JP2002512942A - ヒアルロナン系像形成剤 - Google Patents

ヒアルロナン系像形成剤

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JP2002512942A JP2000545439A JP2000545439A JP2002512942A JP 2002512942 A JP2002512942 A JP 2002512942A JP 2000545439 A JP2000545439 A JP 2000545439A JP 2000545439 A JP2000545439 A JP 2000545439A JP 2002512942 A JP2002512942 A JP 2002512942A
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キッド,ジョージ,ハリソン
ミークリス,デヴィッド,ジョン
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ターリイ,エヴァ,アン
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ヤーゴウテック アーゲー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特異な細胞を標的として作動するヒアルロナン系像形成剤を提供する。 【解決手段】 この像形成剤はヒアルロナン(HA)と造影剤とを含む。この像形成剤はHAをガドリニウムと錯化させたもの、又はリポソームあるいは超常磁性酸化鉄と錯化させたものでもよい。ヒアルロナン系像形成剤の製造方法はHAの溶液を造影剤の溶液と混合させることからなる。このヒアルロナン系像形成剤の画像化方法はヒアルロナン系像形成剤を用い、磁気共鳴によりガン細胞を可視化することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、像形成剤に係わり、特に特定の細胞を標的するのに有用なヒアルロ
ナン系像形成剤に関する。
【0002】 (発明の背景) ヒアルロナン(HA)として知られているヒアルロナンは、D−グルクロン酸
およびN−アセチル−D−グルコサミンが交互するものからなる線状多糖類とし
て天然に存在し、ナトリウム塩として使用されることもある。このヒアルロナン
は原核生物の或るもの、および真核生物の殆ど全てにより産生される古来からの
分子である。このヒアルロナンは細胞外マトリックスの一部として結合組織中に
隔離され、眼のガラス体又は関節中に大量に蓄積される。
【0003】 ヒアルロナンの合成は傷害の発展および応答の間において厳密に規制され、そ
の生産はヒトの腫瘍の進行の間に高められる。HAが細胞外マトリックス内にて
隔離される場合、その主たる役割はその顕著な粘弾性に基づく生物理学的なもの
と思われる。しかし、比較的最近の研究によれば、HAは、CD44およびRH
AMMと呼ばれる2つのレセプター(もし、これらが細胞上に発現されている場
合)と、高い親和性(Kd、ほぼ10-9M)を以て特異的に相互作用することが
報告されている。CD44はHA結合タンパク質の結合モジュール類に属し、R
HAMMは別のタンパク質属に属している。これら2つのレセプターの発現は或
る種のヒトの腫瘍にて高められる。
【0004】 CD44およびRHAMMの双方は、細胞の運動性および増殖を規制するのに
重要な役割を果しており、これら双方は、実験的腫瘍進行の間およびそれに続く
傷害への応答の際に過剰に発現する。更に、RHAMMおよびCD44に対する
抗体は、継代培養、傷害および腫瘍遺伝子による形質転換に応答して細胞の運動
性を抑制することが報告されている。特異的CD44同形型の過剰発現は実験的
腫瘍の転移特性を高め、RHAMMの過剰発現はマウスの線維芽細胞の変形を生
じさせる。細胞の運動性および増殖に対するCD44およびRHAMMのこれら
の作用はこれらのHA結合能を絶対的に必要とする。CD44およびRHAMM
の過剰発現は、骨髄腫、膵臓ガン、肺ガンおよび乳ガンなどのヒトの腫瘍に関係
するということも特に意外なことではない。乳ガンにおける特異的CD44イソ
型の過剰発現の役割およびその前兆のためのその利用については、明らかではな
いが、しかしRHAMMの過剰発現、特に第1次腫瘍における細胞の小さな部分
集合および転移における過剰発現は2つの地理的に別の固体群における哀れな結
果の前兆である。更にRHAMMの過剰発現は、リンパ節の状態および無転移生
存などの一般に用いられている腫瘍パラメータの前兆値を高める。興味深いこと
に、ヒトの腫瘍においてCD44およびRHAMM発現のレベルはしばしば逆比
例し、これはこれらのレセプターがヒトの腫瘍形成の間に重複的に機能すること
を示唆しているのかも知れない。磁気共鳴画像処理などの画像化のためには、C
D44およびRHAMM細胞、腫瘍存在の前兆を示す他の細胞を標的とする必要
がある。
【0005】 磁気共鳴(MR)画像処理は体の中の水素富化化合物(水および脂質)に含ま
れる水素原子核からの信号に基づくものである。画像のコントラストは主として
異なる組織の2つの固有の特性、具体的には水素量(スピン密度)およびプロト
ン緩和時間(T1,T2およびT2 * )に依存する。MR造影剤は、これを含む組
織のプロトン緩和時間を短縮させ、従って、MR画像の信号強度を変化させる。
MR造影剤には2つのタイプ、すなわち内因的なものと、外因的なものとがある
。前者のタイプのものは内因性鉄の多くの型、例えばフェリチンからなる。後者
のタイプのものは(典型的には)ガドリニウム(Gd3+)イオンの小さなキレー
ト錯体および被覆酸化鉄の大きな粒子からなり、一般に静脈注射により導入され
る。
【0006】 超常磁性材料は弱い外部磁界内においても極めて大きい磁気モーメントを表す
。組織中の超常磁性酸化鉄粒子に関係する大きい磁気モーメントは局所的磁界不
均等性を生じさせ、これは磁気共鳴画像化において病変の顕著性を増大させるこ
とにより病変の検知をより容易にするのに利用することができる。標的組織内で
の造影剤の蓄積が特異的であればあるほど、得られる病変組織のコントラストは
更によくなる。理想的条件下において、有用な磁性酸化鉄造影剤は一旦、注入さ
れたときは、その一体性が維持され、急速な代謝から回避され、標的を選択的に
認識し、それに結合するものでなければならない。残念ながら、殆どのコロイド
状超常磁性酸化鉄はマクロファージ単球食細胞システムの細胞により急速に摂取
され、有用な量のラベルが特異的組織に移送されるのを妨害されることになる。
【0007】 これらの造影剤を特異的組織に移送させるためには、それらを“キャリア”シ
ステム内に組み込む必要がある。その一般的キャリアとしては、たんぱく質、抗
体、多糖類、細胞およびリポソームがある。
【0008】 両親媒性分子、例えば界面活性剤又は脂質は水中で自己集合し、ミセル、二重
層、チューブ又は液胞などの構造を形成する。自然はこのような分子の多くの例
を提供しており、全ての細胞および生物体の安定性および機能において重要な役
割を果している。過去20年において、化学者は多数の両親媒性物質を合成する
のに成功しており、特に水溶性ポリマーであって共有結合により少数の疎水基が
それに結合されたものからなる疎水変性ポリマーを合成するのに成功している。
【0009】 リポソームは脂質二重層からなる液胞であり、水性ポケットを内包している。
これらの水性プールには、薬剤や像形成試薬などの水溶性剤を導入させることが
できる。更に、脂溶性分子をリポソーム二重層に溶解させることもできる。すな
わち、リポソームは広範の分子を担持させるのに使用することができる。この特
性は生体内薬剤移送システムの設計に利用されてきた。Hyal Pharmaceutical 社
による最近の特許出願(PCT/GB97/02665,1997年9月29日出願)にはヒア
ルロナン−リポソーム組成物を形成し、これを投薬システムとして利用すること
ができることを示している。ここで、ヒアルロナン変性リポソームの薬剤キャリ
アとしての動作は、脂質二重層内へのポリマーの確実な係留に直接的に関係する
ものであることを思い起こすことが重要である。1つの特に重要な点は、脂質/
ポリマー錯体の寿命である。この二重層に対し大きい親和性を示す巨大分子の或
るものは、実際には結合状態と遊離状態との間の急速な動的平衡となっている。
その場合、リポソームは血流内に注射された後、極めて急速にそのポリマーコー
ト層を失うことになる。従って、従来のポリマー/リポソームシステムのこの欠
点を改善する必要がある。
【0010】 最も広く検討されている多糖類キャリアはアラビノギャラクタンであり、これ
は天然の多糖類であり、肝細胞においてレセプターに対し親和性を有するものと
思われる。他の多糖類、例えばフコイダン、マンナン、キトサンについても研究
がなされている。これらの化合物の殆どは肝臓、脾臓、腎臓、肺に主として生物
分配される。
【0011】 疎水変性された多糖類の製造および特性についても調査がなされ、生物工学お
よび薬剤に利用されている。この研究はポリマー、例えばアルキル長鎖のような
種々の疎水基により部分的に置換されたプルラン、デキストラン、マンナン、更
にコレステロールについて集中してなされてきた。その結果、これらの多糖類は
リポソーム表面を効果的に被覆し、外部からの刺激、例えばpH、イオン強度、
酵素および血清タンパクによる生体内生物分解に対し、従来のリポソームと比較
してより安定であることが実証された。同様の作用が疎水変性されたポリ(N−
アルキルアクリルアミド)で保護されたリポソームについても見出されている。
【0012】 常磁性金属錯体は外因性MR造影剤である。ガドリニウムは常磁性金属で多数
の不対電子を含有し、従って理論的に最も効果的なT1緩和金属であり、MR像
形成のための造影媒体として使用することができる。しかし、遊離Gd3+として
投与した場合、この金属は極めて毒性である。しかぢ、キレート剤に結合した場
合、その毒性は失われるが、その常磁性としての特徴は依然として維持される。
超常磁性酸化鉄の場合のように、許容し得る造影剤として使用する場合は、厳格
な要件がこのGd3+キレート剤に課せられる。すなわち、水溶性および貯蔵安定
性のような標準的薬学的特性の他、3つの主な要求が課せられる。すなわち、a
