JP2002518496A - (複素環)メチル置換カルバペネムカルバペネム抗細菌物質 - Google Patents

(複素環)メチル置換カルバペネムカルバペネム抗細菌物質

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JP2002518496A
JP2002518496A JP2000555893A JP2000555893A JP2002518496A JP 2002518496 A JP2002518496 A JP 2002518496A JP 2000555893 A JP2000555893 A JP 2000555893A JP 2000555893 A JP2000555893 A JP 2000555893A JP 2002518496 A JP2002518496 A JP 2002518496A
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Abstract

(57)【要約】 式(I)の化合物及びその薬物的に許容される塩が開示される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は、カルバペネム核が、2位に、CH基を介して結合している、1,
1−ジオキソ−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレンによって置換され
ているカルバペネム抗細菌剤に関する。
【0002】 本発明のカルバペネムは、グラム陽性微生物、特に、メチシリン耐性スタフィ
ロコッカス・オーレウス(MRSA)、メチシリン耐性スタフィロコックカ・エ
ピデルミジス(MRSE)及びメチシリン耐性コアグラーゼ陰性スタフィロコッ
シー(MRCNS)に対して有用である。それ故、本発明の抗細菌性化合物は、
病原体を制御することが困難であるものによって起こされる感染を処置するため
の治療に対して重要な貢献となる。同時に望ましくない副作用が比較的無い、こ
のような病原体(MRSA/MRCNS)に対して有効である薬剤がますます必
要とされている。
【0003】 発明の要約 本発明の化合物は、その薬物的に許容される塩を含めて、式I:
【0004】
【化12】 [式中、Rは、H又はメチルを表わし、 Rは、H、C1−6アルキル、Het(R又は
【0005】
【化13】 を表わし、 該C1−6アルキルは、置換されていないか又はRから選択された1〜3個
の基で置換されており、 又はRは、基R及びいずれかの介在原子と一緒になって、6員環を表わすこ
とができ、 COMは、カルボン酸、薬物的に許容されるカルボン酸塩、カルボキシラー
トアニオン、薬物的に許容されるエステル基又は保護基によって保護されたカル
ボン酸を表わし、 Pは、水素、ヒドロキシル、F又はヒドロキシル保護基によって保護されたヒ
ドロキシルを表わし、 各Rは、独立に、R
【0006】
【化14】 、Het(R、C2−6アルケニル又は基L−Q−Rを表わし(但し、
種類L−Q−Rの1個のみのR基が存在し得るか又は1個のR基は、存在する
場合L及びいずれかの介在原子と一緒になって5〜6員環を表わすことができる
)、 Lは、1〜2個のO、S、NR、C(O)、CO及びC(O)NRによ
って中断されていない、中断された又は停止された、C1−4直鎖又は分枝鎖ア
ルキレンであり、 Qは、
【0007】
【化15】 を表わし、 Yは、電荷バランス基であり、 nは、全電荷中性度を維持するように選択された0〜2の値であり、 Rは、H又はC1−6アルキルであり、 Rは、直鎖又は分枝鎖の、1〜2個のO、S、NR、C(O)、C(O)
O、C(O)NR、−CH=CH−、−Het(R−、−C(O)He
t(R−、−C(O)NRHet(R−、
【0008】
【化16】 によって中断されていない、中断された又は停止された、C1−6アルキルであ
り、 該Rは、置換されていないか又は1〜3個のR基で置換されており、 Hetは、ヘテロアリール基であり、 各Rは、独立に、H、ハロ、OR、OC(O)R、C(O)R、CN
、C(O)NR、NO、NR、SONR及び置換されて
いない又はRから選択された1〜3個の基で置換されたC1−4アルキルから
選択され、 各Rは、独立に、ハロ、OR、OC(O)R、SR、S(O)R
SO、CN、C(O)R、CO、NR、N、C(O)NR、−Het(R、C(=N)R 、C(=N)NR、NRC(=N)R 、NRC(=N)NR、ヘテロアリーリウム(R 、SONR、OC(O)NR、NRC(O)R、NR C(O)NR及び
【0009】
【化17】 から選択されるか 又はその代わりに、2個若しくは3個以上のRが存在するとき、2個のR 基は、いずれかの介在原子と一緒になって、任意に1〜3個のO、S、NR
びC(O)で中断された3〜6員の炭素環式環(該環は、置換されていないか又
は1〜3個のR基で置換されている)を形成することができ、 Rは、H若しくはC1−4アルキルであるか又はR及びRはいずれかの
介在原子と一緒になって4〜6員の環を表わし、 各Rは、独立に、ハロ、OR、NR及びCONRから選択さ
れ、 Rは、H、置換されていない若しくは1〜3個のR基で置換されたC1− 直鎖若しくは分枝鎖アルキル、−Het(R、置換されていない若しく
は1〜3個のR基で置換されたC3−6シクロアルキル及び
【0010】
【化18】 であるか 又はR及びRは、介在原子と一緒になって、任意にO、S、NR若しく
はC(O)によって中断された4〜6員の環を形成し、 Rは、H、置換されていない若しくは1〜3個のR基で置換されたC1− アルキル、置換されていない若しくは1〜3個のR基で置換されたC3−6 シクロアルキル、C(=N)R若しくはC(=N
NRであるか 又はR及びRは、いずれかの介在原子と一緒になって、任意にO、S、N
若しくはC(O)によって中断された4〜6員の環を形成し、そして Zは、Y、酢酸塩、安息香酸塩、臭化物、塩化物等のような一価アニオン
又はCOM(式中、Mは負電荷である)のような内部アニオンから選択された
電荷バランス基である] によって表わされる。
【0011】 発明の詳細な説明 本発明を、他に特定しない限り下記に定義する用語を使用して、詳細に説明す
る。
【0012】 カルボキシラートアニオンは、負に帯電した基−COOを指す。
【0013】 用語「アルキル」は、他に定義しない限り、1〜15個の炭素原子を含有する
基から誘導された一価のアルカン(炭化水素)を指す。これは直鎖又は分枝鎖で
あってよい。好ましくは、アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル及びt−ブチルが含まれる。置換されているとき、アルキル基は
、全ての利用可能な結合点で、定義されたようなR又はRから選択された、
3個以下の置換基で置換されていてよい。アルキル基がアルキル基によって置換
されていると言うとき、これは「分枝したアルキル基」と互換的に使用される。
【0014】 シクロアルキルは、炭素原子間の二重結合を交互に並べる又は共鳴させること
なく、3〜15個の炭素原子を含有するアルキル基の種である。これには、1〜
4個の縮合している環が含まれていてよい。好ましいシクロアルキル基は、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。置換さ
れているとき、シクロアルキル基は、定義されたようなR又はRから選択さ
れた、3個以下の置換基で置換されていてよい。
【0015】 C1−4アルキレン基は、2個の結合によって2個の異なった原子又は置換基
に結合されているアルキル基を指す。アルキレン基の2個の結合は、同じ炭素原
子上か又は異なった炭素原子上に存在していてよい。例えば、下記のものを参照
されたい。
【0016】
【化19】 用語「アルケニル」は、2〜10個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭
素二重結合を含有する、直鎖、分枝鎖又は環式の炭化水素基を指す。好ましいア
ルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニル及びシクロヘキセニルが含ま
れる。
【0017】 用語「アルキニル」は、2〜10個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭
素三重結合を含有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。好ましいアルキニ
ル基には、エチニル、プロピニル及びブチニルが含まれる。
【0018】 アリールは、芳香族環、例えば、フェニル、置換フェニル等並びに縮合した環
、例えば、ナフチル、フェナントレニル等を指す。このように、アリール基には
、少なくとも1個の、少なくとも6個の原子を有する環が含有され、隣接する炭
素原子間の交互(共鳴)二重結合と共に、その中に22個以下の原子を含有する
5個以下のこのような環が存在している。好ましいアリール基は、フェニル、ナ
フチル及びフェナントレニルである。同様に、アリール基は定義されたように置
換されていてよい。好ましい置換アリールには、フェニル及びナフチルが含まれ
る。
【0019】 用語「ヘテロアリール」(Het)は、少なくとも1個のヘテロ原子、O、S
又はNを含有する、5個若しくは6個の環原子を有する単環式芳香族炭化水素基
又は8〜10個の原子を有する二環式芳香族基を指し、ヘテロアリールに於いて
、炭素又は窒素が結合点であり、1個又は2個の追加の炭素原子が任意に、O又
はSから選択されたヘテロ原子によって置換されており、そして1〜3個の追加
の炭素原子が任意に窒素へテロ原子によって置換されており、該ヘテロアリール
基は任意に、本明細書に定義されたように置換されている。この種類の例は、ピ
ロール、ピリジン、オキサゾール、チアゾール及びオキサジンである。追加の窒
