JP2002515070A - Il−5受容体に結合するペプチドおよび化合物 - Google Patents

Il−5受容体に結合するペプチドおよび化合物

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Abstract

(57)【要約】 IL−5受容体に結合するペプチドおよび模倣ペプチドが記載される。かかるペプチドおよび模倣ペプチドは、異常なIL−5の産生およびそれに対する応答、または喘息のような好酸球の産生および蓄積を伴う疾患の治療法、ならびに標識ペプチドを使用する診断法に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 IL−5受容体に結合するペプチドおよび化合物 発明の背景 本発明は、インターロイキン5受容体(IL−5R)に結合するペプチドおよ び化合物、インターロイキン5(IL−5)のアッセイ法、およびIL−5のI L−5Rへの結合を阻害する方法に関する。本発明は生化学および医化学の分野 に用途を有し、特にヒトの疾病の治療で使用されるIL−5アンタゴニストを提 供する。 インターロイキン5(IL−5またはIL5)は、B細胞と好酸球に対して生 物学的活性を有するT細胞および肥満細胞によって分泌される1種のリンホカイ ンである。ネズミの造血においては、IL−5は好酸球系統の増殖および分化の ための選択的シグナルである。Yamaguchi et al.(1988)J .Exp.Med. 167:43-5 6を参照。これに関しては、IL−5の機能は他の骨髄系統に関するコロニー刺 激因子との類似性を示す。また、ヒト(h)IL−5は、ヒト好酸球の活性化に 非常に効力がある。Lopez et al.(1988)J .Exp.Med. 167:219-224およびSaito et al.(1988)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 85:2288-2292を参照。 IL−5は細胞膜受容体複合体を通じてその活性を媒介する。この複合体は目 ネズミ系およびヒト系の双方で物理化学的に同定されている。増殖に関してIL −5に依存するマウス・プレB細胞系統が骨髄から開発され、IL−5受容体の 分析に使用されている。Rolink et al.(1989)J .Exp.Med. 169:1693-1701を参 照。ヒトIL−5受容体は、好酸球の分化に向かうよう誘導された前骨髄細胞系 統サブクローンHL60について研究可能である。Plaetinck et al.(1990)J Exp.Med. 172:683-691を参照。 好酸球の分化はブチル酸ナトリウムを用いて開始される。これらの細胞では親 和性の高い(Kd=30pM)のIL−5結合部位しか認められない。しかしな がら、架橋研究によりIL−5結合に関与する2種のポリペプチド鎖、すなわち IL−5−α鎖およびIL−5−β鎖が存在することが明らかである。Devos et al.カナダ特許公報第2,058,003号には、ヒトIL−5の組換え型ア ミノ酸鎖またはその一部、かかる前駆体またはその一部をコードするDNA配列 、およびかかるベクターで形質転換された宿主細胞が記載されている。Takatsu et al.欧州特許公報第475,746号には、ネズミおよびヒトIL−5受容体 をコードする単離cDNA配列が提供されている。 慢性喘息または好酸球増加であることが証明された他の病状においては、可溶 性のヒトIL−5R−α鎖が、IL−5アンタゴニストとして使用できる。好酸 球とは、顆粒球系統の白血球である。それらの通常の機能は寄生体感染、特に蠕 虫感染と闘うことであると思われる。しかしながら、組織におけるそれらの蓄積 である、好酸球増加症と呼ばれる症状はまた、いくつかの病状、最も著しくは喘 息にも関与している。重い喘息発作時の気管支の上皮内層の損傷は主として好酸 球の脱顆粒により放出される化合物によって引き起こされると考えられる。 米国特許第5,096,704号は、好酸球の産生および蓄積を阻害するため にIL−5の刺激作用をブロックする化合物を使用することを開示している。I L−5の刺激作用は、好ましくはモノクローナル抗体または標準的な技術によっ てそれから誘導された結合組成物を用いて、ヒト・インターロイキン−5のアン タゴニストの有効量を投与することによりブロックされた。モノクローナル抗体 は、in vitroコロニー形成アッセイでの好酸球の増殖および発達を剌激する能力 、ならびにin vivoで継代されるBCL1リンパ腫細胞のin vitro増殖を増大さ せる能力といった、それらの標準的なIL−5バイオアッセイにおいてIL−5 が誘導する作用を阻害する能力によって選択された。抗体断片、例えばFab断 片 の使用も報告されている。 現在のところ、グルココルチコイドステロイドは、喘息などアレルギー性疾患 の急性作用を治療するための最も有効な薬剤である。しかしながら、ステロイド の長期にわたって使用するとある種の副作用が伴う。さらにステロイドは、罹患 組織において好酸球などの顆粒細胞の産生または蓄積に明確に作用するわけでは ない。好酸球増加症を伴う疾患の治療に対する代替または補足的アプローチが利 用できることは、臨床上重要な有用性を持っているであろう。 可溶性IL−5R誘導体をはじめとするIL−5Rのクローン化遺伝子が利用 できれば、これら重要な受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを容易に探せ るようになる。組換え受容体タンパク質が利用できれば、多様なランダムおよび 半ランダムペプチド多様性発生系における受容体−リガンド相互反応の研究が可 能となる。これらの系としては、米国特許第5,270,170号に記載の「プ ラスミドにおけるペプチド(peptides on plasmids)」系、米国特許第5,432 ,018号に、またCwirla et al.,(1990)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 87:637 8-6382に記載の「ペプチド・ファージ(peptides on phage)」系、ならびに米国 特許第5,143,854号;1990年11月13日公開のPCT特許公報第 90/15070号;Fodor et al.,1991年2月15日,Science 251:767- 773;Dower and Fodor(1991)Ann.Rep.Med.Chem.26:271-180記載の「大規 模固定化ポリマー合成」系が挙げられ、前記の特許出願および公報の各々は引用 することにより本明細書の開示の一部とされる。 喘息は工業国で最も一般的な慢性疾患となった。従来の方法および治療薬は総 ての患者における喘息または他の免疫介在性炎症性疾患の治療において必ずしも 有効でないかもしれない。さらに、この受容体が介在する重要な生物学的活性の 研究および疾患の治療の双方のためには、IL−5Rと結合するか、そうでなけ れば相互作用する化合物が依然として必要である。本発明はかかる化合物を提供 する。 発明の概要 本発明は、ある部分、確認された低分子量のペプチドおよび模倣ペプチドがI L−5Rに対して強い結合特性を有するという新規かつ予期されない発見に向け られる。従ってかかるペプチドおよび模倣ペプチドはIL−5が介在する、また はIL−5の異常な産生もしくはそれに対する応答を伴う症状を治療するという 治療目的に有用であり、これを使用して好酸球の産生および蓄積を阻害すること ができる。これらの化合物は特に喘息の治療での用途が見出せよう。従って本発 明はまた、IL−5インヒビターによる処理に感受する疾患を有する患者を治療 する方法を提供し、ここでは患者は治療上有効な用量または量の本発明の化合物 を受容する、または投与される。 治療薬および/または診断目的に適したペプチドおよび模倣ペプチドは、下記 の実施例2で示された結合親和性アッセイによって測定されたようにIC50が約 2mM以下である。なお、IC50が低いほど、相関してIL−5Rに対する結合 親和性が強くなる。医薬目的のためには、ペプチドおよび模倣ペプチドのIC5 0は好ましくは約100μm以下である。好ましい具体例では、ペプチドおよび 模倣ペプチドの分子量は約250〜5000ダルトンである。 診断目的に使用する場合、ペプチドおよび模倣ペプチドは検出可能な標識で標 識することが好ましく、従って、かかる標識を持たないペプチドおよび模倣ペプ チドは標識されたペプチドおよび模倣ペプチドの製造における中間体として役に 立つ。 所定の分子量およびIL−5Rに対する結合親和性の基準に適合するペプチド は、12個以上のアミノ酸を含んでなり、ここでアミノ酸は自然に存在するアミ ノ酸または合成(自然には存在しない)アミノ酸である。模倣ペプチドとしては 、下記の修飾: 1以上のペプチジル[−C(O)NR−]結合が、−CH2−カルバメート結 合[−CH2−OC(O)NR−];ホスホネート結合;−CH2−スルホンアミド [−CH2−S(O)2NR−]結合;尿素[−NHC(O)NH−]結合;−C H2−第二アミン結合;またはアルキル化ペプチジル結合[−C(O)NR6−( ここで、R6は低級アルキルである)]などの非ペプチジル結合で置換されている ペプチド; N末端が、−NRR1基へ;NRC(O)R基へ;−NRC(O)OR基へ; −NRS(O)2R基へ;−NHC(O)NHR基へ{ここで、RおよびR1は水 素または低級アルキルである(ただしRおよびR1は双方ともに水素ではない)} ;スクシンイミド基へ;ベンジルオキシカルボニル−NH−(CBZ−NH−) 基へ;または低級アルキル、低級アルコキシ、クロロおよびブロモからなる群か ら選択されるフェニル環に1〜3個の置換基を有するベンジルオキシカルボニル −NH−基へと誘導体化されたペプチド;または C末端が、−C(O)R2(ここで、R2は低級アルコキシからなる群から選択 される)へ、および−NR34(ここで、R3およびR4はそれぞれ水素および低 級アルキルからなる群から選択される)へと誘導体化されたペプチド のうち1以上を有するペプチドが挙げられる。 従って、好ましいペプチドおよび模倣ペプチドは、 (1)分子量が約5000ダルトン未満であり、かつ、 (2)IC50で表されるIL5−Rに対する結合親和性が約100μm以下で あり、 ペプチドの−C(O)NH−結合の0〜総てが、 −CH2OC(O)NR−結合;ホスホネート結合;−CH2S(O)2NR−結 合;−CH2NR−結合;−C(O)NR6−結合;および−NHC(O)NH− 結合(ここで、Rは水素または低級アルキルであり、かつR6は低級アルキルで ある) からなる群から選択される結合で置換されており、 さらに、ペプチドまたは模倣ペプチドのN末端が、−NRR1基;−NRC( O)R基;−NRC(O)OR基;−NRS(O)2R基;−NHC(O)NH R基;スクシンイミド基;ベンジルオキシカルボニル−NH−基;および低級ア ルキル、低級アルコキシ、クロロおよびブロモからなる群から選択されるフェニ ル環に1〜3個の置換基を有するベンジルオキシカルボニル−NH−基(ここで 、RおよびR1はそれぞれ水素および低級アルキルからなる群から選択される) からなる群から選択され、 さらにまた、ペプチドまたは模倣ペプチドのC末端が、式−C(O)R2{こ こで、R2はヒドロキシ、低級アルコキシ、および−NR34(ここで、R3およ びR4はそれぞれ水素、および低級アルキルからなる群から選択され、かつ、− NR34基の窒素原子は所望によりペプチドのN末端のアミノ基であって環状ペ プチドを形成することができる)からなる群から選択される}を有する 化合物、および生理学上許容されるその塩を含んでなる。 関連する具体例では、本発明は共有結合した検出可能な標識を有する、前記の ようなペプチドおよび模倣ペプチドを含んでなる標識ペプチドおよび標識模倣ペ プチドに向けられる。 特に好ましい具体例では、ペプチドは12個〜40個またはそれ以上のアミノ 酸残基長、好ましくは12個〜25個のアミノ酸残基長であり、下記: CWRSVATHTWFCG(配列番号1); CWRSVATHTWFCGE(配列番号2); CWRSVATHTWFCGEE(配列番号3); EGDCWRSVATHTWMCGVE(配列番号4); EVECWRSVATHTWFCGED(配列番号5); GGGVEVCTRSVATHSWVCGID(配列番号6); LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE(配列番号7); VDECWRLVATHTWFCGDD(配列番号8); VDECWRSVATHTWFCGEE(配列番号9); VEDCWRSVATHTWFCGED(配列番号10); VLDCWRSVATHSWFCGED(配列番号11); VVDCWRSVATHSWFCGEE(配列番号12); VVDCWRSVATHTWFCG(配列番号13); VVDCWRSVATHTWFCGE(配列番号14); VVDCWRSVATHTWFCGED(配列番号15); CWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号16); CWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号17); CWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号18); LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号19); VVDCWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号20)および VVDCWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号21) から選択されるアミノ酸コア配列を含んでなる。 