JP2002515857A - 心膜間隙への治療剤の送達による冠状状態の処置 - Google Patents

心膜間隙への治療剤の送達による冠状状態の処置

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ティー. ハン,デイビッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、治療剤を心膜間隙に送達することによる冠状状態の処置である。治療剤は心房または心室を介する内部侵入によるか、または胸腔を介する外部侵入によって送達され得る。治療剤は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または他の薬物であり得る。

Description

【発明の詳細な説明】 心膜間隙への治療剤の送達による冠状状態の処置発明の分野 本発明は、種々の冠状状態および心臓血管適応症の処置のための治療剤の心膜 間隙への送達に関する。本発明の治療剤は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、 および他の薬剤を含む。治療剤の送達のための薬学的組成物は、心膜間隙への有 効な送達を促進するための種々の緩衝液、賦形剤、リポソーム、粒子、ポリマー 、ゲル、マトリックスを含む。心膜の送達は内部侵入(例えば心房または心室を 介する)により得るか、または胸壁を介する外部侵入により得る。発明の背景 現在、ほとんどの心臓血管治療剤は、経口、または全身性静脈系の経皮カニュ ーレ挿入(つまり、標準的な静脈内治療)による脈管内のいずれかで送達される 。カテーテルおよび送達デバイスに関して、心臓血管治療剤はまた、大きな静脈 構造(すなわち、よりすぐれたまたはより劣った静脈大動脈、鎖骨下静脈など) のカニューレ挿入または心臓動脈循環もしくは肺動脈循環のカニューレ挿入を介 して心臓近辺または心臓に直接送達され得る。一般に、経口または脈管内薬物送 達は、送達される薬剤への有意な全身暴露を生じるので、心臓への薬物送達の多 くの過去の方法は、全身性毒性の合併症によって制限されてきたか、または全身 性毒性を回避するために最適以下の量の治療剤を使用してきたかのいずれかであ る。種々の心臓血管状態の処置のための上記方法によって送達され、そして全身 性毒性を生じることが知られているいくつかのクラスの薬物は、抗不整脈剤、カ ルシウムチャンネルブロッカー、β−ブロッカー、収縮性改善剤(contractilit y improving agent)、後負荷低減剤(afterload reducer)、前負荷低減剤(pr eload reducer)、血管作用剤(vasoactive agent)、免疫抑制剤、抗生物質、お よび抗炎症剤を含む。前記各カテゴリーにおける薬物の詳細な例は、それぞれア ミオダロン、ベラパミル、プロパラノロール、ジギタリス、ヒドララジン、ニト ログ リセリン、シクロスポリン、イソニアジド、およびプレドニゾンを含む。 経皮経管腔冠状血管形成(percutaneous transluminal coronary angioplasty )後の冠状動脈再狭窄の処置において、管腔内表面または冠状管壁のいずれかで の、抗再狭窄剤の冠状脈管構造への直接的局所送達は、ますます平易になりつつ ある。このような送達のための基本的な前提は、全身投与で実用的であるかまた は達成可能であるより、病的部位で達成されるこれらの薬剤のより高い濃度およ びより延長された投与を可能にすることである。従って、局所的薬物送達は、治 療的効力を増大させる一方で、全身的毒性を減少させる潜在的な利点、言い換え れば、送達される薬物の「治療指数」を増大させる潜在的な利点を提供する。し かし、一般に、冠状脈管構造の管腔内表面への治療剤の送達は、これらの薬剤を 冠状動脈の強壮な血流に供するので、所望の部位でのこれらの薬剤の保持時間が 、しばしば問題である。冠状管の管腔内表面に蓄積した、薬物に浸漬されたゲル またはポリマーは、所望の部位で薬物の保持時間を延長し得るが、一般に、比較 的制限された薬物貯蔵容量が欠点であり、さらに、ゲルまたはポリマー自身に関 連する少なくとも理論的な問題(例えば、特に分裂、塞栓形成、炎症)を有する 。冠状管壁自身の内に蓄積した治療剤の延長された保持時間は、多数の障害物( 受動的拡散または冠状管壁由来の脈管バソラム(vasorum)のいずれかによるド レナージによる消失を含む)によって妨げられ、そして薬物貯蔵部位としての管 壁の制限された容量によってもまた妨げられる。 これは、反作用性の副作用を減少させ、そして効率を高める心臓血管状態を有 する患者の処置の他の方法を開発するのに有利である。発明の要旨 従って、本発明の目的は、心膜間隙に治療的有効量の治療剤(例えば、ポリペ プチド、ポリヌクレオチド、または他の薬物)を投与することによる冠状の適応 症の処置方法または予防方法を提供することである。 ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または他の薬物がリポソーム(シクロデキ うな任意のリポソーム組成物を含む)にカプセル化されることが、本発明のさら なる目的である。薬物またはポリヌクレオチドが当該分野で一般に公知の他の処 方物(緩衝液、賦形剤、ポリマー、ゲル(例えば、生分解性ゲルまたはFocalgel 心膜間隙に投与される治療剤(ポリペプチド、ポリヌクレオチド、もしくは他 の薬物、またはこれらの薬剤の1つ以上の組合せのいずれか)が、以下の1つで あることであることが本発明のさらなる目的である:抗アポトーシス剤、血栓崩 壊剤、前脈管形成剤、補体ブロッカー(complement blocker)、再灌流損傷のイ ンヒビター、抗不整脈剤、収縮性改善剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤(vasoact ive agent)、抗昇圧剤、カルシウムチャンネルブロッカー、β-ブロッカー、後 負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗炎症剤、免疫調節剤または免疫抑制 剤、フリーラジカルスカベンジャー(free radical scavenger)、反応性酵素代 謝物質(reactive oxygen metabolite)のインヒビター、抗血栓剤、抗血小板剤、 抗インテグリン剤、抗増殖剤、前アポトーシス剤、抗脈管形成剤、および抗生物 質(抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、および抗寄生虫剤を含む)、および抗 腫瘍剤(化学治療剤、放射線感作物質、および放射性移植片を含む)、およびこ れらの分子の1つの生物学的に活性なフラグメントまたはキメラ。 本発明の方法の使用は、以下の冠状状態または心臓血管状態の付随の効果また は合併症を予防、処置、または低減させる更なる目的を有する: 1)アテローム性動脈硬化症、および以下を含む冠状動脈における病理学的ア テローム性動脈硬化症のプラークの発症を罹患しやすい状態: −脂質/コレステロール蓄積 −マクロファージ/炎症性細胞の漸増、 −プラーク破壊 −血栓症 −血小板蓄積、および −心内膜増殖; 2)以下を含むがこれらに限定されない虚血症候群および付随の症候群: −心筋梗塞 −安定狭窄および不安定狭窄 −経皮経管腔冠状血管形成後の冠状動脈再狭窄、および −再灌流損傷; 3)以下によって生じるかまたは以下に関連する、心筋症を含むがこれらに限 定されない、心筋症: −虚血症候群、 −アルコールのような心臓毒性剤およびアドリアマイシンのような化学治療剤 、 −感染症(例えば、ウイルス(CMV)および寄生虫の(例えば、Trypanosoma c ruziによって引き起こされる)) −高血圧症 −代謝疾患(尿毒症、脚気、グリコーゲン貯蔵疾患を含むが、これらに限定さ れない) −照射 −神経筋疾患(例えば、デュシェーヌ筋ジストロフィー) −浸潤性疾患(サルコイドーシス、ヘモクロマトーシス、アミロイドーシス、 ファブリー病、フルラー症候群が含まれるが、これらに限定されない) −損傷、および −特発性原因; 4)律動異常(心筋症のために上記で列挙した同じ原因によって生じる律動異 常を含むが、これに限定されない); 5)感染症(バクテリア、ウイルス、真菌、および寄生虫原因を含む); 6)心臓ガン; 7)炎症状態(心筋炎、心外膜炎、心内膜炎、免疫心臓拒絶、および、特発性 疾患、自己免疫疾患、または結合組織疾患から生じる状態を含むが、これらに 限定されない);および 8)高血圧症。 薬剤が冠状静脈閉塞の処置に使用される場合、その薬剤が以下から選択される ことが本発明のさらなる目的である:脂質またはコレステロールの合成または蓄 積のインヒビター(例えば、魚油、HMG)、マクロファージまたは炎症性細胞の 漸増または活性化のインヒビター(例えば、IκKBのようなNF-κBインヒビター 、 ピロリジンジチオカルバメート(PDTC)、およびN-アセチルシステイン(NAC) )、コルヒチンおよびタキソールのような微小管インヒビター、抗炎症剤(例え ば、以下に記載の薬剤)、虚血症候群の処置のもとで以下に記載の抗血栓剤、虚 血症候群の処置のもとで以下に記載の抗血小板剤、および抗増殖剤のもとで以下 に記載の新内膜増殖のインヒビター。 使用される薬剤が、心筋層の虚血症候群の付随の効果の予防、処置、および低 減に関する場合、薬剤が以下から選択されることが本発明の別の目的である:抗 アポトーシス剤(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)、インタ ーロイキン1b転換酵素のインヒビター);血栓崩壊剤(例えば、ウロキナーゼプ ラスミノーゲンアクチベーター(UPA)、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、 α2プラスミンインヒビターのインヒビター、およびプラスミノーゲンアクチベ ーターインヒビター−1のインヒビター);前脈管形成剤(例えば、塩基性およ び酸性線維芽細胞増殖因子)、FGF-5、脈管内皮細胞増殖因子、アンジオゲニン 、トランスフォーミング増殖因予αおよびβ、腫瘍壊死因子-α、血小板由来増 殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子、肝細胞増殖因子、およびプロリフェリン;補体 ブロッカー(例えば、崩壊促進因子(decay accelerating factor));再灌流 損傷のインヒビター(例えば、CAB-2);カルシウムチャンネルブロッカー(例 えば、ジルチアゼム);β-ブロッカー(例えば、プロプラノロール);後負荷 低減剤(例えば、ヒドララジン);前負荷低減剤(例えば、ニトログリセリン) ;血管作用剤(例えば、一酸化窒素(NO)、酸化窒素インヒビター、またはNOシ ンターゼのインヒビター);抗血栓剤(例えば、組織因子経路インヒビター(TF PI)、ヘパリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、 ダニ(tick)抗凝固ペプチド(TAP)、および抗スタシン(antistasin));抗 血小板剤(antiplatelet agent)(例えば、糖タンパク質IIb/IIIaアンタゴニス ト、アスピリンもしくは非ステロイド性抗炎症剤のようなシクロオキシゲナーゼ インヒビター、プロスタサイクリン、または血小板cAMPを増加させる薬剤);抗 増殖剤(例えば、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、タンパ ク質、ペプチド、もしくはc-myb、ras/raf、P13キナーゼ、サイクリンに対する 低分子インヒビター、またはヘルペスチミジンキナーゼのような自殺タンパク質 /遺伝 子もしくはfas、faf、インターロイキン1b転換酵素のような前アポトーシスタ ンパク質/遺伝子;反応性酸素代謝物質のインヒビター(例えば、スーパーオキ シドジスムターゼ、N-アセチルシステイン、ピロリジンジチオカルバメート(PD TC)、ビタミンE誘導体、および金属鉄キレート化剤):または抗脈管形成剤( 例えば、血小板因子4、トロンボスポンジン、メタロプロテイナーゼの組織イン ヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプター、アンジオスタチン、TFG-β、 インターフェロン-α、および増殖関連タンパク質)。薬剤がタンパク質である 全ての場合において、タンパク質をコードする遺伝子の発現と同様に、それらの 生物学的に活性なフラグメントまたはそれらのキメラもまた意図される。 処置のために使用される薬剤が心筋症を改善または予防することを意図する場 合、虚血症候群が心筋症の誘導原因であるので、薬剤は上記の虚血症候群の処置 のためとしての同一の列挙から選択されることが、本発明のさらなる目的である 。さらに、他の原因による心筋症を処置あるいは予防するために使用され得る他 の薬剤は、以下を含む:収縮性改善剤(例えば、ジギタリス(digitalis)); 筋細胞増殖因子(例えば、インスリン様増殖因子1(IGF-1)、心臓保護剤(例 えば、Cardioxane);鉄キレート化剤(例えば、デスフェロキサミン(desferox amine));抗ウイルス剤または抗寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー( 例えば、スーパーオキシドジムスターゼ);または心筋症の進行中に欠損される かもしくはダウンレギュレートされ得る遺伝子またはタンパク質の置換物(例え ば、トロポニンCまたはβ-アドレナリン作用性レセプター)。薬剤がタンパク 質である先の全ての場合において、タンパク質をコードする遺伝子の発現と同様 に、それらの生物学的に活性なフラグメントまたはそれらのキメラもまた意図さ れる。 本発明の別の目的は、処置のために使用される薬剤が抗不整脈剤の場合、薬剤 が以下の多くの任意の公知の抗不整脈剤から選択されることである:アデノシン 、キニジン、プロプラノロール、ジゴキシン、リドカイン、ブレチリウム、アミ オダロン、およびベラパミル。 本発明のなお別の目的は、処置のために使用される薬剤が抗生物質である場合 、薬剤が以下から選択されることである:抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、 および抗寄生虫剤。 本発明の別の目的は、処置のために使用される薬剤が抗腫瘍剤である場合、薬 剤が以下から選択されることである:化学治療剤、放射線感作物質、および放射 性移植片。 本発明のさらなる別の目的は、処置のために使用される薬剤が抗炎症剤の場合 、薬剤が以下を含むがこれらに限定されない抗炎症剤または免疫調節剤から選択 されることである:ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤、シクロスポリン、化 学治療剤、および補体インヒビター。 本発明のなお別の目的は、処置のために使用される薬剤が抗昇圧剤である場合 、薬剤が、以下を含むがこれらに限定されない任意の多くの公知の昇圧剤から選 択されることである:ヒドララジン、プロプラノロール、心房性ナトリウム排出 促進(naturetic)ペプチド、および内皮アンタゴニスト。 従って、以下の群から選択される適切な処方物で、心膜間隙への送達のための ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または他の薬剤を提供することが本発明の目 的である:抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性 改善剤、補体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブ ロッカー、β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓 溶解剤、抗血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸 素代謝物質のインヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓 保護剤、鉄キレート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗 ウイルス剤、抗寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、および心筋症の進行 中に欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得る遺伝子もしくはタンパク 質(例えば、トリポニンCまたはβ-アドレナリン作用性レセプターを含む)、 およびそれらの生物学的に活性なフラグメントまたはそれらのキメラ。 本発明の別の目的は、治療剤を心膜間隙に以下によって送達することである: 注射、カテーテル法、レーザーで作製した灌流チャンネル、カニューレ挿入、パ ーティクルガン、またはポンプ。 本発明のさらなる目的は、治療剤の心筋組織へのアクセスを、このような工程 (例えば、心筋の薬剤浸透を増大させる工程、およびレーザーによって心筋層灌 流チャンネルを作製する工程を含む)によって増大させる。心筋の浸透を増大さ せる工程が、心筋層組織の血管新生を増大させるために心膜間隙に前脈管形成因 子を最初に投与する工程、および続いて、治療剤を心膜間隙に投与する工程、ま たはそれらの組織浸透を増大させるための薬剤を特別に処方する工程によって達 成されることが、本発明の目的である。 本発明の別の目的に従って、治療剤(例えば、bFGFのような脈管形成剤)をレ ーザーによる脈管再生手順に極めてアクセスした心膜間隙に投与することによっ て、レーザーによる心筋層の再血管新生の効力を増大させる方法が提供される。 別の実施態様は、治療的有効量の第1の治療剤を含む第1の薬学的組成物を提 供すること、および第1の薬学的組成物を患者の心膜間隙に投与することによる 、冠状状態の処置または予防の方法である。 別の実施態様は、第1の治療剤が、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、有機低 分子、ペプチド、またはペプトイドである実施態様を包含する。 別の実施態様は、第1の治療剤が線維芽細胞増殖因子ポリペプチド(FGF)、 またはインスリン様増殖因子-Iポリペプチド(IGF-I)である実施態様である。 別の実施態様は、冠状状態を処置するための薬学的組成物がまた、治療的有効 量の第2の治療剤を含む実施態様であり、そして第2の治療剤が、ポリペプチド 、ポリヌクレオチド、有機低分子、ペプチド、またはペプトイドである実施態様 である。従って、第2の治療剤は、線維芽細胞増殖因子ポリペプチド(FGF)、 またはインスリン様増殖因子-Iポリペプチド(IGF-I)であり得る。 別の実施態様は、治療的有効量の第2の治療剤を含む第2の薬学的組成物を提 供すること、そして第2の薬学的組成物を患者の心膜間隙に投与することによっ て冠状状態を処置する方法である。 別の実施態様は、心膜間隙への投与が、内部侵入または外部侵入である実施態 様である。別の実施態様は、内部侵入が左心房を介する侵入、右心室を介する侵 入、または左心室を介する侵入である実施態様である。別の実施態様は、外部侵 入が、開胸手順、最小侵襲手術(MIS)、または経皮的侵入である実施態様、お よび経皮的侵入が、注射針、カテーテル、カニューレ、またはトロカールを含む デバイスによって促進される実施態様である。 別の実施態様は、心膜間隙への投与が、注射、カテーテル法、レーザーで作製 した灌流チャンネル、カニューレ挿入、パーティクルガン、またはポンプによる 実施態様である。 さらに、なお別の実施態様は、本発明の任意の薬学的組成物が、リポソーム、 シクロデキストリンリポソーム、異種小胞性リポソーム、合成の膜小胞、ゲル、 ポリマー、賦形剤、マトリックス、荷電粒子、または緩衝液であり得る実施態様 である。 よりさらには、本発明の任意の治療剤は以下であり得る:抗アポトーシス剤、 血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補体ブロッカー、再灌 流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、β-ブロッカー、後 負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗血小板剤、抗増殖剤 、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝物質のインヒビター、抗 脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレート化剤、抗昇 圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、フリ ーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に欠損し得るかも しくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、またはそれらの生物学的に活性 な誘導体。 さらに、本発明のなお別の実施態様は、本発明の任意の治療剤が、以下であり 得る実施態様である:ポリペプチド組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA )、インターロイキン1β転換酵素のインヒビター、ウロキナーゼプラスミノー ゲンアクチベーター(uPA)、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミ ンインヒビターのインヒビター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター −1(PAI-1)のインヒビター、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維 芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、ト ランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)、トランスフォーミング増殖因子β( TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増 殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織 因子経路インヒビター(TFPI)、ヘパリン、ヒルジン、プロテインC、プロテイ ンS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク 質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血 小板因子4、トロンボスポンジン、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、 プロラクチン、bFGF可溶性レセプター、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞 増殖因子、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、トロポニンC、β-アドレナ リン作用性レセプター、インスリン様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパ ク質(NAP)、それらの生物学的に活性なフラグメント、またはそれらのキメラ 。 本発明の別の実施態様は、梗塞帯または虚血帯を同定すること、梗塞帯または 虚血帯の領域中の心膜間隙にアクセスすること、そして治療剤を含む薬学的組成 物を梗塞帯または虚血帯の領域に送達させることによって心筋組織を処置する方 法である。 本発明の別の実施態様は、心膜/心外膜の癒着を溶解し得る薬剤を投与するこ と、および心膜間隙を拡大することによる心膜間隙への治療剤の投与において、 より完全に心臓へアクセスする方法である。本発明の別の実施態様は、心膜/心 外膜の癒着を溶解し得る薬剤が、任意のフィブリン溶解剤、組織プラスミノーゲ ンアクチベーター(tPA)、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、コラゲナーゼ 、またはマトリックスメタロプロテアーゼである実施態様であり、そして心膜間 隙を拡大することが一時的であり、そして液体または気体の投与によって達成さ れる実施態様である。 別の実施態様は、冠状の適用性を処置するための、以下を含むポリペプチド治 療剤の使用である:抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤 、収縮性改善剤、補体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャ ンネルブロッカー、β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤 、抗血栓剤、抗血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応 性酸素代謝物質のインヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、 心臓保護剤、鉄キレート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤 、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、およ び心筋症の進行中に欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク 質、およびそれらの生物学的に活性な誘導体。 