JP2002510208A - 新規ステロイド受容体コアクチベーターaib1 - Google Patents

新規ステロイド受容体コアクチベーターaib1

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、乳癌細胞で過剰発現される新規なステロイド受容体コアクチベーターをコードする配列を含む実質的に純粋なDNA、ステロイドホルモン応答性癌の診断法、およびコアクチベーターとステロイドホルモンとの相互作用を阻害する化合物を同定するスクリーニング法を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 新規ステロイド受容体コアクチベーターAIB1 発明の背景 乳癌はエストロゲン応答性乳房上皮細胞から生じる。エストロゲン活性は乳癌 の発生を促進すると考えられており、多くの乳癌は診断時点において最初はエス トロゲンに依存している。従って乳癌の治療には抗エストロゲン組成物が使用さ れてきた。 ヒト癌で増加する遺伝子発現に一般的なメカニズムは増幅である。すなわち、 癌細胞では、非癌性細胞に比べてDNA配列のコピー数が増加している。乳癌にお いて、普通に増幅された領域は17q21、8q24および11q13由来であり、これらはそ れぞれ、erbB-2、c-mycおよびサイクリックD1をコードしている(Devilee et al. ,1994,Crit.Rev.Oncog.5:247-270)。最近、分子細胞遺伝学の研究によって 、乳癌では増加したDNAコピー数の付加領域が生じていることが明らかになった( Isola et al.,Am.J.Pathol.147:905-911,1995;Kallioniemi et al.,Proc .NaLl.Acad.Sci.USA 91:2156-2160,1994;Muleris et al.,Genes Chromo .Cancer 10:160-170,1994;Tanner et al.,Cancer Research 54:4257-4260,1 994;Guan et al.,Nat.Genet.8:155-161,1994)。 乳癌は、米国女性の癌死のうち二番目の主要原因であり、米国の女性にとって この病気を発症する累積的生涯リスクは少なくとも10%に上ると概算されている 。乳癌の予後においては初期診断が重要なファクターであり、初期診断は生存率 だけでなく患者が利用できる治療上のオプション範囲にも影響を与える。例えば 、初期の診断であれば、「腫瘍切除」を行うことができるが、診断が遅くなれば 、定型的乳房切除のように、より侵襲性、より外傷性の外科手術を伴いがちであ る。他の癌治療も同様に初期診断による利益があり、例えば、肺癌、結腸直腸癌 および前立腺癌の治療予後は初期診断によって大きく改善される。一般の癌診断 および特に乳癌診断について簡単かつ信頼できる方法が求められている。癌の研 究診断および治療に有用な分子を同定するため、エストロゲン受容体ERとER依存 性核受容体コアクチベーター分子間の相互作用を阻害する化合物のスクリーニン グ方法が必要とされている。また、よりよい治療管理のために、タモキシフェン 感 受性の癌患者を識別する方法も必要とされている。これらの必要性を解決するこ とは、癌の治療および研究を改善することになり、従って生命を救うことになる ものである。 発明の概要 本発明者らは、AIB1タンパク質(Amplified In Breast Cancer-1)がエストロゲ ン受容体(ER)依存性転写を高める、ERと相互反応する核受容体コアクチベーター のステロイド受容体コアクチベーター1(Steroid Receptor Coactivator-1:SRC-1 )ファミリーの一員であることを見出した。本発明者らはさらに、AIB1遺伝子が 乳癌など、ある特定の癌で増幅され過剰発現されること、従って、増幅されたAI B1遺伝子の検出が癌細胞の検出に利用できることを見出した。重要なことである が、本発明者らはまた、AIB1増幅が乳癌だけに限定されるのではなく、肺、卵巣 、頭首、結脳、睾丸、膀胱、前立腺、子宮内膜、腎臓および胃の癌、さらには褐 色細胞腫、黒色腫、腺管癌およびカルチロイドにも見出されることを発見した。 こうした知見は、AIB1が、欧米に最も広く行き渡っている死病のいくつかを含む 前記癌すべての検出と治療に有用であることを意味する。 本発明者らはまた、AIB1がタンパク質p300およびCBPと相互作用することも見 出した。p300およびCBPは、転写を促進する他の核ファクターと相互作用する核 コファクターである(Chacravarti et al.,Nature 383:99-103,1996;Lundblad et al.,Nature 374:85-88,1995)。さらにまた、本発明者らは、AIB1を安定に 過剰発現する細胞では、ステロイド受容体活性化の劇的な増加があり(100倍近い 増加)、相当する転写活性化の増加をもたらすことも発見した。本発明者らはさ らに、モノクローナルAIB1抗体を用いて、AIB1遺伝子増幅が増加したAIB1の発現 と直接相関していること、そして遺伝子のこれら増幅されたコピーが生理学的な 条件において発現されることを示した。本発明者らは、全体的なアミノ酸同一性 が81.6%のタンパク質をもつ、マウスER依存的転写アクチベーターp/CIPのヒトオ ルソログ(ortholog)であることを見出した。これらの知見は、癌細胞における転 写調節に関係するコファクターとしてのAIB1の生理的役割を支持するものである 。 本発明は、AIB1ポリペプチド、例えば、ヒトAIB1ポリペプチドまたはその断片 をコードする配列を含有する実質的に純粋なDNAを特徴とする。このDNAは、天然 のAIB1をコードするDNAもしくはその縮重変異体の全配列またはその一部配列を もっていてもよい。AIB1をコードするDNAは、ポリペプチドの発現調節配列に機 能的に結合することができる。AIB1をコードするDNAを含有する細胞も本発明に 含まれる。 本発明はまた、AIB1をコードするDNAもしくはその相補体と高ストリンジェン シーでハイブリダイズするポリヌクレオチドを含有する実質的に純粋なDNAを包 含する。全長AIB1 cDNA、例えば、AIB1ポリペプチドの生理活性をもつポリペプ チドをコードする塩基配列、に対し少なくとも50%の配列同一性をもつ塩基配列 を含む実質的に純粋なDNAもまた本発明に包含される。 本発明はまた、実質的に純粋なヒトAIB1ポリペプチドおよびその変異体、例え ば、保存的アミノ酸置換をもつポリペプチド、または天然AIB1の生理活性を保持 している保存的もしくは非保存的アミノ酸置換をもつポリペプチドを特徴とする 。 例えば、異常なコピー数のAIB1DNAをもつ細胞を同定する診断法もまた本発明 に包含される。AIB1 DNAの異常なコピー数、例えば、正常な二倍体コピー数より も大きいことは、異常に増殖している細胞、例えば、ステロイドホルモン応答性 癌細胞が生じていることを示している。 本発明はまた、特異的にAIB1と結合して細胞もしくは組織試料においてAIB1の 発現レベル検出に使用できる抗体、例えば、モノクローナル抗体もしくはポリク ローナル抗血消も包含する。正常な対照組織におけるAIB1発現レベルに比べて、 患者由来の組織試料におけるレベルが増加していれば、それは癌のような細胞増 殖性疾患があることを示している。 AIB1とステロイドホルモン受容体との相互作用を阻害し、従って、異常な細胞 増殖をもたらす信号伝達経路を遮断する化合物を同定するスクリーニング法もま た本発明の範囲内である。従って、癌細胞の増殖は、AIB1の発現を阻害する化合 物を、被験者、例えば、ステロイド応答性癌と診断された患者に投与することに より、減少させることができる。 本発明はさらに、少なくとも1個のAIB1遺伝子をそのゲノムから選択的に欠失 させたノックアウト変異体、例えば、ノックアウトマウス(もしくは他の哺乳動 物 )を包含するものである。そのようなマウスは研究に有用であり、例えば、その 表現型から欠失遺伝子の生理学的役割が洞察できる。例えば、上記変異体は特定 の生化学経路に欠陥があってもよい。そのようなノックアウト変異体は、他の遺 伝子およびタンパク質の役割を判断して、そうした遺伝子もしくはタンパク質の どれかが欠失遺伝子を補完するかどうかを判断する相補実験に使用することがで きる。本発明のこの局面にはホモ接合変異体およびヘテロ接合変異体も包含され る。 本発明はさらに、変異体生物、例えば、そのゲノムに正常数のAIB1遺伝子以上 を含むマウスなどの哺乳動物も包含する。そのようなマウスは、例えば、プロウ イルスの形でその染色体に組み込まれた追加のAIB1遺伝子コピーを含んでいても よいし、あるいは、プラスミドのような染色体外領域に追加コピーをもっていて もよい。そのような変異体マウスは、AIB1の生理学的または病理学的役割を解明 ずる研究目的に有用である。例えば、そのような変異体に腫瘍を入れるかまたは 移植し、そのような変異体を同じ癌に罹った正常マウスと比較することによって 、癌における原因や結果としてのAIB1発現の役割を研究することができる。 本発明はまた、変異体生物、例えば、染色体またはプラスミドのどちらかに組 み込まれた、内因性でないプロモーターによって駆動されるAIB1遺伝子の少なく とも1コピーを含有する哺乳動物、例えば、マウスを包含する。そのようなプロ モーターは、構成性であっても誘導性であってもよい。例えば、AIB1遺伝子は、 マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーターもしくは哺乳動物ウイルスの他のプロモ ーターと機能的に結合し、AIB1発現の遺伝子操作をさせてもよい。そのような変 異体は、AIB1の生理学的または病理学的役割を判断する研究目的に有用である。 例えば、観察される患部および生理学的作用は、発現過剰か発現不足になるであ ろう。 本発明はさらに、信号伝達分子としてp300および/またはCBPを使用する信号経 路の機能またはその変更が関係する癌の治療法を包含する。本発明の治療は、p3 00および/またはCBPタンパク質との相互作用を高めるかまたは減少させるAIB1タ ンパク質もしくはAIB1遺伝子を標的とすることを包含する。例えば、本明細書に 開示されたAIB1遺伝子配列は、アンチセンスヌクレオチドの構築に使用すること ができる。AIB1転写産物(またはその一部)に対して逆平行であり、かつ、相補的 であり、従ってAIB1転写産物によりRNA-RNA二本鎖を生成するアンチセンスRNAを 構築することができ、AIB1の転写および発現を妨げることができる。あるいは、 治療は、AIB1タンパク質を、インビボで特異的にAIB1分子と結合する分子と接触 させてもよく、それによってAIB1がp300またはCBPのような他のファクターと結 合するのを妨害することができる。そのような方法は、AIB1、p300、CBPおよび その他のファクターが関係する信号伝達経路を阻害し、従って、それらの経路を 通じて行われる癌細胞の増殖を阻害するようデザインされる。