JP2002517507A - モチリン受容体のクローニングと同定 - Google Patents

モチリン受容体のクローニングと同定

Info

Publication number
JP2002517507A
JP2002517507A JP2000553444A JP2000553444A JP2002517507A JP 2002517507 A JP2002517507 A JP 2002517507A JP 2000553444 A JP2000553444 A JP 2000553444A JP 2000553444 A JP2000553444 A JP 2000553444A JP 2002517507 A JP2002517507 A JP 2002517507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motilin
motilin receptor
mtl
receptor
ligand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000553444A
Other languages
English (en)
Inventor
ファイグナー,スコット,ディー.
パチェット,アーサー,エー.
タン,カリナ
マッキー,カレン
マックニール,ダグラス
ハワード,アンドリュー,ディー.
ポン,シェン−シャン
スミス,ロイ,ジー.
Original Assignee
メルク・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メルク・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド filed Critical メルク・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド
Publication of JP2002517507A publication Critical patent/JP2002517507A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 モチリン受容体を単離およびクローニングし、核酸配列を提供する。2つのスプライス変異体を同定した。また、モチリン受容体リガンドに対するアッセイも提供する。クローン化モチリン受容体の同定を利用して、胃運動性障害を含む胃の各種症状に有用な、該受容体に結合する化合物をスクリーニングおよび同定することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明はモチリン(motilin)受容体をコードする新規のヒトDNA配列、該DNAに
よってコードされる該受容体およびその使用に関する。
【0002】発明の背景 胃腸(GI)運動性とは、消化系を介して栄養物質を輸送する神経筋の協調過程で
ある。胃腸運動性に障害が生じると過敏性腸症候群、便秘、ならびに糖尿病性お
よび術後性胃疾患を引き起こすこともあるため、胃腸運動性障害は先進諸国にお
ける健康管理に関する最大の障害の1つとされている。モチリン、すなわち22個
のアミノ酸のプロキネティック(prokinetic)ペプチドは、ヒトを含むいくつかの
種において胃腸管全体にわたって発現する。小腸の内クロム親和細胞から放出さ
れるモチリンは、消化間(III期)洞(interdigestive (phaseIII)antrum)および
十二指腸の収縮を誘導するなどして、胃腸運動性に大きな影響を及ぼす。また、
モチリンとは関連性のないマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンも、
モチリン受容体との相互作用により仲介されるプロキネティック特性を有してい
る。エリスロマイシンのこうした性質は、胃腸に関する副作用、すなわち嘔吐、
吐き気、下痢および腹筋不快感などの原因となっている。
【0003】 モチリン受容体は、胃腸管内、および最近では中枢神経系において検出されて
いるが、その分子構造に関する報告はなされていない。1972年にブタの腸からモ
チリンが単離されてからというもの、ヒトおよびその他の種におけるモチリン受
容体の特徴については積極的な研究がなされているが、受容体自体は今だ単離さ
れていないし、クローニングされてもいない。
【0004】 モチリンは、さまざまな種において保存性が高く、より大型のプレプロホルモ
ンの一部として合成される。成熟した22個のアミノ酸からなるモチリンは、その
分泌シグナルペプチドが除去され、第1C末端に位置する二塩基性プロホルモン
変換酵素認識部位で切断されることによって生成される。放射性リガンド結合法
、オートラジオグラフィー、およびインビトロ生物アッセイを使用することによ
って、ヒト、ネコおよびウサギの胃腸管の平滑筋細胞内において、アフィニティ
ーが高く密度が低いモチリン受容体が検出された。モチリンの小脳受容体につい
ての記述もあり、このことは、モチリンが中枢神経系で作用する可能性があるこ
とを支持している。天然のモチリン受容体はGタンパク質と結合して、ホスホリ
パーゼCシグナル伝達経路を活性化し、その結果Ca2+ がL型チャネルを通じて流
入すると考えられる。
【0005】 安全かつ選択的なモチリン受容体アゴニストの開発は、胃腸運動性障害に起因
する疾患の治療を援助するものと考えられる。このため、モチリン受容体の単離
およびクローニングを可能にすること、ならびにモチリン受容体をアゴニストや
アンタゴニストに対するアッセイに使用することが切望されている。
【0006】発明の概要 本発明は、モチリン受容体と称する新規のGタンパク質結合受容体(GPCR)に関
する。モチリン受容体では、2つの型のスプライシング産物、すなわち機能性の
7回膜貫通ドメイン型をコードするMTL-R1A、およびトランケートされた5回膜
貫通ドメイン型をコードするMTL-R1Bが同定された。この2つの型が共に本発明
の実施形態をなしている。
【0007】 本発明の別の態様はモチリン受容体をコードする核酸であり、該核酸は単離さ
れたもの、または関連した核酸を含まないものである。
【0008】 本発明の他の態様としては、モチリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニス
トであるモチリンリガンドを同定するためのアッセイが挙げられ、該アッセイは
、候補リガンドをモチリン受容体と接触させて結合が生じるか否かを判定するこ
とを含む。
【0009】 本発明の別の態様は、リガンドがモチリン受容体に結合可能か否かを判定する
方法であって、該方法は、 (a)被検細胞を、モチリン受容体をコードする発現ベクターでトランスフェク
