15日目から17日目まで、19日目から23日目、25日目から3
8日目、及び42日目に行った。ワクチン接種4日前からワクチン接種後42日
目までの間の臨床観察日に、1頭毎に、異常な臨床症状を観察する担当獣医の判
断に基づき、直腸温を含めた臨床観察を記録した。例8(表15)で使用したの
と同じ基準を用いて、ウマのスコアをつけた。これらの日に、例8で述べた遠隔
検査を行った。20日目及び25日目から38日目にかけては、これらのウマを
遠隔検査と個別検査の両方により(例8で述べたのと同じ方法で)観察した。
攻撃の当日である。攻撃後0日目から10日目までのデータを分析に使用した。
例8で使用したのと同じ統計的手法と基準とを用いた。攻撃後2日目、5日目及
び7日目には、ワクチン接種されたウマは、非ワクチン接種対照ウマよりも統計
上有意的に低い体温を示した(表20)。
を1頭毎に日別に合計し、ウィルコクソン順位合計検定により、ワクチン接種ウ
マと対照ウマとを比較した。統計的手法はすべて例9で述べたのと同じ手法を用
いた。さらに、1頭毎に全ての日のスコアを合計し、同じ方法で比較した。平均
順位を表21に示す。
対照ウマのスコアの平均順位よりも低かった(P<0.05)。そして、この結
果は、この研究の期間全体を通して同じであった(P<0.05)。検査期間全
体の累積順位についても、ワクチン接種ウマの方がワクチン非接種対照ウマより
も低かった(P<0.05)。
した。鼻サンプルを、ウィルスの存在について分析した。分析は、細胞に接種し
て、細胞変性効果(CPE)によりウィルスを検出するか、または、卵に接種し
て、赤血球凝集(HA)によりウィルスを検出して行った。細胞培養アッセイを
、Youngner et al., 1994, J. Clin. Mic
robiol. 32, 750−754に概説されている方法で行った。連続
的に希釈した鼻サンプルを、マディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)単層を
含むウェルに加えた。インキュベート後、細胞変性効果の存在及び程度について
、ウェルを検査した。ウィルスのTCID50単位量を、リード−ミュエンチ法
により算出した。例1に述べた方法で、卵感染性アッセイを行った。各グループ
で攻撃ウィルスを放散していたウマのパーセンテージを、アッセイ別に表22及
び表23に示す。ワクチン接種グループでは、攻撃後2日目から7日目までの間
に攻撃ウィルスを放散していたウマのパーセントは、どちらの方法でも比較的低
かった(P<0.05)。攻撃後1日目または8日目は、差異が見られなかった
。また、攻撃ウィルス放散日数も、ワクチン接種グループの方が、非ワクチン接
種対照グループよりも低かった(P<0.05);表22及び表23を参照のこ
と。
対照グループと比較して概ね軽かった。インフルエンザに関係する臨床徴候のス
コア及び客観的温度測定結果は、共に、ワクチン接種グループの方が対照グルー
プよりも統計的有意に低かった。このことは、このワクチンに、異種株による疾
患からの著しい保護効果があることを示す。
複数の日の放散陽性のウマの出現率と、1頭当たりの放散日数とが、共に、ワク
チン接種グループの方が対照グループよりも著しく低かった。ワクチン接種グル
ープによる放散が少ないというこの事実は重要な意味をもつ。なぜなら、このこ
とが、インフルエンザ流行時に、感受性の動物が野生型ウィルスに曝露される可
能性を減少させるのに役立つであろうからである。
エンザウィルス株の一種による異種攻撃に対する保護効果を発揮したことを示し
た。
する治療用組成の、ウマインフルエンザウィルスの異種株への曝露後の疾患を予
防する能力を評価するための動物研究について開示する。
ンタッキー大学、トム・チャンバーズより入手)であった。生後5ヶ月から7ヶ
月の8頭の子馬を、この有効性研究に使用した。これらのウマを、ワクチン接種
する4頭と、非ワクチン接種対照の4頭の2グループに分けた。例8に述べた方
法で、0日目に子馬にワクチンを接種した。
目から8日目まで、23日目、30日目から50日目まで、及び57日目に、ワ
クチン接種グループの臨床観察を行った。対照グループの臨床観察を、接種後2
9日目から50日目まで、及び57日目に行った。例8に述べた方法で、観察及
び採点を行った。
の分離ウィルスを卵内で2回継代培養して作製した。このウィルス0.5mlを
解凍し、次に滅菌リン酸緩衝生理食塩水4.5mlに希釈して、それぞれのウマ
への接種材料を調製した。この接種材料を、ワクチン接種後36日目に、マスク
を使用した噴霧により、それぞれのウマに投与した。
計スコアに基づき、ウマを順位付けした。これらの結果を表24に示す。
グループのスコア21から26までと比較して著しく低かったことを示している
。
当日である。攻撃後0日目から9日目までのデータを分析に使用した。これらの
