JP2002513088A - 切削工具用の低摩擦コーティング - Google Patents

切削工具用の低摩擦コーティング

Info

Publication number
JP2002513088A
JP2002513088A JP2000546069A JP2000546069A JP2002513088A JP 2002513088 A JP2002513088 A JP 2002513088A JP 2000546069 A JP2000546069 A JP 2000546069A JP 2000546069 A JP2000546069 A JP 2000546069A JP 2002513088 A JP2002513088 A JP 2002513088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
mos
deposition
substrate
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000546069A
Other languages
English (en)
Inventor
ギルモア,リチャード
ギスラー,ボルフラム
ミタラ,クリスチャン
ロスビヒラー,パウル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EUROPEAN COMMUNITY Represented by the Commission of the European Communities
Original Assignee
EUROPEAN COMMUNITY Represented by the Commission of the European Communities
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB9808938.6A external-priority patent/GB9808938D0/en
Priority claimed from GBGB9822445.4A external-priority patent/GB9822445D0/en
Application filed by EUROPEAN COMMUNITY Represented by the Commission of the European Communities filed Critical EUROPEAN COMMUNITY Represented by the Commission of the European Communities
Publication of JP2002513088A publication Critical patent/JP2002513088A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C30/00Coating with metallic material characterised only by the composition of the metallic material, i.e. not characterised by the coating process
    • C23C30/005Coating with metallic material characterised only by the composition of the metallic material, i.e. not characterised by the coating process on hard metal substrates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/06Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は切削工具のコーティングとして使用するための組成物に関し、この組成物は(i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およびCrNxから選択された第1材料と、(ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料とを含み、ここでxは0.5ないし1.5であり、zは0.8ないし2.2であり、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は0.1ないし0.8である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、切削工具のコーティングとして使用するための組成物に関し、さら
に詳しくは、例えばTiNの硬質相および例えばMoS2の軟質潤滑相から形成
される低摩擦耐摩耗性コーティングに関する。
【0002】 スパッタMoS2膜はおよそ30年前に開発され、それ以来、主に空間潤滑用
に使用されてきた。過去5年間にこれらの膜は、切削および形削り用の工具のコ
ーティングとして使用されることが多くなり、その結果、工具の寿命、仕上げ、
および生産性が著しく改善された。今、潤滑剤および/または冷却流体をほとん
どまたは全く使用しない乾式機械加工用のMoS2工具コーティングへの関心が
高まりつつある。乾式機械加工は今、最新世代のTiAlNコーティングを使用
して工業的に実行可能であるが、以前に環境的に有害な潤滑液を使用することに
よって得られていた潤滑効果をもたらすために、MoS2上層の追加使用が提案
されている。
【0003】 これらの比較的軟質の膜に対してますます高まる需要の結果、耐久性を改善す
るためにかなりの努力が払われてきた。まず純粋MoS2膜の堆積パラメータが
最適化された。後に、Ni、Pb、およびTiなどの金属添加物の有利な効果が
、同時堆積(co-deposition)によって多層の形でスパッタコーティングに適用
され、膜の密度、潤滑性、および耐久性に著しい改善をもたらした。その上、多
層は、表在する硫黄を消耗させてコーティングの接着性を損うことによって潤滑
性および耐久性を劣化させ得る酸化に対し、より優れた抵抗性を示す。しかし、
上層は依然として比較的軟質であるので、切削工具の臨界ならし運転(critical
break-in)段階でしばしば消耗され、その後すぐにその効果を失う。
【0004】 TiB2は、MoS2の潤滑相を伴う硬質マトリックス材として研究されてきた
。一般的に硬度および低摩擦特性を得ることができるが、そのようなコーティン
グは、TiB2相の脆性のためにしばしば破損する。
【0005】 本発明は、先行技術に関連する問題に取り組み、自滑性を得るのに充分な高濃
度のMoS2またはWS2を伴って、高密度で比較的硬質な耐摩耗性コーティング
を提供することを目的とする。これは、潤滑剤を硬質コーティング材と同時堆積
することによって好ましく達成される。
【0006】 したがって、本発明の第1態様は、切削工具のコーティングとして使用するた
めの組成物であって、 (i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およびCrNxから選択され
た第1材料と、 (ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料と を含み、 ここでxが0.5ないし1.5であり、zが0.8ないし2.2であり、Tiま
たはCrに対するMoまたはWの原子比(y)が0.1ないし0.8である組成
物を提供する。
【0007】 第1好適実施形態では、xは0.5ないし1.5であり、zは1ないし2.2
であり、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は0.2ないし0
.8である。いっそう高い硬度および低い摩擦係数のためには、xは0.7ない
し1.3であることが有利であり、0.8ないし1.2がさらに有利であり、1
に等しいかほぼ等しいことがさらにいっそう有利である。同じ理由により、zは
1.2ないし2が好ましく、1.4ないし1.8がより好ましく、1.6に等し
いかほぼ等しいことがさらにいっそう好ましい。同様にyは0.2ないし0.5
が好ましく、0.2ないし0.4がより好ましく、0.3に等しいかほぼ等しい
ことがさらにいっそう好ましい。この実施形態による組成物は、典型的に少なく
とも14GPa、より典型的には15ないし23GPa、さらにいっそう典型的
には16ないし22GPaの硬度を持つ。
【0008】 第2好適実施形態では、xは0.5ないし1.5であり、zは0.8ないし2
.2であり、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は、zが0.
8ないし2.2のときに、0.1ないし0.2であり、zが0.8から1の間で
あるときに、0.1ないし0.8である。いっそう高い硬度および低い摩擦係数
のためには、xは0.7ないし1.3であることが有利であり、0.8ないし1
.2がさらに有利であり、1に等しいかほぼ等しいことがさらにいっそう有利で
ある。同じ理由により、zは0.8ないし1.4が好ましい。同様に、yは0.
