JP2002518024A - ポリメラーゼシグナル形成アッセイ - Google Patents

ポリメラーゼシグナル形成アッセイ

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JP2002518024A JP2000554884A JP2000554884A JP2002518024A JP 2002518024 A JP2002518024 A JP 2002518024A JP 2000554884 A JP2000554884 A JP 2000554884A JP 2000554884 A JP2000554884 A JP 2000554884A JP 2002518024 A JP2002518024 A JP 2002518024A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、核酸配列分析の分野に関する。本発明は、長さが4〜6塩基のプライマー配列を有する複数のシークエンス試薬を含む固相配列アレイを用いた、ヌクレオチド配列を分析するためにポリメラーゼシグナル形成アッセイ(PSA)を行う方法を提供する。本発明の方法はバイナリーシグナルパターンを生成し、これを用いて核酸配列および/または核酸配列の変異および多型を同定することができる。本発明の方法により同定できる変異および多型としては、単一ヌクレオチド多型(SNP)、塩基の欠失、塩基の挿入、およびへテロ接合性の多型およびホモ接合性の多型が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、核酸配列分析の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、コンビ
ナトリアル配列アレイプライマーを用いて鋳型核酸内に存在する変異または多型
をシークエンシングおよび/または検出する、核酸配列の分析方法を提供する。
【0002】 (背景技術) 本発明は、核酸配列分析の分野に関する。核酸配列の分析は、たとえば、特定
の遺伝子要素の存在または不在を決定するのに用いることができる。ある核酸配
列の変異した遺伝子要素は通常存在する。変異した遺伝子要素の例としては、こ
れらに限られるものではないが、単一ヌクレオチド多型(「SNP」)などの遺
伝子変異または多型、塩基の欠失、塩基の挿入、およびへテロ接合性(heterozy
gous)およびホモ接合性(homozygous)の多型が挙げられる。従って、核酸配列
の相同なセグメントを比較してこれらセグメントが同一であるか否か、あるいは
これらセグメントが1またはそれ以上のヌクレオチドにおいて異なっているか否
かを決定するための多くの技術が開発されている。これら技術の実際的な応用と
しては、遺伝病の診断、感染疾患の診断、法医学的な技術、実父の決定、および
ゲノムマッピングが挙げられる。
【0003】 一般に、試料中の核酸およびその亜類型の検出は、オリゴヌクレオチドプロー
ブが試料中の核酸に高ストリンジェンシー条件下でアニールする特異的な核酸ハ
イブリダイゼーションの技術に依存し、うまくアニールしたプローブはその後検
出される(たとえば、Spiegelman, S.,1964,Scientific American 210:48)。 DNAセグメントを比較するための最も決定的な方法は各セグメントの完全な
ヌクレオチド配列を決定することである。シークエンシングがヒト遺伝子の変異
を研究するうえでいかに用いられたかの例は、Engelkeら(1988, Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.85:544-548)およびWongら(1987, Nature 330:384-386)の刊行物
に含まれている。最も一般的に用いられている核酸シークエンシング法としては
、「サンガー法」としても知られるジデオキシ媒介チェインターミネーション法
(Sanger, F.ら、1975,J.Molec.Biol. 94:441; Porbe, J.ら、1987, Science 23
8:336-340)および化学的分解法すなわち「マクサム−ギルバート」法(Maxam,
A.M.ら、1977, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.74:560)が挙げられる。
【0004】 サンガー法およびマクサム−ギルバート法ともに一連の4つの化学反応、各ヌ
クレオチド塩基について一つ(たとえば、DNAに対してはA、C、GおよびT
)を含み、プライマー伸長反応(サンガー)かまたは部分的開裂反応(マクサム
−ギルバート)からなる。これら反応は4セットの入れ子状の(nested)核酸分
子を生成し、その長さはシークエンシングすべき核酸分子の長さ方向に沿った特
定塩基の位置によって決定される。ついで、入れ子状の反応生成物は電気泳動ゲ
ルにより解析される。
【0005】 電気泳動ゲル上での反応生成物の分離および分析は労力を有し、時間のかかる
工程である。従って、核酸分子をシークエンシングするための別法が開発されて
いる。たとえば、固相アレイを用いたデノボ(de novo)シークエンシング法を
開発することに多大の関心が持たれている(たとえば、Chetverin, A.B.ら、199
4, Bio/Technology 12:1093-1099; Macevicz、米国特許第5,002,867号;
Beattie, W.G.ら、1995, Molec.Biotech.4:213-225; Drmanac, R.T. EP 797683;
Gruber, L.S., EP 787183;これら各文献の全体を参照のため本明細書中に引用
する)。これら方法は主として、鋳型鎖上の相補的配列にハイブリダイズするコ
ンビナトリアル配列を含む整列させた(arrayed)プライマーへの鋳型核酸のハ
イブリダイゼーションからなる。これら方法は、安定な二本鎖構造の形成による
鋳型の捕捉と、鋳型とプライマーとの間のミスマッチの不安定性による配列識別
とを組み合わせたものである。
【0006】 そのような方法は、一般に長さが少なくとも12塩基のプライマーのアレイを
用いなければならず、これは約1600万の配列の組み合わせを包含するもので
ある。そのようなアレイは、構築するにしても分析するにしても非常に複雑で時
間を要するものである。それゆえ、現時点では上記に記載した方法のような大規
模なシークエンシング法を数個かそれ以上のDNAセグメントを比較するのに使
用するのは実際的ではない。なぜなら、完全な配列情報を決定し、解釈し、比較
するのに要する労力は時間のかかるものだからである。
【0007】 制限断片長多型(「RFLP」)マッピングは、DNA配列の変異から生じる
DNA多型をスクリーニングするために用いられている他のスクリーニング法で
ある。RFLPは、Botsteinら、(1980, Am.J.Hum.Genet. 32:314-331)および
Whiteら(1988, Sci.Am.258:40-48)によって記載されているように、DNAを
制限エンドヌクレアーゼで消化し、ついで得られた断片をサザーンブロットによ
り分析することからなる。エンドヌクレアーゼの配列認識に影響を及ぼす変異は
その部位での酵素認識を排除し、かくしてDNAの開裂パターンを変えるであろ
う。制限断片長の差異を探すことによりDNAを比較する。しかしながら、RF
LPマッピングの主要な問題は、制限エンドヌクレアーゼの開裂に影響を及ぼさ
ない変異を検出できないことである。それゆえ、多くの変異がこの方法によって
見逃される。さらに、制限断片長多型の検出に用いる方法は非常に労力を有する
ものであり、とりわけサザーンブロット分析を伴う技術においてそうである。
【0008】 別法として、固相アレイを用いて単一のヌクレオチド多型(SNP)を分析す
る一層簡単な方法が開発されている。これら方法は、SNP(変異していない配
列の領域によってフランキングされた変異部位からなる)の分析が変異の部位に
存在する単一のヌクレオチドの同定の決定以上のことを必要としないという事実
に依存している。
【0009】 たとえば、DNA中の多型部位をアッセイするための幾つかのプライマーガイ
ド(primer-guided)ヌクレオチド導入法が記載されている(たとえば、Komher,
J. S.ら、1989, Nucl. Acids Res. 17: 7779-7784; Sokolov, B. P., 1990, Nu
cl. Acids Res. 18: 3671; Syvanen, A.-C.ら、1990, Genomics 8: 684-692; Ku
ppuswamy, M. N.ら、1991, Proc. Natl. Acad. Sic. U.S.A. 88: 1143-1147; Pr
ezant, T. R.ら、1992, Hum. Mutat. 1: 159-164; Ugozzoli, L.ら、1992, GATA
9: 107-112; Nyren, P.ら、1993, Anal. Biochem. 208: 171-175; およびWalla
ce, WO89/10414)。これら方法はそれぞれ、多型部位での塩基を識別
するために標識デオキシヌクレオチドを導入することに依存している。
【0010】 他のマイクロシークエンシング法であるジェネティックビットアナリシス(Ge
netic Bit Analysis)(GBATM)法がGoelet, P.ら(WO92/15712)
によって開示されており、該方法は上記マイクロシークエンシングアッセイ法の
問題の多くを回避するものである。GBATM法においては、前以て決定したイン
テロゲーション(interrogation)部位の周辺のヌクレオチド配列情報を用い、
該前以て決定した部位に直ぐ隣接するが該部位を含まない領域に相補的なオリゴ
ヌクレオチドプライマーをデザインする。標的DNA鋳型を生物学的試料から選
択し、インテロゲーションプライマーにハイブリダイズさせる。このプライマー
を、少なくとも2つ、最も好ましくは4つのすべての鎖停止ヌクレオシド三リン
酸前駆体の存在下、DNAポリメラーゼを用いた単一の標識ジデオキシヌクレオ
チドにより伸長させる。
【0011】 GBA法の幾つかの改変法が他のマイクロシークエンシング法と同様に開発さ
れている(たとえば、Mundy、米国特許第4,656,127号;VaryおよびDiamo
nd、米国特許第4,851,331号;Cohen, D.ら、PCT出願第WO91/0
2087号;Chee, M.ら、WO95/11995号;Landegren, U.ら、1988, S
cience 241:1077-1080; Nicerson, D.A.ら、1990, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.8
7:8923-8927; Pastinen, T.ら、1997, Genome Res. 7:606-614; Pastinen, T.ら
、1996, Clin.Chem.42:1391-1397; Jalanko, A.ら、1992, Clin.Chem.38:39-43;
Shumaker, J.M.ら、1996, Hum. Mutation 7:346-354; Caskey, C.ら、WO95
/00669号参照)。
