JP2002520984A - 符号分割多元接続システムにおけるハードハンドオフに対する適応パワーマージン - Google Patents
符号分割多元接続システムにおけるハードハンドオフに対する適応パワーマージンInfo
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Abstract
Description
ハードハンドオフの終了後に移動機が不適切に高い出力レベルで送信することに
よって生じる干渉を低減する方法に関する。
トローラ(System Controller)は一連のディジタル伝送路115によって基地局の
ネットワークにリンクされている。基地局は地理的に分散して配され、システム
のカバレージエリアを形成する。各基地局(BS)は、セルとよばれる特定のエリ
アをカバーするよう指定され、同一セル内に属する移動機(mobile station)と
BSとの双方向の無線通信接続が可能である。この簡単な例示では2つだけの基地
局が示されているが、実際にはかなり多くの基地局がシステムの機能カバレージ
エリアを形成することになる。図示は省略しているが、通常システム中にはその
他の構成要素や装置が含まれることは理解されよう。一般に、移動機がネットワ
ーク中を移動するとき、ハンドオフとよばれるイベントにおいてコネクションを
隣接基地局に転送することによって、そのネットワークで通信が維持される。
ら隣接BSへのハンドオフの前に、移動機は2以上の基地局と同時に通信すること
が可能である。これは「ソフトハンドオフ」とよばれ、移動機は元のBSとの通信
を切断する前に隣接BSと通信を開始する。この「メイク・ビフォア・ブレイク(
make before break)」手法は、すべてのトラフィックを共通の拡散スペクトル
周波数上で処理することで可能となる。ソフトハンドオフの別形態は「ソフター
ハンドオフ」とよばれ、移動機は同一のBSの複数のセクタと同時に通信する。ソ
フトハンドオフは、呼損失の低減やハンドオフによる音声の遮断の回避、下りリ
ンク信号対雑音比におけるゲインの増加、さらに、概してフェージングやマルチ
パスの影響による収斂が同時に生じないため、対数正規分布フェージングまたは
マルチパス・フェージングからの強力な保護が可能である、といったいくつかの
利点を有する。
送信されるパイロット信号の信号強度の移動機による検出に基づいて行われる。
移動機が異なる区分セット内の基地局を決定し、割り当てることが可能となるよ
うな疑似雑音系列(PN)によって、パイロット信号が識別される。そのセットは
、例えば、移動機がアクティブに通信する基地局のセットであるアクティブセッ
ト(Active Set)、基地局によって設定されたシステムパラメータに基づく通信
を行うのに十分なパイロット信号強度を有する基地局のセットである候補セット
(Candidate Set)、あるいは、移動機と通信を行うのに十分なポテンシャルを
示すパイロット信号強度を有するエリア内の基地局のセットである隣接セット(
Neighbor Set)を含む。基地局の、あるセット内の区分は、移動機による受信パ
イロット信号強度に応じて変更されうる。ハンドオフの判断はシステムコントロ
ーラによって、一般的には報告されたパイロット信号強度に基づいてなされる。
ハンドオフ」がある。これは、例えば、2つの周波数間で行われたり、あるいは
基地局がソフトハンドオフに備えた適切な同期がなされていないときに行われる
ハンドオフである。このタイプのハンドオフは、通信が第2の周波数で確立され
る前に、第1の周波数での通信が切断されてしまうので、概して「ブレーク・ビ
フォア・メイク(break before make)」として特徴づけられる。同一セル内で
生じるハードハンドオフは、セル内ハードハンドオフ(intra-cell hard handof
f)とよばれ、セル間で生じるハードハンドオフは、セル間ハードハンドオフ(i
nter-cell hard handoff)とよばれる。ハードハンドオフは一般に、例えば、移
動機の移動に対するレイヤーの変更、デュアルモードシステム等におけるモード
切替え、オペレータ・ネットワーク(operator network)間の切替え、あるいは
周波数内ハードハンドオフ(intra-frequency hard handoff)に必要なリソース
割り当てといった、ベンダー装置の制約によりソフトハンドオフの実行が妨げら
れる状況で生じる。
よびソフトハンドオフ・ゲインの損失がある。さらに、ハードハンドオフはシス
テム内での接続の性能および総合品質に悪影響を及ぼす。例として、CDMAシステ
ムにおいて注目すべき問題は、ハードハンドオフの直後に移動機より送出される