12ないし0.18が好まく、0.14ないし0.18がより好ましく、0.1
5に等しいかほぼ等しいことがさらにいっそう好ましい。この実施形態による組
成物は、典型的に少なくとも14GPa、より典型的には22ないし32GPa
、さらにいっそう典型的には25ないし30GPaの硬度を持つ。
【0009】 本発明の全ての実施形態で、第1材料はTiNx、TiAlNx、TiAlYC
rNx、およびCrNxのうち2つ以上を含むことができ、第2材料はMoSz
よびWSzのうちの一方または両方を含むことができることを理解されたい。
【0010】 本発明の全ての実施形態による組成物は、一般的に0.08ないし0.3、よ
り一般的に0.08ないし0.2の摩擦係数、および典型的に少なくとも14G
Paの硬度を持つ。
【0011】 本発明の第3好適実施形態では、組成物は、 (i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およびCrNxから選択され
た第1材料と、 (ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料と を含み、 ここでxは1に等しいかほぼ等しく、zは1.6に等しいかほぼ等しく、Tiま
たはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は0.2ないし0.4であり、こ
こで組成物は0.08ないし0.2、好ましくは0.08ないし0.12の摩擦
係数、および16ないし22GPa、好ましくは18ないし22GPa、より好
ましくは20ないし22GPaの硬度を持つ。
【0012】 本発明の第4実施形態では、組成物は、 (i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およびCrNxから選択され
た第1材料と、 (ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料と を含み、 ここでxは1に等しいかほぼ等しく、zは1.1に等しいかほぼ等しく、Tiま
たはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は0.1ないし0.2であり、こ
こで組成物は0.08ないし0.2、好ましくは0.08ないし0.12の摩擦
係数、および22ないし32GPa、好ましくは25ないし30GPa、より好
ましくは27GPaに等しい硬度を持つ。
【0013】 本発明によるコーティングの微細構造は一般的に、TiNx、TiAlNx、T
iAlYCrNx、またはCrNxの硬質マトリックス相内において、典型的に1
ないし10nmのナノメートル結晶粒度を持つMoSzまたはWSzの軟質な潤滑
相を含む。実質的にコーティングの厚さ全体に「潤滑剤溜(lubricant reservoi
r)」が存在することにより、コーティングが摩耗しても、潤滑性を維持するこ
とが可能になる。MoSzまたはWSz相が硬質マトリックス内に組み込まれてお
り、これはある程度の酸化防止になるので、追加的利点が生じる。
【0014】 本発明では、それらの傑出した機械的性質(超硬性および高い靭性)に加えて
、これらの窒化物は、他の硬質コーティングに比べて比較的優れた摩擦学的性質
を示すので、TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およびCrNxを硬質
相として使用する。例えば、TiNは、鋼に対して一般的に0.4から0.8の
間と言われる摩擦係数を持ち、それ自体またはAl23などの特定の硬質対抗面
に擦り合わせたときには0.2よりも低い摩擦係数を持つ。
【0015】 本発明はまた、ここに記載する組成物を含む耐摩耗性自滑コーティング、およ
びさらに、そのようなコーティングを有する製品をも提供する。
【0016】 本発明はまた、1つまたはそれ以上のコーティングを持ち、前記コーティング
の少なくとも1つがここに記載する組成を備えている基板を含む切削工具をも提
供する。基板は2つ以上のそのようなコーティング、例えばTiNxおよびMo
zの第1コーティング、および例えばTiAlNxおよびWSzの第2コーティ
ングを持つことができることが理解されるであろう。また、各コーティング内で
組成的変化が存在してもよいことも理解されるであろう。例えば、TiNxおよ
びMoSzを含み、MoSzの含有量が基板表面では零であり(または少なくとも
零に近く)、コーティング内の距離と共に(基板から離れるにつれて)要求レベ
ルに達するまで連続的に増加する勾配コーティングを適用することができる。
【0017】 基板材料は、例えば硬質合金、高速度鋼、またはサーメットなど、従来の切削
工具材料のいずれかから形成することができる。
【0018】 基本的にTi、TiAl、TiAlYCr、Cr、TiN、TiAlN、Ti
AlyCrN、またはCrNから成る層は、コーティングと基板との間の付着を
改善することが分かったので、これを基板の表面と1つまたはそれ以上のコーテ
ィングとの間に配置することが有利である。この中間層の材料の選択は、コーテ
ィングの窒化物の成分に基づくことが有利である。例えば、コーティングがTi
xを含む場合には、中間層はTiまたはTiNから形成することが好ましい。
好適な態様では、基本的にTi、TiAl、TiALYCrまたはCrから成る
第1層を設け、この層を基板の表面に隣接して配置し、基本的に第1層の材料の
窒化物、つまりTiN、TiAlN、TiAlYCrNまたはCrNからなる第
2層が第1層と、ここで述べられた1つまたはそれ以上のコーティングとの間に
配置される。再び、第1層の材料の選択は、コーティングの窒化物成分に基づく
ことが有利である。例えば、コーティングがTiAlNxを含む場合には、第1
層はTiとAlの合金で形成することが好ましい。この要領で、3成分の付着促
進下層を有利に使用することができる。例えば、Tiの第1層を基板の表面に堆
積することができる。次に、1層のTiNを第1層の上に堆積することができる
。次に、TiNとMoSzの勾配層を、0%(または少なくとも零に近い)のM
oSzから始めて、MoSz含有量をここに記載する機能的TiNx(MoSzy
自滑層のそれまで連続的に増加させながら堆積することができる。
【0019】 本発明による切削工具は潤滑剤および/または冷却流体と共に使用することが
できるが、それは、乾式機械加工つまり潤滑剤または冷却流体を使用しない用途
、または非常にわずかな潤滑剤および/または冷却流体を必要とするミクロ潤滑
(micro-lubrication)用途に特に適している。
【0020】 本発明はまた、ここで記載する組成物の低摩擦耐摩耗性コーティングとしての
使用をも提供する。このコーティング組成物は一般的に切削工具の製造で使用さ
れるが、低摩擦および優れた耐摩耗性を要求するどんな領域でもそれを使用でき
ることが理解されるであろう。
【0021】 本発明の別の態様では、基板上に耐摩耗性低摩擦コーティングを形成するため
の方法であって、 (i)基板を用意するステップと、 (ii)TiN、TiAlN、TiAlYCrN、およびCrNから選択された
第1堆積材料とMoS2およびWS2から選択された第2堆積材料とを同時に前記
基板の表面上に堆積するための手段を有する堆積室内に基板を配置するステップ
と、 (iii)ここで記載された組成を有するコーティングを形成する条件下で、第
1および第2堆積材料を基板の表面上に同時堆積するステップと を含む方法を提供する。
【0022】 堆積室は、スパッタリングシステム、例えば不平衡dcマグネトロンスパッタ
リングシステムを含むことができ、その中で第1および第2堆積材料を同時に堆
積する手段は、第1堆積材料を備えたターゲットおよび第2堆積材料を備えたタ
ーゲットを含む。代替的に、複合ターゲットを使用することができる。この方法
により、例えばTiNおよびMoS2を基板の表面上に同時スパッタすることが