)十分な緩和性(陽子緩和向上の効率)、b)特異的生体内分配、およびc)生
体内安定性、排泄性および非毒性である。Gd3+画像向上製品は市販されている
。2つのこのような製品が商標、Omniscan(Sanofi Winthrop社)およ
びMagnevist(Berlex Canada社)の名称で市販されている。
【0013】 画像向上剤の組織および血液−脳バリアの浸透を向上させるための多くの方法
が開発されている。可なりの進歩がなされてきたが、そのような方法の殆どは欠
点を有し、一般に適用されていない。例えば、多くの画像向上剤は肝臓又はその
他の器官において細胞により摂取され、意図する部位への到達が妨げられること
が見出されている。
【0014】 (発明の概要) 上記およびその他の課題を達成するため、本発明は、特異的細胞を標的として
向かわすためのHA系コントラスト向上性像形成剤を提供することを目的とする
。 このHA系コントラスト造影剤は特異的細胞を標的とし、十分な緩和性を示
し、その他、特異的生体内分布、生体内安定性、排泄性および非毒性により特徴
づけられる。 本発明のHA系造影剤には3つのタイプ、すなわち、HA−錯化ガドリニウム
(HA−Gd又はGd−HA)、HA−錯化常磁性酸化鉄(HA−Fe)、およ
びリポソームで錯化したHA−Gd(HA−Gd−リポソーム)がある。 ガドリニウムはHAキャリア内にて製造することができ、これによりHA−G
dゲルを生産させ、或いはガドリニウムはHAに結合された錯化剤に結合させる
ことができる。リポソームは適宜、HA−Gd結合物に組込むこともできる。 超常磁性酸化鉄はHAキャリア内にて製造することができ、これによりHA−
酸化鉄ナノ複合材を生産させ、これは粘弾性ゲル、フェロ流体又は乾燥粉体とし
て分離することができる。
【0015】 本発明の他の態様において、HA系磁気共鳴(MR)造影剤は、HAレセプタ
ー、CD44およびRHAMMを標的にすることによりヒトの乳癌細胞をHAレ
セプター指向性画像化を可能とすると考えられる。 本発明の他の態様として、HA−Gd、HA−FeおよびHA−Gd−リポソ
ームを用い磁気共鳴(MR)画像化により乳癌の検知および画像化する方法が開
示されている。 本発明の他の態様として、HA系磁気共鳴(MR)造影剤の製造方法が開示さ
れている。 本発明の他の態様として、HA系造影剤により生体内で小さい寸法の腫瘍を判
定する方法が開示されている。 本発明の他の態様として、腫瘍細胞においてCD44およびRHAMMを標的
とする場合のHA系造影剤の役割が判定される。腫瘍細胞が良性か悪性かを判定
する方法がHA系造影剤を用いてHAレセプタの存在の有無を測定し、HAレセ
プタの存在の有無を判定することにより行われる。 なお、上記の一般的説明および以下の詳細な記載は例示に過ぎず、本発明を制
限することを意図したものでないことを理解されるべきである。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の具体例を図面を参照して詳述する。 ヒアルロナン(HA)系磁気共鳴(MR)造影剤は細胞のHAレセプター指向
性画像化を行うために用いられる。これらの細胞は、乳ガン、結腸直腸ガンおよ
び肺ガンなどの異なるガンの腫瘍細胞であってもよい。 このHA系像形成剤の具体的適用としては、ヒト乳ガン細胞の可視化がある。
図1は特定のヒト乳ガン細胞系の特徴を示している。図2、3に示すように、H
Aを3−10mg/mL(mg ml)-1の濃度でラットに注射した場合、その
高分子量が48時間維持され、従って、ヒアルロナン・レセプター、CD44お
よびRHAMMに対し結合することができる。
【0017】 具体的に述べると、図2はHAレセプター、CD44の高いレベルを示すラッ
ト結腸直腸ガン細胞系に対する125 I−HAの標的性を示している。図3はHA
レセプター、CD44およびRHAMMの最大レベルを示す部位であるところの
バルーンカテーテル傷害ラット頸動脈に対する125 I−HAの標的性を示してい
る。図2、3の画像の双方はりん光画像化装置を用いて検出されたものである。
【0018】 更に、図4は6mg/kgヒアルロナンの分子量分布が静脈注射24時間後に
おいて750,000ダルトン以上であることを示している。特に、このグラフ
は溶出量(mL)の関数としてのHA濃度(ng/mL)と分子量(kDa)を
示している。この結果をもたらした検定はB16分子量検量セファクリル500
−HR,1.6x1.5cmカラムを用いて行われた。この濃度で注射したHA
はその高分子量を維持し、従って、HAレセプター、CD44およびRHAMM
に対し相互作用し得る。
【0019】 本発明で使用されるHAは平均分子量が約20,000ないし200,000
ダルトンのものである。この平均分子量のより好ましい範囲は約50,000な
いし100,000ダルトンである。HAの超音波分解により平均分子量を約2
0,000ないし50,000ダルトンの範囲に減少することにより超音波分解
されたHAから作られるHA系像形成剤の浸透性が改善されるものと考えられる
【0020】 同様の作用がヒトに実証され得ることに疑いはない。事実、125 I−HAがこ
れら2つのヒアルロナンレセプターが高いレベルで発現している腫瘍および傷害
の部位に特異的に堆積されることがラットにおいても示された。更に、RHAM
MおよびCD44は乳ガン進行の間に過剰に発現される。事実、RHAMMを過
剰に発現する第1次乳ガンにおける細胞の部分集合の存在は哀れな結果の前兆で
ある。標的させたHAの画像化の効力を調べるため、種々のレベルのRHAMM
およびCD44を発現するヒト次乳ガン細胞系を用い、ヌードラットにクセノグ
ラフとして成長させた。
【0021】 ヒアルロナン系造影剤には3つのタイプ、すなわち、HA−錯化ガドリニウム
(HA−Gd又はGd−HA)、HA−錯化常磁性酸化鉄(HA−Fe)、およ
びリポソームで錯化したHA−Gd錯体がある。これらの造影剤は多糖類系酸化
鉄およびガドリニウム又はリポソーム変性HA錯体の合成および特徴化により製
造することができる。標的造影剤としてのこれらの使用を試験するため、これら
の造影剤を静脈投与した。HAを乳ガン腫に指向させる際のRHAMMおよびC
D44の役割を、HA−Gd(適宜、リポソームを伴う)又はHA−Feの結合
を、RHAMM又はCD44に対し特異的なブロッキング抗体で又はこれらのレ
セプターのHA結合領域に対して作られたアンチセンスぺプチドを用いて妨害す
ることにより評価した(下記図17、18の説明、参照)。
【0022】 HAの特性および標的指向性 HAの物理化学的特性、その代謝性、更に病気、傷害、腫瘍変性を特徴付ける
特異的HA細胞膜レセプター部位での一貫したその上向き調節から、HAが理想
的な薬剤キャリアであり、あらゆる種類の病気の兆候および薬剤のための標的剤
であることが実証された。更に、肝臓によるHAの摂取の原因である肝臓スカベ
ンジャーレセプターに結合する硫酸コンドロイチンの前配合用量を投与する方法
が開発された。このアプローチを利用することにより、肝臓へ向けさせるHAの
量を80%以上、減少させることができる。この処置はRHAMMおよびCD4
4を発現する部位へ向うHAの能力を変化させるものではない。なぜならば、こ
れらのレセプターは肝臓スカベンジャーレセプターとは分子的に区別されるもの
であるからである。
【0023】 HAレセプターと悪性ガン細胞との間の結合 結腸直腸および乳ガン腫瘍およびその周囲の支質におけるHAの堆積の増大が
、最近になって、哀れな患者の予測および腫瘍浸潤/転移と結びつけられるよう
になった。事実、HAレセプター(すなわち、RHAMMおよびCD44)の過
剰な発現はヒトの腫瘍進行(特に乳ガンにおける)としばしば関連する。HA−
ガドリニウム錯体は悪性腫瘍における病気の症状の画像化に使用することができ
る。より具体的には、これを悪性乳ガン細胞を優先的に検出するのに使用するこ
とができる。
【0024】 悪性ヒト乳ガン細胞は良性ヒト乳ガン細胞と比較してより高いレベルのHAレ
セプターを発現し、かつ、より高い割合で標識付けHAを摂取することが示され
た。この摂取はHAに対し特異的であり、HAレセプターすなわち、RHAMM
およびCD44により媒介されることが示された。また、HA−Gdに曝された
ヒト悪性腫瘍細胞は良性ヒト乳ガン細胞と比較してより大きい信号強度を磁気共
鳴画像(MRI)において示し、HA−Gdを腫瘍細胞を標的として向うHA−
Gdの有効性がin vitroにおいて証明された。HA−Gdは高いレベルのHAレ
セプターを発現する肝臓により用量依存的に急速に摂取されることが示された。
HA−Gdの信号強度は良性腫瘍から悪性腫瘍に向って急速に増大し、これは遊
離ガドリニウムの当量に関係し、信号強度の用量依存的増大を示すものではなか
った。
【0025】 筋肉のような組織で細胞表面HAレセプターを発現しないものは、遊離ガドリ
ニウムとの関連でHA−Gdを優先的に摂取しなかった。また、信号強度は低く
、HA−Gdが増加しても信号強度は増大しない。これらの結果は、HAレセプ
ターが発現されている場合であれば、その組織はHA−Gdを用いて強力、かつ
優先的に画像化することができることを示している。
【0026】 HA−Gdをアガロースビーズに結合させ、洗浄して非結合物質を除去し、M
RIで画像化した。これを遊離ガドリニウムの当量で同じくビーズに結合させ、
洗浄して非結合物質を除去したものと比較した。このテストは細胞に対し標的と
することなしに行われた。図9に示すように、アガロースビーズに結合させたH
A−Gdの信号強度は、1mg/mLより大きい濃度において遊離ガドリニウム
のものよりも可なり大きく、この濃度が上昇するにつれて信号強度も増大したが
、遊離ガドリニウムの場合は、濃度が上昇しても信号強度は実質的に一定であっ
た。これらの結果は、遊離ガドリニウムと異なり、HA−Gdは特定のレセプタ
ー結合部位を提供し、それが信号強度を増大させていることを示している。
【0027】 ラットにHA−Gdをその濃度を増加させて投与したところ、ヒアルロナンレ
セプターを多量に含む肝臓において、用量依存的に信号強度が上昇した。図10
に示すように、遊離ガドリニウム(9.6mg/kgのGd−DPTAおよび1
9.2mg/kgのGd−DPTA)は同様の用量依存的信号強度上昇を示さず
、信号強度は常にHA−Gdのものよりも低く、これはGd−DPTAが19.
