JP2002519990A - 70種類のヒト分泌タンパク質 - Google Patents

70種類のヒト分泌タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、70種類の新規なヒト分泌タンパク質および該タンパク質をコードする遺伝子のコード領域を含有した単離核酸分子に関するものであり、また、ヒト分泌タンパク質を製造するためのベクター、宿主細胞、抗体および組換え方法を提供し、さらに該ヒト分泌タンパク質に関連する疾患を診断および治療するのに有効な診断および治療方法に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 70種類のヒト分泌タンパク質 技術分野 本発明は新たに同定されたポリヌクレオチドと、それらポリヌクレオチドによ ってコードされるポリペプチド、それらポリヌクレオチドとポリペプチドの使用 およびそれらの生産に関する。 背景技術 膜に囲まれた単一の区画として存在する細菌とは異なり、ヒト細胞と他の真核 生物は膜によって機能的に異なる数多くの区画に細分されている。膜によって区 切られたそれぞれの区画または細胞小器官は、その細胞小器官の機能に必須な種 々のタンパク質を含有している。細胞はタンパク質内に位置するアミノ酸モチー フである「選別シグナル」を使用して特定の細胞小器官にタンパク質をターゲテ ィングする。 シグナル配列、シグナルペプチドまたはリーダー配列と呼ばれる選別シグナル の一種は、一群のタンパク質を小胞体(ER)と呼ばれる細胞小器官に向かわせる 。ERは膜結合型タンパク質を他のあらゆるタイプのタンパク質から分離する。い ったんERに局在化されると、どちらのタンパク質群も、さらにゴルジ装置と呼ば れるもう一つの細胞小器官に誘導されうる。ここでゴルジは、分泌小胞、細胞膜 、リソソームおよび他の細胞小器官を含む小胞にそれらタンパク質を分配する。 シグナル配列によってERにターゲティングされるタンパク質は、分泌タンパク 質として細胞外空間に放出されうる。例えば、分泌タンパク質を含有する小胞は 細胞膜と融合して、それらの内容物を細胞外空間に放出することができる(エキ ソサイトーシスと呼ばれる過程)。エキソサイトーシスは構成的にも起こりうる し、誘発シグナルの受容後にも起こりうる。後者の場合、タンパク質は、エキソ サイトーシスが誘発されるまで分泌小胞(または分泌顆粒)中に保存される。同 様に、細胞膜上に存在するタンパク質は、そのタンパク質を膜に保持している「 リンカー」のタンパク質分解的切断によっても細胞外空間に分泌されうる。 近年なされた著しい進歩にもかかわらず、ヒト分泌タンパク質をコードする遺 伝子は少数しか同定されていない。それらの分泌タンパク質には、商業的に価値 のあるヒトインシュリン、インターフェロン、第VIII因子、ヒト成長ホルモン、 組織プラスミノゲン活性化因子、エリスロポエチンがある。したがって、ヒトの 生理機能における分泌タンパク質の幅広い役割に照らして、新規ヒト分泌タンパ ク質とそれらをコードする遺伝子を同定し特徴づける必要がある。この知見によ り、分泌タンパク質またはそれらをコードする遺伝子を用いて医学的障害を検出 、治療または予防することが可能になるだろう。 発明の要約 本発明は新規ポリヌクレオチドとそれがコードするポリペプチドに関する。さ らに本発明は、それらポリペプチド及びポリヌクレオチドを生産するためのベク ター、宿主細胞、抗体および組換え法に関する。また、それらポリペプチドに関 連する障害を検出するための診断法、それら障害を処置するための治療法も提供 される。さらに本発明は、それらポリペプチドの結合パートナーを同定するため のスクリーニング法に関する。 詳細な説明定義 本明細書の全体にわたって使用される一定の用語の理解を容易にするために、 次の定義を行う。 本発明において「分離(された)」とは、その当初の環境(例えばそれが天然 に存在する場合はその自然環境)から取り出された物質を指し、したがって自然 の状態からは「人間の手によって」変更されている。例えば、分離されたポリヌ クレオチドはベクターや組成物の一部であったり、細胞内に含まれたりしうるが 、それでもなお、それは「分離」されている。なぜなら、そのベクター、組成物 または特定の細胞が、そのポリヌクレオチドの当初の環境ではないからである。 本発明において「分泌」タンパク質とは、細胞外空間に放出されるタンパク質 (必ずしもシグナル配列を含有しない)だけでなく、シグナル配列の結果として ER、分泌小胞または細胞外空間に誘導されうるタンパク質をも指す。分泌タンパ ク質が細胞外空間に放出される場合、その分泌タンパク質は細胞外プロセシング を受けて「成熟」タンパク質を生じうる。細胞外空間への放出はエキソサイトー シスやタンパク質分解的切断を含む数多くの機序によって起こりうる。 本明細書にいう「ポリヌクレオチド」とは、配列番号Xに含まれる核酸配列を 持つ分子又はATCCに寄託されたクローン内に含まれるcDNAを指す。例えば、ポリ ヌクレオチドは、5'および3'非翻訳配列を含む全長cDNA配列、コード領域(シグ ナル配列を伴うもの又は伴わないもの)または分泌タンパク質コード領域のヌク レオチド配列、ならびにその核酸配列の断片、エピトープ、ドメイン及び変異体 を含有しうる。さらに、本明細書にいう「ポリペプチド」とは、広義のポリヌク レオチドから生成される翻訳されたアミノ酸配列を持つ分子を指す。 本発明において、配列番号Xとして識別される全長配列は、しばしば、複数の クローンに含まれる配列を重ね合わせることによって作成された(コンティグ解 析)。配列番号Xの配列の全部または大半を含有する代表的クローンはアメリカ ンタイプカルチャーコレクション(「ATCC」)に寄託された。表1に示すように 、各クローンはcDNAクローンID(識別名)とATCC受託番号によって識別される。 ATCCの所在地は米国20852メリーランド州ロックビル・パークローンドライブ123 01である。このATCC寄託は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダ ペスト条約に基づいて行われた。 本発明の「ポリヌクレオチド」には、配列番号X、その相補鎖またはATCCに寄 託されたクローン内のcDNAにストリンジェントなハイブリダイゼーション条件で ハイブリダイズできるポリヌクレオチドも含まれる。「ストリンジェントなハイ ブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC(750mM NaCl、75mM クエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト液、10 %硫酸デキストランおよび20μg/ml変性剪断サケ精子DNAを含んでなる溶液中、42 ℃での終夜インキュベーションと、それに続く約65℃の0.1×SSCでのフィルター の洗浄を指す。 より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件で本発明ポリヌク レオチドにハイブリダイズする核酸分子も考えられる。ハイブリダイゼーション とシグナル検出のストリンジェンシーの変更は主としてホルムアミド濃度(ホル ムアミドのパーセンテージが低いほどストリンジェンシーが低くなる)、塩濃度 または温度の操作によって達成される。例えば、より低いストリンジェンシー条 件には、6×SSPE(20×SSPE=3M NaCl:0.2M NaH2PO4:0.02M EDTA,pH7.4)、0. 5%SDS、30%ホルムアミド、100μg/mlサケ精子遮断DNAを含んでなる溶液中、37℃ での終夜インキュベーションと、それに続く1×SSPE、0.1%SDSによる50℃での洗 浄がある。また、いっそう低いストリンジェンシーを達成するには、ストリンジ ェントなハイブリダイゼーションに続いて行われる洗浄を、より高い塩濃度(例 えば5×SSC)で行いうる。 上記条件の変動が、ハイブリダイゼーション実験でバックグランドを抑制する ために使用される代替遮断試薬類の包含および/または置換によって達成されう ることに留意されたい。典型的な遮断試薬には、デンハルト試薬、BLOTTO、ヘパ リン、変性サケ精子DNAおよび市販の特許製剤がある。特定の遮断試薬類の包含 には、適合性に関する問題ゆえに、上述したハイブリダイゼーション条件の変更 が必要になるかもしれない。 もちろん、ポリA+配列(例えば配列表に示すcDNAの任意の3'末端ポリA+区間 )又は相補的な一連のT(もしくはU)残基だけにハイブリダイズするポリヌクレ オチドは「ポリヌクレオチド」の定義には含まれないだろう。というのは、その ようなポリヌクレオチドはポリ(A)区間またはその相補鎖を含む任意の核酸( 例えば事実上任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズするだろうからであ る。 本発明ポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシ リボヌクレオチドからなることができ、それらは無修飾RNAまたはDNAであっても よいし、修飾RNAまたはDNAであってもよい。例えばポリヌクレオチドは一本鎖お よび二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本 鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域の混合物であるRNA、DNAとRNAを含んでなるハイ ブリッド分子(これは一本鎖であってもよいが、より一般的には、二本鎖または 一本鎖領域と二本鎖領域の混合物でありうる)からなりうる。また、ポリヌクレ オチドは、RNAまたはDNAもしくはRNAとDNAの両方を含んでなる三本鎖領域からな ってもよい。ポリヌクレオチドは、1または複数の修飾塩基や、安定性または他 の理由で修飾されたDNAまたはRNA主鎖も含有しうる。「修飾」塩基には、例えば トリチル化塩基と、イノシンなどの異常塩基がある。DNAとRNAには様々な修飾を 施しうる。したがって「ポリヌクレオチド」は、化学的、酵素的または代謝的に 修飾された型を包含する。 本発明のポリペプチドは、互いにペプチド結合または修飾ペプチド結合(すな わちペプチド等配電子体)で連結されたアミノ酸からなることができ、遺伝子に よってコードされる20種類のアミノ酸以外のアミノ酸を含有してもよい。本ポリ ペプチドは、翻訳後プロセッシングなどの自然の過程によって、または当技術分 野でよく知られている化学修飾技術によって修飾されうる。そのような修飾は基 本的な教科書や、より詳細なモノグラフならびに多数の研究論文に詳しく記述さ れている。修飾はペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およびアミノ末端またはカルボキ シル末端を含むポリペプチドのどの位置にあってもよい。与えられたポリペプチ ドのいくつかの部位に同じタイプの修飾が同じ程度または様々な程度に存在しう ることは理解されるだろう。また、与えられたポリペプチドは様々なタイプの修 飾を含んでもよい。ポリペプチドは、(例えばユビキチン結合の結果として)分 岐していてもよく、また分岐を伴うまたは伴わない環状ポリペプチドであっても よい。環状ポリペプチド、分岐ポリペプチドおよび分岐環状ポリペプチドは、翻 訳後の自然過程によってもたらされる場合があり、また合成法によっても製造し うる。修飾には、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビン の共有結合、ヘム成分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共 有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有 結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合的架橋の形成 、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、γ-カルボキシル 化、糖鎖付加、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリ ストイル化、酸化、PEG化、タンパク質分解的プロセシング、リン酸化、プレニ ル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、転移RNAによるタンパク質へのアミノ 酸の付加(例えばアルギニル化)およびユビキチン結合がある(例えばPROTEINS -STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES(第二版、T.E.Creighton,W.H.Freema n and Company,ニューヨーク,1993)、POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICA TION OF PROTEINS(B.C.Johnson編,Academic Press,ニューヨーク, 1983)の1〜12頁、Seifterら,Meth Enzymol 182:626-646(1990)、Rattanら, Ann NY Acad Sci 663:48-62(1992)を参照されたい)。 「配列番号X」はポリヌクレオチド配列を指し、一方「配列番号Y」はポリペプ チド配列を指し、どちらの配列も表1に特定される整数によって識別される。 「生物学的活性を持つポリペプチド」とは、特定の生物学的測定法で測定した ときに、用量に依存して又は用量に依存しないで、本発明ポリペプチド(成熟型 を含む)の活性と類似する(しかし必ずしも同一ではない)活性を示すポリペプ チドを指す。用量依存性が存在する場合、それは本ポリペプチドの用量依存性と 同一である必要はないが、本発明ポリペプチドと比較して、与えられた活性に関 してその用量依存性と実質上類似する(すなわち、その候補ポリペプチドは本発 明ポリペプチドと比較してより高い活性を示すか、本発明ポリペプチドの約25分 の一以下でない、好ましくは約10分の1以下でない、最も好ましくは約3分の1以 下でない活性を示すだろう)。本発明のポリヌクレオチドとポリペプチド 遺伝子番号1によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号1の翻訳産物は、フコ糖複合体からフコースを加水分解するリソソ ーム酵素として重要であると考えられるα-L-フコシダーゼと配列相同性を有す る(アクセッション番号gi/178409参照)。リソソームフコシダーゼは、一定の リソソーム貯蔵疾患に関係する(Biochem.Biophys.Res.Commun.,164(1):439 -445(1989)参照)。常染色体劣性リソソーム貯蔵障害であるフコシドーシスは 進行性神経劣化と精神遅滞を特徴とする。この疾患は、フコ糖複合体からフコー スを加水分解するリソソーム酵素であるα-L-フコシダーゼの不十分な活性によ ってもたらされる。この遺伝子は新規フコシダーゼイソ酵素をコードすると思わ れる。相同性に基づいて、この遺伝子の翻訳産物も分子のリソソーム異化作用に 関与すると思われ、この産物の濃度および/または組成の異常はリソソーム貯蔵 障害の原因になりうる。好ましいポリペプチド断片はアミノ酸配列PGHLLPHKWENC (配列番号257)を含んでなる。 遺伝子番号1は主として支質細胞で発現され、またヒト胎児腎臓とヒト扁桃で も、より少ない程度に発現される。 したがって本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料中 に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例えば フコシドーシスや他のリソソーム貯蔵障害などといった(ただしこれらに限らな い)疾患および状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそ れらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用 の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記細胞の組織(具体的には神 経系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の 発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得 た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織および細 胞タイプ(例:支質細胞、腎臓、扁桃、癌組織および傷ついた組織)または体液 (例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体 から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、遺伝子番号1のα-L-フコシダーゼに対する相同性は、遺伝子 番号1に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドがフコシドーシスおよび一般 的リソソーム障害の治療に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号134に残基Met-1〜Leu-6、Thr-32〜Glu -39、Lys-80〜Lys-85およびMet-90〜Pro-96として示す配列を含むものがある。 遺伝子番号2によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号2の翻訳産物は、新規分泌因子である支質細胞由来因子2(SDF-2) と配列相同性を有する。例えば、Gene 176(1-2):211-214(1996年10月17日)を参 照されたい。SDF-2のアミノ酸配列は、酵母ドリチルホスフェート-D-マンノース :タンパク質マンノシルトランスフェラーゼPmt1p[Strahl-Bolsingerら,Proc.N atl.Acad.Sci.USA 90,8164-8168(1993)]とPmt2p[Lussierら,J.Biol.Chem.270, 2770-2775(1995)](それらの活性は高等真核生物では検出されていない)に対 して類似性を示す。その配列類似性に基づき、この遺伝子の翻訳産物は、SDF-2 、Pmt1pおよびPmt2pと一定の生物学的活性を共有すると予想される。 遺伝子番号2は、主として免疫系組織と、肝癌、ヒトB細胞性リンパ腫、慢性リ ンパ球性白血病に冒された患者の脾臓、血管周皮細胞腫、咽頭癌腫、乳癌などの 癌組織、甲状腺、骨髄、骨芽細胞で発現され、また腎錐体などの他の少数の組織 でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば腎臓、肝臓および免疫器官の障害(具体的には癌)などといった(ただしこれ らに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチ ドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的 同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞( 具体的には腎臓、肝臓、甲状腺および骨髄)の多くの障害については、有意に高 いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すな わち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベ ル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:肝臓、脾臓、B細胞、咽頭 、甲状腺、乳房組織、骨髄、骨芽細胞、腎臓、癌組織および傷ついた組織)また は体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくは他の組織または細胞 検体もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中 に、日常的に検出しうる。 支質細胞は細胞機能に重要な役割を果たすことから、この組織分布と、遺伝子 番号2の支質細胞由来因子2に対する相同性は、遺伝子番号2に対応するポリペプ チドとポリヌクレオチドが腎臓、肝臓および免疫器官における障害の診断と治療 的処置に有用であることを示している。支質は血液供給を支え、実質細胞の成長 を支持するので、新生物の増殖にとって極めて重要である。本発明の核酸は米国 特許第5,576,423号(参照により本明細書の一部を構成)の配列番号3(本明細書 では配列番号258)を含んでなるが、この配列からならないことが好ましく、よ り好ましくはこの配列を含まない。 好ましいエピトープとしては、配列番号135に残基His-56〜Gly-65、Ala-74〜S er-80、Ile-84〜Pro-97、Leu-124〜Glu-129、Glu-135〜Asp-143、Gly-175〜Ser- 180およびAla-194〜Thr-199として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号3によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号3の翻訳産物は、核酸結合に重要であると考えられるLZIP-1、LZIP- 2および他のロイシンジッパータンパク質と配列相同性を有する。この遺伝子はM ol.Cell.Biol.17(9),5117-5126(1997)に「Luman」として報告されている。Lum anは塩基性ロイシンジッパースーパーファミリーの環状AMP応答配列(CRE)結合 性タンパク質/活性化転写因子1タンパク質である。これは試験管内でCREを結合 し、COS7細胞にトランスフェクトされると、CRE含有プロモーターを活性化する 。Mol.Cell.Biol.17(9):5117-5126(1997)に報告されたLumanの全アミノ酸配列 は次の通りである: 遺伝子番号3は、主としてアポトーシスT細胞とソアレス(Soares)老化細胞で 発現され、また多発性硬化症組織や海馬を含む複数の組織と細胞タイプでも、よ り少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫学的に媒介される障害、移植、免疫不全および腫瘍壊死などといった(た だしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポ リペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプ の弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織また は細胞(具体的には免疫系)の多くの障害と移植については、有意に高いまたは 低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、そ の障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との 比較で、一定の組織(例:多発性硬化症組織、海馬、骨髄、癌組織および傷つい た組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのよ うな障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出し うる。 この組織分布と、遺伝子番号3のロイシンジッパー核酸結合タンパク質に対す る相同性は、遺伝子番号3に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが免疫学 的に媒介される障害、移植、免疫不全および腫瘍壊死の診断と処置に有用である ことを示している。アポトーシス組織における分泌核酸結合性タンパク質は、ア ポトーシス細胞によって放出されたDNAの処分に関与するのかもしれない。さら にまた、Lumanの裏付けとして行われた研究は、転写調節配列(これは免疫機能 の調節に有用である)を同定するためにこの遺伝子の翻訳産物を使用しうること を示唆している。 好ましいエピトープとしては、配列番号136に残基Asn-7〜Ser-12、Tyr-32〜Gl y-38、Pro-55〜Tyr-60、Glu-70〜Thr-76およびPro-104〜Leu-110として示す配列 を含んでなるものがある。 遺伝子番号4によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号4の翻訳産物は、癌の発生、免疫系の発生と機能に重要であると考 えられるヒト転移腫瘍抑制遺伝子、CO-029腫瘍関連抗原タンパク質、CD53造血系 抗原、ヒト膜抗原TM4スーパーファミリータンパク質、転移制御ペプチドおよび ヒトCD9配列などといった多数の4回膜貫通型表面分子の一員と配列相同性を有す る。 遺伝子番号4は主としていくつかの異なる組織の癌で発現され、また前立腺、 皮膚および腎臓のような正常組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫系、前立腺および腎臓の障害や癌などといった(ただしこれらに限らない )疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポ リペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫 学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には腎 臓、皮膚、前立腺および免疫系)の多くの障害については、有意に高いまたは低 いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その 障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との 比較で、一定の組織(例:腎臓、皮膚および前立腺、癌組織および傷ついた組織 )または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障 害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、ヒト転移腫瘍抑制因子、CO-029腫瘍関連抗原タンパク質、CD 53造血系抗原、ヒト膜抗原TM4スーパーファミリータンパク質、転移制御ペプチ ドおよびヒトCD9配列などの4回膜貫通型表面分子に対する遺伝子番号4の相同性 は、遺伝子番号4に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが成長と分化の細 胞制御と関わることを示している。したがって、この遺伝子の翻訳産物は、腎臓 、皮膚および前立腺の障害と腫瘍形成の診断と処置に有用だと考えられる。例え ば、診断および予後用に、形質転換宿主細胞中で組換えタンパク質を産生させる ことができる。タンパク質配列の変異は、対象における悪性癌の存在または悪性 腫瘍の素因の存在を示す。野生型遺伝子産物を回復させるために対象に対して遺 伝子治療を使用できる。また、本抗体は造血系腫瘍形成同定用の有用な道具であ り、形態学的にあまり明確にされていない細胞の同定に役立つことが明らかにな るだろう。さらにこのタンパク質は、当技術分野で知られている技術を用いて同 系のレセプターとリガンドを分離し、潜在的なアゴニストとアンタゴニストを同 定するのに使用できる。また本タンパク質は免疫調節活性を持ち、造血を調節し 、男/女避妊薬として成長と再生を刺激し、アクチビンおよびインヒビン様活性 に依存する生殖能を増大させる。他の用途は、リンパ球用の走化性物質、凝固障 害の処置、抗炎症薬、抗微生物薬または鎮痛薬、および行動と代謝の調節剤とし ての用途である。本DNAは遺伝子診断または遺伝子治療に使用でき、また組換え タンパク質の生産に使用できる。またタンパク質発現細胞を同定し、関連配列を 分離し、遺伝子フィンガープリント法用のプライマーを調製し、抗タンパク質ま たは抗DNA抗体を生成させるためにも使用できる。さらに、この遺伝子の翻訳産 物中の残基1〜71は細胞外ドメインであると考えられる。したがって、残基1〜71 を含んでなるポリペプチドもしくはその誘導体(断片を含む)または類似体は、 このレセプターの活性を拮抗するために治療的に日常的に使用しうる可溶性ポリ ペプチドとして有用である。 好ましいエピトープとしては、配列番号137に残基Lys-118〜Phe-127、Asn-145 〜Ala-160およびThr-177〜Val-188として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号5によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号5は主としてヒト精巣で発現される。 したがって、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌や生殖障害を含む精巣の疾患などといった(ただしこれらに限らない)疾患 と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプ チドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プ ローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には生殖器系 )の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現 を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、そのような障害を持たない個体から 得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例: 精巣、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液また は脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞 検体中に、日常的に検出しうる。 遺伝子番号5の組織分布は、発現が主として精巣で観察されることから、この 遺伝子のタンパク質産物が精巣の疾患(具体的には精巣癌)の処置/診断に有用 であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号138に残基Gly-22〜Gln-30として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号6によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号6の翻訳産物は、グリコサミノグリカン、ケラタン硫酸およびコン ドロイチン6-硫酸の貯蔵に重要であると考えられるGALNS(N-アセチルガラクト サミン6-スルファターゼ)と配列相同性を有する。GenBankアクセッション番号g i|618426を参照されたい。その配列類似性に基づき、この遺伝子の翻訳産物はGA LNSと生物学的活性を共有すると予想される。 遺伝子番号6は主としてヒト骨髄で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばグリコサミノグリカン、ケラタン硫酸およびコンドロイチン6-硫酸の貯蔵障害 (例えばモルキオA症候群)などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状 態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチド に対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロー ブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞の(具体的には細胞貯蔵障 害に関係する)多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺 伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体 から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織( 例:骨髄、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液 または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または 細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、遺伝子番号6のN-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ に対する相同性は、遺伝子番号6に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが グリコサミノグリカン、ケラタン硫酸およびコンドロイチン6-硫酸の貯蔵障害の 処置と診断に有用であることを示している。そのような障害は当技術分野で知ら れており、例えばムコ多糖代謝の誤りによって生じ、尿へのケラタン硫酸の排出 を伴うモルキオA症候群がある。モルキオA症候群は低身長を伴う重度の骨格欠陥 、脊柱と胸郭の重度の変形、骨端は不規則であるが正常な長さの骨幹を持つ長骨 、肥大した関節、弛緩した靭帯及びよたつき歩行を特徴とし、常染色体劣性遺伝 である。 好ましいエピトープとしては、配列番号139に残基Gly-29〜Pro-36およびGlu-5 7〜Leu-64として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号7によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号7の翻訳産物は、カルボキシペプチダーゼE及びH(カルボキシペプ チダーゼEは数多くのペプチドホルモンと神経伝達物質の生合成に重要であると 考えられる)と配列相同性を有する。この遺伝子の翻訳産物はマウス由来の骨関 連カルボキシペプチダーゼ「OSF-5」とも配列相同性を持つ。欧州特許出願EP-58 8118-Aを参照されたい。OSF-5との配列類似性に基づき、以下、この遺伝子の翻 訳産物を「ヒトOSF-5」または「hOSF-5」という場合がある。 遺伝子番号7は主として軟骨肉腫、滑膜肉腫、ウィルムス肉腫および横紋筋肉 腫などといった結合組織に由来する腫瘍細胞株で発現され、また骨髄前駆細胞株 、骨髄および胎盤でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば広く骨格系と結合組織(具体的には軟骨界面にあるもの)に関係する種々の癌 (ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に 、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タ イプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織 または細胞の多くの障害(具体的には骨格系の障害と様々な他の腫瘍組織)につ いては、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子 発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液 における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:結合組織、癌組織および傷 ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそ のような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検 出しうる。 この制限された組織分布と、遺伝子番号7のカルボキシペプチダーゼEおよびマ ウスOSF-5に対する相同性は、遺伝子番号7に対応するポリペプチドとポリヌクレ オチドが、ペプチドをその成熟型(これは神経ペプチドの活性と類似する種々の 活性を(ただし末梢で)持ちうる)にプロセシングするためのものであることを 示している。また、癌組織での発現が豊富であることは、異常発現とそれ以降の プロセシングが、悪性腫瘍の進行にある役割(例えば増殖因子および/または接 着因子活性)を果たしうることを示している。具体的には、この遺伝子の発現は 、結合組織と胚組織に限定される。さらに、それはそれらと同じ組織の癌(すな わち肉腫)中で過剰発現される。またhOSF-5は、既知の骨成長因子であって骨代 謝性疾患(例えば骨粗しょう症やページェット病)の診断及び処置用製品を得る のに有用だと考えられているmOSF-5と極めて強い配列類似性を有する。OSF-5と 同様に、この遺伝子の翻訳産物は、接着分子/成長因子として作用し骨誘導部位 で骨形成に参加する骨特異的カルボキシペプチダーゼであると考えられる。した が ってhOSF-5は、骨代謝性疾患、骨粗しょう症、ページェット病、骨軟化症、骨化 過剰症または骨石化症を処置するために使用できる。さらにhOSF-5は、例えば事 故または手術による骨折などの機械的損傷部位における骨の再生を刺激するため にも使用できる。 好ましいエピトープとしては、配列番号140に残基Leu-24〜Val-30、Ala-89〜L ys-94、Phe-150〜Trp-157、Leu-162〜Asp-167、Asp-187〜Ser-199、His-241〜As p-254およびPro-362〜Asp-376として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号8によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号8は主として骨髄で発現され、また赤白血病細胞株でも、より少な い程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌や貧血を含む血液学的障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と 状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチ ドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロ ーブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系と血 液系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の 発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得 た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:骨 髄、腎臓、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液 または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または 細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号8に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 造血幹細胞または前駆細胞にとっての成長因子として、例えば化学療法患者にお ける骨髄幹細胞損失の処置や腎臓病の処置などに有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号141に残基Gly-30〜Lys-35として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号9によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号9は主として好中球で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在する上記細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例えば炎症性疾患 など(ただしこれらに限らない)の疾患と状態の診断用試薬として有用である。 同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、上記細胞タイプの 弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または 細胞(具体的には免疫系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベ ルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を 持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、 一定の組織または細胞タイプ(例:好中球、骨髄、癌組織および傷ついた組織) または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害 をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号9に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 免疫調節に有用であり、または好中球減少症の治療に役立ちうる好中球の分化と 増殖を刺激するための成長因子として有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号142に残基Thr-22〜Pro-37として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号10によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号10は主として表皮で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば乾癬や湿疹などの表皮の疾患(ただしこれらに限らない)もしくは皮膚を構成 する上皮細胞または線維芽細胞の正常な増殖または分化に関係しうる疾患と状態 の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに 対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブ を提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には皮膚)の多くの 障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的 な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織ま たは体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:表皮、癌組織およ び傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしく はそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的 に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号10に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 皮膚病の診断と処置に有用であり、また創傷や糖尿病性潰瘍などといった種々の 表皮損傷の治癒に補助として有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号143に残基Ser-3〜Ser-9およびTrp-27 〜Glu-32として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号11によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号11の翻訳産物は、ホスファチジルコリン2-アシルヒドロラーゼ(PL A2)と配列相同性を有する。例えばGenBankアクセッション番号gi|190004を参照 されたい。PLA2は炎症に関与し、そこで細胞膜リン脂質のアラキドン酸への変換 を担う。次にアラキドン酸はリポキシゲナーゼ経路とシクロオキシゲナーゼ経路 に送りこまれてロイコトリエン類(走化性、血管収縮、気管支収縮および血管透 過性の増加に関与する)とプロスタグランジン類(血管拡張、浮腫の助長、痛み の増加を担う)を生成する。PLA2が主要因子として関与する疾患には、慢性関節 リウマチ、敗血症、虚血および血栓症がある。本発明者らはこの遺伝子の翻訳産 物を、その配列類似性に基づいて、PLA2様タンパク質と呼ぶ。さらに、その配列 類似性ゆえに、PLA2とPLA2様タンパク質は一定の生物学的活性を共有すると予想 される。 遺伝子番号11は主としてヒト小脳とT細胞で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば小脳障害、慢性関節リウマチ、敗血症、虚血および血栓症などといった(ただ しこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリ ペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの 弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または 細胞(具体的には小脳とプルキンエ細胞)の多くの障害については、有意に高い または低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわ ち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベ ル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:脳、骨髄、T細胞、癌組織 および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)も しくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日 常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号11に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 小脳障害、慢性関節リウマチ、敗血症、虚血および血栓症の診断と処置に有用で あることを示している。この遺伝子は染色体マーカーとしても有用である。これ は15番染色体D15S118-D15S123に位置すると考えられる。 遺伝子番号12によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号12は主として胎盤、子宮、腫瘍、胎児肝臓、胎児脾臓などの高度に 脈管化された組織で発現され、エストロゲンで処理したC7MCF7細胞株でも発現さ れる。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば子宮内膜症、子宮内膜炎、子宮内膜癌、原発性肝細胞癌および脾臓関連疾患な どといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用であ る。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織ま たは細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。 上記の組織または細胞(具体的には子宮内膜、肝臓および脾臓)の多くの障害に ついては、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝 子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体 液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:子宮内膜、肝臓、脾臓、 癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄 液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中 に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号12に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 子宮内膜の疾患(子宮内膜癌、子宮内膜症、子宮内膜炎など)、肝臓疾患(原発 性肝細胞癌など)および脾臓関連疾患の診断と処置に有用であることを示してい る。 配列番号145、残基Ala-29〜Leu-35、Leu-50〜Ser-57、Glu-96〜Glu-105、Asp- 140〜Asp-148、およびAsn-191〜Ser-197として。 遺伝子番号13によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号13は主としてB細胞性リンパ腫で発現され、また他の組織でも、よ り少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばB細胞性リンパ腫、造血障害、免疫機能不全などといった(ただしこれらに限 らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそ れらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用 の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的 には免疫系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺 伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体 から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織お よび細胞タイプ(例:骨髄、B細胞、癌組織および傷ついた組織)または体液( 例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体か ら採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 B細胞性リンパ腫におけるこの遺伝子産物の増進された発現は、それが造血細 胞の増殖にある役割を果たしうることを示している。これはまた、様々な造血系 統の生存および/または分化に関与すると考えられる。リンパ腫における発現は 、それが他の癌および異常な細胞増殖にも関与しうることを示している。したが ってこの組織分布は、遺伝子番号13に対応するポリペプチドとポリヌクレオチド が造血障害(具体的にはB細胞性リンパ腫)の診断および/または治療的処置に有 用であることを示している。さらにこの遺伝子の過剰発現はB細胞性リンパ腫の 発生と関係するので、このタンパク質のアンタゴニストはこの疾患の進行を妨げ るのに有効である。このタンパク質はそのようなアンタゴニストを同定するため の試験法で役立つ。アンタゴニストを同定するための試験法は当技術分野で知ら れており、ここでも他の個所に簡単に説明する。好ましいアンタゴニストには抗 体とアンチセンス核酸分子がある。B細胞増殖を阻害するアンタゴニストが好ま し い。 遺伝子番号14によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号14の翻訳産物は、リポタンパク質の輸送に重要であると考えられる 超低密度リポタンパク質レセプターと配列相同性を有する。この配列類似性ゆえ に、この遺伝子の翻訳産物はVLDLレセプターと一定の生物学的活性を共有すると 考えられる。そのような活性の測定は、当技術分野で知られまた本明細書の他の 個所に記載する測定法によって行いうる。 この遺伝子は主としてヒト滑膜、臍静脈内皮細胞、CD34+細胞、Jurkat(ジャ ーカット)細胞、HL60細胞で発現され、また胸腺、髄膜腫、視床下部、成人精巣 、胎児の肝臓と脾臓でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばアテローム性動脈硬化、運動失調吸収不全、血管損傷、高脂質血症および他の 心血管疾患などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬と して有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、 それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに 有用である。上記の組織または細胞(具体的には心血管系と血液系)の多くの障 害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な 遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織また は体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:内皮、胸腺髄膜腫、 視床下部、精巣、肝臓、脾臓、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血 清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取 した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 血管内皮細胞における組織分布と、VLDLレセプターに対する相同性は、遺伝子 番号14に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドがアテローム性動脈硬化、運 動失調吸収不全、高脂質血症の診断と処置に有用であることを示している。