JP2002516559A - 回転機の磁気回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 エネルギー変換磁気回路は、軸に対して平行である磁石または電機子の磁極片から構成され、動力または起電力を得ることができる。発電機または電動機のための磁気回路は、回転軸と、回転軸の周囲に垂直方向に固定されて取り付けられた支持体と、複数の支持体の各端に軸に対して平行に配列されて、磁界の吸引力及び反発力により回転する複数の回転子と、その本体に巻かれたコイルを有する複数の電機子とを有する。コイルは回転子の外側に間隔をあけて取り付けられ、誘導された回転子の交流磁束を受け取って、方形波起電力を発生させ、または電気エネルギーの入力による高いトルクを得られる。回転時に発生する交流磁束、及び磁極片は回転軸に対して平行に配列される。

Description

【発明の詳細な説明】 １．技術分野 本発明は、磁界の磁束が電動機の軸に平行な磁気回路を形成するように、電機
子の磁石と磁極片（面）が電動機の軸に対して平行に配置された構造を有し、こ
れにより動力または方形波起電力を得られるようにしたエネルギー変換のための
磁気回路に関する。

２．背景技術 従来から使用されている回転機及び電力システムは、電機子の磁石５と磁極片
（面）が横向きに配置されたときに（以下「軸に対して」という）垂直（直角）
になるように構成されており、よって垂直型磁気回路は、磁界の磁束がヨーク７
−電機子８−磁石５−電機子６−磁石５の向きに循環するような構造を有する。

図１Ａは電動機の軸に対して垂直方向の磁束を有する従来の垂直型電動機を示
す概略図であり、図１Ｂは図１Ａの電動機における磁界の流れを示す図である。

図１Ａに示すように、従来の電動機は環状の固定子１と、環状の固定子１の内
部で回転する回転子２とからなる。環状の固定子１は電機子６とヨーク７とから
構成され、回転子２は軸３及び磁石５を有する。

図１Ｂは図１Ａとは異なる構造を示し、すなわち磁石１５は外側に形成され、
電機子１６は内側に形成されて、電機子１とともに回転される。

図１Ｂに示すように、図１Ａ及び図１Ｂにおける磁気回路は、回転時に軸に対
し直角（垂直）な磁束の流れを形成するので、磁気回路は起電力信号システムに
おいて方形波を生じさせ、あるいは方形波制御入力によりトルクを発生させる。

さらに、図１Ａに示すように、軸に対して垂直方向に形成された磁石５の磁極
片が回転するためには、磁界の流れによる吸引力及び反発力が及ぼされることに
よる機械的振動が縦断面に作用し、そのため軸には相当な応力が加わる。

特に、高速度におけるこの現象は軸への負荷を増加させる。この課題を解決す
るために、引っ張り強さに優れた高強度の材料の開発、及び高精度の機械加工技
術に多大な努力が傾けられ、不可避の生産費の増加につながっていた。

さらに従来の垂直回路型電動機における磁気回路は、磁界の多段階の流れのた
めの磁気抵抗による磁芯損失、不要な材料のための鉄心損失等によるエネルギー
損失、及び不要な磁気回路構造による材料損失のために、メンテナンス料及び生
産費についての他のコスト増加要因を有していた。

図２Ａは従来の三相全波整流回路を示す図であり、図２Ｂは従来の三相発電機
による電圧波形を示す図であり、図２Ｃは従来の三相発電機により発電された電
圧波形を図２Ａの整流回路に通して得られた整流波形を示す図である。

図２Ａから図２Ｃに示すように、交流（ＡＣ）波形から直流（ＤＣ）波形（実
際には脈動波形）への整流には、Ｙ結線並びにダイオードＤ１、Ｄ２、Ｄ３、Ｄ
４、Ｄ５及びＤ６を含む複雑な回路を必要とする。さらに完全に近い直流波形を
得るためには高精度フィルタが必要となる。

しかし実際には、高電圧で完全な直流を得ることは困難なので、高く純粋な直
流電圧を得るために使用される様々な構成部材によって、エネルギー損失を伴う
完全に近い直流高電圧を必要とするシステムにおけるコストは増大している。

発明の概要 上記課題を解決するために、第１の目的は磁石側面の磁束のための磁気回路が
横向き（平行）な方向に循環するように軸に平行に配置された（軸が横向きに配
置されたときに）、磁気回転子または静的電機子（磁気固定子及び回転電機子が
含まれるような構造）の磁極片（面）を有する回転機のための磁気回路を提供す
ることにあり、これによって、機械的回転力のための高い効率の方形起電力によ
り、及び電気エネルギーのための方形波制御電力により、高トルクの回転力を得
ることができる。

