JP2002513315A - 所定の局所に照射する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 限定して画定した局所に対する照射装置であって、種々の大きさの、明確に画定された光域（９）に対して均一で、かつ、十分の強度の照射を得ることができ、構成的には、ハロゲン・ランプ（１）または同種の光源からの非干渉性光を楕円形のミラー（２）を介して透明のロッド（４）の一端面（３）に当てることによりロッド（４）の他の端面（６）を均一に照射し、所定の光域（９）に端面（６）をレンズ（７）を介して投影する。

Description

【発明の詳細な説明】 所定の局所に照射する装置 この発明は、限定して画定された局所（以下、「光域」という）を照射する装 置、すなわち、たとえば、ガン性腫瘍その他の病理的皮膚の症状などを治療する のに用いることができる照射装置に関する。構成的には、光の伝導手段とともに 反射装置を備えた光源を有している。本装置は、照射に必要とされる照射の強度 や均一性の条件を満たすのみならず、低廉であり、小型であり、かつ、軽量で携 帯できるので外来患者診療部でも使用ができるものである。 光化学的治療は、ある種の皮膚ガン、特に、班状丘疹のような疾患性皮膚はも とより基底細胞ガン(basal cell carcinoma)に対する治療方法として大いに期待 されている。この治療方法では毒性が全くないか、あっても極く少量しかない光 感性物質が患部の組織部分に塗布される。照射されると反応性の高い化学種（ch emical species）、特に一重項酸素が生成される。 このようにして以後組織への照射で、十分の量の光増感物質を含んだ照射済み の細胞は死ぬことになる。ある種のポルフィリンを含む光増感物質の中には通常 の皮膚組織に対するよりガン組織に対しより大きな親和力を持つものがある。し たがって、第１に、光増量物質がガン組織に対し大きな親和力をもつこと、第２ に、照射を患部組織にだけ当てればよいことから、この治療法は、主としてガン 組織治療に適しており、今や世界の幾つかの病院では当たり前になっている。 今日用いられる光増量物質には６００乃至７００nmの波長をもった光か主に用 いられる。こうした治療に必要な光量は、５０乃至１００j/cm²と相対的に大き くこの光量は、５乃至１０分間、すなわち、 約１００乃至２００mW／cm²のフルエンスで供給される。レーザ光が通常用いら れる。高い光の強度が必要とされるためかなり大型のレーザを使う必要がある。 通常、たとえば、６３０nmの色素レーザセットに接続されたCuレーザが用いられ る。この種のレーザは価格自体高価であり、稼動コストも高く、熟練の技術者が 要り、また持ち運びに不便である。皮膚病に対する光化学的治療法は、外来患者 診療部、概して病院の外部で行うことが好ましいので、安価な光源で済み、高価 な訓練を要せず実行でき、また、どこでも使えることが必要である。さらに、照 射領域が明確に区画されていることが必要で、周囲の人体組織に照射を浴びせる ことがあってはならない。加えて、光のフルエンスが全光域にわたって常に一定 であることも大切である。レーザを通常の光源、できればハロゲンランプにした 試みもなされたが、現状では明確に区切られた領域で、しかも広い光域にわたっ ての均一性と、十分の強度の両要件を満足させる照射は困難であることが判明し た。このような光源からの光の分配は、集光と集束を果たすミラー等の光学素子 に対し白熱素子を正しく位置付けできるか否かにかかっている。というのは、こ うした光学装置が、十分の光を集めるためには必要とされる透孔は、当然ながら かなり高い倍率を必要とする。ハロゲンランプによる機械的な再現性には限界が あるためランプの取り替え時に光学装置とランプとの大掛りな調整が当然必要と なる。本発明は、光域に対する光の強度と均一性の両要件を満たすとともに、調 整を易しくし、さらに、光域の大きさを簡単に変えることができるものである。 この発明の特徴は、添付の請求項、特に請求項１に記載の通りである。 