JP2002513915A - Dna配列の個体間差異の識別及び表示方法 - Google Patents

Dna配列の個体間差異の識別及び表示方法

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JP2002513915A JP2000547259A JP2000547259A JP2002513915A JP 2002513915 A JP2002513915 A JP 2002513915A JP 2000547259 A JP2000547259 A JP 2000547259A JP 2000547259 A JP2000547259 A JP 2000547259A JP 2002513915 A JP2002513915 A JP 2002513915A
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ヘーヘ,マルグレット
ケープケ,カルラ
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ゲンプロフィーレ アクチェンゲゼルシャフト
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Abstract

(57)【要約】 本発明はDNAの個体間差異の識別及び表示のための方法に関する。本発明は、検査対象個体のゲノムを単離し、比較すべき遺伝子、ゲノム領域及びゲノムのセグメントを規定し、これらのセグメントを高度に特異的なオリゴヌクレオチドを用いて、PCR法により標的化方法において単離し、十分な数のコピーを生産し、今ではPCR産物として得ることができる遺伝子セグメントであるすべての得られた遺伝子セグメントを同時配列決定し、次いで、それによって生産され、かつ、すべての遺伝子セグメントの個別配列を含んでいる終結反応混合物を配列決定用ゲル上で電気泳道により分離し、混合物を直接移動電気泳動により膜上に移し、次いで、原混合物からの特定の遺伝子セグメントの個別配列を、標識づけした高度に特異的なオリゴヌクレオチドを有する膜とのハイブリッド形成により視覚化させ、このプロセスを共通のプールからのすべての遺伝子セグメントが検出されるまで反復し、次いで、DNA配列の個体間差異を画像分析により検出し、遺伝的プロフィールを数理的処理により導き出し評価することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はDNA配列の個体間差異の識別および表示方法に関連する。本発明の応
用分野は分子生物学、医薬、生物学、獣医薬、農業科学およびエコバイオロジー
である。 広範囲にわたるモデル微生物とバクテリアの全ゲノム配列が詳細に記録されヒ
トや他種の全遺伝子の配列が決定された後の2005年に予定どおりヒト標準ゲノム
の配列が初めて決定されるとすれば、個体レベルの遺伝子およびゲノムの変異性
の比較分析がポストゲノミクスと呼ばれる次世代ゲノム研究の焦点の1つとなろ
う。それは遺伝子全体およびゲノムのプロフィールを研究するための王道であり
、病原性に積極的に関与し、生理的、心理的特性の変異性を招くような変異形ま
たは遺伝子セグメントの識別に役立つ。したがって、最小費用での比較配列決定
を可能にすると同時に能率面で著しく優る方法の将来的な開発のための出発点を
創り出すような、相応の方法的アプローチを現時点で開発することが決定的に重
要である。
【0002】 本発明の目的は、遺伝子およびゲノムの事実上の分析単位としてのDNA標的断
片について比較配列決定を行うための、多重処理原理に基づく方法を開発するこ
とにある。 発明の実施は特許請求の範囲に準拠する。 本発明は「的を絞ったゲノム分析」の一形態である。その根本原理は、チャー
チ(Church)とキーファー=ヒギンズ(Kieffer-Higgins)が説明しているゲノ
ム配列の新規決定を目的とした「多重配列決定法」(EP 303 459)である。 本発明に基づくPCRベースの多重配列決定法はまさに、コンセプトと内容の点
で完全に新開発の技術である(図1および図1bを参照)。本発明に基づく多重配
列決定法は他面では、既知配列の複数コピーにおける配列差異の識別を特に目的
としている。クローン選択、増幅および標識づけのためのプロセスはまったく新
規に開発している。この方法はチャーチ法の肝心な土台となっているハイブリッ
ドDNAの使用にも依存しない。
【0003】 この新たに規定された形態の新規方法は境界を規定したゲノム標的領域/候補
遺伝子セグメントの複数のPCR合成コピー―それらの塩基配列は単一配列決定手
順で同時決定される―に焦点を合わせ、さらに、個別配列の非常に特異的な検出
や複数の反応/セグメント特異的配列の混合物に含まれるまったく同一の規定セ
グメントの非常に特異的な検出にも、また塩基特異的な個別ターミネーター反応
のクラス分けによる個別遺伝子間の個体間DNA配列差異の識別や図2に示すような
目視検査による直接的な配列差異の検出にも、焦点を合わせる。配列差異を識別
する上での前提となる「画像」の高品質は、PCR、配列決定および検出の各レベ
ルにおけるオリゴヌクレオチドの高特異性を通じて確保される。「多重PCR配列
決定」の全手順は以下の装置/技術項目から成る。
【0004】 力説すべきEP-A-303 459との本質的な違いは次のとおりである: 任意の細分化されたゲノムDNA断片を内に含むハイブリッドDNAを土台とする多
重配列決定ではなく、高度に特異的なオリゴヌクレオチドによって選択されたDN
A断片による多重配列決定である;「標識」は外部的に合成されるオリゴやベク
ター構成要素ではない。また「配列決定用プライマーのハイブリッド形成領域」
もベクター構成要素ではなく、ゲノム標的断片の一部分である;DNA配列差異を
付加的なバンドや欠損バンドとして直接識別するための同一塩基の複数の個別タ
ーミネーター反応の並列比較によるDNA配列の解釈は図2に示すように目視検査で
行われる。
【0005】 a)興味のある遺伝子、ゲノムまたは任意のゲノム標的領域の、PCRによる増