本発明はまた、本明細書に記載の1以上の化合物と生理学上許容される担体を 含んでなる医薬組成物を提供する。これらの医薬組成物は経口投与形、ならびに 吸入可能な粉末および溶液、および注射可能なまた注入可能な溶液をはじめとす る種々の形態であることができる。 具体的態様の説明 1.定義および一般パラメーター ここで本発明を記載するために使用される種々の用語の意味と範囲を例示およ び定義するため、下記の定義を示す。 本明細書において、「低級」とは、1〜6個の炭素原子を有する基をいう。 本明細書において、「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖ま たは分枝炭化水素鎖をいう。 本明細書において、「アルコキシ」とは、基RaO−(ここで、Raはアルキル である)をいう。 「医薬上許容される塩」とは、当技術分野で十分公知の方法により製造される ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アン モニウムおよびプロタミン亜鉛塩をはじめとする、一般に医薬産業で使用される 無毒なアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウム塩をいう。またこ の用語には、一般に本発明の化合物を好適な有機または無機酸と反応させること によって製造される無毒な酸付加塩が含まれる。代表的な塩としては、塩酸塩、 臭化水素酸塩、硫酸塩、二硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸 塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、ク エン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、ナプシル酸塩など が挙げられる。 「医薬上許容される酸付加塩」とは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸 などの無機酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュ ウ酸、リンゴ酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸 、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メンタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p −トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸と形成される、生物学的有効性 と遊離塩基の特性を保持し、かつ、生物学的にまたはそれ以外の点で望ましくな いものではない塩をいう。プロドラッグとしての医薬上許容される酸付加塩の記 載に関しては、Bundgaard H.,前記を参照。 「医薬上許容されるエステル」とは、エステル結合の加水分解の際に、生物学 的有効性とカルボン酸またはアルコールの特性を保持し、生物学的にまたはそれ 以外の点で望ましくないものではないエステルをいう。プロドラッグとして医薬 上許容されるエステルの記載に関しては、Bundgaard,H.,ed.,(1985)Design of Prodrugs ,Elsevier Science Publishers,Amsterdamを参照。これらのエステ ルは典型的には、対応するカルボン酸およびアルコールから形成される。一般に 、エステル形成は通常の合成技術により達成できる(例えば、March Advancd Org anic Chemistry ,3th Ed.,John Wiley & Sons,New York(1985)p.1157および そこに挙げられている参照文献、ならびにMark et al.Encyclopedia of Chemic al Technology ,John Wiley & Sons,New York(1980)を参照)。エステルのアル コール成分は一般に、(i)1以上の二重結合を含んでいても含んでいなくても よく、また、分枝炭素鎖を含んでいても含んでいなくてもよいC2−C12脂肪族 アルコール、または(ii)C7−C12芳香族アルコールもしくはヘテロ芳香族 アルコールを含んでなるであろう。本発明はまた、本明細書に記載されたような 双方のエステルであり、同時に医薬上許容されるその酸付加塩である組成物の使 用を意図している。 「医薬上許容されるアミド」とは、アミド結合の加水分解の際に、生物学的有 効性とカルボン酸またはアミンの特性を保持し、生物学的にまたはそれ以外の点 で望ましくないものではないアミドをいう。プロドラッグとして医薬上許容され るアミドの記載に関しては、Bundgaard,H.,ed.,(1985)Design of Prodrugs,E lsevier Science Publishers,Amsterdamを参照。これらのアミドは典型的には 、対応するカルボン酸およびアミンから形成される。一般に、アミド形成は通常 の合成技術により達成できる(例えば、March Advancd Organic Chemistry,3th Ed.,John Wiley & Sons,New York(1985)p.1157およびMark et al.Encyclop edia of Chemical Technology ,John Wiley & Sons,New York(1980)を参照)。 本発明はまた、本明細書に記載されたような双方のアミドであり、同時に医薬上 許容されるその酸付加塩である組成物の使用を意図している。 「医薬上または治療薬上許容される担体」とは、有効成分の生物学的活性の有 効性を妨げず、かつ、宿主または患者に無毒な担体媒質をいう。 「立体異性体」とは、原子団の形成が異なる以外は、もう一方の化合物と同一 の分子量、化学組成、および構成を有する化学化合物をいう。すなわち、ある同 じ化学成分の空間配置が異なり、ゆえに、純粋な場合には偏光面を回転させるこ とができる。しかしながら、いくつかの純粋な立体異性体は、現在の装置では検 出できないほどわずかな旋光性しか持たないものがある可能性がある。本発明の 化合物は、1以上の非対称炭素原子を有するので、種々の立体異性体を含む。立 体異性体は総て本発明の範囲内に含まれる。 「治療上または医薬上有効な量」とは、本発明の化合物に対して用いられる場 合、所望の生物学的結果を引き起こすのに十分な化合物の量をいう。その結果と は、疾病の兆候、症状もしくは経過の軽減、または他のいずれの生物系の変化で あってもよい。本発明では、その結果とは、典型的には感染もしくは組織の損傷 に対する免疫学的および/または炎症性応答の低下を含む。 ペプチドのアミノ酸残基は下記のように略記される: フェニルアラニンはPheまたはF;ロイシンはLeuまたはL;イソロイシン はIleまたはI;メチオニンはMetまたはM;バリンはValまたはV;セ リンはSerまたはS;プロリンはProまたはP;トレオニンはThrまたは T;アラニンはAlaまたはA;チロシンはTyrまたはY;ヒスチジンはHi sまたはH;グルタミンはGlnまたはQ;アスパラギンはAsnまたはN;リ ジンはLysまたはK;アスパラギン酸はAspまたはD;グルタミン酸はGl uまたはE;システインはCysまたはC;トリプトファンはTrpまたはW; アルギニンはArgまたはR;およびグリシンはGlyまたはG。 天然に存在するアミノ酸のみからなるペプチドの他、模倣ペプチドまたはペプ チド類似体もまた提供される。ペプチド類似体は一般に鋳型ペプチドと類似する 特性を有する非ペプチド系薬剤として製薬産業で使用されている。これらのタイ プの非ペプチド系化合物は、「模倣ペプチド」と呼ばれている(Fauchere,J.(1 986)Adv.Drug Res.15:29;Veber and Freidinger(1985)TINS p.392;およびEv ans et al.(1987)J.Med.Chem.30:1229,これらは引用することにより本明細 書の一部とされる)。同等のもしくは高い治療または予防効果をもたすために、 治療上有用なペプチドと構造的に同じ模倣ペプチドを使用してもよい。一般に、 模倣ペプチドは、天然に存在する受容体結合ポリペプチドなどの典型ペプチド( すなわち、生物学的または薬理学的活性を有するポリペプチド)と構造的に同じ であるが、所望により、当技術分野で公知であり、またさらに以下の参照文献: 各々引用することにより本明細書の開示の一部とされるSpatola,A.F.in Chemi stry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins,B.Weinstei n,eds.,Marcel Dekker,New York,p.267(1983);Spatola,A.F.,Vega Data(M arch 1983),Vol.1,Issue 3,Peptide Backbone Modifications(general revi ew);Morley,Trends Pharm Sci(1980)pp.463-468(general review);Hudson,D .et al.,(1979)Int J Pept Prot Res 14:177-185(−CH2NH−、CH2CH2 −);Spatola et al.,(1986)Life Sci 38:1243-1249(−CH2−S);Hann(198 2)J.Chem.Soc.Perkin Trans.I 307-314(−CH−CH−、シスおよびトラ ンス);Almquist et al.,(1980)J Med Chem 23:1392-1398(−COCH2−);Je nnings-White et al.,(1982)Tetrahedron Lett 23:2533(−COCH2−);Szel ke et al.,(1982)European Appln.EP 45665 CA:97:39405(1982)(−CH(O H)CH2−);Holladay et al.,(1983)Tetrahedron Lett 24:4401-4404(−C H(OH)−);およびHruby(1982)Life Sci 31:189-199(−CH2−S−)に 記載されている方法により、−CH2NH−、−CH2S−、−CH2−CH2−、 −CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH2−、−CH(OH)CH2− および−CH2SO−からなる群より選択される 結合で置換された1以上のペプチド結合を有する。特に好ましい非ペプチド結合 は、−CH2NH−である。かかる模倣ペプチドは、例えば、より経済的な生産 、より高い化学安定性、薬理学的特性の向上(半減期、吸収、有用性、効力など) 、特性の変化(例えば、広範な生物学的活性)、抗原性の低下などをはじめとする 、ポリペプチドの具体例に優る著しい利点を有する可能性がある。模倣ポリペプ チドの標識には通常、構造−活性データの定量および/または分子モデリングに よって推定される模倣ポリペプチド上の非妨害部位への、直接またはスペーサー (例えば、アミド基)を介しての、1以上の標識の共有結合が伴う。かかる非妨 害部位とは、一般に、模倣ペプチドが結合して治療効果をもたらす高分子(例え ば、免疫グロブリンスーパーファミリー分子)との直接的接触を形成しない部位 である。模倣ペプチドの誘導体化(例えば、標識)は、模倣ペプチドの所望の生 物学的または薬理学的活性を実質的に妨げてはならない。一般に、受容体結合性 ペプチドの模倣ペプチドは、高い親和性で受容体に結合し、検出可能な生物学的 活性を有する(すなわち、1以上の受容体介在性表現型変異に対するアゴニスト またはアンタゴニストである)。 同種のD−アミノ酸(例えば、L−リジンの代わりとしてのD−リジン)と共 通の配列の1以上のアミノ酸の系統的置換を用いて、より安定なペプチドを作出 してもよい。さらに、共通の配列または実質的に同一の共通配列の変異型を含ん でなる不自然なペプチドを、当技術分野で公知の方法(引用することにより本明 細書の開示の一部とされるRizo and Gierasch(1992)Ann .Rev.Biochem61:3 87)により、例えば、ペプチドを環化させる分子内ジスルフィド架橋を形成でき る内部システイン残基を付加するすることにより作出してもよい。 