JP2002514898A - 細胞内ビタミンd結合タンパク質 - Google Patents

細胞内ビタミンd結合タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規の細胞内ビタミンD結合タンパク質(IDBP)の発見および精製、ならびにこのタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の単離に関する。IDBPは、それらが新世界霊長類において観察されたビタミンD耐性(すなわち、不感受性)を媒介するので興味深い。IDBPは、ビタミンDレセプターおよび他の細胞内レセプター(例えば、エストロゲンレセプター)とは異なる。本発明の1つの局面は、精製IDBPを、ステロイドホルモン活性に影響するような薬学的組成物として提供することである。本発明の別の局面は、IDBPの発現の変化における使用のために、本発明のIDBPをコードするポリヌクレオチドを提供する。本発明のさらに別の局面は、IDBPとビタミンD(または他のIDBPに結合するリガンド)との間の相互作用を妨害する治療化合物の検出またはスクリーニング、および薬学的組成物としてのこのような化合物の使用についての、アッセイを提供することである。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞内ビタミンD結合タンパク質 本発明は、米国立衛生研究所(NIH)からの支持により一部なされた。米国政府 は、本発明に対して一定の権利を有し得る。関連出願データ 本出願は、1996年2月12日に出願された米国仮出願第60/001,491号の一部継続 出願である。発明の分野 本発明はビタミンDおよびステロイドホルモンシグナリングの分野である。背景 新世界霊長類の多くの属は、ビタミンD耐性を示す。この耐性は、活性ビタミ ンDホルモンである1,25ジヒドロキシビタミンD(1,25-(OH)2D)、およびプロホ ルモンである25-ヒドロキシビタミンD(25-OHD)の高循環濃度の維持により生化 学的に特徴づけられる。ビタミンD耐性の臨床的発現は、適切な日光曝露を欠乏 させた急速に成長する青年期動物におけるくる病を含む。ヒトを含む旧世界成長 類はビタミンD耐性を示さない。大部分の新世界霊長類において観察されたレベ ルより、旧世界霊長類の25-OHDのレベルは10倍も低く、そして1,25-(OH)2Dのレ ベルは100倍も低いものであり得る。新世界霊長類におけるビタミンD耐性の現 象はまた、グルココルチコイド(Chrousosら,Endocrinology 115:25-32(1984 )、Lipsettら,Recent Prog .Horrmone Res.42:199-246(1985)、Brandonら ,Cancer Res.49:2203-2213(1989)、鉱質コルチコイド、プロゲステロン、テ ストステロン、17β-エストラジオール(Chrousosら,J .Clin.Endocrinol.Me tab. 58:516-920(1984)、1,25-(OH)2D(Takahashiら,Biochems.227:555-563( 1985))を含む他のステロイドホルモンの高循環濃度と相関する。 ヒトにおける他のステロイドホルモンおよびビタミンDについて記載された耐 性状態の大多数とは異なり、新世界霊長類におけるビタミンDに対する耐性は、 ビタミンDレセプター(VDR)タンパク質の変異に関連するようではない。むし ろ、新世界霊長類におけるビタミンD耐性状態は、細胞内ビタミンD結合タンパ ク質(IDBP)の明らかな高発現に関連する。IDBPは、IDBPがシステインに乏しい 点で、血清ビタミンD結合タンパク質/アルブミンタンパク質ファミリーのメン バーとは異なる。さらに、血清ビタミンD結合タンパク質/アルブミンおよびビ タミンD/ステロイドレセプタータンパク質ファミリーは、それぞれ、細胞外ド メインおよび細胞核に主に制限されるが、一方IDBPは細胞の細胞質に優勢に局在 する。しかし、これらの他のステロール/ステロイド結合タンパク質と同様に、I DBPは、25-ヒドロキシル化ビタミンD代謝物に優先的に結合する。 IDBP活性は、新世界霊長類細胞の抽出物から富化された。それもにかかわらず 、IDBPを均一に精製するための多数の試みは成功しなかった。従って、IDBPの正 確な生化学的特徴および一次分子構造は把握されないままである。 新世界霊長類におけるビタミン耐性および高レベルの循環ステロイドホルモン の背後にある生化学的機構の理解を得ることにより、ビタミンDおよび他のステ ロイドホルモンの過剰産生または過小産生のいずれかに関する疾患を処置し、そ して診断するための新しい機会が達成され得る。このような疾患は、骨粗鬆症、 高カルシウム血症、およびビタミンD中毒を含む。発明の要旨 本発明は、新規な細胞内ビタミンD結合タンパク質(本明細書以後「IDBP」) の発見および精製、ならびにこのタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列 の単離に関する。驚くべきことに、これらのIDBPは、熱ショックタンパク質であ る。IDBPのヒトホモログは、熱ショックタンパク質hsp70としてより一般的に知 られている。しかし、ステロイドホルモン結合の特性は、熱ショックタンパク質 において以前に認識されていない。IDBPは、それらが新世界霊長類において観察 されたビタミンD耐性(すなわち、不感受性)を媒介するので興味深い。IDBPは 、ビタミンDレセプターおよび他の細胞内レセプター(例えば、エストロゲンレ セプター)とは異なる。IDBPは、ビタミンDレセプターおよび他の関連する細胞 内レセプタータンパク質の生物学的活性を妨害し得る。本発明のIDBPは、細胞内 レ セプタータンパク質に通常結合する種々のステロイド化合物と競合的に結合し得 る。これらのステロイドは、ビタミンD、17β一エストラジオール、テストステ ロン、およびプロゲステロンを含む。このようなステロイド化合物への結合によ り、IDBPは、リガンドがそれらの同系細胞内レセプターと相互作用するのを妨げ 得、かつ細胞内レセプターを濃縮するように作用し得る。従って、本発明のIDBP の細胞内レベルを調節することにより、所望の生理学的効果が得られ得る。この ような効果を使用して、細胞内レセプターでのシグナリングに関与する種々の疾 患(骨粗鬆症、グルココルチコイド媒介疾患、およびビタミンD過剰産生に関連 した高カルシウム血症、肉芽腫形成疾患を含む)を処置し得る。 本発明の1つの局面は、ステロイド化合物活性のメディエーターとしての使用 のための精製IDBPの組成物を提供することである。精製タンパク質は、組換え細 胞または天然に存在する細胞のいずれかから得られ得る。本発明の精製細胞内ビ タミンD結合タンパク質は、起源が哺乳動物であり得る。ヒトおよびCallithrix Jacchus(一般のマーモセット)を含む霊長類に由来するIDBPは、具体的に提供 される種々のIDBPの例である。本発明はまた、天然に存在するIDBPの対立遺伝子 改変体および生物学的に活性な誘導体を提供する。 本発明の別の局面は、本発明のIDBPをコードするポリヌクレオチドを提供する ことであり、そしてポリヌクレオチドコード鎖に相補的なポリヌクレオチドを提 供することである。本発明のポリヌクレオチドは、IDBPの組換え発現を提供する ために使用され得る。本発明のポリヌクレオチドはまた、IDBPに結合するリガン ドを結合する細胞内レセプターに関する疾患を処置するために、遺伝子治療目的 に使用され得る。本発明はまた、天然に存在するIDBPをコードするポリヌクレオ チドの検出用のハイブリダイゼーションプローブおよび増幅プライマーとしての 使用のためのポリヌクレオチドを提供する。好ましいポリヌクレオチドは、Call ithrix jacchus由来IDBPをコードするポリヌクレオチドである。 本発明の別の局面は、ステロイド化合物活性の変化における使用のために、本 発明のIDBPに結合し得る抗体を提供することである。抗体は、ポリクローナルま たはモノクローナルであり得る。本発明はまた、インビトロまたはインビボのい ずれかでビタミンD結合タンパク質の発現を検出および測定するために、本発明 の抗体を使用する方法を提供する。 本発明の別の局面は、IDBPとビタミンD(またはIDBPに結合する他のリガンド )との間の相互作用を妨害する治療化合物の検出またはスクリーニングのための アッセイを提供することである。本発明のアッセイは、IDBPとビタミン(または またはIDBPに結合する他のリガンド)との間の結合に対する目的の化合物の効果 を測定する工程を包含する。結合は、種々の方法(標識IDBPまたは標識リガンド の使用を含む)において測定され得る。図面の簡単な説明 図1は、ビタミンD3ステロールによるIDBPからの[3H]25-ヒドロキシビタミンD 3の競合的置換に関する実験データを示す。図1Aは、IDBPへの結合についての4n Mの[3H]25-ヒドロキシビタミンD3と競合する100nMの種々の代謝物の能力を示す 。図1Bは、競合的25-ヒドロキシル化ビタミンD代謝物の漸増濃度による、4nM の[3H]25-ヒドロキシビタミンD3の置換を例示する。 図2Aは、天然に存在する1,25-ジヒドロキシビタミンD3および1,25-ジヒドロキ シビタミンD2、ならびに3つの合成アナログの構造を図示し;ビタミンD2代謝物 は、C-24メチル基およびC-22〜23二重結合の存在により特徴づけられるが、一方 高カルシウム血症を引き起こさないビタミンDアナログは全て、側鎖の末端側で 構造変化を有する。図2Bは、ビタミンD3、D2、および他の関連化合物のIDBPへの 結合を測定する実験のグラフである。データは、添加される競合物の非存在下で の4nMの[3H]25-ヒドロキシビタミンD3の最大結合パーセントとして表され;各 データ点は少なくとも3連の平均±SDである。 図3は、Callithrix jacchus IDBPのcDNA(配列番号1)(上の行)とヒト誘 導性熱ショックタンパク質(hsp70)のcDNA(配列番号2)(下の行)とのアライ ンメントである。 図4は、Callithrix jacchus IDBP cDNAによりコードされる推定アミノ酸配列 (配列番号3)である。特定の実施態様の説明 用語「ビタミンD」は、本明細書中で広範に使用される。他に記載されない限 り、用語「ビタミンD」は、天然の哺乳動物に由来する形態のビタミンD(ビタ ミンD3、コレカルシフェロール)、植物に由来する形態のビタミンD(ビタミン D2、エルゴカルシフェロール)、および種々のビタミンD代謝物(例えば、25- ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)、1,25ジヒドロキシビタミンD(1,25[OH]2D) 、25,26ジヒドロキシビタミンD(25,26[OH]2D)など)の両方を含む。 本発明の方法における使用のためのビタミンD細胞内結合タンパク質は、25- ヒドロキシビタミンD2(ビタミンD2)、25-ヒドロキシビタミンD3(ビタミンD3 )、または0より大きな相対的結合指数(RBI)を有する1つ以上の表1に記載 される類似化合物に結合する生物学的活性を有する。本発明のIDBPは、種々の哺 乳動物種から単離され得る。単離のための好ましい哺乳動物種は、ヒトを含む霊 長類である。新世界霊長類は、IDBPの単離のために特に好ましい。ヒトおよび旧 世界霊長類は、新世界霊長類に見られるビタミンD耐性現象を発現するのに十分 多量のIDBPを産生しないが、ヒトおよび旧世界霊長類(ならびに、他の哺乳動物 )はIDBPを産生する。例えば、ヒトhsp70タンパク質は機能的IDBPである。 本発明はまた、本発明の方法における使用のためのIDBPの対立遺伝子改変体を 意図する。IDBPは、種々の哺乳動物組織から調製され得るが;白血球、および血 液白血球から樹立された細胞株は、IDBPの好ましい非組換え供給源である。IDBP は、当業者に周知の種々の方法で非組換え細胞から単離され得る。