幅のための鋳型となるDNAセグメントへのディセクション(切断)。DNAセグメン
ト/PCR断片への分割のための様々なアプローチとしてはa)重複法(図3)、b)千
鳥法(図4)、c)配列決定レベルでの事実上のディセクション(図5)がある。本
方法の分析のタイプ、したがって多重係数または限界は、遺伝子のゲノム上の構
成と大きさ、非重複遺伝子セグメントの数、および配列決定計画の対象範囲(遺
伝子またはゲノムの数)に、さらにはオリゴヌクレオチドのPCRプライマー、配
列決定用プライマーおよび「プローブ」としての多機能使用などのような技術的
見地にも関連する。 b)個体当たり複数N個のDNAセグメントの増幅。これはセグメントごとに別々
に(または、たとえば数個の範列決定用セグメントを内に含んでいる大きなセグ
メント、いわゆる事実上の遺伝子セグメントを増幅することにより−図5参照−
)行うこともできるし、多重PCRにより同時に行うこともできる。個体当たり複
数N個のPCR産物の集合。PCR産物の混合物からの、磁粉を使用した不可逆ビオチ
ン/ストレプトアビジン(Streptavidine)結合による複数の1本鎖「鋳型」の生
成。両DNA鎖の分離を改良する選択肢もある。すなわち、ビオチン化ターミネー
ター反応混合物もまた磁気的に分離することができる。
【0006】 c)各PCR産物の精製としては酵素法、カラム法、真空法などが可能である。
様々な精製法を検討してもよい。 d)ヌクレオチド組成の異なる複数N個の配列決定用プライマーの使用による
複数N個の配列決定反応の同時遂行。各プライマーは特定のゲノム断片にきわめ
て特異的に結合する。同一DNA配列を意図的に2個の隣接PCR断片に共有させる(
すなわち配列決定用プライマーは2個の隣接断片に同時に結合しうる)場合には
、配列決定用プライマーの濃度を倍にする(図3をも参照)。多重配列決定はサ
ンガーら(Sanger et al.)のジデオキシ法(74 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 5
463、1977年)により、1本鎖DNA配列決定用のT7/Mnを用いて、または循環配列決
定用の「サーモシーケナーゼ」(Thermosequenase)を用いて(この場合は1本鎖
、2本鎖どちらの検出も可能)行う。代替案:ゲルの使用による多重化;個別の
配列決定反応物の集合、ターミネーター反応混合物のゲル上での溶解;また、1
つの選択肢として増幅と配列決定の組み合わせの統合。
【0007】 e)紫外線スルーインターカレーションによって十分なバンド間隔を実現する
ためのコンピュータ制御移動速度勾配を用いた、ターミネーター反応混合物の個
体キャリアー(ナイロン膜)への直接移動電気泳動(DTE)。 f)32P-ATPまたは化学ルミネセンスで末端に標識づけした非常に特異的なプ
ローブによる各PCRセグメントの複数個別DNA配列の逐次検出。プローブ−ハイブ
リッド形成領域としての「標識」配列をもつ配列決定用プライマーに直接隣接す
るヌクレオチド配列;「標識」配列と配列決定用プライマーが重複しないように
してあるため、非特異的配列の検出は、したがって変異形の検出を妨げかねない
バッククセウンドノイズもまた、ミスプライミングによって防止される。 g)「パターン認識による画像解析」。12個体の塩基特異的ターミネーター反
応を1ブロックとしてグループ化する固有のロードスキーム;DNA配列差異は付加
的および/または欠損バンドによって識別できる。
【0008】 形質特性または発病リスクに関する遺伝的プロフィールのDNA配列レベルでの
鑑別方法 この方法は、配列データの、または「単一ヌクレオチド多形態」などのような
配列変異形の、厖大なサンプルを背景に、種ごとの任意の発病リスクまたは形質
特性の遺伝子レベルでの鑑別を可能にするような特定の遺伝子的プロフィールを
識別するのに適する。その土台は、病気の個人か健康な個人のどちらかを含む同
一種の2群、または調査対象となる形質特性を異にする2群である。たとえば、候
補遺伝子の調節領域とコーディング領域の両方を含むDNA配列領域の変異形は統
計的に規定されるため、一遺伝子の配列変異形から、または種々の遺伝子の変異
形から、または任意の遺伝子マーカーから推論される配列プロフィールが遺伝子
型および/またはハプロタイプとして同時に分析される。
【0009】 通常、DAN配列レベルの変異性の最大解像度を所与とすれば、変異形の数の増
加に伴い異なる遺伝子型またはハプロタイプの数もきわめて多くなるため、統計
的方法による予測はもはや通用しなくなる。本方法の狙いは、こうした異なる遺
伝子型またはハプロタイプの数を、遺伝子型またはハプロタイプのクラス分けに
よって減らすことにある。そのクラス分けは、何らかの類似性基準[n-次元空間
における遺伝子型またはハプロタイプの距離(n=考察する変異形の数)、特定の
遺伝子型またはハプロタイプの間の変異形交換の数とタイプ、系統発生的距離な
ど]に沿って、統計的クラス分け法またはファジー法を用いて行う。変異形が検
討対象の形質特性または発病リスクの鑑別に無関係であれば遺伝子型またはハプ
ロタイプの区別はできないという考え方に立って、たとえば階層的クラスター分
析をクラス分けに用い、またクラス分けでは両異種形質群内のハプロタイプまた
は遺伝子型の度数分布の段階的変化を用いる。類似の遺伝子型またはハプロタイ
プを類似性の度合いに応じて遺伝子型またハプロタイプのクラスへと段階的にク
ラス分けしていく。各段階は、すべてのパラメーター値の特定のクラスター内平
均値に対する偏差に由来する一定の誤差平方和によって特徴づけられる。各段階
でχ2検定により、遺伝子型またはハプロタイプの度数が段階ごとに編成される
遺伝子型またはハプロタイプのクラスにおける両検討対象群の間で有意に異なる
かどうかを調べる。この手順はすべてのハロタイプまたは遺伝子型が2クラスに
組み込まれてしまうまで続行する。ハプロタイプまたは遺伝子型のクラス分けに
は、段階的な度数変化を考慮して両対象群間のハプロタイプまたは遺伝子型の有