できる。複合ターゲットは、例えば1つまたはそれ以上のMoS2部分に隣接し
て1つまたはそれ以上のTiN部分を有するモザイクターゲットの形を取ること
ができる。マグネトロンスパッタイオンプレーティングは、GB−2 258
343に詳しく記載されている。
【0023】 堆積中、基板は通常、80ないし500℃、好ましくは100ないし300℃
、より好ましくは150ないし250℃、さらにいっそう好ましくは約200℃
の温度に維持される。堆積は、真空または不活性ガス雰囲気で実行することが好
ましい。例えば、0.1ないし1PaのAr、好ましくは0.4ないし1Paの
圧力のアルゴン雰囲気が適していることが分かった。
【0024】 堆積は通常、一般的に5ないし20Wcm-2、好ましくは5〜15Wcm-2
範囲の電力密度を使用して実行される。実験は、0.5ないし1.5A(250
ないし800Vのターゲット電圧に等しい)、好ましくは約1A(約520Vの
ターゲット電圧に等しい)のターゲット電流を使用して行われた。
【0025】 一般的に0.5ないし5μmのコーティング厚さを、1時間未満で生成するこ
とができる。
【0026】 堆積中、基板には一般的に、0ないし−200V、好ましくは−50ないし−
150V、より好ましくは−75ないし−125Vのバイアス電圧が印加される
。約−100Vのバイアス電圧が最善の結果をもたらすことが分かった。
【0027】 代替的に、Tiターゲットからスパッタリングを行いながら充分な量の窒素を
処理ガス中に導入することによって、硬質マトリックス、例えばTiNを反応堆
積することを考えることができる。また、例えば、MoターゲットおよびH2
などの処理ガスを含む硫黄の添加を使用する反応性堆積によって、MoSzを反
応堆積することを考えることもできる。
【0028】 代替的に、アーク/スパッタハイブリッド装置を使用して、例えばTiNおよ
びMoS2を同時に基板の表面に堆積することができる。この方法で、例えばT
iNの硬質相をチタン陰極アークから堆積し、同時に、例えばMoS2をマグネ
トロンスパッタリングによって堆積する。この例では、混合された窒素/アルゴ
ン混合物を使用する必要がある。窒素はTiアーク源と共にTiNの反応性堆積
を可能にし、アルゴンはMoS2のための効率的なスパッタリングガスとなる。
実際、窒素はMoS2のスパッタリングに特に効果があるわけではない。
【0029】 さらに、プラズマアシストCVDまたは光子誘起堆積のように、第2堆積材料
のマグネトロンスパッタリングと一緒に第1堆積材料の堆積を可能にする他のど
んな堆積方法でも使用することができる。
【0030】 マグネトロンスパッタリング装置で潤滑材、例えばMoS2を堆積するのと一
緒に、陰極アーク装置を使用して硬質相、例えばTiNを堆積する場合、所定の
組成範囲内のコーティングを生成するために、MoS2の堆積速度に対して適切
なTiNの堆積速度が得られるようにアーク電流を調節しなければならない。典
型的には、そのアーク電流は、少なくとも50Aである。この実施形態の方法で
は、堆積室内の圧力は、窒素とアルゴンの処理ガスによって生じる。窒素による
TiNの反応性堆積とアルゴンを使用したMoS2のスパッタリングとの間の適
切な調和が達成されるように、窒素対アルゴンの体積流量比が約10:1で、0
.1ないし1Paの圧力が好ましい。マグネトロンスパッタ堆積は現在MoS2
を堆積するための最も一般的な方法であるが、アーク技術が向上するにつれて、
MoS2アーク源を用いてMoS2を堆積することも可能であることを当業者は理
解するであろう。代替的に、Moアーク源、およびH2Sのように硫黄を含む処
理ガスを使用して、反応によりMoS2を堆積することもできる。
【0031】 本発明はまた、鋳鉄部品を機械加工する、例えばフライス加工するための方法
であって、ここに記載された切削工具を用いて部品を機械加工するステップを含
む方法をも提供する。
【0032】 機械加工のステップは、潤滑剤または冷却流体が無い状態で(乾式機械加工)
、または代替的に、最小限の量の潤滑剤および/または冷却流体を使用して(ミ
クロ潤滑)実行することができる。
【0033】 機械加工が、鋳鉄部品だけでなく、例えば炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウ
ム、銅、およびそれらの合金を含めて、様々な材料に適用できることが理解され
るであろう。
【0034】 実質的にコーティング厚さ全体に潤滑剤溜が存在することにより、たとえコー
ティングが摩耗しても、潤滑を維持することが可能になる。
【0035】 本発明を今から、例として添付の図面に関連して、さらに説明する。 膜の堆積は、図1に概略的に示され、P.LosbichlerとC.Mit
tererによってSurf.Coat.Technol.,97(1997)
,568−574に詳しく記載された不平衡dcマグネトロンスパッタリングシ
ステム1を用いて実行することができる。水冷式支持板8に接着された150m
m径のTiNおよびMoS2ターゲット6および7から切り出された両半分で形
成された複合TiN−MoS2ターゲット5が使用された。複数の基板10は、
機械的に研磨され脱脂されたステンレス鋼の複数の矩形片(10×20mm)で
あった。基板10は、ターゲット5の6cm上に配置されたホルダ11に固定さ
れ、−75mmと+75mm(この数字は、基板10の中心とターゲット5の中
心分割線との間の水平距離を指し、TiN側が負であり、MoS2側が正である
)の間の様々な位置に配置された。室2は、ターボ分子ポンプ3により、10-3 Paの基準圧力まで排気された。膜の堆積の前に、シャッタ13の後ろでターゲ
ット5のスパッタクリーニングを5分間行ない、3.5PaのAr圧力および−
1500Vのdc電圧で基板のスパッタエッチングを20分間行なった。次に、
基板10の温度を抵抗加熱器12により200℃に維持し、0.7PaのAr圧
力、1Aのターゲット5の電流(約520V)、および0または−100Vのい
ずれかの基板10のバイアスを使用して、堆積を実行した。堆積時間は45分で
あり、結果として、基板10の位置に依存して0.5ないし3μmの範囲のコー
ティング厚さが得られた。
【0036】 0.5eVのエネルギ分解能に設定された、MAC2セミイメージング分析装
置を組み込んだカメカ・ナノスキャン50で、全体的なコーティングの化学的性
質および相の組成をXPSによって調べた。非単色化(unmonochromated)Mg
KαのX線源を12kVおよび30mAで作動させた。ラスター化された(rast
ered)3keV、0.2μAのAr+イオンビームを使用して、0 1sのピー
クが低下しなくなるまでそれを監視しながら、表面酸化物を除去した。エネルギ
の尺度は、それぞれ932.67および83.98eVでCuの2p3/2および
Auの4f7/2のピークを使用して校正した。スペクトルの定量化は、Ti M
o、TiN、およびMoS2の標準から決定される相対感度係数を用いて実行し
た。Sの優先的スパッタリングのため、Sの含有量は、自然表面からのスペクト
ルにおけるMoの3d5/2(硫化物)のピーク位置から推定された。
【0037】 TiNおよび合金Mo−Tiの標準を用いて校正されたグロー放電発光スペク
トル法(GDOES)を使用してコーティングの組成も決定し、試料のEDX分
析すなわちX線微細構造分析は、信号/雑音比を最大にするために、1.0°の
入射角の非単色化銅X線源、高精度のビーム平行化と試料位置決めのシステム、
および固体検出器を使用して、視射角X線回折(GAXRD)によって実行した
【0038】 膜の形態は、ケンブリッジ・インスツルメンツ・ステレオスキャン360走査
型電子顕微鏡(SEM)を使用して調べられた。
【0039】 硬度およびヤング率は、R.Gilmore、M.A.Baker、P.N.