この発明は、たとえば楕円形のミラー２のような反射装置の第１の焦点に置か れたハロゲンランプその他の光源１を有している。光 源１は、ガラスまたはその他の透明性のある素材によるロッド４の一の端面３に 向けられ、その光軸はミラー２の軸と同軸であり、端面３は、ミラー２の第２の 焦点５内にある。この結果ロッド４の第２の端面６はほぼ均一に照射されて、被 照射面である平面８にレンズ７により投影される。このようにして光域９は均一 に照射される。端面６は、焦点５すなわちランプの白熱素子の映像が端面３上ど こに投影されようとそれとは関係なく、均一に照射されることになるので、光域 ９内の光の強度および光域位置は、共に、ランプの正確な位置付けに依存する必 要はない。 ロッド４は、好ましくは、赤外線吸収性の素材で形成する。ミラー２とロッド ４との間には熱反射性ミラー１２を設ける。 レンズ７背後の光路に、照射に用いるスペクトル部分を画定する少なくとも１ 個の光学フイルタ１３を設ける。ミラー２を備えたランプ１、熱反射ミラー１２ 、ロッド４、レンズ７、およびフィルタ１３夫々を、２本のレール１９に摺動可 能に支持した支持板１４乃至１８に設ける。これら支持板を各部品を支持したま ま円箇体２０内に搭載する。円筒体２０には第２の円筒体２１を接続してその中 に、円箇体20，２１から空気を引くためのフアン２２を設ける。第２のフアン２ １は、着脱自在であるのでランプ１やミラー２を取り替えるのに便利である。 光域の大きさは、レンズ７を移動させることによりレンズ７とロッド４の端面 ６との距離を変えることで調節できる。レンズ７を支持板１７に保持している２ 本のピン２８は、図１bに示すようにリング２７の外周に斜めに形成した溝３０ 内に設ける。リング２７は、２個の第２のリング２９の間に位置し、支持体２０ の軸周りに回転されるとピン２８の位置が溝３０内において変位する。これによ ってレンズ７とロッド４の端面６との距離を変えることができる。こ のようにして光域の範囲が変わるのに応じて光域９への距離も変わる。患部であ る皮膚１０に対し適正な距離にランプが安定的に位置するように脚部１１を設け て、皮膚１０に沿わせる。脚部１１は、円筒体２０に固定されたブラケット２６ を挿通した円筒状の側壁２５に形成されている。これにより脚部１１と本装置の 間の距離を種々変えることができ、それにより脚部１１の裏面は平面８に面接触 することができる。 ランプ１の電源としてソケット３３に対し安定した電圧を接点３１を介して供 給する。電流はさらに接点３１を介してフアン２２にも供給される。光ダイオー ド２３からの信号が、側壁２５に挿通された導線３２を介して脚部１１のアーム ２４から伝達される。光ダイオード２３は、図１ｃに示すように、揺動自在に脚 部１１に取り付けられたアーム２４に設けたことにより、光域９に対し進退自在 となって光の測定が可能となる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年５月４日（１９９９．５．４） 【補正内容】 請求の範囲 1. 限定して画定した局所（光域）、特にガン性腫瘍その他の皮膚の病理的部 分に照射するのに適した、光伝導手段と凹面の反射装置を含む光源を有した照射 装置であって、反射装置は、光源（１）からの光を好ましくは円筒状の透明のロ ッド（４）の一端面（３）上に集光できる曲率のミラー（２）を有し、さらに、 ロッド（４）のもう一方の端面（５）からレンズ（７）に向けられた光によって ロッド（４）の端面（５）が照射予定の画定された局所に投影され、さらに、レ ンズ（７）を移動自在とすることにより画定された光域（９）の大きさを種々変 えることができ、それにより照射装置は、光域の大小に拘わらず、また、照射装 置の長手方向の中心軸に対する光源の位置とは関係なく、均一な照射を行うこと ができる照射装置。 2. 凹面ミラーは、楕円形である請求項１に記載の照射装置。 3. 