別の実施態様は、冠状状態を処置するための、以下を含むポリペプチド治療剤 の使用である:インターロイキン1β転換酵素のインヒビター、組織プラスミノ ーゲンアクチベーター(tPA)、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター (uPA)、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのイ ンヒビター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のイン ヒビター、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF )、脈管内皮細胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増 殖因子α(TGF-α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因 子-α(TNF-α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞 増殖因子、プロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター (TFPI)、ヘパリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンII I、ダニ抗凝固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニ スト、抗体、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボス ポンジン、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶 性レセプター、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキ シドジスムターゼ(SOD)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、 インスリン様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生 物学的に活性なフラグメント、およびそれらのキメラ。 さらなる目的に従って、投与されるポリヌクレオチドは、L-芳香族アミノ酸デ カルボキシラーゼをコードする。別の目的にしたがって、L-ドーパ、チロシン、 チロシンヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド、またはチロシンヒド ロキシラーゼポリペプチドを含む第2の治療剤が投与され得る。 本発明の別の実施態様は、標的するための領域を同定すること、および標的領 域中の心膜間隙に治療剤を含む粘性の薬学的組成物を投与することによって、心 筋層の特定の領域を標的する方法である。本発明のさらなる目的、特色、および 利点は、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかし、本発明の好ましい実施態 様を示す一方で、詳細な説明は、例示の方法によってのみ与えられる。なぜなら 、本発明の精神および範囲内の種々の変更および改変が、この詳細な説明から当 業者に明らかとなるからである。本発明はまた、本発明のエレメントの作用のい かなる理論にも制限されない。詳細な説明 本発明は、既に刊行された研究および継続中の特許出願を利用して本明細書中 に記載される。例えば、このような研究は、科学的な論文、特許、または継続中 の特許出願からなる。全ての刊行された研究(本明細書中で援用される特許およ び特許出願を含む)が、本明細書中で参考として援用される。定義 用語「冠状状態」は、アテローム性硬化症、虚血症候群、心筋障害、antiythm ias、dyserhythmias、高血圧、および感染に関連する心臓に影響を与える心臓血 管の疾患または症状の、診断または予防的診断をいう。診断は、痛み、疲労性、 虚弱、動悸、および心臓の疾患に起因し得るかまたはそれに付随する全身性の症 状に基づいて行われ得る。心臓血管適応症の決定は、物理的な試験および他の非 侵襲性診断手順(放射性核種画像解析、陽子射出断層撮影法、磁気共鳴像、超音 波心臓検査法を含む)を含み得る。そしてまた、心臓の症状の診断において使用 される、静脈および動脈のカニューレ法、ならびに肺および心臓のカテーテル法 を含み得る。用語「心臓血管適応症」は、心臓に影響を与える症状をいい、そし て一般に心臓の症状を意味する。 本明細書中で使用される用語「処置」は、被験体において症状を軽減するかま たは緩和すること、悪化または進行から症状を予防すること、原因因子を阻害ま たは排除すること、あるいはそれらから解放されている被験体において感染また は障害を予防することをいう。従って、例えば、患者における心臓血管適応症の 処置は、狭心症、異常な心拍(irregular heart beat)、または心臓血管の障害 の他の症状のような、心臓の不全または機能不全(disfunction)の軽減であり 得る。 用語「予防」は、心臓血管適応症を発症することが予想される患者における予 防的投与をいう。予防的投与は、例えば外科手術の前に行われ得るか、または軽 度の心臓発作を罹患しているヒトの場合に適切であり得、そしてより重篤な心臓 発作はいくつかの待期的または予防的処置を伴わないようであることが懸念され る。予防的処置は、傷害が心筋および周辺組織に生じることを予防することを目 的とし、そしてそのような投与が最も適切であるヒトは、他の原因因子または症 状に基づくそのような傷害についての候補であるようなヒトである。 本明細書中で使用する用語「心膜間隙への投与」または「心膜内投与」は、心 膜間隙への治療剤の送達を達成する任意の投与方法をいう。心膜間隙は、心膜間 隙を含む全ての領域であり得るか、またはその一部であり得る。用語「心膜間隙 への投与」は、用語「心膜内送達」および「心膜送達」と同義であり、そして心 膜間隙とそれを取り囲んで形成している組織との間の界面を形成する、心膜間隙 のサブ領域への送達を含み得る。心膜間隙への投与は、例えば、注射、レーザー 、カテーテル、ポンプを含む投与手段によって達成され得る。本発明のポリヌク レオチドおよび薬物の心膜内送達は、例えば、米国特許第5,137,510号、同第5,2 69,326号、および同第5,213,570号(本明細書中で参考として援用される)に開 示される、このような送達方法によって達成され得る。心膜間隙への投与は、内 部的または外部的手段により得る。 心膜間隙への「内部侵入」は、例えば、左心房、または右心室もしくは左心室 のような、心臓の心室または心房を介する投与をいう。 心膜間隙への「外部侵入」は、胸部の前面の皮膚を介する投与および胸腔を介 する心膜間隙への投与をいう。この外部の投与は、最少侵襲手術(minimally in vasive surgery)(MIS)、開胸手順、または経皮的侵入によって容易にされ得る 。経皮的侵入は、例えば注射針、カテーテル、カニューレ、またはトロカールの ようなデバイスを用いて達成され得る。 本明細書中で使用する用語「治療的有効量」は、検出可能な治療効果または予 防効果を示すために十分な、心臓血管適応症を処置または予防するための治療剤 の量をいう。効果は、例えば、本明細書中に列挙される心臓血管適応症の処置ま たは予防を含む。被験体に対する正確な有効量は、被験体の大きさ、および健康 、心臓血管適応症の性質および程度、ならびに投与のために選択される治療剤ま たは治療剤の組み合わせに依存する。従って、予め正確な有効量を特定すること は有用ではない。しかし、所定の状況についての有効量は、日常的な実験によっ て決定され得る。 本明細書中で使用する用語「治療剤」は、予防剤を含み、そして任意の薬物、 遺伝子、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよびペプトイド、または他の低 分子、ならびに、一般に、心臓血管適応症を処置または予防するのに有用であり 得る任意の分子薬剤をいう。治療剤は、患者の診断および治療の特定の目的に基 づいて選択される。心臓血管適応症の処置のための治療剤は非常に多く、および 周知であり、そして本明細書中に列挙される治療剤を含むが、これらに限定され ない。本発明の任意の治療剤は、薬学的に受容可能なキャリアとともに投与され 得る。 用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、抗体またはポリペプチド、本明細書 中に列挙される薬物、遺伝子、および本明細書中に列挙される他の治療剤のよう な治療剤のインビボでの投与のためのキャリア、ならびに組成物を受ける個体に 対して有害な抗体の産生をそれ自身が誘導しない任意の薬学的キャリアをいい、 そしてこれは過度の毒性を伴わずに投与され得る。適切なキャリアは、大きな、 ゆっくり代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコ ール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸のコポリマー、および不活性なウイルス 粒子)であり得る。このようなキャリアは当業者に周知である。薬学的に受容可 能な塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩のような無機酸塩; および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩のような有機酸の塩) がその中で使用され得る。薬学的に受容可能な賦形剤の詳細な考察は、REMINGTO N'S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.1991)において入手可能 である。治療組成物中の薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、グリ セロール、およびエタノールのような液体を含み得る。さらに、補助物質(例え ば、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝化物質など)が、このようなビヒクル中に存在し得 る。代表的には治療組成物は、溶液または懸濁物のいずれかで注射可能な物質と して調製される;注射の前の液体のビヒクル中の溶液または懸濁液に対して適切 な固体形態でもまた調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリア の定義に含まれる。 用語「リポソーム」は、例えば、米国特許第5,422,120号、WO 95/13796号、WO 94/23697号、WO 91/14445号、およびEP 524,968 B1号に記載されているリポソ ーム組成物をいう。リポソームは、薬物もしくはポリヌクレオチド、またはその 2つの組み合わせのための薬学的なキャリアであり得る。 本明細書中で使用される場合、用語「薬物」は、多くの治療用分子をいい、心 臓血管適応症を処置または予防するために使用される、それらの多くが本明細書 中で開示されている。薬物は例えば、有機低分子、ペプチド、ペプトイド、ポリ ヌクレオチド、またはポリペプチドであり得る。本明細書中で有用な薬物として 以下が挙げられる:抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤 、収縮性改善剤(contractility improving agent)、補体ブロッカー(complem ent blocker)、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー 、β-ブロッカー、後負荷低減剤(afterload reducer)、前負荷低減剤(preloa d reducer)、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗血小板剤(anti-platelet agent) 、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝物質のインヒ ビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤(cardioprot ective agent)、鉄キレート化薬剤(iron-chelating agent)、抗昇圧剤、抗イ ンテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤(anti-parasitic agent)、フリーラジカルスカベンジャー、および心筋症の進行中に欠損され得 るかもしくはダウンレギュレートされるタンパク質、ならびにそれらの生物学的 に活性なフラグメントおよびそれらのキメラ。 用語「マトリックス」は、天然または合成のポリマーを含む組成物をいい、ゲ ル(生分解性ゲルを含む)、コラーゲン、ゼラチン、およびフィブリノーゲンを 含む。 本明細書中で使用する用語「ポリヌクレオチド」は、特異的なアミノ酸配列ま たはその相補鎖をコードする、核酸分子またはコード配列をいう。ポリヌクレオ チド、核酸分子、またはコード配列は、DNAまたはRNAのいずれかであり得る。DN A分子はゲノムDNAまたはcDNAであり得る。核酸分子は、天然に存在するかまたは 合成的に作製され得る。核酸分子は調節配列の制御下に存在し得る。 「調節配列」は、遺伝子配列が、その制御配列の制御に供するような位置に配 置される場合に、遺伝子配列の発現(その転写または翻訳を含む)に影響を与え 得るかあるいは影響し得る1つより多いエレメントをコードする核酸配列をいう 。そのような調節配列は、例えば以下であり得る:最少プロモーター配列、完全 な プロモーター配列、エンハンサー配列、上流の活性化配列(「UAS」)、オペレ ーター配列、下流の終結配列、ポリアデニル化配列、翻訳の開始を最適化する最 適5'リーダー配列、およびShine-Dalgarno配列。あるいは、調節配列は、エンハ ンサー/プロモーターエレメントの組み合わせを含み得る。発現のために適切な 調節配列は、発現のために使用される宿主系に依存して異なる。本明細書中での 使用に適切な調節配列の選択は、当業者の能力の範囲である。例えば、原核生物 におけるそのような調節配列は、1つより多いプロモーター配列、リボソーム結 合部位、および転写終結配列を含み得る。例えば、真核生物におけるそのような 配列は、1つより多いプロモーター配列および/または転写終結配列を含み得る 。本明細書中での使用に適切な調節配列は、原核生物起源、真核生物起源、ウイ ルス、ウイルスベクター、バクテリオファージ、または直鎖状もしくは環状プラ スミドを含む任意の起源由来であり得る。あるいは、本明細書中の調節配列は、 例えば、GADP/ADH2ハイブリッドプロモーターのような、1つの遺伝子のUASと他 の遺伝子の必須プロモーターの残りとを組み合わせることによって作製される配 列のような合成配列であり得る。 本明細書中で使用する用語「組み合わせ物」は、本発明に従う心膜間隙への投 与のための、同一のまたは別の薬学的組成物中の少なくとの1つのポリヌクレオ チドと少なくとも1つの薬物との組み合わせ物または混合物をいう。組み合わせ 物は、心臓血管適応症の処置を達成するために一緒に投与された場合に、薬物お よびポリヌクレオチドの両方に応答する心臓血管適応症のために必要である。組 み合わせ物の投与は、同時、または各治療剤の反応性に関して時間的に非常に近 接して連続的であり得る。従って、心膜間隙への投与の一週間以内に、心膜組織 の細胞にポリヌクレオチドが形質転換される場合、組み合わせの他方の薬物の心 膜間隙への投与は、例えば、最初のポリヌクレオチドの投与後1週間までに起こ り得、そしてやはり、組み合わせ物として投与されたと考えられる。 用語「生物学的に活性なフラグメント」は、1つより多い全長タンパク質の活 性を保持する、タンパク質またはポリペプチドのフラグメントをいう。本発明の 治療剤および予防薬、ならびに本発明に従う遺伝子治療によって産生される遺伝 子産物の状況におけるタンパク質またはポリペプチドに関して、このようなタン パク質またはポリペプチドが、生物学的に活性なそれらのフラグメント、短縮体 、変異体、対立形質、アナログおよびそれらの誘導体を含むことが意図される。 他に詳細に言及しない限りは、このような短縮体、変異体、対立形質、アナログ 、および誘導体は、天然の成熟タンパク質の1つより多い生物活性を有する。こ の用語は、遺伝子産物の特定の長さに限定されない。従って、天然のタンパク質 フラグメントまたは天然の成熟タンパク質に対して同一であるか、または少なく とも60%、好ましくは70%、より好ましくは80%、そして最も好ましくは90%の 相同性を含むポリペプチドは、ヒト起源由来または非ヒト起源由来に関わらず、 用語ポリペプチドの範囲に含まれる。用語ポリペプチドはまた、ポリペプチドの 発現後改変(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)を排除しない 。 「対立形質」および「変異体」は、1つより多いアミノ酸の置換、欠失、また は挿入によって天然の特定されたタンパク質とは異なるポリペプチドをいう。ア ミノ酸置換は保存的アミノ酸置換であり得るか、あるいはグリコシル化部位、リ ン酸化部位、アセチル化部位を変更するように非必須アミノ酸残基を排除する、 または機能に不可欠ではないシステイン残基部位を変更することにより折り畳み パターンを変更するような置換などであり得る。保存的アミノ酸置換は、一般的 な電荷、疎水性/親水性、および/または置換されたアミノ酸の立体的な大きさ を保存する置換であり、例えば、以下の群のメンバーの間での置換は保存的置換 である:Gly/Ala、Val/Ile/Leu、Asp/Glu、Lys/Arg、Asn/Gln、Ser/Cys/Met、お よびPhe/Trp/Tyr。 「アナログ」は、1つより多いペプチド模倣物を有するペプチドを含み、また 、目的の活性を有するペプトイドとして公知である。例えば、1つより多いアミ ノ酸(例えば、非天然のアミノ酸など)のアナログ、置換された結合を有するポ リペプチド、ならびに天然に存在するおよび天然に存在しない両方の当該分野で 公知の他の改変を含むポリペプチドが定義に含まれる。生物活性を有する、ポリ ペプチドまたは他の分子のアナログは、元の因子(actor)のアゴニストである と考えられ、従って、模倣された親分子と同じまたは類似の生物活性を生じ得る 。 ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに関して本明細書中で使用する用語「キ メラ」は、コード領域の融合分子、またはそれらの発現産物もしくは部分をそれ ぞれ示す。ここで、コード領域または発現産物は通常隣接している。 本明細書中で使用する「核酸分子」または「ポリヌクレオチド」は、特定のア ミノ酸配列またはその相補鎖をコードするRNAまたはDNA分子のいずれかをいう。 核酸分子はまた、非コード配列(例えば、リボザイム、アンチセンスオリゴヌク レオチド、または遺伝子の非翻訳部分)であり得る。本明細書中で使用する「コ ード配列」は、特定のアミノ酸配列またはその相補鎖をコードするRNAまたはDNA 分子のいずれかをいう。ポリヌクレオチドとして、例えば、アンチセンスオリゴ ヌクレオチドまたはリボザイムが挙げられ得、そしてまた、遺伝子の3'もしくは 5'非翻訳領域、遺伝子のイントロン、または遺伝子のコード領域を構成しない遺 伝子の他の領域のような種目が挙げられ得る。DNAまたはRNAは、一本鎖または二 本鎖であり得る。合成核酸または合成ポリヌクレオチドは、化学的に合成された 核酸配列であり得、そして分子を分解に対して耐性にする化学的部分を用いて改 変され得る。合成核酸は、例えば、リボザイムまたはアンチセンス分子であり得 る。合成核酸分子に対する改変体として、化学的部分を含む核酸モノマーまたは それらの誘導体もしくは改変体が挙げられる。例えば、ホスホチオエートは、改 変のために使用され得る。ポリヌクレオチド誘導体は、例えば、分岐したDNA(b DNA)のようなポリヌクレオチドを含み得る。ポリヌクレオチドは、合成ポリヌ クレオチドまたは組換えポリヌクレオチドであり得、そして例えば、ポリメラー ゼ連鎖反応(PCR)増幅または相補DNAもしくはRNAの組換え発現によって、ある いは化学合成によって作製され得る。 「冠状動脈閉塞」は、アテローム性硬化症、血栓症、および再狭窄において起 こるような冠状動脈の閉塞または再閉塞をいう。 「組み合わせ治療剤」は、一緒に投与される場合にそれらの別々の効果を生じ るいくつかの成分を有する治療組成物である。組み合わされた組み合わせ治療剤 の別々の効果は、さらに大きな治療効果(例えば、心臓血管適応症をともなう改 善された予後)を生じる。組み合わせ治療剤の投与によって生じる別々の効果の 例は、前脈管形成効果および抗アポトーシス性効果のような効果の組み合わせで ある。組み合わせ治療剤は、同一の投与において同一の治療組成物中で送達され る1つより多い治療剤である。 本発明者らは、遺伝子治療を用いる心膜送達が心臓血管適応症の処置に適用さ れ得ることを発見した。なぜなら、心臓における治療用遺伝子産物の構成的なま たは誘導性の発現が、治療剤の繰り返し投与のための必要性を回避するか、また は高い能力、延長された放出、長期間の作用、極めて安定な薬物処方物の必要性 のストリンジェンシーを低減するからである。さらに、治療用遺伝子産物の誘導 性の発現は、比較的容易に調節され得るという利点を有する。心筋層の細胞は非 増殖性状態および最終的な分化された状態であるので、心筋層の体性遺伝子治療 は、非増殖性細胞へ誘導し得るベクターおよび送達システムを用いる、インビボ の遺伝子移入技術を使用すべきである。心臓への遺伝子の送達が、心筋層へのウ イルス性および非ウイルス性ベクターの両方にコードされる遺伝子の直接の注射 によってこれまでに達成されてきた。直接的な心筋層注射に伴ういくつかの困難 として、心筋の外傷のロジスティックな問題、およびそれに伴う影響(例えば、 心筋の壊死、線維症、炎症、不整脈、および巨大な心筋層の表面領域への遺伝子 の送達に伴う出血の問題、ならびに持続的投与または繰り返し投与のためのこの 技術の実施の制限)が挙げられる。 Barrら、Gene Therapy(1994)1:51-58は、冠状動脈の循環への複製欠損アデ ノウイルスのカテーテル媒介性注入を介する遺伝子送達を記載する。外因性遺伝 子の高レベルの発現は、注射される冠状動脈の分布内の心室および動脈壁の層の いたるところで得られた。しかし、多くの細胞型および非心臓組織の感染、なら びにアデノウイルスDNAの脳および精巣中での結合が安全への懸念を高める。 本発明者らは、本明細書中で、心膜間隙への、ポリヌクレオチドおよび薬物を 含む治療剤の送達が、局所的な動脈内の薬物送達よりも、動脈構造へ、より高い 、より延長された、そしてより効果的な薬物送達を生じることを発見した。心膜 での薬剤の蓄積は、冠状動脈へ、延長された、高濃度の、高い能力の薬剤送達を 達成する方法である。 冠内送達と比較して、より延長され、そしてより高濃度の薬物の送達が心膜送 達から可能である。なぜなら、治療剤について心膜の貯蔵能力が冠状の脈管の能 力よりも有意に大きく、そして心膜内に蓄積する薬剤は、冠状動脈血管系に直接 蓄積される薬剤としては、血流に直接提供されない。心膜内に送達される薬剤は 冠状の脈管の外膜を通過し、冠状の脈管の内腔へ拡散され、それゆえ、冠状動脈 循環されるので、心膜内の蓄積は、心筋層、心内層、または他の設計された心臓 の標的へ、全身的な曝露およびそれによる毒性を最小化しながら、延長された、 高濃度の、高い能力の治療用薬剤の送達を達成する有効な方法である。 本発明の方法は、全身性の毒性の低減を達成する。全身性の毒性は、しばしば 心臓血管適応症を処置する他の方法を用いて経験される。なぜなら、心膜の嚢( sack)は天然の閉鎖された空間であるために、薬剤の全身性の毒性が、本発明の 方法によってこの閉鎖された空間に局所的に含まれ得、そして冠状の血管系およ び心筋層の血管系への薬剤のアクセスによって非常に影響を受け、および調節さ れ得る全身性の毒性が制御される。 本発明は、組織に深く浸透する薬剤の能力または冠状の脈管の外膜に浸透する 薬剤の能力、冠状の脈管の内腔へアクセスする薬剤の能力、およびそれゆえ冠状 の循環へ入る薬剤の能力を改善する薬剤の処方によって、心筋層または心内層ヘ の心膜内で送達される薬剤のアクセスを容易にする。また、本発明に従って、心 膜間隙と心筋層または心内層との間の、天然の溝または人工的な溝のいずれかを 作製することにより、心臓のこれらの領域への心膜内薬剤のアクセスが改善され る。心膜間隙と心筋層との間の「天然の」溝を作製する方法の一例は、心筋層の 全体的なまたは特異的な領域の血管新生を増強するための、心膜間隙に送達され る前脈管形成因子の使用であり、従って、これらの領域への心膜内の薬剤のアク セス能を増大させる。心膜間隙と心筋層または心内層との間に「人工的な」溝を 作製する方法の例は、心筋層のより深い領域への心膜中の薬剤のアクセス能を増 大させるための、これらの構造間での直接的な溝の作製のために、心筋の血管再 生において現在使用されているレーザーの使用である。 本発明者らはまた、心膜内空間への遺伝子の送達が、心筋の遺伝子治療を達成 する、より安全であり、そしてより有効な方法であることを発見した。本発明の 方法に従って、心膜間隙への遺伝子の送達は、直接の心筋注射よりも心筋の機械 的な侵害を必要としない。第2に、心膜内で送達される薬剤は心筋層表面全体に アクセスするために、遺伝子が心筋層の大きな領域に送達され得る容易さおよび 有効性が増大される。これらの薬剤がまた、順に心臓の循環にアクセスする場合 、 これらの薬剤を有する心臓全体の灌流が起こる。第3に、本発明者らは、心膜が 心筋層よりも容易に形質導入され得、従って、心膜間隙における遺伝子産物の発 現が心筋層へのアクセスを維持することを見出した。従って、本発明の投与方法 は、限定された成功を伴う心筋層での遺伝子産物の発現を試みるこれまでの方法 よりも好ましい。 本発明者らはまた、本発明の方法によって、形質導入効率または感染効率の重 要な決定因子である核酸および/またはウイルスの細胞への曝露時間が増大する ことを見出した。心膜間隙に蓄積される遺伝子薬剤は、血流またはリンパ液のク リアランスによる迅速な希釈、排液、または消失には供されず、従って、血管送 達薬剤よりもさらに長い曝露時間を有する。これにより、遺伝子の形質導入効率 または感染効率がまた増大する。本発明の方法によって達成されるこのような利 点は、遺伝子および/またはウイルスを用いて、心筋層または心膜のいずれかに おいて冠状の脈管において達成され得るよりもさらに高い形質導入効率または感 染効率と言い換えられる。最後に、心膜が特定のタンパク質の発現において非常 に効率的であり、そしていくつかの場合において、この課題において心筋層より もなおさらに効率的であるので、本発明の方法は、心臓血管適応症の処置に対す る遺伝子治療のための、新規のおよび改善された遺伝子の送達方法である。 本発明の実施として、例えば、心膜間隙に心臓血管治療剤(異種小胞性のリポ ソームを含むリポソーム組成物中の遺伝子または薬物のいずれにしても)を送達 することがまた挙げられる。リポソーム中での送達は、心臓血管治療剤の効力を 増大させ、および投与用量の要件を減少させ、そして、一般に、心膜間隙へ送達 される任意の心臓血管治療剤の利点を増大する。適切なリポソーム形式として、 例えば、米国特許第5,422,120号、W0 95/13796号、W0 94/23697号、W0 91/14445 号、およびEP 524,968 B1に記載されるリポソーム組成物が挙げられる。