Ginbson、およびW.GisslerによってSurf.Coat.Te
chnol.(印刷中)に詳しく記載された超低荷重深さ感知ナノインデンタ(
Nano Instruments Inc.のナノインデンタII)によって
決定された。摩擦係数は、ピンオンディスク摩擦計(CSEM)を使用して決定
した。対抗面材料は6mm径の鋼球であり、トラック半径は3.5mmであった
。実験室の空気中で、周囲温度(24℃±1)で、250mのすべり距離全体に
わたって1Nの常用負荷および0.05m/sのすべり速度が用いられた。
【0040】 理論に束縛されたくはないが、結果に対し多少の検討を試みるつもりで、次の
注釈を行う。
【0041】 基板の位置およびバイアス電圧の関数としてのコーティングの組成を、図2に
示す。位置+20から+70までのコーティングは、真空室から取り出すと急速
に剥落する傾向があるので、−75から+15までの基板位置についてのみ、特
性特定の結果が得られる。MoSzの含有率は、位置+15における約66%の
最大値から位置−75における約18%の下限まで、徐々に低下する。MoSz
の含有率は、総合組成TiNx(MoSzyに対し、100×1/(1+y)と
して計算される。TiNは一般的に化学量論的であって、基板位置によってごく
わずかに変化するだけであり、基板バイアスによる測定可能な効果は無い。Mo
z相は、約MoS1.6でわずかに半化学量論的であり、基板の位置またはバイア
スにより比較的小さい変化を示す。
【0042】 選択されたコーティング(最大硬度に対応する)のSEM断面を、0Vおよび
−100Vのバイアスについて図3(a)および(b)に示す。膜は、優れた付
着性および微粒構造を持ち、密であるように見える。
【0043】 図4は、重ね合わされたMoSz相およびTiNx相を持つ様々なコーティング
を分離するGAXRDスペクトルを示す。容易に観察される通り、TiN相は明
らかに微小結晶質(nanocrystalline)であり、ターゲットのTiN半部(位置
−15から−75まで)の下では、結晶の大きさの平均が数nm程度で、より規
則化された構造を示している。全ての試料でTiNのピークが低い角度の方へ明
らかに偏移し、格子パラメータの増加を表している。これは、立方構造内のMo
および/またはSの取込みに起因しているかもしれないが、Moの置換は格子パ
ラメータに大きい変化を生じないことが知られているので、観察された偏移は、
NがSに置換されたことによって生じている可能性がより高い。位置−45から
位置−25までに、ピーク幅の急激な拡大があることが分かる。これは、拡張M
oSzゾーンの形成との競争により、TiNの粒径が急激に低下するためである
と考えられ、基板がターゲットのMoS2半部に近ければ近いほど、その可能性
が高くなる。スパッタ堆積されるMoS2を代表する回折スペクトルは、位置−
15で明らかである。そのようなスペクトルを生じるMoS2の構造は、平面間
のc方向の距離に揺らぎを伴って無作為に積層された複数の001平面からなる
ものとして説明されている。a−b方向における構造の拡張は非常に小さい。し
たがって、これは、適当な微細結晶または真の非晶質構造のどちらをも表わさな
い。そのような構造にはかなりの濃度のTiとNの原子を受容することができそ
うであり、MoS2成長ゾーンに到達するTiまたはNの原子はそこに容易に捕
獲されるので、MoS2構造が形成し始めるときに、GAXRDスペクトルで観
察されるTiN微結晶の大きさの突然の減少は、これでさらに説明がつく。Mo
x含有率の低いコーティングの場合、明らかなMoSxの002ピークが欠ける
【0044】 TiNとMoS2の標準に関して、Ti 2p3/2、N ls、S 2p3/2
およびMo 3d5/2のピークの形状およびXPS結合エネルギ(それぞれ45
5.3、397.4、162.1、および229.2eV)は、同時スパッタさ
れた全ての試料で対応する平均ピーク位置とよく一致しており(それぞれ、45
5.3±0.1、397.3±0.1、162.1±0.1および228.9±
0.15eV)、GAXRDの結果によっても示される分離したTiNx相とM
oSz相の存在を一般的に示している。低いXPSのMoピーク位置は、MoS 2 相の半化学量論性を反映している。XPSスペクトルは、おそらくMoS2の形
のSおよびTiN格子内で置換されたSのピークが重なるために、GAXRDの
結果によって示唆されるTiN格子内へのMoおよび/またはSの置換の疑いを
確認することができない。S 2P3/2ピーク位置の基準として、TiSは16
3.5eVの見積もり結合エネルギを有するが、h.c.p.構造を有している
。おそらく、より優れた基準は、結合エネルギが162.0eVと見積もられる
f.c.c.MnS(MnはTiに非常に類似した電気陰性度を有する)であり
、そのためにピークはMoS2のピークと重複することになるであろう。MoSz の含有率が最も低い(18%)場合でも、小部分しかTiN格子内に置換できな
いので、MoSz相が存在すると結論することが妥当であるように思われる。一
見したところでは、この観察は、Moの高い散乱力にもかかわらず、位置−45
およびMoS2半部からより遠い位置における明らかな002ピークの欠落を示
している対応のGAXRDスペクトルとは矛盾するように思われる。これについ
ての1つの可能な説明として、MoSz構造のc方向における相関性の完全な欠
如があり、これは、TiN構造に組み込まれないMoSzが、おそらくTiN粒
子の間に配置された複数の単独層にされることを意味するかもしれない。
【0045】 図5は、硬度および摩擦の結果を示す。硬度は、バイアスしたコーティングお
よびバイアスしないコーティングの両方とも位置−40付近で最大になり、最大
平均値はそれぞれ約20および17GPaである。位置+15と−40の間の硬
度の増加は、MoSzの含有率が減少するにつれてTiN相の結晶構造が改善さ
れることによると考えることができる。−100Vバイアスの場合、20より左
の位置で系統的に高くなる硬度の値は、TiN相の最適堆積条件によるものと考
えることができる。しかし、その後−40の左側の位置で、硬度がなぜ低下する
のかは明瞭ではない。MoSzの含有率が低下するにつれて、硬度はむしろ増加