以下により詳細に 説明するように、AIB1の過剰発現により、エストロゲン依存性の癌が発症および 進行する間にAIB1を増幅させるクローンに増殖有用性を付与するER依存的転写活 性が増加する。 AIB1遺伝子産物とステロイドホルモン受容体、例えば、ERとの相互作用を阻害 するかまたは遮断する化合物は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌などのス テロイドホルモン応答性癌に罹患した患者を治療する抗新生物剤として有用であ る。 AIB1ポリペプチドまたはそのようなポリペプチドのペプチド擬似体、例えば、 ステロイドホルモン受容体と相互作用するドメインをもつペプチド擬似体は患者 に投与して、異常増殖細胞における内因性の細胞内AIB1とステロイドホルモン受 容体、例えば、ERとの相互作用をブロックすることができる。AIB1が広範なヒト 転写因子と相互作用し、そのような相互作用を調節することは重要な治療上の適 用をもたらす可能性が高い。 本発明のその他の特徴および利点は以下に述べる好ましい態様の説明および請 求の範囲から明らかになると思われる。 配列表 添付の配列表に挙げた核酸およびアミノ酸配列は、ヌクレオチド塩基について は標準省略記号を、アミノ酸については3文字コード用いて示す。核酸配列それ ぞれについて1ストランドだけを示すが、表示ストランドを参照すれば、その相 補鎖も含まれていることが分かる。 配列番号:1は、ヒトAIB1 cDNAの核酸配列および対応するアミノ酸配列を示す 。 配列番号:2は、AIB1のPer/Arnt/Sim(PAS)ドメインのアミノ酸配列を示す。 配列番号:3は、AIB1の塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックスドメイン(bHLH )のアミノ酸配列を示す。 配列番号:4は、ヒトAIB1タンパク質のアミノ酸配列を示す。 配列番号:5は、プライマーN8F1の核酸配列を示す。 配列番号:6は、pCMVSP0RT-B11の5'配列、PM-U2からデザインしたフォワード プライマーの核酸配列を示す。 配列番号:7は、pCMVSPORT-B11の5'配列、PM-U2からデザインしたリバースプ ライマーの核酸配列を示す。 配列番号:8は、AIB1のER相互作用ドメインのアミノ酸配列を示す。 配列番号:9は、pCIPの核酸配列、AIB1のマウスオルソログおよびこの遺伝子 のアミノ酸配列を示す。 配列番号:10は、マウスBACのスクリーニングに使用したフォワードプライマ ーAIB1/mESTF1の核酸配列を示す。 配列番号:11は、マウスBACのスクリーニングに使用したリバースプライマーA IB1/mESTR1の核酸配列を示す。 配列番号:12は、pCIPのアミノ酸配列、AIB1のマウスオルソログを示す。 図面 図1Aは全長AIB1のアミノ酸配列の略図であり、図中、白抜きで示す残基は、AI B1、TIF2およびSRC1と同一である。TIF2(GenBank寄託番号X97674)またはSRC-1(G enBank寄託番号U59302)と同一の残基は、それぞれ灰色反転または囲んで示す。 図1BはAIB1の構造的な特徴を示す図であり、以下のドメインを示す。bHLHドメ イン、PASドメイン(ダークグレイで示す、高度に保存されたPAS AおよびB領域を もつ)、S/T(セリン/スレオニン)に富む領域、および荷電残基グループ(+/-)。 グルタミンに富む領域およびポリグルタミン領域も示す。図下の数字は、図1Aに 示すアミノ酸配列に関するドメインの位置(大体の残基数)を示す。アラインメン トはDNASTARソフトウェアを使って作製した。 図2は、BT-474、ZR-75-1、MCF7およびBG-1細胞系において増加したAIB1発現を 示すノーザンブロット分析の写真である。 図3は、全長AIB1 DNAを細胞に添加したところ、ERリポータープラスミドから のエストロゲン依存転写が増加したことを示す棒グラフである。ER発現ベクター (pHEGO-hyg)250ng、ルシフェラーゼリポータープラスミド(pGL3.luc.3EREまたは EPE欠失pGL3)10ngおよび増加量のpcDNA3.1-AIB1でCOS-1細胞を一時的にトランス フェクトし、10nMの17β-ストラジオール(E2、黒棒)または100nMの4-ヒドロキシ タモキシフェン(斜線棒)の非存在下(白棒)または存在下でインキュベートした。 ルシフェラーゼ活性は相対発光単位(RLU)で表した。データは4回繰り返した実験 の1つから3回測定した値の平均値である。誤差棒グラフは1標準偏差を示す。 図4は、pCIP(AIB1のマウスオルソログ)およびヒトAIB1のDNAとタンパク質構造 を対比する略図である。エキソンは黒色ボックスとして示す。 図5は、マウスAIB1遺伝子(pCIP)のイントロンとエキソンを示す表である。「 エキソン」なる欄はエキソンの数を指す。「cDNA bp 5'エキソン」は5'エキソン のマウスcDNA配列におけるヌクレオチドの位置を示す。「3'イントロンスプライ シング部位」とは、イントロン3'位の最後数個のヌクレオチドを示す。「エキソ ン配列」はエキソン自体を指す。「5'イントロン」は、エキソンからスプライシ ングドナーヌクレオチド(通常GT)へと読まれる隣接イントロンを指す。 図6は、ヒトAIB1遺伝子のイントロンとエキソンを示す表である。「エキソン 」の欄はエキソンの数を指す。「cDNA bp 5'エキソン」は5'エキソンのマウスcD NA配列におけるヌクレオチドの位置を示す。「3'イントロンスプライシング部位 」とは、イントロン3'位の最後の数個のヌクレオチドを示す。「エキソン配列」 はエキソン自体を指す。「5'イントロン」は、エキソンからスプライシングドナ ーヌクレオチド(通常GT)へと読まれる隣接イントロンを指す。 詳細な説明 本発明は、乳癌で過剰発現される、乳癌-1(AIB1)で増幅された新規遺伝子の発 見に基づく。AIB1は、ステロイドホルモン受容体ファミリーのコアクチベーター にその構造的特徴を有する。ステロイドホルモンエストロゲンおよびその他関連 ステロイドホルモンは、特異的なステロイド受容体により細胞に作用する。 転写コアクチベーターのステロイド受容体コアクチベーター(steroid recepto 転写コアクチベーターのステロイド受容体コアクチベーター(steroid recepto r coactivator:SRC)ファミリーに属するものは核ホルモン受容体と相互作用して リガンド依存転写を高める。AIB1は、乳癌で過剰発現されることが判明している SRCファミリーの新規なメンバーである。AIB1遺伝子はヒト染色体の20qに位置し ている。いくつかのエストロゲン受容体(estrogen receptor:ER)陽性の乳癌およ び卵巣癌細胞系ならびに非培養乳癌試料で高レベルのAIB1増幅と過剰発現が観察 された。AIB1増幅は乳癌だけに限られるのでなく、肺、卵巣、頭首、結腸、睾丸 、膀胱、前立腺、子宮内膜、腎臓および胃の癌、さらには褐色細胞腫、黒色腫、 腺管癌およびカルチロイドにも見出される。 AIB1を細胞にトランスフェクションすると、エストログン依存転写が顕著に高 まった。これらの観察から、ER(エストロゲン受容体α(ERα)およびエストロゲ ン受容体β(ERβ)を含む)、アンドロゲン受容体(例えば、前立腺細胞で発現され る)、レチノイド受容体(例えば、アイソフォームα、γおよびレチノイドX受容 体(RXR))、プロゲステロン受容体(例えば、乳癌で発現される)、ミネラルコルチ コイド受容体(塩代謝異常に関連)、ビタミンD受容体(カルシウム代謝異常に関連 )、甲状腺ホルモン受容体(例えば、甲状腺ホルモン受容体α)またはグルココルチ コイド受容体(例えば、脾臓および胸腺細胞で発現される)のようなステロイドホ ルモン受容体のコアクチベーターとして機能することが示された。AIB1の発現の 変化は、ステロイド受容体の転写活性を高めることによって、ステロイドホルモ ン応答性の癌を開始させ進行させる一因となる。 AIB1をコードするポリヌクレオチド(もしくはその相補体)を含む実質的に純粋 なDNAが請求される。「実質的に純粋なDNA」とは、本発明のDNAが由来する生物 の天然ゲノムにおいてAIB1遺伝子に隣接する遺伝子をもたないDNAを意味する。 従ってこの用語は、例えば、ベクターに、自律複製プラスミドもしくはウイルス に、または、自然の部位以外のサイトにおける原核もしくは真核生物のゲノムDN Aに組み込まれている組換えDNA;または、他の配列とは独立して別の分子(例え ば、cDNAまたは、PCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ分解によって得られるゲ ノムもしくはcDNA断片)として存在する組換えDNAを含む。この用語はまた、付加 的なポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNA も含む。好 ましくは、ポリペプチドは、下記Per/Arnt/Sim(PAS)ドメイン: および/または、下記の塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)ドメイン : を含む。さらに好ましくは、AIB1ポリペプチドは、天然の全AIB1タンパク質のア ミノ酸配列(図1:配列番号:4)を含む。好ましくは、ペプチドはAIB1のER相互作 用ドメインを含む(例えば、アミノ酸約300〜1250個を有するドメイン:実質的に精製されたAIB1をコードするDNAを含む細胞も本発明の範囲に属するも のである。 本発明はまた、高いストリンジェンシーで、配列番号:1の配列をもつAIB1 cD NAまたはその相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドを含有する実質的に 純粋なDNA、および、配列番号:1と少なくとも50%(例えば、少なくとも75%、90% 、95%もしくは98〜100%)の配列同一性をもつヌクレオチドを含有する実質的に純 粋なDNAを含む。ただし、そのヌクレオチド配列はAIB1ポリペプチドの生物活性 をもつポリペプチドをコードするものである。「生物活性」とはステロイド受容 体コアクチベーター活性を意味する。例えば、天然のAIB1をコードする配列(配 列番号:1)の対立遺伝子変異は本発明に包含される。配列の同一性は、BLAST配 列解析ソフトウェア、例えば、デフォルトパラメーターにセットするNCBIギャッ プBLAST 2.0プログラムを用いて、核酸2個の塩基配列を対比することによって決 定することができる。このソフトウェアは国立バイオテクノロジー情報センター (National Center for Biotechnology Information:www.ncbi.nlm,nih.gov/BLA ST)から入手することができる。 