このような単 離方法の1つの例は、実施例の節で以下に提供される。 IDBPはまた、顕著な量のIDBPを発現するように遺伝子操作された組換え宿主細 胞から得られ得る。遺伝子操作された宿主細胞から組換えタンパク質を精製する 方法は、宿主細胞型によって変化し、そして当業者に周知である。このようなID BPは、以下に記載されるように、ステロイドホルモンの生物学的活性を減少させ るために被験体に投与され得る。 1つの局面において、本発明はまた、Callithrix jacchus IDBPのポリヌクレ オチド配列およびアミノ酸配列を提供する、このIDBPを用いた実験は、タンパク 質のアミノ末端がブロックされていることを示す。Callithrix jacchus白血球か ら単離された個々の内部トリプシン消化フラグメントIDBPのアミノ酸残基配列は 、 このタンパク質が熱ショックタンパク質ファミリーのメンバーであることを示唆 する。Callithrix JacchusのIDBPをコードするcDNAのポリヌクレオチド配列およ び推定アミノ酸残基配列は、それぞれ、図3および4に提供される。Callithrix jacchusのIDBPは、SDS-PAGEにより決定されるように、約60〜65kDa(キロダル トン)の相対的分子量を有する。 本明細書中で使用される用語「細胞内ビタミンD結合タンパク質」または「ID BP」は、天然に存在するIDBP(例えば、ヒトhsp70タンパク質)のアミノ酸残基 配列を有するタンパク質をいうだけでなく、天然に存在するIDBPの機能的誘導体 および改変体もいう。天然IDBPの機能的誘導体は、天然IDBPと共通した定性的な 生物学的活性(例えば、ビタミンD3および他の同系リガンドへの結合)を有する 化合物である。「機能的誘導体」は、任意の動物種(ヒトを含む)由来の天然ポ リペプチドのフラグメント、ならびに天然(ヒトおよび非ヒト)ポリペプチドお よびそれらのフラグメントの誘導体を含むが、これらに限定されない(ただしそ れらは、それぞれの天然ポリペプチドと共通した生物学的活性を有する)。「フ ラグメント」は、成熟天然ポリペプチドの配列内の領域を含む。例えば、実施例 により以下に示されるように、IDBPの推定ATP結合ドメイン(ほぼアミノ酸残基 8〜388に由来する)を含むIDBPの一部は、ビタミンDおよび関連ステロイド分 子を結合するフラグメントである。他のIDBPの推定フラグメントは、基質結合ド メイン(ほぼアミノ酸残基389〜547に由来する)、および可変性ドメイン(ほぼ アミノ酸残基548〜643に由来する)である。 用語「誘導体」は、天然ポリペプチドのアミノ酸配列およびグリコシル化改変 体、ならびに共有結合改変を定義するために使用されるが、用語「改変体」は、 この定義内のアミノ酸配列およびグリコシル化改変体をいう。好ましくは、機能 的誘導体は、対応する天然ポリペプチドの配列と、少なくとも約65%のアミノ酸 配列同一性を有し、より好ましくは約75%のアミノ酸配列同一性を有し、さらに より好ましくは少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有し、最も好ましくは少 なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドである。最も好まし くは、天然IDBPの機能的誘導体は、リガンド結合に直接関与する天然ポリペプチ ド配列内の領域(単数または複数)を保持するか、または模倣する。語句「機能 的誘導体」は、特に、天然IDBPと共通した定性的生物学的活性を有するペプチド および小有機分子を含む。 天然IDBPおよびIDBPフラグメントのアミノ酸配列改変体は、適切なヌクレオチ ド変化を天然または改変体IDBPコードDNAに導入することにより、または所望の ポリペプチドのインビトロ合成により、当該分野で公知の方法によって調製され る。標的変異またはランダム変異は、部位特異的変異誘発およびPCR変異誘発の ような当該分野で周知の種々の技術を使用して導入され得る。前述のおよび類似 の変異誘発技術の詳細は、一般的な教科書(例えば、Sambrookら,Molecular Cl oning :H Laboratory Manual第2版 ,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor(1989)、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubelら 編,John Wiley and Sons(1995)に見出される。 改変体IDBPの特徴を前もって予測することはしばしば困難であるので、最適な 改変体を選択するためにスクリーニングが必要とされることが理解される。この 目的のために、生化学的スクリーニングアッセイ(例えば、本明細書で以下に記 載されるようなアッセイ)が提供される。 本発明の方法における使用のためのポリヌクレオチド 本発明はまた、IDBPをコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。ポ リヌクレオチドは、完全なIDBPまたはその一部をコードし得る。ポリヌクレオチ ドは、周知の固相合成技術を使用するインビトロ化学合成を含む種々の方法によ り、クローニングにより、またはその組合せにより生成され得る。ポリヌクレオ チドは、一本鎖または二本鎖であり得る。IDBPをコードするポリヌクレオチドに 相補的なポリヌクレオチドもまた提供される。ポリヌクレオチドは、cDNAまたは ゲノムライブラリーに由来し得る。当業者は、ゲノムコードの縮重に精通してお り、そしてIDBPをコードする天然に存在するポリヌクレオチド配列に対して、部 分的または完全のいずれかのポリヌクレオチド配列相同性を有するIDBPをコード するポリヌクレオチドを容易に設計し得る。本発明に有用なポリヌクレオチドは 、Callithrix jacchusに由来する本発明のポリヌクレオチドだけでなく、他のID BP(例えば、ヒトhsp70)をコードするポリヌクレオチドも含む。 ポリヌクレオチドは、遺伝子ライブラリーからIDBPを回収するためのハイブリ ダイゼーションプローブとして使用され得る。ポリヌクレオチドはまた、ポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)および他の類似の増幅手順により、IDBPコードポリヌク レオチドまたはその一部の増幅のためのプライマーとして使用され得る。疾患、 特にIDBPのリガンドの過剰発現または過小発現に関する疾患と相関する、IDBPコ ード遺伝子における変異を検出するためのプローブおよび増幅プライマーとして 使用され得る。 本発明はまた、本発明のIDBPならびに他のIDBPを含む、種々のポリヌクレオチ ド発現ベクターを提供する。発現ベクターは、IDBPの発現を提供するように1つ 以上のプロモーター配列と機能的に組み合わせたIDBPをコードするポリヌクレオ チド配列(または内因性遺伝子の発現の阻害に適切な配列のアンチセンスコピー )を含む。ベクターは、遺伝子発現、調節、またはベクターの簡便な操作のため のさらなるポリヌクレオチド配列(例えば、ターミネーター、エンハンサー、選 択マーカー、パッケージング部位など)を含み得る。ポリヌクレオチド発現ベク ターおよびそれらの使用の詳細な説明は、とりわけ、Gene Expression Technolo gy;Methods in Enzymology Volume 185 Goeddel編,Academic Press Inc.,San Diego,CA(1991)、Protein Expression in Animal Cells Roth編、Academic P ress,San Diego,CA(1994)に見出され得る。 ポリヌクレオチド発現ベクターは、種々の使用を有する。このような使用は、 IDBPを発現するような宿主細胞の遺伝子操作を含む。ポリヌクレオチド発現ベク ターはまた、疾患および症状の遺伝子治療に使用され得、ここで天然に存在する 発現レベルより大きなレベルでIDBPを発現することが所望の使用であり得る。あ るいは、IDBPの天然に存在するレベルを減少させるためのアンチセンス発現のた めに本発明のベクターを使用することが所望され得る。 本発明は、本発明のIDBPに結合し得る、所望でない高レベルのビタミンDまた は他のステロイドにより特徴づけられる種々の疾患の処置のための方法を含む。 疾患は、インビボまたはインビトロ遺伝子治療のいずれかによって処置され得る 。ウイルスベクターの使用による遺伝子治療のためのプロトコルは、とりわけ、Viral Vector Gene Therapy and Neuroscience Appllcations ,KaplitおよびLow ry, Academic Press,San Diego(1995)に見出され得る。本発明の遺伝子治療法は 、IDBPの発現ベクター(または阻害アンチセンスRNA)を患者細胞に導入する工 程を含む。患者細胞は、患者内にある(すなわち、インビボ遺伝子治療)か、ま たは患者の外部にあってその後患者に再導入される(すなわち、インビトロ遺伝 子治療)かのいずれかであり得る。本発明の遺伝子治療法により処置され得る疾 患は、骨粗鬆症、腎性骨疾患、ビタミンD中毒、グルココルチコイドホルモン過 剰産生、性ステロイドホルモン過剰発現および過小発現、高カルシウム血症(ビ タミンD過剰発現に起因する)、エストロゲン応答性乳ガンおよび卵巣ガン、テ ストステロン応答性前立腺ガンなどを含む。 IDBP活性を変化させる化合物についてのスクリーニングアッセイ 本発明の別の局面は、目的の化合物が、細胞内ビタミンレセプタータンパク質 へのビタミンD(または他のリガンド)の結合を妨害するようにIDBPに結合し得 るかどうかを決定するために、有用なアッセイを提供する。以下のアッセイは、 IDBPと相互作用する(例えば結合する)化合物、IDBPと相互作用する細胞内タン パク質と相互作用する(例えば結合する)化合物、IDBPとステロイドホルモンと の相互作用を妨害する化合物、およびIDBP遺伝子の活性を調節する(すなわち、 IDBP遺伝子発現のレベルを調節する)またはIDBPのレベルを調節する化合物を同 定するために設計される。IDBP遺伝子調節配列(例えば、プロモーター配列)に 結合し、そしてIDBP遺伝子発現を調節し得る化合物を同定するアッセイが、さら に利用され得る。例えば、Platt,K.A.,1994,J.Biol.Chem.269:28558-2856 2(その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。 本発明によりスクリーニングされ得る化合物は、IDBPに結合し、そして天然リ ガンドにより誘発される活性を模倣するか(すなわちアゴニスト)または天然リ ガンドにより誘発される活性を阻害する(すなわちアンタゴニスト)、ペプチド 、抗体およびそのフラグメント、プロスタグランジン、脂質、および他の有機化 合物(例えば、テルペン(terpines)、ペプチド模倣物);ならびにIDBP天然リガ ンドを模倣するペプチド、抗体またはそのフラグメント、および他の有機化合物 を含むが、これらに限定されない。 このような化合物は、例えば、可溶性ペプチドのようなペプチド(ランダムペ プチドライブラリー(例えば、Lam,K.S.ら,1991,Nature 354:82-84;Hought en,Rら,1991,Nature 354:84-86を参照のこと)およびD-および/またはL-配置 のアミノ酸から作製されるコンビナトリアル化学由来分子ライブラリーペプチド のメンバーを含むが、これらに限定されない)、ホスホペプチド(ランダムまた は部分的に変性した定方向ホスホペプチドライブラリー(例えば、Songyang,Z. ら,1993,Cell 72:767-778を参照のこと)のメンバーを含むが、これらに限定 されない);抗体(ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、抗イディオタイ プ、キメラ、または単鎖の抗体、ならびにFAb、F(ab')2およびFAb発現ライブラ リーフラグメント、およびそのエピトープ結合フラグメントを含むが、これらに 限定されない);および低有機分子または無機分子を含み得るが、これらに限定 されない。 