第２の目的は、軸に対して平行に配置された磁極片を伴う回転子と軸とを連結
する支持体に取り付けられたプロペラを有する回転機のための磁気回路を提供す
ることにあり、これによって、プロペラの回転により現れる空気対流現象を利用
することによる推進力と、機械的推進力である風力により方形波起電力とを得る
ことができる。

第３の目的は、軸に対して平行に現れる機械的振動が吸収され、かつ軸に垂直
に及ぼされる吸引力と反発力との作用により現れる機械的振動を他の装置と比較
して最小になるように、軸と軸受けとの間に波形ワッシャを有する回転機のため
の磁気回路を提供することにあり、これにより高速回転力を得られる。

第４の目的は、磁石と回転子とにねじれ角度を付けたマトリクス構造の磁気回
路を有する回転機のための磁気回路を提供することにあり、これにより磁束の螺
旋状の流れが起電力の発生の際に現れる電機子の反作用の力の減少をもたらし、
かつ機械的動力が発生する際に高速回転力が得られるようにする。

第５の目的は、同じ軸上の磁石と電機子とを多層化した複合構造を有する回転
機のための磁気回路を提供することにあり、ここでは一つの層は励磁装置として
使用され、他の層は回転子または同期機として使用される 第６の目的は、軸に対して磁石、電機子及び磁石の方向に横向きに（平行に）
循環する磁界の流れを伴う回転機のための磁気回路を提供することにあり、この
ため電機子または磁石に連結されたヨークを除くことによる材料損失を減少させ
ることが可能である。

第７の目的は、磁界の磁束が電機子と磁石との間を循環しないようにするため
に各電機子（相）と各磁石との間のスリットの磁気抵抗を有する回転機のための
磁気回路を提供することにあり、これにより磁石中の磁束が電機子に沿って隣接
する磁石に磁気的に循環するように導き、これによって、電機子のコイル中を循
環する磁束の鎖交のために生ずる起電力の方形波を得ることができる。

図面の簡単な説明 本発明の上記目的及び他の目的は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに考
慮して参照することにより直ちに明らかになる。

図１Ａは電動機の軸に対して垂直方向の磁束を有する従来の垂直型電動機及び
同期機の概略図である。

図１Ｂは図１Ａの電動機における磁束の流れを示す図である。

図２Ａは従来の三相全波整流回路を示す図である。

図２Ｂは従来の三相発電機による電圧波形を示す図である。

図２Ｃは従来の三相発電機の電圧波形の全波整流された波形を示す。

図３は本発明の一つの実施例に係る四極三相発電機の概略斜視図である。

図４Ａは本発明の一つの実施例に係る四極三相発電機の磁界の波形を示す。

図４Ｂ、４Ｃ、４Ｄ及び４Ｅは本発明の一つの実施例に係る三相発電機の起電
力波形を示す。

図５Ａ及び５Ｂは本発明の一つの実施例に係る発電機の負荷状態図である。

図６は本発明の他の実施例に係る単相電動機の磁気の流れを示す図である。

図７は本発明の他の実施例に係る単相電動機の作用についての説明図である。

好適な実施例の詳細な説明 本発明の一つの実施例によると、方形波発電機もしくは方形波電動機として使
用される回転機のための磁気回路は、回転軸と、回転軸に垂直氏姓で堅固に取り
付けられた複数の支持体と、磁極片（面）を回転軸に平行にして回転子を磁界の
吸引力及び反発力により回転させるために複数の支持体の各端にそれぞれ取り付
けられた回転子と、相互に一定の間隔で取り付けられ、その本体にそれぞれコイ
ルを有して、回転子の回転中に生ずる回転子（磁石）の磁極片（面）からの交流
磁界を得る複数の固定子（電機子）とを含む。

さらに本発明の好適な特徴によると、方形波電力発電機と、環状磁束誘導機並
びに機械的動力発生器、位相検出器及び位置検出器を含む。方形波電力発電機は
回転中に発生する磁石の交流磁界磁束（あるいは磁束）の誘導のためのＣ型、Ｕ
型及びＩ型、あるいはねじれ構造のＣ型、Ｕ型及びＩ型電機子を有する。ヨーク
すなわち電機子と磁石との間の磁気的な循環媒体は除かれ、磁気抵抗によって磁
束の流れを不連続にすることにより方形波起電力及び方形波信号を発生させる。

本発明の好適な特徴によると、環状磁束誘導機は電機子及び磁石を有する。電
機子及び磁石の本体はゆがんで構成されたねじれ角度を有し、回転中の磁束の流
れを環状に形成する。

機械的動力発生器は複数の電機子及び複数の磁石を有し、回転子は電気的エネ
ルギーにより発生する方形波交流磁束により回転される。回転子はシャフトに対
して露出して配置され、必要なトルク量に従って平行運転が可能である。