素原子は、最初の窒素及び酸素又は硫黄と一緒に存在して、例えばチアジアゾー
ルを与えることができる。例には下記のものが含まれる。
【0020】
【化20】 存在する場合、基L−Q−Rは、2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタ
レン1,1−ジオキシド基の2個のフェニル環の何れかに結合している。但し、
2個以上のL−Q−R基は存在しない。
【0021】 ヘテロアリーリウムは、第四級窒素原子を有し、それで正電荷を有するヘテロ
アリール基を指す。例には下記のものが含まれる。
【0022】
【化21】 電荷が、1個又は2個以上の追加の窒素原子を含有する環内の特定の窒素原子
上に示されている場合、この電荷は、生じる電荷共鳴のために環内の異なった窒
素原子上に存在していてよいことが理解される。
【0023】
【化22】 イミダゾリウム基:
【0024】
【化23】 は、
【0025】
【化24】 を意味する。
【0026】 用語「ヘテロシクロアルキル」は、環内の炭素原子の1個が、O、S又はNか
ら選択されたヘテロ原子によって置換されており、3個以下の追加の炭素原子が
ヘテロ原子によって置換されていてよいシクロアルキル基(非芳香族)を指す。
【0027】 用語「第四級窒素」及び「正電荷」は、例えば、テトラアルキルアンモニウム
基(例えば、テトラメチルアンモニウム)、ヘテロアリーリウム(例えば、N−
メチルピリジニウム)、生理学的pHでプロトン化される塩基性窒素等内の正に
帯電した窒素を含む、四価の正に帯電した窒素原子を指す。このように、カチオ
ン基は、正に帯電した窒素含有基並びに生理学的pHでプロトン化される塩基性
窒素を包含する。
【0028】 用語「ヘテロ原子」は、独立基準で選択されるO、S又はNを意味する。
【0029】 ハロゲン及び「ハロ」は、臭素、塩素、フッ素及びヨウ素を指す。
【0030】 基が「置換された」と命名されるとき、他に示さない限り、これは、基がその
上に1〜4個の置換基を含有することを意味する。
【0031】 官能基が「保護された」というとき、これは、基が、保護された部位で望まし
くない副反応を排除するための修飾された形であることを意味する。本発明の化
合物のための適切な保護基は、当該技術分野に於ける技術のレベルを考慮に入れ
て、Greene,T.W.ら著、「有機合成に於ける保護基(Protect
ive Groups in Organic Synthesis)」、ウィ
リー社(Wiley)、ニューヨーク(1991年)のような標準的教科書を参
照して、本件特許出願から認められるであろう。適切な保護基の例には、明細書
を通して含められる。
【0032】 本発明のカルバペネム化合物のあるものに於いて、Mは、容易に除去可能なカ
ルボキシル保護基であり及び/又はPは、ヒドロキシル保護基によって保護され
るヒドロキシルを表わす。このような一般的な保護基は、本明細書に記載した合
成手順の間にヒドロキシル又はカルボキシル基を保護的にブロックするために使
用される基からなる。これらの一般的なブロック基は容易に除去することが可能
である。即ち、これらは、所望により、分子の残りの部分の開裂又は他の分裂を
起こさない手順によって除去することができる。このような手順には、化学的及
び酵素的加水分解、穏和な条件下での化学的還元又は酸化剤による処理、遷移金
属触媒による処理並びに求核的及び接触水素化が含まれる。
【0033】 カルボキシル保護基の例には、アリル、ベンズヒドリル、2−ナフチルメチル
、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)のようなシリル、フェナ
シル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−メトキシフェニル、p
−ニトロベンジル、4−ピリジルメチル及びt−ブチルが含まれる。
【0034】 適切なC−6ヒドロキシエチル保護基の例には、トリエチルシリル、t−ブチ
ルジメチルシリル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジル
オキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、t−
ブチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル等が
含まれる。
【0035】 本発明のカルバペネム化合物は、動物及びヒト被検者に於ける細菌感染の治療
のために、それ自体で並びにそれらの薬物的に許容される塩及びエステル形で有
用である。用語「薬物的に許容されるエステル、塩又は水和物」は、薬物化学者
に明らかであろう本発明の化合物の塩、エステル及び水和形、即ち、実質的に非
毒性であるもの及び美味性、吸収、分布、代謝及び排泄のような、該化合物に薬
物動力学的特性に有利に影響を与えるものを指す。現実に一層実際的である、選
択に於いても重要である他の要因は、原材料のコスト、結晶化の容易性、収率、
安定性、溶解性、吸湿性及び得られたバルク薬物の流動性である。便利には、薬
物組成物は、薬物的に許容される坦体と組み合わせた活性成分から製造すること
ができる。それで、本発明は、活性成分として、この新規なカルバペネム化合物
を使用する、細菌感染を治療する薬物組成物及び方法にも関係する。
【0036】 位置3でカルバペネム核に結合している−COMに関して、これは、カルボ
ン酸基(MはHを表わす)、カルボキシラートアニオン(Mは負電荷を表わす)
、薬物的に許容されるカルボン酸塩(Mは塩形成基を表わす)、薬物的に許容さ
れるエステル(Mはエステル形成基を表わす)又は保護基によって保護されたカ
ルボン酸(Mはカルボキシル保護基を表わす)を表わす。
【0037】 上記に参照した薬物的に許容される塩は、形−COOM(式中、Mは、対イオ
ン、例えばナトリウム又はカリウムのようなアルカリ金属カチオンによってバラ
ンスされている負電荷である)をとることができる。他の薬物的に許容される対
イオンは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウム又はテトラメチルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、コリン、トリエチルヒドロアンモニウ
ム、メグルミン、トリエタノールヒドロアンモニウム等のようなアルキルアンモ
ニウムカチオンであってよい。
【0038】 上記に参照した薬物的に許容される塩には、酸付加塩も含まれる。それで、式
Iの化合物は、無機酸又は有機酸から誘導された塩の形で使用することができる
。このような塩には、下記のもの、即ち、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩
、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、
クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピ
オン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩
、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサ
ン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホ
ン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン
酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フ
ェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸
塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラート及びウンデカン酸塩が含まれる。
【0039】 式Iの化合物の酸付加塩には、Rにプロトン化された塩基性部分を含有する化
合物が含まれる。Rに塩基性部分を含有する化合物は、pH7付近の水性媒体中
でプロトン化することができ、そうして塩基性部分は、その中性形と酸付加(プ
ロトン化)形との平衡混合物として存在し得る。基がより塩基性になるほど、p
H7付近のプロトン化の程度は大きくなる。例えば、−NRは、適切なp
Hでそのプロトン化された形(−NHR)(式中、Zは電荷バラ
ンス基である)で存在すると思われる。全てのこのような化合物は、本発明に含
まれる。
【0040】 薬物的に許容されるエステルは、その通りのものであり、薬物化学者に容易に
明らかであり、それには例えば、米国特許第4,309,438号に詳細に記載
されているものが含まれる。このような薬物的に許容されるエステルの中には、
ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジル、インダニル及びメト
キシメチルのような生理学的条件下で加水分解されるもの並びに米国特許第4,
479,947号に詳細に記載されている他のものが含まれる。これらはまた、
「生物不安定性(biolabile)エステル」と呼ばれる。
【0041】 生物不安定性エステルは、生物学的に加水分解性であり、胃又は腸粘膜を通過
する良好な吸収性、胃酸分解に対する耐性及びその他の要因のために、経口投薬
のために適切であろう。生物不安定性エステルの例には、Mが、アルコキシアル
キル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキ
ル、シクロアルコキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アリールオキシア
ルキル、アルコキシアリール、アルキルチオアルキル、シクロアルキルチオアル