ハイブリダイゼーションはAusubelら、Current Protocols in Molecular Biol ogy,John Wiley & Sons(1989)に記載されているような標準的方法を用いて行わ れる。「高ストリンジェンシー」とは、高温かつ低塩濃度で特徴づけられるDNA ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件をさす。例えば、約0.1 X SSCの塩濃度 、65℃で洗浄する条件である。「低」から「中程度」のストリンジェンシーとは 、低温および高塩濃度で特徴づけられるDNAハイブリダイゼーションおよび洗浄 条件をいう。例えば、少なくとも1.0 X SSCの塩濃度、60℃以下で洗浄する条件 である。例えば、高ストリンジェンシー条件は、約42℃でのハイブリダイゼーシ ョンおよび約50%ホルムアミドの条件;最初の洗浄を約65℃、約2X SSC、1% SDS で行い;次いで第二の洗浄を約65℃、約0.1% x SSCで行う条件であることができ る。AIB1遺伝子に約50%の配列同一性をもつDNA配列の検出に適当な低ストリンジ ェンシー条件は、例えば、ホルムアミドの非存在下で、約42℃でハイブリダイゼ ーションを行い;最初の洗浄を約42℃、約6X SSC、約1% SDSで行い;そして第二 の洗浄を約50℃、約6X SSC、約1% SDSで行うことによって検出される。 (a)配列番号:1の配列または(b)その縮重変異体を含む実質的に純粋なDNAも 本発明に包含される。AIB1をコードするDNAは、好ましくは、ポリペプチド発現 のための調節配列(例えば、プロモーターを含む)と機能的に結合されている。 「機能的に結合されている」とは、適当な分子(例えば、転写アクチベーター タンパク質)が調節配列(一または複数)と結合している場合に遺伝子を発現させ るような方法で、コード配列と調節配列(一または複数)とが連結されていること を意 味する。 本発明はまた、実質的に純粋なヒトAIB1ポリペプチドまたはその断片も包含す る。AIB1断片は、アミノ酸配列の配列番号:8をもつような、ER相互作用ドメイ ンを含んでいてもよい。あるいは、その断片はアミノ酸配列の配列番号:2、3も しくは4を含んでいてもよい。 エストロゲン依存転写、AIB1発現またはAIB1/ER相互作用(および結果としての ステロイドホルモン応答性癌細胞の増殖)を阻害する候補化合物を同定するスク リーニング法は本発明の範囲に含まれる。例えば、ER依存転写を阻害する候補化 合物の同定法は、その化合物をAIB1ポリペプチドと接触させ、該化合物がそのポ リペプチドと結合するかどうかを決定することにより行われる。その化合物とポ リペプチドが結合するということは、化合物がER依存転写を阻害し、次にステロ イドホルモン応答性癌細胞の増殖を阻害することを示す。AIB1ポリペプチドはPA SドメインもしくはbHLHドメインを含むことが好ましい。あるいは、スクリーニ ング方法は、候補化合物をAIB1ポリペプチドおよびERポリペプチドと接触させ、 その化合物がERポリペプチドとAIB1ポリペプチドとの結合を妨げることができる かどうかを決定することによっても行われる。AIB1/ER相互作用を妨げる化合物 はER依存転写を阻害する。 細胞においてAIB1ポリペプチドとERポリペプチドとの相互作用を阻害する候補 化合物のスクリーニング法は、以下の段階、すなわち、 (a)リポーター遺伝子に連結されたGAL4結合部位を提供する段階; (b)(i)AIB1ポリペプチドまたは(ii)ERポリペプチドのいずれかに連結されたGA L4結合ドメインを提供する段階; (c)GAL4結合ドメインがAIB1ポリペプチドに結合している場合にはERポリペプ チドと結合し、またはGAL4結合ドメインがERポリペプチドに結合している場合に はAIB1ポリペプチドと結合するGAL4転写活性ドメイン11を提供する段階; (d)前記細胞を前記化合物と接触させる段階;および (e)前記リポーター遺伝子の発現をモニターする段階を含む。当該化合物の非 存在下における発現に比べ、化合物存在下の発現が減少する場合、その化合物が AIB1ポリペプチドと前記ERポリペプチドとの相互作用を阻害することを示す。 異常に増殖する細胞、例えば、乳癌細胞、卵巣癌細胞もしくは前立腺癌細胞の ようなステロイドホルモン応答性癌細胞を同定する診断方法もまた本発明に包含 される。例えば、組織試料において異常増殖細胞を検出する方法は、試料中のAI B1遺伝子発現レベルを測定することによって行われる。正常対照組織における遺 伝子発現と比べて遺伝子発現レベルが増加することは、異常増殖細胞の存在を示 す。AIB1遺伝子発現は、AIB1 mRNA転写産物を検出する、例えば、ノーザンアッ セイ法もしくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく反応において、AIB1遺伝子 特異的ポリヌクレオチドプローブを用いて測定される。AIB1遺伝子発現は、例え ば、免疫組織化学またはウェスタンブロット法により、AIB1遺伝子産物に特異的 な抗体を用いて測定することもできる。 組織試料中の異常増殖細胞、例えば癌細胞は、その組織におけるAIB1遺伝子の 細胞コピー数を測定することによって検出することができる。患者由来の組織細 胞において遺伝子のコピー数が正常な対照組織の数と比べて増えていることは、 癌の存在を示す。2(正常な二倍体コピー数)を超えるコピー数は異常増殖細胞の 指標である。コピー数は好ましくは二倍体ゲノム当たり5コピーよりも多く、よ り好ましくは10コピーであり、さらに好ましくは20を超えるコピー、そして最も 好ましくは25を超えるコピー数である。正常な二倍体コピー数に比べてコピー数 が増加していることは、その組織試料が異常増殖性ステロイドホルモン応答癌細 胞を含んでいることを示す。AIB1のコピー数は、蛍光インサイチューハイブリッ ド形成法(FISH)、サザンハイブリッド形成法、およびその他当技術分野に周知の 方法によって測定される(Kallioniemi et al.,PNAS 91:2156-2160(1994);Guan et al.,Nature Genetics 8:155-161(1994);Tanner et al.,Clin.Cancer Res .1:1455-1461(1995);Guan et al.,Cancer Res.56:3446-3450(August 1996); 油zick et al.,Science 277:965-968(August 1997))。 異常増殖細胞はAIB1のポリグルタミン域における遺伝子多型性、例えば、AIB1 のコアクチベーター活性を変更するこのドメインサイズにおける変異によって同 定することもできる。 本発明はまた、哺乳動物、例えば、ヒト患者を治療する方法も包含する。例え ば、哺乳動物においてステロイドホルモン応答性癌細胞、例えば、エストロゲン 応答性乳癌細胞の増殖を減少させる方法は、哺乳動物にAIB1の発現を阻害する化 合物を投与することによって行われる。その化合物は、細胞においてAIB1をコー ドするDNAの転写を減少させる。あるいは、本化合物は細胞においてAIB1 mRNAの AIB1遺伝子産物への翻訳を減少させる。例えば、AIB1 mRNAのAIB1遺伝子産物へ の翻訳は、mRNAをAIB1 mRNAに相補的なアンチセンスポリヌクレオチドと接触さ せることによって阻害される。 哺乳動物の乳癌においてER依存転写を阻害する方法は、AIB1ポリペプチドまた はそのペプチド擬似体の有効量を哺乳動物に投与することにより実施される。ポ リペプチドはAIB1/ER相互作用を阻害するのが好ましく、より好ましくは、ポリ ペプチドはER相互作用ドメイン;PASドメインまたはAIB1のbHLHドメインを含ん でいる。そのようなポリペプチドはERに結合することによってAIB1がERに結合す るのを阻害し、それによりER依存転写を阻害する。 本発明はまた、特異的にAIB1と結合する抗体、例えば、モノクローナル抗体や ポリクローナル抗血清も包含する。本発明において使用される「抗体」という用 語は、抗体全体ならびにそのフラグメント、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、およ びAIB1エピトープと結合するFvを含む。これらの抗休フラグメントは以下のよう に定義される: (1) Fab:完全な抗体のパパイン酵素消化により得られた抗体分子の一価抗原 結合断片を含むフラグメントであって、完全な軽鎖と一本の重鎖の一部とを生じ るフラグメント; (2) Fab':ペプシンで完全な抗体を処理し、続いて還元することにより得られ る抗体分子のフラグメントであって、完全な軽鎖と重鎖の一部とを生じるフラグ メント;一つの抗体分子につき、二つのFab'フラグメントが得られる; (3) (Fab')2:完全な抗体をペプシン酵素で処理し次の還元を行わずに得られ る抗体のフラグメント;F(ab')2:二つのジスルフィド結合により、二つのFab' フラグメントが一つに結合された二量体; (4) Fv:2つの鎖として発現される軽鎖の可変領域と重鎖の可変領域とを含む 遺伝的に操作されたフラグメント;および (5) 単鎖抗体(「SCA」):軽鎖の可変領域と重鎖の可変領域とを含む遺伝的 に 操作された分子であって、遺伝的に融合された単鎖分子として適当なポリペプチ ドリンカーに結合されている分子。これらのフラグメントの製造方法は慣習的な ものである。 タモキシフェン感受性患者(腫瘍増殖速度を減少させるタモキシフェン療法に 応答しやすい患者)を同定する方法も本発明に包含される。本方法は、(a)患者由 来の組織試料をタモキシフェンと接触させる段階、および(b)試料中のAIB1遺伝 子発現または増幅のレベルを測定する段階を含む。正常な対照組織中の細胞コピ ー数レベルに比べて発現レベルまたは遺伝子コピー数が増加していれば、その患 者がタモキシフエン感受性であることを示す。 AIB1遺伝子発現は、例えば、AIB1 mRNA転写産物を検出するノーザンブロット 法もしくはPCRに基づくアッセイ法、または、前記遺伝子の増幅(AIB1遺伝子発現 に直接相関する)を検出するサザンブロット法もしくはFISH法において、AIB1遺 伝子特異的ポリヌクレオチドプローブを用いて測定する。あるいは、例えば、AI B1に特異的な抗体を用いて、AIB1遺伝子産物を検出することにより、AIB1遺伝子 発現を測定する。 例えば、AIB1をコードするDNAの複数コピーをもつために、AIB1遺伝子産物を 過剰発現するマウスなどのトランスジェニック哺乳動物も本発明に包含される。 本明細書に用いる「トランスジェニック」とは、トランスジーン、すなわち、 人工的に胚に挿入された後その胚から発生する哺乳動物のゲノムの一部となるDN A配列を有する哺乳動物を意味する。トランスジェニック法によって作ることが できる非ヒト哺乳動物は本発明に包含される。好ましい哺乳動物としては、マウ ス、ラット、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、モルモット、ハムスターおよ びウマが含まれる。 