本発明によりスクリーニングされ得る他の化合物は、適切な細胞への侵入を獲 得し、そしてIDBP遺伝子の発現に(例えば、遺伝子発現に関与する調節領域また は転写因子と相互作用することにより)影響し得る低有機分子;またはIDBPの活 性に(例えば、IDBPのステロイドホルモンへの結合を阻害または増強することに より)影響するこのような化合物を含むが、これらに限定されない。 コンピューターモデリングおよび検索技術は、IDBP発現または活性を調節し得 る、化合物の同定、または既に同定された化合物の改善を可能にする。このよう な化合物または組成物を同定すると、活性部位または領域が同定される。このよ うな活性部位は、代表的には、結合パートナー部位(例えば、IDBPタンパク質と その同系リガンドとの相互作用ドメイン)であり得る。活性部位は、例えば、ペ プチドのアミノ酸配列由来、核酸のヌクレオチド配列由来、あるいは関連化合物 または組成物とその天然リガンドとの複合体の研究由来の方法を含む、当該分野 で公知の方法を用いて同定され得る。後者の場合、化学的方法またはX線結晶学 的方法を使用して、複合体化リガンドが見出される因子上の場所を見出すことに より活性部位を見出し得る。 次いで、活性部位の三次元幾何学的構造が決定される。これは、完全な分子構 造を決定し得る、X線結晶学を含む公知の方法により行われ得る。一方、固相ま たは液相NMRを使用して、特定の分子内距離を決定し得る。構造決定の任意の他 の実験法を使用して、部分的または完全な幾何学的構造が得られ得る。幾何学的 構造は、複合体化リガンド(天然または人工の)を用いて測定され得、決定され た活性部位構造の正確さを増大させ得る。 不完全または不十分に正確な構造が決定された場合、コンピューターに基づく 数字的モデリングの方法は、構造を完成させるかまたはその正確さを改善するた めに用いられ得る。任意の認識されたモデリング法が用いられ得、それらにはタ ンパク質または核酸のような特定のバイオポリマーに特異的なパラメーター化さ れたモデル、分子運動を計算することに基づく分子動力学モデル、熱アンサンブ ルに基づく統計力学的モデル、または組み合わせたモデルが含まれる。ほとんど のタイプのモデルについて、標準的分子力場(構成要素原子と群との間の力を表 す)が必要であり、そして物理化学において公知である力場から選択され得る。 不完全またはあまり正確でない実験的構造は、これらのモデリング法によって計 算された完全なおよびより正確な構造に対する制約として作用し得る。 最後に、活性部位の構造を、実験的に、モデリングで、または組合せによって 決定したら、候補調節化合物をその分子構造に関する情報とともに化合物を含む データベースを検索することによって同定し得る。このような検索により、決定 された活性部位構造に整合する構造および活性部位を規定する群と相互作用する 構造を有する化合物を捜す。このような検索は、手動であり得るが、好ましくは コンピューターで補助され得る。この検索で見出されたこのような化合物は潜在 的IDBP調節化合物である。 あるいは、これらの方法を用いて、既知の調節化合物またはリガンドから改善 された調節化合物を同定し得る。公知の化合物の組成物は改変し得、そして改変 の構造的効果を上記の新たな組成物に適用される実験的およびコンピューターモ デリング法を用いて決定し得る。次いで、変化した構造は、化合物の活性部位構 造と比較され、改善されたフィットまたは相互作用が生じるかどうか決定される 。このようにして、組成物における体系的な変更(例えば、側鎖を変化させるこ とによる)を迅速に評価し、改善された特異性または活性を有する改変された調 節化合物またはリガンドを得ることができる。 IDBPタンパク質相互作用の活性部位および関連する伝達因子の同定に基づく、 調節化合物を同定するために有用なさらなる実験的およびコンピューターモデリ ング法は、当業者に明らかである。 分子モデリングシステムの例は、CHARMmおよびQUANTAプログラムである(Poly gen Corporation,Waltham,MA)。CHARMmは、エネルギー最小化および分子動力 学機能を実行する。QUANTAは、分子構造の構築、グラフィックモデリング、およ び分析を実行する。QUANTAは、互い分子との分子の行動の相互作用的構築、改変 、可視化、および分析を実行する。 結合を変更し得る化合物の設計および生成に関して先に記載したが、公知の化 合物(天然の産物または合成の化学薬品を含む)、および生物学的に活性な物質 (タンパク質を含む)のライブラリーもまたインヒビターまたは活性化剤である 化合物についてスクリーニングし得る。 本明細書中で記載されるようなアッセイを介して同定される化合物は、例えば 、ステロイドホルモンの過少または過剰産生に関連する症状の処置において有用 であり得る。化合物の有効性を試験するためのアッセイは以下に記載される。 インビトロ系を設計して、IDBPに相互作用(例えば、結合)可能な化合物を同 定し得る。同定される化合物は、例えば、野生型および/または改変体IDBP遺伝 子産物の活性の調節において有用であり得る。インビトロ系は、正常なIDBP相互 作用を破壊する化合物を同定するためのスクリーニングにおいて利用され得る。 IDBPに結合する化合物を同定するために用いられるアッセイの原理は、IDBPタ ンパク質と試験化合物との反応混合物を、この2つの成分が相互作用して結合す る(従って、この反応混合物中で除去および/または検出し得る複合体を形成さ せる)に十分な条件下および時間で調製することを含む。用いられるIDBP種は、 スクリーニングアッセイの目的に依存して変化し得る。例えば、天然のリガンド のアゴニストが求められる場合、全長IDBPまたは、アッセイ系で利点を有する( 例えば、生じる複合体の標識、単離など)タンパク質またはポリペプチドに融合 されたIDBPを含む融合タンパク質が利用され得る。 スクリーニングアッセイは、種々の様式で行われ得る。例えば、このようなア ッセイを行う1つの方法は、IDBPタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、または 融合タンパク質、あるいは試験基質を固相上へ固着する工程、および反応の最後 での固相上へ定着したIDBP/試験化合物複合体を検出する工程を包含する。この ような方法の1つの実施態様において、IDBP反応物が固体表面上に固着され、試 験化合物(固着されていない)は、直接的または間接的のいずれかで標識され得 る。方法の別の実施態様において、固相上に固着されたIDBPタンパク質は、標識 抗体との複合体である。次いで、試験化合物は、IDBP/抗体複合体の結合を破壊 するその能力についてアッセイされ得る。 実際には、マイクロタイタープレートが固相として便利に利用され得る。固着 された成分は、非共有結合または共有結合によって固定化され得る。非共有的結 合は、単に固体表面をタンパク質の溶液でコートし、そして乾燥させることによ って達成され得る。あるいは、固定化された抗体、好ましくは固定化されるタン パク質に特異的なモノクローナル抗体は、タンパク質を固体表面に固着するため に用いられ得る。表面は予め調製され得、そして保存され得る。 アッセイを行うために、固着された成分を含むコートされた表面に固定化され ていない成分が添加される。反応完了後、形成された複合体は全て固体表面上に 固定化されたままであるように、未反応の成分を除去する(例えば、洗浄によっ て)。固体表面上に固着された複合体の検出は、多くの様式で達成され得る。予 め固定化されていない成分が、予め標識されている場合、表面上に固定化された 標識の検出は、複合体が形成されたことを示す。予め固定化されていない成分が 、予め標識されていない場合、間接的標識を用いて表面に固着された(例えば、 予め固定化されていない成分に特異的な標識された抗体を用いて(この抗体は、 次いで直接的にまたは標識された抗Ig抗体で間接的に標識され得る))複合体を 検出し得る。 あるいは、反応は、液相において行われ、反応生成物が未反応の成分から分離 され、そして複合体が検出され得る;例えば、溶液中で形成された任意の複合体 を固着するために、IDBPタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、または融合タン パク質、あるいは試験化合物に特異的な固定化された抗体、および固着された複 合体を検出するために、可能な複合体の他の成分に特異的な標識された抗体を用 いて。 IDBPタンパク質と相互作用する高分子は、本議論の目的のために、「結合パー トナー」として言及される。本明細書中の目的の結合パートナーは、IDBPに結合 するステロイドホルモンである。それゆえ、IDBPの活性、従ってステロイドホル モンに対する応答を調節するのに有用であり得るIDBPとのこのような結合パート ナーの相互作用を妨害するかまたは破壊する化合物を同定することが望ましい。 IDBPタンパク質とその結合パートナーとの間の相互作用を妨害する化合物を同 定するために用いられるアッセイ系の基本的な原理には、上記のIDBPタンパク質 、ポリペプチド、ペプチド、または融合タンパク質を含有する反応混合物、およ び結合パートナーを、その2つが相互作用し、そして結合し、かくして複合体を 形成することを可能にするのに十分な条件下および時間で調製する工程が含まれ る。化合物を阻害活性について試験するために、反応混合物を試験化合物の存在 下および非存在下で調製する。試験化合物は、最初に反応混合物中に含まれ得る か、またはIDBP部分およびその結合パートナーの添加の後に一度に添加され得る 。コントロール反応混合物は、試験化合物無しで、またはプラシーボとともにイ ンキュベートされる。次いで、IDBP部分とその結合パートナーとの間での任意の 複合体の形成が検出される。コントロール反応における(試験化合物を含有する 反応混合物においてではない)複合体の形成は、その化合物がIDBPおよびその相 互作用パートナーの相互作用を妨害することを示す。 IDBPおよび結合パートナーの相互作用を妨害する化合物についてのアッセイは 、不均質または均質な形式で行われ得る。不均質アッセイは、IDBP部分産物かま たは結合パートナーのいずれかを固相上に固着する工程、および反応の終わりに 固相上に固着された複合体を検出する工程を包含する。均質アッセイにおいて、 全反応は、液層において行われる。以下の実施例は、相互作用を破壊するかまた は増強する化合物をスクリーニングするために容易に改変され得る類似のアッセ イを記載する。いずれのアプローチにおいても、反応物を添加する順序は、試験 される化合物についての異なる情報を得るために変更され得る。例えば、競合に よって相互作用を妨害する試験化合物は、反応を試験基質の存在下で行うことに よって;すなわち試験基質を、IDBP部分および相互作用結合パートナーより前に またはそれらと同時に反応混合物に添加することによって同定され得る。あるい は、 予め形成された複合体を破壊する試験化合物(例えば、複合体から成分の1つを 置換するより高い結合定数を有する化合物)が、試験化合物を複合体が形成され た後に反応混合物に添加することによって試験され得る。種々の形式が以下に簡 単に記載される。 不均質アッセイ系において、IDBP部分または相互作用結合パートナーのいずれ かは、固体表面上に固着される。一方、固着されていない種は、直接的または間 接的のいずれかで標識される。実際には、マイクロタイタープレートが便利に用 いられる。固着された種は、非共有結合または共有結合による連結によって固定 化され得る。非共有結合連結は、単に固体表面をIDBP遺伝子産物または結合パー トナーの溶液でコートし、そして乾燥させることによって達成され得る。あるい は、固着される種に特異的な固定化された抗体は、種を固体表面に固着するため に用いられ得る。表面は予め調製されそして保存され得る。 