キル、アルケニルチオアルキル、アリールチオアルキル又はアルキルチオアリー
ル基を表わす化合物が含まれる。これらの基は、そのアルキル又はアリール部分
で、アシル又はハロ基によって置換されていてよい。下記のM種は、生物不安定
性エステル形成単位の例である。アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1
−アセトキシプロピル、ピバロイルオキシメチル、1−イソプロピルオキシカル
ボニルオキシエチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、フタ
リジル及び(2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ル。
【0042】 Z及びYは、適切な電荷バランスを維持するために必要なとき存在するか
又は存在しなくてよい。存在するとき、これらは薬物的に許容される対イオンを
表わす。無機酸又は有機酸から誘導される殆どのアニオンが適している。このよ
うな対イオンの代表的な例は、下記のもの、即ち、酢酸塩、アジピン酸塩、アミ
ノサリチル酸塩、アンヒドロメチレンクエン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラ
ギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、臭化物、クエン酸塩、ショウノ
ウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、塩化物、エストラート、エタンスルホン酸塩
、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ラクトビ
オン酸塩(lactobionate)、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル
酸塩、メタンスルホン酸塩、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、燐酸酸塩/二燐酸
塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、
コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩及びトシラートである。他の適切なアニオン種は
、通常の熟練した化学者に明らかであろう。
【0043】 同様に、電荷中性度を維持するために1より多い負電荷が必要であるとき、対
イオン指示薬は、マロン酸塩、酒石酸塩又はエチレンジアミン四酢酸塩(EDT
A)のような1より大きい負電荷を有する種又は2個若しくは3個以上の、塩化
物等のような一価アニオンを表わすことができる。多価の負に帯電した対イオン
が、正味単一正電荷を有するカルバペネムと共に存在するとき、カルバペネム分
子の適切な数は、全体電荷バランス及び中性度を維持するためにそれに関連して
見出すことができる。
【0044】 スルタム(sultam)側鎖を命名する際に使用される番号付け及び命名法
は、下記の通りである。
【0045】
【化25】 Lが、1〜2個のO、S、NR、C(O)、CO及びC(O)NRによ
って中断又は停止されているC1−4直鎖又は分枝鎖アルキレン基であるとき、
中断/停止単位又は複数の単位は、アルキレン基の何れかの端部に存在していて
よく、同様に2〜4個の炭素原子が存在するときアルキレン基を中断してよい。
2個のこのような基が存在するとき、これらは分離しているか又は一緒に存在し
てよい。それ故、OC(O)及びOCOのような中断又は停止基が含まれる。
【0046】 同様に、Rが、1〜2個のO、S、NR、C(O)、C(O)O、C(O
)NR、−CH=CH−、−Het(R、−C(O)Het(R 、−C(O)NRHet(R
【0047】
【化26】 によって中断又は停止された、直鎖又は分枝鎖のC1−6アルキル基であり、該
が置換されていないか又は1〜3個のR基で置換されているとき、中断/
停止基は、分離しているか又は一緒に存在してよく、そしてアルキル基の端部又
は複数の端部に存在していてよく、そして更に、アルキル基と置換基Rとの間
に存在していてよい。
【0048】 Rが、少なくとも2個のR基によって置換されているとき、これらはいず
れかの介在原子と組み合わさって、3〜6員の炭素環式環を表わすことができ、
該環は、任意に1〜3個のO、S、NR及びC(O)によって中断され、置換
されていないか又は1〜3個のR基で置換されている。組み合わさって2個の
基によって表わされる基の例には、下記のもの、即ち
【0049】
【化27】 が含まれる。
【0050】 目的の式Iの化合物の小集合は、Rがメチルを表わすこれらの化合物に関す
る。この小集合内で、全ての他の変化要素は、最初に定義した通りである。
【0051】 目的の式Iの化合物の他の小集合は、COMがカルボキシラートアニオンを
表わすこれらの化合物に関する。それで、この例に於けるMは、正に帯電したQ
基のような正に帯電した基によってバランスされている負電荷を表わす。同様に
、正に帯電したQ基に2個以上の正電荷が含まれる場合、カルボキシラートアニ
オンと組み合わさって全体電荷中性度を与える負に帯電した対イオンが存在して
いてよい。
【0052】 目的の式Iの化合物の他の小集合は、Pが、ヒドロキシル又はヒドロキシル保
護基によって保護されたヒドロキシルを表わすこれらの化合物に関する。この小
集合内で、全ての他の変化要素は、最初に定義した通りである。
【0053】 目的の式Iの化合物の他の小集合は、Lが−CH−又は−CHCH−を
表わす化合物に関する。この小集合内で、全ての他の変化要素は、最初に定義し
た通りである。
【0054】 目的の式Iの化合物の他の小集合は、Qが
【0055】
【化28】 (式中、Yは、電荷バランス基を表わし、nは0〜2である) を表わす化合物に関する。この小集合内で、全ての他の変化要素は、最初に定義
した通りである。
【0056】 目的の式Iの化合物の他の小集合は、Rが、1〜3個のR基で置換された
直鎖又は分枝鎖のC1−6アルキルである化合物に関する。この小集合内で、全
ての他の変化要素は、最初に定義した通りである。
【0057】 目的の式Iの化合物の他の小集合は、Rが、H、ハロ又は置換されていない若
しくはRから選択された1〜3個の基で置換されたC1−4アルキルである化
合物に関する。この小集合内で、全ての他の変化要素は、最初に定義した通りで
ある。
【0058】 目的の式Iの化合物の好ましい小集合は、 RがCHを表わし、 COMがカルボキシラートアニオンを表わし、 Pが、ヒドロキシル又はヒドロキシル保護基によって保護されたヒドロキシル
を表わし、 1個のRがL−Q−Rであり、それぞれの残りのRが、独立に、H、ハロ又
は置換されていない若しくはRから選択された1〜3個の基で置換されたC −4 アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−6アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−4アルキルであるか又はR及びRがいずれかの
介在原子と一緒になって4〜6員の環を表わし、 Rが、ハロ、OR、NR又はCONRであり、 Lが、−CH−又は−CHCH−を表わし、 Qが、
【0059】
【化29】 (式中、Yは、電荷バランス基を表わし、nは0〜2である) を表わし、 Rが、任意にC(O)NR又は
【0060】
【化30】 によって中断され、そして1〜3個のR基で置換された直鎖又は分枝鎖のC −6 アルキルであり、 Rが、最初に定義した通りである、これらの化合物に関する。
【0061】 式の化合物の他の好ましい小集合は、 Rがメチルを表わし、 COMがカルボキシラートアニオンを表わし、 Pが、ヒドロキシル又はヒドロキシル保護基によって保護されたヒドロキシル
を表わし、 1個のR基がL−Q−Rであり、それぞれの残りのRが、独立に、H、ハロ
又は置換されていない若しくはRから選択された1〜3個の基で置換されたC 1−4 アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−6アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−4アルキルであるか又はR及びRがいずれかの
介在原子と一緒になって4〜6員の環を表わし、 Rが、ハロ、OR、NR又はCONRであり、 Lが、−CH−又は−CHCH−を表わし、 Qが、
【0062】
【化31】 (式中、Yは、電荷バランス基を表わし、nは0〜2である) を表わし、 Rが、1〜3個のR基で置換された直鎖又は分枝鎖のC1−6アルキルで
ある、 式Iのこれらの化合物に関する。
【0063】 本発明の化合物の代表例を、表Iに記載する。
【0064】
【表3】 本発明の化合物は、適切に保護された、活性化された2−ヒドロキシメチル−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラートを、2H−1−チア−2,3−ジ
アザ−ナフタレン1,1−ジオキシドと反応させ、このようにして導入された側
鎖を所望のように修飾し、次いで存在する全ての保護基を除去して、所望の最終
生成物を得ることによって製造される。この工程を、添付するフローチャートに
示される一般的条件を使用して例示する。
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】 上記のフローチャートA及びBを参照して、P、R、R、M、L、Q及びR は、式Iの化合物に関して定義された通りである。
【0067】 Pは、H、F又は保護されたヒドロキシル基を表わす。
【0068】 Rは、カルボキシル保護基を表わす。