2mg/kgで、HA−Gdの100mg/mL以内のガドリニウム錯体の量に
相当する場合でもそうであった。このことは、HAの摂取がレセプターの媒介に
よることを実証している。 このHA−Gdの重量はヒアルロナンの重量に基づいて測定されたものであり
、錯化されたガドリニウムの量を反映するものではない。一般に、多糖類に結合
したヒアルロナンに対するガドリニウムの%は約3.0ないし12.0%、より
好ましくは約5.6ないし9.6%である。
【0028】 図11は図10と同様の動物テストを表すものであるが、肝臓細胞の代りに髄
骨筋肉がMRIにより測定されている。図11において、HA−Gd摂取につい
ての信号強度は髄骨筋肉において肝臓におけるものよりも著しく小さくなってい
る。髄骨筋肉においては、HA−Gd信号は用量が変化しても実質的に変化せず
、遊離ガドリニウムの場合により近いものであった。すなわち、腫瘍および肝臓
細胞と異なり、髄骨筋肉は細胞表面ヒアルロナンレセプターを発現しないものと
思われる。
【0029】 2つのヒト次乳ガン細胞系、すなわち、ヌードマウス中に異種移植として成長
させたもので、1つは先に悪性として特徴づけられたもの(MDA−MM−23
1)、他の1つは先に良性として特徴づけられたもの(MCF−7)、を細胞表
面ヒアルロナンレセプター、RHAMM(黒)およびCD44(白)の発現につ
いてFACS分析により分析した。図12は悪性腫瘍細胞(MDA−MM−23
1)がin vitroにおいて良性腫瘍細胞(MCF−7)よりも可なり高いレベルで
発現していることを示している。すなわち、悪性細胞の画像化および処置におい
てこれらのレセプターの重要性を実証している。
【0030】 テキサス・レッド標識付けヒアルロナンを上記の2つの悪性および良性細胞系
にin vitroで添加し、この標識付けヒアルロナンがこれら細胞系で異なって摂取
されるか否かを検査した。図13に示すように、双方の細胞型は濃度が増大する
につれ標識付けヒアルロナンの摂取の増大を示し、また、その摂取の平坦化(限
界)を示した。これらの結果は摂取がレセプター媒介によるという考えに一致す
るものである。なぜならば、悪性腫瘍は良性腫瘍と比較して標識付けヒアルロナ
ンを約2.5倍余計に摂取しており、悪性腫瘍は良性腫瘍よりもHA−Gdをう
まく摂取すると思われるからである。
【0031】 標識付けヒアルロナン摂取のために、細胞が程度の時間、標識付けヒアルロナ
ンに対し曝す必要があるのかを検査するため、更にこの摂取のプロセスにおける
RHAMMおよびCD44の役割を検査するため、更に幾つかの細胞系について
試験を行なった。すなわち、10T1/2繊維芽細胞(10T)をRHAMM/
CD44(LR21)でトランスフェクトさせた。RHAMMおよびCD44を
著しく発現する突然変異活性細胞系(c3)を悪性(MDA)および良性(MC
F)細胞について比較した。蛍光デキストランを背景対照として使用し、HA摂
取の特異性について検査した。その結果、図14に示すように、RHAMM又は
CD44レセプターを著しく発現した細胞(すなわち、MCFおよびc3細胞系
)はテキサス・レッド標識付けヒアルロナンの特異的に高い摂取を示した。
【0032】 良性および悪性ヒト乳ガン腫瘍細胞のペレットをGd置換率の異なるHA−G
dに曝し、ついで洗浄し、最後にコラーゲンゲル中に懸濁させた。次にMRIか
らの信号強度を判定した。図15に示すように、悪性腫瘍細胞(浸潤性、MDA
−MB−231)は良性腫瘍細胞(非浸潤性、MCF−7)と比較して、或るG
d濃度範囲(0.5,2,10mg/mL)において、より高い信号強度を示し
た。この信号強度はGd置換率が9.4−9.6%のGd−HA(標識付けGd
)製剤のときに最大となった。これらの結果から、Gd−HAを用いて、in vit roにおいて良性ヒト腫瘍細胞を悪性ヒト腫瘍細胞に対し異なって画像化すること
ができることが実証された。
【0033】 悪性腫瘍細胞(浸潤性、MDA−MB−231)をヌードラット中に異種移植
として成長させ、ついでこれらラットに100mg/kgのGd−HA(5.6
%錯化させたHA、“B”と呼ぶ)を注射した。対照としてGd−HAに曝す前
のヌードラット(“A”と呼ぶ)を用いた。図16に示すように、腫瘍内(図1
6に矢線で示した)および肝臓細胞に信号強度の増大が認められた。これらの結
果は、Gd−HA像形成剤を用いることによりin vivoでの悪性腫瘍の画像化の
高い可能性を示すものであった。
【0034】 図17に示すように、抗CD44抗体、KM201、を10T1/2(低いレ
セプター発現)およびLR21(高いレセプター発現/RHAMMトランスフェ
クション)細胞系に加えたところ、これら細胞系によるテキサス・レッド標識付
けHAの摂取が、抗体の非存在におけるテキサス・レッド標識付けHAと比較し
て可なり減少した。同様の結果が図18の共焦蛍光画像においても認められた。
具体的に述べると、50μg/mLの抗CD44抗体、KM201、を10T1
/2(非経口)およびRHAMMトランスフェクション(LR21)細胞系に加
えたところ、これら細胞系によるテキサス・レッド標識付けHAの摂取は、抗体
の非存在におけるテキサス・レッド標識付けHAと比較して可なり減少した。す
なわち、非ブロック画像における高い解像度が得られた。
【0035】 更に研究した結果、RHAMMレセプターおよび単細胞分子の共局在化がMD
A−MB−231(悪性)細胞の核に生じるが、MCF−7(良性)細胞では核
周囲に生じることが判明した。更に、ras分子の過剰発現は乳ガン細胞におけ
る単細胞分子およびRHAMMレセプターの過剰発現と相関関係があることが見
出された。更に、RHAMMの発現は、MCF−10A細胞におけるrasプロ
ト腫瘍形成遺伝子又は突然変異活性ras発現と関連する。最後に、RHAMM
の過剰発現は、活性単細胞1、rasおよびCD44の過剰発現と関連する。
【0036】 HA−安定化MR造影剤の製造、化学的および物理的特徴付け フェロ流体/酸化鉄 HA−安定化フェロ流体の製造には、HA−ヒドロゲルの骨格内における超常
磁性ナノ寸法酸化鉄の製造、その後のゲルのHA−安定化フェロ流体への変換が
含まれる。反応温度、pHおよび酸化剤の性質の全てが、HAマトリックスにお
けるFe2+酸化に影響を与え、その影響が決定される。これらの複合体は、元素
分析(Fe含量)、粉体X線結晶学、透過型電子顕微鏡(TEM)およびSQU
ID磁気測定により特徴付けられる。磁性ゲルから得られたフェロ流体は毛管電
気泳動、動的光散乱およびTEMにより特徴付けられる。 HA−安定化MR酸化鉄を製造する他の方法は、界面活性剤又はポリマーの非
存在下でナノ寸法の磁鉄鉱を製造することからなる。この方法で得られた磁鉄鉱
は後に生理学的媒体中にて制御されたHAの吸着により安定化される。フェロ流
体のコロイド安定性は、混濁測定を含む種々の方法を用いてポリマー濃度の関数
としてモニターされる。
【0037】 HA−酸化鉄の好ましい方法において、塩化第二鉄6水和物(1.0g)およ
び塩化第一鉄4水和物(0.5g)の水溶液(200mL)を窒素を用い15分
間、パージングする。ついで、NH4 OHの水溶液(5重量%)をこの溶液に激
しい撹拌下で添加してpHを8.0に上昇させる。この混合物をこの添加後に更
に15分間撹拌する。得られた磁鉄鉱は磁界の下でデカンテーションにより分離
することができる。この磁鉄鉱をついで上澄液のpHが約6−7になるまで水洗
する。ついで、この磁鉄鉱を脱イオン水中に懸濁させ、原料溶液(30mg/m
L)を形成する。磁鉄鉱粒子の寸法は透過型電子顕微鏡(TEM)による測定で
、15nmプラスマイナス3nmである。
【0038】 少量の磁鉄鉱原料溶液(1.0mL)をHA−NH2 の水溶液(水A5.0m
L中0.08g、製造方法は以下に記載)に添加した。得られた懸濁液をマイク
ロソン超音波細胞粉砕機(出力15に設定して2分間)を用いて超音波処理した
。再選択した流体をpH7.33のリン酸緩衝塩溶液(PBS)を用いて洗浄し
、磁気カラムを介して溶離することにより精製した。得られた流体を最初にNa
OH水溶液(0.1M)を用いてpH11に調整し、ついげHCl(0.1N)
を用いてpH7.3に調整した。この流体をついで0.45ミクロンフィルター
を介して濾過した。最後にNaN3 水溶液をこのフェロ流体に添加した(NaN 3 の最終濃度:10-3M)。
【0039】 Gd錯体 HA系ガドリニウム造影剤の製造に際し、幾つかのアプローチを採用した。 (1)HAによるGd3+の直接的結合: このプロセスにおいて重要な因子はHAに対するGd3+の結合定数および他の
二価および三価カチオン、例えば亜鉛、鉄、マグネシウム、カルシウムの存在下
におけるガドリニウムに対するHAの選択性である。 (2)HAに共有結合された錯化剤に対するGd3+の結合:
【0040】 図5はGd3+と錯化し得る化合物をHAの主鎖に共有結合させることによるH
Aの変性方法として2つのルートが可能であることを示している。ルートAにお
いては、第1アミノ基が3つの可能なGd3+錯化剤(図5中の1、2、3)の1
つに結合したアミンを、カルボキシル基を有するHAに結合させる。 他のルートBにおいては、第1アミンをHAの主鎖に導入し、ついでカルボキ
シル基を有する大環状分子と反応させる。これら変性されたポリマーはついでH
Aの官能基との間で錯体を形成するガドリニウムで処理する。得られた変性ポリ
マーは標準の化学的手段により特徴付けられ、ポリマーキレート剤に対するGd
3+の結合定数が測定される。これらのポリマーはついでMR造影剤として評価さ
れる。in vivo中で安定なガドリニウム錯体を作るため考慮すべき3つの主なフ
ァクターがある:a)生理学的条件下での金属/リガンド錯体の熱力学的安定定
数; b)ガドリニウムについてのリガンドの選択性; c)反応動力学である
。 ヒアルロナンの生理学的活性に対するガドリニウムおよび鉄キレートの作用を
検査するためには、フェロ流体およびガドリニウム錯体を精巣ヒアルロニダーゼ
で消化させる。HA系造影剤の毒性は錯化の程度を判定することにより測定され
る。
【0041】 HA−Gd−リポソーム系 これらの像形成剤において、ガドリニウム錯体はリポソームの内部水性プール
中でカプセル化する。HAの主鎖が部分的に疎水基で置換された疎水変性された
HA(HM−HA)2は図7に示すように、りん脂質二重層4の外表面に定着さ
れる。これらの疎水基はリポソーム二重層中に挿入させることができ、これによ
り、外方膜(リポソーム二重層)上においてHAについて強力な定着点が提供さ
れる。
【0042】 リポソームは種々の方法で製造することができ、それにより直径50nmない
し1,000nmの範囲の狭い寸法分布の単層又は多層ラメラ構造の液胞を作る
ことができる。リポソームは最初にHM−HA2の非存在下で得ることができ、