送信出力レベルの調整にある。移動機がカバレージエリアの境界に位置して在圏
するBSと通信し、そのために高出力で送信しているときにこの問題が発生するこ
とになる。この状況にある移動機は隣接BSにかなり近寄る場合があり、よって、
この位置で現在の高出力レベルでハンドオフを実施すると新たなセルにおいて相
当の干渉を生じてしまうであろう。新たなセルにおいて通信を維持するためには
比較的低い電力で十分だからである。また、対応するセル内でのアクティブな移
動機の数の増加/減少に伴いセルが縮小/拡大する結果、セル境界が移動するこ
とによっても、このような状況に陥りうる。キャパシティに対してセルを縮小ま
たは拡大させる動作は「セル・ブリージング(cell breathing)」とよばれ、シ
ステムの設計にあたっては注意すべき要素である。
。その移動機が元々在圏していたBSに未だ接続されているかぎり、隣接BSはその
移動機の出力レベルを制御できないからである。その結果、移動機は高すぎる出
力レベルで新たなセルに入り、そのために上りリンク干渉のバーストが発生し、
それによって同一周波数を共用している別の移動機の接続品質が劣化する場合が
ある。いったん新たなセルに入ると、電力制御アルゴリズムによって移動機を適
切な動作限界に収まるよう、出力レベルは徐々に調整される。
低減量を予想するものがある。例えばIS-95Bにより動作するCDMAシステムにおい
ては、電力制御アルゴリズムとともにセルパラメータINIT_PWRを用いて、新たな
セルにおける出力レベルを適切な所望の出力レベルに低下させる。このセルパラ
メータINIT_PWRを用いた出力レベルの低減は、ハードハンドオフの後に出力を直
ちに出力を低下させることができる。この出力レベルの低減はパワーマージン(
power margin)とよばれる。このパワーマージンは通常3dBm程度であるが、個
々のオペレータによりいかなるレベルに設定することもできる。IS-95Bにおける
パラメータINIT_PWRはもともと、ハードハンドオフにまつわる電力制御の問題の
ために導入されたわけではなく、適切な出力レベルが分からない最初のアクセス
における移動機送信出力の低減を目的として用いられたものである。
はすべての状況に対して適切であるとは限らないことである。十分な通信を行う
ために要求される出力レベルは、例えばセル・ブリージングによって、時間変動
するためである。このことは、個々のセルに対する一日を通した出力レベルの変
動を表示することで説明される。例えば、システム内で動作する移動機の増加、
あるいは別の干渉源による干渉の増加によるセル・ブリージングが原因で行われ
るハンドオフの前では、昼間帯の移動機送信出力は通常、高レベルである。対照
的に、夜間帯の動作は一般に、ハンドオフ・イベントの前でも後でも、送信出力
は比較的一定しており、したがって、送信出力を強制的に落とすことは、かえっ
て不必要に信号品質を劣化させてしまう可能性がある。要求される低減量は一日
を通して変動するだろうから、従来手法における、どちらかといえば固定的な手
法(例えば固定されたINIT_PWR)では、最適な動作レベルを常に得ることができ
るとは限らないであろう。
善された電力制御手法を提供することにある。
テムにおいて、ハードハンドオフ実施後の移動機より送信される出力レベルを低
減する方法を開示する。この方法は、ハードハンドオフ・イベントの統計収集か
ら得られる送信出力レベルに係るデータを含むデータベースの構築を含む。特定
のセル間または特定の位置間でハードハンドオフを行う移動機に適用される適正
なパワーマージンを決定するために、データのプロファイルが生成される。その
後、システムの現在の負荷またはその他の関連する要素に基づいてそのパワーマ
ージンを低減して適用し、またはパワーマージンの適用を撤回することが可能に
なる。
干渉量を低減するための効果的な手段を提供し、これによってシステムの総合性
能および品質を改善する。本発明のこれらの利点またはその他の利点は、以下の
詳細な説明および各図面を検討することで明らかとなろう。
ネットワーク上で多くの効果を有する。通常、多くの場合にはソフトハンドオフ
を行うことが望ましいものの、不適合であったり装置の制約がある等のため、い
かなる場合にも可能なわけではない。新たなセルにおいて必要以上に高いレベル
の干渉を招き、ハンドオフ期間中には新たな基地局に移動機の出力レベルを制御
させることができないことから、ハードハンドオフはシステム性能に影響を及ぼ
す場合がある。以下、ハードハンドオフの後に移動機送信出力レベルを低減する
、改善された技術について説明する。