位相検出器及び位置検出器は、電機子の必要な位置に取り付けられたコイルの
異なる巻数により、方形波起電力大きさの変化に従って位相及び位置の情報を得
る。

本発明の他の好適な特徴によると、回転子のための複合的機能を有する磁気回
路である。磁気回路は一つの軸の上に磁石及び電機子の多層を有しており、ある
層は回転子として使用され、あるものは同期機または方形波発電機として使用さ
れ、また他のものは磁石を励磁する励磁機として使用される。

本発明の他の好適な特徴によると、直流電力発電機を有する回転子のための磁
気回路がさらに提供される。直流電力発電機においては、複数の電機子からの方
形波電力は単相型の形態のものに接続されて直流電力を発生する。

図３に示すように、回転子２７は支持体２９に固定されており、回転子２７の
磁極片は軸２３に対して平行に取り付けられている。さらに、コイル２８は固定
子２６に取り付けられ、軸２３に対して磁極片（面）が対向している。

本発明の実施例において、四極三相回転子が、可能な限り利便には、回転作用
の説明のために示される。

よって固定子２６は６０度の間隔で配置され、６個の固定子２６が存在する。
ここには示されていないが、固定子２６はハウジングに固定されている。回転子
２７は９０度の間隔で配置され、軸２３に固定された支持体２９の一端に取り付
けられている。一つの回転子の極性は、図３に示されているように、隣り合う回
転子と反対の極性、もしくは同じ極性（図示していない）である。

固定子２６及び回転子２７の数及び極性は変更可能である。さらに、プロペラ
（図示していない）を軸２３と回転子２９とを連結する支持体に、あるいは軸２
３と回転子２７との間に取り付けてもよく、これにより回転子２７の回転により
発生する空気対流現象からの推進力が得られる。

本発明の実施例に係る方形波発電機（図示していない）においては、軸２３が
外部動力により回転すると、磁気回転子が三角波磁束を発生させる。三角波磁束
は電機子に誘導され、図４Ｂ、４Ｃ及び４Ｄに示されるように巻線コイルに方形
波を発生させる。三角波は、本発明の実施例に係る装置におけるマトリクス構造
の磁気回路及び磁界の電流制御により発生する。

図４Ｅは図４Ｂ、４Ｃ及び４Ｄの合成波による直流電力への変換を示す図であ
る。

さらに、相間隔及び磁界構造によりサイン波も作成される。

図５Ａ及び５Ｂは本発明の実施例に係る発電機の負荷状態を示す図である。

図５Ａに示されるように、四極三相で説明すると、磁石（Ａ）から磁石（Ｄ）
になったときに、レンツの法則に従い、ねじれ構造における一つの本体の電機子
５２−１及び５２−２にはいずれの負荷も作用していなければいずれの極性も示
さないが、負荷が作用していると磁束と反対に誘導された極性を示す。

しかしながら、本発明の実施例によると、上述の磁気状態は、すなわち磁石（
Ａ）から磁石（Ｄ）になったときには、外部からの動力により磁石（Ａ）の上方
に示した矢印方向に回転して磁石（Ａ）は磁極片（面）５２−１及び５２−３か
ら逃れ、磁極性Ｓ１が電機子の磁極片（面）５２−１内に誘導され、磁極性Ｎ１
がねじれ構造の電機子の磁極片（面）５２−２内に誘導される。これにより、回
転方向における磁石（Ａ）の回転は妨害され、磁石（Ｂ）の回転は促進される。

このような作用により、電機子の作用と反作用が同時に生じるが、これは従来
の発電機においては得ることのできない本発明の特徴的な要素である。

このとき、磁石は直角、あるいは必要に応じて異なる角度に配列される。

図５Ｂにおいて、磁石は同じ極性で配列され、電機子は磁石に対して並んで配
列されている。外部からの動力の負荷により磁石（Ａ）の上方に示した矢印方向
に回転すると、電機子５３−１及び５３−３の磁極片から磁石（Ａ）が脱したと
きに磁極性Ｓ１が電機子５３−１の磁極片（面）に誘導され、同じ配列構造によ
る本体の磁極片（面）５３−３は磁極性Ｎ１に誘導され、これにより磁石（Ａ）
は引き戻されて回転を妨害され、磁石（Ｂ）も他の電機子５３−２及び５３−４
の磁極片（面）によりその前進を妨害される。しかしながら図５Ｂの磁気回路の
目的はオン−オフ信号を得ることであり、多くのエネルギーが消費されることは
ない。