または安定し続けると予想される。それは、コーティング厚さが侵入深さの10
%未満にまで低下するときに基板の硬度を測定し始めるナノ押込み法の人為結果
のようには思われない。つまり、200nmの侵入深さで得た結果は、50nm
の結果と相互検討され、よく一致した。硬度の低下は主として、ターゲットの末
端における多少のシャドーイング(shadowing)に関連するターゲットのエッジ
近くの堆積パラメータの変化による何らかの微細構造上の変化に関係するかもし
れない。
【0046】 調査した全ての組成で、摩擦は低く維持された。MoSzの化学量論性不足(u
nder-stoichiometry)および明らかに無作為の底面配向にもかかわらず、低摩擦
が得られたが、これは、約1.2より上の化学量論性は通常潤滑剤として役立ち
、MoS2はすべり方向に平行な底面との摩擦の作用により優先的に再配向する
ことができると報告している文献と矛盾しない。平均摩擦係数は一般的に0.1
に近く、硬度との直接的な相関関係は示さなかった。位置−40ないし−65で
堆積されたバイアスされたコーティングを例外として、摩擦曲線は一般的に平坦
であった(図6(d))。これら例外のコーティングでは、摩擦係数は、1.1
もの高さの大きい、特徴的な初期最大値まで増加した(図6(a−c))。次い
で摩擦係数は、約50mの後で約0.2に低下し、試験の残りの200mでは比
較的安定を維持した。この非典型的な挙動を示す試料の場合、図5に示した摩擦
値は、初期の不安定さを排除するために、最後の200mについて出した平均で
ある。これらの曲線の特徴的な形状は再現性があり、おそらく何らかの意味があ
るものと思われた。初期最大摩擦はしばしばトランスファ膜形成に関連付けられ
、フレッチング条件下でTiNを鋼に対し擦り合わせた場合について報告されて
いる摩擦曲線との類似性が著しい。観察された最大摩擦はTiNコーティングか
ら第3体の形成に対応し、それが摩擦の作用により半化学量論的形態のルチルに
変態し、結果的に、観察された最終的な低摩擦を生じるのかもしれない。最もよ
く形成されたTiN格子および最高硬度を有する、位置−40ないし−65で生
成された我々のバイアスされた試料の場合、摩擦による潤滑性酸化物トランスフ
ァ層の形成により摩擦係数が比較的低い値に戻るまで、摩擦は初期段階のTiN
相によって支配されるということかもしれない。しかし、おそらく硬度が低下す
るという事実のため、この挙動は、もっと低いMoS2の含有率でも、明らかに
消滅する。
【0047】 上記の注釈は、結果を説明する試みで提示したものであって、理論によって本
発明を束縛することを意図するものではない。
【0048】 別の例では、図7に概略的に示すシステムを用いて、膜の堆積を行った。この
堆積設備20は、2つの対向するアーク蒸発Ti源25および2つの対向するM
oS2マグネトロンターゲット30で構成され、これらは独立して操作すること
ができる。試料(ドリルおよび平形物質)を、3つの回転軸を持つカルーセル型
(carousel-type)試料ホルダ35に配置した。ドリルは6mm径で長さ100
mmのHSS DIN 338型であり、平形試料は、23mm径の硬質金属円
板であった。平形試料は後で、機械的および構造的特性化(視射角X線回折法、
EDX、ナノ押込み法、ピンオンディスク試験、引っ掻き試験など)に使用し、
ドリルは現場試験に使用した。
【0049】 試料はベンジン/アルコール溶液中で超音波浴で洗浄した。堆積の前に、室を
5×10-5mbarの残留圧力まで排気し、次いで赤外加熱器40、41、およ
び42を使用して、250℃で30分間加熱した。次いで、被覆加工を次のよう
に実行した。 i)約0.01mbarの圧力で実質的に純Ar雰囲気で、イオンエッチングプ
ロセスを実行した。 ii)付着性を増強するために、同じく0.01mbarの純Ar雰囲気で、厚
さ約5nmのTi層を最初に堆積し、その後に続いて、Tiアーク源で約70A
を使用して、約0.001mbarの実質的に純窒素雰囲気で、厚さ約100n
mのTiNコーティングを反応により堆積した。 iii)次いで、圧力を約0.01mbarに維持するために、それぞれ約50
および500標準cm3/秒の流量を使用して、Ar/N2雰囲気でMoS2スパ
ッタ源を作動させた。MoS2スパッタターゲットへの電力を約300から15
00Wに徐々に増加しながら、Tiアーク電流を約55Aに低下して、MoS2
含有率が増加する300nmの勾配層を形成した。 iv)最後に、Tiアーク電流およびスパッタ電力をそれぞれ約55Aおよび約
1500Wにそれぞれ維持することによって、約3ミクロンのコーティングを生
成した。カルーセルのバイアス電圧は、約−100ボルトに維持した。
【0050】 比較のため、上記のステップi)およびii)を使用して純TiNコーティン
グも形成し、それにより3ミクロンのコーティングが生成されるようにTiNの
堆積を続けた。
【0051】 EDX分析を使用して、同時堆積コーティングの化学組成を判定し、(TiN
0.87(MoSz0.13であることが分かった。ここでzは0.8<z<1.4
の範囲である。
【0052】 コーティングはTiNに典型的なf.c.c.構造を示すことが分かり、格子
パラメータはわずかに拡張したことが視射角X線回折によって判断された。
【0053】 コーティングの硬度は、ナノインデンタにより約27GPaであることが判定
され、純TiNコーティングについて測定された硬度とほぼ等しかった。ナノイ
ンデンタは、Si 111ウェハを使用して、この材料の硬度が11GPaと想
定して校正された。
【0054】 付着性は、引っ掻き試験器を用いて決定した。105Nの臨界荷重値が明らか
になった。
【0055】 摩擦係数は、6mm径の鋼球(100Cr6)またはAl23球を対抗面とし
て0.1m/sのすべり速度(トラック半径8mm)および5Nの荷重で室温お
よび約40%の相対湿度の下で、ピンオンディスク試験器により測定した。図8
は、距離の関数としてのTiNおよびTiN−MoS2コーティングの摩擦係数
を示す。短いならし運転段階の後、TiN−MoS2コーティングの摩擦係数は
、TiNコーティングの0.8に比較して、両方の種類の対抗面で0.2未満の
定値を示す。
【0056】 全てのドリルは、次の条件でドリル穴をあけることによって、Deckel