「Acm」とは、アセトアミドメチル保護基をいう。 II.概要 本発明は、IL−5Rに結合する化合物を提供する。これらの化合物は、「リ ーダー」ペプチド化合物と、リーダー化合物と同一のまたは類似の分子構造また は形を有するが、加水分解もしくはタンパク質分解の受けやすさに関して、およ び/または受容体に対する親和性などの他の生物学的特性に関しては異なるよう 構築された「誘導体」化合物を含んでいる。本発明はまた、有効なIL−5R結 合性化合物、IL−5ブロッキング化合物、およびさらに詳しくはIL−5の過 剰発現または好酸球の産生および蓄積を伴う疾患を治療するのに有用な化合物を 含んでなる組成物を提供する。 III.IL−5Rと結合するペプチドの同定 A.受容体 固定化α鎖、β鎖およびヘテロ二量体、ならびにIL−5受容体の一本鎖の細 胞外ドメインは組換え宿主細胞で産生させた。IL−5受容体をコードするDN Aは、公開されている受容体配列から得たプライマーを用いて、TF−1細胞由 来のcDNAのPCRにより得た。各々引用することにより本明細書の開示の一 部とされるMurata(1992)J .Exp.Med175:341-351およびHayashida(1990)P roc .Natl.Acad.Sci.USA 87:9655-9659を参照。IL−5Rの1つの有用な形 態は、標準法を用いて、バキュウロウイルスで形質転換した宿主細胞内で可溶性 タンパク質として発現させることにより構築され、もう1つの有用な形態は、タ ンパク質分泌および糖リン酸脂質膜アンカー結合に関するシグナルペプチドを用 いて構築される。この形態のアンカー結合は「PIG−テーリング(PIG-tailing )」と呼ばれる。Caras and Wendell(1989)Science 243:1196-1198およびLin e t al.(1990)Science 249:677-679を参照。 PIG−テーリング系を使用すると、受容体を、ホスホリパーゼCにより、そ の受容体を発現している細胞(例えば、セルソーターによって、高レベル発現受 容体に関して選抜された形質転換CHO細胞)の表面から切断することができる 。切断された受容体は依然として、「HPAPテール」と呼ばれる、膜の結合に 関するシグナルタンパク質に由来するアミノ酸のカルボキシ末端配列を含んでな り、さらに精製せずに固定化できる。この組換え受容体タンパク質は、抗HPA Pテール抗体(Ab179)でマイクロタイタープレートのウェルを被覆し、P BS中のウシ血清アルブミン(BSA)で非特異的な結合をブロッキングし、次 いで切断した組換え受容体を抗体と結合させることにより固定化できる。この手 法を用いる場合は、異なる組換えタンパク質調製物は、異なる量の所望タンパク 質を含んでいることがしばしばあるので、種々の受容体濃度で固定化反応を行っ て、得られた調製物の最適な量を決定しなければならない。さらに、親和性増強 工程間、(IL−5Rまたは他のいくつかのブロッキング化合物で)固定化抗体 が確実に完全にブロッキングされていなければならない。そうでなければ、ブロ ッキングされていない抗体は親和性増強工程の間、望ましくないファージと結合 可能となる。この問題を回避するために、固定化抗体と結合するペプチドを使用 して、受容体を固定化した後に残っている非結合部位をブロッキングすることが できるし、あるいは、単に、固定化抗体を用いずにマイクロタイタープレートの ウェルに直接受容体固定化することもできる。Koller et al.(1997)Anal .Bioc hem. 250:51-60を参照。 親和性のより高いペプチドを識別するためには、しばしば一価の受容体プロー ブが用いられる。このプローブは、プロテインキナーゼAを用いて産生され、可 溶性受容体のC末端と融合したケンプチド配列がリン酸化される。次いで、この 「操作型」のIL−5受容体αおよびβ鎖を、宿主細胞、典型的にはCHO細胞 で発現させる。受容体のPI−PLCを回収した後、一価のプローブとして用い るためにその受容体を、高い特異的活性に対して33Pまたは32Pで標識し、コロ ニーリフトにより親和性の高いリガンドを同定する。 B.ペプチド IL−5Rと結合するペプチドの同定を助けるための好ましいスクリーニング 方法は、まず、受容体と結合するリーダーペプチドを同定し、次いで、リーダー ペプチドに類似した他のペプチドを作製することを含む。明示すれば、ファージ 系におけるpIIIまたはpVIIIに基づくペプチドを用いると、ランダムライブラ リーがスクリーニングされ、IL−5Rと結合するペプチドを提供するファージ が発見できる。このDNAを配列決定して、ファージ表面に提示されたペプチド 配列を決定する。また、ペプチドスクリーニングおよび突然変異誘発研究のため には、「プラスミドにおけるペプチド」技術も用いたが、これはあらゆる目的で 引用することにより本明細書の開示の一部とされる米国特許第5,338,66 5号により詳細に記載されている。さらに、ランダムペプチドスクリーニングお よび突然変異誘発研究は、ディスプレー価を低下させた改変型のC末端Lac− Iディスプレー系(「ヘッドピース・ダイマー」ディスプレー系)を用いて行った 。 α鎖特異的クローンおよびIL−5Rのβ鎖と特異的に結合できるクローンが 同定された。これらのペプチドの配列は、最初に同定されたペプチドの誘導体を 高頻度で含むよう設計された他のライブラリーの構築のための基礎として役立つ 。 本発明の好ましい化合物の代表的な一覧が下記の表1および2に示されている 。表1 化合物 CWRSVATHTWFCG(配列番号1) CWRSVATHTWFCGE(配列番号2) CWRSVATHTWFCGEE(配列番号3) EGDCWRSVATHTWMCGVE(配列番号4) EVECWRSVATHTWFCGED(配列番号5) GGGVEVCTRSVATHSWVCGTD(配列番号6) LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE(配列番号7) VDECWRLVATHTWFCGDD(配列番号8) VDECWRSVATHTWFCGEE(配列番号9) VEDCWRSVATHTWFCGED(配列番号10) VLDCWRSVATHSWFCGED(配列番号11) VVDCWRSVATHSWFCGEE(配列番号12) VVDCWRSVATHTWFCG(配列番号13) VVDCWRSVATHTWFCGE(配列番号14) VVDCWRSVATHTWFCGED(配列番号15) 上に挙げた化合物の他、本発明の好ましい化合物はまた、より詳細には下記に 議論されるような前記化合物の種々の誘導体を含んでいた。表2 化合物 CWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号16) CWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号17) CWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号18) LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号19) VVDCWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号20) VVDCWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号21) ここで、−(NH2)は、化合物のカルボキシ末端がアミド化されていること を示す。 C.親和性 IC50値を評価するには種々の方法が使用できる。例えば、[125−I]I L−5結合アッセイを用いて、ペプチドがIL−5受容体α鎖の細胞外ドメイン へのIL−5の結合を阻害するかどうかを調べた。別法として、いくつかのペプ チドについては、マイクロフィジオメーターアッセイ(microphysiometer assay) を用いて、ペプチドがTF−1細胞のIL−5(5ng/ml)に対する応答を 処断したかどうかを調べた。 これらのペプチドがIL−5介在生シグナル伝達に作用があるかどうかを調べ るため、IL−5応答性ヒト白血病細胞系、TF−1を用いるマイクロフィジオ メーターアッセイで、それらをIL−5Rアゴニストおよびアンタゴニスト活性 に関して試験した。一晩IL−5飢餓状態にした後、細胞培養培地にIL−5を 添加すると、これらの細胞は代謝活性を迅速かつ強力に高めた。好ましい化合物 をTF−1細胞マイクロフィジオメーターアッセイで試験し、10μM濃度で試 験した場合、400pMのIL−5に対する細胞の応答がほとんど完全に遮断さ れることがわかった。このペプチドは、厳密なマイクロフィジオメーターアッセ イIC50値を求めるのに十分に高い親和性を持っていた。 典型的には、IC50値は遊離ペプチドを用いて求めた。IC50値は、所望によ りC末端がアミド化可能か、またはエステルもしくは他のカルボキシアミドとし て製造可能である遊離ペプチドを用いて求めることができる。プラスミドライブ ラリーのペプチドから同定されたペプチドについては、IC50値は典型的には親 のMBP融合体と対応する合成ペプチドの双方で評価した。ファージによって提 示された正確な配列を再び作出するため、合成ペプチドのN末端およびC末端ア ミノ酸はしばしば1つまたは2つのグリシン残基で置換される。これらのグリシ ンは結合または活性に必要であると考えられているわけではない。 約100mMより高いIC50値を有するペプチドおよび模倣ペプチドは、本発 明の診断または治療のいずれかの態様での使用を可能とするに十分な結合を欠い ている。診断目的には、ペプチドおよび模倣ペプチドのIC50値は約2.5mM 以下であり、医薬目的には、ペプチドおよび模倣ペプチドのIC50値は約2mM 以下であることが好ましい。 結合性ペプチド配列はまた、本発明のIL−5R結合性化合物の最小サイズを 決定する手段を提供する。1991年9月18日出願の出願番号第762,52 2号の一部継続出願である1992年9月16日出願の米国特許第946,23 9号に記載の「コードされた合成ライブラリー(encoded synthetic library)」( ESL)、または1990年3月7日出願の米国特許第492,462号;19 90年11月6日出願の第624,120号;および1991年11月6日出願 の同第805,727号に記載の「大規模固定化ポリマー合成」系を用いると、 かかる活性を有するペプチドの最小サイズを決定することができるだけでなく、 1、2またはそれ以上の残基の好ましいモチーフ(またはそのモチーフの最小サ イズ)とは異なるペプチド群に由来するあらゆるペプチドを作製することができ る。次いでこのペプチドのコレクションをIL−5受容体との結合力に関してス クリーニングすることができる。また、これらの固定化ポリマー合成系または他 のペプチド合成法を用いて、本発明の化合物のペプチドの末端切断型類似体、欠 失類似体、置換類似体、およびその組合せの総てを合成することができる。 本発明のペプチドは当技術分野で公知な常法により、例えば標準的な固相技術 を用いて製造できる。標準的な固相技術として、排他固相合成、部分固相合成法 、フラグメント縮合、従来の溶液合成、および組換えDNA技術までも包含する 。例えば、引用することにより本明細書の開示の一部とされる、Merrifield(196 3)J.Am.Chem.Soc.85:2149を参照。固相での合成は典型的には、α-アミノ保護樹 脂を用いて、ペプチドのC末端から開始する。好適な開始物質は、例えば必要な α-アミノ酸をクロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、またはベンズヒド リルアミン樹脂と結合させることにより製造できる。かかるクロロメチル化樹脂 の1つとしては、Bio Rad Laboratories,Richmond,CAの商標BIO−BEADS SX−1のとして販売されており、ヒドロキシメチル樹脂の製造はBodonszky et al.,(1966)Chem.Ind.(London)38:1597により記載されている。ベンズヒドリル アミン(BHA)樹脂はPietta and Marshall(1970)Chem.Common.650により記載 されており、Beckman Instruments,Inc.,Palo Alto,CAから塩酸塩形態で市販さ れている。 従って本発明の化合物は、例えば重炭酸セシウム触媒により、Gisin(1973)Hel v.Chim.Acta 56 :1467により記載された方法に従って、α-アミノ保護アミノ酸を クロロメチル化樹脂へ結合させることによって製造できる。最初の結合の後、α -アミノ保護基を有機溶媒中のトリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸(HCl )溶液を含有する試薬の選択により室温で除去する。 α-アミノ保護基はペプチドの段階的合成技術において有用であることが知ら れているものである。アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチ ル、アセチル)、芳香族ウレタン系保護基(例えば、ベンジルオキシカルボイル (Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、t−ブチルオ キシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキ シカルボニル)およびアルキル系保護基(例えば、ベンジル、トリフェニルメチ ル)が挙げられる。BocおよびFmocが好ましい保護基である。側鎖保護基 は結合の間、完全なままであり、アミノ末端保護基の脱保護の間または結合の間 、分離されない。側鎖保護基は最終のペプチド合成の完了時に、かつ標的ペプチ ドを変化させない反応条件下で除去されるべきである。 Tyrの側鎖保護基としては、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、トリチル 、ベンジル、Cbz、Z−Br−Cbz、および2,5−ジクロロベンジルが挙 げられる。Aspの側鎖保護基としては、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル 、メチル、エチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。ThrおよびSerの 側鎖保護基としては、アセチル、ベンゾイル、トリチル、テトラヒドロピラニル 、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、およびCbzが挙げられる。Thrお よびSerの側鎖保護基はベンジルである。Argの側鎖保護基としては、ニト ロ、トシル(Tos)、Cbz、アダマンチルオキシカルボニルメシトイルスルホ ニル(Mts)、またはBocが挙げられる。Lysの側鎖保護基としては、Cb z、2−クロロベンジルオキシカルボニル(2−Cl−Cbz)、2−ブロモベン ジルオキシカルボニル(2−BrCbz)、Tos、またはBocが挙げられる。 α-アミノ保護基の除去後、残った保護アミノ酸を所望の順序で段階的に結合 させる。各保護アミノ酸の過剰分は、一般に溶液、例えば塩化メチレン(CH2C l2)、ジメチルホルムアミド(DMF)混合物中のジシクロヘキシルカルボジイ ミド(DCC)のような適当なカルボキシル基アクチベーターとともに使用する 。 所望のアミノ酸配列が完成した後、ペプチドを樹脂から切断するだけでなく、 残った総ての側鎖保護基を切断するトリフルオロ酢酸またはフッ化水素(HF) などの試薬で処理することにより、所望のペプチドを樹脂支持体から切り離す。 クロロメチル化樹脂を用いる場合、フッ化水素処理により遊離ペプチド酸が生ず る。ベンズヒドリルアミン樹脂を用いる場合、フッ化水素処理により直接、遊離 ペプチドアミドが生ずる。別法として、クロロメチル化樹脂を使用する場合、側 鎖保護ペプチドをペプチド樹脂のアンモニア処理により切り離して側鎖保護アミ ドを得ることもできるし、またはペプチド樹脂のアルキルアミン処理により切り 離して側鎖保護アルキルアミドまたはジアルキルアミドを得ることもできる。次 いで、側鎖保護を通常の方法でフッ化水素処理により除去し、遊離アミド、アル キルアミド、またはジアルキルアミドを得る。 本発明の化合物を製造する際、ペプチド酸の製造に用いる樹脂を使用し、側鎖 保護ペプチドを塩基および適当なアルコール、すなわちメタノールで切断する。 次いで、側鎖保護基を通常の方法でフッ化水素処理により除去し、所望のエステ ルを得る。これらの固相ペプチド合成手法は当技術分野で十分に公知であり、St ewart,Solid Phase Peptide Synthesis(Freeman and Co.,San Francisco,1969) にさらに記載されている。 またこれらの手法を用いて、20種の天然に存在し、遺伝的にコードされてい るアミノ酸が以外のアミノ酸が、本発明の化合物のいずれかの1、2またはそれ 以上の位置で置換されているペプチドを合成することもできる。例えばナフチル アラニンはトリプトファンと置換可能で、これにより合成を促進できる。本発明 のペプチドへと置換可能な他の合成アミノ酸としては、L−ヒドロキシプロピル 、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニル、L−∂−ヒドロキシリシルおよ びD−∂−メチルアラニルのような∂アミノ酸、L−α−メチルアラニル、βア ミノ酸、およびイソキノリルが挙げられる。Dアミノ酸および天然に存在しない 合成アミノ酸を本発明のペプチドへ組み込むこともできる。 遺伝的にコードされている20種のアミノ酸(またはDアミノ酸)の天然に存 在する側鎖を他の側鎖で、例えばアルキル、低級アルキル、4、5、6ないし7 員環アルキル、アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級ア ルコキシル、ヒドロキシ、カルボニルおよびその低級エステル誘導体などの基で 、および4、5、6ないし7員複素環式で置き換えることができる。特に、プロ リン残基の環のサイズを5員から4、6または7員に変えられるプロリン類似体 が使用できる。環式基は飽和または不飽和であってよく、不飽和であれば芳香族 または非芳香族であってよい。 ペプチドは典型的には遊離酸として合成されるが、前記のように、アミド(す なわち化合物のカルボキシ末端で−(NH2)により示される)またはエステル として容易に製造できよう。本発明のペプチド化合物のアミノおよび/またはカ ルボキシ末端を修飾して本発明の他の化合物を生成することもできる。アミノ末 端修飾としては、メチル化(すなわち−NHCH3または−NH(CH32)、ア セチル化、カルボベンゾイル基付加またはRCOO−(式中、Rはナフチル、ア クリジニル、ステロイジル、および類似基からなる群より選択される)で定義さ れるカルボキシレート官能基を含有するいずれかのブロッキング基によるアミノ 末端のブロッキングが挙げられる。カルボキシ末端修飾としては、遊離酸のカル ボキシアミド基との置換、または構造的制約を導入するためのカルボキシ末端に おける環式ラクタムの形成が挙げられる。 アミノ末端修飾は前記に挙げられており、アルキル化、アセチル化、カルボベ ンゾイル基付加、スクシンイミド基形成などが挙げられる。特に、N末端アミノ 基は次いで次のように反応させることができる: (a)酸ハロゲン化物[例えばRC(O)Cl]または酸無水物との反応によ り、式RC(O)NH−(式中、Rは前記定義に同じ)のアミド基を、形成させ る。典型的には、この反応は、好ましくはジイソプロピルエチルアミンなどの過 剰(例えば、約10当量)の第三アミンを含有する不活性希釈剤(例えば、ジク ロロメタン)中のペプチドに対し、ほぼ等モルまたは過剰量(例えば、約5当量 )の酸ハロゲン化物を接触させて、反応中に生じた酸を掃去することにより行う ことができる。反応条件は他の点では通常のものである(例えば、室温で30分 間)。低級アルキルN置換を供するための末端アミノのアルキル化、次いでの前 記の酸ハロゲン化物との反応により、式RC(O)NR−のN−アルキルアミド 基が提供される; (b)無水琥珀酸との反応により形成させるためにスクシンイミド基を形成さ せる。前記のように、ほぼ等モル量または過剰の無水琥珀酸(例えば、約5当量 )が使用でき、アミノ基を、好適な不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中の ジイソプロピルエチルアミンなどの、過剰(例えば、約10当量)の第三アミン の使用をはじめとする当技術分野で十分公知の方法により、スクシンイミドへと 変換させる。例えば、引用することにより完全に本明細書の開示の一部とされる Wollenberg,et al.,米国特許第4,612,132号を参照。琥珀酸基は、例えば、常法 で製造され、ペプチドのN末端に置換スクシンイミドを提供する(C2−C6)ア ルキルまたは−SR置換基で置換できることが理解される。かかるアルキル置換 基は、Wollenberg,et al.,前記の方法で低級オレフィン(C2−C6)と無水マレ イン酸との反応によって製造され、−SR置換基はRSH(式中、Rは前記定義 に同じ)と無水マレイン酸との反応によって製造される; (c)好ましくは第三アミンを含有する好適な不活性希釈剤(例えば、ジクロ ロメタン)中で、ほぼ当量または過剰のCBZ−Cl(すなわち、塩化ベンジル オキシカルボニル)または置換CBZ−Clを反応させて、反応中に生じた酸を 掃去することにより、ベンジルオキシカルボニル−NH−、または置換ベンジル オキシカルボニル−NH−基を形成させる; (d)好適な不活性希釈剤(ジクロロメタン)中で、当量または過剰(例えば 、 約5当量)のR−S(O)2Cl(式中、Rは前記定義に同じ)と反応させ、末 端アミンをスルホンアミドへと変換させることにより、スルホンアミド基を形成 させる。不活性希釈剤がジイソプロピルエチルアミンなどの、過剰(例えば、約 10当量)の第三アミンを含み、反応中に生じた酸を掃去することが好ましい。 反応条件は他の点では通常のものである(例えば、室温で30分間); (e)好適な不活性希釈剤(例えば、ジクロロメタン)中で、当量または過剰 (例えば、約5当量)のR−OC(O)ClまたはR−OC(O)OC64−p −NO2(式中、Rは前記定義に同じ)と反応させ、末端アミンをカルバメート へ変換させることにより、カルバメート基を形成させる。不活性希釈剤がジイソ プロピルエチルアミンなどの、過剰(例えば、約10当量)の第三アミンを含み 、反応中に生じたいずれの酸も掃去することが好ましい。反応条件は他の点では 通常のものである(例えば、室温で30分間);および (f)好適な不活性希釈剤(例えば、ジクロロメタン)中で、当量または過剰 (例えば、約5当量)のR−N=C=O(式中、Rは前記定義に同じ)と反応さ せ、末端アミンを尿素(すなわち、RNHC(O)NH−)基へ変換させること により、尿素基を形成させる。不活性希釈剤がジイソプロピルエチルアミンなど の、過剰(例えば、約10当量)の第三アミンを含むことが好ましい。反応条件 は他の点では通常のものである(例えば、室温で約30分間) C末端カルボキシル基がエステル(すなわち、−C(O)OR(式中、Rは前 記定義に同じ))で置換される模倣ペプチドを製造する際、ペプチド酸の製造に 用いる樹脂を使用し、側鎖保護ペプチドを塩基および適当なアルコール、すなわ ちメタノールで切断する。次いで、側鎖保護基を常法でフッ化水素処理により除 去し、所望のエステルを得る。 C末端カルボキシル基がアミド−C(O)NR34で置換された模倣ペプチド の製造の際には、ベンジドリルアミン樹脂をペプチド合成用の固相支持体として 使用する。合成の完了時に、支持休からペプチドを遊離させるためのフッ化水素 処理の結果、遊離ペプチドアミド(すなわち、C末端が−C(O)NH2である )を直接生じる。別法としては、側鎖が保護されたペプチドを支持体から切り離 すためのアンモニアとの反応を伴ったペプチド合成中のクロロメチル化樹脂の使 用によって遊離ペプチドアミドが得られ、次いでアルキルアミンまたはジアルキ ルアミンとの反応により側鎖が保護されたアルキルアミドまたはジアルキルアミ ド(すなわち、C末端が−C(O)NRR1(ここでRおよびR1は前記定義に同 じ)であるが得られる。次いで、フッ化水素処理による常法で側鎖保護を除去し て、遊離のアミド、アルキルアミドまたはジアルキルアミドを得る。 もう1つの選択できる具体例では、カルボキシル基またはエステルの−OHま たはエステル(−OR)をそれぞれN末端アミノ基で内部置換して環状ペプチド を形成することにより、C末端カルボキシル基またはC末端エステルは環化させ ることができる。例えば、合成および切断してペプチド酸を得た後、溶液中、例 えば塩化メチル(CH2Cl2)、ジメチルホルムアミド(DMF)混合物中のジシ クロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの適当なカルボキシル基アクチベー ターにより、遊離酸を活性化エステルに変換させる。次いで、活性化エステルの N末端アミンでの内部置換により環状ペプチドが形成される。非常に希薄な溶液 の使用により、重合とは反対に内部環化を高めることができる。かかる方法は当 技術分野では十分に公知である。 また、本発明のペプチドを環化する、または脱アミノまたは脱カルボキシ残基 をペプチドの末端に組み込むことができ、その結果、末端アミノもしくはカルボ キシル基が存在せず、プロテアーゼに対する感受性が低下するか、またはペプチ ドのコンホメーションが制限される。本発明の化合物のC末端官能基としては、 アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級アルコキシ、ヒド ロキシ、カルボキシおよびその低級エステル誘導体、ならびに医薬上許容され るその塩が挙げられる。 また、リン酸化によりペプチドを容易に修飾でき、また本発明の化合物のペプ チド誘導体を作製するための他の方法は、引用することにより本明細書の開示の 一部とされる、Hruby et al.,(1990)Biochem J. 268(2):249-262に記載されて いる。