図６は図３のデジタル発電機における６０度の間隔で６個の回転子を有する単
相電動機において、電力を固定子のコイルに供給することにより電動機として作
用しているときの磁界の流れを説明する図であり、図７は図６の作用を説明する
図である。

これによると、図３の構造から、６０度の間隔で取り付けられた支持体及び回
転子をさらに有する構造に伴う磁界の螺旋状の流れが示される。

コイルの巻かれた固定子及び回転子６３が図６に示されており、図７には、一
体の固定子７１がゆがみ角度を有し、磁界の螺旋状の磁束を誘導し、これにより
回転子７３の回転力がスムーズに生じるように、固定子７１−１及び７１−２の
磁極片（面）が示されている。

すなわち、磁石６３を回転させる磁束はスリットを通り抜け、静的電機子の電
極片６１Ａを誘導し、誘導された磁束６５は他の静的電機子６８に沿って、並ん
でいる他の回転磁石６７に移動する。この作用が繰り返されると、磁界の螺旋状
の磁束による回転力が発生する。

本発明に係る装置は、ある実施例を通じて以下のような効果を有する。

すなわち、発電機に適用されると、起電力波形は方形波なので、直流変換特性
が優れており、磁気回路の重複性が少ないために必要最小限の材料を加工すれば
足りるので、材料損失が小さい。材料損失の最小限化は、鉄心損失及び磁気抵抗
の最小限化をもたらし、エネルギー損失を減少させる。

さらに、負荷時に作用と反作用とが同時に働くので、機械的損失の最小限化を
達成でき、交流から直流への変換損失も最小限化できる。

一方、電動機に適用されると、回転運動は吸引力と反発力とが軸に平行に加わ
るので、機械的振動による振動波の吸収が容易で、高速回転を得ることができ、
ゆがみ空間配列及びねじれ角度を容易に得ることができるので、コーキングトル
クを大幅に減少させることができる。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁石または電機子の磁極片が軸に対して平行構造またはねじ
   れ構造を有する回転機の磁気回路において、 回転軸と、 回転軸の周囲に垂直な方向に固定されて取り付けられた複数の支持体と、 複数の支持体の各端に磁極片が軸に対して平行に配列され、磁界の吸引力及び
   反発力により回転する複数の回転体と、 その本体に巻かれたコイルを有し、コイルは回転子の外側に間隔をあけて取り
   付けられるとともに誘導された回転子の交流磁束を受け取り、交流磁束は回転時
   に発生し、磁極片は回転軸に対して平行またはねじれて配列されている複数の電
   機子（固定子）とを含む回転機の磁気回路。
2. 【請求項２】 回転子は、磁石の磁極片の軸に対する平行構造またはねじれ
   構造を有しており、回転軸と平行な方向の磁界の力により回転する請求項１に記
   載の回転機の磁気回路。
3. 【請求項３】 電機子は、磁石または電機子の磁極片の軸に対する平行構造
   またはねじれ構造を有しており、磁石または電機子はＣ型、Ｕ型及びＩ型の一つ
   である請求項１に記載の回転機の磁気回路。
4. 【請求項４】 磁石または電機子の磁極片は、軸に対する平行構造またはね
   じれ構造を有しており、磁石または電機子は、軸と回転子との間の支持体上にプ
   ロペラを有する請求項１に記載の回転機の磁気回路。
5. 【請求項５】 軸に対して平行構造またはねじれ構造を有する磁石または電
   機子の磁極片と、回転軸に対して平行な方向に形成される磁界の力により回転し
   、これにより回転中の軸の側面方向の振動を最小限化する回転子とを含む回転機
   の磁気回路。
6. 【請求項６】 回転機は方形波発電機または方形波電動機であり、平行構造
   あるいはねじれ構造を有する回転機の磁気回路において、 電機子と磁石との間の磁気循環媒体となるヨークを除くことにより、磁束の不
   連続な流れによって方形波起電力及び方形波信号を発生する方形波電力発電手段
   と、 ねじれ構造のゆがみ角度を有する電機子または磁石の本体に対する回転におい
   て磁束の螺旋状の流れを発生する磁気回路を構成する螺旋状磁束誘導手段と、 電気エネルギーの入力により発生される方形波交流磁束により回転子を回転さ
   せるために、複数の電機子と複数の磁石とから構成される回転ユニットを有して
   おり、軸に対して並んだ複数の回転ユニットを構成することによる必要なトルク
   の大きさに従う平行駆動を可能にする機械的動力発生手段と、 必要な位置に異なって巻かれた電機子により発生する方形波起電力の変化の量
   に応じて位相及び位置の情報を得るための位相検出手段及び位置検出手段と、 単相の形態における複数の電機子の集合的に連結された方形波電力により直流
   電流電力を発生する直流電流電力発生手段とを含む回転機の磁気回路。