トし、 (b)被検細胞をリガンドへ曝露し、 (c)リガンドとモチリン受容体との結合量を測定し、 (d)被検細胞におけるリガンドとモチリン受容体との結合量を、モチリン受容
体でトランスフェクトしていない対照細胞とリガンドとの結合量と比較する ことを含んでなり、リガンドと被検細胞との結合量がリガンドと対照細胞との結
合量を上回る場合に、該物質をモチリン受容体に結合可能であるとする。
【0010】 本明細書および請求項を通して以下の定義を適用する。
【0011】 「他のタンパク質を実質的に含まない」とは、少なくとも90%、好ましくは95
%、さらに好ましくは99%、さらに一層好ましくは99.9%で他のタンパク質を含
まないことを意味する。したがって、例えば他のタンパク質を実質的に含まない
MTL-R1タンパク質調製物は、その全タンパク質に基づく割合(%)で、10%以下
、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、さらに一層好ましくは0.1%
以下の非MTL-R1タンパク質を含む。所与のMTL-R1タンパク質調製物が他のタンパ
ク質を実質的に含まないかどうかは、例えばドデシル硫酸ナトリウムポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を、適切な検出方法(例えば銀染色法または免
疫ブロット法など)と組み合わせて使用する方法などのタンパク質の純度を評価
するための定法に従って判定することが可能である。
【0012】 「他の核酸を実質的に含まない」とは、少なくとも90%、好ましくは95%、さ
らに好ましくは99%、さらに一層好ましくは99.9%で他の核酸を含まないことを
意味する。したがって、例えば他の核酸を実質的に含まないMTL-R1 DNA調製物は
、その全核酸に基づく割合(%)で、10%以下、好ましくは5%以下、さらに好
ましくは1%以下、さらに一層好ましくは0.1%以下の非MTL-R1核酸を含むことに
なる。所与のMTL-R1 DNA調製物が他の核酸を実質的に含まないかどうかは、例え
ばアガロースゲル電気泳動を、臭化エチジウム染色法等の適切な染色方法と組み
合わせて使用するといった核酸の純度を評価するための定法に従うか、またはシ
ーケンシングによって決定することが可能である。
【0013】 「機能的等価物」とは、選択的スプライシング、欠失、突然変異または付加が
生じたことによって、天然に発生したモチリン受容体のアミノ酸配列と完全に同
一のアミノ酸配列を有してはいないが、該天然の受容体の生物学的活性の少なく
とも1%、好ましくは10%、さらに好ましくは25%を保有している受容体を意味
する。このような誘導体はモチリン受容体と有意の相同性を有するものであり、
モチリン受容体から得られるDNA配列と低ストリンジェントな(reduced stringen
cy)ハイブリダイゼーションを行なうことによって検出することが可能である。
機能的等価物をコードする核酸は、天然の受容体核酸に対し、ヌクレオチドレベ
ルで少なくとも約50%の相同性を有する。
【0014】 「リガンド」とは、本発明のモチリン受容体に結合するあらゆる分子を意味す
る。こうしたリガンドは、アゴニスト、部分的アゴニスト、部分的アンタゴニス
ト、またはアンタゴニストの活性を有することが可能である。
【0015】発明の詳細な説明 最近、成長ホルモン(GH)の持続拍動性放出を媒介する成長ホルモン分泌促進物
質(GHS)の視床下部および下垂体受容体に関連するGPCRのクローニングについて
記述された(McKee et. al., 1997 Genomics 46:426-434。本文献を参考として
本明細書にとり入れるものとする)。これらのクローンの1つであるGPR38は、
ヒトGHSRに対して最も顕著なアミノ酸配列同一性(52%)を有するものであり、こ
の値は膜貫通ドメイン(TM)では86%まで上昇する。GPR38はオーファンGPCRと
して分類された(GPCRの天然リガンドは同定されていない)。
【0016】 GPR38はヒトゲノムDNAライブラリから単離されたものであり、図1に示すよう
に約1kbの単一イントロンを含んでいた。cDNAクローンを単離し、正確にスプラ
イシングされたGPR38 mDNAの核酸配列を得た。標準ライブラリのスクリーニング
によってcDNAクローンを単離する努力は、不成功のうちに終わった。
【0017】 RACE技術とRT-PCR技術とを組み合わせたことによって、結果的にGPR38につい
ての2つの型のスプライシング産物を同定するができた。これら2つのGPR38 cD
NAは、異なるスプライス供与部位および共通のスプライス受容部位(共通エキソ
ン/イントロンスプライス受容部位配列(ピリミジンに富む領域ag/TG)に完全
に一致する)を使用する。GPR38-A mDNA(共通供与配列(TGC/gt)に完全には一
致しない)は、GPC-Rの際立った特徴である7つのαらせん状のTMドメインをも
つ412個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードするが、一方GPR38-B mDNAは
、5つのTMドメインをもつ363個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードする
(完全供与配列(CCG/gt))。ノーザンブロット分析では、GPR38の発現プロファ
イルの解明に成功しなかった。しかしながら、RNaseからの保護を実施したとこ
ろ、胃、甲状腺および骨髄で発現が認められた。
【0018】 本発明によって、GPR38がモチリン受容体であることが判明した。したがって
本発明は、ヒトモチリン受容体、その機能的等価物、ヒトモチリンDNA断片をプ
ローブとして使用して単離することが可能な他の種由来のモチリン受容体、およ
びモチリン受容体のスプライス変異体に関するものである。
【0019】 本発明の無傷のモチリン受容体が、Gタンパク質結合受容体に典型的な構造的
特徴、すなわち7つの膜貫通(TM)ドメイン、3つの細胞内および細胞外ループ
、ならびにGPCRタンパク質シグナル(signature)配列を有していることが判明し
た。このTMドメインおよびGPCRタンパク質シグナル配列については、図6A〜Cに
おけるGPCRのタンパク質配列中に記載されている。
【0020】 (細胞内カルシウムのリガンド誘導性IP3連関動員(IP3-coupled mobilization)
とそれに随伴するカルシウム誘導性エクオリン生物発光の測定が可能である)生
物発光性Ca2+感受性エクオリンリポータータンパク質を用いてCa2+の放出を測定
するハイスループットアッセイを開発した。エピトープでタグ付けしたタンパク
質を使用して細胞膜におけるクローン化GPR38-Aの発現を確認したところ、412個
