JP2002520304A - ヘキサメチレンジアミン及び不飽和環式イミンを含む混合物中における該イミン含有量の低減方法 - Google Patents

ヘキサメチレンジアミン及び不飽和環式イミンを含む混合物中における該イミン含有量の低減方法

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JP2002520304A
JP2002520304A JP2000559074A JP2000559074A JP2002520304A JP 2002520304 A JP2002520304 A JP 2002520304A JP 2000559074 A JP2000559074 A JP 2000559074A JP 2000559074 A JP2000559074 A JP 2000559074A JP 2002520304 A JP2002520304 A JP 2002520304A
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Abstract

(57)【要約】 ヘキサメチレンジアミン、及び式(I): 【化1】 [但し、R1が環員として3、4、5、6、7、8、9、10、11個の炭素原子を有するアルケニルである]で表される不飽和環式イミン(I)を含む混合物中における上記イミン(I)含有量を、ヘキサメチレンジアミン及びイミン(I)を含む混合物中のイミン(I)を、溶媒和プロトンの存在下、式(II): 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ヘキサメチレンジアミン及び式(I):
【0002】
【化3】
【0003】 [但し、R1が環員として3、4、5、6、7、8、9、10、11個の炭素原
子を有するアルケニルである] で表される不飽和環式イミン(I)を含む混合物中における上記イミン(I)含
有量の低減法であって、 ヘキサメチレンジアミン及びイミン(I)を含む混合物中のイミン(I)を、
溶媒和プロトンの存在下、式(II):
【0004】
【化4】 で表される飽和環式アミンに電気化学的に転化することを特徴とする方法に関す
る。
【0005】 アジポニトリルをアンモニアの存在下、高圧条件下に均一触媒系で水素化し、
6−アミノカプロニトリル(ACN)及び/又はヘキサメチレンジアミン(HM
D)を形成することは、例えばWeissermel/Arpe, Industrielle Organische Che
mie, Verlag Chemie, 第3版, 1988, 266頁及びWO−A96/20166により
公知となっている。このACN及びHMDは両方共、ポリアミド(例えば、ナイ
ロン−6及びナイロン−6,6)の製造に重要な中間体である。
【0006】 使用される触媒によっては、この水素化により、望ましくない副生成物、例え
ばテトラヒドロアゼピン(THA)、1−アミノ−2−シアノシクロペンテン(
ICCP)、2−アミノメチルシクロペンチルアミン(AMCPA)、1,2−
ジアミノシクロヘキサン(DCH)及びビスヘキサメチレントリアミン(BHM
TA)が様々な量で得られる。これらの副生成物は、副生成されたペルヒドロア
ゼピン(ヘキサメチレンイミンとしても知られている;HMI)と異なり、価値
ある生成物、即ちACN及び/又はHMDからの分離が非常に困難である。
【0007】 例えば、US−A4282381(第2欄の表1)では、特に平均200〜9
00ppmのテトラヒドロアゼピンで鉄触媒副生成物の存在下、アジポニトリル
を水素化して、HMDを形成することが開示されている。
【0008】 THAの含有量が高いと、例えば蒸留による、困難な精製を必要とする。この
精製は、資本的支出及びエネルギー費が多額になるか、又は特に複合水素化物、
例えばNaBH4又はLiAlH4による化学消費が高くなる。
【0009】 従って、本発明の目的は、HMD及びTHAを含む混合物のTHA含有量を技
術的に簡易かつ経済的な方法で低減する方法を提供することにある。
【0010】 上記目的は、冒頭に定義された方法により達成されることを、本発明者等によ
り見出された。不飽和環式イミン(I)は、式:
【0011】
【化5】
【0012】 [但し、R1が環員として3、4、5、6、7、8、9、10、11個、好まし
くは5個の炭素原子を有するアルキレン基である] で表される化合物である。
【0013】 このアルキレン基は、置換基を有していても良い;このアルキレン基は、純粋
な、好ましくは枝分かれした炭化水素であるのが好ましい。アルキレン基として
は、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタ
メチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン基
が好ましく、特にペンタメチレン基が好ましい。
【0014】 化合物(I)は、異なる種類の上記イミン混合物でも良いが、1種類だけが好
ましい。
【0015】 本発明の方法により得られるアミン(II)は、一般的に、出発材料として使
用されるイミン(I)と同じ基R1を有する。
【0016】 化合物(I)は、式:
【0017】
【化6】 で表されるTHAが特に好ましい。
【0018】 本発明の方法により、このTHAを、化合物(II)に相当する式:
【0019】
【化7】 で表されるペルヒドロアゼピンに転化する。
【0020】 本発明により、THAを、HMD及びTHAを含む混合物に使用する。この混
合物は、例えば後述するアジポニトリルの水素化により得ることができる。HM
Dに対するTHA含有量は、通常、100〜2500ppm、特に200〜90
0ppmに及ぶ。
【0021】 HMD及びイミン(I)を含む混合物を、純粋な形で、又は好ましくは液体の
希釈剤との混合物で転化に使用することができる。
【0022】 液体の希釈剤としては、ヒドロキシル含有化合物、好ましくは水又は炭素原子
数が1〜4個のアルコール(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノ
ール、1−メチルプロパノール)であり、水又はメタノールが好ましく、特に水
が好ましく、或いはその混合物が有効であり、さらに上記ヒドロキシル含有化合
物とヒドロキシル非含有化合物、好ましくはエーテル(例えば、ジメトキシエタ
ン若しくはテトラヒドロフラン又はその混合物)との混合物が有効である。
【0023】 液体の希釈剤の量は、簡易な先行試験を幾つか行えば容易に確かめられる。
【0024】 THA含有量が100〜2500ppmの範囲、特に200〜900ppmの
範囲であるHMD/THA混合物には、水及び/又はメタノール、特に水が、混
合物全体に対して0.01〜20質量%の量で存在するのが特に有効である。
【0025】 電気化学的転化は、1つ、好ましくは1つ以上(例えば、2、3又は4つ)、
特に2つのセルコンパートメントを有する電解セルを用いて適当に行われる。複
数のセルコンパートメントを使用する場合、各コンパートメント(区画)はイオ
ン透析膜により相互に分割されているのが有効である。
【0026】 2つのコンパートメントの場合、好適な膜として、特にカチオン透析膜、中で
もプロトン透析膜を使用する。
【0027】 上述のような膜は一般に知られており、商品名ナフィオン(Nafion)、例えば
ナフィオン324(デュポン社製)で市販されている。
【0028】 陽極領域には、電解セルに電圧をかけた際に、陽極側に溶媒和プロトンを形成
し得る液体を満たすのが有効である。好適な液体は、ヒドロキシル含有化合物、
例えば水又は酸、好ましくは有機酸(例えば、モノ−又はジカルボン酸)、若し
くはその塩、さらにこれらの混合物である。導電率を高めるために、これらの液
体を有機又は無機塩基(例えば、HMD)、好ましくは無機酸(例えば、硫酸)
、特に有機酸(例えば、アジピン酸)と全液体に対して0.1〜2質量%の量で
混合させても良い。
【0029】 上記液体は、一般的に、溶媒和プロトンを形成し、そして同時に電解セルに電
圧をかけた際に酸素を発生する。
【0030】 電解セルの素反応用としての陽極材料は、一般的に公知であり、また市販され
ている。用いるのが有効である材料は、例えばRu−Ta−Ti混合酸化物又は
Ir−Ti混合酸化物であり、デンドラDSA電極(Dendra DSA Elektrode)又
はヘラエウスピータ64(Heraeus Pita 64)として市販されている。
【0031】 電解セルの陰極領域は、HMD及びイミン(I)を含む混合物で満たされてい
る。
【0032】 伝導率を高めるために、陰極領域に、有機塩、好ましくは無機塩、例えばアル
カリ金属ハロゲン化物(例えば、塩化リチウム)、無機若しくは有機塩基、又は
無機若しくは有機酸、例えば、モノカルボン酸、好ましくはジカルボン酸、特に
アジピン酸を全陰極液に対して0.1〜2質量%の量で導入することができる。
【0033】 陰極液は、この反応に対して触媒的に活性であり、かつこの陰極液に対して好
ましくは均一である物質、例えば微分散金属、好ましくは鉄、ラネーコバルト又
はラネーニッケル、特にラネーニッケルを、陰極液に対して1〜20質量%の量
で含んでいても良い。反応後、この触媒活性物質を混合物から、ろ過のように慣
用され、かつ簡易な方法で分離することができる。
【0034】 電解セルの素反応用陰極のろ過材は、それ自体公知であり、市販されている。