結果を表25に示す。
照ウマの温度は、2日目に顕著に高かった。
1に述べた卵感染性アッセイにより、これらのサンプルの放散ウィルスを検査し
た。このアッセイの結果を表26に示す。
接種グループよりも高かったことを示している。さらに、対照ウマはワクチン接
種ウマよりも陽性を示した日数が多かった。
、ワクチン接種グループと対照グループとの間に著しい相違を示した;このこと
は、このワクチンが、異種株ケンタッキー/98に起因する疾患からの高い保護
効果を有することを示している。
接種グループの1頭当たりの平均放散日数は、対照グループと比較して著しく低
かった。ワクチン接種グループによる放散が少ないというこの事実は重要な意味
をもつ。なぜなら、このことが、インフルエンザ流行時に、感受性の動物が野生
型ウィルスに曝露される可能性を減少させるのに役立つと予想されるからである
。
た分離株による異種攻撃に対する安全な保護効果を有することを示している。こ
の研究結果を、ユーラシア系統株による異種攻撃に対して発揮した保護効果(例
9)に照らして見ると、この調製生ワクチンが、同種ウマインフルエンザ感染だ
けではなく異種ウマインフルエンザ感染に対しても保護効果を有することは明ら
かである。
フルエンザM(基質)タンパク質核酸分子のクローニング及び配列決定について
説明する。
ドする核酸分子を、次の方法で作製した。ウマインフルエンザウィルスDNA及
び、それぞれSEQ ID NO:26及びSEQ ID NO:27のプライ
マw584及びw585から、PCR増幅により、ウマインフルエンザM遺伝子
を含有するPCR産物を作製した。neiwtM1023として表され、核酸配
列SEQ ID NO:1のコドン鎖を有する、ヌクレオチド1023個からな
る核酸分子を、さらなるPCR増幅により、上述のPCR産物を鋳型として作製
し、カリフォルニア州カールズバッド、インヴィトロゲン社より入手可能なpC
R 2.1(登録商標)TAクローニングベクターに、製造者が保証する標準的
な方法でクローニングした。使用したプライマは、SEQ ID NO:29の
T7プライマ及びSEQ ID NO:28のREVプライマであった。プラス
ミドDNAを、カリフォルニア州バレンシア、キアゲン社より入手可能なミニプ
レップ法で精製した。シークエンシング用のPCR産物を、それぞれカリフォル
ニア州フォスターシティ、ピーイー・アプライド・バイオシステムズ社より入手
可能な、PRISMTM ダイ・ターミネータ・サイクル・シークエンシング・
レディ・リアクション・キット、PRISMTM dRhoダミン・ターミネー
タ・サイクル・シークエンシング・レディ・リアクション・キット、またはPR
ISMTM BigDyeTM ターミネータ・サイクル・シークエンシング・
レディ・リアクション・キットを用いて、製造者のプロトコルに従って作製した
。キットで使用したPCR条件は、95℃で10秒間加熱、50℃で5秒間加熱
、60℃で4分間加熱、このサイクルを25回繰り返した。異なる反応では、異
なるプライマの組み合わせを用いた:第1の反応ではT7とREV、第2の反応
ではw584とw585、第3の反応ではSEQ ID NO:31のefM−
a1及びSEQ ID NO:30のefM−s1を使用した。PCR産物を、
エタノール/塩化マグネシウム沈降法により精製した。ピーイー・アプライド・
バイオシステムズ社より入手可能なABI PrismTM モデル377、X
LアップグレードDNAシークエンサを使用して、DNAサンプルの自動配列決
定を行った。
こではPeiwtM252と言及されるアミノ酸約252個からなる全長ウマイ
ンフルエンザMタンパク質をコードすることが判明し、このタンパク質のアミノ
酸配列はSEQ ID NO:2で表されるが、ただしこのとき、開いた読み枠
の開始コドンがSEQ ID NO:1のヌクレオチド25からヌクレオチド2
8にあり、終了コドンがSEQ ID NO:1のヌクレオチド781からヌク
レオチド783にあることを想定している。PeiwtM252をコードする領
域は、neiwtM756で表されるが、この領域は、SEQ ID NO:1
のヌクレオチド25から780までにあるコドン鎖を有し、SEQ ID NO
:3で表される。
子から得たコンセンサス配列を表し、これらの野生型核酸分子とはヌクレオチド
が1つ異なる。 neiwt1M1023のヌクレオチド663、すなわち、n
eiwt1M756のヌクレオチド649は、アデニンであるが、neiwt2 M1023のヌクレオチド663、すなわち、neiwt2M756のヌクレオ
チド649は、グアニンであった。これらの配列を翻訳しても、対応するアミノ
酸は変化せず、双方とも PeiwtM252の残基221のバリンに翻訳する
。
レオチドからなる核酸分子は、neica1M1023で表され、SEQ ID