このHM−HA2は、HM−HA2の存在下で“裸”のリポソーム水性懸濁液を
温置させることによりリポソーム膜内に定着させることができる。これら錯体の
表面飽和および安定性については、蛍光分光法、遠心分離、電子顕微鏡、ゲル透
過クロマトグラフィーなどの方法により判定することができる。HM−HA2と
の安定化の前に、薬剤又は像形成剤をリポソームに組込むこともできる。
【0043】 HAの外側層はリポソームのための標的化化合物として役立つ。カプセル化物
質は公知の任意の像形成剤、例えば市販のMR像形成剤であるMagnevist(商標
)、上記のHA−酸化鉄、あるいはMagnevist(商標)とHA−Gdとの組合せ
、又は上記のHA−Gd錯化剤から選択することができる。HM−HA2は疎水
基例えば単素数約10ないし24のn−アルキル鎖又はコレステリル基を共有結
合させることにより製造することができる。更に、カルボン酸基の活性化、更に
アミドへの変換および第1ヒドロキシル基のエーテルへの変換により製造するこ
ともできる。その他、ピレン又はナフタレンなどの蛍光基をHAへ結合させ、リ
ポソーム膜へのHM−HA2の効果的定着の探針として役立たせることもできる
【0044】 その他、HAをリポソームの外側膜に架橋化剤を介して定着させてもよい。こ
の架橋化剤はHAへ被覆する前にリポソーム中に混合させてもよい(米国特許N
o.5,603,872(Margalit)参照)。 HM−HA2の構造を以下に示す。
【0045】
【化1】
【0046】 ここで、Rは(CH2 )n CH3 、3−コレステリル、又はH;R1はX(C
2 )n CH3 、−NHC612NH−COO(コレステリル)、H又はNa+ である。
【0047】 更に、HM−HA2のリポソームへの結合は一般に2工程で行うことができる
。すなわち、(a)被覆されていない“裸”リポソームの製造、およびHM−H
Aの存在下でのリポソーム懸濁液の温置である。この結合は蛍光分光法、ゲル透
過クロマトグラフィー、遠心分離などの方法により測定することができる。HM
−HA被覆リポソームの外部刺激、例えばpH、イオン強度、血清タンパクによ
るin vitro劣化、に対する物理的化学的安定性、および表面飽和も結合測定に用
いられる検査法により評価することができる。MR造影剤、例えばガドリニウム
、は変性リポソーム内、すなわちリポソームの水性核又は脂質二重層内にカプセ
ル化することができると考えられる。得られた物質はついで他のHA系造影剤の
評価に用いられている方式に従ってテストすることができる。
【0048】 HAへ結合された錯化剤へのガドリニウムの結合 図5に記載された反応形式による一連の実験において、HAはエチレンジアミ
ン、ヒドラジンモノハイドレート、ジエチレントリアミン(以下に述べる)で変
性した。この場合、錯化剤はHAカルボキシル基の少量と結合された。その他、
錯化剤はHA多糖類単位のC6位に結合させてもよい。最終のガドリニウム−H
A錯体は上記のあらゆる方法により分析される。
【0049】 エチレンジアミンを用いたHAの変性 エチレンジアミン(1.2g,20mmol)を、水50mL中のヒアルロナ
ンナトリウム溶液(200mg,0.50mmol)に添加した。この反応混合
物のpHは0.1N HClを用いて4.75に調整した。ついで、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC,382mg,
2.0mmol)を固体で添加した。この反応混合物のpHを0.1N HCl
を用いて4.75に維持し、室温で12時間撹拌した。その後、この反応混合物
のpHを1N NaOHを用いて7.0に調整した。この混合物をYM30膜を
用いて限外濾過した。得られた粘性のポリマー溶液を水で希釈した。このポリマ
ー水溶液を多量のメタノール中に加えた。析出された固体ポリマーを真空濾過に
より分離し、メタノールで洗浄し、少量の水中に再溶解させたのち、24時間凍
結乾燥させ、エチレンジアミン変性HA350mgを得た。
【0050】 ジエチレントリアミンを用いたHAの変性 ジエチレントリアミン(2.06g,20mmol)を、水50mL中のヒア
ルロナンナトリウム溶液(200mg,0.50mmol)に添加した。この反
応混合物のpHは0.1N HClを用いて4.75に調整した。ついで、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC,382
mg,2.0mmol)を固体で添加した。この反応混合物のpHを0.1N
HClを用いて4.75に維持し、室温で12時間撹拌した。その後、この反応
混合物のpHを1N NaOHを用いて7.0に調整した。この混合物をYM3
0膜を用いて限外濾過した。得られた粘性のポリマー溶液を水で希釈し、更に2
度目の限外濾過行った。この得られた濃縮ポリマー水溶液を24時間凍結乾燥さ
せ、ジエチレントリアミン変性HA340mgを得た。
【0051】 ヒドラジンモノハイドレートを用いたHAの変性 ヒドラジンモノハイドレート(1.0g,20mmol)を、水50mL中の
ヒアルロナンナトリウム溶液(200mg,0.50mmol)に添加した。こ
の反応混合物のpHは0.1N HClを用いて4.75に調整した。ついで、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC,3
82mg,2.0mmol)を固体で添加した。この反応混合物のpHを0.1
N HClを用いて4.75に維持し、室温で12時間撹拌した。その後、この
反応混合物のpHを1N NaOHを用いて7.0に調整した。この溶液を透析
バッグへ移し(分子量カットオフ:10,000)、水に対し徹底的に透析した
。この得られたポリマー水溶液を24時間凍結乾燥させ、ヒドラジンモノハイド
レート変性HA300mgを得た。
【0052】 ジエチレントリアミン・ペンタ酢酸(DTPA)を用いたHAの変性 ヒアルロナンナトリウム(200mg,0.50mmol)を水20mL中に
溶解させた。その溶液のpHを塩酸水溶液および水酸化ナトリウム(0.1N)
を用いて3.5ないし4.5の範囲に調整した。この溶液に対し、EDC(93
mg,0.50mmol)を添加し、その溶液のpHを3.5ないし4.5の範
囲に調整した。更に、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(38.2
mg,0.1mmol)を用い水20mL中に溶解させた。ついで、この溶液の
pHを3.5ないし4.5の範囲に調整した。この溶液に対し、EDC(3.7
mg,0.02mmol)を添加した。これら2つの溶液を一緒に混合させた。
更に、エチレンジアミン(10mg,0.17mmol)を添加し、その溶液の
pHを3.5ないし4.5の範囲に調整した。この反応混合物を室温で2時間、
維持した。また、塩酸水溶液(10mL,0.1M)を添加し過剰のEDCを破
壊し、pHをNaOH水溶液(1M)を用いて7.0に調整した。この混合物を
YM30膜を用いて限外濾過した。得られた粘性のポリマー溶液を水で希釈し、
更に2度目の限外濾過行った。この得られた濃縮ポリマー水溶液を24時間凍結
乾燥させ、製品240mgを得た。
【0053】 3つのタイプの変性HAを収率、300ないし350mgの範囲で得た。この
変性の後、これらをガドリニウムと錯化させた。すなわち、変性HA水溶液(5
mL、10g/L)を塩化ガドリニウム水溶液(1mL、0.05−0.2M)
に撹拌下で滴下した。ついで、この混合物を室温で2時間保った。ついで、この
溶液を透析バッグへ移し(分子量カットオフ:12,000ダルトン)、透析液
中にGd3+が検出されなくなるまで水に対し透析した。この場合のGd3+の検出
は、指示薬としてキシレノールオレンジを用い、比色テストにより判定した。こ
の得られたHA−Gd錯体を精製溶液の凍結乾燥により分離し、その結果、無色
の物質が得られた。これをついで、生理学的緩衝液に溶かし、0.5−1.0g
/Lの濃度のMR造影剤溶液を得た。この変性HA−Gd3+錯体の観察から、H
AのC6位への変性により錯化ガドリニウムに対する結合親和性が増大したよう
に見受けられた。その結果、HAとガドリニウムとの錯体の安定性がより増大し
た。
【0054】 ガドリニウムと錯化したDTPA変性ヒアルロン酸の製造のための方法 DTPAの結合によるHAの変性の経路が図8に示されている。HAのナトリ
ウム塩がその変性のための2つの異なる経路が示され、その1つはジエチレント
リアミン・ペンタ酢酸(DTPA)を用いたものである。 このDTPA経路のものは、エチレンジアミン(EDA)を用いHAに結合さ
れているNH2 基で進行し、幾つかの異なる製剤が形成され、或るものはNH2 基に対するEDAの割合は異なることが見られる。ついで、HA製剤上のNH2 基にDTPAが結合される。最後にこれらの製剤にガドリニウムが錯化され、H
A−Gd−DTPA錯体が形成される。
【0055】 表2には、重量判定による水分量、1 H NMR分光法により得られるDTP
Aモル%、上記経路により形成された異なる製剤のICP分析から得られたガド
リニウムが示されている。表3には、異なる製剤で用いられた試薬成分が示され
ている。具体的には、HA−COONa、DTPA、DCC(1,3−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド)、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)、EED
Q(2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジハイドロキノリン)、
およびEDAの量が示されている。表4には、カラムにおける異なる製剤の保持
時間が示され、この保持時間は製剤の分子量の関数となっている。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】 使用された試薬および物質 DTPAで使用された試薬は:ヒアルロン酸(ナトリウム塩)、TEAT(1
,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン1,4,8,11−テトラ酢酸
テトラヒドロクロリドテトラハイドレート)、DTPA(ジエチレントリアミン
・ペンタ酢酸)、DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、N−ヒ
ドロキシスクシンイミド、EEDQ(2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−
1,2−ジハイドロキノリン)、塩化ガドリニウム(III)ヘキサハイドレート、
アルセナゾIII([2,2´−(1−8−ジヒドロキシ−3,6−ジスルホナフ