アッセイを行うために、固定化された種のパートナーは試験化合物とともにま たは無しで表面にコートされるために曝露される。反応完了後、未反応の成分を 除去し(例えば、洗浄によって)、そして形成された任意の複合体は固体表面上 に固定化されたまま残る。固体表面上に固着された複合体の検出は、多くの様式 で達成され得る。固定化されていない成分が予め標識されている場合、固体表面 上に固定化された標識の検出は、複合体が形成されたことを示す。固定化されて いない成分が予め標識されていない場合、間接的標識を用いて表面上に固着され た複合体を検出し得る;例えば、初めに固定化されていない成分に特異的である 標識された抗体(この抗体は、次いで直接標識され得るかまたは標識された抗Ig 抗体で間接的に標識され得る)を用いて。反応成分の添加の順序に依存して、複 合体形成を阻害するかまたは予め形成された複合体を破壊する試験化合物が検出 され得る。 あるいは、反応は、試験化合物の存在下または非存在下で液相において行われ 、反応生成物が未反応の成分から分離され、そして複合体が検出される;例えば 、溶液中で形成された任意の複合体を固着するために、結合成分の1つに特異的 な固定化された抗体、および固着された複合体を検出するために、他のパートナ ーに特異的な標識された抗体を用いて。さらに、反応物の液相への添加の順序に 依 存して、複合体を阻害するかまたは予め形成された複合体を破壊する試験化合物 が同定され得る。 本発明の別の実施態様において、均質アッセイが用いられ得る。このアプロー チにおいて、IDBP部分の予め形成された複合体および相互作用する結合パートナ ーが調製され、ここでIDBPかまたはその結合パートナーのいずれかが標識される が、標識によって生成されたシグナルは、複合体の形成に起因してクエンチされ る(例えば、免疫アッセイのためのこのアプローチを利用するRubensteinによる 米国特許第4,109,496号を参照のこと)。予め形成された複合体からの種の1つ と競合しそれを置換する試験物質の添加により、バックグラウンドを超えるシグ ナルの生成が生じる。このようにして、IDBP/細胞内結合パートナー相互作用を 破壊する試験物質が同定され得る。 特定の実施態様において、IDBP融合は固定化のために調製され得る。例えば、 IDBPまたはペプチドフラグメント(例えば、ATP結合ドメインに対応する)は、 融合ベクター(例えば、pGEX-5X-1)を用いて、その結合活性が得られる融合タ ンパク質において維持されるように、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST )遺伝子に融合され得る。相互作用の結合パートナーは、放射性アイソトープで 、例えば当該分野で日常的に実施される方法によって標識され得る。不均質アッ セイにおいて、例えばGST-IDBP融合タンパク質は、グルタチオンアガロースビー ズに固着され得る。次いで、相互作用結合パートナーは、試験化合物の存在下ま たは非存在下で相互作用および結合を生じさせる様式で添加され得る。反応期間 の終わりに、未結合の物質が洗浄除去され得る。IDBP遺伝子産物と標識相互作用 結合パートナーとの間の相互作用は、グルタチオンアガロースビーズに結合した 放射能の量を測定することによって検出され得る。試験化合物による相互作用の 首尾良い阻害は、測定される放射能の減少を生じる。 あるいは、GST-IDBP融合タンパク質および標識された相互作用結合パートナー は、固体グルタチオンアガロースビーズの非存在下で液体中に一緒に混合され得 る。試験化合物は、種が相互作用する間またはその後のいずれかで添加され得る 。次いで、この混合物は、グルタチオンアガロースビーズに添加され、そして未 結合物質が洗浄除去され得る。再び、IDBP/結合パートナー相互作用の阻害の程 度 がビーズに結合した放射能を測定することによって検出され得る。 本発明の別の実施態様において、これらの同一の技術が、全長タンパク質の代 わりに、IDBPの結合ドメインに対応するペプチドフラグメントを用いて利用され 得る。当該分野で日常的に実施される任意の数の方法を用いて、結合部位を同定 および単離され得る。これらの方法は、タンパク質をコードする遺伝子の変異誘 発および免疫共沈降アッセイにおける結合の破壊に対するスクリーニングを含む がこれらに限定されない。タンパク質をコードする遺伝子の配列分析は、相互作 用的結合に関与するタンパク質の領域に対応する変異を明らかにする。 IDBPに関連する障害を寛解させる化合物の同定のためのアッセイ 化合物(上記のようなアッセイ技術によって同定される結合化合物を含むが、 それらに限定されない)は、ステロイド、特に表1において0より大きいRBIに よって同定されるステロイドの過剰産生に付随する状態を寛解する能力について 、IDBPタンパク質を活性化することによって試験され得る。さらに、IDBPタンパ ク質の活性を妨害する化合物を用いて、ステロイドホルモンが不十分であるよう な症状(例えば、閉経または任意の数の無機質脱落疾患)を処置し得る。上記の アッセイは、IDBP活性に影響する化合物(例えば、IDBPに結合する化合物、天然 のリガンドの結合を阻害する化合物、または天然のリガンドの結合を活性化する 化合物、およびIDBPの天然のリガンドに結合しそしてリガンドの活性を中和する 化合物);またはIDBP遺伝子活性に(IDBP遺伝子発現に影響を及ぼすことによっ て)影響する化合物(分子、例えばスプライシング事象に影響するかまたは妨害 し、その結果IDBPの全長形態の発現が調節されるタンパク質または小有機分子) を同定し得る。このような化合物を、ステロイドホルモン活性障害の処置および ステロイドホルモン活性に付随する状態の処置のための治療方法の一部として用 い得る。 本発明は、ステロイドホルモン活性障害徴候を寛解するような能力を示す化合 物の同定のための細胞ベースの、および動物モデルベースのアッセイを包含する 。このような細胞ベースのアッセイ系もまた、化合物(組換えまたは合成的に産 生されたIDBP改変体を含む)の純度および効力についてアッセイするための標準 と して用いられ得る。 細胞ベースの系を用いて、ステロイドホルモン活性化障害徴候を寛解するよう に作用し得る化合物を同定し得る。このような細胞系は、例えば組み換えまたは 非組換え細胞(例えば、IDBP遺伝子を発現する細胞株)を含み得る。例えば、白 血球または白血球由来の細胞株が用いられ得る。さらに、化学的もしくは表現型 の変化(例えば、ビタミンDまたは他のステロイドなどの結合)、または別の宿 主細胞遺伝子(例えば、ステロイド応答性遺伝子)の誘導によって測定される様 に、機能的IDBPを発現するようにそして天然のリガンドによる活性化に応答する ように遺伝子操作された発現宿主細胞(例えば、B95細胞、COS細胞、CHO細胞、O MK細胞、線維芽細胞、Sf9細胞)が、アッセイのエンドポイントとして用いられ 得る。 このような細胞系を用いるにおいて、細胞は、曝露された細胞においてこのよ うな効果を誘発するために十分な濃度および十分な時間でIDBP活性または活性化 に影響を与える能力を示すと予想される化合物に曝露され得る。曝露した後、細 胞は、IDBP遺伝子の発現の変化を測定するために、例えば、IDBP mRNA転写物に ついて(例えば、ノーザン分析によって)または細胞において発現されたIDBPタ ンパク質について細胞溶解物をアッセイすることによってアッセイされ得る;ID BP遺伝子の発現を調節または調整する化合物は、治療薬として価値のある候補で ある。あるいは、細胞は1つ以上のIDBP/ステロイド細胞性表現型が、より正常 なまたはより野生型の表現型、あるいはステロイドに対してより低い発生率また は応答を産生するらしい表現型に類似するように変更されているかどうかを決定 するために試験される。例えば、ビタミンD応答性遺伝子の活性化がアッセイさ れ得る。 さらに、動物ベースのステロイドホルモン障害系(これは、例えばマウスを含 み得る)を用いて、ステロイド活性化または抑制障害様徴候に影響を与え得る化 合物を同定し得る。例えば、減少したレベルのステロイドホルモンまたはステロ イドホルモンレセプターを発現する「ノックダウン」マウスを含む多数のモデル 系が存在する。減少したレベルの甲状腺ホルモンレセプターを有するマウスは、 ホルモン耐性を示す。さらにステロイド応答性モデルとして役立つレセプターの 標的化過剰発現の多数のマウスモデルが存在する。このような動物モデルは、こ のような障害を処置するにおいて有効であり得る薬物、医薬品、治療法、および 介入の同定のための試験系として用いられ得る。 例として、ステロイドホルモン(例えば、ビタミンD)に対するIDBPの結合を 妨害する能力を示すことが予想される化合物に対して、曝露された動物において 不十分なビタミンDの徴候の寛解を誘発するのに十分な濃度および時間で、動物 モデルが曝露され得る。曝露に対する動物の応答は、ビタミンD欠乏に付随する 障害(例えば、くる病)の逆転を評価することによってモニターされ得る。介入 に関して、ステロイドホルモン過剰または過少産生障害様徴候の任意の局面を逆 転する任意の処置が、ヒト障害治療介入のための候補として考慮されるべきであ る。試験薬剤の投薬量は、以下に議論されるように、用量応答曲線を得ることに よって決定され得る。 本発明の方法における使用のための抗体 IDBPに対する抗体はまた、本発明の方法において、診断的および治療的の両方 で用いられ得る。IDBPに対するポリクローナル抗体は、一般にIDBPおよびアジュ バントの複数の皮下(sc)または腹腔内(ip)注射によって動物において惹起さ れる。適切な動物には、ウサギ、マウス、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラットのような 任意の非ヒト哺乳動物が含まれる。あるいは、哺乳動物において保存されている タンパク質に対する抗体を生成するために、鳥類(例えば、ニワトリまたは七面 鳥)、魚類、および爬虫類を用いて抗体を生成し得る。標的アミノ酸配列を含む IDBPまたはフラグメントを免疫される種において免疫原性であるタンパク質(例 えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロビ ン、またはダイズトリプシンインヒビター)に、二機能的または誘導体化剤(例 えば、マレイミドベンゾイルスルホコハク酸イミドエステル(システイン残基を 介した結合)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(リジン残基を介して)、グルタル アルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、またはR1N=C=NR、ここでRおよびR1は異なる アルキル基である)を用いて結合させるために有用であり得る。また、ミョウバ ンのような凝集剤を用いて免疫応答が増強される。 モノクローナル抗体が実質的に均質な抗体の集団から得られる。すなわち、集 団を構成する個々の抗体が、少量で存在し得る可能な天然に存在する変異を除い て同一である。従って、修飾語「モノクローナル」は、別個の抗体の混合物では ないとしての抗体の特徴を示す。例えば、本発明の抗IDBPモノクローナル抗体は 、KohlerおよびMilstein,Nature 256:495(1975)によって最初に記載されたハ イブリドーマ法を用いて作製され得るか、または組換えDNA法(Cabillyら,米国 特許第4,816,567号)によって作製され得る。 抗IDBP特異的抗体は、本発明の方法における多くの使用を有する。抗体は、組 換えまたは非組換え細胞のいずれかからIDBPを精製するために用いられ得る。本 発明の抗体は、組織サンプル(例えば、血液、皮膚など由来の)中のIDBPの存在 を検出および/または定量するために用いられ得る。IDBPの定量(quantitative) は、IDBP発現レベルの特定のレベルに相関されている疾患および生理学的または 遺伝的な状態について診断的に用いられ得る。 