これ らの要因およびその他の要因はしばしば他の心血管疾患をもたらす。また、血液 系統の細胞におけるこの遺伝子産物の存在は、それが造血調節と止血に有用であ りうることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号147に残基Pro-39〜Ser-52、Trp-71〜T hr-76、およびPro-94〜His-100として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号15によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号15の翻訳産物は、血圧と腎分泌に重要であると考えられるカリクレ インと配列相同性を有する。さらにこの遺伝子はウイルス複製を阻害する新規B 型肝炎ウイルスX結合タンパク質として特徴づけられた。例えばJ.Virol.72(3),1 737-1743(1998)を参照されたい。 この遺伝子は主として腎臓、胎盤、肺、大動脈および他の内皮細胞、尾状核で 発現され、また肝臓、脂肪組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば腎血管性高血圧、腎分泌、電解質代謝、妊娠中毒症などといった(ただしこれ らに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチ ドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的 同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞( 具体的には腎血管または呼吸器血管系)の多くの障害については、有意に高いま たは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち 、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル) との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:腎臓、胎盤、肺、内皮細胞、メ ラニン細胞、肝臓、脂肪細胞、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血 清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取 した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、カリクレインに対する相同性は、遺伝子番号15に対応するポ リペプチドとポリヌクレオチドが腎血管性高血圧、腎分泌、電解質代謝、妊娠中 毒症および水腎症の処置に有用であることを示している。腎臓、肺および血管内 皮細胞などの器官におけるこのタンパク質発現は、血行動態調節機能へのこの遺 伝子の関与を示している。この遺伝子の翻訳産物はウイルス感染症(具体的には 肝感染症、特にB型肝炎ウイルス)の処置にも有用である。 好ましいエピトープとしては、配列番号148に残基Leu-9〜Asn-15およびThr-5 〜Asp-61として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号16によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号16の翻訳産物は、免疫学的機能に重要であると考えられる分泌成分 タンパク質、免疫グロブリンおよびそれらのレセプターと配列相同性を有する。 分泌成分タンパク質のアミノ酸配列はアクセッション番号pir|A02112(参照によ り本明細書の一部を構成する)として入手できる。 遺伝子番号16は主としてマクロファージ、単球および樹状細胞で発現され、ま た胎盤と脳でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば炎症や腫瘍などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬 として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は 、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するの に有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多くの障害につい ては、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発 現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液に おける発現レベル)との比較で、一定の組織または細胞タイプ(例:マクロファ ージ、単球、樹状細胞、胎盤、脳、癌組織および傷ついた組織)または体液(例 :血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から 採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、免疫グロブリンおよび分泌成分タンパク質に対する相同性は 、遺伝子番号16に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが炎症、細菌感染症 、および免疫調節が有益であろう他の疾患の診断と処置に有用であることを示し ている。 好ましいエピトープとしては、配列番号149に残基Pro-37〜Cys-51、Gln-53〜C ys-60、Asn-99〜Gly-106、Gly-145〜Glu-151およびIle-159〜Ser-164として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号17によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号17の翻訳産物は進化的に保存されており、酵母およびC.elegansか ら得られるタンパク質と配列性を有する。例えばGenBankアクセッション番号gi| 746540を参照されたい。当技術分野で知られているように、C.elegans由来の分 泌タンパク質に対する強い配列類似性は、ヒトタンパク質の細胞位置の予測に役 立つ 遺伝子番号17は主として結腸癌細胞株、糸球体間質細胞と、T細胞リンパ腫、 破骨細胞腫、ウィルムス腫瘍、副腎腫瘍、精巣腫瘍、滑膜肉腫のような数多くの 腫瘍で発現され、また胎盤、肺および脳でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌組織(結腸癌、リンパ腫、肉腫を含む)のような急速に成長/分裂する細胞 などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用で ある。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織 または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である 。上記の組織または細胞(具体的には胃腸系、血液系および免疫系)の多くの障 害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な 遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織また は体液における発現レベル)との比較で、一定の組織及び細胞タイプ(例:胎盤 、肺、脳、結腸、糸球体間質細胞、副腎、T細胞、精巣、リンパ組織、癌組織お よび傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もし くはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常 的に検出しうる。 結腸癌と他の多くの腫瘍における組織分布は、遺伝子番号17に対応するポリヌ クレオチドとポリペプチドが癌の診断と治療薬のターゲティングに有用であるこ とを示している。その細胞外性は充実性腫瘍の免疫抑制、血管形成および細胞成 長の刺激に寄与しうる。免疫系の細胞におけるこの遺伝子の組織分布は、遺伝子 番号17に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、狼瘡、移植片拒絶、アレ ルギー反応、関節炎、喘息、免疫不全疾患、白血病、AIDSなどの免疫疾患と自己 免疫疾患の処置、予防および診断に有用であることを示している。また主として 造血細胞におけるその発現は、この遺伝子が移植片対宿主反応、移植片対宿主疾 患、移植片拒絶、骨髄性白血病、骨髄線維症、骨髄増殖性疾患などの造血性障害 の処置および/または検出に重要でありうることを示している。このタンパク質 は、骨髄細胞などの造血前駆細胞の増殖、分化および機能的活性化を増進または 保護するためにも使用でき、これは化学療法を受けている癌患者や骨髄移植を受 けている患者にとって有益でありうる。このタンパク質は末梢血白血球の増殖を 増加させるためにも使用でき、これは免疫不全疾患、白血病、敗血症を含むある 範囲の造血障害の抑制に役立ちうる。 好ましいエピトープとしては、配列番号150に残基Val-131〜Asn-136として示 す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号18によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号18の翻訳産物は、免疫反応に重要であると考えられる免疫グロブリ ンと配列相同性を有する。 遺伝子番号18は主としてマクロファージで発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば炎症などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として 有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それ ら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用 である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多くの障害については、 有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベ ル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における 発現レベル)との比較で、一定の組織及び細胞タイプ(例:マクロファージ、癌 組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液 )もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に 、日常的に検出しうる。 マクロファージにおける組織分布と、免疫グロブリンに対する弱い相同性は、 遺伝子番号18に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、炎症、抗原提示お よび免疫監視などといった免疫反応障害の診断と処置に有用であることを示して いる。 遺伝子番号19によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号19の翻訳産物は、タンパク質−タンパク質相互作用に重要であると 考えられる高プロリンタンパク質(proline-rich proteins)と配列相同性を有 する。 この遺伝子は広範な組織分布を持つが、主として正常前立腺、滑液線維芽細胞 、脳扁桃体抑圧、胎児骨および胎児蝸牛で発現され、また成人網膜、臍静脈内皮 細胞、萎縮性子宮内膜、破骨細胞腫、メラニン細胞、膵癌および平滑筋でも、よ り少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌転移、創傷治癒、組織修復などといった(ただしこれらに限らない)疾患と 状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチ ドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロ ーブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には骨格系、結 合組織、生殖器系、中枢神経系)の多くの障害については、有意に高いまたは低 いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その 障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比 較で、一定の組織および細胞タイプ(例:脳、前立腺、線維芽細胞、骨、蝸牛、 網膜、内皮細胞、子宮内膜、膵臓、平滑筋、癌組織および傷ついた組織)または 体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ 個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、高プロリンタンパク質に対する相同性は、このタンパク質が 細胞外マトリックスタンパク質または体液の一成分であることを示している。遺 伝子番号19に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドは癌転移介入、組織培養 添加剤、骨モデリング、創傷治癒および組織修復に有用である。 遺伝子番号20によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号20は主として前立腺癌、白血球、髄膜腫、成人肝臓、膵臓、脳で発 現され、また肺でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば前立腺癌などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬と して有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、 それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに 有用である。上記の組織または細胞(具体的には前立腺および脳)の多くの障害 については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺 伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または 体液における発現レベル)との比較で、一定の組織及び細胞タイプ(例:前立腺 、白血球、髄膜腫、肝臓、脳、膵臓、肺、癌組織および傷ついた組織)または体 液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個 体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 前立腺癌細胞株はエストロゲンとアンドロゲンに反応することが知られている 。遺伝子番号20のタンパク質発現は、エストロゲン濃度とアンドロゲン濃度の両 方の影響を受けるようである。この前立腺癌組織分布は、遺伝子番号20に対応す るポリペプチドとポリヌクレオチドが前立腺肥大および前立腺癌の介入と検出に 有用であることを示している。 遺伝子番号21によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号21の翻訳産物はヒトwnt-7a遺伝子と同一である。wnt-7aは、シグナ リングと胚形成時のパターン形成および細胞運命の調節に重要であると考えられ る分泌シグナリング分子である。具体的には、マウスでのノックアウト研究によ り、wnt7aは発生中の体肢における背−腹パターン形成の発生に決定的な役割を 果たし、また前−後パターン形成の発生にもより少ない程度に役割を果たすこと が明らかにされている。wnt7aの過剰発現は培養乳腺細胞の形質転換を誘導でき ることから、これは癌遺伝子であることが示唆される。 遺伝子番号21の発現は精巣でのみ観察されている。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば精巣癌、異常な体肢発生などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態 の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに 対する抗体は、精巣または発生中の胚の弁別的同定用の免疫学プローブを提供す るのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には発生中の胚)の多くの障 害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、妊娠中の 個体から採取した発生中の胚または羊水中に日常的に検出し、標準的な遺伝子発 現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液に おける発現レベル)と比較できる。また、有意に高いまたは低いレベルでのこの 遺伝子発現を、精巣癌に冒された患者の精巣中に日常的に検出し、標準的な遺伝 子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体 液における発現レベル)と比較することもできる。 この組織分布とマウスwnt7aに対する相同性は、遺伝子番号21に対応するポリ ペプチドとポリヌクレオチドが、障害を持つ個体における異常な体肢発生を修復 するのに有用であることを示している。さらにその腫瘍発生能力と組織分布は、 それが精巣癌の診断薬として役立ちうることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号154に残基Gly-22〜Arg-28として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号22によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号22は主として胎児肝臓/脾臓、胸部、精巣および胎盤で発現され、 また脳と一連の癌組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫障害、脳疾患、男性不妊症、妊娠流産の体質などといった(ただしこれら に限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチド とそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同 定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具 体的には免疫系、造血系および生殖器)の多くの障害については、有意に高いま たは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち 、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル) との比較で、一定の組織(例:肝臓、脾臓、精巣、胎盤、脳、癌組織および傷つ いた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはその よ うな障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出し うる。 この遺伝子の組織分布は、遺伝子番号22に対応するポリペプチドとポリヌクレ オチドが非分化分裂細胞のマーカーとして有用であり、それゆえ腫瘍形成マーカ ーとして役立ちうることを示している。胎児肝臓におけるその高発現は、造血お よび/または免疫系への関与を示唆している。したがって、これは例えば免疫障 害を持つ個体における個々の免疫系を向上させるための因子として有用である。 またこれは、造血幹細胞を含む多くの造血細胞系統の生存、増殖および分化に影 響を及ぼすと考えられる。その破壊(例えば突然変異や変化した発現)は、免疫 障害のマーカーにもなりうる。精巣におけるその発現は、これが男性不妊症の制 御に重要でありうることを示唆している。さらに、胸部におけるこの遺伝子の発 現は、免疫機能と免疫監視(胸部リンパ節)における役割を反映している。この 遺伝子は乳癌のマーカーとして有用であると考えられる。 好ましいエピトープとしては、配列番号155に残基Gln-57〜Lys-70およびAla-9 1〜Pro-100として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号23によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号23は主として骨髄と脳(全脳および胎児脳)で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば神経障害、免疫障害、造血障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患 と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプ チドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プ ローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には中枢神経 系と造血系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺 伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体 から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織( 例:骨髄、脳、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、 滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織ま たは細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号23に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 中枢神経系に関係する障害(例:神経変性状態、外傷、行動障害)と造血に関係 する障害の診断と処置に有用であることを示している。また、胎児脳における発 現は、脳の発生欠損の素因の診断におけるこの遺伝子産物の役割を示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号156に残基Thr-23〜Tyr-29として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号24によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号24は主として平滑筋、胎盤、前立腺および骨芽細胞で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば心血管病変などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬 として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は 、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するの に有用である。上記の組織または細胞(具体的には心血管系、生殖器系および骨 格系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の 発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得 た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織及び細胞 タイプ(例:胎盤、平滑筋、前立腺、骨芽細胞、癌組織および傷ついた組織)ま たは体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害を もつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号24に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、これらの組織に関係する腫瘍形成と発育異常の検出と処置に有用であることを 示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号157に残基Asn-21〜Thr-26として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号25によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号25の翻訳産物は、妊娠関連マウスタンパク質(Pregnancy Associat ed Mouse Protein;PAMP)-1と配列相同性を有する(FEBS Lett 1993年5月17日; 322(3):219-222を参照されたい)。この配列類似性に基づき、この遺伝 子の翻訳産物はPAMP-1と一定の生物学的活性を共有すると予想される。 遺伝子番号25は主として12週齢ヒト胚と前立腺で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば前立腺障害(癌)などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断 用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する 抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供 するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には前立腺)の多くの障害 については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺 伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または 体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:胚組織、前立腺、癌組 織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液) もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、 日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号25に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 前立腺障害(癌など)と発育異常および胎児不全の診断と処置に有用であること を示している。PAWP-1との相同性は、この遺伝子と遺伝子産物が妊娠の検出に有 用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号158に残基Pro-23〜Glu-28およびSer-4 4〜Gly-55として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号26によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号26は主として精巣で発現され、また精巣上体でも、より少ない程度 に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば精巣癌の他に、生殖障害や内分泌障害などといった(ただしこれらに限らない )疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポ リペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫 学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には 男性生殖器系と内分泌系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベ ルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を 持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、 一定の組織(例:精巣、精巣上体、癌組織および傷ついた組織)または体液(例 :血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から 採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号26に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 適切な精巣機能(例えば内分泌機能、精子成熟)に関する状態および癌の処置と 診断に有用であることを示している。したがってこの遺伝子産物は男性不妊症お よび/またはインポテンスの治療に有用である。この遺伝子産物は結合性物質を 同定するために設計される試験法でも有用である。というのは、そのような薬剤 (アンタゴニスト)は男性避妊薬として役立つからである。同様に、このタンパ ク質は精巣癌の処置および/または診断にも有用であると考えられる。精巣は、 身体の他の組織でとりわけ低レベルに発現されうる転写物の活性な遺伝子発現の 部位でもある。したがってこの遺伝子産物は他の特定の組織または器官で発現さ れて、そこで関連する機能的役割を他の過程において果たしている可能性がある (考えうる標的適応の例をいくつか挙げると、造血、炎症、骨形成、腎機能など がある)。 好ましいエピトープとしては、配列番号159に残基Pro-24〜Gly-33およびArg-7 0〜Gly-76として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号27によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号27の翻訳産物は、免疫反応と分泌タンパク質の産生に重要であると 考えられる唾液タンパク質前駆体と配列相同性を有する。 遺伝子番号27は主として唾液腺組織で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫障害、唾液腺の疾患などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態 の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに 対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブ を提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系、消化器 系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発 現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た 健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:唾液 腺、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または 脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検 体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、唾液分泌タンパク質に対する相同性は、遺伝子番号27に対応 するポリペプチドとポリヌクレオチドが、免疫障害の処置と、疾患状態における タンパク質の分泌に関係する診断用途に有用であることを示している。例えば、 この遺伝子産物は、抗微生物薬、口腔および歯科衛生用の成分、口腔乾燥症や唾 液過多の処置、耳下腺炎を含む炎症への介入、唾液腺における腫瘍(腺腫、癌腫 )の兆候として使用できる。 好ましいエピトープとしては、配列番号160に残基Asp-21〜Gly-28、Asp-30〜G lu-43、Glu-49〜Glu-62、およびThr-75〜Pro-83として示す配列を含んでなるも のがある。 遺伝子番号28によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号28は主としてヒト胎児心臓組織で発現され、また嗅覚組織でも、よ り少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫障害、嗅覚障害および心血管障害などといった(ただしこれらに限らない )疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポ リペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫 学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免 疫系、嗅覚器系および血管系)の多くの障害については、有意に高いまたは低い レベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障 害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較 で、一定の組織(例:嗅覚組織、心臓、癌組織および傷ついた組織)または体 液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個 体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号28に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 免疫障害、嗅覚障害および血管障害の診断と処置に有用であることを示している 。 好ましいエピトープとしては、配列番号161に残基Cys-33〜Gly-44、Arg-71〜A rg-78、Ser-130〜Gly-142、Lys-150〜Gly-157およびThr-159〜Asp-177として示 す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号29によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号29は主として脳で発現され、また活性化マクロファージ、内皮細胞 、平滑筋細胞および一部の骨癌でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在する脳および内皮組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、ま た例えば神経変性、炎症および他の免疫障害、線維症状態などといった(ただし これらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペ プチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、脳、平滑筋および内皮の弁別的同 定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具 体的には脳と内皮)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでの この遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たな い個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の 組織または細胞タイプ(例:脳、内皮細胞、マクロファージ、平滑筋、骨、癌組 織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液) もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、 日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号29に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 神経変性障害と免疫障害の研究と処置に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号162に残基Asn-18〜Glu-20、Ser-33〜G ln-48、Cys-55〜Ser-56、Pro-67〜Cys-69として示す配列を含んでなるものがあ る。 遺伝子番号30によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号30は主として初期ヒト脳で発現され、また臍帯血、心臓および一部 の腫瘍でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在する発生中のCNS組織の弁別的同定用試薬として、また例えば心血管障 害、神経変性障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用 試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗 体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供す るのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には神経系と免疫系)の多く の障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準 的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織 または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:脳、心臓、癌組 織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液) もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、 日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号30に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 癌と神経変性障害および認識障害の処置に有用であることを示している。 遺伝子番号31によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号31は主として脳と胸腺で発現され、また造血系、肝臓、皮膚および 骨などといったいくつかの他の器官と組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばCNS障害、造血系障害と、内分泌系、骨および皮膚の障害などといった(ただ しこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリ ペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの 弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または 細胞の多くの障害(具体的にはCNS障害、造血系障害と、内分泌系、骨および皮 膚の障害)については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、 標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な 組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ (例:造血細胞、脳、胸腺、肝臓、骨、表皮、癌組織および傷ついた組織)また は体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をも つ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号31に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが CNS障害、造血系障害、内分泌系の障害、および骨と皮膚の障害の処置と診断に 有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号164に残基Thr-35〜Arg-40、Pro-55〜H is-75、Pro-93〜Ala-98、Ala-111〜Pro-119およびPro-132〜Glu-138として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号32によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号32は主として神経系の器官と組織で発現され、また様々な発生中の 組織または器官でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば中枢神経系の障害や発生中および成長中の組織と器官の障害などといった(た だしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポ リペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプ の弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織また は細胞の多くの障害(具体的にはCNSの障害)については、有意に高いまたは低 いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その 障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比 較で、一定の組織(例:神経系の組織、癌組織および傷ついた組織)または体液 (例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体 から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号32に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 中枢神経系の障害、一般的神経疾患および腫瘍形成の診断と処置に有用であるこ とを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号165に残基Ser-33〜Lys-41およびGlu-8 6〜Glu-91として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号33によってコードされるタンパク質の特徴 配列表に示す遺伝子番号33の翻訳産物中の残基141〜156は、ホスホパンテテイ ン結合部位モチーフに対応する。ホスホパンテテイン(パンテテイン-4'-リン酸 )はいくつかの多酵素複合体中のアシル基運搬タンパク質(ACP)の補欠分子団 であり、そこで活性化脂肪酸基とアミノ酸基を結合するための「スイングアーム 」として働く。ホスホパンテテインはこれらタンパク質中のセリン残基に結合す る。ACPタンパク質またはACPドメインは次に挙げる様々な酵素系に見出されてい る。アセチル-CoA、マロニル-CoAおよびNADPHからの長鎖脂肪酸の形成を触媒す る脂肪酸シンテターゼ(FAS)。細菌および植物クロロプラストFASは、異なる酵 素活性に対応する8つの独立したサブユニットからなり、ACPはそれらポリペプチ ドの一つである。菌類FASは2つの多機能タンパク質FAS1とFAS2からなり、ACPド メインはFAS2のN末端部分に位置する。脊椎動物FASは単一の多機能酵素からなり 、ACPドメインはβ-ケトアシルレダクターゼドメインとC末端チオエステラーゼ ドメインの間に位置する。この遺伝子の翻訳産物中にホスホパンテテイン結合部 位が存在することから、これは脂肪酸シンテターゼポリペプチドと活性を共有す ると考えられる。そのような活性は当技術分野で知られている方法で測定できる 。 この遺伝子は主として胎盤胎児心臓および子宮内膜腫瘍のような発生中および 急速に成長中の組織で発現され、またBおよびT細胞リンパ腫組織でも、より少な い程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌や発生中の組織と器官の障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患 と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプ チドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プ ローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には造血組織 および発生中の器官と組織)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレ ベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害 を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で 、 一定の組織および細胞タイプ(例:胚組織、子宮内膜、B細胞、T細胞、癌組織お よび傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もし くはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常 的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号33に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 造血系と発生中の器官および組織における癌の処置と診断に有用であることを示 している。また、造血系と他の組織および器官の障害における細胞成長の誘導に も役立ちうる。脂肪酸シンテターゼとの相同性は、この遺伝子産物が高脂質血症 などの脂質代謝障害の診断と処置に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号166に残基Arg-27〜Glu-34として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号34によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号34は主として胸および精巣組織で発現され、また扁桃、T細胞およ び単球を含む造血組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌、自己免疫疾患および炎症性疾患を含む生殖器官と生殖器系の疾患などとい った(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同 様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細 胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の 組織または細胞(具体的には生殖器官と造血組織)の多くの障害については、有 意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル (すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発 現レベル)との比較で、一定の組織及び細胞タイプ(例:造血細胞、T細胞、単 球、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または 脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検 体中に、日常的に検出しうる。この遺伝子は15番染色体D15S118-D15S123に位置 するので、この遺伝子の配列を含んでなる核酸は染色体マーカーとしても有用で ある。 この組織分布は、遺伝子番号34に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 癌、自己免疫疾患および炎症性疾患を含む生殖器官と造血系の疾患の処置に有用 であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号167に残基Phe-81〜Lys-86として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号35によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号35の翻訳産物は、マウスのサイトカイン誘導性のシグナリング阻害 因子と配列類似性を有する。例えばNature 1997年6月26日;387(6636):917-921を 参照されたい。サイトカイン類は増殖や分化などの重要な細胞反応を調節する分 泌タンパク質である。サイトカインシグナル伝達における重要事象は詳細に記述 されている。サイトカイン類はレセプター凝集を誘導して、細胞質チロシンキナ ーゼのJAKファミリーの構成要素の活性化をもたらす。その結果、転写因子のSTA Tファミリーの構成要素がリン酸化され、二量化して、プロモーターにSTAT認識 部位を持つ遺伝子の転写を増加させる。サイトカインシグナル伝達のスイッチが どのようにしてオフにされるかについてはあまりわかっていない。マウスSOCS-1 タンパク質の発現は、インターロイキン-6誘導性のレセプターリン酸化とSTAT活 性化の両方を阻害した。我々はSOCS-2およびSOCS-3と名づけた2つのSOCS-1関連 物質をもクローニングしており、これらは先に記述されたCISと共に新しいタン パク質ファミリーを形成する。4つのSOCS遺伝子すべての転写は試験管内と生体 内でインターロイキン-6に反応して急速に増加することから、それらはサイトカ インシグナル伝達を調節する古典的な負のフィードバックループとして作用しう ることが示唆される。この遺伝子の翻訳産物はこのマウス遺伝子ファミリーと類 似する生物学的活性を持つと考えられる。この遺伝子の翻訳産物の生物学的活性 は、Nature 1997年6月26日;387(6636):917-921(これは参照により本明細書の一 部を構成する)に記載の方法で測定できる。 遺伝子番号35は主として活性化単球、好中球、活性化T細胞を含む造血系起源 の組織で発現され、また胸部、脂肪組織および樹状細胞でも、より少ない程度に 発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌、自己免疫疾患および炎症性疾患を含む造血系の疾患などといった(ただし これらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペ プチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁 別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細 胞(具体的には造血系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベル でのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持 たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一 定の組織および細胞タイプ(例:造血細胞、癌組織および傷ついた組織)または 体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ 個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、サイトカイン誘導性のシグナリング阻害因子に対する相同性 は、遺伝子番号35に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、自己免疫疾患 、炎症性疾患、感染性疾患および腫瘍形成を含む造血系の疾患の診断と処置に有 用であることを示している。例えば、リンフォカイン類やサイトカイン類に対す る免疫系の反応を低下させるために、この遺伝子の投与またはアップレギュレー ションを使用することができるだろう。 