【0069】 Rは、R又は式Iの化合物の合成の過程で必要なとき修飾されてRの員を与
える基から選択された基を表わし、それで、RはRとして又はRへの前駆体と
してみることができる。
【0070】 P”は、ヒドロキシル保護基を表わす。
【0071】 Q’−Rq’は、Q−Rとして前記定義される基の員の最終生成物中に含有
されることになる方法で、中間体B2B2の活性化で)と反応する中性又はモ
ノカチオン性基を表わし、それ故、Q’−Rq’はQ−Rのための前駆体とし
てみることができる。
【0072】 Rq’は、R又は式Iの化合物の合成の過程で必要なとき修飾又は脱保護さ
れてRの員を与える基から選択された基を表わし、それで、Rq’はRとし
て又はRへの前駆体としてみることができる。
【0073】 本発明の化合物の合成で使用される2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタ
レン1,1−ジオキシド又は2H−ベンゾ[e][1,2,3]チアジアゼン1
,1−ジオキシド側鎖基(SCG)は、ある場合には、化学文献(例えば、Wr
ight、J.Heterocycl.Chem.、(1968年)、第5巻、
第453頁及びKing,J.F.ら、Can.J.Chem.、(1971年
)、第49巻、第936頁参照)に記載されている。他の場合には、必要なSC
Gに容易に転化することができる前駆体化合物が、文献に記載されている。必要
なSCGが文献で知られていない場合に、新しく開発した合成によってSCGを
合成することが必要である。当業者は、過度の実験無しに簡単な方法で必要な化
合物を製造するために、類似のSCGの以前に公開された合成を適合させること
ができる。
【0074】 2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−ジオキシド側鎖基(S
CG)は、最初に、2位に活性化されたヒドロキシメチル基を有する適切に保護
されたカルバペン−2−エム−3−カルボキシラートと反応される。位置2に−
CHOH置換基を有するカルバペネム核は、Schmitt,S.M.ら、J
.Antibiotics、第41(6)巻、第780〜787頁(1988年
)(その教示は、参照してここに組み込まれる)に従って得ることができる。
【0075】 カルバペネムのC−3のカルボン酸基は、一般的に、p−ニトロベンジル(P
NB)、アリル、p−メトキシベンジル、トリクロロエチル、2−トリメチルシ
リルエチル等のようなカルボキシル保護基で保護される。更に、6−(ヒドロキ
シエチル)側鎖のヒドロキシル基は、任意に、トリメチルシリル(TMS)、ト
リエチルシリル(TES)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、
tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル、アリルオキシカ
ルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2−トリクロロエトキシ
カルボニル等のようなヒドロキシル保護基で保護される。
【0076】 2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−ジオキシド側鎖基(S
CG)のカルバペネムへの付加は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエ
ーテル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ベンゼン、ジクロ
ロメタン、クロロホルム等のような適切な溶媒中の、ヒドロキシメチル−カルバ
ペネム及び2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−ジオキシド側
鎖基の溶液を、ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)/トリフェニルホ
スフィン、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)/トリブチルホ
スフィン等のような(予備混合した)適切な活性化剤で、約−20℃〜35℃の
温度で約5〜90分間処理することによって行われる。
【0077】 また、2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−ジオキシド及び
カルバペネムを、アゾジカルボキシラート又はホスフィン試薬と一緒に、適切な
溶媒中で混合することができ、活性化剤の他方の成分(それぞれ、ホスフィン又
はアゾジカルボキシラート)を、この混合物に添加することができる。2H−1
−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−ジオキシド、カルバペネム及び活
性化剤(群)が混合したとき、反応を約−20℃〜35℃の温度で約5〜90分
間進行させる。
【0078】 次いで、得られた混合物を、当業者によく知られた標準的作業手順に付して、
粗製2−(1,1−ジオキソ−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−
2−イル)メチル置換カルバペネムを得、必要に応じて、これを再結晶により又
はヘキサン、酢酸エチル、エーテル、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム
、アセトン、メタノール等のような適切な溶媒又は2種若しくは3種以上の溶媒
の混合物で溶離する、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製する。
【0079】 ある場合には、中間体A2中の置換基Rを修飾して、最終生成物I中の所望
の置換基Rを生成することが必要である。R置換基の修飾は、一般的に、保護
基P及びRの除去の前に最も良く達成される。この工程をフローチャートB
に示し、ここで中間体B1は、R基の1個が置換基L−Q−Rへの前駆体で
ある中間体A2の一例である。当業者は、この反応図式では1個の環のみについ
ての工程を示しているが、置換基L−Q−Rを、最終生成物Ibのフェニル環
の何れかに配置できることを知っているはずである。
【0080】 フローチャートBの中間体B1に於いて、置換基RはL−OP”(式中、L
は前記定義された通りであり、P”はヒドロキシル保護基である)として表わさ
れている。適切な保護基P”は、トリメチルシリル及びトリエチルシリルである
。トリアルキルシリル基は、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸等のよ
うな強酸で、水とテトラヒドロフラン、アセトニトリル又はイソプロパノールの
ような混和性有機溶媒とからなる溶媒中で処理することによって容易に除去され
る。正に帯電した置換基を、最初にL−OHのヒドロキシル基を、それをトリフ
ラート、メシラート、トシラート、ヨウ化物、塩化物、臭化物等のような適切な
脱離基に転化し、次いで得られた脱離基を、N−メチル−イミダゾール、N−(
2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、1−メチル−4−アザ−1−アゾニア
ビシクロ[2.2.2]オクタン、1−(カルバモイルメチル)−4−アザ−1
−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、1−(3−ヒドロキシプロプ−1
−イル)−4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン等のような
化合物Q’−Rq’(これは、求核剤として作用することができる窒素原子を含
有する)で置換することによって、側鎖の中に導入することができる。
【0081】 ある場合には、B3を生成するためのヒドロキシル基の活性化及びQ’−R による置換は、化合物Q’−Rq’の塩基性特性の利点を利用し、それを活性
化反応に於ける塩基として使用することによって、一工程で実施することができ
る。
【0082】 ヒドロキシル基の適切な脱離基への転化は、ヒドロキシル置換された化合物を
、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、エーテル、ベンゼン等のような適切な
溶媒中で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、ト
ルエンスルホン酸無水物、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロ
リド、トルエンスルホニルクロリド等のような活性化剤で、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のような適切な塩基の存在下
で、約−100℃〜0℃の温度で約5〜120分間処理することによって実施さ
れる。このようにして得られた中間体には、アセトン、メチルエチルケトン等の
ような適切な溶媒中のこの中間体の溶液を、約−10℃〜50℃で、過剰のヨウ
化ナトリウム又はヨウ化カリウムで約0.25〜24時間処理することによって
、代わりの脱離基であるヨウ化物に転化することができる脱離基が含有されてい
る。
【0083】 多くの場合に、ヨウ化物が十分に純粋な形で得られ、これを更に精製すること
なく使用することができる。取り扱いを容易にするために、結晶性でない場合に
このヨウ化物を、ベンゼンから凍結乾燥させて、無定形の容易に取り扱われる固
体を得ることができる。
【0084】 活性化されたヒドロキシル基又はヨウ化物は、活性化中間体を試薬Q’−R と反応させることによって置換される。ある場合には、ヒドロキシル基の活性
化及び置換は、一工程で実施することができる。活性化試薬を、前のパラグラフ