タレン−2,7−ビスアゾ)−ビスベンゼン・ヒ酸])、アセトニトリル、メタ
ノール、エチレンジアミン、トリエチルアミン、HCl、NaOHである。Spec tra/Por 分子多孔性透析チュービング(Spectrumから)(分子量カットオフ:1
2−14,000)も使用された。使用された全ての水はNanopure脱イオンシス
テムを用いて精製された。
【0060】 (下記の2:1:10の合成。他のポリマーについて使用された試薬の量につ
いては、表3参照のこと)
【0061】 HAへのNH2 基の結合は以下のようにして進行する:
【0062】
【化2】
【0063】 HA−COONa(250mg、0.62mmol)を蒸留脱イオン水(20
mL)に溶解させた。そのpH(pH紙で測定)を1.0N HClで3に調整
した。MeOH(15mL)に溶したEEDQ(0.309mg、1.25mm
ol)を上記HA混合物に滴下した。ついで、エチレンジアミン(0.42mL
、6.2mol)を添加し、その混合物を室温で24時間、撹拌した。
【0064】 この混合物を2L MeOH/H2 O(1:1,v:v)に対し3日間、透析
し、ついで2L H2 Oに対し3日間、透析した(MWCO:12−14,00
0ダルトン)。この透析された混合物を焼結ガラスフィルターを用いて真空濾過
し、凍結乾燥し、明るい白色固体(150mg、60%収率)を得た。
【0065】 HA−NH2 へのDTPAの結合は以下のようにして進行する:
【0066】
【化3】
【0067】 アセトニトリル(5mL)に溶したDTPA(0.5g、1.26mmol)
およびトリエチルアミン(0.88,5XDTPAのモル量)を摂氏55度で全
てのDTPAが溶解するまで撹拌した。次に、室温まで冷却させたのち、DCC
(0.372g、1.8mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(0.
208g、1.8mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌した。
【0068】 別の丸底フラスコ内にて、HA−NH2 (250mg,0.62mmol N
2 、全てのCOONa基がアミン化されていたとして)を水20mL中に溶解
させ、ついで、1.0N NaOHを用いてそのpHを10に調整した。 DTPA/アセトニトリル混合物からの析出物を真空濾過により除去し、ろ液
をHA−NH2 溶液に添加した。この混合物を撹拌下で室温に保った。この混合
物をついで蒸発させて溶媒を除去し、得られたゲルを水中に再溶解させ、濾過し
、2L H2 Oに対して3日間透析した。この混合物をついで酸性化(pH3)
し、YM30膜(Amicon)を用いて3連続限外濾過した。この混合物をついで凍
結乾燥し明るい白色固体(160mg、64%収率)を得た。
【0069】 HA−DTPAによるGd3+の錯化は以下のようにして進行する:
【0070】
【化4】
【0071】 HA−DTPAの1%水溶液を作り、これに0.1M GdCl3 溶液を滴下
し、得られた混合物をYM30膜(Amicon)を用いて限外濾過した。ついでGd
Cl3 を添加したが、これはpH3.89、イオン強度(NaCl)0.1で酢
酸塩緩衝液に溶したアルセナゾIIIを用いた比色テストによる判定で、Gd3+
ろ液中に検出できるまで添加を続行した。 この溶液を更に2回、限外濾過した。この場合、各濾過サイクルの後、20m
Lの水を加えた。このHA−DTPA−Gdを凍結乾燥したところ、明るい白色
固体を得た。 製剤HA−DTPA−Gdポリマー(2:1:50e)はCOOHに対し最も
高いEEDQ、DTPAおよびEDAの割合を示し、最も高いGd含量を与えた
。製剤HA−DTPA−Gd(1:1:10)はCOOHに対し最も低い割合の
DTPA量を有し、最も低いGd含量を示した(表2)。
【0072】 製剤を線状ヒドロゲルカラム(Waters社)に置き、製剤の分子量を測定するG
PC研究の結果、HAの分子量は変性後も実質的に変化することはなかった(表
4参照)。このカラムの特徴は、テストされる製剤の分子量が減少すればするほ
ど、カラム上の保持時間が増大するというものである。このHAは用いられた反
応条件下では劣化しなかったと思われる。
【0073】 変性HAおよびGdの好ましい製造方法 HAをGdと錯化する変性方法の内、エチレンジアミン又はヒドラジンで変性
を行う方法がある。この2つの変性方法のための好ましい方法について以下に説
明する。
【0074】 エチレンジアミンの使用 エチレンジアミンを用いてNH2 をHAへ結合させるための方法 1(a):HA−COONa(1.0g)を蒸留脱イオン水(80mL)に
溶解させた。そのpH(pH紙で測定)を塩酸(HCl、1.0N)で3に調整
した。メタノール(150mL)に溶したEEDQ(7.7g)を上記反応混合
物に滴下した。ついで、この混合物を透明になるまで室温で撹拌した。ついで、
エチレンジアミン(EDA)を上記反応混合物に添加し、室温で24時間、撹拌
した。その溶液を透析バッグ(SpectraPore膜、分子量カットオフ(MWCO)
6,000ないし8,000ダルトン)に収容した。この溶液をメタノール/水
(1/1v/v(容量比、2.0L))に対し3日間、更に水(2L)に対し3
日間、透析を行った。得られた溶液を限外濾過により濃縮した。生成したポリマ
ーは凍結乾燥により分離した(HA−NH2 、3.0g)。
【0075】 2(a):HA−COONa(1.0g)を蒸留脱イオン水(80mL)に
溶解させた。そのpHを塩酸(HCl、1.0N)で3に調整した。ジメチルホ
ルムアミド(150mL)に溶したEEDQ(7.7g)を上記反応混合物に滴
下した。ついで、この混合物を透明になるまで室温で撹拌した。ついで、エチレ
ンジアミン(EDA、8mL)を上記反応混合物に添加し、室温で24時間、撹
拌した。その溶液を透析バッグ(SpectraPore膜、分子量カットオフ(MWCO
)6,000ないし8,000ダルトン)に収容した。この溶液をイソプロパノ
ール/水(1/1v/v、2.0L)に対し1昼夜、更に水(2L)に対し3日
間、透析を行った。得られた溶液を限外濾過により濃縮した。生成したポリマー
は凍結乾燥により分離した(HA−NH2 、0.46g)。
【0076】 3(a):HA−COONa(2.0g)を蒸留脱イオン水(2000mL
)に溶解させた。そのpHを塩酸(HCl、1.0N)で3に調整した。ジメチ
ルホルムアミド(150mL)に溶したEEDQ(15.4g)を上記反応混合
物に滴下した。ついで、この混合物を透明になるまで室温で撹拌した。ついで、
エチレンジアミン(EDA、18mL)を上記反応混合物に添加し、室温で24
時間、撹拌した。その溶液を透析バッグ(SpectraPore膜、分子量カットオフ(
MWCO)6,000ないし8,000ダルトン)に収容した。この溶液をイソ
プロパノール/水(1/1v/v、2.0L)に対し1昼夜、更に水(2L)に
対し3日間、透析を行った。得られた溶液を限外濾過により濃縮した。生成した
ポリマーは凍結乾燥により分離した(HA−NH2 、0.96g)。
【0077】 HA−NH2 に対するDTPAの反応方法 1(b):DTPA(1.92g)のアセトニトリル(20mL)懸濁液を
トリエチルアミン(3.4mL)の存在下で摂氏55度で完全に溶解するまで加
熱した。ついで、その冷却した溶液中にN−ヒドロキシスクシンイミド(0.8
5g)およびDCC(1.51g)を添加した。得られた懸濁液を室温で24時
間撹拌した。次に濾過により生成白色析出物を除去した。ろ液をHA−NH2
溶液(上記工程1(a)で得たもの0.5g、水酸化ナトリウム(1.0N)の
滴下でpH10に調整した)に添加した。この反応混合物を室温で24時間、撹
拌した。この混合物を濾過し、そのろ液を限外濾過により濃縮し、水で徹底的に
洗浄した。生成したポリマー(HA−DTPA)を凍結乾燥により分離した(0
.24g)。
【0078】 2(b):DTPA(2.0g)のアセトニトリル(20mL)懸濁液をト
リエチルアミン(3.4mL)の存在下で摂氏55度で完全に溶解するまで加熱
した。ついで、その冷却した溶液中にN−ヒドロキシスクシンイミド(0.9g
)およびDCC(1.50g)を添加した。得られた懸濁液を室温で24時間撹
拌した。次に濾過により生成白色析出物を除去した。ろ液をHA−NH2 水溶液
(上記工程3(a)で得たもの0.5g、水酸化ナトリウム(1.0N)の滴下
でpH10に調整した)に添加した。この反応混合物を室温で24時間、撹拌し
た。この混合物を濾過し、そのろ液を限外濾過により濃縮し、水で徹底的に洗浄
した。生成したポリマー(HA−DTPA)を凍結乾燥により分離した(1.0
g)。
【0079】 HA−DTPAのGd(III)との錯化 水(0.1M)に溶したGdCl3 の溶液をHA−DTPAの水溶液(1.0
%w/w)に添加した。過剰のGd(III)を限外濾過し、水で徹底的に洗浄した
。得られたポリマー(HA−DTPA−Gd)を凍結乾燥により回収した。Gd
含量は検量用標準GdCl3 を用い中性子活性化法により判定した。 製剤a: Gd含量3.5wt%、HA−Gd0.59g 製剤b: Gd含量9.4wt%、HA−Gd0.71g 製剤c: Gd含量9.2wt%、HA−Gd1.0g
【0080】 ヒドラジンの使用 HAへのヒドラジンの結合 水(25mL)に溶した1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボキシジイミド(DEC、1.0g)の溶液を、蒸留脱イオン水(50mL
)に溶解させたHA−COONa(1.0g)の溶液中に添加した。その溶液の
pHを塩酸(HCl、1.0N)で3.2に調整した。ついで、この混合物を透
明になるまで室温で撹拌した。ついで、水(50mL)に溶したアジピン酸ジヒ
ドラジン(ADH、4.1g)の溶液を上記反応混合物に添加し、室温で24時
間、撹拌した。得られた溶液を限外濾過により濃縮した。生成したポリマーは凍
結乾燥により分離した(HA−ADH、0.6g)。
【0081】 HA−ADHへのDTPAの結合 水(100mL)に溶したHA−ADH(0.6g)の溶液に対し、DEC
(1.0g)およびDTPA(1.8g)を添加し、その溶液のpHを塩酸(H
Cl、1.0N)で3に調整した。ついで、この混合物を24時間、室温で撹拌
し、限外濾過により精製した。生成したポリマー(HA−DTPA)を凍結乾燥
により分離した(0.59g)。
【0082】 HA−DTPAのGd(III)との錯化 水(0.1M)に溶したGdCl3 の溶液をHA−DTPAの水溶液(1.0
%w/w)に添加した。過剰のGd(III)を限外濾過し、水で徹底的に洗浄した
。得られたポリマー(HA−DTPA−Gd)を凍結乾燥により回収した(0.