NO:4で表されるコドン鎖を有するが、この核酸分子をさらなるPCR増幅
により作製し、インヴィトロゲン社より入手可能なpCR(登録商標)−Blu
ntクローニングベクターに、製造者が保証する標準的な方法でクローニングし
た。このとき使用したプライマはT7及びREVであった。例11Aに記載した
方法で、プラスミドDNA精製及びサイクルシークエンスを行った。SEQ I
D NO:4を翻訳すると、核酸分子neica1M1023が、ここではPe
ica1M252と言及されるアミノ酸約252個からなる全長ウマインフルエ
ンザMタンパク質をコードすることが判明し、このタンパク質のアミノ酸配列は
SEQ ID NO:5で表されるが、ただしこのとき、開放読み取り枠の開始
コドンがSEQ ID NO:4のヌクレオチド25からヌクレオチド28にあ
り、終了コドンがSEQ ID NO:4のヌクレオチド781からヌクレオチ
ド783にあることを想定している。Peica1M252をコードする領域は
、neica1M756を指定するが、この領域は、SEQ ID NO:4の
ヌクレオチド25から780までにあるコドン鎖を有し、SEQ ID NO:
6で表される。低温適応性ウマインフルエンザMタンパク質をコードする第2の
核酸分子を同じ方法でPCR増幅し、neica1M1023と同一の分子 n
eica2M1023、及びneica1M756と同一の分子neica2M 756 を作製した。
で比較すると、次の相違が判明する:塩基67のGがTに変化、塩基527のC
がTに変化、塩基886のGがCに変化。タンパク質PeiwtM252(SE
Q ID NO:2)とPeica1M252 (SEQ ID NO:5)と
のアミノ酸配列を比較すると、次の相違が判明する:DNA配列の塩基67のG
からTへの変化に対応する、アミノ酸23のVからLへの変化、及びDNA配列
の塩基527のCからTへの変化に対応する、アミノ酸187のTからIへの変
化。
フルエンザHA(ヘマグルチニン)タンパク質核酸分子のクローニング及び配列
決定について説明する。
ードする核酸分子を、次の方法で作製した。ウマインフルエンザウィルスDNA
及び、それぞれSEQ ID NO:32及びSEQ ID NO:33のプラ
イマw578及びw579から、PCR増幅により、ウマHA遺伝子を含有する
PCR産物を作製した。neiwtHA1762として表され、核酸配列SEQ
ID NO:7を含むコドン鎖を有する、野生型HAタンパク質をコードする
ヌクレオチド1762個からなる核酸分子を、さらなるPCR増幅により、上述
のPCR産物を鋳型として作製し、例11Aに記載した方法でpCR 2.1(
登録商標)TAクローニングベクターにクローニングした。プラスミドDNAを
、例11Aに記載した方法で精製及び配列決定した。ただし、シークエンシング
キットで使用したプライマは、例11AではT7及びREVであったが、この例
では、SEQ ID NO:34で表されるHA−1及びSEQ ID NO:
35で表されるHA−2を使用した。
ここではPeiwtHA565と言及されるアミノ酸約565個からなる全長ウ
マインフルエンザHAタンパク質をコードすることが判明し、このタンパク質の
アミノ酸配列はSEQ ID NO:8で表されるが、ただしこのとき、開いた
読み枠の開始コドンがSEQ ID NO:7のヌクレオチド30からヌクレオ
チド33にあり、終了コドンがSEQ ID NO:7のヌクレオチド1725
からヌクレオチド1727にあることを想定している。PeiwtHA565を
コードする領域は、neiwtHA1695で表されるが、この領域は、SEQ
ID NO:7のヌクレオチド30から1724までにあるコドン鎖を有し、
SEQ ID NO:9で表される。
62個のヌクレオチドからなる核酸分子は、neica1HA1762で表され
、SEQ ID NO:10で表されるコドン鎖を有するが、この核酸分子を、
例11Bに記載した方法で作製した。プラスミドDNA精製及びサイクルシーク
エンスを、例12Aに記載した方法で行った。
る全長ウマインフルエンザHAタンパク質をコードすることが判明し、このタン
パク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:11で表されるが、ただしこのと
き、開いた読み枠の開始コドンがSEQ ID NO:10のヌクレオチド30
からヌクレオチド33にあり、終了コドンがSEQ ID NO:10のヌクレ
オチド1725からヌクレオチド1727にあることを想定している。Peic a1 HA565をコードする領域は、neica1HA1695で表されるが、
この領域は、SEQ ID NO:10のヌクレオチド30から1724までに
あるコドン鎖を有し、SEQ ID NO:12で表される。