に記載したような、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、エーテル、DMF、
ベンゼン、アセトニトリル、DMSO等のような適切な溶媒中の適切な塩基の存
在下でのヒドロキシル置換された化合物の溶液に添加する。得られる活性化され
た中間体を、1〜3モル当量の化合物Q’−Rq’で、約−78℃〜50℃の温
度で約15〜120分間処理する。ある場合には、1種の溶媒中で活性化された
中間体を生成し、活性化された中間体を単離し、そして異なった溶媒中で置換反
応を実施することが望ましい。他の場合には、中間体を単離することなく置換を
実施することができ、Q’−Rq’を塩基としても使用する場合には、置換を活
性化された中間体の生成と同時に行うこともできる。
【0085】 置換反応が、ヨウ化物を使用することによって最善に実施されるには、ヨウ化
物の溶液を、ほぼ当量(0.9〜1.05モル当量)の量の化合物Q’−Rq’ と組み合わせる。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホ
ウ酸銀等のような非求核性酸の銀塩を添加する。この反応は、銀塩の不存在下で
進行するが、この反応は銀塩の存在下で一層急速に進行する。更に、銀塩は、次
の工程の効率を改良することができる反応混合物からの置換されたヨウ化物の除
去を助ける。次いで、得られる混合物を、当業者によく知られた標準的作業手順
に付して粗製生成物を得、これを必要に応じて、再結晶又はクロマトグラフィー
によって精製する。
【0086】 正電荷を側鎖の中に導入するための別の方法は、ヨウ化メチル、臭化メチル、
トリクロロアセトイミド酸ベンジル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、テ
トラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウム等のような適切なアルキル化試薬A
Rとの反応によって四級化することができる窒素原子を含有する側鎖(即ち、R 基)に適用することができる。この側鎖内の窒素原子の四級化は、この化合物
の溶液を、僅かに過剰(1.05〜1.2モル当量)のアルキル化試薬で処理す
ることによって実施される。
【0087】 必要な場合、置換基Rq’の修飾及び残留する保護基(一つ又は複数)の除去
によって、最終生成物(Ib)が得られる。これらの転換は、使用する保護基又
はRq’をRに転換するために必要な修飾によって若しくは使用する保護基に
依存して多数の公知の技術によって、達成することができる。
【0088】 例えば、最終生成物のRに第一級アミノ基(−NH又はそのプロトン化さ
れた形での−N)が含有されているとき、アミノ基は、通常Rq’内に、
保護された形として又は前駆体基として存在するであろう。アミノ基の適切に保
護された形は、アリルオキシカルボニルアミノ又はp−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノであり、他方、適切なアミン前駆体としてはアジド基である。こ
のアミノ基は、P及びRの脱保護と同時に又はその後で、確立された方法論
によって遊離される。例えば、アジド及びp−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノ基は、接触水素化によってアミノ基に転化することができ、アリルオキシ
カルボニルアミノ基は、アリル捕捉剤の存在下でパラジウム触媒での処理でアミ
ノ置換基を与える。
【0089】 目標化合物の合成は、当業者に公知である標準的な方法を使用して、最後から
二番目の中間体中に存在する全ての保護基を除去することによって完結される。
次いで、必要に応じて、脱保護した最終生成物を、イオン交換クロマトグラフィ
ー、逆相シリカゲル上でのHPLC、逆相ポリスチレンゲル上でのMPLC等の
ような標準的技術を使用して又は再結晶により精製する。
【0090】 この最終生成物は、NMR、IR、MS及びUVのような標準的技術によって
構造的に特性付けすることができる。取り扱いを容易にするために、結晶性でな
い場合に最終生成物を、水から凍結乾燥させて、無定形の容易に取り扱われる固
体を得ることができる。
【0091】 本発明の化合物は、種々のグラム陽性及びより小さい範囲のグラム陰性細菌に
対して活性である価値のある抗細菌剤であり、従ってヒト及び獣医学に於いて有
用性が見出される。
【0092】 本発明の化合物の多くは、MRSA/MRCNSに対して生物学的に活性であ
る。インビトロ抗細菌活性は、化合物を感染しやすい細菌微生物によって感染し
た哺乳動物に投薬したときインビボ活性を予示する。
【0093】 標準的な感受性試験を使用して、本発明の化合物はMRSAに対して活性であ
ると決定される。
【0094】 本発明の化合物は、この化合物を薬物的に許容される坦体と組み合わせること
によって薬物組成物中に配合することができる。このような坦体の例は後で示す
【0095】 本発明の化合物は、粉末若しくは結晶形状で、液体溶液で又は懸濁液で使用す
ることができる。これらは、種々の手段によって投薬することができる。主要な
目的のものには、局所的に、経口的に及び注射(静脈内又は筋肉内)による非経
口的に投薬することが含まれる。
【0096】 送達の好ましい経路である注射用の組成物は、アンプル内の単位剤形に又は多
用量容器内に製剤することができる。注射可能組成物は、油性若しくは水性賦形
剤中の懸濁剤、水剤又は乳剤のような形をとることができ、これには種々の配合
剤が含有されていてよい。また、活性成分は、滅菌水のような適切な賦形剤で送
達時に再構成するための粉末(凍結乾燥した又は凍結乾燥しない)形であっても
よい。注射可能組成物に於いて、坦体は典型的に、滅菌水、食塩水又は他の注射
可能液体、例えば、筋肉内注射用のピーナッツ油からなる。また、種々の緩衝剤
、保存剤等を含有させることができる。
【0097】 局所適用物は、疎水性又は親水性基剤のような坦体中に配合して軟膏、クリー
ム剤、ローション剤を形成するか、水性、油脂性若しくはアルコール性液体中に
配合して塗布剤を形成するか又は乾燥希釈剤中に配合して散剤を形成することが
できる。
【0098】 経口組成物は、錠剤、カプセル剤、経口懸濁剤及び経口水剤のような形をとる
ことができる。経口組成物は、一般的な配合剤のような坦体を使用することがで
き、これには徐放出特性並びに速送達形が含まれてよい。
【0099】 投薬する用量は、大きい範囲まで、治療される被検者の状態及び大きさ、投薬
の経路及び頻度、選択された特別の化合物に対する病原体の感受性、感染のビル
レンス並びにその他の要因に依存する。しかしながら、このような事柄は、抗菌
技術分野で公知の治療の原則に従って医師の日常的な判断に委ねられる。感染の
性質及び治療される個人の特殊の本質とは別に、正確な用量処方に影響を与える
他の要因は、化合物の分子量である。
【0100】 単位用量当たりのヒト送達用の組成物には、液体であろうと固体であろうと、
約0.01%から約99%のように高くまでの活性物質が含有されていてよく、
好ましい範囲は約10〜60%である。この組成物には一般的に、約15mg〜
約2.5gの活性成分が含有されるであろう。しかしながら、一般的に、約25
0mg〜1000mgの範囲内の用量を使用することが好ましい。非経口投薬に
於いて、単位用量には、典型的に、滅菌水中の又は溶液のために意図される可溶
性粉末の形での純粋の化合物が含有されるであろう。これは中性PH及び等張に
調節することができる。
【0101】 本明細書に記載した発明には、細菌感染の治療が必要な哺乳動物に於ける細菌
感染の治療方法であって、該哺乳動物に式Iの化合物を、該感染を治療するため
に有効な量で投薬することを含む方法が含まれる。
【0102】 式Iの抗菌性化合物の投薬の好ましい方法には、経口及び非経口、例えば、静
脈内注入、静脈ボーラス及び筋肉内注射が含まれる。
【0103】 成人には、1日に1〜4回与えて、体重1kg当たり約5〜50mgの式Iの
抗菌性化合物が好ましい。好ましい用量は、1日に1〜4回与えて250mg〜
1000mgの抗菌物質である。更に特に、軽い感染のために、1日に2回又は
3回で約250mgの用量が推奨される。非常に感染しやすいグラム陽性微生物
に対する普通の感染のために、1日に3〜4回で約500mgの用量が推奨され
る。抗生物質に対する感度の上限での微生物に対する重い致命的な感染のために
、1日に3〜4回で約1000〜2000mgの用量が推奨される。
【0104】 小児のために、1日に2回、3回又は4回与えて約5〜25mg/体重kgの
用量が好ましく、10mg/kgの用量が典型的に推奨される。
【0105】 式Iの化合物は、カルバペネムとして知られている広い種類のものである。多
数のカルバペネムは、デヒドロペプチダーゼ(DHP)として知られている腎酵
素による攻撃を受けやすい。この攻撃又は分解は、カルバペネム抗菌剤の効能を
低下させるであろう。他方、本発明の化合物の多くは、このような攻撃を殆ど受
けず、それでDHP阻害剤を使用することを必要としない。しかしながら、この
ような使用は任意であり、本発明の一部であることが意図される。DHPの阻害
剤及びカルバペネムと一緒のその使用は、例えば、[1979年7月24日に出
願されたヨーロッパ特許出願第79102616.4号(特許第0007614
号)及び1982年8月9日に出願されたヨーロッパ特許出願第8210717
4.3号(特許第0072014号)]に開示されている。
【0106】 本発明の化合物は、DHP阻害剤が望ましいか又は必要な場合に、上記の特許
及び公開特許出願に記載されているような適切なDHP阻害剤と組み合わせるか
又は一緒に使用することができる。この引用したヨーロッパ特許出願には、本発
明のカルバペネムのDHP感受性の決定方法が定義されており、適切な阻害剤、