「トランスジーン」とは、トランスジェニック哺乳動物に対して一部または全 部が異種(すなわち、外来)である、またはトランスジェニック哺乳動物の内因性 遺伝子に対するDNA相同体であるが、天然遺伝子のそれとは異なる位置でその哺 乳動物のゲノムに挿入されているDNAを意味する。 本発明はまた、ノックアウト変異体、例えば、ノックアウトマウスであってゲ ノムから欠失されたAIB1遺伝子(マウスではpCIP遺伝子ともいう)の少なくとも1 個 のコピーをもっていたことがあるマウスなどのノックアウト変異体も包含する。 そのようなノックアウト変異体は、例えば、その表現型によってAIB1の生理的役 割が洞察できる研究に有用であろう。そのようなノックアウト変異体を用いる相 補性実験は、変異体においてAIB1を欠如させ野生型の表現型を復帰させるその他 の遺伝子やタンパク質を同定するのに用いることができる。 本発明はまた、変異体、例えば、正常数より多いAIB1(pCIP)遺伝子コピーを含 むマウスのごとき哺乳動物も包含する。その場合、遺伝子コピーは例えば、プロ ウイルスとして染色体に組み込まれるか、もしくはプラスミドのような染色体外 領域に組み込まれる。 本発明はまた、変異体、例えば、マウス哺乳動物腫瘍ウイルス(MMTV)プロモー ターなどの構成性もしくは誘導性プロモーターのような内因性でないプロモータ ーによって駆動されるAIB1(pCIP)遺伝子を含有するマウスも包含する。 本発明はさらに、癌の成長がp300および/またはCBPに関係する信号経路の変更 にかかわる癌の治療法を包含する。例えば、AIB1(pCIP)を、AIB1に結合しAIB1と p300との相互作用を阻害する分子と接触させ、それによって上記経路の信号化を 妨げ、かつ、その転写がこの経路によって積極的に調節される分子の転写を減少 させ、そうして腫瘍の成長を減じることができる。実施例1:AIB1のクローニングおよび発現 A. AIB1のクローニング 染色体の微少細切およびハイブリッド選択法を用いて、分子細胞遺伝学によっ て同定された乳癌細胞におけるDNA増幅反復部位の1つである染色体20qにあるプ ローブとクローン遺伝子配列を分離した(Kallioniemi et al.,PNAS 91:2156-21 60(1994);Guan et al.,Nature Genetics 8:155-161(1994);Tanner et al.,Cli n.Cancer Res.1:1455-1461(1995);Guan et al.,Cancer Res.56:3446-3450(A ugust 1996);Anzick et al.,Science 277:965-968(August 1997))。AIB1は核受 容体(NR)コアクチベーターのSRC-1ファミリーの一損である。AIB1はER依存転写 を高める機能をもつ。SRC-1およびその密接に関連するTIF2は、NRに対するアフ ィニティをもつステロイド受容体コアクチベーターである。ヒトAIB1のマウスオ ルソログはpCIPと呼ばれる。本願において、明確に断らない限り、pCIPとAIB1と は 同義語として使用する。 AIB1を特性化するため、全長cDNAをクローニングしシークエンシングした。AI B1特異的プライマーN8F1(5'-TCATCACTTCCGACAACAGAGG-3';配列番号:5)をビオ チン化し、GENETRAPPER cDNA Positive Selection System(Gibco,BRL)を用いて 、ヒト肺cDNAライブラリー(Gibco,BRL)からcDNAクローンを得るのに使用した。 配列解析用として、pCMVSPORT-B11と表示される最大のクローン(5.8kb)を選択し た。全長AIB1コードDNAを得るため、バクテリオファージλ-Zap(Strategene)にB T-474からランダムプライムライブラリーを構築し、pCMVSPORT-B11の5'配列から デザインしたプライマー、PM-U2(5'-CCAGAAACGTCACTATCAAG-3'、フォワードプラ イマー;配列番号:6)およびB11-11RA(5'-TTACTGGAACCCCCATACC-3'、リバースプ ライマー;配列番号:7)を用いて、ヒト脾臓cDNAライブラリーから増幅された37 2 bp 32P標識PCR産物とハイブリダイズさせた。陽性クローン19個のプラスミド レスキューにより、pCMVSPORT-B11とオーバーラップし、かつコード領域の5'末 端を含むクローン、pBluescript-R22を得た。全長AIB1クローンを生成するため 、pBluescript-R22のHindIII/XhoI部位にpCMVSP0RT-B11の4.85kb HindIII/XhoI フラグメントをサブクローニングした。次に全コード領域をもつ全長クローンの 4.84kbNotl/NheIフラグメントを、pcDNA3.1-AIB1を生成する発現ベクターpcDNA3 .1(Invitrogen)のNotI/XbaI部位にサブクローニングした。 クローニングしたDNA配列(配列番号:1)は、推定分子量155kDaをもつアミノ酸 1420個のタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(下線を付した 「ATG」から開始する)を明らかにした(図1A)。BLASTPをもつデータベース探索 により、TIF2を有するAIB1(45%タンパク質同一)およびSRC-1(33%タンパク質同一 )とが類似することが分かった。TIF2およびSRC-1と同様に、AIB1は、PASドメイ ン、セリン/スレオニンに富む領域、そして荷電クラスターの前にbHLGドメイン を含んでいる(図1B)。SRC-1やTIF2とは違って、ポリグルタミン域を含むグルタ ミンに富む領域もある(図1B)。AIB1のポリグルタミン域は遺伝子多型性を受けや すい。このドメインのサイズを変更すれば、AIB1コアクチベーターの活性が変わ る。 B. AIB1の発現 いくつかのER陽性および陰性乳癌と卵巣癌細胞系においてAIB1の増幅と発現を 調べた。下記の実験に用いた樹立乳癌細胞系(例えば、図2参照)は、アメリカン ・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC):BT-474,MCF-7,T-47D,MDA-MB-36 1,MDA-MB-468,BT-20,MDA-MB-436およびMDA-MB-453;アリゾナ癌センター(ACC ):UACC-812;または国立癌研究所(NCI):ZR75-1から得られた。 AIB1遺伝子のコピー数はFISHにより測定した。FISH分析のため、間期の核をメ タノール:酢酸(3:1)に固定して顕微鏡スライドに滴下した。乳癌細胞系ZR75-1 、卵巣癌細胞系BG-1、2個の培養されていない乳癌試料で、AIB1増幅を検出した 。ZR75-1およびBG-1の中期染色体において、AIB1の染色体内増幅が明らかに識別 できた。多数のAIB1のコピーが隣接する中期の核において認められた。AIB1の染 色体外コピー(例えば、エピソームまたはDM染色体において)も検出されている。 スペクトラムオレンジ(Vysis)標識AIB1 P1プローブを、20q11(RMC20P037)のビオ チン化参照プローブまたは20p(RMC20C039)のフルオレセイン標識プローブとハイ ブリダイズした。 BT-474およびMCF-7で観察されたと同様、高レベルのAIB1増幅(20倍よりも大き い)が別の2つのER陽性細胞系、乳癌ZR75-1と卵巣癌BG-1(図2参照)で見られた。 中期FISH研究によって、乳癌における染色体20qの増幅は複雑であり、20q11、20 q12および20q13に由来するいくつかの異なる変異性の共増幅染色体セグメントが 関与していることが分かった。20q11および20q13の増幅領域のプローブは、ZR75 -1とBG-1における増幅を検出しなかった。これは、これらの細胞系においてAIB1 の増幅(20q12に位置する)が独立に生じたことを示唆している。 AIB1の増幅が患者の生検由来の非培養細胞でも起こるかどうかを調べるため、 AIB1増幅について乳癌試料を中期FISHによりスクリーニングした。分析した16試 料のうち2試料において、高いAIB1コピー数(細胞当たり25コピーまで)が検出さ れた。試験した腫瘍試料は両方とも閉経後の患者から得られたものであり、ER/P R陽性であった。その試料のうち1つは、次のタモキシフェン治療にも順調に反応 した患者の転移性腫瘍から得られた。 AIB1増幅細胞およびAIB1増幅のない細胞でAIB1発現についても調べ、ノーザン ブロット法によりER、SRC-1およびTIF2の発現と比較した。その増幅状況に従い 、AIB1はBT-474、MCF-7、ZR75-1およびBG-1で非常に過剰に発現した(図2)。AIB1 過 剰発現を示す4細胞系のうち3つの細胞系は顕著なER発現を示すが、一方他の2細 胞系はそれより低いが検出可能なER発現を示した(BT-474、BT-20)。図2はまた、 TIF2およびSRC-1の発現が試験された全細胞系において相対的に一定のままであ ることを示す。以上を総合すると、これらの観察は、AIB1増幅がAIB1遺伝子産物 のかなりの過剰発現を伴うことを示している。腫瘍において、上昇するAIB1発現 とER陽性との相関関係は、AIB1がエストロゲン信号経路の成分であり、その増幅 は癌の発症と進行中に選択されることを示すものである。 AIB1の発現がERリガンド依存トランス活性化を増加させるかどうかを測定する ため、一時的トランスフェクションアッセイ法が行われた。AIB1レベルを増加す ることによってER依存リポーターの転写に及ぼす効果を測定した。その結果によ れば、AIB1のコトランスフェクションはエストロゲン依存転写の用量依存性増加 をもたらした(図3)。この効果は、17βエストラジールをエストロゲン拮抗剤4- ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)と置換した場合、またはリポータープラスミ ドからエストロゲン応答エレメント(estrogen response element:ERE)を除いた 場合には観察されなかった(図3)。ERE非存在下であっても、高濃度のAIB1と共に 基本的な転写レベルのゆるやかな増加が観察された。これは、AIB1が内的トラン ス活性化機能をもつ可能性を示唆している。これらの結果は、密接に関連するTI F2およびSRC-1のように、AIB1がERのコアクチベーターとして機能することを示 している。実施例2.AIB1の特性化 A. AIB1の機能的ドメイン TIF-2、SRC-1およびAIB1は高度に保存されたN末端のbHLHおよびPASドメインに より特徴づけられる。PAS領域は哺乳動物の芳香族炭化水素受容体および芳香族 炭化水素受容体の核トランスポータータンパク質ならびにショウジョウバエ転写 因子simおよびperにおけるタンパク質二量体化インターフェイスとして機能する 。