同じ方法でPCR増幅し、neica1HA1762と同一の分子 neica 2 HA1762、及びneica1HA1695と同一の分子neica2HA 1695 を作製した。
A1762 (SEQ ID NO:10)とのコドン鎖の核酸配列をDNAア
ライメントで比較すると、次の相違が判明する:塩基55のCがTに変化、塩基
499のGがAに変化、塩基671のGがAに変化、塩基738のCがTに変化
、塩基805のTがCに変化、塩基1289のGがAに変化、塩基1368のA
がGに変化。。タンパク質PeiwtHA565 (SEQ ID NO:8)
とPeica1HA565 (SEQ ID NO:11)とのアミノ酸配列を
比較すると、次の相違が判明する:DNA配列の塩基55のCからTへの変化に
対応する、アミノ酸18のPからLへの変化、DNA配列の塩基499のGから
Aへの変化に対応する、アミノ酸166のGからEへの変化、DNA配列の塩基
738のCからTへ温変化に対応する、アミノ酸246のRからWへの変化、D
NA配列の塩基805のTからCへの変化に対応する、アミノ酸268のMから
Tへの変化、DNA配列の塩基1368のAからGへの変化に対応する、アミノ
酸456のKからEへの変化。DNA配列の塩基671のGからAへの変化に対
応する、残基223のセリン(S)は変化せず、また、DNA配列の塩基128
9のGからAへの変化に対応する、残基429のアルギニン(R)も変化しなか
った。
フルエンザPB2タンパク質(RNA依存RNAポリメラーゼ)のN−末端部分
に対応する核酸分子のクローニング及び配列決定について説明する。
ク質をコードする核酸分子を、次の方法で作製した。ウマインフルエンザウィル
スDNA及び、それぞれSEQ ID NO:36及びSEQ ID NO:3
7で表されるプライマw570及びw571から、PCR増幅により、ウマPB
2遺伝子のN−末端部分を含有するPCR産物を作製した。neiwtPB2−
N1241として表され、核酸配列SEQ ID NO:13で表されるアミノ
酸配列を有するコドン鎖を有する、野生型PB2−Nタンパク質をコードするヌ
クレオチド1241個からなる核酸分子を、さらなるPCR増幅により、上述の
PCR産物を鋳型として作製し、例11Bに記載した方法でクローニングした。
プラスミドDNAを、例11Bに記載した方法で精製及び配列決定した。ただし
、シークエンシングキットで使用したプライマは、T7及びREVのみであった
。
なるウマインフルエンザPB2タンパク質をコードすることが判明し、このタン
パク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:14で表されるが、ただしこのと
き、開いた読み枠の開始コドンがSEQ ID NO:13のヌクレオチド28
からヌクレオチド30にあり、終了コドンがヌクレオチド1237からヌクレオ
チド1239にあることを想定している。PwtPB2−N404をコードする
領域は、neiwtPB2−N1214で表されるが、この領域は、SEQ I
D NO:13のヌクレオチド28から1239までにあるコドン鎖を有し、S
EQ ID NO:15で表される。
タンパク質のN−末端をコードする1239個のヌクレオチドからなる核酸分子
は、neica1PB2−N1241で表され、SEQ ID NO:16で表
されるコドン鎖を有するが、この核酸分子を、例12Aに記載した方法で作製し
た。
4個からなるウマインフルエンザPB−2タンパク質のN−末端をコードするこ
とが判明し、このタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:17で表さ
れるが、ただしこのとき、開いた読み枠の開始コドンがSEQ ID NO:1
6のヌクレオチド28からヌクレオチド30にあり、終了コドンがヌクレオチド
1237からヌクレオチド1239にあることを想定している。Peica1P
B2−N404をコードする領域は、neica1PB2−N1214で表され
るが、この領域は、SEQ ID NO:16のヌクレオチド28から1239
にあるコドン鎖を有し、SEQ ID NO:18で表される。
分子を同じ方法でPCR増幅し、neica1PB2−N1241と同一の分子
neica2PB2−N1241、及びneica1PB2−N1214 と
同一の分子neica2PB2−N1214を作製した。
列をDNAアライメントで比較すると、次の相違が判明する:塩基370のTが
C。タンパク質PwtPB2−N404(SEQ ID NO:14)とPca 1 PB2−N404 (SEQ ID NO:17)とのアミノ酸配列を比較す
ると、次の相違が判明する:DNA配列の塩基370のTからCへの変化に対応
する、アミノ酸124のYからHへの変化。
フルエンザPB2タンパク質(RNA依存RNAポリメラーゼ)のC−末端部分