組合せ組成物及び処理方法が開示されている。組合せ組成物に於ける式Iの化合
物:DHP阻害剤の好ましい重量比は、約1:1である。
【0107】 好ましいDHP阻害剤は、7−(L−2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ
)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸
又はその有用な塩である。
【0108】 本発明を、下記の非限定実施例と結び付けて更に説明する。
【0109】 実施例1 ナトリウム(1S,5R,6S)−2−(1,1−ジオキソ−2H−1−チア
−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル)−6−[1(R)−ヒドロキ
シ−エチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
【0110】
【化34】
【0111】 工程1:アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボ
ニルオキシ−エチル]−2−(1,1−ジオキソ−2H−1−チア−2,3−ジ
アザ−ナフタレン−2−イルメチル)−1−メチル−カルバペン−2−エム−3
−カルボキシラート 無水テトラヒドロフラン(0.8mL)中の、アリル(1S,5R,6S)−
6−[1(R)−アリルオキシカルボニルオキシ−エチル]−2−ヒドロキシメ
チル−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(51mg、
0.137ミリモル)、2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−
ジオキシド(28mg、0.154ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(4
5mg、0.172ミリモル)の溶液を、氷浴中で冷却し、窒素雰囲気下で撹拌
した。ジエチルアゾジカルボキシラート(0.0276mL、0.175ミリモ
ル)を添加し、得られた混合物を0〜5℃で20分間撹拌した。この混合物を−
15℃で更に15分間熟成させ、次いで1mm×20cm×20cmシリカゲル
GFプレート上に延ばした。このプレートを、ジクロロメタン中の5%メタノー
ルで展開した。生成物帯域の中心カットにより、純粋なアリル(1S,5R,6
S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボニルオキシ−エチル]−2−(1,
1−ジオキソ−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル
)−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(29mg、4
0%)を油として得た。残りの生成物帯域から、23mg(32%)の、より低
い純度の生成物を得た。
【0112】 H NMR(CDCl,500MHz)δ 1.21(d,3H),1.
45(d,3H),3.25(m,1H),3.45(dd,1H),4.19
(dd,1H),4.60(m,4H),4.69(d,1H),4.75及び
4.85(dddd,2H),5.11(m,1H),5.30(m,4H),
5.48(d,1H),5.62(d,1H),5.91(m,1H),6.0
0(m,1H),7.78(m,3H)及び8.05(s,1H)。
【0113】 工程2:ナトリウム(1S,5R,6S)−2−(1,1−ジオキソ−2H−
1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル)−6−[1(R)−
ヒドロキシ−エチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラ
ート 工程1からの生成物(29mg、0.055ミリモル)、トリフェニルホスフ
ィン(6.3mg、0.024ミリモル)、酢酸エチル中の0.5M 2−エチ
ルヘキサン酸ナトリウム(0.125mL、0.063ミリモル)及び2−エチ
ルヘキサン酸(0.0098mL、0.061ミリモル)を、1:1ジクロロメ
タン−酢酸エチル(1mL)中に溶解させた。テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)(7mg、0.0061ミリモル)を添加し、得られた
混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物をジエチルエーテル(7mL)で
希釈し、水(2×1.5mL)で抽出した。水性抽出液をヘキサンで洗浄し、真
空下で濃縮し、1mm×20cm×20cmRPSFプレート上で、展開溶媒と
して3:1水−アセトニトリルを使用して、分取層クロマトグラフィーにより精
製した。生成物帯域をUVによって位置決定し、除去し、4:1アセトニトリル
−水で溶離した。この溶離液を真空下で濃縮してアセトニトリルを除去し、凍結
乾燥して、粗製生成物(11mg)を得た。この物質を氷冷水(1.5mL)中
に溶解させ、アンバークロム(Amberchrom)CG−161樹脂の小さ
いカラム(5mm×5cm)に適用した。このカラムを、冷水(20mL)で、
続いて2mL画分の20%イソプロパノール水溶液で溶離した。生成物含有水性
イソプロパノール画分(2−7)を一緒にし、真空下で濃縮し、凍結乾燥して、
標題化合物(5.6mg)を無定形固体として得た。
【0114】 H NMR(DO,500Mhz)δ 1.10(d,1−CH),1
.22(d,CHCHOH),3.02(m,H−1),3.38(dd,H
−6),4.05(dd,H−5),4.20(m,CHCHOH),4.6
5及び5.45(2個のd,2−CH),7.85(m,アリール−H),7
.90(m,2個のアリール−H)、8.05(d,アリール−H)及び8.2
5(s,アリール−H)。
【0115】 実施例2 ナトリウム(1S,5R,6S)−2−(1,1−ジオキソ−4−フェニル−
2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル)−6−[1(
R)−ヒドロキシ−エチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボ
キシラート
【0116】
【化35】
【0117】 工程1:アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボ
ニルオキシ−エチル]−2−(1,1−ジオキソ−4−フェニル−2H−1−チ
ア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル)−1−メチル−カルバペン
−2−エム−3−カルボキシラート 無水テトラヒドロフラン(1.5mL)中の、アリル(1S,5R,6S)−
6−[1(R)−アリルオキシカルボニルオキシ−エチル]−2−ヒドロキシメ
チル−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(39mg、
0.11ミリモル)、4−フェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタ
レン1,1−ジオキシド(31mg、0.12ミリモル)及びトリフェニルホス
フィン(45mg、0.172ミリモル)の溶液を、氷浴中で冷却し、窒素雰囲
気下で撹拌した。ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.034mL、0
.172ミリモル)を添加し、得られた混合物を0〜5℃で20分間撹拌した。
この混合物を、1mm×20cm×20cmシリカゲルGFプレート上に延ばし
、このプレートを、1:1ヘキサン−酢酸エチルで展開した。酢酸エチルによる
生成物帯域の溶離によって、純粋のアリル(1S,5R,6S)−6−[1(R
)−アリルオキシカルボニルオキシ−エチル]−2−(1,1−ジオキソ−4−
フェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル)−
1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(26mg、39%
)を油として得た。
【0118】 工程2:ナトリウム(1S,5R,6S)−2−(1,1−ジオキソ−4−フ
ェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル)−6
−[1(R)−ヒドロキシ−エチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3
−カルボキシラート 工程1からの生成物(26mg、0.043ミリモル)、トリフェニルホスフ
ィン(4.0mg、0.015ミリモル)、酢酸エチル中の0.5M 2−エチ
ルヘキサン酸ナトリウム(0.095mL、0.048ミリモル)及び酢酸エチ
ル中の0.5M 2−エチルヘキサン酸(0.095mL、0.048ミリモル
)を、1:1ジクロロメタン−酢酸エチル(1.5mL)中に溶解させた。テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6mg、0.005ミリ
モル)を添加し、得られた混合物を室温で15分間撹拌した。この混合物をジエ
チルエーテルで希釈し、水(2mL)で抽出した。水性抽出液を、1mm×20
cm×20cmRPSFプレート上で、展開溶媒として3:1水−アセトニトリ
ルを使用して、分取層クロマトグラフィーにより精製した。生成物帯域をUVに
よって位置決定し、除去し、4:1アセトニトリル−水で溶離した。この溶離液
を真空下で濃縮してアセトニトリルを除去し、凍結乾燥して、標題化合物(9.