意度数差が最も大きい段階を採用する。クラス(コンセンサスパターンのクラス
)に分けられたハプロタイプまたは遺伝子型の比較により、前記の特性またはリ
スクに関連する変異形を遺伝的コンセンサスプロフィールの形で導き出す。度数
に有意差のある段階がまったく存在しない場合には、どんな陳述も作成できない
【0010】 DNA配列レベルで特性またはリスク面の遺伝的プロフィールを鑑別するための
、4つの変異形を伴う単純な架空例 病気Aを煩う30人の発端者(患者群A)と病気Aの徴候を示さないさらに30人の
発端者(対照群G)を仮定し、両群は他の特性に関しては互いに有意な区別がつ
かないものとする。これらの60人全員とその親について、調査対象の候補遺伝子
の個別配列を、たとえば多重配列決定法によって決定する。突然変異は4つの異
なる配列部位P1、P2、P3、P4で起こる可能性がある。特定のハプロタイププロフ
ィールがこの病気と関連しているかどうかを調べることが課題となる。 2群AおよびGからの各発端者について、P1、P2、P3およびP4における突然変異
出現の陳述によって完全に規定される両個別ハプロタイプ・プロフィールが与え
られる。 60人の発端者全員の間には以下の6種類のハプロタイププロフィールが存在す
るかもしれない(1:標準配列に見られるような変異形;2:特定の突然変異を伴
う変異形):
【0011】
【表1】
【0012】 以下の分析は階層的クラスター分析の適用とEXACTモジュールを含むWindows N
T、Version 7.5用の市販統計ソフトウェアによる分割表の評価によって実施され
たが、分析への理解を深められるよう、本例に関するSPSSプリントアウトの抜粋
を付表に収める。 これら6種類のハプロタイプ(VAR00001=ハプロタイプ番号)の、A群(VAR000
2=1)とG群(VAR0002=1)の間の出現度数差を検定するために、χ2検定を実施
した。精密検定(p=0.14)によると、分布の同等性は否定できない。
【0013】 次いで6つのハプロタイプのクラス分けを目的に階層的クラスター分析を実施
した。本例では最も単純な距離の尺度としてユークリッド距離を用いた。分析結
果を項目別に示すと付表のようになる。段階1では6つのハプロタイプから3つの
ハプロタイプクラスが編成される。すなわちクラス1にはハプロタイプ番号1およ
び4が、クラス2には同2および5が、またクラス3には同3および6が、それぞれ入
る。本例の場合、第2(最終)段階ではクラス1とクラス2が統合されている。続
いて、第1段階のハプロタイプクラス内の異なるハプロタイプの度数差をチェッ
クすると、患者群Aと対照群Gの間に有意差(p=0.017)が認められる。最終段階
では、第1段階のハプロタイプクラスを統合して編成された第2段階の新ハプロタ
イプクラス間に有意差はもやは認められない。 コンセンサスプロフィールは第1段階のハプロタイプクラスから導き出される
【0014】
【表2】
【0015】 コンセンサスプロフィールの対の度数比較から、コンセンサスプロフィール*
212(*は1または2を指す)が病気Aと関連することがうかがえる。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】
【表8】
【0022】
【表9】
【0023】
【表10】
【0024】 本発明は次のように説明することができる。 1.一群のゲノム配列の増幅、配列決定および解読により複数の個別配列を同
時に、かつ狙いを絞って生成することを目的に、全ゲノムDNAおよびDNA標的断片
とハイブリッド形成する一組のオリゴヌクレオチドを使用するための方法。 2.PCRによって増幅された複数の標的DNA断片の同時的な配列決定および分析
のための方法。 3.すべての核酸に拡大適用される、項目2で説明した方法。 4.潜在的な病因となるような、発病リスクを伴うような、または医薬品、中
毒性の薬物、または内生リガンドに対する個体間でまちまちな感応性を伴うよう
な候補遺伝子または各ゲノム標的領域における個体間DNA配列差異を識別するた
めの方法。
【0025】 5.植物ゲノム、バクテリアゲノム、基本的にあらゆる種のゲノムに拡大適用
され、分子生物学、医薬、生物学、獣医薬、農業科学およびエコバイオロジーの
分野で遺伝的変異を根拠とする様々な性質の起源に関する情報の収集を可能にす
るような、項目4で説明した方法。 6.任意の核酸配列とそれらの分析的変異を同時生成するための方法。 7.DNA配列、SNPs(単一ヌクレオチド多形態)およびインデル多形態の差異
を、個別ターミネーター反応の固有の適用スキームを土台にして即時に検出でき
るようにする画像生成および画像解析のための固有の方法。画像/データ管理の
本質的な要素は、規定されたDANセグメントの任意の塩基のバンドモデルが各核
酸セグメントに対応する固有の識別モデルとしての機能を果たすという事実にも
関連する。 8.複数個体のDNA配列決定を単一容器で、かつ単一手順で同時に実行できる
ようにするための方法。
【0026】 以下、本発明について実施例によりさらに詳しく説明する。 本発明に基づく多重配列決定法を15重の配列決定プロジェクトに採用した。20
重、40重および50重の配列決定プロジェクトも同様に実施することができる。 この実験プロトコールではマイクロタイタープレート(96ウェル)とマルチチ
ャンネルピペットを利用する。
【0027】 本モジュラー生産ラインはマイクロタイタープレートを基盤とし次のものを統
合している。 1.自動ピペッティングロボット(ベックマン社製バイオメック2000) 2.自動PCR装置(MJリサーチ3) 3.直接移動極薄ゲル電気泳動法(DTE) 4.半自動並行ハイブリッド形成 5.Phosphor FluorImager(モレキュラー・ダイナミックス社製) 6.熟練のモデル解釈によるPCRベース画像分析。
【0028】 遺伝子ディセクション(分析)、プライマー設計: PCRプライマーは千鳥法(図1b参照)に基づいて選択した。これらのプライマ
ーは60℃のアニーリング温度での増幅を可能にする。ディーエヌエイスター(Dn