52g;Gd含量:3.5wt%)。
【0083】 酸化鉄系像形成剤 酸化鉄の超常磁性型はイオン性多糖類中に容易に形成することができ、これを
HAと錯化し、像形成剤を得ることができる。得られたナノ複合体は安定な水性
フェロ流体に崩壊させることができる。HAは磁性ナノ複合体の製造のため、お
よび後のフェロ流体形成のテンプレートとして使用される。架橋性イオン(Fe 2+ )はナノ結晶性酸化鉄の現場形成のための反応中心として役立つ。第1鉄イオ
ンの酸化は殆どが酸化鉄の超常磁性型(マグヘマイト(ガンマーFe23 )又
は磁鉄鉱(Fe34 ))の形成につながる。脱水ゲルの室温飽和磁化は、Fe
21%(w/w)を含む乾燥試料の場合、30kOeで12emu g-1であっ
た。これらのゲルは水中の超音波処理又はL−アスコルビン酸での処理により強
力な磁性のコロイド的に安定なフェロ流体に変換される。このフェロ流体は透過
型顕微鏡(TEM)分析により、25−40nmのサブミクロンの結晶性酸化鉄
粒子であることが判明した。これら粒子の電子解析パターンには、ガンマーFe 23 およびFe34 の特徴的解析リングが示された。なお、これら2つの相
を区別することは困難であった。
【0084】 準弾性光散乱(QELS)によるこのフェロ流体の寸法分布分析により、3つ
の粒子分布の存在が判明した。この検出された1つの粒子分布は20−50nm
の寸法範囲であった。このQELS測定は、HAの残留鎖により安定化された酸
化鉄粒子の寸法分布を生じさせるため、TEMの結果と比較して若干大きいサイ
ズのものは酸化物粒子を囲むポリマー鎖のコロナに原因するものと思われる。更
に、ヒストグラムにより125−250nmの範囲のより大きい粒子が判明した
。これはより小さな粒子の凝縮物を表していると思われる。4nmを中心とする
他の信号は遊離HAによるものである。
【0085】 フェロ流体の表面電荷特性は毛管電気泳動により判定された。HA−酸化鉄粒
子(フェロ流体)は中性マーカーとして使用したカフェインの後の広い帯域とし
て溶離し、それにより、このフェロ流体がマイナス電荷の粒子からなることを示
した。このマイナス電荷はHA中のカルボキシレート基の存在によるものであり
、酸化鉄粒子を安定化している。この粒子の電気泳動運動性およびゼータ電位は
エレクトロフェログラムから計算した。フェロ流体中の粒子の表面特性に対する
pH、イオン強度および印加電圧の影響を調べるため、pH、イオン強度および
印加電圧を変化させて実験を行った。これらの実験の結果から、pHおよび印加
電圧は実験の範囲では電気泳動運動性に対し有意な影響がないことが判明した。
電気泳動運動性は、pH6ないし11、印加電圧15、20および25kVで1
0および25mMリン酸塩緩衝液についての全てのサンプルは3x10-82
V.sec(ゼータ電位=−40mV)であった。しかしながら、緩衝液の濃度
が減少したとき、電気泳動運動性は増大した(図6参照)。より高い緩衝液濃度
においては、粒子上の表面電荷は減少した。なぜならば、Na+ およびPO4 3- イオンの増加は粒子の周りの電気二重層を圧縮し、粒子表面上のマイナス荷電基
を覆ってしまうからである。
【0086】 ナノ複合体を製造するため、10g/LのHA溶液を、メタノール/水(50
/50v/v)に溶した0.1MのFeCl2 溶液にて製造した。その結果、ゲ
ル化が直ちに生じ、FeCl2 溶液に大きな、透明黄色ヒドロゲルフラグメント
が形成された。この懸濁液を静窒素雰囲気下で室温に3時間保持した。その後、
HAゲルフラグメントをメタノール/水(50/50v/v)で完全に洗浄し、
錯化されなかったFe2+イオンをゲルから除去した。メタノール/水(50/5
0v/v)に溶したNaOHの0.5M溶液を洗浄したゲルに添加し、錯化Fe 2+ イオンを加水分解した。この溶液を窒素ガスで2時間、バブリングした。つい
で、更に2時間、酸素でバブリングし、褐色のゲルを形成した。この反応サイク
ル(充填)を同一のゲルバッチで5回、繰り返した。その結果、各充填および酸
化の後、HAゲルは暗色化し、磁性が増大し、5回の充填サイクルの後には暗褐
色ゲルとなった。このナノ複合ゲルの凍結乾燥サンプルを磁気特性について測定
し、X線回折により相分析を行った。
【0087】 フェロ流体を得るため、このゲル状製品を遠心分離し、洗浄し、メタノールを
除去し、ついで脱イオン水中に再分散させた。更に、L−アスコルビン酸の水溶
液(1mM)をこの懸濁液に添加し、その結果えられた混合物を室温で24時間
、撹拌し、ついで30分間超音波処理した。これを10,000MWCO DI
AFLO膜を用い、60psiの窒素ガス圧で限外ろ過した。その結果、HAに
より安定化された酸化鉄の均一懸濁液(フェロ流体)を得た。このフェロ流体は
固形分は懸濁液1mL当たり6.6mg(乾燥)であり、鉄(Fe)含量は乾燥
固形分の40重量%であった(元素分析により判定)。
【0088】 このフェロ流体の寸法の分析はTEMおよびQELSで行った。TEMサンプ
ルはフェロ流体を2−プロパノールに分散させて作成し、その懸濁液の1滴をカ
ーボン被覆TEMグリッド上に滴下し、乾燥させた。QELSについては、フェ
ロ流体の希釈懸濁液を脱イオン水中にて作成した。毛管電気泳動(CE)を用い
、フェロ流体粒子の表面電荷および電気運動性を特徴付けた。CEについてのサ
ンプルは、HAの5%(v/v)(フェロ流体に基づく)およびカフェイン原料
溶液(1mg/mL)の5%(v/v)をリン酸ナトリウム緩衝液に添加するこ
とにより作成した。カフェインは中性マーカーとして作用し、電気浸透流れの計
算のために用いることができる。実験は、室温で、pH5.5−11(1mM、
10mM、25mMリン酸塩緩衝液濃度)、更に印加電圧15ないし30kVで
行った。前述のように、HA−鉄酸化物の電気泳動運動性は約3x10-82
V.secであった。
【0089】 その他の方法として、メタノール/水(50/50v/v)に溶したFeCl 2 溶液(0.2M、25mL)を窒素で15分間、バブリングすることにより脱
ガスして磁性ゲルを製造してもよい。メタノール/水(50/50v/v)に溶
したHA溶液(10gL-1を25mL)を、16G針を備えた注射器を用い、激
しい撹拌下で滴下した。その結果、ゲル化が直ちに生じた。この混合物を窒素雰
囲気下で3時間、撹拌した。これを遠心分離し、この溶液からFe2+付加HAゲ
ルを分離した。このゲルをメタノール/水で3回洗浄し、過剰のFe2+を除去し
た。この洗浄したゲルを、メタノール/水(50/50v/v)に溶した0.5
M水酸化ナトリウム溶液25mLを収容したフラスコ内に仕込んだ。この混合物
を室温で23時間、撹拌し、ついで、更に2時間、酸素でバブリングし、褐色の
磁性ゲルを形成した。上記手順(充填)を5回、繰り返して磁性HAゲルサンプ
ルを得た。その結果、各充填および酸化の後、HAゲルは暗色化し、磁性が増大
し、5回の充填サイクルの後には暗褐色ゲルを得た。
【0090】 5回の充填サイクルの後に分離したゲル(20mg)を、超音波バスにて1.