好ましいエピトープとしては、配列番号168に残基Arg-23〜His-30、Ala-35〜G ly-42として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号36によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号36は主として幼児脳で発現され、また破骨細胞腫、胎盤および他の 多種多様な組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば神経障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬と して有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、 それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに 有用である。上記の組織または細胞(具体的には神経系)の多くの障害について は、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現 レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液にお ける発現レベル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:破骨細胞腫、 胎盤、中枢神経系の組織、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、 血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した 他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号36に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 神経障害の診断と処置に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号169に残基Gln-31〜Ser-37、Ile-49〜G ly-54、Tyr-57〜Asp-67、Gln-141〜Pro-151、およびVal-207〜Thr-219として示 す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号37によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号37は主として破骨細胞腫支質細胞、樹状細胞、肝臓および胎盤で発 現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌、創傷、病的状態などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診 断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対す る抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提 供するのに有用である。上記の組織または細胞の多くの障害については、有意に 高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(す なわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レ ベル)との比較で、一定の組織または細胞タイプ(例:支質細胞、樹状細胞、肝 臓、胎盤、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液 または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または 細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号37に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが ヒトの基礎的な成長と発生における基本的役割に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号170に残基Leu-32〜Thr-37およびArg-4 8〜Pro-55として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号38によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号38の翻訳産物は、mRNAプロセシングに関与しうる酵母タンパク質Lp e10pと配列相同性を有する(アクセッション番号2104457と同1079682を参照され たい)。表1に記載の予想配列以外に、上流シグナル配列が存在するようである 。好ましいポリペプチド断片は予想シグナル配列の上流のオープンリーディング フレームを含んでなり、それらペプチド断片をコードするポリヌクレオチド断片 も同様である。 この遺伝子は主として皮膚で発現され、また胚組織と胎児肝臓でも、より少な い程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば皮膚の欠損などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬 として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は 、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するの に有用である。上記の組織または細胞(具体的には皮膚)の多くの障害について は、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現 レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液にお ける発現レベル)との比較で、一定の組織(例:表皮、肝臓、胚組織、癌組織お よび傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もし くはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常 的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号38に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 皮膚の欠損の診断と処置に有用であることを示している。 遺伝子番号39によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号39は主として扁桃体、活性化単球、精巣、胎児肝臓で発現される。 また、この遺伝子は4番染色体にマッピングされる。それゆえ本発明のポリヌク レオチドは4番染色体のマーカーとして連鎖解析に使用できる。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば脳、免疫系および精巣の欠損などといった(ただしこれらに限らない)疾患と 状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチ ドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロ ーブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には脳、免疫系 および精巣)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺 伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体 から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織及 び細胞タイプ(例:扁桃体、単球、精巣、肝臓、癌組織および傷ついた組織)ま たは体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害を もつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号39に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、脳、免疫系および精巣の欠損の検出に(それらの組織におけるその豊富さゆえ に)役立つことを示している。 遺伝子番号40によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号40の翻訳産物は、異常に発現されると白血病発生に寄与すると考え られるリンパ腫3コードタンパク質(lymphoma 3-encoded protein;bcl-3)と配 列相同性を有する。 この遺伝子は主としてヒト好中球で発現され、またヒト破骨細胞腫支質細胞( 非増幅)、肝細胞腫瘍、ヒト好中球(活性化)でも、より少ない程度に発現され る。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば慢性リンパ球性白血病などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の 診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対 する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを 提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多くの 障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的 な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織ま たは体液における発現レベル)との比較で、一定の組織及び細胞タイプ(例:好 中球、破骨細胞腫、腎臓、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、 血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した 他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、リンパ腫3コードタンパク質(bcl-3)に対する相同性は、遺 伝子番号40に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドがリンパ腫および関連す る癌の処置に有用であることを示している。 遺伝子番号41によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号41は主として卵巣腫瘍で発現され、また子宮内膜支質細胞と胎児脳 でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば卵巣癌や子宮内膜癌などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診 断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対す る抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提 供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には女性生殖器系と発生 中の中枢神経系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこ の遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない 個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組 織(例:卵巣、子宮内膜、脳、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血 清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取 した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号41に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 卵巣または子宮内膜障害と一般的生殖器官障害に関係する因子の開発に有用であ ることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号174に残基Glu-22〜Trp-31、Asn-84〜A sp-90およびSer-144〜Asp-151として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号42によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号42の翻訳産物は、PTH r P(B)と呼ばれる遺伝子と配列相同性を有す る。PTH r P(B)ポリペプチドは、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTH r P)活 性 を阻害する。 この遺伝子は主として成人精巣で発現され、また下垂体でも、より少ない程度 に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また男性 生殖障害の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペ プチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的 プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には男性生 殖器系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子 の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から 得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例: 精巣、下垂体、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、 滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織ま たは細胞検体中に、日常的に検出しうる。さらに、PTH r P(B)との配列同一性を 根拠の一つとして、本発明の核酸とポリペプチドは、高カルシウム血症、骨粗し ょう症、カルシウム代謝に関連する障害などといった状態の診断または処置にも 使用しうる。 この組織分布は、遺伝子番号42に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、男性生殖障害、高カルシウム血症、骨粗しょう症、およびカルシウム代謝に関 係する他の障害の処置に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号175に残基Tyr-81〜Met-86、Gly-103〜 Ser-108、Glu-127〜Pro-128、Pro-175〜Ser-180、Glu-196〜Lys-203、Pro-235〜 Ser-241およびAla-249〜Ser-264として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号43によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号43の翻訳産物は、アグリカン/バーシカンファミリーのプロテオグ リカンコアタンパク質として重要であると考えられるブレビカン(brevican)と 配列相同性を有する。またこの遺伝子の翻訳産物は、予測されるオープンリーデ ィングフレームと同じ枠で、ただしその下流に、ヒアルロナン(HA)結合領域ド メインをも含有する(Bartaら,Biochem.J.292:947-949(1993))。リンクドメイ ンとも呼ばれるHA結合ドメインは、細胞外マトリックスの集合、細胞接着および 移動に関与する脊椎動物のタンパク質に見出される。これは約100アミノ酸長で ある。その構造は、C型レクチンのものと同様の大きな疎水性コアの周りに配置 された2つのα-ヘリックスと2つの逆平行β-シートからなることが明らかにされ ている。このドメインは通例、2つのジスルフィド結合に関与する4つの保存され たシステインを含有する。 この遺伝子は主として初期ヒト脳で発現され、また前頭皮質と癲癇組織でも、 より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばニューロン発生と関係するまたはニューロン発生中に観察される障害の診断用 試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗 体は、ニューロン組織とその関連組織および細胞タイプの弁別的同定用の免疫学 的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞の多くの障害(具 体的には神経系のもの)については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝 子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体か ら得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例 :脳、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液また は脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞 検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、ブレビカンに対する相同性は、遺伝子番号43に対応するポリ ペプチドとポリヌクレオチドがニューロン調節とシグナリングに有用であること を示している。その用途としては、神経線維腫症の治療のために、また神経膠症 の検出に際して、軸索成長を指示または抑制することが挙げられる。 好ましいエピトープとしては、配列番号176に残基Asp-28〜Arg-33およびArg-1 26〜Arg-131として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号44によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号44の翻訳産物は、共に生物の分化と発生に重要な遺伝子であるNotc h-2(アクセッション番号477495)とマウスEGF反復膜貫通型タンパク質 (EGF repeat transmembrane protein;アクセッション番号1336628)のヒト相 同体である。EGF反復膜貫通型タンパク質はインシュリン様成長因子I型レセプタ ーによって調節される。これらのタンパク質は細胞−細胞シグナリングと細胞運 命決定に関与する。相同性に基づいて、この遺伝子産物も細胞分化と発生に関与 すると思われる。予測されるシグナル配列を表1に示すが、第二のシグナル配列 がこれより上流に位置するようである。また、さらなる翻訳コード領域が、開示 した配列の下流におそらく見出され、それは標準的な分子生物学的技術を用いて 容易に得ることができる。フレームシフトはヌクレオチド714付近で起こり、ア ミノ酸配列にフレーム+2からフレーム+3のフレームシフトを引き起こす。しか し、Notoch-2とEGF反復膜貫通型タンパク質の相同性を使用すれば、完全なオー プンリーディングフレームを解明できる。好ましいポリヌクレオチド断片は、ヌ クレオチド146〜715、281〜715および714〜965を含んでなる。他の好ましいポリ ヌクレオチドは次のEGF様モチーフを含んでなる:CRCASGFTGEDC(配列番号260) 、CTCQVGFTGKEC(配列番号261)、CLNLPGSYQCQC(配列番号262)、CKCLTGFTGQKC( 配列番号263)およびCQCLQGFTGQYC(配列番号264)。 遺伝子番号44は主として胎盤で発現され、また支質細胞と免疫細胞でも、より 少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば血友病や他の血液障害、中枢神経系障害、筋肉障害、および異常な発生がもた らす他の任意の障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断 用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する 抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供 するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系、造血系および 血管系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子 の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から 得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織および 細胞タイプ(例:胎盤、支質細胞、免疫細胞、癌組織および傷ついた組織)また は体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をも つ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、Notch-2に対する相同性は、遺伝子番号44に対応するポリペ プチドとポリヌクレオチドが、細胞運命、誘導、細胞の分化(例えば癌)、上皮 成長因子、軸索先導および造血の異常調節に関係する障害の診断と処置に有用で あることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号177に残基Gln-27〜Tyr-32、His-45〜G lu-55、Tyr-61〜Gly-77、Glu-99〜Ser-106、Ser-125〜Cys-131およびThr-138〜T rp-144として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号45によってコードされるタンパク質の特徴 この遺伝子の翻訳産物は、上皮細胞の基底膜への結合に重要であると考えられ 腫瘍浸潤と関係するラミニンAと配列相同性を有する。また、この翻訳タンパク 質は、Drosophila(ショウジョウバエ)の第一視神経節中に発現される遺伝子で あるDrosophila LAMA遺伝子(アクセッション番号1314864)と相同である。した がって、この遺伝子から生じる遺伝子産物は目の発生に関与すると思われる。ヌ クレオチド822〜1223、212〜475、510〜731および1677〜1754を含んでなるヌク レオチド断片が好ましい。また、それらポリヌクレオチド断片によってコードさ れるポリペプチド断片も好ましい。フレームシフトはヌクレオチド475〜510間あ たりで起こり、オープンリーディングフレームを+2から+3シフトさせるよう である。しかし、オープンリーディングフレームは既知の分子生物学的技術を用 いて明らかにできる。 この遺伝子は主としてヒト精巣腫瘍で発現され、また胎盤と活性化単球でも、 より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば浸潤癌や上皮の腫瘍ならびに目の発生に関係する障害などといった(ただしこ れらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプ チドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別 的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞 (具体的には腫瘍状態)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベル でのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持 たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一 定の組織および細胞タイプ(例:精巣、胎盤、単球、癌組織および傷ついた組織 )または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障 害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、ラミニンAに対する相同性は、遺伝子番号45に対応するポリ ペプチドとポリヌクレオチドが悪性または良性腫瘍、線維性障害および目の障害 の研究と診断に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号178に残基Met-1〜Gly-8、Glu-32〜Ala -37、Met-113〜Asn-119およびGlu-139〜Gln-153として示す配列を含んでなるも のがある。 遺伝子番号46によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号46の翻訳産物は新規物質であり、ショウジョウバエ組織極性遺伝子 frizzledの産物と配列相同性を有する。脊椎動物にはfrizzled遺伝子相同体に相 当するタンパク質ファミリーが存在するようである(例えばアクセッション番号 1946343および同AFO17989を参照されたい)。ショウジョウバエfrizzledタンパ ク質は表皮細胞の原形質膜を横切って極性シグナルを伝達すると考えられる。fr izzledタンパク質の構造から、それらはGタンパク質共役レセプターとして機能 しうることが示唆される。frizzledタンパク質はWnt遺伝子産物(胚および成体 構造の組織分化と発生を制御する分泌タンパク質)のレセプターに相当すると考 えられる。またWntの不適切な発現は腫瘍形成に寄与することが明らかにされて いる。さらに、哺乳類の分泌frizzled関連タンパク質はアポトーシスを調節する と考えられる(アクセッション番号AFO17989参照)。ヒト相同体は最近、他のグ ループによってもクローニングされている(アクセッション番号H2415415参照) 。したがってこの遺伝子によってコードされるタンパク質は、組織分化、増殖、 腫瘍化およびアポトーシスの媒介に役割を果たす。好ましいポリペプチド断片は 、N末端およびC末端欠失の他に、表1に記述するようなシグナル配列を欠く。好 ましいポリヌクレオチド断片はこれらのポリペプチド断片をコードする。 遺伝子番号46は主として胎児組織(特に胎児肺)と成人の癌で(膵臓腫瘍とホ ジキンリンパ腫で最も顕著に)発現される。総合すると、この分布は、活発な増 殖を起こしている組織における発現と一致する。この遺伝子は胃、前立腺および 胸腺を含む他の器官でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌(具体的には膵臓癌および/またはホジキンリンパ腫)ならびに他の形の異 常な細胞増殖などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬 として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は 、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するの に有用である。上記の組織または細胞の多くの障害(具体的には免疫系の障害と 過剰増殖性障害)については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発 現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た 健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:胎児 組織、膵臓、免疫系の組織、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清 、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取し た他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、frizzledに対する相同性は、遺伝子番号46に対応するポリペ プチドとポリヌクレオチドが、細胞の増殖、分化およびアポトーシスに影響を与 えるのに有用であることを示している。全長タンパク質または短縮型ドメインは 、Wntタンパク質または他のアポトーシス遺伝子などの特定の因子に結合して、 その機能を調節することにより、無制約な細胞増殖を抑制できる可能性がある。 (例えば遺伝子治療や全身投与などによる)癌内部でのこのタンパク質の発現は 、増殖から分化への切り替えをもたらすことにより、その癌の進行を停止させう る。 好ましいエピトープとしては、配列番号179に残基Pro-31〜Arg-37として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号47によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号47の翻訳産物は、リボヌクレアーゼコード遺伝子のRh/T2/S-糖タン パク質ファミリーの構成要素と配列相同性を有する。これらのリボヌクレアーゼ タンパク質は主に菌類、植物および細菌中に見出され、リン酸飢餓反応、自家不 和合性、創傷に対する反応を含む多くの機能に関連付けられている。最近、もう 一つのグループがこれと同じ遺伝子をクローニングし、それをリボヌクレアーゼ 6前駆体と名づけている(アクセッション番号2209029参照)。またこのグループ はこの遺伝子を6番染色体にマッピングしたので、本発明のポリヌクレオチドは6 番染色体のマーカーとして連鎖解析に使用できる。 遺伝子番号47は主として、マクロファージ、好酸球、CD34陽性細胞、T細胞お よび脾臓を含む造血細胞および造血組織で発現される。また脳と脊髄でも、より 少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば造血系起源の腫瘍、移植片拒絶、創傷、炎症、アレルギーなどといった(ただ しこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリ ペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの 弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または 細胞(具体的には免疫系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベ ルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を 持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、 一定の組織および細胞タイプ(例:造血細胞、免疫系の組織と細胞、癌組織およ び傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしく はそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的 に検出しうる。 この組織分布と、リボヌクレアーゼコード遺伝子のRh/T2/S-糖タンパク質ファ ミリーに対する相同性は、遺伝子番号47に対応するポリペプチドとポリヌクレオ チドが、特定の細胞タイプ(例えば癌細胞、HIV感染細胞)を指向させることが できヒト免疫系による認容性が良好な細胞毒として有用であることを示している 。 好ましいエピトープとしては、配列番号180に残基Ala-24〜Asp-30、Ile-51〜T yr-61、Pro-69〜Ser-78、Pro-105〜Phe-110、Asn-129〜Phe-135、Pro-187〜Glu- 192、Lys-205〜Gln-224およびPro-250〜His-256として示す配列を含んでなるも のがある。 遺伝子番号48によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号48の翻訳産物は、UDP-グルコースからドリチルホスフェートへのグ ルコースの転移を触媒することによりN結合型糖鎖付加に重要であると考えられ る小胞体の膜貫通結合型酵素ドリチルホスフェートグルコシルトランスフェラー ゼと配列相同性を有する(アクセッション番号535141参照)。相同性に基づき、 この遺伝子産物はヒトでも同様の役割を果たすと思われる。好ましいポリヌクレ オチド断片はヌクレオチド132〜959を含む。またこのヌクレオチド断片によって コードされるポリペプチド断片も好ましい。 遺伝子番号48は主として内皮細胞で発現され、また造血細胞と脳でも、より少 ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばウィスコット-アルドリッチ症候群などのタンパク質の適切なN結合型糖鎖付加 の欠損、内皮細胞起源の腫瘍などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状 態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチド に対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロー ブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には血管系と造血 系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発 現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た 健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織および細胞 タイプ(例:内皮細胞、造血細胞、脳、癌組織および傷ついた組織)または体液 (例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体 から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、ドリチルホスフェートグルコシルトランスフェラーゼに対す る相同性は、遺伝子番号48に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、疾患 状態および/または病理に寄与するN結合型糖鎖付加経路の欠損を診断し処置する のに有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号181に残基Lys-50〜Thr-55、Ser-73〜A rg-79、Glu-92〜Pro-99、Asp-110〜Ser-117、Gln-125〜Lys-131、Gly-179〜 Asn-188、Ile-231〜Cys-236およびGlu-318〜Asn-324として示す配列を含んでな るものがある。 遺伝子番号49によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号49は主として脳で(視床下部と扁桃体で最も顕著に)発現される。 またこの遺伝子はX染色体にマッピングされ、したがってX染色体のマーカーとし て連鎖解析に使用できる。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば脳起源の腫瘍、神経変性障害、伴性障害などといった(ただしこれらに限らな い)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれら ポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免 疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には 脳)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発 現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た 健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:脳、 癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄 液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中 に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号49に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、脳起源の腫瘍の診断と、パーキンソン病などの神経変性障害および伴性障害の 処置に有用であることを示している。 遺伝子番号50によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号50の翻訳産物は、cAMP依存性プロテインキナーゼAおよびCの主要原 形質膜基質であるイヌ・ホスホレマン(phospholemann)と配列相同性を有する (アクセッション番号M63934参照;アクセッション番号A40533も参照されたい) 。実際、あるグループが、最近、ヒト・ホスホレマン遺伝子をクローニングし、 その遺伝子を19番染色体にマッピングした(アクセッション番号1916010参照) 。ホスホレマンは、インシュリンやアドレナリンなどの特定の細胞外刺激に反応 してリン酸化されるI型内在性膜タンパク質である。ホスホレマンは細胞膜でイ オ ンチャネルを形成し、またタウリン輸送を調節すると思われることから、細胞容 積調節への関与が示唆される。ホスホレマンは、膜貫通イオンフラックス中で機 能する単一膜貫通ドメインを特徴とする膜タンパク質のスーパーファミリーの一 構成要素であると提唱されている。それらはシグナル伝達を細胞容積の制御など といった細胞過程の調節に結びつける能力を持つ。 遺伝子番号50は主として胎児肝臓で発現され、また成人の脳と腎臓ならびに他 の器官でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばインシュリンおよび/またはアドレナリン欠損、糖尿病、異常イオンチャネル シグナリング、タウリン輸送欠損、細胞容積調節の欠損などといった(ただしこ れらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプ チドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別 的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞 (具体的には脳および/または免疫系)の多くの障害については、有意に高いま たは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち 、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル) との比較で、一定の組織(例:肝臓、脳、腎臓、癌組織および傷ついた組織)ま たは体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害を もつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、ホスホレマンに対する相同性は、遺伝子番号50に対応するポ リペプチドとポリヌクレオチドが、イオンと小分子(具体的にはタウリン)の輸 送に関係する障害の処置に有用であることを示している。また、細胞容積の正常 な制御に関して予測されるホスホレマンの役割ゆえに、細胞容積制御の異常が顕 著な特徴である病理または疾患の制御にも有益だろう。また、インシュリンまた はアドレナリンによる刺激時にそれがリン酸化されることからわかるように、( 他の活性な分泌分子と共に)インシュリンおよび/またはアドレナリンの異常な 循環レベルが関係する障害でも役割を果たしうる。 好ましいエピトープとしては、配列番号183に残基Ala-20〜Gln-34、Arg-58〜 Thr-79およびLeu-87〜Arg-92として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号52によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号52は主として転移性黒色腫で発現され、また幼児脳でも、より少な い程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌や癌転移などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬 として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は 、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するの に有用である。上記の組織または細胞の多くの障害については、有意に高いまた は低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、 その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)と の比較で、一定の組織(例:表皮、脳、癌組織および傷ついた組織)または体液 (例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体 から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号52に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 黒色腫の診断と処置に有用であることを示している。 遺伝子番号53によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号53の翻訳産物は、重要な細胞表面分子であると考えられるムチンと 配列相同性を有する。またこれはAgelenopsis aperta(クモの一種)のカルシウ ムチャネル遮断物質と(具体的には神経細胞と筋肉細胞に作用するカルシウムチ ャネル遮断物質と)配列同一性を示す。 遺伝子番号53は主として前立腺、内皮細胞、平滑筋、胎児組織で発現され、ま たT細胞と胎盤でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば前立腺癌、免疫障害、アンギナ、高血圧、心筋症、上室性不整脈、食道アカラ ジア、早産、レイノー病などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の 診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対 する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを 提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多くの 障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的 な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織ま たは体液における発現レベル)との比較で、一定の組織または細胞タイプ(例: 前立腺、免疫系の組織と細胞、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血 清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取 した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、ムチンに対する相同性は、遺伝子番号53に対応するポリペプ チドとポリヌクレオチドが、前立腺癌などの疾患の診断用表面抗原として、また 腫瘍ワクチンとして、有用であることを示している。 遺伝子番号54によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号54はrabレセプターおよびVAMP-2レセプタータンパク質と配列同一 性を示すポリペプチドをコードする(Martincicら,J.Biol.Chem.272(1997))。 遺伝子番号54は主として胎盤、胎児肝臓、破骨細胞腫および平滑筋で発現され 、またT細胞、胎児肺および結腸癌でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌、骨粗しょう症、免疫関連疾患などといった(ただしこれらに限らない)疾 患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペ プチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的 プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系 、造血系および骨系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルで のこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持た ない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定 の組織および細胞タイプ(例:胎盤、肝臓、破骨細胞腫、平滑筋、T細胞、肺、 結腸、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液また は脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞 検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号54に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、癌、骨粗しょう症および免疫障害を処置するのに有用であることを示している 。 好ましいエピトープとしては、配列番号187に残基Pro-16〜Phe-21、Pro-24〜A rg-35、Arg-92〜Pro-98、Asn-143〜Lys-151およびLeu-169〜Ile-176として示す 配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号55によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号55の翻訳産物は、ラットガラニンレセプターGALR2と配列相同性を 有するタンパク質をコードする。 遺伝子番号55は主として卵巣癌で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として有用である 。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織また は細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上 記の組織または細胞(具体的には免疫系および生殖器系)の多くの障害について は、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現 レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液にお ける発現レベル)との比較で、一定の組織(例:卵巣、免疫系の組織と細胞、癌 組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液 )もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に 、日常的に検出しうる。GALR2アンタゴニストは肥満、大食症またはアルツハイ マー病の処置に使用でき、一方GALR2アゴニストは食欲不振または疼痛の処置も しくは痛感(患者が訴える症状)の低減に使用できる。アゴニストとアンタゴニ ストは、認識障害、感覚障害、乗物酔い、痙攣/癲癇、高血圧、糖尿病、緑内障 、生殖障害、胃腸潰瘍、炎症、免疫障害、不安を含む数多くの他の障害を処置す るためにも使用できる。 この組織分布は、遺伝子番号55に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 卵巣癌の診断と処置に有用であることを示している。 遺伝子番号56によってコードされるタンパク質の特徴 表1に示すように、遺伝子番号56の予想シグナル配列はマウス腫瘍組織適合遺 伝子座クラスIIIと相同なオープンリーディングフレームに関係する(アクセッ ション番号2564953参照)。正しいオープンリーディングフレームを変化させる フレームシフト突然変異はいずれも、既知の分子生物学技術を使って容易に明ら かにできる。また反対方向には、第二の翻訳産物が示される。このコンティグの この第二の翻訳産物は、細胞内タンパク質リゾホスファチド酸アシルトランスフ ェラーゼと配列が同一である。この翻訳産物のヌクレオチド配列とアミノ酸配列 は既に、Stampsとその共同研究者ら(Biochem.J.326(Pt2),455-461(1997))、We stとその共同研究者ら(DNA Cell Biol.6,691-791(1997))、Rowan(GenBankア クセッション番号U89336)、SoyomboおよびHofmann(GenBankアクセッション番 号AF020544)によって公表されている。この遺伝子は細胞におけるサイトカイン シグナリング反応を増進すると考えられる。シグナルペプチドはこの翻訳産物の 上流に位置すると思われる。好ましいポリペプチド断片は次のアミノ酸配列を含 んでなる: これらポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチド断片も提供される。 遺伝子番号56は主として胎児副腎、視床下部、7週齢胚組織、胎児肺、破骨細 胞腫支質細胞で発現され、また他の多数の組織でも、より少ない程度に発現され る。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また発育 障害と破骨細胞腫の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれ らポリペプチドに対する抗体は、それが大量に発現される組織または細胞タイプ の弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織また は細胞の多くの障害(具体的には発生期の障害、もしくは神経系または骨系の障 害)については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的 な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織ま たは体液における発現レベル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例: 副腎、胚組織、肺、破骨細胞腫支質細胞、癌組織および傷ついた組織)または体 液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個 体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。さらに、こ のタンパク質の発現は、与えられた細胞タイプまたは膜タイプの脂肪酸組成を変 化させるためにも使用できる。 この組織分布は、遺伝子番号56に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、発育障害の診断と処置ばかりでなく、破骨細胞腫と他の骨関連および非骨関連 癌の診断と処置にも有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号189に残基Gly-29〜Gly-36およびTyr-4 9〜Tyr-58として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号57によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号57の翻訳産物は、長寿保証タンパク質(longevity-assurance prote in)-1と配列相同性を有する(アクセッション番号g1123105参照)。好ましいポ リヌクレオチド断片はヌクレオチド6〜125および118〜432を含んでなり、これら ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドも同様である。第二のシグ ナル配列が表1に記載の予想シグナル配列の上流に存在するらしい。さらに、フ レームシフトはヌクレオチド118〜125間で起こりやすく、これは標準的な分子生 物学技術を使って容易に解明できる。 