astar)パッケージからのプライマーセレクト(Primerselect)プログラムを使
用した。
【0029】 PCR: コード鎖と相補鎖の比較配列決定のために、個体当たり15個の PCR断片(コー
ド鎖調節用に遺伝子特異的断片14個、HLA断片1個。相補鎖用に遺伝子特異的断片
15個)を、パーキン・エルマー9600またはMJリサーチ自動PCR装置で別々に増幅
した。 反応混合物は100 ngゲノムDNA、10 mlトリスHCl(pH 8.3)、1.5 mM MgCl2、5
0 mM KCl、200 μMの各ヌクレオシドトリホスフェート、30 pmolの各プライマー
、3 U Taq-ポリメラーゼ、および最終容量を50 μlとする水で構成される。非特
異的ポリメラーゼ活性を妨げるために、4分間、94℃での初期変性に続く4分間に
わたり88℃でTaq-ポリメラーゼを5 μlの単反応緩衝混合液(10 mlトリスHCl−p
H 8.3−、1.5 mM MgCl2、50 mM KCl)に加えた。反応組成物は94℃(15秒)、60
℃(15秒)および72℃(30秒)、または94℃(15秒)、60℃(15秒)および72℃
(1分)の30〜35サイクルにわたって増幅した。
【0030】 増幅は2%アガロースゲル上でPCR組成物からの5 μl等分量を用いてモニターし
た。この多重処理プロトコールは固相装置の使用による1本鎖配列決定を土台と
するため、PCRプロトコールでは5'-ビオチン化プライマーをアンチセンスプライ
マーとして使用した。あらゆる後続ステップの土台は1単位24個またはその倍数
個のDNA試料であり、その1単位は1以上の膜/画像に対応する。
【0031】 PCR産物の精製 個体当たり全15個のPCR産物(その10 μlは約200 ngの増幅PCR DNAに相当する
)は1個のマイクロタイターウェルの中に集合させ、その中に少なくとも150 μl
のPCR産物が入るようにした。次いで24×4の15重プールを96ウェルのキアゲン(
Qiagen)社製QIAvacマニホールド装置を用いて精製した。PCR産物の精製済みプ
ールは96ウェルスケールで容量60 μl 1×TE中に溶出した。
【0032】 コード鎖の固相多重配列決定のために、1本鎖(ss)PCR DNAを磁気ストレプタ
ジン/ビオチン相互作用により単離した。15個のビオチン化PCR産物を含んでい
る溶離液に蒸留水を加えて合計容量を160 μlとし、それから同容量の洗浄済み
磁粉と混合して、配列決定用の1本鎖DNA基質混合物を得た。これと並行して磁粉
を規定(オスロのダイナル(Dynal)社)どおりに洗浄した。原プロトコールは15
種のPCR産物の同時固定化ができるように修正した。前記容量の磁粉の約1/4だけ
(15回ではなく4回)が使用されるようにするという趣旨である。
【0033】 要するに、約2×1 ml(800 μg)に相当する24×80 μl のストレプトアビジ
ン被覆磁粉を同量の結合・洗浄(B&W)緩衝液で2回洗浄し、2倍量のB&W緩衝液に
懸濁させ、96ウェルプレートで 24の160 μl等分量に分割する。次いで、プール
し精製したPCR産物160 μlを同量の洗浄済み磁粉と混ぜ、15分間、室温で定温保
持した。DNAらせんはほぐれ、DNA鎖が規定どおり分離した。しかし、処理したPC
R DNAの15倍量を調節するのに使用した緩衝液および溶液の量は4〜5倍である。
次いで、磁粉をそれと結合したssPCR DNAと共に60 μlの水に再懸濁させた。
【0034】 固相T7/Mn-ジデオキシ法でのssPCR DNAの直接多重(15重)配列決定 多重配列決定反応での試薬使用量は、反応を別々に処理したと仮定した場合の
15倍量―ただし、15種の配列決定用プライマーの修正量は例外―とは対照的に2
倍量であった。多重配列決定反応では2倍量、2 pmolの各配列決定用プライマー
が使用された。
【0035】 15重プライマー:マイクロタイターウェルに入れた各15基質混合物に2 μlの
プライマーカクテル(各プライマー2 pmpl)と4 μl 5×反応緩衝液(75 mM NaC
l、40 mMトリスHCl、pH 7.5)を混ぜた。この合計容量22 μlのアニーリング混
合物を水浴中で2分間、80℃で加熱し、次いで37℃で20分間、定温保持した。こ
の試料をざっと遠心分離機にかけてから、氷水で冷却した。配列決定反応が始ま
る前に、8 μlのマンガン−DTT混合物(25 mM DTT、3.75 mMイソクエン酸、1.25
mM MnCl2の水溶液)をアニーリング混合物に混ぜ、4 μlの希釈シークェナーゼ
(Sequenase)(15基質用の0.5 Uシークェナーゼおよび0.03 U IPPase、1×TE)
を加えて最終容量を34 μlとした。これらの混合物を7 μlずつ、5 μlの塩基特
異的ヌクレオチド終結混合物(100 μMの各dNTP、1 μMの各ddNTP、25 mM NaCl
)と混ぜ、次いで37℃で15分間、定温保持した。配列決定反応の後で、96ウェル
プレートをざっと遠心分離機にかけ、浮遊物を磁選法で除去した。この終結産物
は、5 μlの停止溶液(95%ホルムアミド、20 mM EDTA、0.05%ブロモフェノール
ブルー、0.05%キシレトシアノルFF)を加え、80℃で2分間加熱して溶出した。配
列決定用産物の混合物を含んでいる浮遊物を再び磁選法で除去し、新しいマイク
ロタイタープレートに移して、−20℃で貯蔵した。この試料はローディング前に
水浴により80℃で2分間変性処理してから、氷水で急冷した。各試料から1 μlを
配列決定用ゲルに垂らした。
【0036】 PCR DNAの直接多重(15重)循環配列決定 相補鎖の配列決定を目的に、15重の循環配列決定を、2 μlのサーモシークェ
ナーゼ(約40 ngの各PCR産物に相当)を用いてメーカー[アマシャム(Amersham
)社]指定の条件で実施した。例外として、オリジナルの配列決定用プライマー
の代わりに15プライマーの混合物(0.5 pmol/プライマー)を用いた。
【0037】 直接移動電気泳動(DTE) 96の試料(24個体のターミネーター反応混合物プールに相当)はリヒタリッシ