このように、本発明のペプチド化合物はまた、同様の生物学的活性を有す る非ペプチド化合物の構造モデルとして役立つ。当業者ならば、リーダーよりも 溶解性、安定性、ならびに加水分解およびタンパク質分解に対する感受性に関し てより好ましい活性を持つこと以外は、リーダーペプチド化合物として同一また は類似した所望の生物学的活性を有する化合物を構築するのに種々の技術が利用 できることがわかる。引用することにより本明細書の開示の一部とされる、Morg an and Gainor(1989)Ann .Re.Med.Chem. 24:243-252を参照。これらの技術 は、ペプチド主鎖の、ホスホネート、アミデート、カルバメート、スルホンアミ ド、第二アミン、およびN−メチルアミノ酸からなる主鎖での置換を含む。 合成の間の適当な時点で、好適に保護されたアミノ酸類似体をアミノ酸試薬で 単に置換することにより、通常のペプチド合成中に−CH2−カルバメート結合 、ホスホネート結合、−CH2−スルホンアミド結合、尿素結合、第二アミン( −CH2NH−)結合およびアルキル化ペプチジル結合[−C(O)NR6−(こ こで、R6は低アルキルである)]などの結合により、1以上のペプチジル結合[ −C(O)NH−]が置換されている模倣ペプチドが製造される。 好適な試薬としては、例えば、アミノ酸のカルボキシル基が前記の結合の1つ を形成するのに適した部分で置換されているアミノ酸類似体が挙げられる。例え ば、ペプチド中の−C(O)NR−結合をCH2−カルバメート結合(−CH2O C(O)NR−)で置換することを望むならば、次いで、最初に適当に保護され たアミノ酸のカルボキシル(−COOH)基を還元して−CH2OH基とし、さ らにこれを常法により変換して−OC(O)Cl官能基またはパラ−ニトロカル ボネート−OC(O)O−C64−p−NO2官能基とする。 固相支持体上で見られる部分的に作製されたペプチドのN末端上でのかかる官 能基と遊離アミンまたはアルキル化アミンのいずれかとの反応から、−CH2O C(O)NR−結合が形成される。かかる−CH2−カルバメート結合の形成の より詳細な記載に関しては、Cho et al.Science261:1303-1305(1993)を参照 。 同様に、ペプチドにおけるアミド結合のホスホネート結合での置換は、その開 示がそのまま引用することにより本明細書の開示の一部とされる、米国特許第5 ,359,115号および同第5,420,328号に示される方法で達成でき る。 ペプチドにおけるアミド結合の−CH2−スルホンアミド結合での置換は、好 適に保護されたアミノ酸のカルボキシル(−COOH)基を還元して−CH2O H基とすることにより達成でき、次いで常法によりヒドロキシル基をトシル基な どの好適な脱離基へ変換する。トシル化誘導体の例えばチオ酢酸との反応とそれ に次ぐ加水分解および酸化的塩酸化は、別の方法で好適に保護されたアミノ酸の カルボキシル基を置換する−CH2−S(O)2Cl官能基を提供するであろう。 この好適に保護されたアミノ酸類似体のペプチド合成における使用により、ペプ チドにおいてアミド結合を置換し、それにより模倣ペプチドを提供する−CH2 S(O)2NR−結合を包含させることとなる。アミノ酸のカルボキシル基のー CH2S(O)2Cl基への変換についてのより完全な記載に関しては、例えば、 引用することにより本明細書の開示の一部とされる、Chemistry&Biochemistry o f Amino Acids ,Peptides and Proteins ,Bons Weinstein(ed.),Vol.7,pp.2 67-357,Marcel Dekker,Inc.,New York(1983)を参照。 ペプチドにおけるアミド結合の尿素結合での置換は、米国特許第08/147 ,805号に示されている方法で達成でき、この出願はそのまま引用することに より本明細書の開示の一部とされる。 例えば、常法によりアミド結合のカルボニル結合がCH2基に還元されている 、好適に保護されたジペプチド類似体を使用することにより、ペプチドにおいて −CH2NH−結合がアミド結合に置換している第二アミン結合が製造できる。 例えば、ジグリシンの場合、アミドのアミンへの還元は脱保護後にH2NCH2C H2NHCH2COOHが得られ、次いでこれは次のカップリング反応においてN が保護された形で使用される。ジペプチドにおけるアミド結合のカルボニル基の 還元による、かかる類似体の製造は当技術分野では十分に公知である。 従来のペプチド合成において好適に保護されたアミノ酸類似体は、対応するア ミノ酸と同じ方法で使用される。この反応では、例えば、典型的には、約3当量 の保護アミノ酸類似体が使用される。塩化メチレンまたはDMFなどの不活性な 有機希釈剤を使用し、反応副生成物として酸が生じる場合には、典型的には反応 溶媒は反応中に生じた酸を掃去するために過剰量の第三アミンを含むこととなろ う。1つの特に好ましい第三アミンとして、典型的には約10倍過剰で使用され るジイソプロピルエチルアミンがある。この反応の結果、非ペプチジル結合を有 するアミノ酸類似体が模倣ペプチドへ組み込まれる。かかる置換は望むように繰 り返すことができ、その結果、ペプチド中のアミド結合の0〜総てが非アミド結 合で置換される。 本発明のペプチドはまた環化するができるか、または脱アミノもしくは脱カル ボキシ残基をペプチドの末端に組み込むことができるので、末端アミノもしくは カルボキシル基がなく、プロテアーゼに対する感受性が低下するか、またはペプ チドのコンホメーションが制限される。本発明の化合物のC末端官能基としては 、アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級アルコキシ、ヒ ドロキシ、カルボキシおよびその低級エステル誘導体、ならびに医薬上許容され るその塩が挙げられる。 本発明の化合物は、システインのチオール基の間に分子内ジスルフィド結合を で環化された形態で存在してもよい。別法としては、システインのチオール基の 間の分子間ジスルフィド結合を形成させ、二量体(またはより高次のオリゴマー )化合物を得てもよい。また、1以上のシステイン残基をホモシステインで置換 してもよい。これらの分子内または分子間ジスルフィド誘導体は以下に示される ように模式的に示すことができる: (ここで、mおよびnはそれぞれ1または2である)。 本発明の他の具体例は、硫黄の1つがCH2基または他の硫黄等量式で置換さ れている、これらジスルフィド誘導体の類似体を提供する。これらの類似体は、 以下に示されるように当技術分野で公知の方法を用いて、分子内または分子間置 換を介して製造することができる: (ここで、pは1または2である)。当業者ならば、この置換がまた、前記に示さ れるα−アミノ−γ−酪酸誘導体の他の相同物およびホモシステインを用いて起 こり得ることを容易に理解するであろう。 別法としては、ペプチドのアミノ末端をα置換された酢酸(ここで、α置換基 はα−ハロ酢酸、例えばα−クロロ酢酸、α−ブロモ酢酸、またはα−ヨード酢 酸などの脱離基である)でキャップすることができる。本発明の化合物は、シス テインもしくはホモシステイン残基の硫黄による脱離基の置換を介して環化また は二量体化することができる。例えば、各々引用することにより本明細書の開示 の一部とされる、Barker et al.(1992)J .Med.Chem. 35:2040-2048およびOr e t al.(1991)J .Org.Chem. 56:3146-3149を参照。 前記のN末端およびC末端修飾に加えて、模倣ペプチドを含む本発明の化合物 は、1以上の種々の親水性重合体で修飾できるか、または共有結合できることが 有利である。相当する誘導体は溶解性および循環半減期を高めてもよいし、かつ 、免疫原性をマスキンングしてもよい。限定されるものではないが、本発明に従 う使用に好適な非タンパク性重合体としては、ポリエチレングリコールおよびポ リプロピレングリコールで例示されるようなポリアルキルエーテル;ポリ乳酸; ポリグリコール酸;ポリオキシアルケン;ポリビニルアルコール;ポリビニルピ ロリドン;セルロースおよびセルロース誘導体;デキストランおよびデキストラ ン誘導体;などが挙げられる。一般に、かかる親水性重合体は約500〜約10 0,000ダルトン、より好ましくは約2000〜40,000ダルトン、いっ そう好ましくは約5,000〜約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を有 する。好ましい具体例では、かかる親水性重合体は約5,000ダルトン、10 ,000ダルトン、または20,000ダルトンの平均分子量を有する。 本発明の化合物は、その総てがそのまま引用することにより本明細書の開示の 一部とされる、Zallipsky(1995)Bioconjuate Chem. 6:150-165;Monfardini et al.(1995)Bioconjuate Chem. 6:62-69;米国特許第4,640,835号;同 第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417 号;同第4,791,192号;同第4,179,337号またはWO95/3 4326に示される方法のいずれかを用い、かかる重合体で誘導体化する、 またはそれと共有結合させることができる。 現時点で好ましい具体例では、本発明の化合物はポリエチレングリコール(P EG)で誘導体化されれる。PEGは2個の末端ヒドロキシル基を有する酸化エ チレンの繰り返し単位からなる、直鎖、水溶性の重合体である。PEGは、典型 的には約500ダルトン〜40,000ダルトンの範囲のその分子量により分類 される。現時点で好ましい具体例では、使用されるPEGは5,000ダルトン 〜約20,000ダルトンの範囲の分子量を有する。本発明の化合物に結合した PEGは分枝していてもよいし、分枝していなくともよい。例えば、Monfardini et al.(1995)Bioconjuate Chem. 6:62-69を参照。PEGはShearwater Polyme rsInc.(Huntsville,Alabama)、Sigma Chemidal Co.および他の会社から市販され ている。限定されるものではないが、かかるPEGとしては、モノメチルオキシ ポリエチルグリコール(MePEG−OH);モノメトキシポリエチレングリコー ルスクシレート(MePEG−S);モノメトキシポリエチレングリコール−スク シンイミジルスクシレート(MePEG−S−NHS);モノメトキシポリエチレ ングリコールアミン(MePEG−NH2);モノメトキシポリエチレングリコー ル−トレシレート(MePEG−TRES);およびモノメトキシポリエチレング リコール−イミダゾリル−カルボニル(MePEG−IM)が挙げられる。 便宜には、1つの例示的具体例では、使用される親水性重合体、例えばPEG はメトキシまたはエトキシなどの非反応性保護基により、一方の末端をキャップ されることが好ましい。その後、この重合体をハロゲン化シアヌル酸(例えば塩 化、臭化、またはフッ化シアヌル酸)、ジイマドズル(diimadozle)、無水試薬(例 えば、無水ジブロモ琥珀酸などの無水ジハロ琥珀酸)、アシルアジド、p−ジア ゾニウムベンジルエーテル、3−(p−ジアゾニウムフェノキシ)−2−ヒドロ キシプロピルエーテルなどの好適な活性化剤との反応により他の末端で活性 化する。次いで、この活性化された重合体を本発明の化合物と反応させて、重合 体で誘導体化された化合物を作出する。別法としては、本発明の化合物の官能基 を重合体との反応のために活性化できるし、または公知の結合法を用いて協調し た結合反応において2個の基が結びつき得る。本発明の化合物は、当業者に公知 であり、使用される無数の他の反応スキームを用いてPEGで誘導体化できるこ とが容易に理解されよう。 さらに、化合物中に1以上のシステイン残基を有する本発明のいくつかの好ま しい具体例では、望ましくないジスルフィド形成を避けるまたは妨げるために、 1以上のシステインが適当な保護基、好ましくはAcm基を有していてもよい。 IV.In vivo およびIn Vitro試験 本発明の化合物の活性はin vivoで、多数の喘息の動物モデルの1つにおいて 評価できる。The Lung:Scientific Foundations,Crystal,West et al.eds,Ra ven Press,New York,1991のLarson,"Experimental Model of Reversible Airw ay Obstruction";Warner et al.(1990)Am .Rev.Respir.Dis. 141:253-257を 参照。理想的な動物モデルは、化学伝達物質および物理的刺激に対する気管応答 性亢進;ヒト喘息において有効な薬剤(βアドレナリン性物質、メチルキサンチ ン、コルチコステロイドなど)による気管閉塞の逆転;活性化された白血球の浸 潤を伴う気管の炎症;および基底膜肥厚化、平滑筋肥大、および上皮の損傷など の慢性炎症性の変性変化をはじめとするヒト喘息の主要な臨床上および生理学的 特徴を複製するであろう。