リポソ ームは、本発明の低分子、ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドに対する、ま たはこれらの治療剤の組み合わせに対する薬学的キャリアであり得る。リポソー ムは、薬学的に受容可能なキャリアの定義に含まれる。ポリペプチド治療剤もま た、患者における発現のために送達される遺伝子とともに、例えば、遺伝子送達 の前、同時、または後で送達され得る。そしてポリペプチド治療剤は、遺伝子送 達の前、同時、または後にまた送達される任意の強心剤とともに送達され得る。 任意の治療剤(タンパク質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または他の薬 物を含む)の心膜間隙への送達は、右側の循環(心房または心室を介する侵入を 伴う右心臓カテーテル法)、左側の循環(心房または心室を介する侵入を伴うバ ルーン血管形成術の間に生じ得る、左心臓カテーテル法)のアクセス手段を介す る内部侵入によって達成され得る。あるいは、心膜間隙へのアクセスは、外部的 なアプローチによって行われ得る。これは、開胸手順、「最少侵襲手術(minima lly invasive surgery)」(MIS)手順、または注射針、カテーテル、カニューレ 、トロカール、もしくは他の経皮的なアクセスデバイスを用いる経皮的なアプロ ーチが挙げられる。このような投与に好ましい薬剤として、任意のポリペプチド 、ポリヌクレオチド、または例えば、線維芽細胞増殖因子(哺乳動物bFGF、aFGF 、FGF-5)およびIGF-1を含むが、これらに限定されない他の薬剤、ならびに任意 の前脈管形成もしくは心臓栄養(cardiotrophic)因子が挙げられる。 心膜間隙への内部侵入に関して、心室を介する侵入は心房を介する侵入よりも 安全であることが証明され得る。なぜなら、心室は、心房よりも、より筋性の、 およびより厚い壁構造であるからである。心室内の心筋のさらに顕著な厚み、お よび心室の筋肉のより優れた収縮性(心房に対して)は、心房の壁を介する類似 の経路よりもさらに効率的に「放出」される、心室から心膜間隙への進入経路を 潜在的に可能にする。心室の壁のより顕著な厚み(心房の壁に対して)はまた、 心筋層を通る心膜間隙への血液の漏出の危険を減少させ、そして心膜血腫または 心膜のタンポナーデを引き起こす。 さらに、心膜が心臓を取りまく嚢であるために、心膜に蓄積した任意の十分な 液体組成物が、心膜間隙内の液体の容量に依存して、全ての心膜表面および被験 体の部位にアクセスしている。しかし本発明は、メカニズムのいかなる理論によ っても制限されない。いくつかの心臓の症状において、心膜と心臓の心外膜との 間の癒着が生じ得る。これらの癒着はいくつかのプロセスにより得、それらのい くつかは、炎症性、感染性、悪性、または虚血性である。このような癒着は、心 膜内に蓄積した液体組成物の、全ての心外膜表面ヘアクセスする能力を制限し得 る。広範な心外膜のアクセスが所望されるが、心膜の癒着によって制限されない 場合は、可能性のある溶液は、全ての心臓表面への心膜内の治療剤のアクセスを 増強させるための、心膜/心外膜癒着を溶解し得る薬剤を蓄積させる溶液(例え ば、TPA、ストレプトキナーゼもしくはウロキナーゼのようなフィブリン溶解性 の薬剤、またはコラゲナーゼもしくはマトリクスメタロプロテイナーゼ)である 。心膜/心外膜癒着を溶解するための治療剤は、粘性の薬学的組成物(例えば、 ゲルまたはマトリックス(例えば、生分解性ゲルをまた含む))中で、損傷が検 出される心膜間隙の領域を標的化する投与(例えば、外部投与)によって送達さ れ得る。投与のこの方法は、最大効力の領域で作用するために、治療剤を局在化 させ得る。従って、心筋層の特定の領域を標的化する方法は、標的とする領域を 同定すること、および治療剤を有する、粘性の、接着性の、またはそうでなけれ ば局在し得る薬学的組成物を標的領域内の心膜間隙に投与することによって達成 され得る。さらに、心膜層への通気または液体の注入のような機械的な手段は、 単独で、または心膜/心外膜癒着を溶解し得る薬剤と組み合わせて、心臓の全て の表面への心膜内で送達される薬剤のアクセスを増強させるために利用され得る 。 いくつかの心臓の症状において、心臓の全ての表面を、心膜内で送達される治 療剤に曝露することが所望されない場合がある。一例として、bFGFは心筋の脈管 再生を引き起こすことにより、心筋の虚血を改善し得るが、bFGFはまた、内皮細 胞分裂促進因子であることに加えて、平滑筋細胞分裂促進因子でもあり得る。本 発明は、メカニズムの理論に限定されないが、いくつかの証拠により、アテロー ム性の損傷された狭窄、またはそうでなければ病的な冠状動脈は、脈管の平滑細 胞の増殖を誘導し得る増殖因子によって悪化され得ること示唆する。 従って、特定の冠状状態の処置のために、心膜内で送達される治療剤(例えば 、bFGFポリペプチド)を標的化すること、詳細には、全ての心筋層表面にではな く脈管再生を必要としている心筋層の領域(すなわち、梗栓形成の危険性を有す る虚血性心筋)(すなわち、顕著であるが重度ではない狭窄性の冠血管によって 補われる心筋層の領域)に標的化することは、以下を含むがこれらに限定されな い多くの手段によって達成され得る:例えば、接着性のゲル、ポリマー、または 心膜内で送達され得る治療剤を浸透された他の物質。次いで、それらの送達は、 所望の心外膜表面に対してのみ標的化される。 従って、心筋組織を処置する方法は、最初に、例えば、いくつかの形態の画像 解析によって、硬塞領域または虚血領域を同定すること、例えば、外部侵入によ って硬塞領域または虚血領域における心膜間隙にアクセスすること、そして硬塞 領域または虚血領域に治療剤を有する薬学的組成物を送達することによって設計 され得る。治療剤は、薬学的組成物(例えば、ゲルまたはマトリックス)中に存 在し得る。一例として、心臓の画像解析手順(すなわち、タリウムスキャンまた はEKG)が、医学的な脈管再生を必要としている心筋層の領域を同定するために 使用され得る。患者は、心筋層の領域が従属的部位中にあるように配置され得る 。体温で重合化されるゲルは、化合物(すなわち、bFGF)とともに浸透されて、 心膜に送達され得、その結果、このゲルは脈管再生を必要とする心筋層の領域の 上に重なる心外膜表面において重合する。 心膜に送達される薬物はまた、疾患のプロセス(すなわち、心筋層細胞の損傷 )を受けるために心筋層の病的領域においてアップレギュレートされているかま たは過剰発現されている標的(すなわち、例えばインテグリンのような細胞表面 分子、あるいは細胞表面レセプター)に結合する標的化剤(すなわち、抗体また はリガンド)とその薬物を連結させることによって、心筋層の特定の領域(すな わち、虚血領域または硬塞領域)を標的化し得る。心筋層の病的な領域(すなわ ち、虚血領域)を生じる特定の条件(すなわち、低いpH)下でのみ活性になり得 る薬物もまた、心筋層の病的な領域に対して心膜内送達される治療剤の特異性を 増大させる手段であり得る。 心膜間隙の領域を標的化する心膜内送達、および従って心筋層の特定の病気の 領域を標的化する心膜内送達は、右心臓カテーテル法または左心臓カテーテル法 による心膜内で送達される治療剤によって達成され得る。治療剤はまた、胸腔を 介して心膜間隙への(例えば、例えば心筋層の硬塞または虚血を示す心筋層の領 域に近位の心膜間隙の領域に)心膜の外部アクセスを介して送達され得る。 冠状状態の処置の全ての場合において、治療剤は以下であり得る:抗アポトー シス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補体ブロッカ ー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、β-ブロッ カー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗血小板剤、 抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝物質のインヒビ ター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレート化 薬剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗寄生 虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に欠損 され得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、またはそれらの生 物学的に活性な誘導体。 心膜内送達の全ての場合において、治療剤は以下のようなポリペプチドであり 得る:組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換 酵素のインヒビター、ウロキナーゼプラスノーゲンアクチベーター(uPA)、ウ ロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター 、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内 皮細胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α( TGF-α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF -α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、 プロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、 ヘパリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ(t ick)抗凝固ペプチド(TAP)、抗スタシン(anti-stasin)、糖タンパク質IIb/I Iaアンタゴニスト、抗体、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4 、トロンボスポンジン、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチ ン、bFGF可溶性レセプター、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、 スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性 レセプター、インスリン様増殖因子I(IGF-I)、線虫の抗凝固タンパク質(NAP )、それらの生物学的に活性なフラグメント、またはそれらのキメラ。NAPおよ び他の血栓崩壊剤は、WO 96/12021号(全てが参考として援用される)に記載さ れている。 薬学的組成物は、1つより多い治療剤との組み合わせを有し得る。例えば、2 つのポリペプチド、または有機低分子およびポリペプチドが送達のために同じ薬 学的組成物中に配置され得る。従って、例えば、bFGFおよびIGF-1は同じ薬学的 組成物中で同時投与され得る。 さらに、心臓は、心膜/心外膜癒着を溶解し得る薬剤を単独で投与することに より、または心膜間隙をまた拡大することにより、心膜間隙への治療剤の投与に よってより完全にアクセスされ得る。薬剤は、例えば、フィブリン溶解剤、組織 プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ 、コラゲナーゼ、およびマトリックスメタロプロテアーゼであり得る。心膜間隙 の拡大は、液体または気体を間隙に配置し、次いで薬剤を投与することによって 達成され得る。この拡大は、心筋層への心外膜の結合を解離させる目的を伴って 、一時的であり得る。以下の発現システムは、プラスミド、ウイルスベクター、 またはリポソームにおけるポリヌクレオチドの心膜内送達のための、または心膜 内送達されるポリペプチドの産生のための、本発明の遺伝子治療の適用に有用な プロモーターおよびベクターを詳述する。 以下に記載される方法論は、当業者が本発明を実施し得るために十分な詳細を 含むが、詳細に例示されていない他の物質(例えば、プラスミド)は、以下に記 載される様な標準的な組換えDNA技術を用いて構築され、そして精製され得る: 例えば、HEW,NATIONAL INSTITUTE OF HEALTH(NIH)GUIDELINES FOR RECOMBINA NT DNA RESEARCHの米国政府機関において記載される現在の規制の下のSambrook ら(1989)、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版(Cold Spring Har bor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.)、およびAusubelら、CURRENT PROTOCOL S IN MOLECULAR BIOLOGY(1994)、(Greene Publishing Associates and John Wil ey & Sons,New York,N.Y.)。これらの参考文献は、以下の標準的な方法につい ての手順を含む:プラスミドを用いるクローニング手順、宿主細胞の形質転換、 細胞培養、プラスミドDNAの精製、DNAのフェノール抽出、DNAのエタノール沈殿 、アガロースゲル電気泳動、アガロースゲルからのDNAフラグメントの精製、な らびに制限エンドヌクレアーゼおよび他のDNA-改変酵素反応。細菌細胞における発現 本発明のポリヌクレオチドは、原核生物(例えば、細菌)において産生され得 る。さらに本発明のタンパク質およびポリペプチド薬物もまた、原核生物中で組 換え的に産生され得る。細菌における使用のための制御エレメントには、プロモ ーター(必要に応じて、オペレーター配列を含む)、およびリボソーム結合部位が 含まれる。有用なプロモーターには、糖代謝酵素(例えば、ガラクトース、ラク トース(lac)、およびマルトース)由来の配列が含まれる。さらなる例として、生 合成酵素(例えば、トリプトファン(trp)、βラクタマーゼ(bla)プロモーター系 、バクテリオファージλPL、およびT7)由来のプロモーター配列が挙げられる。 さらに、tacプロモーターのような合成プロモーターが使用され得る。βラクタ マーゼおよびラクトースプロモーター系は、Changら、Nature(1978)275:615、 およびGoeddelら、Nature(1979)281:544に記載され;アルカリホスファターゼ 、トリプトファン(trp)プロモーター系は、Goeddelら、Nucleic Acids Res.(19 80)8:4057およびEP 36,776に記載され、そしてtacプロモーターのようなハイブ リッドプロモーターは、米国特許第4,551,433号、およびde Boerら、Proc.Natl .Acad.Sci.USA(1983)80:21-25に記載される。しかし、真核生物タンパク質 の発現に有用な他の公知の細菌プロモーターもまた、適切である。当業者は、こ のようなプロモーターを、例えば、Siebenlistら、Cell(1980)20:269に記載され るように、任意の必要な制限部位を供給するためのリンカーまたはアダプターを 使用して、目的のコード配列に作動可能に連結し得る。細菌系で使用するための プロモーターはまた、一般に、標的ポリペプチドをコードするDNAに作動可能に 連結されているシャインダルガーノ(SD)配列を含む。天然の標的ポリペプチドシ グナル配列を認識せずそしてプロセシングしない原核生物宿主細胞については、 シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、ま たは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル 配列によって置換され得る。プラスミドpBR322由来の複製起点は、ほとんどのグ ラム陰性細菌に適切である。 前述の系は、特にEscherichia coliに適合する。しかし、細菌宿主での使用の ための多数の他の系には、とりわけ、Bacillus spp.、Streptococcus spp.、Str eptomyces spp.、P.aeruginosaのようなPseudomonas種、Salmonella typhimuri um、またはserratia marcescansのようなグラム陰性またはグラム陽性生物が含 まれる。外来DNAをこれらの宿主に導入するための方法には、代表的には、CaCl2 、 または2価カチオンおよびDMSOのような他の薬剤の使用が挙げられる。DNAはま た、Sambrookら(上記)に一般的に記載される、エレクトロポレーション、核注 入、またはプロトプラスト融合によって細菌細胞中に導入され得る。これらの例 は、例示であって、限定しない。好ましくは、宿主細胞は、最少量のタンパク質 分解酵素を分泌するべきである。あるいは、クローニングのインビトロ方法(例 えば、PCRまたは他の核酸ポリメラーゼ反応)が適切である。 本発明の標的ポリペプチド産生のために使用される原核生物細胞は、Sambrook ら(上記)に一般的に記載されるように、適切な培地中で培養される。酵母細胞における発現 ヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチド、および本発明のポリペプチドはま た、例えば、酵母細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む真核生物系でも産 生され得る。発現ベクターおよび形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは 組み込みベクターのいずれか)が、多くの酵母中への形質転換のために開発され ている。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の酵母について開発されてい る:Hinnenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:1929;Itoら、J.Bacter iol.(1983)153:163に記載されるSaccharomyces cerevisiae;Kurtzら、Mol.Cel l.Biol.(1986)6:142に記載されるCandida albicans;Kunzeら、J.Basic Micr obiol.(1985)25:141に記載されるCandida maltosa;Gleesonら、J.Gen.Micro biol.(1986)132:3459およびRoggenkampら、Mol.Gen.Genet.(1986)202:302に 記載されるHansenula polymorpha;Dasら、J.Bacteriol,(1984)158:1165に記 載されるKluyveromyces fragilis;De Louvencourtら、J.Bacteriol.(1983)15 4:737およびVan den Bergら、Bio/Technology(1990)8:135に記載されるKluyvero myces lactis;Kunzeら、J.Basic Microbiol.(1985)25:141に記載されるPichia guillerimondii;Creggら、Mol.Cell.Biol.(1985)5:3376および米国特許第4 ,837,148号および同第4,929,555号に記載されるPichia pastoris;BeachおよびN urse,Nature(1981)300:706に記載されるSchizosaccharomyces pombe;ならび にDavidowら、Curr.Genet.(1985)10:380およびGaillardinら、Curr.Genet.(1 985)10:49に記載されるYarrowia lipolytica、Ballanceら、Bio chem.Biophys.Res.Commun.(1983)112:284-289;Tilburnら、Gene(1983)26 :205-221およびYeltonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81:1470-1474に 記載されるA.nidulans、およびKellyおよびHynes,EMBO J.(1985)4:475479に 記載されるA.nigerのようなAspergillus宿主;EP 0 244 234に記載されるTrich oderma reesia、ならびにWO 91/00357に記載される、例えば、Neurospora,Peni clllium,Tolypocladiumのような糸状菌。 酵母ベクターのための制御配列は、公知であり、そしてEP 0 284044に記載さ れるアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)、EP 0 329 203に記載されるエノラーゼ 、グルコキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートイソメラーゼ、グリセルアルデ ヒド-3-ホスフェート-デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホ スホフルクトキナーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、およびピルベートキナ ーゼ(PyK)のような遺伝子由来のプロモーター領域を含む。酵母PHO5遺伝子(酸性 ホスファターゼをコードする)はまた、Myanoharaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA(1983)80:1に記載されるように、有用なプロモーター配列を提供する。酵母 宿主での使用に適切な他のプロモーター配列としては、Hitzemanら、J.Biol.C hem.(1980)255:2073に記載される3-ホスホグリセレートキナーゼ、またはHess ら、J.Adv.Enzyme Reg.(1968)7:149およびHollandら、Biochemistry(1978)17 :4900に記載される、他の解糖酵素(例えば、ピルベートデカルボキシラーゼ、ト リオースホスフェートイソメラーゼ、およびホスホグルコースイソメラーゼ)の プロモーターが挙げられる。増殖条件によって制御される転写のさらなる利点を 有する誘導性酵母プロモーターとしては、上記のリストおよび他(アルコールデ ヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連 する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒド ロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガラクトース利用を担う酵素のプロモー ター領域を含む)に由来するプロモーターが挙げられる。酵母発現での使用に適 切なベクターおよびプロモーターは、Hitzeman、EP 0 073 657にさらに記載され る。酵母エンハンサーはまた、酵母プロモーターとともに有利に使用される。さ らに、天然には存在しない合成プロモーターもまた、酵母プロモーターとして機 能する。例えば、1つの酵母プロモーターの上流活性化配列(UAS)は、別の酵 母プロモーターの転写活性化領域と連結され得、合成ハイブリッドプロモーター を作製し得る。このようなハイブリッドプロモーターの例として、米国特許第4, 876,197号および同第4,880,734号に記載される、GAP転写活性化領域に連結され たADH調節配列が挙げられる。ハイブリッドプロモーターの他の例としては、EP 0 164 556に記載される、GAPまたはPyKのような解糖酵素遺伝子の転写活性化領 域と合わせられた、ADH2、GAL4、GAL10、またはPHO5遺伝子のいずれかの調節配 列からなるプロモーターが挙げられる。さらに、酵母プロモーターは、酵母RNA ポリメラーゼに結合しそして転写を開始する能力を有する非酵母起源の天然に存 在するプロモーターを含み得る。 酵母発現ベクターに含まれ得る他の制御エレメントは、例えば、Hollandら、J .Biol.Chem.(1981)256:1385に記載される、GADPH由来およびエノラーゼ遺伝 子由来のターミネーター、および分泌のためのシグナル配列をコードするリーダ ー配列である。適切なシグナル配列をコードするDNAは、EP 0 012 873およびJP 62,096,086に記載される酵母インベルターゼ遺伝子、ならびに米国特許第4,588, 684号、同第4,546,083号、および同第4,870,008号、ならびにEP 0 324 274、お よびWO 89/02463に記載されるa因子遺伝子のような分泌酵母タンパク質の遺伝 子に由来し得る。あるいは、インターフェロンリーダーのような非酵母起源のリ ーダーはまた、EP 0 060057に記載されるように、酵母での分泌を提供する。 外来DNAを酵母宿主に導入する方法は、当該分野で周知であり、そして代表的 には、スフェロプラストの形質転換またはアルカリカチオンで処理したインタク トな酵母細胞の形質転換のいずれかを含む。酵母への形質転換は、Van Solingen ら、J.Bact.(1977)130:946およびHsiaoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(197 9)76:3829に記載される方法に従って行われ得る。しかし、細胞へDNAを導入す るための他の方法(例えば、核注入、エレクトロポレーション、またはプロトプ ラスト融合)もまた、一般に、Sambookら、前出に記載されるように使用され得る 。 酵母分泌のために、天然の標的ポリペプチドシグナル配列が、酵母インベルタ ーゼ、α因子、キラー毒素または酸性ホスファターゼリーダー由来のシグナル配 列のような酵母シグナル配列によって置換され得る。2μプラスミド起点由来の 複製起点は、酵母に適切である。酵母での使用に適切な選択遺伝子は、Kingsman ら、Gene(1979)7:141またはTschemperら、Gene(1980)10:157に記載される酵 母プラスミド中に存在するtrp1遺伝子である。trp1遺伝子は、トリプトファン中 での増殖能を欠く酵母の変異株のための選択マーカーを提供する。同様に、Leu2 -欠損酵母株(ATCC 20,622または38,626)が、Leu2遺伝子を保有する公知のプラス ミドによって相補される。 酵母における本発明のポリペプチドの細胞内産生のために、酵母タンパク質を コードする配列が、ポリペプチドのコード配列に連結され得、発現の際に酵母細 胞によって細胞内で切断され得る融合タンパク質を産生し得る。