のアミノ酸をコードするオープンリーディングフレームを含む分子量約45,000ダ
ルトンの単一タンパク質種であることが判明した(配列番号3)。DNAおよび推
定されるアミノ酸配列は、各々、配列番号2および3に示している。
【0021】 ペプチド分子と非ペプチド性分子の様々な組み合わせについて、単一濃度にて
、一過性トランスフェクションを行ったHEK-293/aeq17細胞で試験した(100nMペ
プチド、10μM非ペプチド)。有意な生物発光応答を、ペプチドモチリンと非ペプ
チド性マクロライド系エリスロマイシンについて記録した。マクロライド系エリ
スロマイシンは、モチリン受容体に対する競合性アゴニストであると報告されて
いる。この所見は、全用量応答曲線によって確認した。
【0022】 塩基配列分析によって、ヒトモチリン受容体について2つの型のスプライス産
物が明らかになったが、この2つのスプライス産物は共に本発明のさらなる態様
をなすものである。第1のスプライス産物 (MTL-R1A)は7回の膜貫通ドメイン受
容体をコードする。完全長のオープンリーディングフレームは412個のアミノ酸
を含むと考えられる。第2のスプライス産物 (MTL-R1B)は、6回の膜貫通ドメイ
ン(TM6)の予測されるアミノ酸の直前で、MTL-R1Aから自らの塩基配列へと分岐し
ている。
【0023】 MTL-R1BにおいてTM5はトランケートされて、翻訳終結コドンの前の約86個のア
ミノ酸の連続するリーディングフレームに融合する。MTL-R1AおよびMTL-R1Bをコ
ードするDNAおよびアミノ酸配列を、図2〜5に示す。
【0024】 本発明のさらなる態様は、真骨魚類であるフグSpheroides nephelusに存在す
ることが明らかとなっている、関連のモチリン受容体遺伝子である。フグのゲノ
ムライブラリーのスクリーニングを行ない、GPR38に類似したエキソン/イント
ロン構造を有する363個のアミノ酸のオープンリーディングフレームを含んだ単
一クローン(75E7)を同定した(タンパク質レベルで約54%同一)。クローン75E7
の分析によって、分子量約41,323ダルトンの363個のアミノ酸を含有するアミノ
酸配列が示された(図8)。フグクローン75E7のDNA配列を配列番号6に示し、
さらにヒトMTL-R1Aとフグクローン75E7のタンパク質配列の比較を図9に示す。
【0025】 本発明の別の態様は、モチリン受容体または機能的等価物をコードする核酸を
含むベクターに関する。これらのベクターは、DNAまたはRNAで構成されていても
よいが、クローニングの目的では大抵DNAベクターが好まれる。典型的なベクタ
ーとしては、モチリン受容体をコードする、プラスミド、改良ウイルス、バクテ
リオファージ、コスミド、酵母人工染色体、およびエピソームDNAまたは組込みD
NAのその他の形態等がある。ある特定の遺伝子導入またはその他の用途のために
適切なベクターを決定することは十分に当業者の技術範囲内である。
【0026】 本発明のさらなる態様は、モチリン受容体または機能的等価物をコードする遺
伝子によって形質転換された宿主細胞である。この宿主細胞は、細胞膜 上にモチリン受容体をそのまま発現してもしなくてもよい。形質転換した際には
、宿主細胞は細胞膜上にモチリン受容体または機能的等価物を発現することが可
能であることが好ましい。宿主細胞によっては、発現を最適化するために特定の
コドンを使用して、DNAを適合させることが望ましい場合もある。このような適
合は当業界では公知であり、こうした核酸もまた本発明の範囲に含まれる。一般
的に、宿主細胞としては、HEK-293、COS、CHO、HeLa、NS/)、CV-1、GC、GH3また
はVERO細胞等の哺乳動物細胞系が好ましいが、Xenopus oocytesや昆虫細胞等の
その他の細胞または細胞系が使用されてもよい。
【0027】 ヒト胚腎臓(HEK293)細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、多
数のGタンパク質を発現することから、モチリン受容体タンパク質の発現に特に
適している。すなわち、これらGタンパク質の少なくとも1つは、モチリン受容
体とそのリガンドとの相互作用によって生成されるシグナルを機能的に共役する
ことが可能であり、それによってこのシグナルを下流のエフェクターに伝達し、
最終的にはいくつかのアッセイ可能な構成要素(例えばcAMPレベル、レポーター
遺伝子の発現、イノシトール脂質の加水分解、または細胞内Ca2+レベル)におい
て測定可能な変化をもたらすようである。
【0028】 哺乳動物細胞で組換えモチリンを発現させるために、多種多様な哺乳動物発現
ベクターを使用することが可能である。商業上利用可能な哺乳動物発現ベクター
の中で適するものとしては、pCR2.2(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pSG5(
Stratagene)、pcDNAIおよびpcDNAIamp、pcDNA3、pcDNA3.1、pCR3.1(Invitrogen)
、EBO-pSV2-neo(ATCC37593)、pBPV-1(8-2)(ATCC37110)、pdBPV-MMTneo(342-12)
(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC37199)、pRSVneo(ATCC37198)、ならびにpSV2-dhfr
(ATCC37146)などがあるが、これらに限るわけではない。モチリン受容体が組換
え細胞において発現した後は、定法に従って実質的に他のタンパク質を含まない
レベルにまで精製することが可能である。
【0029】 モチリン受容体へのアフィニティーを示す化合物の結合特異性は、クローン化
受容体を発現する組換え細胞、またはこれらの細胞由来の膜に対する化合物のア
フィニティーを測定することによって表わされる。クローン化された受容体の発
現、およびモチリン受容体に結合する化合物、または組換え細胞もしくはこれら
の細胞から調製された膜に対するモチリン受容体の公知の放射性標識リガンドの
結合を阻害する化合物のスクリーニングは、モチリン受容体に対する高いアフィ
ニティーを有する化合物を迅速に選択する効果的な方法を提供する。必ずしもこ
うしたリガンドを放射性標識する必要はなく、結合放射性標識化合物の代わりと
して使用可能な、または機能性アッセイにおけるアクチベータとして使用可能な
非同位元素化合物を使用することもまた可能である。該方法で同定された化合物
はモチリン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストであると考えられ、それら
はペプチド、タンパク質、または非タンパク質有機分子であってもよい。