P2A型のCNCフライス盤で乾式機械加工条件下で現場試験を受けた。
【0057】 送り速度=0.32mm/回転 速度=1600rpm 穴の深さ=27mm 工作物=炭素鋼C35 ドリルが破損するまでにあけられた穴の数によって、寿命を決定した。ならし
運転段階を促進するために、最初の5つの穴あけは深さ20mmとした。その結
果を図9に示し、幾つかのTiN−MoS2被覆ドリルの寿命を、非被覆ドリル
およびTiN被覆ドリルと比較する。TiN被覆ドリルの場合、非被覆ドリルに
対して約4倍の寿命増加予測が観察される。TiN−MoS2被覆ドリルの場合
、さらに約25%の寿命増加が観察された。
【0058】 本発明は、約20GPaを超える硬度と約0.2未満の摩擦係数を結合するこ
とができ、高密度でよく付着するコーティングを生成するための方法を提供する
【0059】 最適な硬度/摩擦特性は、約−100Vの基板バイアスを用いて堆積した膜の
場合に得られた。
【0060】 TiN−MoS2システムは、TiN下層および次いで勾配中間層を使用する
ことによって、標準TiN工具コーティングに匹敵する良好な接着性の膜を生成
する潜在的能力を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による同時堆積方法の略図である。
【図2】 GDOES(xおよびY)、EDX(yおよびz)、およびXP
S(xおよびz)により測定した、基板位置および基板バイアスによる全体的な
組成物TiNx(MoSzyの原子比の変化を示すグラフである。
【図3】 aとbは、それぞれ0Vと−100VでMo基板上に堆積したコ
ーティングの位置−30におけるSEM断面図である。
【図4】 aとbは、それぞれ0Vバイアスと−100Vバイアスの場合の
基板位置によるX線回折スペクトルの変化を示す図である。各スペクトルにはm
m単位で基板位置を示すラベルが付いている。
【図5】 0Vおよび−100Vバイアスの場合の基板位置の関数としての
硬度および摩擦係数の変化を示すグラフである。摩擦値は、不安定な摩擦の最初
の50mが平均計算から除外された位置−40ないし−65で形成されたバイア
スコーティングを除いて、すべり距離全体にわたって取られている。
【図6】 初期最大摩擦によって特徴付けられる位置−40ないし−65に
おけるバイアスコーティングの典型的挙動(曲線a、b、およびc)、および事
実上特徴の無い低摩擦によって特徴付けられる他の全てのコーティングに典型的
な摩擦挙動(曲線d)を示す摩擦曲線である。
【図7】 本発明による堆積室の略平面図である。
【図8】 6mm径の100Cr6鋼球またはAl23球のいずれかを対抗
面として使用したTiN−MoSzコーティングの室温ピンオンディスク試験(p
in-on-disk test)の結果を、TiN標準コーティングと比較して示すグラフで
ある。
【図9】 非被覆HSSドリル、TiN被覆ドリル、およびTiN−MoS z 被覆ドリルの比較寿命試験の結果を示すグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月7日(2000.6.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,N O,US (72)発明者 ギルモア,リチャード イタリア、イ−21014 ラベノ、ビア・ガ ジェット、9 (72)発明者 ギスラー,ボルフラム イタリア、イ−21014 ラベノ−モンベッ ロ、ビア・デッレ・ボルピ、8 (72)発明者 ミタラ,クリスチャン オーストリア、アー−8700 レオベン、シ ャラウツェルホフガッセ、8 (72)発明者 ロスビヒラー,パウル オーストリア、アー−4442 クラインラミ ン、クエルンベルク、130 Fターム(参考) 3C046 FF02 FF09 FF10 FF13 FF20 FF23 FF24 4K029 BA64 BB02 BC00 BC02 BD05 CA03 CA05 CA13 EA03 EA08 EA09 4K044 AA02 AA09 AB10 BA18 BA19 BC01 BC06 CA13

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、および
    CrNxから選択された第1材料と、 (ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料と を含み、xが0.5ないし1.5であり、zが0.8ないし2.2であり、Ti
    またはCrに対するMoまたはWの原子比(y)が0.1ないし0.8である、
    切削工具のコーティングとして使用するための組成物。
  2. 【請求項2】 xが0.5ないし1.5であり、zが1ないし2.2であり
    、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)が0.2ないし0.8で
    ある、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 xが0.7ないし1.3であり、好ましくは1に等しいかほ
    ぼ等しい請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 zが1.2ないし2.0であり、好ましくは1.6に等しい
    かほぼ等しい、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 yが0.2ないし0.5であり、好ましくは0.2ないし0
    .4であり、さらに好ましくは0.3に等しいかほぼ等しい、請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 少なくとも14GPa、好ましくは15ないし23GPaの
    範囲内、さらに好ましくは16ないし22GPaの硬度を有する、請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 xが0.5ないし1.5であり、zが0.8ないし2.2で
    あり、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は、zが0.8ない
    し2.2のときに0.1ないし0.2であり、zが0.8ないし1のときに0.