このような酵母 リーダー配列の例は、酵母ユビキチン遺伝子である。昆虫細胞における発現 バキュロウイルス発現ベクター(BEV)は、発現されるべき外来遺伝子のコード 配列がウイルス遺伝子(例えば、SmithおよびSummers、米国特許第4,745,051号に 記載されるポリヘドリン)の代わりに、バキュロウイルスプロモーターの後ろに 挿入されている、組換え昆虫ウイルスである。 本明細書中の発現構築物は、昆虫細胞系の感染または形質転換のための中間体 として有用なDNAベクター、バキュロウイルス転写プロモーターをコードするDNA を一般に含み、必要に応じて、しかし好ましくは、所望のタンパク質の分泌を指 向させ得る昆虫シグナルDNA配列が下流に続く、ベクター、および外来タンパク 質をコードする外来遺伝子の挿入のための部位を含み、シグナルDNA配列および 外来遺伝子はバキュロウイルスプロモーターの転写制御下に置かれており、本明 細書中の外来遺伝子はポリペプチドのコード配列である。 本明細書中での使用のためのプロモーターは、一般に昆虫(例えば、Lepidopte ra、Diptera、Orthoptera、Coleoptera、およびHymenoptera目)に感染する500を 超える任意のバキュロウイルスに由来する、バキュロウイルス転写プロモーター 領域であり得、例えば、Autographo calfornica MNPV、Bombyx mori NPV、rrich oplusia ni MNPV、Rachlplusia ou MNPV、またはGalleria mellonella MNPV、Ae des aegypti、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperda、およびTrich oplusia niのウイルスDNAが含まれるが、これらに限定されない。従って、バキ ュロウイルス転写プロモーターは、例えば、バキュロウイルス即時初期遺伝子IE IまたはIENプロモーター;39Kおよび、遅延初期遺伝子を含有するHindIIIフラグ メントからなる群より選択されるバキュロウイルス遅延初期遺伝子プロモーター 領域との組合せの即時初期遺伝子;またはバキュロウイルス後期遺伝子プロモー ターであり得る。即時初期プロモーターまたは遅延初期プロモーターは、転写エ ンハンサーエレメントで増強され得る。 本明細書中での使用に特に適切なものは、Friesenら、(1986)「バキュロウイ ルス遺伝子発現の調節」:THE MOLECULAR BIOLOGY OF BACULOVIRUSES(W.Doerfl er編);EP 0 127 839およびEP 0 155 476に記載される、バキュロウイルスの強 力なポリヘドリンプロモーター(これは、DNAインサートの高レベルの発現を指向 させる)、および、Vlakら、J.Gen.Virol.(1988)69:765-776に記載される、pl Oタンパク質をコードする遺伝子由来のプロモーターである。 本明細書中での使用のためのプラスミドはまた、通常、ポリヘドリンポリアデ ニル化シグナル(Millerら、Ann.Rev.Microbiol.(1988)42:177に記載される) 、ならびにE.coliでの選択および増殖のための原核生物アンピシリン耐性(amp) 遺伝子および複製起点を含む。適切なシグナル配列をコードするDNAがまた含ま れ得、そしてそれは一般に、分泌される昆虫またはバキュロウイルスタンパク質 の遺伝子(例えば、バキュロウイルスポリヘドリン遺伝子)(Carborellら、Gene( 1988)73:409に記載される)、ならびに以下をコードする遺伝子由来のシグナル 配列のような哺乳動物シグナル配列に由来する:ヒトaインターフェロン(Maeda ら、Nature(1985)315:592-594に記載される);ヒトガストリン放出ペプチド(L ebacq-Verheydenら、Mol.Cell.Biol.(1988)8:3129に記載される);ヒトIL-2( Smithら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:8404に記載される);マウスI L-3(Miyajimaら、Gene(1987)58:273に記載される);およびヒトグルコセレブロ シダーゼ(Martinら、DNA(1988)7:99に記載される)。 多数のバキュロウイルス株および変異体、ならびに宿主(例えば、Spodoptera frugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila me lanogaster(ショウジョウバエ)、およびBombyx mori宿主細胞)由来の対応する許 容性の昆虫宿主細胞が、同定され、そして本明細書中で使用され得る。例えばLu ckowら、Bio/Technology(1988)6:47-55、Millerら、GENETIC ENGINEERING(Setlo w,J.K.ら編)、第8巻(Plenum Publishing,1986)、277-279頁、およびMaedaら 、Nature,(1985)315:592-594の記載を参照のこと。種々のこのようなウイルス 株は、公共に入手可能である(例えば、Autographa californica NPVのL-1変異体 およびBombyx mori NPVのBm-5株)。このようなウイルスは、Spodoptera frugipe rda細胞のような宿主細胞のトランスフェクションのためのウイルスとして使用 され得る。 ポリヘドリンプロモーターに加えて、他のバキュロウイルス遺伝子は、バキュ ロウイルス発現系において有利に用いられ得る。これらには、それらが発現され る間のウイルス感染の期によって、即時初期(α)、遅延初期(β)、後期(γ)、ま たは超後期(very late)(δ)が含まれる。これらの遺伝子の発現は、おそらくは 転写調節の「カスケード」機構の結果として、連続的に起こる。従って、即時初 期遺伝子は、他のウイルス機能の非存在下で感染の直後に発現され、そして、生 じる遺伝子産物の1つ以上は、遅延初期遺伝子の転写を誘導する。次に、いくつ かの遅延初期遺伝子産物は、後期遺伝子の転写を誘導し、そして最終的には、超 後期遺伝子は、1つ以上のより初期のクラスからの既に発現されている遺伝子産 物の制御下で発現される。この調節カスケードの1つの比較的良く規定されてい る成分は、Autographo calfornica多核体病ウイルス(AcMNPV)の即時初期遺伝子 であるIEIである。IEIは、他のウイルス機能の非存在下で発現され、そして遅延 初期クラスのいくつかの遺伝子(39K遺伝子(GuarinoおよびSummers,J.Virol.( 1986)57:563-571およびJ.Virol.(1987)61:2091-2099に記載される)ならびに後 期遺伝子(GuannoおよびSummers、Virol.(1988)162:444-451に記載される)を含 む)の転写を刺激する産物をコードする。 上記の即時初期遺伝子は、遅延初期カテゴリーのバキュロウイルス遺伝子プロ モーター領域と組み合わせて使用され得る。即型初期遺伝子とは異なり、このよ うな遅延初期遺伝子は、即時初期遺伝子または遺伝子産物のような、他のウイル ス遺伝子または遺伝子産物の存在を必要とする。即時初期遺伝子の組合せは、39 KまたはバキュロウイルスゲノムのHindIIIフラグメント上に見出される遅延初期 遺伝子プロモーターの1つのような、任意のいくつかの遅延初期遺伝子プロモー ター領域と共に作製され得る。本発明の場合では、39Kプロモーター領域は、発 現されるべき外来遺伝子に連結され得、その結果、発現はIEIの存在によってさ らに制御され得る(L.A.GuarinoおよびSummers(1986a)、前出;GuarinoおよびS ummers(1986b)J.Virol,.(1986)60:215-223、およびGuarlnoら、(1986c),J .Virol.(1986)60:224-229に記載される)。 さらに、即時初期遺伝子と遅延初期遺伝子プロモーター領域との組合せを使用 する場合、異種遺伝子の発現の増強は、遅延初期遺伝子プロモーター領域との直 接的なシス連関でのエンハンサー配列の存在によって実現される。このようなエ ンハンサー配列は、即時初期遺伝子またはその産物が限定されている状況におけ る、遅延初期遺伝子発現のその増強によって特徴づけられる。例えば、Guarino およびSummers(1986a)、(1986b)、およびGuarinoら(1986)に記載されるように、 hr5エンハンサー配列は、シスで直接的に遅延初期遺伝子プロモーター領域(39K) に連結され得、それによって、クローン化された異種DNAの発現が増強され得る 。 ポリヘドリン遺伝子は、超後期遺伝子として分類されている。従って、ポリヘ ドリンプロモーターからの転写は、未知の、しかし恐らくは多数の他のウイルス および細胞遺伝子産物の先の発現を必要とする。ポリヘドリンプロモーターのこ の遅延発現のため、当該分野の状態のBEV、例えば、米国特許第4,745,051号で、 SimthおよびSummersにより記載される例示のBEVシステムは、ウイルスゲノムの 残りからの遺伝子発現の結果としてのみ、そしてウイルス感染が良好に進行した 後にのみ外来遺伝子を発現する。これは、現存のBEVの使用に対する制限を意味 する。新たに合成されたタンパク質をプロセッシングする宿主細胞の能力は、バ キュロウイルス感染が進行するにつれて減少する。従って、ポリヘドリンプロモ ーターからの遺伝子発現は、新たに合成されたタンパク質をプロセッシングする 宿主細胞の能力が特定のタンパク質(例えば、ヒト組織プラスミノーゲンアクチ ベーター)について潜在的に小さくなるときに起こる。結果として、BEVシステム における分泌糖タンパク質の発現は、クローン化された遺伝子産物の不完全な分 泌、それによってクローン化された遺伝子産物を細胞内に不完全なプロセッシン グ形態に捕獲することに起因して複雑である。 昆虫シグナル配列を用いて、切断されて成熟タンパク質を産生し得る外来タン パク質を発現し得ることが認識されているが、好ましくは、本発明は、遺伝子発 現に適切な哺乳動物シグナル配列を用いて実施する。 本明細書で適切な例示の昆虫シグナル配列は、鱗翅目脂肪動員ホルモン(AKH) ペプチドをコードする配列である。AKHファミリーは、昆虫のエネルギー基質の 動員および代謝を調節する短ブロックの神経ペプチドからなる。1つの実施態様 では、鱗翅目Manduca sexta AKHシグナルペプチドをコードするDNA配列を使用し 得る。直翅目Schistocerca gregariaの遺伝子座由来のシグナルペプチドのよう な他の昆虫AKHシグナルペプチドもまた有利に使用され得る。別の例示の昆虫シ グナル配列は、CP1、CP2、CP3またはCP4のようなショウジョウバエ小皮タンパク 質をコードする配列である。 現在、外来遺伝子をAcNPV中に導入するために本明細書で用いられ得る最も一 般的に用いられる移入ベクターは、pAc373である。当業者に公知の多くの他のベ クターもまた、本明細書で用いられ得る。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系の ための材料および方法は、Invitrogen(San Diego CA)のような会社からキット形 態(「MaxBac」キット)で市販されている。本明細書で利用される技術は、一般に 、当業者に公知であり、そしてSummersおよびSmithのAMANUAL OF METHODS FOR B ACULOVIRUS VECTORS AND INSECT CELL CULTURE PROCEDURES、Texas Agricultura l Experiment Station Bulletin No.1555、Texas A & M University(1987);Smi thら、Mol.Cell.Biol.(1983)3:2156、およびLuckowおよびSummers(1989)に十分 に記載されている。これらは、例えば、LuckowおよびSummers、Virology(1989)1 7:31に記載されるように、ポリヘドリン開始コドンをATGからATTに変え、そして このATTから32塩基対下流にBamHIクローニング部位を導入するpVL985の使用を含 む。 従って、例えば、本発明のポリペプチドの昆虫細胞発現には、所望のDNA配列 を、公知の技術を用いて移入ベクター中に挿入し得る。昆虫細胞宿主は、野生型 バキュロウイルスのゲノムDNAとともに、挿入された所望のDNAを含む移入ベクタ ーで、通常同時トランスフェクションにより同時形質転換され得る。ベクターと ウイルスゲノムは組換えられ、容易に同定および精製され得る組換えウイルスを 生じる。パッケージ化された組換えウイルスを用いて、昆虫宿主細胞を感染し、 所望のポリペプチドを発現し得る。 本明細書で利用可能である他の方法は、上記で引用したSummersおよびSmith(1 987)で呈示されている、昆虫細胞培養、プラスミドの同時トランスフェクション および調製の標準的な方法である。この参考文献はまた、AcMNPV移入ベクター中 への遺伝子のクローニング、プラスミドDNA単離、AcmMNPVゲノム中への遺伝子の 移入、ウイルスDNA精製、組換えタンパク質の放射能標識および昆虫培養培地の 調製の標準的な方法にも関係する。ウイルスおよび細胞の培養手順は、Volkman およびSummers、J.Virol.(1975)19:820-832ならびにVolkmanら、J.Virol.(1976) 19:820-832に記載されている。哺乳動物細胞中の発現 本発明のポリペプチドの哺乳動物細胞発現のための代表的なプロモーターには 、とりわけSV40初期プロモーター、CMVプロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプ ロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP)、および単純ヘルペ スウイルスプロモーターなどが含まれる。マウスメタロチオネイン遺伝子由来の プロモーターのような他の非ウイルスプロモーターもまた、哺乳動物構築物にお ける使用を見出す。哺乳動物発現は、プロモーターに依存して構成性または調節 性(誘導性)のいずれかであり得る。代表的には、翻訳停止コドンの3'側に位置す る転写停止およびポリアデニル化配列もまた存在し得る。好ましくは、ポリペプ チドコード配列の5'側に位置する翻訳開始の最適化のための配列もまた存在する 。転写停止/ポリアデニル化シグナルの例は、先に引用したSambrookら(1989)に 記載のような、SV40由来のシグナルを含む。スプライスドナーおよびアクセプタ ー部位を含むイントロンもまた、本発明の構築物中に設計され得る。 哺乳動物構築物の発現レベルを増加するために、エンハンサーエレメントもま た本明細書で用いられ得る。例としては、Dijkemaら、EMBO J.(1985)4:761に記 載されるようなSV40初期遺伝子エンハンサー、およびGormanら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA(1982b)79:6777に記載のようなラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR) 由来のエンハンサー/プロモーター、およびBoshartら、Cell(1985)41:521に記載 のようなヒトサイトメガロウイルスが挙げられる。哺乳動物細胞中で外来タンパ ク 質の分泌を提供するためのシグナルペプチドをコードする配列を含むリーダー配 列もまた存在し得る。好ましくは、リーダー配列がインビボまたはインビトロの いずれかで切断され得るように、リーダーフラグメントと目的の遺伝子との間に コードされるプロセッシング部位が存在する。アデノウイルス三部分リーダーは 、哺乳動物細胞中で外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列の例である。 一旦完成すれば、哺乳動物発現ベクターを用いて任意のいくつかの哺乳動物細 胞を形質転換し得る。異種ポリヌクレオチドの哺乳動物細胞中への導入方法は、 当該技術分野で公知であり、そしてデキストラン介在トランスフェクション、リ ン酸カルシウム沈殿、ポリブレン介在トランスフェクション、プロトプラスト融 合、エレクトロポレーション、ポリヌクレオチドのリポソーム中へのカプセル化 、およびDNAの核への直接マイクロインジェクションを含む。哺乳動物細胞宿主 系形質転換の一般的局面は、Axelにより米国特許第4,399,216号に記載されてい る。低分子ライブラリーの合成 本発明の治療剤は、適切な生物学的活性を有するか、または患者において所望 の生物学的活性を促進する、有機低分子、ペプチドおよびペプトイドを含有し得 る。いくつかの低分子ライブラリーの例示的な合成を以下に記載する。 低分子ライブラリーは以下のように作製される。ペプチドの「ライブラリー」 は、米国特許第5,010,175号(‘175特許)およびPCT WO 91/17823号に開示され る方法に従って合成され、そして使用され得る。‘175特許の方法では、適切な ペプチド合成支持体(例えば、樹脂)が、適切に保護された活性化されたアミノ 酸の混合物に結合される。 WO91/17823号に記載されている方法は同様である。しかし、合成樹脂を活性化 されたアミノ酸の混合物と反応させることの代わりに、樹脂は20の等しい部分に 分けられるか、またはその工程において添加される異なるアミノ酸の数に対応す る多くの部分に分けられ、そして各アミノ酸は別々にその樹脂の部分に結合され る。次いで、樹脂部分が組み合わされ、混合され、そして再度、第二のアミノ酸 との反応のために多くの等しい部分に分けられる。さらに、各工程で全ての樹脂 を組み合わせるよりはむしろ、同時に部分を処理することによって別個の「サブ プール(subpool)」を維持し得る。このことは、どのペプチドが応答性細胞中 での任意の観察される遺伝子発現の変化に応答し得るかを決定するプロセスを単 純にする。 WO91/17823号および米国特許第5,194,392号に記載の方法は、そのようなプー ルおよびサブプールを自動化された技術によって同時に調製することを、可能に する。その結果、全ての合成および再生が数日のうちに行われ得る。 さらに別の薬剤は、遺伝子発現の刺激因子(stimulator)もしくはインヒビタ ーとして、またはリガンドもしくはアンタゴニストとして作用し得る低分子(ペ プチドアナログおよび誘導体を含む)を含有する。ペプチド、アナログ、または 誘導体の産生のために企図されたいくつかの一般的な手段は、CHEMISTRY AND BI OCHEMISTRY OF AMINO ACIDS,PEPTIDES,AND PROTEINS--A SURVEY OF RECENT DE VELOPMENTS、Weinstein,B.編、Marcell Dekker,Inc.,publ.New York(1983 )に概説されている。さらに、通常のL-立体異性体に対するD-アミノ酸の置換が 行われて、分子の半減期を増大させ得る。 ペプトイド、少なくともいくつかの置換されたアミノ酸のモノマーユニットか らなるポリマーは、本明細書中で低分子刺激因子またはインヒビターとして作用 し得、そしてPCT 91/19735号に記載されるように合成され得る。アミノ酸置換は 、グリシンのN-アルキル化誘導体であり、これは容易に合成され、そしてポリペ プチド鎖に組み込まれる。しかし、多様な分子のプールの配列特異的合成を可能 にする任意のモノマーユニットが、ペプトイド分子を産生することにおける使用 に適切である。本発明の目的についてのこれらの分子の利点は、これらがペプチ ドとは異なる構造的空間を占有することであり、そしてそれ自体がプロテアーゼ の作用に対してより抵抗性であることである。 ペプトイドは、標準的な化学的方法によって容易に合成される。合成の方法は 、R.Zuckermannら、J.Am.Chem.Soc.(1992)114:10646-7に記載されている「 サブモノマー」技術である。N-置換グリシンモノマーユニットが骨格(backbone )を形成している複素環式有機化合物の固相技術による合成は、1995年6月7日 に出願された「N-置換オリゴマーの合成」と題される同時係属中の出願に記載さ れており、そして本明細書中で全てが参考として援用される。次いで、このよ うなヘテロ環式有機化合物の混合物のコンビナトリアルライブラリーが、遺伝子 発現を変化させる能力についてアッセイされ得る。 コンビナトリアルライブラリー中の他のヘテロ環式有機化合物の固相による合 成がまた、1995年6月7日に出願された「基質結合環式有機化合物のコンビナト リアルライブラリー」と題される同時係属中の米国出願番号第08/485,006号(全 てが本明細書中で参考として援用される)に記載されている。高度に置換された 環式構造が、強力な液相化学とサブモノマー法とを組み合わせることにより、固 体支持体上で合成され得る。1、2、3、またはそれ以上の縮合環を含む環式化 合物が、同じ出願に記載されるように、最初に直鎖状骨格を合成すること、続い て分子内または分子間環化させることによって、サブモノマー法により形成され る。リボザイムおよびアンチセンス 治療剤がリボザイム(例えば、患者において、生物学的活性または特定の活性 の阻害を達成するための標的ポリペプチドをコードする遺伝子を標的化するリボ ザイム)である場合、リボザイムは化学的に合成され得るか、またはリボザイム 配列をコードするDNAの調製を包含する、遺伝子治療プロトコルのためのベクタ ー中で調製され得る。合成リボザイムまたは遺伝子治療送達のためのベクターは 、送達のためにリポソーム中に覆われ得るか、または合成リボザイムは薬学的に 受容可能なキャリアとともに投与され得る。リボザイムは、ポリヌクレオチド基 質の切断を触媒する能力を有するポリヌクレオチドである。HIVの部分を不活化 するためのリボザイムが、以下に記載されるように調製され、そして使用され得 る:Longら、FASEB J.7:25(1993)およびSymons,Ann.Rev.Biochem.61:641(1 992)、Perrottaら、Biochem.31:16,17(1992);ならびに米国特許第5,225,337 号、米国特許第5,168,053号、米国特許第5,168,053号、および米国特許第5,116, 742号、Ojwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10802-10806(1992)、米国特 許第5,254,678号、ならびに米国特許第5,144,019号、米国特許第5,225,337号、 米国特許第5,116,742号、米国特許第5,168,053号。ハンマーの頭状の(hammerhe ad)構造でのこのようなリボザイムフラグメントの調製および使用が、Koizumi ら、Nucleic Acids Res.17:7059-7071(1989)に記載されている。ヘアピン 構造でのリボザイムフラグメントの調製および使用が、ChowriraおよびBurke、N ucleic Acids Res.20:2835(1992)に記載されている。 リボザイムまたはアンチセンスポリヌクレオチドのハイブリダイズ領域は、直 鎖状配置において置換アームを連結することによって改変され得るか、あるいは HornおよびUrdea、Nucleic Acids Res.17:6959-67(1989)に記載されるように 、分岐構造として調製され得る。リボザイムまたはアンチセンスポリヌクレオチ ドの塩基性構造はまた、当業者に極めて公知の方法で化学的に変更され得る。 化学的に合成されたリボザイムおよびアンチセンス分子は、モノマーユニット によって改変される合成オリゴヌクレオチド誘導体として投与され得る。リボザ イムおよびアンチセンス分子はまた、ベクター中に配置され、そして遺伝子治療 プロトコルにおいて細胞内で発現され得る。 遺伝子治療は、筋細胞、心膜内の細胞、心外膜の細胞、または心膜内に送達さ れる遺伝子に影響される心臓の領域にある任意の細胞の形質転換または感染のた めに適切な調節配列の調節的制御下にある遺伝予を心膜間隙に送達することによ って、本発明に従って実施され得る。遺伝子治療は、心臓血管適応症の処置につ いて適切な任意の治療薬のコード領域を用いて以下のように実施され得る。 本明細書における治療剤としての使用のためのポリペプチドコード配列を含む 、シグナル配列のコード領域を有するか、または有さないポリヌクレオチド分子 が、遺伝子治療を介するその投与による心臓血管適応症の処置に使用され得る。 このような構築物を送達するための遺伝子治療ストラテジーは、インビボまたは エキソビボ様式でウイルス性または非ウイルス性ベクターアプローチを利用し得 る。このようなコード配列の発現は、内生的な哺乳動物プロモーターまたは異種 プロモーターを用いて誘導され得る。インビボでのコード配列の発現は、構成性 または調節的のいずれかであり得る。 ウイルス性ベクターを用いる送達のために、Jolly,Cancer Gene Therapy 1:5 1-64(1994)に記載されるように、当該分野で伝統的な多くのウイルス性ベクタ ーのいずれかが使用され得る。例えば、UPAコード配列が、レトロウイルスベク ター(Kimuraら、Human Gene Therapy(1994)5:845-852に記載される)、アデ ノウイルスベクター(Connellyら、Human Gene Therapy(1995)6:185-193)、 アデノ随伴ウイルスベクター(Kaplittら、Nature Genetics(1994)6:148-153 )、およびシンドビスベクター中での発現のために設計されたプラスミド中に挿 入され得る。組換えレトロウイルスおよびその種々の使用が、例えば以下を含む 多くの参考文献に記載されている:Mannら(Cell 33:153,1983)、CaneおよびM ulligan(Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 81:6349,1984)、Millerら、Human Gen e Therapy 1:5-14,1990、米国特許第4,405,712号;同第4,861,719号;同第4,98 0,289号、ならびにPCT出願番号第WO 89/02,468号;同第WO 89/05,349号;および WO 90/02,806号(全て、その全体が参考として援用される)。簡潔には、目的の 外来遺伝子が正常なレトロウイルスRNAの代わりにレトロウイルス中に組み込ま れ得る。