【0030】 このような分子は、胃運動性障害(内因性筋障害または神経障害)、機能障害
、脊髄離断、神経障害に付随する障害、例えばアミロイド沈着症、膠原血管病(
強皮症等)、パラネオプラスチック症候群、放射線誘発性運動障害、糖尿病、感
染症、ストレス関連性運動性障害、心因性/機能性障害、運動性に影響を及ぼす
その他の薬剤(例えば胃の空腹感を遅らせることが可能なβアドレナリン作動薬
、コリン作動薬もしくはアヘン製剤、またはセロトニン受容体アンタゴニスト)
、(糖尿病性または術後性の)胃不全麻痺、胃食道逆流疾患、便秘症、慢性特発性
偽閉塞症および急性糞塊埋伏、術後腸閉塞症、胆石、小児仙痛、結腸鏡検査法お
よび内視鏡検査に関する製剤、十二指腸挿管、刺激性腸症、非潰瘍性消化不良(d
yspeption)、非心臓胸痛および下痢等の多種多様な胃に関する症状の治療に有用
である。
【0031】 HEK-293細胞のエクオリン生物発光アッセイにおけるクローン化MTL-R1Aの薬理
学的特徴を図10および[125I]-Tyr7-ヒトモチリン結合アッセイ(図11)において
示す。10μMという高濃度のモチリンは、MTL-R1A cDNA発現ベクターでトランス
フェクトしていない細胞では、バックグラウンドレベルを超える生物発光応答を
示さなかった。同様に、トランスフェクトしていない細胞は、明らかな[125I]-T
yr7-ヒトモチリン結合を示さなかった。
【0032】 モチリン、モチリンペプチド断片および非ペプチド分子に関する効力の順位序
列は、胃または腸組織由来の天然モチリン受容体に実施した実験と一致する。
【0033】 GPCRとの相同性の程度が高いことから、本発明のモチリン受容体は、GPCRと同
様に機能し、GPCRに類似した生物的活性を有するものと考えられる。GPCRは胃腸
運動性に関与する生物学的および生理学的経路を理解する上で有用である。GPCR
はまた、モチリンアゴニストおよびモチリンアンタゴニストについてスキャニン
グする際、とりわけ同定されたリガンドの特異性を試験する際に有用である。
【0034】 以下に非限定的実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0035】実施例1 MTL-R1(GPR38)とヒトGHS-R、フグ75E7との配列比較および選択的スプライシング
型の同定 MTL-1ゲノムDNA配列の検討より、エキソン/イントロン結合部位のコンセンサ
ス境界に対応する2つの可能なmRNAスプライス部位が明らかとなった。不完全供
与部位(TGC/gt)がヌクレオチド1929-31に認められ(図1)、完全供与部位(CCG/gt
)はヌクレオチド2080-82に認められた。さらに、単一の完全スプライス受容部位
(配列[ピリミジンに富む領域ag/TG])はヌクレオチド2729-32に認められた。どの
型のスプライス産物が天然に存在するのかを判定するため、甲状腺ポリ(A)+mRN
AにRACE(rapid amplification of cDNA ends;cDNA末端の急速増幅)を行い、MTL
-1ゲノムDNA構築物でトランスフェクトしたHEK-293/aeq17細胞にRT-PCR(逆転写
ポリメラーゼ連鎖反応)を行った。RNase保護アッセイによってMTL-1Rの転写産物
を含むことが予め分かっている甲状腺ポリ(A)+mRNAに定方向(directional)RACE
反応を行った。プライマーAP1 5’-CCA TCC TAA TAC GAC TCA CTA TAG GGC-3’(
配列番号8)は、クローニングベクター内に位置する推定Met開示コドンを含むコ
ード領域の5’末端に相当する。5’RACE1は、翻訳終結コドンTAAを含むMTL-1Rコ
ード領域の3’末端に相当する。5’RACE1:5’-TTA TCC CAT CGT CTT CAC GTT A
GC GCT TGT CTC-3’(配列番号9)。
【0036】 製造業者(Clontech)の指示に従ってMarathon cDNA amplification/advantage
PCRキットを使用し、94℃で1分、94℃で30秒および72℃で4分(5サイクル)、9
4℃で30秒および70℃で4分(5サイクル)、94℃で20秒および68℃で4分(25サイ
クル)のTouchdown PCR増幅条件を用いて1μgの甲状腺ポリ(A)+mRNAにRACE反応
を行った。MTL-RのTM 2-4領域由来の32P-標識プローブ(3F/4Rプローブ)とハイブ
リダイズした約1.4kbの増幅産物を同定した。この産物をPCR-Scriptベクター(In
vitrogen)にサブクローニングし、配列決定を行った。
【0037】 図6A〜Cに示すように、DNA配列分析から、2つのスプライス供与配列のいずれ
かと共通のスプライス受容配列の選択的利用に対応する2つの異なる配列が明ら
かとなった。これらの結果は、完全なORFを約0.7kbのイントロン1個で分断した
MTL-1ゲノム構築物でHEK-293/aeq17細胞をトランスフェクトすることにより確認
した。mRNAを単離し(Poly(A)+ Pure Kit, Ambion)、3F/4Rプローブを用いたノー
ザンブロット分析にかけたところ、スプライシングを受けていないイントロンを
含む2.4kbとスプライス産物をコードする約1.4kbの2つのハイブリダイズバンド
が得られた。次いで、順方向プライマー5’RACE1と逆方向プライマー3’RACE2(T
M5領域):5’-CTG CCC TTT CTG TGC CTC AGC ATC CTC TAC-3’(配列番号10)を用
いて、トランスフェクションされたHEK-293/aeq17細胞由来のMTL-1 mRNAにRT-PC
Rを行った(Superscript 2 One-Step Kit, Life Technologies)。
【0038】 約500bpの産物をクローニングし(TAベクターpCR2.2, Invitrogen)、これを配
列決定したところ、両スプライス産物の混合物であることが判明した。エキソン
1断片(pCDNA-3にイントロンを挿入したMTL-1プラスミドのNotI消化)を、NotI/E
coR1エキソン2断片を含むpCDNA-3.1へ連結させることにより、イントロン配列
を含まないMTL-1Aの完全なORFを構築した。
【0039】 タンパク質発現を証明するため、MTL-1A/pcDNA-1.1ベクター由来のPme1断片を
pFLAG/CMV-2ベクター(Kodak Imaging Systems)のEcoRV部位へ連結させて、アミ
ノ末端FLAGエピトープをコードするMTL-1Aプラスミドを構築した。このプラスミ
ドをHEK-293/aeq17細胞にトランスフェクトした後、イムノブロット分析を行っ