【0012】 (発明が解決しようとする技術的課題) これら方法はデノボシークエンシング法に比べて実行し分析するのが簡単であ
るが、そのようなマイクロシークエンシング法は多型の直ぐ隣の部位(あるいは
多型の隣であると思われる部位)で標的核酸分子にハイブリダイズするプライマ
ーを必要とする。それゆえ、そのような方法は「野生型」の核酸配列についても
前以ての知見を必要とする。さらに、これら方法は、特定の核酸配列中の特定の
位置にある特定の変異または多型、典型的にはSNPを同定することに限られる
。最後に、そのような方法はまた、典型的に標的塩基当たりに複数のインテロゲ
ーションを必要とする。
【0013】 (その解決方法) 本発明は、特有のユニバーサルアレイ系および核酸配列分析のためのその使用
に関する。本発明のアレイ系は、核酸配列の分析、たとえば、DNAその他の核
酸配列およびこれら配列中の変異および多型を同定するのに用いることができる
【0014】 (発明の要約) 本発明の配列分析系および方法の原理は、(i)特異的な「捕捉残基」による
分析すべきポリヌクレオチド(以下、「鋳型」と称する)上の特定の「捕捉領域
」での該鋳型の捕捉、(ii)コンビナトリアルプライマー−ポリメラーゼ複合体
による相補性領域のための鋳型のスキャニング、および(iii)鋳型ホモロジー
に依存したプライマー伸長反応(プライマーは1またはそれ以上のヌクレオチド
またはヌクレオチドアナログにより伸長される)によるシグナル生成を含む。
【0015】 プライマー伸長は該プライマーに対して相補的な領域が鋳型上で出くわした場
合にのみ起こるので、工程(iii)で生成する伸長シグナルは鋳型ポリヌクレオ
チド中の特定の核酸配列の存在を同定する重要な要素である。もしもコンビナト
リアルプライマーに相補的な配列が鋳型に存在しなければ、プライマー伸長は起
こらず、伸長シグナルもまた生成されない。それゆえ、複数のコンビナトリアル
プライマーを含むアレイを用いて本発明の方法を行うことにより、伸長プライマ
ーシグナルと非伸長プライマーシグナルとの特有のパターンまたはマトリックス
が分析すべきポリヌクレオチド配列について生成される。
【0016】 好ましい態様において、本発明のアレイ系は、固相支持体上に整列され、(a
)鋳型の所定の領域と安定な複合体を形成できる捕捉残基、(b)スペーサー領
域、および(c)ポリメラーゼの存在下で鋳型中の相補的な配列を認識でき、鋳
型に依存したプライマー伸長反応により1またはそれ以上のヌクレオチド残基(
すなわち、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ)で伸長できる、3〜7塩
基を含むプライマー領域、を含むシークエンス試薬(sequence reagent)のアレ
イを含む。最も好ましくは、本発明は、Head, S.ら(1997年11月21日に
出願された米国特許出願第08/976,427号)によって記載されているよ
うに、ユニバーサルシークエンシングアレイを用いて行う。
【0017】 好ましくは、鋳型に依存したプライマー伸長に用いるヌクレオチド残基は標識
したヌクレオチドである。種々の態様において、ヌクレオチド残基は、たとえば
ジデオキシヌクレオチドなどのような鎖停止ヌクレオチドであってもよいし、ま
たはデオキシヌクレオチドなどのような鎖を停止しないヌクレオチドであっても
よい。好ましくは、ヌクレオチド残基は、4つのヌクレオチド塩基A、G、C、
およびTのすべてについてヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを含む。
【0018】 本発明は、核酸配列を固相アレイ(本明細書において配列アレイと称する)上
で該アレイ上の「オン/オフ」ポリメラーゼ伸長シグナルの新規な分析により分
析できるという出願人の知見に一部基づいている。本発明の方法は、ポリメラー
ゼ伸長生成物の実際の同定を決定することを必要とせず、単にアレイの各成分に
ついてポリメラーゼ伸長生成物が存在するか否かの決定のみを必要とする。つい
で、鋳型核酸分子の部分配列(subsequences)をこれらオン/オフポリメラーゼ
伸長シグナルの簡単な分析により同定でき、それによって鋳型核酸分子中の変異
および多型が決定される。
【0019】 本発明は、長さが3〜7塩基のプライマー配列のアレイを用いた核酸配列の分
析法を提供することにより、従来技術の限界を克服するものである。そのような
プライマーアレイは4096を超えない可能な配列組み合わせ(たとえば、6つ
の塩基)を有し、数千塩基までのポリヌクレオチドを首尾よく分析できる。一つ
の好ましい態様において、そのようなアレイは1024のみの配列組み合わせ(
5つの塩基について)を有し、約1000までの塩基を有するポリヌクレオチド
の配列を分析できる。他の好ましい態様において、そのようなアレイは256の
みの配列組み合わせ(4つの塩基について)を有し、約300塩基までの配列を
分析できる。ある種の他の態様において、さらに少ない配列組み合わせを有する
アレイを用いることが可能である。そのような簡単なアレイは、何百万もの配列
組み合わせを含みおよび/または標的配列から経験的に得られる配列を用いるデ
ノボシークエンシング法に対して典型的に用いられる固相アレイに比べて製造お
よびスクリーニングが有意に容易である。
【0020】 本発明の方法はまた、アレイ中の各プライマーについて「バイナリー(binary
)」ポリメラーゼ伸長シグナルが生成される核酸配列の分析方法をも提供する。
それゆえ、単一の分析は単にポリメラーゼ伸長生成物の存在および不在の検出の
みを含む。伸長生成物の同定も異なる伸長生成物間の識別も必要ではない。
【0021】 シグナル分析は本発明において、得られたシグナルの分析が単にプライマーア
レイのバイナリーシグナルパターンすなわち「マトリックス」を分析することの
みを含むという点でさらに簡単になる。ついで、このパターンを用いて標的核酸
分子の変異、多型、または配列の存在または不在を決定できる。このように本発
明の方法はパターンマッチング法を利用して配列分析を行うものであり、それに
より複雑なまたは大規模な分析法の必要性を低減し、さらには必要性をなくすも
のである。
【0022】 本発明は、本発明の方法を実施するに際して分析すべき核酸配列の前以ての知
見を必要としないという点で従来技術をさらに改善するものである。本発明の方
法はまた、核酸分子のいかなる位置の変異または多型をも検出でき、特定の変異
またはSNPのアッセイに限られることはない。それゆえ、本発明の方法は、核
酸分子中の特定の位置にあるヌクレオチド塩基の同定の決定のみに限られるもの
ではない。本発明により検出できる変異および多型の例としては、これらに限ら
れるものではないが、単一ヌクレオチド多型(SNP)並びに塩基の欠失、塩基
の挿入、およびへテロ接合性の変異および多型が挙げられる。
【0023】 本発明の方法に用いる固相アレイは製造が簡単であり、得られたオン/オフポ
リメラーゼ伸長シグナルの分析は簡単で直截的であり、複雑で大規模な分析法の
必要性を低減するものである。実際、本発明のPSA法は簡単なパターンマッチ
ング分析法に理想的に適している。
【0024】 図1は、本発明の方法に用いるシークエンス試薬の構造の模式図を示す。 図2A−Cは、本発明のポリメラーゼシグナル形成アッセイ(PSA)の工程
の模式図を示す。図2Aは、鋳型核酸分子の捕捉領域がシークエンス試薬の捕捉
残基と安定な複合体を形成する「捕捉」工程を示す。図2Bは、シークエンス試
薬のプライマー領域が鋳型核酸分子の相補的領域を認識する「スキャニング」工
程を示す。図2Cは、プライマーが1またはそれ以上のヌクレオチドにより伸長
される「シグナル」工程を示す。
【0025】 図3A−Dは、表2に列記した21のプライマー配列を含む配列アレイを用い
、表1に示す「野生型」および「変異」核酸配列のPSA分析からの予測された
(図2A、図2C)データシグナルおよび実験で得られた(図3B、図3D)デ
ータシグナルを示す。 図4A−Cは、p53エクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。図4Aは、野生型p53鋳型のPSAデータシグナルパターンを
示す。図4Bは、単一のヌクレオチド多型(SNP;38C→T)を有するp5
3鋳型のPSAデータシグナルパターンを示す。図4Cは、図4A−Bに示す2
つのデータシグナルパターンの差異を示す。
【0026】 図5A−Cは、p53のエクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナル
パターンを示す。図5Aは、野生型p53鋳型のPSAデータシグナルパターン
を示す。図5Bは、SNP 38C→Aを有するp53鋳型のデータシグナルパ
ターンを示す。図5Cは、図5A−Bに示す2つのデータシグナルパターンの差
異を示す。 図6A−Cは、p53エクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。図6Aは、野生型p53鋳型について得られたデータシグナルパ
ターンを示す。図6Bは、へテロ接合性多型38C→Aを有するp53鋳型のデ
ータシグナルパターンを示す。図6Cは、図6A−Bに示す2つのデータシグナ
ルパターンの差異を示す。
【0027】 図7A−Cは、p53エクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。図7Aは、野生型p53鋳型のデータシグナルパターンを示す。
図7Bは、5塩基の欠失を有するp53鋳型のPSA分析のデータシグナルパタ
ーンを示す。図7Cは、図7A−Bに示す2つのデータシグナルパターンの差異
を示す。 図8A−Cは、p53エクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。図8Aは、野生型p53鋳型について得られたデータシグナルパ
ターンを示す。図8Bは、5塩基の挿入を有するp53鋳型のPSA分析のデー
タシグナルパターンを示す。図8Cは、図8A−Bに示す2つのデータシグナル
パターンの差異を示す。
【0028】 本発明は、本明細書においてポリメラーゼシグナル形成アッセイまたはPSA
と称するアッセイ法を包含する。これら方法は核酸分子の配列を分析するのに用
いる。本発明の方法によって配列分析される核酸分子は、本明細書では鋳型核酸
分子、または鋳型分子、または鋳型として定義される。本発明の方法によって配
列分析される鋳型核酸分子は、ゲノムDNA分子、cDNA分子、およびそれら
の断片などの(これらに限られるものではない)DNA分子を含む。本発明の方
法によって配列分析される鋳型核酸分子はまた、メッセンジャーRNA(mRN
A)分子、リボソームRNA(rRNA)分子、およびそれらの断片などの(こ
れらに限られるものではない)RNA分子を含む。
【0029】 本発明のPSA法により分析すべき核酸分子の採取源はいかなるものであって
もよい。たとえば、鋳型核酸分子は天然に存在する核酸分子であってよく、たと
えば生物から単離したゲノムまたはゲノム外DNA分子または生物から単離した
mRNA分子などのRNA分子であってよい。あるいはまた、鋳型核酸分子は合
成されてもよく、たとえば、cDNA分子やPCRによって合成した核酸分子な
どのようにインビボまたはインビトロで酵素的に合成した核酸分子を包含する。
核酸分子の試料としては、たとえば、デオキシリボ核酸、リボ核酸、またはデオ