AIB1のPAS領域(配列番号:2)は、AIB1と他のタンパク質との結合を仲介するタ ンパク質相互作用ドメインとして機能する。しかしながら、PASドメインのない ステロイドホルモンアクチベーターは、核ステロイドホルモン受容体と相互作用 することができる。高度に保存されたbHLGドメイン(配列番号:3)は、転写機構 に対す るホルモン信号の伝達を仲介または調節するタンパク質の相互作用に関与する。 ER相互作用ドメイン(配列番号:8)は、AIB1とステロイドホルモン受容体タンパ ク質との結合を仲介する。 AIB1はまた、転写インテグレーターであるCREB結合タンパク質(CBP)およびp30 0とも相互作用を行う。これらの転写インテグレーターは、基本的な転写機構と 直接相互作用する。AIB1のCBP/p300受容体会合ドメインは、bHLH/PAS領域を包含 しない。 B. 遺伝子産物の精製 AIB1のアミノ酸配列を一部またはすべてコードする配列をもつDNAは、当分野 に公知の種々の方法を用いて、発現ベクターにサブクローニングすることができ る。その後、得られた組換えタンパク質は標準的な方法を用いて精製することが できる。例えば、組換えポリペプチドは大腸菌のような原核細胞で融合タンパク 質として発現させることができる。クローニングしたヒトcDNA配列は、マルトー ス結合タンパク質融合・精製系を用いて、マルトース結合タンパク質をコードす る遺伝子(malE)の下流およびインフレームに挿入する。malE融合タンパク質は大 腸菌で過剰発現され、容易に大量精製を行うこどができる。ヒトcDNA配列に好都 合な制限部位がない場合には、PCRを用いてcDNA断片の5'および3'末端にpMalEベ クターと適合する制限部位を導入し、そのcDNA断片をベクターに挿入することが できる。融合タンパク質の発現後、生成物はアフィニティクロマトグラフィによ って精製することができる。例えば、溶融タンパク質は、融合タンパク質のマル トース結合タンパク質部分がカラムに固定したアミラーゼに結合する能力により 、精製することができる。 タンパク質精製を促進するため、pMalEプラスミドは、cDNAがベクターに挿入 されている部位の上流にXa因子開裂部位を含む。従って、上記のように精製され た融合タンパク質は、Xa因子で開裂し、融合タンパク質のマルトース結合タンパ ク質部分を組換えヒトcDNA遺伝子産物から分離することができる。開裂生成物は さらにクロマトグラフィにかけて、マルトース結合タンパク質から組換えポリペ プチドを精製することができる。あるいは、所望の組換え遺伝子産物に特異的な 抗体を用いて、融合タンパク質および/または融合タンパク質から開裂された遺 伝子 産物を精製することができる。多数の同等な融合タンパク質発現システムが市販 されており、これらも同様に利用することができる。 AIB1ポリペプチドは、例えば酵母細胞などの真核細胞において、単独もしくは 融合タンパク質として発現することもできる。例えば、AIB1の機能的ドメイン、 例えばGAL4 DNA結合ドメインや、PASドメイン、bHLHドメインもしくはER相互作 用ドメインに融合した活性ドメインは、下記の酵母2ハイブリッド系のような標 準的方法を用いて、酵母細胞で発現することができる。あるいはまた、当分野に 周知の方法を用いて、例えば、以下に述べるリポフェクタミントランスフェクシ ョン手順を用い、AIB1ポリペプチドをコードするDNAをCOS-1細胞にトランスフェ クトし、タンパク質発現に適当な条件下その細胞を培養することによって、AIB1 ポリペプチドをCOS-1細胞で発現することができる。実施例3.AIB1の検出 A. AIB1をコードするヌクレオチドの検出 患者由来の細胞における遺伝子コピー数の測定は当技術分野に公知である。例 えば、癌由来の細胞系ならびに非培養乳癌細胞のAIB1増幅は、二色FISH分析を用 いて以下のように行った。BioPrime DNA Labeling System(Gibco BRL)を用い、A IB1含有ゲノムP1クローンをスペクトラムオレンジdUTP(Vysis)で標識した。20q1 1 P1クローンは、ニックトランスレーションを用いてビオチン−16-dUTP(BMB)で 標識した。CCDカメラを備えたツアイスのaxiophot顕微鏡とIP Lab Spectrumソフ トウェア(Signal Analytics)を使って、蛍光画像をとらえた。公知の方法(Kalli oniemi et al.,PNAS 91:2156-2160(1994);Guan et al,,Nature Genetics 8:15 5-161(1994);Tanner et al.,Clin.Cancer Res.1:1455-1461(1995);Guan et a l.,Cancer Res.56:3446-3450(August 1996);Anzick et al.,Science 277:965 -968(August 1997))を用いて、非培養乳癌試料の間期FISH分析を行った。あるい はまた、標準的なサザンハイブリッド形成法を用いて遺伝子増幅を評価すること ができる。例えば、サザン分析は、プローブとして、例えば上記20q11 P1クロー ン由来のゲノムAIB1 DNAの非反復性断片、または他のAIB1遺伝子含有ゲノムクロ ーンを用いて行われる。 遺伝子発現のレベルは、当分野に周知の方法、例えば、インサイチューハイブ リダイゼーション、ノーザンブロット分析、またはAIB1特異的なモノクローナル 抗体もしくはポリクローナル抗体を用いるウエスタンブロット分析を使用して測 定することができる。ノーサン分析を用いてAIB1遺伝子転写を測定した。例えば 、図2に示すデータは以下のようにして得られた。プローブ(写真左の指示通り、 ER、AIB1、TIF2、SRC-1よたはβアクチン)によりブロットを連続してハイブリダ イズした。AIB1の発現をER、TIF2およびSRC-1の発現と比較した。cDNAクローン は、Research Genetics[TIF2(クローン132364、GenBank寄託番号R25318);SRC-1 (クローン418064、GenBank寄託番号W90426)]、アメリカン・タイプ・カルチャー ・コレクション(pHEG0-hyg,ATCC番号79995)もしくはGlontech(βアクチン)から 得られた。AIB1プローブは、pCMVSP0RT-B11の2.2kb NotI/SacI断片であった。負 荷誤差用の対照としてβ-アクチンのプローブを使用した。これら関連遺伝子間 の交差ハイブリダイゼーションを回避し、かつ、信号強度をマッチさせるため、 AIB1、TIF2およびSRC-1の3'UTRからの類似サイズのプローブが用いられた。これ らのプローブはそれぞれ、さらに長く暴露した正常哺乳動物RNAにおいて信号を 検出した。標準的な方法により、全RNA 15μgの電気泳動、転移およびハイブリ ダイゼーションを行った。 B. AIB1遺伝子産物の検出 AIB1特異的抗体を生じる抗原として使用するAIB1ポリペプチドは、例えば、タ ンパク分解開裂、デノボ合成またはクローニングされたAIB1遺伝子またはその断 片からの組換えポリペプチドの発現など、当分野に公知の方法で作ることができ る。次に、ポリクローナル抗血清を生じさせモノクローナル抗体産生ハイブリド ーマ細胞系を作る標準方法(Coliganら編、Current Protocols in Immunology,1 992,Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience参照)を用いて、A IB1特異的抗体を作る。モノクローナル抗体を作るには、AIB1ポリペプチド、マ ウスから分離された抗体分泌B細胞および非分泌ミエローマ細胞融合パートナー で不死化したB細胞でマウスを免役する。ハイブリドーマは、次いでAIB1特異的 抗体を産生させるためスクリーニング・クローニングして、モノクローナル抗体 を産生する均一な細胞集団を得る。 ヒト患者に投与するには、当分野に公知の方法により、抗体、例えば、AIB1特 異的モノクローナル抗体をヒト化することができる。所望の結合特異性をもつ抗 体は商業ベースでヒト化することができる(Scotgene,Scotland;Oxford Molecul ar,Palo Alto,CA)。実施例4.AIB1関連細胞増幅性疾患の検出 A. 診断法と予後法 本発明は、細胞および/またはAIB1遺伝子産物の発現レベルにおいて、AIB1遺 伝子のコピー数を検出することにより、異常増殖細胞、例えば、乳癌細胞、卵巣 癌細胞、結腸癌細胞もしくは前立腺癌細胞のようなステロイドホルモン応答性癌 細胞を検出する方法を包含する。患者由来の組織試料におけるAIB1遺伝子増幅ま たは遺伝子発現を上記のように測定して、正常な非癌性細胞の増幅もしくは遺伝 子発現レベルと比較する。正常対照と比べて、患者由来の生検試料で検出される 増幅もしくは遺伝子発現レベルが増加していれば、それは罹患状態、すなわち、 ステロイドホルモン応答性癌が存在すると診断する。 哺乳動物の発癌に対してエストロゲン暴露が重要な意味をもち、かつ、乳癌治 療において抗エストロゲン治療が重要であることから、そのようなアッセイは、 前悪性乳癌病巣(例えば、インサイチュー腺管癌)において、また、ホルモン依存 性からホルモン非依存性腫瘍増殖へ進行する間、AIB1発現の変化頻度を測定する のにも有用である。 本発明の診断方法は、患者の予後およびステロイドホルモン応答性癌のエスト ロゲン応答状況を決定するのに有用である。 AIB1発現は、AIB1遺伝子産物をAIB1特異的なモノクローナル抗体もしくはポリ クローナル抗体剤で検出することによって、タンパク質レベルで測定することも できる。 B. タモキシフェン感受性の診断 ステロイドホルモン応答性癌におけるAIB1の、例えば、AIB1遺伝子増殖の結果 としての過剰発現は、その癌が抗内分泌性組成物、例えば、タモキシフェンで治 療可能かどうかを予測することができる。正常な(非癌性)組織と比べて患者由来 の組織試料におけるAIB1が増殖もしく過剰発現していれば、それは腫瘍が進行し ていることを示す。 ステロイドホルモン応答性癌においてAIB1が存在しない、例えば、AIB1遺伝子 の全部もしくはその一部を喪失しているが、ER陽性は維持している場合、それは 抗内分泌性治療、例えば、タモキシフェンなどの抗エストロゲン組成物投与は効 かないかほとんど効果がないことが予測できる。癌細胞でAIB1の発現がないこと はER信号伝達経路の遮断を示す可能性がある以上、そのような癌を治療するのに エストロゲン療法は無効であろう。この方法で同定された患者(そうでなければ 抗エストロゲン剤で治療される)は、代替療法によって治療することになるであ ろう。 再発乳癌においてエストロゲン受容体が失われることも、内分泌療法に対する 応答の少なさを伴う。ホルモン受容体陽性の原発性乳癌から転移した30%〜40%ま では内分泌療法に応答しない。原発性腫瘍と再発腫瘍間のホルモン受容体状態変 化の頻度、および、そのような変化によって内分泌療法に対する不応答性が説明 できるかどうかを調べた。