7mg)を無定形固体として得た。
【0119】 H NMR(DMSO−d,500Mhz)δ 0.97(d,1−CH ),1.09(d,CHCHOH),2.79(m,H−1),2.95(
dd,H−6),3.85(m,H−5及びCHCHOH),4.43及び5
.86(2個のd,2−CH),7.54(m,4個のアリール−H),7.
60(m,2個のアリール−H),7.86(t,アリール−H),7.93(
t,2個のアリール−H)及び8.10(d,アリール−H)。
【0120】 実施例3 (1S,5R,6S)−2−{6−[2−(4−カルバモイルメチル−1,4
−ジアゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)−エチル]−1,1
−ジオキソ−4−フェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2
−イルメチル}−6−[1(R)−ヒドロキシ−エチル]−1−メチル−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボキシラートクロリド
【0121】
【化36】
【0122】
【化37】
【0123】 工程1:アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボ
ニルオキシ−エチル]−2−[1,1−ジオキソ−4−フェニル−6−(2−ト
リエチルシラニルオキシ−エチル)−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタ
レン−2−イルメチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシ
ラート 無水テトラヒドロフラン(7mL)中の、アリル(1S,5R,6S)−6−
[1(R)−アリルオキシカルボニルオキシ−エチル]−2−ヒドロキシメチル
−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(365mg、1
.0ミリモル)、トリフェニルホスフィン(315mg、1.2ミリモル)及び
4−フェニル−6−(2−トリエチルシラニルオキシ−エチル)−2H−1−チ
ア−2,3−ジアザ−ナフタレン1,1−ジオキシド(458mg、1.1ミリ
モル)の溶液を、氷浴中で冷却し、窒素雰囲気下で撹拌し、その間にジイソプロ
ピルアゾジカルボキシラート(0.24mL、1.2ミリモル)を数分間かけて
滴下により添加する。得られる溶液を冷却して30分間撹拌し、次いでクロロホ
ルムで希釈し、5%重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させる。残渣を、ヘキサン−酢酸エチルで
溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、アリル(
1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボニルオキシ−エチル
]−2−[1,1−ジオキソ−4−フェニル−6−(2−トリエチルシラニルオ
キシ−エチル)−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチ
ル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラートを得る。
【0124】 工程2:アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボ
ニルオキシ−エチル]−2−{1,1−ジオキソ−4−フェニル−6−[2−(
トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−エチル]−2H−1−チア−2,3−
ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル}−1−メチル−カルバペン−2−エム−
3−カルボキシラート テトラヒドロフラン(4.0mL)中の工程1からの化合物(382mg、0
.5ミリモル)を、水(1.0mL)で希釈し、1Mトリフルオロメタンスルホ
ン酸水溶液(0.05mL、0.05ミリモル)で処理する。室温で15分間撹
拌した後、この反応混合物を酢酸エチル(25mL)と5%重炭酸ナトリウム水
溶液(5mL)との間に分配させる。有機相を50%飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させ、無水トルエンでストリッ
プして、脱シリル化したアルコールの残渣を残す。
【0125】 無水ジクロロメタン(10mL)中のこの粗製アルコール(0.5ミリモル)
の溶液を、氷−メタノール浴(−20℃)中で冷却し、窒素雰囲気下で撹拌する
。この溶液を、2,6−ルチジン(0.175mL、1.5ミリモル)で処理し
、続いてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.126mL、0.75ミリ
モル)で処理する。−20℃〜−15℃(浴温度)で40分間撹拌した後、この
溶液をジクロロメタン(30mL)で希釈し、水(20mL)、0.1N塩酸(
20mL)及び水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し
、真空下で蒸発させて、アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリル
オキシカルボニルオキシ−エチル]−2−{1,1−ジオキソ−4−フェニル−
6−[2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−エチル]−2H−1−チ
ア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−イルメチル}−1−メチル−カルバペン
−2−エム−3−カルボキシラートを得る。
【0126】 工程3:アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−アリルオキシカルボ
ニルオキシ−エチル]−2−{6−[2−(4−カルバモイルメチル−1,4−
ジアゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)−エチル]−1,1−
ジオキソ−4−フェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタレン−2−
イルメチル}−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラートビス
(トリフルオロメタンスルホナート) 工程2に記載したようにして製造したトリフラート誘導体のサンプル(98m
g、0.125ミリモル)を、無水アセトニトリル(1.0mL)中に溶解させ
、この溶液を1−カルバモイルメチル−1−アゾニア−4−アザ−ビシクロ[2
.2.2]オクタントリフルオロメタンスルホナート(44mg、0.14ミリ
モル)で処理する。この反応混合物を室温で90分間撹拌し、次いで真空下で残
渣まで蒸発させ、この残渣を更に90分間室温で熟成させる。残渣を無水ジエチ
ルエーテルと共に粉砕して、アリル(1S,5R,6S)−6−[1(R)−ア
リルオキシカルボニルオキシ−エチル]−2−{6−[2−(4−カルバモイル
メチル−1,4−ジアゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)−エ
チル]−1,1−ジオキソ−4−フェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−
ナフタレン−2−イルメチル}−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カル
ボキシラートビス(トリフルオロメタンスルホナート)を得る。
【0127】 工程4:(1S,5R,6S)−2−{6−[2−(4−カルバモイルメチル
−1,4−ジアゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)−エチル]
−1,1−ジオキソ−4−フェニル−2H−1−チア−2,3−ジアザ−ナフタ
レン−2−イルメチル}−6−[1(R)−ヒドロキシ−エチル]−1−メチル
−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラートクロリド 工程3の粗製ビス保護された中間体(ほぼ0.125ミリモル)、トリフェニ
ルホスフィン(4.9mg、0.0187ミリモル)、ジメドン(53mg、0
.378ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0
)(7.2mg、0.0062ミリモル)を、無水ジメチルホルムアミド(1.