キシリボ核酸とリボ核酸とのコポリマーの分子が挙げられる。
【0030】 本発明は、核酸配列を固相アレイ(本明細書において配列アレイと称する)上
で該アレイ上の「オン/オフ」ポリメラーゼ伸長シグナルの新規な分析により分
析できるという出願人の知見に一部基づいている。本発明の方法は、ポリメラー
ゼ伸長生成物の実際の同定を決定することを必要とせず、単にアレイの各成分に
ついてポリメラーゼ伸長生成物が存在するか否かの決定のみを必要とする。つい
で、鋳型核酸分子の部分配列をこれらオン/オフポリメラーゼ伸長シグナルの簡
単な分析により同定でき、それによって鋳型核酸分子中の変異および多型が決定
される。
【0031】 本発明の方法に用いる固相アレイは製造が簡単であり、得られたオン/オフポ
リメラーゼ伸長シグナルの分析は簡単で直截的であり、複雑で大規模な分析法の
必要性を低減するものである。実際、本発明のPSA法は簡単なパターンマッチ
ング分析法に理想的に適している。 以下の項目は本発明の方法を一層詳細に記載するものである。とりわけ、セク
ション5.2は本発明の方法に用いる配列アレイおよびそのようなアレイの調製
方法を初めて記載するものである。ついで、本発明のポリメラーゼシグナル形成
アッセイ法をセクション5.3で詳細に記載する。
【0032】 5.1.配列アレイ 本発明の方法に用いるものなどの配列アレイは、Head, S.ら(1997年11
月21日に出願した米国特許出願第08/976,427号;該文献を全体とし
て本明細書中に参照のため引用する)によって詳細に記載されている。そのよう
な配列アレイはまた、本発明のPSA法に特に深く係わるものであるため以下で
も詳細に記載する。
【0033】 本発明の配列アレイは、コンビナトリアルオリゴヌクレオチドの固相アレイを
含む。そのようなアレイは、固相表面上に空間的に識別できる仕方で個別的にか
または一群として固定化した複数のシークエンス試薬を含む。これら配列アレイ
のシークエンス試薬はそれぞれ、(i)「捕捉残基」、(ii)「スペーサー領域
」、または(iii)「プライマー領域」(本明細書においてプライマー配列とも
称する)を含む。本発明の方法は、各シークエンス試薬のプライマーが好ましく
は鋳型核酸分子の相補的配列を認識できる4〜6塩基を含む配列アレイを利用す
るものである。
【0034】 5.1.1.シークエンス試薬 本発明のPSA法に用いる配列アレイのシークエンス試薬は、鋳型核酸分子の
プライマー伸長に基づく配列分析のためのコンビナトリアルアレイの一部として
用いるようにデザインされている。シークエンス試薬の特定の好ましい態様は図
1に示してある。図1に示すシークエンス試薬の個々の成員を以下に記載する。
【0035】付着残基 : 一つの好ましい態様において、シークエンス試薬は任意の「付着残基」(図1
;AM)を含み、該付着残基はシークエンス試薬の一方の末端、好ましくは5'
末端に結合され、シークエンス試薬を固相表面に結合させるべく機能する。付着
残基はシークエンス試薬を固相表面に特異的に付着させるのが好ましい。
【0036】 別の態様において、シークエンス試薬は非特異的に固相表面に付着される。シ
ークエンス試薬は、たとえば、オクチル−ジメチルアミンHClまたはNaCl
などのカチオン試薬により固相表面上に非特異的に付着させることができる。別
法として、シークエンス試薬は、アミノ修飾固相表面などの荷電固相に非特異的
に付着させることができる。 他の好ましい態様において、シークエンス試薬を固相表面上に特異的に付着さ
せる。好ましくは、シークエンス試薬の特異的な付着は可逆的な結合により行う
【0037】 一つの好ましい態様において、シークエンス試薬は非共有結合により固相表面
上に特異的に付着させることができる。たとえば、ビオチンまたはイミノビオチ
ン標識したオリゴヌクレオチドをアビジンまたはストレプトアビジンでコーティ
ングした固相表面に固定化できる。別法として、ハプテン処理したオリゴヌクレ
オチドを抗体をコーティングした固相表面に固定化できる。しかしながら、他の
リガンドレセプター相互作用が本発明に使用するのに適していることも理解され
なければならない。
【0038】 他の好ましい態様において、シークエンス試薬を共有結合により固相表面上に
特異的に付着させる。好ましくは、共有結合はジスルフィド結合である。シーク
エンス試薬を固相表面に付着させるための他の態様については、捕捉残基に関連
して以下に言及する。以下に捕捉残基に関連して言及するヌクレオチドを固相表
面に固定化するための種々の態様はまた、本発明のシークエンスヌクレオチドを
固相表面に固定化するのに応用できる。 本発明において使用するのに適した付着残基の例としては、アミノ、チオール
、ジスルフィド、ビオチンなどの基をシークエンス試薬の5'末端に導入するこ
とが挙げられる。この修飾は、シークエンス試薬を合成する際か、またはシーク
エンス試薬を合成した後のいずれかにおいて行うことができる。
【0039】捕捉残基 : シークエンス試薬の「捕捉残基」(図1;CM)は、鋳型核酸の所定の領域(
本明細書において鋳型分子の「捕捉領域」と称する)と安定な複合体を形成でき
る残基である。捕捉残基は、シークエンス試薬の5'末端かまたは3'末端のいず
れかの近傍であってよい。
【0040】 捕捉残基は、たとえば、DNA、RNA、またはPNA(タンパク質核酸(pr
otein nucleic acid))配列であってよい。核酸配列はまた、修飾塩基を含んで
いてよい。たとえば、RNA配列は2'−O−メトキシRNAを含んでいてよく
、DNA配列は5−Me−dC、pdC、pdUまたは2−アミノ−dAを含ん
でいてよい。他の態様において、核酸配列は修飾した骨格を含んでいてよく、そ
の際、該骨格はホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネー
トまたはH−ホスホネートで修飾されている。
【0041】 他の好ましい態様において、捕捉残基は、ビオチン、イミノビオチン、アビジ
ン、ストレプトアビジン、抗体、ハプテン、レセプター、リガンドまたは荷電塩
基であってよい。本発明において使用するのに適したレセプターおよびリガンド
としては、プロテインA、プロテインG、抗体のFc部分、またはFcレセプタ
ーが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0042】 捕捉残基はまた、たとえば、ジスルフィド結合、エポキシを介した共有エーテ
ルまたはチオエーテル結合、UV架橋、カルボジイミドとの縮合反応、チオエー
テルへのブロモアセチル/チオール結合、2官能性基との架橋、またはチオール
と金との間の複合体により、鋳型核酸分子の捕捉領域と安定な複合体を形成しう
る。本発明において捕捉残基として使用するのに適した2官能性架橋試薬として
は、これらに限られるものではないが、イミジエステル、N−ヒドロキシスクシ
ンイミジルエステル、マレイミド、アルキルハライド、アリールハライド、アル
ファ−ハロアシル、およびピリジルジスルフィドが挙げられる。捕捉残基はまた
、たとえば、標識基により共有結合的に付着させることもできる。本発明におい
て使用するのに適した標識基としては、これらに限られるものではないが、アミ
ノ、スルフヒドリル、ジスルフィド、ホスフェート、チオホスフェート、ジチオ
ホスフェートおよびソラレン基が挙げられる。 捕捉残基はまた、固相に一緒に付着し、シークエンス試薬のプライマー領域(
図1;PR)の直ぐ近傍に鋳型を有効に接近させる別個の分子として存在しても
よい。
【0043】 好ましい態様の一つにおいて、捕捉残基は8〜24シトシン塩基の配列を含み
、鋳型鎖に導入された8〜24グアニン塩基の配列にハイブリダイズできる。他
の好ましい態様において、捕捉残基は、鋳型鎖の所定の領域の増幅に用いたPC
Rプライマーまたはその一部に相補的な特定の配列を含む。たとえば、捕捉残基
は、PCRプライマー内に認められる制限部位に相補的な配列を含んでいてよい
。あるいは、PCRプライマーはプロモーター部位にハイブリダイズするゆえ、
捕捉配列はプロモーター部位と同じ配列である。PCRプライマーの設計は当業
者によく知られており、捕捉配列はPCRプライマー、その一部またはその修飾
に対して相補的であってよいと認められる。
【0044】 ハイブリダイゼーションの効率および標的核酸と短いオリゴヌクレオチドプロ
ーブとの間で形成されるハイブリッドの熱的安定性は、プローブのヌクレオチド
配列および反応条件のストリンジェンシーに大きく依存する(たとえば、Conner
, B. J.ら、1983, Proc Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80: 278-282を参照)。それ
ゆえ、捕捉残基と捕捉領域の特別の態様についての適当なハイブリダイゼーショ
ン条件は、上記の記載および当業者によく知られた他の文献から明らかであろう
【0045】スペーサー領域 : シークエンス試薬はさらにスペーサー領域(図1;SR)を含む。スペーサー
領域は、長さが少なくとも10nmであるのが好ましく、長さが10〜100n
mであるのがさらに好ましい。しかしながら、スペーサー領域はまた、長さが1
00nmを超えてもよい。本発明において使用するのに適したスペーサー領域と
しては、これらに限られるものではないが、DNAまたはRNA配列、PNA配
列、ポリエチレングリコール基、5−ニトロインドール基、または他の化学的ス
ペーサーアームが挙げられる。スペーサー領域はまた、DNA、RNA、および
PNAのアナログからなっていてよい。そのような態様において、スペーサー領
域の核酸配列は、捕捉残基について上記に記載した修飾塩基などのような、非修
飾または修飾ヌクレオチド塩基を含んでいてよい。好ましくは、スペーサー領域
は、ランダムな塩基配列からなる。しかしながら、スペーサー領域はまた、偽ラ
ンダム(pseudo-random)または非ランダム(non-random)塩基の配列からなっ
ていてよい。
【0046】 スペーサー領域は、鋳型非依存性のノイズを最小にするようにデザインするの
が好ましい。鋳型非依存性のノイズは、鋳型に依存しない(すなわち、鋳型の不
在下での)シグナル検出の結果である。一つの態様において、スペーサー領域は
さらに捕捉残基と付着残基との間に置かれる。
【0047】プライマー領域 : 最後に、シークエンス試薬はまたプライマー領域(図1;PR)(本明細書に
おいてプライマーとも称する)をも含む。プライマー領域は鋳型鎖上の配列を認
識できる特定の塩基からなり、ポリメラーゼにより1またはそれ以上の標識ヌク
レオチドを用いて伸長することができる。とりわけ、本発明のPSA法に用いる
に際して、プライマーは鋳型鎖上の相補的配列を認識できる4〜6の特定の塩基
からなる。一般に、プライマーは、4〜6の天然に存在するヌクレオチド塩基の
DNAまたはRNA配列を含むであろう。そのような配列はまた、本明細書にお
いてシークエンス試薬のプライマー配列と称される。
【0048】 プライマー配列は、たとえば、オリゴデオキシリボヌクレオチド、およびオリ
ゴリボヌクレオチド、またはデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドとの
コポリマーであってよい。プライマー配列は、インビボで酵素的に、インビトロ
で酵素的に、またはインビトロで非酵素的に、たとえば以下のセクション5.1.