たところ、推定サイズ(約48kDa)のタンパク質が粗細胞膜中に検出された。
【0040】実施例2 モチリン受容体に特異的なリガンドの同定 このオーファンGPCRに対するリガンドを同定して完全長7TMドメインGPR38-Aが
機能性GPCRであるか否かを判定するため、(細胞内カルシウムのリガンド誘導性I
P3連関動員(IP3-coupled mobilization)とそれに随伴するカルシウム誘導性エク
オリン生物発光の測定が可能である)生物発光性Ca2+感受性エクオリンリポータ
ータンパク質を用いてCa2+の放出を測定するハイスループットアッセイを開発し
た。エピトープでタグ付けしたタンパク質を用いて細胞膜におけるGPR38-Aの発
現を確認したところ、分子量約45,000ダルトンの単一タンパク質種であることが
判明した。
【0041】 ペプチド分子と非ペプチド性分子の様々な組み合わせを、単一濃度にて、一過
性トランスフェクションされたHEK-293/aeq17細胞で試験した(100nMペプチド、1
0μM非ペプチド)。有意な生物発光応答(バックグラウンドの>4倍)を、ペプチ
ドモチリンと非ペプチド性マクロライド系エリスロマイシンについて記録した。
マクロライド系エリスロマイシンは、モチリン受容体に対する競合性アゴニスト
であると報告されている。この所見は、全用量応答曲線によって確認した。ヒト
/ブタ・モチリンに対する半最大有効濃度(EC50)は2.1±0.5nMモチリンであった
のに対し、エリスロマイシンは効力が顕著に低かった(2000±210nM;天然モチリ
ン受容体で行った研究から推定)。
【0042】 クローン化GPR38-Aモチリン受容体(MTL-R1A)のシグナル伝達経路は、ホスホリ
パーゼCの活性化を介するものであり、天然モチリン受容体の場合について報告
されている。トランスフェクトされた細胞から調製した細胞膜上の[125I]ヒト・
モチリンと放射性リガンドとの直接結合の研究より、MTL-R1Aは、高いアフィニ
ティーと特異的結合をもたらし(Kd=0.1nM;Bmax=240fmol/mgタンパク質)、強
くGタンパク質と結合することが判明した(100nMのGTPγSとの結合を>80%阻害
)。
【0043】実施例3 MTL-1A受容体の機能的活性化 エクオリン生物発光アッセイは、Gタンパク質結合受容体を同定する信頼性の
高い試験である。この受容体は、GqおよびG11からなるGαタンパク質サブニット
ファミリーを介して結合し、ホスホリパーゼCの活性化、細胞内カルシウムの動
員およびプロテインキナーゼCの活性化をもたらす。エクオリンを発現する安定
なリポーター細胞系である293-AEQ17(Button, D.ら, 1993, Cell Calcium 14: p
.663-671)におけるMTL-1A発現の測定を、Luminoskan RT発光測定装置(Labsystem
s Inc., Gaithersburg, MD)を用いて行った。
【0044】 293-AEQ17細胞(トランスフェクション前にT75フラスコ中で18時間平板培養し
た8×105細胞)を、22μgのヒトMTL-R1AプラスミドDNA:264μgリポフェクタミ
ンでトランスフェクトした。約40時間発現させた後、ECBバッファー(140mM NaCl
、20mM KCl、20mM HEPES-NaOH[pH=7.4]、5mMグルコース、1mM MgCl2、1mM Ca
Cl2、0.1mg/mlウシ血清アルブミン)中、還元条件下(300μM還元グルタチオン)に
て、細胞中のアポエクオリンに対してセレンテラジン(10μM)を4時間供給した
。細胞を回収してECB培地で1回洗浄し、500,000細胞/mlになるよう再懸濁した
。次いで100μlの細胞懸濁液(5×104細胞に相当)を検査プレートに注入し、0.5
秒単位で30秒間積算発光を記録した。次いで20μlの溶解バッファー(0.1%最終T
riton X-100濃度)を注入し、0.5秒単位で10秒間積算発光を記録した。各ウェル
の「分別応答(fractional response)」値を、最初のチャレンジに対する積算応
答とTriton X-100溶解応答を含む全積算発光との比をとることで算出した。
【0045】実施例4 MTL-R1A cDNAでトランスフェクトしたHEK-293細胞由来の粗製膜と[ 125 I]ヒト・
モチリンとの結合 [125I]ヒト・モチリンを、HEK-293/aeq17細胞トランスフェクタントから調製
した粗製膜と以下のように結合させた。トランスフェクション48時間後に粗製細
胞膜を氷上で調製した。各T-75フラスコを10mlのPBSで2回洗浄し、1mlのホモ
ジナイゼーション用バッファー(50mM Tris-HCl[pH7.4]、10mM MgCl2)で1回洗浄
した。10mlのホモジナイゼーション用バッファーを各フラスコに添加し、細胞を
掻き取って回収し、Polytron装置を用いてホモジナイズした(Brinkmann, Syosse
t, NY; 設定4で10秒間のバーストを3回)。ホモジネートを20分間11,000×gに
て0℃で遠心分離し、得られた粗製膜ペレット(細胞膜と核を主に含む)を、1.5
%BSAを添加したホモジナイゼーション用バッファーに再懸濁し(0.5mlのT75フラ
スコ)、氷上に維持した。
【0046】 20℃で1時間、全量0.5ml(0.1mlの膜懸濁液(約1μgタンパク質)、10μlの125I
-ヒト・モチリン、10μlの競合性薬剤および380〜390μlのホモジナイゼーショ
ン用バッファーを含む)にて結合反応を行った。結合した放射性リガンドを、0.5
%ポリエチレンイミンで予め1時間処理しておいたGF/Cフィルターを通して急速
減圧濾過(Brandel 48ウェル細胞回収装置)によって分離した。膜懸濁液をフィル
ターに添加した後、フィルターを各回3mlの氷冷50mM Tris-HCl[pH7.4]、10mM M
gCl2で3回洗浄し、フィルター上の結合放射能をガンマ計数法にて定量した。特
異的結合(全体の>90%)は、全結合と、100nMの未標識ヒト・モチリンの存在下
で行った非特異的結合との差と定義する。競合結合データは、非線形カーブフィ
ッティングプログラム(Prism V,バージョン2.0;GraphPad Software, San Diego
, CA)によって分析した。結果として、3回の測定の平均(±SEM)を示す。ヒト・
モチリンは、7Tyrにて約2000Ci/mmolの比活性になるよう125Iで放射性標識した(
Woods Assay, Portland, OR)。
【0047】 構造-機能分析からは、モチリンペプチドには、N末端活性部位領域の活性を
安定化させるC末端αヘリックスドメインに連結する、活性に必須のN末端領域