に対応する核酸分子のクローニング及び配列決定について説明する。
ク質をコードする核酸分子を、次の方法で作製した。ウマインフルエンザウィル
スDNA及び、それぞれSEQ ID NO:38及びSEQ ID NO:3
9で表されるプライマw572及びw573から、PCR増幅により、ウマPB
2遺伝子のC−末端部分を含有するPCR産物を作製した。neiwtPB2−
C1233として表され、核酸配列SEQ ID NO:19を含むコドン鎖を
有する、野生型PB2−Cタンパク質をコードするヌクレオチド1233個から
なる核酸分子を、さらなるPCR増幅により、上述のPCR産物を鋳型として作
製し、例11Bに記載した方法でクローニングした。プラスミドDNAを、例1
1Aに記載した方法で精製及び配列決定した。ただし、シークエンシングキット
では異なるプライマを使用した。例11AではT7及びREVを使用したが、こ
の例では、SEQ ID NO.40で表されるefPB2−a1とSEQ I
D NO.41で表されるefPB2−s1、及びSEQ ID NO.42で
表されるefPB2−a2とSEQ ID NO.43で表されるefPB2−
s2を使用した。
らなるウマインフルエンザPB2タンパク質のC−末端をコードすることが判明
し、このタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:20で表されるが、
ただしこのとき、開いた読み枠の開始コドンがSEQ ID NO:19のヌク
レオチド3からヌクレオチド5にあり、終了コドンがヌクレオチド1197から
ヌクレオチド1199にあることを想定している。SEQ ID NO:19は
単なる部分的な遺伝子配列であるので、開始コドンを含まない。PwtPB2−
C398をコードする領域は、neiwtPB2−C1194で表されるが、こ
の領域は、SEQ ID NO:19のヌクレオチド3から1196までにある
コドン鎖を有し、SEQ ID NO:21で表される。
様の方法でPCR増幅し、neiwt2PB2−N1232として表され、核酸
配列SEQ ID NO:22を含むコドン鎖を有する、ヌクレオチド1232
個からなる核酸分子を作製した。neiwt2PB2−N1232は、5’−末
端のヌクレオチド1個の欠失を除いては、neiwt1PB2−C1233と同
一である。SEQ ID NO:22を翻訳すると、核酸分子neiwt1PB
2−C1233が、PwtPB2−C398(SEQ ID NO.20)もコ
ードすることが判明するが、ただしこのとき、開いた読み枠の開始コドンがSE
Q ID NO:22のヌクレオチド2からヌクレオチド4にあり、終了コドン
がヌクレオチド1196からヌクレオチド1198にあることを想定している。
SEQ ID NO:22は単なる部分的な遺伝子配列であるので、開始コドン
を含まないSEQ ID NO:22のヌクレオチド2から1195までにある
ヌクレオチドを含むコドン鎖を有する核酸分子は、neiwt2PB2−C11 94 で表され、SEQ ID NO:21と同一である。
ンパク質のC−末端部分をコードする1232個のヌクレオチドからなる核酸分
子は、neica1PB2−C1232で表され、SEQ ID NO:23で
表されるコドン鎖を有するが、この核酸分子を、pCR(登録商標)−Blun
tクローニングベクターを使用した点以外では例14Aに記載した方法と同じ方
法で作製した。
からなるウマインフルエンザPB−2タンパク質のC−末端をコードすることが
判明し、このタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:24で表される
が、ただしこのとき、開いた読み枠の開始コドンがSEQ ID NO:23の
ヌクレオチド2からヌクレオチド4にあり、終了コドンがヌクレオチド1196
からヌクレオチド1198にあることを想定している。SEQ ID NO:2
3は単なる部分的な遺伝子配列であるので、開始コドンを含まない。Pca1P
B2−C398をコードする領域は、neica1PB2−C1194で表され
るが、この領域は、SEQ ID NO:23のヌクレオチド2から1195ま
でにあるヌクレオチドを含むコドン鎖を有し、SEQ ID NO:25で表さ
れる。
分子を同じ方法でPCR増幅し、neica1PB2−N1241と比較して3
’末端のヌクレオチド1個が欠失しているneica2PB2−C1231、及
びneica1PB2−N1214 と同一の分子neica2PB2−N12 14 を作製した。
ica1PB2−C1232(SEQ ID NO:23)のコドン鎖の核酸配
列をDNAアライメントで比較すると、次の相違が判明する:SEQ ID N
O:19の塩基153のAがCに変化、及びSEQ ID NO:19の塩基9