2に記載する方法により合成することができる。
【0049】 プライマー配列、あるいはシークエンス試薬はまた、以下のセクション5.2.
4に記載する検出可能な標識を含む検出可能なマーカーまたは標識で標識するこ
とができる。プライマーまたはシークエンス試薬を標識するのに用いるマーカー
の検出可能な標識は、伸長したプライマーまたは鋳型のいずれかを標識するのに
用いた標識とは異なるのが好ましいであろう。
【0050】 5.1.2.シークエンス試薬の合成 配列アレイのシークエンス試薬を合成するのに2つの好ましい方法がある。第
一の方法は、たとえばSouthernら(1994, Nucl. Acids Res. 22: 1368-1373)に
よって、Maskosら(1992, Nucl. Acids Res. 20: 1679-1684)によって、および
Peaseら(1994, Proc. Natl. Acad. Sci. 91: 5022-5026)によって記載されて
いるように、特定のオリゴヌクレオチド配列を固相上に(直接(in situ))所
望のパターンで(すなわち、空間的に識別できる所望の仕方で)合成するもので
ある。他の方法は、まずABI392などの自動DNA合成機でオリゴヌクレオ
チドを前以て合成し、ついで合成したオリゴヌクレオチドを固相上の特定の位置
に付着させるものである(たとえば、Lamtureら、1994, Nucl. Acids Res. 22:
2121-2125;およびSmithら、1994, Nucl. Acids Res. 22: 5456-5465を参照)。
【0051】 第一の方法では、各塩基のカップリング工程の効率が核酸分子アレイの品質お
よび完全さに影響を及ぼすであろう。この方法は一般に、所望でない不完全な(
すなわち、より短くなった)配列を大きなパーセントで生成するため、分析工程
において問題を引き起こし、分析の完全さに影響を及ぼし得る。それゆえ、第一
の方法に従って合成したアレイの品質および完全さは、核酸分子の長さに反比例
する。とりわけ、より長いオリゴヌクレオチドの合成は、より高いパーセントの
不完全で短くなった配列という結果となる。
【0052】 核酸アレイ合成のための第二のより好ましい方法は、DNA合成のために自動
DNA合成機を利用する。オリゴヌクレオチドは、標準的なホスホルアミダイト
化学を用いて合成する(たとえば、Matteucci, M. D.ら、1981, J. Amer. Chem.
Soc. 103: 3185-3191を参照)。好ましくは、多数のオリゴヌクレオチドを同時
に合成するためにセグメント化合成戦略を用いる(たとえば、Beattie, K. L.ら
、1988, Appl. Biochem. Biotechnol. 10: 510-521;Beattie, K. L.ら、1991,
Nature 352: 548-549を参照)。自動DNA合成機の制御された化学により、第
一の方法で可能なものに比べてより長く、より高品質のDNA分子を合成するこ
とが可能となる。また、第二の方法に従って合成した核酸分子は、カップリング
工程の前に精製することができる。それゆえ、核酸分子アレイの品質は第一の方
法の核酸アレイの品質よりもはるかに高いことが予想され得る。
【0053】 5.1.3.固相への固定化 オリゴヌクレオチドを固相支持体に固定化するのに適したものとして幾つかの
方法が提唱されている。たとえば、Holmstrom, K.ら(1993, Anal. Biochem. 20
9: 278-283)は、アビジンおよびストレプトアビジンに対するビオチンの親和性
を利用し、ビオチン化核酸分子をアビジン/ストレプトアビジンコーティング支
持体に固定化している。他の方法は、ポリスチレンまたはガラス固相をポリ−L
−Lysまたはポリ−L−Lys,Pheでプレコーティングした後、アミノ−
またはスルフヒドリル−のいずれかで修飾したオリゴヌクレオチドを2官能性架
橋試薬を用いて共有結合させることを必要とする。両方法ともに修飾オリゴヌク
レオチドの使用および固相の前処理を必要とする(たとえば、Running, J. A.ら
、1990, BioTechniques 8: 276-277; Newton, C. R.ら、1993, Nucleic Acids R
es. 21: 1155-1162を参照)。
【0054】 Kawai, S.ら(1993, Anal. Biochem. 209: 63-69)は、短いオリゴヌクレオチ
ドプローブを一緒にライゲートさせて多量体を生成させ、ついでこれらをファー
ジミドベクター中にライゲートする別法を記載している。これらオリゴヌクレオ
チドをポリスチレンプレート上に固定化し、254nmのUV照射により固定す
る。短い5'−リン酸化プライマーを化学的に修飾したポリスチレンプレート(
「Covalink」プレート、Nunc)に直接共有結合させる方法もまた Rasmussen, S.
R.ら(1991, Anal. Biochem. 198: 138-142)により提唱されている。修飾オリ
ゴヌクレオチドと固相表面との間の共有結合は、水溶性カルボジイミドを用いた
縮合反応により生成させる。Rasmussen の方法はオリゴヌクレオチドの5'−リ
ン酸によりオリゴヌクレオチドの5'−付着が優先的に起こることを主張してい
る。しかしながら、この方法は特別に調製した高価なプレートを必要とする。
【0055】 Maskos, U.ら(1992, Nucl. Acids Res. 20: 1679-1684)は、オリゴヌクレオ
チドをガラス支持体上に直接合成する方法を記載している。この方法によれば、
一次(primary)ヒドロキシル基を有する可撓性リンカーをグリシドキシプロピ
ルシランにより固相支持体に結合させるが、その際、該一次ヒドロキシル基はオ
リゴヌクレオチド合成の開始点となる。この方法の欠点は、反応が可逆的でなく
、操作の間にオリゴヌクレオチドが固相表面から漏れ出すことである。
【0056】 共有ジスルフィド結合が、タンパク質およびオリゴヌクレオチドの両者を固定
化するためにこれまでに用いられている。たとえば、Carlsson, J.ら(1991, Bi
otech. Applied Biochem. 14: 114-120)は、チオール化タンパク質およびペプ
チドをジスルフィド結合によりアガロースビーズに可逆的に固定化する方法を開
示している。この方法では、ジスルフィド結合はチオール含有タンパク質とチオ
ール誘導体化アガロースビーズとの間で形成される。この文献はまた、ジスルフ
ィド結合が過剰のジチオトレイトールの存在下で可逆的であることを開示してい
る。Chu, B. C. F.ら(1988, Nucleic Acids Res. 16: 3671-3691)は、開裂し
うるジスルフィド結合によりオリゴヌクレオチドを核酸またはタンパク質にカッ
プリングする方法を開示している。カップリング反応に先立って、ホスホルアミ
ダイト結合により5'リン酸にシステアミン基を付加することによりオリゴヌク
レオチドを修飾する。Sliwkowski, M. X.ら(1983, Biochem. J. 209: 731-739
)は、可逆的なジスルフィド結合相互作用によりタンパク質をシステイニルスク
シンイミドプロピルガラスビーズに固定化した共有クロマトグラフィー法を開示
している。
【0057】 Fahy, E.ら(1993, Nucleic Acids Res. 21: 1819-1826)は、5'−ブロモア
セチルおよび5'−チオールオリゴヌクレオチド誘導体の合成およびチオエステ
ル結合を介したこれらオリゴヌクレオチド誘導体のスルフヒドリル−およびブロ
モアセチル−修飾したポリアクリルアミド支持体への共有結合固定化を記載して
いる。この方法の欠点は、共有結合が可逆的でないことである。
【0058】 Andersonら(1997年3月5日に出願した米国特許出願第08/812,0
10号)は、可逆的な共有ジスルフィド結合により核酸分子を固相に固定化する
ための新規な方法を記載している。この方法では、ジスルフィド結合をチオール
またはジスルフィド含有核酸分子とメルカプトシランコーティング固相表面との
間で形成させている。Shiら(米国特許出願第08/870,010号)は、共有
エーテルまたはチオエーテル結合により核酸分子を固相に固定化するための新規
な方法を記載している。これら簡単な2工程法は、DNAアレイを調製するのに
必要とされる特異性および効率性をともに有する。
【0059】 上記方法はすべて、本発明においてシークエンス試薬を固相支持体に固定化す
るのに用いることができるが、好ましい態様はAndersonら(上掲)およびShiら
(上掲)によって開示されているものである。本発明のシークエンス試薬を固定
化するための他の好ましい態様は、Holmstrom, K.ら(1993, Anal. Biochem. 20
9: 278-283)により開示されているように、ビオチン化核酸分子をアビジン/ス
トレプトアビジンコーティング支持体に固定化するものである。
【0060】 本発明の方法に従って様々なガラスやプラスチック固相支持体のいずれをも用
いることができるが、珪酸塩(silicon)ガラスが好ましい固相支持体である。
好ましくは、固相支持体は、1000要素/cm2を超えるアレイ密度で形作る
。支持体はまた、ビーズ、ディップスティック、試験管、ピン、膜、チャンネル
、毛細管、カラムとして、またはピンまたはガラス繊維のアレイとしても形作る
ことができる。好ましくは、プラスチック支持体はポリスチレンプラスチックの
形態である。別の態様として、固相支持体は、ガラス、好ましくは顕微鏡スライ
ド、カバースリップ、毛細管、ガラスビーズまたはチャンネルの形態であってよ
い。固相支持体はまた、ガラスプレート、水晶ウェーハー、ナイロンまたはニト
ロセルロース膜またはシリコンウェーハーであってよい。
【0061】 5.1.4.アレイの生成 本発明の方法において、シークエンス試薬はアレイに生成されることを意図す