アジュバント治療を受けていない患者50名からの原発 性乳癌試料と、マッチした非同時性再発を調べた。組織学的に代表的なホルマリ ン固定パラフィン埋め込み腫瘍試料から、免疫組織化学的にERおよびプロゲステ ロン受容体(PR)状態を測定した。ERの状態はmRNAインサイチューハイブリダイゼ ーションによって確認した。原発性腫瘍50個中35腫瘍(70%)がER陽性であり、30 腫瘍(60%)はPR陽性であった。再発腫瘍のホルモン受容体状態は、18例(36%)にお いて原発性腫瘍のそれとは異なっていた。不一致の症例はERがないこと(n=6)、P Rがないこと(n=6)、または両方の受容体がないこと(n=6)によるものであった。 受容体陰性の原発性腫瘍は、常に受容体陰性再発を随伴した。ER陽性の原発性腫 瘍をもつ患者27名のうち、ERが(P=.0085)であった。ER発現のない患者8名のうち 1名(12.5%)だけがタモキシフェン治療に反応したのに対し、再発腫瘍がER発現を 保持する患者では、応答率は74%(19例中14例)であった。再発乳癌においてER発 現が失われていることは、原発性ER陽性患者が内分泌療法に対して少ない反応を 示すであろうと予測される。ER発現および/またはAIB1発現(もしくは遺伝子のコ ピー数)の評価は、ステロイド応答性癌に最も効果的なアプローチを決定するの に有用である。実施例5.候補化合物のスクリーニング A. インビトロアッセイ 本発明は、AIB1とERとの相互作用を阻害し、それによって異常な細胞増殖をも たらすエストロゲン依存性転写を減少させる化合物を同定するスクリーニング方 法を包含する。転写アッセイは、候補化合物の存在トおよび非存在下で行う。候 補化合物の非存在下のそれと比較して、化合物存在下の転写が減少していれば、 それは、その化合物がAIB1/ERの相互作用をブロックし、エストロゲン依存性転 写を阻害することを示す。 エストロゲン依存性転写に及ぼすAIB1の効果を測定するには、ERリポータープ ラスミドを使用することができる。本明細書に記載の転写アッセイは下記のよう に行われた。10%炭でストリッピングした胎児ウシ血清添加フェノールレッド不 含DMEM培地でCOS-1細胞を増殖維持した。ウエル当たり1.5 x 105個の細胞を6ウ エル培養皿で平板培養し一昼夜増殖させた。ERリポータープラスミドによる細胞 のトランスフェクションは、リポフェクタミン(Gibco,BRL)を用い、メーカーの 指示書に従って行った。トランスフェクション効率の内部対照として、3ngのpRL -CMVを使用した。トランスフェクションの234時間後、リガンドもしくはエタノ ール担体を加え、トランスフェクション48時間後に細胞ライセートを回収した。 リポーター活性は、Dual-Luciferase Reporter Assay System(Promega)を用いて 測定し、その結果を相対発光単位(RLU:ルシフェラーゼ/レニラルシフェラーゼ) で表した。pRL-CMVおよびpGL3プロモーターはPromegaから入手した。pHEGO-hyg はATCCから入手した。ERリポーターpGL3.luc.3EREはルシフェラーゼ遺伝子を動 かすSV40プロモーターからERE上流のタンデムコピー3個を含んでいる。標準の哺 乳動物発現ベクターを利用した。pcDNA3.1-AIB1希釈液それそれにエンプティpcD NA3ベクターを加えて、プラスミドDNAの一定量を維持した。 AIB1とERとの相互作用を阻害する化合物もまた、標準共沈アッセイ法を用いて 同定される。AIB1/ER共沈アッセイ法は以下のように行われる。AIB1ポリペプチ ドとERポリペプチドとを一緒にインキュベートし複合体生成を行う。ポリペプチ ドのうちの1つは、融合タンパク質、例えば、GST-AIB1であり、もう一方は検出 可能な標識、例えば、32P標識ERとするのが典型的である。インキュベーション 後、例えば、グルタチオン-セファロースビーズを用いて、複合体を沈澱させる 。ビーズを 洗浄し、ガラス繊維フィルターでろ過して回収する。共沈した32P標識量を定量 する。候補化合物非存在下の標識量と比べて、候補化合物存在下の共沈標識量が 減少している場合には、その化合物がAIB1/ER相互作用を阻害することを示す。 あるいはまた、標準的なin vitro結合アッセイ法も使用することができる。例 えば、AIB1などのポリペプチド1個を固体支持体に結合して、第二のポリペプチ ド、例えば、ERと接触させることができる。次いで、固体支持体に保持される第 二のポリペプチド量を測定する。候補化合物の非存在下における第二ポリペプチ ド量にくらべて、候補化合物存在下で保持される(第二)ポリペプチドの量が減少 すれば、その化合物がAIB1/ER相互作用を阻害することを示す。カラムクロマト グラフィおよびポリペプチドの共沈方法は当技術分野に周知である。 AIB1/ER相互作用の評価、および相互作用をブロックするかまたは減少させる 化合物の同定は、酵母のツーハイブリッド発現系を用いて、インビボで行うこと もできる。ツーハイブリッド発現系では、目的とするタンパク質またはポリペプ チド2種を密接に相互作用させるか互いに結合させると、転写アクチベーターの 活性を再構成することができる。 酵母GAL4タンパク質は、機能的に識別できるドメイン(複数)を含む。1ドメイ ンはDNA結合を生じ、他方は転写活性を生じる。ツーハイブリッド発現系では、 二種のハイブリッドタンパク質をコードするプラスミド、すなわち、第一のタン パク質、例えば、AIB1に融合したGAL4 DNA結合ドメインを含む第一の融合タンパ ク質、そして、第二のタンパク質、例えば、ERに融合したGAL4活性化ドメインを 含む第二の融合タンパク質が酵母に導入される。上記二種のタンパク質が互いに 相互作用することができる場合、GAL1(UASG)からの活性化配列の上流にGAL4結合 部位を含むプロモーターからの転写を活性化する能力が復元されて、リポーター 遺伝子の発現を生じる。候補化合物がない場合のリポーター遺伝子発現とくらべ 、化合物存在下のリポーター遺伝子発現が減少している場合、それは、該化合物 がAIB1/ER相互作用を減少させることを示す。 AIB1転写を調節するDNA結合タンパク質を同定する方法は以下のように実施す ることができる:シス作用領域を含むDNAは、アガロースやアクリルアミドのよ うなポリマー性ビーズに固定化することができる。細胞ライセートのようなタン パク 質混合物をDNAと接触結合させる。結合しないタンパク質を除去した後、特異的 に結合したタンパク質を、固定化された配列と同一であってもよい競合DNA配列 で溶出する。DNA調節領域に対するタンパク質の特異的結合は、そのタンパク質 がAIB1転写を調節できることを示す。同定されたトランス作用因子の機能的活性 は、AIB1の転写開始点に対しシス作用調節遺伝子5'をもつリポーター遺伝子の転 写レベルを測定するなどの適当な機能アッセイにより確認することができる。 AIB1転写レベルを減少する化合物の同定方法は、候補化合物の存在下もしくは 非存在下、固定化されたAIB1由来のシス作用調節領域をトランス作用調節因子と 接触させることによって実施することができる。トランス作用因子の特異的結合 における、そのDNA標的に対する検出可能な変化、例えば、減少は、その候補化 合物がAIB1転写を阻害することを示す。 ERとの相互作用に加え、AIB1は転写インテグレーターであるCBPおよびp300と も相互作用を行う。CBPおよびp300は、細胞中基本的な転写機構に関与する。従 って、AIB1による信号伝達を阻害するもう一つのアプローチは、AIB1とCBPおよ び/またはp300との相互作用形成を妨げるか、または相互作用を遮断することで ある。信号伝達(および従って細胞増殖)を阻害する化合物は、候補化合物の存在 下または非存在下、AIB1(もしくはCBPおよびp300と相互作用するその断片)をCBP もしくはp300(AIB1と相互作用するドメイン、例えばC末端断片を含むその断片) と接触させることにより同定することができる。例えば、ステロイド受容体コア クチベーター相互作用に関係するCBPのC末端断片は、CBPのQに富む領域に105個 のアミノ酸をもっている(Kamei et al.,1996,Cell 85:403-414;Yao et al.,1 996,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:10626-10631;Hanstein et al.,1996,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 93:11540-11545)。候補化合物が存在しない場合の相 互作用に比べて、候補化合物存在下におけるAIB1とCBPもしくはp300との相互作 用が減少する場合には、その化合物がAIB1とこれらの転写インテグレーターとの 相互作用を阻害し、結果としてAIB1仲介信号伝達を阻害し、DNA転写および細胞 増殖をもたらすことを示す。AIB1と転写インテグレーターとの相互作用を阻害す る化合物は、共沈アッセイ法および上記の酵母ツーハイブリッド発現系を用いて 同定することもできる。 B. インビボアッセイ法 トランスジェニックマウスは、標準的な方法、例えば、Lederらの米国特許第4 ,736,866号(参照として本明細書に組み入れる)、またはHoganら(1986)「Man ipulating the Mouse Embryo.(Cold Spring Harbor Laboratory,NewYork)」に よって作られる。 簡単に説明すると、機能し得る形でAIB1コードcDNAに連結されたプロモーター を含むベクターをネズミ接合体、例えば、C57BL/6J X DBA/2F2接合体に注入する 。トランスジーンをネズミゲノムDNAに組み込む際は、分子生物学の分野で周知 の方法を用いてモニターされる。周知方法としては、例えば、AIB1トランスジー ン構築物に含まれる遺伝子の3'領域に相補的なプローブをもつドットブロットテ イルDNA法がある。こうしてトランスジーンをもつことが確認されたマウスは、 以後ファウンダーとして使用することができる。動物系は、ファンダーをC57BL/ 6Jマウスと交配することによって創られる(The Jackson Laboratory,Bar Harbo r,ME)。AIB1ランスジェニックマウスは、例えば、腫瘍成長減少もしくは転移に より測定されたものとしての、異常増殖細胞を阻害する化合物のインビボ同定に よって、候補化合物をスクリーニングするのに使用することができる。AIB1トラ ンスジェニックマウスは、ステロイドホルモン受容体依存性癌に関連するその他 の遺伝子を同定し、AIB1を過剰発現するマウス細胞系を樹立するのにも有用であ る。AIB1過剰発現細胞系は、例えば、AIB1とリガンドとの相互作用をブロックす ることによって、AIB1機能を妨げる化合物をスクリーニングするのに有用である 。