ュ(Richterisch)とチャーチのプロトコール(1993年)に従って、ハミルトン
(Hamilton)12チャンネルピペット(ハミルトン社、米国ネバダ州リノ)を用い
てそれぞれ1 μlずつ0.125 mmの極薄5%アクリルアミドゲルに垂らし、3150 Vで
大きさに応じて分離し、ナイロン膜(中性、1.2 μm Biodyne A、Pall、32×45
cm)に移した。
【0038】 この移動はコンピュータ制御により80分間11 cm/h、5時間8 cm/hの修正速度勾
配によって行われ、それによって目視検査による画像解析に適した最適解像度の
シークェンス画像が得られた。個別遺伝子の配列差異の目視検査による直接識別
を可能にするこの画像は固有のロード原理を導入することによって生成された。
任意の塩基G、T、A、Cの混合物のターミネーター反応を、それぞれ12個体を1ブ
ロックとしてロードし、付加的バンドおよび/または欠損バンドの識別(熟練の
パターン解釈、図1a、1bおよび2を参照)によって突然変異を検出できるように
した。移動後、DNAは紫外線で固定した。
【0039】 逐次ハイブリッド形成 ハイブリッド形成用プローブは次の要領で調製した。 最小長さが18ヌクレオチドであって、かつ標的ゲノム断片の不可分の構成要素
としての標的セグメントに対して逆相補的であるオリゴヌクレオチドを末端標識
づけした。標識づけは、メーカー設定の初期値に従って [α-32P]dATP(6000 Ci
/mmol; NEN社)を有する1 μl(2 pmol)と1 μl(14 U)の仔ウシ胸腺に由来す
る末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(USB社)中で行った。42℃
、最低15分のハイブリッド形成前処理に続いて、末端トランスフェラーゼ反応混
合物10 μlを8 mlのハイブリッド形成緩衝液(7% SDS、10%ポリエチレングリコ
ール、0.25 M NaCl、0.051%リン酸、82 mM Na2HPO4×H2O、10 mM EDTA、32 mM N
aOH;プレハイブリッド形成前処理溶液としても使用)で希釈し、これを膜とハ
イブリッド形成するための容量とした。1本のガラス管で1〜2枚の膜を夜通し、
少なくとも4時間かけて42℃でハイブリッド形成した。できた膜は5枚単位で自動
膜洗浄機(ドレスデンのウンヴェルト・ウント・インゲニーアテヒニク社(Umwel
t- und Ingenieurtechnik GmbH))を用いて室温で洗浄し、5洗浄ステップを各ス
テップごとに1500 ml洗浄液(1% SDS、0.022%リン酸、69 mM Na2HPO4×H2O、5 m
M EDTA、32 mM NaOH)を用いて実行した。次に、膜の1枚1枚を透明シートで覆っ
た。モレキュラー・ダイナミックス社のPhosphorFluorImagerスクリーンに1〜20
時間露出した後、放射性試料をストリッピング緩衝液(0.2% SDS、2 mM EDTA、p
H 8.3)で、5〜10分間、65℃の条件で少なくとも2回除去した。画像はモレキュ
ラー・ダイナミックス社のPhosphorFluorImagerで読み取り、画像ファイルはPC
に転送して遺伝子型の決定に用いた。
【0040】 プロトコール: 本方法で15重生産手順に用いた「多重PCR配列決定システム」諸ステップのプ
ロトコールを図1に沿って以下に説明する。これらのプロトコールは多重ウェル
(96ウェル)を土台とする。マルチチャンネルピペットを使用した。このモジュ
ラー生産ラインは多重ウェルを土台とし、次のものから成る。
【0041】 1.ベックマン・バイオメック2000ピペッティングロボット 2.MJリサーチ製テトラッズ・サーモサイクラー(Ttsrads Thermocycler) 3.直接移動式極薄ゲル電気泳動法(DTE) 4.半自動並行試料試験 5.モレキュラー・ダイナミックス社製Phosphor FluorImager 6.訓練を積んだパターン認識によるコンピュータ援用熟練パターン分析
【0042】 遺伝子ディセクション(分析)、プライマー設計 PCRプライマーは図2に示した千鳥法に基づいて選択し、既知遺伝子配列を完全
かつ重複的にカバーするようにした。これらは60℃のアニーリング温度での増幅
を可能にするよう選択した。DnastarパッケージからのPrimerselectプログラム
を使用した。
【0043】 PCR法 コード鎖と相補鎖の比較配列決定のために、個別プローブ当たり15個のPCR産
物(14の遺伝子特異的断片と1のHLA断片を順行鎖用の制御手段として、また15の
遺伝子特異的断片を逆行鎖用として、それぞれ調製した)を、パーキン・エルマ
ー9600またはMJリサーチ製テトラッズで別々に増幅した。反応混合物は100 ngゲ
ノムDNS、10 mlトリスHCl(pH 8.3)、1.5 mM MgCl2、50 ml KCl、200 μMの各
ヌクレオシドトリホスフェート、30 pmolの各プライマー、3 U(マンハイムのベ
ーリンガー社製)Taq-ポリメラーゼ、および最終容量を各50 μlとする水で構成
される。非特異的酵素活性を妨げるために、4分間、94℃での初期変性に続く4分
間内に88℃でTaq-ポリメラーゼを5 μlの単反応緩衝混合液(10 mlトリスHCl−p
H 8.3−、1.5 mM MgCl2、50 mM KCl)に加えた。反応組成物は94℃(15秒)、60
℃(15秒)および72℃(30秒)、または94℃(15秒)、60℃(30秒)および72℃
(1分)の30〜35サイクルにかけた。増幅は2%アガロースゲル上に5 μlのPCR産
物を分取し、臭化エチジウムと紫外線によりバンドを視覚化するという方法で、
簡単にチェックした。通常は、二重配列分析に備えて十分なPCR DNSが合成され
た。これら多重化プロトコールはコード鎖の配列決定を確実なものにする直接固
相配列決定プロトコールに依存したため、このPCRプロトコールでは5'-ビオチン
化プライマーをアンチセンスプライマーとして使用した。後続ステップでは1単