遺伝子番号57は主として胎児肝臓、腎臓、脳、胸腺および骨髄で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫学的疾患や過剰増殖性障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患 と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプ チドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プ ローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には胎児肝臓 、 腎臓、脳、胸腺および骨髄)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレ ベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害 を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で 、一定の組織(例:肝臓、腎臓、脳、胸腺、骨髄、癌組織および傷ついた組織) または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害 をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、長寿保証タンパク質に対する相同性は、遺伝子番号57が寿命 の延長と、この遺伝子の発現不足または過剰発現によって引き起こされる免疫系 障害または過剰増殖性障害に冒されている人々のための代償療法に有用なタンパ ク質をコードすることを示唆している。 好ましいエピトープとしては、配列番号190に残基Val-29〜Arg-46およびGly-5 0〜Gly-56として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号58によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号58産物のドメインはブタ界面活性タンパク質-A(surfactant prote in-A)レセプターと相同である(アクセッション番号B48516参照)。ウシ遺伝子 は界面活性タンパク質-Aレセプターを結合して、肺胞界面活性物質の分泌を調節 する。この相同性に基づき、この遺伝子によってコードされる遺伝子産物はこの ブタ遺伝子に類似する活性をもつと思われる。好ましいポリヌクレオチド断片は ヌクレオチド887〜1039を含んでなり、そのヌクレオチド断片によってコードさ れるポリペプチド断片も同様である。 遺伝子番号58は主として脳で発現され、また内皮細胞でも、より少ない程度に 発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば痴呆、卒中、神経障害、呼吸困難などの中枢神経系の疾患や、炎症性疾患、再 狭窄および血管疾患などの内皮を冒す疾患などといった(ただしこれらに限らな い)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれら ポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免 疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には 胎盤、肝臓、内皮細胞、前立腺、胸腺および肺)の多くの障害については、有意 に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル( すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現 レベル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:脳、内皮細胞、癌組織 および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)も しくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日 常的に検出しうる。 この組織分布と相同性は、遺伝子番号58に対応するポリペプチドとポリヌクレ オチドが、中枢神経系に関する疾患の診断および/または処置(例えばニューロ ンの生存または保護を促進する因子)、内皮の炎症性障害の処置、または肺の障 害に有用であることを示している。またこのタンパク質は血管形成を阻害または 促進でき、それゆえ血管障害の処置に有用である。 好ましいエピトープとしては、配列番号191に残基His-66〜Pro-80、Gly-139〜 Ser-146、およびSer-262〜Pro-267として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号59によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号59の翻訳産物は、高血圧に重要であると考えられ主として腎蔵で発 現されることがわかっているラット高血圧誘導タンパク質と相同である(アクセ ッション番号B61209参照)。したがってこの遺伝子産物はヒトにおける高血圧に 関与すると思われる。好ましいポリペプチド断片は短鎖デヒドロゲナーゼ/レダ クターゼモチーフSILGIISVPLSIGYCASKHALRGFFNGLR(配列番号269)を含んでなり 、このポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドも同様である。また、33 7〜639のポリヌクレオチド断片とそのポリヌクレオチド断片によってコードされ るポリペプチド断片も好ましい。 遺伝子番号59は主として肝臓、脾臓、肺、脳および前立腺で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば心血管障害、免疫学的障害および腎障害などといった(ただしこれらに限らな い)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれら ポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免 疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には 心血管、腎および免疫)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベル でのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持 たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一 定の組織(例:肝臓、脾臓、肺、脳、前立腺、癌組織および傷ついた組織)また は体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をも つ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、高血圧誘導タンパク質に対する相同性は、遺伝子番号59に対 応するポリペプチドとポリヌクレオチドが高血圧を処置するのに有用であること を示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号192に残基Gln-40〜Glu-45、Glu-96〜G lu-102、Asn-256〜Thr-266およびAsp-308〜Asp-317として示す配列を含んでなる ものがある。 遺伝子番号60によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号60は主として活性化T細胞とジャーカット細胞で発現され、またア ポトーシスT細胞とCD34+細胞でも、より少ない程度に発現される。別のオープ ンリーディングフレームが全長アミノ酸配列を与えるらしく、それは標準的分子 生物学技術を用いて確かめることができる。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばTリンパ球関連疾患や造血などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状 態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチド に対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロー ブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多 くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標 準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組 織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ( 例:T細胞、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑 液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織ま たは細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号60に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、免疫系障害の診断または処置に有用であることを示している。 遺伝子番号61によってコードされるタンパク質の特徴 液胞プロトンATPアーゼである遺伝子番号61の翻訳産物は、発生に重要である と考えられるCaenorhabditis elegans(線虫の一種)のタンパク質と配列相同性 を有する。このタンパク質は胚発生にも影響を及ぼしうるヒト分泌相同体であり うる。Ludwig,J.も最近、この遺伝子をクロム親和性顆粒からクローニングした (アクセッション番号2584788参照)。表1には予想シグナルペプチド配列を示し てあるが、この遺伝子の翻訳産物は実際にはアミノ酸配列MAYHGLTV(配列番号27 0)で始まる上流のメチオニンから開始しうる。したがって、本発明では、N末端 欠失の他に、この上流配列を含むポリペプチドも考えられる。 遺伝子番号61は主としてヒト胎盤、肝臓およびホジキンリンパ腫で発現され、 また骨髄でも、より少ない程度に発現される。比較的低レベルの発現が樹状細胞 でも観察された。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば過剰増殖性障害、胚発生の欠損およびクロム親和性顆粒の欠損によって起こる 疾患や障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬と して有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、 それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに 有用である。上記の組織または細胞の多くの障害(具体的には癌)については、 有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベ ル(すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における 発現レベル)との比較で、一定の組織(例:胎盤、肝臓、リンパ組織、骨髄、癌 組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液 )もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に 、日常的に検出しうる。 この組織分布とCaenorhabditis elegansに対する相同性は、遺伝子番号61に対 応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、過剰増殖性障害、胚発生障害および クロム親和性顆粒障害の診断および治療様式に有用であることを示している。 遺伝子番号62によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号62の翻訳産物は、LAG3のヌル突然変異を有するマウスでの実験で既 に決定されているようにナチュラルキラー細胞(NK細胞)活性の媒介に重要であ ると考えられるネズミLAG3遺伝子と配列相同性を有する。このCD4レセプターに 対するこの遺伝子の類似性は、その遺伝子産物が分泌可溶性レセプターであり免 疫媒介物質でありうることを含意するのかもしれない。 遺伝子番号62は主としてヒト胎児心臓、髄膜腫で発現され、また扁桃でも、よ り少ない程度に発現される。この遺伝子は乳癌細胞株MDA36でも発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばリンパ腫、白血病、乳癌、任意の免疫系機能不全(例えばナチュラルキラー細 胞活性が関係する機能不全)などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状 態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチド に対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プロー ブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞の多くの障害(具体的には 免疫系の障害または乳癌)については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺 伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体 から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織( 例:心臓、髄膜腫、扁桃、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、 血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した 他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、LAG3遺伝子(ネズミ)に対する相同性は、遺伝子番号62に対 応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、欠損した免疫系が関係する(好まし くはナチュラルキラー細胞活性が関係する)異常または疾患状態ならびに乳癌に 向けられた診断および/または治療様式に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号195に残基Pro-10〜Trp-17、Cys-58〜P ro-67、Thr-76〜Glu-85およびArg-93〜Asn-101として示す配列を含んでなるも のがある。 遺伝子番号63によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号63の翻訳産物は、生体発生に重要であると考えられるCaenorhabdit is elegans α-コーラゲン遺伝子(Clg)および他のコラーゲン遺伝子と配列相 同性を有する。それゆえ配列相同性に基づいて、この遺伝子のポリペプチドは、 器官発生への関与を含めて、コラーゲンと類似する活性を持つと予想される。 遺伝子番号63は主としてヒトB細胞リンパ腫で発現され、またヒト下垂体組織 でも、より少ない程度に発現される。この遺伝子は角化細胞における発現をも示 した。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばB細胞リンパ腫、他のリンパ腫、白血病および他の癌ならびに発生に関係する 障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有 用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら 組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用で ある。上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多くの障害については、有 意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル (すなわち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発 現レベル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:免疫系の組織および /または細胞、下垂体、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血 漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他 の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布とCaenorhabditis elegans α-コラーゲン遺伝子に対する相同性 は、遺伝子番号63に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、癌(具体的に はB細胞リンパ腫、白血病)または発生に関係する疾患の検出および/または処置 に向けられた診断および/または治療様式の開発に有用であることを示している 。 好ましいエピトープとしては、配列番号196に残基Thr-22〜Arg-27およびSer-2 9〜Thr-39として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号64によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号64の翻訳産物は、嗅ニューロンの尖端樹状突起上の化学的感覚繊毛 の維持、成長または分化に重要であると考えられるヒト細胞外分子オルファクト メジン(olfactomedin)と配列相同性を有する。この配列類似性に基づき、この 遺伝子のポリペプチドはオルファクトメジンと類似する活性(具体的にはニュー ロンの分化または増殖)を持つと思われる。 遺伝子番号64は主として胎児肺組織で発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば肺の疾患や(具体的には肺の)神経発生などといった疾患と状態(ただしこれ らに限らない)の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれら ポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免 疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体的には 肺系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの遺伝子の 発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個体から得 た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織(例:肺 、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊 髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体 中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、オルファクトメジンファミリーに対する相同性は、遺伝子番 号64に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、肺の疾患状態(例えば嚢胞 性線維症)の診断および/または処置に向けられた診断および/または治療様式の 開発に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号197に残基Gly-17〜Gln-23、Gln-45〜A rg-50、Arg-56〜Lys-61、Glu-70〜Leu-76、Asp-88〜Glu-93、Pro-117〜Met-131 、Asp-161〜Glu-167、Arg-224〜Asn-237、Asp-302〜Trp-312、Pro-315〜Asn-320 およびThr-337〜Ser-341として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号65によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号65の翻訳産物は、分泌および/または小胞輸送機構に重要であると 考えられるSaccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレビシェ)仮説タン パク質YKL166(アクセッション番号gi/687880)と配列相同性を有する。この相 同性基づき、この遺伝子産物はYKL166と類似する活性(具体的には分泌または輸 送機構)を持つと思われる。この遺伝子の好ましいペプチド断片としては、アミ ノ酸配列ISAARV(配列番号271)から始まる断片が挙げられる。他のポリペプチ ド断片には、アミノ酸配列PDVSEFMTRLF(配列番号272)で終わる前記断片がある 。さらに好ましい断片としては、アミノ酸配列FDPVRVDITSKGKMRAR(配列番号273 )を含むポリペプチド断片が挙げられる。また、そのポリペプチドに融合された 外来性シグナル配列を持つポリペプチド断片も好ましい。 遺伝子番号65は主として胎盤、精巣、破骨細胞腫で発現され、また副腎でも、 より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌および/またはタンパク質分泌の欠損が関係する疾患などといった(ただし これらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペ プチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁 別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細 胞(具体的には生殖器系、軟骨および骨)の多くの障害については、有意に高い または低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわ ち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル )との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:胎盤、精巣、副腎、破骨細胞 腫、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または 脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検 体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、酵母YKL1GGタンパク質に対する相同性は、遺伝子番号65に対 応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、癌または分泌異常(例えば遺伝的に 引き起こされる分泌性疾患)を対象とする治療および/または診断様式の開発に 有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号198に残基Ser-18〜Ser-29およびLys- 53〜Arg-74として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号66によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号66の翻訳産物は、分泌成長因子として重要であると考えられるヒト パピローマウイルス(HPV)E5 ORF領域と配列相同性を有する。これはウイルス 遺伝子産物として記述されているが、いくつかの細胞分泌相同体を持つと考えら れる。したがって、HPV E5 ORFとこの遺伝子の翻訳産物との配列類似性に基づき 、この遺伝子産物はHPV E5 ORFと類似する活性を持つと思われる。 遺伝子番号66は主として活性化T細胞、単球、小脳で発現され、また幼児脳で も、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば癌および/またはヒトパピローマウイルス感染などといった(ただしこれらに 限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドと それらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定 用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体 的には免疫系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの 遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個 体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織 および細胞タイプ(例:脳、リンパ組織、単球、T細胞、癌組織および傷ついた 組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのよう な障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しう る。また、この遺伝子のポリヌクレオチドは1番染色体にマッピングされている 。したがって本発明のポリヌクレオチドは1番染色体のマーカーとして連鎖解析 に使用できる。 この組織分布と、ヒトパピローマウイルスE5領域に対する相同性は、遺伝子番 号66に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、癌および/またはヒトパピ ローマウイルス感染(HPV)の診断および/または処置に向けられた診断および/ または治療様式の開発に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号199に残基Asn-31〜Arg-36およびLeu- 102〜Ser-112として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号67によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号67の翻訳産物は、B細胞μ鎖会合に重要であると考えられる8hs20タ ンパク質前駆体[Mus musculus(ハツカネズミ)]と配列相同性を有する(アク セッション番号PID/d1002996;Shiraswa,T.,EMBO J.12(5):1827-1834(1993)参照 )。アミノ酸53から始まるポリペプチド断片が好ましく、1〜20アミノ酸N末端お よび/またはC末端欠失も好ましい。8hs20タンパク質とこの遺伝子の翻訳産物と の配列類似性に基づき、これら2つのポリペプチドは一定の生物学的活性(具体 的には免疫学的活性)を共有すると予想される。 遺伝子番号67は主としてヒトB細胞で発現され、またホジキンリンパ腫でも、 より少ない程度に発現される。またこのポリペプチドは、8hs20で観察されるよ うに、おそらくB細胞特異細胞、骨髄、脾臓で発現されるだろうと思われる。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ばホジキンリンパ腫、分類不能型免疫不全症および/または他のB細胞リンパ腫な どといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用であ る。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織ま たは細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。 上記の組織または細胞(具体的には免疫系)の多くの障害については、有意に高 いまたは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すな わち、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベ ル)との比較で、一定の組織および細胞タイプ(例:骨髄、脾臓、リンパ組織、 B細胞、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液ま たは脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細 胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布と、8hs20タンパク質前駆体[Mus musculus]に対する相同性は 、遺伝子番号67に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが、ホジキンリンパ 腫、B細胞リンパ腫、分類不能型免疫不全症または他の免疫障害を標的とする治 療および/または診断目的に有用であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号200に残基Asp-51〜Trp-56、Arg-72〜A sp-85およびGln-106〜Asp-112として示す配列を含んでなるものがある。 遺伝子番号68によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号68は主として胎児肝臓/脾臓、横紋筋肉腫で発現され、また9週齢初 期ヒト胚および骨髄でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば横紋筋肉腫と他の癌、造血障害、免疫機能不全などといった(ただしこれらに 限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリペプチドと それらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定 用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または細胞(具体 的には免疫系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルでのこの 遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持たない個 体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定の組織 (例:胚組織、横紋筋、肝臓、脾臓、骨髄、癌組織および傷ついた組織)または 体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ 個体から採取した他の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号68のタンパク質産物が、癌(好ましくは横紋筋肉 腫)に向けられた診断および/または治療目的に有用であることを示している。 胎児肝臓、脾臓および骨髄におけるこの遺伝子の増加した発現は、この遺伝子が 造血に活発な役割を果たすことを示している。それゆえ本発明のポリペプチドと ポリヌクレオチドは、造血幹細胞を含む様々な造血系統の生存、増殖および/ま たは分化の調節に役立ちうる。したがってポリヌクレオチドまたはポリペプチド を使って、様々な造血傷害を処置し、造血幹細胞増殖を含む血液細胞系統の発生 と分化に影響を与えることができる。本ポリペプチドはアミノ酸64〜82にチオレ ドキシンファミリー活性部位を含有する。このチオレドキシン活性部位を含むポ リペプチドが考えられる。 遺伝子番号69によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号69は主として肝臓と腎臓で発現され、またマクロファージ、子宮、 胎盤および精巣でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば腎障害、腫瘍形成(例えば軟部組織癌、肝細胞腫瘍)、免疫障害、内分泌平衡 障害、生殖障害などといった(ただしこれらに限らない)疾患と状態の診断用試 薬として有用である。同様に、ポリペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体 は、それら組織または細胞タイプの弁別的同定用の免疫学的プローブを提供する のに有用である。上記の組織または細胞(具体的には肝臓系、泌尿生殖系、免疫 系、および生殖器系)の多くの障害については、有意に高いまたは低いレベルで のこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を持た ない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル)との比較で、一定 の組織および細胞タイプ(例:肝臓、腎臓、子宮、胎盤、精巣、マクロファージ 、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血漿、尿、滑液または脊 髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他の組織または細胞検体 中に、日常的に検出しうる。 この組織分布は、遺伝子番号69に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、肝臓系、泌尿生殖系、免疫系および生殖器系における障害の診断と処置に有用 であることを示している。 好ましいエピトープとしては、配列番号202に残基Arg-41〜Ser-50、Glu-138〜 Asn-148、Ser-155〜Arg-172、Pro-219〜Glu-228として示す配列を含んでなるも のがある。 遺伝子番号70によってコードされるタンパク質の特徴 遺伝子番号70は主としてマクロファージ、T細胞および樹状細胞を含む免疫系 で発現され、また胎児組織でも、より少ない程度に発現される。 したがって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、生物学的試料 中に存在するそれら組織または細胞タイプの弁別的同定用試薬として、また例え ば免疫障害、炎症性疾患、リンパ節障害、胎児発育および癌などといった(ただ しこれらに限らない)疾患と状態の診断用試薬として有用である。同様に、ポリ ペプチドとそれらポリペプチドに対する抗体は、それら組織または細胞タイプの 弁別的同定用の免疫学的プローブを提供するのに有用である。上記の組織または 細胞(具体的には免疫系および造血系)の多くの障害については、有意に高いま たは低いレベルでのこの遺伝子の発現を、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち 、その障害を持たない個体から得た健常な組織または体液における発現レベル) との比較で、一定の組織および一定の細胞タイプ(例:マクロファージ、T細胞 、樹状細胞、胎児組織、癌組織および傷ついた組織)または体液(例:血清、血 漿、尿、滑液または脊髄液)もしくはそのような障害をもつ個体から採取した他 の組織または細胞検体中に、日常的に検出しうる。このポリヌクレオチドは19番 染色体にマッピングされるという証拠がいくつかある。したがってこのヌクレオ チドは19番染色体に関する遺伝子分析用のマーカーになりうる。 この組織分布は、遺伝子番号70に対応するポリペプチドとポリヌクレオチドが 、狼瘡、移植片拒絶、アレルギー反応、関節炎、喘息、免疫不全疾患、白血病お よびAIDSなどの免疫疾患と自己免疫疾患の処置、予防および診断に有用であるこ とを示している。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、グレーブズ 病、リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症および甲状腺機能低下症などの胸腺 障害の処置、予防および検出にも有用である。また主に造血細胞で観察される発 現は、本ポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、移植片対宿主反応、移植片対 宿主疾患、移植片拒絶、骨髄性白血病、骨髄線維症、骨髄増殖性障害などの造血 障害を処置および/または検出する際に重要であることを示している。本ポリペ プチドまたはポリヌクレオチドは、化学療法を受けている癌患者または骨髄移植 を受けている患者を処置するのに有用な、造血前駆細胞(例えば骨髄細胞)の増 殖、分化および機能的活性化の増進または保護にも有用である。また本ポリペプ チドまたはポリヌクレオチドは、末梢血白血球の増殖を増加させるのにも有用で あり、これは免疫不全疾患、白血病、敗血症を含む、ある範囲の造血障害の抑制 に使用できる。 好ましいエピトープとしては、配列番号203に残基Thr-21〜Ser-27、Pro-33〜S er-38、Arg-73〜Lys-84として示す配列を含んでなるものがある。 表1は上記の各「遺伝子番号」に対応する情報をまとめている。「NT配列番号 :X」として同定されているヌクレオチド配列は、表1に同定される「cDNAクロ ーンID」および場合によっては別の関連あるDNAクローンから入手される部分的 に同種である(「重複する」)配列から集められている。重複する配列は、高い 重複性(通常は、各ヌクレオチド部位での3〜5の重複した配列)の単一の隣接 配列に集められ、配列番号:Xとして同定される最終的な配列を得た。 cDNAクローンIDは、「ATCC寄託番号:Zおよび日付」に列挙されている日に寄 託され、対応する寄託番号を付与された。寄託されたものの中には、同じ遺伝子 に対応する複数の異なるクローンを含むものがある。「ベクター」とはcDNAクロ ーンIDに含まれる型のベクターをいう。 「総NT配列」とは、「遺伝子番号」により同定されるコンティグにおける総ヌ クレオチド数をいう。寄託されたクローンはこれらのすべての配列またはほとん どの配列を含んでいてよく、配列番号:Xの「クローン配列の5'NT」および「ク ローン配列の3'NT」として同定されるヌクレオチド位置により反映されている 。推定開始コドン(メチオニン)の配列番号:Xのヌクレオチド位置は、「開始 コドンの5'NT」として同定されている。同様に、推定シグナル配列の配列番号 :Xのヌクレオチド位置は、「シグナルペプチドの最初のAAの5'NT」として同定 されている。 翻訳されたアミノ酸配列はメチオニンで開始しており、「アミノ酸配列番号: Y」として同定されているが、他のリーディングフレームはまた公知の分子生物 学的手法を用いて容易に翻訳することができる。これらの別のオープンリーディ ングフレームによって製造されるポリペプチドは特に、本発明により考慮される 。 推定シグナルペプチドの配列番号:Yの最初のアミノ酸および最終のアミノ酸 位置は、「シグナルペプチドの最初のアミノ酸」および「シグナルペプチドの最 終のアミノ酸」として同定される。分泌部位の配列番号:Yの推定の最初のアミ ノ酸位置は、「分泌部位の推定の最初のアミノ酸」として同定されている。最終 的に、オープンリーディングフレームにおける最終のアミノ酸の配列番号:Yの アミノ酸位置は、「ORFの最終アミノ酸」として同定されている。 配列番号:Xおよび翻訳された配列番号:Yは十分に正確であり、また当該技術 分野において公知の多様な使用に適しており、以下にさらに記載する。例えば、 配列番号:Xは、配列番号:Xに含まれる核酸配列または寄託されたクローンに含 まれるcDNAを検出できる核酸ハイブリダイゼーションプローブを設計するために 有用である。これらのプローブはまた、生物学的サンプル中で核酸分子とハイブ リダイズするであろうし、それにより、本発明の多様な法医学的および診断学的 方法が可能となる。同様に、配列番号:Yから同定されたポリペプチドは、表1 に同定されるcDNAクローンによりコードされる分泌タンパク質に特異的に結合す る抗体を製造するために使用されてよい。 それにもかかわらず、シークエンシング反応によって製造されるDNA配列はシ ークエンシングの過誤を含み得る。該過誤は誤同定ヌクレオチドとしてあるいは また、製造されたDNA配列中のヌクレオチドの挿入または欠失として存在する。 誤って挿入されたヌクレオチドまたは欠失したヌクレオチドは、推定アミノ酸配 列のリーディングフレームにおけるフレームシフトを引き起こす。これらの場合 、推定アミノ酸配列は、たとえ、製造されたDNA配列が実際のDNA 配列に99.9 %を越えて同一であるとしても、実際のアミノ酸配列から分岐している(例えば 、1000を越えるオープンリーディングフレームにおいて1塩基の挿入または 欠失など)。 従って、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における正確さが必要とされる それらの適用のため、本発明は配列番号:Xとして同定される製造されたヌクレ オチド配列および配列番号:Yとして同定される推定の翻訳されたアミノ酸配列 のみならず、表1に示すATCCに寄託された本発明のヒトcDNAを含むプラスミドDN Aを提供する。各寄託されたクローン各々のヌクレオチド配列は、公知の方法に より寄託されたクローンをシークエンシングすることにより容易に決定すること ができる。ついで、推定アミノ酸配列はそのような寄託から照合することも可能 である。さらに、ある特定のクローンによってコードされるタンパク質のアミノ 酸配列は、ペプチドシークエンシングまたは寄託されたヒトcDNAを含む適切な宿 主細胞中で該タンパク質を発現させ、該タンパク質を回収し、ついでその配列を 決定することにより、直接決定することもできる。 本発明はまた、配列番号:X、配列番号:Yまたは寄託されたクローンに対応す る遺伝子に関連している。対応する遺伝子は本明細書に開示されている配列情報 を使用して公知の方法により単離することができる。そのような方法には、開示 された配列からプローブまたはプライマーを調製することおよびゲノム材料の適 当な出所から対応する遺伝子を同定または増幅することを含む。 また、本発明において、種のホモログ(Species homolog)を提供する。種の ホモログは単離され、ついで本明細書に提供された配列から適当なプローブまた はプライマーを製造することによって、さらに、所望のホモログの適当な核酸源 をスクリーニングすることによって同定されてよい。 本発明のポリペプチドは、任意の適当な方法にて調製されることができる。そ のようなポリペプチドには、天然に存在する単離されたポリペプチド、組換え技 術により製造されたポリペプチド、合成により製造されたポリペプチドまたはこ れらの方法を組み合わせて製造したポリペプチドを含む。そのようなポリペプチ ドを調製する手段は、当該技術分野において良く理解されている。 該ポリペプチドは、成熟形態を含む分泌タンパク質の形態であってよく、融合 タンパク質等の一層大きなタンパク質の一部であってよい(以下参照)。分泌配 列またはリーダー配列、プロ配列、マルチプルヒスチジン残基等の精製に役立つ 配列、または組み換え技術により製造される間の安定性に関する別の配列を含む 別のアミノ酸配列を含むことはしばしば有利である。 本発明のポリペプチドは単離された形態で提供されるのが好ましく、また、実 質的に精製されているのが好ましい。組換え技術により製造された版のポリペプ チドには、分泌ポリペプチドが含まれ、スミス(Smith)およびジョンソン(Joh nson)、Gene 67:31-40(1988)に記載される1工程の方法により実 質的に精製することができる。本発明のポリペプチドはまた、天然源または組換 え源から当該技術分野において良く知られた方法で該分泌タンパク質に対して作 成された本発明の抗体を用いて精製することができる。シグナル配列 あるタンパク質がシグナル配列ならびにその配列に対する開裂点を保持してい るか否かを推定するための方法が利用可能である。例えば、マックジョーチ(Mc Georch)、Virus Res.3:271-286(1985)は、該完全な(開裂 していない)タンパク質の短いN-末端帯電領域および連続した非帯電領域からの 情報を使用する。フォン・ヘインジュ(von Heinje)、Nucleic Acids Res.14 :4683-4690(1986)の方法では、典型的には、-13〜+2(+1が 該分泌タンパク質のアミノ末端を示す)の残基である開裂部位周辺の残基からの 情報を利用する。これらの各方法に関して公知の哺乳類分泌タンパク質の開裂点 を推定することの正確さは、75〜80%の範囲にある(フォン・ヘインジュ、 上記)。しかしながら、該2つの方法は、所定のタンパク質に関して同じ推定開 裂点をいつも製造するというわけではない。 本件の場合、分泌ポリペプチドの推定アミノ酸配列は、シグナルP(ヘンリッ ク・ニールセン(Henrik Nielsen)ら、Protein Engineering 10:1-6(1 997))と呼ばれるコンピュータープログラムによって分析され、アミノ酸配 列に基づくタンパク質の細胞位置を推定した。この局在のコンピューターによる 推定の一部として、マックジョーチおよびフォン・ヘインジュの方法が包含され ている。このプログラムにより本明細書に記載された分泌タンパク質のアミノ酸 配列の分析は、表1に示す結果を提供する。 しかしながら、当業者ならば、生物体ごとに時折変化に富む開裂部位を認識す るであろうが、絶大な確信を持っては推定はできないであろう。従って、本発明 は推定開裂点の5残基以内(すなわち、+または-5残基)から始まるN-末端を有 する配列番号:Yに示される配列を持つ分泌ポリペプチドを提供する。同様に、 場合によっては、分泌タンパク質からのシグナル配列の開裂が統一されたもので あるわけではなく、その結果1以上の分泌種を得ることになることをも認識する 。これらのポリペプチドおよびそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレ オチドは本発明で考慮される。 さらに、上記分析により同定されたシグナル配列は、天然に存在するシグナル 配列を推定する必要は必ずしもない。例えば、天然に存在するシグナル配列は、 推定されたシグナル配列のさらに上流にあってもよい。しかしながら、該推定シ グナル配列はERに分泌タンパク質を向けることができるかもしれないようである 。これらのポリペプチドおよびそのようなポリペプチドをコードする該ポリヌク レオチドは本発明によって考慮される。ポリヌクレオチドおよびポリペプチド変異体 「変異体」とは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なってい るが、その本質的な特性を保有しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドを いう。概して、変異体は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドに密接 に類似であり、また多くの領域においては同一である。 「同一性」は本質的に、技術認識された意味を持ち、公開された技術を用いて 算出することができる。(例えば、コンピューテーショナル・モレキュラー・バ イオロジー(COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY)、レスク(Lesk,A.M.)編、オ ックスフォード・ユニバーシティー・プレス(Oxford University Press)、ニ ューヨーク(New York)(1988);バイオコンピューティング:インフォー マティックス・アンド・ゲノム・プロジェクツ(BIOCOMPUTING: INFORMATICS AN D GENOME PROJECTS)、スミス(SMITH,D.W.)編、アカデミック・プレス(Acad emic Press)、ニューヨーク(1993);コンピューター・アナリシス・オブ ・シークエンス・データ、パートI(COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA,PAR TI)、グリフィン(Griffin,A.M.)およびグリフィン(Griffin,H.G.)編、ヒ ューマナ・プレス(Humana Press)、ニュージャージー(New Jersey)(199 4);シークエンス・アナリシス・イン・モレキュラー・バイオロジー(SEQUEN CE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY)、フォン・ヘインジュ(von.Heinje,G.) 、アカデミック・プレス、(1987);およびシークエンス・アナリシス・プ ライマー(SEQUENCE ANALYSIS PRIMER)、グリブスコフ(Gribskov,M.)および デヴァロー(Devereux,J.)編、エム・ストックトン(M Stockton)プレス、ニュ ーヨーク(1991)参照)。2つのポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列 間の同一性を測定するための多数の方法が存在するが、「同一性」なる語は当業 者に良く知られている(カリロ(Carillo,H.)およびリプトン(Lipton,D.) 、SIAM J Applied Math 48:1073(1988))。2つの配列間の同一性 または類似性を決定するために一般に使用される方法には、以下に限るものでは ないが、「ガイド・トゥー・ヒュッジ・コンピューターズ(Guide to Huge Comp uters)」、マーティン・J・ビショップ(Martin J.Bishop)編、アカデミッ ク・プレス、サン・ディエゴ(1994) およびカリロおよびリプトン、SIAM J Applied Math 48:1073(1988 ))。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを配列させる方法は、GCGプログラ ムパッケージ(デヴァローら、Nucleic Acids Reserch(1984)12(1) :387(1984)、BLASTP、BLASTN、FASTA(アッチュール(Atschul,S.F. )ら、J.Molec.Biol.215:403(1990)、ベストフィット・プログ ラム(Bestfit Program)(ウィスコンシン・シークエンス・アナリシス・パッ ケージ(Wisconsin Sequence Analysis Package)、Unix のための第8版、ジェ ネティックス・コンピューター・グループ(Genetics Computer Group)、ウィ スコンシン州53711、マジソン、575サイエンス・ドライブ、ユニバーシ ティー・リサーチ・パーク(University Research Park,575 Science Drive,m adison,WI53711)(スミスおよびウォーターマン(Waterman)の局所的ホモロ ジーアルゴリズム、Advances in Applied Mathematics 2:482-489(1 981)を用いて)を含むコンピュータープログラムに集大成されている。 ある特定の配列が例えば、参照配列に95%同一であるか否かを決定するため の任意の配列アラインメントプログラムを使用する場合、パラメーターは、同一 性のパーセンテージが参照ポリヌクレオチド配列の全長に関して算出され、該参 照配列の総ヌクレオチド数の5%まで同一性に相違が認められるように設定され るのである。 問題となっている配列(本発明の配列)と対象となる配列の間の最も全体的な 合致、また全体的な配列のアラインメントともいうものを決定する好ましい方法 は、ブルトラグ(Brutlag)ら、(Comp.App.Biosci.6:237-245(1 990)))のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラムを用いて 決定され得る。「配列」なる語句はには、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列を含 む。配列アラインメントにおいて、問題となっている配列および対象となる配列 は両者ともにヌクレオチド配列であるかまたは両者ともにアミノ酸配列であるか のいずれかである。該全体的な配列アラインメントの結果は、同一性パーセンテ ージである。同一性パーセントを算出するため、DNA配列のFASTDBサーチにおい て使用されるのに好ましいパラメーターは以下である:行列=ユニタリー、K-組= 4、ミスマッチのペナルティー=1、ジョイニングペナルティー=30、ランダマ イズ・グループ長=0およびカトフスコア(Cutoff Score)=1、ギャップ・ペナ ルティー=5、ギャップサイズペナルティー=0.05およびウインドウサイズ=5 00またはヌクレオチド塩基における調べようとする配列長の短い方のいずれか である。アミノ酸アラインメントの同一性パーセントおよび類似性パーセントを 計算するために使用するのに好ましいパラメーターは以下である:行列=PAM15 0、K-組=2、ミスマッチのペナルティー=1、ジョイニングペナルティー=20 、ランダマイズ・グループ長=0およびカトフスコア(Cutoff Score)=1、ギャ ップ・ペナルティー=5、ギャップサイズペナルティー=0.05およびウインド ウサイズ=500またはアミノ酸残基における調べようとする配列長の短い方の いずれかである。 例示として、配列番号:Xに含まれる配列または寄託されたクローンに含まれ るcDNAに少なくとも95%の「同一性」を持つポリヌクレオチドは、全長のどの 100ヌクレオチドごとにも(ただ与えられた100ヌクレオチド内ではない) 5つまでの点突然変異を含みうる点を除いて配列番号:Xに含まれる配列または 寄託されたクローンに含まれるcDNAに含まれる配列に同一であることを意味する 。