レトロウイルスが細胞にそのRNAを注入する時、外来遺伝子もまた細胞 に導入され、次いでまるでそれがレトロウイルス自身であるかのように宿主の細 胞性DNAに組み込まれ得る。宿主細胞内でのこの外来遺伝子の発現は、宿主細胞 による外来タンパク質の発現を生じる。簡潔には、多くのレトロウイルス遺伝子 送達ビヒクルが本発明の状況において利用され得る。これは例えば、以下に記載 されるビヒクルを含む:EP 0,415,731;WO 90/07936;WO 94/03622;WO 93/2569 8;WO 93/25234;米国特許第5,219,740号;WO 9311230;WO 9310218;Vileおよ びHart、Cancer Res.53:3860-3864,1993;VileおよびHart、Cancer Res.53:9 62-967,1993;Ramら、Cancer Res.53:83-88,1993;Takamiyaら、J.Neurosci .Res.33:493-503,1992;Babaら、J.Neurosurg.79:729-735,1993(米国特 許第4,777,127号;GB 2,200,651、EP 0,345,242、およびWO 91/02805)。組換え レトロウイルスは、WO 91/02805に記載されるものを含む。 本発明のレトロウイルス遺伝子送達ビヒクルは、広範なレトロウイルス(例え ば、B型、C型、およびD型レトロウイルス、ならびにスプマウイルス(spumav irus)およびレンチウイルス)から容易に構築され得る(RNA Tumor Viruses、 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,1985を参照のこと)。本発明のレト ロウイルス遺伝子送達ビヒクルの調製または構築のためのレトロウイルスとして 、ニワトリ白血病ウイルス、ウシ白血病ウイルス、マウス白血病ウイルス、ミン ク細胞フォーカス形成ウイルス、マウス肉腫ウイルス、細網内皮症ウイルス、お よびラウス肉腫ウイルスからなる群から選択されるレトロウイルスが挙げられる 。 詳細には、マウス白血病ウイルスとして、4070Aおよび1504A(HartleyおよびRow e、J.Virol.19:19-25,1976)、Abelson(ATCC番号VR-999)、Friend(ATCC番 号VR-245)、Graffi、Gross(ATCC番号VR-590)、Kirsten、ハーベイ肉腫ウイル スおよびRauscher(ATCC番号VR-998)、ならびにモロニーマウス白血病ウイルス (ATCC番号VR-190)が挙げられる。このようなレトロウイルスは、American Typ e Culture Collection(「ATCC」;Rockville,Maryland)のような寄託機関ま たは貯蔵機関(collection)から容易に入手され得るか、または一般的に利用可 能な技術を用いて既知の供給源から単離され得る。 任意の上記のレトロウイルスが、本明細書中で提供される開示および標準的な 組換え技術(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Mannual、 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989;Kunkle,PNAS 82:488,1 985)が与えられればレトロウイルス遺伝子送達ビヒクルを組み立てるか、また は構築するために容易に利用され得る。さらに、本発明の特定の実施態様におい て、レトロウイルス遺伝子送達ビヒクルの部分が、別のレトロウイルスに由来し 得る。例えば、レトロウイルスLTRはマウス肉腫ウイルスに由来し得、tRNA結合 部位はラウス肉腫ウイルスに由来し得、パッケージングシグナルはマウス白血病 ウイルスに由来し得、そして第二鎖合成の開始点はニワトリ白血病ウイルスに由 来し得る。 組換えレトロウイルスは、上記のようなベクター構築物を、ベクター構築物中 に欠失されている感染性組換えレトロウイルスの産生のために不可欠なエレメン トを含む細胞(「パッケージング細胞」と呼ばれる)に導入することによって作 製され得る。広範な種々のレトロウイルスベクター構築物が、組換えレトロウイ ルスを調製するために、本発明において利用され得る。例えば、5’LTR、tRNA結 合部位、パッケージングシグナル、1つより多い異種配列、第二鎖DNA合成の開 始点、および3’LTRを含むレトロウイルスベクター構築物が提供され得る。ここ で、ベクター構築物は、gag/polまたはenvコード配列を欠いている。簡潔には、 長末端反復(「LTR」)は、U5、R、およびU3と称される3つのエレメント にさらに分けられる。これらのエレメントはレトロウイルスの生物学的活性を担 う種々のシグナル(例えば、U3内に位置するプロモーターおよびエンハンサー エレメント)を含む。LTRは、ゲノムの両方の末端でのそれらの正確な複製のた めに、プロウイルス中で容易に同定され得る。本明細書中で利用されるように、 5’LTRは、5’プロモーターエレメント、およびベクターのDNA形態の逆転写およ び組み込みを可能にするために十分なLTR配列を含むと理解されるべきである。3 ’LTRは、ポリアデニル化シグナル、およびベクターのDNA形態の逆転写および組 み込みを可能にするために十分なLTR配列を含むと理解されるべきである。tRNA 結合部位および第二鎖DNA合成の開始点もまた、レトロウイルスが生物学的に活 性であるために重要であり、そして当業者に容易に同定され得る。例えば、レト ロウイルスtRNAはワトソンクリック塩基対合によってtRNA結合部位に結合し、そ してウイルス粒子中にレトロウイルスゲノムと共に保有される。次いで、tRNAは 逆転写酵素によるDNA合成のためのプライマーとして利用される。tRNA結合部位 は、5’LTRのすぐ下流のその位置に基づいて容易に同定され得る。同様に、第二 鎖DNA合成の開始点は、その名前が意味するように、レトロウイルスの第二鎖DNA 合成に重要である。この領域(ポリ−プリン領域とも呼ばれる)は、3’LTRのす ぐ上流に位置する。5’および3’LTR、tRNA結合部位、および第二鎖DNA合成開始 点に加えて、本明細書において提供される特定のレトロウイルスベクター構築物 はまた、パッケージングシグナル、ならびに1つより多い核酸分予(例えば、異 種配列)(そのそれぞれは以下に詳細に考察される)をまた含み得る。 上記のレトロウイルスベクター構築物を用いる使用に適切なパッケージング細 胞株が容易に調製され得(1994年5月9日に出願された米国出願番号第08/240,0 30号を参照のこと、WO 92/05266もまた参照のこと)、そして組換えベクター粒 子を産生するためのプロデューサー細胞株(ベクター細胞株または「VCL」とも 呼ばれる)を作製するために利用され得る。本発明の実施態様において、パッケ ージング細胞株が、ヒト(例えば、HT1080細胞)またはミンク親細胞株から作製 され得、それにより、ヒト血清中で不活化を持続し得る組換えレトロウイルスの 産生を可能にする。 これらのベクターを伴う使用に適切なプロモーターはまた、当該分野で伝統的 であり、そしてモロニーレトロウイルスLTR、CMVプロモーター、およびマウスア ルブミンプロモーターを含む。複製不能な遊離のウイルスが産生され得、そして 動物もしくはヒトに直接、または自己の細胞へのエキソビボでの形質導入、続く インビボでの注射(Zatloukalら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91:5148 -5152)によって注射され得る。 例えば、bFGF、VEGF、トロポニンC(troponinC)、β-アドレナリン作用性レ セプター、筋細胞増殖因子、DAF、CD59、メンブレンコファクタータンパク質、A NP、ジストロフィン、SOD、UPA、アンジオジェニン、TGF-α、TGF-β、G-CSF、 胎盤増殖因子、IL-8、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子I(IGF I)、プ ロリフェリン(proliferin)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、または本明細書 中に列挙される任意の他の組換え治療剤、ならびにそれらのキメラ分子およびア ナログ分子のコード配列がまた、インビボまたはエキソビボでのポリペプチドの 発現のためにプラスミドに挿入され得る。インビボの治療のために、コード配列 は、直接的な注射によって心膜内空間に送達され得るか、または例えば、米国特 許第5,137,510号、同第5,213,570号、および同第5,269,326号に記載されるシス テムのような送達によって心膜組織内へ送達され得る。この様式における使用に 適切なプロモーターとして、本明細書中に記載されるプロモーターのような内生 プロモーターおよび異種プロモーターが挙げられる。治療のために選択される遺 伝子の発現に適切な任意のプロモーターが、本発明の方法によって意図される。 コード配列が、Zhuら、Science(1993)261:209-211に記載のように、コード配 列を安定化し、そして細胞へのその形質導入を促進し、そして/または標的化す ることを提供し得る緩衝液を含有する処方物において注射され得る。このような コード配列の発現は、内生的な哺乳動物プロモーターまたは異種プロモーターを 用いて誘導され得る。インビボでのコード配列の発現は、構成性または調節的で あるかのいずれかであり得る。 所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、またはリボザイムまたは アンチセンスポリヌクレオチドがまた、細胞への送達のためにプラスミドに挿入 され得、そしてここで、ポリヌクレオチドはインビボで所望のポリペプチドを発 現するためのコード配列である。この様式における使用のために適切なプロモー ターとして、内生的なプロモーターおよびCMVのような異種プロモーターが挙げ られる。さらに、合成T7T7/T7プロモーターが、Chenら(1994)、Nucleic Acids Res.22:2114-2120に従って構築され得、ここでT7ポリメラーゼはその自身のプ ロモーターの調節下にあり、そしてT7プロモーターの制御下にまた配置されてい るポリヌクレオチド配列の転写を駆動する。ポリヌクレオチドは、Zhuら、Scien ce(1993)261:209-211に記載のように、コード配列を安定化し、そして細胞へ のその形質導入を促進し、そして/または標的化することを提供し得る処方物に おいて注射され得る。 ウイルス性ベクターもしくは非ウイルス性ベクターのいずれかによる遺伝子治 療目的のための送達の際の、所望のポリペプチドのコード配列の発現、またはリ ボザイムもしくはアンチセンスポリヌクレオチドのインビボでの複製は、Gossen ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1992)89:5547-5551に記載されるように、調 節される遺伝子発現プロモーターの使用によって、最大効率および安全性につい て調節され得る。例えば、ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳が、テト ラサイクリン応答性プロモーターによって調節され得る。これらのプロモーター は調節分子を用いる処理によって、ポジティブまたはネガティブな様式で調節さ れ得る。 コード配列の非ウイルス性送達のために、配列は、高レベルの発現のための従 来の制御配列を含有する従来のベクターに挿入され得、次いで、以下のような細 胞標的化リガンドに連結された、ポリマー性DNA-結合カチオン様ポリリジン、プ ロタミン、およびアルブミンのような合成遺伝子転移分子とともにインキュベー トされ得る:WuおよびWu、J.Biol.Chem.(1987)262:4429-4432に記載される ようなアシアロオロソムコイド;Huckedら、Biochem.Pharmacol.40:253-263(1 990)に記載されるようなインスリン;Plankら、Bioconjugate Chem.3:533-539( 1992)に記載されるようなガラクトース;Midouxら、Nucleic Acids Res.21:871 -878(1993)に記載されるようなラクトース;またはWagnerら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA 87:3410-3414(1990)に記載されるようなトランスフェリン。他の 送達システムとして、Nabelら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11307-11311( 1993)およびPhilipら、Mol.Cell Biol.14:2411-2418(1994)に記載されるよ うな、種々の組織特異的プロモーターまたは偏在性活性プロモーターの制御下の 遺伝子を含むDNAをカプセル化するリポソームの使用が挙げられる。使用 に適切なさらなる非ウイルス性送達として、Woffendinら、Proc.Natl.Acad.S ci.USA(1994)91(24):11581-11585に記載されるような生体分解性(biolistic )のアプローチのような機械的な送達システムが挙げられる。さらに、コード配 列およびそのようなものの発現産物が、光重合化ヒドロゲル材料の堆積を通じて 送達され得る。コード配列の送達のために使用され得る遺伝子送達のための他の 従来の方法として、例えば、US 5,149,655に記載されるような小型(hand held )遺伝子転移パーティクルガンの使用;US 5,206,152およびPCT出願WO 92/11033 に記載されるような転移遺伝子を活性化するための電離放射線の使用が挙げられ る。上記は、例えば、核の電荷の中和または細胞膜との融合に依存するか、また は取り込みを促進する、核酸の取り込みを促進するさらなる手段の排除のためで はない。 非免疫学的な効果のための患者における発現のための遺伝子、または非コード ポリヌクレオチド配列の投与は、ポリペプチド、ペプチド、結合体、リポソーム 、脂質、ウイルス性ベクター(たとえば、レトロウイルスベクター)、非ウイル ス性ベクターの使用によって達成され得る。 ポリカチオン性分子、脂質、リポソーム、ポリアニオン性分子、またはポリヌ クレオチドに結合されたポリマー結合体は、DNAまたはRNAの非ウイルス性送達を 促進し得る。例えば、遺伝子送達のためのポリカチオン性薬剤として以下が挙げ られる:ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、およびプロタミン。他 の例として、ヒストン、プロタミン、ヒト血清アルブミン、DNA結合タンパク質 、非ヒストン染色体タンパク質、DNAウイルス由来のコートタンパク質(例えば 、φX174)が挙げられ、転写因子は、DNAに結合するドメインをまた含み、従っ て核酸縮合剤(aid condensing agent)として有用であり得、例えば、C/CEBP、 c-jun、c-fos、AP-1、AP-2、AP-3、CPF、Prot-1、Sp-1、Oct-1、Oct-2、CREP、 およびTFIIDはDNA配列に結合する塩基性ドメインを含む。有機ポリカチオン性薬 剤として以下が挙げられる:スペルミン、スペルミジン、およびプルトレセイン (purtrescine)。他のポリペプチドポリカチオン性薬剤を構築するために、ま たは合成ポリカチオン性薬剤を生成するために、ポリカチオン性薬剤の大きさお よび物理的特性が、先のリストから推定される。 代表的には、ポリカチオン性薬剤は、末端基を除いて、少なくとも9の推定等 電点を示す。薬剤は、末端基を除いて、少なくとも20%の塩基性または正に荷電 したモノマー;より代表的には、少なくとも25%;さらに代表的には30%;さら により代表的には、少なくとも33%;なおさらに代表的には、少なくとも40%; なおさらに代表的には、少なくとも50%;なおさらに代表的には、少なくとも60 %を含む。さらに、薬剤は酸性モノマーを5%より多くは含まず、好ましくは全 く含まない。ポリカチオン性薬剤の電荷密度および組成は、特異的な核酸配列、 型、および核酸およびポリカチオン性薬剤の複合体と共に含まれる他の成分に適 合させるように変更され得る。 中性ポリマーの群は、以下のような本発明の化合物の一般式である: これらの化合物の好ましい部分集合は、R2が水素であるものを含む。少なくとも 1つの中性アミノ酸を含むポリマーがなおさらに好ましい。R2およびR3が水素で あるポリマーがまた好ましく、ポリN-置換グリシンまたはポリNSGとも呼ばれる 。 モノマーは、以下の構造を有するポリカチオン性モノマーとしての一般式であ る: 一般に、R1、R2、およびR3は、1〜250ダルトンまでの分子量を有する各有機 部分である。より代表的には、分子量は200以下であり;なおさらに代表的には 、175以下である。代表的には、各モノマーはR1、R2、またはR3に1つの水素を 含む。より代表的には、R1およびR3のいずれもがともに水素であるとき、L-アミ ノ酸の構造である;または、R2およびR3がともに水素であるとき、NSGの構造で ある。中性の薬剤中で利用されるモノマーは、正に荷電しているか、または負に 荷電し ているかのいずれかであり得る。また、中性置換基もまた利用され得る。ポリマ ーは、末端基を除いて、正味の正または負の電荷を示さない。 分解部位は、R1およびR3が水素である場合、モノマーにおいて天然に存在する アミノ酸置換基を用いることによって、ポリマー中に組み込まれ得る。天然に存 在するアミノ酸およびアナログは、これらの分子のキラリティーを示すために、 D-アミノ酸と称される。L-アミノ酸もまた、中性ポリマー中にモノマーとして組 み込まれ得る。L-アミノ酸の置換基は、例えば、D-アミノ酸について指定された ものと同様であり得る。また、NSGが、モノマーとして組み込まれるのに好まし い。好ましいモノマーは、送達されるポリヌクレオチドと水素結合を形成し得る モノマーである。 ポリマーは、互いに連結されて、ポリマーの架橋を可能にする末端基または側 鎖を組み込み得る。例えば、ポリマーはジスルフィド結合によって連結され得る 。ポリマーのカップリングに有用である他の末端基としては、カーボネート、尿 素などが挙げられる。さらなる成分(例えば、標的リガンド)が、本発明のポリ カチオン性薬剤に含まれ得る。このようなさらなる基は、所望の核酸のエンドサ イトーシスを容易にし得るか、または細胞表面への核酸の結合を補助し得る。 ポリペプチドがポリカチオン性薬剤に組み込まれ得る。例として以下が挙げら れるが、これらに限定されない:アシアロオロソムコイド(asioloorosomucoid ;ASOR);トランスフェリン;アシアログリコプロテイン;抗体;抗体フラグメ ント;フェリチン;インターロイキン;インターフェロン、顆粒球、マクロファ ージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー剌激因子(G-CSF)、マクロ ファージコロニー刺激因子(M-CSF)、幹細胞因子およびエリスロポエチン。エ ンベロープタンパク質のようなウイルス抗原もまた使用され得る。また、他の侵 襲性生物由来のタンパク質(例えば、R11として公知の、Plasmodium falciparum の種虫周囲(circumsporozoite)タンパク質由来の17アミノ酸ペプチド)が有用 である。 さらに、リポタンパク質(例えば、低密度リポタンパク質、高密度リポタンパ ク質、または超低密度リポタンパク質)がポリカチオン性薬剤に組み込まれ得る 。これらのタンパク質の変異体、フラグメント、または融合体もまた使用され得 る。 組み込まれ得る他の群として以下が挙げられるが、これらに限定されない:ホル モン、ステロイド、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺ホルモン、またはビタ ミン、葉酸など。葉酸は、例えば、Mislickら、T.J.Bioconjugate Chem.6:51 2(1995)に従って、ポリカチオン性薬剤に組み込まれ得る。また、本発明のポリ カチオン性薬剤は、ポリアルキレングリコールと化学的に結合され得る。好まし い実施態様において、ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールであ る。PEGは、例えば、Luら、Int.J.Pept.Protein Res.43:127(1994)に従っ て、ポリカチオン性薬剤と混合され得る。 さらに、ポリカチオン性薬剤はモノ-、ジ-、またはポリサッカライドと化学的 に結合され得る。この局面の好ましい実施態様において、ポリサッカライドはデ キストランである。これらのさらなる基はポリカチオン性薬剤に組み込まれ得る 。例えば、R1、R2、およびR3は、上記の基のいずれか1つと架橋するように活性 化され得る置換基であり得る。例えば、チオール基が、別の基と架橋するように 含まれ、ジスルフィド結合を形成し得る。 本発明のポリカチオン性薬剤の末端基が適宜選択され得る。例えば、ポリカチ オン性薬剤の標的化特性を増強するために、上記のさらなる基のいずれかが末端 基として組み込まれ得る。 上記のさらなる基は、ポリカチオン性薬剤の末端に組み込まれ得る。例えば、 ポリカチオン性薬剤は、(1)種々のカルボン酸でアシル化され得る;(2)塩化スル ホニルでスルホニル化され得る;または(3)イソシアネートまたはイソチオシア ネートで誘導体化され得る。一旦活性化されると、末端は上記の基のいずれか( 例えば、低密度リポタンパク質のようなポリペプチド、または葉酸)と反応し得 る。 ポリカチオン性薬剤に末端基を付加する1つの手段は、例えば以下である: (1)Fmoc-アミノ-ヘキサン酸でのアミノ末端のアシル化;および (2)保護基であるFmocを除去して、さらに機能化され得る第一級アミンを生成す る。あるいは、アミノ末端基として以下が挙げられるが、これらに限定されない :アセチル基、ベンゾイル基のようなアシル基;またはダンシル基のようなスル ホニル基。カルボキシ末端基として、例えばアミド基またはアルキルアミド基 が挙げられる。 以下は、NSGの合成のための固相法であり、これは広範な種々の側鎖置換基に ついて一般的に使用され得る。この方法は、目的のポリカチオン性薬剤の迅速な 合成を可能にする自動ペプチド合成装置を利用して行われ得る。このような装置 は、例えば、Applied Biosystems and Milligenから市販されている。 合成の方法は、NSGモノマーを含有するポリマーの伸長の間に、2つのサブモ ノマーからモノマーを組み立てることである。この技術は、Zuckermannら、J Am er Chem Soc 114(26):10646-10647(1992)およびZuckermannら、PCT WO94/0645 1に記載されている。NSGはまた、アシル化剤およびアミンのコポリマーの縮合を 変化させると考えられ得る。 サブモノマーを用いるポリマー合成は、カルボキシからアミノ方向に起こる。 ポリマー形成の間の各モノマーについての固相組み立ては、反応性側鎖官能基の みが保護される必要がある場合、Nα-保護モノマーの必要性を排除する。各モノ マーの付加は、2段階(アシル化工程および求核置換工程)を包含する:(1)支 持体に結合された第二級アミンの、アシル化剤でのアシル化であって、このアシ ル化剤は、アミンおよびカルボニル基(好ましくはカルボキシル基)による求核 置換が可能な脱離基を含有し、一例はハロ酢酸である、段階;および(2)側鎖を 導入するために、第一級アミノ基を含有する十分な量のサブモノマーとの脱離基 の求核的置換段階。アミノ基含有サブモノマーは、アルコキシアミン、セミカル バジド、アシルヒドラジド、置換ヒドラジンなどであり得る。 アシル化は、カルボジイミド(carbodimido)または他の適切なカルボキシル 化活性化法を用いて活性化され得る。置換の効率は、ハロゲン化物の選択によっ て調節される(例えば、I>Cl)。脂肪族水酸基、カルボン酸、カルボキシ、チ オール、アミノ、いくつかの複素環、および他の反応性側鎖官能基の保護が、所 望されない副反応を最小化するために好ましい。しかし、置換またはアシル化に 対するいくつかの側鎖部分(例えば、インドール、イミダゾール、およびフェノ ール)の穏やかな反応性は、保護を伴わないでそれらの使用を可能にし得る。 NSGはまた、ポリマーが伸長される際に各モノマーを組み立てるための3段階 法を利用して構築され得る。モノマーの骨格は、アシル化段階によって最初に伸 長され、求核置換が続く。側鎖は第二のアシル化段階によって導入される。モノ マーの骨格は、合成サイクルの最初の2つの段階において組み立てられる。最初 の反応はアシル化段階であり、ここで、アシル化剤のカルボニル基はアミンと反 応する。アシル化剤は、カルボニル基;骨格、Ra;および脱離基、Lを含む。好 ましくは、カルボニル基はカルボキシルである。 第2段階は、置換剤の第1のアミノ基による脱離基の求核置換である。置換剤 は、第1および第2のアミノ基、ならびに骨格Rdを含む。第1のアミノ基は第1 級アミンであり、そして第2段階は第2級アミンを生成する。 第3段階は別のアシル化であり、この段階において別のアシル化サブモノマー が置換剤の第1のアミノ基と反応して第3級アミドを生成する。アシル化剤は、 カルボニル基;任意のリンカー;および側鎖を含む。好ましくは、カルボニル基 はカルボキシルである。 リポソーム中にカプセル化されているかどうかに関わらず、ポリカチオン性薬 剤/ポリヌクレオチド複合体は、薬学的組成物中で投与され得る。薬学的組成物 は、治療的有効量の核酸を含有する。DNA送達に有効な用量は、投与される個体 において、約0.01mg/kg〜50mg/kg、または0.05mg/kg〜約10mg/kgのDNA構築物で ある。 さらなる薬剤が、遺伝子治療プロトコルまたは核酸ワクチン接種プロトコルの いずれかにおける送達のために、送達される所望のポリヌクレオチドとともに含 まれ得る。これらのさらなる薬剤は、例えば、所望の核酸のエンドサイトーシス または細胞表面への核酸の結合の補助を容易にし得る。 ポリペプチドはDNAの送達を容易にし、そして例えば以下が挙げられる:アシ アロオロソムコイド(ASOR);トランスフェリン;アシアログリコプロテイン; 抗体;抗体フラグメント;フェリチン;インターロイキン;インターフェロン、 顆粒球、マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、幹細胞因子およびエリ スロポエチン。エンベロープタンパク質のようなウイルス抗原もまた使用され得 る。また、他の侵襲性生物由来のタンパク質(例えば、RIIとして公知の、Plasm odium falciparumの種虫周囲タンパク質由来の17アミノ酸ペプチド)。 