薬学的調製物および投与 IDBP、ポリヌクレオチドコードIDBP、IDBP遺伝子発現もしくは活性、またはID BPのステロールとの相互作用に影響することが決定されている化合物は、治療的 有効用量で、ビタミンDおよび他のステロイドホルモンの過剰または過少産生に 関連する疾患を処置または寛解するために患者に投与され得る。このような疾患 には、骨粗鬆症、高カルシウム血症、ビタミンD中毒、閉経、エストロゲンレセ プター陽性乳ガンまたは卵巣ガン、テストステロン応答性前立腺ガン、腎臓骨疾 患、およびビタミンD欠乏が含まれる。IDBPの変化した活性または発現は、青年 期における骨格の無機質化を最大化するために、そして年齢関連脱無機質化に対 抗するために用いられ得る。IDBPおよびIDBP刺激化合物はまた、ステロイドホル モンの生物学的活性を減少させるために予防的に(例えば、男性および女性の両 方におけるバースコントロール試薬として)用いられ得る。治療的有効用量は、 ステロイドホルモン過剰産生または不足の徴候の寛解を生じるのに十分な化合物 の量をいう。 スクリーニングアッセイにおいて同定される化合物が被験体に送達される場合 、 このような化合物の毒性および治療的効果は、細胞培養物または実験動物におい て(例えば、LD50(集団の50%にとって致死的な用量)およびED50(集団の50% において治療的有効な用量)を決定するために)標準的な薬学的手順によって決 定され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療的指標であり、そして 比LD50/ED50として表され得る。大きい治療的指標を示す化合物が好ましい。毒 性の副作用効果を示す化合物が用いられ得るが、罹患していない細胞に対する可 能な損傷を最小化にし、それによって副作用を減少させるためにこのような化合 物を患部の組織の部位に標的化する送達システムを設計するために注意されるべ きである。 細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用の ための投与量を処方することにおいて用いられ得る。このような化合物の投与量 は、好ましくはほとんどまたは全く毒性を有さずにED50を含む循環濃度の範囲内 にある。投与量は、用いられる投与形態および利用される投与の経路に依存して この範囲内において変化し得る。本発明の方法において用いられる任意の化合物 について、治療的有効用量が細胞培養アッセイから最初に見積もられ得る。用量 は、動物モデルにおいて処方され、細胞培養物中で決定されたIC50(すなわち、 徴候の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を 達成し得る。このような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定する ために用いられ得る。血漿におけるレベルは、例えば高速液体クロマトグラフィ ーによって測定され得る。 本発明に従う使用のための薬学的組成物は、一つ以上の生理学的に受容可能な キャリアまたは賦形剤を用いて従来の様式で処方され得る。 従って、化合物およびそれらの生理学的に受容可能な塩ならびに溶媒和化合物 は、吸引またはガス吸入(口または鼻のいずれかを通して)による、あるいは経 口、口腔内、非経口、または直腸投与による投与のために処方され得る。 経口投与について、薬学的組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化ト ウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチル セルロース);フィラー(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、またはリ ン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、滑石、ま たはシリカ);錠剤分解物質(例えば、バレイショデンプンまたはデンプングリ コール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のよ うな薬学的に受容可能な賦形剤を用いる従来の手段によって調製される錠剤また はカプセルの形態をとり得る。錠剤は当該分野で周知の方法によってコートされ 得る。経口投与のための液体調製物は、例えば溶液、シロップ、懸濁液の形態を とり得、あるいは使用前に水または他の適切なビヒクルとの構成のための乾燥製 品として提示され得る。このような液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトー ルシロップ、セルロース誘導体、または水素化食用油);乳化剤(例えば、レシ チンまたはアカシア);非水溶性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油脂エステ ル、エチルアルコール、または分画された植物油);および保存剤(例えば、メ チルまたはプロピル-p-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)のような薬 学的受容可能な添加剤を用いる従来の手段によって調製され得る。調製物はまた 適切ならば、緩衝塩、調味料、着色料、および甘味料を含み得る。 経口投与のための調製物は、活性な化合物の制御された放出を与えるために適 切に処方され得る。 口腔内投与について、従来の様式で処方された組成物は錠剤またはトローチ剤 の形態をとり得る。 吸入による投与のために、本発明による使用のための化合物は、適切な噴霧剤 (例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテ トラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体)の使用により、加圧 パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレー提示の形態で便利に送達される。 加圧工アロゾルの場合、投与量単位はメーターに表示される量を送達するための バルブを提供することによって決定され得る。例えば吸入器(inhaler or insuff lator)における使用のためのゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物 の粉末混合物およびラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤を含んで 処方され得る。 化合物は、注入(例えば、ボーラス注入または連続的注入による)による非経 口投与のために処方され得る。注入のための処方物は、単位投与量形態において (例えば、アンプルまたは多用量容器において)添加された保存剤とともに提示 され得る。組成物は、油性または水性のビヒクル中にて懸濁液、溶液、またはエ マルジョンの形態をとり得、そして懸濁、安定化、および/または分散剤のよう な処方剤を含み得る。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば 、滅菌パイロジェンを含まない水)を伴う構成のための粉末形態であり得る。 化合物はまた、座薬または滞留浣腸(retention enema)(例えば、ココアバタ ーまたは他のグリセリドのような従来の座薬基剤を含む)のような直腸組成物に おいて処方され得る。 以前に記載された処方物に加えて、化合物はまた、貯蔵調製物(depot prepara tion)として処方され得る。このような長期作用処方物は、移植(例えば、皮下 または筋肉内に)または筋肉内注入によって投与され得る。従って、例えば、化 合物は適切なポリマー物質または疎水性物質(例えば、受容可能な油中のエマル ジョンとして)、もしくはイオン交換樹脂とともに、または節約した可溶性の(s paringly soluble)誘導体(例えば、節約した可溶性の塩として)として処方さ れ得る。 組成物は、所望であれば、活性成分を含む一つ以上の単位投薬量形態を含み得 るパックまたは調剤デバイス中にて提示され得る。例えば、パックは金属または プラスチックホイル(例えば、ブリスターパック)を含み得る。パックまたは調 剤デバイスは、投与のための説明書をともない得る。 上記の発明は、以下の実施例に参照することによってより一層理解され得る。 以下の実施例は、本発明を例示する目的のために提供され、そして本発明を限定 するものとして解釈されるべきではない。実施例I:IDBPのリガンド特異性 この実験において、本発明者らは、未分画の100,000×g上清抽出物からB95-8 細胞へ、[3H]25-ヒドロキシビタミンD3を競合的に置換するビタミンD3および種 々のその代謝物の能力を分析した。さらに、本発明者らはまた、多数の非ビタミ ンDステロイドおよび生物活性脂質のIDBPへの結合能を試験した。 材料および方法 ビタミンDステロール、ステロイド、および他の化合物。[3H]25-ヒドロキシ ビタミンD3([3H]25-OHD3;比活性181Ci/mmol)および[3H]17β-エストラジオー ルを、Amersham Corporation(Arlington Heights,IL)より購入した。潜在的 リガンドとして評価された他の化合物の供給源を表Iに提供する;3つのビタミ ンDアナログおよびRU486は、贈与された。全ての他の緩衝液構成物質は、Sigma Company(St.Louis,MO)から入手した。タンパク質精製において用いられる クロマトグラフィー用支持体の供給源および名前は以下の通りである:フェニル セファロース(低sub、中sub、および高sub)、ブチルセファロース、オクチル セファロース、およびMono-Qを、Pharmaciaから入手した;BPS-DEおよびBPS-CM をMetaChemから入手した;DEAE-5PWをMilliporeから入手した;そしてBioRad Q およびヒドロキシアパタイトの両方をBioRadから入手した。 B95-8細胞の培養および抽出。Bリンパ芽球腫細胞株B95-8をアメリカンタイプ カルチャーコレクション(ATCC,Rockville,MD)から入手した。細胞株を、ビ タミンD耐性新世界霊長類、Callithrix jacchus(一般のマーモセット)由来の 血液白血球のEBV形質転換によって樹立した。細胞株を、10%ウシ胎児血清(FCS ;Gemini BioProducts,Calabasas,CA)、100ユニット/mlペニシリン、100μg/m lストレプトマイシン、2mM L-グルタミン(両方ともGibco-BRL,Grand Island, NYから)を日常的に補充したRPMI-1640培地(Irvine Scientific,Irvine,CA) において、95%空気-5%CO2の雰囲気で維持した。 コンフルエント培養物を、プラスチックフラスコに弱く接着性であるリンパ芽 球種細胞の凝集塊を除去するために撹拌によって回収した。回収した細胞をペレ ット化し、そして氷冷リン酸緩衝化生理食塩水(PBS;20mM Na2HPO4および150mM NaCl,pH7.2)中で2回洗浄した。次いで、ペレット化した細胞を、1mMフェニ ルメチルスルホニルフルオライド(Phenylmethysul fonylfluoride)を含むETD緩 衝液(1mM EDTA、10mM Trls-HCl、5mMジチオスレイトール、pH7.4)中で再懸濁 し、そして5回の15秒のバーストで氷上でPolytronによってホモジナイズした。 付随する核ステロイドレセプタータンパク質を有する核を、4,000×gで30分間4 ℃でペレット化した。次いで、この遠心分離の核後(post-nuclear)上清を、100, 000×gで1時間4℃で高速遠心分離に供した。得られる「100,000×g上清」は、 アリコートし、そしてさらなる研究のために70℃で保存したか、競合的リガンド 結 合分析において用いたか、または以下の実施例IIに記載するようにさらなる精製 に供したかのいずれかであった。 リガンド結合分析。