歴史上、動物モデルとして使用された種としてはネズ ミ、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、およびヒツジが挙げられる。総てにい くつかの制限があり、動物モデルの適当な選択は、取り組まれるものがどれであ るかということによる。 初期の喘息応答はモルモットおよびイヌで、特にメタコリンおよびクエン酸な どの多数の非アレルギー性の物質に対する非特異的気管応答性亢進を発生させる バセニー−グレーハウンドの交配系統を用いて評価できる。ある選択されたヒツ ジは、回虫タンパク質を抗原投与した後に二重応答を示す。二重応答中の動物で は、初期の喘息反応(IAR)の後、暴露後6〜8時間で遅発型喘息応答(LA R)が続く。LARを示す動物において、コリン性アゴニストであるカルバコー ルに対する過敏症が抗原投与後24時間で増加する。 アレルギーのヒツジモデルを使用して、本発明の化合物の可能性ある抗喘息効 果を評価することができる。アレルギーのヒツジへの、特異なアレルゲンへの暴 露に先立つまたは曝露の後の、本発明の化合物のエアゾル化溶液を含んでなる組 成物の投与により、かかる組成物が実質的に遅発型喘息応答および結果として生 ずる応答性亢進が軽減されるか、または完全にとまることが実証されよう。 本発明の化合物はまた、トリプターゼ活性が病状の一因となる、他の免疫介在 性炎症性疾患の治療に有効である。かかる疾患としては、慢性関節リウマチ、リ ウマチ様脊椎炎、骨関節炎、痛風性関節炎、および他の関節炎症状、炎症性腸疾 患、消化性潰瘍および種々の皮膚症状などの肥満細胞に関連する炎症性疾患が挙 げられる。 in vitroまたはin vivo法のいずれかにより、非常に大部分の免疫介在性炎症 性疾患の治療に対する本発明の化合物の効力が評価できる。従って、当技術分野 で十分に公知のアッセイ、例えばリバース・パッシブ・アルサス反応(Reversed Passive Arthus Reaction)(RPAR)−PAW法(例えば、Ganguly et al. (1992)米国特許第5,126,352号を参照)により本発明の化合物の抗炎 症効力を実証できる。過剰増殖性皮膚疾患などの種々の皮膚症状の治療における 化合物の治療上の価値を決定するためのアッセイは当技術分野で十分に公知であ り、例えば、アラキドン酸ネズミ耳試験(Arachidonic Acid Mouse Ear Test)( 同文献)がある。本発明の化合物はChiu et al.(1984)Archives International es de Pharmacodynamie et de Therapie 270:128-140に記載の方法によりそ の抗潰瘍活性に関して評価できる。 IV.In Vitro における使用 本発明の化合物は、IL−5の産生および受容体結合工程に影響を及ぼすか、 またはこれにより影響されると考えられる多くの因子の評価を含む、IL−5の 生物学的役割を理解するためのin vitroにおける唯一の手段として有効である。 本化合物はまた、IL−5Rに結合する他の化合物の開発において有効である。 なぜなら、本化合物はかかる開発を助けるであろう構造と活性の間の関係につい ての重要な情報を提供するからである。 これらの化合物はまた、新規のIL−5受容体ブロッカーをスクリーニングす るためのアッセイにおいて拮抗的な阻害剤またはトレーサーとして有効である。 かかるアッセイの具体例では、本発明の化合物は修飾せずに使用できるし、また 種々の方法;例えば、検出可能なシグナルを直接的または間接的に提供する部分 と共有または非共有結合することなどの標識化により修飾することもできる。こ れらのアッセイのいずれにおいても、物質を直接的または間接的のいずれかでそ れに標識できる。直接標識が可能なものとしては、125Iなどの放射性標識、ペ ルオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼなどの酵素(米国特許第3,6 45,090号)、および蛍光強度の変化、波長変化または蛍光偏光をモニター できる蛍光標識(米国特許第3,940,475号)などの標識群が挙げられる 。間接標識化が可能なものとしては、1つの成分のビオチニル化とそれに続く前 記の標識群の1つと結合したアビジンへの結合が挙げられる。これらの化合物は また、化合物が固相支持体に結合される場合にはスペーサーまたはリンカーを含 んでもよい。 このように、本発明の化合物および方法はまた、患者から標本が取り出され、 次いで本発明のIL−5R結合性、IL−5ブロッキング化合物で処置して、有 効性および所望の効果を得るのに必要な化合物量を決定するin vitro診断法を用 いて、IL−5の過剰産生またはIL−5に対する異常な応答を伴う疾患の種々 の治療計画に対する患者の感受性を試験するためにin vitroで使用することもで きる。ブロッキング化合物および用量は可変である。ブロッキング化合物をスク リーニングした後、適当な治療および用量が医師により選択でき、結果に基づい て患者に投与できる。従って、本発明はまた、種々の診断キットおよびアッセイ 法における本発明のブロッキング化合物の使用も意図している。 V.in vivo における使用 本発明の化合物はまた、in vivoにおけるIL−5のIL−5Rへの結合をブ ロッキングするために、ヒトをはじめとする温血動物に投与することもできる。 従って、本発明はin vivoにおけるIL−5のIL−5Rへの結合をブロッキン グまたは阻害するに十分な量で本発明の化合物を投与することを含んでなるIL −5関連疾患の治療方法を包含する。例えば、本発明のペプチドおよび化合物を 投与して、IL−5の過剰産生またはIL−5に対する異常な応答に関連する症 状を治療することができる。本明細書に記載の組成物および方法は、種々のIL −5関連疾患の治療および/または予防に対する用途が見出すであろう。 1つの具体例によれば、本発明の組成物は喘息の予防または改善に有用である 。喘息の治療に本発明の化合物を使用する際には、典型的にはこれらの化合物を 、アレルゲンもしくはその他の沈殿因子にさらす前、またはかかる曝露の後に予 防的に投与する。本発明の化合物は、季節的および四季を通じた鼻炎の双方に見 られる遅延型組織破壊を改善するのに特に有用である。本発明のもう1つの態様 は、蕁麻疹および血管浮腫、および湿疹性皮膚炎(アトピー性皮膚炎)、および過 敏症、ならびに過増殖性皮膚病、消化性潰瘍などの肥満細胞に関連するその他の 免疫介在性炎症疾患の予防および治療に向けられる。 従って、本発明はまた、医薬担体または賦形剤と組み合わせて、有効成分とし て少なくとも1つの本発明のペプチドもしくは模倣ペプチドを含んでなる医薬組 成物を提供する。本発明の化合物は、経口、肺、非経口(筋肉内、腹膜内、静脈 内(IV)または皮下注射)、吸入(微細粉末製剤による)、経皮、鼻腔、膣、直 腸、または舌下経路の投与によって投与でき、各投与経路に適した投与形で処方 できる。 典型的には、本発明の化合物を喘息治療に使用しようとする場合には、それら をエアゾルとして処方されよう。「エアゾル」という用語には、細気管支または 鼻道へ吸入され得る本発明の化合物の気泡含有懸濁相のいずれもが含まれる。特 に、エアゾルには、本発明の化合物の小滴の気泡含有懸濁液が含まれ、これを計 量吸入器もしくはネブライザー、または霧吹き中で作製してもよい。エアゾルに はまた空気またはその他のキャリヤーガスに懸濁させた本発明の化合物の乾燥粉 末組成物が含まれ、それを例えば吸入装置からの通気によって送達してもよい。 本発明のエアゾルを作製するのに用いられる溶液に関しては、本発明の化合物 の好ましい濃度範囲は0.1〜100ミリグラム(mg)/ミリリットル(mL )であり、さらに好ましくは0.1〜30mg/mLであり、最も好ましくは1 〜10mg/mLである。通常はこの溶液をリン酸塩または重炭酸塩などの生理 学的に適合する緩衝液で緩衝させる。通常のpH範囲は5〜9であり、好ましく は6.5〜7.8であり、最も好ましくは7.0〜7.6である。典型的には浸 透圧を生理学的範囲に調整するために塩化ナトリウムを添加し、10%以内の等 張にすることが好ましい。 また、加圧缶内、所望により界面活性剤および/または補助溶媒(例えば、エ タノール)の存在下で、ヒドロフルオロンアルカン噴射剤、特に1,1,1,2 ,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンの1,1,1,2−テトラフルオロエタ ン中の本発明の化合物の懸濁液を、前記の呼吸器疾患、特に喘息およびアレルギ ー性鼻炎の治療に好適な送達装置とともに提供してもよい。 エアゾル吸入剤を作製するためのかかる溶液の処方は、Remington's Pharmace utical Sciencesで考察されている。Ganderton and Jones,Drug Delivery to t he Respiratory Tract,Ellis Horwood(1987);Gonda(1990)Clitical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 6:273-313;およびRaebum et al.(1992) J.Pharmacol.Toxicol.Methods 27:143-159も参照。 本発明の化合物の溶液は、エアゾル吸入薬を作製するのに慣例的に用いられる 公知の手段のいずれによってエアゾルに変換してもよい。一般に、かかる方法は 、通常不活性キャリヤーガスで溶液の容器を加圧する、または加圧する手段を提 供し、加圧したガスを小さな穴に通し、それによって溶液の小滴を薬剤を投与す べき動物の口および気管に入れることを含んでなる。典型的には、口および気管 への送達を容易にするために穴の出口にマウスピースが取り付けられる。 1つの具体例では、本発明の装置は、計量吸入器、ジェットネブライザー、ま たは超音波ネブライザーなどの、喘息薬中でエアゾルを作製するための常法のい ずれかと接続したまたはその内部に含まれる本発明の化合物溶液を含んでなる。 所望によりかかる装置は出口に取り付けた吸い口を含んでいてもよい。 アレルギー性鼻炎の治療のための具体例では、装置は鼻腔用吸入器内に本発明 の化合物の溶液を含んでいてもよい。 所望により賦形剤とともに本発明の化合物を含んでなる乾燥粉末は、本発明の もう1つの具体例である。前記の粉末を含有する薬剤粉末吸入器によって、これ を投与してもよい。 また、本発明の化合物は、哺乳類における蕁麻疹および血管浮腫、湿疹性皮膚 炎、および過増殖性皮膚病、例えば乾癬などの免疫介在性の炎症性皮膚症状を治 療するのに使用することもできる。本発明の化合物の局所投与の結果として、症 状の緩和を期待することができる。従って、免疫介在性炎症性皮膚症状に冒され た患者は、落剥、紅斑、斑の大きさ、そう痒、および皮膚症状に関連するその他 の症例が減少することを期待することができる。それぞれ個々の患者を首尾よく 治療するのに必要な薬剤の用量および期間は様々である可能性があるが、当業者 ならばこれらの変化を認識し、それに従って治療の経過を調節することができる 。 本発明には、無毒な医薬上許容される局所用担体とともに、本発明の化合物を 典型的には約0.001%〜10%の濃度範囲で含んでなる皮膚への局所塗布用 製剤もまた含まれる。これらの局所用製剤は、本発明の有効成分と通常の医薬賦 形剤および局所用乾燥粉末、水剤、クリーム剤およびエアゾル製剤に通常使用さ れる担体とを組み合わせることにより調製することができる。軟膏およびクリー ム剤は、例えば好適な増粘剤および/またはゲル化剤を加えて水性または油性基 剤を用いて処方してもよい。かかる基剤には、水、および/または液状パラフィ ン、または落花生油もしくはヒマシ油のような植物油などの油が含まれてもよい 。基剤の性質にもよるが、使用してもよい増粘剤としては、軟パラフィン、アル ミニウム、ステアリン酸塩、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール 、ポリエチレングリコール、羊毛脂、水素化ラノリン、蜜蝋などが挙げられる。 ローション剤は、水性または油性基剤でを用いて処方してもよく、一般にそれ らはまた下記のもの:安定剤、乳化剤、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、発色剤、 香料などのうち1以上を含む。 散剤は、任意の好適な粉末基剤、例えばタルク、乳糖、デンプンなどのいずれ によって形成してもよい。点滴薬は、1つ以上の分散剤、沈殿防止剤、可溶化剤 などもまた含んでなる、水性基剤または非水性基剤を用いて処方してもよい。 本発明の局所用医薬組成物にはまた、1以上の防腐剤または殺菌剤、例えばヒ ドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、塩 化ベンザルコニウムなどが含まれてもよい。局所用医薬組成物はまた、抗微生物 剤、特に抗生物質、麻酔剤、鎮痛剤、および止痒剤など、他の有効成分を含み得 る。 経口投与用の固体投与形としては、カプセル剤、錠剤、丸薬、散剤、および粒 剤が挙げられる。