例えば、ステロイド、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺ホルモンのような 特定のホルモン、またはビタミン、葉酸は、核酸の送達において補助し得る。 また、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリアルキレングリコールがポリ エチレングリコールであるような)が所望のポリヌクレオチドとともに含まれ得 る。さらに、モノ-、ジ-、またはポリサッカライド(例えば、ポリサッカライド デキストランまたはDEAEデキストラン、およびポリ(ラクチド-co-グリコリド)) が含まれ得る。 所望のポリヌクレオチドはまた、患者への送達の前に脂質中にカプセル化され 得るか、またはリポソーム中にパッケージされ得る。脂質のカプセル化は、一般 に、核酸に安定に結合し得るかまたは核酸をエントラップし得、そして核酸を保 持し得るリポソームを用いて達成される。脂質調製物に対する縮合されたポリヌ クレオチドの比は変化し得るが、一般にほぼ1:1(mg DNA:マイクロモル脂質 )、または脂質がより多い。核酸の送達のためのキャリアとしてのリポソームの 使用の概説については、HugおよびSleight,Biochim.Biophys.Acta.(1991)10 97:1-17;Straubingerら、METHODS OF ENZYMOL0GY(1983),第101巻、512-527頁 を参照のこと。 本発明における使用のためのリポソーム調製物として、カチオン性調製物(正 に荷電している)、アニオン性調製物(負に荷電している)、および中性の調製 物が挙げられる。カチオン性リポソームは、機能的な形態において、プラスミド DNA(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413-7416);mRNA(M aloneら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:6077-6081);および精製さ れた転写因子(Debsら、J.Biol.Chem.(1990)265:10189-10192)の細胞内送達 を媒介することが示されている。 カチオン性リポソームは容易に入手され得る。例えば、N[1-2,3-ジオレイルオ キシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームが、商品名 LipofectinでGIBCO BRL,Grand Island,NY.から入手可能である(Felgnerら、P roc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413-7416もまた参照のこと)。他の市 販のリポソームとしてトランスフェクターセ(transfectace)(DDAB/DOPE)およびD OTAP/DOPE(Boerhinger)が挙げられる。他のカチオン性リポソームは、 当該分野で周知の技術を用いて、容易に入手可能な物質から調製され得る。例え ば、Szokaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:4194-4198;DOTAP(1,2- ビス(オレオイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合 成の説明についてはPCT公開番号第WO 90/11092号を参照のこと。 同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avanti Pol ar Lipids(Birmingham,AL)から容易に入手され得るか、または容易に入手さ れ得る物質を用いて簡単に調製され得る。適切な物質として、ホスファチジルコ リン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスフ ァチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などが挙げられる。これ らの物質はまた、DOTMAおよびDOTAP開始物質と適切な比で混合され得る。これら の物質を用いてリポソームを作製するための方法は当該分野で周知である。 リポソームは、多層ベシクル(MLV)、小単層ベシクル(SUV)、または巨大単 層ベシクル(LUV)を含み得る。種々のリポソーム核酸複合体が、当該分野で公 知の方法を用いて調製され得る。例えば、以下を参照のこと:Straubingerら、M ETHODS OF ENZYMOLOGY(1983)第101巻、512-527頁;Szokaら、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA(1978)75:4194-4198;Papahadjopoulosら、Biochim.Biophys.Ac ta(1975)394:483;Wilsonら、Cell(1979)17:77;DeamerおよびBangham,Bio chim.Biophys.Acta(1976)443:629;Ostroら、Biochim.Biophys.Res.Comm un.(1977)76:836;Fraleyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:3348;E nochおよびStrittmatter,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:145;Fraley ら、J.Biol.Chem.(1980)255:10431;SzokaおよびPapahadjopoulos,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA(1978)75:145;ならびにSchaefer-Ridderら、Science(198 2)215:166。 さらに、リポタンパク質は送達されるポリヌクレオチドとともに含まれ得る。 利用されるリポタンパク質の例として以下が挙げられる:カイロミクロン、HDL 、IDL、LDL、およびVLDL。これらのタンパク質の変異体、フラグメント、または 融合体がまた使用され得る。また、アセチル化LDLのような、天然に存在するリ ポタンパク質の改変体が用いられ得る。これらのリポタンパク質は、リポタンパ ク 質レセプターを発現する細胞にポリヌクレオチドの送達を標的化し得る。好まし くは、リポタンパク質が送達されるポリヌクレオチドとともに含まれる場合、他 の標的リガンドは組成物中に含まれない。 リポタンパク質が、送達される所望のポリヌクレオチドとともに含まれる場合 、好ましくは、組成物は:リポタンパク質、ポリヌクレオチド、およびポリヌク レオチド結合分子を含む。 天然に存在するリポタンパク質は、脂質およびタンパク質部分から構成される 。このような分子のタンパク質部分はアポタンパク質として公知である。現在、 アポタンパク質A、B、C,D,およびEが単離され、そして同定されている。 これらの少なくとも2つは、ローマ字表記によってAI、AII、AIV;CI、CII、CII Iと示されるいくつかのタンパク質を含む。リポタンパク質は1つより多いアポ タンパク質を含み得る。例えば、天然に存在するカイロミクロンは、A、B,C ,およびEを含み、これらのリポタンパク質は経時的にAを消失し、そしてCお よびEのアポタンパク質を獲得する。VLDLは、A、B、C、およびEのアポタン パク質を含み、LDLはアポタンパク質Bを含み;そしてHDLはアポタンパク質A、 C,およびEを含む。これらのアポタンパク質のアミノ酸は既知であり、そして 例えば以下に記載されている:Breslow,Ann Rev.Biochem 54:699(1985);Law ら、Adv.Exp Med.Biol.151:162(1986);Chenら、J Biol Chem 261:12918(198 6);Kaneら、Proc Natl Acad Sci USA 77:2465(1980);およびUtermannら、Hum Genet 65:232(1984)。 リポタンパク質は、トリグリセリド、コレステロール(遊離およびエステル) 、およびリン脂質を含む、種々の脂質を含む。脂質の組成は、天然に存在するリ ポタンパク質において変化する。例えば、カイロミクロンは主にトリグリセリド を含む。天然に存在するリポタンパク質の脂質含有量についてのさらに詳細な記 載が、例えば、Meth.Enzym.128(1986)に見出され得る。脂質の組成は、レセ プター結合活性についてアポタンパク質のコンフォメーションを補助するように 選択される。脂質の組成はまた、疎水性相互作用を容易にし、そしてポリヌクレ オチド結合分子と会合させるように選択され得る。 天然に存在するリポタンパク質は、例えば、超遠心分離によって血清から単離 され得る。このような方法は、Meth.Enzy.、前出;Pitasら、J.Biochem.255: 5454-5460(1980);およびMaheyら,J.Clin.Invest 64:743-750(1979)に記載さ れている。リポタンパク質はまた、インビトロで、または所望の宿主細胞中での アポタンパク質遺伝子の発現による組換え方法によって生成され得る。例えば、 Atkinsonら、Annu Rev Biophys Chem 15:403(1986)およびRaddingら、Biochem Biophys Acta 30:443(1958)を参照のこと。リポタンパク質はまた、商業的な 供給者(例えば、Biomedical Technologies,Inc.,Stoughton,Massachusetts ,USA)から購入され得る。 天然に存在するアポタンパク質の変異体、フラグメント、および融合体が、ポ リヌクレオチドの送達に有用である。これらのポリペプチドは、約80%より多い アミノ酸同一性;さらに代表的には、85%より多い;なおさらに代表的には、少 なくとも90%のアミノ酸同一性を保持する。好ましくは、これらのポリペプチド は、天然に存在するリポタンパク質またはそのフラグメントと、約92%より多い アミノ酸配列同一性を;より好ましくは、約94%より多い;なおさらに好ましく は、約96%より多い;なおさらに好ましくは、約98%より多い;なおさらに好ま しくは、約99%より多い配列同一性を示す。 このような変異体、フラグメント、および融合体は、組換えDNA技術によって 所望のリポタンパク質をコードするポリヌクレオチドを改変することによって構 築され得る。例えば、Sambrookら、(1989)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York) を参照のこと。これらのポリヌクレオチドが発現ベクターに挿入され得、そして 宿主細胞が所望のアポタンパク質を産生するために利用され得る。 さらに、天然に存在するリポタンパク、変異体、フラグメント、および融合体 は化学的に改変され得る。例えば、アセチル化LDLは生物学的活性を有する。例 えば、Nagelkerkeら、J.Biol.Chem.258(20):12221-12227(1983);Weisgrabe rら、J.Biol.Chem.253:9053-9062(1978);Voytaら、J.Cell Biol.99:2034- 2040(1984);Goldsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:333-337(1979);お よびPitas、Arterosclerosis 1:177-185(1981)を参照のこと。化学的に改変さ れたリポタンパク質はまた、商業的な供給者(例えば、Biomedical Tec hnologies,Inc.,Stoughton,Massachusetts,USA)から購入され得る。 全てのこれらのポリペプチドは、天然に存在するリポタンパク質のレセプター 結合特性を示す。通常、このようなポリペプチドは、天然に存在するリポタンパ ク質の少なくとも約20%のレセプター結合を示す。より代表的には、ポリペプチ ドは、天然に存在するリポタンパク質の少なくとも約40%レセプター結合を示し 、なおさらに代表的には、ポリペプチドは少なくとも約60%;なおさらに代表的 には、少なくとも約70%;なおさらに代表的には、少なくとも約80%;なおさら に代表的には、少なくとも約85%;なおさらに代表的には、少なくとも約90%; なおさらに代表的には、少なくとも約95%のレセプター結合を示す。 代表的には、リポタンパク質は、細胞へのポリヌクレオチドの組み込み頻度を 増大させるために有効な量で存在する。このような細胞へのポリヌクレオチドの 組み込み頻度の増加量は、裸のポリヌクレオチドの組み込み頻度よりも少なくと も10%大きく;より通常には、少なくとも15%大きく;なおさらに通常には、20 %より大きく;なおさらに通常には、少なくとも30%大きい。増加は、40〜100 %およびさらには1000%および10000%の増加であり得る。 ポリヌクレオチド結合分子は、ポリヌクレオチドと結合するそれらの化合物を いい、そしてその結合は配列特異的ではない。例えば、このような分子は、(1) ポリヌクレオチドの電荷を中和することを補助し得るか、または(2)ヌクレオチ ドの縮合を容易にし得るか、または(3)血清またはヌクレアーゼ分解を阻害し得 る。必要に応じて、ポリヌクレオチド結合分子は、疎水性会合または電荷のいず れかによってリポタンパク質と相互作用し得る。ポリヌクレオチド結合分子とし て、ポリペプチド、無機化合物、ビタミンなどが挙げられるが、これらに限定さ れない。 ポリヌクレオチド結合分子の例として以下が挙げられる:ポリリジン、ポリア ルギニン、ポリオルニチン、およびプロタミン。有機ポリカチオンの例として以 下が挙げられる:スペルミン、スペルミジン、およびプルトレセイン。他の例と して、ヒストン、プロタミン、ヒト血清アルブミン、DNA結合タンパク質、非ヒ ストン染色体タンパク質、DNAウイルス由来のコートタンパク質(例えば、φX17 4)が挙げられ、転写因子はまた、DNAに結合するドメインを含み、従って核酸縮 合剤として有用であり得る。簡潔には、例えば、C/CEBP、c-jun,c-fos,AP-1、 AP-2、AP-3、CPF、Prot-1、Sp-1、Oct-1、Oct-2、CREP、およびTFIIDのような転 写因子はDNA配列に結合する塩基性ドメインを含む。 他の正に荷電している部分の例として、ポリブレン、DEAEデキストラン、およ びカチオン性脂質が挙げられる。有用なカチオン性脂質およびリポソームは、先 に記載されている。脂質およびリポソームはポリヌクレオチドおよびリポタンパ ク質の両方をカプセル化するための本発明のこの局面においては使用されない。 このリポタンパク質はその細胞表面レセプターに結合するように曝されなければ ならない。 N-置換グリシンのポリマーのような、負に荷電しているポリヌクレオチドに結 合し得る他の合成化合物が有用である。 リポタンパク質を有する組成物において、ポリヌクレオチド結合分子は、ポリ ヌクレオチドを中和するために有効な量で存在し得る。しかし、ポリヌクレオチ ド結合分子はまた、送達されるポリヌクレオチドを中和するために効果的な量よ り多くでも存在し得る。このような過剰量は、送達されるポリヌクレオチドと複 合体化された場合、正味の正の電気的な負荷を生じ得る。次いで、正に荷電した 複合体は、リン脂質のような負に荷電した脂質を含むリポタンパク質と相互作用 し得る。 代表的には、ポリヌクレオチド結合分子は、その量がポリヌクレオチドの電荷 を中和するための量よりも10%多い場合、過剰である;さらに代表的には、量は 、所望のポリヌクレオチドの電荷を中和するために有効な量よりも50%多い;な おさらに代表的には、100%多い;なおさらに代表的には、150%多い;なおさら に代表的には、200%多い;なおさらに代表的には、500%多い;なおさらに代表 的には、20,000%多い;なおさらに代表的には、22,000%多い;なおさらに代表 的には、25,000%多い;なおさらに代表的には、30,000%多い;なおさらに代表 的には、40,000%多い。 本発明の実施のために、心臓血管適応症の診断が行われ、そして適切な治療剤 (単数または複数)および投薬量が診断に基づいて決定される。本発明は、冠状 の症状を、予防、軽減、または処置するために実施される。診断は、冠状の症状 の診断を含み得、そして標準的な技術を用いて行われ得る。 治療剤は、冠状の症状を有する患者または心臓血管適応症を発症する危険のあ る患者に、いくつかの治療剤の投与を包含するプロトコルにおいて投与され得る 。これらの治療剤のいずれかが、薬剤について薬学的に受容可能なキャリアを含 む、適切な薬学的組成物中に組み込まれ得る。適切なキャリアは、大きな、ゆっ くり代謝される高分子(例えば、タンパク質、ポリサッカライド、ポリ乳酸、ポ リグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸のコポリマー、および侵襲性ウ イルス粒子)であり得る。このようなキャリアは当業者に周知である。薬学的に 受容可能な塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの無機酸 塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸の塩)が本 明細書中で使用され得る。薬学的に受容可能な賦形剤の詳細な考察は、REMINGTO N'S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.1991)において入手可能 である。治療組成物中の薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、グリ セロール、およびエタノールのような液体を含み得る。さらに、補助物質(例え ば、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝化物質など)が、このようなビヒクル中に存在し得 る。代表的には、治療組成物は、溶液または懸濁物のいずれかで注射可能な物質 として調製される;注射の前に液体ビヒクル中に入れて溶液とするかまたは懸濁 するために適切な固体形態でもまた調製され得る。リポソームは、薬学的に受容 可能なキャリアの定義に含まれる。用語「リポソーム」は、例えば、米国特許第 5,422,120号、WO 95/13796号、WO 94/23697号、WO 91/14445号、およびEP 524,9 68 B1号に記載されているリポソーム組成物をいう。リポソームは、低分子、本 発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドのための、またはこれらの治療薬 の組み合わせのための薬学的なキャリアであり得る。 さらに、本発明の治療剤の投与は、患者の症状を改善することの目標を最も良 好に達成するために適切であるように、例えば、同時投与において、連続投与に おいて、そして、同じまたは別の薬学的に受容可能なキャリアを用いて達成され 得る。さらに、その治療の治療目的を達成するために必要な全ての治療剤を含む 治療組成物が、投与され得る。1つより多い治療剤の共投与は、少なくとも1つ の最初の治療剤の投与、および少なくとも1つの第2の治療剤の投与によって達 成され得る。第1および第2の治療剤の組み合わせ投与が、共投与を構成する。 共投与のタイミングは、同時または連続的であり得る。2つの治療剤が同じ薬学 的組成物中に存在する場合、その組成物の投与は共投与と考えられ得る。 本発明の治療剤の投与は、患者において所望の治療効果を導くために有効であ ると考えられるか、または経験的に推定される手段によって、治療剤の治療有効 用量を投与する工程を包含する。用量および投与手段の両方が、治療剤の特異的 な質、患者の症状、疾患の進行、および他の関連因子に基づいて決定され得る。 本発明の治療剤の投与として、例えば、心膜間隙に治療剤を放出するために標的 される任意の投与(例えば、注射、カテーテル法、レーザーで作製される灌流チ ャンネル、パーティクルガン、およびポンプを含む非経口投与を含む)が挙げら れる。非経口投与は、例えば、静脈内投与、皮下投与、皮内投与、または筋内投 与であり得る。 心膜間隙への治療剤の物理的送達のための方法論として、心膜内内部挿入およ び心膜外部挿入(entry)が挙げられる。内部挿入は、心臓の心房または心室を 通じて挿入することによって特徴づけられる。これは、心臓の右側または左側部 分への挿入を意味する。外部挿入として、例えば、胸部切開手術、最少侵襲手術 (MIS)および経皮投与が挙げられる。経皮投与は、注射針、カテーテル、カニ ューレ、およびトロカールを含む(しかしこれらに限定されない)、このような 手順に適切なデバイスによって達成され得る。 本発明の治療剤は、患者の処置のための治療的に有効なプロトコルのプロセス において、治療的有効投薬量および量で投与され得る。投与される最初および任 意の続く投薬量が、患者の年齢、体重、症状、および処置される疾患、障害また は生物学的な状態に依存して投与される。治療剤に依存して、投与の投薬量およ びプロトコルは変化し、そして投薬量はまた、選択される投与の方法(例えば、 局所的または全身的投与)に依存する。 ポリペプチド治療剤については、例えば用量は、患者のkg体重あたり約5μgか ら約50μg/kgの範囲、さらには約50μgから約5mg/kg、さらに約100μgから約50 0μg/kg、そして約200ug/kgから約250ug/kgであり得る。 ポリヌクレオチド治療剤については、組織標的投与のために、患者中でのポリ ヌクレオチドの発現に依存して、コーディング配列または非コーディング配列の 発現構築物を含有するベクターは、遺伝子治療プロトコールにおける局所投与に ついて、約100ngから約200mgの範囲のDNA、さらには、約500ngから約50mg、また 、約1μgから約2mgのDNA、約5μgのDNAから約500μgのDNA、そして、遺伝子 治療プロトコールにおける局所投与の間に、約20ugから約100ug、そして、例え ば、注入または投与あたり約500ugの用量で投与され得る。 触媒機構によって作用する非コーディング配列(例えば、触媒的に活性なリボ ザイム)は、例えばアンチセンス分子の場合のように、化学量論の制限を維持し ている非コーディング配列より、より少ない用量を要求し得るが、リボザイムの 発現制限は、それらが患者において有効性を達成するようにインビボで発現され るリボザイムの用量要求を再度上昇し得る。従って、形質転換および発現の作用 方法および有効性のような因子は、DNAおよび核酸に対して極度の有効性を必要 とする投与量に影響すると考えられる。より高度の発現が所望される場合、より 広範囲の組織にわたって、投与の良好なプロトコールにおいてより多量のDNAも しくは等量のDNAが再投与されるか、または、近隣または隣接する異なる組織部 分(例えば、腫瘍部位)への数回投与が、ポジティブな治療結果に効果を与える ために必要とされ得る。 低分子治療剤の投与について、低分子の有効性に依存して、投与量は変化し得 る。非常に有効なインヒビターについて、患者のkg体重あたりマイクログラム( μ)量が十分であり得、例えば、患者のkg体重あたり約1μg/kgから約500mg/kg 、そして約100μg/kgから約5mg/kg、そして約1μg/kgから約50μg/kg、そして 例えば、約10ug/kgの範囲であり得る。ペプチドおよびペプトイドの投与につい ては、有効性がまた用量に影響し、そして患者のkg体重あたり約1μg/kgから約 500mg/kg、そして約100μg/kgから約5mg/kg、そして約1μg/kgから約50μg/kgの 範囲であり得、通常用量は、約10ug/kgであり得る。 すべての場合において、臨床試験での日常的な実験は、最適治療効果について 特定範囲を決定し、各治療剤について、各投与プロトコルおよび特定の患者への 投与もまた、患者の症状および初回投与に対する応答性に依存して、有効および 安全な範囲内で調節される。 本発明の方法は、任意の心臓血管適応症(例えば以下の診断)に適用される: (1)アテローム性動脈硬化症、および脂質/コレステロール蓄積、マクロファー ジ/炎症性細胞の漸増、プラーク破裂、血栓症、血小板蓄積、新内膜増殖を含む 冠状動脈内での病理学的アテローム性プラーク発症に感染しやすい症状;(2)限 定されないが、心筋梗塞または虚血症、安定および不安定な狭心症、経皮管腔通 過(transluminal)後の冠状動脈狭窄、冠状脈管形成、再灌流損傷を含む、虚血 症候群および付随症候群;(3)虚血症候群、アルコールおよび化学治療剤(例え ば、アドリアマイシン(adriamycin))のような心臓毒素、ウイルス、サイトメ ガロウイルス(CMV)、および寄生虫(trypanosoma cruzi)のような感染症、高 血圧症、代謝疾患(限定されないが、尿毒症、脚気、グリコーゲン貯蔵疾患)、 照射、神経筋疾患(デュシェン筋ジストロフィー)、浸潤疾患(限定されないが 、類筋肉腫、ヘモクロマトーシス、類デンプン症、ファブリー病、フルラー症候 群を含む)、外傷、および特発性疾患原因によって引き起こされる心筋症を含む (限定されない)、心筋症;(4)a/律動異常(限定されないが、心筋症について 上記に列挙した同じ原因によって生じるa/律動異常を含む);(5)感染症(細菌 、ウイルス、真菌、および寄生虫原因を含む);(6)心臓腫瘍;(7)炎症症状(限 定されないが、心筋炎、心外膜症、心内膜炎、免疫心臓拒絶、および自発的、自 己免疫、または結合組織疾患によって生じる症状を含む);および(8)高血圧症 。 本発明の実施のために選択される治療剤は、薬剤またはポリヌクレオチド、ま たはこの2つの組み合わせ、または1つより多い薬剤との組み合わせ、または1 つより多いポリヌクレオチドとの組み合わせであり得る。薬剤が、選択される場 合、有害な免疫学的応答を最少限にし、薬剤の灌流を含む薬剤の有効性を最大に するために、その薬剤の適切な処方がまた選択される。いくつかの適切な処方物 は、薬剤送達の当該分野で公知の緩衝液、賦形剤、ゲル、マトリックス、および ポリマーを含有する。本発明の実施において使用される薬剤の適切な処方物はさ らに、例えば、米国特許第5,422,120号、第WO 95/13796号、第WO 94/23697号、 第WO 91/14445号、および欧州特許第0 524968-B1号に開示されるもの(disclosed )のような特に異種小胞性リポソーム調製物を含む、リポソーム調製物を含む。 リポソームの処方物は、以前の処方物から非常に改良された、増大および持続さ れた薬剤送達を提供し、このような処方物は、特に本発明の方法によく適してい る。 