29のGがAに変化。タンパク質PwtPB2−C398(SEQ ID NO
:20)とPca1PB2−398 (SEQ ID NO:24)とのアミノ
酸配列を比較すると、次の相違が判明する:DNA配列の塩基153のAからC
への変化に対応する、アミノ酸51のKからQへの変化。塩基929のGからA
への変化によるアミノ酸の変化はない。
加えられるであろうことは当業者に明白である。しかしながら、そのような修正
及び変更は、以下の請求の範囲で述べるような、本発明の範囲内で行われるもの
であることを、理解されたい。
Claims (38)
- 【請求項1】 低温適応性ウマインフルエンザウィルス。
- 【請求項2】 低温適応により作製されたウマインフルエンザウィルスの少な
くとも1つのゲノム分節を有し、前記ウマインフルエンザウィルスが、低温適応
性、温度感受性、優性干渉性、弱毒性から選択される1つの識別表現型を有する
ようなリアソータントインフルエンザA型ウィルスであって、前記ウマインフル
エンザウィルスのゲノム分節が、前記識別表現型の少なくとも1つを前記リアソ
ータントウィルスに与える、リアソータントインフルエンザA型ウィルス。 - 【請求項3】 (a)低温適応性ウマインフルエンザウィルスと、(b)低温
適応により作製されたウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つのゲノム分
節を有するリアソータントインフルエンザA型ウィルスと、から選択されるウィ
ルスを有し、前記ウマインフルエンザウィルスが、低温適応性、温度感受性、優
性干渉性、弱毒性から選択される1つの識別表現型を有する、動物をインフルエ
ンザA型ウィルスから保護するための治療用組成であって、前記ウマインフルエ
ンザウィルスのゲノム分節が、前記識別表現型の少なくとも1つを前記リアソー
タントウィルスに与える、動物をインフルエンザA型ウィルスから保護するため
の治療用組成。 - 【請求項4】 (a)低温適応性ウマインフルエンザウィルスと、(b)低温
適応により作製されたウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つのゲノム分
節を有するリアソータントインフルエンザA型ウィルスと、から選択されるウィ
ルスを有し、前記ウマインフルエンザウィルスが、低温適応性、温度感受性、優
性干渉性、弱毒性から選択される1つの識別表現型を有する治療用組成を動物に
投与することを含む、前記動物をインフルエンザA型ウィルスに起因する疾患か
ら保護するための方法であって、前記ウマインフルエンザウィルスのゲノム分節
が、前記識別表現型の少なくとの1つを前記リアソータントウィルスに与える、
動物をインフルエンザA型ウィルスに起因する疾患から保護するための方法。 - 【請求項5】 a.野生型ウマインフルエンザウィルスを継代培養することと
、 b.低温で生育するウィルスを選別することと、 を含む、低温適応性ウマインフルエンザウィルスを作製する方法。 - 【請求項6】 a.供与低温適応性ウマインフルエンザウィルスのゲノム分節
と受容インフルエンザA型ウィルスのゲノム分節を混合することと、 b.前記供与ウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つの表現型を有する
リアソータントウィルスを選別することと、 を含む、低温適応により作製されたウマインフルエンザウィルスの少なくとも1
つのゲノム分節を有し、前記ウマインフルエンザウィルスが、低温適応性、温度
感受性、優性干渉性、弱毒性から選択される1つの識別表現型を有する、リアソ
ータントインフルエンザA型ウィルスを作製するための方法であって、前記表現
型が、低温適応性、温度感受性、優性干渉性、弱毒性から選択される、リアソー
タントインフルエンザA型ウィルスを作製するための方法。 - 【請求項7】 低温適応性ウマインフルエンザウィルスを卵内で増殖させるこ
とと、前記ウィルスを組織培養細胞内で増殖させることとから選択される方法を
含む、低温適応性ウマインフルエンザウィルスを増殖させるための方法。 - 【請求項8】 単離されたウマインフルエンザ核酸分子であって、前記ウマイ
ンフルエンザ核酸分子が、SEQ ID NO:1, SEQ ID NO:3
, SEQ ID NO:4, SEQ ID NO:6, SEQ ID N
O:7, SEQ ID NO:9, SEQ ID NO:10, SEQ ID NO:12, SEQ ID NO:13, SEQ ID NO:15
, SEQ ID NO:16, SEQ ID NO:18, SEQ ID
NO:19, SEQ ID NO:21, SEQ ID NO:22, SEQ ID NO:23, SEQ ID NO:25及び、前記核酸配列の
いずれかと完全に相補的な核酸配列を有する核酸分子より選択される、単離され