実施例6.AIB1療法 以上述べたように、AIB1は転写コアクチベーターであるSRC-1ファミリーの新 規な一員である。ER陽性の乳癌および卵巣癌細胞および乳癌生検でAIB1が増幅し 過剰発現することは、エストロゲン応答経路の重要な成分としてこのタンパク質 を示唆している。AIB1の過剰発現は、ER依存性転写活性の増加をもたらし、これ は、エストロゲン依存性癌の発生・進行中、AIB1増幅をもつクローンの増殖利益 を与えるものである。 AIB1遺伝子産物とステロイドホルモン受容体、例えば、ERとの相互作用を阻害 するかまたは遮断する化合物は、乳癌や卵巣癌、前立腺癌および結腸癌などのス テロイドホルモン応答性癌に罹患した患者を治療する抗新生物剤として有用であ る。同様に、AIB1とp300および/またはCBPとの相互作用を遮断する化合物はまた 抗新生物剤としても有用である。 AIB1ポリペプチドもしくはそのようなポリペプチドのペプチド擬似体、例えば 、ステロイドホルモン受容体と相互作用するドメインをもつものを、患者に投与 して、異常増殖細胞における内分泌性細胞内AIB1とステロイドホルモン受容体、 例えば、ERとの相互作用をブロックすることができる。類似体はペプチドにコン サーバティブなアミノ酸置換を導入することによって作ることができる。新旧の アミノ酸が同様の疎水性もしくは親水性を互いに共有し、または、同様に酸性、 塩基性もしくは中性である以上、ある種のアミノ酸置換は保存的置換である(Str yer「Biochemistry」1975,Ch.2 Freeman and Company,New York)。保存的置換 は、一つのアミノ酸を、サイズや疎水性などが類似する他のアミノ酸で置き換え るものである。保存的置換の例を下記表に示す(表1)。 コードされたタンパク質の機能的および免疫学的同一性を保存するため、アミ ノ酸の変化を生じるcDNA配列の変動は、保存的であろうとなかろうと、最小限で なければならない。 治療上投与される組成物は、一またはそれ以上のペプチド結合が、ペプチダー ゼによる分解を受け難い共有結合の代替タイプで置換されているポリペプチド擬 似体を含む。ペプチドのタンパク分解後被験者に注入することが問題である場合 には、特に感受性のペプチド結合を非開裂性のペプチド擬似体で置換すれば、さ らに安定な、従ってさらに有用な治療ペプチドが得られる。そのような類縁体お よびそれをポリペプチドに組み込む方法は、当技術分野に周知である。同様に、 L−アミノ酸残基をD−アミノ酸残基で置き換えることは、タンパク分解に対して ポリペプチドの感受性を低下させる標準的な方法である。また、t-ブチルオキシ カルボニル、アセチル、テイル、サクシニル、メトキシサクシニル、スベリル、 アジピル、アゼライル、ダンシル、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルメ トキシカルボニル、メトキシアゼライル、メトキシアジピル、メトキシスベリル および2,4-ジニトロフェニルなどのアミノ末端ブロッキング基もまた有用である 。 AIB1ポリペプチドまたは関連ペプチド擬似体は、生理食塩水のような薬学的に 許容される担体に入れて患者に静注投与することができる。ペプチド擬似体の標 準的な細胞内デリバリー法、例えば、リポソーム中に保持させて使用することが できる。そのような方法は、当業者に周知である。本発明のポリペプチドは、体 重1kg当たり1日約100μモルを静注投与するものと期待される。本発明の組成物 は、静注、皮下注、筋注および腹腔内注などの非経口投与に有用である。 本発明の治療組成物は、本発明の化合物を放出する外科的移植片を使用して投 与することもできる。これらの機構は標的組織、例えば、固型腫瘍中に容易に移 植することができる。これらは機械的であっても受動的であってもよい。ポンプ などの機械的な機構は受動的装置として(例えば、治療組成を含有するポリマー マトリックスを含む;これらのポリマーは徐々に溶解もしくは分解して化合物を 放出する、または多孔性であり小孔を通って放出させる)当業界に周知である。 アンチセンス治療法では、AIB1 mRNA転写産物に相補性のDNA配列が細胞中で生 成されるかまたは細胞に投与されるのであるが、この治療法はAIB1遺伝子発現を 減少させ、それによって望ましくない細胞増殖、例えば、ステロイドホルモン応 答性癌細胞の増殖を阻害するのに用いることができる。アンチセンスポリヌクレ オチド、すなわち、AIB1遺伝子のコード配列に相補性であるアンチセンスポリヌ クレオチドは、その遺伝子が過剰発現される細胞に導入される。アンチセンスス トランド(RNAかDNAのいずれか)は、転写産物と結合できる形でその細胞に直接導 入することができる。あるいは、いったん標的細胞内にあると、適当なアンチセ ンスmRNAに転写されるDNA配列を含むベクターを投与してもよい。AIB1 DNAのコ ードストランドにハイブリダイズするアンチセンス核酸は、通常単一ストランド のmRNA転写産物と会合して翻訳を妨害することにより、AIB1遺伝子産物の産生を 減少し、または阻害することができる。 標準的なベクターおよび/または遺伝子デリバリーシステムを用い、DNAをベク ターと共に、またはベクターなしで、患者の標的細胞に導入する。適当な遺伝子 デリバリーシステムとしては、リポソーム、受容体媒介デリバリーシステム、無 修飾DNA、そして特に、ヘルペスウイルスやレトロウイルス、アデノウイルスの ようなウイルスベクターを挙げることができる。本発明のDNAは、薬学的に許容 される担体に入れて投与してもよい。薬学的に許容される担体は、動物へ投与す るのに適当な生物学的に共存できる担体、例えば、生理食塩水である。治療有効 量は、医学的に望ましい結果を患者にもたらすことができる本発明の核酸量であ る。医学分野で周知の通り、患者に対する用量は、患者のサイズ、体表面積、年 齢、投与される特定の化合物、性別、投与の時期と経路、一般的な健康、他の薬 が同時に投与されているかなど、多くのファクターに応じて変わる。用量は変化 するが、核酸静注投与の好ましい用量は、約106〜1022コピーの核酸分子である 。 最適な用量の決定は、通常の知識をもつ薬理学者であれば十分にその能力内で ある。実施例7.AIB1ノックアウトおよび過剰発現マウス変異体 AIB1の発現不足または過剰発現する変異体生物は研究に有用である。そのよう な変異体によって、健康および/または病理生物における生理学的および/または 病理学的なAIB1の役割を洞察することができる。これらの変異体は「遺伝子操作 された」といい、ヌクレオチドの形での情報が、本来なら存在しない位置もしく は組合せにおいて、変異体のゲノムに伝達されていることを意味する。この方法 で伝達されたヌクレオチドは「内因性でない」という。例えば、内因性AIB1遺伝 子の上流に挿入されたWAPプロモーターは内因性ではない。プラスミドに存在し 、マウス細胞に形質転換されたマウスAIB1遺伝子の余分なコピーは内因性ではな い。変異体は、AIB1を過剰発現するかまたはAIB1の発現不足であるか、またはAI B1を全く発現しない、マウスなどの哺乳動物から作ることができる。過剰発現変 異体は、生物のAIB1遺伝子数を増やすことによって、もしくは、マウス乳癌ウイ ルス(MMTV)プロモーター、乳清酸性タンパク質(WAP)プロモーター、メタロチオ ネインプロモーターのような、構成性プロモーター、誘導性プロモーターまたは ウイルスプロモーターの制御下でAIB1遺伝子を生物体に導入することによって作 ることができる。AIB1の発現不足変異体は、誘導性プロモーターもしくは抑制性 プロモーターを使って、またはAIB1遺伝子を欠失させて、またはAIB1遺伝子の機 能を破壊もしくは制限すること、例えば、トランスポゾンを挿入してその遺伝子 を破壊することにより作ってもよい。 アンチセンス遺伝子は、構成性もしくは誘導性プロモーターの下、AIB1発現を 減少させるか妨げる生物体に遺伝子操作を行ってもよい。遺伝子操作を行い、遺 伝子発現が無視できるレベルまで無くなっているか減少されている場合、遺伝子 は「機能的に欠失」されているという。変異体が変更されたかまたは機能的に欠 失されたものとして本明細書に言及されている場合、この言及は、AIB1遺伝子お よびこの遺伝子のオルソログを指し、例えば、「少なくとも1個のAIB1遺伝子が 機能的に欠失されているトランスジェニック動物」はAIB1遺伝子のマウスオルソ ログpCIPを包含する。変異体が遺伝子の「普通のコピー数より多い」コピー数を もつとして言及されている場合、これは、野生型生物、例えば、二倍体マウスも しくはヒトに見出される通常の遺伝子数を超えていることを示す。 AIB1を過剰発現する変異体マウスは、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター もしくは乳清酸性タンパク質(WAP)プロモーターのようなプロモーターで駆動さ れるAIB1遺伝子をもつプラスミドを構築することによって作ることができる。こ のプラスミドは、マイクロインジェクションによりマウス卵細胞に導入すること ができる。卵細胞を偽妊娠雌に移植し、トランスジーンの挿入について一腹仔の 測定を行う。トランスジーンを含む複数の株は研究に役立てることができる。 WAPは授乳中の乳腺発現に対して非常に特異的であり、MMTVは、乳腺、唾液腺 およびリンパ組織を含む種々の組織で発現される。例えば、メタロチオネインプ ロモーターなど、その他多くのプロモーターを用いて、多様な発現パターンを達 成するしてもよい。 テトラサイクリンのように、マウスに給餌する薬剤によって調節されるプロモ ーターがAIB1を駆動する誘導性の系を創りだしてもよい。そのような方法は当分 野に周知である。 AIB1(pCIPともいう)遺伝子が欠失している変異体ノックアウトマウスは、マウ ス肺幹細胞からAIB1遺伝子のコード領域を除去することによって作った。図5は 、pCIPのイントロン/エキソン構造を示す。この表を用いて、変異体をコード配 列に標的化して、非コード配列の欠失で生じるサイレント変異を回避することが できる(図6はヒトAIB1遺伝子のイントロン/エキソン構造を示す)。これらの細胞 をマウス胚にマイクロインジェクションしたところ、トランスジェニックマウス の生殖細胞系にマウスAIB1遺伝子の欠失が起こった。マウスAIB1遺伝子はマッピ ングし、以下の方法で分離した。プライマーAIB1/mEST F1(5'-TCCTTTTCCCAGCAGC AGTTTG-3':配列番号:10)およびAIB1/mEST R1(5'-ATGCCAGACATGGGCATGGG-3': 配列番号:11)を使用してマウスBacterial Artificial Chromosome(BAC)ラィブ ラリーのスクリーニングを行い、マウスBAC(195H10とする)を分離した。このBAC は、蛍光インサイチューハイブリッド形成法(FISH)により、マウスの染色体2に 割り当てられた。この領域はAIB1を有するヒト染色体20の部分のマウス等価物で ある。 