換言すると、配列番号:X含まれる配列または寄託されたクローンに含まれるc DNAに少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドを 得るためには、配列番号:Xに含まれる配列または寄託されたクローンに含まれ るcDNAに含まれる配列における5%までのヌクレオチドを削除、挿入または他の ヌクレオチドで置換することができる。これらの変化は該ポリヌクレオチド中の いずれでも起こって良い。 本発明のさらに別の態様には、配列番号:Xに含まれる配列または寄託された クローンに含まれるcDNAに少なくとも85%の同一性、より好ましくは少なくと も90%の同一性、および最も好ましくは少なくとも95%、96%、97%、 98%または99%の同一性を持つポリヌクレオチドを含む。勿論、遺伝的縮重 のために、当業者ならば、少なくとも85%、90%、95%、96%、97% 、98%または99%の同一性を持つポリヌクレオチドの多数が配列番号:Yに 含まれるアミノ酸配列または寄託されたクローンにより製造された発現したタン パ ク質に同一であるポリペプチドをコードするであろうことを即座に認識するであ ろう。 同様に、例えば少なくとも95%の「同一性」を参照ポリペプチドに対して持 つアミノ酸配列を持つポリペプチドにより、該ポリペプチドのアミノ酸配列は、 参照アミノ酸配列に対して、該ポリペプチド配列が参照ポリペプチドの全長のど の100アミノ酸ごとにも5つまでのアミノ酸変化が含み得ることを除いて同一 であることを意図している。換言すると、参照アミノ酸配列に少なくとも95% 同一であるアミノ酸配列を持つポリペプチドを得るためには、参照配列における 総アミノ酸残基の5%までのアミノ酸を削除または他のアミノ酸で置換するか、 参照配列中の総アミノ酸残基の5%までの複数のアミノ酸を参照配列に挿入して もよい。該参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸のアミノ末端またはカルボ キシ末端部位またはそれら終末部位間のいずれでも、参照配列における個々の残 基間または該参照配列内の1またはそれ以上の隣接した群に散在しても良い。 本発明のさらなる態様には、配列番号:Yに含まれるアミノ酸配列または寄託 されたクローンにより製造された発現したタンパク質に少なくとも85%の同一 性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、および最も好ましくは少なくと も95%、96%、97%、98%または99%の同一性を持つポリペプチドを 含む。好ましくは、上記ポリペプチドは少なくとも1つの該タンパク質の生物学 的活性を示すべきである。 好ましい態様において、本発明のポリペプチドには、配列番号:Yに含まれる アミノ酸配列または寄託されたクローンにより製造された発現したタンパク質に 少なくとも90%の類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性、および さらにより好ましくは少なくとも96%、97%、98%または99%の類似性 を持つポリペプチドを含む。 該変異体には、コーディング領域における変化、非コーディング領域における 変化またはその両方における変化を含んでいてよい。サイレント置換、付加また は欠失を製造するが、コードされたポリペプチドの特性、または活性を変えない 変化を含むポリヌクレオチド変異体が特に好ましい。遺伝的コードの縮重のため に起こったサイレント置換によって製造されたヌクレオチド変異体が好ましい。 さらに、どの組み合わせでも5〜10、1〜5または1〜2のアミノ酸が置換、 欠失または付加されている変異体もまた好ましい。ポリヌクレオチド変異体は例 えば、特定の宿主のためのコドン発現を最大限とする(例えば大腸菌(E.coli) などの細菌宿主によって好まれるものへとヒトmRNAにおけるコドンを変化させる )ためなどの多様な理由のために製造することができる。 天然に存在する変異体は「アレル変異体」と呼ばれ、生物体の染色体の所定の 遺伝子座を占める遺伝子の幾つかの別の形態のうちの1つをいう(ジーンズII( Genes II)、ルーウィン(Lewin,B.)編、ジョーン・ウィリー・アンド・サン ズ(John Wiley & Sons)ニューヨーク(1985))。これらのアレル変異体 は、ポリヌクレオチドレベルおよび/またはポリペプチドレベルのいずれかで変 わることができる。代わりに、天然に存在しない変異体は突然変異誘発法または 直接的な合成によって製造してもよい。 タンパク質操作法および組み換えDNA技術の公知の方法を用いて、変異体は本 発明のポリペプチドの特徴を改良または変えるために製造されてもよい。例えば 、1またはそれ以上のアミノ酸が実質的に生物学的な機能を失わずに分泌タンパ ク質のN-末端またはC-末端から欠失させることができる。ロン(Ron)ら、J.Bio l.Chem. 268:2984-2988(1993)の著者らは、3,8または2 7アミノ末端アミノ酸残基を欠失した後でさえもヘパリン結合活性を持つ変異体 KGFタンパク質を報告した。同様に、インターフェロンγはこのタンパク質のカ ルボキシ末端から8〜10のアミノ酸残基を欠失した後に10倍までも高い活性 を示した(ドベリ(Dobeli)ら、J.Biotechnology 7:199-216(198 8))。 さらに、十分な証拠は、変異体はしばしば、天然に存在するタンパク質に類似 の生物学的活性を保有することを示す。例えば、ゲイルら(Gayle)および同僚 (J.Biol.Chem.268:22105-221111(1993))はヒトサイ トカインIL-1aの詳しい突然変異分析を行った。彼らは該分子の全長にわたって 、変異体につき平均して2.5アミノ酸変化を持つ3,500を越える個々のIL-1 a変異体を製造するためにランダム突然変異誘発を使用した。複数の変異体は、 アミノ酸位置として可能性がある部位すへてにて調査された。調査者らは「該分 子 のたいていは[m]、[結合または生物学的活性]のいずれかにほとんど影響を及ぼ さないであろうと気付き得る」ことを見出した(要約参照)。実際、わずか23 の独自のアミノ酸配列が、3,500を越えるヌクレオチド配列から試験され、 野生型から得た活性に有意に異なっているタンパク質を製造した。 さらに、たとえポリペプチドのN-末端またはC-末端から1またはそれ以上のア ミノ酸を削除することにより1またはそれ以上の生物学的な機能を修飾するかま たは喪失することになるとしても、他の生物学的な活性はさらに保有されていて よい。例えば、分泌形態を認識するであろう抗体を誘発および/または結合する 欠失変異体の能力は、該分泌形態の残基の大多数よりは少ないものがN-末端また はC-末端から除去されている場合に保有されることはありそうである。あるタン パク質のN-末端またはC-末端残基を欠如しているある特定のポリペプチドがその ような免疫原性の活性を保有するか否かは本明細書に記載された常套法あるいは 他の当業者に公知の方法により容易に決定することができる。 従って、本発明はさらに実質的な生物学的活性を示すポリペプチド変異体を含 む。そのような変異体には、欠失、挿入、逆位、反復および活性にはほとんど効 果を及ぼさないような当該技術分野において公知の一般的な原則に従って選択さ れた置換を含む。例えば表現型上サイレントなアミノ酸置換体をどのように製造 するかに関する手引きは、ボウイ(Bowie,J.)ら、Science 247:1306- 1310(1990))に提供されており、書中にて著者はアミノ酸配列の変化 に対する耐性を調べる2つの主たる方策があることを指摘している。 第1の方策は、進化の過程において、自然淘汰によりアミノ酸置換の耐性を開 発するものである。異なる種におけるアミノ酸配列を比較することにより、保存 アミノ酸が同定され得ることができる。これらの保存されたアミノ酸はタンパク 質機能に重要でありそうである。対して、置換が自然淘汰により耐性を得ている アミノ酸位置は、これらの位置がタンパク質機能においてそれほど重要でないこ とを示している。従って、アミノ酸置換に耐性のある位置は、該タンパク質の生 物学的活性をさらに維持している間に修飾されることができる。 第2の方策は、タンパク質の機能に重要な領域を同定するためにクローニング された遺伝子を特定の部位でのアミノ酸変化を導入するよう遺伝的操作を使用す る。例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャン突然変異誘発(該 分子のいずれの残基においても単一のアラニン突然変異を導入する)を使用する ことができる(カニングハム(Cunningham)およびウェルズ(Wells)、Science 244:1081-1085(1989))。得られた突然変異分子は、ついで 生物学的活性に関して試験することができる。 著書はこれらの2つの方策はタンパク質がアミノ酸置換に対して驚くほど耐性 があることを明らかにしたと述べている。さらに、どのアミノ酸変化がタンパク 質中のあるアミノ酸位置で容認されそうであるかを示している。例えば、最も埋 め込まれた(タンパク質の三次構造内で)アミノ酸残基は、非極性の側鎖を必要 とする一方、表面側鎖の特徴のほとんどは遺伝的には保存されていないのである 。さらに、耐性のあるアミノ酸置換体は脂肪族アミノ酸または疎水性アミノ酸Al a、Val、LeuおよびIleの置換:ヒドロキシル残基SerおよびThrの置換:酸性アミ ノ酸残基AspおよびGluの置換:アミド残基AsnおよびGlnの置換:塩基性アミノ酸 残基Lys、ArgおよびHisの置換:芳香族アミノ酸残基Phe、TyrおよびTrpの置換: および小サイズアミノ酸Ala、Ser、Thr、MetおよびGlyの置換に関与している。 保存アミノ酸置換の他に、本発明の変異体には、(i)置換されたアミノ酸残 基が、遺伝的コードによりコードされているものか、またはされていないもので あってもよい非保存性アミノ酸残基の1またはそれ上の置換体、または(ii)置 換基を持つ1またはそれ以上のアミノ酸による置換体または(iii)ポリペプチ ド(例えば、ポリエチレングリコールなど)の安定性および/または可溶性を増 加させるための化合物などの別の化合物と該成熟ポリペプチドとの融合または( iv)例えばIgG Fc融合領域ペプチド、またはリーダー配列または分泌配列、また は精製を容易にする配列などの別のアミノ酸配列を持つポリペプチドの融合を含 む。そのような変異体ポリペプチドは、本明細書の教示から当業者の範囲内にあ ると考えられる。 例えば、他の帯電したアミノ酸または中性のアミノ酸による帯電したアミノ酸 のアミノ酸置換体を含むポリペプチド変異体は、凝集性の低下などの改善された 特徴を持ったタンパク質を製造するかもしれない。医薬製剤の凝集は凝集体の免 疫原性活性により、活性を減少させ、かつクリアランスを増加させる(ピンカー ド(Pinckard)ら、Clin.Exp.Immunol.2:331-340(1967);ロ ビンズ(Robins)ら、Diabetes 36:838-845(1987);クレランド (Cleland)ら、Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307- 377(1993))。ポリヌクレオチドおよびポリペプチド断片 本発明において、「ポリヌクレオチド断片」とは、寄託されたクローンに含ま れる核酸配列または配列番号:Xに示される核酸配列を持つ短いポリヌクレオチ ドをいう。該短いヌクレオチド断片は、好ましくは少なくとも約15nt、および より好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt 、および一層より好ましくは少なくとも約40ntの長さである。例えば「少なく とも長さ約20nt」とは、寄託されたクローンに含まれるcDNA配列または配列番 号:Xに示されるヌクレオチド配列から得た20または20を越える隣接塩基を 意図している。これらのヌクレオチド断片は、本明細書で議論するように診断プ ローブまたはプライマーとして有用である。勿論、一層大きな断片(例えば、5 0、150、500、600、2000ヌクレオチド)は好ましい。 さらに本発明の代表的なポリヌクレオチド断片には、例えば、ヌクレオチド位 数が約1〜50、51〜100、101〜150、151〜200、201〜2 50、251〜300、301〜350、351〜400、401〜450、4 51〜500、501〜550、551〜600、651〜700および701 から配列番号:Xの最後までから得た配列または寄託されたクローンに含まれるc DNAを持つ断片を含む。本文脈において、「約」には、いずれか一方の末端また は両端で、特に記載された範囲でのいくつかの(5、4、3、2または1)ヌク レオチドを含む。好ましくは、これらの断片は生物学的活性を持つポリペプチド をコードする。 本発明において、「ポリペプチド断片」とは、配列番号:Yに含まれる短いア ミノ酸核酸配列または寄託されたクローンに含まれるcDNAによりコードされる短 いアミノ酸配列をいう。タンパク質断片は、「フリースタンド(free-standing )」または断片が一部または領域、最も好ましくは、1つの連続した領域を形成 するより大きなポリペプチド内に含まれていて良い。本発明のポリペプ チドの代表的な例には、例えば、アミノ酸数が約1〜20、21〜40、41〜 60、61〜80、81〜100、102〜120、121〜140、141〜 160および161からコーディング領域の最終までを持つ断片を含む。さらに ポリペプチド断片は、長さ約20、30、40、50、60、70、80、90 、100、110、120、130、140または150アミノ酸であり得る。 本文脈において、「約」には、いずれか一方の末端または両端で、特に記載され た範囲でのいくつかの(5、4、3、2または1)アミノ酸を含む。 好ましいポリペプチド断片には、分泌タンパク質ならびに成熟形態を含む。さ らに好ましいポリペプチド断片には、分泌タンパク質またはアミノ末端、カルボ キシ末端またはその両者から削除した連続した残基を持つ成熟形態を含む。例え ば、1〜60の範囲にわたる任意の数のアミノ酸は、分泌されたポリペプチドま たは成熟形態のアミノ末端から削除することができる。同様に、1〜30の範囲 にわたる任意の数のアミノ酸は分泌されたポリペプチドまたは成熟形態のアミノ 末端から削除することができる。さらに、上記のアミノ末端欠失およびカルボキ シ末端欠失の任意の組み合わせが好ましい。同様に、これらのポリペプチド断片 をコードするポリヌクレオチド断片はまた好ましい。 また、αヘリックスおよびαヘリックス形成領域、βシートおよびβシート形成 領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域 、疎水性領域、α両親媒性領域、β両親媒性領域、可撓性領域、表面形成領域( surface forming region)、基質結合領域および高抗原価領域を含む断片などの 構造的ドメインまたは機能的ドメインによって特徴付けられるポリペプチドおよ びポリヌクレオチド断片が好ましい。保存されたドメイン内にある配列番号:Y のポリペプチド断片は特別に本発明により考慮される。さらに、これらのドメイ ンをコードするポリヌクレオチド断片はまた考慮される。 他の好ましい断片は生物学的に活性な断片である。生物学的に活性な断片は、本 発明のポリペプチドの活性に類似ではあるが同一である必要は必ずしもない活性 を示すものである。該断片の生物学的活性には改善された望ましい活性または望 ましくない活性を減少させた活性を含んでいてよい。エピトープおよび抗体 本発明において、「エピトープ」とは、動物特にヒトにおける抗原または免疫 原性の活性を持つポリペプチド断片をいう。本発明の好ましい態様は、エピトー プを含むポリペプチド断片ならびにこの断片をコードするポリヌクレオチドに関 する。抗体が結合可能であるタンパク質分子の領域は「抗原性エピトープ」とし て定義される。対照的に、「免疫原性エピトープ」とは、抗体応答を引き出すタ ンパク質の一部分として定義される(例えば、ゲイセン(Geysen)ら、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA81:3998-4002(1983)参照)。 エピトープとして機能する断片が任意の従来手法により製造されてよい(例え ば、ホーテン(Houghten,R.A.)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:5153 1-5135(1985)参照)。 本発明において、抗原性エピトープは好ましくは少なくとも7、より好ましくは 少なくとも9および最も好ましくは約15から約30アミノ酸の間である配列を 含むのが好ましい。抗原性エピトープは特にエピトープに結合するモノクローナ ル抗体を含む抗体を作成するのに有用である(ウィルソン(Wilson)ら、Cell 3 7:767−778(1984)、サトクリフ(Sutcliffe,J.G.)ら、Science 219:660−666(1983))。 同様に、免疫原性エピトープが当該技術分野において良く知られた方法により抗 体を誘発するために使用されることができる(例えば、ウィルソン(Wilson)ら 、上記;チョウ(Chow,M.)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:910-91 4;およびビットル(Bittle,F.)ら、J.Gen.Virol.66:2347-235 4(1985)参照)。好ましい免疫原性エピトープには、分泌タンパク質を含 む。免疫原性エピトープはアルブミンなどの担体タンパク質を動物の系(ウサギ またはマウスなど)とともに、あるいはまた、十分に長さがあるならば(少なく とも約25アミノ酸)、担体なしで提示されてよい。しかしながら、わずか8〜 10のアミノ酸を含む免疫原性エピトープは、最も少なくとも変性ポリペプチド における線形エピトープに結合することができる抗体を作成するのに十分である ことを示した(例えば、ウエスタンブロットにおいて)。 本明細書で使用する「抗体(Ab)」または「モノクローナル抗体」(Mab)な る語句は、そのままの分子ならびにタンパク質に特異的に結合することができる 抗体断片(例えばFabおよびF(ab')2断片など)を含むことを意味する。Fabおよ びF(ab')2断片はそのままの抗体のFc断片を欠如しており、循環から一層迅速に 明瞭化しており、そのままの抗体より低い非特異的結合を持っていてよい(ワー ル(Wahl)ら、J.Nucl.Med.24:3316-325(1983))。従って 、これらの断片ならびにFABまたはタンパク質の免疫グロブリン発現ライブラリ ーの産物は好ましい。さらに本発明の抗体には、キメラ抗体、単鎖抗体およびヒ ト化抗体を含む。融合タンパク質 本発明の任意のポリペプチドは融合タンパク質を製造するのに使用することが できる。例えば、本発明のポリペプチドは、第2のタンパク質に融合される時に 抗原性のタグとして使用することができる。本発明のポリペプチドに対して作成 された抗体は、該ポリペプチドに結合することによって第2のタンパク質を間接 的に検出するのに使用することができる。さらに、分泌タンパク質はトラフィッ キングシグナル(trafficking signal)に基づく細胞位置を標的とするので、本 発明のポリペプチドは他のタンパク質に一旦融合された標的化した分子として使 用することができる。 本発明のポリペプチドに融合されることができたドメインの例には、異種性の シグナル配列のみならず、他の異種性の機能的領域を含む。該融合は直接的であ る必要性は必ずしも無いがリンカー配列を通して起こってよい。 さらに、融合タンパク質はまた、本発明のポリペプチドの特徴を改善するため に操作されてよい。例えば、別のアミノ酸領域、特に帯電したアミノ酸は、宿主 細胞からの精製またはそれに続く操作および保存の間に安定性および耐性を改善 するためにポリペプチドのN-末端に付加されてよい。また、ペプチド残基は、精 製を容易にするために該ポリペプチドに付加されてよい。そのような領域は、該 ポリペプチドの最終調製より前に除去されてよい。ポリペプチドの操作を容易に するためにペプチド残基を付加することは、良く知られていることであり、当該 技術分野における日常的な技術である。 さらに、断片、および特にエピトープを含む本発明のポリペプチドは免疫グロ ブリン(IgG)の定常領域の一部と結合することができ、それによりキメラポリ ペプチドを得ることができる。これらの融合タンパク質は、精製を容易にし、か つイン・ビボにおける半減期を増加することを示す。ある1つの報告された例に は、ヒトCD4-ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳類免疫グロブリ ンの重鎖または軽鎖の定常領域の多様なドメインを含むキメラタンパク質が記載 されている(EP A 394,827号:トローネッカー(Traunecker)ら、Nature 331:84-86(1988))。ジスルフィド結合ダイマー構造体(IgGに よる)を持つ融合タンパク質は、また、モノマー分泌タンパク質またはタンパク 質断片単独よりもタンパク質の分子を結合および中和するのに一層効果的である (ファウントウラキス(Fountoulakis)ら、J.Biochem.270:3958-29 64(1995))。 同様に、EP-A-O 464533号(カナダの対応特許第2045869号)に は他のヒトタンパク質またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の 多様な部位を含む融合タンパク質を開示している。多くの場合、融合タンパク質 におけるFc部位は、治療および診断において利益を与えるものであり、ゆえに例 えば、改良された薬物動態学的特性を得ることができる(EP- A 0232262 号)。別法として該融合タンパク質が発現され、検出され、ついで精製された後 にFc部位を欠失させるのが望ましい。例えば、Fc部位は、該融合タンパク質が免 疫化のための抗原として使用される場合には治療および診断を妨げるかもしれな い。薬物発見において、例えば、hIL-5などのヒトタンパク質はhIL-5のアンタ ゴニストを同定するための高出力スクリーニングアッセイのためにFc部位と融合 されてきた(ベネット(D.Bennett)ら、J.Molecular Recognition 8:51 −58(1995));ヨハンソン(K.Johanson)ら、J.Biol.Chem.270 :9459-9471(1995))。 さらに、本発明のポリペプチドは融合したポリペプチドの精製を容易にするペ プチドなどのマーカー配列に融合されることができる。好ましい態様において、 該マーカーアミノ酸配列は、市販されており入手可能な中でもpQEベクター(キ アゲン(QIAGEN,Inc.)、カルフォルニア州91311、チャッツワース(Chats worth)、イートン・アベニュー(Eaton Avenue)9259番)に提供されてい るタグなどのヘキサ−ヒスチジンペプチドである。例えば、ゲンツ (Gentz)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:821-824(1989)に 記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは融合タンパク質の便利な精製を提供し ている。精製に有用な別のペプチドタグである「HA」タグは、インフルエンザ赤 血球凝集素タンパク質から得られたエピトープに対応している(ウィルソンら、 Cell37:767(1984))。 従ってこれら上記の融合のいずれかは本発明のポリヌクレオチドまたはポリペ プチドを用いて操作されることができる。ベクター、宿主細胞およびタンパク質の製造 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞および組 換え技術によるポリペプチドの製造にも関する。該ベクターは、例えば、ファー ジベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクターまたはレトロウイルスベク ターなどであってよい。レトロウイルスベクターは、複製可能または複製欠損で あってよい。後者の場合、ウイルスの増殖は、一般に、宿主細胞を補うことにお いてのみ起こり得るであろう。 該ポリヌクレオチドは、宿主中での増殖に関する選択可能なマーカーを含むベ クターと結合されてよい。一般に、プラスミドベクターはリン酸カルシウム沈降 などの沈殿において、または帯電した脂質との複合体において導入される。該ベ クターがウイルスの場合、適当なパッケージング細胞株を用いてイン・ビトロで パッケージングされてよく、また、宿主細胞にトランスデュースされてもよい。 該ポリヌクレオチド挿入は、わずかを挙げれば、例えば、ファージλPLプロモ ーター、大腸菌lacプロモーター、trpプロモーター、phoAプロモーターおよびta cプロモーター、SV40初期および後期プロモーターおよびレトロウイルスLTRs のプロモーターなどの適当なプロモーターに作動可能に結合しているべきである 。他の適当なプロモーターは当業者に公知であろう。発現構築物はさらに、転写 領域における転写開始、転結に関する部位、翻訳に関するリボソーム結合部位を 含むであろう。該構築物により発現された転写物のコーディング部位は、翻訳さ れるべきポリペプチドの末端に適切に位置している開始コドンで翻訳を開始する コドンおよび終結コドン(UAA、UGAまたはUAG)を好ましくは含む。 示されるように、発現ベクターには好ましくは少なくとも1つの選択可能なマ ーカーを含む。そのようなマーカーには、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、真核生物 細胞の培養のためには、G418またはネオマイシン耐性遺伝子、および大腸菌 および他の細菌培養のためには、テトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐 性遺伝子またはアンピシリン耐性遺伝子が含まれる。適当な宿主の代表例には、 以下に限るものではないが、大腸菌、ストレプトマイセス(Streptomyces)およ びサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimuriui)細胞;酵母細胞な どの真菌細胞;ショウジョウバエ(Drosophila)S2細胞およびスポドプテラ(S podoptera)S f9細胞;CHO、COS、293およびボウズ(Bowes)黒色腫細胞; および植物細胞などが挙げられる。 細菌中での使用に好ましいベクターの中には、キアゲン社より入手できるpQE 70、pQE60およびpQE9;ストラタジーン・クローニング・システムズ社(St ratagene Cloning Systems,Inc.)より入手できるpBluescriptベクター、ファ ージスクリプト(Phargescript)ベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH 46A;およびファルマシア・バイオテク社(Pharmacia Biothech,Inc.)より 入手できるptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5が含ま れる。好ましい真核生物細胞ベクターの中には、ストラタジーンから入手できる pWLNWO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;およびファルマシアより入手で きるpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVLが含まれる。他の適当なベクターは当業者に は容易に明らかであろう。 該構築物を宿主細胞に導入するには、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラ ン媒介トランスフェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェクション、エレク トロポレーション、トランスダクション、感染またはその他の方法により行うこ とができる。そのような方法は、例えば、デーヴィス(Davis)ら、ベーシック ・メソッズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Basic Methods In Molecular Biology)(1986)などの多くの標準的な実験室マニュアルにおいて記載さ れている。本発明のポリペプチドが、組換えベクターを欠如している宿主細胞に よって実際に発現されるであろうことが特に考えられている。 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈殿またはエタノール沈殿、酸抽 出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ ラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む公知の方法によって組換え細 胞培養から回収され精製されることができる。最も好ましくは、高速液体クロマ トグラフィー(「HPLC」)が精製に使用される。 本発明のポリペプチドおよび好ましくは分泌形態のポリペプチドは以下よりま た回収されることができる:直接単離するかまたあるいは培養により得るかのい ずれかによる体液、組織および細胞を含む天然源から精製された産物:および例 えば、細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳類細胞などを含む原核細胞生物ま たは真核細胞生物宿主から組み換え技術により製造された産物である。組み換え 製造手法で使用された宿主に依存して、本発明のポリペプチドはグリコシル化さ れるかまたはグリコシル化されなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドは また、宿主媒体処理の結果として、ある場合には、最初の修飾されたメチオニン 残基をも含んでいてよい。従って、翻訳開始コドンによりコードされるN-末端メ チオニンは一般に、すべての真核生物細胞中の翻訳の後に、任意のタンパク質か ら非常に有効に除去されることが当該技術分野において良く知られている。たい ていのタンパク質上のN-末端メチオニンがたいていの原核細胞生物において有効 に除去されるが、あるタンパク質に関しては、N-末端メチオニンが共有結合して いるアミノ酸の特性に依存してこの原核生物の除去プロセスは有効ではない。ポリヌクレオチドの使用 本明細書で同定されたポリヌクレオチドの各々は試薬として多数の方法で使用 することができる。以下の記載は例示として見なされるべきであり、公知の技術 を使用する。 本発明のポリヌクレオチドは染色体の同定に有用である。実際の配列データ( 反復多型性)に基づき、試薬をマーキングする染色体で現在入手可能なものはわ ずかであるので、新規の染色体マーカーを同定する必要性が現在もある。本発明 の各ポリヌクレオチドは染色体マーカーとして使用されることができる。 端的には、配列は配列番号:Xに示す配列からPCRプライマーを調製する(好ま しくは15〜25bp)ことにより染色体にマッピングされることができる。プラ イマーはコンピューター分析を使用して選択されることができるので、プライマ ーはゲノムDNAにおける推定エクソンの少なくとも1つより多くをスパンしない 。これらのプライマーはついで、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドの PCRスクリーニングに使用される。配列番号:Xに対応するヒト遺伝子を含むハイ ブリッドのみが増幅された断片を産生するであろう。 同様に、体細胞ハイブリッドは特定の染色体に対するポリヌクレオチドをマッ ピングするPCRの迅速な方法を提供する。3またはそれより多いクローンが単一 のサーマルサイクラー(thermal cycler)を用いて一日に割り当てられることが できる。さらに、該ポリヌクレオチドのサブローカリゼーションは特定の染色体 断片のパネルで達成することができる。使用することができる他の遺伝子マッピ ング方策には、イン・サイチュハイブリダイゼーション、標識された流速により 分別された染色体でのプレスクリーニングおよびハイブリダイゼーションにより 、染色体特異的cDNAライブラリーを構築するためのプレ選択を含む。 該ポリヌクレオチドの正確な染色体局在は、また、中期染色体スプレッドの蛍 光イン・サイチュハイブリダイゼーションを用いて行われることができる。この 技術は500または600延期程の短いポリヌクレオチドを使用する;しかしな がら、2,000〜4,000bpのポリヌクレオチドが好ましい。この技術の復習 のためには、ベルマ(Verma)ら、「ヒューマン・クロモソームズ:ア・マニュ アル・オブ・ベーシック・テクニックズ(Human Chromosomes: a Manual of Bas ic Techniques)、パーガモン・プレス(Pergamon Press)、ニューヨーク(1 988)を参照。 染色体のマッピングのためには、該ポリヌクレオチドは、個別に使用すること ができる(その染色体上の単一の染色体または単一部位をマークするため)また は、パネルで(マルチプルサイトおよび/またはマルチプル染色体をマークする ため)使用することができる。好ましいポリヌクレオチドは、該cDNAsの非コー ディング領域に対応する。というのは該コーディング配列が遺伝子ファミリー内 で最も保存的であるようであり、従って染色体マッピングの間にクロスハイブリ ダイゼーション機会を増加させるからである。 一度ポリヌクレオチドが正確な染色体位置にマッピングされると、該ポリヌク レオチドの物理的位置が連鎖解析にて使用することができる。連鎖解析は、染色 体の位置と特定の疾患の存在間の共遺伝(coinheritance)を確立している(疾 患マッピングデータは、例えばマックイジック(McKuisick)、メンデリアン・ インヘリタンス・イン・マン(Mendelian Inheritance in Man)(ジョンズ・ホ プキンス・ユニバーシティー・ウェルチ・メディカル・ライブラリー(Johns Hop kins University Welch Mecical Library))。1メガベースのマッピング解析お よび20kb当たりの1遺伝子、該疾患に関連する染色体領域に正確に局在したcD NAを仮定すると、50〜500の潜在的に原因となる遺伝子の1つとなり得る。 従って、一旦共遺伝が確立されると、感染した個体と非感染個体間で該ポリヌ クレオチドおよび対応する遺伝子における差異が調べられる。最初に、例えば欠 失または転座などの染色体における可視構造の変化が染色体スプレッドにおいて またはPCRによって調べられる。全く構造上の変化が存在しない場合、点突然変 異の存在が確かめられる。突然変異が感染した個体の幾分かと全てにおいて観察 されるが、正常個体おいては見られないことは、該突然変異が該疾患を引き起こ すことを示す。しかしながら、該ポリペプチドの完全な配列およびいくつかの正 常の個体からの対応する遺伝子は、多型性から突然変異を区別される必要がある 。新しい多型性が同定されるなら、この多型性ポリペプチドはさらなる連鎖解析 に使用することができる。 さらに、罹患個体における遺伝子の発現が、非罹患個体の遺伝子発現に比較して 増加または減少していることが、本発明のポリヌクレオチドを用いて評価するこ とができる。これらの変化のうちの任意のもの(変化した発現、染色体の再配列 または突然変異)が、診断または予兆マーカーとして使用することができる。 上記に加えて、ポリヌクレオチドは、三重螺旋の形成またはアンチセンス DNA またはRNAを通しての遺伝子発現をコントロールするのに使用することができる 。両方法は、該ポリヌクレオチドをDNAまたはRNAと結合させることに依存してい る。これらの技術に関して、好ましいポリヌクレオチドは、通常、長さ20〜4 0塩基であり、転写に関する遺伝子の領域(三重螺旋−リー(Lee)ら、Nucl.A cids Res.6:3073(1979):クーニー(Cooney)ら、Science241 :456(1988);およびデルヴァン(Dervan)ら、Science 251:13 60(1991))またはmRNA自体(アンチセンス−オカノ(Okano)、J. Neurochem. 56:560(1991);オリゴデオキシヌクレオチズ・アズ・ アンチセンス・インヒビターズ・オブ・ジーン・エクスプレッション(Oligodeo xy-nucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression)、CRCプレス( CRC Press)、ボカ・レイトン(Boca Raton)、フロリダ(1988))に相補 的である。三重らせん形成は、DNAからRNAの転写の停止という結果となるのが最 適であるが、アンチセンスRNAハイブリダイゼーションはmRNA分子をポリペプチ ドへ転座するのを阻害する。両方の技術はモデル系にて有効であり、本明細書に 開示された情報は、疾患を治療するための努力にてアンチセンスポリヌクレオチ ドまたは三重螺旋ポリヌクレオチドを設計するために使用することができる。 本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝子療法においても有用である。遺伝子 療法の1つの目標は、遺伝子の欠損を正すために欠損遺伝子を持つ生物体に正常 遺伝子を挿入することである。本発明に開示されたポリヌクレオチドは、非常に 正確なやり方で遺伝子の欠損などの標的化する方法を提供する。他の目的は、宿 主ゲノムにおいて存在しない新規遺伝子を挿入し、それによって、宿主細胞内の 新規特徴を製造することである。 該ポリヌクレオチドはまた、詳細な生物学的サンプルからの個体を同定するた めに有用である。例えば米国軍は、その全職員の同定のために制限断片長多型( RELP)の使用を考えている。この技術において、個体のゲノムDNAは1またはそ れ以上の制限酵素で消化され、個体を同定するための独特のバンドを産出するた めにサザンブロットでプローブ化される。この方法は、失われたり、交換された り、または盗まれたりする可能性のある現在の制限である「ドッグ・タグ(Dog Tags)」を患わず、陽性の同定を困難にするのだ。本発明のポリヌクレオチドは 、RELPの別のDNAマーカーとして使用することができる。 本発明のポリヌクレオチドは、また、個体のゲノムの選択された部位の正確な 塩基ごとのDNA配列を決定することによって、RELPの代わりとして使用すること ができる。これらの配列は、そのような選択されたDNAを増幅し、単離し、つい でシークエンシングされることができるPCRプライマーを調製するために使用す ることができる。この方法を用いて、各個体がDNA配列の独特のセットを持つで あろうことより同定することができる。一旦独特のIDデータベースがある個体に 関して確立されると、その個体は生存していようが死亡していようが、非常に小 さな組織サンプルから陽性の同定を行うことができる。 法医学的生物学はまた、本明細書に開示されるようなDNA-塩基同定技法を用い ることより有利となる。例えば、毛髪または皮膚、または体液、例えば、血液、 唾液、精液などの組織などの非常に小さな生物学的サンプルから取られたDNA配 列は、PCRを用いて増幅することができる。先行技術の1つにおいて、DQaクラス II HLA遺伝子などの多型遺伝子座から増幅された遺伝子配列は、個体を同定する ための法医生物学において使用されている(アーリッヒ(Erlich,H.)、PCRテク ノロジー(PCR Technology)、フリーマン・アンドコ(Freeman and Co.)(1 992))。一度これらの特異的な多型遺伝子座が増幅されると、それらは1ま たはそれ以上の酵素で消化され、該DQaクラスIIHLA遺伝子に対応するDNAでプロ ービングしたサザンブロット上でのバンドのセットを同定することができる。同 様に、本発明のポリヌクレオチドは、法医学的な目的の多型性マーカーとして使 用することができる。 特定の組織の源を同定することができる試薬の必要性もある。そのような必要 性は、例えば、未知の組織源で存在するような場合の法医学的側面で生じる。適 する試薬には、例えば、本発明の配列から調製された特定の組織に特異的である DNAプローブまたはプライマーを含むことができる。そのような試薬団は種およ び/または器官の型により組織を同定することができる。同様な流儀において、 これらの試薬は汚染に関する組織培養をスクリーニングするために使用すること ができる。 本当にわずがであるが、本発明のポリヌクレオチドはサザンゲル上の分子量マ ーカーとして、特定の細胞型における特異的なmRNAsの存在に関する診断プロー ブとして、「遺伝子チップ」または他の支持対に接着するためにオリゴマーを選 択および製造し、DNA免疫化技術を用いて抗-DNA抗体を作成するため新規ポリヌ クレオチドの発見プロセスにおける公知の配列を「減じる」(サブトラクト−ア ウト(subtract-out))ためのプローブとして、および免疫応答を引き出すため の抗原として使用することができる。ポリペプチドの使用 本明細書で同定された各ポリペプチドは、多数の方法で使用することができる 。以下の記載は、例示として見なされるべきであり、公知の技術を使用する。 本発明のポリペプチドは、抗体に基づく技術を用いて、生物学的サンプル中の タンパク質レベルを分析するために使用することができる。例えば、組織中のタ ンパク質の発現は典型的な免疫組織化学法により研究することができる(ジャル カネン(Jalkanen,M.)ら、J.Cell.Biol.101:976-985(1985 );ジャルカネンら、J.Cell.Biol.105:3087-3096(1987) )。タンパク質遺伝子発現を検出するために有用である他の抗体に基づく方法に は、固相酵素免疫検定法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)などのイ ムノアッセイを含む。適当な抗体アッセイ標識は当該技術分野で公知であり、例 えば、グルコースオキシダーゼなどの酵素標識およびヨウ素(125I、121I )、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112 In)およびテクネチウム(99mTc)などの放射性同位体およびフルオレセイン およびローダミンおよびビオチンなどの蛍光標識などが含まれる。 生物学的サンプル中での分泌タンパク質レベルをアッセイすることに加えて、 タンパク質はまた、イメージングによりイン・ビボで検出することができる。タ ンパク質のイン・ビボイメージングに関する抗体標識またはマーカーには、X-ラ ジオグラフィー、NMRまたはESRにより検出可能なものが含まれる。X-ラジオグラ フィーに関しては、適当な標識には、検出可能な放射線を発するが、被験者には 明らかには有害ではないバリウムまたはセシウムなどの放射性同位体が不組まれ る。NMRおよびESRに適当なマーカーには、適切なハイブリドーマの栄養素の標識 化によって該抗体に取り込まれてよい重水素などの検出可能な特徴あるスピンを 持つものが含まれる。 放射性同位体(例えば131I、112In、99mTcなど)、ラジオ−オパック 物質((radio-opaque substance)または核磁気共鳴によって検出可能な物質な どの、適当な検出可能な画像解析部位で標識されたタンパク質特異的抗体または 抗体断片が哺乳類に導入される(例えば、非経口的導入、皮下導入または腹腔内 導入)。被験者の大きさおよび使用するイメージングシステムが診断イメージを 製造するのに必要とされるイメージング部位の量を決定するであろうことが当該 技術分野においては理解されるであろう。放射性同位体部位の場合には、ヒト被 験者に関しては、注入される放射線の量は、99mTcが通常約5〜20マイクロ キュリーの範囲にわたるであろう。標識された抗体または抗体断片は、ついで特 定のタンパク質を含む細胞の位置で好ましくは蓄積されるであろう。イン・ビボ 腫瘍イメージングは、ブルキエル(S.W.Burchiel)ら、「イムノファーマコキネ ティクス・オブ・ラジオラベルド・アンチボディーズ・アンド・ゼア・フラグメ ンツ(Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragme nts)」)に記載されている。(ツモール・イメージング:ザ・ラジオケミカル ・ディテクション・オブ・キャンサー(Tumor Imaging:The Radiochemical Dete ction of Cancer)の第13章、ブルキエルおよびローズ(B.A.Rhodes)編、マ ッソン出版社(Masson Publishiong Inc.)(1982))。 従って、本発明は、(a)個体細胞中または体液中の本発明のポリペプチドの 発現を分析する;(b)遺伝子の発現レベルを標準遺伝子発現レベルと比較し、 それにより標準発現レベルに比較したアッセイされたポリペプチド遺伝子発現レ ベルにおける増加または減少が、不調の指標であることに関する不調の診断方法 を提供する。 さらに、本発明のポリペプチドは、疾患を治療するために使用することができ る。例えば、本発明のポリペプチドを該ポリペプチドの不在またはレベルの減少 に取って代わるため(例えばインシュリン)、異なるポリペプチドの不在または レベルの減少を補うため(例えば、ヘモグロビンBのためのヘモグロビンS)、あ るポリペプチドの活性を阻害するため(例えば、癌遺伝子)、あるポリペプチド の活性を活性化するため(例えば、受容体への結合により)、結合していないリ ガンドの活性を膜結合したリガンドの活性と比較して減少させるため(例えば、 炎症を減少させるために使用される可溶性TNF受容体)、または所望の応答をも たらすため(例えば、血管増殖)に患者に投与することができる。 同様に、本発明のポリペプチドに対する抗体は、疾患を治療するために使用す ることもできる。例えば、本発明のポリペプチドに対するこうたいの投与は、結 合して、該ポリペプチドの過剰産生を低減させることができる。同様に、ある抗 体の投与は、膜に結合したポリペプチド(受容体)に結合することなどによって 、該ポリペプチドを活性化させることができる。 わずかではあるが、本発明のポリペプチドは、当業者に良く知られた方法を用 いてSDS-PAGEゲル上または分子篩ゲル濾過カラムの分子量マーカーとして使用す ることができる。ポリペプチドはまた、抗体を作成するために使用することがで き、抗体は宿主細胞の形質転換を評価するための方法として、組換え細胞からタ ンパク質の発現を測定するために今度は使用される。さらに、本発明のポリペプ チドは以下の生物学的活性を試験するために使用することができる。生物学的活性 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、1またはそれ以上の生物学 的活性に関して試験するためのアッセイにおいて使用することができる。これら のポリヌクレオチドまたはポリペプチドがある特定のアッセイにて活性を示すな ら、これらの分子が該生物学的活性に関連した疾患に関与していてよいようであ る。従って、該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドどは、関連疾患を治療する ために使用されて良い。 免疫活性 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、免疫細胞の増殖、分化また は可動性(走化性)を活性化または阻害することによって、免疫系の不全または 不調を治療するのに有用であってよい。免疫細胞は多分化能性肝細胞から造血と 呼ばれるプロセスを通して、骨随球様細胞(血小板、赤血球細胞、好中球および マクロファージ)およびリンパ球細胞(Bリンパ球およびTリンパ球)を産生して 発達する。これらの免疫不全または不調の病因は、遺伝的、体細胞的、例えば癌 またはいくつかの自己免疫疾患、後天性(例えば、化学療法または毒素により) または感染によるものであってよい。さらに、本発明のポリヌクレオチドまたは ポリペプチドは、ある特定の免疫系疾患または不調のマーカーまたはディテクタ ーとして使用することができる。 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは造血細胞の不全または不調を 治療または検出するのに有用であってよい。本発明のポリペプチドまたはポリヌ クレオチドは、多分化能性造血肝細胞を含む造血細胞の分化および増殖を増加さ せ、ある(または多くの)型の造血細胞における減少に関する不調を治療するた めに使用することができる。免疫不全症候群の例には、これらに限るものではな いが以下である:血液タンパク質障害(例えば無ガンマグロブリン血症、低ガン マグロブリン血症)、運動失調、毛細管拡張症、一般的な可変性免疫不全、ディ ・ジョージ症候群、HIV感染、HTLV-BLV感染、白血球接着不全症候群、リンパ球 減少症、食細胞殺菌性機能不全、重篤混合性免疫不全(SCIDs)、ヴィスコット- オールドリッチ障害、貧血、血小板減少症または血色素尿症である。 さらに本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、止血性活性(出 血停止)または血栓崩壊活性(凝固形成)を調整するために使用することもでき る。例えば、止血性活性または血栓崩壊性活性を増加させることにより、本発明 のポリペプチドまたはヌクレオチドは血液凝固障害(例えば、無線維素血症、因 子不全)、血小板障害(例えば血小板減少症)または外傷性の原因、外科的原因 、または他の原因による傷を治療するために使用することができる。別法として 、止血性活性または血栓崩壊性活性を低減することができる本発明のポリペプチ ドまたはポリヌクレオチドは凝固を阻害または溶解するために使用することがで きる。これらの分子は、心臓発作(梗塞形成)または瘢痕形成の治療に重要であ ろう。 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、自己免疫疾患の治療ま たは検出に有用であっても良い。多くの自己免疫疾患は、免疫細胞によって、自 己を外部の物質として不適切に認識することから生じる。この不適切な認識は、 該宿主組織の検出へと導く免疫応答を起こす。それゆえ、免疫応答特にT-細胞の 増殖、分化または走化性を阻害する本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチ ドの投与は、自己免疫疾患を予防するのに有効な治療法であってよい。 本発明により治療される自己免疫疾患の例には、これらの限るものではないが 以下が挙げられる:アディソン病、溶血性貧血、抗リン脂質症候群、リウマチ、 皮膚炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレー ヴズ病、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、結膜炎、水疱性類天疱瘡、天疱 瘡、多発内分泌障害、紫斑、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫甲状 腺炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫肺炎、ギャン-バレー症候群、インシ ュリン依存性糖尿病および自己免疫眼疾患である。 同様に、例えば喘息(特にアレルギー性喘息)などのアレルギー反応および状 態または他の呼吸器の問題は、また本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチ ドによって治療されてよい。さらに、これらの分子は、アナフィラキシー、抗原 分子に対しての過敏反応または血液型不適合などを治療するために使用すること ができる。 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、臓器拒絶(organ reje ction)または対宿主性移植片病(GVHD)を治療および/または予防するために使 用されてもよい。臓器拒絶は免疫系を通して、移植された組織の宿主免疫細胞の 破壊によって起こる。同様に、免疫応答はまた、GVHDに関与しているが、この場 合、該組織を外来の移植された免疫細胞は宿主の組織を破壊する。特に、T-細胞 の増殖、分化または走化性を阻害する本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオ チドを投与することによって、臓器の拒絶またはGVDHにおいて有効な治療法とな ってもよい。 同様に、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは免疫系の調整に使用 されてもよい。例えば、該ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、炎症性応答 に関与する細胞の増殖および分化を阻害してもよい。これらの分子は、感染に関 連した炎症(例えば、症ショック、敗血症または全身性炎症性応答症候群(Syst emic Inflammatory response syndrome)(SIRS)、虚血-再還流傷害、エンドト キシン死亡率、関節炎、補体-媒介の異常に急性の傷害、腎炎、サイトカインま たはケモカイン誘発性肺傷害、炎症性腸疾患、クローン病、またはサイトカイン の過剰産生(例えばTNFまたはIL-1)による炎症を含む慢性および急性の病状の 両方を治療するために使用することができる。過剰増殖性障害 ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは新生物を含む増殖性障害を治療または 検出するために使用することができる。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレ オチドは直接的または間接的な相互作用を通して該障害の急増を阻害してよい。 別法として本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは過剰増殖性障害を阻 害することができる他の細胞を増殖させてもよい。 例えば、免疫応答を高めることにより、特に過剰増殖性障害の抗原性性質を高 めることにより、またはT-細胞の増殖、分化移動により、過剰増殖障害を治療す ることができる。