(アミノ酸1-7)が最低限含まれることが示唆される。MTL1-Aの機能アッセイおよ
び結合アッセイにおける複数のモチリンペプチド類似体の効力の順位序列は、腸
組織の天然モチリン受容体に実施したin vitro収縮アッセイにて測定された既報
の効力(表1)と相関している。これらの結果を下記の表1にまとめる。
【0048】
【表1】 無関係のプロキネティック(prokinetic)剤であるメトクロプラミドとシサプリ
ドは、ドーパミン受容体および/または5-HT受容体に対してアフィニティーを有
し、高用量(10μM)でも不活性であった。
【0049】実施例5 サザンブロット分析 ゲノムサザンブロット(EcoRIおよびBamH1で消化したDNA、10μg/レーン)を、
MTL-1AのORFとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後の洗浄ストリ
ンジェンシーは55℃にて4×SSPEとし、次いでフィルターを乾燥させ、5日間-7
0℃にてX線フィルムに露光した。λHindIII DNAマーカーは23.1、9.4、6.6、4.
4、2.3、2.1(kb)とした。様々な哺乳動物種および哺乳動物以外の種で行ったサ
ザンブロット分析より、MTL-1Aをコードする単一の保存された遺伝子と一致する
単一のハイブリダイゼーションパターンが明らかとなった。
【0050】実施例6 フグ・クローン75E7 フグのゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより、ヒトMTL-R1Aに
対して約54%のタンパク質配列同一性を示す363個のアミノ酸からなるオープン
リーディングフレームを含む単一クローン(75E7)を同定した。さらに、75E7は、
ヒトMTL-R1Aと同様のイントロン-エキソン構造を有する。75E7は、ヒトMTL-R1A
のオーソロガス体(ortholog)である可能性がある。
【0051】実施例7 MTL-R1A遺伝子の発現 RNase保護アッセイ(RPA)によってMTL-1Aの転写産物を検出した。高い比活性を
有する放射性標識アンチセンスプローブの合成とRPAは、本質的に製造業者の記
載に従い、キット(MAXIscriptおよびHybSpeed RPAキット;Ambion, Austin, TX)
を使用して行った。pLitmus 28(New England Biolabs, Beverly, MA)のT7プロモ
ーターの下流に挿入されたヒトMTL-1Aのヌクレオチド1234〜1516を含むcDNA鋳型
からアンチセンスcRNA MTL-1Aプローブを合成した。構築物をStuIで消化し、約6
0ヌクレオチドのベクター配列を含む約340ヌクレオチドのサイズのcRNA転写産物
を生成させた。poly A+ mRNA(Clontech, Palo Alto, CA)の添加量(input)は、MT
L-1Aプローブの場合には5g、対照ヒト・アクチンプローブの場合には0.1μgと
した。沈澱させた断片を、5%アクリルアミド/8M尿素含有Tris-ホウ酸-EDTA
バッファー中でスラブゲル電気泳動(42cm×32cm×0.4mm)にかけた。ゲルを固定
して乾燥させ、フィルム(X-Omat; Kodak, Rochester, NY)上で1〜3日間(MTL-1
A)または2時間(アクチン)、オートラジオグラフィーを行った。
【0052】 MTL-1A mRNAの分布プロフィールを、ヒトGI組織およびGI以外のヒト組織から
なるパネルで調べた。MTL-1A mRNAは、胃全体(最も顕著)、甲状腺および骨髄に
検出することができたが、脳の複数の領域および他の非中枢神経系組織には存在
しなかった。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】5’非翻訳領域を含むモチリン受容体遺伝子のDNA配列(配列番号1
)を示す。小文字で表わされている部分はイントロン配列である。
【図2】スプライシングA型のモチリン受容体 (MTL-R1A)のDNA配列(配列番
号2)を示す。
【図3】MTL-R1Aの推定アミノ酸配列(配列番号3)を示す。
【図4】スプライシングB型のモチリン受容体 (MTL-R1B)のDNA配列(配列番
号4)を示す。
【図5】MTL-R1Bの推定アミノ酸配列(配列番号5)を示す。
【図6】図6A〜Cは、MTL-R1AおよびMTL-R1BのDNAおよびタンパク質配列を比
較したものである。
【図7】フグクローン75E7のDNA配列(配列番号6)を示す。
【図8】フグクローン75E7のタンパク質配列における推定アミノ酸配列(配
列番号7)を示す。
【図9】ヒトMTL-R1Aとフグクローン75E7のタンパク質配列の比較を示す。
【図10】HEK-293細胞のエクオリン生物発光アッセイにおけるクローニングさ
れたMTL-R1Aの薬理学的性質を示すグラフである。
【図11】[125I]-Tyr7-ヒトモチリン結合アッセイにおけるクローニングされ
たMTL-R1Aの薬理学的性質を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パチェット,アーサー,エー. アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 (72)発明者 タン,カリナ アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 (72)発明者 マッキー,カレン アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 (72)発明者 マックニール,ダグラス アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 (72)発明者 ハワード,アンドリュー,ディー. アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 (72)発明者 ポン,シェン−シャン アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 (72)発明者 スミス,ロイ,ジー. アメリカ合衆国 07065 ニュージャージ ー州,ローウェイ,イースト リンカーン アヴェニュー 126 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA63 CA01 DA02 HA11 4B063 QA01 QA19 QQ79 QR48 QR80 QS32 4C084 AA01 BA01 BA18 CA18 DB44 DC50 NA14 ZA012 ZA112 ZA662 ZA962 ZB352 ZC352 4H045 AA10 BA10 CA40 DA50 EA25 EA50 FA74