かかる固体投与形においては、有効化合物を、スクロース、乳 糖、またはデンプンなどの少なくとも1種の不活性な医薬上許容される担体と混 合する。かかる投与形もまた、通常の実施については、不活性な賦形剤以外のさ らなる物質、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を含んでなることが できる。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合、投与形はまた緩衝剤を含んでもよ い。錠剤および丸薬はさらに腸溶コーティングで調製することができる。 経口投与用の液体投与量形としては、水のような当技術分野で通常使用される 不活性な賦形剤をはじめとするエリキシル剤を伴う医薬上許容されるエマルショ ン、水剤、懸濁剤、シロップ剤が含まれる。かかる不活性賦形剤の他に、組成物 はまた、湿潤剤、乳化剤および沈殿防止剤、ならびに甘味剤、香味剤、および香 料などの佐剤も含むことができる。 非経口投与用の本発明の製剤としては、滅菌水溶液もしくは非水溶液、懸濁液 、またはエマルションが含まれる。非水性溶媒またはビヒクルの例としては、プ ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびトウモロコシ 油などの植物油、ゼラチン、オレイン酸エステルなどの注入可能な有機エステル が挙げられる。かかる投与形はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤な どの佐剤を含んでもよい。それらは、例えば細菌保持フィルターを通す濾過によ って、安定剤を組成物に組み込むことによって、組成物を照射することによって 、または組成物を加熱することによって安定化され得る。それらはまた、使用の 直前に滅菌水、またはいくつかの他の滅菌注射用媒質を用いて製造することもで きる。 直腸または膣投与用の組成物としては、好ましくは有効物質に加えてココアバ ターまたは坐薬用ワックスなどの賦形剤を含んでもよい坐剤がある。鼻または舌 下投与用組成物もまた、当技術分野で十分公知の標準的な賦形剤を用いて調製さ れる。 もちろん、本発明の組成物および方法は、IL−5の合成、放出および/また は結合を調整する能力を示す他の薬剤と、また免疫介在性炎症性疾患、特に喘息 を治療するための他の薬剤と組み合わせて使用することができる。β−アドレナ リン性アゴニストは、初期の喘息応答の全身的な軽減をもたらすが、本発明の化 合物は後期の喘息応答の軽減をもたらすので、これらの組み合わせに特に有用で ある。これらの水剤における好ましいβ−アドレナリン性アゴニストとしては、 アルブテロール、テルブタリン、ホルモテロール、ファノテロール、またはプレ ナリンなどの喘息の軽減のために用いられる通常のβ−アゴニストのいずれもが 挙げられる。 本発明の化合物との組み合わせに有用な他の薬剤としては、臭化イプラトロピ ウムなどの抗コリン作動薬、およびベクロメタソン、トリアムシノロン、フルリ ソリド、またはデキサメタソンなどの抗炎症性コルチコステロイド(副腎皮質ス テロイド)が挙げられる。 これらの化合物を含有する組成物は、予防処置および/または治療処置のため に投与することができる。治療適用において組成物は、前記のように、すでに疾 病を患っている患者に、疾病およびその合併症の症状を治癒または少なくとも部 分的に止めるに十分な量で投与する。このことを達成するに十分な量を「治療上 有効な用量」として定義する。この用途の有効量は、疾病の重篤度ならびに患者 の体重および全身状態に依存する。 予防適用においては、本発明の化合物を含有する組成物は、特定の疾病に罹患 しやすい、またはそうでなければそのリスクを持つ患者に投与される。かかる量 は「予防上有効な量」と定義される。この用途において、正確な量はここでも患 者の健康状態および体重に依存する。 効果的な治療に必要なIL−5ブロッキング化合物の量は、投与方法、標的部 位、患者の生理学的状態、および投与される他の薬剤をはじめとする多くの異な る因子に依存するであろう。従って、治療用量は安全性および効力を最適化する ために滴定すべきである。典型的には、in vitroで用いられる用量は、これらの 試薬のin situ投与に有用な量に有用な指標を提供するであろう。特定の疾患の 治療に有効な用量の動物試験は、ヒトの用量をさらに予測する指標を提供するで あろう。種々の考察が、例えばGilman et al.(eds).(1990)Goodman and Gilma n's:The Pharmacological Basis of Therapeutics ,8th ed.,Pergamon Press; およびRemington's Pharmaceutical Sciences,(1985)7th ed.,Mack Publishin g Co.,Easton,Penn.に記載されており、これらは各々引用することにより本明 細書の開示の一部とされる。 本発明のペプチドおよび模倣ペプチドは、1日当たり約0.001mg〜約1 0mg/kg体重の範囲の用量で投与すると、IL−5介在性の病状の治療に有 効である。使用される特定の用量は、治療される個々の病状、投与経路によって 、ならびに病状の重篤度、患者の年齢および全身状態などの因子にもよるが主治 医の判断によって調節される。 本発明の好ましい具体例のみを特に前記しているが、本発明の精神および意図 から逸脱しない限り、本発明の変形や変更が可能である。 略語 DMEM ダルベッコの最小必須培地 DMEM/F12 ダルベッコの最小必須培地/ ハムのF12培地 ng/ml ナノグラム/ミリリットル min 分 μl マイクロリットル μl/mg マイクロリットル/ミリグラム BSA ウシ血清アルブミン PBS リン酸緩衝生理食塩水 hr 時間 実施例1 固相ペプチド合成 Milligen/Biosearch 9600自動装置またはApplied Biosystems Inc.Model 431 A-ペプチドシンセサイザーでMerrifield固相ペプチド合成法(Stewa rd and Young,Solid Phase Peptide Synthesis,2d.edition(Pierce Chemica l,Rockford,IL(1984)and Merrifield(1963)J.Am.Chem.Soc.85:2149を参照) を用い、本発明の種々のペプチドを合成した。Applied Biosystems Inc.System Software 1.01の標準プロトコールを用いてペプチドを構築した。BOP(ベン ゾトリアゾイルN−オキシトリジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホス フェート)およびHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)で1〜2時間 、各結合を行った。 使用した樹脂はHMP樹脂またはPAL(Milligen/Biosearch)であり、これは リンカーとして5−(4’−Fmoc−アミノメチル−3,5’−ジメチトキシ フェノキシ)バレル酸で架橋したポリスチレン樹脂である。PAL樹脂の使用の 結果、樹脂からのペプチドの切断時にカルボキシル末端アミド官能性が得られる 。切断時、HMP樹脂の最終生成物のC末端にはカルボン酸部分ができる。試薬 、樹脂、および保護アミノ酸(遊離または樹脂上)は大部分、MilliporeまたはA pplied Biosystems Inc.から購入した。 結合操作中のアミノ保護にはFmoc基を用いた。アミノ酸上の第1アミン保 護はFmocで行い、側鎖保護基はセリン、チロシン、アスパラギン、グルタミ ン酸、およびトレオニンに対してはt−ブチル;グルタミンに対してはトリチル ;アルギニンに対してはPmc(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマスル ホネート);トリプトファンに対してはN−t−ブチロキシカルボニル;ヒスチ ジンおよびグルタミンに対してはN−トリチル;ならびにシステインに対しては S−トリチルであった。 樹脂からのペプチドの除去および同時に起こる側鎖官能基の脱保護は、試薬K またはそれをわずかに改変したもので処理することにより行った。別法として、 アミノ化カルボキシル末端を用いるそれらのペプチドの合成では、十分に構築し たペプチドを最初は4度で、次いで徐々に室温まで上げながら、90%トリフル オロ酢酸、5%エタンジチオール、および5%水の混合物で切断した。保護され たペプチドはジエチルエーテルで沈殿させた。総ての場合において、0.1%ト リフルオロ酢酸中のアクリロニトリル/水の勾配を用いてC18を結合させたシリ カケルカラムで分取、逆相、高性能液体クロマトグラフィーにより精製した。高 速原子衝撃質量分析法または電子スプレー質量分析法、および利用できる場合に はアミノ酸分析によって同種ペプチドを同定した。 実施例2 バイオアッセイ ペプチドの存在または不在下で、サイトセンサー・マイクロフィジオメーター (Molecular Devices)を用いて合成ペプチドおよびNBP−ペプチド融合体の生 活性を測定し、IL−5に対するTF−1細胞(ヒト白血病細胞系統)の代謝応 答を記録した。IL−5を伴わずに一晩インキュベーションした後にIL−5を 培地に添加すると、これらの細胞は代謝活性に著しく増強を示した。この増強は 、弱緩衝組織培養培地の酸性化速度の増加としてマイクロフィジオメーターによ り測定した。 TF−1細胞を1.5x105細胞/チャンバーの密度でマイクロフィジオメ ーターチャンバーに播種し、10%子牛胎児血清を含有するが、これらの培養細 胞の長期維持に必要とされる1ng/ml(R&D Systems)を欠いたDMEM組織 培養培地で一晩増殖させた。次いでチャンバーをマイクロフィジオメーター中に 置き、培地の酸性化のベースライン速度が確立されるまで1%ヒト血清アルブン ミンを含有する弱緩衝DMEM/F12培地でインキュベートした。次いで試験 ペプチドの種々の希釈を15分間導入した。試験したペプチドはいずれもベース ライン酸性化速度に何の影響も及ぼさなかった。次いで連続的に試験ペプチドの 存在下で10ng/mlのIL−5を25分間導入した。次いでチャンバーを新 鮮培地で洗い流した。 典型的には、IL−5に対する最大の応答は、培地へのIL−5の添加の開始 から20分以内に起こった。試験ペプチドの不在下では、この応答は典型的には 培地の酸性化速度を1.5〜2倍引き上げた。試験した総てのペプチドはIL− 5に対するTF−1の応答を低下させるか、または完全に遮断することができた 。その他の無作為に選ばれた対照ペプチドは、同等かまたはより高い濃度で影響 を及ぼさなかった。試験ペプチドはまた、TNFαに対するTF−1の強いマイ クロフィジオメーター応答に何の影響も及ぼさず、このことは試験ペプチドがI L−5作用と特異的に拮抗することによってそれらの効果を示したということを 示している。試験ペプチドのIC50は、IL−5単独に対する応答と比較した場 合、最大IL−5応答の50%低下をもたらすペプチド濃度として定義した。 実施例3 結合親和性 放射性ヨウ素化IL−5を用いる競合結合アッセイで、IL−5Rαに対する 合成ペプチドの結合親和性を測定した。37℃で30分間、100μlのPBS 中50μg/ml溶液をインキュベートすることによって、イムロン4(Dynatec h)マイクロタイターウェルをステプトアビジン(Sigma)で被覆した。ウェルを3 7℃で15分間、200μlのPBS中1%BSAで、続いて5μg/mlのm Ab 179で示される100μlのPBS中ビオチニル化モノクローナル抗体 でブロッキングした。次いで4℃で1時間、100μlのPBS/0.1%BS Aで1:5000に希釈した可溶性受容体回収物の溶液をインキュベートするこ とによって、可溶性IL−5Rαをウェル中に固定化させた。結合していな い受容体を洗い流した後に50μlのPBS/0.1%BSAで希釈した種々の 濃度の試験ペプチドを、次いで50μlの固定濃度の[125I]IL−5(Amersham )をウェルに添加した。結合反応物を4℃で2時間インキュベートし、次いでP BSで洗浄して結合していない[125I]IL−5を除去した。結合した[125I]I L−5を計数することにより求めた。全結合は、いずれも拮抗剤も存在しない状 態で結合した[125I]IL−5の量と定義した。非特異的結合は、30nM IL −5の存在下で結合した[125I]IL−5の量と定義した。ペプチド結合データ を分析して特異的[125I]IL−5結合が50%低下するのに要したペプチド濃 度(IC50)を決定した。記載の条件下で決定されたIC50値は、IL−5Rα に対するペプチドの解離定数(Kd)に類似する。 本出願中の特許文書をはじめとする総ての文献および引用の開示は、引用する ことにより本明細書の開示の一部とされる。