るものである。本明細書においてアレイとは、行と列とのマトリックスにおける
ようなシークエンス試薬の秩序立った空間的に依存した配置、またはコーティン
グビーズにおけるような空間的にアドレスで呼び出しうる(addressable)また
は分離しうる配置をいう。好ましくは、アレイは、すべての可能な4量体、5量
体、6量体、7量体、8量体またはその組み合わせなどのプライマー配列の順列
のアレイである。
【0062】 ハミルトンロボットやインクジェット印刷法などの自動放出システムを用い、
固相支持体、とりわけエポキシシラン、メルカプトシランまたはジスルフィドシ
ランをコーティングした固相支持体上でオリゴヌクレオチドプライマーの非常に
複雑なアレイを形成することが可能である。そのような方法は、ナノリットルか
らピコリットルのサイズの小滴をミリメートル以下の空間配置にて放出すること
ができる。水性ビーズは極めてよく定められているので、極めて高密度のオリゴ
ヌクレオチドプライマーのアレイを生成することが可能である。それゆえ、約1
0,000プライマー小滴/cm2以上を有するアレイを生成することが可能であ
る。そのようなアレイは、ロボット液体ディスペンサー(圧電性小滴生成機によ
り制御されたインクジェット印刷装置など)を用い、各核酸分子が約10ミクロ
ン以上、好ましくは25ミクロン以上の直径のスポットを占め、各核酸のスポッ
トが中心から中心にて平均スポット直径以上に近接して空間配置されるように組
み立てることができる。そのようなインクジェット印刷法および圧電性インクジ
ェット沈着を用いた少量の液体を分配するための方法および装置は、以前にたと
えばWallace, D. B. ら(米国特許第4,812,856号)により、Hayes, D. J
.ら(米国特許第5,053,100号)によって記載されている。
【0063】 一つの態様において、アレイはFodor, S. P.らの方法(米国特許第5,445,
934号)を用いて構築することができる。Fodorらは、光で除去しうる基で表
面を覆った固相表面上にアレイを構築する方法を記載している。基質表面の選択
された領域を光に暴露して該選択領域を活性化させる。光で除去しうる基を有す
るモノマーを基質表面に提供して該選択した領域に結合させる。このプロセスを
繰り返してアレイを生成する。
【0064】 他の好ましい態様において、「遺伝子ペン(gene pen)」によりアレイを生成
することができる。本明細書において遺伝子ペンとは、印刷チップ(printing t
ip)に連結した試薬溶液貯留槽(reservoir)を含む機械装置をいう。印刷チッ
プはさらに溶液流を機械的に制御する手段を含む。一つの態様において、複数の
遺伝子ペンまたは印刷チップを整然と密集させて(tightly clustered)アレイ
を生成させ、各チップは別々の試薬貯留槽に連結させる。他の態様では、別個の
遺伝子ペンが指標ターンテーブル(indexing turntable)に含まれ、個々に印刷
してよい。一般に、固相表面を前処理して固相表面への試薬の共有結合付着また
は非共有結合付着を可能にさせる。好ましくは、印刷チップは多孔質パッドであ
る。
【0065】 別法として、アレイはピペットマン(pipetman)などの手動の放出システムを
用いて生成できる。これらアレイは手動の放出システムで生成されるため、一般
に自動放出システムで生成されるものほど複雑ではないであろう。手動の放出シ
ステムにより生成されるアレイは、一般に、中心から中心で2mm以上離れて配
置されるであろう。使用する放出システムに依存して、中心から中心で2mm以
上の空間配置、0.5〜2mmの空間配置、50〜500μmの空間配置、また
は50μm以下の空間配置にて配置したアレイを生成することができる。
【0066】 5.2.ポリメラーゼシグナル形成アッセイ 本発明は、鋳型核酸分子の配列の分析方法、すなわち、試料中の特定の核酸配
列および/またはその亜類型の検出および/または同定方法を提供する。詳しく
は、本発明は、上記セクション5.2に記載した配列アレイを用い、鋳型核酸分
子の配列を分析するためのアッセイ(本明細書においてポリメラーゼシグナル形
成アッセイまたはPSAと称する)方法を提供する。本発明のPSA法によって
分析すべき鋳型核酸分子はいかなる採取源からのものであってもよい。たとえば
、鋳型核酸分子は、生物から単離したゲノムまたはゲノム外DNA分子または生
物から単離したmRNA分子などのような天然に存在する核酸分子を包含する。
あるいはまた、鋳型核酸分子は合成された核酸分子を包含し、インビボまたはイ
ンビトロで酵素的に合成した核酸分子を含む。たとえば、鋳型核酸分子はcDN
A、またはPCRにより合成した核酸分子を包含する。
【0067】 鋳型核酸分子はさらに、下記セクション5.3.4に記載する検出可能な標識を
含む検出可能な標識で標識してよい。好ましくは、鋳型核酸分子を標識するのに
用いる検出可能な標識はプライマー伸長反応のためにヌクレオチドまたはヌクレ
オチドアナログを標識するのに用いる標識とは異なっており、これら2つの残基
、すなわち鋳型分子と伸長したプライマーとが互いに容易に識別できるようにさ
れるであろう。同様に、鋳型を標識するのに用いる検出可能な標識は、プライマ
ー配列またはシークエンス試薬を標識するのに用いる標識とは異なり区別しうる
ものであるのが好ましい。
【0068】 好ましくは、本発明の方法により分析する鋳型核酸分子は一本鎖核酸分子、す
なわち一本鎖鋳型核酸分子または一本鎖鋳型である。従って、最初に一本鎖のも
のが提供されない態様、たとえば、最初に二本鎖または三本鎖の鋳型核酸分子が
提供される態様においては、一本鎖の鋳型核酸分子が提供されるように該鋳型核
酸分子を含有する試料をまず処理するのが好ましい。しかしながら、別の鎖が存
在しても本発明の方法に必ずしも悪影響を及ぼすものではない。従って、他の態
様では鋳型核酸分子は非一本鎖(たとえば、二本鎖または三本鎖)の核酸分子を
包含する。
【0069】 鋳型核酸分子は、セクション5.2に記載したように捕捉残基のための捕捉領
域をさらに含む。捕捉領域は、該領域をシークエンス試薬の捕捉残基に付着させ
ることができる。ポリメラーゼシグナル形成アッセイの一般工程は図2A−Cに
説明してある。これら工程を以下に、最初は簡単に、ついで詳細に記載する。
【0070】 第一に、鋳型捕捉の間に(図2A)、鋳型核酸分子が、該鋳型核酸分子の捕捉
領域が配列アレイのシークエンス試薬の捕捉残基と安定な複合体を形成するよう
な条件下で配列アレイのシークエンス試薬と接触される。第二に、鋳型スキャニ
ングにおいて(図2B)、鋳型核酸分子およびシークエンス試薬を、シークエン
ス試薬のプライマー領域が鋳型核酸分子中の相補的な配列(もし存在するなら)
を同定しうるような条件下でインキュベートする。最後に、たとえばDNAポリ
メラーゼまたはRNAポリメラーゼによって媒体される鋳型に依存したプライマ
ー伸長反応によって、1またはそれ以上のさらなるヌクレオチドによりプライマ
ーが伸長される(図2C)。付加されたヌクレオチドを検出してプライマー伸長
が起こったか否かを決定する。上記方法を配列アレイの各シークエンス試薬につ
いて繰返し、ついで得られたプライマー伸長のパターンをたとえばパターン比較
法により分析して鋳型核酸分子の配列を分析する。
【0071】 最も好ましい態様において、本発明の工程の繰返しを、分析すべき複数の鋳型
核酸分子を含む試料を配列アレイに接触させることにより、鋳型分子が該アレイ
の各シークエンス試薬によって捕捉され、各シークエンス試薬についてポリメラ
ーゼ伸長が同時に検出されるようにすることによって行うことは当業者には明ら
かであろう。しかしながら、簡単のため、単一の鋳型核酸分子をアレイの単一の
シークエンス試薬に接触させるものとして本発明を記載する。本発明のPSA法
の工程を個々にかつより詳細に以下に記載する。
【0072】 5.2.1.一本鎖鋳型の生成 好ましくは、本発明の方法によって分析すべき核酸鋳型分子は一本鎖核酸分子
として提供されるであろう。しかしながら、ある種の態様においては、鋳型核酸
分子は最初は一本鎖でないものとして提供されてよい。たとえば、PSAによっ
て分析すべき鋳型核酸分子は、二本鎖または三本鎖の核酸分子であってよい。そ
のような場合、さらなる鎖の存在は必ずしも本発明のポリメラーゼシグナル形成
アッセイに影響を及ぼすものではない。それゆえ、本発明の方法は、二本鎖のD
NAか、または、たとえば天然の二本鎖のDNAのアルカリ処理によって得られ
た一本鎖DNAのいずれに対しても行うことができる。
【0073】 しかしながら、所望なら標的DNA分子の天然の二本鎖の一方の鎖を反応から
排除するために種々の方法のいずれをも用いることができる。一本鎖DNA分子
は一本鎖バクテリオファージM13を用いて調製することができる(たとえば、
Messing, J.ら、 1983, Meth. Enzymol. 101: 20; Sambrook, J.ら、1989, Molec
ular Cloning: A Laboratory Manual、 コールド・スプリング・ハーバー・ラボ
ラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨークを参照)。
【0074】 一本鎖DNA分子を生成するために幾つかの別法を用いることができる。Gyll
ensten, U.ら(1988, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85: 7652-7656)およびMi
hovilovic, M.ら(1989, BioTechniques 7: 14)は、「非対称PCR」と称する
方法を記載しており、この方法は異なるモル濃度で存在するプライマーを用いて
標準PCR法を行うものである。Higuchi, R.G.ら(1985, Nucleic Acids Res.