3mL)中に溶解させる。この溶液を窒素でパージし、次いでN,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(0.065mL、0.373ミリモル)で処理する。室温
で15分間撹拌した後、この反応混合物をジエチルエーテルに添加して、粗製生
成物を沈殿させる。沈殿物をエーテル(2×5mL)と共に粉砕し、真空下で乾
燥させる。1:1アセトニトリル−水(1mL)中のこの沈殿物を、Macro
−Prep CM(Bio−Rad)弱カチオン交換樹脂(3mL)のカラムに
添加する。このカラムを、1:1アセトニトリル−水(4mL)、水(3×5m
L)及び5%塩化ナトリウム水溶液(5×3mL)で続いて溶離する。生成物含
有塩化ナトリウム画分をプールし、氷中で冷却し、アンバークロムCG−161
(トソハース(TosoHaas))樹脂(3mL)のカラム上に載せる。アン
バークロムカラムを、氷冷水(3×5mL)で、続いて水中の20%イソプロパ
ノール(10×3mL)で溶離する。生成物含有水性イソプロパノール画分を一
緒にし、真空下で濃縮して、イソプロパノールを除去し、凍結乾燥して、標題化
合物を無定形固体として得る。
【0128】 実施例4〜19 実施例1〜3の手順を適切に修正することによって、下記の化合物を製造する
【0129】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C07D 519/00 C07D 487:00) 487:00) (C07D 519/00 (C07D 519/00 487:00 487:00 513:00) 513:00) 487/04 134 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE, GD,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T T,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ワドル,シヤーマン・テイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 モーガン,ジエリー・デイ,セカンド アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ブリザード,テイモシー・エイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4C050 KA06 KB03 KB05 KB12 KB13 KB16 4C072 MM02 4C086 AA01 AA02 AA03 CC08 MA01 NA14 ZB35

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その薬物的に許容される塩を含む、式I: 【化1】 [式中、Rは、H又はメチルを表わし、 Rは、H又はC1−6アルキル又はHet(R又は 【化2】 を表わし、 該C1−6アルキルは、置換されていないか又はRから選択された1〜3個
    の基で置換されており、 又はRは、基R及びいずれかの介在原子と一緒になって、6員環を表わすこ
    とができ、 COMは、カルボン酸、薬物的に許容されるカルボン酸塩、カルボキシラー
    トアニオン、薬物的に許容されるエステル基又は保護基によって保護されたカル
    ボン酸を表わし、 Pは、水素、ヒドロキシル、F又はヒドロキシル保護基によって保護されたヒ
    ドロキシルを表わし、 各Rは、独立に、R、 【化3】 、Het(R、C2−6アルケニル又は基L−Q−Rを表わし(但し、
    種類L−Q−Rの1個のみのR基が存在し得るか又は1個のR基は、存在する
    場合L及びいずれかの介在原子と一緒になって5〜6員環を表わすことができる
    )、 Lは、1〜2個のO、S、NR、C(O)、CO及びC(O)NRによ
    って中断されていない、中断された又は停止された、C1−4直鎖又は分枝鎖ア
    ルキレンであり、 Qは、 【化4】 を表わし、 Yは、電荷バランス基であり、 nは、全電荷中性度を維持するように選択された0〜2の値であり、 Rは、H又はC1−6アルキルであり、 Rは、直鎖又は分枝鎖の、1〜2個のO、S、NR、C(O)、C(O)
    O、C(O)NR、−CH=CH−、−Het(R−、−C(O)He
    t(R−、−C(O)NRHet(R−、 【化5】 によって、中断されていない、中断された又は停止された、C1−6アルキルで
    あり、 該Rは、置換されていないか又は1〜3個のR基で置換されており、 Hetは、ヘテロアリール基であり、 各Rは、独立に、H、ハロ、OR、OC(O)R、C(O)R、CN
    、C(O)NR、NO、NR、SONR及び置換されて
    いない又はRから選択された1〜3個の基で置換されたC1−4アルキルから
    選択され、 各Rは、独立に、ハロ、OR、OC(O)R、SR、S(O)R
    SO、CN、C(O)R、CO、NR、N、C(O)NR、−Het(R、C(=N)R 、C(=N)NR、NRC(=N)R 、NRC(=N)NR、ヘテロアリーリウム(R 、SONR、OC(O)NR、NRC(O)R、NR C(O)NR及び 【化6】 から選択されるか 又はその代わりに、2個若しくは3個以上のRが存在するとき、2個のR 基は、いずれかの介在原子と一緒になって、任意に1〜3個のO、S、NR
    びC(O)で中断された3〜6員の炭素環式環(該環は、置換されていないか又
    は1〜3個のR基で置換されている)を形成することができ、 Rは、H若しくはC1−4アルキルであるか又はR及びRはいずれかの
    介在原子と一緒になって4〜6員の環となり、 各Rは、独立に、ハロ、OR、NR及びCONRから選択さ
    れ、 Rは、H、置換されていない若しくは1〜3個のR基で置換されたC1− 直鎖若しくは分枝鎖アルキル、−Het(R、置換されていない若しく
    は1〜3個のR基で置換されたC3−6シクロアルキル及び 【化7】 であるか 又はR及びRは、介在原子と一緒になって、任意にO、S、NR若しく
    はC(O)によって中断された4〜6員の環を形成し、 Rは、H、置換されていない若しくは1〜3個のR基で置換されたC1− アルキル、置換されていない若しくは1〜3個のR基で置換されたC3−6 シクロアルキル、C(=N)R若しくはC(=N
    NRであるか 又はR及びRは、いずれかの介在原子と一緒になって、任意にO、S、N
    若しくはC(O)によって中断された4〜6員の環を形成し、そして Zは、Y、酢酸塩、安息香酸塩、臭化物、塩化物等のような一価アニオン
    又はCOM(式中、Mは負電荷である)のような内部アニオンから選択された
    電荷バランス基である] によって表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 Rがメチルを表わす、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 COMがカルボキシラートアニオンを表わす、請求項1に
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Mが、正に帯電したQ基によってバランスされている負電荷
    を表わす、請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 正に帯電したQ基に2個以上の正電荷が含まれる場合、カル
    ボキシラートアニオンと組み合わさって全体電荷中性度を与える負に帯電した対
    イオンが存在していてよい、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Pが、ヒドロキシル又はヒドロキシル保護基によって保護さ
    れたヒドロキシルを表わす、請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 Lが−CH−又は−CHCH−を表わす、請求項1に
    記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Qが 【化8】 (式中、Yは、電荷バランス基を表わし、nは0〜2である) を表わす、請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 Rが、1〜3個のR基で置換された直鎖又は分枝鎖のC 1−6 アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 Rが、H、ハロ又は置換されていない若しくはRから選
    択された1〜3個の基で置換されたC1−4アルキルである、請求項1に記載の
    化合物。
  11. 【請求項11】 RがCHを表わし、 COMがカルボキシラートアニオンを表わし、 Pが、ヒドロキシル又はヒドロキシル保護基によって保護されたヒドロキシル
    を表わし、 1個のRがL−Q−Rであり、それぞれの残りのRが、独立に、H、ハロ又
    は置換されていない若しくはRから選択された1〜3個の基で置換されたC −4 アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−6アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−4アルキルであるか又はR及びRがいずれかの
    介在原子と一緒になって4〜6員の環を表わし、 Rが、ハロ、OR、NR又はCONRであり、 Lが、−CH−又は−CHCH−を表わし、 Qが、 【化9】 (式中、Yは、電荷バランス基を表わし、nは0〜2である) を表わし、 Rが、任意にC(O)NR又は 【化10】 によって中断され、そして1〜3個のR基で置換された直鎖又は分枝鎖のC −6 アルキルであり、 Rが、最初に定義した通りである、 請求項1に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 Rがメチルを表わし、 COMがカルボキシラートアニオンを表わし、 Pが、ヒドロキシル又はヒドロキシル保護基によって保護されたヒドロキシル
    を表わし、 1個のR基がL−Q−Rであり、それぞれの残りのRが、独立に、H、ハロ
    又は置換されていない若しくはRから選択された1〜3個の基で置換されたC 1−4 アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−6アルキルであり、 Rが、H若しくはC1−4アルキルであるか又はR及びRがいずれかの
    介在原子と一緒になって4〜6員の環を表わし、 Rが、ハロ、OR、NR又はCONRであり、 Lが、−CH−又は−CHCH−を表わし、 Qが、 【化11】 (式中、Yは、電荷バランス基を表わし、nは0〜2である) を表わし、 Rが、1〜3個のR基で置換された直鎖又は分枝鎖のC1−6アルキルで
    ある、 請求項1に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 表1: 【表1】 中の式によって表わされる、請求項1に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 表2: 【表2】 中の式によって表わされる、請求項1に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 薬物的に許容される坦体と組み合わせて請求項1に記載の
    化合物を含有する薬物組成物。
  16. 【請求項16】 細菌感染の治療が必要な哺乳動物患者に、請求項1に記載
    の化合物を、細菌感染を治療するために有効である量で投薬することを含む、細
    菌感染の治療方法。
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