この免疫応答は既存の免疫応答を強化するかまたは新規免疫応 答を開始することによって高められて良い。別法として、免疫応答の低減は、化 学療法剤などの過剰増殖性障害を治療する方法であってもよい。 本発明のポリヌクレオチドはまたはポリペプチドにより治療することができる かまたは検出することができる過剰増殖性障害の例は、これらに限るものではな いが、以下に位置する新生物である:腹部、骨、胸、消化管、肝臓、膵臓、腹膜 、内分泌腺(副腎、副甲状腺、睾丸、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭頸部、神経 (中枢または末梢)、リンパ系、臀部、皮膚、軟組織、脾臓、胸郭または尿生殖 器である。 同様に、他の過剰増殖性障害はまた本発明のヌクレオチドまたはポリペプチド により治療または検出されることができる。そのような過剰増殖性障害の例は、 これらに限るものではないが、以下である:高ガンマグロブリン血症、リンパ増 殖性障害、パラプロテイン血症、紫斑、サルコイドーシス、セザール症候群、ワ ルデンストロンマクログロブリン血症、ゴシェ病、組織球増殖症および上記の臓 器に位置する新生物、その他の過剰増殖性疾患である。感染症 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは感染性因子を治療または検出 するために使用することができる。例えば、免疫応答を高めることにより、特に 、Bおよび/またはT細胞の増殖および分化を高めることにより、感染症が治療さ れてよい。該免疫応答は、既存の免疫応答を高めるか、または新規免疫応答を開 始することにより高められてよい。別法として、本発明のポリペプチドまたはポ リヌクレオチドはまた、免疫応答を必ずしも引き出さずに感染性因子を直接阻害 してもよい。 ウイルスは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより治療され得 るかまたは検出され得る疾患または兆候を引き起こすことができる感染性要因の 一例である。ウイルスの例は以下に限るものではないが、DNAおよびRNAウイルス ファミリー:アルボルイルス、アデノウイルス科、アレナウイルス科、アルテリ ウイルス(Arterivirus)、ビルナウイルス科(Birnaviridae)、ブンヤウイル ス科、カリチウイルス科、シルコウイルス科(Circoviridae)、コロナウイルス 科、フラビウイルス科、ヘパドナウイルス科(肝炎ウイルス)、ヘルペスウイル ス科(サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス)、モ ノネガウイルス(Mononegagavirus)(例えばパラミクソウイルス科、モルビリ ウイルス、ラブドウイルス科)、オルトミクソウイルス科、(例えばインフルエ ンザウイルス)、パポーバウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナウイルス科 、ポックスウイルス科(天然痘ウイルスまたはワクシニアウイルスなど)、レオ ウイルス科(例えばロタウイルス)、レトロウイルス科(例えばHTLV-I、HTLV-I I、レンチウイルス)およびトガウイルス科(例えば風疹ウイルス)である。こ れらの科の範囲にあるウイルスは、以下に限るものではないが多様な疾患または 兆候を引き起こす:関節炎、気管支炎、脳炎、眼の感染症(例えば結膜炎、角膜 炎)、慢性疲労症候群、肝炎(A型、B型、C型、E型、活動性慢性肝炎、デルタ肝 炎)、髄膜炎、日和見感染(例えばAIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、 出血性発熱、麻疹、流行性耳下腺炎、パラインフルエンザ(Parainfluenza)、 狂犬病、一般的感冒、脊髄灰白質炎、白血病、風疹、性的伝染病、皮膚疾患(例 えばカポジ肉腫、いぼ)およびウイルス血症である。本発明のポリペプチドまた はポリヌクレオチドは、これらの兆候または疾患を治療または検出するために使 用することができる。 同様に、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより治療され得るか または検出され得る疾患または兆候を引き起こすことができる細菌または真菌は 、これらに限るものではないが、以下のグラム陰性およびグラム陽性細菌科およ び真菌類である:放線菌目(例えば、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム 、ノルカルディア(Norcardia))アスペルギルス症、バシラス科(例えば炭疽 菌、クロストリジウム)、バクテロイデス科、ブラストミセス症、ボルデテラ属 、ボレリア属、ブルセラ症、カンジダ症、カンピロバクター、コクシジオイデス 症、クリプトコックス症、皮膚嚢炎(Dermatocycoses)、腸内細菌科(クレブシ エラ属、サルモネラ属、セラチア属、エルジニア属)、エリジペロスリックス属 、ヘリコバクター、レジュネラ症、レプトスピラ症、リステリア属、マイコプラ ズマ 目、ナイセリア科(例えば、アシネトバクター属、淋菌、メニゴコックス(Meni gococcal)、パスツレラ科感染(アクチノバシラス属、ヘモフィルス属、パスツ レラ属)、シュードモナス属、リケッチア科、クラミジア科、梅毒、ブドウ球菌 性症である。これらの細菌または真菌類は、これらに限るものではないが、以下 の疾患または兆候を引き起こすことができる:菌血症、心内膜炎、眼の感染症( 結膜炎、結核、ブドウ膜炎)、歯肉炎、日和見感染(例えばAIDS関連感染症)、 爪囲炎、プロテーゼ関連感染症、ライター病、百日咳、蓄膿症などの呼吸器管系 感染、敗血症、ライム病、ネコ引っ掻き病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、チフ ス、肺炎、淋病、髄膜炎、クラミジア、梅毒、ジフテリア、らい病、パラ結核、 結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、猩紅熱、性 的伝染病、皮膚疾患(蜂巣炎、皮膚嚢炎)、毒血症、尿路感染症、外傷感染症で ある。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、これらの兆候または疾 患の任意を治療または検出するために使用することができる。 さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより治療され得るか または検出され得る疾患または兆候を引き起こすことができる寄生虫要因はこれ らに限るものではないが、以下の科である:アメーバ症、バベシア症、コクシジ ウム症、クリプトスポリジウム症(Cryptosporidiosis)、二核アメーバ症、交 疫、外部寄生性、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫病、リーシュマニア症、タイレリア 症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ症およびトリコモナスである。これらの 寄生虫は、以下に限るものではないが、多様な疾患または兆候を引き起こすこと ができる:疥癬、ツツガムシ病、眼の感染症、腸内疾患(例えば赤痢、ジアルジ ア鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染(例えばAIDS関連)、マラリア、 妊娠合併症、およびトキソプラズマ症である。本発明のポリペプチドまたはポリ ヌクレオチドは、これらの兆候または疾患の任意を治療または検出するために使 用することができる。 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはを用いての治療は、あるポリ ペプチドの有効量を該患者に投与するか、該患者から細胞を除去し、該細胞に本 発明のポリヌクレオチドを提供し、ついで該患者に操作した細胞を戻す(エクス ・ビボ療法)といういずれかであり得るのが好ましい。さらに、本発明のポリ ペプチドまたはポリヌクレオチドは、感染症に対する免疫応答を生み出すための ワクチン中の抗原として使用することができる。再生 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、細胞を分化、増殖させ、お よび引き寄せ、組織の再生へと導くために使用することができる(Science 27 6:59−87(1997))。組織の再生は、先天性の欠損、外傷(創傷、熱 傷、切開または潰瘍)、年齢、疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関節症、歯周疾 患、肝臓障害)、美容形成外科等の外科手術、線維症、再還流傷害、または全身 性サイトカイン傷害による組織のダメージを修復、置換または予防するために使 用することができよう。 本発明を用いて再生され得る組織には、臓器(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓 、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)、血管(血管内皮を含む) 、神経、造血細胞、および骨格(骨、軟骨、腱および靱帯)組織が含まれる。再 生は瘢痕が無いか減少して起こるのが望ましい。再生はまた、血管形成を含んで いてよい。 さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、治癒困難な組織の 再生を高めてもよい。再生が増加した腱/軟骨再生は、ダメージの後の回復期を 早めるであろう。また、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、ダメ ージを回避するために予防的に使用し得る。治療可能であろう特定の疾患は、腱 炎、手根トンネル症候群、および他の腱または軟骨欠損を含む。非治癒性の創傷 の組織再生の別の例は、圧迫性潰瘍、血管不全に関連する潰瘍、外科手術による 傷および外傷性の創傷を含む。 同様に、神経および脳組織もまた本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチ ドを用いて再生され、神経細胞を増殖および分化させることができる。本方法を 用いて治療されることができる疾患には、中枢神経系および末梢神経系疾患、ニ ューロパシーまたは機能的および外傷性障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳 血管性疾患および発作)を含む。特に、末梢神経傷害に関連した疾患、末梢性ニ ューロパシー(例えば、化学療法または他の医学療法など)関連疾患、限局され たニューロパシー、および中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキ ンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ドレーガ ー症候群など)は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いてすべ て治療されることができる。走化性 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、走化性活性を持っていて良 い。走化性分子は、細胞(例えば、単球、線維芽細胞、好中球、T-細胞、マスト 細胞、好酸球、上皮細胞および/または内皮細胞)を身体のある一部に、例えば 、炎症、感染または過剰増殖の部位などに引き寄せるかまたは移動させる。移動 した細胞は、ついで、特定の外傷または異常を退けるおよび/または治癒するこ とができる。 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、ある細胞の走化性活性を高 めてよい。これらの走化性細胞は、ついで炎症、感染、過剰増殖障害または任意 の免疫系障害を体内の特定の位置に標的化した細胞数を増加させることにより治 療するために使用することができる。例えば、走化性分子は、創傷および他の組 織に対する外傷を、傷を受けた位置に免疫細胞を引き寄せることにより治療する ために使用することができる。本発明の走化性分子は、また創傷を治療するため に使用することができる線維芽細胞を引き寄せることができる。 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはが走化性活性を阻害してもよ いとも考えられる。これらの分子はまた、障害を治療するために使用できるであ ろう。従って、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、走化性のイン ヒビターとして使用できる。結合活性 本発明のポリペプチドは、該ポリペプチドに結合する分子または該ポリペプチ ドがする分子をスクリーニングするために使用されてよい。該ポリペプチドおよ び該分子の結合は結合した該ポリペプチドまたは該分子の活性を活性化(アゴニ スト)、増加、阻害(アンタゴニスト)または低下させてよい。そのような分子 の例には、抗体、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば受容体)または小分 子が含まれる。 該分子は、該ポリペプチドの天然のリガンド、例えば該リガンドの断片、また は天然の基質、リガンド、構造上または機能上の模擬物(mimetic)に密接に関 連している(コリガン(Coligan)ら、Current Protocols in Immunology 1( 2):第5章(1991) 参照)。同様に、該分子は該ポリペプチドが結合する天然の受容体、少なくとも 該ポリペプチド(例えば活性部位)によって結合されることができる受容体の断 片に密接に関連することができるであろう。いずれの場合でも、該分子は公知の 技術を用いて合理的に設計できる。 これらの分子のスクリーニングは、該ポリペプチドを分泌タンパク質としてか または細胞膜上に発現するかのいずれかで発現する適当な細胞を製造することに 関する。好ましい細胞は、哺乳類、酵母、ショウジョウバエまたは大腸菌からの 細胞を含む。該ポリペプチドを発現する細胞(または発現したポリペプチドを含 む細胞膜)は、ついで、該ポリペプチドまたは該分子のいずれかの結合、刺激ま たは活性の阻害を観察するための該分子を潜在的に含む試験化合物と接触させる のが好ましい。 該アッセイは、ある候補化合物の該ポリペプチドへの結合を簡単に検査してよ く、結合は、標識によって検出されるか、または標識された競合物との競合に関 連するアッセイ中で検出される。さらに、該アッセイは、該候補化合物が該ポリ ペプチドに結合することによって生み出されたシグナルとなるか否かを調べてよ い。 別法として、該アッセイは、無細胞系調製物、固相支持体、化学的ライブラリ ーまたは天然産物の混合物に固定されたポリペプチド/分子を用いて行うことが できる。該アッセイはまた、候補化合物をあるポリペプチドを含む溶液と混合し 、ポリポペプチド/分子活性または結合活性を測定し、ついで該ポリペプチド/分 子にまたは標準に結合する活性を比較する工程を単に含んでもよい。 ELISAアッセイはモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いてサンプル (例えば生物学的サンプル)中のポリペプチドレベルまたは活性を測定すること ができる。該抗体は、直接的または間接的であれ、該ポリペプチドに結合するか 基質とポリペプチドを競合させることのいずれかにより、ポリペプチドレベルま たは活性を測定することができる。 これらの上記のアッセイ全ては、診断マーカーまたは予後兆候マーカーとして 使用することができる。これらのアッセイを用いて見出された分子は、疾患を治 療するために、または該ポリペプチド/分子を活性化または阻害することによっ て、患者に特定の結果(例えば血管増殖)をもたらすために使用することができ る。さらに、該アッセイは、適当に操作された細胞または組織からポリペプチド の製造を阻害または増強するであろう因子を見出すことができる。 それゆえ、本発明は、(a)候補結合化合物を本発明のポリペプチドと共にイ ンキュベートし;ついで(b)結合が生じるか否かを決定する工程を含む、本発 明のポリペプチドに結合する化合物を同定する方法を含む。さらに、本発明は( a)候補化合物を本発明のポリペプチドと共にインキュベートし、(b)生物学的 活性をアッセイし、ついで(c)該ポリペプチドの生物学的活性に変化が生じる か否かを決定する工程を含む、アゴニスト/アンタゴニストを同定する方法を含 む。他の活性 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、胚幹細胞に加えて上記 で議論したように造血性細胞系の分化または増殖を増加または減少してもよい。 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、また身長、体重、毛髪の色 、目の色、皮膚、脂肪組織のパーセント、色素沈着、大きさおよび形状(例えば 美容外科)など哺乳類の特徴を調整するために使用されてもよい。同様に、本発 明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはエネルギーの異化作用、同化作用、 プロセシング、利用および保存に影響を及ぼす哺乳類の代謝を調整するために使 用されてよい。 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはバイオリズム、概日リズム( caricadic rhythm)、鬱病(抑鬱性障害を含む)、暴力傾向、痛みへの耐性、生 殖能力(好ましくは、アクチビンまたはインヒビン様活性)、ホルモンまたは内 分泌レベル、食欲、性欲、記憶、ストレスまたは他の認知特性に影響を及ぼすこ とにより哺乳類の精神状態または物理的状態を変化させるために使用してもよい 。 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、脂肪分、脂質、タンパ ク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子または他の栄養素の保存能力を増 加または減少させるなどの、食品添加物または保存料として使用されてもよい。その他の好ましい態様 本発明のその他の好ましい態様には、Xとは表1に定義されたような任意の整 数である配列番号:Xのヌクレオチド配列における少なくとも約50の隣接した ヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離 された核酸分子を含む。 また、該隣接ヌクレオチド配列は、表1中の配列番号:Xに関して定義された クローン配列のほぼ5'ヌクレオチド部位にあるヌクレオチドで開始する位置およ び、該クローン配列のほぼ3'ヌクレオチド部位のヌクレオチドで終了する範囲 にある配列番号:Xのヌクレオチド配列に含まれる核酸分子が好ましい。 また、該隣接ヌクレオチド配列は、該開始コドンのほぼ5'ヌクレオチド部位に あるヌクレオチドで開始する位置および、表1中の配列番号:Xに関して定義さ れたクローン配列のほぼ3'ヌクレオチド部位のヌクレオチドで終了する範囲に ある配列番号:Xのヌクレオチド配列に含まれる核酸分子が好ましい。 同様に、該隣接ヌクレオチド配列は、該シグナルペプチドの最初のアミノ酸の ほぼ5'ヌクレオチド部位にあるヌクレオチドで開始するおよび、表1中の配列番 号:Xに関して定義されたクローン配列のほぼ3'ヌクレオチド部位のヌクレオチ ドで終了する範囲にある配列番号:Xのヌクレオチド配列に含まれる核酸分子が 好ましい。 また、配列番号:Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約150隣接ヌクレオ チドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核 酸配列も好ましい。 さらに、配列番号:Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約500隣接ヌクレ オチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された 核酸配列も好ましい。 さらに、該シグナルペプチドの最初のアミノ酸の5'ヌクレオチド部位付近にあ るヌクレオチドで開始するおよび、表1中の配列番号:Xに関して定義されたク ローン配列の3'ヌクレオチド部位付近のヌクレオチドで終了する配列番号:Xの ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分 子が好ましい。 さらに、完全な配列番号:Xのヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であ るヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子が好ましい態様である。 また、ある核酸分子に厳しいハイブリダイゼーション条件下ではハイブリダイ ズしない単離された核酸分子が好ましく、ハイブリダイズする核酸分子は、A残 基のみ、またはT残基のみからなるヌクレオチド配列を持つ核酸分子に厳しいハ イブリダイゼーション条件下ではハイブリダイズしない。 また、表1中のcDNAクローン同定(cDNA Clone Identifier)によって同定さ れたヒトcDNAクローンを含むDNA分子を含む組成物が好ましく、DNA分子は、アメ リカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託された物質に含まれ、該cDNA クローン同定に関して表1中で示されるATCC寄託番号を付与されている。 また、表1中のcDNAクローン同定によって同定されたヒトcDNAクローンのヌク レオチド配列中の少なくとも50の隣接したヌクレオチドの配列に少なくとも9 5%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子が好ましく、そのDN A分子は寄託物中に含まれ、表1中に示すATCC寄託番号を付与されている。 さらに、少なくとも50の隣接したヌクレオチド配列が該ヒトcDNAクローンに よりコードされている完全なオープンリーディングフレームのヌクレオチド配列 中に含まれる単離された核酸分子が好ましい。 さらに、該ヒトcDNAクローンによりコードされている核酸配列中の少なくとも 150の隣接したヌクレオチド配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチ ド配列を含む単離された核酸分子も好ましい。 さらに、該ヒトcDNAクローンによりコードされている核酸配列中の少なくとも 500の隣接したヌクレオチド配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチ ド配列を含む単離された核酸分子も好ましい態様である。 さらに、該ヒトcDNAクローンによりコードされている完全なヌクレオチド配列 に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子も 好ましい態様である。 さらに好ましい態様は、Xが表1で定義されたような任意の整数である配列番 号:Xのヌクレオチド配列;および表1中のcDNAクローン同定によって同定され たヒトcDNAクローンによりコードされ、および表1中の該cDNAクローンに関して 示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれるヌクレオチド配列よりなる 群から選択された配列中で少なくとも50の隣接したヌクレオチド配列に少なく とも95%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を生物学的サンプル中に 検出する方法であり、該方法は、該サンプル中の少なくとも1つの核酸分子のヌ クレオチド配列を該群から選択された配列と比較し、該サンプル中の核酸分子の 配列が選択された配列に少なくとも95%同一であるか否かを決定する工程を含 む。 該配列を比較する工程が、該サンプル中の核酸分子と該群から選択された配列 を含む核酸分子間の核酸ハイブリダイゼーションの程度を決定することを含む上 記の方法もまた好ましい態様である。同様に、配列を比較する工程が該群から選 択された該配列と該サンプル中の核酸分子から決定されたヌクレオチド配列を比 較することによって行われる上記方法もまた好ましい。該核酸分子はDNA分子ま たはRNA分子を含むことができる。 さらに好ましい態様は、生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する 方法であって、該方法にはXが表1で定義されたような任意の整数である配列番 号:Xのヌクレオチド配列;および表1中のcDNAクローン同定によって同定され たヒトcDNAクローンによりコードされ、および表1中の該cDNAクローンに関して 示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれるヌクレオチド配列よりなる 群から選択された配列中で少なくとも50の隣接したヌクレオチド配列に少なく とも95%同一であるヌクレオチド配列をもしあれば含む、サンプル中の核酸分 子を検出する工程を含む。 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する方法でには少なくとも2 つのヌクレオチド配列のパネル中にヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する 工程を含むことができ、該パネル中の少なくとも1つの配列は、該群から選択さ れた配列中の少なくとも50の隣接したヌクレオチド配列に少なくとも95%同 一である。 表1で同定された分泌タンパク質をコードする遺伝子の異常構造または発現に 関連した病理学的状態を被験者中で診断する方法であって、該方法はXが表1で 定義されたような任意の整数である配列番号:Xのヌクレオチド配列;および表 1中のcDNAクローン同定によって同定されたヒトcDNAクローンによりコードされ 、および表1中の該cDNAクローンに関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託 物中に含まれるヌクレオチド配列よりなる群から選択された配列中で少なくとも 50の隣接したヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配 列をもしあれば含むものが好ましい。 病理学的状態を診断する方法は、少なくとも2つのヌクレオチド配列のパネル 中にヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する工程を含み、該パネル中の少な くとも1つの配列が該群から選択された配列中で少なくとも50の隣接したヌク レオチド配列に少なくとも95%同一である。 該核酸分子のヌクレオチド配列が少なくとも2つのヌクレオチド配列のパネル を含む単離された核酸分子を含む組成物が好ましく、該パネル中の少なくとも1 つの配列はXが表1で定義されたような任意の整数である配列番号:Xのヌクレオ チド配列;および表1中のcDNAクローン同定によって同定されたヒトcDNAクロー ンによりコードされ、および表1中の該cDNAクローンに関して示されているATCC 寄託番号を持つ寄託物中に含まれるヌクレオチド配列よりなる群から選択された 配列中で少なくとも50の隣接したヌクレオチド配列に少なくとも95%同一で ある。該核酸分子はDNA分子またはRNA分子を含むことができる。 また、Yが表1で定義されたような任意の整数である配列番号:Yのアミノ酸配 列中で少なくとも約10の隣接したアミノ酸配列に少なくとも90%同一である ことを含む単離されたポリペプチドである。 また、該隣接アミノ酸配列が分泌部位の最初のアミノ酸部位付近の残基で開始 する位置および表1における配列番号:Yに示されたオープンリーディングフレ ームの最終のアミノ酸のあたりの残基で終了する範囲にある配列番号:Yのアミ ノ酸配列に含まれる、ポリペプチドが好ましい。 また、配列番号:Yのアミノ酸配列中の少なくとも約30の隣接アミノ酸配列 に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドも好 ましい。 さらに、配列番号:Yのアミノ酸配列中の少なくとも約100の隣接アミノ酸 配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド も好ましい。 さらに、配列番号:Yの完全なアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるア ミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドも好ましい。 表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cDNAクローンに関して示 されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒトcDNAクローンによっ てコードされる分泌タンパク質の完全なアミノ酸配列中の少なくとも約10の隣 接アミノ酸の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む単離された ポリペプチドも好ましい。 該隣接アミノ酸配列が表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cD NAクローンに関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒ トcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の分泌部位のアミノ酸配列 に含まれているポリペプチドも好ましい。 該隣接アミノ酸配列が表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cD NAクローンに関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒ トcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の分泌部位のアミノ酸配列 中の少なくとも約30の隣接アミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ 酸配列を含む単離されたポリペプチドもまた好ましい。 また、表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cDNAクローンに関 して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒトcDNAクローン によってコードされる分泌タンパク質の分泌部位のアミノ酸配列中の少なくとも 約100の隣接アミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む 単離されたポリペプチドもまた好ましい。 表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cDNAクローンに関して示 されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒトcDNAクローンによっ てコードされる分泌タンパク質の分泌部位のアミノ酸配列に少なくとも95%同 一であるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドもまた好ましい。 さらに、Yが表1で定義されたような任意の整数である配列番号:Yのアミノ酸 配列;および表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cDNAクローン に関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒトcDNAクロ ーンによってコードされるタンパク質の完全なアミノ酸配列よりなる群から選択 される配列における、少なくとも10の隣接アミノ酸配列に少なくとも90%同 一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体も 好ましい。 さらに、Yが表1で定義されたような任意の整数である配列番号:Yのアミノ酸 配列;および表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cDNAクローン に関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒトcDNAクロ ーンによってコードされるタンパク質の完全なアミノ酸配列よりなる群から選択 される配列における、少なくとも10の隣接アミノ酸配列に少なくとも90%同 一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを生物学的サンプル中で検出する方法 は好ましく、該方法は、該サンプル中の少なくとも1つのポリペプチド分子のア ミノ酸配列を該群より選択される配列と比較し、ついで該サンプル中の該ポリペ プチド分子の配列が少なくとも10の隣接アミノ酸配列に少なくとも90%同一 であるか否かを決定する工程を含む。 該サンプル中の少なくとも1つのポリペプチドのアミノ酸配列と該群より選択 された配列を比較する工程に、Yが表1で定義されたような任意の整数である配 列番号:Yのアミノ酸配列;および表1のcDNAクローン同定により同定され、表 1中の該cDNAクローンに関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含ま れているヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の完全なアミノ酸配 列よりなる群から選択される配列における、少なくとも10の隣接アミノ酸配列 に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合 する範囲を決定することを含む上記方法もまた好ましい。 配列を比較する該工程が該サンプル中のポリペプチド分子から決定されたアミ ノ酸配列を該群から選択された該配列と比較することにより行われる上記方法も また好ましい。 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する方法であって、該方法に は、もしあれば、Yが表1で定義されたような任意の整数である配列番号:Yのア ミノ酸配列;および表1のcDNAクローン同定により同定され、表1中の該cDNAク ローンに関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれているヒトcD NAクローンによってコードされるタンパク質の完全なアミノ酸配列よりなる群か ら選択される配列における、少なくとも10の隣接アミノ酸配列に少なくとも9 0%同一であるアミノ酸配列を含む該サンプル中のポリペプチドを検出する一工 程を含むものも好ましい。 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する上記方法であって、該方 法には、該パネル中の少なくとも1つの配列が上記群から選択される配列におけ る、少なくとも10の隣接アミノ酸配列に少なくとも90%同一である、少なく とも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ酸を含むポリペプチド分子を検 出する工程を含むものもまた好ましい。 表1で同定された分泌タンパク質をコードする遺伝子の異常構造または発現に 関連した病理学的状態を被験者中で診断する方法であって、該方法は、該パネル 中の少なくとも1つの配列が、Yが表1で定義されたような任意の整数である配 列番号:Yのアミノ酸配列;および表1中のcDNAクローン同定によって同定され たヒトcDNAクローンによりコードされ、および表1中の該cDNAクローンに関して 示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれる分泌タンパク質の完全なア ミノ酸配列よりなる群から選択された配列中で少なくとも10の隣接したアミノ 酸配列に少なくとも90%同一である、少なくとも2つのアミノ酸配列のパネル 中のアミノ酸配列を含むものが好ましい。 これらの方法のいずれかにおいて、該ポリペプチド分子を検出する工程には抗 体を使用することが含まれる。 該ポリペプチド配列が、Yが表1で定義されたような任意の整数である配列番 号:Yのアミノ酸配列;および表1中のcDNAクローン同定によって同定されたヒ トcDNAクローンによりコードされ、および表1中の該cDNAクローンに関して示さ れているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれる分泌タンパク質の完全なアミノ 酸配列よりなる群から選択された配列中で少なくとも10の隣接したアミノ酸配 列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離さ れた核酸分子もまた好ましい。 ポリペプチドをコードする該ヌクレオチド配列が原核細胞宿主中の該ポリペプ チドの発現に関して最適化されている単離された核酸分子も好ましい。 該ポリペプチドが、Yが表1で定義されたような任意の整数である配列番号:Y のアミノ酸配列;および表1中のcDNAクローン同定によって同定されたヒトcDNA クローンによりコードされ、および表1中の該cDNAクローンに関して示されてい るATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれる分泌タンパク質の完全なアミノ酸配列 よりなる群から選択されたアミノ酸配列を含む単離された核酸分子もまた好まし い。 さらに、上記の単離された核酸分子のいずれかをベクターに挿入することを含 む組換えベクターを製造する方法が好ましい。また、本方法により製造された組 換えベクターも好ましい。該ベクターを宿主細胞ならびに本方法により製造され た組換え宿主細胞に導入することを含む組換え宿主細胞の製造方法も好ましい。 該ポリペプチドが発現され、該ポリペプチドを回収するような条件下で、本組 換え宿主細胞を培養することを含む単離されたポリペプチドを作成する方法もま た好ましい。該組換え宿主細胞が真核生物細胞であり、該ポリペプチドが、Yが 表1に示された整数である配列番号:Yのアミノ酸配列の分泌部位の最初のアミ ノ酸部位の残基で開始する配列番号:Yのアミノ酸配列;および表1中のcDNAク ローン同定によって同定されたヒトcDNAクローンによりコードされ、および表1 中の該cDNAクローンに関して示されているATCC寄託番号を持つ寄託物中に含まれ るタンパク質の分泌部位のアミノ酸配列よりなる群から選択されるアミノ酸配列 を含むヒト分泌タンパク質の分泌部位である単離されたポリペプチドを作成する 本方法もまた好ましい。本発明により製造された該単離されたポリペプチドもま た好ましい。 分泌されたタンパク質活性の増加したレベルの必要のある個体の治療法もまた 好ましく、該方法には該個体における該タンパク質活性のレベルを増加させるた めの本発明の単離されたポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体の有効量を 含む医薬組成物をそのような個体に投与することを含む。 本発明の一般的な記載を行ったので、本発明は例示として提供され、制限する ことを意図するものではない以下の実施例を参照して一層容易に理解されるであ ろう。実施例 実施例 1:寄託したサンプルから選択されたcDNAクローンの単離 引用するATCC寄託中の各cDNAクローンはプラスミドベクターに含まれる。表1 は各クローンが単離されたcDNAライブラリーを構築するために使用されるベクタ ーを同定している。多くの場合、ライブラリーを構築するために使用したベクタ ーは、プラスミドが切り出されたファージベクターである。すぐ下の表は、cDNA ライブラリーを構築するのに使用した各ファージベクターのための関連したプラ スミドと相関させている。例えば、ベクター「λZap」で単離されたように、特 定のクローンが表1に同定されているところでは、対応する寄託クローンが「pB luescript」である。 λZapベクター(米国特許第5,128,256号および5,286,636号) 、Uni-Zap XR(米国特許第5,128,256号および5,286,636号)、Za p-Express(米国特許第5,128,256号および5,286,636号)、pBlue script(pBS)(ショート(Short,J.M.ら、Nucleic Acids Res.16:7583 −7600)(1988));アルティング−ミーズ(Alting-Mees,M.A.)およ びショートNucleic Acids Res.17:79494)(1989))およびpBK( アルティング−ミーズら、Strategies 5:58−61(1992))は、スト ラタジーーン・クローニング・システムズ社、カリフォルニア92037ラ・ジ ョラ(La Jolla)、エヌ・トレイ・パインズ・ロード(N.Torrey Pines Road) 11011番より市販されており入手できる。pBSはアンピシリン耐性遺伝子を 含み、pBKはネオマイシン耐性遺伝子を含む。両者とも大腸 菌株XL-1Blueに形質転換されることができ、ともにストラタジーンから入手で きる。pBSはSK+、SK-、KS+およびKS-の4形態を産出する。そのSおよびKはポリ リンカー領域をフランキングするT7およびT3プライマー配列に対するポリリン カーの方向性をいう(「S」はSacIおよび「K」はKpnIがそのリンカーの各々の末 端での最初の部位である)。「+」または「-」は、ある方向で、f1 oriから開 始される一本鎖の放出がセンス鎖DNAであり、その他の場合にはアンチセンスで あるようにf1複製起点(「ori」)の方向をいう。 pSport1、pCMVSport2.0およびpCMVSport3.0ベクターは、ライフ・テクノ ロジーズ社(Life Technologies,Inc.)、メリーランド州20897ゲイザーズ バーグ(Gaithersburg)、ピー・オー・ボックス6009より入手した。すべて のSportベクターはアンピシリン耐性遺伝子を含み、大腸菌株DH10Bに形質転換 され、これもライフテクノロジーから入手できる(例えば、グルバー(Gruber,C .E.)ら、Focus 15:59(1993)参照)。ベクターラブミドBA(ベント ・ソアーズ(Bento Soares)、コロンビア大学、ニューヨーク)は、アンピシリ ン耐性遺伝子を含み、大腸菌株XL-1Blueに形質転換されることがで 州92008カールスバッド(Carlsbad)、ファラデー・アベニュー(Faraday Avenue)1600番から入手でき、アンピシリン耐性遺伝子を含み、ライフ・テ クノロジーズより入手できる大腸菌株DH10Bに形質転換されてよい(例えばク ラーク(Clark,J.M.)、Nuc.Acids Res.16;9677−9686(1988 )およびミード(Mead,D.)ら、Bio/Technology 9:(1991)参照)。好 ましくは本発明のポリヌクレオチドは表1中の特定のクローンに関して同定され たファージベクターを含まず、ならびに上記の対応するプラスミドベクター配列 を含まない。 任意の与えられたcDNAクローンの表1に引用されたATCC寄託番号を当てられた サンプル中の寄託された物質は1またはそれ以上の別のプラスミドを含み、各々 は、与えられたクローンのものと異なるcDNAクローンを含む。従って、同じATCC 寄託番号を共有している寄託物は表1中に同定されている各cDNAクローンに関す るプラスミドを少なくとも含む。典型的には、表1に引用されている各ATCC寄託 サンプルは、約50のプラスミドDNAsのほぼ等量(重量)の混合物を含む:が、 そのような寄託サンプルは、50より多いか少ないかより約500cDNAまでのcD NAクローンに関するプラスミドを含んでいてよい。 表1のクローンに関して引用されたプラスミドDNAsの寄託されたサンプルから ある特定のクローンを単離するためには2つの方法を使用することができる。第 1には、プラスミドは配列番号:Xに対応するポリヌクレオチドプローブを用い 、てクローンをスクリーニングすることによって直接的に単離される。 特に、30〜40ヌクレオチドの特異的なポリヌクレオチドが、報告された配 列によりアプライド・バイオシステムズDNAシンセサイザー(Applied Biosystem s DNA synthesizer))を用いて合成される。オリゴヌクレオチドが例えば、T4 ポリヌクレオチドキナーゼを用いて32P-γ-ATPで標識され、日常的な方法により 精製される(例えば、マニアチス(Maniatis)ら、モレキュラー・クローニング :ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual) 、コールド・スプリング・ハーバー・プレス(Cold Spring Harbor Press)、コ ールド・スプリング、ニューヨーク(1982))。そのプラスミド混合物は、 ベクターの製造者により提供されるものまたは上記に引用した公報または特許に 関連して、当業者に公知の方法を用いて上記のように(例えばXL-1Blue(スト ラタジーン)などの適当な宿主に形質転換される。形質転換体は1プレート当た り約150の形質転換体(コロニー)の密度まで1.5%アガープレート(例え ばアンピシリンなどの適当な選択剤を含む)上にプレーティングする。これらの プレートをナイロン膜を用いて細菌コロニースクリーニングの日常的な方法に従 ってスクリーニングするか(例えば、サンブルック(Sambrook)ら、モレキュラ ー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル、第2版、(1989)、コ ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor L aboratory Press)、1.93−1.104ページ)、または当業者に公知の他の 技術を用いてスクリーニングする。 別法として、配列番号:Xの両端由来の17〜20ヌクレオチド(すなわち、 表1に定義されたクローンの5'NTおよび3'NTによって結合された配列番号:X の領域内)の2つのプライマーを合成し、テンプレートとして寄託されたcDNAプ ラスミドを用いて所望のcDNAを増幅するために使用する。ポリメラーゼチェーン リアクションは、例えば、0.5ugの上記cDNAテンプレートとともに25μlの反 応混合液中で、日常的な条件下で行われる。便利な反応混合液は、1.5〜5mMM gCl2、0.01%(w/v)ゼラチン、20μMの各dATP、dCTP、dGTP、dTTP、25p molの各プライマーおよび0.25単位のTaqポリメラーゼである。35サイクル のPCR(94℃1分間の変性;55℃で1分間のアニーリング;72℃で1分間 の伸長)がパーキン−エルマー・センタス(Perkin-Elmer Centus)自動化サー マルサイクラーで行われる。増幅産物はアガロースゲル電気泳動により分析され 、予期された分子量を持つDNAバンドが切り出されて精製される。そのPCR産物は 、そのDNA産物をサブクローニングおよびシークエンシングにより選択された配 列であると確認される。 寄託されたクローン中に存在しないある遺伝子の5'または3'非コーディング 部位の同定に有用な幾つかの方法が利用できる。これらの方法には、以下に限る ものではないが、フィルタープロービング、特異的なプローブを用いてのクロー ン濃縮(clone enrichment)、および当該技術分野においては良く知られている 5'および3'「RACE」プロトコールに類似または同一のプロトコールが挙げられ る。例えば、5'RACEは所望の全長転写物の喪失している5'端を製造するのに利 用できる(フロモント−ラシーヌ(Fromont-Racine)ら、Nucleic Acids Res. 21:(7):1683−1684(1993))。 端的には、特異的なRNAオリゴヌクレオチドは、全長遺伝子RNA転写物を含むと 推定されるRNA集団の5'端にライゲーションされる。ライゲーションされたRNA オリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび関心のある遺伝子の公知の配列 に特異的なプライマーのセットは所望の全長遺伝子の5'部位のPCR増幅に使用さ れる。この増幅された産物は、ついで全長遺伝子を製造するためにシークエンシ ングされ、使用される。 この上記の方法は、ポリ-A+RNAは使用されることができるが、所望の源から単 離された総RNAで開始する。ついで、RNA調製物は、後のRNAライゲーション工程 の妨げになるであろう、質の悪いまたはダメージを受けたRNA の5'リン酸基を 排除する必要があれば、ホスファターゼで処理されることができる。ついで、ホ スファターゼは不活性化され、メッセンジャーRNAsの5'端に存在するキャップ 構造を除去するために、そのRNAはタバコ酸ピロホスファターゼで処理すべきで ある。この反応はT4RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌクレオチドにライゲーシ ョンされることができるキャップ開裂RNAの5'端に5'リン酸基を残す。 修飾されたRNA調製物は、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを用いて第1鎖cDN A合成のためのテンプレートとして使用される。第1鎖合成反応はライゲーショ ンされたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび関心のある遺伝子 の公知の配列に特異的なプライマーを用いて所望の5'端のRNA増幅のためのテン プレートとして使用される。得られた産物は、ついでシークエンシングされ、分 析されて所望の遺伝子に属する5'端配列であることを確認する。実施例2:ポリヌクレオチドに対応するゲノムクローンの単離 ヒトゲノムP1ライブラリー(ゲノミック・システムズ、インク(Genomic Sys tems,Inc.)は、実施例1に記載された方法により、配列番号:Xに対応するcDN A配列に関して選択されたプライマーを用いてPCRによりスクリーニングされる( また、サンブルックを参照)。実施例3:ポリペプチドの組織分布 本発明のポリヌクレオチドのmRNA発現の組織分布は、一例としてサンブルック らに記載されているノザンブロット分析のプロトコールを使用して決定される。 例えば、実施例1に記載される方法によって製造されるcDNAプローブは、レディ プライムTM(rediprimeTM DNA)DNA標識システム(アメリカン・ライフ・サイエ ンス(American Life Science))を用いて製造者の指示書により、P32で標識さ れる。標識後、そのプローブはCHROMA SPIN-100TMカラム(クローンテク・ラ トラトリーズ、インク(Clontech laboratories、Inc.))を用いて、製造者の プロトコール番号PT-1200-1により精製する。精製された標識プローブは、 ついでmRNA発現に関して多様なヒト組織を調べるために使用する。 多様なヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)(クローンテク)を含む多 組織ノザン(MTN)ブロットがExpress HybTMハイブリダイゼーション溶液(クロ ーンテク)を用い、製造者のプロトコール番号第PT1190-1に従い、標識さ れたプローブで調べられる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の後、そのブ ロットはフィルムにマウントされ、-70℃で一晩露光され、ついでそのフィル ムを標準的なプロトコールに従って現像した。実施例:4 ポリヌクレオチドの染色体マッピング オリゴヌクレオチドプライマーセットが配列番号:Xの5'末端配列により設計 される。このプライマーは好ましくは、約100ヌクレオチドにわたる。ついで このプライマーセットは以下の条件の組み合わせの下でポリメラーゼチェーンリ アクションにて使用される:95℃、30秒;56℃、1分;70℃、1分であ る。このサイクルは32回繰り返された後、70℃5分の1回のサイクルを行う 。ヒト、マウス、およびハムスターDNAは固体の染色体または染色体断片を含む 体細胞ハイブリッドパネル(バイオス社(Bios,Inc.)に加えてテンプレートと して使用する。その反応は8%のアクリルアミドゲルまたは3.5%アガロース ゲルのいずれかで分析される。染色体マッピングは特定の体細胞ハイブリッドに おける約100bp PCR断片の存在によって決定される。実施例5: ポリペプチドの細菌発現 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを実施例1で概説したよ うに、挿入断片を合成するためにそのDNA配列の5'および3'末端に対応するPCR オリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。cDNA挿入を増幅するために使 用されるプライマーは、その増幅産物を発現ベクターにクローニングするため5 '末端プライマーのBamHIまたはXbaI などの制限部位を好ましくは含むべきであ る。例えば、BamHIまたはXbaI は細菌の発現ベクターpQE-9上の制限部位に対応 する(キアゲン、チャッツワース、カリフォルニア)。このプラスミドベクター は抗生物質耐性(Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTG-調節プロモーター/オペ レーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6-ヒスチジンタグ(6-His) および制限酵素クローニング部位をコードする。 pQE-9ベクターはBamHIまたはXbaI で消化され、増幅断片は細菌RBSで開始さ れるリーディングフレームを維持しているpQE-9にライゲーションされる。