B95-8細胞の未分画100,000×g上清抽出物およびクロマト グラフィーで精製された物質の個々のカラム画分の、放射不活性化合物(表Iを 参照のこと)の漸増濃度の存在下または非存在下で[3H]25-OHD3を結合する能力 を、以前にGacadらBone Min .Res.8:27-35(1993)に記載される競合タンパク質 結合アッセイによって行った。未分画抽出物ならびに陰イオン交換クロマトグラ フィー後および疎水相互作用クロマトグラフィー後画分をETD緩衝液(pH8.0)を 用いて、アッセイ前に0.5MのNaCl濃度を含むように調製した;[3H]25-OHD3のID BPへの特異的結合は、KETD(0.3M KCl,pH7.4を含むETD)の伝統的アッセイ緩衝 液において特異的結合に等価であるか、またはそれより優れていることを見出し た。 簡単に述べれば、未分画のまたはFPLC後の画分をETD-0.5M NaCl中で一晩4℃ で4nM[3H]25-OHD3とともに1〜100nMの未標識競合リガンドの存在下または非存 在下でインキュベートした。タンパク質結合[3H]25-OHD3を、デキストランコー トチャコールとのインキュベーションによって未結合ステロールから分離した。 特異的に結合した25-OHD3を、添加された競合的リガンドの非存在下での結合の 測定の平均から、100nMの放射不活性競合リガンドの存在下での結合の2連測定 の平均を差し引くことによって決定した。17β-[3H]エストラジオールおよび[3H ]25-OHD3のIDBPへの特異的結合をまた、ヒドロキシアパタイトカラムから溶出す る個々の画分において決定した。結合アッセイ条件は、特異的結合がETD-0.3M N a2HPO4緩衝液(pH6.8)において決定されたことを除いて、上記のものと同一で あった。 統計学的分析。変化する条件下でのステロール/ステロイド結合についての実 験値をStudentのt検定を用いて対応のないサンプルについて比較した。 結果 ビタミンD代謝物およびアナログの結合。ビタミンD3および種々のその代謝物 の、B95-8細胞の未分画100,000×g上清抽出物において競合的に[3H]25-OHD3を置 換する能力を図1に示す。100nM濃度で抽出物とインキュベートした場合、天然 に存在する代謝物25-OHD3、24,25-(OH)2D3、および25,26-(OH)2D3は、2nMの[3H ]25-OHD3結合を競合的に阻害する能力においてほぼ等価であった。ビタミンD3の A環における代謝的ヒドロキシル化の天然に存在する唯一の部位であるC-1α-ヒ ドロキシルの、1,25-(OH)2D3および1,24,25-(OH)3D3への添加による競合的リガ ンドの分極は、効果的競合的結合を有意に減少させた。C-1αヒドロキシ基(1-O HD3または疑似C-1αヒドロキシル基(ジヒドロタキステロール)を有するが、分 子の側鎖にヒドロキシル置換を欠損する2つの合成化合物はまた、[3H]25-OHD3 を置換することが不可能であった。側鎖が修飾されておらずそしてC-1αヒドロ キシを欠くビタミンD3は、競合的リガンドとして100nM濃度で同様に効果的では なかった。 [3H]25-OHD3結合の効果的阻害剤であると示されるビタミンD3代謝物の連続希 釈による[3H]25-OHD3置換を、図1Bに示す。結合[3H]25-OHD3の80%置換を結合の 最大阻害と仮定して、結合のED50は、5つの代謝物のうち3つのみについて決定 され得た:25-OHD3;25,26-(OH)2D3および24,25-(OH)2D3。1,25-(OH)2D3および1 ,24,25-(OH)2-D3は、25 OHD3を10-7Mで20%のみ置換し、これより低い濃度では 明らかな置換は見られなかった。25-OHD3、25,26-(OH)2D3および24,25-(OH)2D3 のED50は、それぞれ5×10-10、5×10-9、および5×10-8Mであった。植物に おいて主に合成されるΔ5,7−ジエンステロイドであるビタミンD2は、側鎖にお いてビタミンD3とは構造が異なる(図2A)。ビタミンD2およびその代謝物は、ビ タミンD3およびその代謝物が有しないΔ22(C-22-C-23二重結合)およびC-24メ チル基を有する。25-OHD2および1,25-(OH)2D2は、未分画抽出物において25-ODH3 および1,25-(OH)2D3に等価に結合した(図2B)。ステロール結合を変更しない側 鎖の近位部分における修飾とは対照的に、C-25のヒドロキシル化に関与しない側 鎖の末端部分の構造の変化は、IDBP結合を間違いなく変更する;例えば、C-1ヒ ドロキシル化非高カルシウム血症のアナログMC903、EB1089、およびKH1060のい ずれも(図2A)が、未分画B95-8抽出物において[3H]25-OHD3結合を置換し得なか った(図2B)。 非ビタミンDステロイドおよび生物活性脂質の結合。表Iに示すように、本発 明者らはまた、多数のステロイド前駆体分子、天然に存在するステロイド、およ び2つの臨床的に有用なステロイドアナログ、タモキシフェンおよびRU486の結 合能力を評価した。プロゲステロンを除いて、B95-8細胞の粗核後抽出物におい て[3H]25-OHD3を競合的に置換する17βエストラジオールおよびテストステロン は、これらの評価された化合物はどれも、B95-8細胞の100,000×g上清抽出物に おける結合について25-OHD3と競合し得なかった。これは、25-ヒドロキシコレス テロール(C-3およびC-25-ヒドロキシ基を有するが、好ましいバインダー(binde r)である25-OHD3のΔ5,7−ジエン構造を欠失する分子)を含む。興味深いことに 、6つのステロイド前駆体分子(グルココルチコイド、鉱質コルチコイド、また はテストステロンの主要細胞内代謝物である5-ジヒドロテストステロン)はどれ も、能力のあるリガンドではなかった。同一の結合能の欠失が、アラキドン酸カ スケードにおける生物活性脂質、およびステロイドレセプタースーパーファミリ ーのタンパク質の他のメンバーに結合する脂質分子で実証された。実施例II:IDBPの精製。 IDBPタンパク質の性質を解明する試みにおいて、本発明者らは、B95-8細胞抽 出物を物理的および化学的手段による連続する富化のプロセスに供した。 材料および方法 B95-8細胞抽出物中の[3H]25-OHD3結合因子のクロマトグラフィーによる分離お よび富化。B95-8細胞抽出物の100,000×g上清を、競合的リガンド結合分析にお いて(上記を参照のこと)または[3H]25-OHD3結合活性のクロマトグラフィー富 化のための基質としてのいずれかで用いた。IDBPの連続的クロマトグラフィー精 製のための最も効果的な支持体に関して決定する前に、B95-8 100,000×g上清を 、11の異なる樹脂(陰イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロ マトグラフィークロマトグラフィーについてそれぞれ5つ、ならびに1つのヒド ロキシアパタイトクロマトグラフィー)上でのクロマトグラフィーに供した。イ オン交換クロマトグラフィーによる分離を、NaCl上昇勾配により異なる官能基を 有する樹脂を用いて試験した。NaCl下降勾配によるその疎水性に基づくタンパク 質の分離を3つの異なるフェニルセファロース樹脂およびブチルおよびオクチル セファロース樹脂上で試験した。最後に、[3H]25-OHD3(3H標識25ヒドロキシビ タミンD)結合活性のクロマトグラフィー富化を、ヒドロキシアパタイト支持体 上で Na2HPO4下降勾配を介して分析した。これらの支持体の各々を、カラムにロード したタンパク質の全体的回収率および6.8〜8.0のpH範囲で特異的[3H]25-OHD3結 合活性における富化について評価した。タンパク質をBradfordの方法によってア ッセイした。 タンパク質回収率、生物活性の富化、使用の容易さ、ならびにFPLCおよび/ま たはHPLC適用について利用可能な樹脂に基づいて、3つのクロマトグラフィー支 持体(評価した3つの異なる種類のパッキング物質から各々1つ)を、IDBPの連 続的クロマトグラフィー精製のために選択した:陰イオン交換クロマトグラフィ ーのためのBPS-DEセルロース、疎水性相互作用クロマトグラフィーのためのフェ ニルセファロース(中sub)、およびタンパク質の表面電荷によるタンパク質の 分離のためのHTPヒドロキシアパタイト。約109 B95-8細胞の抽出物から得、そし てETD緩衝液中に可溶化した100,000×g上清を、0.1M NaClを含むETD(pH8.0)緩 衝液で1:1に希釈した。次いで、抽出物を、Pharmacia FPLCシステム(Uppsala ,Sweden)を用いてETD-0.1M NaClで平衡化したBPS-DEカラム上に汲み出した。吸 着したタンパク質の溶出を、0.1〜2.0M NaClの範囲のNaCl含有直線勾配で流速1. 0ml/分で達成した。特異的[3H]25-OHD3結合活性を有するタンパク質を含む画分 (0.7〜1.0M NaCl間に溶出する)を、回収し、そしてプールした。目的の陰イオ ン交換溶出液を2.5M NaClに調整し、そしてETD-2.5M NaCl(pH8.0)で平衡化し たフェニルセファロースを含むFPLCカラムに適用した。クロマトグラフィーをNa Cl下降勾配(2.5〜0M)によって均一な流速で達成した。特異的[3H]25-OHD3結合 活性の大半は、ボイド容量および初期の勾配画分中に回収された。疎水性相互作 用クロマトグラフィーからの目的の溶出液を、Amiconメンブレン(名目上3000ダ ルトンの分子量カットオフ)を用いて脱塩およびミクロ濃縮に供し、その後、0. 01M Na2HPO4(pH6.8)を含むETD中での再構成し、そして同一のランニング緩衝 液で平衡化したHTPヒドロキシアパタイトFPLCカラムにロードした。[3H]25-OHD3 結合タンパク質の溶出を、0.01〜0.4M ETD-Na2HPO4の直線勾配により流速1.0ml/ 分で達成した。 ゲル濾過HPLCおよびSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)。ヒド ロキシアパタイトクロマトグラフィーから溶出する25-OHD3部分のおよその分子 量の確認を、サイズ排除HPLC(Waters/Millipore Corp.,Milford,MA)によっ て非変性条件下のカラム上で追求した;ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ ーからの[3H]25-OHD3結合活性を有する2つのプールされた画分のアリコートを 、注入しそしてEDTA 0.3M Na2HPO4中で流速0.5ml/分で溶出した。個々の1.0ml画 分を、特異的25-OHD3結合能の再分析のために回収した。これらのヒドロキシア パタイト画分からの別のアリコートもまた、変性条件下でPAGEに供した。 結果 IDBP(IBDP)物理化学的処理の精製。 「低塩」抽出条件下で、占有されていないビタミンDレセプターが、水溶性細 胞抽出物の核サブフラクションと会合した場合、IDBPを細胞抽出物の核後4,000 ×g上清中で濃縮した。全細胞による25-OHD3取込みに比較して、この分離は、特 異的[3H]25-OHD3結合の3.4-倍の増加を導いた(表II)。この物質の4,000×g後 上清は、比較的高い含量の総[3H]25-OHD3結合活性を含んでいたのに対し、これ はまた実質的な量の非特異的結合を含んでおり、従って[3H]25-OHD3の特異的結 合を低減した。IDBP精製を意図した初期の実験において、非特異的ステロール結 合のこの要素は、その後のカラムクロマトグラフィーからの特異的結合タンパク 質活性の回収の比較的低い率を生じた。4,000×g核後上清を単に超遠心分離に供 することによって(表II)、特異的結合のさらなる53%の増加を生じた;特異的 [3H]25-OHD3結合は、核後上清のこの高速明澄化のペレットに会合していなかっ た。