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受容体関連タンパク質を実質的に含まないモチリン受容体。
  2. 【請求項2】 ヒト由来である、請求項1記載のモチリン受容体。
  3. 【請求項3】 配列番号3のアミノ酸配列を有するMTL-R1Aである、請求項
    2記載のモチリン受容体。
  4. 【請求項4】 配列番号2の核酸配列を有する、請求項3記載のモチリン受
    容体。
  5. 【請求項5】 配列番号5のアミノ酸配列を有するMTL-R1Bである、請求項
    2記載のモチリン受容体。
  6. 【請求項6】 配列番号4記載の核酸配列を有する、請求項5記載のモチリ
    ン受容体。
  7. 【請求項7】 配列番号7のアミノ酸配列を有する75E7である、請求項6記
    載のモチリン受容体。
  8. 【請求項8】 リガンドがモチリン受容体に結合可能か否かを判定する方法
    であって、 (a)被検細胞を、モチリン受容体をコードする発現ベクターでトランスフェク
    トし、 (b)被検細胞をリガンドへ曝露し、 (c)リガンドとモチリン受容体との結合量を測定し、 (d)被検細胞におけるリガンドとモチリン受容体との結合量を、モチリン受容
    体でトランスフェクトしていない対照細胞とリガンドとの結合量と比較する ことを含んでなり、リガンドと被検細胞との結合量がリガンドと対照細胞との結
    合量を上回る場合に、該物質をモチリン受容体に結合可能であるとする、該方法
JP2000553444A 1998-06-12 1999-06-08 モチリン受容体のクローニングと同定 Pending JP2002517507A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8909898P 1998-06-12 1998-06-12
US60/089,098 1998-06-12
PCT/US1999/012773 WO1999064436A1 (en) 1998-06-12 1999-06-08 Cloning and identification of the motilin receptor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002517507A true JP2002517507A (ja) 2002-06-18