処置のために選択される治療剤が、次に心膜間隙に投与されて、心臓組織(限 定されないが、例えば、心膜組織、心筋層組織、心外膜組織、または血管周囲組 織を含む)で発現されるポリヌクレオチドである場合、そのポリヌクレオチドは 、単離され、そしてベクター中に配置される。ベクターは、例えば、ウイルスベ クターまたはプラスミドベクターである。制御配列は、ポリヌクレオチドおよび 遺伝子治療を含むその他のパラメーターに適切な、任意の制御配列であり、任意 の適切な調節配列または配列の組み合わせであり得る。ポリヌクレオチドは、緩 衝液、賦形剤、ゲル、マトリックス、およびポリマーを含む、当該分野で公知の 任意の処方物で、心膜間隙に存在し得る。本発明の実施において、心膜内投与さ れるポリペプチドについて適切な処方物はまた、例えば、米国特許第5,422,120 号、第WO 95/13796号、第wo94/23697号、第WO 91/14445号、および欧州特許第52 4,968 B1号に開示されているのものような、特に、これらの特許および出願に記 載されている異種小胞性リポソーム調製物を含む、リポソーム調製物を包含する 。 心膜間隙への送達のためのポリヌクレオチドは、当該分野の従来の任意の方法 (例えば、Barrら、Gene Therapy(1994)1:51-58に記載されている方法)によ って、複製不全アデノウイルスベクターを使用して、調製され得る。心膜内送達 のためのポリヌクレオチドは、心筋細胞での発現のための組織特異プロモーター またはリーダー配列(例えば、ジストロフィーDNAの非翻訳リーダー配列、また はCoxら、Nature(1993)364:725-729に記載されているような、調節領域筋肉切 断キナーゼ遺伝子)に連結され得る。 本発明の治療剤が薬物とポリヌクレオチドとの組み合わせである場合、薬学的 に受容可能なキャリアを含有する適切な処方物がまた、組み合わせのために調製 される。さらに、薬物およびポリヌクレオチドは、同じ処方物の別の処方物で調 製され得、そして同時に、または連続して投与され得る。 本発明の方法に適切な、薬剤およびポリヌクレオチドは、心臓血管適応症を予 防、軽減、または処置することが公知であるか、または予測される、任意の心臓 薬物または任意のポリヌクレオチドを包含する。このような薬物およびポリヌク レトチドのいくつかの例を以下に列挙する。それらは以下を包含するが、これら に限定されない: (1)脂質/コレステロールの合成/蓄積のインヒビター(例えば、魚の 油、HMG)、およびマクロファージ/炎症性細胞の漸増または活性化のインヒビ ター(例えば、NF-κBインヒビター様IκB、ピロリジンジチオカルバメート、お よびN-アセチルシステイン)微小細管インヒビター様コルチシンおよびタキソー ル、ならびに任意の抗炎症剤、任意の抗血栓剤、任意の抗血小板剤、および新内 膜増殖のインヒビターを包含する、冠状動脈閉塞または再閉塞(例えば、アテロ ーム性動脈硬化症、血栓症、または狭窄において生じる)の処置に使用される薬 剤; (2)例えば、以下を包含する、心筋層の虚血症候群に付随する効果の予 防、治療、または低減を指向する薬剤; (a)例えば、インターロイキン1b転換酵素のインヒビターのような抗アポトー シス剤; (b)血栓溶解剤、例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)、ウロ キナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(UPA)、ウロキナーゼ、ストレプト キナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、線虫抗凝固タンパク質 (NAP)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、およびプラスミノーゲンアクチベータ ーインヒビター-1のインヒビター; (c)前脈管形成剤、例えば、塩基性および酸性線維芽細胞増殖因子、FGF-5、脈 管内皮増殖因子、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子αおよびβ、 腫瘍壊死因予α、血小板由来増殖因子、胎盤増殖因子、肝細胞増殖因子、および プロリフェリン; (d)補体ブロッカー、例えば、崩壊促進因子; (e)再灌流損傷インヒビター、例えば、CAB-2; (f)カルシウムチャンネルブロッカー、例えば、ジルチアゼム; (g)βブロッカー、例えば、プロプラノロール; (h)後負荷低減剤、例えば、ヒドララジン; (i)前負荷低減剤、例えば、ニトログリセリン; (j)血管作用剤、例えば、一酸化窒素(NO)、一酸化窒素インヒビター、また はNOシンターゼのインヒビター; (k)抗血栓剤、例えば、組織因子経路インヒビター、ヘパリン、ヒルジン、プ ロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝固ペプチド(TAP)、およ びアンチスタシン; (l)抗血小板剤、例えば、糖タンパク質IIb/IIIaアンタゴニスト; (m)シクロオキシゲナーゼインヒビター、例えば、アスピリンまたは非ステロ イド抗炎症剤、プロスタサイクリン、または血小板cAMPを増加させる薬剤; (n)抗増殖剤、例えば、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体 、タンパク質、ペプチド、または、c-mybに対する低分子インヒビター、ras/raf に対する低分子インヒビター、PI3キナーゼに対する低分子インヒビター、もし くはサイクリンに対する低分子インヒビター、あるいは、例えば、自殺タンパク 質/遺伝子(例えば、ヘルペスチミジンキナーゼまたは前アポトーシスタンパク 質/遺伝子様fas、fafのような、インターロイキン1β変換酵素); (o)反応性酸素代謝物質のインヒビター、例えば、スーパーオキシドジスムタ ーゼ、N-アセチルシステイン、ピロリジンジチオカルバメート、ビタミンE誘導 体、および金属鉄キレート化剤;および、 (p)抗脈管形成剤、例えば、血小板因子4、トロンボスポンジン、メタロプロ テイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプター、アンジ オスタチン、TFG-β、インターフェロン-α、およびプロリフェリン関連タンパ ク質; (3)以下を包含する、心筋症を予防、軽減、または処置するための薬剤 : (a)上記の虚血症候群について列挙されたもの、そしてさらに以下のものを包 含する: (b)収縮性改善剤、例えば、ジギタリス; (c)筋細胞増殖因子、例えば、インスリン様増殖因子1(IGF-1); (d)心臓保護剤、例えば、カルジオキサン(Cardioxane); (e)鉄キレート化剤、例えば、デスフェロキサミン(desferoxamine); (f)抗ウイルス剤または抗寄生虫剤; (g)フリーラジカルスカベンジャー、例えば、スーパーオキシドジスムターゼ ;および、 (h)心筋症の進行中に欠損され得るかもしくはダウンレギュレートされ得る、 遺伝子またはタンパク質(例えば、トロポニンCまたはβアドレナリンレセプタ ー)の置換; (4)抗不整脈剤、例えば、アデノシン、キニジン、プロプラノロール、 ジゴキシン(digoxin)、リドカイン、ブレチリウム(bretylium)、アミオダロ ン(aminodarone)、およびベラパミル(verapamil)を含む; (5)抗生物質、例えば、抗細菌剤、抗ウイルス抗カビ剤、および抗寄生 虫剤を含む; (6)抗腫瘍剤、例えば、化学治療剤または放射線感作物質または放射活 性移植物を含む; (7)抗炎症剤、例えば、非ステロイド抗炎症剤、シクロスポリン、化学 治療剤、および補体インヒビターのような、抗炎症剤または免疫調節剤を含む; および、 (8)抗昇圧剤、例えば、ヒドララジン、プロプラノロール、心房性ペプ チド、および内皮アンタゴニストを含むが、これらに限定されない。 心膜間隙への治療剤の投与は、患者の心臓血管適応症、治療剤およびその処方 物、ならびに最終治療目的に適切な手段によって達成される。一定期間にわたる 繰り返し投与または継続投与もまた、本発明によって考慮される。一般に、身体 の任意の部分への治療剤の局所送達に適切な任意の方法が、心膜間隙への投与に 適切である。これらの方法は、例えば、注射、カテーテル法、レーザーによって 作製される灌流チャンネル法、カニューレ法、パーティクルガン法、およびポン プ法を包含する。 本発明の方法によって、処置の間に心筋層組織への灌流を最大にするために、 本発明は、心筋層組織の血管新生を増大させるために、前脈管形成性因子を心膜 間隙へまず投与することによって実施され得、その薬剤がその薬剤による組織浸 透が促進されるように処方されるか、または、レーザーを用いて、心筋層組織に まず灌流チャンネルを形成することによって実施され得る。続いて、治療剤が心 膜間隙に投与され、薬剤の組織および細胞への灌流が増大される。 さらに、ポリヌクレオチドの投与に対する炎症応答を緩和するために、抗炎症 剤の治療的有効量が、ポリヌクレオチオド投与前、同時、または後のいずれかに 投与され得る。 本発明の治療剤は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または、抗アポトーシ ス剤、血栓溶解剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補体ブロッカー 、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、βブロッカー 、後負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓剤、抗血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免 疫調節剤、免疫抑制剤、活性酸素代謝物質のインヒビター、抗脈管形成剤、血管 作用剤、心臓保護剤、鉄キレート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポト ーシス剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、心筋症 の進行中に欠損され得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、そ れらの生物学的に活性なフラグメント、またはそれらのキメラである、他の薬剤 であり得る。 レーザーによる心筋層の脈管再生の有効性は、前脈管形成剤様塩基性線維芽細 胞増殖因子(bFGF)、またはbFGFをコードする遺伝子のような治療剤を、レーザ ーでの脈管再生手順に近接して、心膜間隙へ投与することによって、増大され得 る。 心筋症の処置は、心筋層組織の収縮性を改善する心膜間隙剤を投与することに よって達成され得る。例えば、容量置換に非応答性である重篤な動脈低血圧症は 、3〜5ug/kg/分で開始する5% D/Wの約400mg/250ml(1.6mg/ml)の量および濃 度のドーパミンを連続注入する、力価用量で処置され得ることが公知であり、こ れはまた、THE MERCK MANUAL(Berkow編、Merck Res.Lab.Rahway,N.J.第16編 (1992)、534頁)に記載されているような、エピネフィリン、ノルエピネフィリ ン、またはフェニルエフェリンを包含する。さらに、その他の投与プロトコール 、例えば、L-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチド の心膜間隙への投与が可能である。L-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼは、L- ドーパを心筋層組織の収縮性を改善する、ドーパミンへ転換する。L-芳香族アミ ノ 酸デカルボキシラーゼは、心筋間隙の細胞での発現のためのポリヌクレオチド形 態、心膜間隙から取り出された細胞にトランスフェクトされたポリヌクレオチド 形態(これは、次いでL-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼの発現のために心膜 間隙へ再投与される)、または、L-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼのポリペ プチド形態のいずれかで投与され得る。L-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼは 、L-ドーパのドーパーミンへの代謝を可能にし、その活性な薬剤は、心臓筋肉の 収縮性を改善する。従って、L-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ投与との調和 または組み合わせは、以下の任意組み合わせで投与され得る:L-ドーパーの全身 的またはL-ドーパーの局所的な心膜間隙への投与。さらに、例えば、L-ドーパー を作製するエレメントが投与され得る:チロシン、およびチロシンをL-ドーパへ 転換する、チロシンヒドロキシラーゼと呼ばれる酵素を含む。チロシンヒドロキ シラーゼは、活性を有するタンパク質として、もしくは心膜間隙の細胞での発現 のためのポリヌクレオチドとして投与され得るか、または、心膜のいくつかの細 胞が取り出されて、チロシンヒドロキシラーゼでトランスフェクトされ、そして トランスフェクト細胞が、心膜間隙に戻されて、そこで酵素が発現され得る。 患者への投与のための任意のポリヌクレオチドが、インビトロ(患者から取り 出され、形質転換後に心膜間隙に戻される細胞において)、またはインビボ(心 膜間隙へポリヌクレオチドが投与される患者において)で、ウイルスベクター( 例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイ ルス、αウイルス、セムリキ森林ウイルス、またはシンドビスウイルス由来のベ クターを包含する)から発現され得る。ウイルスベクターは、適切なまたは必要 な時間に、ポリヌクレオチドの発現を不活化する目的のための、例えば自殺遺伝 子のような遺伝子を含有し得る。従って、ポリヌクレオチド治療剤を発現し得る ウイルスベクターはまた、例えば、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナー ゼ遺伝子を含有し得る。ガンシクロビル(Gancyclovir)は患者に投与され得、 そしてチミジンキナーゼを発現する細胞は、ガンシクロビルを細胞を殺す毒性に する、ガンシクロビルのリン酸化を可能にする。従って、目的のポリヌクレオチ ド発現が停止される。前駆薬剤様ガンシクロビルと組み合わされる場合、PNP遺 伝子のような他の遺伝子がまた、この目的に使用され得る。 シャペロン分子が、ポリヌクレオチド治療剤の投与前、同時、または後に、投 与され得、そしてシャペロン分子は、例えば、hsp70のような熱ショックタンパ ク質であり得る。さらに、心臓病患者で発現されるポリヌクレオチドは、例えば 、心膜間隙に隣接する筋細胞のみでポリヌクレオチドの発現を確実にする目的で 、誘導プロモーター(例えば、心臓組織特異プロモーター)に連結され得る。さ らに、心臓組織へポリヌクレオチドを有効に送達する目的のために、ポリヌクレ オチドは、筋細胞のゲノムへの組み込みに適切なヌクレオチド配列に隣接され得 る。 本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、詳細な記載から明白になる。し かし、一方、本発明の好ましい実施態様を示すが、その詳細な記載は、例示の目 的のみに与えられ、本発明の精神および範囲内での種々の変化および改変は、こ の詳細な記載から当業者に明白になることが理解されるべきである。さらに、本 発明は、本発明の方法のメカニズムのいかなる理論によっても限定されない。 実施例1 心膜間隙への増殖因子の投与 bFGFポリペプチドを、ヘパリン硫酸もを含有するリポソーム処方物で、薬学的 組成物に入れる。薬学的組成物は、心筋梗塞を罹患している患者への胸腔を通す る外部送達によって、腹腔鏡検査カニューレ法により、心臓病患者の心膜間隙に 送達される。患者を、改善された心臓機能についてモニターし、そしてヘパリン 硫酸ポリペプチドを含むbFGFポリペプチドの再投与を、患者の回復に必要とされ る数回の投与について繰り返す。 実施例2 心膜/心外膜癒着の溶解 患者を、虚血による心膜と心外膜表面との間の癒着を示す冠状状態について診 断する。心膜間隙の全領域への不完全なアクセスの問題を解決するために、心膜 /心外膜の癒着を溶解し得るTPAポリペプチドの蓄積を形成させる。TPAを、ゲル 状の薬学的組成物での、送達のために調製する。虚血領域を、画像解析によって 探し出し、そして送達を、虚血病変領域の胸部外側から胸腔への外部侵入によっ て達成する。その後、TPAとの反応が生じ、心膜間隙を、さらに癒着を解くため に、短時間、滅菌生理食塩水で満たす。次いで、患者を第二治療剤の投与の準備 をし、この治療剤は、同じ薬学的組成物中にVEGFおよびbFGFを含有する、前脈管 形成性因子組み合わせ治療剤である。その薬剤を、胸壁を介する外部侵入を通じ て、カテーテルによって投与する。 実施例3 心膜間隙への増殖因子の局所送達 心筋損傷を生じる梗塞の危険性がある、虚血心筋を示す心臓の領域は、タリウ ムスキャンによって同定される。bFGFおよびVEGFポリペプチドは、ゲルおよび、 細胞損傷を示す筋細胞の細胞表面に存在するインテグリンに対するリガンドを含 む、薬学的組成物で調製する。薬剤は、虚血心筋層の位置に適するように、心室 壁または心房壁を通じて投与される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 45/00 38/22 A61P 9/00 45/00 9/06 A61P 9/00 9/10 9/06 29/00 9/10 31/04 29/00 31/10 31/04 31/12 31/10 33/00 31/12 43/00 33/00 A61K 37/02 43/00 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.冠状状態の処置または予防の方法であって、以下の工程: (a)治療的有効量の第1の治療剤を含む第1の薬学的組成物を提供する工程、 および (b)該第1の薬学的組成物を患者の心膜間隙に投与する工程、 を包含する、方法。 2.前記第1の治療剤が、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、有機低分子、ペプ チド、およびペプトイドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 3.前記第1の治療剤が、線維芽細胞増殖因子ポリペプチド(FGF)を含む、請 求項1に記載の方法。 4.FGFポリペプチドが、bFGF、aFGF、およびFGF-5からなる群から選択される、 請求項3に記載の方法。 5.前記第1の治療剤がインスリン様増殖因子−Iポリペプチド(IGF-I)を含 む、請求項1に記載の方法。 6.前記薬学的組成物が、治療的有効量の第2の治療剤をさらに含む、請求項1 に記載の方法。 7.ポリペプチド、ポリヌクレオチド、有機低分子、ペプチド、およびペプトイ ドからなる群から選択される第2の治療剤を含む、請求項6に記載の方法。 8.前記第2の治療剤が、線維芽細胞増殖因子ポリペプチド(FGF)を含む、請 求項6に記載の方法。 9.bFGF、aFGF、およびFGF-5からなる群から選択されるFGFポリペプチドを含む 、請求項8に記載の方法。 10.前記第2の治療剤が、インスリン様増殖因子−Iポリペプチド(IGF-I) を含む、請求項6に記載の方法。 11.請求項1に記載の方法であって、以下の工程: (a)治療的有効量の第2の治療剤を含む第2の薬学的組成物を提供する工程、 および (b)該第2の薬学的組成物を患者の心膜間隙に投与する工程、 をさらに包含する、方法。 12.心膜間隙への投与が内部侵入または外部侵入によって達成される、請求項 1に記載の方法。 13.左心房を介する侵入、右心室を介する侵入、および左心室を介する侵入か らなる群から選択される内部侵入を含む、請求項12に記載の方法。 14.開胸手順、最小侵襲手術(MIS)、および経皮的侵入からなる群から選択 される外部侵入を含む、請求項12に記載の方法。 15.注射針、カテーテル、カニューレ、およびトロカール、からなる群から選 択されるデバイスによって促進される経皮的侵入を含む、請求項14に記載の方 法。 16.注射、カテーテル法、レーザーで作製した灌流チャンネルの作製、カニュ ーレ挿入、パーティクルガンの使用、およびポンプの使用からなる群から選択さ れる手順によって達成される心膜間隙への投与を包含する、請求項1に記載の方 法。 17.第1の薬学的組成物が、リポソーム、シクロデキストリンリポソーム、異 種小胞性リポソーム、合成の膜小胞、ゲル、ポリマー、賦形剤、マトリックス、 荷電粒子、および緩衝液からなる群から選択される成分を含む、請求項1に記載 の方法。 18.第2の薬学的組成物が、リポソーム、シクロデキストリンリポソーム、異 種小胞性リポソーム、合成の膜小胞、ゲル、ポリマー、賦形剤、マトリックス、 荷電粒子、および緩衝液からなる群から選択される成分を含む、請求項11に記 載の方法。 19.前記第1の治療剤が以下からなる群から選択される、請求項1に記載の方 法: 抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補 体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、 β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗 血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝のイ ンヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレ ート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗 寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に 欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、およびそれらの 生物学的に活性な誘導体。 20.前記第2の治療剤が以下からなる群から選択される、請求項6に記載の方 法: 抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補 体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、 β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗 血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝のイ ンヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレ ート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗 寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に 欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、およびそれらの 生物学的に活性な誘導体。 21.前記第2の治療剤が以下からなる群から選択される、請求項11に記載の 方法: 抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補 体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、 β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗 血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝のイ ンヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレ ート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗 寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、心筋症の進行中に欠損し 得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、およびそれらの生物学 的に活性な誘導体。 22.前記心筋症の進行中に欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得る タンパク質が、トロポニンCである、請求項19に記載の方法。 23.第1の治療剤が抗腫瘍剤であり、そして抗腫瘍剤が化学治療剤、放射線感 作物質、および放射性移植片からなる群から選択される、請求項19に記載の方 法。 24.第1の治療剤がインヒビターである、請求項1に記載の方法。 25.前記インヒビターが、脂質またはコレステロールの合成または蓄積のイン ヒビター、マクロファージまたは炎症性細胞の漸増または活性化のインヒビター 、 微小管インヒビター、抗炎症剤、抗血栓剤、抗血小板剤、および新内膜増殖のイ ンヒビターからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。 26.前記インヒビターがNFκBのインヒビターである、請求項24に記載の方 法。 27.前記NFκBのインヒビターが、IKB、PDTC、NAC金属キレート化剤、および 抗酸化剤からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。 28.前記第1の治療剤が抗増殖剤であり、そして該抗増殖剤がリボザイム、ア ンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体;c-myb、ras、raf、PI3キナーゼ、および サイクリンのうちの1つに対するインヒビター;自殺タンパク質;自殺遺伝子; 前アポトーシスタンパク質;ならびに前アポトーシス遺伝子からなる群から選択 される、請求項19に記載の方法。 29.前記インヒビターが、タンパク質、ペプチド、オリゴペプチド、または低 分子からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。 30.前記第1の治療剤が前アポトーシスタンパク質であり、そして該前アポト ーシスタンパク質が、fas、fab、およびインターロイキン1b転換酵素からなる 群から選択される、請求項19に記載の方法。 