JP2002521657A - パルプ懸濁液から濾液試料を採取する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、パルプ懸濁液から濾液試料を収集する装置に関する。この装置は、シリンダ（２）によって作動されたときに外筒（５）中で反復動作を行うと共に、取り付けられるフィルター（４）を支持し、伸張した位置にあるときに試料を採取するピストン棒（３）を有する。フィルター（４）は、実質的に三角形の断面を有し、近接して配置されたワイヤー要素（８）から作られ、該三角形の基底面（９）が外側を向いており、その収束面（10、11）がフィルター（４）の中心を向いている。フィルター（４）はジャケット（５）中に引っ込む動作の最中に、フィルターに付着した繊維が外筒によって掻き落とされることによって清掃される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明はパルプ懸濁液から濾液試料を収集する装置に関し、該装置はシリンダ
ーによって作動されたときに、外筒内で反復動作を行うと共に、取り付けられる
フィルターを支持し、伸張した位置にあるときに試料を採取する、ピストンを有
する。

【０００２】 製紙産業およびセルロース産業では、処理を監視して適切に制御する目的で、
一般に、パルプの懸濁液から試料を採取する。試料は、ｐＨ値、H₂O₂値などを測
定する目的で、繊維または液体、即ち、濾液に関するパラメータを決定するため
に分析される。しかしながら、使用される装置はパルプ懸濁液中の繊維によって
動かなくなることがよくある。特に、複数の工程におけるオンライン測定に使用
される装置にあっては、試料採取設備を清掃および洗浄することによって求めら
れる要件を満たすことが重要である。これに関する問題は、目詰まりを防ぐため
に、従来の装置は空気または水による定期的な逆方向フラッシュを必要とするこ
とである。

【０００３】 本発明の目的は、上記欠点を排し、外筒内の反復運動によって、試料採取過程
中に、それ自身を適切に自動的に清掃するように設計された濾液採取装置を提供
することである。

【０００４】 本発明の特徴は添付の請求項に記載されている。

【０００５】 この発明によって、上記の型の濾液試料収集装置が提供された。この装置は、
優れた方法でその目的を満たし、同時に、容易かつ安価に製造することができる
。好適には、試料採取装置は空気シリンダーを有し、そのピストン棒はフィルタ
ーを備えており、シリンダーによって作動されると外筒中で反復運動を行う。フ
ィルターは、基本的に、互いに近接して配された数多くのワイヤからなり、空気
シリンダーがフィルターを有するピストンを前記外筒内に引き込むときに、繊維
が自動的に掻き落とされるような構成を有している。このようにして、空気また
は水でフィルターを清掃する必要がなく、その代わりに、フィルターがピストン
の伸張した位置から外筒の内側の位置に引き込んだときに清掃が行われる。これ
が行われると、また別の試料を採取するために、フィルターはパルプ懸濁液中に
再び戻される。この操作の頻度は、特に、扱うパルプの種類によって決定される
。

【０００６】 添付の図面を参照しながら、本発明の一態様について以下に記載する。

【０００７】 図面に示されているように、本発明による濾液試料採取装置１は、パルプ懸濁
液から濾液試料を採取するように設計されている。試料採取装置１は、空気シリ
ンダー２を有し、そのピストン棒３には、該ピストン棒に取り付けてフィルター
４が備えられており、空気シリンダーによって作動させられると、外筒５の内側
で反復運動をするように設計されている。前記フィルターは三角形の断面を有す
るワイヤー６から作ることができ、ワイヤの巻き８は螺旋バネのように巻回され
ている。各巻きは多くの支持棒７に取り付けられている。ワイヤの巻き８の各々
は外側を向いている基底面９と、フィルター４の中心を向いている収束面10およ
び11とを有している。ワイヤの巻き８間の距離は、調査するパルプの種類によっ
て決定され、0.05 mmから0.5 mmまで変化させることができる。ワイヤ８間の距
離が小さいので、繊維はワイヤ間に非常に深く入り込むことができず、これによ
って清掃が単純化される。

【０００８】 本発明による濾液試料採取装置１の清掃は、空気や水を使用することなく、フ
ィルター４を伸張した位置から内側位置に動かすことによって行われる。そして
、フィルター４に付着した繊維は、外筒５によって簡便に掻き取られる。次いで
、フィルター４を再び延長位置に戻して次の試料を集める。清掃の頻度はパルプ
の種類とその濃度による。

【０００９】 試料採取過程中に、濾液は三角形のワイヤ８間から液滴の形状でにじみ出して
ジャケット５に設けられた採取口12へ流れ、そこから適当な分析機に導かれる。
ワイヤ８の断面が三角形であるので、ワイヤ間に入り込んだ繊維は、濾液と共に
フィルタから出てゆくこともあるであろう。しかしながら、少量の繊維が悪影響
を与えることはない。

【図面の簡単な説明】

図１および図２は本発明による濾液試料採取装置を示し、試料採取のために伸
張した位置にある場合と、フィルターに付着した繊維が外筒によって掻き取られ
る、内側の位置にある場合とがそれぞれ示されている。 図３は、退避した位置にあるときの、図１および２に示されている濾液試料採
取装置の断面図である。 図４は、伸張した位置にあるときの、濾液試料採取装置の断面図である。 図５は、フィルターの構造的設計を示す部分拡大斜視線図である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダ（２）によって作動されたときに、ピストン棒（３
   ）が外筒（５）中で反復動作を行うと共に、取り付けられるフィルター（４）を
   支持し、伸張した位置にあるときに試料を採取する、パルプ懸濁液から濾液試料
   を収集する装置において、フィルター（４）が、実質的に三角形の断面を有し、
   近接して配置されたワイヤー要素（８）から作られ、該三角形の基底面（９）が
   外側を向いており、その収束面（10、11）がフィルター（４）の中心を向いてお
   り、フィルター（４）は外筒（５）内に引っ込む動作の最中に、フィルターに付
   着した繊維がジャケットによって掻き落とされることによって清掃されることを
   特徴とすること。
2. 【請求項２】 前記ワイヤー（６）が螺旋バネのように巻回されたワイヤー
   の巻き（８）によって構成され、各巻きが数多くの縦方向の支持棒（７）によっ
   て取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 ワイヤーの巻き間の距離を0.05 mm〜0.5 mmに変化させるこ
   とができることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。