位24個またはその倍数個のDNSプローブが作業単位をなした。この作業単位は1以
上の膜/画像に対応する。
【0044】 PCR産物の精製 個体当たり全15個のPCR産物は、PCR産物当たり10 μl(約200 ngのPCR DNSに
相当)を1個のマイクロタイターウェルの中で混合して、その中に少なくとも150
μlのPCR産物が入るようにした。次いで、24×4の15重プールのPCR産物を96ウ
ェルのキアゲン(Qiagen)社製QIAvacマニホールド装置を用いて精製した。この
PCR産物プールを96ウェルフォーマットで容量50 μl 1×TE中に溶出した。固相
シークェンスに基づくコード鎖の固相多重配列決定のために、1本鎖PCR DNSを磁
粉上のストレプトアビジンとビオチンの相互作用により単離した。15個のビオチ
ン化PCR産物を含んでいる溶出物に蒸留水を加えて合計容量を160 μlとし、それ
から同容量の洗浄済み磁粉と混合して、配列決定用の1本鎖DNS基質混合物を得た
。これと並行して、磁粉をメーカー(オスロのダイナル社)の勧告どおりに洗浄
した。メーカーのプロトコールを15種のPCR産物の同時固定化ができるように修
正して、必要量/勧告量の磁粉の約1/4(15回ではなく4回)だけを使用するよう
にした。要するに、約2×1 ml(800 μg)に相当する24×80 μl のストレプト
アビジン被覆磁粉を同量の結合・洗浄緩衝液で2回洗浄し、2倍量のB&W緩衝液に
懸濁させ、96ウェルプレートで 24の160 μl等分量に分割した。次いで、プール
した精製PCR産物を同量の洗浄前磁粉と混ぜて最終容量を160 μlとし、15分間、
室温で定温保持した。DNSの2本鎖分子が溶融して、DNS鎖がメーカーのプロトコ
ールどおり分離した。処理済みPCR DNSの15倍量を調節するのに使用した緩衝液
および溶液の量は4〜5倍である。処理の完了に伴い、磁粉をそれと結合した1本
鎖PCR DNSと共に60 μlの水に再懸濁させた。
【0045】 固相T7/Mn-ジデオキシ法での1本鎖PCR DNSの直接多重(15重)配列決定 多重配列決定反応での試薬使用量は、反応を別々に処理したと仮定した場合の
15倍量―ただし、15種の配列決定用プライマーの修正量は例外―とは対照的に2
倍量であった。多重配列決定反応には2倍量(2 pmol)の各配列決定用プライマ
ーが添加され、標的断片と隣接断片の両断片上でのプライマーのアニーリングが
同時に行われるようにした(図2参照)。
【0046】 15重のプライマーアニーリング マイクロタイターウェルに入れた15マトリックスの各混合物に2 μlのプライ
マーカクテル(各プライマー2 pmpl)と4 μl 5×反応緩衝液(75 mM NaCl、40
mMトリスHCl、pH 7.5)を混ぜた。この合計反応容量22 μlのアニーリング混合
物を水浴中で80℃で2分間、次いで37℃で20分間、定温保持した。このプローブ
をざっと遠心分離機にかけてから、氷水で冷却した。配列決定反応が始まる前に
、8 μlのマンガン−DTT混合物(25 mM DTT、3.75 mMイソクエン酸、1.25 mM Mn
Cl2の水溶液)を各アニーリング混合物に混ぜ、4 μlのシークェナーゼ溶液(15
マトリックス用の0.5 Uシークェナーゼおよび0.03 U IPPase、1×TE)を加えて
最終容量を34 μlとした。これらの混合物を7 μlずつ、5 μlの塩基特異的ヌク
レオチド混合物(100 μMの各dNTP、1 μMの各ddNTP、25 mM NaCl)と混ぜ、次
いで37℃で15分間、定温保持した。伸長が終った後で、96ウェルプレートをざっ
と遠心分離機にかけ、余分な液体を磁選法で除去した。この終結産物を、5 μl
停止溶液〔95%ホルムアミド、20 mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05
%キシレンシアノール(xylenzyanol)FF〕の添加と80℃への2分間の加熱によって
溶出した。終結した配列決定用反応の混合物が含んでいる余分な液体は再び磁選
法で除去し、新しいマイクロタイタープレートに移し、−20℃で貯蔵した。この
プローブは使用直前に80℃、2分間の水浴で変性処理してから、氷水で急冷した
。プローブ当たり1 μlを配列決定用ゲルに垂らした。
【0047】 PCR DNSの直接多重(15重)「循環」配列決定 相補鎖の配列決定は、2 μlのサーモシークェナーゼ(約40 ngの各PCR産物に
相当)の使用とメーカー(アマシャム社)指定の反応条件の適用による15重の循
環配列決定により実施した。例外として、配列決定用プライマーの代わりに15プ
ライマーの混合物(0.5 pmol/プライマー)を用いた。このようにして15の配列
決定反応が、標準反応の場合の試薬使用量の15分の1に相当する単一量の試薬に
よって行われた。
【0048】 直接移動電気泳動(DTE) 96のプローブ(24個体の塩基特異的ターミネーター反応混合物に相当)はリヒ
タリッシュとチャーチ(1993年)の詳細説明に従って、ハミルトン12チャンネル
ピペット(ハミルトン社、米国ネバダ州リノ)を用いてそれぞれ1 μlずつ0.125
mmの極薄5%アクリルアミドゲルに垂らし、DTEにより3150 Vで大きさに応じて分
離し、ナイロン膜(中性、1.2 μm Biodyne A、Pall、32×45 cm)に移した。こ
の移動はコンピュータ制御により80分間11 cm/h、5時間8 cm/hの修正速度勾配に
よって行われ、それによって目視検査による画像解析に適した約0.8 mmの一様な
バンド間隔が得られた。個別遺伝子の配列差異の目視検査による直接識別を可能
にするこの「シークェンス画像」は固有のロード原理を導入することによって生
成された。任意の塩基G、T、A、Cの終結混合物を、それぞれ12個体を1ブロック
としてロードして、付加的バンドおよび/または欠損バンドの確定(熟練のパタ
ーン解釈)による変異形の識別が容易となるようにした。DNS形態はゲルからナ
イロン膜に移動した後、30秒間紫外線で架橋させた。