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH=6.93)2mL中に分散させた。他の
ゲルサンプル(10mg)を超音波バスにて1.0mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH=6.93)1mL中に分散させた。更に、L−アスコルビン酸の水溶液
(1.0mM、1mL)をこの分散液に添加し、その結果えられた混合物を30
分間超音波処理した。これを室温で、水に対し透析し精製した。これら双方の懸
濁液はMR画像化剤として有用であると考えられる。
【0091】 ゲルおよび流体の特徴付け HA−酸化鉄ゲル内の鉄含量の測定 HA−酸化鉄ゲルのサンプルを水で2回濯ぎ、ついで凍結乾燥した。3つの
異なるサンプル(7−8mg)を正確に重量測定し、3つの試験管にそれぞれ収
容した。ついで、濃塩酸(2mL)を添加しこれらサンプルを溶解させた。得ら
れた溶液をろ過した。ろ液を10mLフラスコに移し、脱イオン水で10mLに
希釈した。この溶液を25mLフラスコに移し、これにNH2 OH、HCl(2
.5mL、50gL-1)の水溶液およびo−フェナントロリン(5mL、1.0
gL-1)水溶液5mLを添加した。この混合物を1.2Mの酢酸ナトリウム緩衝
液(1.2M、pH=3.5)を用いて25mLに希釈した。吸光度は510n
mで測定した。このデータは、公知の濃度の溶液から確立された検量曲線を用い
、Fe含量に変換された。表5は、2回、3回、4回および5回の連続的充填後
のゲルの鉄含量を示している。
【0092】
【表5】
【0093】 HA−酸化鉄の総炭水化物含量の測定 フェノール水溶液(0.05mL、80%w/w)をHA−酸化鉄(2mL、
5−40マイクログラム/mL)の懸濁液に添加した。濃硫酸(5mL)を液体
表面にできるだけ接近させて急速に添加した。この溶液を室温で10分間、保持
した。ついで、撹拌して水バス内に収容し摂氏30度で20分間保った。490
nmでの溶液の吸光度を測定し、炭水化物含量はHAで得られた検量曲線を用い
て計算した。
【0094】 HA系像形成剤のヒト乳ガン細胞系に対する結合能力の評価 ヒト乳ガン細胞系に対するHA系像形成剤の結合能力を判定するため、蛍光染
料Cy3、テキサスレッド、又は他の適当な染料を、リポソームと錯化させたH
A像形成剤に結合させた。この結合能力の検討はCy3−HA単独のものを含み
、MR像形成剤との結合が細胞表面への結合能力を変化させるか否かを判定した
。リポソームと錯化させたHA像形成剤はリポソーム内へのカプセル化のため細
胞中での保持時間がより長くなるものと考えられる。Cy3−HAは、HA(F
ITC−HA)を用いるところの590nmで発光するフルオレセイン・イソチ
オシアナート・フルオロクロムの製造方法と同一の手法で製造された。このHA
(FITC−HA)はHA/細胞表面相互作用の研究のために広く使用されてい
る。HAのCy3を用いた標識付けはHAの結合特性に影響を与えることはない
。Cy3は急速に消滅しないのでFITCよりも優れている。
【0095】 図1に記載した細胞系はこの研究のために使用ことができる。なぜならば、H
Aレセプターの発現が十分に記載されているからである。細胞をフロー細胞計算
(FACS)分析のために作成し、ついでCy3−HA像形成剤を用い、氷上で
1時間、保温した。活細胞を基底から解放させ、FITC ILA±抗体と共に
保温し、リン酸塩緩衝塩溶液(PBS)で洗浄し、ついで590nmの波長でフ
ローサイトメータを用い細胞表面蛍光分析を行った。また、結合特異性を判定す
るため、幾つかのアプローチを用いた:a)非標識HAの100倍過剰の存在下
で、細胞をCy3−HA系像形成剤と共に保温した;b)ストレプトマイセス・
ヒアルロニダーゼで処理したCy3−HA系像形成剤と共に細胞を保温し、HA
を崩壊させ、レセプターに結合しないようにした。最後に、表1に記載した細胞
系の表面のHAレセプターの存在を、RHAMMおよびCD44に対するモノク
ローン抗体であって市販のもの(Applied Bioligand, Man, Can)を用いてFA
CS分析で確認した。総括的に、これらの実験は、Cy3−HAと同様に、HA
像形成剤が細胞表面に特異的に結合することを実証するものと考えられる。細胞
系が異なるレベルのHAレセプターを示すから、これらの実験の結果は、HAレ
セプター表示と結合されたCy3−HA系像形成剤との相関関係を実証するもの
である。
【0096】 ヌードラットにおけるヒト乳ガン腫に対するHA系像形成剤の標的指向能力の 評価 HA系像形成剤に対し特異的に結合する乳ガン細胞系のうち、HA系像形成剤
に対し最も強く結合する細胞系およびHA系像形成剤に対し最も弱く結合する細
胞系は、RHAMMおよびCD44レセプターのいずれか、又は双方の役割を確
認するものであると思われる。ヌードラットにおいて異種移植として成長したこ
れらの細胞系に向けて指向する選択されたHA系像形成剤の能力が判定された。
すなわち、ヒト乳ガン細胞(106 )をヌードラットに皮下注射し、触知可能な
腫瘍サイズにまで成長させる手法により、これら細胞がin vivoでCD44およ
びRHAMMを発現することが確認された。この腫瘍を切り取り、単一細胞を得
ることによりRHAMMおよびCD44の細胞表面表示について分析し、RHA
MMおよびCD44抗体の細胞表面結合性をFACSで定量した。確認のため、
たんぱく質溶解物を作り、RHAMMおよびCD44の存在についてもウエター
ンブロック検査で検出した。更に、mRNAを腫瘍細胞から得ると共に、適当な
プライマーを用いてRHAMMおよびCD44の双方のRT−PCR分析を行っ
た。
【0097】 選択された細胞系(106 細胞/ラット)を注射し、大きなサイズの腫瘍を得
るため、種々の期間に亘り腫瘍を成長させた。上記研究から選ばれたHA系像形
成剤を125 Iで標識付けし、標的指向性をりん光画像化により確認し得るように
した。全ての動物をMRで画像化することができる。なぜならば、この方法はり
ん光画像化より感度が高いからである。実験のため、最初に10mg/kgの硫
酸コンドロイチンを動物たちに注射し、肝臓内でHAを取り上げるスカベンジャ
ーレセプターを下向き調節した。ついで、二重標識付けHA像形成剤を1時間後
に静脈注射し、りん光画像化し、これら動物のMR画像を取った。なお、このタ
イミングは問題とはならない。なぜならば、HAは腫瘍に対し12−24時間、
その標的指向性を維持することが研究により確認されているからである。これら
実験によりHA像形成剤がヒト乳ガン腫瘍を標的として作動し、MR画像化法を
用いて画像化できる最小の大きさの腫瘍を実証し得ることが認められた。
【0098】 HA系像形成剤の標的指向させるCD44およびRHAMMの役割 この標的指向におけるCD44およびRHAMMの役割は幾つかのアプローチ
により直接的に実証し得ると考えられる。第1のアプローチにおいては、ヒト骨
髄腫細胞に対しFITC−HAの結合をブロックする抗体を使用することができ
る。この抗体をin vivoで使用する前に、Cy−HAへの結合を抑制するこれら
抗体の能力についてFACS分析を用いて検査する。HA系像形成剤の標的指向
に対するこれら抗体の作用をMR画像化法により、まず、in vitroで行い、つい
でin vivoで行った。しかし、レセプター抗体の最適濃度を実験的に詳細に調べ
るため、標的化をブロックするこれら試薬の能力を最初に検査した。すなわち、
硫酸コンドロイチンの静脈注射の1時間後で、上記HAの注射の0ないし15分
前に、これら抗体を動物に対し静脈注射した。
【0099】 この標的指向に対するこれら抗体の作用は注射後の種々の時間で定量化するこ
とができる。レセプターへのHAの結合は複雑であり、骨髄腫細胞に対するHA
の結合に影響する抗体が乳ガン細胞に対するHAの結合に影響を及ぼさないこと
もあり得る。もし、これらの抗体がin vitroでHAの結合をブロックするのに有
効でない場合は、CD44およびRHAMMのHA結合領域に対するアンチセン
ス・ぺプチドが使用される。このアプローチはin vivoにおいてAT−1レセプ
ターを良好にブロックするのに利用することができる。CD44およびRHAM
Mの双方はHAに結合するためには塩基性アミノ酸モチーフの存在を必要とし、
この領域に対するアンチセンスペプチドが作られる。これらは上述のように抗体
のためにin vitro又はin vivoで投与される。HAの分布に対するペプチドの作
用はFACSにより評価される。有効な濃度範囲は実験的に決定することができ
る。
【0100】 他のアプローチとして、ヒト結合性ファージ・ディスプレイ・ライブラリーを
使用して、ヒトのためマウスに保存されているCD44およびRHAMMのHA
結合モチーフを認識し得る抗体を分離することができる。これらのシーケンスに
対するモノクローンおよびポリクローン抗体を得ることが試みられたが、ポリク
ローン応答を得ることができなかった。しかし、上記、ファージ・ライブラリー
を使用することにより、これらの領域を認識し得るヒト抗体を得ることができる
。 これらのヒト抗体の回収によりHA結合に対するそれらの影響を試験するの
に使用することが可能となる。すなわち、これらの抗体はCD44およびRHA
MMレセプターと結合しHA又はHA系造影剤がこれらに結合するのを防止する
。従って、これらの抗体はHAの細胞への結合におけるCD44およびRHAM
Mの役割を明確にすることができる。
【0101】 中枢神経系(CNS)疾患におけるHA−Gd造影剤の役割 CNS疾患のためのHA−Gd造影剤の3つの使用例が、脳腫瘍、脳卒中誘発
傷害、アルツハイマー型神経退化などの画像化についてなされた。ガドリニウム
は現在、CNSの画像化に使用されているが、血管−脳バリアの破裂が生じた部
位でのみしか有効でない。従って、無傷な脈管領域を包含する腫瘍全体を可視化