たウマインフルエンザ核酸分子。 - 【請求項9】 単離されたウマインフルエンザ核酸分子であって、前記ウマイ
ンフルエンザ核酸分子が、SEQ ID NO:2, SEQ ID NO:5
, SEQ ID NO:8, SEQ ID NO:11, SEQ ID NO:14, SEQ ID NO:17, SEQ ID NO:20、SE
Q ID NO:24より選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
する、単離されたウマインフルエンザ核酸分子。 - 【請求項10】 単離されたウマインフルエンザタンパク質であって、前記ウ
マインフルエンザタンパク質が、SEQ ID NO:2, SEQ ID N
O:5, SEQ ID NO:8, SEQ ID NO:11, SEQ ID NO:14, SEQ ID NO:17, SEQ ID NO:20
、SEQ ID NO:24より選択されるアミノ酸配列を有する、単離された
ウマインフルエンザタンパク質。 - 【請求項11】 請求項1、3、4、5、7に記載の低温適応性ウマインフル
エンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のリアソータントインフ
ルエンザA型ウィルスが、ふ化鶏卵内で、温度約26℃から約30℃で複製を行
う、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の発明。 - 【請求項12】 請求項1、3、4、5、7に記載の低温適応性ウマインフル
エンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のリアソータントインフ
ルエンザA型ウィルスが弱毒性である、請求項1、2、3、4、5、6または7
に記載の発明。 - 【請求項13】 請求項1、3、4、5、7に記載の低温適応性ウマインフル
エンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のリアソータントインフ
ルエンザA型ウィルスが温度感受性である、請求項1、2、3、4、5、6また
は7に記載の発明。 - 【請求項14】 請求項1、3、4、5、7に記載の低温適応性ウマインフル
エンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のリアソータントインフ
ルエンザA型ウィルスが、ふ化鶏卵内で、温度約26℃から約30℃で複製を行
うが、組織培養細胞内で、温度約39℃ではプラークを形成しない、請求項1、
2、3、4、5、6または7に記載の発明。 - 【請求項15】 請求項1、3、4、5、7に記載の低温適応性ウマインフル
エンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のリアソータントインフ
ルエンザA型ウィルスが、ふ化鶏卵内で、温度約26℃から約30℃で複製を行
うが、組織培養細胞内で、温度約37℃ではプラークを形成しない、請求項1、
2、3、4、5、6または7に記載の発明。 - 【請求項16】 非許容温度約39℃の表現型が、請求項1、3、4、5、7
に記載の低温適応性ウマインフルエンザウィルス、または請求項2、3、4また
は6に記載のリアソータントインフルエンザA型ウィルスに、前記ウィルスのゲ
ノム中の少なくとも2つの突然変異により与えられ、これらの突然変異が第1の
突然変異及び第2の突然変異を有する、請求項1、2、3、4、5、6または7
に記載の発明。 - 【請求項17】 前記第1の突然変異が、温度約39℃でプラーク形成を阻害
する表現型を与え、また、前記第1の突然変異が、核タンパク質遺伝子を有する
前記ゲノムの分節と共分離する、請求項16に記載の発明。 - 【請求項18】 前記第2の突然変異が、温度約39℃でタンパク質合成を阻
害する表現型を与える、請求項16に記載の発明。 - 【請求項19】 少なくとも1つのさらなる突然変異を有し、前記のさらなる
突然変異が、非許容温度約37℃の表現型を与え、前記表現型が、温度約37℃
でのプラーク形成の阻害及び温度約37℃での後期遺伝子発現の阻害から選択さ
れる、請求項16に記載の発明。 - 【請求項20】 前記低温適応性ウマインフルエンザウィルスを、 a.野生型ウマインフルエンザウィルスを継代培養することと、 b.低温で生育するウィルスを選別することと、 を含む方法により作製可能な、請求項1、3、4または7に記載の発明。
- 【請求項21】 前記低温適応性ウマインフルエンザウィルスを、前記継代培
養及び選別工程を1回またはそれ以上繰り返すことをさらに含む方法により作製
し、前記低温を順次低下させる、請求項20に記載の発明。 - 【請求項22】 前記継代培養工程をふ化鶏卵内で行う、請求項20に記載の