の例を示す、単純化された無線通信システムが示されている。同図には、セル(
cell)1に対して通信サービスを提供する基地局BS1および、セル2に対してサ
ービスを提供する基地局BS2が示されている。2つのセルの境界は線210で示され
、これは各々のセルのカバレージエリアの境界を示している。典型的なハンドオ
フ処理の例においては、まず初めにBS1がセル1内で移動機(MS)と接続を確立
する。BS2に向けてMSが移動すると、MSが実質的にセル2内にいる間にハンドオ
フが行われることになる。ハンドオフの直前で、(MSとBS1との)距離で通常、
パス損失を生じるために、MSはBS1に比較的高い出力レベルで送信する。さらに
、セル1内でより多くのユーザが動作を始めると、セル・ブリージングの効果に
よってセル境界210がBS1に向けて移動し、これによって移動機は、BS1と通信を
維持するために、さらに高い出力レベルで送信せざるを得なくなるであろう。MS
はBS2にかなり近寄ることになるので、BS2とのコネクションのために要する送信
出力レベルは低くてよい。そのため、適切な電力制御を行うことなく過去の高出
力レベルで送信してしまうハードハンドオフの初期効果によって、セル2での干
渉のバーストが発生する。
前または実行後に、移動機の送信出力レベルデータが収集される。変動するトラ
フィックの状況の期間中の統計値はシステムコントローラによって一日を通して
収集され、その分布を代表するプロファイルを得る。プロファイルはデータ変動
を示すものであって、いくつかの周知の統計処理(例えば平均化)を用いて得ら
れる。ハンドオフの統計量は複数の日、週、あるいは月にわたって収集すること
ができ、それによりハンドオフ前およびハンドオフ後の出力レベルを示すことの
できるパターンを表すデータベースが作成される。例えば、出力レベルの差を測
定するために、ハンドオフ前およびハンドオフ後において、適当な数の出力レベ
ルのサンプルがとられる。
ルサンプルの先入れ後出し(FILO)型ランニング・バッファを保持させ、ハンド
オフ・イベントが発生したとき、その後追加的に2秒間のサンプルをとるものが
ある。移動機はシステムに向けて、毎秒800回程度の頻度で出力レベルを更新す
るので、バッファ内の、ハンドオフ前2秒間およびハンドオフ後2秒間における
統計データを平均化して、平均電力の差分を計算することができる。他の方法と
しては、移動機またはBSによるハンドオフ要求、または、ハンドオフが行われる
べき旨を通知するその他の関連イベント、からの出力レベルサンプルの記録を開
始するものがある。この手法によれば、セルパラメータINIT_PWR(これは一般に
はハンドオフ・メッセージとともに送信される)を、動的に最適な値に調整する
ことができる。
セクタに入ることができ、この出力レベルが低すぎると、高いフレーム消失率(
FER)を移動機に負わせる原因となるので、電力制御アルゴリズムによって増加
されていく。この状況はその移動機にとっては一時的に不便なものとなるが、他
の動作中の移動機が受ける外乱の点では望ましいと考えられる。その周波数を共
用するすべての移動機は、不適切な出力レベルで移動する移動機のために生じた
干渉の影響を受けるからである。
きく変動することが知られている。昼間の高負荷時の間、トラフィックや他の干
渉源が増加するため、干渉は一般に、低負荷時に比べ相対的に高い。干渉レベル
の有益な測定値の1つに、Ec/I0がある。ここで、Ec/I0は、チップあたりのエネ
ルギーを干渉の電力スペクトル密度で割った値であり、カバレージの品質および
強度を示している。十分な品質をシステムに行き渡らせるためには、Ec/I0をお
およそ一定に保つことが望ましい。干渉レベルI0が増加すると、同等の接続品質
を維持すべく、それに対応して電力Ecを増加させる必要がある。これは例えば、
システム内のユーザが増加したり在圏するBSから移動機が遠ざかる場合のセル・
ブリージングに応じて、電力制御アルゴリズムが移動機に出力を増加するよう指
示する場合に行わせることが可能である。
コネクションに要するレベルよりも出力レベルを低くしてしまうために、システ
ム性能に悪影響を及ぼす場合がある。このため本発明の実施形態では、収集した
統計情報に基づいて、昼間帯にはパワーマージンのパラメータINIT_PWRを使用し
、夜間帯にはそれを完全に撤回または非常に小さくして使用することを可能とす
る。
の送信出力のグラフを示している。曲線320は昼間に動作中の移動機による送信
出力レベルを示している。時刻0でハンドオフ・イベントが発生し、これは線30
0で示されている。ハンドオフの直前の時間帯では、例えば、在圏するBSのセル
境界付近に位置しているか、セルの負荷のために、移動機は比較的高い出力レベ