ライ ゲーション混合物は、ついでプラスミドpREP4の複数のコピーを含み、lacIリプ レッサーを発現し、またカナマイシン耐性(Kanr)を与える大腸菌株M15/rep 4(キアゲン、インク)を形質転換するために使用される。形質転換体はLBプレ ート上で増殖できる能力により同定され、またアンピシリン/カナマイシン耐性 コロニーが選択される。プラスミドDNAは単離され、制限分析により確認される 。 所望の構造を持つクローンはAmp(100ug/ml)とKan(25ug/ml)の両者を 補ったLB培地中で終夜(O/N)液体培養される。そのO/N培養物は1:100から 1:250の割合で大量培養を接種するために使用される。その細胞を吸光度6 00(O.D.600)が0.4〜0.6の間になるまで増殖させる。IPTG(イソプロピ ル-B-D-チオガラクトピラノシド)をついで最終濃度1mMに加える。IPTGはlacI リプレッサーを不活性かすることにより遺伝子発現を増加させることになるP/O の明確化を誘発する。 細胞はさらに3時間〜4時間増殖させられる。ついで細胞を遠心(6000Xg で20分)により回収する。その細胞ペレットを4℃で3〜4時間攪拌しながら 6モルのグアニジンHClのカオトロピック剤に溶解させる。その細胞片は遠心に よって除去され、ついでそのポリペプチドを含む上清をニッケル-ニトロ-トリ酢 酸(「Ni-NTA」)アフィニティー樹脂カラム(キアゲン社、上記から入手できる )にロードする。6xヒスチジンタグを持つタンパク質は高いアフィニティーでN i-NTA樹脂に結合し、単純な1工程の手法で精製できる(詳細はThe QIAexpressi onist(1995)、キアゲン社、上記を参照)。 端的には、上清は6Mのグアニジン-HCl(pH8)の10倍量で最初は洗浄し 、ついで、6Mのグアニジン-HCl(pH6)の10倍量で洗浄し、最終的には、 そのポリペプチドは6Mのグアニジン-HCl(pH5)で溶出される。 精製されたタンパク質は、ついでリン酸緩衝食塩水(PBS)または50mMの酢酸 ナトリウムに対して透析することにより再生される。別法として、そのタンパク 質はNi-NTAカラムに固定されている間にうまく再度折り畳まれることができる。 推薦される条件は、以下である:プロテアーゼインヒビターを含む500mMNaCl 、20%グリセロール、20mM トリス/HCl(pH7.4)中の線形6M-1M尿素 勾配を用いての再生。その再生は、1.5時間またはそれ以上かけて行われるべ きである。再生の後、そのタンパク質は、250mMのイミダゾールの添加によっ て溶出される。イミダゾールはPBSまたは50mMの酢酸ナトリウム(pH6)バ ッファーに200mMNaClを加えたものに対しての最終的な透析工程によって除か れ る。精製されたタンパク質は、4℃で保存されるかまたは-80℃で凍結される 。 上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、pHE4aと呼ばれる(ATCC寄託 番号XXXXXX)ファージオペレーターを含む発現ベクターおよび本発明のポリヌク レオチドに作動可能に結合したプロモーターエレメントをさらに含む。このベク ターには:1)選択マーカーとしてのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺 伝子、2)大腸菌複製起点、3)T5ファージプロモーター配列、4)2つのlac オペレーター配列、5)シャイン・ダルガーノ配列および6)ラクトースオペロ ンリプレッサー遺伝子(lacIq)を含む。その複製起点(oriC)はpUC19(LT1 、ゲイザーズバーグ、メリーランド)から得られる。そのプロモーター配列およ びオペレーター配列は合成により作成される。 DNAは、ベクターをNdeIおよびXbaI、BamHI、XhoIまたはAsp718で制限され 、ゲル上にその制限産物を流し、ついでより大きい断片(スタッファー(stuffe r)断片は約310塩基対)を単離することによりpHEaに挿入されることができ る。そのDNA断片は実施例1に記載のPCRプロトコールにより、NdeI(5'プライ マー)およびXbaI、BamHI、XhoIまたはAsp718(3'プライマー)の制限部位 を持つPCRプライマーを用いて製造した。そのPCR挿入物は精製され、適合する酵 素で制限される。その挿入物とベクターは標準的なプロトコールに従ってライゲ ーションされる。 操作されたベクターは、細菌系のタンパク質を発現するための上記プロトコー ルで容易に置き換えられることができる。実施例6: 封入体からのポリペプチドの精製 以下の別法は、封入体の形態で存在している場合に、大腸菌に発現されている ポリペプチドを精製するために使用されることができる。特に断らない限り、以 下の全ての工程は、4〜10℃で行われる。 大腸菌発酵の製造相が完了すると、その細胞培養は、4〜10℃に冷却され、 連続した15,000rpm遠心(Heraeus Sepatech)により細胞は回収される。細 胞ペーストの単位重量あたりのタンパク質の期待された産生および必要とされる 精製タンパク質の量に基づき、細胞ペーストの適量は重量単位により、100mM トリス、50mM EDTA(pH7.4)を含むバッファー溶液中で懸濁する。その細 胞は高シアーミキサー(high shear mixer)を用いて均一懸濁液に拡散されてい る。 ついでその細胞は、溶液をマイクロフルイダイザー(microfluidizer)(マイ クロフューイディクス社(Microfuidics Corp.)またはAPVコーリン社(APV Gaul in、Inc.)4000〜6000psiで2回通して溶解させる。そのホモジネートは 、ついでNaCl溶液と混合して0.5MNaClの最終濃度にし、7000xgで15分間 遠心する。得られたペレットは、0.5MNaCl、100mMトリス、50mM EDTA( pH7.4)を用いて再度洗浄する。 得られた洗浄された封入体は、1.5Mの塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜4時 間可溶化する。7000xgで15分遠心した後、そのペレットは捨てられ、上清 を含むポリペプチドは4℃で終夜インキュベートされ、さらに塩酸グアニジン抽 出を可能にする。 高速度遠心(30,000xg)で不溶性粒子を取り除いた後、GuHCl可溶化タン パク質は、50mMナトリウム(pH4.5)、150mM NaCl、2mM EDTAを含む 20倍量のバッファーとそのGuHCl抽出物を迅速に激しく攪拌しながら混合する ことにより再度折り畳まれる。折り畳まれた希釈されたタンパク質溶液は、さら なる精製工程の前の12時間混合することなく4℃で保存される。 再度折り畳まれたポリペプチド溶液を透化するために、適当な表面領域を持つ 0.16um膜を備えた以前に調製した濾過ユニット(例えばFiltron)を40mMの 酢酸ナトリウム(pH6)で平衡化したものを使用した。濾過されたサンプルは 、陽イオン交換樹脂(例えば、Poros HS-50、パーセプティブ・バイオシステ ムズ(Perseptive Biosystems))にかける。そのカラムを40mMの酢酸ナトリ ウム(pH6)で洗浄し、動バッファー中の250mM、500mM、1000mMお よび1500mM NaClで徐々に溶出した。流出液の280nmの吸光度が連続して モニターされた。画分を回収し、さらにSDS-PAGEで分析する。 そのポリペプチドを含む画分は、ついで保存され、4倍量の水を混合される。 希釈されたサンプルは、ついで以前に調製した強陰イオン(Poros HQ-50、パ ーセティブ・バイオシステムズ)および弱イオン(Poros CM-20、パーセティ ブ・バイオシステムズ)交換樹脂の縦カラムにロードする。そのカラムを40mM の酢酸ナトリウム(pH6)で平衡化する。両カラムは40mMの酢酸ナトリウム (pH6)、200mM NaClで洗浄する。そのCM-20カラムをついで、0.2M N aCl、50mMの酢酸ナトリウム(pH6)〜1.0M NaCl、50mMの酢酸ナトリウ ム(pH6.5)の範囲にわたって10カラムの量の線形濃度交配を用いて溶出 する。画分を流出物をモニタリングして一定のA280下で回収する。そのポリペプ チドを含む断片(例えば、16%SDS-PAGEでにより決定される)をついで保存す る。 得られたポリペプチドは、上記の再度折り畳みおよび精製工程の後に95%よ り高い純度を示すべきである。5μgの精製したタンパク質をロードする場合、 クマシーブルー染色した16%SDS-PAGEゲルからは全く主要な汚染バンドは観察 されなかった。その精製されたタンパク質はまた、エンドトキシン/LPS汚染に関 しても試験されることができ、また典型的にはLPS内容物はLALアッセイにより0 .1ng/mlより少ない。実施例 7:バキュロウイルス発現型におけるポリペプチドのクローニングおよ び発現 本例において、プラスミドシャトルベクターpA2がポリペプチドを発現するた めにバキュロウイルスにポリヌクレオチドを挿入するために使用する。本発現ベ クターは、オートグラファ・カルフォルニカ(Autographa californica)核ポリ ヘドロシスウイルス(polehedrosis virus)(AcMNPV)の強ポリヘドリンプロモ ーターを含み、BamHI、XbaIおよびAsp718などの便利な制限部位が続く。シミ アンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位が効率よいポリアデニル 化に使用される。組換えウイルスの簡易選択に関しては、該プラスミドは同方向 で弱いショウジョウバエプロモーターのコントロール下で大腸菌からのβ-ガラ クトシダーゼ遺伝子を含み、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルが続 く。挿入された遺伝子は、クローニングされたポリヌクレオチドを発現する生存 可能なウイルスを製造するために、野生型ウイルスDNAを持つ細胞媒介同種組換 え体のためのウイルス配列により両側でフランキングされる。 その他の多くのバキュロウイルスは、上記ベクター、例えばpAc373、pVL9 41およびpAcIM1などの代わりに、当業者ならば容易に理解するであろうが、 転写、翻訳、分泌などの構築物が、シグナルペプチドおよび必要とされるような インフレームのAUGを含む適当に位置したシグナルを提供する限り、使用される ことができる。そのようなベクターは、例えば、ラッコウ(Luckow)ら、Virolo gy 170:31−39(1989)に記載されている。 特に、AUG開始コドンおよび表1に同定された天然で結合したリーダー配列を 含むその寄託されたクローンに含まれるcDNA配列は、実施例1に記載されるPCR プロトコールを用いて増幅される。もし、天然に存在するシグナル配列が分泌タ ンパク質を製造するために使用されるならば、そのpA2ベクターは第2のシグナ ルペプチドを必要としない。代わりに、そのベクターはバキュロウイルスリーダ ー配列を含むために、サマーズ(Summers)ら、「ア・マニュアル・オブ・メソ ッヅ・フォー・バキュロウイルス・ベクターズ・アンド・インセクト・セル・カ ルチャー・プロシーデュアーズ(A Manual of Methods for Baculovirus Vector s and Insect Cell Culture Procedures)、テキサス・アグリカルチュラル・エ クスペリメンタル・ステーション(Texas Agricultural Experimental Station )公示番号1555(1987)に記載の標準的な方法を用いて修飾した(pA2 GP)である可能性がある。 増幅断片は、市販されており入手可能なキット(「ジーンクリーン(Geneclea n)」、BIO101 Inc.、ラジョラ、カリフォルニア)を用いて1%アガロース ゲルから単離される。ついで断片は、適当な制限酵素で消化され、ついで再度1 %アガロースゲル上で精製される。 そのプラスミドは対応する制限酵素で消化され、時には当該技術分野で公知の 日常的な手法を用いて、ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化されることが できる。ついでそのDNAは市販されており入手可能なキット(「ジーンクリーン 」、BIO101 Inc.、ラジョラ、カリフォルニア)1%アガロースゲルから単離 される。 断片および脱リン酸化されたプラスミドはT4DNAリガーゼとともにライゲーシ ョンされる。大腸菌HB101またはXL-1Blue(ストラタジーン・クローニング ・システムズ、ラジョラ、カリフォルニア)などのその他の適当な大腸菌宿主細 胞は、ライゲーション混合物で形質転換され、培養プレートにまかれる。プラ スミドを含む細菌は、個々のコロニーからのDNAを消化することによって同定さ れ、ゲル電気泳動により消化産物を分析する。クローニングされた断片の配列は DNAシークエンシングにより確認される。 そのポリペプチドを含む5μgのプラスミドは、市販されており入手可能な線 形化された1.0μgバキュロウイルスDNA(“BaculoGoldTmバキュロウイルスDNA ”、ファーミンゲン(Pharmingen)、サンディエゴ、カリフォルニア)で、フェ ルグナー(Felgner)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−741 7(1987)に記載されるリポフェクチン法を用いて同時トランスフェクショ ンされる。BaculoGoldTmバキュロウイルスDNAの1μgおよびそのプラスミドの5 μgを、50μlの無血清グレース培地(ライブ・テクノロジーズ、インク、ゲイ ザーズバーグ、メリーランド)を含むマイクロタイタープレートの滅菌ウェル中 で混合する。その後、10μlのリポフェクチンと90μlのグレース培地を加え 、混合し、室温で15分インキュベートした。ついで、そのトランスフェクショ ン混合物をSf9細胞(ATCC CRL 1711)に滴下添加し、無血清の1mlのグレ ース培地で35mm組織培養プレートで播種する。ついで、そのプレートを27℃ で5時間インキュベートする。ついで、トランスフェクション溶液をプレートか ら除去し、ついで10%ウシ胎児血清を補った昆虫のグレース培地の1mlを加え る。ついで培養は27℃で4日間続く。 4日後、上清を回収し、ついでサマーズおよびスミス、上記に記載されるよう にプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(ライフ・テクノロジーズ、インク、 ゲイザーズバーグ)を含むアガロースゲルが、gal-発現クローンの容易な同定( 青く染色されたプラークを製造する)および単離を可能にする(この型の「プラ ークアッセイ」の詳細な記載は、昆虫細胞培養のための使用者用指針、およびバ キュロウイルス学的に記載されたライフ・テクノロジーズ、インク、ゲイザーズ バーグ、9〜10頁によって見出される)。適当なインキュベーションの後、青 く染色されたプラークをマイクロピペット(例えば、エッペンドルフ(Eppendor f)の先端で取り出す。ついで、組換えウイルスを含むアガーを200μlのグレ ース培地を含む微小遠心チューブに再懸濁し、その組み換えバキュロウイルスを 含む懸濁液を35mm皿に播いたSf9細胞を感染させるために使用す る。4日後これらの培養皿の上清は回収され、ついで4℃で保存される。 該ポリペプチドの発現を確認するために、Sf9細胞を10%熱不活性化したFB Sを補ったグレース培地中で増殖させる。その細胞を感染タンパク質重度(MOI) が約2であるポリヌクレオチドを含む組換えバキュロウイルスで感染させる。放 射線標識したタンパク質が所望の場合には、6時間後培地を除去し、SF900II 培地からメチオニンとシステインを除いた培地(ライフ・テクノロジーズ、イン ク、ロックビル、メリーランドから入手できる)で置き換える。42時間後、5 μcliの35S-メチオニンおよび5μcliの35S-システイン(アマシャム(Amersham )から入手できる)を加える。さらに細胞を16時間インキュベートし、ついで 、遠心により回収する。上清中タンパク質ならびに細胞内タンパク質をSDS-PAGE により分析した後、オートラジオグラフィーにかける(放射線標識している場合 )。 精製したタンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列のマイクロシークエンシング は製造されたタンパク質のアミノ末端配列を決定するために使用されてよい。実施例 8:哺乳類細胞におけるポリペプチドの発現 本発明のポリペプチドは哺乳類動物において発現されることができる。典型的 な哺乳類の発現ベクターは、mRNAの転写開始を伝えるプロモーター要素、タンパ ク質コーディング配列、および転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要 とされるシグナルヲ含む。別の要素は、RNAスプライシングの供与部位および受 容部位によりフランキングされるエンヘンサー、コザック配列および介在配列を 含む。非常に効率よい転写はSV40、レトロウイルス、例えば、RSV、HTLVI、HI VIからの長い末端反復配列(LTRs)およびサイトメガロウイルス(CMV)の初期 プロモーターで達成される。しかしながら、細胞要素はまた、使用されることが できる(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。 本発明の実施にて使用されるのに適当な発現ベクターには、例えば、pSVLおよ びpMSG(ファルマシア(Pharmacia)、ウプサラ、スウェーデン)、pRSVcat(AT CC37152号)、pSV2dhfr(ATCC37146号)、pBC12MI(ATCC6710 9号)、pCMVSport2.0およびpCMVSport3.0を含む。使用されることができる 哺乳類宿主細胞には、ヒトHela、293、H9およびジャーカット細胞、マ ウスNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、ウズラQC1-3細胞 、マウスL細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が含まれる。 別法として、そのポリペプチドは染色体に取り込まれたポリヌクレオチドを含 む安定した細胞株に発現される。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシン などの選択可能なマーカーとの同時トランスフェクションはトランスフェクショ ンした細胞の同定および単離を可能にする。 トランスフェクションされた細胞はまた、コードされたタンパク質の大量を発 現するように増幅されることもできる。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マー カーは関心のある遺伝子の数百または数千でさえものコピーを運ぶ細胞株の開発 に有用である(例えば、アルト(Alt,F.W.)ら、J.Biol.Chem.253:13 57−1370(1978);ハムリン(Hamlinm J.L.)およびマ(Ma,C.) 、Biochem.et Biophys.Acta,1097:107−143(1990);ペー ジ(Page,M.J.)およびシデンハム(Sydenham,M.A.)Biotechnology 9:6 4−68(1991)参照)。他の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシン ターゼ(GS)である(マーフィー(Murphy)ら、Biochem J.227:277− 279(1991);ベビントン(Bebbington)ら、Bio/Technology 10:1 69−175(1992)。これらのマーカーを用いて、哺乳類細胞は選択的な 培地中で増殖し、最も高い耐性を持つ細胞を選択する。これらの細胞株は染色体 に取り込まれた増幅した遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細 胞およびNSO細胞はしばしばタンパク質の製造に使用される。 プラスミドpSV2-dhfr(ATCC37146号)、発現ベクターpC4(ATCC209 646号)およびpC6(ATCC209647号)の誘導体は、ラウス肉腫ウイルス の強いプロモーター(LTR)(カレン(Cullen)ら、Molecular and Cellular Bi ology、438-447(1985年3月)とCMV-エンハンサーの断片(ボスハー ト(Boshart)ら、Cell 41:521−530(1985))を含む。例えば、 BamHI、XbaI、およびAsp718などの制限酵素開裂部位を持つマルチプルクロー ニングサイトは関心のある遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはまた 3'イントロン、ラットプレプロインスリン遺伝子のポリアデニル化および終結 シグナルおよびマウスDHFR遺伝子をSV40初期プロモーターのコントロール下で 含む。 特に、例えばプラスミドpC6は適当な制限酵素で消化され、ついで公知の手法 によりウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化される。ついでそのベクターは 1%アガロースゲルから単離される。 本発明のポリヌクレオチドは実施例1に概説したプロトコールに従って増幅さ れる。天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を製造するために使用され るならば、そのベクターは第2のシグナルペプチドを必要としない。別法として 、天然に存在するシグナル配列が使用されない場合、そのベクターは異種シグナ ル配列を含むために修飾されることができる(例えば、WO96/34891号参 照)。 増幅された断片は、市販されており入手可能なキット(「ジーンクリーン」、 BIO101社、ラジョラ、カリフォルニア)を用いて1%アガロースゲルから単 離される。ついで断片は、適当な制限酵素で消化され、ついで再度1%アガロー スゲル上で精製される。 ついで増幅された断片は同酵素で消化され、1%アガロースゲル上で精製する 。ついで単離された断片および脱リン酸化されたベクターはT4DNAリガーゼとと もにライゲーションされる。大腸菌HB101またはXL-1Blue細胞はついで形質 転換され、細菌は、例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC6に挿入される断 片を含むことを確認する。 活性のあるDHFR遺伝子を欠如しているチャイニーズハムスター卵巣細胞がトラ ンスフェクションに使用される。発現プラスミドpC6の5μgがリポフェクチン (フェルグナーら、上記)を用いて0.5μgのプラスミドpSVneoと同時トランス フェクションされる。プラスミドpSV2-neoは、G418を含む抗生剤の群に耐性 を与える酵素をコードするTn5から優勢な選択可能なマーカーであるneo遺伝子 を含む。その細胞を1mg/ml G418で補ったαマイナスMEM培地中で播種した。 2日後、細胞をトリプシン化し、10、25または50ng/mlのメトトレキセー トと1mg/ml G418を補ったαマイナスMEM培地中、ハイブリドーマクローニン グプレート(グライナー(Greiner)、ドイツ)にて播種する。10〜14日後 、単一のクローンがトリプシン化され、ついで、異なる濃度のメトトレキセート (50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて6ウェルのペト リ皿または10mlフラスコに播種される。クローンはメトトレキセートの濃度が 最高で増殖し、ついで、一層高い濃度のメトトレキセート(1μM、2μM、5μ M、10mM、20mM)を含む新規の6ウェルプレートにトランスファーする。同 じ手法をクローンが100〜200μMの濃度に増殖しているクローンを得るま で繰り返す。所望の遺伝子産物の発現が、例えばSDS-PAGEおよびウエスタンブロ ットによるか、または逆相HPLC分析によって分析される。実施例 9:タンパク質融合 本発明のポリペプチドは好ましくは他のタンパク質に融合される。これらの融合 タンパク質は多様な応用に使用されることができる。例えば、His-タグ、HA-タ グ、プロテインA、IgGドメインおよびマルトース結合タンパク質への本ポリペプ チドの融合は、精製を容易にする(例えば実施例5参照;またEP A 394,82 7;トローネッカーら、Nature 331:84−86(1988)参照)。同様 に、IgG-1、IgG-3およびアルブミンへの融合はイン・ビボにおいて半減期を増 加させる。本発明のポリペプチドへ融合した核局在化シグナルは、特異的な細胞 内の局在に対してタンパク質を標的化することができるが、共有結合した異種ダ イマーまたはホモダイマーは融合タンパク質の活性を増加または減少させること ができる。融合タンパク質はまた、1を越える機能を持つキメラ分子を作り出す ことができる。最終的に、融合タンパク質は、非融合タンパク質に比較して、融 合タンパク質の可溶性および/または安定性を増加させることができる。上記の 融合タンパク質の全ての型は、IgG分子に対するそのポリペプチドの融合を概説 している以下のプロトコールまたは実施例5に記載のプロトコールを修正するこ とによって製造できる。 端的には、IgG分子のヒトFc部位は、以下の配列の5'および3'末端にわたる プライマーを用いてPCR増幅されることができる。これらのプライマーはまた、 発現ベクター、好ましくは哺乳類の発現ベクターにクローニングすることを容易 にする便利な制限酵素部位を持つべきである。 例えば、pC4(寄託番号209646号)が使用される場合、ヒトFc部位はBa mHIクローニングサイトにライゲーションされることができる。3'BamHI部位 は破壊されるべきであることに注意する。次に、ヒトを含むベクターは再度BamH Iで制限され、ついで実施例1で記載したPCRプロトコールにより単離された本発 明のポリヌクレオチドはこの'BamHI部位にライゲーションされる。そのポリヌク レオチドが、停止コドンなしでクローニングされ、さもなくば融合タンパク質が 製造されないことに注意する。 もし、天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を製造するために使用さ れるならば、そのpC4ベクターは第2のシグナルペプチドを必要としない。別法 として、天然に存在するシグナル配列を使用しない場合、そのベクターは異種シ グナル配列を含むように修飾されることができる(例えば、WO 96/34891 号参照)。 ヒトIgG Fcタンパク質領域: 実施例 10:ポリペプチドからの抗体の製造 本発明の抗体を多様な方法により調製することができる(カレント・プロトコ ールズ、第2章参照)。例えば、本発明のポリペプチドを発現する細胞は、ポリ クローナルを含む血清の製造を誘発するために動物に投与される。好ましい態様 において、分泌タンパク質の調製物は実質的に天然の汚染物質が内容にするため に調製され精製される。そのような調製物はついで、多大な特異的な活性のポリ クローナル抗血清を製造するために動物に導入される。 最も好ましい態様において、本発明の抗体はモノクローナル抗体(またはその タンパク質結合断片)である。そのようなモノクローナル抗体は、ハイブリドー マ技術を用いて調製されることができる(ケーラー(Koehler)ら、Nature 25 6:495(1975);ケーラーら、Eur.J.Immunol.6:511(197 6);ケーラーら、Eur.J.Immunol.6:292(1976);ハンマリング (Hammerling)ら、モノクローナル・アンチボディーズ・アンド・T-セル・ハイ ブリドーマズ(Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas)、エルゼビア (Elsevier)、ニューヨーク、563−681頁(1981))。概して、その ような手法は動物(好ましくはマウス)をポリペプチドまたはより好ましくは分 泌されたポリペプチド発現細胞で免疫することに関する。そのような細胞は任意 の適当な組織培養培地で培養されてよい;しかしながら、10%ウシ胎児血清( 約56℃で不活性化された)で補い、また約10g/lの可欠アミノ酸、約1,00 0単位/mlのペニシリンおよび約100μg/mlのストレプトマイシンを補ったア ール修飾イーグル培地中で細胞を培養するのが好ましい。 そのようなマウスの脾臓細胞を抽出し、適当な骨髄腫細胞株と融合させる;し かしながら、ATCCから入手可能である親骨髄腫細胞株(SP20)を使用するのが 好ましい。融合の後、得られたハイブリドーマ細胞を選択的にHAT培地中で維持 し、ついでワンズ(Wands)ら(Gastroenterology 80:224−232(19 81))、により記載されるように希釈を制限することによりクローニングする 。ついでそのような選択を通して得られたそのハイブリドーマ細胞は、ポリペプ チドを結合することができる抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイ される。 別法として、そのポリペプチドに結合することができる別の抗体は抗イディオ タイプ抗体を用いて2工程手法で製造されることができる。そのような方法は抗 体自体が抗原であるという事実、およびそれゆえ第2抗体に結合する抗体を得る ことができるという事実を利用する。この方法により、タンパク質特異的抗体は 動物、好ましくはマウスを免疫するために使用される。ついでそのような動物の 脾臓細胞はハイブリドーマ細胞を製造するために使用され、そのハイブリドーマ 細胞は、タンパク質特異的抗体に結合する能力がそのポリペプチドによって阻害 されることができる抗体を製造するクローンを同定するためにスクリーニングさ れる。そのような抗体はタンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を 含み、さらなるタンパク質特異的抗体の形成を誘発するために動物を免疫化する ために使用されることができる。 本発明の抗体のFabおよびF(ab')断片および他の断片は本明細書に開示され る方法により使用されてよい。そのような断片は典型的には、パパイン(Fab断 片を製造するため)またはペプシン(F(ab')2断片を製造するため)などの酵 素を用いてタンパク質開裂によって製造される。別法として、分泌タンパク質結 合断片は組換えDMA技術の適用によりまたは合成化学により製造されることがで きる。 ヒトにおいて抗体のイン・ビボの使用に関して「ヒト化された」キメラモノク ローナル抗体を使用するのが好ましい。そのような抗体は上記のモノクローナル 抗体を製造するハイブリドーマ細胞由来の遺伝的構造を用いることができる。キ メラ抗体を製造する方法は、当該技術分野において公知である(例えば、概説の ためにはモリソン(Morrison)、Science 229:1202(1985)); ウィ(Oi)ら、BioTechniques 4:214(1986);カビリー(Cabilly) ら、米国特許第4,816,567号;タニグチ(Taniguchi)ら、EP 17149 6号;モリソンら、EP 173494号;ノイバーガー(Neuberger)ら、WO 8 601533号;ロビンソン(Robinson)ら、WO 8702671号;ブーリア ンヌ(Boulianne)ら、Nature 312:643(1984);ノイバーガーら、 Nature 314:268(1985)参照)。実施例 11:高出力スクリーニングアッセイのための分泌タンパク質の製造 以下のプロトコールは試験されるべきポリペプチドを含む上清を製造する。こ の上清をついで実施リガンド13〜20に記載されるスクリーニングアッセイで 使用することができる。 最初に、ポリp-D-リジン(644587ベーリンガーマンハイム)のストッ ク溶液(1mg/mlのPBS)をPBS中で1:20(w/oカルシウムまたはマグネシウム 17−516Fバイオホィッタカー(Biowhittaker))を50ug/mlの作業溶液の ために希釈する。各ウェル(25ウェルプレート)にこの溶液を200ul加えて 室温で20分間インキュベートする。各ウェルごとに溶液を分布させることを確 認する(注意:12チャンネルのピペットは全てのチャンネルにチップをセット して使用してよい)。そのポリp-D-リジン溶液を吸引して、1mlのPBS(リン酸 緩衝食塩水)ですすぐ。そのPBSを細胞をプレーティングする直前までウェル中 にそのままにしておき、またプレートは前もって2週間ポリリジンでコートされ ていてよい。 293細胞(P+20を越えて細胞を運ばない)を5mlのDMEM(ダルベッコ改 変イーグル培地)(4.5グルコースおよびL-グルタミン(12−604Fバイオ ホィッタカー)/10%熱不活性化したFBS(14−503Fバイオホィッタカー )/1xペンストレップ(Penstrep(127−602Fバイオホィッタカー)中で 2x105で播種する。その細胞を終夜増殖させる。 翌日、滅菌溶液の容器内でともに混合する:300ulリポフェクタミン(18 324−012ギブコ(Gibco)/BRL)および5mlのオプティメンI(OptimenI) (31985070ギブコ/BRL)/96ウェルプレートにて混合する。低容量マ ルチチャンネルピペットを用いて、本実施例8または9で記載された方法によっ て製造されたポリヌクレオチドインサートを含む発現ベクターのおよそ2ugを、 適当に標識した96ウェル丸底プレートにアリコートする。マルチチャンネルピ ペットを用いて、50ulリポフェクタミン/オプティメンI混合物を各ウェルに加 える。ピペットを上下して静かに混合する。室温で15〜45分でインキュベー トする。約20分後、マルチチャンネルピペットを用いて、150ulオプティメ ンIを各ウェルに加える。コントロールとして、インサートの欠如したDNAベクタ ーの1プレートを各トランスフェクションのセットでトランスフェクションしな ければならない。 好ましくは、トランスフェクションは続いてタグ-チーミング(tag-teaming) により行わなければならない。タグ-チーミングにより、所要時間は半分となり 、またその細胞はPBSにそれほど多大な時間をかけない。最初にある人物Aが細胞 の24ウェルプレート4枚から培地を吸引し、ついで人物Bが各ウェルを0.5〜 1 ml PBSですすぐ。ついで人物AがPBSすすぎ溶液を吸引し、また人物Bがその他全 てのチャンネル上でチップをつけた12-チャンネルピペットを用いて、200u lのDNA/リポフェクタミン/オプティメンI混合物を24ウェルプレートの各行で 奇数ウェルに最初に加え、ついで偶数ウェルに加える。37℃で6時間インキュ ベートする。 細胞がインキュベートされている間に、適当な培地、1xpenstrepを含むDMEM 培地中の1%BSAまたは2mmグルタミンおよび1xpenstrepを含むCHO-5培地(以 下参照)のいずれかを調製する(10%BSAストック溶液を作るのにBSA(81− 06803、バイエル(Bayer))100gmを1LのDMEMに溶かす)。培地を濾過 し、ついで15mlのポリスチレンコニカルチューブ中でエンドトキシンアッセイ のため50ulを回収する。 そのトランスフェクション反応を好ましくはタグ-チーミングによりインキュ ベーション期間の終了時に終える。人物Aはトランスフェクション培地を吸引し 、人物Bは各ウェルに1.5mlの適当な培地を加える。37℃で45または72時 間使用する培地によって異なるが、:1%BSAの場合は45時間、またはCHO-5 の場合は72時間、インキュベートする。 4日目に300ulマルチチャンネルピペットを用いて、1つの1mlの深いウェ ルのプレートに600ulをアリコートし、ついで残りの上清を2mlの深いウェル にアリコートする。ついで各ウェルからの上清を実施例13〜20に記載のアッ セイにて使用することができる。 上清を用いた以下に記載のアッセイのいずれかで活性が得られる場合、その活 性はそのポリペプチド直接(例えば分泌タンパク質としてなど)からか、または その上清に分泌される他のタンパク質の発現を誘発するポリペプチドによっての いずれかから産出される。従って、本発明はさらに特定のアッセイにおける活性 によって特徴付けられる上清中のタンパク質を同定する方法を提供する。 HGS-CHO-5培地のまとめ: 浸透圧を327mOsmに調整する。実施例 12:GAS受容体構築物の構築 細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路はJaks-STATs経路と 呼ばれる。Jaks-STATs経路の活性化されたタンパク質は、多数の遺伝子のプロモ ーターに位置しているγ活性化部位「GAS」エレメントまたはインターフェロン 感受性応答性エレメント(「ISRE」)に結合する。これらのエレメントへのタン パク質の結合は関連遺伝子の発現を変える。 GASおよびISREエレメントはシグナルトランスデューサーまたは転写アクチベ ーターまたは「STATs」と呼ばれる。STATファミリーには6つの成員が存在する 。Stat 1およびStat 3はStat 2同様に(IFN-αへの応答が広くわたるように )多数の細胞型に存在している。Stat 4は一層制限されており、IL-12処理後 のT-ヘルパー細胞I型には見られるが、それほど多くの型の細胞には見られない 。Stat 5は元々は哺乳類増殖因子と呼ばれたが、骨髄細胞を含むその他の細胞 中で高濃度で見出される。多くのサイトカインによって組織培養細胞中で活性化 されることができる。 STATsはJanus キナーゼ(「Jaks」)として知られるキナーゼのセットにより チロシンリン酸化される際に、細胞質から核へと転座するように活性化される。 Jaksは可溶性チロシンキナーゼの明らかなファミリーであり、Tyk2、Jak1、Ja k2およびJak3を含む。これらのキナーゼは配列類似性を有意に示し、一般的に 触媒的には不活性な休止細胞である。 Jaksは以下の表にまとめられる受容体の広範囲により活性化される(シードラ ー(Schidler)およびダーネル(Darnell)、Ann.Rev.Biochem.64:621 −51(1995)による概説から改変)。Jaksを活性化することができるサイ トカイン受容体ファミリーは2群に分けられる:(a)IL-2、IL-3、IL-4、IL -6、IL-7、IL-9、IL-11、IL-12、IL-15、Epo、PRL、GH、G-CSF、GM-CF S、LIF、CNTFおよびトロンボポエチン;および(b)IFN-a、IFN-gおよびIL-10 である。I型受容体は保存されたシステインモチーフ(4つの保存されたシステ インおよび1つのトリプトファンのセット)およびWSXWSモチーフ(Trp-Ser-Xxx -Trp-Ser(配列番号:2))を膜近接領域コードする膜を共有する。従って、受 容体へのリガンドの結合の際にJaksは活性化され、それはSTATsを活性化し、つ いで転座させて、GASエレメントへ結合する。この全プロセスはJaks-STATsシグ ナル伝達経路中に含まれる。 それゆえ、Jaks-STATs経路の活性化はGASまたはISREエレメント結合によって 反映されており、細胞の増殖または分化に関与するタンパク質を示すのに使用さ れることができる。例えば、増殖因子およびサイトカインはJaks-STATs 経路を 活性化すると知られている(以下の表参照)。従って、リポーター分子に結合し たGASエレメントを用いることによって、Jaks-STATs 経路のアクチベーターが同 定されることができる。 実施例13〜14中に記載の生物学的アッセイにおいて用いる、プロモーター 要素を含有する合成GASを構築する目的で、GAS-SV40プロモーター配 列を生成するために、PCRに基づく戦略を使用する。5'プライマーはIRF 1プロモーター中に見出されるGAS結合部位の4個の縦列(tandem)コピーを含 有し、このものを他のGASもしくはISRE要素を代わりに使用可能であるが 、ある範囲のサイトカインを用いた誘導の際に、STATsと結合することが以 前に示されている(ロトマン(Rothman)らによる、免疫(Immunity) 1: 457〜468( 1994))。該5'プライマーはまたSV40初期プロモーター配列に相補的な配列 の18bpを含有している。該5'プライマーの配列は である。 該下流プライマーはSV40プロモーターに相補的であり、HindIII部 位: とフランクする。 PCR増幅をクローンテック(Clontech)製B-gal:プロモータープラスミ ド中に存在するSV40プロモーター鋳型を用いて実施する。生成したPCRフ ラグメントについて、XhoI/HindIIIを用いて消化し、BLSK2( ストラタジーン)中にサブクローニングする。前進(forward)および逆(reverse) プライマーを用いた配列決定により、該挿入断片が以下の配列: を含有していることを確認する。 該SV40プロモーターに連結した本GASプロモーター要素と一緒に、GA S:SEAP2レポーター組成物を次に工学的に作る。ここで、該レポーター分 子は分泌アルカリ性ホスファターゼ、または“SEAP”である。しかしながら 、明らかに本実施例または他のいかなる実施例においても、いかなるレポーター 分子をもSEAPの代わりに使用可能である。SEAPの代わりに用いることが できる公知のレポーター分子としては、クロラムフェニコールアセチルトランス フェラーゼ(CAT;chloramphenicol acetyltransferase)、ルシフェラーゼ、 アルカリ性ホスファターゼ、B−ガラクトシガーゼ、グリーン蛍光タンパク質( GEP;green fluorescent protein)、または抗体によって検出可能ないかなる タンパク質が挙げられる。 上記の配列を確認した合成GAS−SV40プロモーター要素を、HindI IIおよびXhoIを用い、SV40プロモーターを増幅したGAS:SV40 プロモーター要素で効果的に置き換えて、クローンテック製pSEAP−プロモ ーターベクター中にサブクローニングする。しかしながら、本ベクターはネオマ イシン耐性遺伝子を有しておらず、したがって哺乳類発現システムには好ましく はない。 したがって、GAS−SEAPレポーターを発現する哺乳類安定細胞系を生成 するために、GAS−SEAPカセットをSAlIおよびNotIを用いてGA S−SEAPベクターから除去し、ネオマイシン耐性遺伝子を含有するバックボ ーンベクター、例えばpGFP−1(クローンテック製)中に、多重クローニング 部位におけるこれらの制限部位を用いて挿入して、GAS−SEAP/ネオ(Neo )ベクターを作製する。一旦、本ベクターを哺乳類細胞中にトランスフェクトし 、次いで本ベクターを実施例13〜14中に記載のGAS結合に対するレポータ ー分子として使用可能である。 上記と同様にして、GASを異なるプロモーター配列で置き換えて、他の組成 物を作ることができる。例えば、NFK−BおよびEGRプロモーター配列を含 有するレポーター分子の組成物について実施例15および16中に記載する。し かしながら、多くの他のプロモーターを該実施例中に記載のプロトコールを用い て置換することができる。例えば、SRE、IL−2、NFATもしくはオステ オカルシンプロモータを単独でまたは組み合わせて(例えば、GAS/NF−K B/EGR、GAS/NF−KB、I1−2/NFRTもしくはNF−KB/G AS)置換することができる。同様に、他の細胞系をレポーター組成物活性、例 えばHELA(上皮)、HUVEC(内皮)、Reh(B−細胞)、Saos−2 (造骨細胞)、HUVAC(大動脈)または心筋細胞(Cardiomyocyte)を調べる ために用いることができる。実施例13:T−細胞活性に関するハイ−スループット(High-Throughput) スクリーニングアッセイ T−細胞を増殖もしくは分化しうる成長因子およびサイトカインなどの因子を 同定することによってT−細胞活性を評価するのに、下記のプロトコールを使用 する。T−細胞活性を実施例12において産生したGAS/SEAP/ネオ組成 物を用いて評価する。したがって、SEAP活性を増加する因子はヤークス(Jak s)−STATSシグナル形質導入経路を活性化する能力を示す。本アッセイにお いて用いるT−細胞としては、Molt−3細胞(ATCC取得番号CRL−15 52)およびMolt−4細胞(ATCC取得番号CRL−1582)をも用いることが できるが、ジャーカットT−細胞(ATCC取得番号TIB−152)である。 ジャーカットT−細胞はリンパ芽球CD4+Th1ヘルパー細胞である。安定 な細胞系を生成するために、約200万のジャーカット細胞をDMRIE−C( ライフテクノロジー)(以下に記載のトランスフェクション法)を用いて、GAS −SEAP/ネオベクターでトランスフェクトする。該トランスフェクトした細 胞をおよそ20,000細胞/ウェルの密度までシードし、ゲンチシン(1mg/ml) に耐性なトランスフェクタントを選別する。耐性コロニーを拡張し、次いでイン ターフェロンガンマの濃度の増加に対する応答に関して調べる。選別したクロー ンの用量反応を示す。 特に、下記のプロトコールは細胞(200μl)を含有する75ウェル中に充分 な細胞を産出する。したがって、スケールアップするかまたは何回も実施するこ とにより、多重96ウェルプレートに充分な細胞を生成する。ジャーカット細胞 を、1%Pen−Strepと一緒にRPMI+10%血清中に維持する。OP TI−MEM(ライフテクノロジー)(2.5mL)とプラスミドDNA(10μg) とをT25フラスコ中で組み合わせる。DMRIE−C(50μl)を含有したO PTI−MEM(2.5mL)を加え、室温で15〜45分間インキュベートする 。 該インキュベートの間、細胞の濃度をカウントし、必要な細胞数をスピンダウ ン(トランスフェクション毎に107個)し、OPTI−MEM中に再度懸濁し、 最終濃度が107細胞/mlになるようにする。次いで、OPTI−MEM中の 細胞(1×107)(1ml)をT25フラスコに加え、37℃で6時間インキュベ ートする。インキュベートした後、RPMI(10ml)+15%血清を加える。 該ジャーカット:GAS−SEAP安定レポーター系をRMPI+10%血清 、ゲンチシン(1mg/ml)および1%Pen−Strep中に維持する。該細 胞を実施例11に記載のプロトコールによって産生するポリペプチドを含有する 上澄みを用いて処理する。 上澄みを処理する日に、細胞を洗浄しおよび密度が500,000細胞/mlになる まで新鮮なRPMI+10%血清中に再度懸濁する。必要な細胞の正確な数はス クリーンする上澄みの数による。1個の96ウェルプレートについて、およそ1 千万(10プレートに対しては1億の細胞)の細胞が必要である。 細胞を96ウェルディッシュ中に分配する目的で、12チャンネルピペットを 用いて細胞を三角貯蔵ボート中に移す。12チャンネルピペットを用いて、各ウ ェル中に細胞(200μl)を移す(したがって、100,000細胞/ウェルを添加) 。 該プレートを全てシードした後、上澄み液を含有した96ウェルプレートから 各ウェル中に12チャンネルピペットを用いて直接に、上澄み液(50μl)を移 す。加えて、外因性インターフェロンガンマの用量(0.1、1.0、10ng)を 、アッセイに対する更なる正のコントロールとして作用させるために、ウェルH 9、H10およびH11に加える。 上澄み液で処理したジャーカット細胞を含有する96ウェルディッシュをイン キュベーター中に48時間置いた(注意:本時間は48〜72時間まで可変であ る)。次いで、各ウェルからの試料(35μl)を、12チャンネルピペットを用 いて不透明な96ウェルプレート中に移す。該不透明なプレートを被覆(セロフ ァンカバーを使用)し、SEAPアッセイを実施例17に記載の通り実施するま で、20℃で貯蔵した。残りの処理した細胞を含有するプレートを4℃に置き、 望むならば、このものを特定のウェルにおけるアッセイを繰り返す場合における 物質の供給源として働かせる。 正のコントロールとして、ジャーカット細胞を活性化することが公知のインタ ーフェロンガンマ(100ユニット/mL)を使用可能である。典型的に、30倍以 上の誘導を正コントロールウェルにおいて観察する。実施例14:骨髄性活性を同定するハイ−スループット・スクリーニング アッセイ 骨髄性細胞を増殖もしくは分化し得る成長因子およびサイトカインなどの因子 を同定することによって骨髄性活性を評価するのに、下記のプロトコールを使用 する。骨髄性細胞活性を実施例12において産生するGAS/SEAP/ネオ組 成物を用いて評価する。したがって、SEAP活性を増加する因子はヤークス− STATSシグナル形質導入経路を活性化する能力を示す。本アッセイにおいて 用いる骨髄性細胞は、前−単球細胞系のU937であるが、TF−1、HL60 もしくはKG1も使用可能である。 U937細胞を実施例12で産生したGAS/SEAP/ネオ組成物を用いて 一時的にトランスフェクトするために、DEAE−デキストラン法(カルバンダ( Kharbanda)らによる、細胞増殖 & 分化(Cell Growth & Differentiation),5: 2 59-265))を使用する。最初に、2×10e7U937細胞を収集し、およびPB Sを用いて洗浄する。該U937細胞を通常、10%の熱で失活させた胎児ウシ 血清(FBS)を含有する、ペニシリン(100ユニット/ml)およびストレプ トマイシン(100mg/ml)で補足したRPMI中で増殖する。 次に、該細胞をトリス−HCl(pH7.4、20mM;DEAE−デキストラ ン(0.5mg/ml)、GAS−SEAP2プラスミドDNA(8μg)、NaC l(140mM)、KCl(5mM)、Na2HPO4・7H2O(375μM)、Mg Cl2(1mM)およびCaCl2(675μM)を含有))の1ml中に懸濁する。3 7℃で45分間インキュベートする。10%FBSを含有するRPMI1640培地 を用いて該細胞を洗浄し、次いで完全培地(10ml)中に再度懸濁し、37℃で 36時間インキュベートする。 該細胞をG418(400μg/ml)中で増殖することによって、該GAS− SEAP/U937安定細胞を得る。G418が無い培地は決まりきった増殖に 用いるが、1〜2ヶ月毎に、該細胞を継代(passage)の組み合わせ用にG418( 400μg/ml)中で再度増殖すべきである。 該細胞について、1×108個(これは10個の96−ウェルプレートアッセ イに充分である)の細胞を収集して調べ、次いでPBSを用いて洗浄する。該細 胞を上記の増殖培地(200ml)中に懸濁し、最終密度を5×105細胞/ml とする。細胞(200μl)/96ウェルプレート(または1×105細胞/ウェル )をプレートする。 実施例11中に記載のプロトコールによって製造する上澄み液(50μl)を加 える。37℃で48〜72時間インキュベートする。正コントロールとして、U 937細胞を活性化することが知れられているインターフェロンガンマ(100 ユニット/ml)を用いることができる。典型的に、30倍以上の誘導を正コン トロールウェル中で観察する。実施例17に記載のプロトコールに従い、SEA Pアッセイを行なう。実施例15:ニューロン活性を同定するハイ−スループットスクリーニング アッセイ 細胞が分化および増殖する場合、一群の遺伝子は多くの異なるシグナル形質転 換経路を通じて活性化する。該遺伝子の1つ、EGR1(即時型遺伝子1)は、活 性化する際、様々な型の組織および細胞中で誘導される。EGR1の該プロモー ターは該誘導における原因である。レポーター分子に連結したEGR1プロモー ターを用いて、細胞の活性を評価することが可能である。 特に、PC12細胞系におけるニューロン活性を評価するのに、下記のプロト コールを使用する。PC12(ラット褐色細胞種(phenochromocytoma)細胞)は 、TPA(テトラデカノイルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)およ びEGF(表皮成長因子)などの多くのマイトジェンを用いて活性化することで、 増殖および/または分化することが知られている。該EGR1遺伝子を本処置の 間、活性化する。したがって、SEAPレポーターに連結したEGRプロモータ ーを 含有する組成物でPC12細胞を安定にトランスフェクトすることで、PC12 細胞の活性化を評価できる。 該EGR/SEAPレポーター組成物を下記のプロトコールによって組みたて ることが可能である。該EGR−1プロモーター配列(−633〜+1)(サカ モト(Sakamaoto)K.らによる、オンコジーン(Oncogene)6: 867〜871(1991))を、 下記のプライマー: を用いてヒトゲノムDNAからPCR増幅することが可能である。 次いで、実施例12で産生するGAS:SEAP/ネオベクターを用いて、E GR1増幅組成物を本ベクター中に挿入可能である。制限酵素XhoI/Hin dIIIを用い、該GAS/SV40スタファー(中央部断片;stuffer)を除去 して、該GAS:SEAP/ネオベクターを直線化する。該EGR1増幅生成物 を本同一の酵素を用いて制限する。該ベクターおよび該EGR1プロモーターを ライゲーションする。 細胞培養用の96ウェルプレートを製造するために、コラーゲンI型[アップ ステート・バイオテック社(Upstate Biotech Inc.)、カタログ#08−115)/30 %エタノール(フィルターで殺菌)]の希釈(1:30)被覆溶液を、10cmプレ ート当り2ml、または96−ウェルプレートのウェル当り50ml加え、2時 間風乾させる。 予め被覆した10cm組織培養ディッシュ上で、10%ホース血清(JPHバ イオサイエンス(BIOSCIENCE)、カタログ番号12449−78P)、ペニシリン(100 ユニット/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)で補足した5% 加熱不活性化胎児ウシ血清(FNB)を含有するRPM1−1640培地(バイオ・ワ イタカー(Bio Whittaker))中、常法によりPC12細胞を増殖する。3〜4日目 毎に4分の1に分割する。細胞を該プレートからこすり取り、15回以上ピペッ トを上下させて再度懸濁する。 