核後上清の明澄化は、一般に、B95-8細胞抽出物のその後のカラムクロマト グラフィー精製において全体的総タンパク質回収率を、おそらくこれらの細胞の 「低速」4,000×g核後抽出物中に存在する脂質を除去することによって、15〜20 %増加させた。 クロマトグラフィーによる処理。IDBP精製における次の工程は、有用なクロマ トグラフィー支持体の同定であった。B95-8細胞抽出物の未分画100,000×g上清 を開始物質として用いて、本発明者らは、陰イオン交換、疎水性相互作用、およ びヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む3つの異なる種類の支持体か らの溶出後の[3H]25-OHD3結合活性の富化を評価した。未分画100,000×g上清抽 出物のpH8.0で[3H]25-OHD3に結合する相対的安定性および能力(データ示さず) に基づき、陰イオン交換樹脂を分子の正味電荷に基づく分子の分離のために最初 に選択した。対イオンとして塩素イオンを用いて陰イオン交換クロマトグラフィ ーを、5つの異なる製造元からの4つの異なる支持体上で行った;全ての場合に おいて抽出物をNaCl中にてロードし、そして0.1〜2.0M NaCl勾配によって溶出し た。2つの「強力な」陰イオン交換樹脂を用いて、[3H]25-OHD3結合活性は溶出 物中に回収されなかった。対照的に、2つの「弱い」陰イオン交換樹脂からのID BPの溶出は、適切な濃度でNaClを用いて達成された;特異的結合活性の富化は、 BPS-DEおよびDEAE-5PW支持体についてそれぞれ268倍および64倍であった。 疎水性相互作用クロマトグラフィーもまた、B95-8細胞の100,000×g上清抽出 物中で特異的[3H]25-OHD3結合を富化するために用いた。おそらくそれらの比較 的温和な程度の疎水性のために、試験された全てのフェニル置換樹脂は、ブチル またはオクチル置換樹脂のいずれよりも特異的結合活性のよりよい回収率を提供 した。これらの結果は、非変性条件下でIDBPに対して少なくともある程度の表面 疎水性が存在したことを示唆する。フェニル置換樹脂からの特異的[3H]25-OHD3 結合活性の溶出は、高イオン強度緩衝液条件下で添加される界面活性剤の非存在 下でやはり達成された。フェニルセファロース支持体上での特異的[3H]25-OHD3 結合活性の実質的な増加(および非特異的結合の同時的減少)は、下降塩勾配に よる見かけのクロマトグラフィーの欠如にもかかわらず、この支持体がIDBPへの ステロール結合をなぜか妨害するより多くの疎水性の分子を保持していることを さらに示唆した。 ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーもまた、NWP(新世界霊長類)細胞 株の100,000×g上清において特異的[3H]25-OHD3結合活性を富化する手段として 試験した。IDBPは、低塩(リン酸)緩衝液中でBioRadヒドロキシアパタイト樹脂 に明らかに吸着され、そしてロードされたタンパク質の半分ならびに実質的な量 の[3H]25-OHD3結合活性が、Na2PO4勾配(pH6.8)による溶出によって樹脂から回 収された。これらのデータは、リン酸緩衝液中で平衡化された場合、IDBPは、ヒ ドロキシアパタイトマトリックスの負に荷電した基と相互作用する露出されたア ミノ基(塩基性アミノ酸)を含むことを示唆する。可動相中の比較的高リン酸濃 度でのマトリックスからの溶出は、塩基性タンパク質の静電相互作用プロフィー ルを支持する。 IDBPの連続的クロマトグラフ。BPS-DEセルロース支持体上の陰イオン交換クロ マトグラフィー、フェニルセルロース支持体上での疎水性相互作用クロマトグラ フィー、およびヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーが、ビタミンD耐性( 新世界霊長類)由来のB95-8細胞株の抽出物中の特異的[3H]25-OHD3結合活性を独 立かつ定量的に増強するという上記の知見に基づいて、本発明者らはこれらの同 一のクロマトグラフィー工程を連続的様式で利用してIDBPを精製した。クロマト グラフィーによる特異的[3H]25-OHD3結合活性の累積的な富化を、表IIの右パネ ルに示す。 B95-8細胞の100,000×g上清抽出物を開始物質として用いて、陰イオン交換FPL Cは、NaCl勾配の0.7〜1.0間に単一の幅の広いピークとしてカラムから溶出する 特異的[3H]25-OHD3結合活性の実質的かつ予想可能な増加を生じた。ステロール 結合活性のこのピークを構成する画分をプールし、そして高イオン強度でフェニ ルセファロースFPLCカラムに適用し、そして下降NaCl勾配によって溶出した。こ のカラムからの特異的[3H]25-OHD3結合活性を有するIDBPの溶出は、カラムのボ イド容量中で明らかであり、そして溶出勾配における塩濃度が2.0Mに達する前に 完了した。 陰イオン交換クロマトグラフィーで達成された富化を超えて、特異的結合活性 においてわずか4倍の富化が存在したが(表2)、疎水性相互作用クロマトグラ フィーは、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)のホ モダイマーをIDBPから分離するのに重要であった;発明者らの一連のIDBPの精製 スキームにおける疎水性相互作用クロマトグラフィーの確立に先立って、非還元 1%SDSポリアクリルアミドゲルのトランスブロット(transblot)から切除した60 〜65kDaの範囲におけるタンパク質からアミノ末端および内部アミノ酸配列を得 るための全ての試みは、この共移動する「ハウスキーピング」遺伝子産物の同定 に至った。GAPDHおよびIDBPに由来する他のタンパク質の、それらの疎水性に基 づくクロマトグラフィー分離は、特異的[3H]25-OHD3結合活性を有するタンパク 質の富化におけるヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーの有効性を劇的に改 善した(表2)。調製用イオン交換および疎水性相互作用クロマトグラフィーの 非存在下で、ヒドロキシアパタイト支持体上での100,000×g上清抽出物のクロマ トグラフィーは、[3H]25-OHD3結合活性における約50倍の増加に至った。しかし 、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーに先立っての電荷および疎水性によ るIDBPの精製は、目的のタンパク質についてヒドロキシアパタイトFPLCの富化能 力を500%より大きく(50倍に対して279倍)増幅した。 ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーからの溶出液において、特異的[3H] 25-OHD3結合活性の2つの主要なピークが存在し、Na2HPO4勾配において、1つは 5.0mMにて溶出し(ピークI)、そしてより小さなピークは100mMにて溶出した( ピークII)。特異的ステロール結合を、勾配における他の位置では認めなかった 。これらの結合部分の見かけの分子量を評価するために、ピークIおよびピーク IIから構成されるプールされた画分由来のアリコートを、非変性条件下でゲル濾 過HPLCに供した。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーからの両ピークは、 60〜65kDaの範囲における特異的[3H]25-OHD3結合活性を示した;これは[3H]25-O HD3による「ゲル内」標識によって確認された。ピークIおよびピークII由来のヒ ドロキシアパタイト溶出液のアリコートをまた、SDS-PAGEに供した。ピークIお よびピークIIにおけるタンパク質の電気泳動は、60および62kDaの見かけの分子 量を有する、銀染色ゲル上のダブレットの存在を明らかにした。これらのデータ は、これらのタンパク質の一方または両方が25-OHD3の結合を担っていることを 示唆した。 性ステロイドもまた、B95-8細胞の核後抽出物の核後、および100,000×g上清 において結合されたことを考慮して、本発明者らは、ヒドロキシアパタイトクロ マトグラフィーからの25-OHD3結合ピークの一方または両方がまた、B95-8細胞の 未分画抽出物において観察された性腺ステロイド結合を担っている可能性を試験 した。ヒドロキシアパタイト後ピークIおよびピークIIからのアリコート(タン パク質濃度について対等)を、痕跡量の[3H]25-OHD3および[3H]17β-エストラジ オールと共に、100nMの放射不活性の25-OHD3および17β-エストラジオールの存 在下または非存在下でインキュベートした。これらの研究は、25-OHD3について の特異的結合活性が、ピークIおよびピークIIの両方において17β-エストラジオ ールの活性を約2倍で上回ること、そしてステロイド/ステロール結合が輪郭を 描く場合、ピークIとピークIIとの間に差異は存在しないことを開示した。これ は両ヒドロキシアパタイト画分が25-OHD3および17β-エストラジオール結合能力 の両方を有したことを示す。実施例III:IDBPのアミノ酸配列決定 B95-8細胞抽出物の連続的なクロマトグラフにより、精製した抽出物における 特異的[3H]25-OHD3結合活性が劇的に富化し、そしてそれにより、本発明者らの 精製した抽出物における60〜65kDaのタンパク質はステロール結合を担っていた と本発明者らは考えた。 材料および方法 ゲル電気泳動およびアミノ酸配列決定。25-OHD3の特異的結合について富化し たヒドロキシアパタイト後画分を脱塩し、ミクロ濃縮し、そしてLaemmliによっ て記載されるように、200ボルトで1時間、11%の不連続なSDS-PAGEゲルを通じ て電気泳動した。分離された蛋白質の可視化を、銀染色によって達成した。25-O HD3結合タンパク質の分子量は、放射標識した[3H]25-OHD3の特異的「ゲル内」結 合によってもまた推定される。電気泳動に続き、ゲルのレーンを個々に薄片化し 、ETD緩衝液中4℃で、各々について5分間の正確な時間で洗浄し、次いで100nM 25-OHD3の存在下または非存在下で、ETD-0.5M NaCl緩衝液中2.4nM[3H]25-OHD3 を有するハイブリダイゼーションバッグに置いた。ロッカープラットフォーム(r ocker platform)上において4℃で一晩インキュベートした後、ゲルを「25-OHD3 分解(takedown)緩衝液」(123mMナトリウムバルビタール、123mM酢酸ナトリウム (pH8.6)、および1mMアジ化ナトリウムを含み、デキストランまたはチャコー ルを有さない)中で数回洗浄した。ゲルレーンをFluoro-Hance(RPI,Mt.Prosp ect,IL)で処理し、60℃にて1時間減圧乾燥し、そして5mmの薄片へと水平に 切断した。各ゲル薄片をCytoscint(ICN,Irvine,CA)を含有するシンチレーシ ョンバイアル中に置き、そして放射活性を測定した。 ヒドロキシアパタイト後保持物(retentate)のアリコートをまた、0'Farrellに よって記載されるように二次元電気泳動に供した。アリコートを、前成形された pH勾配(pH3〜10)スラブゲル(Novex,SanDiego,CA)にロードし、そして10 0ボルトで1時間、200ボルトでさらに1時間、そして最後に500ボルトで30分間 電気泳動し、タンパク質をそれらの等電点に基づいて分離した。分離されたタン パク質を含有するレーンを、8.5% SDS-PAGE分取ゲル上に融合し、そして200ボ ルトで80分間電気泳動した。分離された蛋白質を、ペプチドのアミノ酸配列分析 に先立って、PDVF(CBB R250,BioRad,Hercules,CA)上でトランスブロットす るか、または「ゲル内」プロテアーゼ消化に供するかのいずれかを行った。前者 に関して、PDVF膜を蒸留水中で5分間ずつ3回リンスした。膜を40:60のメタノ ール:水中0.025%クーマシーブルーR-250の中で5分間染色し、50%メタノール 中で15分間脱色し、そして23℃にて乾燥させた。