【0049】 逐次ハイブリッド形成 「プローブ」は次の要領で調製した。 最小長さが18ヌクレオチドであって、かつ標的ゲノム断片の不可分の構成要素
(図2参照)としての「タグ」配列に対して逆相補的であるオリゴヌクレオチド
に標識づけした。標識づけは、メーカー設定の初期値に従って2.6 μl [α-32P]
dATP(6000 Ci/mmol; NEN社)からの約15 dAMP残基1 μl(2 pmol)を1 μl(14
U)の仔ウシ胸腺に由来する末端デオキシヌクレオチジルデゾキシ核酸トランス
フェラーゼ(USB社)に添加して行った。42℃、最低15分のハイブリッド形成前
処理に続いて、末端トランスフェラーゼ反応混合物10 μlを8 mlのハイブリッド
形成緩衝液[7% SDS、10%ポリエチレングリコール、0.25 M NaCl、0.051% H3PO4 、82 mM Na2HPO4×H2O、10 mM EDTA(遊離酸)、32 mM NaOH;ハイブリッド形成前
処理にも使用]で希釈した。これは膜とハイブリッド形成するための計算容量で
ある。通常、1〜2枚の膜を1本のガラス管(容器)に導入して夜通し、少なくと
も4時間かけて42℃でハイブリッド形成した。できた膜は5枚単位で周囲温度で自
動膜洗浄機(ドレスデンのウンヴェルト・ウント・インゲニーアテヒニク社)を
用いて洗浄した。洗浄は、5洗浄ステップが各ステップごとに1800 ml緩衝液[1%
SDS、0.022% H3PO4、69 mM Na2HPO4×H2O、5 mM EDTA(遊離酸)、32 mM NaOH]
を用いて実行されるようプログラムした。次に、膜を1枚ずつサランラップとポ
リエステル下敷きの間にはさんだ。モレキュラー・ダイナミックス社のPhosphor
FluorImagerに室温で1〜20時間曝露した後、放射性試料を0.2% SDSと1 mM EDTA
(遊離酸、トリスアルカリ液でpH 8.3に調整)で、5〜10分間、65℃の条件で少
なくとも2回除去した。15分間のハイブリッド形成期には、分離とシグナル対ノ
イズ比は最適単一プロセスで実現されるのと同様に本質的に一定であった。その
ため、配列変異の精密な識別にとって好ましい画像品質が確保された。シーケン
ス画像はスキャナーで取り込み、画像ファイルとしてコンピュータに転送し遺伝
子型の決定に用いた。
【0050】 結果: ヒトμ-アヘン受容体遺伝子の比較配列分析 ヒトμ-アヘン受容体遺伝子について、その5'-調節、コード、有意イントロン
の各配列を含めて、250個人を対象に比較配列決定を行った。250個人の調査対象
群には家族病歴のある中毒患者群と対照群が含まれていた。合計1.7 M塩基を分
析した。そのデータを調べると、薬物乱用の遺伝的傾向がある個人では、有意に
高い度数をもつ特有の様々な多形態(ハプロタイプ)が観察されることが判明し
た。このプロジェクトは次のステップを踏んで実行された。
【0051】 a)5'-調節配列と有意イントロン配列のクローニング。これにより、既知cDN
A配列情報が2162 bpから6968 bpへと拡大した。 b)PCR断片中のコード、相補両鎖の全配列のディセクション(分析)、両鎖
の15重配列決定。11枚1セットの膜を2セット生成−膜には1枚当たりそれぞれ1.7
M塩基の比較配列情報が含まれている−、膜当たり15サイクルのハイブリッド形
成、熟練したパターン分析による約330画像の評価。 c)合計37の変異形を内に含む全多形態スペクトルの決定、多数の個別遺伝子
プロフィールの解明につながる23変異形のハプロタイプ分析、類似性分析による
対立遺伝子カテゴリーの決定。 d)米国のアフリカ系アメリカンにおける対立遺伝子カテゴリーであって、薬
物乱用の遺伝的傾向に関連するものの同定。
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月17日(2000.11.17)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AL,AM,A U,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN ,CU,CZ,EE,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO, RU,SD,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA09 HA14 4B063 QA01 QA12 QA18 QQ42 QR56 QR62 QS16 QS25 QS34 QX07 5B075 QT04 UU19 UU26

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNA配列の個体間差異の識別、表示、分析および解釈のため
    の、次の点を特徴とする方法: − 検査対象個体のゲノムDNAを単離する − 比較するべき遺伝子、ゲノム領域およびゲノムのセグメントの範囲を規定す
    る − これらのセグメントを単離し、高度に特異的なオリゴヌクレオチドを用いた
    PCR法により、標的化方法において、十分な数のコピーを生産する − 今ではPCR産物として得ることができる遺伝子セグメントである、すべての
    遺伝子セグメントの同時配列決定を行う − それによって生産され、かつすべての遺伝子セグメントの個別配列を含んで
    いる終結反応混合物を配列決定用ゲル上で電気泳動により分離し − 直接移動電気泳動法により膜の上に移す − 次いで、原混合物からの特定の遺伝子セグメントの個別配列を、標識づけし
    た高度に特異的なオリゴヌクレオチドを有する膜とのハイブリッド形成により視
    覚化する − このプロセスを原混合物中のすべての遺伝子セグメントについて検出が済む
    まで反復し、個体間DNA配列差異を画像分析により検出し、遺伝的プロフィール
    を数理的処理により導き出し評価する。
  2. 【請求項2】 すべての核酸を対象に使用されることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 特定個体の複数の遺伝子セグメントが同時に配列決定される