この遺伝子構造をマッピングするため、標準的な方法(Genomics 1995 Jan 20; 25(2):501-506)を用いて、AIB1を含むヒトゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応に より、まずヒトAIB1遺伝子の構造を決定し、次いでイントロン-エキソン境界の 配列を決定した(図4)。この情報に基づいて、マウスBACの対応領域をシークエン シングした。マウス遺伝子の構造はヒト遺伝子のそれと密接に対応していた(図4 )。この情報によってマウスAIB1遺伝子のコード領域が局在化される結果、マウ ス胚幹細胞からこれらの領域を除く標的ベクターを構築することができる。そう すればこれらの細胞をマウス胚に注入することができ、トランスジェニックマウ スの生殖細胞系においてマウスAIB1遺伝子を欠失させることができる。標的ベク ター を用いて欠失変異を創る方法は、Cell(Thomas and Capecch,Cell51(3):503-512 ,1987)に記載されている。 本明細書に記載された参考文献および特許は参照として組み入れられる。 上記の実施例は例示のためだけに提供されるものであり、いかなる意味におい ても本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神また は原理から離れることなく種々の方法で本発明を変更することができる。そのよ うな変更すべてを以下の通り請求する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/08 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/53 D 1/68 33/577 B G01N 33/53 (C12P 21/08 33/577 C12R 1:91) //(C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:91) 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 メルツァー ポール アメリカ合衆国 メリーランド州 ロック ビル ブルーミングデール テラス 5906 (72)発明者 トレント ジェフリー エム. アメリカ合衆国 メリーランド州 ロック ビル フェアウッド コート 10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. AIB1ポリペプチドをコードする配列を含む実質的に純粋なDNA。 2. 前記ポリペプチドがヒトAIB1である請求項1記載のDNA。 3. 前記ポリペプチドが配列番号:4のアミノ酸配列を含む請求項1記載のDNA 。 4. 前記ポリペプチドが配列番号:2のアミノ酸配列を含む請求項1記載のDNA 。 5. 前記ポリペプチドが配列番号:3のアミノ酸配列を含む請求項1記載のDNA 。 6. 前記ポリペプチドが配列番号:8のアミノ酸配列を含む請求項1記載のDNA 。 7. 高いストリンジェンシーにおいて配列番号:1の配列をもつDNAまたはその 相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む実質的に純粋なDNA。 8. 配列番号:1に対して少なくとも50%の配列同一性をもつ塩基配列を含む実 質的に純粋なDNAであって、前記塩基配列がAIB1ポリペプチドの生物活性をもつ ポリペプチドをコードするDNA。 9. (a)配列番号:1の配列または(b)その縮重変異体を含む実質的に純粋なDNA 。 10.前記DNAがポリペプチド発現のための調節配列と機能的に結合されており 、前記調節配列がプロモーターを含む、請求項1記載のDNA。 11.請求項1記載のDNAを含む細胞。 12.実質的に純粋なヒトAIB1ポリペプチド。 13.前記ポリペプチドが配列番号:2、3、4または8のアミノ酸配列を含む請求 項12記載のポリペプチド。 14.候補化合物をAIB1ポリペプチドと接触させ、そして該化合物が前記ポリペ プチドと結合するかどうかを決定することを含む、エストロゲン受容体(ER)依存 性転写を阻害する候補化合物を同定する方法であって、前記化合物と前記ポリペ プチドとの結合が前記化合物がER依存性転写を阻害することを示す方法。 15.前記AIB1ポリペプチドがPer/Arnt/Sim(PAS)ドメインを含む、請求項14記 載の方法。 16.前記AIB1ポリペプチドが塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)ド メインを含む、請求項14記載の方法。 17.前記AIB1ポリペプチドがER相互作用ドメインを含む、請求項14記載の方法 。 18.候補化合物をAIB1ポリペプチドおよびERポリペプチドと接触させ、そして 、前記化合物が前記ERポリペプチドと前記AIB1ポリペプチドとの結合を妨げる能 力を決定することを含む、ER依存性転写を阻害する候補化合物の同定方法。 19.前記AIB1ポリペプチドがPASドメインを含む請求項18記載の方法。 20.前記AIB1ポリペプチドがbHLHドメインを含む請求項18記載の方法。 21.細胞においてAIB1ポリペプチドとERポリペプチドとの相互作用を阻害する 候補化合物のスクリーニング方法であって、 (a)リポーター遺伝子に連結されたGAL4結合部位を提供する段階; (b)(i)AIB1ポリペプチドまたは(ii)ERポリペプチドのいずれかに連結されたGA L4結合ドメインを提供する段階 (c)前記GAL4結合ドメインが前記AIB1ポリペプチドに連結されている場合はER ポリペプチドに結合され、または前記GAL4結合ドメインが前記ERポリペプチドに 連結されている場合はAIB1ポリペプチドに結合されているGAL4トランス活性化ド メインIIを提供する段階; (d)前記細胞を前記化合物と接触させる段階;そして、 (e)前記リポーター遺伝子の発現をモニターする段階 を含み、前記化合物の非存在下における発現に比べ、前記化合物存在下の発現が 減少する場合、その化合物はAIB1ポリペプチドと前記ERポリペプチドとの相互作 用を阻害することを示す、スクリーニング方法。 22.組織試料においてAIB1遺伝子発現レベルを測定することを含む組織試料中 の異常増殖細胞を検出する方法であって、正常な対照組織における遺伝子発現レ ベルと比べた場合の遺伝子発現レベルにおける増加が異常増殖細胞の存在を示す 方法。 23.前記異常増殖細胞がステロイドホルモン応答性癌細胞である、請求項21記 載の方法。 24.前記ステロイドホルモン応答性癌細胞が乳癌細胞である、請求項23記載の 方法。 25.前記ステロイドホルモン応答性癌細胞が卵巣癌細胞である、請求項23記載 の方法。 26.前記AIB1遺伝子発現がAIB1遺伝子特異的ポリヌクレオチドプローブを用い て測定される、請求項21記載の方法。 27.前記AIB1遺伝子発現がAIB1遺伝子産物に特異的な抗体を用いて測定される 、請求項21記載の方法。 28.組織試料におけるAIB1遺伝子の細胞コピー数を測定することを含む組織試 料中の乳癌を検出する方法であって、正常な対照組織におけるコピー数と比べた 場合のコピー数増加が乳癌の存在を示す方法。 29.前記組織における前記コピー数が2より大きい請求項28記載の方法。 30.前記組織における前記コピー数が10より大きい請求項29記載の方法。 31.前記組織における前記コピー数が20より大きい請求項30記載の方法。 32.哺乳動物にAIB1の発現を阻害する化合物を投与することを含む、哺乳動物 における癌細胞の増殖を減少させる方法。 33.前記化合物が前記細胞においてAIB1をコードするDNAの転写を減少させる 、請求項32記載の方法。 34.前記化合物が前記細胞においてAIB1mRNAからAIB1遺伝子産物への翻訳を減 少させる、請求項32記載の方法。 35.前記翻訳が、前記AIB1 mRNAを前記AIB1 mRNAに相補的なアンチセンスDNA と接触させることによって減少される、請求項34記載の方法。 36.AIB1ポリペプチドの有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の 乳房細胞においてER依存性転写を阻害する方法。 37.前記ポリペプチドがPASドメインを含む、請求項36記載の方法。 38.前記ポリペプチドがbHLHドメインを含む、請求項36記載の方法。 39.前記ポリペプチドがER相互作用ドメインを含む、請求項36記載の方法。 40.AIB1ポリペプチドのペプチド擬似体の有効量を哺乳動物に投与することを 含む、哺乳動物の癌細胞においてER依存性転写を阻害する方法。 41.特異的にAIB1と結合するモノクローナル抗体。 42.(a)患者由来の組織試料をタモキシフェンと接触させる段階、および (b)前記試料中のAIB1遺伝子発現レベルを測定する段階 を含むタモキシフェン感受性患者を同定する方法であって、正常な対照組織中の 発現レベルに比べた場合の発現レベルにおける増加が、前記患者はタモキシフェ ン感受性であることを示す方法。 43.前記AIB1遺伝子発現がAIB1遺伝子特異的ポリヌクレオチドプローブを用い て測定される、請求項42記載の方法。 44.前記AIB1遺伝子発現がAIB1遺伝子産物に特異的な抗体を用いて測定される 、請求項42記載の方法。 45.AIB1遺伝子の少なくとも1コピーが機能的に欠失されているトランスジェ ニック動物。 46.pCIP遺伝子の少なくとも1コピーが機能的に欠失されているトランスジェ ニックマウス。 47.アンチセンス法、トランスポゾン突然変異誘発、AIB1の非機能的造伝子相 同体との相同組換えからなる群より選択される方法を用いて、前記遺伝子の少な くとも1コピーが機能的に欠失されている、請求項45記載のトランスジェニック 動物。 48.前記AIB1遺伝子の正常なコピー数より大きい数をもつように遺伝子操作さ れたトランスジェニック動物。 49.前記AIB1遺伝子の少なくとも1コピーが前記動物の染色体外領域に導入さ れている、請求項48記載のトランスジェニック動物。 50.内因性でないプロモーターと機能的に結合された少なくとも1つのAIB1遺 伝子をもつトランスジェニック動物。 51.前記内因性でないプロモーターが、マウス乳癌ウイルスプロモーター、乳 清酸性タンパク質プロモーターおよびメタロチオネインプロモーターからなる群 より選択される、請求項50記載のトランスジェニック動物。 52.前記プロモーターからの転写が、誘導性であること、抑制性であること、 および構成性であることからなる群より選択される特性を有する、請求項50記載 のトランスジェニック動物。 53.AIB1と、ステロイド受容体および核コファクターからなる群より選択され る分子との相互作用を阻害する化合物を哺乳動物に投与することを含む癌細胞の 増殖を減少させる方法。 54.前記分子がp300およびCBPからなる群より選択される、請求項53記載の方 法。
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