目的のバンドを膜から切除し、 そしてタンパク質を、アミノ酸配列決定に先立ってアミノ酸組成(システイン含 量を含む)の分析のために抽出した。目的の優勢なタンパク質のアミノ末端はブ ロックされていたので、内部ペプチドのパネルの生成を、クーマシー染色ゲル薄 片を200mM NH4HCO3緩衝液中1.0μgトリプシン/50μgタンパク質と共にインキュ ベートすることにより、達成した。37℃で一晩インキュベートした後、酵素反応 を中和し、そして0.1% TFA中60%アセトニトリルの添加によってペプチドをゲ ルから抽出した。抽出したペプチドまたはペプチドフラグメントを、C18シリカ カラム(21mm×250mm,Vydac,Hesperia,CA)上での、0〜80%のアセトニトリ ルの直線状勾配(初期ランニング条件は100% 10mM TFAであった)を通じての逆 相HPLCによって精製した。ペプチドを、0.2ml/分の流速で2時間にわたって分離 した。トリプシン消化された塊を、マトリクス補助レーザー脱着/イオン化質量 分析(MALDI-MS)によって純度および完全性についてスクリーニングした。選択 されたペプチドをEdman配列決定に供し、そして遊離のフェニルチオカルバミル 標識アミノ酸を、Porton 2090 Sequencer(Beckman,Fullerton,CA)によって 同定した。 結果 クロマトグラフィー精製IDBPのアミノ酸配列決定。ヒドロキシアパタイトクロ マトグラフィーからのピークIにおける[3H]25-OHD3結合部分の二次元PAGEは、目 的の分子量の範囲(60〜70kDa)において少なくとも3つの異なるタンパク質を 同定した。優勢な、65kDaの、Coumassie染色したスポットは、約4.5のpIを示し た。溶出したタンパク質のアミノ酸組成は、非常にわずかなシステイン残基の存 在を明らかにし、このタンパク質を、ステロイド/ステロール/チロニンレセプタ ースーパーファミリーにおけるシステインリッチタンパク質、およびアルブミン ファミリーのタンパク質(循環するビタミンD結合タンパク質を含む)における システインリッチタンパク質から識別した。単離物中の最も豊富な目的のタンパ ク質のアミノ末端がブロックされていたので、残りのサンプルを、タンパク分解 産物のアミノ酸配列分析に先立って、「ゲル内」タンパク分解消化に供した。得 られたペプチドの逆相HPLCは、親タンパク質に属する7つの質量ピークの分離お よび再生可能な分解に至った。各々のアミノ酸配列を、ペプチドフラグメントの Edman分解の後に決定した。配列分析は、10〜15残基の長さの範囲を有し、そし てヒト誘導発現hsp70と89%、83%、75%、70%、60%、55%、および27%のア ミノ酸配列同一性を有する主要なトリプシン消化ペプチドを同定した。3つのト リプシン消化ぺプチドのうち、hsp70に最大の配列相同性を有する2つは、hsp70 のアミノ末端ドメイン(残基39〜128)に位置し、hsp70分子のその領域は、種々 の哺乳動物種の間で最も保存されているとして公知であるが、hsp70の最も可変 的なC末端領域において、最も相同性の低いフラグメントが存在するようであっ た。実施例IV:hsp70によるIDBPからの結合リガンドの置換 配列データが示唆するように、IDBPがhsp70ファミリーのタンパク質に構造的 に関連し、そしてIDBPのリガンド(ステロール)結合ドメインがhsp70において 保存されているならば、hsp70は[3H]25-OHD3に特異的に結合し得るはずである。 この実験を、hsp70のステロールリガンド結合活性をIDBPのそれと比較するよう に設計した。 材料および方法 誘導発現した、組換えヒト熱ショックタンパク質-70(hsp70)を、StressGen ,Victoria,B.C.,Canadaから購入した。競合リガンド結合実験を、上記のよう に実行した。各データポイントは、全結合の3回の評価の平均である;添加され るステロールの非存在下でのhsp70による全[3H]25-ヒドロキシビタミンD3結合は 、 6回の決定の平均±標準偏差であった。 結果 誘導発現したhsp70は、特異的[3H]25-OHD3結合活性を示した。[3H]25-ヒドロ キシビタミンD3の最大置換を達成するための放射不活性な25-ヒドロキシビタミ ンD3の濃度は、IDBPおよび誘導発現したhsp70の両方についてほぼ同一(50〜100 nM)であった。実施例V:NWPI DBPをコードするcDNAのクローニング B95-8細胞RNAから調製したcDNAライブラリを、B95-8細胞から単離されたIDBP のトリプシン消化物のアミノ酸配列決定から得られた情報に基づいて、オリゴヌ クレオチドプライマーを使用するPCRによってスクリーニングした。 オリゴヌクレオチドプライマーの配列は以下の通りであった: プライマーHSlおよびHS2は、約630塩基対のcDNAプローブを首尾良く増幅した 。このプローブを使用して、図3の最上列に示すIDBP cDNA(配列番号1)を、 標準的なコロニーハイブリダイゼーション手順を使用して、同一のB95-8ライブ ラリからクローニングした。NWP IDBP(配列番号1)をコードするポリヌクレオ チドを、ヒトhsp70をコードするポリヌクレオチド(配列番号2)(図3の最下行 )と比較する場合、非常に高い相同性の割合が、特にコード領域において見られ る。この結果は、NWP IDBPがおそらく新世界霊長類におけるhsp70ホモログであ ることを示す。実施例VI:NWP IDBPは熱誘導的である 本実験を、NWP IDBPが熱ショックタンパク質であるかどうかを試験するために 設計した。以下の細胞株を40℃に1時間供した;(1)新世界霊長類細胞株B95 、これはビタミンD耐性を示す;(2)新世界霊長類テナガザル種から単離され た細胞株OMK、これはビタミンD耐性を示さない;(3)MLA、旧世界霊長類;お よび(4)ヒト。RNAを、熱ショックされた細胞、およびコントロール細胞から 単離し、そしてプローブとしてB95-8細胞ライブラリー由来の部分的IDBP cDNAを 用いるノーザン分析に供した。B95細胞は熱誘導に先立ってIDBPの実質的なレベ ルを示す唯一の細胞株であったが、OMKおよびヒト細胞の両方は、検出可能な基 底レベルを示す。ともかく、熱ショックによって、試験された全ての細胞株(ビ タミンD耐性株B95を含む)が、IDBP/hsp70の発現を誘導した。実施例VII:ヒトhsp70はステロイドに結合する IDBPが、実際に、B95によって示されるビタミンD結合活性を担っているタン パク質であることを確かめるために、IDBPをコードするcDNAを、哺乳動物細胞( この表現型を示さない)にトランスフェクトした。図3に示すIDBPのコード領域 を、pcDNA3.1(Invitrogen)にクローニングした。Cos-7およびOMKテナガザル細 胞(両方とも、ビタミンD耐性または有意の25-OHD3結合活性を示さない)を、 リポペクション(LipoTAXI,Stratagene,CA)を介する一過性トランスフェクシ ョンのために選択した。コントロールプラスミドは、クローニングされた挿入を 有さないpcDNA3.1ベクターであった。 IDBPコード領域を発現するプラスミドでトランスフェクトした細胞は、有意の 25-OHD3結合活性を示した(Cos-7細胞について約0.8fmol/μgタンパク質、OMKテ ナガザル細胞について約1.0fmol/μgタンパク質)。対照的に、挿入を有さない 発現プラスミドでトランスフェクトしたコントロール細胞は、無視できる25-OHD 3結合活性を示した。 本実験を、IDBPの種々のフラグメントをコードする発現プラスミドを用いて反 復した。cDNAのコード領域は、好都合なEco RI制限部位を含有し、これは推測さ れるペプチド結合ドメインおよび可変的ドメインと、推測されるATP結合をコー ドする領域とを分割する。ATP結合ドメインか、またはペプチド結合ドメインお よび可変的ドメインの両方の、いずれかを含有する発現構築物を、独立して、Co s-7およびOMKテナガザル細胞の両方にトランスフェクトした。ATP結合ドメイン をコードする構築物でトランスフェクトした細胞のみが、増強された25-OHD3結 合活性を示した。これはタンパク質のこの領域がステロイド結合に十分であるこ とを示す。 参照としての援用 引用された全ての特許、特許出願、および刊行物は、本明細書中に参照として 援用される。 均等な事物 前述の明細書は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。実 際、生化学、分子生物学、または関連分野における当業者に明らかである、本発 明を実行するための上記構成の種々の改変が、以下の請求の範囲の範囲内である ことが意図される。 表I.試験された潜在的IDBPリガンドの同一性、25-OHD3結合指数、および供給源表II.セル分画(上パネル)および化学的手段(下パネル)によるIDBP富化
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.新世界霊長類から単離されたIDBP。 2.前記霊長類がCallithrix jacchusである、請求項1に記載のIDBP。 3.配列番号3のアミノ酸配列を有する、請求項2に記載のIDBP。 4.ポリヌクレオチドが請求項3のタンパク質をコードする、単離されたポリヌ クレオチドまたはその相補物。 5.前記ポリヌクレオチドが、配列番号1のCallithrix jacchus cDNAの配列を 含む、請求項4に記載のポリヌクレオチド。 6.ポリヌクレオチドが請求項3のアミノ酸配列残基8〜388、389〜547、また は548〜643をコードする、単離されたポリヌクレオチドまたはその相補物。 7.IDBPの発現のためのベクターを含む組換え宿主細胞であって、該ベクターが 請求項4に記載のポリヌクレオチドを含む、細胞。 8.IDBPとそのリガンドとの間の相互作用を妨害する治療化合物をスクリーニン グする方法であって、該IDBPを試験化合物に曝露する工程、および該リガンドの 該IDBPへの結合についてアッセイする工程を包含する、方法。 9.前記IDBPが、細胞内で前記試験化合物に曝露される、請求項8に記載の方法 。 10.細胞内でステロイドホルモンへの細胞応答を変化させる方法であって、該 細胞内でのIDBPタンパク質のレベルまたは活性を変化させる工程を包含する、方 法。 11.前記IDBPのレベルが、IDBPをコードするポリヌクレオチドを前記細胞へ投 与することにより増大し、該ポリヌクレオチドが、ステロイドホルモンに結合す るIDBPとして該細胞から発現される、請求項10に記載の方法。 12.前記IDBPのレベルが、IDBPポリペプチドに対するアンチセンスポリヌクレ オチドをコードするポリヌクレオチドを前記細胞に投与することより減少し、該 ポリヌクレオチドがIDBPの発現を阻害する、請求項10に記載の方法。 13.ステロイドホルモン過剰産生に関連する疾患を、被験体におけるIDBPのレ ベルまたは活性を増大させることにより処置する方法。 14.IDBPタンパク質またはその活性フラグメントを、前記被験体に投与する工 程を包含する、請求項13に記載の方法。 15.IDBPをコードするポリヌクレオチドを前記被験体に投与する工程を包含し 、該ポリヌクレオチドが該被験体における細胞(単数または複数)により発現さ れる、請求項13に記載の方法。 16.ステロイドホルモン過小産生に関連する疾患を、被験体におけるIDBPのレ ベルまたは活性を減少させることにより処置する方法。 17.IDBPポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドをコードす るポリヌクレオチドを、前記被験体に投与する工程を包含し、該ポリヌクレオチ ドが該被験体における細胞(単数または複数)によって発現され、そして該細胞 (単数または複数)内でのIDBPのレベルを減少させる、請求項16に記載の方法 。
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