【手続補正書】 【提出日】平成12年11月29日(2000.11.29) 【補正内容】 請求の範囲 1. IL−5受容体に結合する化合物であって、下記のアミノ酸からなるコ ア配列: CWRSVATHTWFCG(配列番号1); CWRSVATHTWFCGE(配列番号2); CWRSVATHTWFCGEE(配列番号3); EGDCWRSVATHTWMCGVE(配列番号4); EVECWRSVATHTWFCGED(配列番号5); GGGVEVCTRSVATHSWVCGID(配列番号6); LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE(配列番号7); VDECWRLVATHTWFCGDD(配列番号8); VDECWRSVATHTWFCGEE(配列番号9); VEDCWRSVATHTWFCGED(配列番号10); VLDCWRSVATHSWFCGED(配列番号11); VVDCWRSVATHSWFCGEE(配列番号12); VVDCWRSVATHTWFCG(配列番号13); VVDCWRSVATHTWFCGE(配列番号14); VVDCWRSVATHTWFCGED(配列番号15); CWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号16); CWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号17); CWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号18); LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号19) ; VVDCWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号20)または VVDCWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号21)およびそのダイ マーとオリゴマーを含んでなり、 (a)分子量が約5000ダルトンであり、かつ (b)IC50で表されるIL5−Rに対する結合親和性が約100μm以下で あり、 ペプチドの−C(O)NH−結合の0〜総てが、−CH2OC(O)NR−結 合;ホスホネート結合;−CH2S(O)2NR−結合;−CH2NR−結合;− C(O)NR6−結合;および−NHC(O)−NH−結合(ここで、Rは水素 またはC1-6アルキルであり、かつR6はC1-6アルキルである) からなる群から選択される結合で置換されており、 さらに、ペプチドまたは模倣ペプチドのN末端が、−NRR1基;−NRC( O)R基;−NRC(O)OR基;−NRS(O)2R基;−NHC(O)NH R基;スクシンイミド基;ベンジルオキシカルボニル−NH−基;およびC1-6 アルキル、低級アルコキシ、クロロおよびブロモからなる群から選択される1〜 3個の置換基をフェニル環上に有するベンジルオキシカルボニル−NH−基(こ こで、RおよびR1はそれぞれ水素およびC1-6アルキルからなる群から選択され る)からなる群から選択され、 さらにまた、ペプチドまたは模倣ペプチドのC末端が、式−C(O)R2{こ こで、R2はヒドロキシ、低級アルコキシ、および−NR34(ここで、R3およ びR4はそれぞれ水素、およびC1-6アルキルからなる群から選択され、かつ、− NR34基の窒素原子は所望によりペプチドのN末端のアミノ基であって環状ペ プチドを形成することができる)からなる群から選択される}を有する 化合物、ならびに生理学上許容されるその塩。 2. アミノ酸配列:CWRSVATHTWFCGEE(配列番号3)を有す る、請求項1記載の化合物。 3. システインが分子内ジスルフィド結合を介して環化されている、請求項 1または2記載の化合物。 4. カルボキシ末端がアミド化されている、請求項1〜3のいずれか1項に 記載の化合物。 5. 医薬に用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。 6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を生理学上許容される担体 と組み合わせて含んでなる医薬組成物。 7. 免疫介在性炎症性疾患の治療に用いられる、請求項6記載の組成物。 8. エアゾルでの使用に適した医薬上許容される担体溶液または乾燥粉末中 に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を含んでなるエアゾル組成物。 9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物が担体中に0.1〜100 mg/mLの濃度で存在する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。 10. β−アドレナリン性アゴニスト化合物を更に含んでなる、請求項6〜 9のいずれか1項に記載の組成物。 11. 抗炎症性コルチコステロイドを更に含んでなる、請求項6〜10のい ずれか1項に記載の組成物。 12. 臭化イプラトロピウムを更に含んでなる、請求項6〜11のいずれか 1項に記載の組成物。 13. 喘息の治療に用いられる、請求項6〜12のいずれか1項に記載の組 成物。 14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の組成物を含んでなるエアゾル 装置。 15. 異常なIL−5の産生およびそれに対する応答を伴う疾患の治療用医 薬の製造のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の使用。 16. 喘息の治療用医薬の製造のための、請求項1〜4のいずれか1項に記 載の化合物の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/00 A61P 43/00 105 43/00 105 C07K 14/54 C07K 14/54 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ブルース、パドン、イングランド アメリカ合衆国カリフォルニア州、パロ、 アルト、ミランダ、アベニュ、4001、アフ ィマックス、リサーチ、インスティテュー ト (72)発明者 ピーター、ジョゼフ、シャーツ アメリカ合衆国カリフォルニア州、パロ、 アルト、ミランダ、アベニュ、4001、アフ ィマックス、リサーチ、インスティテュー ト (72)発明者 ミン−ジャ、チェン アメリカ合衆国カリフォルニア州、パロ、 アルト、ミランダ、アベニュ、4001、アフ ィマックス、リサーチ、インスティテュー ト

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. IL−5受容体に結合する化合物であって、下記のアミノ酸からなるコ ア配列: CWRSVATHTWFCG(配列番号1); CWRSVATHTWFCGE(配列番号2); CWRSVATHTWFCGEE(配列番号3); EGDCWRSVATHTWMCGVE(配列番号4); EVECWRSVATHTWFCGED(配列番号5); GGGVEVCTRSVATHSWVCGID(配列番号6); LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE(配列番号7); VDECWRLVATHTWFCGDD(配列番号8); VDECWRSVATHTWFCGEE(配列番号9); VEDCWRSVATHTWFCGED(配列番号10); VLDCWRSVATHSWFCGED(配列番号11); VVDCWRSVATHSWFCGEE(配列番号12); VVDCWRSVATHTWFCG(配列番号13); VVDCWRSVATHTWFCGE(配列番号14); VVDCWRSVATHTWFCGED(配列番号15); CWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号16); CWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号17); CWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号18); LRRASLGGCWRSVATHTWFCGEE−(NH2)(配列番号19); VVDCWRSVATHTWFCGE−(NH2)(配列番号20)または VVDCWRSVATHTWFCG−(NH2)(配列番号21)およびそのダイ マーとオリゴマーを含んでなり、 (a)分子量が約5000ダルトンであり、かつ (b)IC50で表されるIL5−Rに対する結合親和性が約100μm以下で あり、 ここで、ペプチドの−C(O)NH−結合の0〜総てが、−CH2OC(O) NR−結合;ホスホネート結合;−CH2S(O)2NR−結合;−CH2NR− 結合;−C(O)NR6−結合;および−NHC(O)NH−結合(ここで、R は水素または低級アルキルであり、かつR6は低級アルキルである)からなる群 から選択される結合で置換されており、 さらに、ペプチドまたは模倣ペプチドのN末端が、−NRR1基;−NRC( O)R基;−NRC(O)OR基;−NRS(O)2R基;−NHC(O)NH R基;スクシンイミド基;ベンジルオキシカルボニル−NH−基;および低級ア ルキル、低級アルコキシ、クロロおよびブロモからなる群から選択される1〜3 個の置換基をフェニル環上に有するベンジルオキシカルボニル−NH−基(ここ で、RおよびR1はそれぞれ水素および低級アルキルからなる群から選択される )からなる群から選択され、 さらにまた、ペプチドまたは模倣ペプチドのC末端が、式−C(O)R2{こ こで、R2はヒドロキシ、低級アルコキシ、および−NR34(ここで、R3およ びR4はそれぞれ水素および低級アルキルからなる群から選択され、かつ、−N R34基の窒素原子は所望によりペプチドのN末端のアミノ基であって環状ペプ チドを形成することができる)からなる群から選択される}を有する 化合物、ならびに生理学上許容されるその塩。 2. システインが分子内ジスルフィド結合を介して環化されている、請求項 1記載の化合物。 3. カルボキシ末端がアミド化されている、請求項1または2記載の化合物 。 4. 医薬に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。 5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を生理学上許容される担体 と組み合わせて含んでなる医薬組成物。 6. 免疫介在性炎症性疾患の治療に用いられる、請求項5記載の組成物。 7. エアゾルでの使用に適した医薬上許容される担体溶液または乾燥粉末中 に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を含んでなるエアゾル組成物。 8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物が担体中に0.1〜100 mg/mLの濃度で存在する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の組成物。 9. β−アドレナリン性アゴニスト化合物を更に含んでなる、請求項5〜8 のいずれか1項に記載の組成物。 10. 抗炎症性コルチコステロイドを更に含んでなる、請求項5〜9のいず れか1項に記載の組成物。 11. 臭化イプラトロピウムを更に含んでなる、請求項5〜10のいずれか 1項に記載の組成物。 12. 喘息の治療に用いられる、請求項5〜11のいずれか1項に記載の組 成物。 13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の組成物と、溶液または乾燥粉 末を、吸入に適したエアゾル形態に変換させる手段とを含んでなるエアゾル装置 。 14. 治療上有効な量の請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を患者 に投与することを含んでなる、免疫介在性炎症性疾患患者の治療法。 15. 治療上有効な量の請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を患者 に投与することを含んでなる、異常なIL−5の産生およびそれに対する応答を 伴う疾患を患う患者の治療法。 16. 治療上有効な量の請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を患者 に投与することを含んでなる、好酸球の異常な産生および蓄積を伴う疾患を患う 患者の治療法。 17. 疾患が喘息である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。 18. 異常なIL−5の産生およびそれに対する応答を伴う疾患の治療用医 薬の製造のための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の使用。 19. 喘息の治療用医薬の製造のための、請求項1〜3のいずれか1項に記 載の化合物の使用。
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