光源（１）とロッド（４）の間の光路に熱反射フィルタ（１２）を設け、 さらに、レンズ（７）の正面に、照射に伴うスペクトル部分を画定する光学的フ ィルタ（１３）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の照射装置。 4. ロッド（４）を、好ましくは、赤外線を吸収する素材で形成したことを特 徴とする請求項１に記載の照射装置。 5. 反射装置（２）を備えた光源（１）、熱反射ミラー（１２）、ロッド（４ ）、レンズ（７）、フィルタ（１３）夫々を、支持台レール（１９）に設けた支 持板（１４）乃至（１８）に設け、これら支持板（１４）乃至（１８）の内少な くとも一つはレール（１９）上を移動できることを特徴とした請求項４に記載の 照射装置。 6. 支持台を、円箇体（２０）に搭載し、円筒体（２０）内部を、 その着脱自在の端部（２１）に設けたフアン（２２）により換気するようにした 請求項５に記載の照射装置。 7. 光ダイオード（２３）を移動自在のアーム（２４）に設けた脚部（１１） を円箇体（２０）に搭載して、光ダイオード（２３）を所定の光域に対し進退自 在に揺動できることを特徴とした請求項５に記載の照射装置。 8. 脚部（１１）を、円箇体（２０）に対し移動自在とし、さらに円箇体（２ ０）に取り付けたブラケット（２６）に挿通された側壁（２５）に取り付けたこ とを特徴とする請求項７に記載の照射装置。 9. 円衝体（２０）は二つの部分からなり、その内の末端部（２１）は着脱自 在であって、ランプ（１）のみならずミラー（２）の取り替えも自由にできるよ うにした請求項５に記載の照射装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 限定して画定した局所（光域）、特にガン性腫瘍その他の皮膚の病理的局 所に照射するのに適した、光伝導手段と反射装置を含む光源をもった照射装置で あって、反射装置は、光源（１）の光を透明のロッド（４）の一端面（３）上に 集光できる曲率の凹面ミラー（２）を有するとともに、ロッド（４）のもう一方 の端面（５）からレンズ（７）に向けられた光によってロッド（４）の端面（５ ）が照射予定の画定された局所に投影されることを特徴とした照射装置。 2. 凹面ミラーは、楕円形である請求項１に記載の照射装置。 3. レンズ（７）は移動自在であり、それにより光域（９）の大きさを種々変 えることができる請求項１に記載の照射装置。 4. 光源（１）とロッド（４）の間の光路に熱反射フィルタ（１２）を設け、 さらに、レンズ（７）の正面に、照射に伴うスペクトル部分を画定する光学的フ ィルタ（１３）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の照射装置。 5. ロッド（４）を、好ましくは、赤外線を吸収する素材で形成したことを特 徴とする請求項１に記載の照射装置。 6. 反射装置（２）を備えた光源（１）、熱反射ミラー（１２）、ロッド（４ ）、レンズ（７）、フィルタ（１３）夫々を、支持台レール（１９）に設けた支 持板（１４）乃至（１８）に設け、これら支持板（１４）乃至（１８）の内少な くとも一つはレール（１９）上を移動できることを特徴とした請求項４または５ に記載の照射装置。 7. 支持台を、円筒体（２０）に搭載し、円筒体（２０）内部を、その着脱自 在の端部（２１）に設けたフアン（２２）により換気す るようにした請求項６に記載の照射装置。 8. 光ダイオード（２３）を移動自在のアーム（２４）に設けた脚部（１１） を円箇体（２０）に搭載して、光ダイオード（２３）を所定の光域に対し進退自 在に描動できることを特徴とした請求項１に記載の照射装置。 9. 脚部（１１）を、円筒体（２０）に対し移動自在とし、さらに円筒体（２ ０）に取り付けたブラケット（２６）に挿通された側壁（２５）に取り付けたこ とを特徴とする請求項１に記載の照射装置。 10．円筒体（２０）は二つの部分からなり、その内の末端部（２１）は着脱自 在であって、ランプ（１）のみならずミラー（２）の取り替えも自由にできるよ うにした請求項１に記載の照射装置。