金属ろ過材、例えばステンレス鋼フィルタ又は白金付チタン(platinizede tita
nium)から成るフィルタを使用するのが有効であろう。
【0035】 反応は、通常、陽極液及び陰極液が液状で存在する温度、好ましくは10〜6
0℃の範囲、特に36〜40℃の範囲で行われる。
【0036】 電流密度は、1〜30mA/cm2の範囲、好ましくは15〜30mA/cm2 の範囲であるのが有効であり、これにより14.4〜58V、好ましくは14.
4〜36Vの電圧が得られる。
【0037】 本発明の、HMD及びイミン(I)を含む出発混合物から形成される化合物(
II)を、蒸留、晶出又は抽出のような慣用法で生成混合物から分離することが
できる。
【0038】
【実施例】
以下の条件下で、実施例を行った:
【0039】
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AU,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,GE, HR,HU,ID,IL,IN,JP,KR,KZ,L T,LV,MK,MX,NO,NZ,PL,RO,RU ,SG,SI,SK,TR,UA,US,ZA (72)発明者 フィッシャー,ロルフ ドイツ、D−69121、ハイデルベルク、ベ ルクシュトラーセ、98 (72)発明者 フォイト,グイド ドイツ、D−67251、フラインスハイム、 ボルンガセ、13 (72)発明者 ルイケン,ヘルマン ドイツ、D−67069、ルートヴィッヒスハ ーフェン、ブリュッセラー、リング、34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘキサメチレンジアミン及び式(I): 【化1】 [但し、R1が環員として3、4、5、6、7、8、9、10、11個の炭素原
    子を有するアルケニルである] で表される不飽和環式イミン(I)を含む混合物中における上記イミン(I)含
    有量の低減法であって、 ヘキサメチレンジアミン及びイミン(I)を含む混合物中のイミン(I)を、
    溶媒和プロトンの存在下、式(II): 【化2】 で表される飽和環式アミンに電気化学的に転化することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 化合物(I)としてテトラヒドロアゼピンを使用して、化合
    物(II)に相当するペルヒドロアゼピンを得る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 転化を、水又は炭素原子数が1〜4個のアルコールの存在下
    に行う請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 転化を触媒の存在下に行う請求項1〜3のいずれかに記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 触媒として、ラネーニッケルを使用する請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 転化を有機酸の存在下に行う請求項1〜5のいずれかに記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 有機酸として、モノ又はジカルボン酸を使用する請求項6に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 モノカルボン酸として、アジピン酸を使用する請求項7に記
    載の方法。
JP2000559074A 1998-07-09 1999-07-02 ヘキサメチレンジアミン及び不飽和環式イミンを含む混合物中における該イミン含有量の低減方法 Withdrawn JP2002520304A (ja)

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BR (1) BR9911959A (ja)
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CA2336800A1 (en) 2000-01-20
WO2000002842A1 (de) 2000-01-20
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BR9911959A (pt) 2001-03-27
AR019229A1 (es) 2001-12-26
DE19830598A1 (de) 2000-01-13
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