17: 5865)は、一本鎖増幅生成物を生成するための別の方法を例示している。こ
の方法は、二本鎖増幅生成物の一方の鎖の5'末端をリン酸化し、ついで5'→3
'エキソヌクレアーゼにリン酸化鎖を優先的に分解させることを内容とする。
【0075】 他の方法はまた、一本鎖DNA分子を生成させるためにホスホロチオエート誘
導体のヌクレアーゼ耐性特性を利用している(たとえば、Benkovicら、米国特許
第4,521,509号; Sayers, J. R.ら、1988, Nucl. Acids Res. 16: 791-80
2; Eckstein, F.ら、1976, Biochemistry 15: 1685-1691;およびOtt, J.ら、198
7, Biochemistry 26: 8237-8241参照)。
【0076】 最も好ましくは、そのような一本鎖分子は Nikiforov, T.により記載された方
法(米国特許第5,518,900号)を用いて製造されるであろう。簡単に説明
すると、これら方法はヌクレアーゼ耐性のヌクレオチド誘導体を用い、そのよう
な誘導体を天然に存在するヌクレオチドの代わりに化学合成または酵素的手段に
よりプライマー分子またはその伸長生成物中に導入する。
【0077】 適当なヌクレオチド誘導体としては、ヌクレオチドのリン酸残基の1または2
の非架橋酸素分子が、たとえば硫黄含有基(ホスホロチオエートなど)、アルキ
ル基(メチル基またはエチルアルキル基など)、窒素含有基(アミンなど)、お
よび/またはセレン含有基などで置換された誘導体が挙げられる。ホスホロチオ
エートデオキシリボヌクレオチド誘導体またはリボヌクレオチド誘導体は、最も
好ましいヌクレオチド誘導体である。そのようなホスホロチオエート誘導体を製
造および使用する方法は Nikiforov, T.により開示されている(米国特許第5,
518,900号)。
【0078】 5.2.2.鋳型捕捉 鋳型核酸分子および配列アレイが提供されたら、本発明のPSA法の第一の工
程は、鋳型核酸分子の捕捉領域がシークエンス試薬の捕捉残基と安定な複合体を
形成するような条件下で鋳型核酸分子を含有する試料を配列アレイと接触させる
ことである。とりわけ、鋳型核酸分子が固相配列アレイのシークエンス試薬に固
定化されるように、鋳型核酸分子の捕捉領域はシークエンス試薬の捕捉残基と安
定な複合体を形成しなければならない。
【0079】 必要な正確な条件は、捕捉残基および捕捉領域の特定の態様について当業者に
は明らかであろう。たとえば、特に好ましい態様において、捕捉残基は24のシ
ステイン塩基の配列であり、これは鋳型核酸分子中に導入された8〜24のグア
ニン塩基の捕捉領域とハイブリダイズする。他の好ましい態様において、捕捉残
基は鋳型鎖の増幅に用いたPCRプライマーまたはその一部に相補的な特定の配
列であってよい。それゆえ、そのような態様では、適当なハイブリダイゼーショ
ン条件は高ストリンジェンシーの条件、たとえば1.5M NaCl中の100n
Mの最終鋳型濃度にて室温で1時間インキュベートし、ついで1×TNTw(ト
リスpH8、Tween0.5%、150mM NaCl)で複数回洗浄することであ
ろう。
【0080】 一般に、捕捉領域および捕捉残基がそれぞれ標的核酸配列および短いオリゴヌ
クレオチドプライマーを含む態様で形成されるハイブリダイゼーションの効率お
よびハイブリッドの熱的安定性は、たとえば上掲のConner, B.J.らに記載されて
いるように、プライマーのヌクレオチド配列、および反応条件のストリンジェン
シーに著しく依存する。それゆえ、特定の態様について適当なハイブリダイゼー
ション条件は上記文献や当該技術分野でよく知られた文献から当業者には明らか
であろう。
【0081】 5.2.3.鋳型スキャニング 鋳型核酸分子が上記シークエンス試薬に固定化された後、鋳型−試薬複合体を
、シークエンス試薬のプライマー配列と該プライマー配列に相補的な鋳型核酸分
子の配列との間での二本鎖の形成を可能にする条件下でインキュベートする。そ
のような条件は、一般に、標的核酸配列と短いオリゴヌクレオチドプライマーま
たはプローブとのハイブリダイゼーションについて上記で記載した条件などのよ
うなストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件を包含する。
【0082】 3〜7塩基くらいの短いプライマー配列は鋳型分子とハイブリダイズして安定
な二本鎖を形成することはできない。しかしながら、そのようなプライマーは、
ポリメラーゼの存在下で鋳型の相補的領域と一過性の二本鎖を形成して該プライ
マーの鋳型に依存した伸長を起こすであろう。そのような二本鎖は、鋳型核酸分
子と、それに対する相補的な配列が鋳型核酸分子中に1またはそれ以上のコピー
で存在する配列特異的ハイブリダイゼーション領域との間でのみ形成されるであ
ろう。
【0083】 5.2.4.プライマー伸長 好ましくは、プライマー伸長反応を行う前に、鋳型の3'末端にターミネータ
ーを付加することにより鋳型をキャッピングする(capped)。ターミネーターは
、鋳型に依存したプライマー伸長反応を停止できるものである。鋳型をこのよう
にキャッピングしてさらなるヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログが鋳型の
3'末端に付着することがないようにする。鋳型の3'末端のキャッピングは、ジ
デオキシヌクレオチドにより、または下記セクション5.3.4に記載するような
ものなどの他の鎖停止ヌクレオチドにより行ってよい。
【0084】 鋳型に依存したプライマー伸長反応の条件は、DNAポリメラーゼやRNAポ
リメラーゼなどのような適当な鋳型依存酵素の存在を必要とする。しかしながら
、ポリメラーゼはプライマーおよび鋳型の両者に依存的でなければならない。好
ましくは、ポリメラーゼはまた熱的に安定であるかおよび/またはエキソヌクレ
アーゼ不含のポリメラーゼである。本発明の方法に用いることができるDNAポ
リメラーゼの例としては、たとえば、大腸菌のDNAポリメラーゼIまたはその
「クレノウフラグメント」、T4DNAポリメラーゼ、T7DNAポリメラーゼ
(すなわち「シークエナーゼ(Sequenase)」)、T. aquaticus DNAポリメラ
ーゼ、またはレトロウイルス逆転写酵素が挙げられる。T3RNAポリメラーゼ
やT7RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼもまた、ある種の態様にお
いて用いることができる。
【0085】 鋳型に依存したプライマー伸長反応の条件はさらに、1またはそれ以上の「ヌ
クレオチド残基」、すなわち1またはそれ以上の天然に存在するヌクレオチドま
たはそのアナログの存在を必要とする。好ましくは、二本鎖を天然の4つのデオ
キシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、dATP、dCTP、dGTP、およ
びdTTPのすべての存在下、またはこれらdNTPの4つのすべてのアナログ
の存在下でインキュベートする。あるいは、ヌクレオチド残基の1またはそれ以
上がリボヌクレオシド三リン酸(rNTP)を含んでいてよい。一つの態様にお
いて、鋳型−プライマー二本鎖を非伸長性または鎖停止ヌクレオチドの存在下で
インキュベートする。鎖停止ヌクレオチドの例としては、アデニン、チミン、シ
トシン、およびグアニンの2',3'−ジデオキシヌクレオチド三リン酸誘導体が
挙げられる。
【0086】 ジデオキシヌクレオチドに加えて、鋳型核酸分子に相補的でDNA重合を有効
にブロックできる3'−リン酸修飾オリゴヌクレオチドを本発明において用いる
ことができる(たとえば、Kornbergら、1992, DNA Replication、第2版、Kornb
ergら編、フリーマン・アンド・カンパニー、サンフランシスコ、408、44
6〜449頁を参照)。別法として、フルクトースベースのヌクレオチドアナロ
グや天然に存在するヌクレオチドと特異的に塩基対形成する能力を保持している
化学的に修飾したプリンまたはピリミジンなどのヌクレオチドアナログを用いて
DNA重合をブロックすることができる。DNA合成を停止させることが報告さ
れている、アジド−置換(Mitsuyaら、1986, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 8
3: 1191)、メルカプト−置換(Yuzhakovら、1992, FEBS Letters 306: 185-188
)、アミノ−置換(Herreinら、1994, Helvetica Chimica Acta 77: 586-596)
、およびフルオロ−置換(Chidgeavadze, Z. G.ら、1985, FEBS Letters 183: 2
75-278)ヌクレオチドなどの種々の3'−置換ヌクレオチド(たとえば、Antrazh
ev, 1987, Bioorg. Khim. 13: 1045-52; Chidgeavadze, Z. G.ら、1986, Bioche
mi. Biophys. Acta 868: 145-152; Chidzhacadzeら、1989, Mol. Biol. (Mosk.)