発明。 - 【請求項23】 前記低温適応性ウマインフルエンザウィルスが、優性干渉性
表現型を有する、請求項20に記載の発明。 - 【請求項24】 請求項1、3、4、5または7に記載の低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のゲノム分節が、A
/ウマ/ケンタッキー/1/91(H3N8)株に由来する、請求項1、2、3
、4、5、6または7に記載の発明。 - 【請求項25】 請求項1、3、4、5または7に記載の低温適応性ウマイン
フルエンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載のゲノム分節が、受
託番号ATCC VR____で識別されるEIV−P821;受託番号ATC
C VR____で識別されるEIV−P824;受託番号ATCC VR__
__で識別されるMSV+5より選択される、請求項1、2、3、4、5、6ま
たは7に記載の発明。 - 【請求項26】 請求項1、3、4、5または7に記載の前記低温適応性ウマ
インフルエンザウィルスまたは請求項2、3、4または6に記載の前記ゲノム分
節が、受託番号ATCC VR____で識別されるEIV−P821;受託番
号ATCC VR____で識別されるEIV−P824;受託番号ATCC VR____で識別されるMSV+5;及び前記いずれかの受託番号の前記いず
れかのウィルスの後代より選択される、請求項1、2、3、4、5、6または7
に記載の発明。 - 【請求項27】 前記リアソータントウィルスが、 a.供与低温適応性ウマインフルエンザウィルスのゲノム分節と受容インフル
エンザA型ウィルスのゲノム分節とを混合することと、 b.前記供与ウマインフルエンザウィルスの少なくとも1つの表現型を有する
リアソータントウィルスを選別することと、を含む方法により作製され、前記表
現型が、低温適応性、温度感受性、優性干渉性、弱毒性から選択される、請求項
2、3または4に記載の発明。 - 【請求項28】 前記受容インフルエンザA型ウィルスのヘマグルチニン及び
ノイラミニダーゼ表現型が、前記供与ウマインフルエンザウィルスのヘマグルチ
ニン及びノイラミニダーゼ表現型とは異なり、また、前記リアソータントウィル
スのヘマグルチニン及びノイラミニダーゼ表現型が、前記受容ウィルスのヘマグ
ルチニン及びノイラミニダーゼ表現型である、請求項27または6に記載の発明
。 - 【請求項29】 前記動物がウマ科動物である、請求項3または請求項4に記
載の発明。 - 【請求項30】 前記治療用組成を、ウィルスが上気道の粘膜細胞に侵入可能
であるような経路で前記動物に投与する、請求項3または請求項4に記載の発明
。 - 【請求項31】 前記治療用組成が低温適応性ウマインフルエンザウィルスを
含有し、前記疾患がウマインフルエンザウィルスに起因し、前記治療用組成を予
防的にウマ科動物に投与することにより、前記ウマ科動物体内のウマインフルエ
ンザウィルスに対する免疫反応を惹起する、請求項3または請求項4に記載の発
明。 - 【請求項32】 前記治療用組成が、前記ウィルスを約105TCID50単
位から約108 TCID50単位含有する、請求項3または請求項4に記載の
発明。 - 【請求項33】 前記治療用組成が、賦形剤をさらに含有する、請求項3また
は請求項4に記載の発明。 - 【請求項34】 前記核酸分子が、SEQ ID NO:4, SEQ ID
NO:6, SEQ ID NO:10, SEQ ID NO:12, S
EQ ID NO:16, SEQ ID NO:18, SEQ ID NO
:23, SEQ ID NO:25から選択される核酸配列を有する低温適応
性ウマインフルエンザウィルスを含む、請求項8に記載の発明。 - 【請求項35】 前記核酸分子が、Mタンパク質をコードする低温適応性ウマ
インフルエンザウィルスを含み、前記Mタンパク質のアミノ酸配列が、SEQ ID NO:5を有する、請求項8に記載の発明。 - 【請求項36】 前記核酸分子が、HAタンパク質をコードする低温適応性ウ
マインフルエンザウィルスを含み、前記HAタンパク質のアミノ酸配列が、SE
Q ID NO:11を有する、請求項8に記載の発明。 - 【請求項37】 前記核酸分子が、PB2−Nタンパク質をコードする低温適
応性ウマインフルエンザウィルスを含み、前記PB2−Nタンパク質のアミノ酸
配列が、SEQ ID NO:17を有する、請求項8に記載の発明。 - 【請求項38】 前記核酸分子が、PB2−Cタンパク質をコードする低温適
応性ウマインフルエンザウィルスを含み、前記PB2−Cタンパク質のアミノ酸
配列が、SEQ ID NO:24を有する、請求項8に記載の発明。
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