実施例11に記載のリポフェタミン・プロトコールを用いて、該EGR/SE AP/ネオ組成物をPC12中にトランスフェクトする。EGR−SEAP/P C12安定細胞をG418(300μg/ml)中で細胞を増殖することで得る。 ルーチンの増殖にはG418フリー培地を使用しうるが、継代のために1〜2ヶ 月毎にG418(300μg/ml)中で細胞を再培養すべきである。 ニューロン活性をアッセイするために、約70〜80%合流した細胞を有する 10cmプレートを、古い培地を除去してスクリーンにかけ、該細胞を一度PB S(ホスフェート緩衝食塩液)を用いて洗浄する。次いで、該細胞を低血清培地( 抗生物質と併せて、1%ホース血清および0.5%FBSを含有するRPMI−1 640)中で終夜飢餓させる。 翌朝、培地を除去し、PBSを用いて細胞を洗浄する。細胞をプレートからか き取り、細胞を低血清培地(2ml)中によく懸濁させる。該細胞数をカウントし 、低血清培地をさらに加え、最終細胞密度が5×105細胞/mlに達する様に する。 96−ウェルプレートの各ウェルに細胞懸濁液(200μl;1×105細胞/ ウェルに当量)を加える。実施例11により産生する上澄み(50μl)を37℃ で48〜72時間加える。正のコントロールとして、EGRを介してPC12細 胞を活性化することが知られている成長因子、例えばニューロン成長因子(NG F)(50ng/μl)を用いることができる。50倍以上のSEAPの誘導が、 典型的に正のコントロールウェル中で観察される。実施例17に従い、該上澄み についてSEAPアッセイを行なう。実施例16:T−細胞活性に関するハイ−スループットスクリーニングアッセイ NF−κB(核因子κB)は、炎症性サイトカインIL−1およびTNF、CD 30およびCD40を含む広範囲の薬剤で処理するか、LPSもしくはトロンビ ンに被曝させるかまたは特定のウイルス遺伝子産物の発現によって、活性化され た転写因子である。転写因子として、NF−κBは免疫細胞の活性化、アポトー シスのコントロール(NF−κBは細胞をアポトーシスから遮蔽していると考え られる)、B−およびT−細胞の発生は、抗−ウイルス性および抗−微生物応答 および多重ストレス応答に関係する遺伝子の発現を調節する。 刺激を受けていない条件において、NF−κBはI−κB(阻害物質κB)を有 する細胞質中に保持される。しかしながら、刺激されると、I−κBはホスホリ ル化および分解され、NF−κBは核にシャトルされ、よって標的遺伝子の転写 が活性化される。NF−κBによって活性化される標的遺伝子としてはIL−2 、IL−6、GM−CSF、JCAM−1およびMHCクラス1が挙げられる。 一連の刺激に対して応答する主要な役割および能力により、NF−κBプロモ ーター要素を利用したレポーター組成物を、実施例11において産生する上澄み をスクリーニングするのに用いる。NF−κBの活性分子または阻害分子は疾患 を処置するのに有用であろう。例えば、NF−κBの阻害分子を、慢性関節リウ マチなどのNF−κBの急性もしくは慢性的な活性化に関連する疾患を処置する のに用いることができる。 NF−κBプロモーター要素を含有するベクターを構築するために、PCRに 基づく方法を採用する。上流プライマーはNF−κB結合部位の4個の縦列コピ ー(GGGGACTTTCCC)(配列番号:8)、SV40初期プロモーター配列 の5'末端に相補的な配列の18bpを含んでおり、XhoI部位: とフランクする。 下流プライマーはSV40プロモーターの3'末端に相補的であり、Hind III部位: とフランクする。 pB−gal(クローンテック製のプロモータープラスミド)中に存在するS V40プロモーター鋳型を用いて、PCR増幅を実施する。生成するPCRフラ グメントはXhoIおよびHindIIIを用いて消化され、およびBLSK2 (ストラタジェーン)中にサブクローニングされる。T7およびT3プライマー を用いた配列決定により、下記の配列: を含有する挿入断片を確認する。 次に、pSEAP2プロモータープラスミド(クローンテック)中に存在するS V40最小プロモーター要素を、XhoIおよびHindIIIを用いてNF− κB/SV40フラグメントで置き換える。しかしながら、本ベクターはネオマ シン耐性遺伝子を有せず、したがって哺乳類発現システムに対しては好ましくな い。 安定な哺乳類細胞系を生成するために、NF−κB/SV40/SEAPカセ ットを上記NF−κB/SEAPベクターから、制限酵素SalIおよびNot Iを用いて除去し、ネオマイシン耐性を有するベクター中に挿入する。特に、N F−κB/SV40/SEAPカセットをpGFP−1(クローンテック)中に挿 入し、pGFP−1をSalIおよびNotIを用いて制限後、該GFP遺伝子 を置き換える。 NF−κB/SV40/SEAP/ネオベクターを作製したのち、実施例13 に記載のプロトコールに従い、安定なジャーカットT−細胞を作製し維持する。 同様に、該安定なジャーカットT−細胞を用いて上澄みをアッセイする方法もま た実施例13に記載されている。正のコントロールとして、外因性TNFアルフ ァ(0.1、1、1.0ng)をウェルH9、H10およびH11に加え、その際典 型的に5〜10倍の活性が観察される。実施例17:SEAP活性のアッセイ 実施例13〜16に記載のアッセイ用のレポーター分子として、SEAP活性 を下記の一般的製法に従い、Tropix Phospho-light Kit(Cat.BP-400)用いてア ッセイする。該Tropix Phospho-light Kitは下記で用いる希釈、アッセイおよび 反応用の緩衝液に利用される。 2.5×希釈緩衝液を用いてディスペンサーをプライムし、上澄み(35μl) を含有する至適プレート(Optiplate)中に2.5×希釈緩衝液(15μl)を調剤す る。該プレートをプラスチックのシールで封し、65℃30分間インキュベー トする。該至適プレートを加熱しないように分離する。 試料を室温で15分間冷却する。該ディスペンサーを空にし、アッセイ緩衝液 でプライムする。アッセイ緩衝液(50μl)を加え、室温で5分間インキュベー トする。該ディスペンサーを空にし、反応緩衝液を用いてプライムする(下記の 表を参照)。反応緩衝液(50μl)を加え、室温で20分間インキュベートする 。化学発光シグナルの強度は時間依存性であるので、ルミノメーター上で5個の プレートを読み込むのに約10分間費やし、各時間毎に5個のプレートを処理し 、10分後第2組を開始する。 ルミノメーター中で相対光単位を読む。ブランクとしてH12をセットし、該 結果をプリントする。化学発光の増加はレポーター活性を意味している。 反応緩衝液の処方: 実施例18:小分子の濃度および膜透過性における変化を同定するハイ−スルー プットスクリニングアッセイ リガンドのレセプターへの結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムなどの 小分子の分子内レベルおよびpH、併せて膜電位を変化させることが知られてい る。特定の細胞のレセプターに結合する上澄みを同定するアッセイにおいて、該 変化を測定することが可能である。下記のプロトコールはカルシウムに関するア ッセイを記載しているが、本プロトコールはカリウム、ナトリウム、pH、膜電 位または蛍光プローブによって検出可能ないくつかの他の小分子における変化を 検出するのために容易に改良することができる。 下記のアッセイは、小分子に結合する蛍光分子(分子プローブ)の変化を測定 するのにフルオロメトリック・イメージング・プレート・リーダー(Fluorometri c Imaging Plate Reader、“FLIPR”))を用いる。明らかに、小分子を検出 するいくつかの蛍光分子を本明細書中で使用するカルシウム蛍光分子、フルオ− 3(fluo-3)の代わりに使用することができる。 接着細胞については、底が透明なコ−スターブラック(Co-star black)96− ウェルプレートに細胞を10,000〜20,000細胞/ウェルでシードする。該プレート をCO2インキュベーター中で20時間インキュベートする。該接着分子をバイ オテックウオッシャー(Biotek washer)中でHBSS(ハンクス平衡塩溶液;Hank 's Balanced Salt solution)(200μl)を用いて洗浄し、最終の洗浄後、緩 衝液(100μl)を残す。 フルオ−3(1mg/ml)の倍液を10%プルロニック酸のDMSO中で作る 。 フルオ−3を用いて該細胞をローディングするために、フルオ−3(12μg/ ml)の50μlを各ウェルに加える。該プレートをCO2インキュベーター中、 37℃で60分間インキュベートする。該プレートをバイオテックウオッシャー 中、HBSSを用いて4回洗浄し、緩衝液(100μl)を残す。 非−接着細胞に関しては、細胞を培地からスピンダウンさせる。細胞をコニカ ルチューブ(50ml)中、HBSSを用いて2〜5×106細胞/mlにまで再 度懸濁する。10%プルロニック酸のDMSO中、フルオ−3溶液(1mg/m l)4μlを細胞懸濁液の各mlに加える。次いで、該チューブを37℃の水浴 中に30〜60分間置く。細胞をHBSSで2回洗浄し、1×106細胞/ml にまで再度懸濁し、ミクロプレート(100μl/ウェル)中に調剤する。プレー トを1000rpmで5分間遠心分離する。次いで、プレートをデンリー・セル ・ウオッシュ(Denley Cell Wash)中、200μlを用いて1回洗浄し、続いてア スピレーション工程によって最終量を100μlとする。 細胞の無いアッセイについては、各ウェルはフルオ−3などの蛍光分子を含有 する。上澄みをウェルに加え、蛍光の変化を検出する。 分子内カルシウムの蛍光を測定するために、FLIPRを以下のパラメーター :(1)システムゲインを300〜800mW;(2)被曝時間を0.4秒;( 3)カメラF/ストップをF/2;(4)励起を488nm;(5)発光を53 0nm;および(6)試料の添加を50μlでセットする。530nmでの発光 の増加は細胞外シグナル、さらに細胞内Ca++濃度が増加したことを表す。実施例19:チロシンキナーゼ活性を同定するハイ−スループットスクリーニン グアッセイ タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は貫膜および細胞質キナーゼの異種群の 代表例である。レセプタータンパク質チロシンキナーゼ(RPTK)群において、 一連のマイトジェンおよび代謝成長因子に対するレセプターとしては、PDGF 、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインシュリンレセプターサブファミリ ーが挙げられる。加えて、対応するリガンドが知られていないものとしてはRP TKの大きなファミリーが存在する。RPTKのリガンドとしては、主に分泌小 タ ンパク質だけでなく、膜−結合および細胞外マトリックスタンパク質が挙げられ る。 リガンドによるRPTKの活性化はリガンドが媒介するレセプターの二量化に 関係し、レセプターサブユニットのトランスホスホリレーションおよび細胞質チ ロシンキナーゼの活性化を生じる。該細胞質チロシンキナーゼとしては、レセプ ターが関与したsrc−ファミリーのチロシンキナーゼ(例えば、src、ye s、lck、lyn、fyn)および非−レセプターが連結し且つサイトゾルな タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、Jakファミリー)が挙げられ、該メンバ ーはレセプターのサイトカイン・スーパーファミリー(例えば、インターロイキ ン、インターフェロン、GM−CSFおよびレプチン)によってトリガーされた シグナル形質導入を媒介する。 チロシンキナーゼ活性を刺激することができる公知の因子が広範囲にわたって 存在するために、チロシンキナーゼシグナル形質導入経路を活性化することがで きる新規なヒト分泌タンパク質の同定が関心を持たれている。したがって、チロ シンキナーゼシグナル形質導入経路を活性化することができるヒト分泌タンパク 質を同定するために、下記のプロトコールを設計する。 96ウェルのロプロダイン・サイレント・スクリーン・プレート(Loprodyne S ilent Screen Plates)(ナルゲナンク(Nalge Nunc)(ナパービル(Naperville)、I L)製)中、密度:およそ25,000細胞/ウェルで、標的細胞(例えば、1級ケラチ ノサイト)をシードする。該プレートを100%エタノールで30分間(×2)、 殺菌し、次に水ですすいだ後、終夜乾燥する。いくつかのプレートを、細胞培養 グレードI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)もしくはポリリシン (50mg/ml)(これら全てシグマ化学社(セントルイス、MO)から購入、も しくは10%マトリゲル(Matrigel)(ベクトン・ディキンソン社(ベッドフォード 、MA)から購入)または子牛(calf)血清100mlを用いて2時間コーティング し、PBSですすぎ、4℃で貯蔵する。48時間後、該プレート上での細胞増殖 をアッセイする、すなわち、該細胞を増殖培地に中5,000細胞/ウェルでシード し、次いでアラマーバイオサイエンス社(Alamar Bioscience)の説明文にしたが ってアラマーブルー(alamarBlue)を用いて細胞数を間接的に定量する。 ベクトンディキンソン(ベッドフォード、MA)製のファルコンプレートカバー(F alcon plate covers)#3071をロプロダイン・サイレント・スクリーン・プレー トをカバーするために使用する。ファルコンマイクロテストIII細胞培養プレ ートをまたいくつかの増殖実験において用いることができる。 抽出物を製造するために、A431細胞をロプロダイン・プレート(20,000/2 00ml/ウェル)のナイロン膜上でシードし、完全培地中で終夜培養する。血清 フリーのベース培地中で24時間インキュベートすることで、細胞を休止する。 EGF(60ng/ml)または実施例11において産生する上澄み(50μl)を 用いて5〜20分間処理した後、培地を除き、抽出緩衝液(100ml)(20m M HEPES、pH7.5、0.5M NaCl、1% TritonX−10 0、0.1%SDS、2mM Na427およびプロテアーゼ阻害物質のカクテ ル(#1836170)(ベーリンガー・マンハイム(インディアナポリス、IN)製)を各 ウェルに加え、プレートを回転シェーカー上4℃で5分間振り混ぜる。次いで、 プレートを真空移動マニホールド中に置き、抽出液について各ウェルの底部分を ホース真空を用いて、膜(0.45mm)を通してろ過する。抽出液を真空マニホ ールド低部の96−ウェルキャッチ(catch)/アッセイプレート中に集め、直ち に氷上に置く。遠心分離によって透明にした抽出液を得るために、5分間デター ジェント可溶化を行なった後、各ウェルの内容物をとり、4℃で15分間遠心分 離(16,000xg)する。 ろ過した抽出液について、チロシンキナーゼ活性を試験する。チロシンキナー ゼ活性を検出する方法は多く知られているが、1方法を本明細書中に記載する。 一般に、上澄み液のチロシンキナーゼ活性は特定の基質(ビオチン化ペプチド )におけるチロシン残基を燐酸化する能力を測ることにより評価する。本目的に 用いることができるビオチン化ペプチドとしては、PSK1(細胞分裂キナーゼ cdc2−p34のアミノ酸6〜20に対応)およびPSK2(ガストリンのア ミノ酸1〜17に対応)が挙げられる。両ペプチドはある範囲内にあるチロシン キナーゼ用の基質であり、ベーリンガー・マンハイムから入手可能である。 チロシンキナーゼ反応を、順次下記の成分を加えることで始める。第1にビオ チン化ペプチド(5μM、10μl)を加え、次いでATP/Mg2+(5mM A TP/50mM MgCl2)、次いでアッセイ緩衝液(40mMイミダーゾール 塩酸、pH7.3、40mMベータ−グリセロホスフェート、1mM EGTA 、100mM MgCl2、5mM MnCl2、0.5mg/ml BSA)(10 μl、5×)、次いでバナジン酸ナトリウム(5μl、1mM)、さらに水(5μl )を加える。該成分をゆっくりと混合し、反応混合物を30℃で2分間予めイン キュベートする。コントロール酵素(10μl)またはろ過した上澄み液を加える ことで反応を開始する。 次いで、EDTA(120mm、10μl)を加え、反応液を氷上に置くことで 、チロシンキナーゼアッセイ反応を終結する。 マイクロタイタープレート(MTP)モジュールに反応混合物(50μl)を転写 し、37℃で20分間インキュベートすることで、チロシンキナーゼ活性を決定 する。それにより、ストレプトアビジン被覆96ウェルプレートをビオチン化ペ プチドと会合させる。MTPモジュールをPBS(300μl/ウェル)を用いて 4回洗浄する。次に、西洋わさびペルオキシダーゼ(抗−P−Tyr−POD(0 .5μl/ml))と接合させた抗−ホスホチロシン抗体(75μl)を各ウェルに 加え、37℃で1時間インキュベートする。該ウェルを上記の通り洗浄する。 次に、ペルオキシダーゼ基質溶液(ボーリンガー・マンハイム)(100μl)を 加え、室温で少なくとも5分間(30分間以下)インキュベートする。エライザ リーダーを用いて、試料の吸光度を450nmで測定する。結合したペルオキシ ダーゼ活性の濃度をエライザリーダーを用いて定量し、チロシンキナーゼ活性の 濃度を示す。実施例20:燐酸化活性を同定するハイ−スループットスクリーニングアッセイ 実施例19に記載のタンパク質チロシンキナーゼ活性のアッセイに対して別の および/または賞賛すべきポテンシャルとして、主要な細胞内シグナル形質導入 中間体の活性化(燐酸化)を検出するアッセイを使用可能である。例えば、以下 に記載の通り、ある特定のアッセイはErk−1およびErk−2キナーゼのチ ロシン燐酸化を検出することができる。しかしながら、Raf、JNK、p38 MAP、Mapキナーゼキナーゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋特定キ ナーゼ(MuSK)、IRAK、TecおよびJanusなどの他の分子、併せて いくつかの他のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホトレオニン分子の燐 酸化を、下記のアッセイにおけるErk−1もしくはErk−2用の分子を置換 することによって検出可能である。 特に、96−ウェルエライザプレートのウェルをタンパク質G(1μg/ml) の0.1mlを用いて室温で2時間コーティングすることで作る。次いで、該プ レートをPBSですすぎ、3%BSA/PBSを用いて1時間室温で遮断する。 次いで、該たんぱく質GプレートをErk−1およびErk−2に対して2個の 市販のモノクローナル抗体(100ng/ウェル)を用いて処置する(RTで1時 間)(サンタ・クルズバイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology))。(他の 分子を検出するために、本工程は上記に記載のいくつかの分子を検出するモノク ローナル抗体を置換することによって容易に改良することができる)。PBSを 用いて3〜5回すすいだ後、使用するまで該プレートを4℃で貯蔵する。 A431細胞を96−ウェルのロプロダインフィルタープレート中20,000/ウ ェルでシードし、増殖培地中で終夜培養する。次いで、該細胞を基底培地(DM EM)中48時間飢餓させ、次いでEGF(6ng/ウェル)もしくは実施例11 で得られた上澄み液(50μl)を用いて5〜20分間処置する。次いで、該細胞 を可溶化し、抽出液を直接アッセイプレート中にろ過する。 該抽出液を室温で1時間インキュベートした後、該ウェルを再度すすぐ。正の コントロールとして、MAPキナーゼの市販品(10ng/ウェル)をA431抽 出液のプレート中で使用する。次いで、プレートを市販のポリクローナル(兎)抗 体(このものは、Erk−1およびErk−2キナーゼのホスホリル化されたエ ピトープを特に認識する)を用いて処置する(室温で1時間)。本抗体を標準法 によってビオチン化する。次いで、該結合ポリクローナル抗体をワラック(WAlla c)DELFIA装置(時間−分割蛍光)中、ヨーロッパ−ストレプタビジンおよ びヨーロッパ蛍光増強剤を用いて連続してインキュベートすることによって定量 する。バックグラウンドより増加した蛍光シグナルは燐酸化を表す。実施例21:ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における改変を決定する方法 関心のある表現型(phenotype)(疾患など)を有する家族全員または個々の患者 から単離したRNAを単離する。次いで、cDNAを当分野において公知のプロ トコールを用いてこれらのRNA試料から生成する。(サンブルックを参照)。 次いで、配列番号:Xにおける関心のある領域の周辺に存在するプライマーを使 用して、該cDNAをPCR用鋳型として使用する。提案するPCR条件は、シ ドランスキー(Sidransky),Dらによるサイエンス252:706(1991)に記載の緩衝溶 液を用いた、35サイクルを95℃で30秒間;52〜58℃で60〜120秒 間;および70℃で60〜120秒間からなる。 次いで、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5'末端を標識化したプライ マーを用い、シークイターム(SequiTherm)ポリメラーゼを使用して、PCR産物 を配列決定する(エピセントリー・テクノロジー(Epicentre Technologies))。 選択したエキソンのイントロン−エキソン境界線をまた決定し、ゲノムPCR産 物を分析して結果を確認する。次いで、PCR産物が含まれていると思われる突 然変異物質をクローンし、その配列を決定して直接配列決定の結果とする。 ホルトン(Holton),T.A.およびグラハム(Graham),M.W.による核酸研究(Nuc leic Acids Research)19,1156(1991)に記載のT−末端ベクター中に、PCR産 物をクローン化し、T7ポリメラーゼ(合衆国バイオケミカル)を用いて配列決定 する。影響を受けた個体は、影響を受けていない個体のなかに存在しない突然変 異物質によって同定される。 ゲノム転位をまたポリヌクレオチドに相当する遺伝子中での改変を決定する方 法として観察する。実施例2に従い単離したゲノムクローンをジゴキシゲニン− ウリジン5'−トリホスフェート(ボーリンガーマンハイム)およびFISH(ジ ョンソン(Johonson)Cgらによる細胞生物学の方法(Methods Cell Biol.)35:73 −99(1991)に記載の通り実施)を用いてニックトランスレーションする。対応す る遺伝子座に対する特定のハイブリダイゼーション用に、大過剰のヒトcot− 1DNAを用いて、該標識化したプローブとのハイブリダイゼーションを実施す る。 染色体を4,6−ジアミノ−2−フェニルイドール(4,6-diamino phenylidole) およびヨウ化プロピジウムを用いて対比染色し、C−およびR−バンドの組み合 わせを産生する。トリプル−バンドフィルターセット(triple-band filter set) (Chroma Technology,Brattleboro,VT)を冷却−チャージ−カップル・デバイス カメラ(cooled charge-coupled device camera)(Photometrics,Tuscon,AZ)お よび可変励起波長フィルター(ジョンソン,CvらによるGenet.Anal.Tech.App l.,8: 75(1991))と組み合わせて用いて、正確なマッピング用に並べたイメージ を得る。イメージの収集、分析および染色体フラクショナルレングス測定をIS eeグラフィカルプログラムシステム(Inovision Corporation,Durham,NC)を 用いて実施する。プローブによってハイブリダイゼーションしたゲノム領域の染 色体の改変は、挿入、欠失および転位として同定される。該改変を関連疾患用の 診断指示薬として用いる。実施例22:生物学的試料中のポリペプチドの異常レベルを検出する方法 本発明のポリペプチドを生物学的試料中で検出可能であり、該ポリペプチドの レベルの増加もしくは低下を検出する場合、本ポリペプチドは特定の表現型用の 指示薬となる。検出方法は膨大であるが、したがって当業者は下記のアッセイを 特定の要求に合うように改良することが可能である。 例えば、抗体−サンドイッチエライザ法を試料、好ましくは生物学的試料中の 可溶性ポリペプチドを検出するのに用いる。ミクロタイタープレートのウェルを 、特定の抗体を用いて0.2〜10μg/mlの最終濃度でコーティングする。 該抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体であり、実施例10において 記載の方法によって産生する。ウェルに対するポリペプチドの非−特定結合を減 少するように、該ウェルを遮断する。 次いで、該コーティングしたウェルを、該ポリペプチドを含有する試料と共に 、室温で>2時間インキュベートする。結果を確証するのに一連の希釈試料を使 用する。次いで、非結合のポリペプチドを除去するために、該プレートを脱イオ ン水または蒸留水を用いて3回洗浄する。 次に、濃度:25〜400ngで、特定の抗体−アルカリ性ホスファターゼ接 合体(50μl)を加え、室温で2時間インキュベートする。非結合の接合体を除 去するために、該プレートを再度脱イオン水または蒸留水を用いて3回洗浄する 。 4−メチルウンベリフェリルホスフェート(MUP)またはp−ニトロフェニル ホスフェート(NPP)基質溶液(75μl)を各ウェルに加え、室温で1時間イン キュベートする。反応液をミクロタイタープレートリーダーによって測定する。 一連の希釈コントロール試料を用いて標準曲線を作製し、ポリペプチドの濃度を X−軸に(対数スケール)および蛍光もしくは吸光をY−軸(一次スケール)でプロ ットする。試料中のポリペプチドの濃度を標準曲線を用いて内挿する。実施例23:ポリペプチドの処方 分泌ポリペプチド組成物を、個々の患者の臨床状態(特に、該分泌ポリペプチ ドのみで処置した場合の副作用)、運搬の部位、投与方法、投与スケジュールお よび診療医に公知の他の因子を考慮した良い医療と一致する様式で、処方および 服用する。したがって、本明細書における目的の“有効量”をそういったことを 考慮して決定する。 一般的な比率として、薬用量当りの非経口的に投与する分泌ポリペプチドの医 薬的な総有効量とは、上述した通り、このことは治療学的判断の主題であるが、 患者の体重に基づいて約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲にわたる 。本服用量は少なくとも0.01mg/kg/日であることがより好ましく、ヒ トの場合、ホルモンとして約0.01〜1mg/kg/日の間であることが最も 好ましい。連続投与の場合は、該分泌ポリペプチドは、典型的に約1μg/kg /時間〜約50μg/kg/時間の服用の割合で、日に1〜4回注射するかもし くは例えばミニ−ポンプを用いて連続的に皮下注入することで投与する。静脈用 バッグ(bag)溶液を使用してもよい。治療の長さは変化を観察するのに必要であ り、生じた応答に対する次の処置までの間隔は望む効果によって変わってくると 考えられる。 本発明の分泌タンパク質を含有する医薬的組成物を経口、非経口、槽内(intra cistemally)、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏、ゲル剤、点剤もしくは経皮パ ッチとして)、頬(bucally)、または口もしくは鼻スプレーとして投与する。“ 医薬的に許容し得る担体”とは、無毒な固体、半固体もしくは液体充填剤 (filler)、希釈剤(diluent)、被膜に囲まれた物質もしくはいかなる型の補助と なる処方物を称する。本明細書中で使用する語句“非経口”とは、血管内、筋肉 内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注射および注入を称する。 該分泌ポリペプチドをまた持続性システムによって適当に投与する。持続性組 成物の適当な例としては、形状粒子、例えばフィルム剤もしくはマイクロカプセ ルの形態の半−透過性ポリマーマトリックスが挙げられる。持続性マトリックス としてはポリアクチド(米国特許番号第3,773,919号、ヨーロッパ特許番号(EP )58,481)、L−グルタミン酸およびL−グルタミン酸ガンマ−エチル(シドマン (Sidman),Uら、Biopolymers,22:547〜556(1983))、ポリ(メタクリル酸2−ヒ ドロキシエチル)(R.ランガー(Langer)ら、J.Biomed.Mater.Res.,15:167-22 7(1981)およびR.ランガー、Chem.Tech.,12: 98-105(1982))、エチレンビニル アセタート(R.ランガーら)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP13 3,988)が挙げられる。持続性組成物としてはまたリポソームを包含したポリペプ チドが挙げられる。分泌ポリペプチドを含有したリポソームは、DE3,218,121 ;エプステイン(Epstein)ら、Proc.Natl.Acad.USA 82: 3688-3692(1985);フ ーワング(Hwang)ら、Proc.Natl.Acad.USA 77: 4030−4034(1980);EP52,32 2;EP36,676;EP88.046;EP143,949;EP142,641;日本特許出願番号83 −118008;米国特許番号4,485,045および4,544,545;およびEP102,324に示さ れる公知の方法により製造される。通常、リポソームは小さな(約200〜800オン グストローム)単膜であり、該脂質成分はコレステロールが約30モルパーセン ト以上であり、該選択比は至適分泌ポリペプチド治療用に調節される。 非経口的投与については、1実施態様において、該分泌ポリペプチドを目的の 純度で、注射用単位用量形態(液剤、懸濁剤もしくは乳化剤)で、医薬的に許容 し得る担体、すなわち使用する用量および濃度で受容体に無毒であり、処方物の 他の活性成分と相容性の担体と混合することにより処方される。例えば、処方物 としては酸化剤およびポリペプチドにとって有害であることが知られている他の 組成物を含まないことが好ましい。 一般的に、処方物はポリペプチドを液体担体もしくは微粉砕固体の担体または その両方と均一におよび密接に接触させることで製造する。次いで、必要ならば 、生成物を目的の処方の形にする。担体としては、非経口担体が好ましく、受容 体の血液と等張である液体がより好ましい。該担体ビヒクルの例としては、水、 食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。不揮発性油およ びオレイン酸エチルなどの非−水性ビヒクルがまた、リポソームと同様に本明細 書中で有用である。 該担体は等張性および化学的安定性を増大する基質などの少量の添加物を適当 に含有する。該物質は使用する薬用量および濃度で受容体にとって無毒であり、 リン酸塩、クエン酸塩、酢酸および他の有機酸もしくは該塩などの緩衝液;アス コルビン酸などの抗酸化剤;低分子量(薬10残基以下)ポリペプチド、例えば ポリアルギニンもしくはトリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫 グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グ リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸もしくはアルギニンなどのアミノ酸;単 糖類、二糖類およびセルロースもしくは該誘導体、グルコース、マンノースもし くはデキストリンを含有する他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニ トールもしくはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの対イオン; および/またはポリソルベート、ポロクサマーもしくはPEGなどの非イオン性 界面活性剤が挙げられる。 分泌ポリペプチドは典型的に濃度:約0.1mg/ml〜100mg/ml、 好ましくは1〜10mg/mlで、pH約3〜8で該ビヒクルに処方される。前 述の特定の賦形剤、担体または安定剤を使用することによりポリペプチド塩が形 成すると理解すべきである。 治療学的投与に使用するいかなるポリペプチドも減菌することができる。無菌 状態は減菌ろ過膜(例えば、0.2ミクロン膜)を通してろ過することで容易に 達成される。治療用ポリペプチド組成物を一般的に、減菌アクセスポート(acses s port)を有するコンテナー、例えば皮下注射ニードルによって透過可能なスト ッパーを有する静脈用溶液バッグまたはバイアル中に置く。 通常ポリペプチドは、単位もしくは多重−服用コンテナー、例えば密封したア ンプルもしくはバイアル中に、水溶液もしくは再構成用の凍結乾燥処方物として 、 貯蔵する。凍結乾燥処方物の例としては、10mlバイアルを減菌−ろ過した1 %(w/v)ポリペプチド水溶液(5ml)で充填し、生成した混合物を凍結乾燥す る。該注入溶液を注射用の静菌(bacteriostatic)水を用いて凍結乾燥したポリペ プチドを再構成することによって製造する。 本発明はまた、本発明の医薬的組成物のうち1個以上の活性成分で充填した1 個以上のコンテナーからなる医薬的パックもしくはキットを提供する。該コンテ ナーは、医薬もしくは生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関 によって指定されるような注意書を付けることができ、該注意書はヒト投与用品 の製造、使用または販売について承認を得たものである。さらに、本発明のポリ ペプチドは他の治療学的化合物と併用することもできる。実施例24:ポリペプチドの濃度減少を治療する方法 個体における分泌タンパク質の標準もしくは正常な発現濃度が減少することで 引き起こされる症状を、本発明のポリペプチドを、好ましくは分泌形態で投与す ることによって治療することが可能であると理解できる。したがって、本発明は また該個体におけるポリペプチドの活性濃度を増加するだけのポリペプチドの量 からなる医薬組成物を該個体に投与することからなるポリペプチドの濃度の増加 を必要とする個体の治療方法を提供する。 例えば、ポリペプチドの濃度が減少している患者に、連続6日間ポリペプチド を用量;0.1〜100μg/kg/日にて与える。ポリペプチドは分泌形態で あることが好ましい。服用スキームの正確な詳細は、投与および処方に基づいて 、実施例23に示す。実施例25:ポリペプチドの濃度増大を治療する方法 本発明のポリペプチドの産生抑制に、アンチセンス技術を用いる。本技術は、 ポリペプチドの濃度を減少する方法の1例であり、分泌形態が好ましく、ガンな どの様々な病因学のためのものである。 例えば、ポリペプチドの濃度が異常に増加していると診断された患者は、アン チセンスポリヌクレオチドを0.5、1.0、1.5、2.0および3.0mg/k g/日で21日間静脈内投与する。該処置によく耐えられるならば、本処置を残 りの7日間繰り返す。アンチセンスポリヌクレオチドの処方を実施例23に示す 。実施例26:遺伝子治療を用いる治療方法 遺伝子治療の1方法では、ポリペプチドを発現することができる繊維芽細胞を 患者に移植する。一般的に、繊維芽細胞は皮膚生体組織検査によって被験者から 得る。生成した組織を組織培養培地中に置き、小片に分ける。該組織の小さなチ ャンクを組織培養フラスコの湿った表面に置き、約10個の小片を各フラスコに 置く。該フラスコを上下に振り、密封し、室温で終夜放置する。室温で24時間 後、各フラスコを逆にし、組織のチャンクをフラスコの底に固定し、新鮮な培地 (例えば、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを有するハム(H am's)のF12培地)を加える。次いで、該フラスコを37℃で約1週間インキ ュベートする。 ここで、新鮮な培地を加え、引き続いて7週間毎に交換する。さらに2週間後 、培地中に繊維芽細胞の単層が現れる。該単層をトリプシン処理し、より大きな フラスコに入れる。 モロニー(Moloney)マウス肉腫ウイルスの長末端反復によってフランクしたp MV−7(キルシュマイヤー(Kirshmeier),P.T.らによる、DNA,7:219−25 (1988))を、EcoRIおよびHindIIIを用いて消化し、引き続いて子牛 腸ホスファターゼを用いて処理する。直鎖状ベクターをアガロースゲル上で分画 し、グラスベッドを用いて精製する。 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、PCRプライマー(このもの は、実施例1に記述した通り、5'および3'末端配列にそれぞれ対応する)を用 いて増幅する。該5'プライマーはEcoRI部位を含有し、該3'プライマーは HindIII部位を含んでいることが好ましい。モロニーマウス肉腫ウイルス 直鎖骨格の等量、並びに増幅されたEcoRIおよびHindIIIフラグメン トを、T4DNAリガーゼの存在下一緒に加える。生成した混合物を2個のフラ グメントのライゲーションに適当な条件下で維持する。次いで、ライゲーション 混合物をバクテリアHB101の形質転換に用い、次いで該ベクターが適当に挿 入された所定の遺伝子を有していることを確認する目的で、このものをカナマイ シンを含有する寒天中にプレートする。 両種性pA317もしくはGP+am12パッケージング細胞を、ダルベッコ 改良イーグルス培地(Dulbecco's Modified Eagles Medium; DEME、10% 子牛血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有)における密度を 集合(confluent)させるために、組織培地中で増殖する。次いで、該遺伝子を含 有するMSVベクターを該培地中に加え、該ベクターを用いてパッケージ細胞を 形質導入する。ここで、該パッケージ細胞は該遺伝子を含有する感染性ウイルス 粒子を産生する(ここで、該パッケージ細胞はプロデューサー細胞と称される) 。 形質転換したプロデューサー細胞に新鮮な培地を加え、次いで集合したプロデ ューサー細胞10cmプレートから、該培地を収集する。感染性ウイルス粒子を 含有する使用済み培地をミリポアフィルターを通してろ過し、剥離したプロデュ ーサー細胞を分離し、次いでこの培地を繊維芽細胞に感染させるために用いる。 該培地を繊維芽細胞の集合したサブプレートから除去し、すばやくプロデューサ ー細胞由来の培地と置きかえる。この培地を除き、新しい培地と置換する。ウイ ルスの力価が高い場合、繊維芽細胞の全てが視覚的に感染し、選別は必要ない。 該力価が非常に低い場合、ネオもしくはヒス(his)などの選択マーカーを有する レトロウイルスベクターを用いる必要がある。一旦、該繊維芽細胞が効率的に感 染したならば、該繊維芽細胞を分析して、タンパク質が産生されているかどうか を決定する。 次いで、改変された繊維芽細胞を単独で、またはサイトデックス(cytodex)3 微小担体ビーズ上で増殖、集合させた後、宿主細胞中に移植する。 上記の説明および実施例中に特に記載した以外の方法で、本発明を実施しても よいことは明白である。上記教示に照らして、本発明について数多くの改良およ び変更が可能であり、これらは添付した請求の範囲の範囲内に含まれる。 本発明の背景技術、詳細な説明および実施例において引用した各文書の完全な 開示(特許、特許出願、刊行物の記事、要約書、実験マニュアル、書籍もしくは 他の開示を含有する)を、引例として本明細書中にそっくりそのまま盛りこむ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/06 A61P 31/00 17/02 31/04 31/00 31/12 31/04 33/00 31/12 35/00 33/00 37/04 35/00 37/06 37/04 37/08 37/06 43/00 37/08 C07K 14/47 43/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A G01N 33/53 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/038,621 (32)優先日 平成9年3月7日(1997.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/040,161 (32)優先日 平成9年3月7日(1997.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/040,626 (32)優先日 平成9年3月7日(1997.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/040,334 (32)優先日 平成9年3月7日(1997.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/040,336 (32)優先日 平成9年3月7日(1997.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/040,163 (32)優先日 平成9年3月7日(1997.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,580 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,568 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,314 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,569 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,311 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,671 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,674 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,669 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,312 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,313 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,672 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,315 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,578 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,576 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/043,670 (32)優先日 平成9年4月11日(1997.4.11) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ローゼン,クレイグ・エイ アメリカ合衆国20882メリーランド州レイ トンズビル、ローリング・ヒル・ロード 22400番 (72)発明者 フィッシャー,キャリー・エル アメリカ合衆国22015バージニア州バーク、 ホール・ストリート5810番 (72)発明者 ソペット,ダニエル・アール アメリカ合衆国22020バージニア州センタ ービル、スティルフィールド・プレイス 15050番 (72)発明者 カーター,ケネス・シー アメリカ合衆国20878メリーランド州ノー ス・ポトマック、ブランディ・ホール・レ イン11601番 (72)発明者 ベッドナリック,ダニエル・ピー アメリカ合衆国21046メリーランド州コロ ンビア、ブルー・シー・ドライブ8822番 (72)発明者 エンドレス,グレゴリー・エイ アメリカ合衆国20854メリーランド州ポト マック、クラゲット・ファーム・ドライブ 9729番 (72)発明者 ユ,グオ−リアン アメリカ合衆国94403カリフォルニア州サ ン・マテオ、マリーナ・コート1714シー番 (72)発明者 ニ,ジャン アメリカ合衆国20853メリーランド州ロッ クビル、マナーフィールド・ロード5502番 (72)発明者 フェン,ピン アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、レルダ・コート4番 (72)発明者 ヤング,ポール・イー アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ベックウィズ・ストリート 122番 (72)発明者 グリーン,ジョン・エム アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ダイアモンド・ドライブ 872番 (72)発明者 フェリー,アン・エム アメリカ合衆国01876マサチューセッツ州 トゥークスベリー、フォックス・ラン・ド ライブ120番 (72)発明者 デュアン,ロクサーヌ アメリカ合衆国20814メリーランド州ベセ ズダ、フェアーフィールド・ドライブ4541 番 (72)発明者 フ,ジン−シャン アメリカ合衆国94086カリフォルニア州サ ニーベイル、レイクサイド・ドライブ・ナ ンバー3034、1247番 (72)発明者 フローレンス,キンバリー・エイ アメリカ合衆国20851メリーランド州ロッ クビル、アトランティック・アベニュー 12805番 (72)発明者 オルセン,ヘンリック・エス アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ケンドリック・プレイス・ ナンバー24、182番 (72)発明者 エブナー,ラインハルト アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、シェルバーン・テラス・ナ ンバー316、9906番 (72)発明者 ブルーワー,ローリー・エイ アメリカ合衆国55119ミネソタ州セント・ ポール、バン・ダイク・ストリート410番、 アパートメント115 (72)発明者 ムーア,ポール・エイ アメリカ合衆国22102バージニア州マクリ ーン、ホーリー・リッジ・ドライブ1908 番、アパートメント・ナンバー104 (72)発明者 シー,ヤンギュ アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ウエスト・サイド・ドライ ブ437番 (72)発明者 ラフルーア,デイビッド・ダブリュー アメリカ合衆国20015ワシントン・ディス トリクト・オブ・コロンビア、ノースウエ スト、ケサダ・ストリート3142番 (72)発明者 リ,イ アメリカ合衆国94086カリフォルニア州サ ニーベイル、レイクサイド・ドライブ・ナ ンバー3034、1247番 (72)発明者 ツェン,ツィーツェン アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、サドルビュー・ドライブ 13950番 (72)発明者 キャウ,フラ アメリカ合衆国21703メリーランド州フレ デリック、シュガーブッシュ・サークル 520番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号:Xとハイブリダイズできる、配列番号:Xのポリヌクレオ チドフラグメントまたはATCC寄託番号:Zに含まれるcDNA配列のポリヌ クレオチドフラグメント; (b)配列番号:Xとハイブリダイズできる、配列番号:Yのポリヌクレオチ ドフラグメントをコードするポリヌクレオチドまたはATCC寄託番号:Zに含 まれるcDNA配列によってコードされるポリヌクレオチドフラグメント; (c)配列番号:Xとハイブリダイズできる、配列番号:Yのポリヌクレオチ ドドメインをコードするポリヌクレオチドまたはATCC寄託番号:Zに含まれ るcDNA配列によってコードされるポリヌクレオチドドメイン; (d)配列番号:Xとハイブリダイズできる、配列番号:Yのポリヌクレオチ ドエピトープをコードするポリヌクレオチドまたはATCC寄託番号:Zに含ま れるcDNA配列によってコードされるポリヌクレオチドエピトープ; (e)配列番号:Xとハイブリダイズでき、かつ生物学的活性を有する、配列 番号:YのポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドまたはATCC寄託 番号:Zに含まれるcDNA配列; (f)配列番号:Xの変異型であるポリヌクレオチド; (g)配列番号:Xの対立変異型であるポリヌクレオチド; (h)配列番号:Yに相同な種をコードするポリヌクレオチド; (i)(a)〜(h)において述べたいずれか1つのポリヌクレオチドにスト レンジェントな条件下で、ハイブリダイズすることのできるポリヌクレオチドで あって、該ポリヌクレオチドはA残基のみまたはT残基のみのヌクレオチド配列 を有する核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズしないもの; からなる群から選ばれる配列と少なくとも95%が同一であるヌクレオチド配列 を有するポリヌクレオチドからなる単離核酸分子。 2.ポリヌクレオチドフラグメントが分泌タンパク質をコードするヌクレオチド 配列からなる請求の範囲1に記載の単離核酸分子。 3.ポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号:Xとハイブリダイズできる、 配列番号:Yと同定された配列をコードするヌクレオチド配列またはATCC寄 託番号:Zに含まれるcDNA配列によってコードするポリヌクレオチドからな る請求の範囲1に記載の単離核酸分子。 4.ポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号:Xとハイブリダイズできる、 配列番号:Xの完全ヌクレオチド配列またはATCC寄託番号:Zに含まれるc DNA配列からなる請求の範囲1に記載の単離核酸分子。 5.ヌクレオチド配列がC−末端またはN−末端のいずれかから逐次ヌクレオチ ド欠失した請求の範囲2に記載の単離核酸分子。 6.ヌクレオチド配列がC−末端またはN−末端のいずれかから逐次ヌクレオチ ド欠失した請求の範囲3に記載の単離核酸分子。 7.請求の範囲1に記載の単離核酸分子からなる組換えベクター。 8.請求の範囲1に記載の単離核酸分子からなる組換え宿主細胞を作る方法。 9.請求の範囲8に記載の方法によって産出された組換え宿主細胞。 10.ベクター配列からなる請求の範囲9に記載の組換え宿主細胞。 11.(a)配列番号:YのポリペプチドフラグメントもしくはATCC寄託番 号:Z中に含まれるそのコード配列; (b)配列番号:YのポリペプチドフラグメントもしくはATCC寄託番号: Z中に含まれるそのコード配列で、生物学的活性を有するもの; (c)配列番号:YのポリペプチドドメインもしくはATCC寄託番号:Z中 に含まれるそのコード配列; (d)配列番号:YのポリペプチドエピトープまたはATCC寄託番号:Z中 に含まれるそのコード配列; (e)配列番号:Yの分泌形態またはATCC寄託番号:Z中に含まれるその コード配列; (f)配列番号:Yの完全鎖タンパク質またはATCC寄託番号:Z中に含ま れるそのコード配列; (g)配列番号:Yの変異体; (h)配列番号:Yのアレル変異体;または (i)配列番号:Yに相同な種; から選ばれる配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列からなる単離ポリペプ チド。 12.該分泌形態または該完全鎖タンパク質がC−末端またはN−末端のいずれ かから逐次アミノ酸欠失した請求の範囲11に記載の単離ポリペプチド。 13.請求の範囲11に記載の単離ポリペプチドに特異的に結合する単離抗体。 14.請求の範囲11に記載の単離ポリペプチドを発現する組換え宿主細胞。 15.(a)該ポリペプチドが発現するような条件下、請求の範囲14に記載の 組換え宿主細胞を培養し;次いで (b)該ポリペプチドを回収すること; からなる単離ポリペプチドの製造方法。 16.請求の範囲15によって製造されるポリペプチド。 17.請求の範囲11に記載のポリペプチドまたは請求の範囲1に記載のポリペ プチドの治療学的に有効量を哺乳類の被験者に投与することからなる、健康状態 を予防、処置または回復する方法。 18.被験者の病理状態または病理状態に対する罹患性を診断する方法であって 、 (a)請求の範囲1に記載のポリペプチドにおける突然変異の有無を決定し; (b)該突然変異の有無に基づいて病理状態を診断または病理状態に対する罹 患性を診断する方法。 19.被験者における病理状態または病理状態に対する罹患性を診断する方法で あって、 (a)生物学的試料における請求の範囲11に記載のポリペプチドの発現の有 無を決定し; (b)該ポリペプチドの発現の有無に基づいて病理状態または病理状態の罹患 性を診断する方法。 20.請求の範囲11に記載のポリペプチドに対する結合パートナーを同定する 方法であって、 (a)請求の範囲11に記載のポリペプチドと結合パートナーを接触させ; (b)該結合パートナーが該ポリペプチドの活性に影響を及ぼすかどうかを決 定することからなる方法。 21.配列番号:YのcDNA配列に相当する遺伝子。 22.生物学的アッセイにおける活性を同定する方法であって、該方法が (a)細胞内で配列番号:Xを発現し; (b)上澄みを単離し; (c)生物学的アッセイにおける活性を検出し;および (d)該活性を有する上澄みにおけるタンパク質を同定する; ことからなる方法。 23.請求の範囲22に記載の方法によって産生する生成物。
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