23: 1732-1742)を本発明に用いることができる。
【0087】 ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログは、好ましくは蛍光分子またはハプ
テン化したデオキシヌクレオチドまたはジデオキシヌクレオチドで検出可能に標
識することができる。別法として、ヌクレオチドは、たとえば遅発抽出(delaye
d extraction)MALDI−TOF質量分析を用いて検出することができる(た
とえば、Haff, L. A.ら、1997, Genome Methods 7: 378-388)。MALDI−T
OF質量分析は、伸長したプライマーの質量の変化により導入した非伸長性ヌク
レオチドの同定を決定することができる。
【0088】 蛍光標識したヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの使用は一層好ましい
。本発明において使用するのに適した他の標識としては、これらに限られるもの
ではないが、ビオチン、イミノビオチン、抗原、補因子、ジニトロフェノール、
リポ酸、オレフィン化合物、検出可能なポリペプチド、電子密度の高い分子、検
出可能なシグナルを生成しうる酵素、および放射性同位体が挙げられる。好まし
い放射性同位体としては、32P、35S、14C、および125Iが挙げられる。本発
明に適した蛍光分子としては、これらに限られるものではないが、フルオレセイ
ン、ローダミン、テキサスレッド、FAM、JOE、TAMRA、ROX、HE
X、TET、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、IRD40、IRD41
、およびBODIPYが挙げられる。
【0089】 本明細書において、「FAM」は5'−カルボキシ−フルオレセインを意味し
、「JOE」は2',7'−ジメトキシ−4',5'−ジクロロ−6−カルボキシ−フ
ルオレセインを意味し、「TAMRA」はN,N,N',N'−テトラメチル−6−
カルボキシ−ローダミンを意味し、「ROX」は6−カルボキシ−X−ローダミ
ンを意味する。本発明に適した電子密度の高い指示薬分子としては、これらに限
られるものではないが、フェリチン、ヘモシアニンおよびコロイド金が挙げられ
る。別法として、第一の基をポリペプチドと特異的に複合体形成させることによ
りポリペプチドを間接的に検出することができる。指示薬分子に共有結合され、
第一の基に親和性を有する第二の基を用いてポリペプチドを検出することができ
る。そのような態様において、第一の基として使用するのに適した化合物として
は、これらに限られるものではないが、アビジンおよびストレプトアビジンが挙
げられる。第二の基として使用するのに適した化合物としては、これらに限られ
るものではないが、ビオチンおよびイミノビオチンが挙げられる。
【0090】 鋳型に依存したプライマー伸長反応に必要な正確な条件は、反応に使用した特
定のポリメラーゼにより、およびヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの選
択により決定されるであろう。プライマー伸長反応の特定の態様についてのこれ
ら条件は、当業者には明らかであろう。 一つの態様において、伸長反応後に鋳型核酸をシークエンス試薬から分離する
。それゆえ、この態様は、たとえばさらなる分析のために鋳型を回収することを
可能する。シークエンス試薬からの鋳型分子の分離は、当業者によく知られた適
当な変性条件、たとえば、鋳型−試薬複合体を加熱して、アルカリ、ホルムアミ
ド、尿素、グリオキサール、酵素およびこれらを組み合わせてインキュベートす
ることにより行う。
【0091】 5.2.5.検出および分析 ポリメラーゼ伸長生成物が形成されたら、伸長生成物を各シークエンス試薬に
ついて検出する。標識したヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログをプライマ
ー伸長反応に用いる態様では、シグナル検出は単に該標識ヌクレオチドを検出す
ることからなる。
【0092】 たとえば、蛍光標識したヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを用いた態
様では、シグナルの検出は単に蛍光シグナルを蛍光団によって放射される波長に
て検出することにより行う。ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを放射性
同位体で標識した他の態様、たとえば32Pまたは35Sで標識したdNTPまたは
ddNTPの態様では、伸長生成物はオートラジオグラフィーを用いて放射性塩
基を検出することによって検出することができる。ビオチンなどの化学標識を用
いたさらに他の態様では、標識したヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログは
、たとえば蛍光プローブまたは染料、たとえばRPEタンパク質染料(Molecula
r Probe)により検出できる。
【0093】 シークエンス試薬(その各々が特有のプライマー配列を含む)のアレイのシグ
ナル検出の結果は、配列アレイの各シークエンス試薬についてデジタルマトリッ
クスまたはバイナリー「オン/オフ」値のパターンとして表すことができ、その
際、伸長生成物が検出されるか(「オン」値)または伸長生成物が検出されない
か(「オフ」値)のいずれかである。それゆえ、得られたマトリックスの各バイ
ナリーシグナルは、特定のプライマー配列が鋳型核酸分子中に存在するか(「オ
ン」)または存在しないか(「オフ」)を示す。かくして鋳型分子のヌクレオチ
ド配列は特有のデジタルパターンとして表示される。
【0094】 そのようなデジタルデータは、バイナリーパターンとしてコンピューターで読
み取り可能なフォーマットで貯蔵でき、さらに操作または分析するためにコンピ
ューターメモリーに積載することができる。バイナリーパターンの分析は、それ
らをたとえば変異ヌクレオチド配列の他の野生型の既知のバイナリーパターンと
比較するだけで容易に行うことができる。そのような比較は、使用者がそのよう
なパターンを手動で点検するだけで、またはコンピューターメモリーに読み込ん
だバイナリーパターンを用いたコンピューターアルゴリズムにより、容易に行う
ことができる。
【0095】 既知のバイナリーパターンは、たとえばPSAの上記方法を既知の野生型また
は変異配列からなる鋳型核酸分子に適用することにより容易に得ることができる
。あるいは、既知の野生型または変異配列のバイナリーパターンはその核酸配列
から予測することができる。 約300〜500塩基の配列を上記方法により、5塩基のプライマー配列を含
む1024の特有のシークエンス試薬のアレイを用いて該配列内のすべての可能
な変異を検出および特徴付ける高い蓋然性にて分析することができる。約100
塩基のヌクレオチド配列は、長さが4塩基のプライマー配列を有する256要素
アレイを用いて分析することができる。長さが6塩基の構成プライマー配列のア
レイが、約500〜1500塩基の鋳型核酸分子を特徴付けるには適している。
【0096】実施例 ここに記載する実施例は、本発明のポリメラーゼシグナル形成アッセイ法の概
念および実施を説明する。特に、実施例はまず、「野生型」および「変異」DN
Aオリゴヌクレオチド配列の配列を比較して分析することに本発明の方法を適用
することを記載する。これら実施例は、第二に、p53遺伝子のエクソンに対応
する鋳型核酸分子(該遺伝子の変異配列および多型配列に対応する鋳型核酸分子
を含む)を分析するために本発明のポリメラーゼシグナル形成アッセイ法を使用
することを記載する。 これら実施例は上記で記載した本発明の説明のために示すものであって、いか
なる意味においても本発明を限定することを意図するものではない。
【0097】 6.1.実施例1:合成鋳型中の単一の塩基置換を同定するためのPSAの使用 この実施例では固相配列アレイ上で本発明のポリメラーゼシグナル形成アッセ
イ(PSA)法を用い、単一の塩基のみ異なる2つの合成DNA鋳型を分析する
。この実施例の結果は、予測されたように、本発明のPSA法がこれら2つの異
なる鋳型配列について異なるパターンのシグナルを生成することを示している。
【0098】 6.1.1.材料および方法 鋳型の合成 : 表Iに列記した「野生型」および「変異」配列に相補的なDNAオリゴヌクレ
オチド配列を、PSA分析の鋳型としてホスホルアミダイト化学の標準法(たと
えば、Matteucci, M.D.ら、上掲を参照)を用いて合成した。これらオリゴヌク
レオチドは、鋳型をシークエンス試薬に付着させるための捕捉領域を提供するた
めに5'−(C)18テールをさらに含むように合成した。
【0099】プライマーの合成 : 表IIに列記した21のプライマー配列を、上記鋳型の合成に使用したのと同
じホスホルアミダイト化学を用いて合成した。これらプライマーは、2'−O−
Me RNAヌクレオチドの5'−(G)18(N)7テール(シークエンス試薬に対す
る捕捉およびスペーサー領域として機能する)をさらに含むように合成した。チ
オール基をシークエンス試薬の5'末端に導入し、該試薬を配列アレイのガラス
表面へ確保するための付着残基として機能させた。
【0100】アレイの形成 : 上記セクション5.2.3および5.2.4に記載した方法に従い、21のシーク
エンス試薬をガラススライド上に5×5アレイでプリントした。ポリメラーゼシグナル形成アッセイ : 1.5M NaCl溶液中で最終濃度100nMにて室温で1時間インキュベー
トすることにより各鋳型を配列アレイに付着させた。スライドを1×TNTw(
トリスpH8、Tween0.5%、NaCl 150mM)で3回洗浄し、ついで伸
長混合物(Head, S.ら、1997、上掲に記載)(4つのすべてのddNTPをビオ
チンで標識した)とともにインキュベートした。室温で30分後、スライドを1
×TNTwで3回洗浄することにより伸長反応を停止させた。300μgのRP
Eタンパク質染料(Molecular Probes)を各アレイで30分間インキュベートし
、アレイを洗浄し、Hitachi FMBIOでスキャニングした。
【0101】 6.1.2.結果 この実験の目的は、単一のヌクレオチド塩基が異なる2つの鋳型DNA分子を
本発明のPSA法を用いて分析することであった。この目的のため、表Iに列挙
するヌクレオチド配列を有する2つの鋳型デオキシリボ−オリゴヌクレオチド配
列を合成した。便宜上、これら2つの配列をここではそれぞれ「野生型」および
「変異」配列として言及する。これら2つの配列は1つのヌクレオチド塩基での
み、詳細には、表Iに示す野生型配列の位置8のシトシンに対するグアニンの置
換によって、異なっていた。この単一ヌクレオチド多型は、表Iにおいて2つの
配列のそれぞれに下線を付した塩基により示してある。これら2つの鋳型配列は
また5'−(C)18テールを有しており、シークエンス試薬の捕捉残基に付着させ
るための捕捉領域として機能した。
【0102】表I
【表1】
【0103】 上記セクション5.2に記載の方法に従い、これら2つの鋳型のそれぞれの配
列分析のために配列アレイを構築した。アレイに使用したシークエンス試薬は、
下記模式構造を有していた S・S−(G)18−(N)7−NXXXXX (式中、ジスルフィド結合(S・S)は付着残基として機能し、(G)18塩基配列
は捕捉残基として機能し、7つの混合塩基の連なり((N)7)はスペーサー領域
として機能した)。2'−O−Me RNA塩基を捕捉残基およびスペーサー領域
の両者のヌクレオチドのために用いた。各シークエンス試薬のプライマー配列は
4つのヌクレオチドの特定の塩基配列からなり、これはアッセイの間に鋳型に対
するプライマーとして機能した。シークエンス試薬を上記セクション5.2に記
載した方法に従い、ガラススライド上に5×5アレイでプリントした。
【0104】 21のプライマー配列をアッセイに用いた。これらプライマー配列は、野生型
鋳型および変異鋳型の両者に認められるシグナル配列を有していた。これらプラ
イマーの配列を配列アレイ中の位置の座標とともに下記表IIに列挙する。表I
Iはさらに、プライマー伸長がこれら21のプライマー配列のそれぞれについて
予測されるか否か、すなわち5塩基プライマー配列が野生型配列または変異配列
のいずれかに存在するか否かについても示している。
【0105】表II
【表2】
【0106】 アッセイで予測されるデータシグナルを、野生型鋳型分子については図3Aに
、変異鋳型分子については図3Cに示す。 鋳型分子のPSA分析から得られた実験データパターンは図3Bおよび図3D
に示してある。図3Bは野生型配列のPSA分析から得られたデジタルマトリッ
クスを示しており、一方、図3Dは変異配列のPSA分析から得られたデジタル
マトリックスを示している。2つのアレイは、2つの異なる鋳型の配列を反映し