    1ないし0.8である、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 xが0.7ないし1.3であり、好ましくは1に等しいかほ
    ぼ等しい、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 zが0.8ないし1.4である、請求項7または8に記載の
    組成物。
  10. 【請求項10】 yが0.12ないし0.18であり、好ましくは0.14
    ないし0.16であり、さらに好ましくは0.15に等しいかほぼ等しい、請求
    項7ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 22ないし32GPa、好ましくは25ないし30GPa
    の硬度を有する、請求項7ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 大きくても0.3、好ましくは0.08ないし0.3、さ
    らに好ましくは0.08ないし0.2の摩擦係数を有する、請求項1ないし11
    のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 (i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およ
    びCrNxから選択された第1材料と、 (ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料と を含み、xが1に等しいかほぼ等しく、zが1.6に等しいかほぼ等しく、Ti
    またはCrに対するMoまたはWの原子比(y)が0.2ないし0.4であり、
    0.08ないし0.2の摩擦係数および16ないし22GPaの硬度を有する、
    切削工具のコーティングとして使用するための組成物。
  14. 【請求項14】 (i)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およ
    びCrNxから選択された第1材料と、 (ii)MoSzおよびWSzから選択された第2材料と を含み、xが1に等しいかほぼ等しく、zが1.1に等しいかほぼ等しく、Ti
    またはCrに対するMoまたはWの原子比(y)が0.1ないし0.2であり、
    0.08ないし0.2の摩擦係数および22ないし32GPaの硬度を有する、
    切削工具のコーティングとして使用するための組成物。
  15. 【請求項15】 TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、またはCr
    xの硬質マトリックス相の中にMoSzまたはWSzの軟質相を含む微細構造を
    有する、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記第1材料がTiNxを含み、前記第2材料がMoSz
    含む、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれか1項に記載する組成物を含
    む、耐摩耗性自滑コーティング。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の耐摩耗性自滑コーティングを有する物
    品。
  19. 【請求項19】 1つまたはそれ以上のコーティングを有する基板を含む切
    削工具であって、前記コーティングの少なくとも1つが請求項1ないし16のい
    ずれか1項に記載の組成物を含んでいる切削工具。
  20. 【請求項20】 基本的にTi、TiAl、TiAlYCr、Cr、TiN
    、TiAlN、TiAlYCrN、またはCrNからなる層が基板の表面と1つ
    またはそれ以上のコーティングとの間に配置されている、請求項19に記載の切
    削工具。
  21. 【請求項21】 基本的にTi、TiAl、TiAlYCr、またはCrか
    ら成る第1層が基板の表面に隣接して配置され、基本的に前記第1層の材料の窒
    化物から成る第2層が前記第1層と1つまたはそれ以上のコーティングとの間に
    配置されている、請求項19または20に記載の切削工具。
  22. 【請求項22】 ミクロ潤滑または乾式機械加工の切削工具である、請求項
    19ないし21のいずれか1項に記載の切削工具。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし16のいずれか1項に記載する組成物の低
    摩擦耐摩耗性コーティングとしての使用。
  24. 【請求項24】 (i)基板を用意するステップと、 (ii)TiN、TiAlN、TiAlYCrN、およびCrNから選択された
    第1堆積材料とMoS2およびWS2から選択された第2堆積材料とを同時に前記
    基板の表面上に堆積するための手段を有する堆積室内に、前記基板を配置するス
    テップと、 (iii)TiNx、TiAlNx、TiAlYCrNx、およびCrNxから選択
    された第1材料と、MoSzおよびWSzから選択された第2材料とを含み、xが
    0.5ないし1.5であり、zが0.8ないし2.2であり、TiまたはCrに
    対するMoまたはWの原子比(y)が0.1ないし0.8である組成を有するコ
    ーティングを形成する条件下で、前記第1および第2堆積材料を前記基板の表面
    上に同時堆積するステップと を含む、基板上に耐摩耗性低摩擦コーティングを形成するための方法。
  25. 【請求項25】 xが0.5ないし1.5であり、zが1ないし2.2であ
    り、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)が0.2ないし0.8
    である、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 xが0.5ないし1.5であり、zが0.8ないし2.2
    であり、TiまたはCrに対するMoまたはWの原子比(y)は、zが0.8な
    いし2.2のときに0.1ないし0.2であり、zが0.8ないし1のときに0
    .1ないし0.8である、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記堆積室がスパッタリングシステムを備え、前記第1お
    よび第2堆積材料を堆積するための前記手段が、前記第1堆積材料を備えたター
    ゲットおよび前記第2堆積材料を備えたターゲットまたは前記第1および第2堆
    積材料を備えた複合ターゲットを含む、請求項24ないし26のいずれか1項に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記堆積室が不平衡dcマグネトロンスパッタリングシス
    テムを備えている、請求項24ないし27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記堆積室が複合アーク蒸発およびスパッタリングシステ
    ムを備え、前記第1堆積材料を堆積するための手段が適切な金属アーク源および
    適切なガスを備え、前記第2堆積材料を堆積するための手段が第2堆積材料を備
    えたターゲットを備えている、請求項24ないし28のいずれか1項に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】 堆積中に前記基板に0ないし−200V、好ましくは−5
    0ないし−150V、さらに好ましくは約−100Vのバイアス電圧が印加され
    る、請求項24ないし29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 【請求項31】 堆積中に前記基板が80ないし500℃、好ましくは15
    0ないし250℃、さらに好ましくは約200℃の温度に維持される、請求項2
    4ないし30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 【請求項32】 堆積が0.1ないし1PaのAr圧力のアルゴン雰囲気中
    で実行される、請求項24ないし31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 【請求項33】 堆積が5ないし15Wcm-2のターゲット電力密度を使用
    して実行される、請求項24ないし31のいずれか1項に記載の方法。
  34. 【請求項34】 請求項19ないし22のいずれか1項に記載の切削工具を
    使用して部品を機械加工するステップを含む、鋳鉄部品を機械加工する方法。
  35. 【請求項35】 前記機械加工のステップが、潤滑剤または冷却流体が無い
    状態で、または最小限の量の潤滑剤および/または冷却流体を使用して行われる
    、請求項34に記載の方法。
JP2000546069A 1998-04-27 1999-04-27 切削工具用の低摩擦コーティング Withdrawn JP2002513088A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB9808938.6A GB9808938D0 (en) 1998-04-27 1998-04-27 A low friction coating for a cutting tool
GB9822445.4 1998-10-14
GB9808938.6 1998-10-14
GBGB9822445.4A GB9822445D0 (en) 1998-10-14 1998-10-14 A low friction coating for a cutting tool
PCT/GB1999/001311 WO1999055930A1 (en) 1998-04-27 1999-04-27 A low friction coating for a cutting tool

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002513088A true JP2002513088A (ja) 2002-05-08

Family

ID=26313540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000546069A Withdrawn JP2002513088A (ja) 1998-04-27 1999-04-27 切削工具用の低摩擦コーティング

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1076728A1 (ja)
JP (1) JP2002513088A (ja)
CA (1) CA2328152A1 (ja)
NO (1) NO20005346L (ja)