31.前記第1の治療剤が抗脈管形成剤であり、そして該抗脈管形成剤が血小板 因子4、トロンボスポンジン、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、アン ジオスタチン、TFG-β、インターフェロン−α、プロリフェリン関連タンパク質 、それらの生物学的に活性なフラグメント、およびそれらのキメラからなる群か ら選択される、請求項19に記載の方法。 32.前記第1の治療剤が抗生物質であり、そして該抗菌剤が抗ウイルス剤、抗 トリパノソーマ剤、抗細菌剤、および抗真菌剤からなる群から選択される、請求 項19に記載の方法。 33.第1の治療剤が免疫調節剤であり、そして該免疫調節剤が、細胞傷害剤、 ステロイド、シクロスポリン、および補体インヒビターからなる群から選択され る、請求項19に記載の方法。 34.前記免疫調節剤が補体インヒビターであり、そして該補体インヒビターが 、DAF、CAB-2、それらの生物学的に活性なフラグメント、およびそれらのキメラ からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。 35.前記第1の治療剤が抗炎症剤であり、そして該抗炎症剤が、ステロイド、 非ステロイド系抗炎症剤、シクロスポリン、化学治療剤、および補体インヒビタ ーからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。 36.前記第1の治療剤が抗不整脈剤であり、そして該不整脈剤がアデノシン、 キニジン、プロプラノロール、ジゴキシン、リドカイン、ブレチリウム、アミオ ダロン、およびベラパミルからなる群から選択される、請求項19に記載の方法 。 37.前記第1の治療剤が抗昇圧剤であり、該抗昇圧剤がヒドララジン、プロプ ラノロール、心房性ナトリウム排出促進ペプチド、および内皮アンタゴニストか らなる群から選択される、請求項19に記載の方法。 38.前記第1の治療剤が以下からなる群から選択されるポリペプチドである、 請求項1に記載の方法: 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換酵素の インヒビター、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、ウロキ ナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、プ ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、塩基 性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細 胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α(TGF- α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α )、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プ ロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、ヘ パリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝 固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体 、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボスポンジン、 メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプタ ー、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキシドジスム ターゼ(SOD)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、インスリン 様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生物学的に活 性なフラグメント、およびそれらのキメラ。 39.前記第2の治療剤が以下からなる群から選択されるポリペプチドである、 請求項6に記載の方法: 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換酵素の インヒビター、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、ウロキ ナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、プ ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、塩基 性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細 胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α(TGF- α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α )、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プ ロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、ヘ パリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝 固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体 、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボスポンジン、 メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプタ ー、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキシドジスム ターゼ(S0D)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、インスリン 様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生物学的に活 性なフラグメント、およびそれらのキメラ。 40.前記第2の治療剤が以下からなる群から選択されるポリペプチドである、 請求項11に記載の方法: 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換酵素の インヒビター、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、ウロキ ナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、プ ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、塩基 性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細 胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α(TGF- α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α )、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プ ロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、ヘ パリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝 固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体 、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボスポンジン、 メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプタ ー、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキシドジスム ターゼ(S0D)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、インスリン 様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生物学的に活 性なフラグメント、およびそれらのキメラ。 41.前記冠状状態が、冠状動脈閉塞症、虚血症候群、心筋症、不整脈、律動異 常、感染、および炎症状態からなる群から選択される状態である、請求項1に記 載の方法。 42.前記冠状状態が冠状動脈閉塞症であり、そして該冠状動脈閉塞症が、脂質 /コレステロール蓄積、マクロファージ/炎症性細胞漸増、プラーク破裂、血栓症 、血小板蓄積、または新内膜増殖を生じるか、またはそれらに関連する、請求項 41に記載の方法。 43.前記冠状状態が虚血症候群であり、そして該虚血症候群が、心筋梗塞、安 定狭心症、不安定狭心症、冠状動脈閉塞症、または再灌流損傷により生じるか、 またはそれらに関連する、請求項41に記載の方法。 44.前記冠状状態が心筋症であり、そして該心筋症が、虚血症候群、心臓毒性 、感染症、高血圧症、代謝疾患、照射、神経筋疾患、浸潤性疾患、損傷、または 特発性原因を生じるか、またはそれらに関連する、請求項41に記載の方法。 45.前記心筋症が浸潤性疾患により生じ、そして該浸潤性疾患がサルコイドー シス、ヘモクロマトーシス、アミロイドーシス、ファブリー病、およびフルラー 症候群からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。 46.前記心筋症が代謝疾患により生じ、そして該代謝疾患が尿毒症、脚気、お よびグリコーゲン貯蔵疾患からなる群から選択される、請求項44に記載の方法 。 47.前記冠状状態が虚血症候群、心臓毒性、アドリアマイシン、感染症、高血 圧症、代謝異常、照射、神経筋疾患、湿潤疾患、損傷、または特発性原因から生 じるかまたはそれらに関連する不整脈または律動異常である、請求項41に記載 の方法。 48.前記冠状状態が、細菌、ウイルス、真菌類、および寄生虫からなる群から 選択される病原性因子によって引き起こされる感染症である、請求項41に記載 の方法。 49.前記冠状状態が炎症状態であり、そして該炎症状態が心筋炎、心外膜炎、 心内膜炎、免疫心臓拒絶、および、特発性疾患、自己免疫疾患、または結合組織 疾患の1つにより生じる炎症状態に関連する、請求項41に記載の方法。 50.請求項1に記載の方法であって、以下の工程: (c)薬学的組成物を投与する前に心筋層組織のへの第1の治療剤のアクセスを 増大させる工程、 をさらに包含する、方法。 51.前記アクセスを増大させる工程が、第1の治療剤によって心筋層組織の浸 透を増大させる工程および灌流チャンネルを作製する工程からなる群から選択さ れる工程を包含する、請求項50に記載の方法。 52.前記浸透を増大させる工程が、心筋層組織の血管新生を増大させるために 患者の心膜間隙への前脈管形成因子の投与を包含する、請求項51に記載の方法 。 53.浸透を増大させる工程が、前記第1の治療剤の組織浸透を増大させる処方 物において該第1の治療剤を投与する工程を包含する、請求項51に記載の方法 。 記載の方法。 請求項17に記載の方法。 記載の方法。 請求項18に記載の方法。 58.心筋組織を処置する方法であって、以下の工程: (a)梗塞帯または虚血帯を同定する工程、 (b)梗塞帯または虚血帯の領域中の心膜間隙にアクセスする工程、および (c)治療剤を含む薬学的組成物を梗塞帯または虚血帯の領域に送達する工程、 を包含する、方法。 59.前記薬学的組成物が付着ゲル、ポリマー、標的リガンド、標的抗体、およ び低いpHで活性な薬剤からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項58 に記載の方法。 60.前記薬学的組成物が少なくとも2つの治療剤の組み合わせを含む、請求項 58に記載の方法。 61.前記治療剤が以下からなる群から選択される、請求項58に記載の方法: 抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補 体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、 β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗 血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝のイ ンヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレ ート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗 寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に 欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、およびそれらの 生物学的に活性な誘導体。 62.前記治療剤が以下からなる群から選択されるポリペプチドを含む、請求項 58に記載の方法: 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換酵素の インヒビター、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、ウロキ ナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、プ ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、塩基 性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細 胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α(TGF- α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α )、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プ ロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、ヘ パリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝 固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体 、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボスポンジン、 メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプタ ー、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキシドジスム ターゼ(S0D)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、インスリン 様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生物学的に活 性なフラグメント、およびそれらのキメラ。 63.前記治療剤がFGFポリペプチドである、請求項58に記載の方法。 64.前記FGFポリペプチドがbFGF、aFGF、およびFGF-5からなる群から選択され る、請求項63に記載の方法。 65.前記治療剤がIGF-Iポリペプチドである、請求項58に記載の方法。 66.心膜間隙への治療剤の投与のために心膜間隙にアクセスする方法であって 、以下の工程: (a)心膜/心外膜の癒着を溶解し得る薬剤を提供する工程、 (b)該薬剤を心膜間隙に投与する工程、 を包含する、方法。 67.請求項66に記載の方法であって、以下の工程: (c)心膜間隙を拡大する工程、 をさらに包含する、方法。 68.前記心膜間隙を拡大する工程が液体または気体の一時的な投与を包含する 、請求項67に記載の方法。 69.前記心膜/心外膜の癒着を溶解し得る薬剤が任意のフィブリン溶解剤、組 織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ 、コラゲナーゼ、およびマトリックスメタロプロテアーゼからなる群から選択さ れる薬剤である、請求項66に記載の方法。 70.前記治療剤が以下からなる群から選択される、請求項66に記載の方法: 抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補 体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、 β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗 血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝のイ ンヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレ ート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗 寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に 欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、およびそれらの 生物学的に活性な誘導体。 71.前記治療剤が以下からなる群から選択されるポリペプチドを含む、請求項 66に記載の方法: 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換酵素の インヒビター、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、ウロキ ナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、プ ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、塩基 性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細 胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α(TGF- α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α )、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プ ロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、ヘ パリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝 固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体 、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボスポンジン、 メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプタ ー、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキシドジスム ターゼ(SOD)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、インスリン 様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生物学的に活 性なフラグメント、またはそれらのキメラ。 72.冠状状態を処置するために心膜内投与される治療剤の使用であって、ここ で、該治療剤が以下からなる群から選択される、治療剤の使用: 抗アポトーシス剤、血栓崩壊剤、前脈管形成剤、抗不整脈剤、収縮性改善剤、補 体ブロッカー、再灌流損傷のインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、 β-ブロッカー、後負荷低減剤、前負荷低減剤、血管作用剤、抗血栓溶解剤、抗 血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、反応性酸素代謝のイ ンヒビター、抗脈管形成剤、筋細胞増殖因子、血管作用剤、心臓保護剤、鉄キレ ート化剤、抗昇圧剤、抗インテグリン剤、前アポトーシス剤、抗ウイルス剤、抗 寄生虫剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗腫瘍剤、および心筋症の進行中に 欠損し得るかもしくはダウンレギュレートされ得るタンパク質、およびそれらの 生物学的に活性な誘導体。 73.冠状状態を処置するために心膜内投与される治療剤の使用であって、ここ で、冠状状態を処置するための該治療剤が以下からなる群から選択される、治療 剤の使用: 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、インターロイキン1β転換酵素の インヒビター、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、ウロキ ナーゼ、ストレプトキナーゼ、α2プラスミンインヒビターのインヒビター、プ ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)のインヒビター、塩基 性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、脈管内皮細 胞増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング増殖因子α(TGF- α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α )、血小板由来増殖因子(PDGF)、胎盤増殖因子(PGF)、肝細胞増殖因子、プ ロリフェリン、崩壊促進因子、CAB-2、組織因子経路インヒビター(TFPI)、ヘ パリン、ヒルジン、プロテインC、プロテインS、抗トロンビンIII、ダニ抗凝 固ペプチド(TAP)、抗スタシン、糖タンパク質IIb/IIaアンタゴニスト、抗体 、ヘルペスチミジンキナーゼ、fas、faf、血小板因子4、トロンボスポンジン、 メタロプロテイナーゼの組織インヒビター、プロラクチン、bFGF可溶性レセプタ ー、プロリフェリン関連タンパク質、筋細胞増殖因子、スーパーオキシドジスム ターゼ(SOD)、トロポニンC、β-アドレナリン作用性レセプター、インスリン 様増殖因子I(IGF-I)、線虫抗凝固タンパク質(NAP)、それらの生物学的に活 性なフラグメント、およびそれらのキメラ。 74.心筋症の処置のために心膜内送達されるトロポニンCの使用。 75.心臓のガンの処置のために、化学治療剤、放射線感作物質、および放射性 移植片からなる群から選択される、心膜内送達される抗腫瘍剤の使用。 76.心臓血管適応症を処置するために、脂質またはコレステロールの合成また は蓄積のインヒビター、マクロファージまたは炎症性細胞の漸増または活性化の インヒビター、微小管インヒビター、抗炎症剤、抗血栓剤、抗血小板剤、および 新内膜増殖のインヒビターからなる群から選択される、心膜内送達されるインヒ ビターの使用。 77.リボザイム;アンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体;c-myb、ras、raf 、PI3キナーゼ、またはサイクリンに対するインヒビター;自殺タンパク質;自 殺遺伝子;前アポトーシスタンパク質;および前アポトーシス遺伝子からなる群 から選択される、細胞増殖によって特徴づけられる冠状状態を処置するための心 膜内送達される抗増殖剤の使用。 78.血小板因子4、トロンボスポンジン、メタロプロテイナーゼの組織インヒ ビター、アンジオスタチン、TFG-β、インターフェロンα、プロリフェリン関連 タンパク質、それらの生物学的に活性なフラグメント、およびそれらのキメラか らなる群から選択される、冠状状態を処置するための心膜内送達される抗脈管形 成剤の使用。 79.冠状感染を処置するための、抗ウイルス剤、抗トリパノソーマ剤、抗細菌 剤、および抗真菌剤からなる群から選択される、心膜内送達される抗菌剤の使用 。 80.冠状状態を処置するための、細胞傷害剤、ステロイド、シクロスポリン、 および補体インヒビターからなる群から選択される、心膜内送達される免疫調節 剤の使用。 81.炎症によって特徴づけられる冠状状態を処置するための、ステロイド、非 ステロイド系抗炎症剤、シクロスポリン、化学治療剤、および補体インヒビター からなる群から選択される、心膜内送達される抗炎症剤の使用。 82.冠状状態を処置するための、アデノシン、キニジン、プロプラノロール、 ジゴキシン、リドカイン、ブレチリウム、アミオダロン、およびベラパミルから なる群から選択される、心膜内送達される抗不整脈剤の使用。 83.冠状状態を処置するために、ヒドララジン、プロプラノロール、心房性ナ トリウム排出促進ペプチド、および内皮アンタゴニストからなる群から選択され る、心膜内送達される抗昇圧剤の使用。 84.前記第1の治療剤がL-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼを含む、請求項 1に記載の方法。 85.請求項84に記載の方法であって、以下の工程: (c)L-ドーパ、チロシン、チロシンヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレ オチド、およびチロシンヒドロキシラーゼポリペプチドからなる群から選択され る第2の治療剤を投与する工程、 をさらに包含する、方法。 86.前記第1の治療剤が脈管上皮細胞増殖因子(VEGF)、その生物学的に活性 なフラグメント、またはそのキメラを含む、請求項1に記載の方法。
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