Family

ID=22215674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000553444A Pending JP2002517507A (ja) 1998-06-12 1999-06-08 モチリン受容体のクローニングと同定

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1086117B1 (ja)
JP (1) JP2002517507A (ja)
AT (1) ATE354582T1 (ja)
CA (1) CA2330251A1 (ja)
DE (1) DE69935219D1 (ja)
WO (1) WO1999064436A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009502842A (ja) * 2005-07-26 2009-01-29 グラクソ グループ リミテッド ベンジルピペラジン誘導体およびその医薬使用

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030229216A1 (en) 1998-10-13 2003-12-11 Ruoping Chen Constitutively activated human G protein coupled receptors
US7816492B2 (en) 1998-11-20 2010-10-19 Arena Pharmaceuticals, Inc. Human G protein-coupled receptors
US20030017528A1 (en) 1998-11-20 2003-01-23 Ruoping Chen Human orphan G protein-coupled receptors
USRE42190E1 (en) 1998-11-20 2011-03-01 Arena Pharmaceuticals, Inc. Method of identifying a compound for inhibiting or stimulating human G protein-coupled receptors
EP1228096A4 (en) * 1999-10-29 2003-07-23 Merck & Co Inc DOG AND RABBIT MOTILINE RECEPTOR ORTHOLOGISTS
WO2001064836A2 (en) * 2000-03-01 2001-09-07 Smithkline Beecham Corporation Cloning of a gpr38 variant
US20050009204A1 (en) * 2003-07-11 2005-01-13 Ye Fang Multiplexed binding assays for receptor arrays
WO2004037273A1 (ja) * 2002-10-25 2004-05-06 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha 排便機能障害の治療及び/又は予防剤
ES2338789T3 (es) 2003-06-18 2010-05-12 Tranzyme Pharma Inc. Antagonistas macrociclicos del receptor de motilina.
CN101528765B (zh) 2006-09-11 2015-04-22 欧塞拉治疗有限公司 用于治疗胃肠动力障碍病症的促胃动素受体的大环拮抗剂

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5712253A (en) * 1996-06-18 1998-01-27 Abbott Laboratories Macrocyclic 13-membered ring derivatives of erythromycins A and B

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009502842A (ja) * 2005-07-26 2009-01-29 グラクソ グループ リミテッド ベンジルピペラジン誘導体およびその医薬使用
JP4938777B2 (ja) * 2005-07-26 2012-05-23 グラクソ グループ リミテッド ベンジルピペラジン誘導体およびその医薬使用

Also Published As

Publication number Publication date
EP1086117A1 (en) 2001-03-28
ATE354582T1 (de) 2007-03-15
WO1999064436A1 (en) 1999-12-16
EP1086117B1 (en) 2007-02-21
EP1086117A4 (en) 2005-05-04
CA2330251A1 (en) 1999-12-16
DE69935219D1 (de) 2007-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3657602B2 (ja) ソマトスタチン受容体
US20030143668A1 (en) Guanosine triphosphate-binding protein coupled receptors
Valdenaire et al. A new family of orphan G protein-coupled receptors predominantly expressed in the brain
AU2010201829A8 (en) Endogenous and non-endogenous versions of human G protein-coupled receptors
US7510846B2 (en) Assay employing human or rat GAL-R2 galanin receptor
WO2001048189A1 (fr) Nouveaux recepteurs couples a une proteine de liaison au guanosine triphosphate, genes de ces derniers, et production et utilisation de ces derniers
WO1999046378A1 (fr) Nouvelles proteines receptrices couplees aux proteines g
JP2002517507A (ja) モチリン受容体のクローニングと同定
US20070009916A1 (en) Guanosine triphosphate-binding protein coupled receptors
US7374895B2 (en) Guanosine triphosphate (GTP) binding protein-coupled receptor proteins that bind histamine and are expressed in the brain
EP1196572A1 (en) Axor21, a g-protein coupled receptor
JP2002512779A (ja) 新規なg−タンパク質共役型受容体
WO2000002919A1 (en) Growth hormone secretagogue related receptors and nucleic acids
WO2000075166A1 (en) Melanin concentrating hormone receptor
EP1298439A1 (en) Method for screening mch receptor antagonist/agonist
JP2005229804A (ja) 新規なメラニンコンセントレーティングホルモン受容体
EP1693456B1 (en) Method of identifying modulators of a g protein-coupled receptor
US7179886B1 (en) Cloning and identification of the motilin receptor
KR20040010169A (ko) 신규 g 단백질, 이를 코딩하는 폴리뉴클레오티드 및 이의이용
US6432652B1 (en) Methods of screening modulators of opioid receptor activity
KR100971270B1 (ko) 이피에프 수용체 에세이, 화합물 및 치료학적 조성물
WO2001092302A2 (en) Human cyslt2 nucleic acids, polypeptides, and uses thereof
US6790608B2 (en) Methods of identifying and ADP-glucose receptor ligand, agonist or antagonist
EP1757691A1 (en) Novel monkey gpr103 and monkey qrfp and method of evaluating compound by using gpr103
JP2002507385A (ja) ヒトの5−ht4セロトニン作動性受容体のスプライシングバリアント、及び、特にスクリーニングのためのその利用

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060223

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060223

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090721

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091222