    こと、または複数個体のまったく同一のセグメントが同時に配列決定されること
    を特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 同時配列決定が複数の、高度に特異的な配列決定用プライマ
    ーを用いて行われ、それによって配列決定用プライマーの数が遺伝子セグメント
    の数に対応することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 同時配列決定が複数の、高度に特異的な配列決定用プライマ
    ーを用いて行われ、それによって配列決定用プライマーの数が事実上の遺伝子セ
    グメントの数に対応することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 事実上の遺伝子セグメントが数個の遺伝子セグメントを含ん
    でいるPCR断片の構成要素であることを特徴する請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 方法が20〜30個体、好ましくは24個体を対象に実施され1枚
    の膜に対象個体のすべての遺伝子セグメントの配列を含めるようにすることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 1枚の膜に20〜30個体、好ましくは24個体の個々の個体のす
    べての遺伝子セグメントの配列を含めることだけでなく、その代わりに複数個体
    の1遺伝子セグメントの配列を含めることをも特徴とする、請求項1〜6のいずれ
    かに記載の方法。
  9. 【請求項9】 方法が2〜100×20〜30(好ましくは24)個体に対応すること
    を特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 12個体の塩基特異的な終結反応が、特に核酸配列の比較を
    目的に、互いに隣接し合って配置され、12個体のG反応の、また同様にT、Aおよ
    びC反応のブロックが膜上に、また最終的には画像上に、視覚化されるようにす
    ることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 配列差異が直接表示されることを特徴とする請求項10記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 高度に特異的なオリゴヌクレオチドが放射能で、または他
    の方法で標識づけされることを特徴とする請求項1〜11のいずれに記載の方法。
  13. 【請求項13】 反応混合物から得られる規定されたDNA配列の視覚化は、
    高度に特異的なオリゴヌクレオチドが規定のゲノム標的セグメントの不可分の構
    成要素でありかつ配列決定用プライマーのハイブリッド形成領域に隣接して位置
    するDNA配列とハイブリッド形成することにおいて実現されることを特徴とする
    請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 反応混合物から得られる規定DNA配列の視覚化は、高度に
    特異的なオリゴヌクレオチドが、PCRプライマーまたは配列決定用プライマーの
    不可分の一部となっている外部的に合成されたDNA配列とハイブリッド形成する
    ことにおいて実現されることを特徴とする請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 任意の種の顕著な発病リスクまたは形質特性パラメーター
    値の遺伝子的鑑別を可能にする遺伝子プロフィールが、単一種の2種類の形質群
    の遺伝子型またはハプロタイプのクラス分け法と度数比較を用いて遺伝子型また
    はハプロタイプの数を減らすことによって導き出されることを特徴とする、請求
    項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 規定の一組のオリゴヌクレオチドの診断目的への使用であ
    って、オリゴヌクレオチドが全ゲノムDNAおよびDNA標的断片とハイブリッド形成
    し、一群のゲノム配列の増幅、配列決定および解読により複数の個別配列の、的
    を絞った同時的な生成を同時的に行えるようにする前記使用。
  17. 【請求項17】 潜在的な病因となるような、遺伝的な発病リスクを伴うよ
    うな、または医薬品、中毒性の薬物または内生リガンドに対する個体間でまちま
    ちな感応性に関連するような候補遺伝子、ゲノム、または任意のゲノム標的領域
    における個体間DAN差異の識別を目的とした、請求項1〜15のいずれかに記載の方
    法の使用。
  18. 【請求項18】 植物ゲノム、バクテリアゲノム、基本的にあらゆる種のゲ
    ノム、分子生物学、医薬、生物学、獣医薬、農業科学およびエコバイオロジーの
    分野で遺伝的変異を根拠とする様々な(形質)特性の起源に関する情報の収集を
    可能にすることを特徴とする請求項17記載の使用。
  19. 【請求項19】 規定されたDNAセグメントの任意の塩基のバンドパターン
    は各核酸セグメントに対応する固有の識別パターンとしての役立つことから、個
    別終結反応と画像/データ管理の固有の適用スキームを土台にしてDNA配列、SNP
    s(単一ヌクレオチド多形態)およびインデル多形態の差異を即時に検出できる
    ようにする画像生成および画像解析を目的とした請求項1〜15のいずれかに記載
    の方法の使用。
  20. 【請求項20】 複数個体のDNA配列を単一容器でかつ単一手順により同時
    的に処理できるようにする請求項1〜15のいずれかに記載の方法の使用。
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