た別個のシグナルパターンを示している。
【0107】 6.2.実施例2:p53遺伝子の変異および多型を同定するためのPSAの使
この実施例では、固相配列アレイ上で本発明のPSA法を用い、p53エクソ
ンの103塩基対配列を分析する。この実施例の結果は、本発明のPSA法が実
際の遺伝子の幾つかの遺伝子変異および/または多型(単一ヌクレオチド多型、
塩基の欠失、塩基の挿入、およびへテロ接合性多型を含む)を同定できることを
示している。
【0108】 この実験の目的は、実際の遺伝子配列に対応する鋳型核酸分子を分析するため
の本発明のPSA法の潜在的な適用可能性を決定することであった。この目的の
ため、PSA法を用いてp53遺伝子の106塩基のエクソン8の野生型配列お
よび変異配列を分析した(配列番号−)。 従って、コンピューターモデルを用い、予測されるバイナリーデータをp53
遺伝子エクソン8核酸配列のすべての可能な点変異のPSA分析のために生成し
、それによって3×106=318の異なる核酸配列のデータが得られた。予測
されたデジタルマトリックスを、ある種の特定の配列について図4A−Cに示し
てある。
【0109】 得られた結果は、変異の約97%が4塩基プライマーの256プライマーアレ
イを用いて約100塩基のp53エクソン8配列について特徴付けることができ
たことを示している。p53エクソン8の野生型配列により生成される予測デジ
タルアレイを図4Aに模式的に示してあり、一方、図4Bはヌクレオチド38C
がTに変換された変異配列により生成される予測デジタルアレイを示す。これら
2つのデジタルマトリックス間の差異を図4Cに示してあり、この単一ヌクレオ
チド多型が本発明のPSA法により野生型配列との区別を可能とする特有のデジ
タルパターンを生成することを明らかにしている。図5A−Cはヌクレオチド3
8CがAに変化した単一ヌクレオチド多型について同様の結果を示しており、こ
の配列もまた本発明のPSA法により特徴付けることを可能とする特有のデジタ
ルパターンを生成することを明らかにしている。
【0110】 図6A−Cは、へテロ接合性の多型を有するp53エクソン8鋳型配列につい
ての実験結果を示す。へテロ接合性の鋳型はp53エクソン8ヌクレオチド配列
の2つのアレルを含む。第一のアレルは野生型のp53エクソン8配列を含み、
一方、第二のアレルは上記図4Bに記載したSNP、すなわち塩基38CがTに
変化したSNPを含む。このへテロ接合性の鋳型は、図6Cに示すように(2つ
のシグナルの差異を示す)、野生型配列のPSA分析により生成されるデジタル
シグナルとは容易に識別できる特有のデジタルマトリックスを生成する。さらに
、2つの図を目で見て点検すれば明示されるように、へテロ接合性のSNPによ
って生成され図6Bに示されるシグナルはまた、図4Bに示されるホモ接合性の
SNPのDNAシグナルパターンと異なって特有である。
【0111】 予測されるバイナリーデータはまた、塩基の欠失、塩基の挿入、またはへテロ
接合性の変異を有するp53エクソン8配列のPSA分析についても得られた。
これらの結果は、図7A−8Cに記載してある。詳しくは、図7Bは、5塩基欠
失を有するp53エクソン8鋳型核酸分子のPSA分析について予測されるバイ
ナリーシグナルパターンを示す。野生型のp53エクソン8配列についての予測
されるシグナルは図7Aに示してあり、その差異は図7Cに示してある。同様に
、図8Bは5塩基挿入を含むp53エクソン8鋳型のPSA分析について予測さ
れるバイナリーシグナルパターンを示してあり、図8Cはこのシグナルを図8A
に示す野生型のp53エクソン8配列のPSA分析について予測されるものと比
較するものである。これら結果は、これら変異もまた本発明のPSA法により独
特に特徴付けることを可能にするシグナルを生成することを示している。
【0112】 7.引用した参照文献 本明細書中に引用した参考文献はすべて、各々の個々の刊行物または特許また
は特許出願があらゆる目的のためにその全体において個別に引用すべく示される
のと同程度に、その全体においてあらゆる目的のために参照のために引用される
。 本発明の多くの改変および変更は、当業者に明らかなように、その精神および
範囲から外れることなく行うことができる。本明細書に記載した特定の態様は例
示のためにのみ記載されるものであり、本発明は添付の特許請求の範囲が要求す
る等価物の全範囲とともに特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法に用いるシークエンス試薬の構造の模式図を示す。
【図2】 本発明のポリメラーゼシグナル形成アッセイ(PSA)の工程の
模式図を示す。
【図3】 表2に列記した21のプライマー配列を含む配列アレイを用い、
表1に示す「野生型」および「変異」核酸配列のPSA分析からの予測された(
図2A、図2C)データシグナルおよび実験で得られた(図3B、図3D)デー
タシグナルを示す。
【図4】 p53のエクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。
【図5】 p53のエクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。
【図6】 p53のエクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。
【図7】 p53のエクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。
【図8】 p53のエクソン8のPSA分析で予測されるデータシグナルパ
ターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 スティーブン・アール・ヘッド アメリカ合衆国21102メリーランド州マン チェスター、ステージコーチ・ドライブ 1830番 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA09 HA14 4B029 AA07 AA21 AA23 BB20 CC03 CC08 FA15 4B063 QA01 QA12 QA18 QQ42 QQ52 QR08 QR56 QR62 QR84 QS25 QS34 QS39

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型の配列の分析方法であって、 (a)鋳型を捕捉し、 (b)捕捉した鋳型を、プライマーに対する相補性の領域についてプライマー−
    ポリメラーゼ複合体を用いてスキャニングし、 (c)鋳型−ホモロジーに依存した伸長反応により1またはそれ以上のヌクレオ
    チド残基によりプライマーを伸長し、ついで (d)伸長したプライマーを検出する ことを含み、その際、伸長したプライマーの検出が該プライマーに対する相補性
    の1またはそれ以上の領域の捕捉した鋳型中での存在を示すことを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 該プライマーが3〜7塩基のポリヌクレオチドを含む、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 鋳型についてシグナルパターンが得られるように請求項1に
    記載の工程をプライマー−ポリメラーゼ複合体のアレイに対して繰り返す、請求
    項1に記載の鋳型核酸の配列の分析方法。
  4. 【請求項4】 該アレイがシークエンス試薬のアレイであり、各シークエン
    ス試薬が (i)捕捉残基、 (ii)スペーサー残基、および (ii)プライマー領域 を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 シークエンス試薬が固相表面に固定化されている、請求項4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該固相表面がガラスまたはプラスチックである、請求項5に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 該固相表面が、ガラスプレート、水晶ウェーハー、ナイロン
    膜、ニトロセルロース膜またはシリコンウェーハーである、請求項5に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 該固相表面が珪酸塩ガラスである、請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該固相表面がポリスチレンプラスチックである、請求項5に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 該シークエンス試薬がさらに付着残基を含む、請求項4に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 該付着残基がシークエンス試薬の5'末端またはその近傍
    に位置する、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 該付着残基がアミノ基、チオール基、ジスルフィド基、ま
    たはビオチン基である、請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 該捕捉残基が第一の試薬にあり、該プライマー領域が第二
    の試薬にある、請求項4に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該第一の試薬が固相上で該第二の試薬に隣接している、請
    求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 該捕捉残基が8〜24のシステイン残基の配列を含む、請
    求項4に記載の方法。
  16. 【請求項16】 該捕捉残基がPCRプライマーまたはその一部に相補的な
    配列を含む、請求項4に記載の方法。
  17. 【請求項17】 該スペーサー領域が少なくとも10オングストロームの長
    さである、請求項4に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該スペーサー領域が、ヌクレオチド塩基またはそのアナロ
    グのランダムな配列、偽ランダムな配列または非ランダムな配列を含む、請求項
    4に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ヌクレオチド残基が非鎖停止性のヌクレオチドまたはヌク
    レオチドアナログである、請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 ヌクレオチド残基がデオキシヌクレオシド三リン酸塩基ま
    たはリボヌクレオシド三リン酸塩基である、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 ヌクレオチド残基が鎖停止性のヌクレオチドアナログであ
    る、請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 該鎖停止性のヌクレオチドアナログがジデオキシヌクレオ
    チドである、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ヌクレオチド残基が検出可能に標識されている、請求項1
    に記載の方法。
  24. 【請求項24】 該検出可能な標識が蛍光標識である、請求項23に記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 該検出可能な標識が放射性同位体である、請求項23に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 該検出可能な標識が電子密度の高い分子である、請求項2
    3に記載の方法。
  27. 【請求項27】 伸長したプライマーが質量の変化により検出される、請求
    項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】 アレイ中のシークエンス試薬の密度が少なくとも1000
    要素/cm2である、請求項4に記載の方法。
  29. 【請求項29】 1またはそれ以上のシークエンス試薬を秩序立った配置に
    て含む配列アレイであって、各試薬が (i)鋳型核酸分子の所定の領域と安定な複合体を形成できる捕捉残基、 (ii)スペーサー領域、および (iii)3〜7塩基を含むプライマー領域 を含むことを特徴とする配列アレイ。
  30. 【請求項30】 43〜47の異なるシークエンス試薬のセット、サブセット
    または組み合わせを含む、請求項29に記載の配列アレイ。
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