WO (1) WO1999055930A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004345059A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 表面被覆切削工具
CN110293444A (zh) * 2019-07-20 2019-10-01 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种无泵式微量润滑设备

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3637882B2 (ja) 2000-08-31 2005-04-13 住友電気工業株式会社 表面被覆窒化硼素焼結体工具
DE10058803A1 (de) * 2000-11-27 2002-06-06 Widia Gmbh Schneidwerkzeug zum Zerspanen
EP1564312B1 (en) * 2004-02-12 2018-12-05 Hitachi Tool Engineering Ltd. Hard coating and its formation method, and hard-coated tool
JP4771202B2 (ja) 2005-04-13 2011-09-14 日立金属株式会社 密着性と摺動特性に優れた複合皮膜およびその製造方法
CH705029A1 (de) * 2011-05-27 2012-11-30 Bloesch W Ag Beschichtetes Holzbearbeitungswerkzeug.
CN115287592B (zh) * 2022-08-10 2024-01-26 中国科学院兰州化学物理研究所 一种指尖密封用高温耐磨自润滑涂层及其制备方法
CN116497457B (zh) * 2023-05-29 2023-09-12 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种低摩擦长寿命的超晶格复合涂层及其制备方法与用途

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5282985A (en) * 1993-06-24 1994-02-01 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Lubricant coatings
US5843533A (en) * 1995-03-23 1998-12-01 Lockheed Martin Energy Systems, Inc. CVD method of forming self-lubricating composites
GB9514773D0 (en) * 1995-07-19 1995-09-20 Teer Coatings Ltd Methods for improving the sputter deposition of metal-sulphur coatings e.g.molybdenum disulphide(MoS2) coatings
DE19614557A1 (de) * 1996-04-12 1997-10-16 Hauzer Holding Bauteil mit Verschleißschutzschicht und Verfahren zu dessen Herstellung
WO1998023786A1 (de) * 1996-11-29 1998-06-04 W. Blösch AG Verfahren zur erzeugung von pvd- und/oder pecvd-hartstoffschichten

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004345059A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 表面被覆切削工具
CN110293444A (zh) * 2019-07-20 2019-10-01 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种无泵式微量润滑设备

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999055930A1 (en) 1999-11-04
NO20005346L (no) 2000-12-07
NO20005346D0 (no) 2000-10-24
CA2328152A1 (en) 1999-11-04
EP1076728A1 (en) 2001-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hudec et al. Structure, mechanical and tribological properties of Mo-SN solid lubricant coatings
Knotek et al. Industrial deposition of binary, ternary, and quaternary nitrides of titanium, zirconium, and aluminum
Santecchia et al. Wear resistance investigation of titanium nitride-based coatings
Nordin et al. Mechanical and tribological properties of multilayered PVD TiN/CrN, TiN/MoN, TiN/NbN and TiN/TaN coatings on cemented carbide
Gilmore et al. Low-friction TiN–MoS2 coatings produced by dc magnetron co-deposition
US7097922B2 (en) Multi-layered superhard nanocomposite coatings
US20070278090A1 (en) Hard laminated film, method of manufacturing the same and film-forming device
US20060292399A1 (en) Composite coating for finishing of hardened steels
Rebholz et al. Structure, mechanical and tribological properties of Ti–B–N and Ti–Al–B–N multiphase thin films produced by electron-beam evaporation
Randhawa et al. Deposition and characterization of ternary nitrides
Pfeiler et al. Arc evaporation of Ti–Al–Ta–N coatings: The effect of bias voltage and Ta on high-temperature tribological properties
US20150275348A1 (en) Coated cutting tool and method of making the same
Hovsepian et al. Novel TiAlCN/VCN nanoscale multilayer PVD coatings deposited by the combined high-power impulse magnetron sputtering/unbalanced magnetron sputtering (HIPIMS/UBM) technology
Fernandes et al. Self-lubricating TiSi (V) N thin films deposited by deep oscillation magnetron sputtering (DOMS)
Vuchkov et al. Synthesis, microstructural and mechanical properties of self-lubricating Mo-Se-C coatings deposited by closed-field unbalanced magnetron sputtering
Kolubaev et al. Structure and properties of CrN/TiN multilayer coatings produced by cathodic arc plasma deposition on copper and beryllium-copper alloy
Deng et al. Tribological behavior of TiN, TiCxNy and TiC coatings prepared by unbalanced magnetron sputtering techniques
JP2002513088A (ja) 切削工具用の低摩擦コーティング
Rebholz et al. The effect of boron additions on the tribological behaviour of TiN coatings produced by electron-beam evaporative PVD
Naghashzadeh et al. Nanoindentation and tribological behavior of TiN-TiCN-TiAlN multilayer coatings on AISI D3 tool steel
US20240093344A1 (en) Hard carbon coatings with improved adhesion strength by means of hipims and method thereof
JPH05195198A (ja) 非化学量論的窒化チタンコーティング
Forn et al. Mechanical and tribological properties of TiCxN1− x wear resistant coatings
Gilewicz et al. Influence of substrate bias voltage on structure, morphology and mechanical properties of AlCrN coatings synthesized using cathodic Arc evaporation
Zhang et al. Structure and tribological properties of CrTiAlCN coatings with various carbon contents

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060704