ルで送信している。ハンドオフの直後には、パワーマージンの適用によって、送
信出力が6dbm程度落ち込む。このレベルは、新たなセルにおける良好なコネク
ションのための適切なレベル(線310で示されている)に近づいている。曲線330
は、パワーマージンの低減処理が行われない、夜間に動作中の移動機の送信出力
を示している。出力レベルはハンドオフ前後を通じてほぼ一定であり、よって、
実質的にはかかる状態でのハードハンドオフに伴う影響は見られない。
ドハンドオフに対する電力制御を改善することを意図したものであり、特に、セ
ル・ブリージングの影響への対処に用いるのに好適である。パワーマージンのパ
ラメータは、セルからセルまたはセクタからセクタへの移動に際しての各状況に
対して自動的に設定されうる。電力制御が改善された結果、システムにおける干
渉が減少し、これによって全体の接続品質が向上する。
らびに発明の範囲を逸脱することなくバリエーションまたは改良物をつくり出す
ことができることは理解されよう。特に、出力レベルに加えて、ハードハンドオ
フに係る問題の大きさを示すことのできるビット誤り率(BER)、フレーム消失
率(FER)、あるいは干渉といった、異なるタイプの統計データを収集してもよ
い。さらに、本発明は異なるタイプのCDMAによるシステムにも適用することがで
きる。すなわち、本発明は上述した特定のパワーマージンパラメータに限定され
るものではない。すべてのバリエーションや改良物は、特許請求の範囲によって
画定される本発明の範囲内に包含されることを意図したものである。
Claims (9)
- 【請求項1】 符号分割多元接続による無線通信システムにおける、ハード
ハンドオフの後に移動機の送信出力レベルを調整する方法であって、 複数のハードハンドオフ・イベントに係る出力レベルデータを含む統計情報を
収集するステップと、 前記収集された統計情報から送信出力レベルのプロファイルを生成するステッ
プと、 該プロファイルから適正なパワーマージンを決定するステップと、 ハードハンドオフの後に、該パワーマージンを前記移動機に供給するステップ
と、 を有することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 前記プロファイルは、ハードハンドオフ・イベントの統計収
集から作成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 適正なパワーマージンを決定する前記ステップは、前記複数
のハードハンドオフ・イベントの平均出力レベルの変動に基づくことを特徴とす
る請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 前記パワーマージンは、当該システムにおける負荷状況に基
づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 前記パワーマージンを前記移動機に供給する前記ステップは
、 当該システムの負荷が高い状況の期間中に動作しているときに前記パワーマー
ジンを適用し、かつ、当該システムの負荷が低い状況の期間中に、該パワーマー
ジンを大幅に低減させ、または撤回することを含むことを特徴とする請求項1に
記載の方法。 - 【請求項6】 システムコントローラと、複数の基地局と、該基地局と無線
通信を行うことの可能な複数の移動機と、ハードハンドオフの後に移動機の送信
出力レベルを調整する装置とを備える符号分割多元接続による無線通信システム
において、 複数回のハードハンドオフ・イベントに係る送信出力レベルデータを含むデー
タベースと、 ハードハンドオフに対する適正なパワーマージンを決定するための、前記出力
レベルデータから得られるデータのプロファイルと、 前記移動機の前記送信出力レベルを調整するための、前記パワーマージンを含
む電力制御アルゴリズムと、 を備えることを特徴とするシステム。 - 【請求項7】 前記データベースは、前記システムコントローラに配置され
ることを特徴とする請求項6に記載のシステム。 - 【請求項8】 前記プロファイルは、ハードハンドオフの統計収集に関する
出力レベルデータのパターンの代表であることを特徴とする請求項6に記載のシ
ステム。 - 【請求項9】 前記パワーマージンは、前記システムコントローラから、関
係する基地局を経由して前記移動機に送信されるハンドオフ・メッセージに含ま
れることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
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