するのには有効ではない。アルツハイマー病において、現在のMR画像はひどい
組織衰弱のみ可視化することができ、従って、病気の進行の後期のみに有効であ
る。脳卒中の場合、傷つけられた組織をMRで可視化することができるが、炎症
細胞の管脈への浸潤により媒介されるような二次的プロセスを介して更に傷害を
及ぼすような生体力学的変化が進行している管脈系全体を明らかにすることはで
きない。
【0102】 上記疾患のそれぞれにおいて、中枢神経又は関連する血管におけるヒアルロナ
ン(HA)レセプターの上向き調節作用が明らかに認められる。これらのレセプ
ターにはHAレセプター、RHAMMおよびCD44が含まれる。細胞内接合分
子(ICAM−1)のレベルもこれらの疾患で上昇し、このICAMは、HAと
結合する肝臓内皮HAレセプターと同一と見ることができる。 HA/ガドリニウム接合体はガドリニウムが現在、有効に使用されているCN
S組織のみならず、血管脳バリアが無傷でありHAレセプターの増加を示す領域
のMR画像化を可能とすると考えられる。なお、このHAレセプターの増加は潜
在的局所傷害を反映する管脈および組織機能の変化を示すものである。この有用
性は高揚したHAレセプターと組織傷害との関連の証拠に基づくものである。
【0103】 本発明の種々の具体例について説明したが、これらは単に説明のためのもので
あるから、当業者が本発明の要旨を逸脱することなく、種々変更、置換し得るこ
とは明らかであり、従って、それらの変更、置換も本発明の範囲に含まれること
を理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒト乳ガン細胞系の特徴を示す表である。
【図2】 放射性同位元素標識付けHAのラットの腫瘍との関連を示すヌードラットのシ
ンチグラム像である。
【図3】 放射性同位元素標識付けHAのラットの頸動脈との関連を示すヌードラットの
シンチグラム像である。
【図4】 ヒアルロナンを静脈注射した後のヒアルロナンの分子量分布を示すグラフ図で
ある。
【図5】 HAをガドリニウム錯化剤に結合させるための2つの方式を示す図である。
【図6】 HA−酸化鉄粒子の電気泳動運動性に対するリン酸塩緩衝液のpHおよび濃度
の影響を示すグラフ図である。
【図7】 リポソームを錯化された疎水変性されたHAを示す図である。
【図8】 ペンタ酢酸ジエチレントリアミン(DTPA)を結合させ、ガドリニウムと錯
化させることによるHAの変性のための経路を示す図である。
【図9】 セファロースビーズに結合させたHA−Gdと遊離GdのMRI信号強度を濃
度の関数として示すグラフ図である。
【図10】 肝臓におけるHA−Gdと遊離Gdの信号強度を時間の関数として示すグラフ
図である。
【図11】 骨格筋におけるHA−Gdと遊離Gdの信号強度を時間の関数として示すグラ
フ図である。
【図12】 良性および悪性腫瘍細胞におけるCD44およびRHAMM細胞表面レセプタ
ーの発現をFACS分析を用いて示すグラフ図である。
【図13】 良性および悪性腫瘍細胞におけるテキサスレッド標識付けHAの摂取を濃度の
関数として示すグラフ図である。
【図14】 異なるレベルのHAレセプターを発現する異なる細胞系による標識付けHAの
摂取(内面化)を時間の関数として示すグラフ図である。
【図15】 良性および悪性腫瘍細胞のMRI信号強度をHA−Gd置換レベル(%)の関
数として示すグラフ図である。
【図16】 HA−Gdを注射したラットにおける特定の組織での信号強度を示す図である
【図17】 抗CD44抗体、KM201の標識付けHAの信号強度に対する影響を示すも
ので、このHAはHAレセプターを発現する異なる細胞系に添加されている。
【図18】 異なる細胞系における標識付けHAの摂取に対する抗CD44抗体、KM20
1の影響を示す共焦蛍光画像を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ノジイ,ジェームス,アイ. カナダ アール3ピー 0エム7 マニト ウバ ウイニペグ マッククリーリイ ロ ード 1662 (72)発明者 ターリイ,エヴァ,アン カナダ エム4ヴイ 1アール4 オンタ リオ トロント セント.クレア アヴェ ニュ ウエスト 234 スイート 104 (72)発明者 ウイニク,フラーンソワーズ,マルタン カナダ エル9エイチ 6ピー8 オンタ リオ ダンダス ナンバー208 メイン ストリート 50 Fターム(参考) 4C085 HH07 JJ05 KB08 KB12 KB45 KB79 LL18 4C096 AA11 AB04 AC10 AD19 FC14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒアルロナンおよびガドリニウムを具備してなるHA系像形
    成剤。
  2. 【請求項2】 ヒアルロナン、ガドリニウムおよびリポソームを具備してな
    るHA系像形成剤。
  3. 【請求項3】 ヒアルロナンおよび酸化鉄を具備してなるHA系像形成剤。
  4. 【請求項4】 ジエチレントリアミンペンタ酢酸を更に具備してなる請求項
    1記載のHA系像形成剤。
  5. 【請求項5】 ガドリニウムを3ないし12重量%含む請求項4記載のHA
    系像形成剤。
  6. 【請求項6】 ガドリニウムを5.6ないし9.6重量%含む請求項4記載
    のHA系像形成剤。
  7. 【請求項7】 ヒアルロナンの平均分子量が約20,000ないし200,
    000である請求項6記載のHA系像形成剤。
  8. 【請求項8】 ヒアルロナンの平均分子量が約50,000ないし100,
    000である請求項6記載のHA系像形成剤。
  9. 【請求項9】 カルボキシル基を有するヒアルロナンをエチレンジアミンと
    結合させてNH2 −変性ヒアルロナンを形成する工程と、 このNH2 −変性ヒアルロナンをジエチレントリアミンペンタ酢酸と接触させ
    てDTPA−変性ヒアルロナンを形成する工程と、 このDTPA−変性ヒアルロナンをガドリニウムと接触させてHA−ガドリニ
    ウム像形成剤を形成する工程と、 を具備してなるHA−Gd像形成剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 カルボキシル基を有するヒアルロナンを水と結合させてH
    A溶液を形成する工程と、 このHA溶液に塩酸を加えてHA溶液のpHを約3.0に調整する工程と、 メタノール溶液中にて上記HA溶液に2−エトキシ−1−エトキシカルボニル
    −1,2−ジヒドロキノリンを添加する工程と、 このHA溶液をエチレンジアミンと接触させる工程と、 このHA溶液をアルコールおよび水からなる溶液を用いて透析する工程と、 このHA溶液を水を用いて透析する工程と、 このHA溶液を濃縮し、凍結乾燥させてNH2 −変性ヒアルロナンを形成する
    工程と、 ジエチレントリアミンペンタ酢酸のアセトニトリル溶液にトリエチルアミンを
    添加してDTPA溶液を形成する工程と、 上記NH2 −変性ヒアルロナンをこのDTPA溶液−変性ヒアルロナンと接触
    させてHA−DTPA溶液を形成する工程と、 このHA−DTPA溶液のpHを約10.0にて維持する工程と、 このHA−DTPA溶液を凍結乾燥させてDTPA変性ヒアルロナンを形成す
    る工程と、 このDTPA変性ヒアルロナンを塩化ガドリニウム水溶液と接触させてHA−
    DTPA−Gd溶液を形成する工程と、 このHA−DTPA−Gd溶液を凍結乾燥させてHA−ガドリニウム像形成剤
    を形成する工程と、 を具備してなるHA−Gd像形成剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 ヒアルロナンを塩化鉄と接触させてゲルを形成する工程と
    、 該ゲルから非錯化酸化鉄を除去する工程と、 該ゲルを水酸化物で処理する工程と、 該ゲルを酸素を用いてバブリングさせて磁性ゲルを形成する工程と、 を具備してなるHA−酸化鉄像形成剤の製造方法。
  12. 【請求項12】 HAレセプターの存在の有無を測定することにより腫瘍細
    胞の良性又は悪性を判定する方法であって、 腫瘍細胞にヒアルロナン系像形成剤およびヒアルロナンを含まない像形成剤と
    接触させる工程と、 これら像形成剤により発生した信号を比較してHAレセプターの存在の有無を
    判定する工程と、 このHAレセプターの存在の有無から腫瘍細胞の良性又は悪性を評価する工程
    と、 を具備してなる方法。
  13. 【請求項13】 細胞系へのHA系像形成剤の結合をテストする方法であっ
    て、 HA系像形成剤に蛍光染料をラベリングして標識像形成剤を形成する工程と、 該標識像形成剤に対し、細胞系からの細胞群を添加して信号を発生させる工程
    と、 該信号から細胞の結合を判定する工程と、 を具備してなる方法。
  14. 【請求項14】 HA系像形成剤を用いて動物の画像化する方法であって、 該動物に硫酸コンドロイチンを投与する工程と、 該動物にHA系像形成剤を投与する工程と、 該動物を画像化する工程と、 を具備してなる方法。
  15. 【請求項15】 該動物がヒトであり、該HA系像形成剤がヒアルロナンお
    よびガドリニウムを含むものである請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 該HA系像形成剤がジエチレントリアミンペンタ酢酸を更
    に含むものである請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 該画像化工程が磁気共鳴画像処理によるものである請求項
    16記載の方法。
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